JP2021020597A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/22Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived otherwise than from the propulsion plant

Abstract

【課題】冷媒回路を循環する冷媒を利用して冷却対象機器となる車載機器を冷却する際に、冷媒回路内で不具合が発生した場合でも冷却対象機器を冷却すること。【解決手段】空気流通路11と、圧縮機21、放熱器16、吸熱器15、室外熱交換器22、膨張弁23及び電磁弁24を含む複数の制御弁28を含む冷媒回路20と、車両に搭載された冷却対象機器100を冷却させる機器冷却部30と、吸熱器15と並列接続され、冷媒流通路20cから分岐して流通される冷媒に吸熱させて熱媒体の熱交換を行う熱媒体—冷媒熱交換器27と、制御弁28に開閉制御できない故障が起き、冷却対象機器100の冷却が必要と判断されると、放熱器16又は室外熱交換器22から流出した高圧液状の冷媒が熱媒体—冷媒熱交換器27の上流側に流通可能なように冷媒の流れを制御する機器冷却モードを、故障した制御弁28の故障状態に基づいて選択し実行する制御装置40と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電気自動車やハイブリッド車などの車両に適用される車両用空気調和装置に関するものである。
近年、自動車業界では、CO排出量削減に向けた省燃費化を実現させるため、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車などの電動モータを用いて走行する車両(以下、これらを「電動車両」と称する)の研究開発が進められている。そして、電動車両に搭載される空気調和装置は、エンジンの廃熱を利用できない電気走行時においても暖房運転が行えるヒートポンプサイクルが利用されている。
ヒートポンプシステムを利用した空気調和装置としては、例えば下記特許文献1に開示されるように、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、車室内側に設けられ冷媒を放熱させる凝縮器として機能する放熱器と、車室内側に設けられ冷媒を吸熱させる蒸発器として機能する吸熱器と、車室外側に設けられ通風される外気により冷媒を吸熱させる蒸発器又は放熱させる凝縮器として機能する室外熱交換器が接続された冷媒回路を備えている。この空気調和装置は、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、この放熱器において放熱した冷媒を室外熱交換器において吸熱させる「暖房モード」、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器において放熱させ、吸熱器において吸熱させる「冷房モード」、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、放熱器において放熱した冷媒を吸熱器と室外熱交換器において吸熱させる「除湿暖房モード」、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外熱交換器において放熱させ、吸熱器において吸熱させる「除湿冷房モード」などの各空調モードが切り換え可能となっている。
特開2016−107745号公報
ところで、電動車両には、走行時又は車両駆動時に使用される「バッテリ」、「電動モータ」、「インバーター」、「ECU(Electronic Control Unit)」のような、駆動に伴い発熱する発熱源となり得る車載機器が搭載されている。これら車載機器は、高温状態のまま駆動し続けてしまうと、性能及び寿命が悪化する虞があるため、所定温度以下となるように冷却処理による温度調整が必要な「冷却対象機器」となる。
例えば、冷却対象機器となる「バッテリ」を冷却する手段としては、送風機による冷却方式が一般的であるが、冷却対象機器に対して車内又は車外の空気を送風するだけであるため冷却能力は低い。
また、バッテリの他の冷却方式として、バッテリ冷却用の熱媒体循環回路内を流通する熱媒体の熱交換に、特許文献1に開示されるような空調用の冷媒回路(蒸気圧縮冷媒回路)の冷熱を利用した冷却方式が知られている。この冷却方式は、空冷式と比べて冷却対象機器を冷却させる能力には優れているが、冷媒回路内の制御弁(膨張弁、電磁弁)が故障すると冷媒回路自体の機能が停止してしまい、冷却対象機器が冷却ができなくなるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決することを目的とし、冷媒回路を循環する冷媒を利用して冷却対象機器となる車載機器を冷却する際に、冷媒回路内で不具合が発生した場合でも冷却対象機器を冷却することができる車両用空気調和装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用空気調和装置は、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記冷媒を放熱させる放熱器と、前記冷媒を吸熱させる吸熱器と、車室外に設けられ前記冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器と、前記冷媒を減圧させる複数の膨張弁と前記冷媒の流れを切り換える複数の電磁弁とを含む複数の制御弁と、を含む冷媒回路と、車両に搭載された冷却対象機器を冷却させる熱媒体を循環させて前記冷却対象機器の温度を調整する機器冷却部と、前記室外熱交換器と前記吸熱器との間に形成される第1冷媒流通路から分岐して流通される前記冷媒に吸熱させて前記熱媒体の熱交換を行う室内熱交換器と、前記制御弁の開閉制御が可能か否かを判断する故障判断部と、前記冷却対象機器を冷却するか否かを判断する機器冷却判断部と、前記故障判断部で前記制御弁が開閉制御できないと判断され、前記機器冷却判断部で前記冷却対象機器の冷却が必要と判断されたとき、前記放熱器又は前記室外熱交換器から流出した高圧液状の前記冷媒が前記室内熱交換器の上流側に流通可能なように前記冷媒の流れを制御する機器冷却モードを、開閉制御できない前記制御弁の状態に基づいて実行するモード実行処理部と、を備えている。
好適には、前記車両用空気調和装置において、前記冷媒回路には、前記放熱器と前記室外熱交換器との間に形成される第2冷媒流通路から分岐し、前記室外熱交換器を迂回して前記第1冷媒流通路に接続される第3冷媒流通路が形成されてよい。
好適には、前記車両用空気調和装置において、前記膨張弁は、前記第2冷媒流通路上に設けられ前記室外熱交換器に流入する前記冷媒を減圧させる第1膨張弁と、前記第1冷媒流通路上に設けられ、前記吸熱器に流入する前記冷媒を減圧させる第2膨張弁と、を含んでよい。
好適には、前記車両用空気調和装置において、前記電磁弁は、前記第3冷媒流通路上に設けられた第1電磁弁と、前記第1冷媒流通路から分岐して前記吸熱器と前記圧縮機との間に形成される第4冷媒流通路に接続される第5冷媒流通路上に設けられた第2電磁弁と、を含んでよい。
好適には、前記車両用空気調和装置において、前記機器冷却モードには、前記故障判断部が、前記制御弁の故障状態として、前記第1膨張弁の開故障、前記第2膨張弁の閉故障、前記第1電磁弁の閉故障、前記第2電磁弁の閉故障の何れかの故障があると判断したときに選択されるモードであって、前記放熱器又は前記室外熱交換器の少なくとも一方を凝縮器として機能させ、前記室内熱交換器を蒸発器として機能させ、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記凝縮器で放熱させ、放熱した高圧液状の前記冷媒を減圧した後、前記蒸発器で吸熱させて前記熱媒体を冷却する、機器冷却単独モードが含まれてよい。
