JP2021026483A - 複数台の車両の管理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、大量の土砂が堆積した現場を第1地点とし、第1地点から離れた土砂を処理する場所を第2地点とした場合、複数台のダンプトラックなどの運搬車両(以下単に車両という)を第1地点と第2地点とを結ぶ道路上で往復走行させ、大量の土砂を第1地点から第2地点へ運搬することになる。
そして、それら複数台の車両として、車間距離や車速、操舵が自動制御される車両を用い、複数台の車両によって第1地点から第2地点に車列を形成して走行させることが考えられる。
この際、走行する車両の一部に走行異常が発生し、道路から外れた箇所に走行したり、車間距離が狭すぎたり広すぎたり、あるいは、車両が停止してしまうといった事態が発生して車列が乱れると、土砂の運搬が遅れ復旧工事が遅延することが懸念される。
そこで、特許文献1に開示されているような撮像部を設けた無人飛行体を飛行させ、撮像部で撮像された車列の画像情報に基づいて車列を監視し、走行異常が発生した車両に対して遠隔制御を行ない車列を維持させることが考えられる。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、走行異常が発生した車両に対して適切な遠隔制御を行なう上で有利な複数台の車両の管理装置を提供することにある。
また、本発明は、前記無人飛行体に設けられた第1撮像部をさらに備え、前記車両特定部は、前記第1撮像部によって撮像された前記車列の画像情報に基づいて、前記車列を形成する前記複数台の車両の走行異常の有無を検出し、異常を検出した前記車両を特定車両として特定することを特徴とする。
また、本発明は、前記車両特定部による前記複数台の車両の走行異常の有無の検出は、前記車両の走行位置、前記車両の車速、前記車両の車間距離の少なくとも1つが予め定められた条件を逸脱したか否かに基づいてなされることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1撮像部によって撮像された前記車列の画像情報に基づいて前記第1撮像部によって前記車列の全体を撮影できるように前記無人飛行体を飛行させる第1飛行体制御部をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記車両検出部による検出結果に基づいて前記特定車両の故障内容を判定する故障判定部をさらに備え、前記車両遠隔制御部による前記特定車両の遠隔制御は、前記故障判定部の判定結果に基づいてなされる、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記車両遠隔制御部による前記特定車両の遠隔制御は、前記車列が維持されるように、前記特定車両の車速の制御、操舵の制御の何れか一方または双方を行なうようになされることを特徴とする。
また、本発明は、前記車両特定部により前記特定車両が特定されると、前記第1撮像部によって撮像された特定車両の画像情報に基づいて前記無人飛行体の脚部を前記特定車両の予め定められた箇所に接触させつつ前記無人飛行体を前記特定車両と一体的に移動させる第2飛行制御部をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記車両検出部による前記特定車両の状態の検出は、前記特定車両から発生する振動、音の何れかまたは双方を検出することでなされる、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記車両検出部は前記飛行体に設けられた第2撮像部で構成され、前記車両検出部による前記特定車両の状態の検出は、前記第2撮像部で撮像された前記特定車両の車室内の画像情報に基づいてなされることを特徴とする。
したがって、車両検出部で検出された特定車両の状態に対応した適切な遠隔制御を特定車両に対して行なうことができるため、車列を確実に維持させる上で有利となり、車両の走行異常により工事全体の進捗が影響を受けることを抑制でき、予定通りの工期で工事を完了させる上で有利となる。
また、無人飛行体に設けられた第1撮像部によって撮像された車列の画像情報に基づいて、車列を形成する複数台の車両の走行異常の有無を検出し、異常を検出した車両を特定車両として特定するようにすると、多数の車両によって車列が形成される場合であっても、車両の走行異常の有無を的確に検出して特定車両を特定する上で有利となる。
