JP2021027166A - プレーナ型コイル、およびプレーナ型トランス - Google Patents
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Abstract
Description
コイルパターンの表面には、高周波の回路駆動に対応するために、電流の流れる方向に沿って延びるスリットが複数設けられている。
トランスの2次側コイルに使用されるプレーナ型コイルであって、
複数の配線層が重畳配置された基板と、
前記基板に設けられた複数のコイルと、を有し、
前記配線層の各々では、前記コイルの1周分の一部に相当するコイルパターンが形成されており、
異なる前記配線層に設けられた前記コイルパターン同士が、前記配線層の重畳方向で導通点を介して互いに連結されて、前記コイル各々の前記1周分が形成されている構成のプレーナ型コイルとした。
図1は、DC−DCコンバータ1の回路図である。
図2は、DC−DCコンバータ1の1次側コイル基板10と2次側コイル基板20との配置を説明する模式図である。
トランスTの2次側では、センタータップ式のコイルL1、L2と、センタータップ式のコイルL3、L4が並列に設けられている。
そして、変圧された交流電圧が、整流用のダイオードD1、D2およびダイオードD3、D4と、平滑用コンデンサCoで直流電圧に戻されて、2次側の負荷Routに供給される。
基板の各層(表面層、裏面層、中間層)には、コイルパターンが形成されており、基板の各層のコイルパターンが、直列に接続されて1次コイルを構成している。
図3は、2次側コイル基板20を説明する図である。図3の(a)は、2次側コイル基板20を配線層22側から見た平面図である。図3の(b)は、図3の(a)におけるA−A断面図である。図3の(c)は、図3の(b)におけるB−B断面図である。
図4は、2次側コイル基板20の分解斜視図である。なお、図4では、配線層22、23におけるコイルパターンL1a〜L4a、L1b〜L4bを簡略的に標記している。
図3に示すように、配線層22には、各コイルL1〜L4の1周分の一部に相当するコイルパターンL1a〜L4aが形成されている。配線層23には、各コイルL1〜L4の1周分の残りの一部に相当するコイルパターンL1b〜L4bが形成されている。
図5は、コイルL1を説明する図である。
図5の(a)は、コイルL1を配線層22側から見た平面図である。なお、図5の(a)では、配線層22に形成されたコイルパターンL1aを実線で示すと共に、配線層23に形成されたコイルパターンL1bを破線で示している。
図5の(b)は、コイルパターンL1aとコイルパターンL1bを説明する図である。図5の(b)では、2次側コイル基板20の配線層22側から見たときの配置で、コイルパターンL1aとコイルパターンL1bを示している。
2次側コイル基板20においてコイルパターンL1aとコイルパターンL1bは、中間線C1を間に挟んで対称となる位置関係で配置されている。
基部231は、長手方向の一端231aと他端231bとの間の領域231fが、一端231aと他端231bを結ぶ直線Lxの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。
直線Lxの直交方向において、領域231fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点231pは、直線Lxから所定距離L’離れている。
図5の(b)に示すように、コイルパターンL1aの基部221の基本形状は、中間線C1を間に挟んで、コイルパターンL1bの基部231と略対称となる形状である。
基部221の長手方向の一端221aと他端221bには、リング状のランドが一体に形成されている。
この湾曲した領域221fは、境界線Bを挟んだ一端221a側と、他端221b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lxの直交方向において、領域221fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点221pは、直線Lxから所定距離L’離れている。
一端221a側の基部221Aは、他端221b側の基部221Bよりも周長が長くなっており、曲率半径r1の部分と曲率半径r2の部分の両方を有している。
基部221Aの端部221cには、ダイオードD1との接続線221eが設けられている。接続線221eは、基部221Aにおける直線Lxとは反対側の外周から、直線Lxから離れる方向に直線状に延びている。接続線221eの先端に、ダイオードD1が接続されている。
