JP2021032842A - 匂い識別プローブ用樹脂組成物、それを含む匂い識別センサー用検出器、検出器アレイ及び匂い識別センサー - Google Patents

匂い識別プローブ用樹脂組成物、それを含む匂い識別センサー用検出器、検出器アレイ及び匂い識別センサー Download PDF

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智信 石田
洋志 川崎
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洋志 川崎
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Kimiaki Nakamura
公昭 中村
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Abstract

【課題】本発明の匂い識別センサーは、従来のものに比べ、有機ポリマーに対して匂い成分が浸透した際に生じる混合物の電気抵抗の変化を変調させる有機ポリマーと界面活性剤と導電性物質の組み合わせを提供することで、匂いの識別性能を向上させることができるという効果を奏する。【解決手段】本発明は、樹脂(A)と、界面活性剤(B)と、導電性炭素材料(C)とを含む匂い識別プローブ用樹脂組成物(W)、それを含む匂い識別センサー用検出器(X)、2つ以上の前記検出器を有する匂い識別センサー用検出器アレイ(Y)、匂いを識別するためのシステムを備えた匂い識別センサー(Z)である。【選択図】 なし

Description

本発明は、匂い識別センサーに関する。
近年の情報処理技術の発達により、人間の五感のうち機械的な測定が十分に達成できていない嗅覚を何らかの方法で数値化することができれば、医療分野、環境・安全分野、マーケティング分野等の幅広い産業分野で利用可能であることが期待される。これまでに、特定の気体物質(ガス)を検出する方法は半導体ガスセンサーなどによって高精度・高感度の測定が実現されている。
特許文献1に記載の発明は、半導体ガスセンサーの半導体を導電性高分子に置き換えて導電性高分子表面への匂い成分の吸着を検出する仕組みを提案しており、熱分解しやすい匂い成分、及びセンサーの検出部表面で酸化還元反応を生じない物質の検出が可能になることを報告している。
また、特許文献2において、有機ポリマーと導電性物質の混合物の電気抵抗が有機ガスに曝露されることで変化する性質に着目し、上記混合物のうち有機ポリマーの組成が異なる有機ポリマー/導電性物質の組み合わせを複数調製し、これらを電気抵抗アレイとしてセンサーに用いると、同一の有機ガスに曝露された際の電気抵抗変化がそれぞれ異なることを利用して、電気抵抗変化のパターンと匂い(=有機ガスの混合物)の種類を帰属することによって匂いを識別できることが報告されている。
さらに、特許文献3において、上記の有機ポリマーに対して可塑剤を添加することでセンサーの応答速度が向上することが報告されている。
しかしながら、引用文献1では、検出部に匂いの成分を識別させる機能がないため、単体の化合物からなる匂いの検出は可能であるが、一方で多くの匂いは複数の物質の混合物あるため、半導体ガスセンサーでは匂い識別性能が十分でない。引用文献2では検出部に用いる導電性を示す高分子の化学構造の違いを利用して、それぞれの導電性高分子を介して検出部が示す種々の化合物に対する応答に違いを持たせることで混合物としての匂いを認識させることができることが示されている。しかしながら、導電性を示す高分子の化学構造は限られており、任意の匂い成分に対する検出部の応答を感度良く分離することが難しく、類似の成分からなる匂い同士を識別させることは難しい。引用文献3では有機ポリマーと可塑剤と導電性物質からなる混合物を検出材料として検出部に用いて匂い成分が有機ポリマー中に浸透することを上記混合物の電気抵抗変化として検出する方法を提案している。異なる組成の有機ポリマーを用いれば浸透する匂い成分が異なることを利用して異なる組成の有機ポリマーを含む上記の検出材料からなる検出部を複数並列して用いるアレイにすることで、混合物としての匂いを認識させることができる。しかしながら、上記の有機ポリマー及び可塑剤を含有する有機ポリマーでは、有機ポリマー/導電性物質の組み合わせを複数用意したとしても、有機ポリマー同士の化学的な性質の差が小さいため、匂いの識別性能は十分でない。そこで、有機ポリマー同士の化学的な性質の差を大きくするための方策が求められている。
特開平11−23508号公報 特表平11−503231号公報 特表2002−519633号公報
そこで本願発明は、有機ポリマーに対して匂い成分が浸透した際に生じる上記混合物の電気抵抗の変化を変調させることができる有機ポリマーと界面活性剤と導電性物質の組み合わせを提供することで、匂いの識別性能を向上させることを目的とする。
