JP2021017503A - 樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性を有し、機械特性も良好な新規樹脂組成物の提供。【解決手段】ジアミン単位100モル%中に式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含み、かつジカルボン酸単位100モル%中にメチレン鎖が2〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を70%以上含むポリアミド樹脂100重量部に対して、臭化リチウムを2重量部以上50重量部以下を配合してなる、樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本開示は、樹脂組成物に関する。
従来、透明な樹脂として、ポリカーボネート樹脂(特許文献1参照)やアクリル樹脂(特許文献2参照)が知られている。
しかし、これらの樹脂を用いた樹脂組成物は、用途によっては機械特性が必ずしも十分とは言えないため、透明性を有し、機械特性も良好な新規樹脂組成物が切望されていた。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、透明性を有し、機械特性も良好な新規樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、透明性を有し、機械特性も良好な新規樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
〔1〕ジアミン単位100モル%中に下記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含み、かつジカルボン酸単位100モル%中に下記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を70%以上含むポリアミド樹脂100重量部に対して、
臭化リチウムを2重量部以上50重量部以下を配合してなる、樹脂組成物。
臭化リチウムを2重量部以上50重量部以下を配合してなる、樹脂組成物。
本開示の樹脂組成物は、透明性を有し、機械特性も良好である。
ここで、本開示の他の例を示す。
〔2〕ジアミン単位100モル%中に下記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含み、かつジカルボン酸単位100モル%中に下記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を70%以上含むポリアミド樹脂100重量部に対して、
塩化カルシウムを2重量部以上15重量部以下を配合してなる、樹脂組成物。
〔2〕ジアミン単位100モル%中に下記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含み、かつジカルボン酸単位100モル%中に下記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を70%以上含むポリアミド樹脂100重量部に対して、
塩化カルシウムを2重量部以上15重量部以下を配合してなる、樹脂組成物。
〔2〕の樹脂組成物は、透明性を有し、機械特性も良好である。
〔3〕前記芳香族ジアミン単位が、メタキシリレンジアミン単位である、〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕の樹脂組成物は、高い透明性を有し、機械特性も非常に良好である。
〔3〕の樹脂組成物は、高い透明性を有し、機械特性も非常に良好である。
〔4〕前記直鎖脂肪族ジカルボン酸単位が、アジピン酸単位である、〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕の樹脂組成物は、高い透明性を有し、機械特性も非常に良好である。
〔4〕の樹脂組成物は、高い透明性を有し、機械特性も非常に良好である。
〔5〕銅化合物を含有しない、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔5〕の樹脂組成物は、高い透明性を有し、機械特性も非常に良好である。
〔5〕の樹脂組成物は、高い透明性を有し、機械特性も非常に良好である。
〔6〕UV−Vis分光光度計による透過率(波長:400nm〜700nm)は、80%〜100%である、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔6〕の樹脂組成物は、高い透明性を有し、機械特性も非常に良好である。
〔6〕の樹脂組成物は、高い透明性を有し、機械特性も非常に良好である。
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、本明細書において、数値範囲について「〜」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10〜20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10〜20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.第1実施形態の樹脂組成物
第1実施形態の樹脂組成物は、ジアミン単位100モル%中に下記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含み、かつジカルボン酸単位100モル%中に下記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を70%以上含むポリアミド樹脂100重量部に対して、
臭化リチウムを2重量部以上50重量部以下を配合してなる。
第1実施形態の樹脂組成物は、ジアミン単位100モル%中に下記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含み、かつジカルボン酸単位100モル%中に下記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を70%以上含むポリアミド樹脂100重量部に対して、
