以下、本発明に係る照明器具の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本発明は、以下の実施の形態に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、明細書の全文において、床面から天井に向かう方向を「上方向」と呼び、天井側を「上側」と呼ぶこととする。また、同様に、天井から床面に向かう垂直な方向を「下方向」と呼び、床面側を「下側」と呼ぶこととする。また、各構成部材において、照明器具1の中央部分に設けられた開口側を「内側」と呼び、照明器具1の外部側を「外側」と呼ぶこととする。また、以下の実施の形態では、照明器具1を長方形の箱型と仮定して、長辺に平行な方向を「長手方向」と呼び、短辺に平行な方向を「短手方向」と呼ぶ。しかしながら、これは、説明を分かりやすくするためであり、照明器具1は正方形の箱型であってもよい。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の外観を示す斜視図である。また、図2は、実施の形態1に係る照明器具1の構成を示す分解斜視図である。図1および図2に示すように、照明器具1は、器具本体50と光源ユニット10とを備えている。光源ユニット10は、後述する導光板17および拡散カバー13を有している。
実施の形態1に係る照明器具1は、導光板17の出射面である下面から第1の光である青色光が出射される第1の光学部材と、導光板17の出射面と交差する向きに配置された拡散カバー13の発光面から第2の光である白色光を出射する第2の光学部材とを備えている。拡散カバー13の発光面は、コの字型を形成するように3方向に設けられている。従って、拡散カバー13の発光面が当該3方向から白色光を出射し、導光板17の下面全体から青色光が出射される。青色光の強度は、白色光の強度よりも弱くなるように構成されている。当該構成により、実施の形態1に係る照明器具1は、窓枠越しに青空を見るような奥行き感のある視覚効果を演出する。また、実施の形態1に係る照明器具1は、後述するように、第1の光学部材が、光源が配置された基板を有し、当該基板が放熱部を有している。当該放熱部の少なくとも一部分が放熱板に密着するように、基板に対して放熱板が取り付けられている。
以下、図面を用いて、照明器具1の構成について説明する。
照明器具1は、天井埋め込み型の照明器具である。照明器具1は、図2に示す天井Cに設けられた埋め込み穴Hに埋め込まれるように設置される。
図1に示すように、照明器具1の器具本体50は、長方形の箱形に形成され、下側が開口している。光源ユニット10は、器具本体50の開口内部に配置される。器具本体50は、図2に示すように、主面51と、4つの側面52とを有している。主面51は、長方形の板状に形成されている。また、側面52のそれぞれは、細長い長方形の板状に形成されている。側面52のそれぞれは、主面51に対して垂直な方向に、主面51の4辺のそれぞれから下方向に向かって延びるように設けられている。
また、器具本体50の4つの側面52のうち、対向する2つの側面52の内側の面には、Vばね取り付け金具53が取り付けられている。Vばね取り付け金具53は、光源ユニット10に設けられた後述するVばね12を引掛けて保持する。
また、図2に示すように、主面51の四隅には、ボルト孔51−1が形成されている。また、天井Cの埋め込み穴Hからは、吊り下げボルトBが吊り下げられている。器具本体50は、ボルト孔51−1に吊り下げボルトBを挿入した後、吊り下げボルトBをナット61で締めることで、固定される。
また、主面51には、電線孔51−2が形成されるとともに、端子台54が設けられている。端子台54は、後述する電源装置31および調光ユニット32に電気的に接続される。端子台54は、電源端子台と信号線端子台とを有する。図2において、電源端子台および信号線端子台は図示を省略している。電線孔51−2からは、電線および信号線が引き出される。電線孔51−2から引き出された電線は、端子台54の電源端子台に電気的に接続される。また、電線孔51−2から引き出された信号線は、端子台54の信号線端子台に電気的に接続される。
図2に示すように、光源ユニット10は、上カバー27とフランジ部11とVばね12と導光板17と拡散カバー13とを備える。上カバー27は、下端が開口した四角錐台に形成される。上カバー27の4つの側面のそれぞれは、台形形状に形成され、上辺の長さが下辺の長さよりも短くなっている。フランジ部11は、平面視で、長方形の枠形に形成されている。フランジ部11は、図2に示すように、上カバー27の下端から水平方向の外側に向かって突出するように配置されている。Vばね12は、フランジ部11の上面に取り付けられている。Vばね12は、器具本体50のVばね取り付け金具53の位置に合わせて、合計4個設けられている。Vばね12は、金属製の線材をV字状に曲げて形成された線ばねである。光源ユニット10は、Vばね12がVばね取り付け金具53に係合することで吊り下げられて、器具本体50に取り付けられる。なお、照明器具1が天井Cの埋め込み穴Hに取り付けられた状態のとき、フランジ部11は埋め込み穴Hの縁を覆う。従って、照明器具1が天井Cの埋め込み穴Hに取り付けられた状態のとき、ユーザからは埋め込み穴Hは見えない。
図3および図4は、実施の形態1に係る照明器具1の光源ユニット10の構成を示す分解斜視図である。光源ユニット10は、図3に示す構成要素と図4に示す構成要素とを有している。図3は、光源ユニット10の下側部分に設けられた構成要素を示し、図4は、光源ユニット10の上側部分に設けられた構成要素を示している。
光源ユニット10の構成要素のうち、まず、図3に示す構成要素について説明する。図3に示すように、光源ユニット10は、フランジ部11、Vばね12、パッキン21、拡散カバー13、パッキン22、白色用LED(Light Emitting Diode)モジュール14、および、第一のモジュール保持部材15を備える。
フランジ部11は、上述したように、長方形の枠形に形成されている。フランジ部11は、金属から構成されている。
Vばね12は、フランジ部11の上面に、合計4個設けられている。
第一のモジュール保持部材15は、平面視で長方形の枠形に形成されている。第一のモジュール保持部材15は、4つの部材を組み合わせて構成されている。4つの部材のそれぞれは、後述する図6に示されるように、L字断面を有している。また、図3に示すように、第一のモジュール保持部材15の4つの部材のそれぞれの下端には、取付フランジ15−1が設けられている。取付フランジ15−1は、後述する図6に示すように、ねじ62によってフランジ部11に取り付けられる。