接続線232eは、ダイオードD1の接続線221eに対して平行に設けられている。
接続線232eでは、基部221Aの端部221cと、基部221Bの端部221dとの間の領域に、絶縁層21を厚み方向に貫通した導通点216が接続されている。
接続線232eは、導通点216を介して、配線層23側のコイルパターンL2b(基部232A:図6参照)に接続されている。
配線層22のコイルパターンL1aと、配線層23のコイルパターンL1bは、基部221、231の一端221a、231aと、他端221b、231bとが重なるように配置されている。
配線層22側のコイルパターンL1aと、配線層23側のコイルパターンL1bと、から、コイルL1の1周分に相当するコイルパターンが2次側コイル基板20上に形成されている。
図6の(a)は、コイルL2を配線層22側から見た平面図である。なお、図6の(a)では、配線層22に形成されたコイルパターンL2aを実線で示すと共に、配線層23に形成されたコイルパターンL2bを破線で示している。
図6の(b)は、コイルパターンL2aとコイルパターンL2bを説明する図である。
図6の(b)では、2次側コイル基板20の配線層22側から見たときの配置で、コイルパターンL2aとコイルパターンL2bを示している。
なお、中間線C2は、前記した中間線C1に直交する直線であり、中間線C1と中間線C2との交点(後記する中心線C)は、後記する仮想円Im1(図3参照)の中心に位置している。
基部222では、長手方向の一端222aと他端222bとの間の領域222fが、一端222aと他端222bを結ぶ直線Lyの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。なお、直線Lyは、前記した直線Lxに直交する。
直線Lyの直交方向において、領域222fの直線Lyから最も離れた位置にある外周点222pは、直線Lyから所定距離L’離れている。
図6の(b)に示すように、コイルパターンL2bの基部232の基本形状は、中間線C2を間に挟んで、コイルパターンL2aの基部222と略対称となる形状である。
基部232の長手方向の一端232aと他端232bには、リング状のランドが一体に形成されている。
この湾曲した領域232fは、境界線Bを挟んだ一端232a側と、他端232b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lyの直交方向において、領域232fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点232pは、直線Lyから所定距離L’離れている。
一端232a側の基部232Aは、他端232b側の基部232Bよりも周長が長くなっており、曲率半径r1の部分と曲率半径r2の部分の両方を有している。
基部232Aの端部232cは、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点216が接続されている。基部232Aの端部221cは、導通点216を介して、前記したダイオードD2の接続線232e(図5参照)に接続されている。
配線層22のコイルパターンL2aと、配線層23のコイルパターンL2bは、基部222、232の一端222a、232aと、他端222b、232bとが重なるように配置されている。
配線層22側のコイルパターンL2aと、配線層23側のコイルパターンL2bと、から、コイルL2の1周分に相当するコイルパターンが2次側コイル基板20上に形成されている。
図7の(a)は、2次側コイル基板20を配線層22側から見た平面図である。図7の(b)は、コイルL1とコイルL2との接続関係を説明する図であって、配線層22と配線層23とを離間させて示した分解斜視図である。なお、図7の(a)では、2次側コイル基板20に設けられたコイルL1、L2のみを示している。また、図7の(b)では、絶縁層21の記載を省略している。
図7の(a)では、コイルL1とコイルL2の交差領域は、中心線C周りの周方向に180度位相をずらした位置関係となっている。なお、中心線Cは、前記した中間線C1、C2に直交すると共に、2次側コイル基板20を厚み方向に貫通する直線である。
本実施形態では、配線層22側から見てコイルL1とコイルL2とが互いに交差する交差領域を利用して、ダイオードD1、D2と、センタータップCTを設けている。
