JP2021032228A - 燃料通路構造 - Google Patents
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Abstract
Description
(燃料供給装置1)
第1の実施形態を、図1乃至図5を用いて説明する。本実施形態の燃料供給装置1は、自動車等の車両に搭載されるものであり、燃料タンク内の液体燃料を燃料タンクの外部すなわち内燃機関(エンジン)へ供給するものである。座標系には、右手系の直交座標を採用し、図1における左右方向をX軸に、前後方向をY軸に、上下方向をZ軸にそれぞれ対応づける。燃料供給装置1の上下方向は、車両の燃料タンクに搭載された状態での重力方向いわゆる天地方向に対応する。なお、左右方向、前後方向は車両に搭載された際の方向とは必ずしも一致しない。
図1に示すように、蓋部3の主体である蓋部材10は円板状に形成されている。蓋部3は、例えばポリアセタール樹脂(POM)からなる樹脂製である。蓋部材10には、ブリーザパイプ12、燃料吐出ポート14、電気コネクタ部18が形成されている。ブリーザパイプ12は、蓋部材10の前端部を上下方向に貫通する管状に形成されている。ブリーザパイプ12の上端部は左方に向けて屈曲されている。給油時において、ブリーザパイプ12の下面開口部が燃料の液面により完全に塞がれると、燃料タンクの内圧が上昇し、これによって給油が停止される。燃料吐出ポート14は、蓋部材10の左端部を上下方向に貫通する管状に形成されている。燃料吐出ポート14の上端部は後方に向けて屈曲されている。燃料吐出ポート14の、上端は、図示しない接続管によって内燃機関のインジェクタに連通している。電気コネクタ部18は、蓋部材の右端部に配置されており、燃料タンク内外の電気配線の接続に用いられる。
図2に示すように、連結機構7は、蓋部材10(図1参照)の後端部より下方に向かって延在する筒状部20と、その上端が筒状部20内に挿入されかつ下端が後述する、ポンプユニット5のサブタンク本体36の後端に形成された開口に挿入される柱状部22を有する。柱状部22は、例えば、周知のスナップフィット機構により筒状部20及びサブタンク本体36と、それぞれ連結している。筒状部20内部には図示しないコイルスプリングが配設されており、柱状部22を下方に付勢する。この付勢力によりポンプユニット5は燃料タンクの底壁に対して押し付けられる。
図2に示すように、ポンプユニット5は、サブタンク24、燃料ポンプ26、プレッシャレギュレータ28及びジェットポンプ30を備えている。また、図1に示すように、ポンプユニット5はセンダゲージ32を備えている(図2では省略した)。図3に良く示すように、サブタンク24は、サブタンク本体36、ロアカバー38及びサブタンク本体36とロアカバー38の間に配設される、燃料フィルタ40を備えている。
サブタンク本体36の構造を、図2及び図3を参照して説明する。サブタンク本体36は、タンク形成部42、燃料ポンプケース部44、分岐通路部46、レギュレータケース部48及びジェットポンプケース部50(図2にのみ示す)を有する。サブタンク本体36は、例えばポリアセタール樹脂(POM)からなる樹脂製である。
タンク形成部42は、上面を閉鎖する略円筒状に形成されている。燃料ポンプケース部44は、有天円筒形状を有しており、タンク形成部42の上面部からその一部が突出し、残りの部分はタンク形成部42の内部に収容されるよう、タンク形成部42と一体に形成されている。
図3に良く示すように、レギュレータケース部48は、下面を開口する有天円筒状に形成されている。レギュレータケース部48は、タンク形成部42と一体に形成されており、その大部分はタンク形成部42の内部に収容されており、側壁の上端のわずかな部分と上面のみが、タンク形成部42の上面から上方へと突出している。
図2に示すように、分岐通路部46は、扁平な筒状に形成されている。図3に示すように、分岐通路部46は、燃料ポンプケース部44及びレギュレータケース部48と一体に形成されている。すなわち、その右部は燃料ポンプケース部44の上面から突出しており、左部はレギュレータケース部48の上面から突出している。図2に良く示すように、分岐通路部46の上面開口は、蓋部材52により閉塞されている。図4に示すように、分岐通路部46及び蓋部材52の内部には、上下方向に延在する第1縦通路54、第1縦通路54部の上端から左方へと延在する横通路55、及び横通路55の左端から下方へと延在する第2縦通路56が画定されている。第1縦通路54の下端は燃料ポンプケース部44の内部と連通している。分岐通路部46は、第1縦通路54において、他の部分よりもくびれた弁穴部と弁穴部から上方に向かって内径が拡張する傾斜部とにより形成される弁座57を有する。弁座57よりも上方の、第1縦通路54の内壁には、内方に向かって突出し上下方向に延びる複数(図4では3個を示す)のリブ58が形成されている。第1縦通路54には、コイルスプリング60と、コイルスプリング60の下端に固定された弁体62が配設されている。
