JP2021021935A - ニップ形成部材、加熱装置、定着装置、画像形成装置 - Google Patents

ニップ形成部材、加熱装置、定着装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高熱伝導部材の温度分布をより均一化することを課題とする。【解決手段】基材41と、基材41に対して定着ベルト21の側に設けられ、基材41よりも熱伝導率の高い均熱部材42と、基材41と均熱部材42とを位置固定するための固定部材44とを備え、定着ベルト21にその内側から当接し、当該定着ベルト21を介して加圧ローラ22との間に定着ニップNを形成するニップ形成部材24であって、基材41および固定部材44は締結孔41a、44aを有し、固定部材44、基材41、均熱部材42がこの順で重ねて配置され、固定部材44と均熱部材42とを組み付け、固定部材44の側から固定部材44の締結孔44aと基材41の締結孔41aにネジ43を締結することで、固定部材44を介して基材41と均熱部材42とが位置固定され、基材41の締結孔41aは基材41を均熱部材42側に貫通しない孔部である。【選択図】図6

Description

本発明は、ニップ形成部材、ニップ形成部材を備えた加熱装置、定着装置および画像形成装置に関する。
定着ベルト等のベルト部材を備えた定着装置には、定着ベルトにその内側から当接し、定着ベルトを介して加圧ローラなどの対向回転体との間に定着ニップを形成するための部材であるニップ形成部材が設けられる。
上記のようなニップを形成するための部材(本発明のニップ形成部材)が、複数の部材からなるものが存在する。例えば、板状の基材と、定着ベルト側に、基材よりも熱伝導率の高い高熱伝導部材とを有するものが存在する。このように、複数の部材によってニップを形成するための部材を構成する場合、例えば別体の固定部材を介して基材と高熱伝導部材とを位置固定することで、これらの部材を精度良く位置決めすることができる。
例えば特許文献1(特開2016−200802号公報)の定着装置は、定着ベルトに内接する熱伝導率の高い均熱部材と、均熱部材を挟んで定着ベルトと反対側に設けられたニップ形成部材とを有する。ニップ形成部材の表面には定着ベルトとの摺動抵抗を低減するための摺動シートが巻き付けられる。そして、ニップ形成部材に巻き付けた摺動シートの端部同士の重合部を、ニップ形成部材との間に挟み込むようにして板状部材が設けられる。そして、ネジが板状部材のネジ用穴部と摺動シートのネジ用穴部とに挿通され、ニップ形成部材の雌ネジ部(断面図にも図示しないとされている)に螺合されることで、ニップを形成するためのこれらの部材を一体的に設けることができる。
上記のように均熱部材のような熱伝導率の高い部材を挟んで、ベルト部材の反対側に設ける部材(本発明の基材)に締結部材を締結するための締結孔を設ける構成の場合、締結孔の形状が問題となる。つまり、締結孔を貫通孔とすると、その部分で基材と高熱伝導部材とが非接触になり、高熱伝導部材の温度分布が不均一化してしまうという課題があった。
上記の課題を解決するため、本発明は、回転可能なベルト部材の内側に設けられるニップ形成部材であって、前記ニップ形成部材は、基材と、前記基材に対して前記ベルト部材の側に設けられ、前記基材よりも熱伝導率の高い高熱伝導部材と、前記基材と前記高熱伝導部材とを位置固定するための固定部材とを備え、前記基材および前記固定部材は締結孔を有し、前記基材は、前記固定部材と前記高熱伝導部材との間に配置され、前記固定部材の側から固定部材の締結孔と前記基材の締結孔とに締結部材が締結されており、前記基材の締結孔は前記基材を前記高熱伝導部材側に貫通しない孔部であることを特徴とする。
本発明によれば、高熱伝導部材の温度をより均一化することができる。
画像形成装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置の断面図である。 ニップ形成部材を構成する各部材の展開図である。 (a)〜(b)は、固定部材を均熱部材に対して取り付ける様子を示す断面図である。 (a)〜(b)は、固定部材を均熱部材に対して取り付ける様子を示す平面図である。 ニップ形成部材の断面図である。 ニップ形成部材の斜視図である。 本発明と異なる構成のニップ形成部材の断面図である。 図8のニップ形成部材の均熱部材が変形した様子を示す断面図である。 ネジとステーとの位置関係を示す図である。 異なる実施形態のニップ形成部材を示す断面図である。 異なる実施形態の定着装置を示す断面図である。 固定部材の挿入部を均熱部材の挿入孔に挿入する様子を示す断面図である。 基材を背面側から見た斜視図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。以下、ニップ形成部材を備えた加熱装置の一例として、記録媒体としての用紙に画像を定着する定着装置を、そして、この定着装置を備えた画像形成装置について説明する。ただし、加熱装置と定着装置が必ずしも同一である必要はなく、定着装置が備えた装置の一つとして加熱装置があってもよい。
図1に示すカラー画像形成装置1の中央には、4つのプロセスユニット9Y,9M,9C,9Kが着脱可能に設けられた画像形成部2が配置されている。各プロセスユニット9Y,9M,9C,9Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的な各プロセスユニット9としては、表面上に現像剤としてのトナーを担持可能なドラム状の回転体である感光体ドラム10と、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させる帯電ローラ11と、感光体ドラム10の表面にトナーを供給する現像ローラを有する現像装置12等を備えている。