そのため、コイルL1、L2は、センタータップCTを共用して設けられている。
・コイルL1におけるセンタータップCTとの接続点(端部221d)から、ダイオードD1が接続された接続線221eまでの距離1
・コイルL2におけるセンタータップCTとの接続点(端部232d)から、ダイオードD2が接続された接続線232eまでの距離2
コイルL1とコイルL2との間で、インダクタンスにバラツキが生じないようにするためである。
距離1と距離2が同じである限りにおいて、コイルL1とコイルL2の形状が異なっていてもよい。
図9の(a)は、コイルL3を配線層22側から見た平面図である。なお、図9の(a)では、配線層22に形成されたコイルパターンL3aを実線で示すと共に、配線層23に形成されたコイルパターンL3bを破線で示している。
図9の(b)は、コイルパターンL3aとコイルパターンL3bを説明する図である。図9の(b)では、2次側コイル基板20の配線層22側から見たときの配置で、コイルパターンL3aとコイルパターンL3bを示している。
2次側コイル基板20においてコイルパターンL3aとコイルパターンL3bは、中間線C1を間に挟んで対称となる位置関係で配置されている。
基部233では、長手方向の一端233aと他端233bとの間の領域233fが、一端233aと他端233bを結ぶ直線Lxの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。
直線Lxの直交方向において、領域233fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点233pは、直線Lxから所定距離L’離れている。
基部223の長手方向の一端223aと他端223bには、リング状のランドが一体に形成されている。
この湾曲した領域223fは、境界線Bを挟んだ一端223a側と、他端223b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lxの直交方向において、領域223fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点223pは、直線Lxから所定距離L’離れている。
一端223a側の基部223Aは、他端223b側の基部223Bよりも周長が長くなっており、曲率半径r1の部分と曲率半径r2の部分の両方を有している。
基部223Aの端部223cには、ダイオードD3との接続線223eが設けられている。接続線223eは、基部223Aにおける直線Lxとは反対側の外周から、直線Lxから離れる方向に直線状に延びている。接続線223eの先端に、ダイオードD3が接続されている。
接続線234eは、ダイオードD3の接続線223eに対して平行に設けられている。
接続線234eでは、基部223Aの端部223cと、基部223Bの端部223dとの間の領域に、絶縁層21を厚み方向に貫通した導通点216が接続されている。
接続線234eは、導通点216を介して、配線層23側のコイルパターンL4b(基部234B:図10参照)に接続されている。
配線層22のコイルパターンL3aと、配線層23のコイルパターンL3bは、基部223、233の一端223a、233aと、他端223b、233bとが重なるように配置されている。
配線層22側のコイルパターンL3aと、配線層23側のコイルパターンL3bと、から、コイルL3の1周分に相当するコイルパターンが2次側コイル基板20上に形成されている。
図10の(a)は、コイルL4を配線層22側から見た平面図である。なお、図10の(a)では、配線層22に形成されたコイルパターンL4aを実線で示すと共に、配線層23に形成されたコイルパターンL4bを破線で示している。
図10の(b)は、コイルパターンL4aとコイルパターンL4bを説明する図である。
図10の(b)では、2次側コイル基板20の配線層22側から見たときの配置で、コイルパターンL4aとコイルパターンL4bを示している。
基部224では、長手方向の一端224aと他端224bとの間の領域224fが、一端224aと他端224bを結ぶ直線Lyの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。
直線Lyの直交方向において、領域224fの直線Lyから最も離れた位置にある外周点224pは、直線Lyから所定距離L’離れている。
図10の(b)に示すように、コイルパターンL4bの基部234の基本形状は、中間線C2を間に挟んで、コイルパターンL3aの基部223と略対称となる形状である。
