JP2021019248A - Ponシステム及び通信装置 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的には、通信機器のハードウェア部品をカスタマイズするのではなく、最小限の通信機能をハードウェア部品に残し、特定事業者向けの機能や頻繁に更新が必要な機能などを、他の通信装置のアプリケーション部品に実行させる仮想化が検討されている。
非特許文献1及び2には、時間的制約の厳しいDBAをアプリケーション部品とする場合のAPI(Application Programming Interface)の機能又は性能の要件などが規定されている。
従って、複数のハードウェア構成のOLTと、アプリケーション部品を有する通信装置とを集線装置に接続すれば、集線装置の筐体に複数のOLTが一体化された、OLT集合型の局側終端装置を構成することができる。
この場合、他の通信装置にソフトウェア化するPON機能が増えるほど、OLTが取り扱う機能フレームの種類も増加する。従って、OLTのFPGAの規模によっては新たなアクセラレータを増設できず、将来の機能追加に追従できない可能性がある。
第1通信装置:所定のソフトウェアの実行に必要な情報を含む通信フレームにより、第2通信装置と通信するハードウェア構成のアクセラレータを有する通信装置
第2通信装置:所定のソフトウェアを実行する通信装置
一括レポート:加入者側終端装置の送信要求量が纏めて格納される制御フレーム
一括ゲート:加入者側終端装置のグラント情報が纏めて格納される制御フレーム
グラント制御フレーム:加入者側終端装置のグラント情報が1つだけ格納される制御フレーム
一括帯域通知:加入者側終端装置の帯域情報が纏めて格納される制御フレーム
一括PS通知:加入者側終端装置のスリープ情報が纏めて格納される制御フレーム
スリープ制御フレーム:加入者側終端装置のスリープ情報が1つだけ格納される制御フレーム
また、本発明は、システム及び装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現することができる。
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
第1通信装置:所定のソフトウェアの実行に必要な情報を含む通信フレームにより、第2通信装置と通信するハードウェア構成のアクセラレータを有する通信装置
第2通信装置:所定のソフトウェアを実行する通信装置
従って、局側終端装置のハードウェア構成を変更しなくても、将来の機能追加に柔軟に対応できる光通信システムが得られる。
この場合、局側終端装置と第1通信装置との通信に用いる通信フレーム(例えば、DBAのレポートやグラント制御フレームなど)が、集線装置内で送受信される。従って、局側終端装置及び第1通信装置の少なくとも1つを集線装置に間接的に接続する場合に比べて、第2通信装置によるソフトウェアの実行速度を高速化できる。
この場合、第1通信装置と第2通信装置との通信に用いる通信フレーム(例えば、DBA制御フレームや省電力制御フレームなど)が、集線装置内で送受信される。従って、第1終端装置及び第2通信装置の少なくとも1つを集線装置に間接的に接続する場合に比べて、第2通信装置によるソフトウェアの実行速度を高速化できる。
従って、局側終端装置のハードウェア構成を変更しなくても、将来のPON機能の追加に柔軟に対応できる光通信システムが得られる。
この場合、第2通信装置がDBAアプリケーションを実行するので、集線装置に接続された局側終端装置のために、第2通信装置がDBA機能を代替できるようになる。
この場合、第2通信装置が省電力アプリケーションを実行するので、集線装置に接続された局側終端装置のために、第2通信装置が省電力機能を代替できるようになる。
従って、局側終端装置のハードウェア構成を変更しなくても、第2通信装置による処理負荷を軽減するエッジコンピューティングを容易に実現できる。
この場合、第1通信装置のアクセラレータが、画像データに含まれる所定の物体の状態を判定する処理を実行し、その判定結果を第2通信装置に通知するので、第2通信装置が当該判定処理を実行する必要がない。従って、第2通信装置による処理負荷を軽減することができる。
一括レポート:加入者側終端装置の送信要求量が纏めて格納される制御フレーム
一括ゲート:加入者側終端装置のグラント情報が纏めて格納される制御フレーム
グラント制御フレーム:加入者側終端装置のグラント情報が1つだけ格納される制御フレーム
従って、局側終端装置のハードウェア構成をより簡素化及び固定化することができ、局側終端装置の汎用化を促進することができる。
一括帯域通知:加入者側終端装置の帯域情報が纏めて格納される制御フレーム
一括PS通知:加入者側終端装置のスリープ情報が纏めて格納される制御フレーム
スリープ制御フレーム:加入者側終端装置のスリープ情報が1つだけ格納される制御フレーム
従って、局側終端装置のハードウェア構成をより簡素化及び固定化することができ、局側終端装置の汎用化を促進することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
図1は、光通信システムの全体構成の一例を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態の光通信システムは、局側終端装置1、加入者側終端装置2、集線装置3、汎用サーバ4、及び上位装置5などを備えるPONシステムである。
集線装置3には、局側終端装置1、汎用サーバ4及び上位装置5以外の他の通信装置(例えば図6の通信モジュール6A,7Aなど)を接続してもよい。
もっとも、PONは、ITU−T系の通信規格に従うPON(例えば、G−PON、XG−PON、XGS−PON又はNG−PON2など)であってもよい。
局側終端装置1は、集線装置3、汎用サーバ4及び上位装置5とともに、例えば通信事業者の局舎に設置されている。加入者側終端装置2は、通信サービスの加入者の宅内などに設置されている。なお、汎用サーバ4については、光回線などによって局側終端装置1と通信可能に接続され、局舎の外部の遠隔地に設置されていてもよい。
以下、PON回線の局側終端装置1を「OLT1」と記載し、PON回線の加入側終端装置2を「ONU2」と記載する。
例えば、図1の光通信システムの場合、集線装置3は、ユーザフレームなどの主信号系の通信フレームについては、OLT1の物理ポートを上位装置5の物理ポートに疎通させる。集線装置3は、制御フレームについては、OLT1の物理ポートを汎用サーバ4の物理ポートに疎通させる。