白色用LEDモジュール14は、平面視で、コの字形に形成されている。すなわち、白色用LEDモジュール14は、長方形の3辺を形成するように構成されている。白色用LEDモジュール14は、板状の3つの基板と、3つの基板のそれぞれに設けられた白色LEDとを有している。隣接する基板同士のなす角度は90°になっている。このように、白色用LEDモジュール14は、光源を有する光モジュールである。光源は、LEDに限定されず、他の発光素子または発光装置を用いてもよい。白色用LEDモジュール14は、3つの基板のそれぞれに設けられた白色LEDから、内側に向かって白色光を出射する。このように、白色用LEDモジュール14は、コの字を構成する3方向から白色光を出射する。白色用LEDモジュール14は、第一のモジュール保持部材15の内側に配置され、第一のモジュール保持部材15によって保持される。
パッキン22は、図4に示す導光板17の出射面である下面と拡散カバー13の上側の端面13−3との間に配置される。パッキン22は、導光板17の出射面と拡散カバー13の上側の端面13−3との間の遮光部として機能する。パッキン22は、後述する青色用LEDモジュール18から出射された光により青く光った導光板17の出射面から拡散カバー13の上側の端面13−3に光が入り込まないよう遮光する。また、パッキン22は、白色用LEDモジュール14から出射された白色光が拡散カバー13の上側の端面13−3から導光板17の出射面に入り込まないよう遮光する。
パッキン22の厚さは、導光板17の出射面と拡散カバー13の発光面13−1との境目をユーザに感じさせないようにする観点からは、薄い方が望ましい。一方、パッキン22は、照明器具1が地震等により揺れた場合の緩衝材としても機能する。そのため、パッキン22は、地震等の揺れによる振動を緩和して、当該振動を抑制する厚さにすることが好ましい。従って、パッキン22は、導光板17の出射面と拡散カバー13の発光面13−1との境目が目立たず、且つ、地震等の揺れによる振動を抑制できる厚みを有した弾性材で構成することが望ましい。
拡散カバー13は、平面視で、長方形の枠形に形成されている。拡散カバー13は、例えば、乳白色などの白色の樹脂から構成される。拡散カバー13は、上側と下側が開口した四角錐台に形成される。従って、拡散カバー13の4つの側面のそれぞれは、垂直方向に対して予め設定された角度で傾斜している。拡散カバー13の4つの側面のそれぞれは、台形形状の拡散板13−A、13−Bから構成され、上辺の長さが下辺の長さよりも短くなっている。また、拡散カバー13の4つの側面のそれぞれが傾斜している関係で、平面視で、上辺の位置が、下辺の位置よりも内側になるように配置されている。それにより、拡散カバー13の内部空間は、下方向に向かってテーパ状に大きくなっている。拡散カバー13は、上述したように、4枚の台形形状の拡散板13−A、13−Bを組み合わせて形成される。しかしながら、この形成方法に限らず、拡散カバー13を一体成型で形成してもよい。
拡散カバー13の4つの拡散板13−A、13−Bのうち、3つの拡散板13−Aは発光面13−1を有し、他の1つの拡散板13−Bは非発光面13−2を有している。3つの発光面13−1は、コの字型の白色用LEDモジュール14に合わせて、コの字形状に配置されている。
ここで、拡散カバー13の4つの拡散板13−A、13−Bのそれぞれにおいて、拡散カバー13の内部空間に面している内側の面を前面と呼び、外側の面を背面と呼ぶこととする。
拡散カバー13は、白色用LEDモジュール14の内側に配置される。そのため、発光面13−1を有する拡散板13−Aのそれぞれの背面側に、白色用LEDモジュール14が配置されることになる。白色用LEDモジュール14から出射された白色光は、拡散カバー13の拡散板13−Aの入射面である背面から入射して、拡散板13−Aを透過して、拡散板13−Aの発光面13−1である前面から出射される。発光面13−1のそれぞれが傾斜しているため、3つの発光面13−1の前面から出射される白色光は、斜め下方向を照射する。
拡散カバー13の非発光面13−2を有する拡散板13−Bの背面には、遮光シートが貼付され、非発光面13−2から光が漏れないように構成されている。遮光シートは、図示を省略している。
このように、拡散カバー13は、白色光を発する3つの発光面13−1と、光を発しない1つの非発光面13−2とを組み合わせた構成を有している。そのため、拡散カバー13から発せられる光は、3方向からの光となるため、太陽光に照らされたひなたの窓枠、あるいは、日陰の窓枠越しに、外からの光が差し込んでいるような奥行き感のある視覚効果を演出することができる。
また、拡散カバー13は、第1端面である上側の端面13−3と、第2端面である下側の端面13−4とを有している。上側の端面13−3および下側の端面13−4は、フランジ部11の上面に対して平行な面である。
なお、拡散カバー13と白色用LEDモジュール14とは、発光面13−1から第2の光である白色光を出射する第2の光学部材を構成している。
照明器具1は、発光面13−1から出射される白色光により、発光面13−1の斜め下方向を照らす照明器具として用いることができる。なお、後述する導光板17から出射される青色光は、青空を見るような視覚効果を演出するための照明であって、照明用として用いる場合には光束が不足する。一方、発光面13−1から出射される光は、照明用として用いる場合の光束を満たしている。このように、発光面13−1から出射される白色光の光強度は、導光板17の出射面から出射される青色光の光強度と異なり、白色光の光強度の方が、青色光の光強度よりも強い。
なお、発光面13−1から出射される白色光は、単一の色温度の白色光でなくてもよい。すなわち、具体的には、白色用LEDモジュール14が、色温度の異なる2種類の白色LEDを備えるようにしてもよい。このように、白色用LEDモジュール14が、白色LEDとして、1種類の白色LEDのみを備えていてもよく、あるいは、昼色用の白色LEDと暖色用の白色LEDとの2種類の白色LEDを備えるようにしてもよい。白色用LEDモジュール14が2種類の白色LEDを備えている場合、2種類の白色LEDの調光率を変化させることにより、発光面13−1から、様々な色温度および様々な光束の白色光を出射することができる。また、時刻に合わせて、昼色用の白色LEDと暖色用の白色LEDとを切り替えて使用するようにしてもよい。具体的には、例えば、午前8:00から午後5:00までの日中の時間帯は昼色用の白色LEDを用い、それ以外の時間帯は暖色用の白色LEDを用いるようにしてもよい。なお、これらの時間帯は、単なる一例であって、これらに限定されず、適宜設定してよい。
拡散カバー13はフランジ部11上に載置される。拡散カバー13の下側の端面13−4は、第2のパッキンであるパッキン21を介して、フランジ部11に保持される。金属製のフランジ部11に拡散カバー13を載せた状態で、地震などの振動を受けた場合、フランジ部11または拡散カバー13が振動し、互いにぶつかり合うことになる。その結果、拡散カバー13が割れてしまう可能性がある。そのため、フランジ部11と拡散カバー13の下側の端面13−4との間にパッキン21を挟み込む構成としている。パッキン21は、フランジ部11または拡散カバー13が振動した際に、互いが直接的にぶつかり合うのを防止する。パッキン21が挟み込まれることで、パッキン21の弾力性により、フランジ部11から拡散カバー13に与える力が緩和され、拡散カバー13が割れてしまうのを防止することができる。また、フランジ部11と拡散カバー13との間にパッキン21を設けることで、窓枠としての印象を持たせることができる。特に、パッキン21が白色系の色調の場合に、窓枠としての印象を強めることができる。さらに、パッキン21は、拡散カバー13とフランジ部11との隙間から白色光が漏れることを防ぐ。
