JP2021017852A - 圧縮機、室外機および空気調和装置 - Google Patents

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JP2021017852A JP2019134289A JP2019134289A JP2021017852A JP 2021017852 A JP2021017852 A JP 2021017852A JP 2019134289 A JP2019134289 A JP 2019134289A JP 2019134289 A JP2019134289 A JP 2019134289A JP 2021017852 A JP2021017852 A JP 2021017852A
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Kenji Takezawa
謙治 竹澤
向井 有吾
Yugo Mukai
有吾 向井
大島 健一
Kenichi Oshima
健一 大島
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Abstract

【課題】圧縮室内への冷媒の流入を減少させ、圧縮機の効率を向上させることができる圧縮機等を提供する。【解決手段】圧縮機は、流体が流入する流入口51と、流体を排出する排出口と、流体を圧縮するための圧縮室52とを有する容器53と、圧縮室の中心から偏心して配置され、圧縮室の内周面に接触しながら圧縮室内を回転する回転体54と、回転体に当接し、圧縮室を2つの空間に仕切る仕切部材55と、仕切部材の一端を押圧する弾性体56とを含む。弾性体は、仕切部材の一端を押圧するために伸縮自在な小径部56aと、小径部より径が大きい大径部56bとを有する。容器は、外面に設けられた開口部60から圧縮室へ向けて該開口部と同じ径で延びる拡径部61aと、拡径部に連続し、小径部が挿入される非拡径部61bとを有し、拡径部と非拡径部との間に形成される段差62が、弾性体が最大に伸びたときの小径部の側方に位置する。【選択図】図4

Description

本発明は、流体を圧縮する圧縮機、該圧縮機を備えた室外機および該室外機を備えた空気調和装置に関する。
空気調和装置の室外機に搭載される圧縮機には、部品数が少ないロータリ圧縮機が多く使用されている。ロータリ圧縮機は、圧縮室を有する容器(シリンダ)と、シリンダ内で回転運動する回転体(ローラ)と、圧縮室を低圧側と高圧側とに仕切る仕切部材(ベーン)とから構成され、低圧側に入った流体をローラの回転により圧縮しながら高圧側へ移動し、高圧側から排出させる。ベーンは、回転運動するローラに常に当接して圧縮室を2つに仕切るように背面からバネにより押し付けられる。
バネは、一般的にベーン背部に形成された取付穴に圧入され、その側圧で保持される。このため、取り付け不良の場合や輸送時等に圧縮機に衝撃力がかかった場合、バネが飛び出してしまう可能性がある。
そこで、取付穴を、取付穴の径より径を大きくした拡径部と、拡径部を挟むように形成され、拡径部より径を小さくした非拡径部とから構成し、拡径部に係止されたバネの大径バネ部が、非拡径部と拡径部との間に形成された段差により抜けないようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5183773号公報
バネは、拡径部に係止される大径バネ部と、ベーンの背面を押し、バネとして伸縮する小径バネ部と、大径バネ部と小径バネ部との間に存在し、大径バネ部の径と小径バネ部の径との中間の径を有し、バネとして伸縮する中間バネ部とにより構成される。上記の特許文献1に記載された技術では、小径バネ部にこの中間バネ部が含まれている。非拡径部は、バネの伸縮時にバネと接触し、損傷しないように中間バネ部が接触しない径にする必要がある。
しかしながら、取付穴は、ベーン側面の隙間を介して圧縮室と導通しており、上記の中間バネ部が接触しないように非拡径部の径を大きくすると、シリンダの周囲に満たされた高温、高圧の冷媒が圧縮室内へ流入しやすくなり、圧縮機の効率を低下させるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、流体を圧縮する圧縮機であって、
