JP2021025610A - ブーツバンド - Google Patents

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武美 此本
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武美 此本
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Abstract

【課題】弾性材料からなる筒状のブーツに所定の締め付け力を長期間に亘って安定的に付与することのできる加締め式のブーツバンドを提供する。【解決手段】帯部31と、帯部31に形成された側面視Ω形状の耳部34とを備え、帯部31を長手方向に沿って丸めることで形成した環状体の周長が減少する方向に耳部34を加締めることにより、ブーツの円筒部を締め付けるブーツバンド30であって、帯部31を長手方向に沿って丸めたとき、帯部31の長手方向の一部を帯部31の表面31a側に切り起こすことで形成した隆起部35の裏面側に画成される帯状の収容溝37に、帯部31の長手方向一方側の端部に形成した突出部36が収容されるものにおいて、突出部36は、その先端部36aに向かうにつれて板厚が徐々に減少した漸減部38を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、ブーツバンドに関し、特に、側面視Ω形状の耳部を加締めることにより、樹脂等の弾性材料で筒状に形成されたブーツの円筒部に縮径方向の締め付け力を付与する加締め式のブーツバンドに関する。
自動車や各種産業機械などの動力伝達系に組み込まれ、駆動側と従動側の二軸間で回転動力を等速で伝達する等速自在継手は、カップ部を有する外側継手部材と、カップ部の内部空間に配置された継手内部部品とを備え、通常はカップ部の内部空間にグリース等の潤滑剤を充填した状態で使用される。この潤滑剤の外部漏洩や継手内部への異物侵入を防止するため、外側継手部材のカップ部には、ゴムや樹脂等の弾性材料で形成された筒状のブーツ(等速自在継手用ブーツ)の一端が固定され、ブーツの他端は、継手内部部品を構成する内側継手部材に連結された軸部材に固定される。
ブーツの一端および他端にそれぞれ設けられる円筒部は、その外周面をブーツバンドと称される締結部材で締め付けることによって取付対象に固定されるのが一般的である。ブーツバンドとしては、例えば下記の特許文献1に記載されているような加締め式のブーツバンドが広く使用されている。以下、従来の加締め式のブーツバンドについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図4(a)(b)は、それぞれ、従来の加締め式のブーツバンド100の展開状態における側面図および裏面図である。このブーツバンド100は、金属帯板からなる帯部101と、帯部101に形成された爪部102、孔部103および耳部104とを備える。帯部101は、第1帯部101Aと、帯部101を長手方向に沿って丸めて環状形態に変形させたとき(図5参照)に第1帯部101Aの径方向外側に重ね合わされる第2帯部101Bとを有し、両帯部101A,101Bは、帯部101の板厚に略等しい高低差を有する段差部101Cを介して接続されている。爪部102は第1帯部101Aに形成され、孔部103および耳部104は第2帯部101Bに形成されている。耳部104は、一対の脚部104a,104aと、両脚部104aの先端を繋ぐ頂部104bとを一体に有する側面視Ω形状をなしている。以上の構成を有するブーツバンド100は、例えば以下のように使用される。
まず、図5に示すように、帯部101を丸めて孔部103に爪部102を嵌合する(両者を帯部101の長手方向で係合させる)ことで環状体100’を形成する。次いで、この環状体100’の径方向内側に図示外のブーツおよびその取付対象を重ねて配置した状態で、図7(a)に示すように、耳部104の脚部104a,104aを加締めて塑性変形させる。これに伴い、環状体100’の周長が減少し、環状体100’の径方向内側に配置されたブーツの円筒部に縮径方向の締め付け力が付与される結果、ブーツの円筒部が取付対象に対して固定される。