本発明は、樹脂(A)と、界面活性剤(B)と、導電性炭素材料(C)とを含む匂い識別プローブ用樹脂組成物(W)、それを含む匂い識別センサー用検出器(X)、2つ以上の前記検出器を有する匂い識別センサー用検出器アレイ(Y)、匂いを識別するためのシステムを備えた匂い識別センサー(Z)である。
本発明によれば、有機ポリマー/導電性物質について有機ガスとの親和性を制御できるため、上記の電気抵抗アレイの種類を増加させることができることで、匂いの識別性能を向上させることができる。したがって、本発明を用いることによって高性能な匂いセンサーを提供することができる。
本発明の匂い識別プローブ用樹脂組成物は、樹脂(A)と、界面活性剤(B)と、導電性炭素材料(C)とを含有する。
前記樹脂(A)としては、ポリアルキレンオキサイド(a1)、アクリル樹脂(a2)及びフッ素基含有樹脂(a3)が挙げられる。
本発明の匂い識別プローブ用樹脂組成物は、ポリアルキレンオキサイド(a1)と、界面活性剤(B)と、導電性炭素材料(C)とを含有することが好ましい。
本発明におけるポリアルキレンオキサイド(a1)は、炭素数2〜4であるアルキレンオキサイドの付加反応により得られ、一般式H(OA)nOHで表され、Aは炭素数2〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、重量平均分子量(Mw)が600以上200,000以下のものが好ましく、1000以上100,000以下のものがより好ましく、1500以上80,000以下のものが更に好ましい。また、重量平均分子量が1,000未満であると低粘度であることに由来して電気抵抗値の測定の繰り返し性が悪化するため好ましくない。
本発明におけるポリアルキレンオキサイド(a1)としては、ポリエチレングリコールが好ましく、例えば、一般式H(OCH−CH)nOHのポリエチレングリコールが挙げられ、ここでnは検出感度と測定の繰り返し安定性の観点からにより、好ましくは14〜4500であり、さらに好ましくは23〜2300である。例えば、「三洋化成工業(株)社製: PEG−1000、PEG−1500、PEG−1540、PEG−2000,PEG−4000S、PEG−6000P、PEG−10000、PEG−20000、PEG−20000P」等を用いることができ商業的に入手可能である。本発明に好適なポリエチレングリコールとしては、例えば、検出感度と測定の繰り返し安定性の観点から、重量平均分子量1000〜100,000であるポリエチレングリコールが好ましく、更に好ましくは重量平均分子量1500〜80,000であるポリエチレングリコールである。
前記(a1)の25℃におけるN−メチルピロリドンに対する溶解度は界面活性剤(B)と導電性炭素材料(C)との混合物の調製の観点で1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは3重量%以上であり、更に好ましくは5重量%以上である。
<重量平均分子量測定>
本発明における重量平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて下記の条件により測定を行った。カラム:G4000PWXL(東ソー(株)製)、G5000PWXL(東ソー(株)製)以上2本を直列に配した。移動相:20%アセトニトリル(50mM塩化リチウムを含む)流速:0.8ml/分、カラム温度:40℃ポンプ:L−6200((株)日立製作所製)検出器:L−3300(RI:示差屈折計、(株)日立製作所製)L−4200(UV−VIS:紫外可視吸光計、(株)日立製作所製)また、該分子量を算出するための検量線は、スタンダードポリエチレンオキサイド(TOSOH製、重量平均分子量が2.40×10、5.00×10、1.0×10、1.40×10、2.5×10、5.4×10の6種類)を用いて作成した。
本発明の匂い識別プローブ用樹脂組成物は、アクリル樹脂(a2)と、界面活性剤(B)と、導電性炭素材料(C)とを含有してもよい。
前記アクリル樹脂(a2)は、下記一般式(1)で表されるアルキル(メタ)アクリレートを構成単量体として含有する(共)重合体である。
Figure 2021032842
