JP2021029068A - アキシャルギャップモーター - Google Patents
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Abstract
【課題】アキシャルギャップモーターにおいて、平面視で略台形形状に形成したコアの外周に励磁用のコイルを密着配置する。【解決手段】回転可能に支持されたローターに対向し、ローターの回転の軸と平行な方向にギャップを隔てて配置されたステーターを備えるアキシャルギャップモーターにおいて、ステーターは、磁性材料からなり、回転の軸に対する周方向に連続する、少なくとも円環形状の部分を占有するヨークと、複数枚の電磁鋼板を、ヨークの周方向に沿って積層して形成されたコアであって、ヨークの円環形状の部分に複数配列されたコアと、複数のコアのそれぞれの外周を取り囲むコイルとを備える。このモーターの複数のコアの少なくとも1つのコアを形成する電磁鋼板の少なくとも一枚は、回転の軸に対する径方向の内側端部の厚みが外側端部の厚みより小さい。【選択図】図4
Description
本開示は、アキシャルギャップモーターに関する。
アキシャルギャップモーターは、回転磁束が形成されるステーターとローターとの間のギャップを、モーターの回転軸方向に備える。こうしたアキシャルギャップモーターのステーターは、円環形状のバックヨーク上に、複数個のコアが配列され、各コアには励磁用のコイルが取付けられる。アキシャルギャップモーターは、ステーターの径を大きくすれば、励磁用のコイルにより発生する磁束が通るコアの面積を大きくできるので、薄型かつ高出力のモーターを構成しやすい。
円環形状のバックヨークの外周長さは、内周長さより長いので、バックヨークに配列されるコアの形状は、外周側の周方向の幅が、内周側の周方向の幅より大きいことが望ましい。コイルに通電した際に得られる磁束の密度を高めるために、磁束に垂直な断面におけるコアの面積は、原則として大きいほど望ましいからである。そこで、例えば特許文献1では、周方向の幅の異なる電磁鋼板を径方向に複数枚重ね合わせている。
しかしながら、特許文献1に記載したように、幅の異なる電磁鋼板を積層すると、磁束に垂直な断面におけるコアの形状が台形形状となり、台形の両側辺が階段状となるため、コアにコイルを巻付けると、コアとコイルとの間に隙間が生じてしまう。隙間は電磁鋼板と較べて透磁率が低く磁束が通過しにくいので、コアの面積を大きくしても、隙間の分だけ、磁束密度の向上を阻害してしまう、という問題があった。
本開示は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。即ち、本開示にかかるアキシャルギャップモーターは、回転するローターと、前記ローターに対向し、前記ローターの回転の軸と平行な方向にギャップを隔てて配置されたステーターとを備え、前記ステーターは、電磁鋼板が前記回転の軸に対する周方向に沿って積層されるコアと、前記コアの外周を取り囲むコイルとを備え、コアを構成する前記電磁鋼板は、前記回転の軸に対する径方向の内側端部の厚さが外側端部の厚さより小さい第1電磁鋼板を含む。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態のアキシャルギャップモーター20の概略構成を断面視で示す概略構成図である。このアキシャルギャップモーター20は、回転軸21の軸方向中心に、ローター40を備え、このローター40の軸方向の両側にステーター31,32を配置した、いわゆるダブルステーター構造を備える。図示するように、回転軸21の軸方向上向きを符号A、この回転軸21に対する径方向外側向きを符号R、として各々示す。この符号A、Rで示す方向は、他の図でも同様に示した。符号Aの方向を軸方向、符号Rの方向を径方向と呼ぶことがある。これらの方向に加えて、ローター40やステーター31,32の周方向を、符号Cとして、併せて図示することがある。