なお、白色用LEDモジュール14に用いられる白色LEDの配光は、広角タイプである。白色用LEDモジュール14に広角タイプのLEDを用いることにより、拡散カバー13の傾斜角度を変化させても、拡散カバー13から発せられる光の光度を変化しにくくすることができる。従って、傾斜角度が異なる拡散カバー13に対して、同じタイプの白色用LEDモジュールを用いることができる。
次に、光源ユニット10の構成要素のうち、図4に示す構成要素について説明する。図4に示すように、光源ユニット10は、さらに、下ガイドプレート16、導光板17、青色用LEDモジュール18、上ガイドプレート19、絶縁板23、第二のモジュール保持部材24、固定部材25、導光板カバー26、上カバー27、電源装置31、および、調光ユニット32を備えている。
下ガイドプレート16は、図3に示した第一のモジュール保持部材15上に載置される。下ガイドプレート16は、2本の棒状の部材から構成されている。下ガイドプレート16は、導光板17の長手方向に平行になるように配置される。下ガイドプレート16上には、導光板17の長手方向に延びた端面17−1が載置される。下ガイドプレート16を構成する2本の棒状の部材の両端には、突起部16−3が設けられている。突起部16−3は、垂直方向の上側に向かって延びている。突起部16−3は、導光板17の長手方向への移動を防止する。
上ガイドプレート19は、導光板17上に載置される。上ガイドプレート19は、2本の棒状の部材から構成されている。上ガイドプレート19は、導光板17の長手方向に延びた対向する2つの端面17−1に平行になるように配置される。
導光板17は、板状に形成される。導光板17は、平面視で、長方形に形成されている。従って、導光板17は、上面と、下面と、対向する長手方向に延びた2つの端面17−1と、対向する短手方向に延びた2つの端面17−2とを有している。導光板17は、上述したように、器具本体50の開口内部に配置される。導光板17の長手方向に延びた端面17−1のそれぞれは、下ガイドプレート16と上ガイドプレート19とで上下方向から挟持される。導光板17は、青色用LEDモジュール18から出射された光を透光させて、出射面である下面から青色光を出射する。また、導光板17は、光を散乱させる粒子である散乱体を内部に備える。導光板17は、アクリル樹脂で形成される。導光板17は、散乱体として、例えばシリカを含む。
青色用LEDモジュール18は、2つの板状の基板80を有している。青色用LEDモジュール18は、導光板17の長手方向に延びた対向する2つの端面17−1に平行になるように配置される。また、青色用LEDモジュール18は、それらの基板80に配置された複数のLED81を備える。それらの複数のLED81は、例えば、青色LED、白色LED、および、緑色LEDを含む。青色用LEDモジュール18に設けられた青色LED、白色LED、および、緑色LEDは、電源装置31および調光ユニット32により調光される。このように、電源装置31および調光ユニット32が各LED81を調光することにより、青色用LEDモジュール18が発する光を、全体として青色にし、且つ、当該青色光の色調を変化させることができる。それにより、照明器具1は、様々な青空を模した視覚効果を演出することができる。電源装置31および調光ユニット32は、LED81のそれぞれの色別に独立して設けてもよい。あるいは、白色LED及び緑色LEDをまとめて1組の電源装置31および調光ユニット32で調光してもよい。その場合、電源装置31および調光ユニット32の個数を減らすことができる。また、時刻に合わせて、青色光の色調を変化させるようにしてもよい。具体的には、例えば、午前8:00〜午後5:00までの日中の時間帯は、明るい青色にし、それ以外の時間帯は暗い青色になるように、調光するようにしてもよい。このように、青色用LEDモジュール18は、光源を有する光モジュールである。光源は、LEDに限定されず、他の発光素子または発光装置を用いてもよい。
青色用LEDモジュール18の2つの基板80は、導光板17の長手方向に延びた2つの端面17−1に対して、後述する図6に示す空隙33を介して、それぞれ対向するように配置される。青色用LEDモジュール18から出射した光は、導光板17の端面17−1に入射され、導光板17の上面と下面とで全反射しながら導光板17内を進む。導光板17内を進む光の一部は、導光板17内の散乱体に当ると散乱する。導光板17の出射面である下面の全体から、第1の光である青色光が面発光される。
導光板17の上面は、全反射するために平滑である。導光板17の上面は、鏡面仕上げであることが望ましい。照明器具1の組立て作業中に、導光板17の上面に傷がつくと、傷がついた箇所で全反射が起こりにくくなる。そのため、上面の傷がついた箇所に対応する下面の一部分が白っぽく光って見えてしまい、青空を演出できなくなるおそれがある。そこで、導光板17の上面の傷つきを防止するために、図7に示すように、導光板17の上面を反射シート28で覆うようにしてもよい。図7は、実施の形態1に係る照明器具1の導光板17及び反射シート28を示す分解斜視図である。ここで、導光板17の上面を反射シート28で覆う際、導光板17の上面と反射シート28との間に隙間を空けずに貼り付けると、導光板17の上面で全反射が起こりにくくなる。導光板17の上面で確実に光を全反射させるためには、導光板17と反射シート28との間に空気層が必要となる。空気層を形成するために、導光板17の上面に対向する反射シート28の反射面は、マット加工されている。マット加工とは、すりガラス状に微細な凹凸を形成する加工である。反射シート28の反射面がマット加工されることにより、導光板17と反射シート28との間に空気層を設けることができる。また、図7に示すように、反射シート28を導光板17に固定する目的で、反射シート28の縁に接着部28−1を設けてもよい。
青色用LEDモジュール18は、第二のモジュール保持部材24によって位置決めされ、固定部材25により第二のモジュール保持部材24に取り付けられる。第二のモジュール保持部材24は、断面がL字状の板金で形成されている。第二のモジュール保持部材24は、図3に示した第一のモジュール保持部材15の上面に、後述する図6に示されるように、ねじ63により取り付けられる。青色用LEDモジュール18の基板80は、両面基板であっても良い。その場合、青色用LEDモジュール18の第二のモジュール保持部材24側の面にも配線が設けられている。そのため、青色用LEDモジュール18は、絶縁板23を介して、第二のモジュール保持部材24に取り付けられる。従って、絶縁板23は必ずしも設けなくてもよく、必要に応じて設けるようにすればよい。