一般式(1)中、Rはメチル基又は水素原子を表す。mは、1〜32の整数である。一般式(1)で表される構成単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸テトラデシル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸ヘプタデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ノナデシル、アクリル酸イコシル、アクリル酸ヘンイコシル、アクリル酸ドコシル、アクリル酸トリイコシル、アクリル酸テトライコシル、アクリル酸ペンタイコシル、アクリル酸ヘキサイコシル、アクリル酸ヘプタイコシル、アクリル酸オクタイコシル、アクリル酸ノナイコシル、アクリル酸トリアコンチル、アクリル酸ウントリアコンチル、アクリル酸ドトリアコンチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸テトラデシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘプタデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ノナデシル、メタクリル酸イコシル、メタクリル酸ヘンイコシル、メタクリル酸ドコシル、メタクリル酸トリイコシル、メタクリル酸テトライコシル、メタクリル酸ペンタイコシル、メタクリル酸ヘキサイコシル、メタクリル酸ヘプタイコシル、メタクリル酸オクタイコシル、メタクリル酸ノナイコシル、メタクリル酸トリアコンチル、メタクリル酸ウントリアコンチル、メタクリル酸ドトリアコンチルが挙げられる。これらの構成単量体は1種類のみでも、2種類以上を併用してもよい。これらの構成単量体のうち、検出感度の観点でmが4〜18のものが好ましい。
上記の構成単量体と併せて、以下の窒素原子を含有する単量体を用いることもできる。アミド基を少なくとも1個含むビニル化合物が挙げられ、例としては、窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したもの;例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等、アミノアルキル基の窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びN−(N’,N’−ジ−n−ブチルアミノブチル)(メタ)アクリルアミド等;N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−又はイソプロピオン酸アミド及びN−ビニルヒドロキシアセトアミド等]、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、アミノ基を少なくとも1個含むビニル化合物が挙げられ、例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
さらに窒素原子を有する脂環式(メタ)アクリレート[N−ビニル−モルホリン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル等]、芳香族系単量体[N−(N’,N’−ジフェニルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルチオピロリドン等]及びこれらの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は低級アルキル(炭素数1〜8)モノカルボン酸(酢酸及びプロピオン酸等)塩等が挙げられる。
前記(a2)は、公知の製造方法によって得ることができる。具体的には、上記の単量体を溶剤中で重合触媒存在下に溶液重合することにより共重合体(a2)を得る方法が挙げられる。溶剤としては、トルエン、キシレン、炭素数9〜10のアルキルベンゼン、メチルエチルケトン及び鉱物油等が挙げられる。
重合触媒としては、アゾ系触媒(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)、過酸化物系触媒(ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等)及びレドックス系触媒(ベンゾイルパーオキサイドと3級アミンの混合物等)が挙げられる。更に必要により、公知の連鎖移動剤(炭素数2〜20のアルキルメルカプタン等)を使用することもできる。
重合温度は、工業化の観点から25〜140℃であることが好ましく、50〜120℃であることがより好ましい。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により窒素原子を含む基を有する共重合体を得ることができる。
前記(a2)の重量平均分子量は、測定の繰り返し安定性の観点で2000〜200,000が好ましく、より好ましくは4000〜200,000、更に好ましくは6000〜200,000である。
前記(a2)のN−メチルピロリドンに対する溶解度は界面活性剤(B)と導電性炭素材料(C)との混合物の調製の観点で1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは3重量%以上であること、更に好ましくは5重量%以上である。