プロセスユニット9の下方には、露光部3が配置されている。露光部3は、画像データに基づいて、レーザ光を発するように構成されている。
画像形成部2の上方には転写部4が配置されている。転写部4は、駆動ローラ14及び従動ローラ15に周回走行可能に張架されている無端状の中間転写ベルト16、各プロセスユニット9の感光体ドラム10に対して中間転写ベルト16を挟んだ対向位置に配置されている一次転写ローラ13等で構成されている。各一次転写ローラ13はそれぞれの位置で中間転写ベルト16の内周面を押圧しており、中間転写ベルト16の押圧された部分と各感光体ドラム10とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。
また、中間転写ベルト16を挟んで駆動ローラ14に対向した位置には二次転写ローラ17が配設されている。二次転写ローラ17は中間転写ベルト16の外周面を押圧しており、二次転写ローラ17と中間転写ベルト16とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。駆動ローラ14、中間転写ベルト16、そして、二次転写ローラ17は、画像を用紙に転写する画像転写部として機能する。
給紙部5は、画像形成装置1の下部に位置しており、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙カセット18や、給紙カセット18から用紙Pを搬出する給紙ローラ19等からなっている。
搬送路7は、給紙部5から搬出された用紙Pを搬送する搬送経路であり、一対のレジストローラ30の他、後述する排紙部8に至るまで、搬送ローラ対が搬送路7の途中に適宜配置されている。
加熱装置としての定着装置6は、加熱部材によって加熱される定着ベルト21、その定着ベルト21を加圧可能な加圧ローラ22等を有している。
排紙部8は、画像形成装置1の搬送路7の最下流に設けられる。この排紙部8には、用紙Pを外部へ排出するための一対の排紙ローラ31と、排出された用紙Pをストックするための排紙トレイ32とが配設されている。
画像形成装置1の上部には、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の各色トナーが充填されたトナーボトル50Y,C,M,Kが着脱可能に設けられている。そして、このトナーボトル50Y,C,M,Kから各現像装置12との間に設けた補給路を介して、各色の現像装置12に各色トナーが補給される。
以下、図1を参照して上記画像形成装置1の基本的動作について説明する。
画像形成装置1において、画像形成動作が開始されると、各プロセスユニット9Y,9C,9M,9Kの感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。各感光体ドラム10に露光部3によって露光される画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。各感光体ドラム10上には静電潜像が形成され、各現像装置12に蓄えられたトナーが、ドラム状の現像ローラによって感光体ドラム10に供給されることにより、静電潜像は顕像であるトナー画像(現像剤像)として可視像化される。
転写部4では、駆動ローラ14の回転駆動により中間転写ベルト16が図の矢印Aの方向に走行駆動される。また、各一次転写ローラ13には、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、一次転写ニップにおいて転写電界が形成され、各感光体ドラム10に形成されたトナー画像は一次転写ニップにて中間転写ベルト16上に順次重ね合わせて転写される。
一方、画像形成動作が開始されると、画像形成装置1の下部では、給紙部5の給紙ローラ19が回転駆動することによって、給紙カセット18に収容された用紙Pが搬送路7に送り出される。搬送路7に送り出された用紙Pは、レジストローラ30によってタイミングを計られて、二次転写ローラ17と駆動ローラ14との間の二次転写ニップに送られる。このとき、中間転写ベルト16上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、二次転写ニップに転写電界が形成されている。二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト16上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置6へと搬送され、定着ベルト21と加圧ローラ22とによって用紙Pが加熱及び加圧されてトナー画像が用紙Pに定着される。そして、トナー画像が定着された用紙Pは、定着ベルト21から分離され、搬送ローラ対によって搬送され、排紙部8において排紙ローラ31によって排紙トレイ32へと排出される。
以上の説明は、用紙P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット9Y,9C,9M,9Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニット9を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
次に、図2に基づき、上記定着装置6の基本構成について説明する。