図1は、第1実施形態のアキシャルギャップモーター20の概略構成を断面視で示す概略構成図である。このアキシャルギャップモーター20は、回転軸21の軸方向中心に、ローター40を備え、このローター40の軸方向の両側にステーター31,32を配置した、いわゆるダブルステーター構造を備える。図示するように、回転軸21の軸方向上向きを符号A、この回転軸21に対する径方向外側向きを符号R、として各々示す。この符号A、Rで示す方向は、他の図でも同様に示した。符号Aの方向を軸方向、符号Rの方向を径方向と呼ぶことがある。これらの方向に加えて、ローター40やステーター31,32の周方向を、符号Cとして、併せて図示することがある。
回転軸21は、図1では、円柱体として示したが、中空の回転軸としてもよい。アキシャルギャップモーター20では、回転軸方向Aの厚みが薄くなり、径方向Rの寸法が大きくなる傾向にあるため、回転軸21の径を大きくし、中空軸として、内部にアキシャルギャップモーター20への配線を通すといった構成を取ることも望ましい。
この回転軸21の軸方向の略中心に固定されたローター40は、その径方向Rの終端近くに、複数個の永久磁石41,43を周方向に均等に、本実施形態では、12個配置している。永久磁石41,43の個数と配置は、アキシャルギャップモーター20の相数と極数とにより定められる。ローター40の中心部は、回転軸21が固定される固定部45が形成されており、回転軸21は、固定部45に圧入されて、固定される。もとより、キーとキー溝とにより両者を結合してもよい。
ローター40の固定部45は、軸受け23,24を介して、ステーター31,32に取り付けられる。この軸受け23,24により、回転軸21およびローター40は、ステーター31,32を側面ケース27で結合したモーターケースに対して、回転可能に保持される。ステーター31,32は、ローター40の永久磁石41,43に対向するように、ステーターコア(以下、単にコアという)51,52が設けられている。ステーター31の概略構成を、図2の斜視図に示した。本実施形態のアキシャルギャップモーター20は、三相4スロットの構成を備えることから、ステーター31当りのコア51の数は12個である。
ステーター31は、12個のコア51と、これらのコア51に共通に設けられた円環形状のバックヨーク(以下単にヨークという)35と、各コア51の外周に巻き付けられた巻線であるコイル61とからなる。ヨーク35は、コア51の径方向の幅と略同一の幅を有する円環形状の電磁鋼板を、図3に示すように、積層して構成されており、所定の厚みを有する。電磁鋼板の表面には、絶縁皮膜が形成されており、積層後、各電磁鋼板は絶縁被膜を溶融させて固着される。なお、接着剤の塗布や溶接によって、積層後の電磁鋼板を接合してもよい。電磁鋼板同士の接合は、後述するコアにおいても同様である。
このヨーク35の表面に複数個のコア51が配列されている。コア51は、電磁鋼板71を積層して形成される。このコア51は、図2に示すように、ヨーク35からの高さHおよびコア51側面に沿ったヨーク35内周から外周に向かう長さWを有する。電磁鋼板71の形状および積層方向等については、後で詳しく説明する。このコア51のヨーク35への取付は溶接や接着によって行なわれる。コア51の下面に、突出する嵌込部を形成し、ヨーク35に設けられた溝形状の取付部に嵌め込む構成を採用してもよい。
ヨーク35の表面に取り付けられたコア51には、その外周に、磁束発生用のコイル61が巻き付けられる。コア51を取り巻くコイル61は、コア51に個々に巻き付けてもよいが、予めボビン状に巻き取っておき、図3に示すように、コア51の外周に嵌め込むものとしてもよい。もうひとつのステーター32も、同様に、12個のコア52と、これらのコア52に共通のヨーク36と、各コア52の外周に巻き取られたコイル61とを備える。12個のコア51に取り付けられた12個のコイル61は、3相4極の巻線を構成する。二つのステーター31,32は、ローター40を挟んで面対称の構造を備える。ローター40に設けられた12個の永久磁石41,43とコア51、コア52とは、第1方向である軸方向Aに沿った所定の距離のギャップを隔てて、向き合っている。
