JP2021024822A - 安定化されたトリメブチンマレイン酸塩含有固形製剤 - Google Patents

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博義 小山
高橋 健司
Kenji Takahashi
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Toshiyuki Yabuta
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Abstract

【課題】本発明の目的は、トリメブチンマレイン酸塩の安定化方法を提供すること及び安定化されたトリメブチンマレイン酸塩含有固形製剤を提供することである。【解決手段】トリメブチンマレイン酸塩及びオリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)を含有する固形製剤。トリメブチンマレイン酸塩にオリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)を配合することを特徴とする、トリメブチンマレイン酸塩の安定化方法。【選択図】なし

Description

本発明は、安定化されたトリメブチンマレイン酸塩含有固形製剤(医薬固形製剤)、及びトリメブチンマレイン酸塩の安定化方法に関する。
トリメブチンマレイン酸塩は、中枢を介さず消化管平滑筋に直接作用して、食道から大腸までの消化管運動異常を改善し、慢性胃炎における消化器症状(腹部疼痛、悪心、腹部膨満感)や過敏性腸症候群等の治療薬として優れた医薬品であり、固形製剤として製品化されている。
トリメブチンマレイン酸塩は不安定であり、且つ圧着性が極めて強いため、固形製剤での安定化のために有機酸を配合し、圧着性を改善するためにステアリン酸金属塩を配合することが知られている(特許文献1)。
また、トリメブチンマレイン酸塩の加水分解は数ある副生成物の中で、3,4,5−トリメトキシ安息香酸の生成をもたらし、その定量により数々の保存条件下でその化学的安定性を評価できることも知られている(特許文献2)。
製剤用添加剤として用いられるフラクトオリゴ糖は、シュクロースに近い甘味がある上、低カロリーであること、難う蝕性であること、整腸作用のある乳酸菌やビフィズス菌の選択的増殖に有効であること等の特性を有するため、最近では各種の食品や飲料の調味料として使用されている(特許文献3)が、粉末状や顆粒状等で市販されているフラクトオリゴ糖は、吸湿による固結及び潮解性が著しく、固形食品等への応用も難しいことが知られている(特許文献4)。
さらにフラクトオリゴ糖が魚肉又は畜肉と混合することにより冷凍変性等を緩和することは知られていたが(特許文献5)、薬物を安定化することは知られていない。
特開平3−275622号公報 特表2000−515535号公報 特開昭63−309162号公報 特開平4−311371号公報 特開平4−166034号公報
本発明者らは、トリメブチンマレイン酸塩を含有する固形製剤を製造するに際し、安定化剤として知られている有機酸を配合する従来技術だけではトリメブチンマレイン酸塩に由来する分解物(以下、トリメブチンマレイン酸塩分解物ともいう。)の生成が十分に抑制できない問題があることを見出した。また、トリメブチンマレイン酸塩の安定化のために有機酸の含有量を多くすると打錠時に有機酸が杵に付着し錠剤化が困難となる問題もある。
本発明の目的は、トリメブチンマレイン酸塩の新規安定化方法を提供すること、及びトリメブチンマレイン酸塩分解物の生成がより抑制された、安定化されたトリメブチンマレイン酸塩含有固形製剤を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討したところ、驚くべきことにオリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)を配合することによりトリメブチンマレイン酸塩分解物の生成を抑制できることを見出した。さらに、本発明者らは、オリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)と有機酸とを組み合わせて配合することによりトリメブチンマレイン酸塩分解物の生成をより抑制できることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに検討して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]トリメブチンマレイン酸塩及びオリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)を含有する固形製剤。
[2]さらに有機酸を含有する、上記[1]記載の固形製剤。
[3]さらに整腸作用のある腸内有用菌を含有する、上記[1]又は[2]記載の固形製剤。
[4]トリメブチンマレイン酸塩にオリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)を配合することを特徴とする、トリメブチンマレイン酸塩の安定化方法。
[5]さらに有機酸を配合する、上記[4]記載の方法。