好適には、前記車両用空気調和装置において、前記機器冷却モードには、前記故障判断部が、前記制御弁の故障状態として、前記第1膨張弁の開故障、前記第2膨張弁の開故障、前記第1電磁弁の閉故障、前記第2電磁弁の閉故障の何れかの故障があると判断したときに選択されるモードであって、前記放熱器又は前記室外熱交換器の少なくとも一方を前記凝縮器として機能させ、前記室内熱交換器及び前記吸熱器を前記蒸発器として機能させ、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記凝縮器で放熱させ、放熱した高圧液状の前記冷媒を減圧した後、前記蒸発器で吸熱させて前記熱媒体及び前記空気を冷却する、機器冷却・冷房モードが含まれてよい。
好適には、前記車両用空気調和装置において、前記機器冷却モードには、前記故障判断部が、前記制御弁の故障状態として、前記第1膨張弁の閉故障、前記第2膨張弁の閉故障、前記第1電磁弁の開故障、前記第2電磁弁の開故障の何れかの故障があると判断したときに選択されるモードであって、前記放熱器を前記凝縮器として機能させ、前記室内熱交換器と前記室外熱交換器のうち、少なくとも前記室内熱交換器を前記蒸発器として機能させ、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記凝縮器で放熱させて前記空気を加熱させ、放熱した高圧液状の前記冷媒を減圧した後、前記蒸発器で吸熱させて前記熱媒体を冷却させる、機器冷却・暖房モードが含まれてよい。
好適には、前記車両用空気調和装置において、前記機器冷却モードには、前記故障判断部が、前記制御弁の故障状態として、前記第1膨張弁の閉故障、前記第2膨張弁の開故障、前記第1電磁弁の開故障、前記第2電磁弁の開故障の何れかの故障があると判断したときに選択されるモードであって、前記放熱器を前記凝縮器として機能させ、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器、前記吸熱器のうち、少なくとも前記室内熱交換器と前記吸熱器を前記蒸発器として機能させ、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記凝縮器で放熱させて前記空気の一部を加熱させ、放熱した高圧液状の前記冷媒を減圧した後、前記蒸発器で吸熱させて前記熱媒体を冷却させると共に前記空気の一部を除湿させて冷却させる、機器冷却・除湿暖房モードが含まれてよい。
本発明によれば、冷媒回路を循環する冷媒を利用して冷却対象機器となる車載機器を冷却する際に、冷媒回路内で不具合が発生した場合でも冷却対象機器を冷却することができる。
本発明の一実施形態を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。 制御系を示すブロック図である。 機器冷却単独モードにおける冷媒の流路を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。 機器冷却・冷房モードにおける冷媒の流路を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。 機器冷却・暖房モードにおける冷媒の流路を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。 機器冷却・除湿暖房モードにおける冷媒の流路を示す車両用空気調和装置の概略構成図である。 制御弁の異常発生時の処理内容を示すフローチャートである。 機器冷却モードが選択された際の処理内容を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
ここで示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、本発明を限定するものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範囲、要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
さらに、本明細書に添付する図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
本発明の車両用空気調和装置1は、例えばハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車などの電動モータの駆動力によって走行可能な電動車両に適用されるものである。
また、本明細書において、「冷却対象機器」とは、電動車両に搭載され、走行時又は車両駆動時に使用される「バッテリ」、「電動モータ」、「インバーター」、「ECU(Electronic Control Unit)」のような、駆動に伴い発熱する熱源となり得る車載機器(車載発熱機器)を指す。本実施形態では、冷却対象機器100として、「バッテリ」を冷却する形態例で説明する。
[装置概要]
図1は、本実施形態に係る空気調和装置1の構成を示す図である。
図1又は図2に示すように、車両用空気調和装置1は、車室内の空調(暖房、冷房、除湿及び換気)を行う装置である。車両用空気調和装置1は、車両の車室内に設けられる空調ユニット10と、車室内及び車室外に亘って設けられる冷媒回路20と、冷却対象機器100の冷却を行う機器冷却部30と、空気調和装置1を構成する各部の駆動制御を統括的に行う制御装置40と、を備えている。
<空調ユニット>
空調ユニット10は、車室内に供給する空気を流通させるための空気流通路11を有している。
空気流通路11の一端側には、車室外の空気を空気流通路11に流入させるための外気吸入口12aと、車室内の空気を空気流通路11に流入させるための内気吸入口12bを有する吸入口12が設けられている。
また、空気流通路11の一端側には、外気吸入口12a又は内気吸入口12bの一方を開放して他方を閉鎖することが可能な吸入口切換ダンパ13が設けられている。さらに、空気流通路11の一端側には、空気流通路11の一端側から他端側に向かって空気を流通させるためのシロッコファンなどの室内送風機14が設けられている。
空気流通路11の他端側には、空気流通路11を流通した空気を、車室内の所定箇所に吹き出させる吹出口が設けられている。吹出口は、搭乗者の足元に向かって吹き出させる図示しないフット吹出口、搭乗者の上半身に向かって吹き出させる図示しないベント吹出口、及び車両のフロントガラスの車室内側の面に向かって吹き出させる図示しないデフ吹出口を備え、各吹出口からの空気の吹き出し方向を切り換える図示しない吹出口切換ダンパが設けられている。
空気流通路11における室内送風機14の空気流通方向下流側には、空気流通路11を流通する空気を冷却及び除湿するための吸熱器15が設けられている。また、空気流通路11における吸熱器15の空気流通方向下流側には、空気流通路11を流通する空気を加熱するための放熱器16が設けられている。
放熱器16は、空気流通路11の直交方向一方側に配置され、空気流通路11の直交方向他方側には、放熱器16を迂回するバイパス流通路11aが形成されている。空気流通路11における吸熱器15と放熱器16との間には、吸熱器15を通過した空気のうち、放熱器16に流入する空気とバイパス流通路11aを流通する空気との風量割合を調整するためのエアミックスダンパ17が設けられている。なお、放熱器16の設置箇所は、空気流通路11に限定されず、空調ユニット10の外側としてもよい。
エアミックスダンパ17は、設定される運転モード(空調モード、機器冷却モード)に従って、バイパス流通路11aと放熱器16の何れか一方の空気流通方向上流側を閉鎖して他方を開放したり、放熱器16の空気流通方向上流側の開度を調整してバイパス流通路11aと放熱器16の両方を開放したりする。空調ユニット10から車室内に吹き出される空調風の温度は、エアミックスダンパ17の開度位置を調整することで調整可能となる。
<冷媒回路>
