JP2021025667A - 沸騰伝熱部材、沸騰伝熱部材を備えた冷却器及び沸騰伝熱部材を備えた冷却装置 - Google Patents

沸騰伝熱部材、沸騰伝熱部材を備えた冷却器及び沸騰伝熱部材を備えた冷却装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021025667A
JP2021025667A JP2019140945A JP2019140945A JP2021025667A JP 2021025667 A JP2021025667 A JP 2021025667A JP 2019140945 A JP2019140945 A JP 2019140945A JP 2019140945 A JP2019140945 A JP 2019140945A JP 2021025667 A JP2021025667 A JP 2021025667A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
transfer member
boiling heat
side wall
recess
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019140945A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7233336B2 (ja
Inventor
智明 虎谷
Tomoaki Toratani
智明 虎谷
中村 良則
Yoshinori Nakamura
良則 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2019140945A priority Critical patent/JP7233336B2/ja
Publication of JP2021025667A publication Critical patent/JP2021025667A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7233336B2 publication Critical patent/JP7233336B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】液相の冷媒が接する面に形成された凹部の寸法を制御することで、液相の冷媒を円滑に沸騰させることができる沸騰伝熱部材を提供する。【解決手段】液相の冷媒と接し、表面に凹部30を有する冷却面10と、被冷却体が表面に熱的に接続される、前記冷却面10と対向した加熱面20とを有する、金属またはセラミックで形成された沸騰伝熱部材1であって、前記凹部30の深さ方向に対し平行方向における前記凹部30の断面が、底部32の一端から冷却面10方向へ延在した第1側壁部33と、該底部32の他端から冷却面10方向へ延在した第2側壁部34とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒の相変化による潜熱を利用して電気・電子部品等を冷却する冷却機器に用いる沸騰伝熱部材に関し、特に、液相の冷媒を円滑に沸騰させることで冷却機器の冷却性能を向上させることができる沸騰伝熱部材に関するものである。
電子機器の高機能化に伴い、電子機器内部には、電気・電子部品等の発熱体の発熱量が増大化されている。電気・電子部品等の発熱体の温度が所定の許容温度よりも上昇してしまうと、電気・電子部品等が誤作動等を起こす原因となるので、電気・電子部品等の発熱体の温度を許容温度以下に維持することが重要である。そこで、電気・電子部品等を冷却するための冷却機器が、電子機器内部に搭載されている。上記冷却機器としては、例えば、冷媒の相変化による潜熱を利用した冷却機器が用いられている。
上記の通り、発熱体の発熱量が増大化されていることから、冷却機器の冷却性能のさらなる向上が要求されている。冷却機器の冷却性能のさらなる向上のために、冷媒の相変化を円滑化すること、特に、液相から気相への冷媒の相変化、すなわち、冷媒の沸騰を円滑化することが求められている。
そこで、金属材料表面にレーザビームが照射されることによって、相変化により熱を輸送する液相冷媒中に浸漬される沸騰伝熱面が設けられており、沸騰伝熱面が、内周面が粗面となっている複数の穴、および各穴の開口の周囲に形成された環状隆起部を有し、環状隆起部が、レーザビームが照射されることにより発生した溶融金属の液滴が飛散して穴の周囲に付着し、これが凝固するとともに堆積することにより形成されており、表面が粗面となっている沸騰伝熱部材(特許文献1)が提案されている。
特許文献1では、伝熱面積が増大するとともに、穴の内周面および環状隆起部の表面において沸騰が起こり、気泡の発生率が向上することで、沸騰伝熱部材を用いた沸騰冷却装置における発熱体の冷却効率が向上するというものである。
しかしながら、特許文献1の沸騰伝熱部材では、沸騰伝熱面に設けられた穴の内周面を粗面とし、沸騰伝熱面の表面を粗面とする定性的な構成にとどまり、沸騰伝熱面の穴の態様を制御していないことから、液相の冷媒の気泡発生率に改善の余地があった。
特開2016−114304号公報
上記事情に鑑み、本発明は、沸騰伝熱部材のうち、液相の冷媒が接する面に形成された凹部の寸法を制御することで、液相の冷媒を円滑に沸騰させることができる沸騰伝熱部材を提供することを目的とする。
本発明の沸騰伝熱部材、該沸騰伝熱部材を用いた冷却器及び該沸騰伝熱部材を用いた冷却装置の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]液相の冷媒と接し、表面に凹部を有する冷却面と、被冷却体が表面に熱的に接続される、前記冷却面と対向した加熱面と、を有する、金属またはセラミックで形成された沸騰伝熱部材であって、
前記凹部の深さ方向に対し平行方向における前記凹部の断面が、底部と該底部の一端から冷却面方向へ延在した第1側壁部と、該底部の他端から冷却面方向へ延在した第2側壁部とを有し、
前記加熱面または前記冷却面に対して平行な仮想線と前記第1側壁部及び/または前記第2側壁部とのなす角をθ(単位:°)、前記第1側壁部及び/または前記第2側壁部と液相の前記冷媒との接触角をβ(単位:°)、前記仮想線と前記第1側壁部との交点と前記仮想線と前記第2側壁部との交点との距離をd(単位:mm)としたとき、前記凹部の断面の少なくとも一部分が、下記式(1)
