以下、図面を参照して、本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
最初に、本実施形態に係るウォーターサーバー100の概略構成について説明する。
ウォーターサーバー100は、図1、図2に示す如く、ウォーターボトル108を所定の場所にセットすることで、ウォーターボトル108から水を供給し原料MAを希釈あるいは抽出(以下、「希釈あるいは抽出」を単に「抽出」とだけ記載する)してコーヒー(嗜好飲料)を生成するコーヒーマシン(嗜好飲料生成機)106を備える。そして、ウォーターサーバー100は、本体部102と、サーバー部104と、を備える。本体部102は、ウォーターボトル108を収納し、ウォーターボトル108の水を圧送する第1ポンプ部112を備える。なお、ウォーターボトル108は、本体部102の下部に設けられた扉102Bを開けて交換可能となっている。サーバー部(操作部とも称する)104は、本体部102上に設けられ、第1ポンプ部112で圧送された水を温水または冷水として吐出させる取水口138(138A、138B)を有する。
なお、コーヒーマシン106は、図1、図2に示す如く、脱着可能に本体部102上に、サーバー部104と並んで配置される。そして、ウォーターボトル108とコーヒーマシン106とが配管などを介して連通されている。さらに、本体部102にコーヒーマシン106への電力供給と取水口138から温水または冷水を吐出可能にするための電力供給とを切り替えるモード切替ボタン136が設けられている。なお、符号102Aは、本体部102の上面であり、そこにサーバー部104とコーヒーマシン106が配置される。そして、サーバー部104とコーヒーマシン106のカップCPを配置させる高さは同一とされ、その高さにおいて、同一平面が形成されている。
以下に、各構成要素について詳細に説明する。
前記本体部102は、図2に示す如く、ボトル支持部110と、UVランプ部111と、第1ポンプ部112と、冷水タンク114と、冷却部116と、第2ポンプ部118と、温水タンク120と、加熱部122と、第3ポンプ部124と、電流感知部126と、電源供給リレイ128と、冷却部リレイ130と、加熱部リレイ132と、本体制御部134と、モード切替ボタン136と、を備える。なお、本体部102において、冷水タンク114と、冷却部116と、温水タンク120と、加熱部122とは、ボトル支持部110で支持されるウォーターボトル108よりも上方に配置されている。また、本体部102は、図示せぬ電源プラグを備え、その電源プラグを通常の交流100Vのコンセントに差し込むことで、電力を供給することができる。
ボトル支持部110は、図2に示す如く、ウォーターボトル108を逆さに支持可能であり、本体部102に設けられたガイドレール(不図示)に沿って、本体部102への出し入れが自在となっている。即ち、図1の扉102Bを開けて、ボトル支持部110を引き出し、ウォーターボトル108をボトル支持部110に配置させる。そして、ボトル支持部110を元の位置に戻し、扉102Bを閉めれば、ウォーターボトル108は本体部102に収納される。ウォーターボトル108は、ボトル支持部110にウォーターボトル108が配置された際に開栓される。すると、ボトル支持部110に繋がれた配管Ch1に水が供給されることとなる。なお、ウォーターボトル108は、透明樹脂製(例えば、ポリカーボネート)であり、7Lあるいは12Lのサイズを備える(他のサイズでもよい)。また、配管Ch1は、樹脂製のチューブとされている(他の配管Ch2〜Ch5も同様)。なお、これに限らず、配管Ch1に金属管を用いてもよい。もちろん、各配管に、金属管をある一部で使用して、残りを樹脂製のチューブを使用してもよい。
UVランプ部111は、図2に示す如く、ボトル支持部110と第1ポンプ部112との間の配管Ch1に設けられている。UVランプ部111は、殺菌力のある紫外線を放射するランプ(LEDでもよい)であり、例えばガラス管に封入されたUVランプの周りに配管Ch1の流路を設けたものである。UVランプ部111は、配管Ch1に水が流れない場合には、間欠的にON/OFFを繰返し(例えば、20秒ON/30秒OFF)、配管Ch1に水が流れる場合には、連続的にONとなる構成とされている。これにより、ウォーターボトル108からの水を効果的に殺菌滅菌し、第1ポンプ部112以降の要素で雑菌の増加を防止することができる。
