JP2021025333A - 雨水マス及び雨水配管システム - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、ポリプロピレン製の雨水マス(タメマス)は、製造上の理由により全体形状が大きくなってしまう。このように大型の雨水マスの場合には、狭所地の住宅における施工時に雨水マス自体が大きく取り扱い難いうえ、接続される配管との取り合い等で施工が困難になるという問題があった。
また、ポリ塩化ビニル製の雨水マスでは、横引き管の差込み口(受口)が周方向で決まった位置に設けられている。つまり、現場のスペースや配置に合わせた位置に差込み口が設けられていないので、施工時に雨水マスに対する横引き管の挿入が困難になるおそれがある。
本発明の雨水マスは、地中に埋設され、横引き管が接続される雨水マスであって、前記横引き管が配置される開口が形成されるマス本体部と、前記マス本体部の上部に配置された立上り管受口と、前記マス本体部の下部に配置された泥溜め部と、前記マス本体部、前記立上り管受口、及び前記泥溜め部のいずれかに配置された係止部と、を備え、前記マス本体部の外周面には、前記開口の中心の上下方向の位置を表す位置指標が形成され、前記位置指標の上下方向の中心と前記係止部との上下方向の距離は、前記開口に配置される前記横引き管の半径よりも小さいことを特徴としている。
従来の雨水マスでは、予め定められた周方向の位置に横引き管用の受口が設けられている。本発明の雨水マスでは、従来の雨水マスとは異なり、横引き管用の受口の周方向の位置を調整したり、受口の周方向の位置が間違った雨水マスを搬入してしまう等の不具合がなくなる。従って、横引き管の配管の自由度を高めることができ、施工現場における施工性の向上を図ることができる。
この発明によれば、位置指標の上下方向の中心の位置を中心とし、この位置指標に対応する外径指標が表す横引き管の外径に対応する開口を形成する。位置指標の上下方向の中心と係止部との上下方向の距離は、この位置指標に対応する外径指標が表す横引き管の外径の半分よりも小さいため、例えば外径指標が表す外径を有する横引き管をこの開口と同軸に配置すると、横引き管は係止部に接触する。
従って、マス本体部に複数の位置指標が形成される場合であっても、各位置指標に対応する外径指標が表す外径の横引き管の雨水マスへの挿入長さをそれぞれ適正に規制することができる。
一般的に、複数の横引き管の雨水マスへの挿入長さが互いに等しい場合には、横引き管の外径が大きくなるのに従い、この横引き管が雨水マス内の他の横引き管等に干渉しやすくなる。
この発明によれば、共通の位置指標を中心として開口が形成さるため、例えば開口と同軸に横引き管を配置したときに、横引き管の外径によらず、雨水マス内に配置される横引き管の中心の上下方向の位置は、互いに等しくなる。係止部における径方向外側の表面に雨水マスに接続された横引き管が接触し、この表面は、位置指標から上下方向に離間するに従い径方向外側に向かうように上下方向に対して傾斜している。従って、横引き管の外径が大きくなるのに従い、この表面における径方向外側の位置に横引き管が接触する。このため、横引き管の雨水マスへの挿入長さが短くなり、外径が比較的大きい横引き管が雨水マス内の他の横引き管等に干渉するのを抑制することができる。
この発明によれば、マス本体部の軸線周りのいずれの位置に横引き管を配置した場合でも、横引き管が係止部に接触し、横引き管の雨水マスへの挿入長さを適正に規制することができる。
この発明によれば、複数の係止部のいずれに横引き管が接触した場合でも横引き管の雨水マスへの挿入長さを適正するとともに、複数の係止部の間を通して雨水を流すことができる。
この発明によれば、一の雨水マスの受口を、他の一の雨水マスに接続された横引き管に連結することで、一対の雨水マスを容易に接続することができる。
この発明によれば、雨水マスの外径を350mm以下として小型化した状態で、50mm以上の外径を有するバスケットを、横引き管に干渉することなく上方に引き抜くことができる。
この発明によれば、横引き管の内部空間を横引き管の長手方向に投影した位置に係止部が配置されないため、横引き管内及び雨水マス内の一方から他方に流れる雨水に係止部が支障となるのを抑えることができる。
