JP2021025463A - 可変容量オイルポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出量を迅速に調整変更できると共にベーンポンプの脈動から生じるハンチングを抑えることができ、且つその構造も極めて簡単なものにすることができる可変容量オイルポンプを提供する。【解決手段】オイルの吐出量を変化させる可変容量オイルポンプにおいて、ポンプハウジング1はモータ5と、アーム6とを備える。アーム6は、第1アーム部61と第2アーム部62と枢支部63とを有し、第1アーム部61と第2アーム部62とは枢支部63を中間にして連続形成される。第1アーム部61は第2アーム部62よりも長さ寸法が大きく、枢支部63はポンプ室11に枢支装着される。第1アーム部61の自由端側はモータ5に接続され、第2アーム部62の自由端側はカムリング2に接続され、モータ5によってアーム6は枢支部63を中心に揺動する。【選択図】図1
Description
本発明は、可変容量機構を備えたベーンポンプで、吐出量を迅速に調整変更できると共にベーンポンプの脈動から生じるハンチングを抑えることができ、且つその構造も極めて簡単なものにすることができる可変容量オイルポンプに関する。
従来、ベーンポンプにおいて、吐出量を変化させることができるタイプが種々存在している。その代表的な一例として特許文献1を示す。この種のベーンポンプの多くは、ロータと、該ロータの外周に出没可能に装着されたベーンによる吐出量を変化させるためのカムリング(呼称は各文献により異なる)とから構成され、カムリングを移動させて、吐出量を増減変更させるものである。このカムリングを移動させる動力源として油圧が利用されるものが一般的で、具体的にはオイルポンプの吐出ポートからの吐出オイルの一部を、カムリングを移動させる動力源として利用するものである。
カムリングの動力源として、油圧を利用することは、最も構成が簡単で、且つ安価にできるが、以下の問題点も存在する。ベーンポンプ,内接歯車ポンプ,外接歯車ポンプ等のオイルポンプで且つ可変容量タイプのものでは、オイル吐出が不連続となる脈動が生じ易いものであるため、カムリング移動による可変吐出量の挙動が安定せず、吐出圧力が大きな振幅を持つ問題が発生する。
このような、カムリングを動作させる駆動源として油圧を利用した場合の問題点を解決するものとして、特許文献1に見られるようにアクチュエータとしてモータを使用するものが存在する。特許文献1では、カムリングはスライドと称されているが、このスライドにリニアアクチュエータアセンブリが直接的に接続され、スライドを移動させようとするものである。
しかし、特許文献1において、スライドはポンプ稼動中においては、オイルの圧力がかかっているので、スライドを移動するためには大きな力を必要とする。そのために、出力の大きなモータ(アクチュエータ)が必要であり、モータ自体は大型化し、且つ高価なものとなるという問題点が生じる。そこで、本発明の目的は、モータを小出力(低パワ−)のものを使用しても、カムリングを動作させるときに、比較的小さな力でカムリングを移動操作でき、且つ小型で低価格の可変容量オイルポンプを提供することにある。
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、請求項1の発明を、ベーンロータと複数のベーンと、前記ベーンロータが収められるロータ室を有するカムリングと、該カムリングを移動自在に配置するポンプ室を有するポンプハウジングを有し、前記カムリングの移動動作によりオイルの吐出量を変化させる可変容量オイルポンプにおいて、前記ポンプハウジングはモータと、アームとを備え、該アームは、第1アーム部と第2アーム部と枢支部とを有し、前記第1アーム部と前記第2アーム部とは前記枢支部を中間にして連続形成され、前記第1アーム部は前記第2アーム部よりも長さ寸法が大きくされ、前記枢支部は前記ポンプ室に枢支装着され、前記第1アーム部の自由端側は前記モータに接続され、前記第2アーム部の自由端側は前記カムリングに接続され、前記モータによって前記アームは前記枢支部を中心として揺動されてなる可変容量オイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第1アーム部と前記モータの接続箇所における第1接続伝達機構は、該モータのモータ軸にはウォームギアが設けられ、前記アームの第1アーム部の