上位装置5は、図示しない上位ネットワークに接続された通信装置である。上位装置5は、例えばエッジルータよりなる。
汎用サーバ4に移行するPON通信に関する機能が多いほど、従来品に比べてOLT1を汎用化及び小型化できる。例えば、本実施形態のOLT1は、SFP(Small Form-factor Pluggable)モジュールにまで小型化された光通信デバイスで構成される。従って、以下において、OLT1を「小型OLT1」ともいう。
DBAは、PON回線の上り方向の帯域を動的に割り当てる機能であるから、PON通信のQoS(Quality of Service)を左右する。このため、DBAを汎用サーバ4に移行すれば、DBAに関するソフトウェア部品を修正又は追加するだけで、QoSなどのDBAの内容を柔軟に変更又は追加可能となる。
また、汎用サーバ4に移行する機能がDBAとOAMの2種類である場合、MPCP(Multi Point Control Protocol)、暗号化、及びVLAN(Virtual LAN)などのPON通信に必要なその他の機能は、OLT1のFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェア部品が実行する機能として残存する。
なお、PON通信に関する機能の移行先は、汎用サーバ4だけでなく、集線装置3に接続されたその他の通信装置(例えば図6の通信モジュール7A)であってもよい。
図2は、汎用サーバ4の内部構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態の汎用サーバ4は、筐体40と、筐体40に収容された制御部41、記憶部42及び通信部43とを備える。汎用サーバ4の筐体40には、操作部44及び表示部45が接続される。
制御部41は、CPUとRAM(Random Access Memory)よりなるメインメモリとを含む演算処理装置よりなる。制御部41のCPUは、記憶部42にインストールされたコンピュータプログラム(ソフトウェア)46をメインメモリに読み出し、当該プログラム46に従って各種の情報処理を行う。
通信部43は、外部装置とのイーサネット(登録商標)通信を行う通信カード(例えばLANカード)よりなる。通信部43は、LANケーブルなどの所定の通信ケーブルにより集線装置3に接続されている。
表示部45は、液晶モニタ又は有機ELパネルなどの表示装置よりなる。表示部45は、操作部44に対する操作入力を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)画面などを表示することができる。
例えば、汎用サーバ4のOS47又はミドルウェア部48がリモート制御の機能を有する場合には、汎用サーバ4から離れた別のPCから汎用サーバ4にログインし、当該PCの操作部44と表示部45を用いて所定の操作入力を行えばよい。
図2に示すように、制御部41のCPUが記憶部42から読み出して実行するコンピュータプログラム(ソフトウェア)46には、OS47上で動作するミドルウェア部48と、1又は複数のアプリケーション部品49と、内部API50と、外部API51と、OLT設定部52と、スイッチ制御部53が含まれる。アプリケーション部品49は、内部API50に基づいて作成され、ミドルウェア部48は、内部API50及び外部API51に基づいて作成される。OLT設定部52は、外部API54に基づいて作成され、スイッチ制御部53は、外部API55に基づいて作成される。なお、本実施形態において、「アプリケーション」を「アプリ」と略記することがある。
また、上記のコンピュータプログラム46は、インターネットなどの公衆通信網を通じて、ソフトウェア製品として流通させることもできる。なお、USBメモリやネットワーク経由でコンピュータプログラム46を汎用サーバ4に格納する場合は、汎用サーバ4に必ずしも光学ドライブを設ける必要はない。
逆に、アプリケーション部品49の動作可否が、OLT1などの通信機器が準拠する通信規格の種別(バーションを含む。)及び製造ベンダの相違に依存しない状況のことを、「機器非依存」という。
アプリ部品49は、内部API50により入れ替え可能となるように汎用化されたソフトウェア部品である。ソフトウェア部品とは、必要な機能が交換可能な単位で纏められたソフトウェアのことである。
DBAアプリ49Aは、ONU2の上り帯域を動的に割り当てるDBA機能を実現するためのアプリケーション部品である。省電力アプリ49Bは、ONU2をスリープ制御する省電力機能を実現するためのアプリケーション部品である。OAMアプリ49Cは、OLT1/ONU2間のOAM機能を実現するためのアプリケーション部品である。
従って、ミドルウェア部48は、内部API50A〜50Cにより、アプリ部品49A〜40Cに対して所定の情報を入出力する。
従って、ミドルウェア部48は、外部API51A〜51Cにより、外部の通信機器のハードウェア部品に対して所定の情報を入出力する。
機能フレームは、PON機能の一部の機能を実行するのに必要となる機能情報(DBAの場合は、送信要求量やグラント情報)を伝送するため制御フレームである。従って、DBAアプリ49Aの場合の外部API51Aには、「一括レポート」及び「一括ゲート」が含まれる。以下、一括レポートと一括ゲートの総称を「DBA制御フレーム」という。
ミドルウェア部48は、通信部43がOLT1から受信した一括レポートに記された各ONU2の上り方向の送信要求量を、内部API50Aを介してDBAアプリ49Aに入力する。DBAアプリ49Aは、入力された各ONU2の送信要求量を変数として所定のDBAアルゴリズムを実行し、各ONU2に割り当てるグラント情報(送信開始時刻及び送信時間長)をLLID(Logical Link ID)ごとに算出する。
DBAアプリ49Aは、算出した各ONU2に割り当てるLLIDごとのグラント情報を、内部API50Aを介してミドルウェア部48に出力する。ミドルウェア部48は、入力されたLLIDごとのグラント情報を含むOLT1宛ての一括ゲートを生成し、生成した一括ゲートを通信部43に送信させる。
ミドルウェア部48は、通信部43がOLT1から受信した一括帯域通知に記されたユーザデータ送信量を、内部API50Bを介して省電力アプリ49Bに入力する。省電力アプリ49Bは、入力された各ONU2のユーザデータ送信量を変数として所定の省電力アルゴリズムを実行し、各ONU2のスリープ情報(スリープ開始時刻及びスリープ期間)をLLIDごとに算出する。