また、複数台の車両の走行異常の有無の検出を、車両の走行位置、車両の車速、車両の車間距離の少なくとも1つが予め定められた条件を逸脱したか否かに基づいてなされるようにすると、車両の走行異常の有無を簡単に確実に検出する上で有利となる。
また、第1撮像部によって撮像された車列の画像情報に基づいて第1撮像部によって車列の全体を撮影できるように無人飛行体を飛行させるようにすると、車列の全体を撮像した画像情報を確実に得ることができ、車両の走行異常の有無を簡単に確実に検出する上でより有利となる。
また、車両検出部による検出結果に基づいて特定車両の故障内容を判定する故障判定部をさらに備え、特定車両の遠隔制御を、故障判定部の判定結果に基づいてなされるようにすると、特定車両の遠隔制御を故障内容に対応した適切なものとする上で有利となる。
また、特定車両の遠隔制御を、車列が維持されるように、特定車両の車速の制御、操舵の制御の何れか一方または双方を行なうようになされるようにすると、車列を的確に第1地点から第2地点に向けて走行させる上で有利となる。
また、車両特定部により特定車両が特定されると、第1撮像部によって撮像された特定車両の画像情報に基づいて無人飛行体の脚部を特定車両の予め定められた箇所に接触させつつ無人飛行体を特定車両と一体的に移動させるようにすると、車両検出部による特定車両の状態の検出を確実に安定して行なう上で有利となる。
また、車両検出部により特定車両から発生する振動、音の何れかまたは双方を検出することで特定車両の状態の検出するようにすると、例えば、エンジンの不調やタイヤのパンクなどの故障を確実に検出する上で有利となる。
また、第2撮像部で撮像された特定車両の車室内の画像情報に基づいて特定車両の状態の検出するようにすると、車室内の被操作部材とアクチュエータとの連結の外れといった故障を確実に検出する上で有利となる。
まず、本実施の形態の複数台の車両の管理装置(以下単に管理装置という)が適用される工事作業の現場について説明する。
例えば、地震や台風によるがけ崩れ、あるいは、火山の噴火で生じた大量の土砂が堆積した現場においては、土砂を除去して現場を元通りに復旧する必要がある。
そこで、図1に示すように、複数台のダンプトラックなどの車両10を用いて大量の土砂12をそれらが堆積した場所から離れた場所に運搬することになる。
すなわち、工事現場は、大量の土砂12が堆積している第1地点P1と、運搬されてきた土砂12を処理する第2地点P2と、第1地点P1と第2地点P2とを結ぶ道路14とを含んで構成されている。
また、このような道路14として、予め石炭ガラ(スラグ)などを地盤上に敷き詰めることで形成される仮設道路を用いることが多い。
第1地点P1では、バックホウなどの作業機械16Aによって土砂12が車両10に積載される。大量の土砂12を運搬することから、車両10は数十台用意されており、それら複数台の車両10は、自動制御により車列18を形成して第1地点P1から第2地点P2まで道路14上を走行する。
この際、複数台の車両10は、例えば、所定の車間距離を空けて、所定の車速で第1地点P1から第2地点P2へ向かって車列18を形成して道路14を走行するように自動制御されている。
第2地点P2では、各車両10から地盤上に落とされた土砂12をブルドーザーなどの作業機械16Bを用いてならし所望の形状とする。
ここで、第1地点P1から第2地点P2に向かって走行する複数台の車両10に走行異常が発生し、道路14から外れた箇所に走行したり、車間距離が狭すぎたり広すぎたり、あるいは、車両10が停止してしまうといった事態が発生して車列18が乱れると、土砂12の運搬が遅れ復旧工事が遅延することが懸念される。
まず、車両10について説明する。
図2に示すように、本実施の形態では、車両10は、地図情報記憶部10Aと、測位部10Bと、車両周辺状況検出部10Cと、アクチュエータ10Dと、自動制御部10Eと、車両側通信部10Fと、識別指標部10Gとを含んで構成されている。
地図情報記憶部10Aは、第1地点P1から第2地点P2に至る道路14の位置情報を含む地図情報を記憶している。
測位部10Bは、GPS衛星などの測位衛星から受信した測位信号に基づいて自車両(車両10)の位置を示す測位情報を生成するものである。
車両周辺状況検出部10Cは、カメラ、レーダー装置、超音波センサなどで構成され、車両10の自動制御を行なうために必要な自車両(車両10)の周辺の状況を示す車両周辺状況情報を検出するものである。車両周辺状況情報は、自車両(車両10)と前後の車両10との車間距離、障害物の有無、走行中の道路14の幅や方向、信号機の表示、道路標識など車両10の自動制御を行なう際に必要な情報が含まれる。