冷媒回路20は、上述した吸熱器15及び放熱器16と、冷媒を圧縮するための圧縮機21、冷媒と車室外の空気とを熱交換するための室外熱交換器22と、全閉と全開との間で弁開度の調整が可能な電子式の膨張弁23(第1膨張弁23a、第2膨張弁23b及び第3膨張弁23c)と、冷媒の流路を開閉するための電磁弁24(第1電磁弁24a、第2電磁弁24b)と、冷媒の流路における冷媒の流通方向を規制するための逆止弁25(第1逆止弁25a、第2逆止弁25b)と、気体の冷媒と液体の冷媒を分離して気体の冷媒を圧縮機21に吸入させるためのアキュムレータ26と、冷媒回路20内を流れる冷媒と機器冷却部30を流れる熱媒体との熱交換を行う熱媒体―冷媒熱交換器27と、を備えている。冷媒回路20を構成する各部は、例えばアルミニウム管、銅管などの冷媒配管からなる冷媒流通路20a〜20gによって冷媒が循環可能に接続されている。冷媒回路20を流通する冷媒としては、例えば、R−134aなどが用いられる。
室外熱交換器22は、冷媒と熱交換する空気の流通方向が車両の前後方向となるように、エンジンルームなどの車室外に配置されている。室外熱交換器22の近傍には、車両が停止している際に車室外の空気を前後方向に流通させるための室外送風機22aが設けられている。
冷媒回路20には、圧縮機21の冷媒吐出側と、放熱器16の冷媒流入側とを接続する冷媒流通路20aが形成され、放熱器16の冷媒流出側と、室外熱交換器22の冷媒流入側とを接続する冷媒流通路20b(特許請求の範囲における「第2冷媒流通路」に相当)が形成されている。冷媒流通路20bには、第1膨張弁23aが設けられている。
冷媒回路20には、室外熱交換器22の冷媒流出側と、吸熱器15の冷媒流入側とを接続する冷媒流通路20c(特許請求の範囲における「第1冷媒流通路」に相当)が形成されている。冷媒流通路20cには、室外熱交換器22側から順に、第1逆止弁25a、第2膨張弁23bが設けられている。
冷媒回路20には、吸熱器15の冷媒流出側と、圧縮機21の冷媒吸入側とを接続する冷媒流通路20d(特許請求の範囲における「第4冷媒流通路」に相当)が形成されている。冷媒流通路20dには、吸熱器15側から順に、第2逆止弁25b、アキュムレータ26が設けられている。
冷媒回路20において、冷媒流通路20bにおける放熱器16と第1膨張弁23aとの間には、室外熱交換器22を迂回し、冷媒流通路20cにおける第1逆止弁25aと第2膨張弁23bとの間を接続する冷媒流通路20e(特許請求の範囲における「第3冷媒流通路」に相当)が形成されている。冷媒流通路20eには、第1電磁弁24aが設けられている。
冷媒回路20において、冷媒流通路20cにおける室外熱交換器22と第1逆止弁25aとの間には、冷媒流通路20dにおける吸熱器15と第2逆止弁25bとの間を接続する冷媒流通路20f(特許請求の範囲における「第5冷媒流通路」に相当)が形成されている。冷媒流通路20fには、第2電磁弁24bが設けられている。
冷媒回路20において、第1逆止弁25aと第2膨張弁23bとの間には、熱媒体―冷媒熱交換器27の冷媒流入側と接続し、熱媒体―冷媒熱交換器27の冷媒流出側から冷媒流通路20dにおける第2逆止弁25bとアキュムレータ26との間を接続する冷媒流通路20gが形成されている。冷媒流通路20gにおける熱媒体―冷媒熱交換器27の冷媒流入側には、第3膨張弁23cが設けられている。冷媒流通路20gは、冷媒流通路20cから分流した冷媒を、熱媒体―冷媒熱交換器27を経由させた後、冷媒流通路20dに流通させるための流路である。冷媒回路20において、冷媒流通路20gに高圧液状の冷媒(高圧液冷媒)が流入されると、この高圧液冷媒が第3膨張弁23cによって減圧され、熱媒体―冷媒熱交換器27に流入する。熱媒体―冷媒熱交換器27に流入した冷媒は、熱媒体―冷媒熱交換器27内で蒸発して機器冷却部30内を流通する熱媒体と熱交換される。
<機器冷却部>
機器冷却部30は、冷却対象機器100であるバッテリに熱媒体(例えば水、HFO―1234yfのような冷媒、クーラントなどの液体、空気)を循環させて冷却対象機器100の温度調整をするための回路で構成される。
機器冷却部30は、熱媒体を循環させる循環装置としての循環ポンプ31を備えている。機器冷却部30は、循環ポンプ31、熱媒体―冷媒熱交換器27及び冷却対象機器100が熱媒体配管により環状に接続されることで、熱媒体流通路30aが形成される。
図1において、熱媒体流通路30aは、熱媒体配管により、循環ポンプ31の熱媒体吐出側と、熱媒体―冷媒熱交換器27の熱媒体流入側とが接続され、熱媒体―冷媒熱交換器27の熱媒体流出側と冷却対象機器100の熱媒体流入側とが接続され、冷却対象機器100の熱媒体流出側と循環ポンプ31の熱媒体吸入側(流入側)とが接続される。
機器冷却部30において、循環ポンプ31が運転されると、循環ポンプ31から吐出された熱媒体は、熱媒体―冷媒熱交換器27に流入する。熱媒体―冷媒熱交換器27によって冷媒回路20の冷媒と熱交換された熱媒体は、熱媒体―冷媒熱交換器27から流出して冷却対象機器100に流入し、冷却対象機器100と熱交換した後、再び循環ポンプ31に吸入されることで循環される。
<制御装置>
制御装置40は、CPU、ROM、RAMなどを含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路で構成されるECU(Electronic Control Unit)からなる。制御装置40は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種制御対象の作動を制御する。
制御装置40には、図2に示すように、車室外の温度を検出するための外気温度センサ41と、車室内の温度を検出するための内気温度センサ42と、吸熱器15の温度(吸熱器15を通過した空気の温度、吸熱器15自体の温度、又は吸熱器15を出た直後の冷媒の温度)を検出するための吸熱器温度センサ43と、放熱器16の温度(放熱器16を通過した空気の温度、放熱器16自体の温度、又は放熱器16を出た直後の冷媒の温度)を検出するための放熱器温度センサ44と、車室内の湿度を検出するための内気湿度センサ45と、吹出口15から車室内に吹き出される空気の温度を検出するための吹出温度センサ46と、吸熱器15の冷媒圧力(吸熱器15内、又は吸熱器15を出た直後の冷媒の圧力)を検出するための吸熱器圧力センサ47と、放熱器16の冷媒圧力(放熱器16内、又は放熱器16を出た直後の冷媒の圧力)を検出するための放熱器圧力センサ48と、圧縮機21の吐出冷媒圧力を検出するための吐出圧力センサ49と、圧縮機21に吸入される冷媒の温度及び吐出される冷媒の温度を検出するための圧縮機温度センサ50と、圧縮機21の吸入冷媒圧力を検出するための吸入圧力センサ51と、室外熱交換器22の温度(室外熱交換器22自体の温度、又は室外熱交換器22から出た直後の冷媒の温度)を検出するための室外熱交換器温度センサ52と、室外熱交換器22の冷媒圧力(室外熱交換器22内、又は室外熱交換器22から出た直後の冷媒の圧力)を検出するための室外熱交換器圧力センサ53と、日射量を検出するための例えばフォトセンサ式の日射センサ54と、車両の速度を検出するための速度センサ55と、冷却対象機器100の温度(冷却対象機器100自体の温度、冷却対象機器100を出た熱媒体の温度、又は冷却対象機器100に入る熱媒体の温度)を検出するための機器温度センサ56と、搭乗者による車室内の設定温度の設定や空調の運転内容の切換えに関する設定を行うための設定操作部57と、が接続されている。上述した各センサ類は、車室内(又は車室外)において検出対象となる情報が検出可能な位置に設置されている。
また、制御装置40には、図2に示すように、室内送風機14と、エアミックスダンパ17と、圧縮機21と、室外送風機22aと、膨張弁23(第1膨張弁23a〜第3膨張弁23c)及び電磁弁24(第1電磁弁24a、第2電磁弁24b)を含む制御弁28が接続されている。
制御装置40は、各センサ類で検出された情報と、設定操作部57からの操作信号に基づいて接続される各部の駆動制御を行い、運転モードとして、空調ユニット10及び冷媒回路20を駆動して車室内の空調を管理する「空調モード」と、冷媒回路20内の不具合発生時(特に、制御弁28の開閉制御ができない故障のとき)に冷却対象機器100の冷却又は冷却対象機器100の冷却と車室内の空調管理を同時に行う「機器冷却モード」を適宜実行する。