本発明の匂い識別プローブ用樹脂組成物は、フッ素基含有樹脂(a3)と、界面活性剤(B)と、導電性炭素材料(C)とを含有してもよい。
前記フッ素基含有樹脂(a3)としては、例えばポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合物(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合物(ETFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)等が挙げられる。匂い識別性能の観点でPVDF、PTFE、PVDF、ETFEが好ましく、より好ましくはPVDF、FEP、PTFEさらに好ましくは、PVDFである。
上記の樹脂は市販されているものを利用可能である。例えば、PVDF、FEP及びPTFEとしては、シグマアルドリッチ社製、ETFEとしては旭硝子製(FuluonETFE)、PCTFEとしてはダイキン工業社製(ダイフロン)等が挙げられる。
前記(a3)のN−ビニルピロリドンに対する溶解度は界面活性剤(B)と導電性炭素材料(C)との混合物の調製の観点で1重量%以上であることが好ましく、より好ましくは3重量%以上であること、更に好ましくは5重量%以上である。
樹脂(A)に活性剤(B)を添加することで、樹脂中へのにおい成分の浸透性が変化する。本発明の匂い識別センサーはこの変化を識別するための情報として利用するため、本発明の樹脂組成物を用いると匂い識別性能が向上する。浸透性変化の挙動は活性剤のHLBに依存するため、適切なHLBの活性剤を選択して樹脂に添加するとにおいの識別性能を向上させることができる。
本発明における界面活性剤(B)としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が挙げられる。
前記界面活性剤(B)は、樹脂(A)としてポリアルキレンオキサイド(a1)又はアクリル樹脂(a2)と共に用いる場合は、匂い識別性能の観点から好ましくはイオン性官能基を有する界面活性剤である。イオン性官能基とは、例えば、カチオン性官能基、アニオン性官能基が挙げられる。
カチオン性官能基としては、例えば、アミノ基(−NR)の塩酸塩、イミノ基(>C=NH )、第4級アンモニウム基(−NR )、第4級ホスホニウム基(−PR )が挙げられる。アミノ基におけるRは、それぞれ独立に水素原子又は有機基である。有機基としては、例えば、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基が挙げられる。第4級アンモニウム基及び第4級ホスホニウム基におけるRは、それぞれ独立に有機基である。有機基としては、例えば、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基が挙げられる。上記アルキル基の炭素数は、通常1〜18、好ましくは1〜12である。上記アリール基の炭素数は、通常6〜18、好ましくは6〜12である。置換のアルキル基とは、アルキル基が有する1以上の水素原子を置換基に置き換えた基である。置換のアリール基とは、アリール基が有する1以上の水素原子を置換基に置き換えた基である。置換基としては、例えば、水酸基が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化デシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。
これらの中で、匂い識別性能の観点で好ましくは塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムである。
アニオン性官能基としては、例えば、カルボン酸基(−CO )、スルホン酸基(−SO )及び硫酸基(−OSO )等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えばオクタン酸ナトリウム、デカン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、パーフルオロオクタン酸ナトリウム、パーフルオロノナン酸ナトリウム、1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム、1−オクタンスルホン酸ナトリウム、1−デカンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの中で、匂い識別性能の観点で好ましくはパルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
両性界面活性剤としては、例えば無水ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン等が挙げられる。