d<−3.7e−6×(β−θ)−0.0001×(β−θ)+0.1041×(β−θ) (1)
の寸法を満たす沸騰伝熱部材。
[2]前記第1側壁部と前記第2側壁部が、撥水処理されている[1]に記載の沸騰伝熱部材。
[3]前記βが、91°以上である[1]または[2]に記載の沸騰伝熱部材。
[4]前記第1側壁部と前記第2側壁部との間隔が、前記冷却面に近いほど狭く、前記第1側壁部と前記第2側壁部との間隔が最小である前記凹部の開口部にて、前記式(1)の寸法を満たす[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の沸騰伝熱部材。
[5]前記金属が、銅、アルミニウム、ステンレス、鉄、チタン及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種である[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の沸騰伝熱部材。
[6]前記撥水処理が、フッ素コート、ポリテトラフルオロエチレンコート及び/またはシリコンコートである[2]に記載の沸騰伝熱部材。
[7]前記βが95°以上、前記θが60°以下であり、前記凹部の断面の少なくとも一部分が、下記式(2)
70μm<d<400μm (2)
の寸法を満たす[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の沸騰伝熱部材。
[8]前記冷却面と前記加熱面が、別部材である[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の沸騰伝熱部材。
[9][1]乃至[8]のいずれか1つに記載の沸騰伝熱部材をコンテナに備えた冷却器であり、
前記被冷却体が熱的に接続される前記コンテナと、前記コンテナ内部に封入された前記冷媒と、を備えた冷却器。
[10]前記冷媒が、水、フルオロカーボン類、エタノール、アセトン及びアンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である[9]に記載の冷却器。
[11][1]乃至[8]のいずれか1つに記載の沸騰伝熱部材をコンテナに備えた冷却装置であり、
前記被冷却体が熱的に接続される前記コンテナと、前記コンテナ内部に封入された前記冷媒である一次冷媒と、前記コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管と、を備えた冷却装置。
[12]前記一次冷媒が、水、フルオロカーボン類、エタノール、アセトン及びアンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である[11]に記載の冷却装置。
上記[1]の沸騰伝熱部材の態様では、少なくとも一部分で式(1)の寸法を満たす凹部が形成された冷却面が沸騰伝熱面として機能する。式(1)の寸法を満たす凹部は冷却面にて開口した穴となっている。また、式(1)の寸法を満たす凹部が、冷媒の沸騰起点として機能する。被冷却体から受熱する加熱面が、沸騰伝熱部材の受熱面として機能する。沸騰伝熱部材の加熱面が冷却対象である被冷却体から受熱すると、被冷却体からの熱は沸騰伝熱部材を加熱面から冷却面の方向へ伝達される。冷却面へ伝達された熱によって、冷却面に接した液相の冷媒が沸騰して液相から気相へ相変化する。気相に相変化した冷媒は、沸騰伝熱部材を備えた冷却器、沸騰伝熱部材を備えた冷却装置の放熱部へ移動し、該放熱部にて気相から液相へ相変化して潜熱を放出することで、被冷却体からの熱が外部環境へ輸送されて、結果、被冷却体が冷却される。
上記[4]の沸騰伝熱部材の態様では、凹部の前記断面の幅は、冷却面に近いほど幅狭、すなわち、加熱面に近いほど幅広となっている。
本発明の沸騰伝熱部材の態様によれば、冷却面に形成された凹部の断面の少なくとも一部分が、下記式(1)
d<−3.7e−6×(β−θ)−0.0001×(β−θ)+0.1041×(β−θ) (1)
の寸法を満たすことにより、冷媒の沸騰起点としての凹部の機能が向上して、液相の冷媒を円滑に沸騰させることができる。
本発明の沸騰伝熱部材の態様によれば、第1側壁部と第2側壁部が撥水処理されていることにより、接触角βがさらに大きくなって、冷媒の沸騰起点としての凹部の機能がさらに向上する。
本発明の沸騰伝熱部材の態様によれば、接触角βが91°以上であることにより、冷媒の沸騰起点としての凹部の機能がより確実に向上する。
本発明の沸騰伝熱部材の態様によれば、第1側壁部と第2側壁部との間隔が冷却面に近いほど狭く、凹部の開口部にて式(1)の寸法を満たすことにより、冷媒の沸騰起点としての凹部の機能がより確実に向上する。
本発明の沸騰伝熱部材の態様によれば、接触角βが95°以上、なす角θが60°以下であり、凹部の断面の少なくとも一部分が、下記式(2)
70μm<d<400μm (2)
の寸法を満たすことにより、冷却効率が向上する。
本発明の沸騰伝熱部材の態様によれば、冷却面と加熱面が別部材であることにより、凹部の前記断面が、冷却面における第1側壁部と第2側壁部との間隔が底部の長さよりも小さい形状であっても、凹部を容易に形成できる。
本発明の冷却器の態様によれば、コンテナ内部に封入された冷媒の沸騰起点としての凹部の機能が向上して冷媒を円滑に沸騰させることができる沸騰伝熱部材を備えるので、冷却器の熱抵抗が低下且つ熱流束が増大して、被冷却体に対する冷却性能が向上した冷却器とすることができる。
本発明の冷却装置の態様によれば、コンテナ内部に封入された一次冷媒の沸騰起点としての凹部の機能が向上して一次冷媒を円滑に沸騰させることができる沸騰伝熱部材を備えるので、冷却装置の熱抵抗が低下且つ熱流束が増大して、被冷却体に対する冷却性能が向上した冷却装置とすることができる。
