JP2021028073A - 積層造形物の積層計画方法、積層造形物の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(1) 溶着ビードをベースプレート上に積層する積層造形装置により、積層造形物を該積層造形物の3次元形状データを用いて造形する積層造形物の積層計画方法であって、
コンピュータが、
前記3次元形状データを取得する工程と、
前記3次元形状データの形状を層分解した各層を前記溶着ビードで形成するための溶接パス、及び前記溶着ビードを形成する際の溶接条件を定める積層計画を作成する工程と、
複数の前記溶接パスについて、溶接パスの終了から次の溶接パスの開始までのパス間時間を設定し、前記パス間時間における伝熱計算を行ってパス間温度を算出する工程と、
前記パス間温度が予め設定したパス間温度範囲に収まるか否かを判定し、前記パス間温度が前記パス間温度範囲に収まるまで、前記パス間時間を調整して伝熱計算を繰り返す工程と、
前記パス間温度範囲に収まる前記パス間温度が算出されたときの前記パス間時間と、前記溶接パスでの前記溶着ビードの形成に要する溶接パス時間とに応じて、前記積層造形物の造形に要する造形時間を算出する工程と、
前記造形時間と予め設定した上限値と比較して、前記造形時間が前記上限値以下となるまで積層計画における前記溶接条件を繰り返し修正する工程と、
を実行する積層造形物の積層計画方法。
(2) (1)に記載の積層造形物の積層計画方法により作成した前記積層計画に基づいて、前記積層造形物を製造する積層造形物の製造方法。
(3) 積層造形物の3次元形状データを用い、溶着ビードをベースプレート上に積層して前記積層造形物を造形する積層造形物の製造装置であって、
前記3次元形状データを取得する入力部と、
前記3次元形状データの形状を層分解した各層を前記溶着ビードで形成するための溶接パス、及び前記溶着ビードを形成する際の溶接条件を定める積層計画を作成する積層計画作成部と、
複数の前記溶接パスについて、溶接パスの終了から次の溶接パスの開始までのパス間時間を設定し、前記パス間時間における伝熱計算を行ってパス間温度を算出する温度予測部と、
前記パス間温度が予め設定したパス間温度範囲に収まるか否かを判定し、前記パス間温度が前記パス間温度範囲に収まるまで、前記パス間時間を変更して伝熱計算を繰り返すパス間温度調整部と、
前記パス間温度範囲に収まる前記パス間温度が算出されたときの前記パス間時間と、前記溶接パスでの前記溶着ビードの形成に要する溶接パス時間とに応じて、前記積層造形物の造形に要する造形時間を算出する造形時間見積り部と、
前記造形時間と予め設定した上限値と比較して、前記造形時間が前記上限値以下となるまで積層計画における前記溶接条件を繰り返し変更する溶接条件調整部と、
を備える積層造形物の製造装置。
<積層造形物の製造装置>
図1は本発明に係る積層造形物の製造装置の概略構成図である。
本構成の積層造形物の製造装置100は、造形部11と、造形部11を統括制御するコントローラ13と、電源装置15と、を備える。
次に、単純な積層造形物Wのモデルを用いて、積層造形の手順を簡単に説明する。
図2は積層造形物Wを上下方向に切断した概略断面図である。図3A〜図3Cは積層造形物Wの基本的な積層造形の手順を説明する工程説明図であって、積層造形物Wを上下方向に切断した概略断面図である。
次に、積層造形物を造形する積層計画方法について説明する。
ここでは、上記したような積層造形物Wを溶着ビードBの積層により造形する際に、溶着ビードBのパス間温度を適切に管理して、最適な造形時間で積層造形物Wを造形する積層計画を作成する。
まず、コントローラ13は、造形しようとする積層造形物のCADデータである3次元形状データD0を入力部39から取得する(S1)。
H:エンタルピ
C:節点体積の逆数
K:熱伝導マトリックス
F:熱流束
Q:体積発熱
である。
ta:トータルの造形時間
tp(i):i層目の溶接パスの溶接時間
tn(i+1):i層目の溶接パスと(i+1)層目のパス間時間