自由端側には前記ウォームギアと螺合するホィールギアが設けられてなる可変容量オイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項3の発明を、請求項1に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第1アーム部と前記モータの接続箇所における第1接続伝達機構は、該モータのモータ軸には外ネジ部を設け、前記アームの第1アーム部の自由端側には前記外ネジ部と螺合する内ネジ部が形成された案内部材が設けられてなる可変容量オイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項4の発明を、請求項3に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第1アーム部と前記モータとの接続箇所における前記第1接続伝達機構は、前記モータと前記第1アーム部の自由端側との何れか一方に連結ピンが設けられ、他方には該連結ピンが摺動可能に挿入すると共に前記カムリングの移動方向と直交する方向を長手方向とする長孔を有する連結支持部が設けられてなる可変容量オイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項5の発明を、請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第2アーム部と前記カムリングとの接続箇所における第2接続伝達機構は、前記カムリングと前記第2アーム部との何れか一方に連結ピンが設けられ、他方には該連結ピンが摺動可能に挿入すると共に前記カムリングの移動方向と直交する方向を長手方向とする長孔を有する連結支持部が設けられてなる可変容量オイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項6の発明を、請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第2アーム部と、前記カムリングとは当接するのみの構成とし、前記ポンプ室には弾性部材が配置され、前記アームの揺動と前記弾性部材とにより前記カムリングが往復移動可能としてなる可変容量オイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項7の発明を、請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第2アーム部と、前記カムリングとは当接するのみの構成とし、前記ポンプ室で且つ前記カムリングの往復移動方向において前記アーム設置側とは反対側部分をオイル出入可能とし、前記アームの揺動とオイルの圧力とにより前記カムリングが往復移動可能としてなる可変容量オイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項8の発明を、請求項7において、前記ポンプ室で且つ前記カムリングの往復移動方向において前記アーム設置側とは反対側部分にオイル出入可能なオイル室が設けられ、前記カムリングには前記オイル室に挿入するピストン部が形成されてなる可変容量オイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。請求項9の発明を、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8の何れか1項に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第1アーム部と前記第2アーム部は前記枢支部の位置で折れ線状に形成されてなる可変容量オイルポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明では、ポンプハウジングはモータと、アームとを備えている。該アームは、第1アーム部と第2アーム部とが枢支部を中間にして連続形成され、前記枢支部はポンプ室に枢支装着され、第1アーム部の自由端側は前記モータに接続され、前記第2アーム部の自由端側は前記カムリングに接続され、前記モータによって前記アームは前記枢支部を中心として揺動されるものである。そして、第1アーム部は第2アーム部よりも長さ寸法が大きくされている。これによって、モータから第1アーム部の自由端側にかけられる力は、第2アーム部の自由端側で増幅され、カムリングを移動操作することができる。よって、モータは、稼動中のオイルポンプにおいて、比較的小さな力でカムリングを移動操作し、吐出量の変更調整を行うことができる。