流体が流入する流入口と、流体を排出する排出口と、流体を圧縮するための圧縮室とを有する容器と、
圧縮室の中心から偏心して配置され、圧縮室の内周面に接触しながら圧縮室内を回転する回転体と、
回転体に当接し、圧縮室を2つの空間に仕切る仕切部材と、
仕切部材の一端を押圧する弾性体と
を含み、
弾性体は、仕切部材の一端を押圧するために伸縮自在な小径部と、小径部より径が大きい大径部とを有し、
容器は、外面に設けられた開口部から圧縮室へ向けて該開口部と同じ径で延びる拡径部と、拡径部に連続し、小径部が挿入される非拡径部とを有し、拡径部と非拡径部との間に形成される段差が、弾性体が最大に伸びたときの小径部の側方に位置する、圧縮機が提供される。
本発明によれば、圧縮室内への冷媒の流入を減少させ、圧縮機の効率を向上させることができる。
空気調和装置の構成例を示した図。 室外機の構成例を示した図。 圧縮機の構成例を示した図。 圧縮機構の構成例を示した図。 バネの形状の一例を示した図。 ベーンの摺動範囲について説明する図。 ベーン背面溝の底部の幅とバネの径との関係を説明する図。 バネの径方向への移動範囲について説明する図。 圧縮機のシリンダの設置例を示した図。
本実施形態に係る圧縮機は、流体を圧縮する装置として、単体で使用し、また、いかなる装置やシステムにも搭載することができるが、ここでは、空気調和装置の室外機に搭載するものとして説明する。
図1は、空気調和装置の構成例を示した図である。空気調和装置は、同一空間内に設けられる1以上の室内機と、その空間の外部に設置される1以上の室外機とを含む。図1に例示した装置は、室内に設置された1台の室内機10と、室外に設置された1台の室外機11とから構成されている。
室内機10と室外機11は、2本の配管12により接続され、配管12内を冷媒が循環するように構成されている。圧縮機は、室外機11に搭載され、この冷媒を循環させるために使用される。室内機10は、室内の空気を吸い込み、循環する冷媒により室内の空気を冷却または暖め、冷却または暖めた空気を吹き出す。これを繰り返すことにより室内を冷やし、または暖める。室外機11は、冷媒を室内機へ供給するとともに、室内機から回収し、加熱または冷却して、再び室内機10へ供給する。
図2は、室外機11の構成例を示した図である。室外機11は、外気を吸い込み、吹き出すファン20と、吸い込んだ空気を温め、または冷却する熱交換器21と、室内機10と室外機11との間で冷媒を循環する圧縮機22と、室外機11を制御する制御基板23と、膨張弁24とを備えている。また、室外機11は、外気温を計測する温度センサ、圧縮機22に供給する電流を計測するセンサ、冷媒の流量を計測するセンサ、冷媒の圧力を計測するセンサ、四方弁、アキュムレータ等を備えている。
制御基板23は、室内機10からの指示を受けて、室外機11を運転または停止し、通知された情報に基づき、ファン20や圧縮機22を制御して室内温度が設定温度になるように運転負荷を変え、室内機10へ供給する冷媒の温度や冷媒を循環する流量等を調整する。膨張弁24は、圧縮された冷媒を膨張させ、冷媒の温度を下げるために使用される。
ここで、運転中の空気調和装置における室外機11の動作を簡単に説明しておく。室外機11の運転が開始されると、圧縮機22が起動され、室内機10と室外機11との間の冷媒の循環が開始される。
空気調和装置を冷房に使用する場合、圧縮機22が冷媒を圧縮し、吐出すると、高温、高圧の冷媒は、熱交換器21内に供給される。冷媒は、ファン20により吸い込まれた外気と熱交換され、冷却される。冷却後、冷媒は、膨張弁24により膨張され、温度が下がり、配管12を通して室外機11から室内機10へ送られる。
室内機10は、ファンと、熱交換器と、制御基板とを備えており、熱交換器内に冷媒が供給され、ファンにより吸い込まれた室内の空気と熱交換される。空気は、冷媒により冷却され、室内へ吹き出される。
冷媒は、配管12を通り、圧縮機22へ戻される。この動作を繰り返し、吹き出された冷たい空気で室内を設定温度になるように冷却していく。
空気調和装置を暖房に使用する場合、冷房の場合と逆の動作となり、圧縮機22が冷媒を断熱圧縮し、高温、高圧の状態にして吐出すると、熱交換器21ではなく、配管12を通して室内機10へ送られる。室内機10では、熱交換器内に冷媒が供給され、ファンにより吸い込まれた室内の空気と熱交換される。空気は、冷媒により温められ、室内へ吹き出される。