図4(a)(b)に示すように、ブーツバンド100は、帯部101(第1帯部101A)の長手方向の一端部に形成された突出部106と、第1帯部101Aの一部(長手方向の他端部付近)をブーツバンド100の表面側に切り起こすことで形成された隆起部105と、隆起部105の裏面側に画成された帯状の収容溝107とをさらに有している。そして、耳部104の加締め作業(取付対象に対するブーツの固定作業)は、図5および図6(a)に示すように、突出部106を収容溝107に収容した状態で実施される。
このように、収容溝107に突出部106を収容しておけば、第2帯部101Bの径方向内側に第1帯部101Aが配置される構成と相俟って、ブーツの締め付け面となる環状体100’の内径面に段差が形成されるのを防止することができるので、ブーツの締め付け性、ひいては取付対象に対するブーツの密着性を高めることができる。また、収容溝107に突出部106を収容しておけば、第1帯部101Aと第2帯部101Bが帯部101の幅方向に相対移動し難くなるので、加締め作業を効率良くかつ精度良く実施することができるという利点もある。
特開2018−84306号公報
図6(a)に示すように、環状体100’の形成段階(耳部104の加締め前の段階)において、突出部106は、その先端側一部領域が収容溝107に収容される。これは、耳部104を加締めることで環状体100’の周長が減少すると、収容溝107に対する突出部106の収容長さが増加する方向[図6(b)中に白抜き矢印で示す方向]に第1帯部101Aと第2帯部101Bが相対移動するためである。
従って、図7(a)(b)に示すように、突出部106の先端部は、加締め作業の実施後、加締め作業の実施前よりも収容溝107の奥側[図7(b)の紙面左側]に位置する。このとき、加締め作業の実施態様によっては、図7(b)のX−X線矢視断面図である図8に示すように、突出部106の全体が収容溝107に収まりきらず、突出部106の先端部が収容溝107の径方向内側にはみ出した状態でブーツを締め付ける場合がある。この状態で等速自在継手が作動する(作動角をとって回転する)と、径方向外向きの応力であるブーツ110の弾性復元力Fが突出部106を介して隆起部105に繰り返し負荷されるため、隆起部105(特に図8中に符号Zで示す、隆起部105と帯部101の境界部)が破断し易くなる。隆起部105が破断すると、ブーツ110に付与すべき縮径方向の締め付け力が低下する可能性がある。
上記の問題発生を可及的に防止するには、例えば、収容溝107の溝長さを増加させる、あるいは、突出部106の突出量を減少させることが考えられる。収容溝107の溝長さを増加させるには、隆起部105の周方向長さを増加させる必要があるが、隆起部105は、帯部101の一部を切り起こすことで形成されるため、隆起部105の周方向長さを増加させるとブーツバンド100に必要とされる機械的強度が不足し、ブーツ110に所定の締め付け力を付与することができなくなるおそれがある。また、突出部106の突出量を減少させると、帯部101を環状形態に変形させたときに突出部106が収容溝107に収容されなくなる可能性がある。この場合、ブーツの締め付け面となる環状体100’の内径面に段差が形成されるため、ブーツの締め付け性が低下する。
以上の実情に鑑み、本発明は、弾性材料で筒状に形成されたブーツの締め付け作業性が良好で、かつ上記ブーツに対して所定の締め付け力を長期間にわたって安定的に付与することのできるブーツバンド(加締め式のブーツバンド)を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明に係るブーツバンドは、金属帯板からなる帯部と、帯部に形成された側面視Ω形状の耳部とを備え、帯部をその長手方向に沿って丸めることで形成した環状体の周長が減少する方向に耳部を加締めることにより、環状体の径方向内側に配置され、弾性材料で筒状に形成されたブーツの円筒部に縮径方向の締め付け力を付与するブーツバンドであって、帯部を長手方向に沿って丸めたとき、帯部の長手方向の一部を帯部の表面側に切り起こすことで形成した隆起部の裏面側に画成される帯状の収容溝に、帯部の長手方向の一端部に形成した突出部が収容されるものにおいて、突出部は、その先端部に向かうにつれて板厚が徐々に減少した漸減部を有することを特徴とする。なお、本発明でいう「表面」および「裏面」とは、それぞれ、帯部を長手方向に沿って丸めたときに径方向外側および径方向内側に位置する面である。