図2に示すように、定着装置6は、回転可能なベルト部材(あるいは定着部材)としての定着ベルト21と、定着ベルト21に対向して回転可能に設けられた対向回転体としての加圧ローラ22と、定着ベルト21を加熱する加熱部材としてのハロゲンヒータ23と、定着ベルト21の内側に配設されたニップ形成部材24と、ニップ形成部材24にその背面側から当接して支持する、支持部材としてのステー25と、ハロゲンヒータ23から放射される光を定着ベルト21へ反射する反射部材26と、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ27と、定着ベルト21から用紙を分離する分離部材28と、加圧ローラ22を定着ベルト21へ加圧する加圧手段等を備えている。
上記定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。詳しくは、定着ベルト21は、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)などの樹脂材料で形成された内周側の基材と、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などで形成された外周側の離型層によって構成されている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。弾性層を設けることにより、定着ベルト21表面の凹凸を吸収してユズ肌画像の発生を抑制できる。
上記加圧ローラ22は、芯金22aと、芯金22aの表面に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等から成る弾性層22bと、弾性層22の表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層22cによって構成されている。加圧ローラ22は、加圧手段によって定着ベルト21側へ加圧され、定着ベルト21を介してニップ形成部材24に当接している。この加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、所定の幅のニップ部Nが形成されている。また、加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられたモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータ等の加熱源を配設してもよい。また、弾性層が無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーを押しつぶして定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、厚さ100μm以上の弾性層を設けることが望ましい。厚さ100μm以上の弾性層を設けることで、弾性層の弾性変形により微小な凹凸を吸収することができるので、光沢ムラの発生を回避することができるようになる。弾性層22bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ22の内部に加熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。また、定着部材と対向回転体は、互いに圧接する場合に限らず、加圧を行わず単に接触させるだけの構成とすることも可能である。
上記ハロゲンヒータ23は、その両端部が定着装置6の側板に固定されている。ハロゲンヒータ23は、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、上記温度センサ27による定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいて行われる。このようなヒータ23の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。また、定着ベルト21を加熱する加熱部材として、ハロゲンヒータ以外に、IH、抵抗発熱体、又はカーボンヒータ等を用いてもよい。
上記ニップ形成部材24は、定着ベルト21の幅方向又は加圧ローラ22の軸方向(図2の紙面に垂直な方向で、以下、この方向をニップ形成部材24の長手方向とも呼ぶ)にわたって長手状に配設され、定着ベルト21の内周面に当接している。ニップ形成部材24は、加圧ローラ22からの加圧力を受けたニップ形成部材24をその内周面側から支持し、加圧ローラ22との間に定着ニップNを形成する。
また、ニップ形成部材24はステー25によってその背面側から固定支持されている。これにより、加圧ローラ22による圧力でニップ形成部材24に撓みが生じるのを防止し、加圧ローラ22の軸方向にわたって均一なニップ幅が得られるようにしている。ニップ形成部材24の詳細な構成については後述する。
上記ステー25は、ニップ形成部材24の長手方向にわたって長手状に配設される。ステー25は、ニップ形成部材24にその背面側から長手方向にわたって当接し、加圧ローラ22の圧接力に抗してニップ形成部材24を支持している。ニップ形成部材24の撓み防止機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが望ましいが、ステー25を樹脂製とすることも可能である。
ステー25がニップ形成部材24を「支持する」とは、加圧ローラ22の加圧方向(図の左右方向)に延在した部分、あるいは、厚みを持った部分を有するステー25が、ニップ形成部材24に対して、加圧ローラ22と反対側(図の左側)から当接することをいう。これにより、加圧ローラ22からの加圧力によるニップ形成部材24の撓み(本実施形態では、特に長手方向の撓み)を抑制するものである。ただし、上記の当接には、ステー25がニップ形成部材24に直接当接している場合に限らず、本実施形態のように、他の部材を介して当接する場合も含むものである。「他の部材を介した当接」とは、図の左右方向において、ステー25とニップ形成部材24との間に他の部材が挟まれ、かつ、少なくともその一部が対応する位置で、ステー25が他の部材に当接し、他の部材がニップ形成部材24に当接する状態を指す。また、上記の加圧方向に延在する、とは、加圧ローラ22の加圧方向と同一の方向に限らず、加圧ローラ22の加圧方向から、ある程度の角度をもった方向へ延在する場合も含むものである。これらの場合でも、ステー25が、加圧ローラ22からの加圧力に抗してニップ形成部材24の撓みを抑制できることはもちろんである。
