JP2021020425A - コンクリートのスランプ特定方法及びスランプ特定システム - Google Patents
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Abstract
Description
実際のコンクリートの打設作業において、打設に供されるコンクリートが所定のコンシステンシー(軟らかさ)に関する規格を充足していることの確認は、ある一台のアジテータトラックからコンクリートの一部を採取してスランプ試験等を行い、スランプあるいはスランプフロー、あるいはそれらの双方を測定することにより行われている。しかしながら、この現場試験には手間を要することから、試験のためのサンプリングは打設コンクリートのボリュームが50m3乃至150m3ごとに一回行われており、アジテータトラックの台数に換算すると11台乃至35台程度ごとに一回行われることになる。
そして、サンプリングを行わないアジテータトラックについては、傾斜したシュートを流下するコンクリートの状態を施工管理者等が目視にて観察し、コンクリートの性状の良否を判断することが一般に行われているが、この判断結果は観察者の経験値に左右されることになる。
そして、特許文献1に記載の試験方法は、傾斜したシュートを流下するコンクリートの速度がスランプの大きさに関係すること、及びシュートの角度がコンクリートの流下速度に関係することを示す、公知文献(例えば、非特許文献1参照)を利用するものである。
従って、特許文献1に記載のフレッシュコンクリートの試験方法及び試験装置を適用した場合に、コンクリートの品質の良否が精度よく判断されているか否かは不明である。
サンプリングを行わないアジテータトラックから供給されるコンクリートにおいても、シュートを流下するコンクリートのスランプもしくはスランプフローが分かって初めて、通常の試験方法の代替えとしての利用価値が得られることになる。
傾斜したシュートを流下するコンクリートのスランプ特定方法であって、
コンクリートのスランプと、前記シュートを流下する該コンクリートの流下方向に直交する断面積と、該コンクリートの流下速度と、からなる三要素を変化させて、複数種の三要素間の相関グラフを求めておく、相関特定工程と、
前記シュートを用いたコンクリートの打設に当たり、該シュートにコンクリートを流下させた際のコンクリートの前記断面積を測定するとともに前記流下速度を測定もしくは算定し、前記相関グラフに対して該断面積及び該流下速度を適用することにより、該コンクリートのスランプを特定する、スランプ特定工程と、を有することを特徴とする。
前記経時変化グラフに対してコンクリートのスランプに関する管理基準値を設定し、該経時変化グラフと該管理基準値の関係を検証してスランプを管理するスランプ管理工程と、をさらに有することを特徴とする。
傾斜したシュートを流下するコンクリートのスランプ特定システムであって、
前記スランプ特定システムは、
格納部及び演算部を備えたスランプ特定装置と、
前記シュートを流下するコンクリートの流下方向に直交する断面積と流下速度の特定に用いられる該コンクリートを撮像する撮像機と、を少なくとも備え、
前記格納部には、コンクリートのスランプと、前記シュートを流下する該コンクリートの流下方向に直交する断面積と、該コンクリートの流下速度と、からなる三要素を変化させて求められる、複数種の三要素間の相関グラフが格納され、
さらに、前記シュートを用いたコンクリートの打設に当たり、該シュートにコンクリートを流下させた際に前記撮像機にて測定されたコンクリートの前記断面積と、測定もしくは算定された前記流下速度が格納され、
前記演算部では、前記相関グラフに対して測定された前記断面積と測定もしくは算定された前記流下速度を適用することにより、該コンクリートのスランプが特定されることを特徴とする。
<システムの全体構成>
はじめに、図1を参照して、実施形態に係るコンクリートのスランプ特定システムの一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係るコンクリートのスランプ特定システムの一例を示す模式図である。
次に、図2及び図3を参照して、実施形態に係るコンクリートのスランプ特定システムを構成するスランプ特定装置について説明する。ここで、図2は、スランプ特定システムを形成するスランプ特定装置とその周辺機器のハードウェア構成の一例を示す図であり、図3は、スランプ特定装置の機能構成の一例を示す図である。
次に、図4乃至図8を参照して、実施形態に係るコンクリートのスランプ特定方法の一例について説明する。ここで、図4は、実施形態に係るコンクリートのスランプ特定方法の一例を示すフローチャートである。また、図5は、相関特定工程における相関グラフの一例を示す図であり、図6は、相関グラフを用いたスランプ特定工程を示す図であり、図7は、補正後流下速度の算定方法の説明に用いる図である。さらに、図8は、管理基準値を含む経時変化グラフの一例を示す図である。
20:撮像機(表示画面)
30:傾斜計
50:スランプ特定システム(コンクリートのスランプ特定システム)
70:アジテータトラック
72:ドラム
75:シュート
103:演算部
109:格納部
Claims (5)
- 傾斜したシュートを流下するコンクリートのスランプ特定方法であって、
コンクリートのスランプと、前記シュートを流下する該コンクリートの流下方向に直交する断面積と、該コンクリートの流下速度と、からなる三要素を変化させて、複数種の三要素間の相関グラフを求めておく、相関特定工程と、
前記シュートを用いたコンクリートの打設に当たり、該シュートにコンクリートを流下させた際のコンクリートの前記断面積を測定するとともに前記流下速度を測定もしくは算定し、前記相関グラフに対して該断面積及び該流下速度を適用することにより、該コンクリートのスランプを特定する、スランプ特定工程と、を有することを特徴とする、コンクリートのスランプ特定方法。 - 前記相関特定工程では、前記シュートの角度を基準傾斜角度に設定しておき、アジテータトラックの備えるドラムのゲートの開度を変化させ、それぞれの開度ごとに、前記基準傾斜角度を有する前記シュートを流下する前記断面積を測定し、前記流下速度を測定もしくは算定することを特徴とする、請求項1に記載のコンクリートのスランプ特定方法。
- 前記スランプ特定工程では、前記シュートの傾斜角度を測定するとともに該シュートを流下するコンクリートの流下速度を測定もしくは算定し、測定された該傾斜角度と前記基準傾斜角度に基づいて、測定もしくは算定された該流下速度を補正して補正後流下速度を求め、該補正後流下速度を用いて前記コンクリートのスランプを特定することを特徴とする、請求項2に記載のコンクリートのスランプ特定方法。
- アジテータトラックから排出されるコンクリートに対して前記スランプ特定工程を複数回実行してコンクリートのスランプの経時変化グラフを作成する、スランプ経時変化特定工程と、
前記経時変化グラフに対してコンクリートのスランプに関する管理基準値を設定し、該経時変化グラフと該管理基準値の関係を検証してスランプを管理するスランプ管理工程と、をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンクリートのスランプ特定方法。 - 傾斜したシュートを流下するコンクリートのスランプ特定システムであって、
前記スランプ特定システムは、
格納部及び演算部を備えたスランプ特定装置と、
前記シュートを流下するコンクリートの流下方向に直交する断面積と流下速度の特定に用いられる該コンクリートを撮像する撮像機と、を少なくとも備え、
前記格納部には、コンクリートのスランプと、前記シュートを流下する該コンクリートの流下方向に直交する断面積と、該コンクリートの流下速度と、からなる三要素を変化させて求められる、複数種の三要素間の相関グラフが格納され、
さらに、前記シュートを用いたコンクリートの打設に当たり、該シュートにコンクリートを流下させた際に前記撮像機にて測定されたコンクリートの前記断面積と、測定もしくは算定された前記流下速度が格納され、
前記演算部では、前記相関グラフに対して測定された前記断面積と測定もしくは算定された前記流下速度を適用することにより、該コンクリートのスランプが特定されることを特徴とする、コンクリートのスランプ特定システム。
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