このように、本発明では、モータとカムリングとの間にアームを設け、モータの駆動力を、アームを介してカムリングに伝達し移動操作するものである。したがって、モータにて直接カムリングを移動操作しようとするものに比較して、本発明ではモータの駆動力は小さい低パワーのものでよく、該モータを小型のものにすることができる。よって、ポンプハウジングにおけるモータの設置スペースを小さくし、ポンプハウジングの小型化を容易にでき、且つ低価格に提供することができるものである。さらに、吐出ポートからのオイルの一部を利用した油圧によるカムリングを移動操作するタイプのものとは異なり、カムリングの移動操作の開始がモータの始動と同時であり、迅速な吐出量の変更調整ができる。
また、本発明においては、カムリングの移動操作に油圧は使用されないので、オイルの容積変化や油圧振幅等の影響は全く受けることがない。さらに、油圧制御によるカムリングの移動操作では、該カムリングの微動調整は困難であるが、本発明では、アームを介してモータの駆動力をカムリングに伝達して移動操作するものであり、カムリングの微動調整が可能となり、オイルの吐出量について精度の高い微調整を行うことができる。さらに、第1アーム部は第2アーム部よりも長さ寸法が大きいため、第1アーム部の自由端側よりも第2アーム部の自由端側の移動量が少ない。これにより、モータ特性差や、ガタによる移動量バラツキを減少でき、可変性能バラツキを減少できる。
請求項2の発明では、モータのモータ軸にはウォームギアを設け、アームの第1アーム部の自由端側には前記ウォームギアと螺合するホィールギアを設けた。これにより、モータの駆動力をより一層、低力(パワー)のものを選択することができ、モータを小型化すると共にポンプハウジングをより一層小型化できるものである。そして、ウォームギアとホィールギアとの組み合わせにより、カムリングのより一層細かい移動量の調整が可能となる。
請求項3の発明では、モータとし、該モータのモータ軸には外ネジ部を設け、アームの第1アーム部の自由端側には外ネジ部と螺合する内ネジ部が形成された案内部が設けられる。この構成によって、前述した請求項2における効果と略同様に、モータの駆動力をより一層、低力(パワー)のものを選択することができ、モータを小型化すると共にポンプハウジングをより一層小型化できるものである。そして、モータ軸に設けられた外ネジ部と、第1アーム部の自由端側の案内部の内ネジ部との組み合わせにより、カムリングのより一層細かい移動量の調整が可能となる。
請求項4の発明では、アームの第1アーム部と、モータとの接続箇所は、該モータと前記第1アーム部との何れか一方をピンとし、他方を該ピンが摺動可能で且つ前記カムリングの移動方向と直交する方向を長手方向とする長孔とする接続構成とした。これにより、アームの第1アーム部と、モータとの相互の動作をより一層円滑に行うことができる。請求項5の発明では、アームの第2アーム部とカムリングとの接続箇所は、カムリングと第2アーム部との何れか一方をピンとし、他方を該ピンが摺動可能で且つ前記カムリングの移動方向と直交する方向を長手方向とする長孔とする接続構成とした。これにより、アームの第2アーム部と、カムリングとの相互の動作をより一層円滑に行うことができる。
請求項6の発明では、前記アームの前記第2アーム部と、前記カムリングとは当接するのみの構成とし、前記ポンプ室には弾性部材が配置され、前記アームの揺動と前記弾性部材とにより前記カムリングが往復移動可能としたことにより、カムリングと第2アーム部の先端を単に当接させるのみでよく、カムリングの往復移動を弾性部材とアームで行うものとなり、これによって構造を極めて簡単にできる。
請求項7の発明を、前記アームの前記第2アーム部と、前記カムリングとは当接するのみの構成とし、前記ポンプ室で且つ前記カムリングの往復移動方向において前記アーム設置側とは反対側部分をオイル出入可能とし、前記アームの揺動とオイルとにより前記カムリングが往復移動可能としたことにより、カムリングと第2アーム部の先端を単に当接させるのみであり、カムリングの往復移動をオイルによる圧力にて行うものであり、構造を極めて簡単にできる。