本発明の第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材の概要を説明する斜視図である。 (a)図は、本発明の第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の深さ方向に対し平行方向における、凹部の断面図であり、(b)図は、本発明の第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の平面図である。 本発明の第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材をコンテナに備えた冷却装置の説明図である。 本発明の第2実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の深さ方向に対し平行方向における、凹部の断面図である。 本発明の第3実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の深さ方向に対し平行方向における、凹部の断面図である。 本発明の第4実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の深さ方向に対し平行方向における、凹部の断面図である。 (a)図は、本発明の第5実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の平面図であり、(b)図は、本発明の第6実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の平面図である。
以下に、本発明の第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材について、図面を用いながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材の概要を説明する斜視図である。図2の(a)図は、本発明の第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の深さ方向に対し平行方向における、凹部の断面図であり、(b)図は、本発明の第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の平面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材1は、第1の主表面である冷却面10と、冷却面10と対向した、第2の主表面である加熱面20と、を有する板状部材である。冷却面10は、液相の冷媒(図示せず)と接する部位であり、液相の冷媒に浸漬されている。加熱面20は、被冷却体(図示せず)が熱的に接続される部位である。また、沸騰伝熱部材1では、加熱面20は、平坦面となっている。
冷却面10には、複数の凹部30、30、30・・・が設けられている。凹部30の開口部31が冷却面10の表面に形成されている。沸騰伝熱部材1では、冷却面10は、加熱面20に対して平行な平面であり、該平面に、複数の凹部30、30、30・・・が形成されている。また、複数の凹部30、30、30・・・は、それぞれ、相互に独立した凹部30であり、それぞれの凹部30は、相互に連通していない態様となっている。沸騰伝熱部材1では、複数の凹部30、30、30・・・は、沸騰伝熱部材1の幅方向Xに所定の間隔で並列配置され、沸騰伝熱部材1の長さ方向Yにも所定の間隔で並列配置されている。従って、冷却面10は、凹部30と凹部30の存在しない凸部11とを有した、粗面となっている。凹部30が、冷媒の沸騰起点として機能し、結果、冷却面10が沸騰伝熱部材1の沸騰伝熱面として機能する。
図1、図2(a)に示すように、沸騰伝熱部材1の凹部30は、開口部31から加熱面20方向へ向かうにつれて幅広となっており、従って、凹部30の開口部31が最も幅狭となっている。図2(a)に示すように、凹部30の深さ方向Hに対し平行方向における凹部30の断面(以下、単に、「凹部30の断面」ということがある。)は、底部32と底部32の一端から冷却面10方向へ延在した第1側壁部33と、底部32の他端から冷却面10方向へ延在した第2側壁部34とを有している。沸騰伝熱部材1では、底部32、第1側壁部33、第2側壁部34は、いずれも直線状となっている。底部32と第1側壁部33とのなす角θ1、底部32と第2側壁部34とのなす角θ2は、同じでも、異なっていてもよいが、図2(a)では、なす角θ1はなす角θ2と略同じとなっている。
沸騰伝熱部材1では、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔が、冷却面10に近いほど狭く、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、凹部30の開口部31にて最小、底部32にて最大となっている。図2(a)では、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、底部32から開口部31へ向かうに従って、略同じ割合で狭くなっていく態様となっている。
凹部30の平面視(冷却面10に対向した方向から視認した状態)の形状は、特に限定されないが、沸騰伝熱部材1では、図2(b)に示すように、円形状となっている。
沸騰伝熱部材1では、凹部30の断面の少なくとも一部分が、加熱面20または冷却面10に対して平行な仮想線Lと第1側壁部33及び第2側壁部34とのなす角をθ(単位:°)、第1側壁部33及び第2側壁部34と液相の冷媒との接触角をβ(単位:°)、仮想線Lと第1側壁部33との交点35と仮想線Lと第2側壁部34との交点36との距離をd(単位:mm)としたとき、下記式(1)
d<−3.7e−6×(β−θ)−0.0001×(β−θ)+0.1041×(β−θ) (1)
の寸法を満たしている。
凹部30の断面のうち、凹部30の開口部31から底部32までの領域の、いずれかの部位で、式(1)の寸法を満たしていればよい。なお、沸騰伝熱部材1では、凹部30の開口部31にて、式(1)の寸法を満たしているだけでなく、凹部30の開口部31から底部32までの領域全体で、式(1)の寸法を満たしている。
また、沸騰伝熱部材1では、なす角θは、底部32と第1側壁部33とのなす角θ1及び底部32と第2側壁部34とのなす角θ2に対応している。なす角θの範囲は、特に限定されないが、沸騰伝熱部材1では、例えば、60°以下が好ましく、45°以上60°以下が特に好ましい。また、dの値としては、例えば、0.060mm以上0.70mm以下が好ましく、0.060mm以上0.30mm以下が特に好ましい。