なお、青色用LEDモジュール18の基板80は、LED81から発生される熱によって熱膨張および熱収縮する。そのため、青色用LEDモジュール18を第二のモジュール保持部材24に完全に固定させてしまうと、青色用LEDモジュール18の基板80に熱膨張および熱収縮による反りまたはゆがみが生じるおそれがある。そのため、青色用LEDモジュール18の基板80の上部に複数の貫通穴18−1、18−2を設けている。後述する図8に示されるように、基板80の中央部分に設けられた貫通穴18−1の形状は円形で、それ以外の貫通穴18−2はすべて長手方向に延びた楕円形に形成されている。また、図4に示されるように、固定部材25の青色用LEDモジュール18側の面には、円柱型の突起部25−1が設けられている。突起部25−1は、貫通穴18−1、18−2にそれぞれ、挿入される。突起部25−1が貫通穴18−1、18−2に挿入された状態で、固定部材25が第二のモジュール保持部材24にねじ止めされる。貫通穴18−2は楕円形に形成されているため、突起部25−1は貫通穴18−2に遊びを持って挿入される。従って、青色用LEDモジュール18の基板80が熱膨張および熱収縮した場合に、突起部25−1が楕円形の貫通穴18−2内を長手方向に移動することができる。これにより、青色用LEDモジュール18の基板80に、熱膨張および熱収縮による反りまたはゆがみが生じることを防止することができる。
また、図4に示すように、青色用LEDモジュール18の各LED81は、側面視で、青色用LEDモジュール18の基板80の下側の領域に配置することが望ましい。各LED81をこのように配置した場合、側面視で、各LED81の上側部分に放熱空間を大きく確保することができる。第二のモジュール保持部材24は、青色用LEDモジュール18の基板80を保持するだけでなく、各LED81からの熱を外部に放出する放熱板としても機能する。
青色用LEDモジュール18と導光板17とは、出射面から第1の光である青色光を出射する第1の光学部材を構成している。
導光板カバー26は、上ガイドプレート19上に載置される。導光板カバー26は、導光板17を上から覆い、導光板17を保護する。
上カバー27は、図3および図4に示した、フランジ部11、Vばね12、拡散カバー13、白色用LEDモジュール14、第一のモジュール保持部材15、下ガイドプレート16、導光板17、青色用LEDモジュール18、上ガイドプレート19、パッキン21、パッキン22、絶縁板23、第二のモジュール保持部材24、固定部材25、および、導光板カバー26を上から覆い、保護する。上カバー27の上面には、図4に示すように、電源装置31および調光ユニット32が載置される。
電源装置31は、青色用LEDモジュール18および白色用LEDモジュール14のそれぞれに、電力を供給する。調光ユニット32は、青色用LEDモジュール18および白色用LEDモジュール14のそれぞれに設けられた各LEDを調光する。電源装置31および調光ユニット32は、それぞれ、各LEDの色別に独立して設けるようにしてもよい。具体的には、例えば、青色用LEDモジュール18の青色LED用、白色LED用、および、緑色LED用に、各3台の電源装置31および調光ユニット32を割り当てる。また、白色用LEDモジュール14の昼色用LED、および、暖色用LEDに、各2台の電源装置31および調光ユニット32を割り当てる。その場合、電源装置31の個数および調光ユニット32の個数は、それぞれ、5台である。あるいは、青色用LEDモジュール18の白色LED用および緑色LED用に、各1台の電源装置31および調光ユニット32を割り当てて、白色LEDと緑色LEDとを纏めて調光するようにしてもよい。その場合、電源装置31の個数および調光ユニット32の個数は、それぞれ、4台である。電源装置31と調光ユニット32とは、例えば渡り配線などの配線で、電気的に接続される。
次に、図5および図6を用いて、実施の形態1に係る照明器具1の構成について、さらに詳細に説明する。図5は、実施の形態1に係る照明器具1の構成を模式的に示す断面模式図である。また、図6は、図5の照明器具1の部分拡大図である。図5および図6は、照明器具1を、長手方向の中央部分において、短手方向の1つの側面に平行な平面で切断したと仮定した断面を、側面視した状態を模式的に示している。
図5および図6に示すように、器具本体50は下端が開口した箱型に構成され、光源ユニット10が、器具本体50の開口内部に配置されている。光源ユニット10のフランジ部11の上面には、Vばね12が設けられている。Vばね12は、器具本体50に設けられたVばね取り付け金具53に引き掛けられた状態で保持されている。これにより、光源ユニット10と器具本体50とが係合され、光源ユニット10が器具本体50に保持される。
光源ユニット10の第一のモジュール保持部材15は、図6に示されるように、L字断面を有している。すなわち、第一のモジュール保持部材15は、水平方向に配置された上面と、上面に対して垂直方向に設けられた側面とを有している。側面は、上面に対して、垂直方向の下方向に向かって延びている。また、第一のモジュール保持部材15は下端に取付フランジ15−1が設けられている。取付フランジ15−1は、水平方向に延びている。取付フランジ15−1は、第一のモジュール保持部材15の側面から外側に向かって延びている。第一のモジュール保持部材15は、下端に設けられた取付フランジ15−1のねじ穴に挿入されたねじ62によって、フランジ部11に固定される。さらに、第一のモジュール保持部材15の上端には、上方向に突出する突起部15−2が設けられている。突起部15−2は、下ガイドプレート16を位置決めするために設けられている。
白色用LEDモジュール14は、第一のモジュール保持部材15の側面の内側の面に配置され、第一のモジュール保持部材15に設けられたガイド15−3に沿ってシリコーン接着剤等により接着されている。
拡散カバー13と導光板17とは互いに交差する向きに配置されている。拡散カバー13の下側の端面13−4は、パッキン21を介してフランジ部11に保持されている。拡散カバー13の上側の端面13−3は、パッキン22を介して導光板17の出射面である下面17−3に当接している。パッキン21は、上述したように、地震などの揺れが発生した場合に、拡散カバー13に対するフランジ部11からの衝撃を緩和する保護材として機能する。拡散カバー13の上側の端面13−3および下側の端面13−4は、フランジ部11の上面および導光板17の下面17−3に対して平行である。一方、拡散カバー13の発光面13−1は、フランジ部11の上面および導光板17の下面17−3に対して、予め設定された角度で傾斜している。