次に、本実施形態に係る車両用空気調和装置1における運転モードである「空調モード」について説明する。
空調モードは、車室内の温度/湿度調整などの空調管理を行うモードであって、車室内の温度を低下させる冷房運転を行う「冷房モード」と、車室内の湿度を低下させると共に温度を低下させる除湿冷房運転を行う「除湿冷房モード」と、車室内の温度を上昇させる暖房運転を行う「暖房モード」と、車室内の湿度を低下させると共に温度を上昇させる除湿暖房運転を行う「除湿暖房モード」とを含む。
<冷房モード>
冷房モードでは、空調ユニット10において、室内送風機14を駆動させると共に、放熱器16側に空気が流入されないようにエアミックスダンパ17の開度が設定される。また、冷媒回路20においては、第1膨張弁23aを全開とし、第2膨張弁23bを所定の弁開度とし、第1電磁弁24a及び第2電磁弁24bを閉鎖した状態で圧縮機21を駆動させる。
これにより、冷媒回路20を流通する冷媒は、圧縮機21から吐出された後、放熱器16と第1膨張弁23aを通過して、室外熱交換器22に流入する。室外熱交換器22に流入した冷媒は、室外送風機22aにて通風される外気によって空冷され、凝縮する。
室外熱交換器22から流出される冷媒は、第1逆止弁25aを通過して第2膨張弁23bに到達すると、減圧された後、吸熱器15に流入して蒸発する。その後、吸熱器15から流出される冷媒は、第2逆止弁25bを通過してアキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。冷媒は、上記経路を辿って冷媒回路20内を循環する。
空気流通路11を流通する空気は、吸熱器15内で吸熱する冷媒と熱交換されることによって目標吹出温度まで冷却されて車室内に吹き出される。
<除湿冷房モード>
除湿冷房モードでは、空調ユニット10において、バイパス流通路11aとエアミックスダンパ17の両方に通風されるように開度が設定される。また、冷媒回路20においては、第1膨張弁23aを全開とし、第2膨張弁23bを所定の弁開度とし、第1電磁弁24a及び第2電磁弁24bを閉鎖した状態で圧縮機21を駆動させる。
これにより、冷媒回路20を流通する冷媒は、圧縮機21から吐出された後、放熱器16に流入し、空気流通路11内の空気と熱交換することで熱を奪われ冷却され、凝縮する。放熱器16から流出される冷媒は、第1膨張弁23aに到達すると、減圧された後、室外熱交換器22に流入する。室外熱交換器22に流入した冷媒は、室外送風機22aにて通風される外気により冷却され、凝縮する。
室外熱交換器22から流出される冷媒は、第1逆止弁25aを通過して第2膨張弁23bに到達すると、減圧された後、吸熱器15に流入して蒸発する。その後、吸熱器15から流出した冷媒は、第2逆止弁25bを通過してアキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。冷媒は、上記経路を辿って冷媒回路20内を循環する。
空気流通路11を流通する空気は、吸熱器15内で吸熱する冷媒と熱交換することによって冷却及び除湿され、放熱器16内で放熱する冷媒と熱交換することで再加熱され、目標吹出温度に調整されて車室内に吹き出される。
<暖房モード>
暖房モードでは、空調ユニット10において、室内送風機14を駆動させると共に、空気が放熱器16に通風されるようにエアミックスダンパ17の開度が設定される。また、冷媒回路20おいては、第1膨張弁23aを全開よりも小さい所定の弁開度とし、第2膨張弁23bと第1電磁弁24aを閉鎖し、第2電磁弁24bを全開にした状態で圧縮機21を駆動させる。
これにより、冷媒回路20を流通する冷媒は、圧縮機21から吐出された後、放熱器16に流入し、空気流通路11内の空気と熱交換することで熱を奪われ冷却され、凝縮する。放熱器16から流出される冷媒は、第1膨張弁23aに到達すると、減圧された後、室外熱交換器22に流入する。室外熱交換器22に流入した冷媒は、蒸発して室外送風機22aにて通風される外気から吸熱する。
室外熱交換器22から流出される冷媒は、第2電磁弁24b、第2逆止弁25bを通過してアキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。冷媒は、上記経路を辿って冷媒回路20内を循環する。
空気流通路11を流通する空気は、放熱器16内で放熱する冷媒と熱交換することで加熱され、目標吹出温度に調整されて車室内に吹き出される。
<除湿暖房モード>
除湿暖房モードは、第1除湿暖房モードと、第2除湿暖房モードを含む。
(第1除湿暖房モード)
第1除湿暖房モードでは、空調ユニット10において、室内送風機14を駆動させると共に、バイパス流通路11aとエアミックスダンパ17の両方に通風されるように開度が設定される。また、冷媒回路20おいては、第1膨張弁23a及び第2膨張弁23bをそれぞれ全開よりも小さい所定の弁開度とし、第1電磁弁24a及び第2電磁弁24bを閉鎖した状態で圧縮機21を駆動させる。
これにより、冷媒回路20を流通する冷媒は、圧縮機21から吐出された後、放熱器16に流入し、空気流通路11内の空気と熱交換することで熱を奪われ冷却され、凝縮する。放熱器16から流出される冷媒は、第1膨張弁23aに到達すると、減圧された後、室外熱交換器22に流入する。室外熱交換器22に流入した冷媒は、蒸発して室外送風機22aにて通風される外気から吸熱する。
室外熱交換器22から流出される冷媒は、第1逆止弁25aを通過して第2膨張弁23bに到達すると、減圧された後、吸熱器15に流入して蒸発する。その後、吸熱器15から流出される冷媒は、第2逆止弁25bを通過してアキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。冷媒は、上記経路を辿って冷媒回路20内を循環する。
空気流通路11を流通する空気は、吸熱器15内で吸熱する冷媒と熱交換することによって除湿されると共に冷却され、放熱器16内で放熱する冷媒と熱交換することによって加熱され、目標吹出温度に調整されて車室内に吹き出される。
(第2除湿暖房モード)
第2除湿暖房モードでは、空調ユニット10において、室内送風機14を駆動させると共に、バイパス流通路11aとエアミックスダンパ17の両方に通風されるように開度が設定される。また、冷媒回路20においては、第1膨張弁23aを閉鎖し、第2膨張弁23bを所定の弁開度とし、第1電磁弁24aを開放し、第2電磁弁24bを閉鎖した状態で圧縮機21を駆動させる。
これにより、冷媒回路20を流通する冷媒は、圧縮機21から吐出された後、放熱器16に流入し、空気流通路11内の空気と熱交換することで熱を奪われ冷却され、凝縮する。放熱器16から流出される冷媒は、第1電磁弁24aを通過して第2膨張弁23bに到達すると、減圧された後、吸熱器15に流入して蒸発する。その後、吸熱器15から流出される冷媒は、第2逆止弁25bを通過してアキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。冷媒は、上記経路を辿って冷媒回路20内を循環する。
空気流通路11を流通する空気は、吸熱器15内で吸熱する冷媒と熱交換することによって冷却され、放熱器16内で放熱する冷媒と熱交換することによって加熱され、目標吹出温度に調整されて車室内に吹き出される。
次に、図3〜図6を参照しながら本実施形態に係る空気調和装置1で実行される「機器冷却モード」について説明する。なお、各図に示す矢印は、対応するモードを実行した際の冷媒の流れを示している。
「機器冷却モード」は、冷媒回路20内の制御弁28(膨張弁23、電磁弁24を含む)が開閉制御できないような異常が発生した状態で、冷却対象機器100の冷却が必要と判断されたときに実行されるモードである。機器冷却モードが実行されると、熱媒体―冷媒熱交換器27において冷媒と機器冷却部30内を流通する熱媒体とを熱交換させて冷却対象機器100を冷却させるため、高圧液冷媒が冷媒流通路20gの上流側まで流通される。