上記反射部材26は、ステー25とハロゲンヒータ23との間に配設されている。本実施形態では、反射部材26をステー25に固定している。反射部材26の材料としては、アルミニウムやステンレス等が挙げられる。このように反射部材26を配設していることにより、ハロゲンヒータ23からステー25側に放射された光が定着ベルト21へ反射される。これにより、定着ベルト21に照射される光量を多くすることができ、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。また、ハロゲンヒータ23からの輻射熱がステー25等に伝達されるのを抑制することができるので、省エネルギー化も図れる。
また、本実施形態のような反射部材26を設けずに、ステー25のハロゲンヒータ23側の面を研磨又は塗装などの鏡面処理をし、反射面を形成してもよい。また、上記反射部材26又はステー25の反射面の反射率は、90%以上であることが望ましい。
ただ、ステー25はその強度を確保するために形状や材質の制約があるため、本実施形態のように反射部材26を別途設けた方が、形状や材質の選択の自重度が広がり、反射部材26とステー25はそれぞれの機能に特化することができる。また、反射部材26をハロゲンヒータ23とステー25との間に設けることにより、ハロゲンヒータ23に対する反射部材26の位置が近くなるので、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。
また、光の反射による定着ベルト21の加熱効率をさらに向上させるには、反射部材26又はステー25の反射面の向きを検討する必要がある。例えば、反射部材26をハロゲンヒータ23を中心とする同心円状に配設した場合は、光がハロゲンヒータ23に向かって反射されるため、その分、加熱効率が低下してしまう。これに対し、反射部材26の一部又は全部を、ハロゲンヒータ23以外の方向で定着ベルト側へ光を反射する向きに配設した場合は、ハロゲンヒータ23の方向へ反射される光量が少なくなるため、反射光による加熱効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る定着装置6は、さらなる省エネ性及びファーストプリントタイムなどの向上のために、種々の構成上の工夫が施されている。
具体的には、ハロゲンヒータ23によって定着ベルト21をニップ部N以外の箇所において直接加熱できるようにしている(直接加熱方式)。本実施形態では、ハロゲンヒータ23と定着ベルト21の図2の左側の部分の間に何も介在させないようにし、その部分においてハロゲンヒータ23からの輻射熱を定着ベルト21に直接与えるようにしている。
また、定着ベルト21の低熱容量化を図るために、定着ベルト21を薄くかつ小径化している。具体的には、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20〜50μm、100〜300μm、10〜50μmの範囲に設定し、全体としての厚さを1mm以下に設定している。また、定着ベルト21の直径は、20〜40mmに設定している。さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよい。また、定着ベルト21の直径は、30mm以下とするのが望ましい。
なお、本実施形態では、加圧ローラ22の直径を20〜40mmに設定しており、定着ベルト21の直径と加圧ローラ22の直径を同等となるように構成している。ただし、この構成に限定されるものではない。例えば、定着ベルト21の直径が加圧ローラ22の直径よりも小さくなるように形成してもよい。その場合、ニップ部Nにおける定着ベルト21の曲率が加圧ローラ22の曲率よりも大きくなるため、ニップ部Nから排出される記録媒体が定着ベルト21から分離されやすくなる。
以下、図2を参照しつつ、本実施形態に係る定着装置の基本動作について説明する。
プリンタ本体の電源スイッチが投入されると、ハロゲンヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図2中の時計回り(矢印B1参照)に回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図2中の反時計回り(矢印B2参照)に従動回転する。
その後、上述の画像形成工程により未定着のトナー画像Tが担持された用紙Pが、ガイド板に案内されながら図2の矢印C1方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ22のニップ部Nに送入される。そして、ハロゲンヒータ23によって加熱された定着ベルト21による熱と、定着ベルト21と加圧ローラ22との間の加圧力とによって、用紙Pの表面にトナー画像Tが定着される。
トナー画像Tが定着された用紙Pは、ニップ部Nから図2中の矢印C2方向に搬出される。このとき、用紙Pの先端が分離部材28の先端に接触することにより、用紙Pが定着ベルト21から分離される。その後、分離された用紙Pは、上述のように、排紙ローラによって機外に排出され、排紙トレイにストックされる。
次に、ニップ形成部材24のより詳細な構成について説明する。