この発明によれば、マス本体部の下方であって泥溜め部の径方向外側となる位置にスペースが形成される。このため、雨水マスを住宅等に用い、雨水マスが接続される雨水用の排水管と室内から生じる汚水用の排水管とが別系統で地中に配設される場合に、前記スペースに汚水用の排水管を寄せて配置することが可能となる。そのため、雨水用の排水管と汚水用の排水管との距離を近接させることができ、狭所地の住宅において効率よく配管を設置することができる。
この発明によれば、配管の自由度を高めて現場における施工性の向上を図ることができ、横引き管の挿入長さを適正に規制できる雨水マスを用いて雨水配管システムを構成することができる。
以下、本発明に係る雨水マスの第1実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の雨水マス1は、住宅(建築物)100の竪樋101に、曲管部102及び雨水用横引き管(横引き管)103Aを介して接続されている。雨水マス1は、曲管部102及び雨水用横引き管103A等とともに地中Gに埋設されている。雨水マス1は、さらに雨水用横引き管103Bを介して不図示の下水管に接続されている。
以下では、雨水用横引き管103A,103Bを区別しないで言うときには雨水用横引き管103と総称する。後述する開口12A,12B、位置指標14A,14B,14C等についても同様である。
一方で、住宅100の室内に配置されたトイレ等の排水設備106で発生した汚水は、縦管107から排水用横引き管108介して、不図示の合流枡等を経由して下水本管109に排水される。
なお、雨水用横引き管103としては、雨水用横引き管103A,103B以外に、図示はしないが呼び径が100(外径が114mm)である管が用いられる。これら呼び径が50,75,100の雨水用横引き管103は、雨水マス1において使用が予定される管である。
マス本体部10、立上り管受口25、及び係止部40はそれぞれ円筒状に形成され、泥溜め部30及びバスケット45は、それぞれ有底円筒状に形成されている。マス本体部10、立上り管受口25、泥溜め部30、係止部40、及びバスケット45の各軸線は、共通軸である軸線O1上に配置されている。以下では、軸線O1に直交する方向を径方向と言い、軸線O1周りに周回する方向を周方向と言う。径方向はマス本体部10等の径方向である。
雨水マス1は、軸線O1が上下方向に沿って配置されている。
本体外周壁11は、円筒状に形成されている。図3に示すように、開口12A,12Bは、本体外周壁11に軸線O1を挟んで対向するように形成されている。開口12が形成される詳細な位置については後述する。なお、雨水マス1の製造時には、雨水マス1には開口12は形成されておらず、後述するように施工現場において雨水マス1に開口12が形成される。
位置指標14は、開口12A,12Bの中心の上下方向の位置を表す。本実施形態では、位置指標14は周方向に延びる、環状の基準線である。位置指標14は、本体外周壁11の全周にわたって形成されている。例えば、位置指標14は、本体外周壁11の外周面から径方向内側に向かって凹んだ溝として形成されている。
なお、位置指標14の形状は溝状に限定されず、本体外周壁11の外周面から径方向外側に向かって突出した突条等として形成されてもよい。
位置指標14と係止部40との上下方向の距離については、後述する。
なお、外径指標15は、雨水用横引き管103の呼び径に限定されず、雨水用横引き管103の外径等であってもよい。
外径指標15A,15B,15Cは、外径指標15A,15B,15Cに対応した位置指標14A,14B,14Cの脇にそれぞれ配置されている。より詳しくは、外径指標15Aは位置指標14Aのすぐ上方に配置されている。外径指標15B,15Cは、位置指標14B,14Cのすぐ上方にそれぞれ配置されている。
外径指標15Aは、位置指標14Aとの対応関係が分かりやすい位置に配置されていることが好ましい。このため、外径指標15Aを位置指標14Aのすぐ近くに配置したり、位置指標14A上に配置したりすることが好ましい。外径指標15B,15Cについても同様である。
図2及び図4に示すように、本実施形態では、複数の角度指標16Aは、位置指標14A上に形成された窪みである。複数の角度指標16Aは、軸線O1周りに等角度ごとに形成されている。複数の角度指標16Aは、位置指標14A上に形成されている。なお、複数の角度指標16のうちの一部は、開口12を形成する際に、本体外周壁11から取り除かれている。なお、図4中に、取り除かれた角度指標16Aを二点鎖線M1で示している。