第1ポンプ部112は、図2に示す如く、配管Ch1を介してウォーターボトル108の水を冷水タンク114に圧送する。なお、第1ポンプ部112は、例えば、本体制御部134からの第1ポンプ部駆動信号Sfに基づき駆動電流を発生させるドライバー部と、駆動電流により回転するモーター部と、モーター部の回転で水を圧送する圧送機構とを備えることができる(いずれも不図示)。なお、このような構成は、第2ポンプ部118、第3ポンプ部124、第4ポンプ部142でも同様に採用することができる。
冷水タンク114は、図2に示す如く、第1ポンプ部112により圧送された水を冷却部116で冷却し冷水とする。冷水タンク114には例えば2Lの水が貯蔵される(冷水タンク114の容量は300ml以上であればよい)。冷却部116は、冷水タンク114に装着され、例えば冷媒を用いるコンプレッサーを備える(ペルチェ素子などでもよい)。冷却部116の動作は、図示せぬサーミスタにより、冷水タンク114の温度を感知し、例えば冷水が5℃から11℃になるように、冷却部リレイ130を介して本体制御部134に制御される。具体的には、冷水タンク114内の水が11℃以上となると、冷却部116が稼働し冷水タンク114が冷却される。逆に、冷水タンク114内の水が5℃以下となると、冷却部116が停止する。これを繰り返すことで、水の温度を5℃から11℃の範囲で制御し、冷水を生成している(なお、冷水の温度範囲はこれに限定されない)。なお、水の比熱は、金属などに比べて10倍大きく、しかも冷水タンク114内の水は約2Lある。このため、冷却部116が停止し冷水タンク114内の水が数分レベルで温度制御がなさなくても、急激に冷水が温度上昇してしまうことが防止されている。第2ポンプ部118は、冷水タンク114と取水口138Bとの間に配置されている。そして、第2ポンプ部118は、冷水タンク114の下面に接続された配管Ch3を介して冷水タンク114の冷水を取水口138Bに圧送する。このため、第2ポンプ部118は冷水を効果的に圧送することができる。
温水タンク120は、図2に示す如く、第3ポンプ部124に接続された配管Ch2を介して冷水タンク114に連通している。そして、温水タンク120は冷水タンク114の下にあるので、温水タンク120で使用した水量は必ず冷水タンク114から供給される構造となっている。つまり、温水タンク120は、冷水タンク114から供給される水を加熱部122で加熱し温水とする。温水タンク120には約1.6Lの水が貯蔵される(温水タンク120の容量は300ml以上であればよい)。加熱部122は、温水タンク120に装着され、例えばシースヒーターを備える(ペルチェ素子などでもよい)。加熱部122の動作は、図示せぬサーミスタにより、温水タンク120の温度を感知し、通常は温水が例えば85℃から92℃になるように、加熱部リレイ132を介して本体制御部134に制御される。具体的には、温水タンク120内の水が92℃以上となると、加熱部122が停止する。逆に、温水タンク120内の水が85℃以下となると、加熱部122が稼働し温水タンク120が加熱される。これを繰り返すことで、水の温度を85℃から92℃の範囲で制御し、温水を生成している。なお、ECO運転をする際には水の温度を70℃から75℃の範囲で制御し、急速加熱運転(HOTBOOSTER)をする際には95℃で制御する(なお、温水の温度範囲はこれに限定されない)。ECO運転やHOTBOOSTER運転は、後述する操作パネル140に設けられたボタン(図示せず)をON状態とすることで実現することができる。なお、上述したように、水の比熱は、金属などに比べて10倍大きく、しかも温水タンク120内の水は約1.6Lある。このため、加熱部122が停止し温水タンク120内の水が数分レベルで温度制御がなさなくても、急激に温水が温度低下してしまうことが防止されている。第3ポンプ部124は、冷水タンク114と温水タンク120との間に配置されている。そして、第3ポンプ部124は、冷水タンク114からの水を温水タンク120の下面から圧送する。つまり、第3ポンプ部124は、温水タンク120の上面に設けられた配管Ch4を介して温水タンク120の温水を取水口138Aに圧送する。このため、温水タンク120は常に満水の状態であり、温水を必ず供給することが可能となっている。そして、第3ポンプ部124は、(温水を通すことがないので)温度による劣化の影響を少なくでき、温水を効果的に圧送することができる。