これらの中で、匂い識別性能の観点で好ましくは無水ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタインである。
本発明における界面活性剤(B)のHLB値は、樹脂(A)としてポリアルキレンオキサイド(a1)を用いる場合は、匂い識別性能の観点により好ましくは6〜20であり、より好ましくは8〜20、更に好ましくは12〜20である。樹脂(A)としてアクリル樹脂(a2)又はフッ素基含有樹脂(a3)を用いる場合は匂い識別性能の観点から、好ましくは6〜20であり、より好ましくは8〜18、更に好ましくは10〜18である。
HLB値はグリフィンの方法による下記の式から算出される値である。
HLB値=(親水部の式量の総和/分子量)×20
本発明における界面活性剤(B)として、用いることができるノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンウンデシルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンペンタデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘプタデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル、ポリオキシエチレンノナデシルエーテル等が挙げられる。
これらの中で、匂い識別性能の観点好ましくは、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンウンデシルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンペンタデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテルが好ましく、より好ましくは、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンウンデシルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテルが挙げられる。
前記樹脂(A)と前記界面活性剤(B)との重量比[(A)/(B)]は、匂い識別性能の観点により、好ましくは50/50〜80/20であり、より好ましくは50/50〜70/30、更に好ましくは50/50〜60/40である。
前記樹脂(A)と前記界面活性剤(B)とは相溶していても相溶していなくても良い。
本発明における導電性炭素材料(C)とは、体積固有抵抗が0.1Ω・cm以下の炭素材料であり、樹脂中に充填することにより高い導電性を付与し、樹脂の表面抵抗を大幅に低下させるものであり、ファーネスブラック及びアセチレンブラック等が好ましく用いられる。ファーネスブラックの市販品として、ケッチェンブラックEC(オランダ・アクゾ社製商品名)、シーストG116、116(東海カーボン社製商品名)、ニテロン#10(新日鉄化学(株)社製商品名)等がある。アセチレンブラックの市販品として、デンカブラック(電気化学工業(株)社製商品名)等がある。
前記導電性炭素材料(C)として、繊維状又は球状を用いることができる。
繊維状である場合、繊維径は0.1〜10μmが好ましく、更に好ましくは0.1〜5μmである。繊維長は0.1〜10μmが好ましく、更に好ましくは1〜10μmである。
球状である場合、1次粒子径が10nm〜200nmが好ましく、更に好ましくは20nm〜150nmである。また、樹脂中での導電性の観点でDEP吸油量が100〜700mL/100gが好ましく、更に好ましくは100〜600mL/100gが好ましい。
前記(C)の前記樹脂組成物の全体重量に対する重量割合(%)は、検出感度の観点で2〜50であることが好ましく、より好ましくは2〜40であり、更に好ましくは2〜30である。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、次の方法で得られる。樹脂(A)と界面活性剤(B)と導電性炭素材料(C)及び、溶媒とを混合して、撹拌機で均一に混練する。次いで超音波分散装置を用いて導電性炭素材料(C)を分散させたのち、震盪機を用いて震盪させることでスラリーが得られる。これを2本一組の金属配線の隙間に塗工した後、加熱乾燥させて得られる乾固物が樹脂組成物である。