上記のように、帯部の長手方向一方側の端部に形成した突出部に、その先端部に向かうにつれて板厚が徐々に減少した漸減部を設けておけば、耳部の加締めに伴って突出部の先端部が収容溝の径方向内側にはみ出したとしても、そのはみ出し量を漸減部を設けない場合に比べて減じることができる。そのため、等速自在継手の作動時に突出部を介して隆起部に繰り返し負荷されるブーツの弾性復元力を緩和することが可能となる。これにより、隆起部が破断し難くなり、ブーツに付与すべき締め付け力が低下するのを可及的に防止することができる。この場合、収容溝の溝長さ(隆起部の周方向長さ)や突出部の突出量(周方向長さ)を増減させるような対策を講じる必要がなくなるので、耳部の加締め作業は、突出部を収容溝に収容した状態で実施することができる。このため、ブーツの締め付け作業性や締め付け精度が低下することもない。
上記構成において、漸減部の長手方向他方側の端部(漸減部の基端部)の板厚をt1、漸減部の長手方向一方側の端部(突出部の先端部)の板厚をt2としたとき、0.3t1≦t2≦0.7t1の関係式を満たすようにすることができる。
漸減部は、例えば、帯部(突出部)の表面又は裏面の何れか一方の面に、突出部の先端部に向かうにつれて他方の面に接近するテーパ面もしくは円弧面を設けることで形成することができる。
本発明に係るブーツバンドは、例えば、等速自在継手(角度変位のみを許容する固定式等速自在継手であるか、角度変位および軸方向変位の双方を許容する摺動式等速自在継手であるかは問わない)に装着されるブーツの円筒部に縮径方向の締め付け力を付与するためのブーツバンドとして、あるいは、ボールねじを備えた電動アクチュエータに装着されるブーツの円筒部に縮径方向の締め付け力を付与するためのブーツバンドとして使用することができる。
以上で説明したように、本発明によれば、弾性材料で筒状に形成されたブーツの締め付け作業性が良好で、かつ上記ブーツに対して所定の締め付け力を長期間にわたって安定的に付与することのできる加締め式のブーツバンドを実現することができる。
本発明の実施形態に係るブーツバンドが用いられたブーツ付等速自在継手の一例を示す縦断面図である。 (a)図は、本発明の実施形態に係るブーツバンドの展開状態における側面図、(b)図は、(a)図の下面図、(c)図は、(a)図のA部拡大図である。 (a)図は、図2に示すブーツバンドの使用状態における側面図、(b)図は、(a)図のB部をブーツバンドの中心軸と直交する平面で切断したときの断面図である。 (a)図は、従来のブーツバンドの展開状態における側面図、(b)図は、(a)図の下面図である。 加締め前の従来のブーツバンド(図4に示すブーツバンド)の側面図である。 (a)図は、図5のB部を径方向内側から見たときの展開平面図、(b)図は、(a)図のX−X線矢視断面図である。 (a)図は、加締め後の従来のブーツバンドの側面図、(b)図は、(a)図のB部を径方向内側から見たときの展開平面図である。 図7(b)のX−X線矢視断面図であって、従来のブーツバンドの問題点を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、ブーツ付きの等速自在継手1の一例を示す。この等速自在継手1は、自動車の車台上に搭載されたエンジンや電動モータ等の駆動源から出力される回転動力(トルク)を車輪に伝達するドライブシャフトを構成するものであり、自動車に組み込まれた状態では車輪側に配置されて角度変位のみを許容する。
すなわち、図1に示す等速自在継手1は、いわゆる固定式等速自在継手であり、カップ部6および軸部7を有する外側継手部材2と、カップ部6の内周に収容された継手内部部品とを備える。継手内部部品は、中心孔に軸部材10がトルク伝達可能に連結された内側継手部材3と、カップ部6の内径面に形成された円弧状のトラック溝8と内側継手部材3の外径面に形成された円弧状のトラック溝9の間に配置され、外側継手部材2と内側継手部材3の間でトルクを伝達するボール4と、ボール4を保持した保持器5とを備える。ボール4は、周方向に離間した複数箇所(例えば6箇所)に配置される。