臭化リチウムを2重量部以上50重量部以下を配合してなる。
(1)ポリアミド樹脂におけるジアミン単位、及びジカルボン酸単位の含有量
ポリアミド樹脂において、機械特性の観点から、ジアミン単位の含有量は好ましくは25〜50モル%であり、より好ましくは30〜50モル%である。ポリアミド樹脂において、機械特性の観点から、ジカルボン酸単位の含有量は好ましくは25〜50モル%であり、より好ましくは30〜50モル%である。
ポリアミド樹脂において、機械特性の観点から、ジアミン単位の含有量は好ましくは25〜50モル%であり、より好ましくは30〜50モル%である。ポリアミド樹脂において、機械特性の観点から、ジカルボン酸単位の含有量は好ましくは25〜50モル%であり、より好ましくは30〜50モル%である。
ジアミン単位とジカルボン酸単位との含有量の割合は、重合反応の観点から、ほぼ同量であることが好ましく、ジカルボン酸単位の含有量がジアミン単位の含有量の±2モル%であることがより好ましい。ジカルボン酸単位の含有量がジアミン単位の含有量の±2モル%の範囲を超えると、ポリアミドの重合度が上がりにくくなるため重合度を上げるのに多くの時間を要し、熱劣化が生じやすくなる。
(2)ジアミン単位
ポリアミド樹脂中のジアミン単位は、機械特性の観点から、前記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位をジアミン単位中(100モル%中)に70モル%以上含み、当該含有量は、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。なお、当該含有量は、100モル%以下である。
ポリアミド樹脂中のジアミン単位は、機械特性の観点から、前記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位をジアミン単位中(100モル%中)に70モル%以上含み、当該含有量は、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。なお、当該含有量は、100モル%以下である。
前記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を構成しうる化合物としては、メタキシリレンジアミン、オルトキシリレンジアミン、及びパラキシリレンジアミンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミド樹脂中のジアミン単位は、機械特性の観点から、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むことが好ましく、当該含有量は、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。なお、当該含有量は、100モル%以下である。
前記式(I)で表される芳香族ジアミン単位以外のジアミン単位を構成しうる化合物としては、パラフェニレンジアミン等の芳香族ジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン等の脂肪族ジアミン、ハンツマン社製のジェファーミンやエラスタミン(いずれも商品名)に代表されるエーテル結合を有するポリエーテル系ジアミン等を例示できるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(3)ジカルボン酸単位
ポリアミド樹脂中のジカルボン酸単位は、重合時の反応性等の観点から、前記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を、ジカルボン酸単位中(100モル%中)に、70モル%以上含み、当該含有量は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。なお、当該含有量は、100モル%以下である。
ポリアミド樹脂中のジカルボン酸単位は、重合時の反応性等の観点から、前記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を、ジカルボン酸単位中(100モル%中)に、70モル%以上含み、当該含有量は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。なお、当該含有量は、100モル%以下である。
一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位におけるnは、2〜18の整数を表し、好ましくは3〜16、より好ましくは4〜12、更に好ましくは4〜8である。
前記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を構成しうる化合物としては、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等を例示できるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を構成しうる化合物としては、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等を例示できるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位の種類は用途に応じて適宜決定される。前記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位は、機械特性の観点から、アジピン酸単位であることが好ましい。
前記一般式(II)で表されるジカルボン酸単位以外のジカルボン酸単位を構成しうる化合物としては、シュウ酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、1,3−ベンゼン二酢酸、1,4−ベンゼン二酢酸等のジカルボン酸を例示できるが、これらに限定されるものではない。
(4)その他の単位
また前記のジアミン単位、ジカルボン酸単位以外にも、ポリアミド樹脂を構成する単位として、効果を損なわない範囲で、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等も共重合単位として使用できる。