図2および図3に示すように、ニップ形成部材24は、基材41と、高熱伝導部材としての均熱部材42と、締結部材としてのネジ43と、ネジ43を締結させるための固定部材44とを備えている。基材41および均熱部材42は、ニップ形成部材24の長手方向に延在している。
基材41は、耐熱性を有した部材により構成され、例えばセラミック、ガラス、アルミニウムなどの無機物、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム類、PTFE(四フッ化エチレン)、PFA(四フッ化エチレン・ペルフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)などのフッ素樹脂、PI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、LCP(液晶プラスチック,液晶ポリマー)、フェノール樹脂、ナイロン、アラミドなどの樹脂、またはこれらを組み合わせたものを用いることができる。
本実施形態では、基材41を樹脂材料により形成しており、一例としてその熱伝導率は0.2〜0.3W/m・K程度に設定される。基材41を形成する樹脂材料として、例えば耐熱性と成形性に優れた液晶ポリマー(LCP)を採用することができる。
基材41は、その長手方向中央側に、固定部材44とともにネジ43が締結されるための締結孔41aを有する。締結孔41aは、基材41の厚み方向の途中まで設けられた貫通しない孔部である。
図3に示すように、基材41は、ステー25の側へ突出する複数の突起部41bを有する。突起部41bは、基材41の長手方向に複数配設されたものが、短手方向に2列で設けられている。突起部41bは、ステー25に当接してニップ形成部材24をステー25に対して位置決めする位置決め部である。
均熱部材42は、定着ベルト21にその内周面側から当接する部材である(図2参照)。均熱部材42は基材41よりも熱伝導率の高い部材によって構成される。具体的には、本実施形態ではSUSが用いられ、その熱伝導率は16.7〜20.9W/m・Kに設定される。また、例えば、銅系材質(例えば熱伝導率381W/m・K)やアルミニウム系材質(例えば熱伝導率236W/m・K)等の熱伝導率の高い材質を用いることもできる。
ニップ形成部材24の定着ベルト21側に、熱伝導性の良い均熱部材42を設け、均熱部材42を定着ベルト21に対してその幅方向にわたって当接させることで、定着ベルト21の熱をその幅方向に移動させて均一化し、定着ベルト21の幅方向の温度ムラを抑制することができる。
均熱部材42は、その短手方向両側に、長手方向にわたって設けられた曲げ部42aを有する。図2に示すように、本実施形態では、均熱部材42の曲げ部42aは、金属板をその短手方向両側(図2の上側および下側)で、短手方向に略垂直な方向(図2の左方向で、ニップ部Nと反対の方向)へ曲げ加工することにより成形される。
図3に示すように、均熱部材42には、上記両曲げ部42a、42aの長手方向中央側で、短手方向の両側に、固定部材44を取り付けるための第一挿入孔42bおよび第二挿入孔42cが設けられる。曲げ部42aの第一挿入孔42b、第二挿入孔42cが設けられる部分は、曲げ部42aのその他の部分と比較して曲げ方向へ部分的に飛び出した形状をしている。第二挿入孔42cは、均熱部材42の短手方向(図2の上下方向)に貫通した孔部である。また第一挿入孔42bは、第二挿入孔42cと同じく均熱部材42の短手方向両側へ貫通すると共に均熱部材42の厚み方向一方側へも開口した形状をしている。
均熱部材42には、その長手方向両端側に、端部側へ向けてその短手方向の幅が小さくなっていく絞り部42dが設けられる。
固定部材44は、基材41と均熱部材42とを位置決めするために設けられる、基材41や均熱部材42とは別体の部材である。固定部材44は、その中央にネジ43を締結するための締結孔44aを有し、その両端に第一挿入部44b、第二挿入部44cを有する。第一挿入部44bには、部分的にその幅が狭くなった幅狭部44b1が設けられる。
次に、上記の各部材の組立方法を、図4および図5を用いて説明する。
まず、図4(a)および図5(a)に示すように、固定部材44を基材41および均熱部材42の上方から挿入する(図4aの矢印D1方向参照)。具体的には、図5(a)に示すように、固定部材44の幅狭部44b1を均熱部材42の第一挿入孔42bに挿入する。そして、固定部材44を第二挿入孔42cの側へスライドさせることにより(矢印D2方向参照)、固定部材44の第二挿入部44cを均熱部材42の第二挿入孔42cに挿入する。これにより、図4(b)および図5(b)に示すように、均熱部材42に固定部材44を取り付けることができる。このように、固定部材44に部分的に幅狭部44b1を設けると共に、均熱部材42の一方側の第一挿入孔42bを厚み方向にも開口させることで、固定部材44を均熱部材42の上方から挿入することができる。従って、両側の第一挿入部44b、44cをスライドさせて第一挿入孔42b、第二挿入孔42cに挿入する場合と比較すると、その作業が容易になる。またこれにより、差し込み時に固定部材44と均熱部材42とがひっかかって挿入方向の圧力が生じて固定部材44や均熱部材42を変形させることも防止できる。