請求項8の発明では、前記ポンプ室で且つ前記カムリングの往復移動方向において前記アーム設置側とは反対側部分にオイル出入可能なオイル室が設けられ、前記カムリングには前記オイル室に挿入するピストン部が形成されてなることにより、オイル室内をオイルの圧力によりピストン部が往復移動することによりカムリングは安定した往復移動ができる。請求項9の発明では、アームの第1アーム部と第2アーム部は枢支部の位置で折れ線状に形成されることにより、ポンプ室内におけるアームの配置スペースを、より一層、省スペース化でき、よってポンプハウジングもより一層小型化することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の可変容量オイルポンプは、エンジン等の機器のオイル潤滑回路に組み込まれるベーンポンプタイプのオイルポンプである。本発明には複数の実施形態が存在する。本発明の第1実施形態では、ベーンロータ3,ベーン31、ロータ室21を有するカムリング2と、ポンプ室11を有するポンプハウジング1と、前記カムリング2の動作を制御するモータ5と、アーム6とを備えている(図1,図3,図6等参照)。
また、モータ5を操作する操作信号を供給するECU92及び該ECU92に判断させる油圧センサ91も備わることがある(図1,図3等参照)。ポンプハウジング1は、ポンプ室11と軸孔を有している。ポンプ室11には、吸入ポート11aと吐出ポート11bが形成されている(図1参照)。ポンプ室11には、カムリング2,ベーンロータ3及びベーン31、駆動軸4等が収められる。また、図中符号93は、ポンプハウジング1の吐出部と油圧センサ91との油路途中に設けられたオイルフィルタである。図中符号94はオイルパンである。図中符号95はリリーフバルブである。
カムリング2は、ロータ室21を有している(図1参照)。該ロータ室21は、円形状の空隙であり、ベーンロータ3及びベーン31が収納される。カムリング2の外形は略方形状又は長方形状である。カムリング2は、前記ポンプ室11内を直線状に往復移動可能なように配置される。したがって、カムリング2の任意の対向する端辺は、ポンプ室11の対向する両側壁をガイドとして移動するものである。カムリング2のロータ室21内には、前記駆動軸孔が位置し、駆動軸4が配置される。
ベーンロータ3は、複数のベーン溝部3aが形成され、これらベーン溝部3aに、ベーン31が挿入される(図1参照)。ベーンロータ3は、ポンプハウジング1のポンプ室11に対して回転中心位置が不動の状態で組み付けられ、前記駆動軸4に固着されて、エンジンの動力又は車両駆動用のモータにて回転する。ベーンロータ3の回転方向は、該当する図中に弧状線の矢印にて記載されている。
ベーンロータ3の回転にともなってベーン31は、遠心力やガイドリング等にてベーン溝部3aの外部に一部が飛び出し、前記カムリング2のロータ室21の内周壁に当接する。なお、ポンプハウジング1は、ハウジング本体とハウジングカバーとから構成されるが、本発明における説明及び図面では、ハウジングカバーは省略されている。
ポンプハウジング1のポンプ室11内においてカムリング2がポンプ室11の一方側に、位置しているときには、カムリング2とベーンロータ3とベーン31とは、吐出量が最大となる状態である〔図6(A)参照〕。つまり、ベーンロータ3の直径中心とロータ室21の直径中心との距離が最も離れた状態となり、いわゆる偏心量が最大となる。
そして、カムリング2は、ポンプ室11の他方側に移動すると、ロータ室21の直径中心と、ベーンロータ3の直径中心との間隔が小さくなりオイル吐出量が減少する。ロータ室21の直径中心と、ベーンロータ3の直径中心とが一致するとオイルの吐出量は最小となる〔図6(B)参照〕。
ポンプハウジング1には、カムリング2を移動操作するための移動機構が設けられている。該移動機構は、モータ5及びアーム6等にて構成されている(図1,図3参照)。本発明においてモータ5は、カムリング2を移動操作するための駆動源となるものであり、具体的には後述するようにモータ5が使用される。アーム6は、モータ5とカムリング2との間に介在し、アーム6によってモータ5の動力がカムリング2に伝達され、該カムリング2の移動操作が行われ、オイル吐出量の増減調整が行われる。
モータ5は、ポンプハウジング1のポンプ室11に近接する位置に配置される。具体的には、ポンプ室11に近接する位置にモータ装着室が設けられ、該モータ装着室にモータ5が設けられる。モータ5の一部で、特に他の機構に働きかける部位はポンプ室11内に突出するように配置される。