図2に示すように、ジェットポンプケース部50の大部分は、タンク形成部42の内部に、タンク形成部42と一体に形成されている。より詳細には、サブタンク本体36の上面前方が周辺よりも一段低い凹部に形成され、凹部の底面から下方に向かって、それぞれ後述するジェットポンプ30の吸入管90と吐出管92が嵌合される燃料通路72、74が形成されている。吸入管90が嵌合される燃料通路72は、L字状に形成されており、タンク形成部42の下端において、前方に突出している。燃料通路72のタンク形成部42前方に突出した端部は、図示しない接続管の一端に接続されている。この接続管の他端は、2個の分室の他方に連通している。一方、吐出管92が嵌合される燃料通路74の下端は、タンク形成部42と、燃料フィルタ40とにより画定される燃料貯留空間84(詳細は後述)の下方にて、開口している。
図3に良く示すロアカバー38は、格子板状(図示略)の底板部を有する円形浅皿状に形成されている。ロアカバー38は、タンク形成部42の底部に対してその下面開口部を覆うようにスナップフィット等の固定手段により取り付けられている。ロアカバー38は樹脂製である。
燃料フィルタ40は、フィルタ部材80と接続部材82とを有する。燃料フィルタ40の主体であるフィルタ部材80は、樹脂製の不織布からなる濾材により中空袋状に形成されてなる。フィルタ部材80の外形は略円盤状に形成されている。フィルタ部材80内には、フィルタ部材80の内部容積を確保する内骨部材が配置されている。接続部材82は、フィルタ部材80の上面部に配置されている。接続部材82は、フィルタ部材80内外を連通するように内骨部材と結合されている。接続部材82及び内骨部材は樹脂製である。
燃料ポンプ26は、略円柱状の電動式燃料ポンプからなる。図3に示すように、燃料ポンプ26の燃料吸入口には、接続部材82を介してフィルタ部材80の内部空間が連通されている。燃料ポンプ26の燃料吐出口には、燃料ポンプケース部44の内部空間が連通されている。燃料ポンプ26は、図2の矢印S1で模式的に示すように、サブタンク24の燃料貯留空間84に貯留された燃料を吸入しかつ加圧した後、燃料吐出口から燃料ポンプケース部44の内部空間に吐出する。なお、上述したように、燃料ポンプケース部44の内部空間は、第1縦通路54(図3参照)と連通している。フィルタ部材80は、燃料ポンプ26に吸入される燃料を濾過する。図1に示すように、燃料ポンプ26の電気コネクタ部86と蓋部3の電気コネクタ部18とは、電気配線を介して電気的に接続されている。
図3に示すように、プレッシャレギュレータ28は、レギュレータケース部48内に下方から挿入されている。プレッシャレギュレータ28は、分岐通路部46内部及び分岐通路部46の内部と連通するレギュレータケース部48内部の圧力、すなわち燃料ポンプ26から吐出された燃料の圧力を所定の圧力に調整し、余剰燃料を余剰燃料排出口88から吐出する。このときの燃料の流れを、図2中の矢印S3によって模式的に示す。余剰燃料排出口88から吐出された加圧燃料は燃料貯留空間84へと排出される。
ジェットポンプ30は、吸入管90、吐出管92及び吸入管90と吐出管92を接続する接続管94を備える。吸入管90は燃料通路72に、吐出管92は燃料通路74に嵌合されている。上述したように、吐出管92の上端には、流入ポート96が形成されており、管部材66を介して第1分岐ポート64と連通している。矢印S4が示すように、流入ポート96から流入した燃料は吐出管92、燃料通路74を通り、燃料貯留空間84へと吐出される。この際、接続管94を介して吸入管90中の空気が吐出管92、燃料通路74、そして燃料貯留空間84に向かって引き込まれることにより、吸入管90の接続管94近傍の部位にて負圧が発生する。この負圧により、矢印S5が示すように、燃料タンクの他方の分室内の燃料が引き込まれ、燃料通路72、吸入管90、接続管94、吐出管92、燃料通路74を流れ、燃料貯留空間84へと貯留される。
図1に示す、センダゲージ32は、その本体であるゲージ本体98が、サブタンク本体36のタンク形成部42の左側面に取り付けられている。ゲージ本体98の電気コネクタ部100と蓋部3の電気コネクタ部18とは電気配線を介して電気的に接続されている。センダゲージ32は、燃料タンク内の燃料の残量すなわち液面の位置を検出する液面検出装置である。