本発明の樹脂組成物の製造方法において用いられる上記の溶媒としては、乾燥によって除去できる媒体であれば特に限定されないが、例えば、好ましくはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、酢酸エチレン、水、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記製造方法によって得られた樹脂組成物は、検出感度の観点から体積抵抗率が0.01Ω・cm〜100Ω・cmであることが好ましく、更に好ましくは、0.1Ω・cm〜50Ω・cmである。また、乾固後に得られた樹脂組成物は、測定の繰り返し安定性の観点から光学顕微鏡にて100倍に拡大してひび割れがないこと、塗膜の鉛筆硬度が5B〜10Hであることが好ましい。
本発明における検出器は、ガラスエポキシ等の電子回路に一般的に用いられる基板の上に、銅、金などで金属配線を2本一組で形成したものの隙間に上記の方法で調製・塗工した樹脂組成物が充填されたものを指す。金属配線は太さ10μm〜2mmが好ましく、更に好ましくは10μm〜1mmであり、高さが1μm〜100μmが好ましく、更に好ましくは10μm〜50μmであり、一組の金属配線の間隔は1μm〜1mmが好ましく、更に好ましくは1μm〜100μmであり、長さは10μm〜50mmが好ましく、更に好ましくは10μm〜30mmである。
検出器アレイは上記の検出器を同一平面上に2つ以上配置したものを指す。検出器同士の間隔は10μm〜10mmで設置できる。
本発明の匂い識別センサーとは、事前に学習させた複数の匂いと実際に検出器で検知した匂いとを比較して、検知した匂いが学習結果のどの匂いに該当するかを判定(識別)することができる装置である。
本発明の匂い識別センサーは、検出器アレイ上の各検出器の電気抵抗を測定し、出力したデータを機械学習させることにより匂い識別対象物質の匂いを識別するためのシステムを備える。前記匂い識別センサーは、検体を導入する導入口と検体が均一に広がるようエアフロー作るためのファンを備えた筐体内に上記の検出器アレイを設置し、各検出器に対して検出器の端子を外部への取り出すためのリード線をはんだ付けしたセンサー部と、筐体外部に取り出したリード線の末端に1mAの定電流電源と、リード線の両端子にかかる電圧を測定するための電圧計と、電圧計の測定値を記録するためのコンピューターで構成される。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1 <匂い識別プローブ用スラリー作製>
(共)重合物としてPEG−20000(三洋化成工業製)41.7部、界面活性剤としてエマルミン110(三洋化成工業製)8.3部、溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン、東京化成工業製)1900部をポリプロピレン製容器内に入れた。これを撹拌機を用いて均一に溶解させた後、導電性物質としてカーボンブラック(Super C65、TIMCAL製)を加えて、超音波分散装置を用いて30秒間撹拌し、次いで震盪機を用いて15分間震盪することによって匂い識別プローブ用スラリー(D−1)を得た。
製造例2〜36
実施例1と同様の方法で、(共)重合物、界面活性剤とそれぞれ対応する重量部を表1に記載の組成で匂い識別プローブ用スラリー(D−2)〜(D−36)を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、無水ベタインは東京化成工業製、エマルミン110、レボンTM−16は三洋化成工業製のものを用いた。
製造例37 <(メタ)アクリル酸エステル(共)重合物の作製>
温度調節装置、バキューム攪拌翼、窒素流入口及び流出口を備えた反応容器に、撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、反応溶媒である酢酸エチルを加え、デシルメタクリレートを1重量部、デドシルメタクリレートを50重量部、テトラデシルメタクリレートを20重量部、オクタデシルメタクリレートを13重量部、メチルメタクリレートを13.3重量部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートを0.5重量部、N−ビニルピロリドンを2.2重量部加え、続いて重合触媒として2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.13重量部を投入し、窒素置換(気相酸素濃度:100ppm以下)を行った後、密閉下、撹拌しながら76℃に昇温し、同温度で4時間重合反応を行った。120〜130℃に昇温後、30分撹拌して固形分濃度50重量%の共重合体(A−1)を得た。得られた共重合体(A−1)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、以下の条件で測定した結果、29万であった。