凹部30の断面が式(1)の寸法を満たしていることにより、(1)冷媒の気泡が凹部30から離脱する際の気泡離脱径、(2)冷媒の気泡が凹部30から離脱する際の気泡離脱頻度、(3)凹部30にて冷媒の気泡が成長を開始する際の圧力(気泡成長開始圧)、(4)凹部30における液相の冷媒の浸入力、(5)冷却面10の単位面積あたりに生じる冷媒の気泡数が、バランスよく調整される。上記(1)〜(5)の条件がバランスよく調整されることにより、沸騰伝熱部材1の冷却面10が優れた沸騰伝熱面として機能し、また、沸騰伝熱部材1の使用条件が変更されても、沸騰伝熱面としての機能が維持される。上記から、凹部30の断面が式(1)の寸法を満たすことにより、冷媒の沸騰起点としての凹部30の機能が向上して、液相の冷媒を円滑に沸騰させることができる。また、少なくとも凹部30の開口部31にて式(1)の寸法を満たすことにより、冷媒の沸騰起点としての凹部30の機能がより確実に向上する。さらには、上記(1)〜(5)の条件がバランスよく調整されることにより、沸騰伝熱部材1が冷却器や冷却装置に搭載されると、冷却器や冷却装置の熱抵抗が低減され、冷却器や冷却装置の熱流束(熱輸送量)、すなわち冷却効率が向上する。
式(1)は、凹部30に液相の冷媒(水)が浸入しようとする力よりも、液相の冷媒(水)の表面張力による反発力が勝っているという条件から導き出される。
第1側壁部33と第2側壁部34は、撥水処理されていてもよい。第1側壁部33と第2側壁部34が撥水処理されていることにより、接触角βがさらに大きくなって、冷媒の沸騰起点としての凹部30の機能がさらに向上する。接触角βは大きいほど好ましく、冷媒の沸騰起点としての凹部30の機能がより確実に向上する点から、接触角βは91°以上がより好ましく、95°以上が特に好ましい。
撥水処理としては、特に限定されないが、例えば、フッ素コート、ポリテトラフルオロエチレンコート、シリコンコート等が挙げられる。
凹部30の断面が式(1)の寸法を満たすことに加え、さらに、接触角βが95°以上、なす角θが60°以下であり、凹部30の断面の少なくとも一部分が、下記式(2)
70μm<d<400μm (2)
の寸法を満たすことが好ましい。さらに、接触角βが95°以上、なす角θが60°以下であり、凹部30の断面の少なくとも一部分が、上記式(2)の寸法を満たすことにより、冷却効率が向上する。
式(2)は、蒸気泡による熱輸送量が400W以上かつ冷媒の沸騰開始に必要な冷媒温度が45℃以下という条件から導かれる。
加熱面20は被冷却体(図示せず)が熱的に接続される部位であり、加熱面20が被冷却体から受熱することで、沸騰伝熱部材1の受熱面として機能する。例えば、加熱面20に被冷却体を直接取り付けることで、加熱面20に被冷却体が熱的に接続される。加熱面20には、凹部は設けられておらず、平滑な平面となっている。
図2(a)に示すように、沸騰伝熱部材1では、冷却面10と加熱面20が、別部材である。冷却面10及び凹部30を有する第1部材12と加熱面20を有する平板状の第2部材22とから、沸騰伝熱部材1が形成されている。第2部材22のうち、加熱面20と対向する平面21が、凹部30の底部32となるように、第2部材22の平面21上に第1部材12を重ね、第1部材12と第2部材22を接合することで、沸騰伝熱部材1が形成されている。
冷却面10と加熱面20が別部材であることで、沸騰伝熱部材1のように、凹部30の断面が、冷却面10における第1側壁部33と第2側壁部34との間隔が底部32の長さよりも小さい形状であっても、凹部30を容易に形成できる。
沸騰伝熱部材1の材質としては、例えば、金属、セラミック等を挙げることができる。また、金属としては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス、鉄、チタン、マグネシウム等を挙げることができる。
次に、第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材1をコンテナに備えた冷却装置100について説明する。なお、図3は、本発明の第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材をコンテナに備えた冷却装置の説明図である。
図3に示すように、沸騰伝熱部材1をコンテナ110に備えた冷却装置100は、被冷却体200が熱的に接続されるコンテナ110と、コンテナ110内部に封入された冷媒である一次冷媒120と、コンテナ110内部の気相部111を貫通した、二次冷媒130が流通する凝縮管140と、を備えている。コンテナ110の外面112に冷却対象である被冷却体200が熱的に接続されることで、被冷却体200が冷却される。
コンテナ110内部には、中空の空洞部113が形成されている。空洞部113は、外部環境に対して密閉された空間であり、脱気処理により減圧されている。コンテナ110の形状は、特に限定されないが、例えば、直方体である。また、空洞部113には、所定量の液相の一次冷媒120が収納されている。液相の一次冷媒120は、コンテナ110内部に気相部111が形成できる体積量にて収納されている。空洞部113の重力方向下方側に、液相の一次冷媒120が存在し、空洞部113の重力方向上方側に、液相の一次冷媒120が収納されていない気相部111が形成されている。沸騰伝熱部材1は、コンテナ110のうち、液相の一次冷媒120が存在している部位に、液相の一次冷媒120に冷却面10が浸漬した状態で設けられている。冷却装置100では、コンテナ110の底部115に沸騰伝熱部材1が設けられている。
被冷却体200の接続位置は、特に限定されないが、冷却装置100では、コンテナ110の外面112のうち、沸騰伝熱部材1及び液相の一次冷媒120が存在する部位に、被冷却体200が熱的に接続されている。より具体的には、沸騰伝熱部材1の加熱面20に、被冷却体200が熱的に接続されている。被冷却体200のコンテナ110への接続位置を上記部位とすることで、被冷却体200から液相の一次冷媒120への熱伝達が円滑化されて、被冷却体200から一次冷媒120への熱抵抗を低減できる。
凝縮管140は、管状部材であり、コンテナ110内部の気相部111を貫通している。凝縮管140は、被冷却体200が熱的に接続される部位におけるコンテナ110の内面よりも重力方向上方に位置している。凝縮管140の内部空間は、コンテナ110の内部(空洞部113)とは連通していない。すなわち、凝縮管140の内部空間は、気相部111とは連通していない、気相部111から独立した空間となっている。また、凝縮管140は、重力方向下方側に収納された液相の一次冷媒120とは接触していない。すなわち、液相の一次冷媒120は、二次冷媒130が収納された凝縮管140とは接触していない。