図示は省略しているが、外側継手部材2のカップ部6の内部空間にはグリース等の潤滑剤が充填されている。この潤滑剤の外部漏洩や継手外部からの異物侵入を防止するため、外側継手部材2のカップ部6と軸部材10の間には筒状のブーツ20が設けられている。このブーツ20は、熱可塑性エラストマーを主成分とする樹脂材料を用いて型成形された、いわゆる樹脂ブーツであり、外側継手部材2のカップ部6の外径面に固定された大径円筒部21と、軸部材10の外径面に固定された小径円筒部22と、両円筒部21,22を接続した蛇腹部23とを一体に有する。蛇腹部23は、外側継手部材2と内側継手部材3(軸部材10)が相対的に角度変位するのに伴って弾性的に伸縮および屈曲変形する。
ブーツ20の大径円筒部21の外周面には環状溝が形成されており、この大径円筒部21は、環状溝に装着されたブーツバンド30から付与される縮径方向の締め付け力により、外側継手部材2のカップ部6に対して固定されている。また、ブーツ20の小径円筒部22の外周面にも環状溝が形成されており、この小径円筒部22は、環状溝に装着されたブーツバンド30から付与される縮径方向の締め付け力により軸部材10に対して固定されている。ブーツバンド30としては、本発明を適用した加締め式のブーツバンドが使用されている。
以下、本発明の実施形態に係るブーツバンド30について詳細に説明する。以下では、ブーツ20の大径円筒部21に縮径方向の締め付け力を付与するために使用されるブーツバンド30を代表例にとって説明するが、ブーツ20の小径円筒部22に縮径方向の締め付け力を付与するために使用されるブーツバンド30は、ブーツ20の大径円筒部21に縮径方向の締め付け力を付与するために使用されるブーツバンド30とは長手方向寸法(周長)が異なるだけであり、基本的に同様の構成を有する。
図2(a)(b)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るブーツバンド30の展開状態における側面図および下面図である。このブーツバンド30は、図4等を参照して説明した従来のブーツバンド100に改良を加えたものであって、一部を除き、ブーツバンド100と同様の構成を有する。すなわち、ブーツバンド30は、金属帯板からなる帯部31と、帯部31に形成された爪部32、孔部33、耳部34、膨出部35および突出部36とを備える。
帯部31は、第1帯部31Aと、帯部31を長手方向に沿って丸めて環状形態に変形させたとき[図3(a)参照。但し、図3(a)は、環状形態に変形させた後、耳部34を加締めた状態を示している。]に第1帯部31Aの径方向外側に重ね合わされる第2帯部31Bと、両帯部31A,31Bを接続する段差部31Cとを一体に有する。段差部31Cの高低差(第1帯部31Aの裏面と第2帯部31Bの裏面との離間距離)は、帯部31の板厚と略同一である。なお、以下の説明で使用する「長手方向一方側」および「長手方向他方側」とは、それぞれ、第1帯部31Aが設けられた側(図2の紙面左側)および第2帯部31Bが設けられた側(図2の紙面右側)である。
爪部32は、第1帯部31Aの長手方向一方側の端部付近に形成されている。本実施形態では、3つの爪部32a,32b,32cを帯部31の長手方向に沿って一列に並べて形成している。3つの爪部のうち、爪部32a,32bは、帯部31(第1帯部31A)の一部をその表面31a側に隆起させることで形成され、爪部32cは、帯部31の一部をその表面31a側に曲げ起こすことで形成されている。
孔部33は、第2帯部31Bの長手方向他方側の端部付近に形成されている。本実施形態では、3つの爪部32a,32b,32cとそれぞれ嵌合(係合)する孔部33a,33b,33cを、帯部31の長手方向に沿って一列に並べて形成している。孔部33a〜33cは、何れも、帯部31の表面31aおよび裏面31bに開口した貫通孔である。
耳部34は、第2帯部31Bのうち、孔部33よりも長手方向一方側の領域に形成されている。耳部34は、長手方向に離間して設けられた一対の脚部34a,34aと、両脚部34aの先端を繋ぐ頂部34bとからなる側面視Ω形状をなしている。脚部34a,34aの離間距離は、締め付け対象(ここではブーツ20の大径円筒部21)に付与すべき締め付け力に応じて設定される。
膨出部35は、帯部31に長手方向に延びる互いに平行な二本の切れ目を形成した後、二本の切れ目の間の部分を表面側31aに膨出させることで形成されている。切れ目は、一端が第2帯部31Bの長手方向一方側の端部(第2帯部31Bと段差部31Cの境界部)に位置すると共に、他端が第1帯部31Aの範囲内に位置するように形成される。このような膨出部35が形成されていることにより、膨出部35の裏面31a側には、帯部31の長手方向に延びた帯状の溝部が画成される。この溝部は、帯部31を長手方向に沿って丸めて環状形態に変形させたときに、以下に詳述する突出部36が収容される収容溝37として機能する。そのため、膨出部35の幅寸法(二本の切れ目の離間距離)は、突出部36の幅寸法よりも僅かに大きくなっている。