この例では製造時において、軸線O1周りに45度ごとに角度指標16Aが形成され、本体外周壁11の外周面に8つの角度指標16Aが形成されている。
複数の角度指標16B,16Cは、複数の角度指標16Aと同様に形成されている。
複数の角度指標16A,16B,16Cは、周方向の位置を揃えて配置されている。すなわち、雨水マス1の平面視において、角度指標16B,16Cの位置は、角度指標16Aの位置に一致している。
開口12Aの円の中心は、位置指標14Aの上下方向の中心に一致している。図4に示すように、この例では、開口12Aの円の中心は、複数の角度指標16Aのうちの1つ(以下、角度指標16A1とも言う)に一致している。前述のように、角度指標16A1は、開口12Aを形成する際に、本体外周壁11から取り除かれている。
開口12Bの円の中心は、位置指標14Bの上下方向の中心に一致している。図4に示すように、この例では、開口12Bの円の中心は、複数の角度指標16Bのうちの1つ(以下、角度指標16B1とも言う)に一致している。雨水マス1の製造時において、角度指標16B1は、複数の角度指標16Bのうち角度指標16A1に対向するように配置されていた指標である。前述のように、角度指標16B1は、開口12Bを形成する際に、本体外周壁11から取り除かれている。
なお、例えば図4に二点鎖線M2で示す位置に雨水用横引き管103Bを配置して、雨水の流れを90度曲げるように雨水用横引き管103A及び雨水用横引き管103Bを雨水マス1により接続してもよい。この雨水用横引き管103B用の開口は、平面視で角度指標16A1と角度指標16B1との周方向の中心に位置する角度指標16Bを中心にして形成されている。
このように角度指標16を用いることで、本体外周壁11の全周を複数に分割する位置を中心とする開口12を、本体外周壁11に容易に形成することができる。
同様に、本体外周壁11における開口12Bの開口周縁部には、円環状の封止部材18Bが取付けられている。このため、開口12Bの半径は、雨水用横引き管103Bの半径よりも封止部材18Bの厚さ程度大きい。封止部材18B内には、雨水用横引き管103Bが配置されている。封止部材18Bにより、雨水用横引き管103Bは開口12Bと同軸に配置されている。
封止部材18は、ゴムやエラストマー等で形成されている。
管本体26は、円筒状に形成され、軸線O1と同軸に配置されている。管本体26の外径は、本体外周壁11の内径よりも小さい。管本体26の外周面における軸線O1の中間部に連設部13の内周縁が接続されている。受け部材27は、円環状に形成されている。受け部材27は、管本体26の下端から径方向内側に向かって延びている。
立上り管受口25の内部空間及びマス本体部10の内部空間は、互いに連通している。
立上り管受口25には、立上り管115が接続されている。立上り管115は上下方向に沿って配置され、立上り管115の下端部が管本体26内に配置されている。立上り管115の下面は受け部材27に接触し、受け部材27により立上り管115の下方から支持されている。
泥溜め部30には、連設部31が固定されている。連設部31は、フランジ部32と、連結片33と、を備えている。
フランジ部32は、円環状に形成されている。フランジ部32は、泥溜め部30の上端から径方向外側に向かって延びている。
連結片33は、円筒状に形成されている。連結片33は、フランジ部32の径方向外側の端から下方に向かって延びている。連結片33は、本体外周壁11の下端部内に配置され、本体外周壁11に接着剤等により固定されている。
平面視で、泥溜め部30はマス本体部10(本体外周壁11)の外縁内に配置されている。
係止部40の外径及び泥溜め部30の外径は、互いに同程度である。係止部40は、受け部材27の内周縁から下方に向かって延びている。係止部40は、受け部材27に、位置指標14よりも上方に位置するように配置されている。係止部40は、マス本体部10内であって、本体外周壁11の径方向内側に配置されている。
係止部40の下端の上下方向の位置は、周方向の位置によらず一定である。
具体的には、位置指標14Aの上下方向の中心と係止部40との上下方向の距離LAは、位置指標14Aに対応する外径指標15Aが表す横引き管103Aの外径(60mm)の半分よりも小さい。すなわち、距離LAは、30mmよりも小さい値、例えば25mmである。距離LAは、開口18aに配置される横引き管103Aの半径よりも小さい。