アーム6は、第1アーム部61と、第2アーム部62と、枢支部63とを備えている。そして、枢支部63を中間に位置させて第1アーム部61と第2アーム部62とが連続するように一体的に形成されている。そして、第1アーム部61の長さL1は、第2アーム部62の長さL2よりも長く形成されている。
また、第1アーム部61と第2アーム部62とが相対的に適宜の傾斜角度を有しており、第1アーム部61と第2アーム部62とは枢支部63を折曲点として略折れ線形状をなしている。第1アーム部61と第2アーム部62との折曲箇所における傾斜角度は、第1アーム部61に対して第2アーム部62は、180度未満となる側を内角とし、この内角の角度θは約120度乃至約150度程度である。
換言するならば第1アーム部61の延長線上に対して第2アーム部62は約30度乃至約60度程度となる。好ましくは内角は約135度程度である〔図1(B),図2(A)等参照〕。換言するならば第1アーム部61の延長線上に対して第2アーム部62は約45度程度の角度を有する。
アーム6は、枢支部63がポンプ室11内で且つカムリング2の移動方向端部に近接する位置に配置される。そして、アーム6は、枢支部63を揺動中心として、第1アーム部61及び第2アーム部62が共に揺動自在となるように装着される。具体的には、ポンプ室11内に枢支ピン13が設けられ、該枢支ピン13がアーム6の枢支部63に挿入するようにして、アーム6が枢支ピン13及び枢支部63を揺動中心として揺動自在となる構成としたものである〔図1,図2(A),図3等参照〕。
アーム6の第1アーム部61の自由端61f(枢支部63から離れた側)は、モータ5側に接続され、第2アーム部62の自由端62f(枢支部63から離れた側)はカムリング2に接続される。モータ5のモータ軸51と、第1アーム部61の自由端側との間の接続される構造として第1接続伝達機構7が備わっている。
また、アーム6の第2アーム部62の自由端62f側と、カムリング2との間には第2接続伝達機構8が備わっている。第1接続伝達機構7は、モータ5とアーム6との接続箇所において、モータ5の駆動力をアーム6の第1アーム部61に伝達する機構であり、第2接続伝達機構8は、アーム6の第2アーム部62とカムリング2との接続箇所において、モータ5,第1アーム部61から伝達される駆動力を第2アーム部62を介してカムリング2に伝達する機構である。
第1接続伝達機構7を図1,図2に基づいて説明する。第1接続伝達機構7は、ウォーム・ホィールの構造とした実施形態である。第1接続伝達機構7として、モータ5のモータ軸51にはウォームギア71が装着され、第1アーム部61の自由端61fにはホィールギア72が設けられている(図1,図2参照)。そして、ウォームギア71とホィールギア72を噛合わせることによって、モータ5と第1アーム部61とを駆動力を伝達可能に接続するものである。
ホィールギア72は、第1アーム部61の自由端61f側に設けたもので、ホィールギア72を第1アーム部61の自由端61f側に一体形成したものであり、扇形状としたものである。或いは、第1アーム部61とは別部材とした扇形状のホィールギア72が第1アーム部61の自由端61fに固着するものでも構わない。そして、第2アーム部62は、第1アーム部61に対して内角側がカムリング2に対向するようにポンプ室11に設置される。
カムリング2と、第2アーム部62とを接続する第2接続伝達機構8は、第2アーム部62の自由端62fに連結ピン81が設けられる。また、カムリング2側には前記連結ピン81が挿入且つ摺動可能な長孔82aが形成された連結支持部82が設けられる。該連結支持部82は、2枚の支持板状片82b,82bとからなり、両方に前記長孔82aが形成される。該長孔82aは、カムリング2の移動する方向に対して直交する方向を長手方向とする長孔である〔図2(A),(B),図5等参照〕。
上記の構成にて、モータ5としたモータが駆動して、モータ軸51の回転と共にウォームギア71が回転することにより、ホィールギア72を介して、第1アーム部61及び第2アーム部62が枢支部63を揺動中心として揺動し、カムリング2がポンプ室11内を往復移動することができ、オイル吐出量を増減調整できる。