電流感知部126は、図2に示す如く、本体部102に設けられた交流100VのコンセントCNTに接続され、コンセントCNTを流れる消費電流Icを感知する。そして、電流感知部126は、消費電流Icと閾値電流(所定の電流)Ithを比較し、比較結果である感知信号SaをHレベルかLレベルかで本体制御部134に出力する(例えば、消費電流Ic<閾値電流Ithのときに、感知信号SaをLレベル、それ以外は感知信号SaをHレベルとする)。
電源供給リレイ128は、図2に示す如く、コンセントCNTに接続され、コンセントCNTに接続されたコーヒーマシン106に交流100Vで電力供給可能にする。電源供給リレイ128は、本体制御部134に接続され、本体制御部134からの電源供給駆動信号SpによってON/OFF制御される。例えば、電源供給リレイ128は、Hレベルの電源供給駆動信号SpによりコンセントCNTに交流100Vの電源電圧を供給し、Lレベルの電源供給駆動信号SpによりコンセントCNTへの電源電圧を遮断する。
冷却部リレイ130は、図2に示す如く、冷却部116に接続され、冷却部116を駆動する。冷却部リレイ130は、本体制御部134に接続され、本体制御部134からの冷却部駆動信号ScによりON/OFF制御される。例えば、冷却部リレイ130は、Hレベルの冷却部駆動信号Scにより冷却部116を駆動し、Lレベルの冷却部駆動信号Scにより冷却部116を停止させる。なお、冷水タンク114を冷却するためには、例えば105Wが電力消費される(消費電力はこれに限らない)。
加熱部リレイ132は、図2に示す如く、加熱部122に接続され、加熱部122を駆動する。加熱部リレイ132は、本体制御部134に接続され、本体制御部134からの加熱部駆動信号ShによりON/OFF制御される。例えば、加熱部リレイ132は、Hレベルの加熱部駆動信号Shにより加熱部122を駆動し、Lレベルの加熱部駆動信号Shにより加熱部122を停止させる。なお、温水タンク120を加熱するためには、例えば465Wが電力消費される(消費電力はこれに限らない)。
本体制御部134は、図2に示す如く、第1ポンプ部112から第3ポンプ部124に接続され、これらの動作を制御している。本体制御部134としては、例えばMCU(MIcro Controller Unit)を使用することができる。具体的には、第1ポンプ部112は、冷水タンク114に取り付けられたセンサ(不図示)の出力に基づいて、冷水タンク114に存在する水量を一定にするように、本体制御部134からの第1ポンプ部駆動信号Sfにより制御される(例えば、第1ポンプ部駆動信号SfがHレベルのときに第1ポンプ部112を駆動し、第1ポンプ部駆動信号SfがLレベルのときに第1ポンプ部112を停止させることができる)。第2ポンプ部118(第3ポンプ部124)は、操作パネル140からの選択信号Slに基づく本体制御部134からの第2ポンプ部駆動信号Ss(第3ポンプ部駆動信号St)により制御される(例えば、第2ポンプ部駆動信号Ss(第3ポンプ部駆動信号St)がHレベルのときに第2ポンプ部118(第3ポンプ部124)を駆動し、第2ポンプ部駆動信号Ss(第3ポンプ部駆動信号St)がLレベルのときに第2ポンプ部118(第3ポンプ部124)を停止させることができる)。
また、本体制御部134は、図2に示す如く、電流感知部126と、電源供給リレイ128と、冷却部リレイ130と、加熱部リレイ132とに接続されている。さらに、本体制御部134は、内部にタイマーTを有している。本体制御部134による電源供給リレイ128、冷却部リレイ130および加熱部リレイ132の制御の詳細は、後述するウォーターサーバー100の消費電力制御の手順で説明する。