コンテナ110のうち、気相部111に対応する部位に貫通孔(図示せず)が形成されており、該貫通孔に凝縮管140が嵌挿されることで、空洞部113の密閉状態を維持したまま、凝縮管140がコンテナ110に取り付けられている。凝縮管140の本数は、特に限定されず、冷却装置100では、凝縮管140が2つ取り付けられている。凝縮管140の径方向の断面形状は、特に限定されないが、冷却装置100では、略円形となっている。
凝縮管140には、液相の二次冷媒130が凝縮管140の延在方向に沿って一定方向に流通している。従って、二次冷媒130は、凝縮管140の壁面を介して、気相部111を貫通するように流通する。二次冷媒130は、例えば、被冷却体200の許容最高温度よりも低温の液温まで冷却されている。
コンテナ110の材料としては、特に限定されず、広汎な材料が使用でき、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス、チタン、チタン合金等を挙げることができる。凝縮管140の材料としては、特に限定されず、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス、チタン、チタン合金等を挙げることができる。一次冷媒120としては、特に限定されず、広汎な材料が使用でき、例えば、電気絶縁性の冷媒を挙げることができる。具体例としては、例えば、水、フルオロカーボン類、エタノール、アセトン、アンモニア、これらの混合物等を挙げることができる。二次冷媒としては、特に限定されず、例えば、水、不凍液(主成分は、例えば、エチレングリコール)等を挙げることができる。
次に、冷却装置100の動作について説明する。コンテナ110の空洞部113に収納された液相の一次冷媒120が被冷却体200からの熱を受けることで、液相から気相へ相変化し、被冷却体200からの熱を潜熱として吸収する。気相へ相変化した一次冷媒は、コンテナ110の内部空間を重力方向上方へ移動し、コンテナ110の気相部111へ流入する。一方で、気相部111を貫通した凝縮管140には、低温の二次冷媒130が流通している。凝縮管140に低温の二次冷媒130が流通していることで、気相部111に配置された凝縮管140は、熱交換作用を発揮する。気相に相変化した一次冷媒は、凝縮管140の外面に接触または接近することで、凝縮管140の熱交換作用により、潜熱を放出し、気相から液相へ相変化する。気相から液相への相変化の際に一次冷媒から放出される潜熱が、凝縮管140を流通する二次冷媒130へ伝達される。また、液相へ相変化した一次冷媒は、重力作用により、気相部111から重力方向下方へ液相の一次冷媒120として還流する。上記から、一次冷媒120は、コンテナ110の内部空間にて、液相から気相へ及び気相から液相への相変化を繰り返す。一次冷媒から熱を受けた二次冷媒130は、凝縮管140の延在方向に沿って冷却装置100の内部から外部へ流通することで、被冷却体200の熱が冷却装置100の外部へ輸送される。
沸騰伝熱部材1をコンテナ110に備えた冷却装置100の態様によれば、コンテナ110内部に封入された液相の一次冷媒20の沸騰起点としての凹部30の機能が向上して液相の一次冷媒20を円滑に沸騰させることができる沸騰伝熱部材1を備えるので、冷却装置100の熱抵抗が低下且つ熱流束が増大して、被冷却体200に対する冷却性能が向上した冷却装置100とすることができる。
また、上記した冷却装置に代えて、上記した冷却装置に凝縮管が設けられていない態様である冷却器のコンテナに、第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材1を備えてもよい。すなわち、被冷却体が熱的に接続されるコンテナと、コンテナ内部に封入された冷媒と、を備えた冷却器のコンテナに、沸騰伝熱部材1を備えてもよい。冷却器に用いる冷媒としては、上記した冷却装置に用いる一次冷媒と同じく、水、フルオロカーボン類、エタノール、アセトン、アンモニア、これらの混合物等を挙げることができる。
次に、本発明の第2実施形態例に係る沸騰伝熱部材について、図面を用いながら説明する。第2実施形態例に係る沸騰伝熱部材は、主要部が第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材と共通しているので、第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図4は、本発明の第2実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の深さ方向に対し平行方向における、凹部の断面図である。
第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材1では、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は凹部30の開口部31にて最小、底部32にて最大であり、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、底部32から開口部31へ向かうに従って、略同じ割合で狭くなっていく態様であった。これに代えて、図4に示すように、第2実施形態例に係る沸騰伝熱部材2では、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、凹部30の開口部31と底部32との間であって底部近傍40または底部32の位置にて最大である。また、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、底部近傍40または底部32から開口部31へ向かうに従って、異なる割合で狭くなっていく態様である。沸騰伝熱部材2では、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、底部近傍40または底部32から開口部31へ向かうに従って、大きな割合で狭くなっている。
凹部30の断面のうち、凹部30の開口部31から底部32までの領域の、いずれかの部位で、上記式(1)の寸法を満たしていれば、沸騰伝熱部材2でも、冷媒の沸騰起点としての凹部30の機能が向上して、液相の冷媒を円滑に沸騰させることができる。