省電力アプリ49Bは、算出した各ONU2のLLIDごとのスリープ情報を、内部API50Bを介してミドルウェア部48に出力する。ミドルウェア部48は、入力されたLLIDごとのスリープ情報を含むOLT1宛ての一括PS通知を生成し、生成した一括PS通知を通信部43に送信させる。
外部API54は、汎用サーバ4のOLT設定部52とOLT1のハードウェア部品(例えば、OLT1のFPGAなど)とを接続する、機器依存及び機器非依存のうちの少なくとも1つの入出力インタフェースである。
もっとも、本実施形態のOLT設定部52は、機器非依存の外部API54が多く汎用性が高いVOLTHAに準拠するソフトウェアであるとする。
VOLTHAフレームに含める設定情報には、例えば、ONU2の収容台数、登録済みのONU2のLLID値、LLID値とVLANタグに記される識別子(以下、「VID」という。)の値との対応情報、及びLLIDごとのユーザ情報などが含まれる。
外部API55は、汎用サーバ4のスイッチ制御部53と集線装置3とを接続する、機器依存及び機器非依存のうちの少なくとも1つの入出力インタフェースである。
もっとも、本実施形態のスイッチ制御部53は、機器非依存のAPIが多く汎用性が高いOpenFlowに準拠するソフトウェアであるとする。従って、スイッチ制御部53はOpenFlowコントローラとして機能し、集線装置3はOpenFlowスイッチとして機能する。
スイッチ制御部53は、外部API(サウスバウンドAPI)55を介した通信により、設定した転送ルールを集線装置3に送信する。集線装置3は、スイッチ制御部53から取得した転送ルールに従って、受信フレームを送出する物理ポートを決定する。
図3は、1つの集線装置3に複数の小型OLT1が接続された光通信システムの接続形態(トポロジ)の一例を示す概略図である。
図3に示すように、OpenFlow対応の集線装置3は、複数の物理ポートPi(i=1,2……n)と、複数の物理ポートQ1〜Q4とを備える。
物理ポートQ3は、ミドルウェア部48用の物理ポートである。物理ポートQ4は、主信号用の物理ポートである。図3では、ミドルウェア部48が、DBAアプリ49Aのために動作する場合を想定するが、その他のアプリ49B,49Cであってもよい。
本実施形態のOLT1は、SFPモジュールよりなる小型の通信装置であるから、例えば図3に示すように、複数の小型OLT1を集線装置3の物理ポートPi(i=1,2……n)に直接的に接続することができる。
従って、集線装置3の筐体に複数の小型OLT1が一体化された、OLT集合型の光通信システムを構成することができる。OLT1が直結タイプでない場合や大型である場合は、各OLT1をLANのケーブルなどで物理ポートPiに間接的に接続すればよい。
また、「間接的に接続」とは、ケーブルを介して通信装置を集線装置3の物理ポートPiに接続すること、或いは、ネットワークや中継機器を介して通信装置を集線装置3に接続することをいう。
本実施形態では、通信フレームの所定のタグ情報(例えばVID値)を利用して、集線装置3に接続される通信装置同士の通信を論理的に1対1の関係で対応付ける。VID値の対応付けは、スイッチ制御部(OpenFlow)53により実行される。
ミドルウェア部48と複数のOLT1との通信に用いる機能フレームについても、上記と同様にVID値を設定することにより、ミドルウェア部48と複数のOLT1を論理的に1対1の関係で対応付けることができる。
すなわち、集線装置3内の通信経路を特定するためのタグ情報は、通信フレームに含まれるVLAN以外の既存の情報領域に記される値、或いは、通信フレームに独自に定義された所定の情報領域に記される値であってもよい。
また、上記の3種類のソフトウェア部品のうちの2つを第1通信装置(第1汎用サーバ)にインストールし、残りの1つを別の第2通信装置(第2汎用サーバ)にインストールしてもよい。
集線装置3の物理ポートQ2〜Q4は、1つ又は2つの物理ポートに統合してもよい。このように物理ポートQ2〜Q4を統合する場合は、通信フレームの種別に応じて、VID値を排他的に割り当てることにすればよい。
図4は、汎用サーバ4に移行するアプリ部品49がDBAアプリである場合の光通信システムの一例(以下、「比較例1」という。)を示すブロック図である。図4では、図示の簡略化のため、上位装置5が省略されている。
図4に示すように、汎用サーバ4には、DBAアプリ49A、DBA用のミドルウェア部48(以下、「DBA共通機能部48A」という。)、OLT設定部52、及びスイッチ制御部53が含まれる。DBA共通機能部48AとDBAアプリ49Aは、内部API50Aで接続される。
FPGA11には、フレーム処理部12Aが構成される。FPGA11のフレーム処理部12Aは、DBA制御フレームの生成及び送受信などを実行するアクセラレータである。従って、フレーム処理部12Aを「DBAアクセラレータ12A」ともいう。
DBAアクセラレータ12Aは、DBA共通機能部48Aから受信した一括ゲートからLLIDごとのグラント情報を取り出す。DBAアクセラレータ12Aは、グラント情報を含むゲートをLLIDごとに生成し、生成したゲートをONU2に送信する。
図5に示すように、汎用サーバ4には、DBA関連のソフトウェア部品に加えて、省電力アプリ49B、省電力用のミドルウェア部48(以下、「省電力共通機能部48B」という。)が含まれる。省電力共通機能部48Bと省電力アプリ49Bは、内部API50Bで接続される。
FPGA11には、フレーム処理部12Aに加えて、フレーム処理部12Bが構成される。フレーム処理部12Bは、省電力制御フレームの生成及び送受信などを実行するアクセラレータである。従って、フレーム処理部12Bを「省電力アクセラレータ12B」ともいう。
省電力アクセラレータ12Bは、省電力共通機能部48Bから受信した一括PS通知からLLIDごとのスリープ情報(スリープ開始時刻及びスリープ期間)を取り出す。フレーム処理部12Bは、スリープ情報を含む省電力メッセージをLLIDごとに生成し、生成した省電力メッセージをONU2に送信する。
小型OLT1は、なるべく機能が固定のシンプルなハードウェア構成であることが好ましい。しかし、アクセラレータ12A,12Bを小型OLT1に実装すると、小型OLT1に搭載可能な規模のFPGA11では、将来の機能追加に追従できない可能性がある。