冷媒は、空気に熱を与えて冷却され、配管12を通して室外機11へ送られる。室外機11では、膨張弁24により凝縮した高圧の冷媒を膨張させる。これにより、冷媒は、低温、低圧の状態になる。その後、熱交換器21内に供給され、ファン20により吸い込まれた外気と熱交換された後、圧縮機22へ戻される。この動作を繰り返し、吹き出された温かい空気で室内を設定温度になるように暖めていく。
図3は、圧縮機22の構成例を示した図である。圧縮機22は、部品数が少ないロータリ圧縮機であり、密閉容器30内に収容された電動機40と圧縮機構50とを含んで構成される。電動機40は、圧縮機構50を、回転軸31を介して回転駆動させるように構成され、固定子41と回転子42とを含む。
固定子41は、鉄心やコイル等で構成され、回転子42は、永久磁石を含み、固定子41のコイルに電流を流すことで電磁石を形成し、電流の向きを変えて、回転子42を回転させる。なお、これは一例であり、固定子41が永久磁石を含み、回転子42が鉄心やコイル等で構成されていてもよい。
圧縮機構50は、電動機40の下方に離間して配置される。電動機40と圧縮機構50との間の空間が一次空間32とされ、電動機40の上部の空間が二次空間33とされる。圧縮機構50の下部には、圧縮機構50の各摺動箇所の潤滑や後述する圧縮室のシール等に使用される冷凍機油が貯留されている。
圧縮機22は、密閉容器30の外部に、気液分離器34を備える。気液分離器34は、密閉容器30と接続され、液冷媒を分離し、ガス冷媒のみを密閉容器30内へ供給する。
密閉容器30内に供給された冷媒は、圧縮機構50へ入り、圧縮され、高温、高圧の冷媒となり、一次空間32へ排出される。固定子41と回転子42との間や、固定子41と密閉容器30との間には隙間があり、冷媒は、その隙間を通して二次空間33へと流れる。密閉容器30には、冷媒を吐出するための吐出管35が設けられており、二次空間33へと流れた冷媒は、吐出管35を通して外部へと吐出される。
図4は、圧縮機構50の構成例を示した図である。圧縮機構50は、冷媒が流入する流入口51と、冷媒を排出する排出口と、流入口51から流入した冷媒を圧縮するための圧縮室52とを有する容器(シリンダ)53を含む。実際には、圧縮室52は、シリンダ53の上下を、回転軸31に回転可能に支持する2つの軸受により閉鎖された密閉空間とされる。
また、圧縮機構50は、圧縮室52の中心から偏心して配置され、圧縮室52の内周面に接触しながら圧縮室52内を回転するローラ54を含む。ローラ54は、回転軸31に設けられ、回転軸31の回転に伴って回転軸31の周りを偏心した状態で回転し、一部がシリンダ53の内面と常に僅かな隙間を有する状態を保持する。
圧縮機構50は、ローラ54を有する圧縮室52の内部空間を2つの空間に仕切るベーン55を含む。ベーン55は、ベーン55の一端である背面からバネ56等の弾性体により押圧され、他端がローラ54の周部側面に当接し、押し付けられた状態となっている。ここでは、弾性体をバネ56として説明するが、これに限られるものではない。
ローラ54の回転により流入口51が開くと、低圧の冷媒が流入口51から流入し、圧縮室52のベーン55で仕切られた1つの空間(例えば空間57)を満たす。ローラ54がさらに回転すると、空間57の体積が小さくなり、冷媒が圧縮される。ローラ54が回転し、高圧になった冷媒により排出口(図示せず)が開くと、冷媒が排出口から排出される。冷媒が圧縮されている間、流入口51が開き、もう1つの空間58へ低圧の冷媒が入り、空間58を満たす。そして、同じようにして圧縮され、排出口から排出される。このようにしてロータリ圧縮機は、冷媒の取り入れと圧縮を同時に行う。
シリンダ53は、圧縮室52に連続し、ベーン55が嵌挿され、摺動される嵌挿部59と、バネ56を装着するために外面に設けられた開口部60から圧縮室52へ向けて延び、バネ56を取り付けるための取付穴(スプリング穴)61とを有する。
バネ56は、線状部材を螺旋状に形成したコイルバネで、長手方向の一方から見ると、リング状となっている。バネ56は、ベーン55の一端である背面を押圧するために伸縮自在な一定の径を有する小径部56aと、小径部56aより径が大きい大径部56bとを有する。大径部56bは、線状部材が蜜に巻かれ、長手方向へはほとんど伸縮しない。