図5(a)に示すように、固定部材44の第一挿入部44bの幅広部分を幅W1、幅狭部44b1の幅W2とし、図13に示すように、均熱部材42の第一挿入孔42bの幅広部分を幅L1、開口側の幅狭部分を幅L2とすると、W2<L2<W1<L1となっている。W2<L2により、上記のように固定部材44を均熱部材42に対して矢印D1方向へ移動させ、幅狭部44b1を均熱部材42の第一挿入孔42bに挿入することができる。またL2<W1により、図5(b)の状態で、第一挿入部44bの幅広部分が第一挿入孔42bの開口側の幅狭部分を形成する壁面部に当接するので、固定部材44が均熱部材42から図5(b)の紙面垂直方向(図13の矢印D1方向の反対方向)へ抜け落ちることを防止できる。また第一挿入孔42bは、挿入側の開口部分にテーパ形状Hを有する。これにより、第一挿入部44bを第一挿入孔42bに円滑に挿入することができる。ただし、テーパ形状Hを設けない構成とすることもできる。
また、図5(a)に示すように、固定部材44の第二挿入部44c側の幅W3,第二挿入部44cの幅W4とし、均熱部材42の第二挿入孔42cの幅L3とすると、W4<L3<W3となっている。W4<L3により、第二挿入部44cを第二挿入孔42cに挿入することができる。またL3<W3により、固定部材44の下側の端面(固定部材44の均熱部材42に対する挿入方向下流側の端面)である当接面44eを曲げ部42aに設けられた被当接面42eに当接させることができる。なお、上記の幅W1〜W4、幅L1〜L3は、均熱部材42の長手方向と同じ方向の幅である。
ところで、固定部材44は、第一挿入部44b、第二挿入部44cが均熱部材42の第一挿入孔42b、第二挿入孔42cにそれぞれ挿入されることで、固定部材44の均熱部材42に対する図5(b)の左右方向の位置決めがなされる。つまり、第一挿入部44b、第二挿入部44cの側面部が、第一挿入孔42b、第二挿入孔42cを形成する側壁部に当接することで、固定部材44の均熱部材42に対する図5(b)の左右方向の移動が規制される。これにより、固定部材44と締結された基材41が、均熱部材42に対してその長手方向に位置決めされる。また、第二挿入部44cを第二挿入孔42cに挿入して固定部材44の下側の端面(固定部材44の均熱部材42に対する挿入方向下流側の端面)である当接面44eを曲げ部42aに設けられた被当接面42eに当接させることで、図の上下方向の位置決めがされる。
上記の動作により、固定部材44の基材41に対する位置決めがされ、固定部材44の締結孔44aと基材41の締結孔41aとを位置合わせすることができる。つまり、固定部材44を均熱部材42に取り付ける動作だけで、締結孔44aと締結孔41aの位置合わせをすることができ、ネジ43を締結可能な状態にすることができる。従って、締結孔同士の位置合わせの作業が必要なく、ニップ形成部材の組み立て時間を短縮できるなど、その組立性が良くなる。また、締結孔44aと締結孔41aとの位置合わせ精度が向上するため、基材41と均熱部材42との位置合わせの精度も向上させることができる。さらに、締結孔44aと締結孔41aとの位置合わせ精度が向上することで、締結孔44aをより小さくすることが可能になり、固定部材44を最小限の大きさで設けることが可能になり、固定部材44のコストを小さく抑えることができる。
締結孔44aと締結孔41aとが位置合わせされた状態で、ネジ43を締結すること(螺合させる。いわゆるネジを締めること)により、固定部材44と基材41とを締結し、固定部材44と基材41とを固定することができる。これにより、図6および図7に示すように、基材41と均熱部材42とが固定され、ニップ形成部材24が組み立てられる。
このように本実施形態では、均熱部材42に固定部材44を取り付けた状態で、ネジ43によって固定部材44と基材41とを締結することで、固定部材44を介して基材41と均熱部材42とを位置固定することができる。より詳細には、固定部材44の第一挿入部44b、第二挿入部44cが均熱部材42の第一挿入孔42b,第二挿入孔42cに挿入されることで、固定部材44および基材41の、均熱部材42に対する均熱部材42の長手方向および厚み方向の移動が規制される。また、基材41は、均熱部材42の短手方向両側に設けられた曲げ部42aによって、短手方向の移動を規制されている。これらにより、基材41の均熱部材42に対する位置決めがなされる。
さらに本実施形態では、均熱部材42の一方の第一挿入孔42bに固定部材44の対応する第一挿入部44bを挿入する際に(図4aの矢印D1方向に挿入する際に)、固定部材44の両側に配置された突起部41bの側壁が、固定部材44を挿入方向(短手方向一方側から他方側)へガイドするガイド部として機能する(図5a参照)。これにより、固定部材44の第一挿入孔42bに挿入する際の作業性が向上する。ただし、突起部41bとは別に、短手方向一方側から他方側へ延びたリブ形状を対応する位置に設けて、ガイド部としてもよい。
またニップ形成部材24は、定着ベルトの回転によって定着ベルトと摺動するため、上記の位置固定の部分にも摺動に伴う負荷がかかることになる。しかし、本実施形態のように別部材を介してネジを締結することで、爪などの嵌合による構造的な固定方法と比較すると、強度的に有利になる。
ところで、基材41に設けられた締結孔41aは、基材41をその厚み方向で、均熱部材42側に貫通しない孔部である。従って、ニップ形成部材24の長手方向において、ネジ43が締結される位置においても、基材41と均熱部材42とが接触しており、均熱部材42と基材41との間に隙間が形成されていない。具体的には、基材41の締結孔41aに対応する部分である接触面41gが、均熱部材42に接触している(図4参照)。
例えば、本実施形態と異なる構成として、図8に示すように、基材41に設ける締結孔41a’を貫通孔とした構成の場合、締結孔41a’の部分でネジ43と均熱部材42との間に隙間Eが形成される。つまり、均熱部材42の締結孔41a’に対向する部分は基材41やネジ43と接触せず、これらの部材への熱移動が行われないため、均熱部材42のこの部分がその他の部分に比べて高温になり、定着ベルトの温度がその幅方向に不均一化してしまう。また均熱部材42が部分的に高温になることでその膨張量に差が生じ、図9に示すように、締結孔41a’に対向する部分で均熱部材42が隙間Eの側へ変形してしまう。そしてこのような変形が生じると、ニップ部Nの圧力が部分的に弱くなって圧力不足による画像の定着不良が生じたり、変形部分で定着ベルトとニップ形成部材24との摺動負荷が増大して定着ベルトの摩耗が促進されてしまったりする。