機器冷却モードには、冷却対象機器100のみを冷却させるモードとして、冷却対象機器100を単独で冷却させる「機器冷却単独モード」と、冷却対象機器100の冷却と並行して実行可能な空調運転を行うモードとして、冷却対象機器100の冷却と冷房モードによる車室内の空調管理を同時に行う「機器冷却・冷房モード」、冷却対象機器100の冷却と暖房モードによる車室内の空調管理を同時に行う「機器冷却・暖房モード」及び冷却対象機器100の冷却と除湿暖房モードによる車室内の空調管理を同時に行う「機器冷却・除湿暖房モード」が含まれる。なお、故障した制御弁28の故障状態によって、複数の機器冷却モードが選択可能な場合は、実行中の空調モードに基づいて適切なモードが選択される。
機器冷却モードに含まれる各モードは、制御装置40により、冷媒回路20内の制御弁28である膨張弁23と電磁弁24のうち、故障により開閉制御できない弁と、その弁の故障状態(全開したまま閉じない「開故障」又は全閉したまま開かない「閉故障」)に基づいて選択される。なお、制御装置40が故障した制御弁28及びその弁の故障状態を特定するための処理については、後段にて説明する。
<機器冷却単独モード>
機器冷却単独モードは、車室内の空調管理を行わず、冷却対象機器100の冷却のみを目的とするモードである。機器冷却単独モードは、故障した制御弁28及び故障状態として、第1膨張弁23aの「開故障」、第2膨張弁23bの「閉故障」、第1電磁弁24aの「閉故障」、第2電磁弁24bの「閉故障」の何れかの故障のときに選択される。
図3に示すように、機器冷却単独モード時の冷媒回路20内の冷媒は、圧縮機21から吐出されると、放熱器16、第1膨張弁23aの順に通過して、室外熱交換器22に流入する。室外熱交換器22に流入した冷媒は、室外送風機22aにて通風される外気によって空冷され凝縮する。
室外熱交換器22から流出される高圧液状の冷媒は、第1逆止弁25aを通過して高圧液状の冷媒が冷媒流通路20gに到達する。冷媒流通路20gに到達した冷媒は、第3膨張弁23cに到達すると、減圧された後、熱媒体―冷媒熱交換器27に流入して蒸発する。その後、熱媒体―冷媒熱交換器27から流出される冷媒は、アキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。
機器冷却単独モードでは、放熱器16又は室外熱交換器22の少なくとも一方が凝縮器として機能し、熱媒体―冷媒熱交換器27が蒸発器として機能し、熱媒体―冷媒熱交換器27内で蒸発する冷媒によって機器冷却部30内の熱媒体が熱交換され冷却される。
<機器冷却・冷房モード>
機器冷却・冷房モードは、車室内の空調管理を冷房モードで行いつつ、冷却対象機器100の冷却を同時に行うモードである。機器冷却・冷房モードは、故障した制御弁28及び故障状態として、第1膨張弁23aの「開故障」、第2膨張弁23bの「開故障」、第1電磁弁24aの「閉故障」、第2電磁弁24bの「閉故障」の何れかの故障のときに選択される。
図4に示すように、機器冷却・冷房モード時の冷媒回路20内の冷媒は、圧縮機21から吐出されると、放熱器16、第1膨張弁23aの順に通過して、室外熱交換器22に流入する。室外熱交換器22に流入した冷媒は、室外送風機22aにて通風される外気によって空冷され凝縮する。
室外熱交換器22から流出される高圧液状の冷媒は、第1逆止弁25aを通過した後、冷媒流通路20cを通って第2膨張弁23bに到達すると共に、冷媒流通路20cから冷媒流通路20gに分流して第3膨張弁23cに到達する。
第2膨張弁23bに到達した冷媒は、減圧された後、吸熱器15に流入して蒸発する。その後、吸熱器15から流出される冷媒は、第2逆止弁25bを通過してアキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。
また、第3膨張弁23cに到達した冷媒は、減圧された後、熱媒体―冷媒熱交換器27に流入して蒸発する。その後、熱媒体―冷媒熱交換器27から流出される冷媒は、アキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。
機器冷却・冷房モードでは、放熱器16と室外熱交換器22の少なくとも一方が凝縮器として機能し、吸熱器15と熱媒体―冷媒熱交換器27が蒸発器として機能する。空調ユニット10を流通する空気は、吸熱器15内で蒸発する冷媒によって熱交換され冷却される。また、機器冷却部30内を流通する熱媒体は、熱媒体―冷媒熱交換器27内で蒸発する冷媒によって熱交換され冷却される。
なお、機器冷却・冷房モードは、第2膨張弁23bが「開故障」のときに選択されるが、通常の冷房モードでは、第2膨張弁23bを所定の開度に制御して減圧させる必要がある。しかしながら、高圧液冷媒は、室外熱交換器22から流通される過程である程度減圧されるため、吸熱器15に流入する際に第2膨張弁23bが開故障であっても所定の冷却機能は確保される。
<機器冷却・暖房モード>
機器冷却・暖房モードは、車室内の空調管理を暖房モードで行いつつ、冷却対象機器100の冷却を同時に行うモードである。機器冷却・暖房モードは、故障した制御弁28及び故障状態として、第1膨張弁23aの「閉故障」、第2膨張弁23bの「閉故障」、第1電磁弁24aの「開故障」、第2電磁弁24bの「開故障」の何れかの故障のときに選択される。
図5に示すように、機器冷却・暖房モード時の冷媒回路20内の冷媒は、圧縮機21から吐出されると、放熱器16に流入し、空気流通路11内の空気と熱交換することで熱を奪われ冷却され、凝縮する。
放熱器16から流出される高圧液状の冷媒は、第1膨張弁23aに到達すると、減圧された後、室外熱交換器22に流入する。室外熱交換器22に流入した冷媒は、蒸発して室外送風機22aにて通風される外気を吸熱する。
室外熱交換器22から流出される冷媒は、第2電磁弁24b、第2逆止弁25bを通過してアキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。
また、放熱器16から流出される高圧液状の冷媒の一部は、第1電磁弁24aを通過して冷媒流通路20eを迂回し、冷媒流通路20cから冷媒流通路20gに分流して第3膨張弁23cに到達する。
第3膨張弁23cに到達した冷媒は、減圧された後、熱媒体―冷媒熱交換器27に流入して蒸発する。その後、熱媒体―冷媒熱交換器27から流出される冷媒は、アキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。
機器冷却・暖房モードでは、放熱器16が凝縮器として機能し、室外熱交換器22と熱媒体―冷媒熱交換器27のうち少なくとも一方が蒸発器として機能する。空調ユニット10を流通する空気は、放熱器16内で放熱する冷媒によって熱交換され加熱される。また、機器冷却部30内を流通する熱媒体は、熱媒体―冷媒熱交換器27内で蒸発する冷媒によって熱交換され冷却される。
また、上述した機器冷却・暖房モードの冷媒の流れは、制御弁28の故障箇所及び故障状態に応じて冷媒の流れ方向が一部制限されることもあるが、少なくとも高圧液冷媒は、冷媒流通路20gに到達するように流通される。
<機器冷却・除湿暖房モード>
機器冷却・除湿暖房モードは、車室内の空調管理を除湿暖房モード(第1除湿暖房モード又は第2除湿暖房モード)で行いつつ、冷却対象機器100の冷却を同時に行うモードである。機器冷却・除湿暖房モードは、故障した制御弁28及び故障状態として、第1膨張弁23aの「閉故障」、第2膨張弁23bの「開故障」、第1電磁弁24aの「開故障」、第2電磁弁24bの「開故障」の何れかの故障のときに選択される。
図6に示すように、機器冷却・除湿暖房モード時の冷媒回路20内の冷媒は、圧縮機21から吐出されると、放熱器16に流入し、空気流通路11内の空気と熱交換することで熱を奪われ冷却され、凝縮する。