次に、第1実施形態におけるステーター31のコア51の構成およびコア51を構成する電磁鋼板71について説明する。図4は、コア51をヨーク35方向に向かって見た場合の形状を模式的に示す平面図である。図4には、回転軸21の軸中心(回転の軸)の軸方向A、回転の軸に対する径方向R、回転の軸に対する周方向Cを示したが、図示の都合上、回転軸方向の中心Aは、ヨーク35の図形上の中心位置には描かれておらず、ヨーク35の図示された範囲に近接している。
図示するように、コア51は平面視において、略台形形状をしている。このコア51は、電磁鋼板71を周方向Cに複数枚積層して形成される。コア51を形成する各電磁鋼板71は、図4最下段に示したように、高さH、長さLの矩形形状を備える。電磁鋼板71の厚みは、その長さLの方向に沿った内側端部の厚みd1と外側端部の厚みd2とを比較すると、内側端部の厚みd1の方が小さい。つまり、コア51を形成する全ての電磁鋼板71は、その厚みをみると、コア51の平面視において、図4最下段に示したように、細長い台形形状をしている。複数枚の電磁鋼板71は、高さH、長さL、および厚みd1,d2のいずれも同一である。このため複数枚の電磁鋼板71を積層すると、積層されたコア51の全体形状も略台形形状となる。もとより、隣接する電磁鋼板71の側面同士を完全に一致させて積層すれば、コア51は、円環形状の一部を切り落とした形状となり、コア51の内側端面は僅かにくぼみ、外側端面は僅かに膨らむが、図4では、こうした窪みや膨らみは捨象して、ほぼ台形形状として、コア51を描いている。コア51の積層後の形状の詳細については、別途説明する。
コア51には、コイル61が巻き付けられている。コア51の側面NBにおけるコイル61の巻き付けの詳細を図5に示した。図示するように、コア51の両側部では、コア51を構成する電磁鋼板71の側面に段差はないから、コイル61は、コア51の側面に隙間なく巻付けることができる。これに対して、厚みが均等な電磁鋼板によって台形形状のコア51rを形成しようとすると、図6に示したように、コア51rは、大きさの等しい電磁鋼板71rの周方向Cに沿った両側に、長さが漸減する電磁鋼板81,82,83,84・・・を配列する必要がある。この場合、コア51rにコイル61rを巻付けると、コア51rの両側面では、領域NSの拡大図である図7に示したように、コア51rとコイル61rとの間には、空隙Gができてしまう。この場合、空隙Gは、電磁鋼板81等より透磁率が低いので、コアとしての透磁率は、本実施形態と較べて低下する。なお、図6では、本実施形態に倣って、電磁鋼板71rを、周方向Cに沿った方向に積層するものとしたが、特許文献1に示したように、径方向Rに沿って電磁鋼板を積層した場合でも、コアの両側部には段差が生じ、コイル61rとコアとの間に空隙が生じて、効率が低下することに変りはない。
これに対して、本実施形態では、コア51の両側部において、コイル61を隙間なくコア51に巻付けることができ、電磁鋼板71の高い透磁率を活かして、磁束密度を高めることができる。この結果、本実施形態のアキシャルギャップモーター20は、台形形状に形成することでコア51の面積を増やした利点を活かして、高出力化を図ることができる。しかも、本実施形態では、積層する電磁鋼板71は、同一形状のものを用いているので、コア51の積層を容易に行なうことができるなど、製造工程上のメリットも大きい。
B.コアの製造:
(1)コア製造の第1の手法:
上述した第1実施形態で用いたコア51を形成する電磁鋼板71は、その厚みが、長さ方向の一端と他端とで異なり、ヨーク35上で、径方向Rに沿った外周側に配置される一端から、内周側に配置される他端にかけて、厚みが漸減する形状とされていた。このような形状の電磁鋼板71の製造を含めて、平面視の形状が台形形状となるコア51の製造方法について説明する。
(1)コア製造の第1の手法:
上述した第1実施形態で用いたコア51を形成する電磁鋼板71は、その厚みが、長さ方向の一端と他端とで異なり、ヨーク35上で、径方向Rに沿った外周側に配置される一端から、内周側に配置される他端にかけて、厚みが漸減する形状とされていた。このような形状の電磁鋼板71の製造を含めて、平面視の形状が台形形状となるコア51の製造方法について説明する。