次に、本発明の第3実施形態例に係る沸騰伝熱部材について、図面を用いながら説明する。第3実施形態例に係る沸騰伝熱部材は、主要部が第1、第2実施形態例に係る沸騰伝熱部材と共通しているので、第1、第2実施形態例に係る沸騰伝熱部材と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図5は、本発明の第3実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の深さ方向に対し平行方向における、凹部の断面図である。
第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材1では、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は凹部30の開口部31にて最小、底部32にて最大であり、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、底部32から開口部31へ向かうに従って、略同じ割合で狭くなっていく態様であった。これに代えて、図5に示すように、第3実施形態例に係る沸騰伝熱部材3では、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は凹部30の開口部31にて最大、底部32にて最小であり、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、底部32から開口部31へ向かうに従って、略同じ割合で広くなっている。
また、沸騰伝熱部材1では、冷却面10と加熱面20が別部材であったが、これに代えて、図5に示すように、第3実施形態例に係る沸騰伝熱部材3では、冷却面10と加熱面20が、同じ部材、すなわち、一体の部材となっている。沸騰伝熱部材3では、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、底部32から開口部31へ向かうに従って広くなっているので、冷却面10と加熱面20が同じ部材でも、容易に凹部30を形成できる。
凹部30の断面のうち、凹部30の開口部31から底部32までの領域の、いずれかの部位で、上記式(1)の寸法を満たしていれば、沸騰伝熱部材3でも、冷媒の沸騰起点としての凹部30の機能が向上して、液相の冷媒を円滑に沸騰させることができる。
次に、本発明の第4実施形態例に係る沸騰伝熱部材について、図面を用いながら説明する。第4実施形態例に係る沸騰伝熱部材は、主要部が第1〜第3実施形態例に係る沸騰伝熱部材と共通しているので、第1〜第3実施形態例に係る沸騰伝熱部材と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図6は、本発明の第4実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の深さ方向に対し平行方向における、凹部の断面図である。
第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材1では、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は凹部30の開口部31にて最小、底部32にて最大であり、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、底部32から開口部31へ向かうに従って、略同じ割合で狭くなっていく態様であった。これに代えて、図6に示すように、第4実施形態例に係る沸騰伝熱部材4では、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、凹部30の開口部31と底部32との間であって底部近傍40または底部32の位置にて最大である。また、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、底部近傍40または底部32から開口部31へ向かうに従って、異なる割合で狭くなっていく態様である。沸騰伝熱部材4では、第1側壁部33と第2側壁部34との間隔は、底部近傍40または底部32から開口部31へ向かうに従って、小さな割合で狭くなっている。
凹部30の断面のうち、凹部30の開口部31から底部32までの領域の、いずれかの部位で、上記式(1)の寸法を満たしていれば、沸騰伝熱部材4でも、冷媒の沸騰起点としての凹部30の機能が向上して、液相の冷媒を円滑に沸騰させることができる。
上記の通り、凹部30の断面のうち、凹部30の開口部31から底部32までの領域の、いずれかの部位で、上記式(1)の寸法を満たしていれば、凹部30の断面形状は、特に限定されない。
次に、本発明の第5実施形態例に係る沸騰伝熱部材について、図面を用いながら説明する。第5実施形態例に係る沸騰伝熱部材は、主要部が第1〜第4実施形態例に係る沸騰伝熱部材と共通しているので、第1〜第4実施形態例に係る沸騰伝熱部材と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図7の(a)図は、本発明の第5実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の平面図である。
第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材1では、凹部30の平面視の形状は、円形状となっていたが、これに代えて、図7(a)に示すように、第5実施形態例に係る沸騰伝熱部材5では、凹部30の平面視の形状、すなわち、開口部31の形状は、多角形状となっている。図7(a)では、具体的には、凹部30の平面視の形状は、四角形状(正方形)となっている。
次に、本発明の第6実施形態例に係る沸騰伝熱部材について、図面を用いながら説明する。第6実施形態例に係る沸騰伝熱部材は、主要部が第1〜第5実施形態例に係る沸騰伝熱部材と共通しているので、第1〜第5実施形態例に係る沸騰伝熱部材と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図7の(b)図は、本発明の第6実施形態例に係る沸騰伝熱部材に設けられた凹部の平面図である。
第1実施形態例に係る沸騰伝熱部材1では、凹部30の平面視の形状は、円形状となっていたが、これに代えて、図7(b)図に示すように、第6実施形態例に係る沸騰伝熱部材6では、凹部30の平面視の形状は、星形となっている。
上記の通り、凹部30の断面のうち、凹部30の開口部31から底部32までの領域の、いずれかの部位で、上記式(1)の寸法を満たしていれば、凹部30の平面視の形状は、特に限定されない。