拡散カバー13の発光面13−1の背面側には、白色用LEDモジュール14が配置されている。白色用LEDモジュール14のLEDから出射された白色光は、拡散カバー13の背面から入射され、拡散カバー13の発光面13−1の前面から出射される。発光面13−1は傾斜しているため、発光面13−1の前面から出射される白色光は、斜め下方向を照らす。
パッキン22は、導光板17の下面17−3と拡散カバー13の上側の端面13−3との間に配置される。パッキン22は、上述したように、導光板17の下面17−3と拡散カバー13の上側の端面13−3との間の遮光部として機能する。パッキン22は、青色用LEDモジュール18から出射された光が導光板17の出射面である下面17−3から拡散カバー13の端面13−3に入り込まないよう遮光する。また、パッキン22は、白色用LEDモジュール14から出射された白色光が拡散カバー13の端面13−3から導光板17の出射面である下面17−3に入り込まないよう遮光する。
下ガイドプレート16は、第一のモジュール保持部材15上に載置されている。上ガイドプレート19は、導光板17上に載置されている。導光板17は、下ガイドプレート16と上ガイドプレート19とで上下方向から挟持されて保持されている。
図6に示すように、下ガイドプレート16には、下方向に突出した突起部16−1が設けられている。突起部16−1が、第一のモジュール保持部材15の突起部15−2と青色用LEDモジュール18との間に嵌まることで、下ガイドプレート16は位置決めされる。突起部16−1は、下ガイドプレート16の他の部分に比べて断面積が大きい。従って、突起部16−1と青色用LEDモジュール18とが当接する部分の面積を大きくとることができる。また、図6に示すように、上ガイドプレート19には、上方向に突出した突起部19−1が設けられている。突起部19−1は、上ガイドプレート19の他の部分に比べて断面積が大きい。従って、突起部19−1と青色用LEDモジュール18とが当接する部分の面積を大きくとることができる。従って、突起部16−1および突起部19−1が青色用LEDモジュール18を面で保持することにより、青色用LEDモジュール18がぐらついて傾くことを防止でき、青色用LEDモジュール18が安定する。
青色用LEDモジュール18は、第二のモジュール保持部材24に絶縁板23を介して固定部材25により位置決めされて取り付けられている。第二のモジュール保持部材24は、断面がL字状の板金で形成されている。第二のモジュール保持部材24は、図6に示すように、第一のモジュール保持部材15の上面に、ねじ63により取り付けられている。なお、この場合に限らず、第一のモジュール保持部材15の1つと第二のモジュール保持部材24とは、一体に形成されていてもよい。
図6に示すように、導光板17の端面17−1と青色用LEDモジュール18との間には、空隙33が設けられている。青色用LEDモジュール18は、出来るだけ導光板17に近づけて配置することが望ましい。しかしながら、導光板17は、青色用LEDモジュール18から出射される光の熱等によって、熱膨張および熱収縮する。そのため、空隙33を設けておくことで、熱膨張および熱収縮による導光板17の大きさの変化に対応できるようにしている。また、導光板17の両端は、完全に固定せずに、下ガイドプレート16と上ガイドプレート19とで上下方向から挟持することで保持されている。その理由について説明する。もし導光板17の両端を固定していると、導光板17が熱膨張または熱収縮したときに、導光板17に反りまたはゆがみが生じる可能性がある。導光板17に反りまたはゆがみが生じた場合、導光板17と拡散カバー13との間に隙間が生じて光漏れが発生するおそれがある。そのため、導光板17の両端は完全に固定せずに、下ガイドプレート16と上ガイドプレート19とで挟持して遊びを持たせて保持することで、空隙33の分だけ、導光板17の端面17−1が移動できるようにしている。
青色用LEDモジュール18から出射した光は、導光板17の端面17−1に入射され、導光板17の上面と下面とで全反射しながら導光板17内を進む。導光板17内を進む光の一部は、導光板17内の散乱体に当ると散乱する。導光板17の下面17−3の全体から、第1の光である青色光が面発光される。
導光板カバー26は、上ガイドプレート19上に載置される。導光板カバー26は、導光板17を覆い、導光板17を保護する。導光板カバー26は、図4に示されるように、対向する短手方向の2辺に突起部26−1が設けられており、突起部26−1が図3に示す第一のモジュール保持部材15にねじ止めされて固定される。これにより、上ガイドプレート19は、導光板カバー26が上から加える力で保持されるとともに、突起部26−1により、長手方向の移動が防止される。上カバー27は、第一のモジュール保持部材15、導光板17、拡散カバー13などを覆うように配置され、ねじ64により、フランジ部11に取り付けられている。上カバー27の上面には、図5に示すように、電源装置31および調光ユニット32が載置されている。
図6に示すように、下ガイドプレート16は、側面視で拡散カバー13と干渉しない位置まで水平方向に延伸され、導光板17の下面17−3を保持している。従って、下ガイドプレート16の延伸された端部16−2と拡散カバー13の端部とは接触していない。一方、拡散カバー13の上側の端面13−3はパッキン22を介して導光板17の下面17−3に隣接している。従って、側面視で、拡散カバー13の端面13−3と導光板17とが隣接している箇所から、下ガイドプレート16の端部16−2までの間は、導光板17の下面17−3がパッキン22によって覆われている。また、側面視で、下ガイドプレート16の端部16−2から、青色用LEDモジュール18までの間は、導光板17の下面17−3が下ガイドプレート16で覆われている。このような構成により、青色用LEDモジュール18から出射された光が、導光板17の下面17−3から拡散カバー13の端面13−3に入り込むのを防止することができる。また、それと同時に、白色用LEDモジュール14から出射された白色光が、拡散カバー13の端面13−3から導光板17の下面17−3に入り込むのを防止することができる。
また、図6に示すように、上ガイドプレート19の下面と導光板17の上面とが接触している。これにより、青色用LEDモジュール18が発する光が、導光板17と上ガイドプレート19との間から漏れることを防止している。なお、上ガイドプレート19も、図6に示すように、側面視で、水平方向に延伸されている。上ガイドプレート19の水平方向に延伸する端部の位置は、下ガイドプレート16の端部16−2の位置と揃っていることが望ましい。
以上の構成により、図6に示すように、空隙33の領域においては、青色用LEDモジュール18が発する光が、上ガイドプレート19と下ガイドプレート16との間を進み、導光板17の端面17−1に入射される。その後、当該光は、上ガイドプレート19と下ガイドプレート16とで挟まれている領域の導光板17内を、導光板17の上面と下面とで全反射しながら進む。その後、当該光は、導光板カバー26とパッキン22とで挟まれている領域の導光板17内を、導光板17の上面と下面とで全反射しながら進む。そして、当該光は、パッキン22が設けられていない導光板17の下面17−3から出射される。その結果、青色用LEDモジュール18が発する光は、光漏れを発生させることなく、導光板17の下面17−3から出射される。