本発明によれば、トリメブチンマレイン酸塩にオリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)を配合するという簡便な方法で、トリメブチンマレイン酸塩分解物の生成を抑制(すなわち、トリメブチンマレイン酸塩を安定化)することができる。本発明によれば、オリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)を配合することにより、安定化されたトリメブチンマレイン酸塩含有固形製剤を提供することができる。
また、本発明によれば、オリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)と有機酸とを組み合わせて配合することにより、より安定化されたトリメブチンマレイン酸塩含有固形製剤を提供することができる。
本発明の固形製剤は、トリメブチンマレイン酸塩及びオリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)を含有する。
本発明の固形製剤において、トリメブチンマレイン酸塩の含有量は、例えば2〜90質量%、好ましくは3〜85質量%、さらに好ましくは4〜80質量%である。
本発明において、オリゴ糖としては、例えば、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳糖果糖オリゴ糖、ラフィノースが挙げられ、なかでもフラクトオリゴ糖が好ましい。
本発明において、フラクトオリゴ糖としては、例えば、スクロースのフルクトース残基に1〜3個のフルクトースが結合した、重合度が3〜5のフラクトオリゴ糖が挙げられる。
本発明の固形製剤において、オリゴ糖(例えば、フラクトオリゴ糖)の含有量は、例えば0.3〜85質量%、好ましくは0.5〜80質量%である。
本発明の固形製剤において、トリメブチンマレイン酸塩とオリゴ糖(例えば、フラクトオリゴ糖)との質量比(トリメブチンマレイン酸塩:オリゴ糖(例えば、フラクトオリゴ糖))は、例えば1:0.003〜43、好ましくは1:0.006〜16、さらに好ましくは1:0.01〜10である。
本発明の固形製剤は、さらに有機酸を含有することが好ましい。
本発明において、有機酸は、例えば、コハク酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、リンゴ酸、フマル酸、L−アスパラギン酸が挙げられ、コハク酸、クエン酸、酒石酸が好ましい。
本発明の固形製剤において、有機酸の含有量は、例えば0.2〜25質量%、好ましくは0.2〜20質量%、さらに好ましくは0.2〜15質量%である。
本発明の固形製剤において、オリゴ糖(例えば、フラクトオリゴ糖)と有機酸との質量比(オリゴ糖(例えば、フラクトオリゴ糖):有機酸)は、例えば1:0.002〜83、好ましくは1:0.006〜30、さらに好ましくは1:0.01〜15である。
本発明の固形製剤において、トリメブチンマレイン酸塩とオリゴ糖(例えば、フラクトオリゴ糖)と有機酸との質量比(トリメブチンマレイン酸塩:オリゴ糖(例えば、フラクトオリゴ糖):有機酸)は、例えば1:0.003〜43:0.002〜13、好ましくは1:0.006〜16:0.006〜3、さらに好ましくは1:0.01〜10:0.01〜2である。
本発明の固形製剤は、整腸作用のある腸内有用菌(例えば、乳酸菌、ビフィズス菌、糖化菌、酪酸菌等)をさらに含有することができる。
乳酸菌やビフィズス菌をさらに含有する本発明の固形製剤は、固形製剤中のオリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)が、トリメブチンマレイン酸塩を安定化させる効果に加えて、投与後に乳酸菌やビフィズス菌の栄養となる効果も有し、トリメブチンマレイン酸塩の優れた薬効に加え、高い整腸効果が期待される。
乳酸菌としては、例えば、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus delbrueckii subsp bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii lactis、Lactobacillus fermentum、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus paracasei subsp. paracasei、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus brevis等の乳酸桿菌;Leuconostoc mesenteroides、Streptococcus(Enterococcus) faecalis、Streptococcus(Enterococcus) faecium、Streptococcus(Enterococcus) hirae、Streptococcus thermophilus、Lactoococcus lactis、Lactoococcus cremoris、Tetragenococcus halophilus、Pediococcus acidilactici、Pediococcus pentosaceus、Oenococcus oeni等の乳酸球菌;Bacillus coagulans等の有胞子性乳酸菌を挙げることができる。