<Mwの測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:200μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 : 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
製造例37 <匂い識別プローブ用スラリー作製>
(共)重合物として(共)重合物(A−1)40部、界面活性剤としてエマルミン110(三洋化成工業製)10部、溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン、東京化成工業製)1900部をポリプロピレン製容器内に入れた。これを撹拌機を用いて均一に溶解させた後、導電性物質としてカーボンブラック(Super C65、TIMCAL製)50部を加えて、超音波分散装置を用いて30秒間撹拌し、次いで震盪機を用いて15分間震盪することによって匂い識別プローブ用スラリー(D−37)を得た。
製造例38〜72
実施例37と同様の方法で、(共)重合物、界面活性剤とそれぞれ対応する重量部を表1に記載の組成で匂い識別プローブ用スラリー(D−38)〜(D−72)を得た。なお、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、無水ベタインは東京化成工業製、エマルミン110、レボンTM−16は三洋化成工業製のものを用いた。
製造例73
<匂い識別プローブ用スラリー作製>
フッ素含有樹脂としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(ソルベイ製)40部、界面活性剤としてエマルミン110(三洋化成工業製)10部、溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン、東京化成工業製)1900部をポリプロピレン製容器内に入れた。これを撹拌機を用いて均一に溶解させた後、導電性物質としてカーボンブラック(Super C65、TIMCAL製)50部を加えて、超音波分散装置を用いて30秒間撹拌し、次いで震盪機を用いて15分間震盪することによって匂い識別プローブ用スラリー(D−73)を得た。
製造例74〜108
実施例73と同様の方法で、(共)重合物、界面活性剤とそれぞれ対応する重量部を表1に記載の組成で匂い識別プローブ用スラリー(D−74)〜(D−108)を得た。なお、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、無水ベタインは東京化成工業製、レボンTM−16は三洋化成工業製のものを用いた。
比較製造例1〜3
製造例2と同様の方法で、特表2002−519633に記載の匂い識別センサー用検出材料と同様の材料を調製した。(共)重合物、界面活性剤とそれぞれ対応する重量部を表1に記載の組成で比較用匂い識別プローブ用スラリー(D’−1)〜(D’−3)を得た。なお、PVC(ポリビニルクロリド、アルドリッチ製)、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)は三菱ケミカル製、フタル酸ジプロピレングリコールはアルドリッチ製、リン酸トリクレジルは東京化成工業製のものを用いた。
表1に(D−1)〜(D−36)の配合組成を記載する。
表2に(D−37)〜(D−72)の配合組成を記載する。
表3に(D−73)〜(D−108)の配合組成を記載する。
表4に(D‘−1)〜(D’−3)の配合組成を記載する。
Figure 2021032842
Figure 2021032842
Figure 2021032842
Figure 2021032842
実施例1〜108及び比較例1〜3 <匂い識別センサー用検出器の作製>
間隙幅500μmのシール基板(ICB−073、サンハヤト製)を金属線が2本1組となるように切り出して、さらに長さが3.5cmとなるように切断した(以降、配線という)。切り取った配線をガラス板の上に金属線が上になるよう両面テープで張り付け、金属線の露出部分の長さが3.0cmとなるように、余分な部分にビニールテープを貼り付けてマスクした。ついで、匂い識別プローブ用スラリー(D−1)〜(D−108)及び、比較用匂い識別プローブ用スラリー(D’−1)〜(D’−3)をそれぞれバーコーター(No.4)を用いて配線の露出部に塗工した。塗工後、100℃に加熱した循風乾燥機で3時間乾燥させて、冷却後ガラス板から塗工済みの配線を剥がして、匂い識別プローブ用樹脂組成物が付着した検出器(E−1)〜(E−108)及び比較用匂い識別センサー用検出器(E’−1)〜(E’−3)を得た(表5)。
Figure 2021032842
<匂い識別センサーシステムによる検出材料の評価>
<システムの構成>