また前記のジアミン単位、ジカルボン酸単位以外にも、ポリアミド樹脂を構成する単位として、効果を損なわない範囲で、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等も共重合単位として使用できる。
(5)ポリアミド樹脂の重合度
ポリアミド樹脂の重合度については、相対粘度が使われる。ポリアミド樹脂の好ましい相対粘度は、好ましくは1.8〜4.2である。
ポリアミド樹脂の相対粘度は、成形品の外観や成形加工性の観点から、好ましくは1.8〜4.2、より好ましくは2.0〜4.0、更に好ましくは2.2〜3.8である。
なお、ここでいう相対粘度は、ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100mLに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で示される。
相対粘度=t/t0
ポリアミド樹脂の重合度については、相対粘度が使われる。ポリアミド樹脂の好ましい相対粘度は、好ましくは1.8〜4.2である。
ポリアミド樹脂の相対粘度は、成形品の外観や成形加工性の観点から、好ましくは1.8〜4.2、より好ましくは2.0〜4.0、更に好ましくは2.2〜3.8である。
なお、ここでいう相対粘度は、ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100mLに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で示される。
相対粘度=t/t0
(6)ポリアミド樹脂の製造方法
ポリアミド樹脂の製造方法は、特に限定されない。ポリアミド樹脂は、例えば溶融重縮合(溶融重合)法により製造される。溶融重縮合法としては、例えばジアミンとジカルボン酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法がある。また、ジアミンを溶融状態のジカルボン酸に直接加えて、重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態に保つために、ジアミンをジカルボン酸に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
ポリアミド樹脂の製造方法は、特に限定されない。ポリアミド樹脂は、例えば溶融重縮合(溶融重合)法により製造される。溶融重縮合法としては、例えばジアミンとジカルボン酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法がある。また、ジアミンを溶融状態のジカルボン酸に直接加えて、重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態に保つために、ジアミンをジカルボン酸に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
ポリアミド樹脂の重縮合系内にはアミド化反応を促進する効果や、重縮合時の着色を防止する効果を得るために、リン原子含有化合物を添加してもよい。リン原子含有化合物としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸エチル、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウム、フェニル亜ホスホン酸エチル、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム、亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸等が挙げられ、これらの中でも特に次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩がアミド化反応を促進する効果が高く、かつ着色防止効果にも優れるため好ましく用いられ、特に次亜リン酸ナトリウムが好ましいが、使用可能なリン原子含有化合物はこれらの化合物に限定されない。
ポリアミド樹脂の重縮合系内に添加するリン原子含有化合物の添加量は、ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で1〜500ppmであることが好ましく、より好ましくは5〜450ppmであり、更に好ましくは10〜400ppmである。上述の範囲内にリン原子化合物の添加量を設定することで重縮合中のポリアミドの着色を防止するとともにポリアミドのゲル化を抑制することができるため、成形品の外観を良好に保つことができる。
また、ポリアミド樹脂の重縮合系内には、リン原子含有化合物と併用してアルカリ金属化合物を添加することが好ましい。重縮合中のポリアミド樹脂の着色を防止するためにはリン原子含有化合物を十分な量存在させる必要があるが、場合によってはポリアミド樹脂のゲル化を促進するおそれがあるため、アミド化反応速度を調整するためにもアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を共存させることが好ましい。例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属/アルカリ土類金属水酸化物や、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム等のアルカリ金属/アルカリ土類金属酢酸塩等が挙げられるが、これらの化合物に限定されることなく用いることができる。
ポリアミド樹脂の重縮合系内にアルカリ金属化合物を添加する場合、該化合物のモル数をリン原子含有化合物のモル数で除した値が0.5〜2.0となるようにすることが好ましく、より好ましくは0.6〜1.8であり、更に好ましくは0.7〜1.5である。上述の範囲とすることでリン原子含有化合物によるアミド化反応促進効果を得つつゲルの生成を抑制することが可能となる。