位置指標14Bの上下方向の中心と係止部40との上下方向の距離LBは、位置指標14Bに対応する外径指標15Bが表す横引き管103Bの外径(89mm)の半分よりも小さい。すなわち、距離LBは、44.5mmよりも小さい値、例えば40mmである。
位置指標14Cに対応する距離LCについても、同様である。
なお、本実施形態では、係止部40は立上り管受口25に配置されているとしたが、図3中に二点鎖線M4で示すように、係止部を連設部31のフランジ部32に配置してもよい。この場合、係止部40は、位置指標14よりも下方に位置するように配置されている。
また、係止部は、マス本体部10及び泥溜め部30のいずれに配置されてもよい。
マス本体部10内に配置される横引き管103の長さは、150mm以下であることが好ましい。すなわち、係止部40の表面40aに横引き管103が接触したときにマス本体部10内に配置される横引き管103の長さは、150mm以下であることが好ましい。
容器本体46は、有底円筒状に形成され、泥溜め部30内に配置されている。
持ち手47は、例えば、軸状部材を上方に向かって凸となるように湾曲させた形状に形成されている。持ち手47における長手方向の各端部は、容器本体46の上端部にそれぞれ接続されている。持ち手47の上端部は、立上り管受口25の受け部材27まで達している。バスケット45の外径は、50mm以上であることが好ましい。
バスケット45の外径は、前記立上り管受口25及び係止部40の内径よりもそれぞれ小さい。バスケット45は、泥溜め部30に対して上方に取外し、マス本体部10及び立上り管受口25内を通して雨水マス1の外部に取出すことができる。
泥溜め部30及びバスケット45は、マス本体部10等と同一の材料で形成することができる。
雨水マス1の外径、すなわちマス本体部10の外径は、350mm以下であることが好ましい。
まず、開孔工程(ステップS1)において、雨水マス1のマス本体部10における周方向の所望の位置に、ホールソー等の開孔手段を用いて開口12を形成する。このとき、雨水マス1に接続する雨水用横引き管103の外径、及び雨水用横引き管103を接続する向きに応じて、開口12の中心となる位置指標14及び角度指標16を決める。
例えば、雨水マス1に呼び径が50の雨水用横引き管103A、及び呼び径が75の雨水用横引き管103Bを、雨水マス1を挟んで直線状に接続する場合には、以下のように開口12A,12Bを形成する。
本体外周壁11に形成する開口12Bの中心として、呼び径75を表す外径指標15Bに対応する位置指標14Bの上下方向の中心を選択する。このとき、複数の角度指標16Bの1つである角度指標16B1の位置を選ぶと、開口12Bが開口12Aに対向するように形成される。
開孔工程S1が終了すると、ステップS2に移行する。
雨水用横引き管103を挿入する前に、開口12A,12Bに封止部材18A,18Bをそれぞれ取付ける。このとき、封止部材18A,18Bの内周面に潤滑材を塗布しておくことが好ましい。そして、封止部材18A内に雨水用横引き管103Aを挿入し、封止部材18B内に雨水用横引き管103Bを挿入する。
配管工程S2が終了すると、雨水マスの施工方法の全工程が終了し、雨水マス1に雨水用横引き管103が接続される。
従来の雨水マスでは、予め定められた周方向の位置に雨水用横引き管用の受口が設けられている。本実施形態の雨水マス1では、従来の雨水マスとは異なり、雨水用横引き管用の受口の周方向の位置を調整したり、受口の周方向の位置が間違った雨水マスを搬入してしまう等の不具合がなくなる。従って、雨水用横引き管103の配管の自由度を高めることができ、施工現場における施工性の向上を図ることができる。
従って、係止部40により雨水マス1への雨水用横引き管103Aの挿入長さを適正に規制することができる。具体的には、雨水マス1に雨水用横引き管103を挿入し過ぎて、バスケット45を取外す際に雨水用横引き管103が干渉して、雨水マス1からバスケット45が取外せなくなるのを防止することができる。
従って、マス本体部10に複数の位置指標14が形成される場合であっても、各位置指標14に対応する外径指標15が表す外径の雨水用横引き管103の雨水マス1への挿入長さをそれぞれ適正に規制することができる。