なお、下ガイドプレート16の上面に、反射材を設けるようにしてもよい。反射材を設けた場合、青色用LEDモジュール18が発する光は、反射材によって積極的に反射されるので、青色用LEDモジュール18が発する光の利用効率を上げることができる。
また、導光板17の出射面と拡散カバー13の発光面13−1との境目をユーザに感じさせないように配置したい。そのため、導光板17の出射面である下面17−3の一箇所と拡散カバー13の発光面13−1の縁とが接するように隣接して配置される。一方、仮に導光板17の下面17−3と拡散カバー13の端面13−3とを直接的に当接させると、青色光が、導光板17の下面17−3から拡散カバー13の端面13−3に入り込むおそれがある。また、白色光が拡散カバー13の端面13−3から導光板17の下面17−3に入り込むおそれがある。光が入り込んでしまった場合、青空を模した視覚効果の演出が低下してしまう。そのため、実施の形態1では、導光板17の下面17−3と拡散カバー13の端面13−3との間に遮光部であるパッキン22を挟み込んでいる。当該構成により、青色光が導光板17の下面17−3から拡散カバー13の端面13−3に入り込まないよう遮光するとともに、白色光が拡散カバー13の端面13−3から導光板17の下面17−3に入り込まないよう遮光することができる。
なお、実施の形態1では、遮光部をパッキン22で構成する例について説明したが、その場合に限定されない。例えば、拡散カバー13に遮光部としての機能を持たせるようにしてもよい。その場合、透光性を有する白色の樹脂と透光性を有しない白色の樹脂との2種類の樹脂を用意して、拡散カバー13を形成する。形成方法としては、それらの2種類の樹脂を同時に金型に流し込んで一体成型することで、拡散カバー13を2色成形する。こうして、拡散カバー13が、透光性を有して発光面13−1として機能する第1部分と、第1部分の端部に形成され、透光性を有さずに遮光部として機能する第2部分とを備えることになる。この場合、第2部分を導光板17の出射面に当接させて配置する。すなわち、第2部分は、図6のパッキン22に相当する位置に配置される。この場合、パッキン22が不要となるので、照明器具1を構成する部品を減らし、組立性を向上させることができる。
なお、実施の形態1では、第1の光の光色が青色で、第2の光の光色が白色の場合について説明した。しかしながら、この場合に限らず、第1の光と第2の光とが、同じ光色を有していてもよい。また、第1の光と第2の光との光色は、それぞれ、青色および白色に限定されず、例えば、第1の光の光色を夕刻時には赤にするなど、他の色にしてもよい。
なお、導光板17の出射面と拡散カバー13の上側の端面13−3との間に遮光部を設けることは、照明器具1以外の他の照明器具にも適用できる。例えば、導光板17の下面17−3から出射される第1の光と、拡散カバー13の発光面13−1から出射される第2の光とが、光色が同じで、光の強度が異なることによる視覚効果を演出する照明器具にも適用することができる。
以下、図8〜図13を用いて、実施の形態1に係る照明器具1の放熱方法について説明する。図8は、実施の形態1に係る照明器具1の青色用LEDモジュール18の構成を示した部分分解斜視図である。図8では、図4に示した青色用LEDモジュール18の短手方向の片側の構成のみを示している。また、図9は、実施の形態1に係る照明器具1の青色用LEDモジュール18の基板80の前面80−1を示す正面図である。すなわち、図9は、青色用LEDモジュール18の基板80の部品および導体パターンが形成された部品面を示している。図10は、実施の形態1に係る照明器具1の青色用LEDモジュール18の基板80の背面80−2を示す背面図である。すなわち、図10は、青色用LEDモジュール18のはんだ面を示している。図11〜図13は、実施の形態1に係る照明器具1の第二のモジュール保持部材24に設けられた放熱フィン90の例を示した側面図である。
図8に示されるように、青色用LEDモジュール18は、長方形の板状形状を有する基板80と、基板80の前面80−1に設けられたLED81とを備えている。LED81は、上述したように、光源として機能する。図8に示されるように、LED81は、基板80の前面80−1の長手方向に延びた一辺に沿って、基板80の下側の領域に配置されている。基板80は、図9に示すように、上下方向の下から順に、3つの領域A1、A2、A3に区分されている。領域A1は基板80の下側の領域であり、領域A2は基板80の中央の領域であり、領域A3は基板80の上側の領域である。領域A1、A2、A3の上下方向の長さは、同じであっても、異なっていてもよく、適宜決定すればよい。
また、図9および図10の破線で示すように、基板80は、LED81のパッケージの外形形状を示すシルク印刷部81−1を有している。図9および図10の例では、シルク印刷部81−1は、長方形である。LED81は、シルク印刷部81−1で示される位置に実装される。なお、図9および図10においては、後述するパッド82、83を図示するために、LED81は図示せずに、シルク印刷部81−1のみを図示している。
LED81は、アノードとカソードとの2つの電極を有している。LED81は、基板80の前面80−1に実装される際に、カソードが上で、アノードが下になる向きで配置される。LED81と基板80の前面80−1との間には、膜状の熱伝導部材から構成されたパッド82およびパッド83が介在される。パッド82は、LED81のアノード側の少なくとも一部分と基板80の前面80−1との間に設けられている。パッド83は、LED81のカソード側の少なくとも一部分と基板80の前面80−1との間に設けられている。LED81は、カソード側から放熱する。そのため、カソード側のパッド83を、アノード側のパッド82よりも大きくすることで、放熱がより促進される。パッド82およびパッド83は、例えば、基板80の前面80−1上に形成された銅箔などの膜状の熱伝導部材から構成される。なお、パッド82、83を構成する熱伝導部材は、銅に限らず、銀または金などの熱伝導率の高い他の金属から構成するようにしてもよい。このように、パッド82およびパッド83は、基板80に設けられた放熱部として機能する。
なお、パッド82、83のそれぞれは、図9に示すように、幅の異なる矩形が上下に重なったような形状を有している。しかしながら、パッド82、83は、これに限定されるものではなく、単なる矩形の形状にしてもよい。また、図9に示すパッド83のように、シルク印刷部81−1の領域内にのみ設けるようにしてもよく、あるいは、図9に示すパッド82のように、シルク印刷部81−1の領域から一部分がはみ出るように設けてもよい。