基部234の長手方向の一端234aと他端234bには、リング状のランドが一体に形成されている。
この湾曲した領域234fは、境界線Bを挟んだ一端234a側と、他端234b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lyの直交方向において、領域234fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点234pは、直線Lyから所定距離L’離れている。
一端234a側の基部234Aは、他端234b側の基部234Bよりも周長が長くなっており、曲率半径r1の部分と曲率半径r2の部分の両方を有している。
基部234Aの端部234cは、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点216が接続されている。基部234Aの端部234cは、導通点216を介して、前記したダイオードD4の接続線234e(図9参照)に接続されている。
配線層22のコイルパターンL4aと、配線層23のコイルパターンL4bは、基部224、234の一端224a、234aと、他端224b、234bとが重なるように配置されている。
配線層22側のコイルパターンL4aと、配線層23側のコイルパターンL4bと、から、コイルL4の1周分に相当するコイルパターンが2次側コイル基板20上に形成されている。
図11の(a)は、2次側コイル基板20を配線層22側から見た平面図である。図11の(b)は、コイルL3とコイルL4との接続関係を説明する図であって、配線層22と配線層23とを離間させて示した分解斜視図である。なお、図11の(a)では、2次側コイル基板20に設けられたコイルL3、L4のみを示している。また、図7の(b)では、絶縁層21の記載を省略している。
図11の(a)では、コイルL3とコイルL4の交差領域は、中心線C周りの周方向に180度位相をずらした位置関係となっている。
本実施形態では、配線層22側から見てコイルL3とコイルL4とが互いに交差する交差領域を利用して、ダイオードD3、D4と、センタータップCTを設けている。
そのため、コイルL3、L4はセンタータップCTを共用して設けられている。
・コイルL3におけるセンタータップCTとの接続点(端部223d)から、ダイオードD3が接続された接続線223eまでの距離3
・コイルL4におけるセンタータップCTとの接続点(端部234d)から、ダイオードD4が接続された接続線234eまでの距離4
距離3と距離4が同じである限りにおいて、コイルL3とコイルL4の形状が異なっていてもよい。
・配線層22側から見たときの各コイルL1〜L4の基本形状が同じとなる。
・各コイルL1〜L4におけるダイオードD1〜D4からセンタータップCTとの接続点Pcまでの距離1、距離2、距離3、距離4が同じである。
本実施形態では、4つのコイルL1〜L4が電気的に接続されないようにするために、コイルL1〜L4のコイルパターンL1a〜L4aが、絶縁層21を間に挟んだ一方側の配線層22に設けられている。コイルL1〜L4のコイルパターンL1b〜L4bが、配線層23に設けられている。
前記したように、平面視において基部221〜224は、基本形状が実質的に同じ円弧形状を成している。基部221〜224の長手方向の他端221b〜224bは、中心線Cを所定間隔で囲む仮想円Im2上に位置している。
基部221〜224の一端221a〜224aは、中心線Cを所定間隔で囲むと共に、仮想円Im2よりも外径が小さい仮想円Im1上に位置している。
コイルパターンL1a〜L4a同士の接触を避けつつ、コイルパターンL1a〜L4aの周長を確保している。
前記したように、平面視において基部231〜234は、基本形状が実質的に同じ円弧形状を成している。基部231〜234の長手方向の他端231b〜234bは、中心線Cを所定間隔で囲む仮想円Im2上に位置している。
基部231〜234の一端231a〜234aは、中心線Cを所定間隔で囲むと共に、仮想円Im2よりも外径が小さい仮想円Im1上に位置している。
コイルパターンL1b〜L4b同士の接触を避けつつ、コイルパターンL1b〜L4bの周長を確保している。
そのため、コイルL1、L2で共用するセンタータップCTの引出方向と、コイルL3、L4で共用するセンタータップCTの引出方向と、が中心線C周りの周方向で180度オフセットしており、互いに干渉しないようになっている。