雨水マス1の外径は350mm以下であり、バスケット45の外径は50mm以上である。そして、マス本体部10内に配置される雨水用横引き管103の長さは、150mm以下である。このため、雨水マス1の外径を350mm以下として小型化した状態で、50mm以上の外径を有するバスケット45を、雨水用横引き管103に干渉することなく上方に引き抜くことができる。
平面視で、泥溜め部30はマス本体部10の外縁よりも内側に配置されているため、マス本体部10の下方であって泥溜め部30の径方向外側となる位置にスペースが形成される。このため、雨水マス1を住宅等に用い、雨水マス1が接続される雨水用の排水管と室内から生じる汚水用の排水管とが別系統で地中に配設される場合に、前記スペースに汚水用の排水管を寄せて配置することが可能となる。そのため、雨水用の排水管と汚水用の排水管との距離を近接させることができ、狭所地の住宅において効率よく配管を設置することができる。
この変形例では、係止部50の軸線O1に直交する断面形状は円形状であり、係止部50は例えば円柱状に形成されている。
このように構成することで、複数の係止部50のいずれに雨水用横引き管103が接触した場合でも雨水用横引き管103の雨水マス1Aへの挿入長さを適正するとともに、複数の係止部50の間を通して雨水を流すことができる。
なお、係止部の軸線O1に直交する断面形状は円形状に限定されず、だ円形状や、四角形状等の多角形状等でもよい。
次に、本発明の第2実施形態について図6から図8を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図6及び図7に示すように、本実施形態の雨水マス3は、第1実施形態の雨水マス1の位置指標14、外径指標15、係止部40に代えて、位置指標55、係止部56を備えている。なお、図6は図7における切断線A2−A2の断面図である。図7中に係止部56を二点鎖線で示している。
本体外周壁11の外周面には、1つの位置指標55が形成されている。本体外周壁11の外周面には、外径指標15は形成されていない。本体外周壁11の外周面には、角度指標16が形成されていることが好ましい。
位置指標55の上下方向の中心と係止部56との上下方向の距離L4は、開口12に配置される雨水用横引き管103の半径よりも小さい。より詳しくは、距離L4は、雨水用横引き管103のうちの外径が最小の雨水用横引き管103Aの半径よりも小さい。位置指標55の上下方向の中心と係止部56の上端との上下方向の距離L5は、雨水用横引き管103のうちの外径が最大の管(呼び径が100の雨水用横引き管103)の半径以上である。
図8に示す従来の雨水マス6のように、複数の横引き管103の雨水マス6への挿入長さが互いに等しい場合について説明する。この場合には、雨水用横引き管103の外径が大きくなるのに従い、この雨水用横引き管103が雨水マス6内の他の雨水用横引き管103等に干渉しやすくなる。
これに対して、本実施形態の雨水マス3では、雨水用横引き管103の外径が大きくなるのに従い雨水用横引き管103の雨水マス3への挿入長さが短くなるため、外径が比較的大きい雨水用横引き管103Bが雨水マス3内の他の雨水用横引き管103Aに干渉するのを抑制することができる。
また、図6において二点鎖線M5で示す係止部のように、係止部の表面は、位置指標55から上下方向に離間するに従い、断続的に径方向外側に向かっていてもよい。すなわち、この表面は階段状に形成されている。このように構成しても、本実施形態の雨水マス3の係止部56と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図9及び図10を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図9に示す雨水マス4には、マス本体部10に固定され、雨水用横引き管103が接続される受口60を備えている。
例えば、受口60は雨水用横引き管103A用である。すなわち、受口60の端部の内径、及び雨水用横引き管103Aの外径は、互いに同等である。
この例では、マス本体部10の本体外周壁11の周方向の一部に平坦外壁65が形成されている。受口60は、平坦外壁65に固定されている。受口60は、平坦外壁65から径方向外側に向かって延びている。
受口60の径方向外側の端は、マス本体部10の外周面を通る基準円C上に配置されているか、又は基準円Cよりも径方向内側に配置されている。このように構成することによって、マス本体部10に受口60を固定する場合であっても、雨水マス4の外径が大きくなるのを抑制することができる。