モード切替ボタン136は、図1、図2に示す如く、ウォーターサーバー100の正面に向かってコーヒーマシン106の左側であって、本体部102の上面102Aに設けられている。モード切替ボタン136は、コーヒーマシン106への電力供給を行う際のコーヒーモードCmと、取水口138から温水または冷水を吐出可能にするための電力供給を行う際の一般モードGmとを切り替える。例えば、モード切替ボタン136がON状態では、コーヒーモードCmとなり、Hレベルのモード切替信号Smを本体制御部134に出力する。また、モード切替ボタン136がOFF状態では、一般モードGmとなり、Lレベルのモード切替信号Smを本体制御部134に出力する。
前記サーバー部104は、図2に示す如く、操作パネル140と取水口138(138A、138B)とを備える。操作パネル140は、温水ボタン140Aと、冷水ボタン140Bと、取水ボタン140Cとを備える。操作パネル140は、サーバー部104の正面の上部に設けられており、選択したボタンは点灯する構成となっている。温水ボタン140Aと、冷水ボタン140Bとはそれぞれ、温水を選ぶのか、冷水を選ぶのかを決めるボタンである。取水ボタン140Cは、選んだ方の水が入っているタンクに接続されているポンプ部を駆動させるボタンである。操作パネル140から出力される選択信号Slは、本体制御部134に入力することとなる。例えば、選択信号Slは、温水ボタン140AからのH/Lレベルの信号、冷水ボタン140BからのH/Lレベルの信号および取水ボタン140CからのH/Lレベルの信号から構成することができる。なお、本体制御部134は、操作パネル140の操作をロックし、操作パネル140からの選択信号Slを受け付けないようにすることもできる。取水口138(138A、138B)は、操作パネル140の下であって、適切なカップCP(破線)の上方に設けられている。取水口138A、138Bはそれぞれ、温水、冷水を取水させるためのものである(取水口は兼用であってもよい)。
前記コーヒーマシン106は、図2に示す如く、第4ポンプ部142と、流路加熱部144と、原料保持部148と、抽出口150と、制御部152と、実行ボタン154と、を備える。すなわち、コーヒーマシン106単体の構成は、従来からあるコーヒーマシンの構成とほぼ同一とされている。なお、コーヒーマシン106は、通常の100Vの電源プラグPPGを備え、動作中には約1460Wが電力消費される(消費電力はこれに限られない)。また、コーヒーマシン106は、図示せぬ電源スイッチを備え、コーヒーマシン106を動作可能とする際には、電源プラグPPGをコンセントCNTに差し込み、さらにこの電源スイッチを入れる必要がある。
第4ポンプ部142は、図2に示す如く、配管Ch5を介して冷水タンク114の水を原料保持部148に保持される原料MAの真上まで圧送する(第4ポンプ部142は、本体部102の水をくみ上げる)。つまり、コーヒーマシン106が冷水タンク114に接続されていることで、ウォーターボトル108とコーヒーマシン106とは連通されている。流路加熱部144は、図2に示す如く、配管Ch5のうち、第4ポンプ部142から原料MAまで続く配管部分Ch51に設けられ、その配管部分Ch51の内部で圧送される水を加熱する。流路加熱部144は例えばシースヒーター(ペルチェ素子でもよい)であり、加熱対象が配管部分Ch51の内部の水であることから、流路加熱部144は、電力が導入されたら瞬間的に配管部分Ch51の内部の水を熱水にすることができる。原料MAは、例えば、コーヒーの濃縮液あるいは、コーヒー豆を引いた粉等とされている。原料保持部148は原料MAを保持し、コーヒーを放出可能とされている。なお、原料保持部148の下端には抽出口150が設けられ、抽出口150から放出されたコーヒーが吐出される。抽出口150は、実行ボタン154の下であって、適切なカップCP(破線)の上方に設けられている。制御部152は、実行ボタン154からの指令により、第4ポンプ部142および流路加熱部144を制御する。実行ボタン154はON状態となることで、コーヒーを抽出口150から吐出するように、制御部152に指令を出すことができる。