である。
このように、造形時間taが上限値tmax以下となるまで、積層計画の修正(S2)、温度予測処理(S3〜S7)及び造形時間taの見積り処理(S8,S9)を繰り返す。
図5は熱収縮を考慮した積層造形物の積層計画の手順を示すフローチャートである。
(1) 溶着ビードをベースプレート上に積層する積層造形装置により、積層造形物を該積層造形物の3次元形状データを用いて造形する積層造形物の積層計画方法であって、
コンピュータが、
前記3次元形状データを取得する工程と、
前記3次元形状データの形状を層分解した各層を前記溶着ビードで形成するための溶接パス、及び前記溶着ビードを形成する際の溶接条件を定める積層計画を作成する工程と、
複数の前記溶接パスについて、溶接パスの終了から次の溶接パスの開始までのパス間時間を設定し、前記パス間時間における伝熱計算を行ってパス間温度を算出する工程と、
前記パス間温度が予め設定したパス間温度範囲に収まるか否かを判定し、前記パス間温度が前記パス間温度範囲に収まるまで、前記パス間時間を調整して伝熱計算を繰り返す工程と、
前記パス間温度範囲に収まる前記パス間温度が算出されたときの前記パス間時間と、前記溶接パスでの前記溶着ビードの形成に要する溶接パス時間とに応じて、前記積層造形物の造形に要する造形時間を算出する工程と、
前記造形時間と予め設定した上限値と比較して、前記造形時間が前記上限値以下となるまで積層計画における前記溶接条件を繰り返し修正する工程と、
を実行する積層造形物の積層計画方法。
この構成の積層造形物の積層計画方法によれば、溶着ビードを形成する際の溶接パスのパス間温度を適切に管理しつつ、積層計画における溶接条件を修正して造形時間を抑えることができる。
この構成の積層造形物の積層計画方法によれば、溶接条件である、溶接速度、パス数、又はビード形状を修正することにより、造形時間を良好に抑えることができる。
前記伝熱計算が終了して算出された前記パス間時間と前記パス間温度とを基に、熱収縮した際の前記積層造形物の造形物形状データを作成する工程と、
前記造形物形状データと前記3次元形状データの造形形状の差分から、余肉量を算出する工程と、
前記余肉量から前記積層造形物に対する加工時間である切削時間を推定する工程と、
を実施し、
前記造形時間に前記切削時間を加算する前記修正を行う(1)又は(2)に記載の積層造形物の積層計画方法。
この構成の積層造形物の積層計画方法によれば、溶着ビードを積層した後に切削する部分である余肉量を適切に算出し、この余肉部分の切削にかかる切削時間を含んだ全体の造形時間を抑えることができる。
この構成の積層造形物の製造方法によれば、溶着ビードを形成する際の溶接パスのパス間温度を適切に管理しつつ、積層計画における溶接条件を修正して造形時間を抑えて積層造形物を製造することができる。
前記3次元形状データを取得する入力部と、
前記3次元形状データの形状を層分解した各層を前記溶着ビードで形成するための溶接パス、及び前記溶着ビードを形成する際の溶接条件を定める積層計画を作成する積層計画作成部と、
複数の前記溶接パスについて、溶接パスの終了から次の溶接パスの開始までのパス間時間を設定し、前記パス間時間における伝熱計算を行ってパス間温度を算出する温度予測部と、
前記パス間温度が予め設定したパス間温度範囲に収まるか否かを判定し、前記パス間温度が前記パス間温度範囲に収まるまで、前記パス間時間を変更して伝熱計算を繰り返すパス間温度調整部と、
前記パス間温度範囲に収まる前記パス間温度が算出されたときの前記パス間時間と、前記溶接パスでの前記溶着ビードの形成に要する溶接パス時間とに応じて、前記積層造形物の造形に要する造形時間を算出する造形時間見積り部と、
前記造形時間と予め設定した上限値と比較して、前記造形時間が前記上限値以下となるまで積層計画における前記溶接条件を繰り返し変更する溶接条件調整部と、
を備える積層造形物の製造装置。
この構成の積層造形物の製造装置によれば、溶着ビードを形成する際の溶接パスのパス間温度を適切に管理しつつ、積層計画における溶接条件を修正して造形時間を抑えて積層造形物を製造することができる。