ビフィズス菌としては、例えば、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium Breve、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium pseudolongum、Bifidobacterium thermophilumを挙げることができる。
糖化菌としては、例えば、Bacillus subtilis、Bacillus mesentericus、Bacillus polyfermenticusを挙げることができる。
酪酸菌としては、例えば、Bacillus toyoi、Bacillus licheniformis、Clostridium butyricumを挙げることができる。
本発明において、「安定化」とは、固形製剤に含まれるトリメブチンマレイン酸塩の分解物である類縁物質の生成又は増加が抑制されることを意味する。
具体的な評価方法としては、トリメブチンマレイン酸塩含有固形製剤を保存(例えば、60℃で3日保存、60℃で1週間保存、60℃で2週間保存、又は50℃で2週間保存)した後、トリメブチンマレイン酸塩分解物である3,4,5−トリメトキシ安息香酸を測定し、オリゴ糖(例えば、フラクトオリゴ糖)を含有しない場合と比較して、分解物の生成が抑制されていれば安定化されたと評価する。
本発明の固形製剤は、医薬上許容される添加剤を配合して、ヒト及びその他の哺乳動物(例えば、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ)に投与することができる。
本発明の固形製剤において、添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、矯味剤、流動化剤、安定化剤、緩衝剤、可溶化剤、結合剤、コーティング剤、着色剤、香料等が挙げられる。賦形剤では、例えば、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等の無機物、乳糖、白糖、果糖、ブドウ糖、アメ粉、還元麦芽糖、粉糖、粉末飴、還元乳糖等の糖類、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコール類、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、部分アルファ化デンプン等のデンプン類、結晶セルロース、粉末セルロース等のセルロース類等が挙げられる。崩壊剤では、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、部分アルファ化デンプン等のデンプン類、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。滑沢剤では、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、マクロゴール、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。甘味剤では、例えば、アスパルテーム、スクラロース、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、ステビア、アセスルファムカリウム、アドバンテーム等が挙げられる。矯味剤では、例えばメントール等が挙げられる。流動化剤では、例えば軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等が挙げられる。安定化剤では例えばシクロデキストリン類、デキストリン等が挙げられる。緩衝剤では例えばクエン酸二ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。可溶化剤では、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール等が挙げられる。結合剤では、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、プルラン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。コーティング剤では、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、マクロゴール、クエン酸トリエチル、プロピレングリコール等が挙げられる。
また、腸内有用菌の胃内での安定化のために胃酸を中和する目的で制酸剤を添加してもよい。
上記諸成分を混合した後、混合物を自体公知の手段に従い、例えば、錠剤、細粒剤、顆粒剤、散剤、ドライシロップ、カプセル剤等の経口投与用、又は粉末充填や凍結乾燥の注射剤の製剤とすることができる。
本発明の固形製剤の形態は特に限定されないが、特に錠剤、細粒剤、顆粒剤、散剤、ドライシロップ、カプセル剤等の経口投与用固形製剤とすることが好ましい。
本発明の固形製剤の投与量は、主成分であるトリメブチンマレイン酸塩の公知の投与量に準じて決定することができる。
本発明の固形製剤は、慢性胃炎における消化器症状(腹部疼痛、悪心、腹部膨満感)や過敏性腸症候群等の治療薬及び整腸薬として用いることができる。