放熱器16から流出される高圧液状の冷媒は、第1膨張弁23aに到達すると、減圧された後、室外熱交換器22に流入する。室外熱交換器22に流入した冷媒は、蒸発して室外送風機22aにて通風される外気を吸熱する。
室外熱交換器22から流出される冷媒は、第2電磁弁24b、第2逆止弁25bを通過してアキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。
また、放熱器16から流出される高圧液状の冷媒の一部は、第1電磁弁を通過して冷媒流通路20eを迂回し、冷媒流通路20cを通って第2膨張弁23bに到達すると共に、冷媒流通路20cから冷媒流通路20gに分流して第3膨張弁23cに到達する。
第2膨張弁23bに到達した冷媒は、減圧された後、吸熱器15に流入して蒸発する。その後、吸熱器15から流出される冷媒は、第2逆止弁25bを通過してアキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。
第3膨張弁23cに到達した冷媒は、減圧された後、熱媒体―冷媒熱交換器27に流入して蒸発する。その後、熱媒体―冷媒熱交換器27から流出される冷媒は、アキュムレータ26に流入し、気液分離された後、圧縮機21に吸入される。
機器冷却・除湿暖房モードでは、放熱器16が凝縮器として機能し、吸熱器15、室外熱交換器22及び熱媒体―冷媒熱交換器27のうち少なくとも熱媒体―冷媒熱交換器27と吸熱器15が蒸発器として機能する。空調ユニット10を流通する空気は、吸熱器15内で吸熱する冷媒と熱交換することによって除湿されると共に冷却され、放熱器16内で放熱する冷媒と熱交換することによって加熱される。また、機器冷却部30内を流通する熱媒体は、熱媒体―冷媒熱交換器27内で蒸発する冷媒によって熱交換され冷却される。
なお、機器冷却・除湿暖房モードは、第2膨張弁23bが「開故障」のときに選択されるが、通常の除湿暖房モードでは、第2膨張弁23bを所定の開度に制御して減圧させる必要がある。しかしながら、高圧液冷媒は、室外熱交換器22から流通される過程である程度減圧されるため、吸熱器15に流入する際に第2膨張弁23bが開故障であっても所定の除湿冷却機能は確保される。
また、上述した機器冷却・除湿暖房モードの冷媒の流れは、制御弁28の故障箇所及び故障状態に応じて冷媒の流れ方向が一部制限されることもあるが、少なくとも高圧液冷媒は、冷媒流通路20gに到達するように流通される。
以上のように、本実施形態に係る車両用空気調和装置1では、機器冷却モードとして上述した4種類のモードが設定されており、制御装置40は、故障により開閉制御できない制御弁28の故障状態、現在稼働中の空調モードの種類などに基づいて、凝縮された高圧液冷媒を冷媒流通路20gまで到達させることが可能なモードを選択し実行する。また、制御装置40は、選択されたモードにおいて、例えば冷媒流通路20eのような迂回ルートが使用可能なモードについては、制御弁28の故障状態に応じて迂回ルート上の制御弁28の開閉制御を行って、高圧液冷媒が冷媒流通路20gまで到達するようにしている。そのため、機器冷却モードによっては、故障した制御弁28の設置箇所及び故障状態に応じて冷媒の流れ方向が複数存在するモードもあり、また冷媒の流れ方向に応じて凝縮器、蒸発器として機能させる機器も適宜選択される。
なお、制御装置40は、第3膨張弁23cが開閉制御できない状態となったとき、又は故障した制御弁28及び故障した制御弁28の故障状態の特定(開故障、閉故障の特定)が困難なときは、機器冷却モードによる機器冷却機能が正常に機能しない虞があるため、機器冷却モードによる運転を停止させる、又は車室内の空調を維持して車両の窓ガラスに曇りが発生することを未然に回避させる故障時空調モードに運転モードを切り換える処理を行う。
[故障判断方法]
次に、本実施形態に係る空気調和装置1における膨張弁23、電磁弁24の故障判断方法について説明する。
制御装置40は、膨張弁23と電磁弁24を含む各制御弁28の故障判断方法として、「電気的な故障判断方法」と、「冷媒回路の異常に基づく故障判断方法」の2つの方法を適宜用いて故障により開閉制御できない制御弁28を特定してその弁の故障状態を判断する機能を備えている。なお、故障判断方法としては、例えば「特開2016−107745号公報」、「特開2017−154521号公報」に開示される方法を採用してよい。
<電気的な故障判断方法>
電気的な故障判断方法として、制御装置40は、例えば制御弁28の開閉制御時に印加される電圧を監視するなど、各種制御弁28のコイル、配線の断線、短絡が生じているか否かを電気的に常時監視することで、故障により開閉制御できない制御弁28とその故障状態(全開したまま閉じない「開故障」又は全閉したまま開かない「閉故障」)を特定する。
<冷媒回路の稼働状態に基づく故障判断方法>
冷媒回路の稼働状態に基づく故障判断方法として、制御装置40は、実行される空調モードに基づいて監視対象となるセンサを選定し、選定されたセンサからの各種情報(温度情報、圧力情報など)に基づいて、現在の空調モードにおいて冷媒回路20が正常に稼働しているか否かを判断して、故障により開閉制御できない制御弁28及び故障状態を特定する。また、制御装置40は、選定されたセンサからの各種情報と、冷媒回路20の稼働状態に基づいて、故障により開閉制御できない制御弁28及びその弁の故障状態を予測してよい。制御装置40は、これら判断結果から冷媒回路20の稼働に何らかの異常があると判断すると、その異常の要因となる故障中の制御弁28と、その制御弁28の故障状態(「開故障」又は「閉故障」)に基づいて、実行可能な機器冷却モードを選択する。
[処理動作]
次に、図7、図8を参照しながら、本実施形態に係る空気調和装置1の処理動作について説明する。図7は、制御弁28の異常発生時の処理内容を示すフローチャートであり、図8は、機器冷却モードが選択された際の処理内容を示すフローチャートである。
なお、以下に説明する各動作については、例示的な順序でステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。よって、図7、図8に示す各フローチャートについて、処理結果に矛盾が生じない限り、順序を入れ換えることが可能である。
<制御弁異常発生時の処理>
まず、図7を参照しながら制御弁28の異常発生時の処理について説明する。
図7に示すように、制御装置40は、故障判断部として機能し、設定された空調モードによって運転している際に、冷媒回路20内の制御弁28に何らかの異常があるか否かの判断を行う(ST1)。
ST1において、制御装置40は、制御弁28に異常があると判断すると(ST1−Yes)、機器冷却判断部として機能し、冷却対象機器100の冷却が必要か否かの判断を行う(ST2)。
一方、ST1において、制御装置40は、制御弁28に異常がないと判断すると(ST1−No)、実行中の空調モードを継続させ(ST3)、処理を終了する。
ST2において、制御装置40は、冷却対象機器100の冷却指示があると判断すると(ST2−Yes)、故障判断部として機能し、故障している制御弁28及びその弁の故障状態を特定する(ST4)。
一方、ST2において、制御装置40は、冷却対象機器100の冷却が必要ないと判断すると(ST2−No)、制御弁28が故障しているため、空調モードの実行を停止又は故障時空調モードなどに運転モードを切り換えて(ST5)、処理を終了する。
ST4において、制御装置40は、故障した制御弁28とその弁の故障状態を特定すると、モード実行処理部として機能し、特定された故障中の制御弁28の故障状態に応じて機器冷却モードを選択し、機器冷却モードを実行する(ST6)。なお、機器冷却モードにおける処理内容については、図8を参照しながら後段にて詳述する。
<機器冷却モードの処理>
次に、図8を参照しながら機器冷却モードの処理について説明する。
図8に示すように、制御装置40は、機器冷却モードが開始されると、故障判断部として機能し、故障した制御弁28が「第1膨張弁23a」であり、故障状態が「閉故障」であるか否かを判断する(ST61)。