図8は、コア製造装置100の一部を示す説明図である。このコア製造装置100は、2つの圧延ローラー101,102と駆動用のモーター110とを備え、両ローラー101,102は、それぞれの一端に設けられた歯車111,112により、モーター110の回転に同期して互いに逆方向に回転する。ローラー101および歯車111は回転軸105により、ローラー102,歯車112およびモーター110は回転軸106により、それぞれ同軸に支持されている。
圧延ローラー101,102は、それぞれ図示するように円錐台形上をしており、圧延ローラー101,102間の隙間は、歯車111,112が設置されている側で広く、反対側で狭い。両ローラー101,102間に所定の厚みの電磁鋼板のシート710の先端を挿入させ、両ローラー101,102を回転すると、圧延ローラー101,102は、それぞれ対向する方向に圧力P1、P2で押圧されているので、電磁鋼板のシート710は、矢印FF方向に搬送されつつ、両ローラー101,102間の間隙に応じて圧延される。
図8において矢印SS方向から見たコア製造装置100の構成を図9に示した。図示するように、圧延ローラー101,102の下流には、プレス装置120が設けられ、圧延ローラー101,102により幅方向の厚みが漸減するように圧延された後の電磁鋼板のシート710は、プレス装置120が矢印PR方向に降下することにより、コア51を形成するコア用電磁鋼板71にカットされる。カットされたコア用電磁鋼板71は、積層装置121,122に順次収容される。所定枚数のコア用電磁鋼板71の積層が完了すると、積層されたコア用電磁鋼板71は、積層装置121,122内で加熱される。加熱により、コア用電磁鋼板71の表面に成膜されていた絶縁被膜が溶融して、積層されたコア用電磁鋼板71は、一体化されてコア51が形成される。図10は、この積層装置121,122内のコア51を、矢印SQ方向から見た状態を示す。図示するように、コア51は、一端から他端にかけて厚みが漸減するコア用電磁鋼板71が積層され、全体として平面視で台形形状に形成されている。
(2)コア製造の第2の手法:
次にコア51を形成する第2の手法を図11を用いて説明する。図11に示したコア製造装置100Aは、2つの搬送ローラー131,132を備える。この搬送ローラー131,132は、円柱形状であり、その間隙は、軸方向に亘って同一である点で、コア製造装置100とは相違する。また、コア製造装置100Aでは、搬送ローラー131,132は電磁鋼板のシート710の圧延は特に行なわない。搬送ローラー131,132の目的は、電磁鋼板のシート710を下流に設けられたプレス加圧装置140に搬送することにある。
次にコア51を形成する第2の手法を図11を用いて説明する。図11に示したコア製造装置100Aは、2つの搬送ローラー131,132を備える。この搬送ローラー131,132は、円柱形状であり、その間隙は、軸方向に亘って同一である点で、コア製造装置100とは相違する。また、コア製造装置100Aでは、搬送ローラー131,132は電磁鋼板のシート710の圧延は特に行なわない。搬送ローラー131,132の目的は、電磁鋼板のシート710を下流に設けられたプレス加圧装置140に搬送することにある。
搬送ローラー131,132により搬送された電磁鋼板のシート710は、プレス加圧装置140に搬送され、ここで、プレス加圧装置140によりコア51を形成するコア用電磁鋼板71に裁断され、そのまま受圧装置141内に収容されつつ、更にプレス加圧装置140による加圧を受ける。プレス加圧装置140は、矢印PR方向に降下してコア用電磁鋼板71を裁断し、そのまま受圧装置141に収容されるコア用電磁鋼板71に圧力を掛ける。このとき、プレス加圧装置140の加圧力は、シート710の搬送方向上流側ほど強く、下流側ほど弱くなるよう設定されている。このため、順次、積層されていくシート710は、搬送方向上流側が押し潰される力を受け、徐々に変形していく。また、積層が進むにつれて、コア51として徐々に大きくなっていくため、プレス加圧装置140よる加圧力は強くなる。この結果、コア51の形成に必要な枚数のコア用電磁鋼板71が積層された状態では、図示するように、コア51を形成する各コア用電磁鋼板71は、平面視で略台形形状に形成される。