溶融重縮合で得られたポリアミド樹脂は一旦取り出され、ペレット化された後、乾燥して使用される。また、更に重合度を高めるために固相重合してもよい。乾燥乃至固相重合で用いられる加熱装置としては、連続式の加熱乾燥装置やタンブルドライヤー、コニカルドライヤー、ロータリードライヤー等と称される回転ドラム式の加熱装置及びナウタミキサーと称される内部に回転翼を備えた円錐型の加熱装置が好適に使用できるが、これらに限定されることなく公知の方法、装置を使用することができる。特にポリアミドの固相重合を行う場合は、上述の装置の中でも回転ドラム式の加熱装置が、系内を密閉化でき、着色の原因となる酸素を除去した状態で重縮合を進めやすいことから好ましく用いられる。
(7)臭化リチウムの配合量
臭化リチウムの配合量は、透明性及び機械特性の観点から、ポリアミド樹脂100重量部に対して、2重量部以上が好ましく、5重量部以上がより好ましい。他方、臭化リチウムの配合量は、50重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましい。これらの観点から、臭化リチウムの配合量は、2重量部〜50重量部が好ましく、5重量部〜20重量部より好ましい。
臭化リチウムの配合量は、透明性及び機械特性の観点から、ポリアミド樹脂100重量部に対して、2重量部以上が好ましく、5重量部以上がより好ましい。他方、臭化リチウムの配合量は、50重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましい。これらの観点から、臭化リチウムの配合量は、2重量部〜50重量部が好ましく、5重量部〜20重量部より好ましい。
(8)その他の添加剤
樹脂組成物には、要求される用途や性能に応じて、滑剤、結晶化核剤、白化防止剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、酸化防止剤、耐衝撃性改良材等の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて添加することができる。
樹脂組成物には、要求される用途や性能に応じて、滑剤、結晶化核剤、白化防止剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、酸化防止剤、耐衝撃性改良材等の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて添加することができる。
(9)樹脂組成物の製造方法
樹脂組成物はどのようにして製造してもよく、その方法は特に限定されない。製造方法として、押出機による溶融混練やニーダーによる溶融混練等を使用できる。生産性の点からは、連続的に製造可能な押出機による溶融混練が好適に用いられる。押出機による溶融混練については、単軸押出機、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機、二軸単軸複合押出機等の押出機を1台以上で使用できるが、混練性、反応性、生産性の向上の点から、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機が好ましく使用でき、二軸押出機を用いた溶融混練による方法が好ましい。
より具体的には、例えば、次のようにして製造することができる。すなわち、上記各成分、さらに必要に応じて他の添加剤を常法に準じて適宜配合し、混練機にかけ加熱状態で溶融混練する。必要に応じて、これを室温下にて冷却固化させた後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じてペレット状等に成形するという一連の工程を経由することにより目的とする樹脂組成物を製造することができる。
混練温度は、特に限定されない。混練温度としては、各成分の融点以上であることが好ましい。例えば、好ましくは250℃〜280℃である。この範囲内であると、臭化リチウムの分散性が高まり、樹脂組成物の透明性が高くなる。
混練時間も特に限定されない。例えば、好ましくは1〜10分であり、より好ましくは2〜8分であり、特に好ましくは3〜6分である。この範囲内であると、樹脂組成物の透明性が高くなる。
樹脂組成物はどのようにして製造してもよく、その方法は特に限定されない。製造方法として、押出機による溶融混練やニーダーによる溶融混練等を使用できる。生産性の点からは、連続的に製造可能な押出機による溶融混練が好適に用いられる。押出機による溶融混練については、単軸押出機、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機、二軸単軸複合押出機等の押出機を1台以上で使用できるが、混練性、反応性、生産性の向上の点から、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機が好ましく使用でき、二軸押出機を用いた溶融混練による方法が好ましい。
より具体的には、例えば、次のようにして製造することができる。すなわち、上記各成分、さらに必要に応じて他の添加剤を常法に準じて適宜配合し、混練機にかけ加熱状態で溶融混練する。必要に応じて、これを室温下にて冷却固化させた後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じてペレット状等に成形するという一連の工程を経由することにより目的とする樹脂組成物を製造することができる。
混練温度は、特に限定されない。混練温度としては、各成分の融点以上であることが好ましい。例えば、好ましくは250℃〜280℃である。この範囲内であると、臭化リチウムの分散性が高まり、樹脂組成物の透明性が高くなる。
混練時間も特に限定されない。例えば、好ましくは1〜10分であり、より好ましくは2〜8分であり、特に好ましくは3〜6分である。この範囲内であると、樹脂組成物の透明性が高くなる。
(10)UV−Vis分光光度計による透過率
UV−Vis分光光度計による透過率(波長:400nm〜700nm)は、80%以上であることが好ましく、83%以上であることがより好ましく、85%以上であることが更に好ましい。この透過率は高いほど好ましいが、上限値は、通常99%である。
この透過率は、以下のようにして測定される。厚さ2mmの樹脂組成物の評価用試験片(板)をUV−Vis分光光度計(例えば、島津製作所製 UV−3600)にて積分球(図1参照)をセットし、各波長における透過率を測定する。そして、透過率(波長:400nm〜700nm)は、400nm〜700nmの波長範囲の透過率のグラフ面積から、図2の右式を用いて算出する(図2参照)。