上記の問題に対して本実施形態では、締結孔41aを非貫通の孔部とすることで、均熱部材42の部分的な高温化および変形を防止し、画像の定着不良や定着ベルトの摩耗促進を防止することができる。
図14は、基材41を背面側から見た斜視図である。
図14に示すように、図の網掛け部分で基材41が均熱部材42に接触する。つまり基材41は、短手方向において、両端部および中央部の3箇所で、長手方向にわたって均熱部材42に接触し、両端部と中央部の間の凹部で均熱部材42に対して非接触である。基材41が均熱部材42と長手方向にわたって連続的に接触することで、均熱部材42が定着ベルト21を介して加圧ローラ22から受ける加圧力を、基材41や基材41に当接するステー25が長手方向にわたって均一に受けることができる(図2参照)。また図4(a)に示すように、基材41の締結孔41aに対応する箇所で、基材41の接触面41gが均熱部材42に接触する。別の言い方をすると、基材41の厚み方向から見て、締結孔41aが設けられた箇所で、基材41の接触面41gが均熱部材42に接触する。これにより、図14に示すように、基材41の均熱部材42に対する接触部分を長手方向に連続して設けることができる。なお、短手方向において、基材41が長手方向にわたって均熱部材42に非接触の位置に締結孔41aが設けられる場合には、締結孔41aを貫通した孔部とすることも可能である。
図10に示すように、本実施形態のニップ形成部材24は、基材41の突起部41bがステー25に当接し、ニップ形成部材24はその背面側からステー25によって支持される。この状態で、ステー25とネジ43との間には図の上下方向(ネジ43の固定部材44や基材41に対する挿入方向で、基材41などの厚み方向)に距離Fの隙間が設けられる。このように隙間を設けることで、ネジ43が加熱されて膨張した場合でもその膨張分を逃がすことができ、膨張したネジ43が基材41を押してニップ部Nを変形させてしまうことやニップ形成部材24の塑性変形による破損を防止できる。また、ネジ43のネジ部43a(締結部43a)の長さをGとすると、隙間の距離Fをネジ部43aの長さGよりも小さくすることで、ネジ43の締結が緩んだ場合でもネジ43の頭がステー25に当接し、ネジ43の基材41や固定部材44からの脱落を防止できる。本実施形態では、ステー25とネジ43との隙間の距離Fを上記のように規定したが、ステー25とネジ43との間に他の部材を介する場合、ネジ43と他の部材との間の距離としてもよい。例えば、ステー25とニップ形成部材24との間に、基材41の突起部41bを挿入してニップ形成部材24を取り付けるための取付部材を設ける場合、この取付部材とネジ43との間に隙間を設けたり、あるいは、この隙間の距離Fをネジ部43aの長さGよりも小さくすることで上記効果を得ることができる。ただし図10では、便宜上、ネジ43を断面図ではなく、ネジ部43aとその他の部分が区別できるように記載している。
さらに本実施形態では、基材41および固定部材44のお互いに対向する側に、お互いの段差部の形状に対応する形状の段差部(段差形状)41f、44dを有する(図4b参照)。具体的には、固定部材44と基材41とが接触する面を基準面にして、それよりも図4(b)の上方向に、固定部材44と基材41のそれぞれが、上記基準面よりも一段下がった面(より詳しくは、基材41の厚み方向において、均熱部材42の側に下がった面)を有する。これにより、この段差部41f、44dを合わせるだけで、締結孔41aと締結孔44aを位置合わせすることができる。これにより、ニップ形成部材24の組立性を向上させ、ネジ43が傾いた状態で締結されることを防止できる。また、固定部材44の形状がその短手方向に表裏非対称になり、上下および表裏反転した状態での誤組みを防止することもできる。ただし、図11に示すように、固定部材44に段差部を設けない板状部材とすることもできる。
また、固定部材44の取付位置およびネジ43による固定位置を、基材41および均熱部材42の長手方向略中央とすることで(図7参照)、長手方向中央での位置決めができるため、長手方向のいずれか一方側への基材41や均熱部材42の位置ズレが生じにくくなる。これにより、定着ベルト21の長手方向の温度ムラや定着ニップ長手方向の圧力偏差を極力抑制することができる。なお、基材41や均熱部材42の長手方向中央部とは、これらの部材を長手方向に3分割した際の真ん中の領域を指すものであり、最も好ましいのは長手方向のちょうど真ん中の位置で固定する場合である。
また本実施形態では、基材41が樹脂材、均熱部材42が金属材と異なる材料で形成されており、その熱膨張係数が異なる。従って、ヒータ23の熱による両部材の熱膨張率にも違いが生じるが、基材41と均熱部材42とを長手方向中央の一点で位置固定していることで、長手方向両側へ膨張分を逃がすことができ、主に均熱部材42の破損を防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明のニップ形成部材は、以下の図12に示す複数の加熱部材を備えた定着装置6にも適用可能である。以下、前述した図2の定着装置と異なる部分を中心に説明し、共通する構成については適宜その記載を省略する。