以上説明したように、コア用電磁鋼板71の長さ方向の端部間における厚みを漸減させる工程は、コア用電磁鋼板71の積層以前に行なってもよいし、積層後に行なってもよい。なお、圧延ローラー101,102による圧延工程によっても、プレス加圧装置140による加圧工程によっても、電磁鋼板のシート710の表面に形成された絶縁被膜は、引き延ばされ、場合によっては一部が損傷を受けることがあり得るが、絶縁被膜を加熱溶融することによって、そうした損傷の一部または全部は修復され得る。また、例え絶縁被膜の一部が損傷を受けて隣接する電磁鋼板との間で電気的な接触が成立しても、接触する部位は僅かであって、接触抵抗が大きくなることから、渦電流の発生は十分に抑制される。もとより、第1の手法であれば、コア用電磁鋼板71の圧延後に絶縁被膜を形成するようにすることも差し支えない。
以上、アキシャルギャップモーターのコアを製造する2つの方法について説明したが、所定の厚みを有する電磁鋼板のシートを裁断して、コアの高さと長さとを有する形状のコア用電磁鋼板を複数枚用意し、この裁断されたコア用電磁鋼板の積層以前に、コア用電磁鋼の厚みが、長さ方向の一方の端部から他方の端部にかけて漸減する形状に、コア用電磁鋼板を加工できればよい。例えば裁断されたコア用電磁鋼板を切削や腐食(エッチング)することで厚みを漸減させてもよい。
C.その他の実施形態:
[1]アキシャルギャップモーター20に使用するコアの他の形態について説明する。図4に示したように、長さLの電磁鋼板71の厚みを、長さ方向の一端から他端に亘って漸減されて形状にすると、この電磁鋼板71を積層したコアの形状は略台形形状になる。この形状を詳しく見ると、電磁鋼板71の側面を隣接する電磁鋼板71の側面にそのまま重ねて積層した場合には、図12に示したように、形成されるコア51Aの形状は、円環の一部を切り出した形状となる。従って、このコア51Aの外周に巻付けるコイル61Aもこれと相似形に形成される。コア51Aの内側端面は、コア51A側に窪んだ形状となっているから、コイル61Aも同様に内側に窪んだ形状に予め成型しておけばよい。こうすれば、コア51Aの外周に隙間なくコイル61Aを配置することができ、コイル61Aに通電することによる磁束の強さを高めることができる。
[1]アキシャルギャップモーター20に使用するコアの他の形態について説明する。図4に示したように、長さLの電磁鋼板71の厚みを、長さ方向の一端から他端に亘って漸減されて形状にすると、この電磁鋼板71を積層したコアの形状は略台形形状になる。この形状を詳しく見ると、電磁鋼板71の側面を隣接する電磁鋼板71の側面にそのまま重ねて積層した場合には、図12に示したように、形成されるコア51Aの形状は、円環の一部を切り出した形状となる。従って、このコア51Aの外周に巻付けるコイル61Aもこれと相似形に形成される。コア51Aの内側端面は、コア51A側に窪んだ形状となっているから、コイル61Aも同様に内側に窪んだ形状に予め成型しておけばよい。こうすれば、コア51Aの外周に隙間なくコイル61Aを配置することができ、コイル61Aに通電することによる磁束の強さを高めることができる。
[2]他方、電磁鋼板71を積層してコアを形成する際、電磁鋼板71の側面同士を完全に一致させるのではなく、図13に示したように、各電磁鋼板71の重心GPを同じ位置CLにして積層することもできる。重心GPの代わりに、各電磁鋼板71の長さ方向の中点を揃えて積層しても差し支えない。この場合、コア51Bでは、積層された各電磁鋼板71は側面に近付くにつれて傾くから、各電磁鋼板71のコア51Bの長さ方向Xに沿った長さは短くなる。この結果、コア51Bの内側端面も外側端面も、コア51Bから見て外側に膨らんだ形状となる。従って、このコア51Bにコイルを直接巻付けても、コイル61Bをコア51Bの外周に密着させることができる。
図13に示した例では、電磁鋼板の重心位置GPまたは長さ方向の中心位置に揃えたが、アキシャルギャップモーター20の回転の軸方向Aに平行な方向と径方向Rとに垂直な直線上に揃える位置は、複数の電磁鋼板のコアの内側端部から外側端部に至る長さの所定の位置であればよく、例えば端から1/3の距離の位置など、任意の点で揃えても差し支えない。