次に、本発明の沸騰伝熱部材の他の実施形態例について説明する。上記各実施形態例では、複数の凹部は、それぞれ、空間的に相互に独立した凹部であり、それぞれの凹部は、相互に連通していない態様であったが、これに代えて、それぞれの凹部が連通した態様としてもよい。それぞれの凹部が連通した態様としては、例えば、それぞれの凹部の底部が、冷却面に形成された溝部を介して連通した態様が挙げられる。それぞれの凹部が連通した態様とすることで、複数の凹部のうち、一部の凹部が液相の冷媒で埋まって沸騰起点としての機能を喪失しても、液相の冷媒で埋まっていない他の凹部から液相の冷媒で埋まってしまった凹部へ空気が供給されて液相の冷媒が凹部から除去される。従って、液相の冷媒で一部の凹部が埋まって該凹部が沸騰起点としての機能を喪失しても、速やかに該凹部は沸騰起点としての機能を回復することができる。
本発明の沸騰伝熱部材は、液相の冷媒を円滑に沸騰させることができるので、広汎な分野で利用可能であり、例えば、中央演算処理装置(CPU)等、発熱量の大きい電子部品を冷却する分野で利用価値が高い。
1、2、3、4、5、6 沸騰伝熱部材
10 冷却面
20 加熱面
30 凹部
31 開口部
32 底部
33 第1側壁部
34 第2側壁部
100 冷却装置

Claims (12)

  1. 液相の冷媒と接し、表面に凹部を有する冷却面と、被冷却体が表面に熱的に接続される、前記冷却面と対向した加熱面と、を有する、金属またはセラミックで形成された沸騰伝熱部材であって、
    前記凹部の深さ方向に対し平行方向における前記凹部の断面が、底部と該底部の一端から冷却面方向へ延在した第1側壁部と、該底部の他端から冷却面方向へ延在した第2側壁部とを有し、
    前記加熱面または前記冷却面に対して平行な仮想線と前記第1側壁部及び/または前記第2側壁部とのなす角をθ(単位:°)、前記第1側壁部及び/または前記第2側壁部と液相の前記冷媒との接触角をβ(単位:°)、前記仮想線と前記第1側壁部との交点と前記仮想線と前記第2側壁部との交点との距離をd(単位:mm)としたとき、前記凹部の断面の少なくとも一部分が、下記式(1)
    d<−3.7e−6×(β−θ)−0.0001×(β−θ)+0.1041×(β−θ) (1)
    の寸法を満たす沸騰伝熱部材。
  2. 前記第1側壁部と前記第2側壁部が、撥水処理されている請求項1に記載の沸騰伝熱部材。
  3. 前記βが、91°以上である請求項1または2に記載の沸騰伝熱部材。
  4. 前記第1側壁部と前記第2側壁部との間隔が、前記冷却面に近いほど狭く、前記第1側壁部と前記第2側壁部との間隔が最小である前記凹部の開口部にて、前記式(1)の寸法を満たす請求項1乃至3のいずれか1項に記載の沸騰伝熱部材。
  5. 前記金属が、銅、アルミニウム、ステンレス、鉄、チタン及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の沸騰伝熱部材。
  6. 前記撥水処理が、フッ素コート、ポリテトラフルオロエチレンコート及び/またはシリコンコートである請求項2に記載の沸騰伝熱部材。
  7. 前記βが95°以上、前記θが60°以下であり、前記凹部の断面の少なくとも一部分が、下記式(2)
    70μm<d<400μm (2)
    の寸法を満たす請求項1乃至6のいずれか1項に記載の沸騰伝熱部材。
  8. 前記冷却面と前記加熱面が、別部材である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の沸騰伝熱部材。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の沸騰伝熱部材をコンテナに備えた冷却器であり、
    前記被冷却体が熱的に接続される前記コンテナと、前記コンテナ内部に封入された前記冷媒と、を備えた冷却器。
  10. 前記冷媒が、水、フルオロカーボン類、エタノール、アセトン及びアンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である請求項9に記載の冷却器。
  11. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の沸騰伝熱部材をコンテナに備えた冷却装置であり、
    前記被冷却体が熱的に接続される前記コンテナと、前記コンテナ内部に封入された前記冷媒である一次冷媒と、前記コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管と、を備えた冷却装置。
  12. 前記一次冷媒が、水、フルオロカーボン類、エタノール、アセトン及びアンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である請求項11に記載の冷却装置。
JP2019140945A 2019-07-31 2019-07-31 沸騰伝熱部材、沸騰伝熱部材を備えた冷却器及び沸騰伝熱部材を備えた冷却装置 Active JP7233336B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019140945A JP7233336B2 (ja) 2019-07-31 2019-07-31 沸騰伝熱部材、沸騰伝熱部材を備えた冷却器及び沸騰伝熱部材を備えた冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019140945A JP7233336B2 (ja) 2019-07-31 2019-07-31 沸騰伝熱部材、沸騰伝熱部材を備えた冷却器及び沸騰伝熱部材を備えた冷却装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021025667A true JP2021025667A (ja) 2021-02-22
JP7233336B2 JP7233336B2 (ja) 2023-03-06

Family