例えば、図4のアクセラレータ12A,12Bに加えて、更に別のアプリ部品49(例えばOAMアプリ49C)に対応するアクセラレータをFPGA11に追加する必要がある場合、FPGA11の容量がボトルネックとなり、機能を追加できない可能性がある。
SFPモジュールよりなる小型OLT1の利点は、集線装置3からの給電のみで動作できる点にある。しかし、FPGA11に構成するアクセラレータ12A,12Bが増加すると、集線装置3からの給電では電力が不足する可能性がある。
この場合、小型OLT1を外部電源で動作させることも考えられるが、これでは小型OLT1の接続数に応じて外部電源を増設せねばならず、電力線を含むケーブルの取り回しが煩雑になる。
本実施形態では、問題点1及び2を解消すべく、小型OLT1とは別に集線装置3に接続する対象装置としてFPGA型の通信モジュール6A,6Bを採用し、当該通信モジュール6A,6BのFPGAに、小型OLT1と共通機能部48A,48Bの間の通信を中継するアクセラレータを構成することとした。
図6〜図8は、上記の解決策に則った光通信システムの実装例である。図6〜図8においても、図示の簡略化のため、上位装置5が省略されている。以下、図6〜図8を参照しつつ、上記の解決策に則った光通信システムの実装例1〜3について説明する。
図6は、DBA用の通信モジュール6A,7Aを有する光通信システムの実装例(以下、「実装例1」という。)を示すブロック図である。
図6に示す2種類の通信モジュール6A,7Aのうち、通信モジュール6Aは、内部にFPGAを有するFPGA型の通信モジュールである。通信モジュール7Aは、DBAアプリ49Aを実行するCPU型の通信モジュールである。
図7及び図8に示す通信モジュール6B,6C及び通信モジュール7Bも同様である。従って、以下において、「通信モジュール」を「プラガブルモジュール」ともいう。
更に、DBAアクセラレータ61Aと省電力アクセラレータ61Bなどの、ハードウェアアクセラレーションを実行するFPGAなどの集積回路の総称を「アクセラレータ61」又は「ハードウェアアクセラレータ61」という。
また、実装例1では、汎用サーバ4に、OLT設定部52及びスイッチ制御部53を残存させている。もっとも、OLT設定部52及びスイッチ制御部53は、集線装置3に繋がる別個の通信装置にインストールされたソフトウェア部品であってもよい。
DBAアクセラレータ61Aは、小型OLT1及びプラガブルモジュール7AのDBA共通機能部48Aと通信するハードウェア部品である。DBAアクセラレータ61Aは、小型OLT1との通信と、DBA制御フレームの生成及び送受信などを実行するアクセラレータである。
DBAアクセラレータ61Aは、小型OLT1から受信した各ONU2のレポートに含まれる上り方向の送信要求量(レポート情報)を蓄積する。DBAアクセラレータ61Aは、蓄積した送信要求量を纏めた一括レポートを生成し、生成した一括レポートをプラガブルモジュール7AのDBA共通機能部48Aに転送する。
DBAアプリ49Aは、入力された各ONU2の送信要求量を変数として所定のDBAアルゴリズムを実行し、各ONU2に割り当てるグラント情報(送信開始時刻及び送信時間長)をLLIDごとに算出する。DBAアプリ49Aは、算出したグラント情報を、内部API50Aを介してDBA共通機能部48Aに入力する。
DBAアクセラレータ61Aは、DBA共通機能部48Aから受信した一括ゲートからLLIDごとのグラント情報を取り出す。DBAアクセラレータ61Aは、LLIDとグラント情報を含む制御フレーム(以下、「グラント制御フレーム」という。)を生成し、生成した制御フレームを小型OLT1の物理ポートPiに送信する。
FPGA型のプラガブルモジュール6Aは、複数の小型OLT1により共通して利用されるので、小型OLT1とLLIDとの対応付けをプラガブルモジュール6Aに設定する必要がある。かかる設定は、OLT設定部(VOLTHA)52により実行される。
図7は、図6の実装例1に対して、省電力用の通信モジュール6B,7Bが追加された光通信システムの実装例(以下、「実装例2」という。)を示すブロック図である。
図7で追加された2種類の通信モジュール6B,7Bのうち、通信モジュール6Bは、内部にFPGAを有するFPGA型の通信モジュールである。通信モジュール7Bは、省電力アプリ49Bを実行するCPU型の通信モジュールである。
従って、以下においては、省電力用のプラガブルモジュール6B,7Bの構成及び動作を主に説明する。
また、実装例2においても、汎用サーバ4に、OLT設定部52及びスイッチ制御部53を残存させている。もっとも、OLT設定部52及びスイッチ制御部53は、集線装置3に繋がる別個の通信装置にインストールされたソフトウェア部品であってもよい。
省電力アクセラレータ61Bは、小型OLT1及びプラガブルモジュール7Bの省電力共通機能部48Bと通信するハードウェア部品である。省電力アクセラレータ61Bは、小型OLT1との通信と、省電力制御フレームの生成及び送受信などを実行するアクセラレータである。
省電力アクセラレータ61Bは、小型OLT1から受信した各ONU2のユーザデータ送信量を蓄積する。省電力アクセラレータ61Bは、蓄積したユーザデータ量を纏めた一括帯域通知を生成し、生成した一括帯域通知をプラガブルモジュール7Bの省電力共通機能部48Bに転送する。
省電力アプリ49Bは、入力された各ONU2のユーザデータ送信量を変数として所定の省電力アルゴリズムを実行し、各ONU2のスリープ情報(スリープ開始時刻及びスリープ期間)をLLIDごとに算出する。省電力アプリ49Bは、算出したスリープ情報を、内部API50Bを介して省電力共通機能部48Bに入力する。
省電力アクセラレータ61Bは、省電力共通機能部48Bから受信した一括PS通知からLLIDごとのスリープ情報を取り出す。省電力アクセラレータ61Bは、LLIDとスリープ情報を含む制御フレーム(以下、「スリープ制御フレーム」という。)を生成し、生成したスリープ制御フレームを小型OLT1の物理ポートPiに送信する。
FPGA型のプラガブルモジュール6A,6Bは、複数の小型OLT1により共通して利用されるので、小型OLT1とLLIDとの対応付けをプラガブルモジュール6A,6Bに設定する必要がある。かかる設定は、OLT設定部(VOLTHA)52により実行される。
図8は、図7の実装例2に対して、更に別の通信モジュール6Cが追加された光通信システムの実装例(以下、「実装例3」という。)を示すブロック図である。
