JP2021029248A - 水稲の害虫抵抗調節タンパク質、それをコードする遺伝子およびその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
a)配列番号1に示すアミノ酸配列、
或いはb)配列番号1に示すアミノ酸配列における一つ又は複数のアミノ酸を置換及び/又は除去及び/又は添加してなるアミノ酸配列を有する、
タンパク質Os04g05560の、水稲害虫抵抗性調節タンパク質としての使用。
その中、配列番号1は、
MACLQLQVLLLLACLLLDAPHLSSAAATVPTPPFSFNFDFSNMSTYKPDDLRFEGNATVHGSFVDLTCNAYGLDISQCTAGRMSYNHPVPFYDQTTKEVASFSTQFTFKIIVPRFNNDKEKGDGMAFFLARYPSRMPPDSGGGSLGLITNNNYSSFGPDQFVSVEFDTYNNTWEQPKQTGDHMGININTVTFSTNTTSVSSFSPNESMMKASITFDSKTSMLVASLQYTGNYSNYAPVNVSAKLPDPTTLLPSEVAVGFSAATGAAFELHQIHSWSFNSTIAAPVQKDHKKAIAVGVSIGGGLILVLLVWSILSWWKWRKTNREFDKGTRGACRFNYHRLAAATNHFSMDNRIGAGTFGEVHKGFLTQLGREVAVKKILRESRAGNKDFFDEVQTISRAKQKNLVELLGWGMKGSSIIDFVMCWRRQKNTDLFLVYEFVDNGNLHMHLYEKEALLSWRIRYKIVKGIISALVYLHHDRHPYILHRDIKPSNILLDKNFNARLADFGLSRTADNGTIQSSMVVGTENYLDPECRKTGKFNRSSDVFSFGLVLLEIACKKDENSYAQVWERYIDKTLMQAADDRLQGAFDKRQMERVIVLGLWCCQPNIEMRPTMEKAMDFLESDGPLPKLAKPEITSSSAPSN
である。
更に、前記害虫はイネウンカであり、好ましくは、前記イネウンカはトビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカの少なくとも一種である。
上述したタンパク質Os04g05560をコードするコーディング遺伝子の、水稲ウンカ抵抗性調節遺伝子としての使用である。
更に、コーディング遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号2に示すとおりである。
更に、コーディング遺伝子のcDNAのヌクレオチド配列は配列番号3に示すとおりである。
水稲の害虫抵抗性を向上させる方法であって、水稲におけるタンパク質Os04g05560の発現量を低下させるステップを含み、タンパク質Os04g05560のアミノ酸配列はa)配列番号1に示すアミノ酸配列、或いはb)配列番号1に示すアミノ酸配列における一つ又は複数のアミノ酸を置換及び/又は除去及び/又は添加してなるアミノ酸配列である。
更に、タンパク質Os04g05560のコーディング遺伝子をノックアウトすること又はその発現量を低下させることでタンパク質Os04g05560の発現量を低下させることを達成し、コーディング遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号2に示すとおりである。
更に、前記害虫はイネウンカであり、好ましくは、前記イネウンカはトビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカの少なくとも一種である。
害虫抵抗性水稲の育成方法であって、水稲におけるタンパク質Os04g05560の発現量を低下させることで、水稲の害虫抵抗性を向上させるステップを含み、その中、タンパク質Os04g05560のアミノ酸配列は、a)配列番号1に示すアミノ酸配列、或いはb)配列番号1に示すアミノ酸配列における一つ又は複数のアミノ酸を置換及び/又は除去及び/又は添加してなるアミノ酸配列である。
更に、タンパク質Os04g05560のコーディング遺伝子をノックアウトすること又はその発現量を低下させることによりタンパク質Os04g05560の発現量を低下させることを達成して、コーディング遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号2に示すとおりである。
更に、前記害虫はイネウンカ、好ましくは、前記イネウンカはトビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカの少なくとも一種である。
本発明は、新たな水稲害虫抵抗調節タンパク質Os04g05560およびそれをコードする遺伝子を提供した。このタンパク質をコードする遺伝子の発現を低下させる又はノックアウトすることで、感受性植物が高害虫抵抗性能を有することとなり、それにより高ウンカ抵抗性植物を育成できる。前記タンパク質およびそれをコードする遺伝子は植物の遺伝的改善に適用できる。
遺伝子編集技術を利用して、遺伝子ノックアウト実験(knockout)でOs04g05560遺伝子をノックアウトすることで、感受性水稲品種である日本晴が高害虫抵抗性を得ることとなる。
Os04g05560遺伝子のcDNA配列に応じて、その前端の配列をターゲット配列として選出し、gRNA(guide RNA)配列を設計して合成する(配列は以下に示すように、ただしターゲット配列及び対応するgRNA配列はこの配列に限られない)。gRNA配列断片をハイグロマイシン抵抗性ラベルを包含するpBWA(V)Hキャリアに組み換えする。このCRISPR/Cas9ゲノムを利用してキャリアシステムを編集し、ターゲット配列の中の一つ又は3の整数倍ではない塩基対を突然変異で削除する(一つの塩基対を削除するか、一つの塩基対をターゲット配列に添加する)。その発現による生成物は元のアミノ酸生成物ではなくなるように、Os04g05560遺伝子のcDNA配列にフレームシフト変異を引き起こすことで、Os04g05560遺伝子をノックアウトする目的を実現する。
gRNA配列1:5’−GACCTCACCTGCAACGCATA−3’(配列番号4)、
ターゲット配列1:5’− GACCTCACCTGCAACGCATATGG−3’(配列番号5)。
gRNA配列2:5’− GCGGATGTCGTACAATCACC−3’(配列番号6)、
ターゲット配列2:5’− GCGGATGTCGTACAATCACCCGG−3’(配列番号7)。
1)感受性水稲である日本晴の成熟胚を素材としてカルスを誘発する
培養済みのアグロバクテリウム(EHA105)のブロスを遠沈管に置き、遠心してその上清を取って、アグロバクテリウム懸濁液を調製して、一定の大きさまで成長したカルスを選出し、アグロバクテリウム懸濁液に置いて浸透し、カルスを共培養培地に置く。
2)選出
カルスを取り出して、乾かされたカルスを選出して培地に移転して第一回の選出を行って、そして抵抗性カルスが生えている最初カルスを新たな培地に移転して、第二回の選出を行う。
3)誘発による抵抗性カルスの差別化及び根生み
抵抗性カルスを選出し、差別化培地が内蔵されたシャーレに移転して、密封膜で密封して、定温培養室の中に苗に差別化するまで放置する。苗が1cm前後に成長したら、発根培地に移転して苗を生育させる。
4)ハイグロマイシン(Hyg)抵抗性遺伝子のPCR測定
ハイグロマイシン抵抗性遺伝子特異的プライマーにより、一般的なPCR方法で増幅して、水稲の苗にはこの遺伝子が含まれるか否かを測定する。含まれれば転換陽性苗であると確認できる。
抵抗性遺伝子特異的プライマーは
Hyg−f:5’−ACGGTGTCGTCCATCACAGTTTGCC−3’(配列番号8)、
Hyg−r:5’−TTCCGGAAGTGCTTGACATTGGGA−3’(配列番号9)
である。
5)陽性苗の遺伝子ノックアウトの測定
ターゲットの近くに測定プライマーを設けてPCRを行って、その後シーケンシングを行って、遺伝子をノックアウトした状態を測定する(ノックアウトされたホモ接合体を確かに得るかどうかを検定する)。感受性水稲である日本晴のOs04g05560遺伝子を確かにノックアウトしたホモ接合体を得た。
感受性水稲である日本晴のOs04g05560遺伝子をノックアウトしたホモ接合体は、苗の段階を鑑定する方法でそのトビイロウンカに対する害虫抵抗性を鑑定する。
Os04g05560と現在のトビイロウンカ遺伝子との効果の比較
感受性水稲品種である日本晴(抵抗性レベルは9級)のOs04g05560遺伝子をノックアウトした後、その抵抗性レベルは、0級〜1級(高抵抗性レベル)に明らかに向上した。
Os04g05560によるセジロウンカ抵抗効果
感受性水稲品種である日本晴(抵抗性レベル9級)のOs04g05560遺伝子をノックアウトした後、苗の段階の鑑定方法でそのセジロウンカ抵抗性レベルを鑑定する。
従って、本発明の、水稲ウンカ抵抗性を調節する遺伝子Os04g05560はセジロウンカ抵抗の育種に適用されても良い効果を有する。
Claims (10)
- a)配列番号1に示すアミノ酸配列、或いは
b)配列番号1に示すアミノ酸配列における一つ又は複数のアミノ酸を置換及び/又は除去及び/又は添加してなるアミノ酸配列を有する、
タンパク質Os04g05560の、水稲害虫抵抗性調節タンパク質としての使用。 - 前記害虫は、イネウンカであり、好ましくは、前記イネウンカはトビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の使用。
- 請求項1又は2に記載のタンパク質Os04g05560をコードするコーディング遺伝子の、水稲ウンカ抵抗性調節遺伝子としての使用。
- 前記コーディング遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号2に示す通りであることを特徴とする請求項3に記載の使用。
- 水稲におけるタンパク質Os04g05560の発現量を低下させるステップを含み、
そのうち、タンパク質Os04g05560のアミノ酸配列は、a)配列番号1に示すアミノ酸配列、或いはb)配列番号1に示すアミノ酸配列における一つ又は複数のアミノ酸を置換及び/又は除去及び/又は添加してなるアミノ酸配列である、
水稲の害虫抵抗性を向上させる方法。 - タンパク質Os04g05560のコーディング遺伝子をノックアウトすること、又はその発現量を低下させることによりタンパク質Os04g05560の発現量を低下させて、前記コーディング遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号2に示す通りであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 前記害虫はイネウンカであり、好ましくは、前記イネウンカはトビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカの少なくとも一種であることを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
- 水稲におけるタンパク質Os04g05560の発現量を低下させることで、水稲の害虫抵抗性を向上させるステップを含み、
そのうち、タンパク質Os04g05560のアミノ酸配列は、a)配列番号1に示すアミノ酸配列、或いはb)配列番号1に示すアミノ酸配列における一つ又は複数のアミノ酸を置換及び/又は除去及び/又は添加してなるアミノ酸配列である、害虫抵抗性水稲の育成方法。 - タンパク質Os04g05560のコーディング遺伝子をノックアウトすること、又はその発現量を低下させることによりタンパク質Os04g05560の発現量を低下させて、前記コーディング遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号2に示す通りであることを特徴とする請求項8に記載の育成方法。
- 前記害虫はイネウンカであり、好ましくは、前記イネウンカはトビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカの少なくとも一種であることを特徴とする請求項8又は9に記載の育成方法。
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