突出部36は、帯部31(第1帯部31A)の長手方向一方側の端部に形成された、第1帯部31Aのその他の部分よりも幅寸法の小さい部位である。
図2(c)に示すように、突出部36は、その先端部36aに向かうにつれて板厚が徐々に減少した漸減部38を有する。突出部36は、その全体を漸減部38で構成することも可能ではあるが、図示例では、突出部36の基端側を板厚一定の部分で構成すると共に、突出部36の先端側を漸減部38で構成している。本実施形態では、帯部31の表面31a(突出部36の表面)に、突出部36の基端側から先端側に向かうにつれて帯部31の裏面31bに徐々に接近するテーパ面39を設けることにより、漸減部38を形成している。テーパ面39の傾斜角θは、例えば1°〜5°、より好ましくは1°〜3°の範囲内に設定される。
以上の構成を有するブーツバンド30は、例えば以下のように使用される。
まず、帯部31をその長手方向に沿って丸め、孔部33(33a〜33c)に爪部32(32a〜32c)を嵌合して両者を帯部31の長手方向で係合させることにより、帯部31を環状形態に変形させる。これにより、第1帯部31Aの径方向外側に第2帯部31Bが重ね合わされた環状体が形成される[図3(a)参照]。
次いで、この環状体の径方向内側に、ブーツ20の大径円筒部21およびその取付対象である外側継手部材2のカップ部6を重ねて配置した状態で耳部34の脚部34a,34aをその基端が互いに接近する方向に加締め、耳部34を塑性変形させる[図3(a)参照]。これに伴い、環状体の周長が減少し、環状体の径方向内側に配置されたブーツ20の大径円筒部21に縮径方向の締め付け力が付与される。これにより、ブーツ20の大径円筒部21が外側継手部材2のカップ部6に対して固定される。
図4(a)(b)等を参照して説明した従来のブーツバンド100と同様に、本実施形態のブーツバンド30は、帯部31を環状形態に変形させたとき、帯部31の長手方向一方側の端部に形成した突出部36(の先端側一部領域)が隆起部35の裏面側に画成された帯状の収容溝37に収容されるようになっている。つまり、耳部34の加締め作業、すなわちブーツ20の大径円筒部21の締め付け作業は、突出部36(の先端側一部領域)を帯状の収容溝37に収容した状態で実施される。
耳部34(の脚部34a)を加締めると、収容溝37に対する突出部36の収容長さが増加する方向に第1帯部31Aと第2帯部31Bが相対移動するため、突出部36の先端部36aは、耳部34の加締め前よりも収容溝37の奥側に位置する。このとき、耳部34の加締め態様によっては、図3(b)に示すように、突出部36の先端部36aが収容溝37を画成する膨出部35に突き当たる可能性がある。本実施形態では、突出部36に、その先端部36aに向かうにつれて板厚が徐々に減少した漸減部38を設け、突出部36の先端部36aを最小板厚部としているので、仮に突出部36の先端部36aが膨出部35に突き当たった場合でも、収容溝37の径方向内側への突出部36のはみ出し量を抑制した状態でブーツ20の大径円筒部21を締め付けることができる。
これにより、等速自在継手1の作動時に、突出部36を介して隆起部35に繰り返し負荷されるブーツ20の大径円筒部21の弾性復元力(径方向外向きの応力)Fを緩和することができるので、隆起部35が破断し難くなる。そのため、ブーツバンド30がブーツ20に付与すべき縮径方向の締め付け力が低下するのを効果的に防止することができる。またこの場合、収容溝37の溝長さ(隆起部35の周方向長さ)や突出部36の突出量を増減する必要がなくなるので、耳部34の加締め作業は、突出部35を収容溝37に収容した状態、すなわち、ブーツ20の締め付け面となる環状体の内径面に段差がない状態で実施することができるので、ブーツ20の締め付け作業性や締め付け精度が低下することもない。
従って、本発明の実施形態に係るブーツバンド30は、ブーツ20の大径円筒部21(小径円筒部22)の締め付け作業性が良好で、かつブーツ20に対して所定の締め付け力を長期間に亘って安定的に付与することができる、という利点を有する。