図8で追加された通信モジュール6Cは、内部にFPGAを有するFPGA型の通信モジュールである。
従って、以下においては、新たに追加されたプラガブルモジュール6Cの構成及び動作を主に説明する。
フレーム振り分け部61Cは、小型OLT1、DBAアクセラレータ61A及び省電力アクセラレータ61Bと通信するハードウェア部品である。具体的には、フレーム振り分け部61Cは、グラント制御フレーム及びスリープ制御フレームの送信先を小型OLT1ごとに振り分ける処理を実行するアクセラレータである。
フレーム振り分け部61Cは、VLANテーブル及びMACアドレスリストを備える。フレーム振り分け部61Cは、これらに定義されたアドレス情報を用いて受信フレームの送出先を決定する振り分け処理を実行する。
同様に、フレーム振り分け部61Cは、受信フレームが小型OLT1からの帯域通知である場合は、受信した帯域通知を省電力アクセラレータ61Bに転送する。
同様に、フレーム振り分け部61Cは、受信フレームが省電力アクセラレータ61Bからのスリープ情報フレームである場合は、VID値に基づいて送信先の小型OLT1を決定し、決定した送出先の小型OLT1にスリープ情報フレームを転送する。
本実施形態の光通信システムの実装例1〜3によれば、小型OLT1が接続される集線装置3に、CPUの負担を軽減するハードウェアアクセラレータ61を有する通信モジュール6が接続されるので、アクセラレータ12A,12B(図4及び図5参照)を小型OLT1に実装する必要がなくなる。
従って、小型OLT1のハードウェア構成をより簡素化及び固定化することができ、小型OLT1の汎用化を促進することができる。
このため、小型OLT1のハードウェア構成を変更しなくても、将来の機能追加に柔軟に対応可能な光通信システムが得られる。
従って、小型OLT1を外部電源で動作させる必要がなくなり、OLT集合型の光通信システムのケーブルの取り回しを簡素化することができる。
また、外部電源が必要になる場合でも、少数のプラガブルモジュール6,7を集線装置3に刺すだけで足りるので、システムの柔軟性は損なわれない。更に、プラガブルモジュール6,7の数を増減させるだけで、PON機能の追加/削除を容易に実行でき、必要に応じてシステム構成を柔軟に変更できる利点もある。
このため、小型OLT1及び通信モジュール6の少なくとも1つをケーブルで集線装置3に接続する場合に比べて、制御フレームの伝送遅延が少ない。従って、CPUによるアプリ部品48の実行速度(例えばDBAサイクルなど)を高速化できる。
このため、通信モジュール6,7の少なくとも1つをケーブルで集線装置3に接続する場合や、アプリ部品48を汎用サーバ4に搭載する場合に比べて、制御フレームの伝送遅延が少ない。従って、CPUによるアプリ部品48の実行速度(例えばDBAサイクルなど)を高速化できる。
図9は、集線装置3における転送制御の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、小型OLT1は、ユーザフレームのLLID値をユーザ用のVID値に1対1対応で変換するLLID−VLAN変換機能を有する。
集線装置3には、ユーザフレームに含まれるVID値に基づいて、ユーザフレームの転送先を、小型OLT1及び上位装置5のうちのいずれにするかを定めた転送ルールが設定されている。従って、ユーザフレームは、集線装置3内において、小型OLT1と上位装置5との間で転送される。
小型OLT1とDBA用のプラガブルモジュール6A,7Aが送信元の制御フレームについては、当該制御フレームの種別ごとに所定のVID値が定義されている。
なお、図9では省略しているが、小型OLT1と省電力用のプラガブルモジュール6B,7Bが送受信する制御フレームについても、上記と同様の転送制御が実行される。
図10は、小型OLT1の内部構成の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、小型OLT1は、図の左側から右側に向かって順に、下位側送受信部21、フレーム処理部22、及び上位側送受信部23を備える。
下位側送受信部21は、ONU2からの上り光信号を電気信号に変換する。下位側送受信部21は、変換した電気信号から再生した上りフレームをフレーム処理部22の上り受信処理部24に出力する。
下位側送受信部21は、フレーム処理部22の下り送信処理部27から入力される下りフレームを所定波長帯の下り光信号に変換する。下位側送受信部21は、変換した下り光信号をPON回線に送出する。
上位側送受信部23は、集線装置3から入力されるイーサネット信号を復調して下りフレームを再生する。上位側送受信部23は、再生した下りフレームをフレーム処理部22の下り受信処理部26に出力する。
上位側送受信部23は、フレーム処理部22の上り送信処理部25から入力される上りフレームを所定周波数のイーサネット信号に変調する。上位側送受信部23は、変調したイーサネット信号を集線装置3に送出する。
また、フレーム処理部22は、上りバッファ29、下りバッファ30、設定処理部(VOLTHA処理部)31、及びID変換テーブル32を備える。
この際、上り受信処理部24は、ユーザフレームについては、ID変換テーブル32を参照してLLID値からVID値へのID変換を実行し、変換後のVID値を含むVLANタグをユーザフレームに付与する。上り受信処理部24は、レポートについては、所定のVID値を付与する。
上り受信処理部24は、算出した帯域情報を含む帯域通知をONU2ごとに生成し、生成したONU2ごとの帯域通知を上りバッファ29へ出力する。上り受信処理部24は、帯域通知についても、所定のVID値を付与する。
上り送信処理部25が処理する上りフレームの種別は、VOLTHAフレーム、ユーザフレーム及びレポートの3種類が含まれる。上り送信処理部25は、それらの種別の送信優先度を、VOLTHAフレーム>レポート>帯域通知>ユーザフレームとすることが好ましい。
この際、下り受信処理部26は、ユーザフレームについては、ID変換テーブル32を参照してVID値からLLID値へのID変換を実行し、変換後のLLID値をユーザフレームのヘッダに記す。また、下り受信処理部26は、グラント制御フレームをゲートに変換し、スリープ制御フレームを省電力メッセージに変換する。
下り送信処理部27が処理する下りフレームの種別は、ユーザフレーム、ゲート及び省電力メッセージの2種類が含まれる。下り送信処理部27は、それらの種別の送信優先度を、ゲート>省電力メッセージ>ユーザフレームとすることが好ましい。