次に、燃料供給装置1における燃料の流れを、図2を参照して説明する。まず、燃料貯留空間84内に貯留された燃料は、矢印S1によって示すように、燃料ポンプ26によって加圧され、燃料ポンプケース部44の内部空間へと吐出され、次いで燃料ポンプケース部44と連通している分岐通路部46の内部へと流入する。流入した燃料の大部分は、図4にて説明した第1縦通路54、横通路55、第2縦通路56の順に分岐通路部46内部を流れる。この際、分岐通路部46に流入した燃料の圧力により、弁体62が弁座57から上昇し、弁体62により閉塞されていた第1縦通路54が開放される。再び、図2に戻り、燃料は、矢印S2によって示すように、第2分岐ポート68、管部材70、燃料吐出ポート14を流れ、内燃機関のインジェクタへと向かう。そして、余剰の燃料は、矢印S3によって示すように、プレッシャレギュレータ28によって余剰燃料排出口88から燃料貯留空間84内へと排出される。これによって、分岐通路部46内部の圧力が調圧される。また、燃料ポンプケース部44の内部空間へと吐出され、次いで燃料ポンプケース部44と連通している分岐通路部46の内部へと流入した燃料の一部は、矢印S4によって示すように、燃料貯留空間84内に排出される。すなわち、管部材66、流入ポート96を介してジェットポンプ30の吐出管92、燃料通路74を流れて燃料貯留空間84内に排出される。そして、この燃料の流れによって生じる負圧によって、燃料タンクの他方の分室内の燃料が、矢印S5によって示すように、燃料通路72、吸入管90、接続管94、吐出管92、燃料通路74を流れて燃料貯留空間84内に吐出される。
蓋部材52の形状について、説明する。図4及び図5に示すように、蓋部材52は略矩形形状の一組の短辺のうち一方から一部を切り欠かれた円が連続した形状の平板部102、平板部102の下面の周縁を下方に向かって延在する周壁部104、平板部102の右側面上端から右方へ突出する突出部106、平板部102の略円形部分の下面から下方に突出した円環状の第1スプリング受け部108、及び第1スプリング受け部108の左端部から連続して左方へと延在する平板状のリブである第2スプリング受け部110を有する。第1スプリング受け部108、第2スプリング受け部110の下面は、水平方向に延びており、高さがそろっている。図4に示すように、蓋部材52が分岐通路部46の上面開口を閉塞する際、第1スプリング受け部108は、第1縦通路54に配設されているコイルスプリング60、弁体62と対向するよう、すなわち左右前後方向の位置を揃えて配置される。
コイルスプリング60の形状は上方部位が大径に形成され、下方部位が小径に形成されており、大径部位と小径部位が連続一体に形成されている。そして、大径に形成された部位がリブ58の内径に遊嵌するよう配設され、小径に形成された部位が弁体62の軸部に嵌合して配設される。なお、コイルスプリング60の自由状態の長さは、弁体62が弁座57に着座した状態において、弁体62と第1スプリング受け部108との間の間隔より短い長さとされている。すなわち、弁体62と第1スプリング受け部108は、所謂、遊びを持った配設とされている。
上述したように燃料が第1縦通路54から横通路55に向かって流れ、弁体62が弁座57から離隔し上方へ移動した際、コイルスプリング60は、コイルスプリング60と対向する第1スプリング受け部108へ当接することが意図されている。しかしながら、燃料の流量が多い場合には、コイルスプリング60が第1縦通路54の上端において燃料の流れの下流方向、すなわち第2縦通路56に向かって横通路55を移動しようとする虞がある。本実施形態では、蓋部材52には、第1スプリング受け部108に加えて、第2スプリング受け部110が形成されている。そのため、コイルスプリング60が横通路55を燃料の流れ方向下流に向かって移動したとしても、コイルスプリング60の上端は第2スプリング受け部110の下面に当接し、それ以上流れ方向下流へ移動することが規制される。仮に、蓋部材52に第2スプリング受け部110が形成されていない場合には、例えば、コイルスプリング60の上端が、横通路55の内径が狭く形成されている箇所等にひっかかってしまい、その後、分岐通路部46内の流量が低下しても、弁体62が弁座57に着座できなくなるということもあり得る。本実施形態では、第2スプリング受け部110が横通路55に設けられているので、サブタンク本体36の構造を複雑にすることなく、コイルスプリング60が横通路55に入り込むことを規制することができる。
次に、図6及び図7により第2の実施形態を説明する。第2の実施形態の燃料供給装置は、蓋部材52に代えて蓋部材252が使用されること以外は、第1の実施形態の燃料供給装置1と同一の構成を有する。そのため、蓋部材252についてのみ説明を行い、他の部分の説明は省略する。図6及び図7に示すように、蓋部材252は平板部102、周壁部104、突出部106、第1スプリング受け部108、及び第1スプリング受け部108の左方に隙間を隔てて位置する平板状のリブである第2スプリング受け部210を有する。第1スプリング受け部108、第2スプリング受け部210の下面は、それぞれ水平方向に沿って延びており、高さがそろっている。