自動制御部10Eは、地図情報記憶部10Aに格納された地図情報と、測位部10Bによって生成された測位情報とに基づいて車両10を制御して自動的に走行させるものである。
また、自動制御部10Eは、車両周辺状況検出部10Cで検出された車両周辺状況情報に基づいて車両10の走行を制御する。例えば、車速、車間距離は予め設定された範囲内となるように制御される。
具体的には、自動制御部10Eがアクチュエータ10Dの動作を制御することにより、被操作部材が操作され、これにより、車両10の発進、停止、加減速、操舵などの走行に関する操作が行なわれる。
車両側通信部10Fは、後述する管理装置本体24の第2通信部24Hと通信を行なうものである。図中、符号10Hは車両側通信部10Fのアンテナを示す。
車両側通信部10Fが第2通信部24Hから送信された遠隔制御司令情報を受け付けると、自動制御部10Eは、上述した自動制御に優先して上記遠隔制御司令情報に基づいて被操作部材の操作を行ない、車両10の遠隔制御を行なう。
識別指標部10Gは、上記車両識別情報を光学的にあるいは画像処理により読み取り可能な形態で表示するものであり、各車両10の車体の表面に設けられている。
識別指標部10Gとして、文字、1次元バーコード、2次元バーコードなど従来公知の様々な形態の表示が使用可能である。
管理装置本体24は、工事現場から離れた場所である事務所などに設けられている。
管理装置本体24は、飛行体用遠隔操作司令部24Aと、第1通信部24Bと、表示部24Cと、車両特定部24Dと、故障判定部24Eと、第1飛行体制御部24Fと、第2飛行体制御部24Gと、第2通信部24Hと、車両遠隔制御部24Iと、報知部24Jとを含んで構成されている。
第1通信部24Bは、第1無線回線を介して飛行体38と通信を行なうものであり、無人飛行体20に飛行体操作指令情報を送信し、無人飛行体20から送信される画像情報および車両10の状態の検出結果を受信するものであり、第1無線回線用の第1アンテナ24Kを有している。
なお、第1無線回線は、公知のいずれの通信技術を用いてもよく、例えば5G(第5世代移動通信システム)を用いてもよい。
表示部24Cは、第1通信部24Bで受信された画像情報を表示するものである。
したがって、作業者は、第1表示部24Cによって表示された画像情報に基づいて無人飛行体20の遠隔操作を行なうと共に、上記画像情報に基づいて複数台の車両10で形成される車列18を視認できるように図られている。
本実施の形態では、車両特定部24Dは、第1通信部24Bで受信した後述する無人飛行体20の撮像部20Bによって撮像された車列18の画像情報に基づいて、車列18を形成する複数台の車両10の走行異常の有無を検出し、異常を検出した車両10を特定車両11として特定する。このような異常の検出は従来公知の画像処理の手法を用いて行なうことができる。
また、車両特定部24Dによる複数台の車両10の走行異常の有無の検出は、車両10の走行位置、車両10の車速、車両10の車間距離の少なくとも1つが予め定められた条件を逸脱したか否かに基づいてなされる。
例えば、上記条件としては、車両10の走行位置が道路14からはみ出さないこと、車速が予め定められた範囲内であること、車間距離が予め定められた範囲内であることがあげられる。
また、車両10の走行位置が道路14からはみ出していることの判定は、車両10の走行位置が道路14に対して道路14から離れる方向に所定距離以上ずれていることに基づいて行えばよく、所定距離は例えば8m〜20mとすればよい。
また、車両特定部24Dは、車列18の画像情報に含まれる特定車両11の識別指標部10Gに基づいて特定車両11の車両識別情報を認識する。
後述するように、故障内容としては、自動制御部10Eによる制御動作の一時的な乱れ、エンジンの不調、タイヤのパンク、連結具と被操作部材との連結の外れなどがある。
なお、第2無線回線は、第1無線回線と同様に、公知のいずれの通信技術を用いてもよく、例えば5G(第5世代移動通信システム)を用いてもよい。
本実施の形態では、車両遠隔制御部24Iによる特定車両11の遠隔制御は、故障判定部24Eの判定結果に基づいてなされる。
車両遠隔制御部24Iによる特定車両11の遠隔制御は、車列18が維持されるように、特定車両11の車速の制御、操舵の制御の何れか一方または双方を行なうようになされる。