VOLTHA処理部31は、VOLTHAフレームに記された指令に応じた所定の設定処理を行う。例えば、VOLTHAフレームの指令がLLID値の要求である場合には、VOLTHA処理部31は、ID変換テーブル32から登録済みのONU2のLLID値を読み出し、読み出したLLID値を応答用のVOLTHAフレームに含める。
或いは、OLT設定部52が、ONU2の登録状況を要求するVOLTHAフレームを周期的にVOLTHA処理部31にポーリングし、VOLTHA処理部31が、登録状況の要求に応じて、新たなONU2のLLID値を応答することにしてもよい。
VOLTHAフレームは、OLT1で終端させてOLT設定部52に折り返す通信フレームである。従って、VOLTHA処理部31は、下り受信処理部26からVOLTHAフレームが入力されると、所定のVID値の通信フレーム(応答用のVOLTHAフレーム)を生成し、上り送信処理部25に出力する。
図11は、FPGA型の通信モジュール6AにおけるFPGAの回路構成例を示すブロック図である。図11の通信モジュール6Aは、DBA用である。
図11に示すように、通信モジュール6Aは、筐体60と、筐体60内のFPGAに構成されたDBAアクセラレータ61Aとを備える。
送受信部68は、集線装置3から入力されるイーサネット信号を復調して制御フレームを再生する。送受信部68は、再生した制御フレームを受信処理部67に出力する。
送受信部68は、送信処理部66から入力される制御フレームをイーサネット信号に変調する。送受信部68は、変調したイーサネット信号を集線装置3に送出する。
種別1:1つのONU2の送信要求量が格納された小型OLT1からのレポート
種別2:少なくとも1つのONU2のグラント情報が纏めて格納されたプラガブルモジュール7Aからの一括ゲート
種別3:OLT設定部52からのDBAアクセラレータ61Aの設定フレーム
レポート処理部65は、種別1のレポートに含まれるLLIDごとの送信要求量を蓄積するバッファ(図示せず)を有する。レポート処理部65は、DBAサイクル内に入力された複数のレポートから各ONU2の送信要求量を取り出してバッファに蓄積する。
レポート処理部65は、LLIDごとの送信要求量を含む一括レポートを送信処理部66に出力する。送信処理部66は、入力された一括レポートを送受信部68に出力する。送受信部68は、入力された一括レポートを集線装置3に出力する。集線装置3は、入力された一括レポートをDBA用のプラガブルモジュール7Aに転送する。
ゲート処理部64は、1つのONU2のグラント情報を含むグラント制御フレームをLLIDごとに生成し、生成したグラント制御フレームを送信処理部66に出力する。送信処理部66は、入力されたグラント制御フレームを送受信部68に出力する。送受信部68は、入力されたグラント制御フレームを集線装置3に出力する。集線装置3は、入力されたグラント制御フレームを対応する小型OLT1に転送する。
例えば、OLT設定部52からの設定フレームには、LLID値と小型OLT1との対応付けを表す設定情報が含まれる。DBA制御部63は、取得した設定情報に基づいて、受信フレームのLLID値に対応する小型OLT1のVID値を特定し、特定したVID値による制御フレームの送受信を送信処理部66及び受信処理部67に指示する。
従って、小型OLT1のハードウェア構成をより簡素化及び固定化することができ、小型OLT1の汎用化を促進することができる。
図12に示すように、通信モジュール6Bは、筐体60と、筐体60内のFPGAに構成された省電力アクセラレータ61Bとを備える。
送受信部88は、集線装置3から入力されるイーサネット信号を復調して制御フレームを再生する。送受信部88は、再生した制御フレームを受信処理部87に出力する。
送受信部88は、送信処理部86から入力される制御フレームをイーサネット信号に変調する。送受信部88は、変調したイーサネット信号を集線装置3に送出する。
種別4:1つのONU2の帯域情報が格納された小型OLT1からの帯域通知
種別5:少なくとも1つのONU2のスリープ情報が格納されたプラガブルモジュール7Bからの一括PS通知
種別6:OLT設定部52からの省電力アクセラレータ61Bの設定フレーム
帯域通知処理部85は、種別1の帯域通知に含まれるLLIDごとのユーザデータ送信量(帯域情報)を蓄積するバッファ(図示せず)を有する。帯域通知処理部85は、所定期間内に入力された複数の帯域通知から各ONU2のユーザデータ送信量を取り出してバッファに蓄積する。
帯域通知処理部85は、LLIDごとのユーザデータ要求量を含む一括帯域通知を送信処理部86に出力する。送信処理部86は、入力された一括帯域通知を送受信部88に出力する。送受信部88は、入力された一括帯域通知を集線装置3に出力する。集線装置3は、入力された一括帯域通知を省電力用のプラガブルモジュール7Bに転送する。
PS処理部84は、1つのONU2のスリープ情報を含むスリープ制御フレームをLLIDごとに生成し、生成したスリープ制御フレームを送信処理部86に出力する。送信処理部86は、入力されたスリープ制御フレームを送受信部88に出力する。送受信部88は、入力されたスリープ制御フレームを集線装置3に出力する。集線装置3は、入力されたスリープ制御フレームを対応する小型OLT1に転送する。
例えば、OLT設定部52からの設定フレームには、LLID値と小型OLT1との対応付けを表す設定情報が含まれる。省電力制御部83は、取得した設定情報に基づいて、受信フレームのLLID値に対応する小型OLT1のVID値を特定し、特定したVID値による制御フレームの送受信を送信処理部86及び受信処理部87に指示する。
従って、小型OLT1のハードウェア構成をより簡素化及び固定化することができ、小型OLT1の汎用化を促進することができる。
図13は、CPU型の通信モジュール7の内部構成の一例を示すブロック図である。
図13に示すように、本実施形態の通信モジュール7は、筐体70と、筐体70に収容された制御部71、記憶部72及び通信部73とを備える。
制御部71は、CPUとRAMよりなるメインメモリとを含む演算処理装置よりなる。制御部71のCPUは、記憶部72にインストールされたコンピュータプログラム(ソフトウェア)76をメインメモリに読み出し、当該プログラム76に従って各種の情報処理を行う。