31 積層計画作成部
33 変形量計算部
34 余肉量設定部
35 プログラム生成部
36 温度予測部
37 記憶部
38 造形時間見積り部
39 入力部
40 表示部
100 積層造形物の製造装置
B 溶着ビード
D0 3次元形状データ
D1 造形物形状データ
Tn パス間温度
ta 造形時間
tc 切削時間
tpn 溶接パス時間
tn パス間時間
W 積層造形物
δ 余肉量
Claims (5)
- 溶着ビードをベースプレート上に積層する積層造形装置により、積層造形物を該積層造形物の3次元形状データを用いて造形する積層造形物の積層計画方法であって、
コンピュータが、
前記3次元形状データを取得する工程と、
前記3次元形状データの形状を層分解した各層を前記溶着ビードで形成するための溶接パス、及び前記溶着ビードを形成する際の溶接条件を定める積層計画を作成する工程と、
複数の前記溶接パスについて、溶接パスの終了から次の溶接パスの開始までのパス間時間を設定し、前記パス間時間における伝熱計算を行ってパス間温度を算出する工程と、
前記パス間温度が予め設定したパス間温度範囲に収まるか否かを判定し、前記パス間温度が前記パス間温度範囲に収まるまで、前記パス間時間を調整して伝熱計算を繰り返す工程と、
前記パス間温度範囲に収まる前記パス間温度が算出されたときの前記パス間時間と、前記溶接パスでの前記溶着ビードの形成に要する溶接パス時間とに応じて、前記積層造形物の造形に要する造形時間を算出する工程と、
前記造形時間と予め設定した上限値と比較して、前記造形時間が前記上限値以下となるまで積層計画における前記溶接条件を繰り返し修正する工程と、
を実行する積層造形物の積層計画方法。 - 前記溶接条件の修正は、溶接速度、パス数、ビード形状のいずれかを修正する請求項1に記載の積層造形物の積層計画方法。
- 前記コンピュータが、
前記伝熱計算が終了して算出された前記パス間時間と前記パス間温度とを基に、熱収縮した際の前記積層造形物の造形物形状データを作成する工程と、
前記造形物形状データと前記3次元形状データの造形形状の差分から、余肉量を算出する工程と、
前記余肉量から前記積層造形物に対する加工時間である切削時間を推定する工程と、
を実施し、
前記造形時間に前記切削時間を加算する前記修正を行う請求項1又は2に記載の積層造形物の積層計画方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層造形物の積層計画方法により作成した前記積層計画に基づいて、前記積層造形物を製造する積層造形物の製造方法。
- 積層造形物の3次元形状データを用い、溶着ビードをベースプレート上に積層して前記積層造形物を造形する積層造形物の製造装置であって、
前記3次元形状データを取得する入力部と、
前記3次元形状データの形状を層分解した各層を前記溶着ビードで形成するための溶接パス、及び前記溶着ビードを形成する際の溶接条件を定める積層計画を作成する積層計画作成部と、
複数の前記溶接パスについて、溶接パスの終了から次の溶接パスの開始までのパス間時間を設定し、前記パス間時間における伝熱計算を行ってパス間温度を算出する温度予測部と、
前記パス間温度が予め設定したパス間温度範囲に収まるか否かを判定し、前記パス間温度が前記パス間温度範囲に収まるまで、前記パス間時間を変更して伝熱計算を繰り返すパス間温度調整部と、
前記パス間温度範囲に収まる前記パス間温度が算出されたときの前記パス間時間と、前記溶接パスでの前記溶着ビードの形成に要する溶接パス時間とに応じて、前記積層造形物の造形に要する造形時間を算出する造形時間見積り部と、
前記造形時間と予め設定した上限値と比較して、前記造形時間が前記上限値以下となるまで積層計画における前記溶接条件を繰り返し変更する溶接条件調整部と、
を備える積層造形物の製造装置。
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