本発明はまた、トリメブチンマレイン酸塩にオリゴ糖(好ましくは、フラクトオリゴ糖)を配合することを特徴とする、トリメブチンマレイン酸塩の安定化方法に関する。「安定化」の定義、評価方法は上述した通りである。
本発明の安定化方法においては、さらに有機酸を配合することが好ましい。
本発明の安定化方法において、オリゴ糖(例えば、フラクトオリゴ糖)、有機酸の配合量、比率は、本発明の固形製剤の含有量、比率と同様である。
以下に、実施例、比較例及び試験例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例、比較例及び試験例によって限定されるものではない。
実施例、比較例において、フラクトオリゴ糖はメイオリゴ(登録商標)P((株)明治フードマテリア)を使用した。
[実施例1〜6]
表1に示す質量割合でトリメブチンマレイン酸塩、結晶セルロース及びフラクトオリゴ糖を均一に混合し、実施例1〜6の混合末を得た。
[比較例1]
表1に示す質量割合でトリメブチンマレイン酸塩及び結晶セルロースを均一に混合し、比較例1の混合末を得た。
[試験例1]
実施例1〜6及び比較例1で得られた各混合末を褐色のガラス瓶(密栓)に入れ60℃に保存した。1及び2週間後に取り出し、液体クロマトグラフ法によりトリメブチンマレイン酸塩及びその分解物のピーク面積を測定し、下記[類縁物質Aの生成率計算式]によりトリメブチンマレイン酸塩に由来する分解物3,4,5−トリメトキシ安息香酸(以下類縁物質Aと称する)の生成率を求めた。結果を表2に示す。
[類縁物質Aの生成率計算式]
類縁物質Aの生成率(%)=
[類縁物質Aのピーク面積]/[(トリメブチンマレイン酸塩のピーク面積)+(各分解物のピーク総面積)]×100
フラクトオリゴ糖を含まない比較例1の類縁物質Aの生成量に対し、フラクトオリゴ糖を加えた実施例1〜6の類縁物質Aの生成量は抑制され、その抑制の度合いはフラクトオリゴ糖の添加量とともに大きくなった。
なお、本検討に用いたトリメブチンマレイン酸塩原薬の類縁物質Aの含有率は0.06%であった。
[実施例7〜10]
表3に示す質量割合でトリメブチンマレイン酸塩、結晶セルロース、コハク酸及びフラクトオリゴ糖を均一に混合し、実施例7〜10の混合末を得た。
[比較例2〜5]
表3に示す質量割合でトリメブチンマレイン酸塩、結晶セルロース及びコハク酸を混合し、比較例2〜5の混合末を得た。
[試験例2]
実施例7〜10及び比較例2〜5で得られた各混合末を褐色のガラス瓶(密栓)に入れ60℃に保存した。1及び2週間後に取り出し、液体クロマトグラフ法によりトリメブチンマレイン酸塩及びその分解物のピーク面積を測定し、前記[類縁物質Aの生成率計算式]により分解物である類縁物質Aの生成率を求めた。結果を表4に示す。
コハク酸の配合量をかえて添加した比較例2〜5に対して、フラクトオリゴ糖を添加した実施例7〜10はトリメブチンマレイン酸塩に由来する類縁物質Aの生成をより一層抑制できた。
[実施例11]
トリメブチンマレイン酸塩210g、含水二酸化ケイ素10.5g、コハク酸21g及びフラクトオリゴ糖21gを流動層造粒機((株)パウレック、機種:MP−01)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース9.53g、トウモロコシデンプン33.6gを含む結合液224gを用い、流動層造粒を行った。得られた造粒末を整粒後、その整粒末218.3gに有胞子性乳酸菌22.5g、アメ粉341.5g、結晶セルロース180g、トウモロコシデンプン90g、含水二酸化ケイ素22.5g、アスパルテーム18.0g、香料0.9g及びステアリン酸マグネシウム6.3gを加え混合末を調製した。混合末を打錠機((株)菊水製作所、機種:VIRGO)に投入し、9.0mmφの臼・杵により、実施例11の錠剤(1錠あたりの質量300mg)を製した。なお、打錠時に杵付着やキャッピングは生じなかった。
[比較例6]
トリメブチンマレイン酸塩150g及び含水二酸化ケイ素7.5gを流動層造粒機((株)パウレック、機種:MP−01)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース6.8g、トウモロコシデンプン24gを含む結合液160gを用い流動層造粒を行った。得られた造粒末を整粒後、その整粒末75.32gに有胞子性乳酸菌9.0g、アメ粉148.6g、結晶セルロース72g、トウモロコシデンプン36g、含水二酸化ケイ素9.0g、アスパルテーム7.2g、香料0.36g及びステアリン酸マグネシウム2.52gを加えた混合末を調製した。混合末を打錠機((株)菊水製作所、機種:VIRGO)に投入し、9.0mmφの臼・杵により、比較例6の錠剤(1錠あたりの質量300mg)を製した。
[試験例3]
実施例11及び比較例6の錠剤をそれぞれガラス瓶に密栓保存し、60℃及び50℃に保存した。1及び2週間後に取り出し、液体クロマトグラフ法によりトリメブチンマレイン酸塩及びその分解物のピーク面積を測定し、前記[類縁物質Aの生成率計算式]により分解物である類縁物質Aの生成率を求めた。結果を表5に示す。
フラクトオリゴ糖及びコハク酸を含む錠剤(実施例11)は、含まない錠剤(比較例6)に比べ、類縁物質Aの生成を抑制した。
[実施例12〜14]
トリメブチンマレイン酸塩21g、フラクトオリゴ糖2.1g、各種有機酸(コハク酸、クエン酸、酒石酸)1種を2.1g、ヒドロキシプロピルセルロース1.26gを秤量し、ビーカー内で均一に混合末とした。混合末に3.5g(実施例13及び実施例14)又は5.3g(実施例12)の精製水を加えて撹拌造粒した後、造粒末を棚式乾燥機にて60℃で乾燥を行い、乾燥末を得た。乾燥末を22号の篩を用いて整粒し、整粒末とした。整粒末11.34gに結晶セルロース24.23g、含水二酸化ケイ素0.18g、ステアリン酸マグネシウム0.25gと混合させて混合末を調製した。混合末を卓上簡易錠剤成形機(市橋精機(株)、機種:HANDTAB−200)により、8.0mmφの臼・杵を用い、実施例12〜14の錠剤(1錠あたりの質量200mg)を製した。実施例12〜14の錠剤組成を表6に示す。
[実施例15]
トリメブチンマレイン酸塩21g、フラクトオリゴ糖2.1g、ヒドロキシプロピルセルロース1.26gを秤量し、ビーカー内で均一に混合末とした。混合末に3.5gの精製水を加えて撹拌造粒した後、造粒末を棚式乾燥機にて60℃で乾燥を行い、乾燥末を得た。乾燥末を22号の篩を用いて整粒し、整粒末とした。整粒末10.44gに結晶セルロース25.13g、含水二酸化ケイ素0.18g、ステアリン酸マグネシウム0.25gと混合させて混合末を調製した。混合末を卓上簡易錠剤成形機(市橋精機(株)、機種:HANDTAB−200)により、8.0mmφの臼・杵を用い、実施例15の錠剤(1錠あたりの質量200mg)を製した。実施例15の錠剤組成を表6に示す。
[試験例4]
実施例12〜15の錠剤をそれぞれガラス瓶に密栓保存し、60℃で3日、1及び2週間保存した。保存後に取り出した錠剤について、液体クロマトグラフ法によりトリメブチンマレイン酸塩及びその分解物のピーク面積を測定し、前記[類縁物質Aの生成率計算式]により分解物である類縁物質Aの生成率を求めた。結果を表7に示す。
有機酸を配合しない実施例15に対して、有機酸としてコハク酸、クエン酸、酒石酸を添加した実施例12〜14は類縁物質Aの生成を抑制した。
[実施例16]
トリメブチンマレイン酸塩600g、含水二酸化ケイ素30g、コハク酸60g、フラクトオリゴ糖20g、ヒドロキシプロピルセルロース18.2g及び乳糖水和物72gを流動層造粒機((株)パウレック、機種:MP−01)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース16.8g、乳糖水和物48gを含む結合液384gを用い、流動層造粒を行った。
得られた造粒末を整粒末とし、その整粒末56.23gに有胞子性乳酸菌5.85g、炭酸水素ナトリウム19.5g、沈降炭酸カルシウム37.7g、結晶セルロース34.44g、トウモロコシデンプン26g、フラクトオリゴ糖128.7g、含水二酸化ケイ素3.12g、アスパルテーム3.12g、香料0.16g及びステアリン酸マグネシウム1.09gからなる混合末とした。この混合末を卓上簡易錠剤成形機(市橋精機(株)、機種:HANDTAB−200)により、9.0mmφの臼・杵を用い、5kNの圧力で、実施例16の錠剤(1錠あたりの質量270mg)を製した。なお、打錠時に杵付着やキャッピングは生じなかった。得られた錠剤の硬度は77N(n=10)、第17改正日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間は4.7分(n=6)であった。
[実施例17]
トリメブチンマレイン酸塩575g、含水二酸化ケイ素28.75g、コハク酸80.5g、フラクトオリゴ糖19.17g及び乳糖水和物96.79gを流動層造粒機((株)パウレック、機種:MP−01)に投入し、ポリビニルアルコール23g、乳糖水和物28.75gを含む結合液435.08gを用い、流動層造粒を行った。
得られた造粒末を整粒末とし、その整粒末763.06gに有胞子性乳酸菌77.25g、アメ粉548.13g、結晶セルロース412g、トウモロコシデンプン154.5g、含水二酸化ケイ素41.2g、アスパルテーム41.2g、香料2.06g及びステアリン酸マグネシウム20.6gからなる混合末とした。混合末を打錠機((株)菊水製作所、機種:VIRGO)に投入し、8.0mmφの臼・杵により、実施例17の錠剤(1錠あたりの質量200mg)を製した。なお、打錠時に杵付着やキャッピングは生じなかった。得られた錠剤の硬度は85N(n=10)、第17改正日本薬局方崩壊試験法による崩壊時間は10.4分(n=6)であった。
本発明によれば、トリメブチンマレイン酸塩の新規安定化方法を提供することができる。また本発明によれば、トリメブチンマレイン酸塩分解物の生成がより抑制された、安定化されたトリメブチンマレイン酸塩含有固形製剤を提供することができる。

Claims (5)

  1. トリメブチンマレイン酸塩及びフラクトオリゴ糖を含有する固形製剤。
  2. さらに有機酸を含有する、請求項1記載の固形製剤。
  3. さらに整腸作用のある腸内有用菌を含有する、請求項1又は2記載の固形製剤。
  4. トリメブチンマレイン酸塩にフラクトオリゴ糖を配合することを特徴とする、トリメブチンマレイン酸塩の安定化方法。
  5. さらに有機酸を配合する、請求項4記載の方法。
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