通信部73は、外部装置とのイーサネット(登録商標)通信を行う通信インタフェースよりなる。通信モジュール7はプラガブルモジュールであるから、通信部73は、集線装置3の物理ポートPiに直接的に接続するためのコネクタを有する。
また、上記のコンピュータプログラム76は、インターネットなどの公衆通信網を通じて、ソフトウェア製品として流通させることもできる。
図13に破線で示すように、アプリ部品49は、省電力アプリ49B又はOAMアプリ49Cであってもよい。アプリ部品49が省電力アプリ49Bである場合、通信モジュール7は、省電力用でかつCPU型のプラガブルモジュール7Bとなる(図7参照)。
内部API50は、機器非依存の入出力インタフェースである。アプリ部品49A〜49Cは、アプリ部品49A〜49Cごとに定義された内部API50A〜50Cを介してミドルウェア部48と接続される。
従って、ミドルウェア部48は、外部API51A〜51Cにより、外部の通信機器のハードウェア部品に対して所定の情報を入出力する。
機能フレームには、前述の「一括レポート」、「一括ゲート」、「一括帯域通知」、及び「一括PS通知」などが含まれる。
図14は、光通信システムのDBA処理の手順を示すシーケンス図である。
具体的には、図14は、2つの小型OLT1X,1YとDBA用の通信モジュール6A,7Aが集線装置3に接続された場合のDBA処理の手順を示すシーケンス図である。
図14に示すように、小型OLT1X,1Yは、自機に繋がるPON回線に接続されたONU2からレポートを受信すると、受信したレポートをFPGA型の通信モジュール6Aに転送する。
FPGA型の通信モジュール6Aは、上記の送信要求量を取り出す処理と一括レポートの生成及び送信処理を、小型OLT1X,1Y単位で実行する。
CPU型の通信モジュール7Aは、上記の帯域割当計算と一括ゲートの生成及び送信処理を、小型OLT1X,1Y単位で実行する。
FPGA型の通信モジュール6Aは、上記のグラント情報を取り出す処理とグラント制御フレームの生成及び送信処理を、小型OLT1X,1Y単位で実行する。
小型OLT1X,1Yは、取り出したグラント情報を含むゲートをLLIDごとに生成し、生成した各LLIDのゲートを配下のONU2にブロードキャストする。
図15は、画像処理用の通信モジュール6Dを有する光通信システムの実装例(以下、「変形例」という。)を示すブロック図である。
図15の通信モジュール6Dは、内部にFPGAを有するFPGA型の通信モジュールである。通信モジュール6Dは、小型OLT1と同様にSFPモジュールよりなり、集線装置3の物理ポートPi(i=1,2……n)に直接的に接続することができる。
これに対して、図15の変形例の通信モジュール6Dは、ONU2のユーザのために所定のサービスを実現するアプリケーションのハードウェアアクセラレーションを実行する通信装置よりなる。図15の変形例では、所定のサービスを実現するアプリ部品として、監視結果をユーザに通知するための防犯アプリ48Dが管理装置8に搭載されている。
小型OLT1は、画像データのLLID値をVID値に変換してVLANタグを付与し、画像データを集線装置3に送出する。集線装置3は、VLANタグに従って画像データをFPGA型の通信モジュール6Dに転送する。
画像処理アクセラレータ61Dは、集線装置3から受信した画像データに対して、所定の画像処理を実行する。この画像処理は、例えば、画像データから検出した特徴点に基づいて、特定の人物又は車両などの物体の状態情報(例えば、家族以外の人物による家屋への侵入、或いは、玄関前に長時間存在など)を認識する処理である。
集線装置3は、入力された通報フレームを上位装置5に転送する。上位装置5は、集線装置3から受信した通報フレームを、防犯アプリ48Dを有する管理装置8に転送する。管理装置8の防犯アプリ49Dは、受信した通報フレームに含まれる状態情報の危険度を判定し、危険度が所定値以上である場合は、その旨をユーザの携帯端末などに送信する。
この点、図15の変形例によれば、専用の通信モジュール6Dが画像処理を実行するので、小型OLT1に画像処理のアクセラレータを構成する必要がない。従って、小型OLT1のハードウェア構成を変更しなくても、管理装置8の処理負荷を軽減するエッジコンピューティングを容易に実現できる。
図15の変形例において、防犯サービス以外のサービスを行うアプリ部品の実行に必要な情報を生成するアクセラレータが必要となった場合には、当該アクセラレータを実装したFPGA型のプラガブルモジュールを、集線装置3に追加すればよい。従って、小型OLT1のハードウェア構成を変更しなくても、将来の機能追加に柔軟に対応できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
この場合、FPGA型の通信モジュール6A,6Bのアクセラレータ61A,61Bは、汎用サーバ4に実装された共通機能部48A,48Bと集線装置3を介して通信することになる。
この場合、CPU型の通信モジュール7A,7Bは、FPGA型の通信モジュール6A,6Bを介して間接的に集線装置3に接続される。また、FPGA型の通信モジュール6A,6Bのアクセラレータ61A,61Bは、CPU型の通信モジュール7A,7Bの共通機能部48A,48Bと集線装置3を介さずに通信する。
この場合、FPGA型の通信モジュール6A,6Bの構成要素であるアクセラレータ61A,61Bは、CPU型の通信モジュール7A,7Bの構成要素である制御部71の共通機能部48A,48Bと筐体内のバスラインにより通信する。従って、上記の一体型の通信モジュールも、CPU型の通信モジュール7A,7Bが、FPGA型の通信モジュール6A,6Bを介して間接的に集線装置3に接続される形態と言える。
1X 小型OLT
1Y 小型OLT
2 加入者側終端装置(ONU)
3 集線装置(L2SW)
4 汎用サーバ(通信装置)
5 上位装置(通信装置)
6 通信モジュール
6A 通信モジュール(プラガブルモジュール、第1通信装置)
6B 通信モジュール(プラガブルモジュール、第1通信装置)
6C 通信モジュール(プラガブルモジュール)
6D 通信モジュール(プラガブルモジュール、第1通信装置
7 通信モジュール
7A 通信モジュール(プラガブルモジュール、第2通信装置)
7B 通信モジュール(プラガブルモジュール、第2通信装置)
8 管理装置(第2通信装置)
9 監視カメラ
10 筐体
11 FPGA
12A フレーム処理部(アクセラレータ)
12B フレーム処理部(アクセラレータ)
21 下位側送受信部
22 フレーム処理部
23 上位側送受信部