ST61において、制御装置40は、第1膨張弁23aが閉故障したと判断すると(ST61−Yes)、モード実行処理部として機能し、この故障状態に対応可能な機器冷却モードを選択し、そのモードに応じた処理を実行する(ST62)。ST62において、第1膨張弁23aが閉故障したときに対応可能な機器冷却モードは、「機器冷却・暖房モード」又は「機器冷却・除湿暖房モード」である。これらモードは、現在稼働中の空調モードに基づいて選択される。
一方、ST61において、制御装置40は、第1膨張弁23aが閉故障していないと判断すると(ST61−No)、次に、故障判断部として機能し、故障した制御弁28が「第2膨張弁23b」であり、故障状態が「閉故障」であるか否かを判断する(ST63)。
ST63において、制御装置40は、第2膨張弁23bが閉故障したと判断すると(ST63−Yes)、モード実行処理部として機能し、この故障状態に対応可能な機器冷却モードを選択し、そのモードに応じた処理を実行する(ST64)。ST64において、第2膨張弁23bが閉故障したときに対応可能な機器冷却モードは、「機器冷却単独モード」又は「機器冷却・暖房モード」である。これらモードは、現在実行中の空調モードに基づいて選択される。
一方、ST63において、制御装置40は、第2膨張弁23bが閉故障していないと判断すると(ST63−No)、次に、故障判断部として機能し、故障した制御弁28が「第1電磁弁24a」であり、故障状態が「閉故障」であるか否かを判断する(ST65)。
ST65において、制御装置40は、第1電磁弁24aが閉故障したと判断すると(ST65−Yes)、モード実行処理部として機能し、この故障状態に対応可能な機器冷却モードを選択し、そのモードに応じた処理を実行する(ST66)。ST66において、第1電磁弁24aが閉故障したときに対応可能な機器冷却モードは、「機器冷却単独モード」又は「機器冷却・冷房モード」である。これらモードは、現在実行中の空調モードに基づいて選択される。
一方、ST65において、制御装置40は、第1電磁弁24aが閉故障していないと判断すると(ST65−No)、次に、故障判断部として機能し、故障した制御弁28が「第2電磁弁24b」であり、故障状態が「閉故障」であるか否かを判断する(ST67)。
ST67において、制御装置40は、第2電磁弁24bが閉故障したと判断すると(ST67−Yes)、モード実行処理部として機能し、この故障状態に対応可能な機器冷却モードを選択し、そのモードに応じた処理を実行する(ST68)。ST68において、第2電磁弁24bが閉故障したときに対応可能な機器冷却モードは、「機器冷却単独モード」又は「機器冷却・冷房モード」である。これらモードは、現在実行中の空調モードに基づいて選択される。
一方、ST67において、制御装置40は、第2電磁弁24bが閉故障していないと判断すると(ST67−No)、次に、故障判断部として機能し、故障した制御弁28が「第1膨張弁23a」であり、故障状態が「開故障」であるか否かを判断する(ST69)。
ST69において、制御装置40は、第1膨張弁23aが開故障したと判断すると(ST69−Yes)、モード実行処理部として機能し、この故障状態に対応可能な機器冷却モードを選択し、そのモードに応じた処理を実行する(ST70)。ST70において、第1膨張弁23aが開故障したときに対応可能な機器冷却モードは、「機器冷却単独モード」又は「機器冷却・冷房モード」である。これらモードは、現在実行中の空調モードに基づいて選択される。
一方、ST69において、制御装置40は、第1膨張弁23aが開故障していないと判断すると(ST69−No)、次に、故障判断部として機能し、故障した制御弁28が「第2膨張弁23b」であり、故障状態が「開故障」であるか否かを判断する(ST71)。
ST71において、制御装置40は、第2膨張弁23bが開故障したと判断すると(ST71−Yes)、モード実行処理部として機能し、この故障状態に対応可能な機器冷却モードを選択し、そのモードに応じた処理を実行する(ST72)。ST72において、第2膨張弁23bが開故障したときに対応可能な機器冷却モードは、「機器冷却・冷房モード」又は「機器冷却・除湿暖房モード」である。これらモードは、現在実行中の空調モードに基づいて選択される。
一方、ST71において、制御装置40は、第2膨張弁23bが閉故障していないと判断すると(ST71−No)、次に、故障判断部として機能し、故障した制御弁28が「第1電磁弁24a」であり、故障状態が「開故障」であるか否かを判断する(ST73)。
ST73において、制御装置40は、第1電磁弁24aが開故障したと判断すると(ST73−Yes)、モード実行処理部として機能し、この故障状態に対応可能な機器冷却モードを選択し、そのモードに応じた処理を実行する(ST74)。ST74において、第1電磁弁24aが開故障したときに対応可能な機器冷却モードは、「機器冷却・暖房モード」又は「機器冷却・除湿暖房モード」である。これらモードは、現在実行中の空調モードに基づいて選択される。
一方、ST73において、制御装置40は、第1電磁弁24aが閉故障していないと判断すると(ST73−No)、次に、故障判断部として機能し、故障した制御弁28が「第2電磁弁24b」であり、故障状態が「開故障」であるか否かを判断する(ST75)。
ST75において、制御装置40は、第2電磁弁24bが開故障したと判断すると(ST75−Yes)、モード実行処理部として機能し、この故障状態に対応可能な機器冷却モードを選択し、そのモードに応じた処理を実行する(ST76)。ST76において、第2電磁弁24bが開故障したときに対応可能な機器冷却モードは、「機器冷却・暖房モード」又は「機器冷却・除湿暖房モード」である。これらモードは、現在実行中の空調モードに基づいて選択される。
一方、ST75において、制御装置40は、第2電磁弁24bが閉故障していないと判断すると(ST75−No)、第3膨張弁23cが故障したとき、又は故障した制御弁28及び故障状態が特定できないときであるため、機器冷却モードを実行せずに、空調モードの実行を停止又は故障時空調モードなどに運転モードを切り換えて(ST77)、処理を終了する。
[作用効果]
以上説明したように、本実施形態に係る車両用空気調和装置1は、車室内に供給する空気が流通する空気流通路11と、冷媒を圧縮する圧縮機21と、冷媒を放熱させる放熱器16と、冷媒を吸熱させる吸熱器15と、車室外に設けられ冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器22と、冷媒を減圧させる第1膨張弁23a、第2膨張弁23bと、冷媒の流れを切り換える第1電磁弁24a、第2電磁弁24bとを含む複数の制御弁28と、を含む冷媒回路20と、車両に搭載された冷却対象機器100を冷却させる熱媒体を循環させて冷却対象機器100の温度を調整する機器冷却部30と、吸熱器15と並列接続され、室外熱交換器22と吸熱器15との間に形成される第1冷媒流通路となる冷媒流通路20cから分岐して流通される冷媒に吸熱させて熱媒体の熱交換を行う熱媒体―冷媒熱交換器27と、制御弁28が開閉制御できない故障のときに、冷却対象機器100の冷却が必要と判断されると、放熱器16又は室外熱交換器22から流出した高圧液状の冷媒が熱媒体―冷媒熱交換器27の上流側に流通可能なように冷媒の流れを制御する機器冷却モードを、故障した制御弁28の故障状態に基づいて選択し実行する制御装置40と、を備えている。
このため、冷媒回路20の制御弁28に開閉制御できないような不具合が発生した場合であっても、熱媒体―冷媒熱交換器27に高圧液状の冷媒を流通させることが可能となるため、機器冷却部30において熱媒体が冷却され、冷却対象機器100の温度を適切な温度に調整することができる。よって、駆動に伴い発熱する冷却対象機器100が高温状態となったときに生じる性能低下及び寿命へ悪影響を防止することができる。