したがって、車両遠隔制御部24Iは、例えば、故障内容が特定車両11のタイヤのパンク、アクチュエータ10Dと被操作部材とを連結する連結具の外れなどといった走行を続けることが困難なものである場合は、特定車両11を道路14の外へ導いて停車させ、他の車両10の走行の支障とならないようにする。
この場合、車両遠隔制御部24Iによる特定車両11の遠隔制御は、複数台の車両10のうち特定車両11を除く車両10による車列18が維持されるように、特定車両11の車速の制御、操舵の制御の何れか一方または双方を行なうようになされることになる。
また、故障内容が自動制御部10Eによる制御動作の一時的な乱れ、エンジンの不調などといった走行を続けることは可能である場合には、車両遠隔制御部24Iによって特定車両11の車速、操舵の制御を行ない、すなわち、特定車両11が前後の車両10と所定の車間距離を維持し、所定の車速を維持し、道路14を走行するように制御を行ない、特定車両11が他の車両10と共に、車列18を形成して走行するように制御する。
この場合、車両遠隔制御部24Iによる特定車両11の遠隔制御は、複数台の車両10のうち特定車両11を含む車両10による車列18が維持されるように、特定車両11の車速の制御、操舵の制御の何れか一方または双方を行なうようになされることになる。
すなわち、第1無人飛行体制御部24Fは、撮像部20Bによって撮像された画像情報に基づいて、数十台の車両10で形成される車列18の全体が撮像部20Bの画角内に収まるような高度および撮像部20Bの方向が維持されるように無人飛行体20を飛行させるものである。
この場合、撮像部20Bによって車列18の全体を撮影できるのであれば、無人飛行体20がホバリングして空中の1箇所に留まっていてもよいし、あるいは、車列18の走行に追従して無人飛行体20を飛行させてもよい。
特定車両11の予め定められた箇所は、例えば、特定車両11のフロントガラスや車幅方向両側に位置するドアガラス、あるいは、車室(運転室)の上方を覆う屋根部などである。
図2に示すように、さらに、無人飛行体20は、飛行体側通信部20A、撮像部20B、飛行体制御部20C、車両検出部20Dを含んで構成されている。
飛行体側通信部20Aは、管理装置本体24の第1通信部24Bと第1無線回線を介して通信を行なうものであり、撮像部20Bで撮像された画像情報、車両検出部20Dで検出された車両10の状態の検出結果を示す情報を第1通信部24Bに送信すると共に、第1通信部24Bから無人飛行体操作指令情報を受信するものである。図中符号20Fは飛行体側通信部20Aのアンテナを示す。
なお、第1撮像部、第2撮像部をそれぞれ独立して設けても良いが、本実施の形態のように1つの撮像部20Bで第1撮像部、第2撮像部を構成すると、無人飛行体20の構成の簡素化、軽量化を図る上で有利となる。
飛行体制御部20Cは、第1通信部24Bから第1無線回線を介して飛行体側通信部20Aに送信された飛行体操作指令情報に基づいて各ロータ30を回転制御することで、無人飛行体20を飛行させるものである。
車両検出部20Dは、特定車両11の状態を検出するものである。
本実施の形態では、車両検出部20Dは、特定車両11の振動を検出する振動センサ2002、特定車両11の音を検出するマイク2004、特定車両11の車室内を撮像する第2撮像部を含んで構成されている。
振動センサ2002は、例えば、タイヤのパンクによって生じる振動を検出する。
マイク2004は、例えば、エンジンの不調によって生じる異音を検出する。
第2撮像部(撮像部20B)は、車室内を撮像することで連結具と被操作部材との連結の外れを画像情報として検出する。
前述したように、第2飛行体制御部24Gにより、無人飛行体20の脚部28を特定車両11の予め定められた箇所に接触させつつ無人飛行体20が特定車両11と一体的に移動されるので、振動センサ2002やマイク2004により振動や異音の検出を正確に行え、また、第2撮像部20Bにより車室内の状態を正確に撮像することができる。
まず、図1に示すように、第1地点P1で複数台の車両10に対してバックホウなどの作業機械16により土砂12が積載される(ステップS10)。
複数台の車両10に対する土砂12の積載作業が終了したならば、各車両10は自動制御部10Eの制御によって第1地点P1から第2地点P2に向かって道路14上を走行する(ステップS12)。