図12に示すように、定着装置6は、前述の実施形態と同様、ベルト部材としての定着ベルト21、加圧ローラ22、ニップ形成部材24等を有する。また、本実施形態の定着装置6は2本のヒータ23A、23Bを有する。ヒータ23A、23Bは、一方が小サイズ紙に対応した長手方向中央部に発熱領域を有するものであり、他方が大サイズ紙に対応して長手方向両端部に発熱領域を有するものである。本実施形態ではヒータ23A、23Bとしてハロゲンヒータが用いられるが、誘導加熱装置であってもよいし、抵抗発熱体、カーボンヒータ等であってもよい。
定着装置6に設けられたステー25は断面T字状をなし、定着ニップN側と反対側が起立した起立部25aを有する。この起立部25aにより、ヒータ23A、23Bが隔てられている。
ヒータ23A、23Bは、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、定着ベルト21の外周に設けられた温度センサによるベルト表面の温度検知結果に基づいて行われる。このようなヒータの出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。
また、ステー25とヒータ23A、23Bの間には反射部材26A、26Bが配され、ヒータ23A、23Bの定着ベルト21に対する加熱効率を上げると共に、ヒータ23A、23Bからの輻射熱によりステー25が加熱されることによる無駄なエネルギー消費を抑制している。
以上の定着装置6においても、前述した構成のニップ形成部材24を適用することができ、これにより、前述した効果を得ることができる。例えば、締結孔41aを非貫通の孔部とすることで、均熱部材42の部分的な高温化および変形を防止し、画像の定着不良や定着ベルトの摩耗促進を防止することができる。
本発明に係る画像形成装置は、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
また、本発明のニップ形成部材を適用する加熱装置を備えた装置は、上記の実施形態で説明したような定着装置に限らず、用紙に塗布されたインクを乾燥させる乾燥装置、さらには、被覆部材としてのフィルムを用紙等のシートの表面に熱圧着するラミネータや、包材のシール部を熱圧着するヒートシーラーなどの熱圧着装置のような加熱装置にも適用可能である。このような装置にも本発明を適用することで、高熱伝導部材の温度をより均一化することができる。
1 画像形成装置
6 定着装置(加熱装置)
21 定着ベルト(ベルト部材)
22 加圧ローラ(対向回転体)
23 ハロゲンヒータ(加熱部材)
24 ニップ形成部材
25 ステー(支持部材)
41 基材
41a 締結孔
41b 突起部(位置決め部)
41f 段差部(段差形状)
42 均熱部材(高熱伝導部材)
42a 曲げ部
42b 第一挿入孔
42c 第二挿入孔
42e 被当接面
43 ネジ(締結部材)
43a ネジ部(締結部)
44 固定部材
44a 締結孔
44b 第一挿入部
44c 第二挿入部
44d 段差部(段差形状)
44e 当接面(端面)
45 保持部材
N 定着ニップ(ニップ部)
P 用紙(記録媒体)
特開2016−200802号公報

Claims (10)

  1. 回転可能なベルト部材の内側に設けられるニップ形成部材であって、
    前記ニップ形成部材は、
    基材と、
    前記基材に対して前記ベルト部材の側に設けられ、前記基材よりも熱伝導率の高い高熱伝導部材と、
    前記基材と前記高熱伝導部材とを位置固定するための固定部材とを備え、
    前記基材および前記固定部材は締結孔を有し、
    前記基材は、前記固定部材と前記高熱伝導部材との間に配置され、
    前記固定部材の側から固定部材の締結孔と前記基材の締結孔とに締結部材が締結されており、
    前記基材の締結孔は前記基材を前記高熱伝導部材側に貫通しない孔部であることを特徴とするニップ形成部材。
  2. 前記基材と前記高熱伝導部材とが、前記高熱伝導部材の長手方向にわたって接触する請求項1記載のニップ形成部材。
  3. 前記基材の前記締結孔に対応する位置で、前記基材と前記高熱伝導部材とが接触する請求項1または2記載のニップ形成部材。
  4. 前記基材と前記固定部材は対応する段差形状を互いに有する請求項1から3いずれか1項に記載のニップ形成部材。
  5. 前記固定部材は、前記高熱伝導部材に対する組み付け方向下流側の端面を前記高熱伝導部材に設けられた被当接面に当接させることで、前記固定部材の締結孔と前記基材の締結孔の当該組み付け方向の位置合わせがされる請求項1から4いずれか1項に記載のニップ形成部材。
  6. 前記ベルト部材と、
    前記ベルト部材に対向して配置される前記対向回転体と、
    前記ベルト部材を介して前記対向回転体に当接し、前記ベルト部材と前記対向回転体との間にニップ部を形成する請求項1から5いずれか1項に記載のニップ形成部材とを備えた加熱装置。
  7. 前記ニップ形成部材を前記ニップ部と反対側から支持する支持部材をさらに有し、
    前記締結部材の前記固定部材に対する挿入方向において、前記支持部材と前記締結部材との間に隙間が設けられる請求項6記載の加熱装置。
  8. 前記締結部材の前記固定部材に対する挿入方向において、前記支持部材と前記締結部材との間に設けられた隙間の長さが、前記締結部材の締結部の長さよりも小さく設けられる請求項7記載の加熱装置。
  9. 請求項6から8いずれか1項に記載の加熱装置を備えた、熱により記録媒体上のトナーを定着させる定着装置。
  10. 請求項9記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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