また、図9に示すように、基板80の中央の領域A2において、カソード側のパッド83から延びたカソード側の導体パターン84−1が設けられている。導体パターン84−1は、LED81に接続されて、LED81から基板80の上側の辺に向かって延設された第1の導体パターンである。導体パターン84−1には、カソード側のパッド83から、LED81で発生された熱が伝導される。導体パターン84−1は、当該熱の放出を行う。こうして、カソード側の導体パターン84−1は、パッド83と共に、LED81から発生された熱の放出を促進する。このように、カソード側の導体パターン84−1は、基板80に設けられた放熱部として機能する。
上述したように、青色用LEDモジュール18のLED81には、青色用LED、白色用LED、および、緑色用LEDの3種類が含まれる。カソード側の導体パターン84−1は、例えば、青色用LED、白色用LED、および、緑色用LEDの3種類に対して、それぞれ独立して配線される。図9に示されるように、カソード側の導体パターン84−1は、基板80の中央の領域A2から上側の領域A3まで延設され、上側の領域A3において、基板80の長手方向に、大きく引き回されるように配置される。このように、カソード側の導体パターン84−1を中央の領域A2および上側の領域A3において、広い範囲に配置することで、放熱がより促進される。なお、カソード側の導体パターン84−1同士の間の距離ができるだけ広くなるように、各導体パターン84−1を配置すれば、更に放熱が促進される。
また、基板80の中央の領域A2には、複数のビア85が形成されている。ビア85は、基板80に設けられた貫通穴である。ビア85は、基板80の前面80−1の導体パターン84−1と背面80−2の導体パターン84−2とを接続する接続用ビア85−1と、放熱を促進するために形成された放熱用ビア85−2とを含む。
接続用ビア85−1は、基板80の前面80−1の導体パターン84−1と背面80−2の導体パターン84−2とを導通させるために、貫通穴の内壁が、銅などの電導性の高い金属でメッキされている。一方、放熱用ビア85−2は、基板に設けられた貫通穴と、当該貫通穴の中に充填された熱伝導部材とから構成されている。熱伝導部材は、銅などの熱伝導率の高い金属から構成することが望ましい。
ビア85は、図9に示すように、直線状に配置されるか、あるいは、1つのビア85を中心とする同心円状に配置される。ビア85の配置方法は、これらに限定されるものではない。しかしながら、放熱用ビア85−2は、放熱を促進する目的で設けられているため、放熱ムラが生じないように、等間隔で配置するなどの一定の規則に従って配置することが望ましい。また、放熱用ビア85−2は、主にカソード側の熱を放出するために設けられているため、基板の中央の領域A2に設けられている。しかしながら、アノード側の放熱を促進するために、図9に示すように、放熱用ビア85−2をLED81のアノード側にも設けてもよい。ただし、LED81の放熱はカソード側から行われるため、設置する放熱用ビア85−2の個数は、カソード側の方がアノード側よりも多くなるようにすることが望ましい。
LED81から発生された熱は、カソード側のパッド83および導体パターン84−1を介して、放熱用ビア85−2に伝導される。その後、当該熱は、放熱用ビア85−2を介して、基板80の背面80−2に設けられた導体パターン84−2へ伝導される。背面80−2に設けられた導体パターン84−2は、第1の導体パターンである導体パターン84−1に接続された第2の導体パターンである。背面80−2の導体パターン84−2からも放熱は行われるため、導体パターン84−2も、パッド83などと共に、LED81から発生された熱の放出を促進させている。さらに、背面80−2の導体パターン84−2は、図10に示すように、背面80−2の上側の領域において、基板80の長手方向に、大きく引き回されるように配置される。このように、基板80の背面80−2の導体パターン84−2を大きく引き回すことで、更に放熱が促進される。なお、導体パターン84−2同士の間の距離ができるだけ広くなるようにすれば、更に放熱が促進される。このように、基板80の背面80−2の導体パターン84−2は、基板80に設けられた放熱部として機能する。
基板80は、図4〜図6を用いて上述したように、押さえ板である固定部材25を第二のモジュール保持部材24にねじ止めすることで、固定されている。ねじ止めを行う際には、固定部材25の押さえ面である背面を、基板80の前面80−1に接触させる。このとき、固定部材25の背面の少なくとも一部分が、基板80の上側の領域A3内で、カソード側の導体パターン84−1に接触する。この状態で、固定部材25を第二のモジュール保持部材24にねじ止めすると、固定部材25によって基板80が第二のモジュール保持部材24に押圧される。その結果、基板80の背面80−2に配置された導体パターン84−2が第二のモジュール保持部材24に押圧されて第二のモジュール保持部材24に密着する。これにより、導体パターン84−2から第二のモジュール保持部材24への伝熱が促進される。第二のモジュール保持部材24は、金属から構成されているため、放熱板として機能する。このように、第二のモジュール保持部材24は、基板80の背面80−2に設けられ、基板80を保持するとともに、基板80の放熱部から伝導された熱を放出させる放熱板として機能する。また、固定部材25は、基板80の前面80−1に接触し、基板80の放熱部の一部分である導体パターン84−2を放熱板である第二のモジュール保持部材24に向けて押圧する押さえ板として機能する。
なお、実施の形態1では、基板80が両面基板の場合を示している。すなわち、基板80の前面80−1および背面80−2の両方に、導体パターン84−1、84−2が設けられている。基板80が両面基板の場合は、基板80の裏側の導体パターン84−2が第二のモジュール保持部材24と直接接触しないように、基板80は、絶縁板23を介して、第二のモジュール保持部材24に取り付けられる。
また、図8に示すように、基板80の前面には、コネクタ86が設けられている。コネクタ86は、基板80の両側に、各1個設けられている。コネクタ86のそれぞれは、側面視で、長方形の形状を有し、長手方向に延びた一辺に凹部が設けられている。コネクタ86のそれぞれは、凹部が、基板80の長手方向の外側に向かうように、配置されている。但し、コネクタ86は、この形状に限定されるものではなく、凹部は、必要に応じて設ければよい。
コネクタ86は、3本の正極側配線と3本の負極側配線とが電気的に接続される。また、コネクタ86は、例えば耐圧300V程度の高耐圧品を用いる。そのため、図8に示すように、コネクタ86は、上下方向の長さが、水平方向の長さよりも大きくなっている。すなわち、コネクタ86の短手方向が、基板80の長手方向に沿うように、コネクタ86は基板80に対して配置されている。
図8に示されるように、LED81は、基板80の長手方向の下側の一辺に沿って配置されている。すなわち、LED81は、図9に示されるように、基板80の下側の領域A1に設けられている。また、LED81は、基板80の長手方向において、コネクタ86の設置位置よりも内側の位置に設置されている。