また、本実施形態に係る車両用空気調和装置1において、制御装置40は、機器冷却モードとして、第1膨張弁23aの開故障、第2膨張弁23bの閉故障、第1電磁弁24aの閉故障、第2電磁弁24bの閉故障の何れかの故障があると判断されたときに選択される「機器冷却単独モード」と、第1膨張弁23aの開故障、第2膨張弁23bの開故障、第1電磁弁24aの閉故障、第2電磁弁24bの閉故障の何れかの故障があると判断されたときに選択される「機器冷却・冷房モード」と、第1膨張弁23aの閉故障、第2膨張弁23bの閉故障、第1電磁弁24aの開故障、第2電磁弁24bの開故障の何れかの故障があると判断されたときに選択される「機器冷却・暖房モード」と、第1膨張弁23aの閉故障、第2膨張弁23bの開故障、第1電磁弁24aの開故障、第2電磁弁24bの開故障の何れかの故障があると判断されたときに選択される「機器冷却・除湿暖房モード」を、故障した制御弁28の故障状態と実行中の空調モードに応じて選択する。
このため、冷媒回路20内の制御弁28となる膨張弁23と電磁弁24のうち、開閉制御できない制御弁28の故障状態に応じて、高圧液状の冷媒を熱媒体―冷媒熱交換器27の上流側に到達させて冷却対象機器100の冷却が可能となるモードを選択することで、冷媒回路20内の制御弁28に開閉制御できない故障が起こったとしても、冷却対象機器100の冷却を可能な限り継続させることができる。
1 車両用空気調和装置
10 空調ユニット
11 空気流通路(11a バイパス流通路)
12 吸入口(12a 外気吸入口、12b 内気吸入口)
13 吸入口切換ダンパ
14 室内送風機
15 吸熱器
16 放熱器
17 エアミックスダンパ
20 冷媒回路(20a〜20g 冷媒流通路)
21 圧縮機
22 室外熱交換器
23 膨張弁(23a 第1膨張弁、23b 第2膨張弁、23c 第3膨張弁)
24 電磁弁(24a 第1電磁弁、24b 第2電磁弁)
25 逆止弁(25a 第1逆止弁、25b 第2逆止弁)
26 アキュムレータ
27 熱媒体―冷媒熱交換器
28 制御弁
30 機器冷却部(30a 熱媒体流通路)
31 循環ポンプ
40 制御装置

Claims (8)

  1. 車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    冷媒を圧縮する圧縮機と、前記冷媒を放熱させる放熱器と、前記冷媒を吸熱させる吸熱器と、車室外に設けられ前記冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器と、前記冷媒を減圧させる複数の膨張弁と前記冷媒の流れを切り換える複数の電磁弁とを含む複数の制御弁と、を含む冷媒回路と、
    車両に搭載された冷却対象機器を冷却させる熱媒体を循環させて前記冷却対象機器の温度を調整する機器冷却部と、
    前記室外熱交換器と前記吸熱器との間に形成される第1冷媒流通路から分岐して流通される前記冷媒に吸熱させて前記熱媒体の熱交換を行う室内熱交換器と、
    前記制御弁の開閉制御が可能か否かを判断する故障判断部と、
    前記冷却対象機器を冷却するか否かを判断する機器冷却判断部と、
    前記故障判断部で前記制御弁が開閉制御できないと判断され、前記機器冷却判断部で前記冷却対象機器の冷却が必要と判断されたとき、前記放熱器又は前記室外熱交換器から流出した高圧液状の前記冷媒が前記室内熱交換器の上流側に流通可能なように前記冷媒の流れを制御する機器冷却モードを、開閉制御できない前記制御弁の状態に基づいて実行するモード実行処理部と、
    を備えた、
    車両用空気調和装置。
  2. 前記冷媒回路には、
    前記放熱器と前記室外熱交換器との間に形成される第2冷媒流通路から分岐し、前記室外熱交換器を迂回して前記第1冷媒流通路に接続される第3冷媒流通路が形成される、
    請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  3. 前記膨張弁は、
    前記第2冷媒流通路上に設けられ前記室外熱交換器に流入する前記冷媒を減圧させる第1膨張弁と、
    前記第1冷媒流通路上に設けられ、前記吸熱器に流入する前記冷媒を減圧させる第2膨張弁と、
    を含む、
    請求項2に記載の車両用空気調和装置。
  4. 前記電磁弁は、
    前記第3冷媒流通路上に設けられた第1電磁弁と、
    前記第1冷媒流通路から分岐して前記吸熱器と前記圧縮機との間に形成される第4冷媒流通路に接続される第5冷媒流通路上に設けられた第2電磁弁と、
    を含む、
    請求項3に記載の車両用空気調和装置。
  5. 前記機器冷却モードには、
    前記故障判断部が、前記制御弁の故障状態として、前記第1膨張弁の開故障、前記第2膨張弁の閉故障、前記第1電磁弁の閉故障、前記第2電磁弁の閉故障の何れかの故障があると判断したときに選択されるモードであって、
    前記放熱器又は前記室外熱交換器の少なくとも一方を凝縮器として機能させ、
    前記室内熱交換器を蒸発器として機能させ、
    前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記凝縮器で放熱させ、放熱した高圧液状の前記冷媒を減圧した後、前記蒸発器で吸熱させて前記熱媒体を冷却する、
    機器冷却単独モードが含まれる、
    請求項4に記載の車両用空気調和装置。
  6. 前記機器冷却モードには、
    前記故障判断部が、前記制御弁の故障状態として、前記第1膨張弁の開故障、前記第2膨張弁の開故障、前記第1電磁弁の閉故障、前記第2電磁弁の閉故障の何れかの故障があると判断したときに選択されるモードであって、
    前記放熱器又は前記室外熱交換器の少なくとも一方を前記凝縮器として機能させ、
    前記室内熱交換器及び前記吸熱器を前記蒸発器として機能させ、
    前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記凝縮器で放熱させ、放熱した高圧液状の前記冷媒を減圧した後、前記蒸発器で吸熱させて前記熱媒体及び前記空気を冷却する、機器冷却・冷房モードが含まれる、
    請求項5に記載の車両用空気調和装置。
  7. 前記機器冷却モードには、
    前記故障判断部が、前記制御弁の故障状態として、前記第1膨張弁の閉故障、前記第2膨張弁の閉故障、前記第1電磁弁の開故障、前記第2電磁弁の開故障の何れかの故障があると判断したときに選択されるモードであって、
    前記放熱器を前記凝縮器として機能させ、
    前記室内熱交換器と前記室外熱交換器のうち、少なくとも前記室内熱交換器を前記蒸発器として機能させ、
    前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記凝縮器で放熱させて前記空気を加熱させ、放熱した高圧液状の前記冷媒を減圧した後、前記蒸発器で吸熱させて前記熱媒体を冷却させる、機器冷却・暖房モードが含まれる、
    請求項5又は6に記載の車両用空気調和装置。
  8. 前記機器冷却モードには、
    前記故障判断部が、前記制御弁の故障状態として、前記第1膨張弁の閉故障、前記第2膨張弁の開故障、前記第1電磁弁の開故障、前記第2電磁弁の開故障の何れかの故障があると判断したときに選択されるモードであって、
    前記放熱器を前記凝縮器として機能させ、
    前記室内熱交換器、前記室外熱交換器、前記吸熱器のうち、少なくとも前記室内熱交換器と前記吸熱器を前記蒸発器として機能させ、
    前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記凝縮器で放熱させて前記空気の一部を加熱させ、放熱した高圧液状の前記冷媒を減圧した後、前記蒸発器で吸熱させて前記熱媒体を冷却させると共に前記空気の一部を除湿させて冷却させる、機器冷却・除湿暖房モードが含まれる、
    請求項5〜7の何れか1項に記載の車両用空気調和装置。
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