UV−Vis分光光度計による透過率(波長:400nm〜700nm)は、80%以上であることが好ましく、83%以上であることがより好ましく、85%以上であることが更に好ましい。この透過率は高いほど好ましいが、上限値は、通常99%である。
この透過率は、以下のようにして測定される。厚さ2mmの樹脂組成物の評価用試験片(板)をUV−Vis分光光度計(例えば、島津製作所製 UV−3600)にて積分球(図1参照)をセットし、各波長における透過率を測定する。そして、透過率(波長:400nm〜700nm)は、400nm〜700nmの波長範囲の透過率のグラフ面積から、図2の右式を用いて算出する(図2参照)。
(11)全光線透過率
全光線透過率(JIS K 7361−1:1997)は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。全光線透過率は高いほど好ましいが、上限値は、通常99%である。
全光線透過率(JIS K 7361−1:1997)は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。全光線透過率は高いほど好ましいが、上限値は、通常99%である。
(12)透明性が優れる推測理由
ここで、本開示の樹脂組成物が、透明性の点で優れることについて、推測される理由を説明する。
本開示の樹脂組成物に含有されているポリアミド樹脂は、その結晶中では、アミド基が水素結合により相互作用し配列している。樹脂組成物に臭化リチウムを配合することで、Li+がアミド基と相互作用し、アミド基同士の水素結合を阻害することで、結晶化が抑制され、透明性が高まると推測される。
ここで、本開示の樹脂組成物が、透明性の点で優れることについて、推測される理由を説明する。
本開示の樹脂組成物に含有されているポリアミド樹脂は、その結晶中では、アミド基が水素結合により相互作用し配列している。樹脂組成物に臭化リチウムを配合することで、Li+がアミド基と相互作用し、アミド基同士の水素結合を阻害することで、結晶化が抑制され、透明性が高まると推測される。
2.第2実施形態の樹脂組成物
第2実施形態の樹脂組成物は、ジアミン単位100モル%中に下記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含み、かつジカルボン酸単位100モル%中に下記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を70%以上含むポリアミド樹脂100重量部に対して、
塩化カルシウムを2重量部以上15重量部以下を配合してなる。
第2実施形態の樹脂組成物は、ジアミン単位100モル%中に下記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含み、かつジカルボン酸単位100モル%中に下記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を70%以上含むポリアミド樹脂100重量部に対して、
塩化カルシウムを2重量部以上15重量部以下を配合してなる。
(1)説明の援用
第2実施形態の樹脂組成物のポリアミド樹脂は、第1実施形態の樹脂組成物のポリアミド樹脂の説明をそのまま適用し、その記載は省略する。すなわち、「1.第1実施形態の樹脂組成物」の項目で説明した「(1)ポリアミド樹脂におけるジアミン単位、及びジカルボン酸単位の含有量」、「(2)ジアミン単位」、「(3)ジカルボン酸単位」、「(4)その他の単位」、「(5)ポリアミド樹脂の重合度」、「(6)ポリアミド樹脂の製造方法」をそのまま適用する。
また、第2実施形態の樹脂組成物は、「1.第1実施形態の樹脂組成物」の項目で説明した「(8)その他の添加剤」、「(9)樹脂組成物の製造方法」、「(10)UV−Vis分光光度計による透過率」「(11)全光線透過率」をそのまま適用し、その記載は省略する。
第2実施形態の樹脂組成物のポリアミド樹脂は、第1実施形態の樹脂組成物のポリアミド樹脂の説明をそのまま適用し、その記載は省略する。すなわち、「1.第1実施形態の樹脂組成物」の項目で説明した「(1)ポリアミド樹脂におけるジアミン単位、及びジカルボン酸単位の含有量」、「(2)ジアミン単位」、「(3)ジカルボン酸単位」、「(4)その他の単位」、「(5)ポリアミド樹脂の重合度」、「(6)ポリアミド樹脂の製造方法」をそのまま適用する。
また、第2実施形態の樹脂組成物は、「1.第1実施形態の樹脂組成物」の項目で説明した「(8)その他の添加剤」、「(9)樹脂組成物の製造方法」、「(10)UV−Vis分光光度計による透過率」「(11)全光線透過率」をそのまま適用し、その記載は省略する。
(2)塩化カルシウムの配合量
塩化カルシウムの配合量は、透明性の観点から、ポリアミド樹脂100重量部に対して、2重量部以上が好ましく、5重量部以上がより好ましい。他方、塩化カルシウムの配合量は、分散性の観点から、15重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。これらの観点から、塩化カルシウムの配合量は、2重量部〜15重量部が好ましく、5重量部〜10重量部より好ましい。
塩化カルシウムの配合量は、透明性の観点から、ポリアミド樹脂100重量部に対して、2重量部以上が好ましく、5重量部以上がより好ましい。他方、塩化カルシウムの配合量は、分散性の観点から、15重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。これらの観点から、塩化カルシウムの配合量は、2重量部〜15重量部が好ましく、5重量部〜10重量部より好ましい。
(3)透明性が優れる推測理由
ここで、本開示の樹脂組成物が、透明性の点で優れることについて、推測される理由を説明する。
本開示の樹脂組成物に含有されているポリアミド樹脂は、その結晶中では、アミド基が水素結合により相互作用し配列している。樹脂組成物に塩化カルシウムを配合することで、Ca2+イオンがアミド基と相互作用し、アミド基同士の水素結合を阻害することで、結晶化が抑制され、透明性が高まると推測される。