次に、本発明における第2実施形態を図3,図4に基づいて説明する。この第2実施形態では、モータ5のモータ軸51には、外ネジ部73が設けられている〔図4(A),(C)参照〕。外ネジ部73は、モータ軸51に一体的に形成されたり、或いはモータ軸51とは別部材として該モータ軸51に固着されるものであってもよい。アーム6の第1アーム部61の自由端61fには、案内部74が設けられている〔図4(A),(B)参照〕。該案内部74は、立方体状のブロック状をなし、前記外ネジ部73と螺合する貫通孔とした内ネジ部74aが形成され、その案内部74の外部に連結ピン74bが設けられている。
そして、第1アーム部61の自由端61f側には、連結支持部75が設けられている〔図4(A),(B)参照〕。該連結支持部75は二股状に形成され、具体的には2つの支持片75b,75bが備えられ、両支持片75b,75bには長孔75a,75aが形成されている。前記案内部74の両支持ピン74bが長孔75aに遊挿されたものである〔図4(A),(B)参照〕。
そして、モータ軸51の回転と共に外ネジ部73が回転し、案内部74は内ネジ部74aと、モータ軸51の外ネジ部73との螺合によって、外ネジ部73が回転することで案内部74が軸方向に往復移動する。該案内部74の往復移動によって、両支持ピン74bが長孔75aと共に連結支持部75を作動させ、アーム6を揺動させる。これによって、アーム6の枢支部63を揺動中心として揺動させ、カムリング2を往復移動させることができる。
また、第1アーム部61の自由端61f側には、第2実施形態と略同様の構成とし、二股状の連結支持部75が設けられている。該連結支持部75には、長孔75aが形成され、該長孔75aに支持ピン74bが遊挿されたものである。また、アーム6の第2アーム部62とカムリング2との第2接続伝達機構8の構成は、前述したものと略同様である。
また、第1実施形態及び第2実施形態において、アーム6とモータ5との第1接続伝達機構7及びアーム6とカムリング2との第2接続伝達機構8において、それぞれに長孔75a及び長孔82aを設ける構成としたが、カムリング2の移動距離の範囲が特に小さい場合、前記長孔75a及び前記長孔82aは、単なる円形状の孔でも構わない。このように、第1実施形態及び第2実施形態では、アーム6の第2接続伝達機構8において、第2アーム部62とカムリング2とは、第2アーム部62が単独でカムリング2を往復移動方向に沿って押したり引いたりすることができる連結機構である。
本発明では、カムリング2を移動操作するために、モータ5とアーム6とを備えたものである。そして、アーム6は、枢支部63を揺動中心として揺動されるものである。アーム6の第1アーム部61の長さL1を第2アーム部62の長さL2よりも大きくされている。これによってモータ5から第1アーム部61の自由端61f側にかけられる力は、第2アーム部62の自由端62f側で増幅され、カムリング2を移動操作することができる。
よって、カムリング2をいわゆるモータのみで直接、移動操作する場合に比較して、アーム6をモータ5とカムリング2との間に設けることにより、モータ5は、稼動中のオイルポンプにおいて、比較的小さな力でカムリング2を移動操作することができ、吐出量の変更調整を行うことができる。したがって、駆動源としてのモータ5の駆動力は小さくてもよく、モータ5を小型のものにすることができる。
また、モータ5を小型にできるため、ポンプハウジング1におけるモータ5の設置スペースも小さくし、ポンプハウジング1の小型化も容易にでき、且つ低価格に提供することができる。さらに、吐出ポート11bからのオイルの一部を利用した油圧によるカムリング2を移動操作するタイプのものとは異なり、カムリング2の移動操作の開始がモータ5の始動と同時であり、迅速な吐出量の変更調整ができる。
本発明では、上述したように、可変容量オイルポンプのカムリング2の移動操作をモータ5とアーム6とにより行うものである。そしてモータ5は油圧センサ91により圧力を感知しECU92によって種々の判断がなされ、その判断による命令によってモータ5に信号が発信され、モータ5が作動する(図6,図7参照)。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、前記アーム6の第2アーム部62と、カムリング2とは当接のみの構成とし、前記ポンプ室11には弾性部材64が配置され、前記アーム6の揺動と弾性部材64とによりカムリング2を往復移動可能させるものである(図8参照)。弾性部材64は、具体的には圧縮バネである。