スプリング穴61は、バネ56の形状に合わせて拡径部61aと非拡径部61bとから構成される。拡径部61aは、開口部60と同じ径で、開口部60から圧縮室52へ向けて延び、圧入された大径部56bと密着してバネ56を固定する。非拡径部61bは、拡径部61aに連続し、小径部56aが挿入される。非拡径部61b内には、ベーン55の背面側が突出しており、ベーン55の背面とバネ56の先端が当接し、バネ56が収縮した形で固定される。
拡径部61aと非拡径部61bは、断面が円形の穴として形成され、拡径部61aの径は非拡径部61bの径より大きい。このため、拡径部61aと非拡径部61bとの間に段差62が形成される。段差62は、バネ56が最大に伸びたときの小径部56aの側方に位置するように形成される。バネ56が最大に伸びたときとは、圧縮室52内を回転するローラ54が嵌挿部59から最も遠い位置に移動し、ローラ54の側面に押し付けられるベーン55が圧縮室52内へ最も押し出されたときである。
拡径部61aの径は、大径部56bを圧入することで、拡径部61aの内面に大径部56bが密着して固定されるように、バネ56の大径部56bの径と同じか、その径よりわずかに小さい径とされる。非拡径部61bの径は、バネ56がスプリング穴61に衝突して破損しないように、小径部56aが径方向へ移動可能な範囲より大きい径とされる。
線状部材を螺旋状に形成したバネ56では、1本の線状部材でバネ56を形成するため、小径部56aと大径部56bとの間に、図5に示すような小径部56aの径より大きく、大径部56bの径より小さい中間の径をもつ部分(中間径部)56cが形成される。中間径部56cは、小径部56aから大径部56bへ向かうにつれて径が大きくなり、小径部56aと同様、長手方向へ伸縮自在となっている。
ところで、シリンダ53の周囲に満たされている高圧の冷媒は、開口部60から拡径部61a、非拡径部61b、嵌挿部59を通して圧縮室52の低圧の空間57へ流入する。この冷媒の流入は、圧縮機22の効率低下の要因になっている。スプリング穴61の非拡径部61bは、バネ56が破損しないように、中間径部56cの径も考慮し、中間径部56cが径方向へ移動する範囲より大きい径とすることができる。しかしながら、このように非拡径部61bの径を大きくすると、圧縮室52への冷媒の流入量が増大し、圧縮機の効率を大きく低下させてしまう。
本実施形態に係る圧縮機22は、段差62を、バネ56が最大に伸びたときの小径部56aの側方に位置するように設けるため、中間径部56cが拡径部61a内で伸縮することになり、非拡径部61bを小径部56aの径に合わせて最小の径として形成することができる。したがって、本実施形態に係る圧縮機22を提供することで、冷媒が圧縮室52内へ流入する量を減少させ、圧縮機22の効率を向上させることができる。
なお、開口部60は、密閉容器30の内面にほぼ隣接する位置となるため、バネ56がスプリング穴61から抜けることはほぼない。このため、スプリング穴61の長さを充分に確保することができ、充分な長さのバネ56を収容することができる。また、バネ56の設計においても、長さを充分に確保することができるので、設計の自由度が上がり、バネ56の信頼性も向上させることができる。ただし、開口部60と密閉容器30の内面との僅かな隙間でバネ56が動いて擦れ、バネ56が損傷する可能性があることから、開口部60と密閉容器30の内面との隙間は出来るだけ小さいほうが望ましい。
スプリング穴61の長さを充分に確保することができれば、拡径部61aを多少長めに形成しても、非拡径部61bの長さを長くとることができる。非拡径部61bは、冷媒が流入する通路の一部であり、この通路は狭く、その長さを長くとることができることから、冷媒の流入を充分に減少させることができる。
図6は、ベーン55の摺動範囲について説明する図である。ベーン55は、バネ56により先端がローラ54に押し付けられ、ローラ54が圧縮室52内を回転することにより嵌挿部59から突出し、嵌挿部59内へ収納されることを繰り返し、往復運動をする。ベーン55は、嵌挿部59内を摺動し、摺動範囲70は、圧縮室52と嵌挿部59との境界71から、嵌挿部59内にベーン55が収納されたとき(上死点時)のベーン55の背面の位置72までの範囲とされる。ちなみに、ベーン55の背面が破線で示す位置に移動し、ベーン55が嵌挿部59から最も突出したときが下死点時である。