ここで、本開示の樹脂組成物が、透明性の点で優れることについて、推測される理由を説明する。
本開示の樹脂組成物に含有されているポリアミド樹脂は、その結晶中では、アミド基が水素結合により相互作用し配列している。樹脂組成物に塩化カルシウムを配合することで、Ca2+イオンがアミド基と相互作用し、アミド基同士の水素結合を阻害することで、結晶化が抑制され、透明性が高まると推測される。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
1.実験A 添加物の種類の検討
(1)樹脂組成物の調製
ポリアミド樹脂として、メタキシリレンアジパミド系ポリアミド(MXナイロン(三菱ガス化学製:グレード S6007))を用いた。添加剤として、表1に記載の各種添加剤を用いた。ポリアミド樹脂100重量部に対して、各種添加剤が表1の添加量になるように混練して、各種樹脂組成物を調製した。
混練は、以下のように行った。すなわち、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所、型式「4C150」)を用い、混練温度を270℃に設定し、スクリュー回転数を75回転/分として、初めにMXナイロンを投入し混練し、混練開始から2分後に添加剤を投入し、更に2分間溶融混練した。このように、混練したのでトータルの混練時間は4分間であった。
(1)樹脂組成物の調製
ポリアミド樹脂として、メタキシリレンアジパミド系ポリアミド(MXナイロン(三菱ガス化学製:グレード S6007))を用いた。添加剤として、表1に記載の各種添加剤を用いた。ポリアミド樹脂100重量部に対して、各種添加剤が表1の添加量になるように混練して、各種樹脂組成物を調製した。
混練は、以下のように行った。すなわち、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所、型式「4C150」)を用い、混練温度を270℃に設定し、スクリュー回転数を75回転/分として、初めにMXナイロンを投入し混練し、混練開始から2分後に添加剤を投入し、更に2分間溶融混練した。このように、混練したのでトータルの混練時間は4分間であった。
(2)DSC測定
各種樹脂組成物について、それぞれ示差走査熱量計(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、型式「DSC404 F3」)を用いて、DSCデータを得た。DSCデータは、縦軸を熱流(mW/mg)とし、横軸を温度(℃)とした。DSCデータとしては、降温過程のデータを採用し、結晶化に伴う発熱ピークの有無を確認した。
各種樹脂組成物について、それぞれ示差走査熱量計(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、型式「DSC404 F3」)を用いて、DSCデータを得た。DSCデータは、縦軸を熱流(mW/mg)とし、横軸を温度(℃)とした。DSCデータとしては、降温過程のデータを採用し、結晶化に伴う発熱ピークの有無を確認した。
(3)結果
結果を表1に併記する。表1における結晶性の欄における「結晶」は、結晶化に伴う発熱ピークが確認された場合を示す。この欄における「非晶」は、結晶化に伴う発熱ピークが確認されない場合を示す。
表1の結果から、添加剤として、LiBr(臭化リチウム)、CaCl2(塩化カルシウム)を用いた場合には、樹脂組成物の結晶化が抑制され、透明であることが確認できた。なお、CuCl2(塩化銅)を用いた場合には、樹脂組成物の結晶化が抑制され、樹脂組成物は非晶質となるが、樹脂組成物が劣化した状態となるため、実用に耐えないことが分かった。
結果を表1に併記する。表1における結晶性の欄における「結晶」は、結晶化に伴う発熱ピークが確認された場合を示す。この欄における「非晶」は、結晶化に伴う発熱ピークが確認されない場合を示す。
表1の結果から、添加剤として、LiBr(臭化リチウム)、CaCl2(塩化カルシウム)を用いた場合には、樹脂組成物の結晶化が抑制され、透明であることが確認できた。なお、CuCl2(塩化銅)を用いた場合には、樹脂組成物の結晶化が抑制され、樹脂組成物は非晶質となるが、樹脂組成物が劣化した状態となるため、実用に耐えないことが分かった。
2.実験B LiBrの添加量の検討
(1)樹脂組成物の調製
ポリアミド樹脂として、メタキシリレンアジパミド系ポリアミド(MXナイロン(三菱ガス化学製:グレード S6007))を用いた。添加剤として、LiBr(臭化リチウム)を用いた。ポリアミド樹脂100重量部に対して、LiBrが表2の添加量になるように混練して、各種樹脂組成物を調製した。
混練は、上述の実験Aと同様に行った。
(1)樹脂組成物の調製
ポリアミド樹脂として、メタキシリレンアジパミド系ポリアミド(MXナイロン(三菱ガス化学製:グレード S6007))を用いた。添加剤として、LiBr(臭化リチウム)を用いた。ポリアミド樹脂100重量部に対して、LiBrが表2の添加量になるように混練して、各種樹脂組成物を調製した。
混練は、上述の実験Aと同様に行った。
(2)DSC測定
各種樹脂組成物について、上述の実験Aと同様にしてDSCデータを得た。
DSCデータから、結晶性の有無を判断し、ガラス転移温度を求めた。
各種樹脂組成物について、上述の実験Aと同様にしてDSCデータを得た。
DSCデータから、結晶性の有無を判断し、ガラス転移温度を求めた。
(3)曲げ弾性率測定
各種樹脂組成物から作製した各評価用試験片を用いて、JIS K7171に準拠して曲げ弾性率の測定を行った。なお、この曲げ弾性率は、各試験片を支点間距離(L)64mmとした2つの支点(曲率半径5mm)で支持しつつ、支点間中心に配置した作用点(曲率半径5mm)から速度2mm/分にて荷重の負荷を行い測定した。
各種樹脂組成物から作製した各評価用試験片を用いて、JIS K7171に準拠して曲げ弾性率の測定を行った。なお、この曲げ弾性率は、各試験片を支点間距離(L)64mmとした2つの支点(曲率半径5mm)で支持しつつ、支点間中心に配置した作用点(曲率半径5mm)から速度2mm/分にて荷重の負荷を行い測定した。
(4)全光線透過率の測定