コアの外形形状は、上記のように、種々の態様を取り得る。いずれにせよ、電磁鋼板をヨークの周方向Cに沿って積層していれば、コアの両側部は、電磁鋼板の面によって構成されるので、コイルを密着して配置することは容易である。また、コアの内側端面と外側端面とは、電磁鋼板の積層面となるが、これを外に膨らんだ曲面または平面にすることも可能である。こうすれば、コアに直接コイルを巻付けても、コイルをコアに密着させることができる。なお、コイルを予め成型しておけば、コアの内側端面が内側に窪んだ形状をしていても、コイルをコアに密着できる。
[3]上述した各実施形態のコアでは、厚みも含めて同じ形状の電磁鋼板71を積層したが、積層する電磁鋼板は、形状の異なる2種類以上の電磁鋼板を用いることも差し支えない。例えば、図14に示すように、コア51Cの周方向Cに沿った中心部に、内側端部と外側端部で厚みが異なる第1電磁鋼板72を複数枚配置し、その両側に、内側端部と外側端とで厚みが一定の第2電磁鋼板74を複数枚配置して、コア51Cを形成してもよい。このコア51Cの外周には、コイル61Cが配置される。
あるいは、図15に示すように、中心部には第1電磁鋼板72を一枚配置し、その両側に第2電磁鋼板74を複数枚配置し、更にその両側に第1電磁鋼板72を配置して、コア51Dを形成するものとしてもよい。この場合、コア51Dの内側端面、外側端面の形状がなだらかになるから、コイル61Dの配置が容易となる。
上記実施形態では、第1電磁鋼板72と第2電磁鋼板74の2種類の電磁鋼板を用いたが、用いる電磁鋼板の種類は3種類以上であっても差し支えない。また、第2電磁鋼板74は、内側端部の厚みと外側端部の厚みとの関係が第1電磁鋼板とは異なっていればよく、厚みが等しいもの以外に、第1電磁鋼板72よりは、厚みの変化が小さいもの、あるいは大きいものであってもよい。また、第2電磁鋼板として、内側端部の厚みが外側端部の厚みより大きい電磁鋼板を用いることも差し支えない。
[4]上述した実施形態では、コア51,51A〜51Dは、ヨーク35上面に溶着などにより固定するものとして説明したが、各コアは、ヨーク35に対して、溶接されたり、あるいはノックピンで固定されたりすることも差し支えない。あるいは、図16に示すように、コア51Fの内側端部と外側端部に嵌込部76,77を形成し、これをヨーク35F側に用意した取付部91,92に取付けるようにしてもよい。すなわち、コア51Fが有する複数の嵌込部76,77は、ヨーク35Fが有する複数の取付部91,92に嵌まり込んでいる。この場合、取付部91,92は、図示するように、ヨーク35Fの内周側と外周側をそれぞれ切り欠いた切欠として形成してもよいし、ヨークの内側に開口部や窪み、あるは凹部を用意し、コアの下面の嵌込部をこの開口部または窪み等に合わせて形成した構成としてもよい。嵌込部76,77は、積層する電磁鋼板75を、取付部に対応する形状にしておくことで容易に形成できる。なお、嵌込部と取付部は、2個ではなく、1個または3個以上用意してもよい。嵌込部および取付部は、ヨークの周方向に隔たった位置に複数設けた構成としてもよい。
[5]上述した各実施形態では、各電磁鋼板の平面形状は同一形状でとしたが、平面形状の異なる電磁鋼板を組み合わせてもよい。異なる形状の電磁鋼板を組み合わせることで、例えば図16に示したコアの嵌込部を所望の形状にできる。また、図13に示した構成において、コアを形成する各電磁鋼板の長さを、周方向Cに沿った外側ほど長くすれば、コアの内側端面と外側端面とを平坦な形状にすることができる。
[6]上記実施形態では、アキシャルギャップモーター20は、ダブルステーター構造としたが、ステーターが1つのシングルステーター構造であってもよい。また、ステーター31,32に搭載されるコア51,52は、全て同じ構成としたが、複数個のコアのうちの一部にのみ、長さ方向の端部の厚さが異なる電磁鋼板を採用してもよい。