ベーン55の背面には、図6に示すようにバネ56の先端と当接し、バネ56の径方向への移動を制限して、適切に長手方向への伸縮を可能にするために、バネ56の先端が挿嵌されるベーン背面溝55aが形成されている。ベーン背面溝55aは、リング状の溝で、深さ方向(バネ56の長手方向)に傾斜が設けられている。
拡径部61aは、バネ56の中間径部56cが伸びて段差62の部分に衝突し、バネ56が破損しないように、バネ56の長手方向に延び、非拡径部61bが、摺動範囲70に位置することが望ましい。
図7は、ベーン背面溝55aの底部の幅とバネ56の径との関係を説明する図である。ベーン背面溝55aは、逆円錐台状の溝で、ベーン55の背面から深さ方向に向けて傾斜し、ベーン背面溝55aの底部の幅Wが最も狭くなっている。底部の幅Wは、バネ56の小径部56aの径とほぼ同じか、わずかに大きく形成される。これにより、底部に当接したバネ56の先端の径方向への移動を制限する。
非拡径部61bの径は、バネ56の小径部56aが径方向へ移動して衝突し、バネ56を破損しないように、ベーン背面溝55aの底部の幅Wより大きくされる。非拡径部61bの径は、幅Wより大きければいかなる大きさであってもよいが、大きすぎると圧縮機全体が大きくなるため、1mm以下の大きさで幅Wより大きくすることができる。
図8は、バネ56の径方向への移動範囲について説明する図である。ベーン背面溝55aは、リング状の溝で、その中央に、ベーン背面溝55aにより取り囲まれ、底部55bから突出した円錐台状の突出部55cを有している。バネ56は、先端がベーン背面溝55aの底部55bに当接し、螺旋状のバネ56の中に突出部55cが挿入された形で設置される。
バネ56は、バネ56の内側と突出部55cとの間の間隔Cが径方向への移動が可能な範囲であり、間隔Cが片側へのバネ56の移動可能距離とされる。バネ56の移動可能距離内に非拡径部61bの内面が存在すると、バネ56がその内面に衝突し、バネ56が破損するおそれがある。このため、バネ56とスプリング穴61の内面との間の隙間Dを間隔Cより大きくすることが望ましい。隙間Dも、間隔Cより大きければいかなる大きさであってもよいが、大きすぎると圧縮機全体が大きくなるため、1mm以下の大きさで幅Wより大きくすることができる。
図9は、圧縮機構50の設置例を示した図である。図9に示す例では、圧縮機構50が2段に配置されている。圧縮機22は、圧縮機構50が1段のみのものであってもよいし、2段以上もつものであってもよい。
上段の圧縮機構80は、上シリンダ81、上バネ82、上ベーン83、上ローラ84を有し、上シリンダ81に上スプリング穴85が形成されている。下段の圧縮機構90は、下シリンダ91、下バネ92、下ベーン93、下ローラ94を有し、下シリンダ91に下スプリング穴95が形成されている。
図9に示す例では、上段の圧縮機構80と下段の圧縮機構90との間に冷凍機油の油面100が存在している。
下段の圧縮機構90は、冷凍機油に浸漬された状態であり、高圧の冷媒が下スプリング穴95から下ローラ94を有する圧縮室内へ流入することはない。このため、下スプリング穴95は、開口部と同じ径で下ローラ94を有する圧縮室へ向けて延びる拡径部96のみとされている。
一方、上段の圧縮機構80は、冷凍機油の油面100から露出し、周囲に高圧の冷媒が満たされているため、冷媒が上スプリング穴85から上ローラ84を有する圧縮室内へ流入する。
上記の下段の圧縮機構90のように、スプリング穴が拡径部のみで構成されると、流路が大きく、多くの冷媒が流入することになる。しかしながら、上スプリング穴85は、拡径部86に加え、拡径部86の径より径が小さい非拡径部87を有するため、流路が小さくなり、冷媒が流入する量を減少させることができる。これにより、圧縮機22の効率を向上させることができる。
図9に示す例では、下段の圧縮機構90の下スプリング穴95を拡径部96のみで構成したが、上段の圧縮機構80と同様、拡径部96と非拡径部とで構成することも可能である。
低温での圧縮機22の起動時には、冷凍機油内に冷媒が多く溶け込んでおり、その冷凍機油が圧縮室へ多く流入することで、多くの冷媒も流入し、性能が低下することが予想される。しかしながら、下段の圧縮機構90の下スプリング穴95を、拡径部96と非拡径部とで構成することで流路を小さくし、冷媒が溶け込んだ冷凍機油の流入を減少させることができる。圧縮室内への冷媒の流入が減少するため、圧縮機22の効率を向上させ、圧縮機22の信頼性を向上させることができる。