第2の実施形態においても、第2スプリング受け部210が横通路55に設けられているので、サブタンク本体36の構造を複雑にすることなく、コイルスプリング60が第2スプリング受け部110よりも更に流れ方向下流へ移動することを規制することができる。
次に、図8により第3の実施形態を説明する。第3の実施形態の燃料供給装置は、蓋部材52に代えて蓋部材352が使用されること以外は、第1の実施形態の燃料供給装置1と同一の構成を有する。そのため、蓋部材352についてのみ説明を行い、他の部分の説明は省略する。図8に示すように、蓋部材352は平板部102、周壁部104、突出部106、第1スプリング受け部308、第1スプリング受け部308及び第1スプリング受け部308の左端部から連続して左方へと延在する平板状のリブである第2スプリング受け部310を有する。第1スプリング受け部308の下面と第2スプリング受け部310の下面は連続している。さらに、第1スプリング受け部308の下面の左端部と第2スプリング受け部110の下面全体は、左方に向かって徐々に下方に向かって突出するよう傾斜している。
第3の実施形態では、第1スプリング受け部308の第2スプリング受け部310と接続する端部の下面と、第2スプリング受け部310の下面が、横方向において第1スプリング受け部308から離れるにつれて、下方に向かって突出している。これにより、より確実に、第2スプリング受け部110の下面に弾性部材を当接させることができる。ひいては、コイルスプリング60の第2スプリング受け部110より流れ方向下流への移動を規制することができる。
本明細書に開示の燃料通路構造が適用される燃料供給装置1は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その他の形態に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、タンク室が分割された二室からなる所謂鞍型の燃料タンクに搭載される場合の燃料供給装置1であったが、タンク室が一室からなる燃料タンクの場合であってもよい。
52,252,352 蓋部材
54 第1縦通路(縦通路部)
55 横通路(横通路部)
60 コイルスプリング(弾性部材)
62 弁体
108 第1スプリング受け部(第1弾性部材受け部)
110,210,310 第2スプリング受け部(第2弾性部材受け部)
Claims (8)
- 燃料が流通する燃料通路構造であって、
縦方向に延在しその内部を燃料が流通する縦通路部と、
前記縦通路部の流通方向における下流となる上端部において連通して水平方向に延在する横通路部と、
前記縦通路部の上端を閉塞する蓋部材と、
前記縦通路部内に配設された弁体と、
前記縦通路部内において、前記弁体と前記蓋部材との間に配設された弾性部材と、を備え、
前記蓋部材の前記縦通路部内に位置する面には、前記弾性部材と対向するように形成された第1弾性部材受け部と、該第1弾性部材受け部よりも前記流通方向下流側に位置する第2弾性部材受け部とが形成されている、燃料通路構造。 - 請求項1に記載の燃料通路構造であって、前記第1弾性部材受け部と前記第2弾性部材受け部は連続している、燃料通路構造。
- 請求項2に記載の燃料通路構造であって、
前記第1弾性部材受け部の下端面と前記第2弾性部材受け部の下端面は連続している、燃料通路構造。 - 請求項3に記載の燃料通路構造であって、
前記第2弾性部材受け部の前記下端面は、前記第1弾性部材受け部から離れるにつれて、下方に突出するよう傾斜している、燃料通路構造。 - 請求項3に記載の燃料通路構造であって、
前記第1弾性部材受け部の前記下端面と、前記第2弾性部材受け部の前記下端面は、同一平面上に位置している、燃料通路構造。 - 請求項1又は2に記載の燃料通路構造であって、
前記第2弾性部材受け部の下端面は、前記第1弾性部材受け部から離れるにつれて、下方に突出するよう傾斜している、燃料通路構造。 - 請求項1又は2に記載の燃料通路構造であって、
前記第1弾性部材受け部の下端面と、前記第2弾性部材受け部の下端面は、同一平面上に位置している、燃料通路構造。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の燃料通路構造であって、
前記第2弾性部材受け部は、前記横通路部における前記流通方向を長手方向とする矩形状のリブである、燃料通路構造。
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