ID=74662289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019140945A Active JP7233336B2 (ja) 2019-07-31 2019-07-31 沸騰伝熱部材、沸騰伝熱部材を備えた冷却器及び沸騰伝熱部材を備えた冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7233336B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115077290A (zh) * 2022-06-16 2022-09-20 天津大学 加工金属霜的装置和方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01179892A (ja) * 1987-12-29 1989-07-17 Showa Alum Corp ヒートパイプ
JP2003293166A (ja) * 2002-04-02 2003-10-15 Kobe Steel Ltd 銅又は銅合金管及びその製造方法
JP2015197245A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 昭和電工株式会社 沸騰冷却装置
JP2018071881A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 トヨタ自動車株式会社 沸騰冷却装置
JP2018138853A (ja) * 2017-02-24 2018-09-06 トヨタ自動車株式会社 熱交換器

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01179892A (ja) * 1987-12-29 1989-07-17 Showa Alum Corp ヒートパイプ
JP2003293166A (ja) * 2002-04-02 2003-10-15 Kobe Steel Ltd 銅又は銅合金管及びその製造方法
JP2015197245A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 昭和電工株式会社 沸騰冷却装置
JP2018071881A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 トヨタ自動車株式会社 沸騰冷却装置
JP2018138853A (ja) * 2017-02-24 2018-09-06 トヨタ自動車株式会社 熱交換器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115077290A (zh) * 2022-06-16 2022-09-20 天津大学 加工金属霜的装置和方法
CN115077290B (zh) * 2022-06-16 2024-05-14 天津大学 加工金属霜的装置和方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7233336B2 (ja) 2023-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6688863B2 (ja) 冷却装置および冷却装置を用いた冷却システム
US20160073548A1 (en) Cooling module, cooling module mounting board and electronic device
EP2966660B1 (en) Immersion cooled toroid inductor assembly
JP2010251755A (ja) 放熱装置
JP2021025667A (ja) 沸騰伝熱部材、沸騰伝熱部材を備えた冷却器及び沸騰伝熱部材を備えた冷却装置
JP6526500B2 (ja) 沸騰伝熱部材およびこれを用いた沸騰冷却装置
WO2020235217A1 (ja) 冷却装置における冷却液の熱を取り出す熱交換構造、及び該熱交換構造を備える冷却装置
US10729040B2 (en) Cooler, power conversion apparatus, and cooling system
JP2011142298A (ja) 沸騰冷却装置
US20230215777A1 (en) Vapor chamber and manufacturing method of vapor chamber
JP7444704B2 (ja) 伝熱部材および伝熱部材を有する冷却デバイス
JP2009129971A (ja) 熱伝達装置
US10890377B2 (en) Volcano-shaped enhancement features for enhanced pool boiling
JP7444703B2 (ja) 伝熱部材および伝熱部材を有する冷却デバイス
WO2020054752A1 (ja) 冷却装置および冷却装置を用いた冷却システム
JP2014138060A (ja) 冷却装置
JP6376967B2 (ja) 沸騰伝熱部材およびこれを用いた沸騰冷却装置
JP2016133287A (ja) ループ型ヒートパイプ
JP7444715B2 (ja) 伝熱部材および伝熱部材を有する冷却デバイス
JP7370883B2 (ja) 伝熱部材および伝熱部材を有する冷却装置
JP7426844B2 (ja) 伝熱部材および伝熱部材を有する冷却装置
JP7399742B2 (ja) 冷却装置
US20230147067A1 (en) Cooling device having a boiling chamber with submerged condensation and method
JP7072547B2 (ja) 冷却装置および冷却装置を用いた冷却システム
JP6767837B2 (ja) 冷却装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD07 Notification of extinguishment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427

Effective date: 20220209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220322

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230221

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7233336

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151