各種樹脂組成物から作製した厚さ2mmの評価用試験片(板)を用いて、JIS K 7136に準拠して全光線透過率を測定した。
測定装置:濁度計 NDH2000(日本電色工業(株)製)
測定条件:光源;D65
測定径;φ20mm
各種樹脂組成物から作製した厚さ2mmの評価用試験片(板)を用いて、JIS K 7136に準拠して全光線透過率を測定した。
測定装置:濁度計 NDH2000(日本電色工業(株)製)
測定条件:光源;D65
測定径;φ20mm
(5)鉛筆硬度の測定
鉛筆硬度は、JIS K 5600−5−4「引っかき硬度(鉛筆法)」に準拠して測定した。
測定試料:形状;φ130mm、厚さ1mm
試験条件:使用鉛筆;Uni(三菱鉛筆(株)製)
試験機:鉛筆硬度計 5800型(BYK−Gardner社製)
試料をガラス板の上に置き、試験した。
鉛筆硬度は、JIS K 5600−5−4「引っかき硬度(鉛筆法)」に準拠して測定した。
測定試料:形状;φ130mm、厚さ1mm
試験条件:使用鉛筆;Uni(三菱鉛筆(株)製)
試験機:鉛筆硬度計 5800型(BYK−Gardner社製)
試料をガラス板の上に置き、試験した。
(6)UV−Vis分光光度計による透過率
この透過率は、以下のようにして測定した。厚さ2mmの樹脂組成物の評価用試験片(板)をUV−Vis分光光度計(島津製作所製 UV−3600)にて積分球(図1参照)をセットし、各波長における透過率を測定した。そして、透過率(波長:400nm〜700nm)は、400〜700nmの波長範囲の透過率のグラフ面積から算出した(図2参照)。
この透過率は、以下のようにして測定した。厚さ2mmの樹脂組成物の評価用試験片(板)をUV−Vis分光光度計(島津製作所製 UV−3600)にて積分球(図1参照)をセットし、各波長における透過率を測定した。そして、透過率(波長:400nm〜700nm)は、400〜700nmの波長範囲の透過率のグラフ面積から算出した(図2参照)。
(7)結果及び考察
結果を図3、及び表2に示す。
図3には、各種添加量の樹脂組成物のDSCデータが示されている。この図3から、ポリアミド樹脂100重量部に対して、臭化リチウムを2重量部以上添加すると、結晶化に伴う発熱ピークが消滅することが確認できる。従って、臭化リチウムを2重量部以上添加すると、樹脂組成物が非晶化することが分かる。
臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物の曲げ弾性率は、無添加のポリアミド樹脂の曲げ弾性率と同等であることが分かる。なお、ポリカーボネート(PC)の曲げ弾性率は2300MPa(2.3GPa)であり、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の曲げ弾性率は3430MPa(3.43GPa)である。よって、臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物は、ポリカーボネート及びポリメタクリル酸メチルよりも曲げ弾性率が極めて高い。
臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物の全光線透過率は、無添加のポリアミド樹脂の全光線透過率よりも著しく高くなることが分かる。
臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物の鉛筆硬度は、無添加のポリアミド樹脂の鉛筆硬度と同等であることが分かる。
臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物のガラス転移温度は、無添加のポリアミド樹脂のガラス転移温度よりも高くなることが分かる。よって、臭化リチウムを2重量部以上添加することで、樹脂組成物の耐熱性が向上することが分かった。
臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物のUV−Vis分光光度計による透過率(波長:400nm〜700nm)は、無添加のポリアミド樹脂の透過率よりも著しく高くなることが分かる。
以上の結果から、臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物は、高い透明性を有し、機械特性も非常に良好であることが確認できる。
結果を図3、及び表2に示す。
図3には、各種添加量の樹脂組成物のDSCデータが示されている。この図3から、ポリアミド樹脂100重量部に対して、臭化リチウムを2重量部以上添加すると、結晶化に伴う発熱ピークが消滅することが確認できる。従って、臭化リチウムを2重量部以上添加すると、樹脂組成物が非晶化することが分かる。
臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物の曲げ弾性率は、無添加のポリアミド樹脂の曲げ弾性率と同等であることが分かる。なお、ポリカーボネート(PC)の曲げ弾性率は2300MPa(2.3GPa)であり、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の曲げ弾性率は3430MPa(3.43GPa)である。よって、臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物は、ポリカーボネート及びポリメタクリル酸メチルよりも曲げ弾性率が極めて高い。
臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物の全光線透過率は、無添加のポリアミド樹脂の全光線透過率よりも著しく高くなることが分かる。
臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物の鉛筆硬度は、無添加のポリアミド樹脂の鉛筆硬度と同等であることが分かる。
臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物のガラス転移温度は、無添加のポリアミド樹脂のガラス転移温度よりも高くなることが分かる。よって、臭化リチウムを2重量部以上添加することで、樹脂組成物の耐熱性が向上することが分かった。
臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物のUV−Vis分光光度計による透過率(波長:400nm〜700nm)は、無添加のポリアミド樹脂の透過率よりも著しく高くなることが分かる。
以上の結果から、臭化リチウムを2重量部以上添加した樹脂組成物は、高い透明性を有し、機械特性も非常に良好であることが確認できる。
3.実験C CaCl2の添加量の検討
(1)樹脂組成物の調製
ポリアミド樹脂として、メタキシリレンアジパミド系ポリアミド(MXナイロン(三菱ガス化学製:グレード S6007))を用いた。添加剤として、CaCl2(塩化カルシウム)を用いた。ポリアミド樹脂100重量部に対して、CaCl2が表3の添加量になるように混練して、各種樹脂組成物を調製した。
混練は、上述の実験Aと同様に行った。
(1)樹脂組成物の調製
ポリアミド樹脂として、メタキシリレンアジパミド系ポリアミド(MXナイロン(三菱ガス化学製:グレード S6007))を用いた。添加剤として、CaCl2(塩化カルシウム)を用いた。ポリアミド樹脂100重量部に対して、CaCl2が表3の添加量になるように混練して、各種樹脂組成物を調製した。
混練は、上述の実験Aと同様に行った。
(2)DSC測定
各種樹脂組成物について、上述の実験Aと同様にしてDSCデータを得た。
DSCデータから、結晶性の有無を判断し、ガラス転移温度を求めた。
各種樹脂組成物について、上述の実験Aと同様にしてDSCデータを得た。
DSCデータから、結晶性の有無を判断し、ガラス転移温度を求めた。
(3)曲げ弾性率測定
各種樹脂組成物について、上述の実験Bと同様にして曲げ弾性率を測定した。
各種樹脂組成物について、上述の実験Bと同様にして曲げ弾性率を測定した。
(4)UV−Vis分光光度計による透過率
この透過率は、上述の実験Bと同様にして測定した。
この透過率は、上述の実験Bと同様にして測定した。
(5)結果及び考察
結果を図4、及び表3に示す。
図4には、各種添加量の樹脂組成物のDSCデータが示されている。この図4から、ポリアミド樹脂100重量部に対して、塩化カルシウムを2重量部以上添加すると、結晶化に伴う発熱ピークが消滅することが確認できる。従って、塩化カルシウムを2重量部以上添加すると、樹脂組成物が非晶化することが分かる。
塩化カルシウムを2重量部以上添加した樹脂組成物の曲げ弾性率は、表2に記載されていないが、無添加のポリアミド樹脂の曲げ弾性率と同等であると思われる。
塩化カルシウムを2重量部以上添加した樹脂組成物のガラス転移温度は、無添加のポリアミド樹脂のガラス転移温度よりも高くなることが分かる。よって、塩化カルシウムを2重量部以上添加することで、樹脂組成物の耐熱性が向上することが分かった。
塩化カルシウムを2重量部以上添加した樹脂組成物のUV−Vis分光光度計による透過率(波長:400nm〜700nm)は、無添加のポリアミド樹脂の透過率よりも著しく高くなることが分かる。
以上の結果から、塩化カルシウムを2重量部以上添加した樹脂組成物は、高い透明性を有し、耐熱性も非常に良好であることが確認できる。
なお、塩化カルシウムを20重量部添加した樹脂組成物は、塩化カルシウムの微粒子が溶けきらずに残り、実用に耐えないことが分かった。
結果を図4、及び表3に示す。
図4には、各種添加量の樹脂組成物のDSCデータが示されている。この図4から、ポリアミド樹脂100重量部に対して、塩化カルシウムを2重量部以上添加すると、結晶化に伴う発熱ピークが消滅することが確認できる。従って、塩化カルシウムを2重量部以上添加すると、樹脂組成物が非晶化することが分かる。
塩化カルシウムを2重量部以上添加した樹脂組成物の曲げ弾性率は、表2に記載されていないが、無添加のポリアミド樹脂の曲げ弾性率と同等であると思われる。
塩化カルシウムを2重量部以上添加した樹脂組成物のガラス転移温度は、無添加のポリアミド樹脂のガラス転移温度よりも高くなることが分かる。よって、塩化カルシウムを2重量部以上添加することで、樹脂組成物の耐熱性が向上することが分かった。
塩化カルシウムを2重量部以上添加した樹脂組成物のUV−Vis分光光度計による透過率(波長:400nm〜700nm)は、無添加のポリアミド樹脂の透過率よりも著しく高くなることが分かる。
以上の結果から、塩化カルシウムを2重量部以上添加した樹脂組成物は、高い透明性を有し、耐熱性も非常に良好であることが確認できる。
なお、塩化カルシウムを20重量部添加した樹脂組成物は、塩化カルシウムの微粒子が溶けきらずに残り、実用に耐えないことが分かった。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的及び例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は本質から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形又は変更が可能である。
本開示の樹脂組成物は、樹脂の透明性が要求される分野に幅広く、利用することができる。本開示の樹脂組成物は、例えば、プラスチックレンズ、光学繊維、電気機器部品、自動車部品、装飾分野、包装材料、光学分野等の多方面へ用いることができる。
1…積分球
3…試料
5…測定光
7…入口開口
9…直進成分
11…散乱成分
3…試料
5…測定光
7…入口開口
9…直進成分
11…散乱成分
Claims (6)
- 前記芳香族ジアミン単位が、メタキシリレンジアミン単位である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記直鎖脂肪族ジカルボン酸単位が、アジピン酸単位である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 銅化合物を含有しない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- UV−Vis分光光度計による透過率(波長:400nm〜700nm)は、80%〜100%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
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