上記第3実施形態では、アーム6の第2アーム部62と、カムリング2との接続は、単に当接又は接触する構成とする。つまり、第2アーム部62はカムリング2を、単独で押すのみで,引きの動作ができるような連結構造ではない。第2アーム部62の自由端62fは、カムリング2を押してポンプ室11内を移動方向に沿って移動させる役目をなすのみである。
そして、モータ5とアーム2とによって押されたカムリング2を元の位置に引き戻すのは弾性部材64によって行われる。該弾性部材64は、前述したように、圧縮バネの使用が好適である。この第3実施形態において、カムリング2が元の位置に戻るときには弾性部材64が元の形状に復元する力によるが、モータ5は、カムリング2を移動させた時とは逆方向に回転させる必要がある。
本発明の第4実施形態では、アーム6の第2アーム部62と、カムリング2とは当接のみの構成とし、ポンプ室11で且つカムリング2の往復移動方向においてアーム2の設置側とは反対側部分においてオイル出入可能とし、アーム2の揺動とオイルの圧力とによりカムリング2が往復移動可能としたものである〔図9(A)参照〕。上記第4実施形態では、第3実施形態と同様に、アーム6の第2アーム部62と、カムリング2との接続は、単に当接又は接触する構成とする。つまり、第2アーム部62の自由端62fは、カムリング2を押して移動させるのみである。
そして、モータ5とアーム2とによって押されたカムリング2を元の位置に引き戻すのはポンプ室11内に流入するオイルによる圧力によって行われる。また、第4実施形態の変形例として、ポンプ室11で且つカムリング2の往復移動方向においてアーム6の設置側とは反対側部分にオイル出入可能なオイル室11cが設けられ、前記カムリング2には前記オイル室11cに挿入するピストン部22が形成されてなることもある〔図9(B)参照〕。
オイル室11cは直方体状空隙部であり、ピストン部22は直方体状に形成されている。また、この第4実施形態では、スプールバルブ96が具備され該スプールバルブ96により、油圧制御が行われる。スプールバルブ96は、ECU92の命令によって動作が制御される。この第4実施形態においても、カムリング2が元の位置に戻るときにはオイルによる圧力によるが、モータ5は、第3実施形態と同様にカムリング2を移動させた時とは逆方向に回転させる必要がある。
1…ポンプハウジング、11…ポンプ室、11c…オイル室、2…カムリング、
21…ロータ室、22…ピストン部、3…ベーンロータ、31…ベーンと、5…モータ、
51…モータ軸、6…アーム、61…第1アーム部、62…第2アーム部、
63…枢支部、64…弾性部材、7…第1接続伝達機構、71…ウォームギア、
72…ホィールギア、73…外ネジ部、74…案内部材、74a…内ネジ部、
74b…連結ピン、75a…長孔、8…第2接続伝達機構、81…連結ピン、
82a…長孔。
21…ロータ室、22…ピストン部、3…ベーンロータ、31…ベーンと、5…モータ、
51…モータ軸、6…アーム、61…第1アーム部、62…第2アーム部、
63…枢支部、64…弾性部材、7…第1接続伝達機構、71…ウォームギア、
72…ホィールギア、73…外ネジ部、74…案内部材、74a…内ネジ部、
74b…連結ピン、75a…長孔、8…第2接続伝達機構、81…連結ピン、
82a…長孔。
Claims (9)
- ベーンロータと複数のベーンと、前記ベーンロータが収められるロータ室を有するカムリングと、該カムリングを移動自在に配置するポンプ室を有するポンプハウジングを有し、前記カムリングの移動動作によりオイルの吐出量を変化させる可変容量オイルポンプにおいて、前記ポンプハウジングはモータと、アームとを備え、該アームは、第1アーム部と第2アーム部と枢支部とを有し、前記第1アーム部と前記第2アーム部とは前記枢支部を中間にして連続形成され、前記第1アーム部は前記第2アーム部よりも長さ寸法が大きくされ、前記枢支部は前記ポンプ室に枢支装着され、前記第1アーム部の自由端側は前記モータに接続され、前記第2アーム部の自由端側は前記カムリングに接続され、前記モータによって前記アームは前記枢支部を中心として揺動されることを特徴とする可変容量オイルポンプ。
- 請求項1に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第1アーム部と前記モータの接続箇所における第1接続伝達機構は、該モータのモータ軸にはウォームギアが設けられ、前記アームの第1アーム部の自由端側には前記ウォームギアと螺合するホィールギアが設けられてなることを特徴とする可変容量オイルポンプ。