24 上り受信処理部
25 上り送信処理部
26 下り受信処理部
27 下り送信処理部
29 上りバッファ
30 下りバッファ
31 設定処理部(VOLTHA処理部)
32 ID変換テーブル
40 筐体
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 操作部
45 表示部
46 コンピュータプログラム(ソフトウェア)
47 OS
48 ミドルウェア部
48A DBA共通機能部
48B 省電力共通機能部
49 アプリケーション部品(アプリ部品)
49A DBAアプリ
49B 省電力アプリ
49C OAMアプリ
49D 防犯アプリ
50 内部API
50A〜50C 内部API
51 外部API
51A〜51C 外部API
52 OLT設定部
53 スイッチ制御部
54 外部API
55 外部API
60 筐体
61A DBAアクセラレータ
61B 省電力アクセラレータ
61C フレーム振り分け部
61D 画像処理アクセラレータ
63 DBA制御部
64 ゲート処理部
65 レポート処理部
66 送信処理部
67 受信処理部
68 送受信部
70 筐体
71 制御部
72 記憶部
73 通信部
76 コンピュータプログラム(ソフトウェア)
83 省電力制御部
84 PS処理部
85 帯域通知処理部
86 送信処理部
87 受信処理部
88 送受信部
Claims (10)
- 対応のPON回線を終端する1又は複数の局側終端装置と、前記局側終端装置が直接的又は間接的に接続される集線装置と、を備える光通信システムであって、
前記集線装置に直接的又は間接的に接続される対象装置に、下記の第1及び第2通信装置が含まれるPONシステム。
第1通信装置:所定のソフトウェアの実行に必要な情報を含む通信フレームにより、第2通信装置と通信するハードウェア構成のアクセラレータを有する通信装置
第2通信装置:所定のソフトウェアを実行する通信装置 - 前記局側終端装置と前記第1通信装置は、
前記集線装置にそれぞれ直接的に接続されるプラガブルモジュールよりなる請求項1に記載のPONシステム。 - 前記第1通信装置と前記第2通信装置は、
前記集線装置にそれぞれ直接的に接続されるプラガブルモジュールよりなる請求項1又は請求項2に記載のPONシステム。 - 前記ソフトウェアには、
PON機能の一部の機能を実現するためのアプリケーション部品と、前記アプリケーション部品と内部APIを介して接続された共通機能部と、が含まれ、
前記アクセラレータは、
前記一部の機能に必要な機能情報を伝送するための機能フレームにより、前記共通機能部と通信するFPGAにより構成される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のPONシステム。 - 前記アプリケーション部品には、
前記PON回線に収容された1又は複数の加入者側終端装置についてのDBA機能を実現するためのDBAアプリケーションが含まれる請求項4に記載のPONシステム。 - 前記アプリケーション部品には、
前記PON回線に収容された1又は複数の加入者側終端装置についての省電力機能を実現するための省電力アプリケーションが含まれる請求項4又は請求項5に記載のPONシステム。 - 前記ソフトウェアには、
前記PON回線に収容された加入者側終端装置が送信するユーザデータに基づいて、所定のサービスを実現するためのアプリケーション部品が含まれ、
前記アクセラレータは、
前記ユーザデータを用いて前記サービスに必要な判定処理を実行し、判定結果を前記第2通信装置に通知するFPGAにより構成される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のPONシステム。 - 前記ユーザデータは、
前記加入者側終端装置に接続された監視カメラが出力する画像データであり、
前記アプリケーション部品には、
監視結果をユーザに通知するための防犯アプリケーションが含まれ、
前記判定処理は、
前記画像データに含まれる所定の物体の状態を判定する処理である請求項7に記載のPONシステム。 - 対応のPON回線を終端する1又は複数の局側終端装置が直接的又は間接的に接続される集線装置に、直接的又は間接的に接続される通信装置であって、
筐体と、前記筐体内に収容されたハードウェア構成のアクセラレータと、を備え、
前記アクセラレータは、
下記に定義するレポートを前記局側終端装置から受信し、下記に定義する一括レポートを他の通信装置に送信し、下記に定義する一括ゲートを前記他の通信装置から受信し、下記に定義するグラント制御フレームを前記局側終端装置に送信する送受信部と、
受信した前記レポートを前記一括レポートに変換して前記送受信部に入力するレポート処理部と、
受信した前記一括ゲートを前記グラント制御フレームに変換して前記送受信部に入力するゲート処理部と、を有する通信装置。
レポート:加入者側終端装置の送信要求量が1つだけ格納される制御フレーム
一括レポート:加入者側終端装置の送信要求量が纏めて格納される制御フレーム
一括ゲート:加入者側終端装置のグラント情報が纏めて格納される制御フレーム
グラント制御フレーム:加入者側終端装置のグラント情報が1つだけ格納される制御フレーム - 対応のPON回線を終端する1又は複数の局側終端装置が直接的又は間接的に接続される集線装置に、直接的又は間接的に接続される通信装置であって、
筐体と、前記筐体内に収容されたハードウェア構成のアクセラレータと、を備え、
前記アクセラレータは、
下記に定義する帯域通知を前記局側終端装置から受信し、下記に定義する一括帯域通知を他の通信装置に送信し、下記に定義する一括PS通知を前記他の通信装置から受信し、下記に定義するスリープ制御フレームを前記局側終端装置に送信する送受信部と、
受信した前記帯域通知を前記一括帯域通知に変換して前記送受信部に入力する帯域通知処理部と、
受信した前記一括PS通知を前記スリープ制御フレームに変換して前記送受信部に入力するPS処理部と、を有する通信装置。
帯域通知:加入者側終端装置の帯域情報が1つだけ格納される制御フレーム
一括帯域通知:加入者側終端装置の帯域情報が纏めて格納される制御フレーム
一括PS通知:加入者側終端装置のスリープ情報が纏めて格納される制御フレーム
スリープ制御フレーム:加入者側終端装置のスリープ情報が1つだけ格納される制御フレーム
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