この際、自動制御部10Eは、測位部10Bから供給される測位情報および地図情報記憶部10Aから読み出される地図情報に基づいて、また、車両周辺状況検出部10Cから供給された車両周辺状況情報に基づいてアクチュエータ10Dを介して被操作部材を操作させ、これにより、複数台の車両10は、一定の車速および一定の車間距離を保ちながら車列18を形成して道路14上を走行する。
走行異常とは例えば以下のようなものをいう。
図3(A)に示すように、車両10の走行位置が道路14から外れた場合。
図3(B)に示すように、車両10の車間距離が予め定められた範囲を下回った場合。
図3(C)に示すように、車両10の車間距離が予め定められた範囲を上回った場合。
車両10の走行速度が予め定められた範囲を下回るか上回る場合。
車両10の走行速度がゼロとなり車両10が停止した場合。
ステップS16が肯定ならば、すなわち、車両特定部24Dにより走行異常有りと判定されると、車両特定部24Dは、その車両10を特定車両11として特定し、特定した特定車両11の識別指標部10Gに基づいて特定車両11の車両識別情報を認識する(ステップS18)。
これにより、無人飛行体20は、その脚部28を、特定車両11の予め定められた箇所である、フロントガラスやドアガラス、あるいは、車室(運転室)の上方を覆う屋根部などに接触した状態を維持する。
すなわち、振動センサ2002により特定車両11で生じている振動を検出する。また、マイク2004により特定車両11から発生する音を検出する。また、撮像部20Bにより車室内を撮像することで連結具と被操作部材との連結の外れの有無を画像情報として検出する。
車両検出部20Dで検出された車両10の状態の検出結果は、飛行体側通信部20Aから管理装置本体24の第1通信部24Bに送信される(ステップS24)。
管理装置本体24の故障判定部24Eは、受信した検出結果に基づいて特定車両11の故障内容を判定する(ステップS26)。具体的には、エンジンの不調、タイヤのパンク、連結具と被操作部材との連結の外れを判定する。
具体的には、故障内容が走行を続けることが困難なものである場合は、特定車両11を道路14の外へ導いて停車させ、他の車両10で形成される車列18の走行のじゃまにならないようにする。
また、故障内容が走行を続けることは可能である場合には、特定車両11の車速、車間距離が所定範囲となるように制御し、特定車両11が他の車両10と共に、車列18を形成して走行するように制御する。
ステップS32が肯定ならば、すなわち、車列18全体が第2地点P2に到着し車両10が停車したならば、無人飛行体20を所定箇所に着地させる。
そして、各車両10から土砂12を第2地点P2の地盤に落とし、ブルドーザーなどの作業機械16Bによる整地作業がなされる(ステップS34)。このような車両10から土砂12を地盤に落とす操作は、車両遠隔制御部24Iによって行なっても、作業員が車両10に搭乗して行なってもよい。
このようにして複数台の車両10による土砂12の運搬作業がいったん終了する。
複数台の車両10の第2地点P2から第1地点P1への走行についても管理装置22により上記と同様の処理がなされる。
また、第1地点P1から第2地点P2への走行中、あるいは、第2地点P2から第1地点P1への走行中に、車両遠隔制御によって道路14の外側に停車された特定車両11については、別途、作業者が特定車両11の停車地点まで移動して特定車両11を修理して走行可能な状態としたのち、第1地点P1あるいは第2地点P2へ遠隔制御により走行させればよい。
また、特定車両11のうち、走行異常が検出されたものの、走行が可能なものは第1地点P1あるいは第2地点P2に到達している。したがって、報知部24Jによって報知された車両識別情報に基づいて作業者が特定車両11を識別して修理を行えば良い。
したがって、車両検出部20Dで検出された特定車両11の状態に対応した適切な遠隔制御を特定車両11に対して行なうことができるため、車列18を確実に維持させる上で有利となる。
そのため、例えば、災害発生などにより発生した大量の土砂12、火山灰、噴石などの土砂12を第1地点P1から第2地点P2に運搬するに当たり、多数の車両10により車列18を形成して走行させる場合、車両10の走行異常により車列18が停止、あるいは、車速が低下することを確実に回避でき、車両10の走行異常により工事全体の進捗が影響を受けることを抑制でき、予定通りの工期で工事を完了させる上で有利となる。
したがって、多数の車両10によって車列18が形成される場合であっても、車両10の走行異常の有無を的確に検出して特定車両11を特定する上で有利となる。