これにより、2次側コイル基板20を大型化させることなく、センタータップを共用するコイル組の総数を増やすことができるようになっている。
図17は、センタータップを共用するコイル組(La、Lb)、コイル組(Lc、Ld)を有する比較例にかかる2次側コイル基板20Fを説明する図である。
2次側コイル基板20Fは、コイル組(コイルパターンLa、Lb)、コイル組(コイルパターンLc、Ld)を二つ備えている。これらコイル組では、コイルパターンLa、Lbが、センタータップCT1を共用しており、コイルパターンLc、Ldが、センタータップCT2を共用している。
そのため、ダイオードDa〜Ddを設置する基板の取り回しによっては、コイルパターンLa、Lbのコイル組でのセンタータップCT1からダイオードDa、Dbまでの距離と、コイルパターンLc、Ldのコイル組でのセンタータップCT2からダイオードDc、Ddまでの距離とが異なる場合が生じる。
かかる場合、コイル組の間でのインダクタンスに差異が生じてしまう。
例えば、同一のコイル組を構成するコイルL1、L2において、センタータップCTからダイオードD1、D2までの距離が異なると、コイルL1、L2の間でのインダクタンスに差異が生じる。
そうすると、インダクタンスの差異が、コイルL1、L2における電流密度が不均一になる結果、ダイオードD1、D2での導通損失や発熱に影響する。これらの影響を考慮すると、ダイオードなどの素子選定時には過大なマージンを見込む必要が発生し、コスト増加を招く可能性もある。また、それらの影響は、半導体素子M1、M2を、より高周波でオン/オフさせる仕様になるほど顕著になる。
(1)複数の配線層22、23が重畳配置された2次側コイル基板20(基板)と、
2次側コイル基板20に設けられた複数のコイルL1〜L4と、を有する。
配線層22では、コイルL1〜L4の1周分の一部に相当するコイルパターンL1a〜L4aが形成されている。
配線層22では、コイルL1〜L4の1周分の残りの一部に相当するコイルパターンL1b〜L4bが形成されている。
異なる配線層22、23に設けられたコイルパターンL1a〜L4aと、コイルパターンL1b〜L4bとが、配線層22、23の重畳方向で導通点215を介して互いに連結されて、コイルL1〜L4各々の1周分が形成されている。
上記のように構成すると、各コイルL1〜L4の1周分の長さを等しくできるので、インダクタンスのバラツキを低減できる。
また、同一平面上に配置された各コイルパターンL1a〜L4と、コイルパターンL1b〜L4bでは、互いに隣り合う他のコイルパターンと平行にならないレイアウトで、コイルパターンが形成される。そのため、各コイルパターンに発生する渦電流が干渉することによる損失を低減することが可能になる。
コイルL1、L2の各々では、コイルL1の1周分を形成するコイルパターンL1a、L1bと、コイルL2の1周分を形成するコイルパターンL2a、L2bの周上に、整流用のダイオードD1、D2と、他のコイルと共用するセンタータップCTの引出線と、が設けられている。
センタータップCTからダイオードD1、D2までの長さが、複数のコイルL1、L2の総てにおいて同じ長さとなるように、コイルパターンL1a、L1bと、コイルパターンL2a、L2bの各々が形成されている。
すなわち、複数のコイルL1、L2の形状が同じである場合だけでなく、複数のコイルL1、L2の形状が異なる場合であっても、センタータップCTの引出線からダイオードD1、D2までの長さが等しくなるので、インダクタンスのバラツキを低減できる。
コイルL1、L2の各々では、コイルL1の1周分を形成するコイルパターンL1a、L1bと、コイルL2の1周分を形成するコイルパターンL2a、L2bの周上に、整流用のダイオードD1、D2が設けられている。
センタータップCTの引出線を共用する2つのコイルL1、L2のうちの一方のコイルL1のダイオードD1からの距離と、他方のコイルL2のダイオードD2からの距離が同じとなる位置に、センタータップCTの引出線が接続されている。
コイルL1の1周分を形成するコイルパターンL1a、L1bは、他のコイルL2の1周分を形成するコイルパターンL2a、L2bとの電気的な接続を避けて設けられている。
これにより、コイルの1周分を形成するコイルパターン同士の導通点215による接続位置が、他のコイルの1周分を形成するコイルパターン同士の導通点215による接続位置と交差しない範囲で、複数のコイルを2次側コイル基板20の中央部に集めて配置することができる。
これにより、インダクタのバラツキを低減しつつ、2次側コイル基板20のコンパクト化が可能になる。
配線層22、23において、コイルパターンL1a〜L4a、L1b〜L4bは、コイルの巻き線(中心線C)を中心として90度ごとに形成されている。
重畳方向から見て、配線層22に形成されたコイルパターンL1a〜L4aと、配線層23に形成されたコイルパターンL1b〜L4bの各々は、コイルL1、L2の1周分の半分の長さで形成されている。
重畳方向から見てコイルパターンL1b〜L4bは、長手方向の一端231a〜234aが、2次側コイル基板20に直交する中心線C(基準軸)の径方向で、他端231b〜234bよりも内径側に位置している。
配線層22に形成されたコイルパターンL1a〜L4aの各々は、中心線C周りの周方向に位相をずらして設けられている。
配線層23に形成されたコイルパターンL1b〜L4bの各々は、中心線C周りの周方向に位相をずらして設けられている。
コイルパターンL1a〜L4aの一端221a〜224a側は、中心線C周りの周方向で隣接する他のコイルパターンL1a〜L4aの内径側を、周方向に沿って延びている。
コイルパターンL1b〜L4bの一端231a〜234a側は、中心線C周りの周方向で隣接する他のコイルパターンL1b〜L4bの内径側を、周方向に沿って延びている。
そのため、同一平面上に配置された各コイルパターンL1a〜L4aが、互いに並行にならないレイアウトで設けられているので、各コイルパターンに発生する渦電流が干渉することによる損失を低減することが可能になる。
同一の配線層23(平面)に形成されたコイルパターンL1b〜L4bもまた、同様である。
前記した実施形態では、センタータップを共用するコイル組が、2次側コイル基板20に2つ設けられている場合を例示した。図13に示すように、センタータップを共用するコイル組が3つ設けられた2次側コイル基板20Aとしても良い。
図13の(a)は、変形例にかかる2次側コイル基板20Aを配線層22側から見た平面図である。図13の(b)は、2次側コイル基板20Aの回路図である。
なお、図13の(a)では、説明の便宜上、センタータップCTとダイオードD1〜D6の図示を省略して、これらの引出方向を矢印で示している。
図14は、変形例にかかる2次側コイル基板20Aでのコイルパターンを説明する図である。図14の(a)は、配線層22AにおけるコイルパターンL1a〜L6aの配置を説明する図である。図14の(b)は、配線層23AにおけるコイルパターンL1b〜L6bの配置を説明する図である。
これら3つのコイル組は、中心線C周りの周方向に、大凡120度ずつ位相をずらして設けられている。
第2のコイル組(コイルL3、L4)におけるセンタータップCTとダイオードD3、D4の引出方向は、図13の(a)における右斜め下方である。
第3のコイル組(コイルL5、L6)におけるセンタータップCTとダイオードD5、D6の引出方向は、図13の(a)における左方向である。
そのため、配線層22A側から見て重なる位置関係で設けられたコイルL1〜L6は、互いに電気的に接続されることなく、独立して形成されている。
コイルパターンL1a〜L6aは、一端221a〜226aから他端221b〜226b側に向かうにつれて、中心線Cからの離間距離が大きくなる弧状を成している。
コイルパターンL1b〜L6bは、一端231a〜236aから他端231b〜236b側に向かうにつれて、中心線Cからの離間距離が大きくなる弧状を成している。
そして、コイルパターンL1a〜L6aと、コイルパターンL1b〜L6bを、それぞれ中心線Cを中心として、60度(=360度/6本)ずつ位相をずらして形成している。
これにより、配線層22AにおけるコイルパターンL1a〜L6a同士の接触と、配線層23AにおけるコイルパターンL1b〜L6b同士の接触を好適に防止している。
(9)2次側コイル基板20Aにおけるコイルの総数がN個である場合、
コイルパターンは、1つの配線層に形成される本数がN本であり、
コイルパターンは、コイルの巻き線(中心線C:仮想円Im1の中心)を中心として、(360/N)度ずつ位相をずらして成形される。
前記した実施形態では、コイルL1〜L4が、二つの配線層22、23に設けたコイルパターンL1a〜L4a、L1b〜L4bから構成される場合を例示した。
コイルL1〜L4が、三つの配線層22B、23B、24Bに設けたコイルパターンL1a〜L4a、L1b〜L4b、L1c〜L4cから構成されるようにしてもよい。
図15の(a)は、2次側コイル基板20Bを配線層22B側から見た平面図である。図15の(b)は、図15の(a)におけるA−A断面図である。図15の(c)は、図15の(a)におけるB−B断面図である。図15の(c)は、2次側コイル基板20Bに設けたコイルL1を構成するコイルパターンL1a〜L1cを説明する図である。
図16は、各配線層22B、23B、24Bにおけるコイルパターンを説明する図である。
変形例では、中間線C1を挟んで対称な形状のコイルパターンL1a、L1bと、コイルパターンL1a、L1bの端部同士を接続するコイルパターンL1cとで、コイルL1の1周分が形成される(図15の(c)参照)。
コイルパターンL1a、L1bは、一端221a、231aと他端221b、231bとの間の領域が、中間線C1の径方向外側を迂回する湾曲形状を成している。
コイルパターンL1a、L1bの他端221b、231bには、コイルパターンL1cの一端241aと他端241bが接続されて、コイルL1の1周分が形成されている。
コイルパターンL1cは、中間線C1を境にして一端241a側と他端241b側が対称となる形状を成している。
そのため、コイルパターンL1aとコイルパターンL1bは、中間線C1上の点Pを中心とした大凡135度の角度範囲に設けられている。
この場合にも、コイルL1〜L4におけるセンタータップCTからダイオードD1〜D4までの距離を等しくすることができるので、インダクタンスのバラツキを低減できる。
前記した実施形態では、図2に示すように、プレーナ型トランスが、1次コイルを有する1次側コイル基板10と、2次コイル(プレーナ型コイル2)を有する2次側コイル基板20と、有している場合を例示した。
例えば、図18に示すように、4つのコイルを有する2次側コイル基板20、20の間に、1次側コイル基板10を配置した構成のトランスTC(プレーナ型トランス)としてもよい。
一方の2次側コイル基板20は、コイルL1〜L4を有しており、他方の2次側コイル基板20は、コイルL5〜L8を有している。
積層方向に間隔をあけて配置した2次側コイル基板20、20(2次側コイル)の間に、1次側コイル基板10(1次側コイル)を配置した構成としてもよい。
図19は、変形例にかかる2次側コイル基板20Cを説明する図である。
図19の(a)は、2次側コイル基板20Cを配線層22C側から見た平面図である。図19の(b)は、図19の(a)におけるA−A断面図である。図19の(c)は、図3の(b)におけるB−B断面図である。
(11)2次側コイル基板20Cでは、配線層22Cに設けられたコイルパターンL1a〜L4aと、配線層23Cに設けられたコイルパターンL1b〜L4bとが、配線層22C、23Cの重畳方向で導通点215を介して互いに連結されて、コイルL1〜L4各々の1周分が形成されている。
配線層22C側から見て、各コイルL1〜L4の1周分は、フェライトコア(図示せず)が設置される挿通孔210を囲む略環状に設けられている。
各コイルL1〜L4の1周分は、挿通孔210の中心を通る中心線C回りの周方向で、位相をずらして設けられている。
2 プレーナ型コイル
10 1次側コイル基板
101 挿通孔
20、20A、20B、20C、20F 2次側コイル基板
201 挿通孔
21 絶縁層
215、216、217 導通点
22、22A、22B、22C、23、23A、23B、23C、24B 配線層
221、221A、221B 基部
221e 接続線
222 基部
223、223A、223B 基部
223e 接続線
224 基部
231 基部
232、232A、232B 基部
233 基部
234、234A、234B 基部
234e 接続線
C、C1、C2 中心線
CT センタータップ
D1〜D6 ダイオード
L、L1〜L6 コイル
M1 半導体素子
M2 半導体素子
T トランス
トランスの2次側のコイルに使用されるプレーナ型コイルであって、
複数の配線層が重畳配置された基板と、
前記基板に設けられた複数のコイルと、を有し、
前記配線層の各々では、前記コイルの1周分の一部に相当するコイルパターンが形成されており、
異なる前記配線層に設けられた前記コイルパターン同士が、前記配線層の重畳方向で導通点を介して互いに連結されて、前記コイル各々の前記1周分が形成されており、
前記2次側のコイルは、センタータップ方式のコイル組であり、
前記コイルの各々では、前記コイルの1周分を形成するコイルパターンの周上に、整流用のダイオードと、他のコイルと共用するセンタータップの引出線と、が設けられており、
前記センタータップの引出線から前記ダイオードまでの長さが、前記複数のコイルの総てにおいて同じ長さとなるように、前記コイルパターンの各々が形成されている構成のプレーナ型コイルとした。
Claims (10)
- トランスの2次側のコイルに使用されるプレーナ型コイルであって、
複数の配線層が重畳配置された基板と、
前記基板に設けられた複数のコイルと、を有し、
前記配線層の各々では、前記コイルの1周分の一部に相当するコイルパターンが形成されており、
異なる前記配線層に設けられた前記コイルパターン同士が、前記配線層の重畳方向で導通点を介して互いに連結されて、前記コイル各々の前記1周分が形成されていることを特徴とするプレーナ型コイル。 - 前記2次側のコイルは、センタータップ方式のコイル組であり、
前記コイルの各々では、前記コイルの1周分を形成するコイルパターンの周上に、整流用のダイオードと、他のコイルと共用するセンタータップの引出線と、が設けられており、
前記センタータップの引出線から前記ダイオードまでの長さが、前記複数のコイルの総てにおいて同じ長さとなるように、前記コイルパターンの各々が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプレーナ型コイル。 - 前記トランスは、センタータップ方式のトランスであり、
前記コイルの各々では、前記コイルの1周分を形成するコイルパターンの周上に、整流用のダイオードが設けられており、
センタータップの引出線を共用する2つのコイルのうちの一方のコイルのダイオードからの距離と、他方のコイルのダイオードからの距離が同じとなる位置に、前記センタータップの引出線が接続されていることを特徴とする請求項1に記載のプレーナ型コイル。 - 前記コイルパターンは、当該コイルパターン同士を連結して形成した前記コイルの1周分の長さが、前記複数のコイルの総てにおいて同じとなるように形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプレーナ型コイル。
- 前記配線層の重畳方向から見て、前記コイルの1周分を形成するコイルパターン同士の導通点が、他のコイルの1周分を形成するコイルパターン同士の導通点と重ならないように、前記コイルパターンが配置されており、
前記コイルの1周分を形成するコイルパターンは、前記他のコイルの1周分を形成するコイルパターンとの電気的な接続を避けて設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のプレーナ型コイル。 - 前記基板における前記コイルの総数がN個である場合、
前記コイルパターンは、1つの前記配線層に形成される本数がN本であり、
前記コイルパターンは、前記コイルの巻き線を中心として、(360/N)度ずつ位相をずらして成形されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載のプレーナ型コイル。 - 前記基板における前記コイルの総数は4個であり、
前記コイルパターンは、1つの前記配線層に形成される本数が4本であり、
前記コイルパターンは、前記コイルの巻き線を中心として90度ごとに成形されている
ことを特徴とする請求項6に記載のプレーナ型コイル。 - 前記基板は、前記配線層が2つ重畳された基板であり、
前記重畳方向から見て、前記配線層に形成された前記コイルパターンの各々は、前記コイルの1周分の半分の長さで形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載のプレーナ型コイル。 - 前記重畳方向から見て前記コイルパターンは、長手方向の一端が、前記基板に直交する基準軸の径方向で、他端よりも内径側に位置しており、
前記配線層に形成された前記コイルパターンの各々は、前記基準軸周りの周方向に位相をずらして設けられており、前記コイルパターンの一端側は、前記基準軸周りの周方向で隣接する他のコイルパターンの内径側を、前記周方向に沿って延びていることを特徴とする請求項7に記載のプレーナ型コイル。 - 請求項1から請求項9の何れか一項に記載のプレーナ型コイルを、2次側コイルとして採用し、入力側としての1次側コイルと、2つの前記2次側コイルとを積層配置したプレーナ型トランスであって、
前記積層方向に間隔をあけて配置した前記2次側コイルの間に、前記1次側コイルを配置したことを特徴とするプレーナ型トランス。
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