- 請求項1に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第1アーム部と前記モータの接続箇所における第1接続伝達機構は、該モータのモータ軸には外ネジ部を設け、前記アームの第1アーム部の自由端側には前記外ネジ部と螺合する内ネジ部が形成された案内部材が設けられてなることを特徴とする可変容量オイルポンプ。
- 請求項3に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第1アーム部と前記モータとの接続箇所における前記第1接続伝達機構は、前記モータと前記第1アーム部の自由端側との何れか一方に連結ピンが設けられ、他方には該連結ピンが摺動可能に挿入すると共に前記カムリングの移動方向と直交する方向を長手方向とする長孔を有する連結支持部が設けられてなることを特徴とする可変容量オイルポンプ。
- 請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第2アーム部と前記カムリングとの接続箇所における第2接続伝達機構は、前記カムリングと前記第2アーム部との何れか一方に連結ピンが設けられ、他方には該連結ピンが摺動可能に挿入すると共に前記カムリングの移動方向と直交する方向を長手方向とする長孔を有する連結支持部が設けられてなることを特徴とする可変容量オイルポンプ。
- 請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第2アーム部と、前記カムリングとは当接するのみの構成とし、前記ポンプ室には弾性部材が配置され、前記アームの揺動と前記弾性部材とにより前記カムリングが往復移動可能としてなることを特徴とする可変容量オイルポンプ。
- 請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第2アーム部と、前記カムリングとは当接するのみの構成とし、前記ポンプ室で且つ前記カムリングの往復移動方向において前記アーム設置側とは反対側部分をオイル出入可能とし、前記アームの揺動とオイルの圧力とにより前記カムリングが往復移動可能としてなることを特徴とする可変容量オイルポンプ。
- 請求項7において、前記ポンプ室で且つ前記カムリングの往復移動方向において前記アーム設置側とは反対側部分にオイル出入可能なオイル室が設けられ、前記カムリングには前記オイル室に挿入するピストン部が形成されてなることを特徴とする可変容量オイルポンプ。
- 請求項1,2,3,4,5,6,7又は8の何れか1項に記載の可変容量オイルポンプにおいて、前記アームの前記第1アーム部と前記第2アーム部は前記枢支部の位置で折れ線状に形成されてなることを特徴とする可変容量オイルポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019144072A JP2021025463A (ja) | 2019-08-05 | 2019-08-05 | 可変容量オイルポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019144072A JP2021025463A (ja) | 2019-08-05 | 2019-08-05 | 可変容量オイルポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021025463A true JP2021025463A (ja) | 2021-02-22 |
Family
ID=74662886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019144072A Pending JP2021025463A (ja) | 2019-08-05 | 2019-08-05 | 可変容量オイルポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021025463A (ja) |
-
2019
- 2019-08-05 JP JP2019144072A patent/JP2021025463A/ja active Pending
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