検体を導入する導入口と検体が均一に広がるようエアフロー作るためのファンを備えた筐体を作成し、検出器の端子を外部への取り出すためのリード線をはんだ付けした匂い識別センサー用検出器(E−1)〜(E−108)及び比較用匂い識別センサー用検出器(E’−1)〜(E’−3)のうち、評価対象の検出器を筐体内に設置する。
筐体外部に取り出したリード線の末端に1mAの定電流電源と、リード線の両端子にかかる電圧を測定するための電圧計を取りつけ、電圧計の測定値をコンピューターで記録した。
<測定方法>
筐体内の検体上記の濃度が200ppmとなるように濾紙に検体を浸漬させ、検体導入口から挿入した。挿入後すぐに測定を開始し、測定開始から5秒後に再びファンを5秒間回転させ、筐体内の蒸気を外部に排出させながら5秒間測定を行った。なお、電圧の測定は0.1秒間隔で実施した。また、測定は同じ条件につき、30回繰り返し行った。
検体としては、ヘキサンと酢酸エチルを用いた。
<評価方法>
得られたデータは、各時間で測定された電圧と定電流電源から供給される電流値1mAを用いて、オーム法則から電気抵抗Rを算出した。検体導入前の抵抗Rを予め測定しておき、ΔR=R/Rを算出した。
ΔRの値を用いて各々の検体に対する検出器の応答性は、Fisher線形判別法を使用して分析した。この方法は、用いた検出器(単一で用いても2つ以上の検出器を用いても良い)による検体の識別能力の尺度(以下、識別ファクターという)を得ることができる。なお、識別ファクターは数値が大きいほど、良好に識別できることを示す。識別ファクターが比較例から0.5以上増加すれば識別性が改善したものとする。
実施例109〜228及び比較例4〜7
表6及び7に記載の検出器を用いてセンサーシステム(F−1)〜(F−120)及び比較用センサーシステム(F’−1)〜(F’−4)を作製した。上記の方法で識別ファクターを求め、各センサーシステムの識別ファクターを同じ表内に記載した。
実施例109〜144、149〜184、189〜224と比較例4〜6をそれぞれ比較すると、いずれも識別ファクターが0.5以上改善してることから、識別性が改善したといえる。また、実施例145〜148、185〜188、225〜228と比較例7をそれぞれ比較すると、いずれも識別ファクターが0.5以上改善してることから、識別性が改善したといえる。
いずれのシステム匂いても識別ファクターが比較例よりも大きいことから、本発明の匂い識別プローブ用樹脂組成物は匂い識別能に優れているといえる。
Figure 2021032842
Figure 2021032842
本発明は、医療用、ガス検知用及びその他工業や生活に用いられる匂い識別センサーとして有用である。

Claims (12)

  1. 樹脂(A)と、界面活性剤(B)と、導電性炭素材料(C)とを含む匂い識別プローブ用樹脂組成物(W)。
  2. 前記(A)がポリアルキレンオキサイド(a1)であり、前記(B)のHLBが8〜18である請求項1に記載の匂い識別プローブ用樹脂組成物。
  3. 前記(A)がアクリル樹脂(a2)であり、前記(B)のHLBが3〜14である請求項1に記載の匂い識別プローブ用樹脂組成物。
  4. 前記(A)がフッ素基含有樹脂(a3)であり、前記(B)のHLBが3〜14である請求項1に記載の匂い識別プローブ用樹脂組成物。
  5. 前記ポリアルキレンオキサイド(a1)がポリエチレングリコールである請求項2に記載の匂い識別プローブ用樹脂組成物。
  6. 前記アクリル樹脂(a2)が下記一般式(1)で表されるアルキル(メタ)アクリレートを構成単量体として含有する(共)重合体である請求項3に記載の匂い識別プローブ用樹脂組成物。
    Figure 2021032842

    [一般式(1)中、Rはメチル基又は水素原子を表す。mは、1〜32の整数である。]
  7. 前記フッ素基含有樹脂(a3)が、ポリフッ化ビニリデンである請求項4に記載の匂い識別プローブ用樹脂組成物。
  8. 前記(A)と前記(B)との重量比[(A)/(B)]が50/50〜80/20である請求項1〜7のいずれか記載の匂い識別プローブ用樹脂組成物。
  9. 前記(C)の前記樹脂組成物の全体重量に対する重量割合が2〜50%である請求項1〜8いずれかに記載の匂い識別プローブ用樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9いずれかに記載の匂い識別プローブ用樹脂組成物を含む匂い識別センサー用検出器(X)。
  11. 請求項10に記載の検出器を2つ以上有する匂い識別センサー用検出器アレイ(Y)。
  12. 請求項11に記載の検出器アレイ上の各検出器の電気抵抗を測定し、出力したデータを機械学習させることにより匂い識別対象物質の匂いを識別するためのシステムを備えた匂い識別センサー(Z)。

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