次に、ウォーターサーバー100の消費電力制御の手順について、図3〜図5を用いて説明する。つまり、本体制御部134による電源供給リレイ128、冷却部リレイ130および加熱部リレイ132の制御について、詳細に説明する。
まず、ウォーターサーバー100の図示せぬ電源プラグを通常の交流100Vのコンセントに差し込む(図3のステップS2)。
すると、一般モードGmが実行される(図3のステップS4)。
なお、一般モードGmでは、電源供給リレイ128からはコンセントCNTに交流100Vの電力供給を行わずに、冷却部駆動信号Scと加熱部駆動信号Shとが本体制御部134から出力可能となる。即ち、冷却部リレイ130と加熱部リレイ132とが、温水と冷水とがそれぞれ所定の温度範囲に入るように、上述の如く、ON/OFF制御されることとなる(図4のステップS28)。なお、この一般モードGmでは、本体制御部134が電源供給リレイ128にLレベルの電源供給駆動信号Spを出力している状態である。
このまま、モード切替ボタン136がON状態とならなければ(図3のステップS6でNo)、一般モードGmが続くこととなる(図3のステップS4)。
もし、モード切替ボタン136がON状態とされれば(図3のステップS6でYes)、コーヒーモードCmが実行される(図3のステップS8)。ここで、予め、コーヒーマシン106は、本体部102上に配置され、電源プラグPPGがコンセントCNTに挿入され、さらにコーヒーマシン106の電源スイッチはON状態とされている。
なお、コーヒーモードCmでは、本体制御部134が操作パネル140のロックを行う(図5のステップS30)。次に、Lレベルの冷却部駆動信号Scおよび加熱部駆動信号Shが、本体制御部134から出力される。つまり、冷却部リレイ130および加熱部リレイ132がいずれもOFF制御される(図5のステップS32)。そして、本体制御部134は電源供給リレイ128にHレベルの電源供給駆動信号Spを出力してON制御する(図5のステップS34)。つまり、電源供給リレイ128からコンセントCNTに交流100Vの電力供給を行っている状態となる。
コーヒーモードCmが開始されると、電流感知部126は、コーヒーマシン106の消費電流Icの検出を開始する(図3のステップS10)。そして、消費電流Icが閾値電流Ithよりも少なくなければ(図3のステップS12でNo)、電流感知部126はLレベルの感知信号Saを出力する。つまり、図3のステップS8に戻り、コーヒーモードCmが継続される。なお、閾値電流Ithは、コーヒーマシン106の電源スイッチがON状態ではあるものの、動作していない状態(コーヒーを抽出していない状態)の消費電流よりも大きな値であって、かつ動作している状態の最低の消費電流よりも小さい値とされている。
消費電流Icが閾値電流Ithよりも少なければ(図3のステップS12でYes)、電流感知部126はHレベルの感知信号Saを出力する。すると、本体制御部134のタイマーTがカウントTcを開始する(図3のステップS14)。なお、タイマーTがカウントTcを開始した後も、電流感知部126はコーヒーマシン106の消費電流Icの検出を続ける(図3のステップS16)。つまり、消費電流Icが閾値電流Ithよりも少なくないならば(図3のステップS18でNo)、タイマーTのカウントTcはリセットされ、図3のステップS8に戻り、コーヒーモードCmが実行される。消費電流Icが閾値電流Ithよりも少ないのであれば(図3のステップS18でYes)、タイマーTのカウントTcは継続される。
そして、モード切替ボタン136がOFF状態にならなければ(図3のステップS20でNo)、それまでのカウントTcと閾値時間(所定の時間)Tthとを比較する(図3のステップS22)。なお、閾値時間Tthは、複数杯のコーヒーを抽出するのにかかる時間を目安に決めており、本実施形態では例えば3分としている(必ずしも3分でなくてもよい)。