[7]上記実施形態では、ヨーク35等は、円環形状の電磁鋼板を回転の軸Aに平行な方向に複数枚積層して形成したが、磁性材料で形成されていればよく、例えば磁性材料の粉体(圧粉)を高圧下で凝縮した形態で構成してもよい。あるいはヨークの厚みに対応した幅の電磁鋼板を丸めて所定の内径の円筒を作り、1つの円筒の内径が他方の円筒の外径となるように複数の円筒を製作し、これを嵌め合わせることで、ヨークを形成してもよい。また、ヨークは、複数個のコアが取付けられる円環形状の部分を少なくとも占有する形状をしていればよく、コアが取付けられる円環形状以外の部位に張り出したり突出したりする部分を有していてもよい。ステーターにおけるヨークとコアは、磁性材料からなり、前記回転の軸に対する周方向に連続する、少なくとも円環形状の部分を占有するヨークと、複数枚の電磁鋼板を、前記ヨークの周方向に沿って積層して形成されたコアであって、前記ヨークの前記円環形状の部分に複数配列されたコアと、を備える形態であってよい。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
20…アキシャルギャップモーター、21…回転軸、27…側面ケース、31,32…ステーター、35,35F,36…ヨーク、40…ローター、41,43…永久磁石、45…固定部、51,51A〜51D,51F,51r,52…コア、61,61A〜61D,61r…コイル、71,71r,75,81,82,83,84…電磁鋼板、72…第1電磁鋼板、74…第2電磁鋼板、76,77…嵌込部、91,92…取付部、100,100A…コア製造装置、101,102…圧延ローラー、105,106…回転軸、111,112…歯車、110…モーター、120…プレス装置、121,122…積層装置、131,132…搬送ローラー、140…プレス加圧装置、141…受圧装置、710…シート
Claims (7)
- 回転するローターと、
前記ローターに対向し、前記ローターの回転の軸と平行な方向にギャップを隔てて配置されたステーターと
を備え、
前記ステーターは、
電磁鋼板が前記回転の軸に対する周方向に沿って積層されるコアと、
前記コアの外周を取り囲むコイルと
を備え、
前記コアを構成する前記電磁鋼板は、前記回転の軸に対する径方向の内側端部の厚さが外側端部の厚さより小さい第1電磁鋼板を含む、
アキシャルギャップモーター。 - 前記コアの前記径方向の内側端面および外側端面は、平面または外側に膨らんだ曲面である、請求項1記載のアキシャルギャップモーター。
- 前記コアを構成する前記電磁鋼板は、前記内側端部の厚さと前記外側端部の厚さとの関係が前記第1電磁鋼板とは異なる第2電磁鋼板を含む、請求項1または請求項2に記載のアキシャルギャップモーター。
- 前記コアを構成する前記電磁鋼板は、同一形状である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアキシャルギャップモーター。 - 前記コアは、複数の前記電磁鋼板の内側端部から外側端部に至る長さの所定の位置が、前記径方向に垂直な直線上に配置される、請求項4に記載のアキシャルギャップモーター。
- 前記ステーターは、円環形状であるヨークを備え、
前記ヨークは、前記電磁鋼板を前記回転の軸に平行な方向に沿って積層する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載にアキシャルギャップモーター。 - 前記コアが有する複数の嵌込部は、前記ヨークが有する複数の取付部に嵌まり込んでいる、請求項6記載のアキシャルギャップモーター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019147288A JP2021029068A (ja) | 2019-08-09 | 2019-08-09 | アキシャルギャップモーター |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024029202A1 (ja) * | 2022-08-03 | 2024-02-08 | ミネベアミツミ株式会社 | モータ |
-
2019
- 2019-08-09 JP JP2019147288A patent/JP2021029068A/ja active Pending
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