なお、隆起部35の破断を防止する上では、突出部36の先端部36aの板厚を極力小さくするのが好ましいと言えるが、先端部36aの板厚をあまりに小さくすると、突出部36の強度・剛性不足による取扱性や組立性(特に帯部31を環状形態に変形させる際の組立性)の低下を招来する懸念がある。そのため、漸減部38の長手方向他方側の端部(基端部)の板厚をt1、漸減部38の長手方向一方側の端部(突出部36の先端部36a)の板厚をt2としたとき[図2(c)参照]、0.3t1≦t2≦0.7t1の関係式を満たすようにするのが好ましく、0.3t1≦t2≦0.5t1の関係式を満たすようにするのが一層好ましい。
以上、本発明の一実施形態に係る等速自在継手用のブーツバンド30について説明したが、本発明の実施の形態はこれに限定されない。
例えば、以上で説明した実施形態では、帯部31の表面31a(突出部36の表面)にテーパ面39を設けることによって突出部36に漸減部38を形成するようにしたが、漸減部38は、テーパ面39に替えて円弧面を突出部36の表面に設けることで形成することもできる(図示省略)。また、漸減部38は、突出部36の裏面に、突出部36の基端側から先端側に向かうにつれて突出部36の表面に徐々に接近するテーパ面又は円弧面を設けることで形成することもできる(図示省略)。
また、以上で説明した実施形態では、爪部32およびこれが嵌合(係合)する孔部33を帯部31の長手方向に沿って3つずつ設けたが、帯部31を環状形態に変形させたときにその形態を維持可能である限りにおいて、爪部32および孔部33の形成個数や配置態様は任意に設定することができる。
また、以上では、樹脂製のブーツ20を取付対象に固定する際にあたり、本発明の実施形態に係るブーツバンド30を使用する場合について説明したが、ブーツバンド30は、ゴムブーツを取付対象に固定する際に使用することももちろん可能である。
また、以上では、ドライブシャフトを構成する等速自在継手および軸部材に対してブーツを固定するためのブーツバンドに本発明を適用する場合について説明したが、本発明は、プロペラシャフトを構成する等速自在継手および軸部材に対してブーツを固定するために使用されるブーツバンドに適用することも可能である。また、本発明は、例えばボールねじを備えた電動アクチュエータを構成する二部材に対してブーツの円筒部を固定するためのブーツバンドに適用することも可能である。
本発明は以上で説明した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 等速自在継手
2 外側継手部材
6 カップ部
10 軸部材
20 ブーツ(等速自在継手用ブーツ)
21 大径円筒部(円筒部)
22 小径円筒部(円筒部)
30 ブーツバンド
31 帯部
31a 表面
31b 裏面
31A 第1帯部
31B 第2帯部
34 耳部
35 膨出部
36 突出部
36a 先端部
37 収容溝
38 漸減部
39 テーパ面

Claims (3)

  1. 金属帯板からなる帯部と、該帯部に形成された側面視Ω形状の耳部とを備え、
    前記帯部を長手方向に沿って丸めることで形成した環状体の周長が減少する方向に前記耳部を加締めることにより、前記環状体の径方向内側に配置され、弾性材料で筒状に形成されたブーツの円筒部に縮径方向の締め付け力を付与するブーツバンドであって、
    前記帯部を長手方向に沿って丸めたとき、前記帯部の長手方向の一部を前記帯部の表面側に切り起こすことで形成した隆起部の裏面側に画成される帯状の収容溝に、前記帯部の長手方向一方側の端部に形成した突出部が収容されるものにおいて、
    前記突出部は、その先端部に向かうにつれて板厚が徐々に減少した漸減部を有することを特徴とするブーツバンド。
  2. 前記漸減部の長手方向他方側の端部の板厚をt1、前記漸減部の長手方向一方側の端部の板厚をt2としたとき、0.3t1≦t2≦0.7t1の関係式を満たす請求項1に記載のブーツバンド。
  3. 前記漸減部は、前記帯部の表面又は裏面の何れか一方の面に、前記突出部の先端部に向かうにつれて他方の面に徐々に接近するテーパ面もしくは円弧面を設けることで形成されている請求項1又は2に記載のブーツバンド。
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