このように、コネクタ86は、コネクタ86の短手方向が、基板80の長手方向に沿うように、基板80に対して配置されている。その結果、コネクタ86は、基板80の長手方向においては、占有領域が狭いので、基板80の前面80−1において、放熱部であるカソード側の導体パターン84−2を設置する領域を大きく設けることができる。
また、図11〜図13に示すように、第二のモジュール保持部材24の背面に、複数の放熱フィン90を設けるようにしてもよい。図11〜図13においては、図6に示した第二のモジュール保持部材24の部分のみを示している。放熱フィン90は、LED81から第二のモジュール保持部材24に伝導された熱を放出するための放熱部材である。放熱フィン90は、第二のモジュール保持部材24と別体で形成してもよく、あるいは、一体成型してもよい。放熱フィン90は、放熱に適した金属から構成される。
図11に示す例においては、放熱フィン90として、第二のモジュール保持部材24の背面から外側に向かって水平方向に延びた複数のフィン90Aが設けられている。第二のモジュール保持部材24は、上述したように、L字形の断面を有している。従って、第二のモジュール保持部材24は、垂直方向に延びた部分と、水平方向に延びた部分とを有している。フィン90Aのそれぞれは、第二のモジュール保持部材24の水平方向に延びた部分に対して平行になるように配置されている。フィン90A間の距離は、一定であってもよいが、一定でなくてもよい。例えば、フィン90Aのそれぞれの厚さを、熱源であるLED81に近い程厚くし、先端に向かって徐々に薄くなるように形成することで、熱の伝達効率を上げることができる。
また、図11に示されるように、上方に配置されているフィン90Aの長さは、下方に配置されているフィン90Aの長さよりも短い。図11では、フィン90Aが2本の場合を示しているが、フィン90Aは、3本以上であってもよい。フィン90Aが3本以上の場合は、上方に配置されるフィン90Aほど、長さが短くなるように、各フィン90Aを形成する。こうすることで、フィン90Aからの放熱が、より促進される。
図12に示す例においては、放熱フィン90として、第二のモジュール保持部材24の背面から外側に向かって延びた複数のフィン90Bが設けられている。フィン90Bのそれぞれは、第二のモジュール保持部材24の水平方向に延びた部分に対して、交差する向きに配置されている。具体的には、フィン90Bのそれぞれは、水平方向に対して予め設定された角度を成して、斜め上方に向かって延びている。フィン90B同士は、互いに平行になるように配置されている。フィン90B間の距離は、一定であってもよいが、一定でなくてもよい。例えば、フィン90Bのそれぞれの厚さを、熱源であるLED81に近い程厚くし、先端に向かって徐々に薄くなるように形成することで、熱の伝達効率を上げることができる。また、図12に示されるように、上方に配置されているフィン90Bの長さは、下方に配置されているフィン90Bの長さよりも短い。
図13に示す例においては、放熱フィン90として、第二のモジュール保持部材24の背面から外側に向かって延びた複数のフィン90Cが設けられている。フィン90Cのそれぞれは、先端が上方を向くように曲げ加工されている。従って、フィン90Cは、上方向に向けて、曲線状に屈曲するように設けられている。なお、フィン90Cは、曲線状でなくてもよく、複数の直線を組み合わせた形状でもよい。但し、その場合、直線間の角度は、90°以上にし、且つ、フィン90Cの先端が上方を向いていることが望ましい。フィン90Cのそれぞれは、互いに交差せずに、フィン90C同士が接触しないような曲率で屈曲されている。フィン90C間の距離は一定であってもよいが、一定でなくてもよい。例えば、フィン90Cのそれぞれの厚さを、熱源であるLED81に近い程厚くし、先端に向かって徐々に薄くなるように形成することで、熱の伝達効率を上げることができる。また、図13に示されるように、上方に配置されているフィン90Cの長さは、下方に配置されているフィン90Cの長さよりも短い。
このように、第二のモジュール保持部材24の背面に複数の放熱フィン90を設けることによって、第二のモジュール保持部材24からの放熱が更に促進される。放熱フィン90は、図11〜図13のいずれの例においても、青色用LEDモジュール18の基板80から離れる方向に向かって延びている。これにより、青色用LEDモジュール18のLED81から発生する熱をより効率よく放出することができる。また、図6に示すように、第二のモジュール保持部材24の背面と上カバー27との間には、スペース91がある。そのため、当該スペース91を利用して、第二のモジュール保持部材24の背面に複数の放熱フィン90を設けるようにしたので、放熱フィン90が配置しやすい。
以上のように、実施の形態1においては、基板80が、LED81から発生された熱を放出するための放熱部を有している。当該放熱部は、パッド82、83、導体パターン84−1、84−2、ビア85のうちの少なくとも1つを含んでいる。また、押さえ板である固定部材25が、基板80の一方の面である前面80−1に接触し、基板80の放熱部の少なくとも一部分を、放熱板である第二のモジュール保持部材24に向けて押圧している。これにより、基板80が経年変化した場合においても、基板80と第二のモジュール保持部材24との密着状態を維持させることができる。
基板80が、LED81から発生された熱を放出するための放熱部を有しているため、LED81から発生された熱を効率よく、基板80の前面80−1および背面80−2の少なくともいずれか一方から放出することができる。
また、実施の形態1では、基板80の放熱部が、パッド82、83、ビア85、第1の導体パターンであるカソード側の導体パターン84−1、第2の導体パターンである基板80の背面80−2の導体パターン84−2のうち、少なくともいずれか1つを含んでいる。そのため、LED81から発生された熱を、基板80の前面80−1および背面80−2の少なくともいずれか一方から放出することができる。
さらに、実施の形態1では、放熱板である第二のモジュール保持部材24が、複数の放熱フィン90を備えるようにしたので、さらに、効率よく、LED81から発生された熱を外部に放出することができる。
なお、実施の形態1では、照明器具1を天井Cに取り付けることを前提として説明した。しかしながら、照明器具1は、室内の壁に設置してもよい。但し、その場合には、白色用LEDモジュール14を、平面視で、L字型にする。また、これに合わせて、拡散カバー13についても、4つの側面のうち、隣接する2つの面を発光面13−1とし、他の2面を非発光面13−2とする。他の構成については、実施の形態1と同じにする。これにより、照明器具1を天井Cに取り付けた場合と同様に、照明器具1を室内の壁に設置した場合においても、太陽光に照らされたひなたの窓枠及び日陰の窓枠越しに奥行き感のある青空を見るような視覚効果を演出することができる。