受口60は、平坦外壁65と一体に形成されてもよいし、平坦外壁65と別体に形成された後で平坦外壁65に固定されてもよい。
この場合、各雨水マス4には、少なくとも1本の雨水用横引き管103Aが接続されるため、一の雨水マス4の受口60を、他の一の雨水マス4に接続された雨水用横引き管103Aに連結することで、一対の雨水マス4を容易に接続することができる。そして、雨水マス4の施工を容易に行うことができる。
例えば、前記第1実施形態から第3実施形態では、角度指標16は形成されなくてもよい。雨水マスは、封止部材18及びバスケット45を備えなくてもよい。雨水マスが封止部材18を備えない場合には、雨水用横引き管103A用の開口12Aの内径、及び雨水用横引き管103Aの外径は、互いに同等であってもよい。このとき、雨水用横引き管103Aは開口12Aと同軸に配置される。開口12Bについても同様である。
係止部40の上下方向の長さL1は、開口12Aに配置される横引き管103Aの管壁の厚さL2より長くてもよい。平面視で、泥溜め部30の少なくとも一部は、マス本体部10の外縁よりも外側に配置されていてもよい。
2 雨水配管システム
10 マス本体部
12A,12B 開口
14A,14B,14C 位置指標
15A,15B,15C 外径指標
25 立上り管受口
30 泥溜め部
40,50,56 係止部
45 バスケット
56a 表面
60 受口
103A,103B 雨水用横引き管(横引き管)
G 地中
Claims (10)
- 地中に埋設され、横引き管が接続される雨水マスであって、
前記横引き管が配置される開口が形成されるマス本体部と、
前記マス本体部の上部に配置された立上り管受口と、
前記マス本体部の下部に配置された泥溜め部と、
前記マス本体部、前記立上り管受口、及び前記泥溜め部のいずれかに配置された係止部と、を備え、
前記マス本体部の外周面には、前記開口の中心の上下方向の位置を表す位置指標が形成され、
前記位置指標の上下方向の中心と前記係止部との上下方向の距離は、前記開口に配置される前記横引き管の半径よりも小さい雨水マス。 - 前記マス本体部の外周面には、
前記横引き管の外径を表す複数の外径指標と、
前記複数の外径指標のそれぞれに対応した複数の前記位置指標と、が形成され、
前記複数の位置指標それぞれについて、前記位置指標の上下方向の中心と前記係止部との上下方向の距離は、前記位置指標に対応する前記外径指標が表す前記横引き管の外径の半分よりも小さい請求項1に記載の雨水マス。 - 前記係止部における、前記マス本体部の径方向外側の表面は、前記位置指標から上下方向に離間するに従い、前記径方向外側に向かうように上下方向に対して傾斜している請求項1に記載の雨水マス。
- 前記係止部は、前記マス本体部の軸線周りに全周にわたって配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の雨水マス。
- 前記係止部を複数備え、
前記複数の係止部は、前記マス本体部の軸線周りに互いに間隔を空けて配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の雨水マス。 - 前記マス本体部に固定され、前記横引き管が接続される受口を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の雨水マス。
- 前記泥溜め部内に配置され、前記泥溜め部に対して上方に取外すことができるバスケットを備え、
前記雨水マスの外径は350mm以下であり、
前記バスケットの外径は50mm以上であり、
前記マス本体部内に配置される前記横引き管の長さは、150mm以下である請求項1から6のいずれか一項に記載の雨水マス。 - 前記係止部の上下方向の長さは、前記開口に配置される前記横引き管の管壁の厚さ以下である請求項1から7のいずれか一項に記載の雨水マス。
- 平面視で、前記泥溜め部は前記マス本体部の外縁よりも内側に配置されている請求項1から8のいずれか一項に記載の雨水マス。
- 請求項1から9のいずれか一項に記載の雨水マスと、
前記横引き管と、
を備える雨水配管システム。
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