カウントTcが閾値時間Tthに達していなければ(図3のステップS22でNo)、図3のステップS16に戻り、コーヒーマシン106の消費電流Icの検出を継続する。カウントTcが閾値時間Tthと等しくなれば(図3のステップS22でYes)、一般モードGmの実行に戻る(図3のステップS24)。
なお、モード切替ボタン136がOFFされれば(図3のステップS20でYes)、それまでのカウントTcの時間に関わらず、一般モードGmの実行に戻る。
つまり、本実施形態では、本体制御部134は、モード切替ボタン136によりコーヒーマシン106への電力供給の状態とされた場合であっても、コーヒーマシン106での消費電流Icが閾値電流Ithより少なくなった状態の閾値時間Tth(3分)継続した際には、自動的にコーヒーマシン106への電力供給を遮断し、かつ取水口138から温水または冷水を吐出可能にするための電力供給を行うことができる。
このように、本実施形態では、ウォーターボトル108を収納する本体部102上に、コーヒーを生成するコーヒーマシン106が、温水または冷水として吐出させる取水口138を有するサーバー部104と並んで配置される。このため、利用者は、コーヒー、温水、または冷水の提供をほぼ同一の高さで受けることができる。即ち、コーヒーの提供を受けるときと、温水または冷水の提供を受けるときでカップCPの高さはほぼ一定となるので、いずれの飲料の提供を受けるのも容易で使い勝手がよい。しかも、サーバー部104のカップCPを配置する高さは、図1に示す如く、コーヒーマシン106でカップCPを配置する高さと同一で、その高さでサーバー部104からモード切替ボタン136のところまで同一平面となっている。このため、いずれかの飲料の提供を受けてカップCPを移動させる際に、カップCPが底面に引っ掛かりカップCPの中身をこぼしてしまうといったことを防止することができる(なお、これに限らず、カップCPの高さがサーバー部からモード切替ボタンのところまで同一平面でなくてもよく、数cmで段差があってもよい)。
また、本実施形態では、ウォーターボトル108とコーヒーマシン106とが連通されていることから、従来のコーヒーマシンに設けられている水タンクに行っていた水の供給の手間を省くことができる。さらに、本体部102にモード切替ボタン136が設けられている。このため、コーヒーマシン106への電力供給と、取水口138から温水または冷水を吐出可能にするための電力供給とが、同時に行われることを確実に防止することができる。
ここで、本実施形態のウォーターサーバー100では、所定の温度範囲に保った温水および冷水の生成にそれぞれ、465Wおよび105Wを消費する。一方、コーヒーマシン106は動作時に1460Wを消費する。このため、もしモード切替ボタンがない単にコーヒーマシンを合体しただけのウォーターサーバーの場合の消費電力は、最大で2030W(=1460W+465W+105W)を超える可能性が出てくる(温水の生成と冷水の生成とは、独立して制御されて行われるため)。ここで、日本の一般家庭で使用されるコンセントは交流100Vを15Aまで供給可能(1500Wが上限)としている(日本工業規格 JIS C 8303に基づく)。このため、ウォーターサーバーが上記の構成であると、容量の大きな特別な電源コンセントを使用したり、通常のコンセントを2口使用したりすることが必要となる。つまり、上記のような単にコーヒーマシンを合体させただけのウォーターサーバーになってしまうと、設置するのに場所の制限が出たり、大きな設置費用がかかったりしてしまう。
これに対して、本実施形態のウォーターサーバー100では、モード切替ボタン136を備えていることで、コーヒーマシン106による最大1460W、あるいは温水あるいは冷水による最大570Wの消費電力とすることができる。即ち、本実施形態のウォーターサーバー100は、従来から普及している交流100Vのコンセントを1つだけ用意すれば、容易に設置することが可能である。