しかしながら、本実施の形態のようにすると、無人飛行体20の構成の簡素化、軽量化を図る上で有利となる。
また、本実施の形態では、車列18を形成する車両10が自動制御により走行するものである場合について説明したが、車両10は、遠隔制御されると共に運転者が運転して走行することが可能なものであっても本発明は無論適用可能である。その場合、運転者の運転操作よりも管理装置22の車両遠隔制御部24Iによる遠隔制御が優先して実行される。
また、本実施の形態では、無人飛行体20が単一である場合について説明したが、無人飛行体20を2つ以上設けても良いことは無論である。
また、本実施の形態では、モータ20Eを用いて無人飛行体20を飛行させていたが、公知のいずれの動力源を用いて飛行させてもよく、例えばピストンエンジンやジェットエンジンなどの内燃機関を用いて構成してもよい。
11 特定車両
18 車列
20 無人飛行体
20B 撮像部(第1撮像部、第2撮像部)
20D 車両検出部
28 脚部
22 管理装置
24D 車両特定部
24E 故障判定部
24F 第1飛行体制御部
24G 第2飛行体制御部
24I 車両遠隔制御部
P1 第1地点
P2 第2地点
Claims (9)
- 第1地点から第2地点に車列を形成して走行する複数台の車両の管理装置であって、
遠隔制御される無人飛行体と、
前記車列を形成する前記複数台の車両の走行異常の有無を検出し、異常を検出した前記車両を特定車両として特定する車両特定部と、
前記無人飛行体に設けられ前記特定車両の状態を検出する車両検出部と、
前記車両検出部による検出結果に基づいて前記特定車両を遠隔制御することにより前記車列を維持させる車両遠隔制御部と、
を備えることを特徴とする複数台の車両の管理装置。 - 前記無人飛行体に設けられた第1撮像部をさらに備え、
前記車両特定部は、前記第1撮像部によって撮像された前記車列の画像情報に基づいて、前記車列を形成する前記複数台の車両の走行異常の有無を検出し、異常を検出した前記車両を特定車両として特定する、
ことを特徴とする請求項1記載の複数台の車両の管理装置。 - 前記車両特定部による前記複数台の車両の走行異常の有無の検出は、前記車両の走行位置、前記車両の車速、前記車両の車間距離の少なくとも1つが予め定められた条件を逸脱したか否かに基づいてなされる、
ことを特徴とする請求項2記載の複数台の車両の管理装置。 - 前記第1撮像部によって撮像された前記車列の画像情報に基づいて前記第1撮像部によって前記車列の全体を撮影できるように前記無人飛行体を飛行させる第1飛行体制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2または3記載の複数台の車両の管理装置。 - 前記車両検出部による検出結果に基づいて前記特定車両の故障内容を判定する故障判定部をさらに備え、
前記車両遠隔制御部による前記特定車両の遠隔制御は、前記故障判定部の判定結果に基づいてなされる、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の複数台の車両の管理装置。 - 前記車両遠隔制御部による前記特定車両の遠隔制御は、
前記車列が維持されるように、前記特定車両の車速の制御、操舵の制御の何れか一方または双方を行なうようになされる、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の複数台の車両の管理装置。 - 前記車両特定部により前記特定車両が特定されると、前記第1撮像部によって撮像された特定車両の画像情報に基づいて前記無人飛行体の脚部を前記特定車両の予め定められた箇所に接触させつつ前記無人飛行体を前記特定車両と一体的に移動させる第2飛行制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2または請求項2を引用する請求項3から6の何れか1項記載の複数台の車両の管理装置。 - 前記車両検出部による前記特定車両の状態の検出は、前記特定車両から発生する振動、音の何れかまたは双方を検出することでなされる、
ことを特徴とする請求項7記載の複数台の車両の管理装置。 - 前記車両検出部は前記飛行体に設けられた第2撮像部で構成され、
前記車両検出部による前記特定車両の状態の検出は、前記第2撮像部で撮像された前記特定車両の車室内の画像情報に基づいてなされる、
ことを特徴とする請求項7または8記載の複数台の車両の管理装置。
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