これまで本発明の圧縮機、室外機および空気調和装置について上述した実施形態をもって詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…室内機
11…室外機
12…配管
20…ファン
21…熱交換器
22…圧縮機
23…制御基板
24…膨張弁
30…密閉容器
31…回転軸
32…一次空間
33…二次空間
34…気液分離器
35…吐出管
40…電動機
41…固定子
42…回転子
50…圧縮機構
51…流入口
52…圧縮室
53…シリンダ
54…ローラ
55…ベーン
55a…ベーン背面溝
55b…底部
55c…突出部
56…バネ
56a…小径部
56b…大径部
56c…中間径部
57、58…空間
59…嵌挿部
60…開口部
61…スプリング穴
61a…拡径部
61b…非拡径部
62…段差
70…摺動範囲
71…境界
72…位置
80…圧縮機構
81…上シリンダ
82…上バネ
83…上ベーン
84…上ローラ
85…上スプリング穴
86…拡径部
87…非拡径部
90…圧縮機構
91…下シリンダ
92…下バネ
93…下ベーン
94…下ローラ
95…下スプリング穴
96…拡径部
100…油面

Claims (9)

  1. 流体を圧縮する圧縮機であって、
    前記流体が流入する流入口と、前記流体を排出する排出口と、前記流体を圧縮するための圧縮室とを有する容器と
    前記圧縮室の中心から偏心して配置され、前記圧縮室の内周面に接触しながら該圧縮室内を回転する回転体と、
    前記回転体に当接し、前記圧縮室を2つの空間に仕切る仕切部材と、
    前記仕切部材の一端を押圧する弾性体と
    を含み、
    前記弾性体は、前記仕切部材の一端を押圧するために伸縮自在な小径部と、前記小径部より径が大きい大径部とを有し、
    前記容器は、外面に設けられた開口部から前記圧縮室へ向けて該開口部と同じ径で延びる拡径部と、前記拡径部に連続し、前記小径部が挿入される非拡径部とを有し、前記拡径部と前記非拡径部との間に形成される段差が、前記弾性体が最大に伸びたときの前記小径部の側方に位置する、圧縮機。
  2. 前記弾性体は、前記小径部と前記大径部との間に、前記小径部の径より大きく、前記大径部の径より小さい中間の径を有する中間径部を有し、
    前記中間径部と前記大径部とが前記拡径部内に収納される、請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記拡径部は、圧入される前記弾性体の前記大径部と密着して該弾性体を固定する、請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 前記非拡径部は、前記仕切部材が摺動する範囲に位置する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧縮機。
  5. 前記仕切部材は、前記小径部が挿入される背面溝を有し、
    前記非拡径部の径が、前記小径部の先端と当接する前記背面溝の底部の幅より大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  6. 前記仕切部材は、前記小径部が挿入される背面溝を有し、
    前記非拡径部の内面と前記小径部との隙間が、前記小径部が径方向へ移動可能な距離より大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  7. 前記容器と前記回転体と前記仕切部材と前記弾性体とを含む圧縮機構を、少なくとも1つ有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧縮機。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧縮機を含む、室外機。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧縮機を含む、空気調和装置。
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