また、本実施形態では、本体部102は、モード切替ボタン136によりコーヒーマシン106への電力供給の状態(コーヒーモードCm)とされた場合であっても、コーヒーマシン106での消費電流Icが閾値電流Ith以下となった後の閾値時間Tth(3分)後に、コーヒーマシン106への電力を遮断し、かつ取水口138から温水または冷水を吐出可能にするための電力供給を行う本体制御部134を備える。このため、手動でモード切替ボタン136による一般モードGmへの切替を行わなくも、自動的に一般モードGmへの切替を実現でき、ウォーターサーバー100全体に対するコーヒーマシン106による消費電力の増加を低減することができる。同時に、一般的には、コーヒーよりも温水や冷水の提供を受ける利用者のほうが多いと思われる。このため、本実施形態では、一般モードGmをベースにしてコーヒーを飲みたいときだけコーヒーモードCmにするので、利用者にも好適と考えられる。しかも、コーヒーマシン106によるコーヒーの提供が終了しても、閾値時間Tthの間はコーヒーモードCmとなっている。このため、コーヒーの提供を受ける利用者が複数人同時にいた場合に、いちいちコーヒーモードCmが終わってしまうことがないので、利用者に快適な利用環境を提供することができる。
なお、これに限らず、モード切替ボタンのみで、コーヒーモードCmと一般モードGmとが切替可能となっていてもよい。あるいは、コーヒーモードCmと一般モードGmとを閾値時間Tthの間をとらずにすぐに自動的に切替えてもよい。あるいは、一般モードGmとコーヒーモードCmとが逆の関係、すなわちコーヒーモードCmをベースにして温水や冷水を飲みたいときだけ一般モードGmにするようにしてもよい。
また、本実施形態では、本体部102には、冷却部116と、冷水タンク114と、第2ポンプ部118と、加熱部122と、温水タンク120と、第3ポンプ部124と、がウォーターボトル108の上方に備えられている。そして、コーヒーマシン106は、冷水タンク114に接続されている。このため、コーヒーマシン106へ水の供給能力を、直接ウォーターボトル108から水を吸い上げる場合よりも少なくすることができる。また、冷水と温水はそれぞれ冷水タンク114と温水タンク120で生成される。すなわち、冷水タンク114中の冷水および温水タンク120中の温水はそれぞれ、大きな熱容量を有する。このため、コーヒーモードCmになることで一時的に冷却部116と加熱部122が停止しても、冷水および温水が急激に温度変化してしまうことを効果的に防止することができる。なお、これに限らず、本体部には、冷却部と、冷水タンクと、加熱部と、温水タンクと、が備えられ、サーバー部には、第2ポンプ部と、第3ポンプ部と、が備えられていてもよい。あるいは、冷水タンクや温水タンクがなくてもよい。例えば、サーバー部の取水口近傍の配管に冷却部と加熱部を設け、ウォーターボトルから第1ポンプ部で取水口まで水を圧送し、取水口近傍の配管を通る水を冷却または加熱して、冷水あるいは温水を生成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、コーヒーマシン106は、第4ポンプ部142と、原料保持部148と、流路加熱部144とを備える。このため、コーヒーマシン106に水をくみ上げるポンプ機能を外付けする必要がない。また、流路加熱部144は、水タンクなどに貯留された水を加熱するのではなく、配管Ch5を加熱する。このため、コーヒーマシン106をコンパクトにすることができる。同時に、配管Ch5内の水量は少ないので、その水を瞬時に熱水に変えることができる。このため、一般モードGmからコーヒーモードCmに切替後、コーヒーマシン106はコーヒーを直ぐに抽出開始することができる。なお、これに限らず、コーヒーマシンは外部にポンプ機能を備え、ウォーターボトルから直接的にコーヒーマシンに水を供給するようにしてもよい。あるいは、コーヒーマシンは内部に温水タンクを備える構成でもよいし、本体部の温水タンクの温水を利用する構成であってもよい。そもそも、コーヒーマシンではなく、紅茶サーバーや緑茶サーバー等が、嗜好飲料生成機として使用されてもよい。
従って、本実施形態によれば、設置面積を増やすことなく、温水、冷水、またはコーヒーなどの嗜好飲料を提供可能でありながら、消費電力を抑制することが可能である。
本発明について上記実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでもない。