JP2021016826A - 濾過装置及び被処理液の処理方法 - Google Patents

濾過装置及び被処理液の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プリーツフィルタの濾過膜の表面の損傷を抑制しつつ、この濾過膜の表面に付着した付着物が除去される濾過装置及び被処理液の処理方法を提供すること。【解決手段】課題は、濾過容器11を内部に備える濾過装置10であって、前記濾過容器の11内部に、外面が濾過面であり内部が濾液の通路である筒状の濾過フィルタ12が設けられ、前記濾過装置10には、前記濾過フィルタ12を洗浄するスリット状ノズルが備わり、前記スリット状ノズルは、前記濾過面の外側に前記濾過フィルタに対向して配され、前記濾過フィルタの軸心方向に延在し、かつ、この軸心方向に間隔を空けて複数配されてスリット状ノズル群を成し、前記スリット状ノズル群から、軟性の粉粒体を含む前記洗浄液Cが前記濾過フィルタ12へ向かって噴射される、ことを特徴とする濾過装置及び被処理液Aの処理方法で解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の襞を有するプリーツフィルタを備えた濾過装置及び被処理液の処理方法に関する。
汚れ面に付着した汚れを除去する手法の一例に、ノズルから高圧の洗浄液を汚れ面に噴射させて、汚れを剥ぎ落とす手法がある。しかしながら、この手法は、汚れが除去される反面、汚れ面を損傷させる結果をもたらすことがある。また、噴射圧を高めたとしても、洗浄液は境界層(「境界層」については後述する。)で粘性の影響を受け、流速が急激に変化し、結果、汚れが除去されない場合もある。
そこで、粘性の影響を抑制するため、研掃材を混ぜた洗浄液を汚れ面に噴射して汚れを除去するブラスト処理なる手法が知られている。例えば、特許文献1では水と研掃材を加圧噴射して対象物を剥離して破砕する手法を開示している。この手法は、洗浄液の粘性の影響が抑制されて、対象物が剥ぎ落ちやすくなる反面、研磨剤の加圧噴射により、対象物の付着面に研磨剤が衝突してこの付着面を損傷させる結果を引き起こす。
特開2007−291747号公報 特開2019−58868号公報
そこで、本発明が解決しようとする主たる課題は、プリーツフィルタの濾過膜の表面に付着した付着物が除去され、また表面の損傷が抑制される濾過装置及び被処理液の処理方法を提供することにある。
この課題を解決するための態様は、次の通りである。
[第1の態様]
濾過容器を内部に備える濾過装置であって、
前記濾過容器は、被処理液の供給部と濾液の排出部と洗浄液の供給部を有し、
前記濾過容器の内部に、外面が濾過面であり内部が濾液の通路である筒状の濾過フィルタが設けられ、
前記濾過フィルタは、平坦な濾材を蛇腹状に折り曲げて複数の襞を形成しつつ、筒状に形成したプリーツフィルタであり、
前記濾過装置には、前記濾過フィルタを洗浄するスリット状ノズルが備わり、
前記スリット状ノズルは、前記濾過面の外側に前記濾過フィルタに対向して配され、前記濾過フィルタの軸心方向に延在し、かつ、この軸心方向に間隔を空けて複数配されてスリット状ノズル群を成し、
前記スリット状ノズル群から、軟性の粉粒体を含む前記洗浄液が前記濾過フィルタへ向かって噴射される、
ことを特徴とする濾過装置。
特許文献1に開示されたブラスト装置は、研掃材と水との混合水を噴射ノズルから高圧噴射するものであり、この混合水を噴射させて作業面のアスベストを剥離し、回収するものである。ゆえに、この文献に用いられる研掃材は作業面を破壊する硬度を有する必要がある。仮にこの研掃材を本発明の濾過フィルタに高圧噴射すれば、濾過フィルタの表面は直ちに損傷してしまう。
そこで、本発明は、噴射する洗浄液に含まれる粉粒体に軟性素材を用いている。軟性の粉粒体であれば、濾過フィルタの表面に衝突しても、同表面の損傷を抑制できる。濾過フィルタの損傷が抑制されるので、長期的に安定した濾過がなされる。また、濾過フィルタに対向して配されるスリット状ノズルは間隔を空けて配されることから、スリット状ノズルから噴射される洗浄液は、濾過面に間隔を空けて衝突することになる。そして、濾過面は、洗浄液が衝突した箇所のみならず、同間隔においても付着物が剥離される効果を有することを、発明者は知見している。
同間隔においても付着物が剥離される原因は、定かではないが、おそらく、粉粒体による、流体の摩擦力の減少作用と、境界層形成の抑制作用によるものと考えられる(この作用については後述する。)。
なお、特許文献2は被処理液の供給圧を変えて濾過フィルタの濾過、付着物の剥離を行う濾過装置を開示している。しかしながら、本形態は、濾過容器が洗浄液の供給部を別途有する点で、特許文献2と異なる。
[第2の態様]
前記スリット状ノズルのそれぞれが、一直線上に配されているものである、
第1の態様に記載の濾過装置。
一直線上に配されているので、濾過フィルタの濾過面が軸心方向に一斉に洗浄液の噴射を受けて、付着物が剥離される。
[第3の態様]
前記スリット状ノズルは、
ノズル幅を調節する調節板を2枚備え、
第1調節板の側縁と第2調節板の側縁とが、所定の間隔を空けて対向し、前記濾過フィルタの軸心方向に平行に延在されて、なるものである、
第1の態様に記載の濾過装置。
一般にノズルをスリット状にするには、レーザ加工による手法を挙げることができる。しかしながら、レーザ加工では熱で加工対象物を加工するので、加工部が必ずしも直線形状にならない場合がある。そうすると、スリット状ノズルの噴射圧にスリット内で差異が生ずる。しかしながら、本形態にすると、スリットの形状に平行部を有することになるのでスリット内で噴射圧の差異がほとんどなくなる。よって、ほぼ均一な噴射圧で洗浄液がスリット状ノズルから噴射される。
[第4の態様]
前記スリット状ノズル群は、
ノズル幅を調節する調節板を2枚備え、
第1調節板の側縁と第2調節板の側縁とが、所定の間隔を空けて対向し、前記濾過フィルタの軸心方向に平行に延在されて、なるものである、
第1の態様に記載の濾過装置。
スリット状ノズル群の全体が2枚の調節板で形成されているので、スリット状ノズル群のうちのスリット状ノズルそれぞれのスリット幅が揃う。よって、スリット状ノズル相互がほぼ同形状となり、スリット状ノズル相互における噴射圧の差異が抑制される。
[第5の態様]
前記第1調節板の側縁と前記第2調節板の側縁がそれぞれ直線である、
第44の態様に記載の濾過装置。
スリット状ノズル群の横幅が均一になるので、スリット状ノズル相互における噴射圧が同程度になる。
[第6の態様]
多数からなる前記粉粒体の径が実質均一である、
第1の態様に記載の濾過装置。
一般にブラスト加工に用いられる研掃材の原料には例えば、果実の殻が用いられる。この果実の殻を適度に粉砕したものを研掃材としている。この研掃材は相互に径に大きなバラつきがある。例えば、径の大きな研掃材が噴射ノズルに詰まると、続く径の小さな研掃材も次々と噴射ノズルに詰まってしまう。
しかしながら、本態様では粉粒体の径が実質均一なので、粉粒体の各々が噴射ノズルに詰まり難いものとなっている。
[第7の態様]
濾過容器を内部に備える濾過装置の処理方法であって、
前記濾過容器は、被処理液の供給部と濾液の排出部と洗浄液の供給部を有し、
前記濾過容器の内部に、外面が濾過面であり内部が濾液の通路である筒状の濾過フィルタが設けられ、
前記濾過フィルタは、平坦な濾材を蛇腹状に折り曲げて複数の襞を形成しつつ、筒状に形成したプリーツフィルタであり、
前記濾過装置には、前記濾過フィルタを洗浄するスリット状ノズルが備わり、
前記スリット状ノズルは、前記濾過フィルタに対向して配され、上下方向に延在するスリット状であり、上下方向に間隔を空けて複数配されてスリット状ノズル群を成し、
前記スリット状ノズル群から前記濾過フィルタへ向かって、粉粒体が含まれる前記洗浄液を噴射するものである、
ことを特徴とする濾過装置の洗浄方法。
第1の態様と同様の効果を奏する。
[第8の態様]
前記濾過容器は、濾過されなかった濃縮物を排出する濃縮物排出部をさらに有し、
前記濃縮物排出部から排出された前記濃縮物を分級してケーキ分を取り除き、残分を洗浄液とし、この洗浄液を前記スリット状ノズル群から噴射する、
第7の態様に記載の濾過装置の処理方法。
濃縮物から洗浄液を得るので、別途洗浄液用の液体を系外より導入する必要がなく経済的である。また、別途洗浄液用の液体、例えば、水、工業用水等を得られない環境下の作業であっても被処理液の濾過を継続的に又は断続的に行うことができる。
本発明によれば、プリーツフィルタの濾過膜の表面の損傷を抑制しつつ、この濾過膜の表面に付着した付着物が除去される濾過装置及び被処理液の処理方法を提供することができる。
濾過装置の構造説明図である。 図1のX−X部分の濾過フィルタの矢視図である。 図2のY部分の拡大図である。 図1のX−X部分の濾過フィルタの矢視図であり、洗浄部の構造説明図である。 図4のZ部分の横断面図である。 図3のZ部分の拡大図である。 濾過装置の他の実施形態の構造説明図である。 図7のQ−Q部分の濾過フィルタの横断面図である。 図8のP部分の拡大図(図9A)と図9AのR部分の拡大図(B)である。 濾過装置を備えた濾過設備の全体図である。 濾過装置を備えた別の実施形態の濾過設備の全体図である。 フィルタ支持体を設けた濾過フィルタの説明図である。 濾過フィルタの濾過面を表す図である。 濾過フィルタの濾過面を表す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明及び図面は、本発明の一実施形態を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきでない。
(被処理液A)
本発明に係る濾過装置10によって濾過される被処理液Aとしては、例えば、トンネル構内排水、吹付け用生コンプラント排水、ダイスライム回収排水、バッチャープラント排水、河川工事ドライピット排水、深礎工事排水、グラウト工事排水、シールド工事排水、シールド余剰泥水、浚渫埋立排水、ケイソン工事排水、場所打杭排水、床面洗浄排水、ウェルポイント工事排水、基礎工事ヤード排水、タイヤ洗浄排水、コアボーリング排水、ダイヤモンドカッター排水、土壌汚染掘削ヤード排水、VOC分解洗浄排水、焼却炉解体洗浄排水、放射能除染工事排水、ワイヤーソー切断工事排水、ウォータージェット切断工事排水、製紙工場プロセス排水、パルプ工場プロセス排水、食品工場洗浄排水、生コン工場洗浄排水、コンクリート二次製品工場排水、砕石工場ヤード排水、ガス洗浄スクラバ排水、ゴミ焼却炉急冷塔排水、転炉ガス洗浄排水、アーク炉ガス洗浄排水、銀回収工程排水、洗砂装置排水、水洗中和排水、バレル研磨排水、電界研磨排水、ガラス研磨排水、ウェットブラスト排水、吹付塗装ブース排水、カチオン塗装排水、ステンレス酸洗排水、原料ヤード排水、原料コンベア洗浄排水、堆積ダスト湿式回収排水、工場ヤード排水、連鋳排水、圧延冷却排水、除湿ドレン排水、浸漬切断ヤード排水、鉱さいヤード排水、船舶底部ビルジ排水、造船ドッグ排水、除貝排水、冷却塔ブロー排水、染色工場排水、ミルクプラント洗浄排水、トンネル壁面洗浄排水、建物外壁洗浄排水、洗車排水、ゴルフ場排水、産業処分場浸出水、下水処理水、有機溶剤排液、アルコール排液、油排液、及び、これらから2以上の排液が混合された排液、等の排液を挙げることができる。そのほかの被処理液Aとして、オイルやジャムを例示することもできる。
また、ゴムやスポンジ等の弾性や圧縮性を有する粉体や流体が含まれた液体を被処理液Aとしても良い。
以下では、被処理液Aが濾過されたものを処理液B、濾過フィルタ12を洗浄する液体を洗浄液Cと記載する。
本発明の実施形態に係る濾過装置10は、密閉された濾過容器11内で、被処理液A(例えばスラリー)を濾過フィルタ12で濾過し、処理液B(例えば濾液)や、ケーキKを含む濃縮物Dを排出する全量濾過(デッドエンド濾過)型の装置である。この濾過装置10では、洗浄液Cが噴射部95から濾過フィルタ12の濾過面に噴射されて、この濾過面に付着したケーキKを剥離し、落下させる。そして、剥離したケーキKが濃縮物排出管25から排出されるフローになっている。このフローについては後で詳述することにして、先ずは濾過装置10の構成について説明する。
(濾過容器11)
濾過装置10は濾過容器11を有している。この濾過容器11の底部は、略面形状としてもよいし、ケーキが排出されやすいようにシュート形状としてもよい。そして、この底部には濃縮物排出管25が設けられている。この底部をシュート形状にした場合、シュートの下方先端に濃縮物排出管25を設けると、剥離されたケーキがシュートの勾配により自然に濃縮物排出管25に集まり、排出されるので好適である。しかしながら、この濾過容器11の形状は前述の形状に限られるものではなく、任意の形状に変更してもよい。
(筒状体12s)
濾過容器11内には、壁面に濾液Bの透過孔が形成され、内部に濾液Bが通る濾液通路12rが形成された筒状体12sが設けられる。筒状体12sの形状や姿勢は特に限定されないが、図示した一例では円筒形状であって、その中心軸が濾過容器11の上下方向に沿う姿勢で、濾過容器11内に配されている。そのほか、筒状体12sの形状を角筒形などの任意の公知形状に変更しても良いし、筒状体12sの姿勢を筒状体12sの軸心方向が斜めに傾斜するように濾過容器11内に設置しても良い。隙間50と筒状体12s間で液体の流通がなされないように筒状体12sの上端を有底(上底)形態にしてもよい。この場合、後述する回転機構の回転軸をこの有底部(上底部)に接続させることができる。なお、図示した筒状体12sは、パンチングメタルなどの透過孔を有する平板を円筒状に成形したものである。
(濾過膜12m)
筒状体12sの壁面の外側には、濾過膜12mが形成されている。この濾過膜12mとしては、表面積(濾過面積)が広いことから、平坦な濾材をジグザグに折り曲げつつ、筒状体12sの外周面に巻き付けて、筒状(図2の態様では、円筒状にしているが、これに限定されず、角柱状や楕円状等にしてもよい)に形成したプリーツフィルタを好適に用いることができる。前記のようにジグザグに折り曲げることで、筒状体12sの周囲に(図示形態では筒状体12sの全周に)、複数の襞2が形成される。平坦な濾材を折り曲げる際は、折り目がつくように折り曲げてもよいし、折り目がつかないように曲線(緩やかな曲線、急な曲線など)を描くように折り曲げても良い。また、襞2の上端および下端は、筒状体12sの軸心に対して垂直方向に配置した不織布12mT、12mDによって覆われている。
濾過膜12mは単層または多層にすることができる。図示形態では単層の濾過膜12mを用いている。また、濾過膜12mの素材(濾材)は特に限定されない。具体的な素材としては、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ステンレス、ナイロン等を例示することができる。この濾過膜12mの素材には、ぬれ性の良いもの(親水性のもの)を用いることが好ましい。ぬれ性は、固体表面と液滴の接線の間の接触角θを測定することによって示され、固体/気体間の界面張力γVS、液体/気体間の界面張力γLV、液体/固体間の界面張力γLSによって決定する。この接触角と界面張力の関係は、下記のヤングの式(1)によって表すことができる。
γVS=γLS+γLV cosθ ・・・式(1)
なお、撥水性の素材(接触角θが90度以上の素材)に対して、プラズマを照射する方法、紫外線(UV)を照射する方法、薬品処理する方法などにより、素材の表面を親水性にすることも可能である。しかし、このような素材は大気中に置くと再び疎水性に戻ってしまい、親水性を維持できる期間が短い。したがって、もとから親水性の素材(接触角θが90度未満の素材)を用いることが好ましい。特に、超親水性の素材(接触角θが5度未満の素材)を用いることが好ましい。
前記濾過膜12mの具体的な素材としては、例えば、東レ株式会社のポリエステル長繊維不織布「アクスター」(登録商標)のG2260-1S BK0を用いることができる。
濾過膜12mの膜厚は、好ましくは0.3〜0.7mm、より好ましくは0.6mmである。また、濾材の繊維径(投影面積円相当径、Heywood径をいう。以下、同じ。)は、好ましくは0.5〜20μmであり、より好ましくは7μmである。繊維径が0.5μmより細い繊維を用いると、濾過時の抵抗が大きくなるとともに、見かけの表面積が狭くなる。また、繊維径が20μmよりも太い繊維を用いると、懸濁物質(濾過対象物)が濾過膜12mを透過してしまい、ケーキKが形成され難い。
したがって、繊維径が0.5〜20μmの濾材を用いて、ある程度の目の粗さを持つ濾過膜12mを形成することが好ましい。このようなある程度の目の粗さを持つ濾過膜12mによって、濾過時には、濾過膜12mの目に懸濁物質が食い込んでコーティング層が形成されるため、そのコーティング層を新たな濾過フィルタ12として利用することができる。
濾過膜12mの長手方向の長さは、例えば300mm〜2000mmにすることができる。
本形態において、濾過膜12mの表面12fとは、濾過容器11側を向いている面をいい、濾過前の被処理液Aが接する面をいう。一方、濾過膜12mの裏面12bとは、筒状体12s側を向いている面をいい、被処理液Aが濾過膜12m内を通過し、濾液Bとして排出される面をいう。
濾過膜12mの交換頻度を減らし、ランニングコストを削減するため、所定の強度以上の濾過膜12mを用いることが好ましい。例えば、JIS L‐1906の測定方法において、引張強度(N/5cm)タテ:1200、ヨコ:700、破裂強力(kgf/cm2)タテ:25のものを用いると良い。
なお、本態様においては、濾過フィルタ12の外面12fから裏面12bへ向かって被処理液Aが流れる。この場合、濾過フィルタ12の外面12fが濾過面になる。濾過フィルタ12の裏面12bを濾過面にした場合と比べて、濾過時の耐圧が向上し、濾過面積が大きくなり、ケーキKが排出しやすくなるという利点がある。
(プレコーティング層)
被処理液Aに含まれる懸濁物質(濾過対象物)の粒径が濾材の目の大きさよりも小さい場合は、濾過精度が悪くなる。また、ゲル状、コロイド状などになっている付着性が強いスラリー(例えば、ベントナイトスラリー、凝結剤を使用したときのスラリー、藻や海苔のスラリー)の場合は、濾材が目詰まりしやすい。したがって、このような場合は、不具合を防ぐため、珪藻土、ゼオライトなどからなるプレコーティング層を形成することが好ましい。
(凝集剤)
プレコーティング層の形成に代えて、懸濁物質を凝集させる凝集剤(凝集沈降剤)を使用することもできる。凝集剤によって懸濁物質が凝集するため、濾材12mの目が懸濁物質より大きかったとしても、懸濁物質と濾液Bを分離することができる。この凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、高塩基性塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムなどを用いることができる。なお、凝集剤を使用するとランニングコストがかかるため、費用削減を重視する場合は使用を避けた方が良い。
本実施形態のプリーツフィルタ12は、外側襞間空間2n(外側襞間空間については後述する。)を覆うように、同プリーツフィルタ12外側上方から蓋体21Tが、外側下方から蓋体21Dが被せられており、これによって外側襞間空間2nが封鎖された状態になっている。蓋体21Tは、外側襞間空間2n及び筒状体12sの上方を覆う形態とされている。蓋体21Dは、筒状体12sの下部には濾液排出管14が接続されているので、外側襞間空間2nの下方を覆い、筒状体12s全部又は一部が覆われない形態とされている。すなわち、蓋体21Dには、濾液排出管14を貫通させる穴が設けられている。これら蓋体21T,21Dが備わることで、プリーツフィルタ内の濾液が、プリーツフィルタの上方や下方に流れて隙間50へ逆流し、被処理液Aに混じることを防止している。それと同時に、隙間50からプリーツフィルタの上方や下方を経由して被処理液Aが濾液通路12rに流れこむのを防止している。
(スペーサー3)
襞2の内部に、複数の穴が開けられた平坦な板材(ハニカムメッシュや金網等)を蛇腹状(この蛇腹状には、波状のものも含まれる)に折り曲げたスペーサー3を設けることが好ましい。スペーサー3は、襞2の基端側(筒状体12s側)から先端側(濾過容器11側)へ向かって、ジグザグに折り曲がりながら延在している。図示形態では、各襞2にスペーサー3が一枚ずつ設けられ、そのスペーサー3の一端側端部は筒状体12sの外面と0.1mm〜0.5mm程度離れ(筒状体12sと接触していてもよい)、他端側端部は襞2の先端側端部に位置している。スペーサー3の厚み方向両端部に形成された屈曲部3C、3Cは、濾過膜12mの裏面12bと接触している。図示形態のスペーサー3は、平面視で濾過膜12mと点状に接触しており、この接触部分が屈曲部3C、3Cになっている。スペーサー3は襞2の内部空間2Sを保持する機能を有し、被処理液Aが濾過膜12mの表面12fから裏面12bへ向かって流れる圧力や、濾過膜12mの表面12fにケーキKが積層して襞2を押し潰そうとする圧力に抗って、内部空間2Sが完全に潰れてしまうことを防いでいる。襞2の内部空間2Sがなくなることを「閉塞」といい、この閉塞を防ぐことにより、濾液Bが内部空間2Sを先端側から基端側へ向かって移動しやすくなる。図6Aは被処理液Aを濾過する前の状態を示し、図6Bは被処理液Aを濾過している最中の状態を示す。これらの図面に示すように、襞2が被処理液Aによって外側から押されると、押される前と比べて、スペーサー3の厚みが薄くなり(厚み方向の長さが短くなり)、平面視におけるスペーサー3の形状が平坦に近いものになる。このような場合であっても、ケーキKの堆積量が多くなければ(例えば、ケーキKが1〜2mm程度堆積した状態では)、スペーサー3は完全に平坦にならず、内部空間2Sが完全に潰れて閉塞してしまうことはほとんどない。
図示した形態では、平面視で、濾過膜12mとスペーサー3が屈折部3Cで接触しており、この接触部Tcは、スペーサー3の延在方向に沿って、所定の間隔を空けながら、厚み方向に交互に点状に存在している。すなわち、平面視で、濾過膜12mとスペーサー3が面状に接触していない形態である。
スペーサー3の素材としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンなど(単体でも用いても良いし、複数を組み合わせて用いても良い)を用いることができる。特に、弾性力や耐水性などが要求されることから、ポリプロピレンやポリエステルを用いることが好ましい。
例えば、スペーサー3として、プラスチック繊維(他の繊維でもよい)からなるメッシュ構造の板材を波付け加工して弾性体にしたものを用いることができる。このときのメッシュ構造は、例えば1.5mm〜2mm程度のメッシュにすることができる。この波付け弾性体であるスペーサー3は、被処理液Aの濾過圧力によって、濾過膜12mの外側から内側へ向かって押し付けられるが、メッシュの結節部は線径の倍の厚さ(約0.32〜0.4mm)があり、襞の内部空間2S内の濾液Bが筒状体12Sの方向へ流れる通液性を確保している。
プリーツフィルタ12の別の実施形態としては、プリーツフィルタ12の襞2の外側の空間17であって、隣接する襞2と襞2の間の空間2n(「外側襞間空間」や「隣接襞間空間」ともいう。本明細書において、他の段落においても同じ。)が封鎖されていない形態を提示できる。すなわち、外側襞間空間2nが開放空間(「非封鎖空間」ともいう)になっている。図8では外側襞間空間2nの1つに網掛けを付した。この図8では、図面の視認性を良くするために、1個の外側襞間空間2nにのみ網掛けを付しているが、プリーツフィルタ12の全周にわたって多数の襞2が形成されており、プリーツフィルタ12の外側であって、隣接する襞2と襞2の間の空間は、すべて外側襞間空間2nとなる。この外側襞間空間2nは、隣接する襞2と襞2の外表面12fによって囲まれた部分(外表面12fによって区画された部分)をいい、この外側襞間空間2nの基端は襞2の基端部2bと接しており、外側襞間空間2nの先端は隣接する襞2,2の先端部2p,2pの間を繋げた仮想線ALによって区画される。
この別の実施形態では、プリーツフィルタ12の軸心方向両側において、外側襞間空間2nを蓋体21などで封じず、開放状態にした。変形例として、プリーツフィルタ12の軸心方向片側のみにおいて、外側襞間空間2nを蓋体21などで封じず、開放状態にしてもよい。また、プリーツフィルタ12の軸心方向片側または両側に蓋体21を設けても良いが、この蓋体21を設ける場合は、蓋体21のうち外側襞間空間2nと重なる部分に切り欠きを設けるなどして、外側襞間空間2nを開放状態にしてもよい。
なお、プリーツフィルタ12の軸心方向両側または片側において、外側襞間空間2nを開放状態にする場合は、蓋体21以外にも埋込物などを設けないことが重要である。埋込物を設けると、開放状態にならないからである。
前記の説明において、隣接襞間空間2nを開放状態にする旨を記載した。この隣接襞間空間2nを完全に開放状態にしてもよいが、必ずしもこのような形態に限定されるものではなく、隣接襞間空間2nの一部が閉鎖されていても良い。例えば、少なくとも濾過膜12mの近傍(例えば、濾過膜12mの外表面12fから0.5mm程度離間した部分、好ましくは0.3mm程度離間した部分)を開放状態にしていればよい。
(閉鎖空間)
図9に示すように、プリーツフィルタ12の軸心方向両側において、襞2の内側の空間を封鎖することが好ましい。襞2の内側の空間とは、図9(B)に示すような襞2の内部空間2Sを含む概念である。図8では、襞2の相対する濾過膜12ma、12mbに挟まれた空間(襞2の内部空間2S)が封鎖されており(閉じられており)、いわゆる閉鎖空間16Cになっている。閉鎖空間16Cにする方法は特に限定されないが、例えば、対面する濾過膜12ma、12mbの内壁面同士を超音波もしくはヒーターで加熱して溶着する方法を挙げることができる。そのほか、前記内壁面同士を接着剤で接着したり、濾過膜12ma、12mbの間に樹脂を埋め込んだりしてもよい。
プリーツフィルタ12の内部に筒状体12sを設ける場合は、襞2の内側の空間という概念に、濾過膜12mと筒状体12sの間の空間22(図9の網掛け部分)(以下、「膜筒間空間」という。)を含ませてもよい。図9Aの例では、この膜筒間空間22に樹脂を埋め込むことによって閉鎖空間16Cにしているが、この態様に限られるものではなく、例えば濾過膜12mと筒状体12sの間を接着剤によって接着するなどしてもよい。
以上の説明において、閉鎖空間16Cを形成するために、接着剤や埋込物を用いる形態を説明した。接着剤の種類は特に限定されないが、耐水性や接着力に優れることから、例えばエポキシ樹脂接着剤やゴム系接着剤などを用いることが好ましい。埋込物の種類も特に限定されないが、封止性が高いことから、例えばエポキシ樹脂系やシリコンゴムシーラントなどを用いることが好ましい。埋込物は、埋め込んだ後に硬化する樹脂(例えば、エポキシ樹脂系やフェノール系など)を用いることが好ましい。樹脂が硬化しない場合、剥離するおそれがあるからである。
また、接着剤や埋込物以外のものを用いて閉鎖空間16Cを形成してもよい。例えば、閉鎖空間16Cを形成したい部分に蓋体を設けても良い。この蓋体としては、例えば一枚の板材から構成することができる。複数枚の板材を用いるとシール性が向上するが、部材点数が多くなって管理が大変であるとともに、コストが高くなるので、一枚の板材が好ましい。板材の素材としては、例えばステンレス、アルミ、プラスチックなどを用いることができる。
この板材を用いる位置は、プリーツフィルタ12の一端側端部や他端側端部であれば、いずれの部分であってもよい。すなわち、必ずしもプリーツフィルタ12の一端側端縁や他端側端縁に設けなくてもよく、例えば、プリーツフィルタ12の襞2の内部空間2Sにこの板材を埋め込むようにしてもよい。なお、閉鎖空間16Cを設ける位置は、図7に示すように、プリーツフィルタ12の軸心方向の一端側端部および他端側端部の少なくともいずれか一方である。
図7では、一端側端部(上側端部)の軸心方向の長さ12Uを10mm〜20mmにすることが好ましく、13mm〜17mmにすることがより好ましく、15mmにすることがさらに好ましい。前記軸心方向の長さ12Uが10mmよりも短いと、一端側端部で必要とする接着強度が保持できないおそれがある。他方、前記軸心方向の長さ12Uが20mmよりも長いと、濾過フィルタ12のうちの実質的に濾過する部分(濾過フィルタ12の中間部12m)の長さが短くなるため、濾過効率が低下してしまうおそれがある。
他方、他端側端部(下側端部)の軸心方向の長さ12Dを15mm〜25mmにすることが好ましく、18mm〜22mmにすることがより好ましく、20mmにすることがさらに好ましい。前記軸心方向の長さ12Dが15mmよりも短いと、他端側端部で必要とする溶着強度が保持できないおそれがある。他方、前記軸心方向の長さ12Dが25mmよりも長いと、濾過フィルタ12のうちの実質的に濾過する部分(濾過フィルタ12の中間部12m)の長さが短くなるため、濾過効率が低下するおそれがある。
なお、図9の実施例では、一端側端部と他端側端部に閉鎖空間16Cを形成するために、エポキシ樹脂を用いている。
以上のように、襞2の内側の空間を封鎖することによって、襞2の内側の空間に存在する処理液Bが、プリーツフィルタ12の軸心方向端部から外部へ漏れ出ることを防ぐことができる。その結果、処理液Bが襞2の内側の空間から処理液の通路12rへと移動することになる。なお、処理液Bがプリーツフィルタ12の軸心方向端部から外部(濾過容器の内壁とプリーツフィルタの外面の間の空間(隙間50)。本明細書において同じ)へ漏れ出た場合、この漏れ出た処理液Bは濃縮物Dとして外部に排出される。漏れ出た濾過液Bが濃縮物Dとして排出されることになるため、濃縮物Dの水分率が高くなってしまうという不具合がある。また、濾過液Bをすべて回収できていないことになるため、濾過効率が低下するという問題もある。
処理液の通路12rとは、筒状体12sが設けられた場合では、筒状体12sの内側の空間をいう。筒状体12sが設けられていない場合では、襞2の基端部2bよりも内側の空間をいう。図1の実施形態では、この筒状体12sの上端部は、蓋体21Tで覆われている。上端部を蓋体で覆うことによって、処理液Bが上端部から外部へ漏れ出ることを防ぐことができる。また、筒状体の12sの下端部には、筒状体12sの直径と同じ直径を備えた排出管14が接続されている。処理液Bは、重力によって、処理液通路12rから排出管14へ移行し、その後、排出管14を通って濾過容器11の外へ排出される。なお、筒状体12sの上端部に設けた蓋体21Tや下端部に設けた排出管14の形態については、随時変更することができる。
なお、襞2の内側の空間を封鎖する場合は、完全に封鎖することが好ましい。一部に隙間が生じていると、その隙間から外部へ処理液Bが漏れ出るおそれがあるからである。すなわち、襞2の内側の空間を接着剤で接着する場合は、例えば、対面する濾過膜12ma、12mbの間を密閉することが好ましい。また、襞2の内側の空間を埋込物で封鎖する場合は、埋込物の内部に細かな貫通孔などが発生しないようにするととともに、例えば濾過膜12mと埋込物の間や、筒状体12sと埋込物の間に隙間が生じないように密閉することが好ましい。同様に、襞2の内側の空間を蓋体で封鎖する場合は、濾過膜12mと蓋体の間や、筒状体12sと蓋体の間に隙間が生じないように密閉することが好ましい。
プリーツフィルタ12の軸心方向両端部12U、12D以外の部分、すなわちプリーツフィルタの軸心方向中間部12Mについては、襞2の内側の空間を封鎖しないことが好ましい。処理液Bがその空間を通過して、処理液通路12rへと流れ込むことができるようにするためである。
また、前述のスペーサー3は、襞2の内側の空間のうち、封鎖部分16Cに設けないことが好ましい。封鎖部分16Cの内部にスペーサー3があると、スペーサー3の弾性作用によって、襞2の内部空間2Sの大きさが変動することになるため、例えば、濾過膜12maと12mbを接着剤で接着している場合、その接着が取れやすくなるからである。また、襞2の内部空間2Sを埋込物で封鎖している場合、濾過膜12mの内壁面と埋込物の外面との間に隙間が生じやすくなり、襞2の内部空間2Sを蓋体によって封じている場合、蓋体と濾過膜12mの間に隙間が生じやすくなったりする。
濾過フィルタ12の襞2内部にスペーサー3を設けない形態の場合は、筒状体12sと濾過フィルタ12との間に、濾過フィルタ12に沿うようにフィルタ支持体85を設けてもよい。このフィルタ支持体85は濾過フィルタ12の内面と当接して配するとよい。フィルタ支持体85は例えば、複数の孔が設けられた板材(ハニカムメッシュや金網等)をジグザグに折り曲げることにより形成することができる。
このフィルタ支持体85を備えることで、濾過フィルタ12の変形が防止される。濾過フィルタ12の濾過面には被処理液Aの濾過工程でケーキKが形成される。このケーキKは濾過工程を継続するに従い厚くなる。それと同時に、ケーキKの形成により濾過速度が低下して液圧がかかり襞2を内部側に潰そうとする力が加わる。しかるに、フィルタ支持体85が配されていれば、襞2が液圧を受けても潰れにくくなる。
(回転機構)
プリーツフィルタ12は、このプリーツフィルタ12の軸心を中心にして周方向に回転可能である。回転させる機構(回転機構)は、例えば、プリーツフィルタ12の上端部に備わる蓋体21Tに回転軸の一端が接続され、モータMにこの回転軸の他端が接続されている形態を挙げることができる。プリーツフィルタ上端部に蓋体21Tが備わっていない形態では、筒状体12s又はプリーツフィルタ12に回転軸の一端が接続された形態にするとよい。
濾過工程、排液工程、パージ工程、及び洗浄工程の少なくとも1つの工程でプリーツフィルタを回転させるとよい。特にプリーツフィルタの濾過面全体を洗浄液Cで洗浄する洗浄工程では、プリーツフィルタを回転させて濾過面のケーキKを剥離させることになる。洗浄工程でのプリーツフィルタ12の回転速度は0.5rpm、好ましくは0.5〜0.7rpmとすることができる。0.5rpmより長いと、洗浄にかかる合計時間が長くなり過ぎて処理効率がよくないし、プリーツフィルタ12の濾過面への単位時間当たりの噴射量が多くなり濾過面の寿命を縮めるおそれがある。また、1分未満だと付着物の剥離が十分になされない。
(供給部)
濾過容器11には、被処理液Aの供給管13の一端が取り付けられている。そして、この供給部13の他端には供給部13pが備わり、被処理液Aが貯留されている被処理液タンク30とこの供給13pは被処理液を送液する配管によって繋がれており、被処理液AはポンプP1によって被処理液タンク30から濾過容器11へ送られる。
被処理液Aの供給管13は、濾過容器11の側面、上底、及び下底のいずれの箇所に取り付けてもよい。特に、被処理液中における濾材を通過しない物質等(例えば、懸濁物質等)の比重が、被処理液中における液分の比重よりも大きい場合、濾過容器11の側面の下部又は下底部に供給管13を接続するとよい。同下部又は下底部に供給管13を設けると次の利点がある。被処理液Aが濾過容器内に供給され始めると、濾過容器内の液面が徐々に上昇し、プリーツフィルタ下端の位置まで上昇すると、濾過が始まる。更に液面が上昇を継続し、最終的には濾過容器内の上部まで達する。この間も濾過は継続される。なお、本実施形態では供給管13の一端と濾過容器11とが接続され、供給管の他端は供給部13pとされ、供給管13から被処理液Aが、供給管13を通り、濾過容器11に流れ込む。
被処理液Aが濾過容器11に供給され続けている間も、被処理液Aに含まれる懸濁物質等は液分よりも比重が大きい場合は、濾材に接触する間もなく沈降する。また、上記液面が濾過容器内の上部に達した後は、一例に、排出部14pから排出される濾液の排出量と当量の被処理液Aを濾過容器内に供給して、液面の水位がほぼ一定に保たれるように制御するとよい。なお、この制御は例えば、インバータや液量調整バルブを用いて行うことができる。この液面(水位)がほぼ一定に保たれている間も、新たに供給される被処理液中の懸濁物質の一部が濾過面に付着することなく濾過容器内で沈降する。沈降し、濾過容器11の下部に堆積した懸濁物質は、排出部25pから排出される。この作用機序により、濾材の濾過面に付着する付着物の、のべ量が比較的少なくて済み、プリーツフィルタ12の長期使用を可能とする。
しかしながら、懸濁物質の比重が、液分の比重に近いような被処理液Aを扱うのであれば、例えば、濾過容器11の上部に供給管13を設けてもよい。懸濁物質の比重と液分の比重とに差がなく、液面(水位)がほぼ一定に保たれている場合は、懸濁物質が濾過面全体に過度に偏ることなく付着されるので、濾過面の損傷や閉塞が、濾過面の特定箇所に集中し難い。懸濁物質が特定箇所に偏って付着すると、その箇所の摩耗が早まることになるが、懸濁物質が濾過面全体に過度に偏りなく付着するので、特定箇所の摩耗が発生しにくくプリーツフィルタ12を長期使用でき好ましい。
なお、被処理液Aの乱流を防ぐとともに、濾過フィルタ12の一部分ではなく全体を用いて濾過させることを考慮すると、濾過容器11の内壁の接線方向に被処理液Aが供給されるように供給管を濾過容器11に接続させるとよい。このように接続すると、被処理液Aが濾過容器11の内壁に沿って、濾過フィルタ12の外周を周回して流れ、濾過フィルタ全体で被処理液Aが濾過され好ましい。
濾過容器11の上部に供給管13を設けた場合の他の利点として、堆積したケーキの再浮上を抑制できる点を挙げることができる。懸濁物質の比重が液分の比重に近い場合、ケーキが堆積しやすい箇所、例えば、濾過容器の下方に供給管13を設けると濾過容器内で被処理液Aの流れの影響を受けて、一旦堆積したケーキが舞う場合も起こりうる。この点、供給管13の供給部を濾過容器11の上部に設けると、被処理液における濾過容器内の水位が十分あるときは、被処理液の流束が濾過容器下部に堆積したケーキに到達し難いため、一旦堆積したケーキが舞うのを防止できる。
(排出部)
濾過容器11には、濾過容器11の外に濾液Bを排出する濾液排出管14が設けられている。濾液排出管14は濾過フィルタ12の濾液通路12rの下端開口から濾過容器11外へ排出され、配管を介して濾液タンク80に導かれる。なお、濾過容器11の外方に突出した濾液排出管14の端部を、濾液Bの排出部14pという。
濾過容器11の底部には、濃縮物排出管25が設けられている。濾過容器11の外方に突出した濃縮物排出管25から、ケーキKを含む濃縮物D(濾過されなかったもの、ということもできる。)が濾過容器11の外に排出される。この濃縮物排出管25の内部には、液量調整バルブV4−3(例えば、バタフライバルブ)が設けられており、このバルブの開閉により濃縮物を排出可能状態としたり、密閉状態としたりでき、切り替え可能となっている。なお、濾過容器11の外方に突出した濃縮物排出管14の端部を、濃縮物Dの排出部25pという。ここで、濃縮物とは、被処理液やケーキK、粉粒体を含む概念である。
(洗浄部)
濾過装置10には濾過フィルタを洗浄するための洗浄部95が備わる。洗浄部95は、濾過容器11に設けられており、洗浄部95は洗浄容器90を備え、この洗浄容器90の壁には、洗浄液Cを洗浄液タンク40から洗浄容器90内に導入する洗浄液供給管94と、複数の洗浄ノズルが備わる。洗浄液供給管94は容器壁の任意の箇所に設けてもよいが、洗浄ノズルが設けられた壁と対向する位置にある壁であって上下方向の中央部又は上部に設けると好ましい。仮に洗浄液供給管が洗浄容器90の下部に位置すると、後述する洗浄ノズル群のうちの、上部にある洗浄ノズルにかかる水圧と下部にある洗浄ノズルにかかる水圧とで差が生じる可能性がある。特に、下部にある洗浄ノズルは、洗浄液供給管94から供給される洗浄液Cの供給圧力と、洗浄容器内におけるその洗浄ノズルの上方にある洗浄液の重力の影響を受けるため、相対的に高い噴射圧になる。一方、上部にある洗浄ノズルは、当該洗浄ノズルの上方まで溜まった洗浄液の重力をほとんど受けないため、相対的に低い噴射圧になる。しかしながら、洗浄液供給管94が洗浄容器90の中央部又は上部に位置すれば、上部にある洗浄ノズルにかかる水圧と下部にある洗浄ノズルにかかる水圧との差を抑制できる。洗浄容器90の外方に突出した洗浄液供給管94の端部を洗浄液供給部94pという。
洗浄容器90の形状は特に限定されず公知の形状にすることができる。例えば、上下方向が軸心となる円筒(円柱)形状、長手方向が上下方向であって内部が中空である角柱形状、上下方向が軸心となり内部が中空である円錐形状(円錐台形状を含む)、又は上下方向が軸心となり内部が中空である角錐形状(角錐台形状を含む)を挙げることができる。
洗浄容器90の長手方向の長さは、濾過フィルタ12の軸心方向の長さと同程度とするとよい。
図示例では濾過装置10に対して洗浄部95が1つ備わった形態としているが、この形態に限らず、洗浄部95が複数備わった形態としてもよい。例えば、図4を参照しつつ説明すると、平面視で濾過容器11の左部に洗浄部95が備わった形態となっているが、これに追加して、濾過容器11の右部にも洗浄部95が備わった形態としてもよい。また、同図平面視で濾過容器11において、濾過容器11を時計になぞらえて1時の方向、5時の方向、9時の方向(左部)にそれぞれ洗浄部95を備えた形態としてもよい。
(洗浄ノズル)
洗浄容器90と濾過容器11とは洗浄ノズルで連通されており、洗浄容器90に供給された洗浄液Cが洗浄ノズルを通って濾過容器11内に噴射される。
洗浄ノズルは洗浄容器90を形成する壁のうち濾過容器11に接する部分90Aに設ける。この部分90Aには開口部90aが設けられている。この開口部90aは、洗浄容器90の長手方向を開口部の長手方向とする矩形や略矩形(例えば、楕円形や小判形を含む。)とすることができるが、これらの形状に限定されるものではない。この開口部90aは上下方向(濾過フィルタ12の軸心方向)に間隔を空けて複数配される。この間隔L2は15〜30mm、より好ましくは20〜25mmとするとよい。そして、開口部90aにおける長手方向の最長幅L1は50〜100mm、短手方向(濾過容器の周方向といってもよい。)の最長幅Wは1〜2mm、より好ましくは1〜1.2mmとするとよい。また、長手方向の最長幅L1と間隔L2とを例えば、90:10〜75:25の比となるように配置してもよい。短手方向の最長幅Wがこの範囲よりも短いと、粉粒体が洗浄ノズルで詰まり、閉塞をきたすおそれがある。短手方向の最長幅Wがこの範囲よりも長いと、後述するスリット幅Sの調整に支障を来す場合がある。また、長手方向の最長幅L1がこの範囲よりも短いと、噴射圧が高まり濾過フィルタ12を損傷させる可能性がある。間隔L2がこの範囲より短いと、スリット状ノズル群の間隔が狭くなり過ぎ、1つの連続したスリット状ノズルに近似することになり、間隔を設けた効果が弱い。間隔L2がこの範囲よりも長いと、噴射圧が高まり過ぎ、濾過フィルタ12を損傷させる可能性がある。
スリット状ノズル群の上端から下端までの長さL3は濾過フィルタ12の軸心方向の長さ12Lと同程度かやや長さ12Lより短いものとするとよい。
開口部90aの別の配置形態として、次のものも提供できる。先ず、開口部90aが上下方向に(濾過フィルタ12の軸心方向)に間隔を空けて複数配され、これら開口部90a各々が一直線上に並んで、第1開口部群が形成される。同様に、開口部90aが上下方向に(濾過フィルタ12の軸心方向)に間隔を空けて複数配され、これら開口部90a各々が一直線上に並んで、第2開口部群が形成される。そして、濾過フィルタ12の周方向に間隔を空けて、第1開口部群と第2開口部群相互が平行に配される形態とすることができる。この場合、第1開口部群の開口部90aの各々と、第2開口部群の開口部90aの各々とが、濾過フィルタ12の周方向に、並んで又はズレて配されていてもよい。
洗浄容器90を形成する壁のうち濾過容器11に接する部分90Aの外壁には、ノズル幅Sを調節する調節板が2枚備わり、第1調節板92の側縁92eと第2調節板93の側縁93eとが所定の間隔を空けて対向し、濾過フィルタ12の軸心方向に平行に配されてスリット状ノズルが形成されている。スリット幅Sは適宜調節できるが0.7〜0.9mm、より好ましくは0.8mmとするとよい。0.9mmよりも長いと単位時間当たりの洗浄液の噴射量が多くなり過ぎ、ポンプP2に負荷をかける。0.7mmよりも短いと粉粒体がスリット部に詰まり易くなる。なお、第1調節板92の側縁92e、及び第2調節板93の側縁93eは直線となっていると、スリット幅が均一になり好ましい。
洗浄容器90と調節板92,93との固定手法は、公知の手法でよく特段限定されないが、例えば、固定具96(ビスやボルトナット等)で固定できる。スリット幅Sは、調節板92,93を固定する位置を微調節することにより、調節可能とされる。
図4に示すように、開口部群(90a,90a,90a,・・・,90a)に対して調節板92を1枚、調節板93を1枚設ける形態にすることができる。この形態では、ノズル幅を調節する調節板を2枚備え、第1調節板の側縁と第2調節板の側縁とが、所定の間隔を空けて対向し、濾過フィルタの軸心方向に平行に延在されたスリット状ノズル群となる。別の形態として、1つの開口部90aに対して調節板92を1枚、調節板93を1枚設けて、調節板92の側縁と調節板93の側縁とが特定の間隔を空けて対抗し、濾過フィルタの軸心方向に平行に延在されたスリット状ノズルとする形態とすることもできる。この場合、調節板92及び調節板93のそれぞれは、開口部90aの数と同数用いるとよい。また、複数(例えば、2〜6つ)の開口部(90a,90a,・・・)に対して調節板92を1枚、調節板93を1枚設ける形態とすることもできる。
従来、スリット状のノズルを設けるには、レーザ加工により孔を設けるのが一般的であった。すなわち、スリット状ノズルを設ける箇所に直接レーザを当てて孔を設けた。レーザ加工によれば、レーザの熱で孔に歪みが生じ、スリット幅を均一に形成し難い。孔に歪みがあると、例えば、形成された孔(スリット)のうち相対的に大径の箇所から洗浄液や粉粒体が多く噴射したり、小径の箇所で洗浄液の詰まりが発生したりする。そうすると、濾過フィルタ12の濾過面の洗浄が均一になされない等の不具合が生ずる。
しかしながら、本形態によれば、調節板92,93の配置でスリット状ノズルが形成されるので、レーザ加工に見られるスリット状ノズル形状の歪みが抑制される。そうすると、スリット状ノズルのスリット幅Sに過度の歪みがないので、例えば、スリット状ノズルの上端部、中部、下端部においてほぼ均一な噴射圧で洗浄液が噴射され、好ましい。また、例えば、スリット状ノズル群のうちの各々のスリット状ノズルで噴射圧のバラツキが抑制され、濾過面(濾過膜の表面)の特定箇所における損傷が他の箇所と比較して早まるといったことが抑制される。
以上のように形成されたスリット状ノズルは、濾過面の外側に濾過フィルタに対向して配され、濾過フィルタの軸心方向に延在し、かつ、この軸心方向に間隔を空けて複数配されてスリット状ノズル群を成すものとなる。そして、このスリット状ノズル群から、粉粒体を含む洗浄液が濾過フィルタへ向かって噴射される形態となる。
また、スリット状ノズル群を構成するスリット状ノズルの各々が、一直線上に配されている形態は好ましい。この形態とすると、隣接する襞2,2の間の第1隙間2nに、スリット状ノズル群から洗浄液が噴射されることになる。そして、濾過フィルタ12の回転により、隣の第2隙間2n(すなわち、第1隙間2nの周方向に隣り合う別の隙間2n)がスリット状ノズル群に対向する位置に到達し、この第2隙間2nにスリット状ノズル群から洗浄液が噴射されることになる。次いで、隣の第3隙間2n、そのまた隣の第4隙間2n、・・・と順次洗浄液が噴射されて、結果、濾過フィルタ12の全面が洗浄される。
(洗浄液)
濾過装置10で濾過されなかったものは、濃縮物Dとして濾過装置10から濃縮物排出管25を通り、洗浄液タンク40に貯留される。貯留された濃縮物Dは分級機41に送られ、ケーキ分と残分に分級される。残分は、主に液体や粉粒体を成分とする。この残分を洗浄液Cとして用いる。洗浄液の濃度は、粉粒体が洗浄液に25〜40容量%含まれるように調整するとよい。なお、洗浄液タンク40には当初から粉粒体を混入させておく。一方、一般的なウェットブラストは、粉粒体が洗浄液に2〜3容量%前後含まれるものであり、粉粒体の濃度が本実施形態よりもはるかに低すぎ、本形態における粉粒体量による洗浄効果が期待できない。
(粉粒体)
本実施形態の粉粒体では軟性の粉体及び粒体を利用し、例えば、球状塩ビスポンジ等の球状スポンジ、球状プラスチックビーズ(特にイオン交換樹脂に用いられる合成樹脂)、球状パーライトビーズ等のビーズ、珪砂等の砂等を挙げることができる。この中でも特に、球状プラスチックビーズ、球状パーライトビーズ等のビーズが粉粒体に用いるのに好ましい。イオン交換樹脂としては、特に限定されず公知のものでよく、例えば、スチレン・ジビニルベンゼンの共重合体やスチレン・ポリアミンの共重合からなる樹脂を例示できる。イオン交換樹脂はコストが安く、粒度のバラつきが比較的小さく好適である。イオン交換樹脂として、例えば、オルガノ株式会社の、強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂を用いることができる。
軟性の粉粒体は洗浄液Cに含まれ、濾過フィルタ12に噴射されるものである。洗浄液Cは、洗浄液タンク40から供給ポンプP2で汲み上げられ、洗浄液供給管94から洗浄容器90に供給される。軟性の粉粒体が洗浄液Cに均一に分散されるように、軟性の粉粒体の比重は0.8〜1.1g/cm3とするとよい。軟性の粉粒体の比重がこの範囲よりも小さいと、軟性の粉粒体が洗浄液タンク40の液面に浮いてしまう。軟性の粉粒体の比重がこの範囲よりも大きいと、軟性の粉粒体が洗浄液タンク40の底に沈んでしまう。なお、濾過装置の運転時では、濃縮物排出管25から濃縮物Dが排出されたり、濃縮物Dの分級を行ったりして、液分が洗浄液タンク40に供給されるので、洗浄液タンク40の水嵩が変動する。そのため、特段、攪拌装置を設けなくても、洗浄液タンク内で軟性の粉粒体が洗浄液Cに分散される機構になっている。
粉粒体の軟性度は公知の硬さの指標で適宜表すことができ、一例にモース硬度で表すことができる。本実施形態の粉粒体のモース硬度は0.6〜2、好ましくは1〜1.5であるとよい。モース硬度は、例えば、あるものでひっかいたときの傷のつきにくさを表す指標ということができる。仮に硬い粉粒体が強く濾過フィルタ12に衝突すると、濾過面を損傷し易くさせてしまうため、モース硬度が2よりも高いものは粉粒体として不適合である。なお、モース硬度は、JIS K 5600:1999に準拠して測定した値である。
一般のブラスト加工に用いられる粒体は、例えば、桃の種殻やクルミの殻等の果実の殻を挙げることができる。これらの殻のモース硬度は、本実施形態の粉粒体のモース硬度よりも大きいものであり、これらの殻を本実施形態に適用するのは不適当である。
また、濾過面を損傷し易くさせるのを抑制する観点から、粉粒体が、角を有する粉体又は粒体であるのは好ましくなく、球体状の粉体又は粒体、楕円体状の粉体又は粒体等の丸みを帯びた粉体又は粒体であるのが好ましい。
本実施形態に用いられる多数からなる粉粒体の平均粒子径は0.4〜0.8mm、好ましくは0.5〜0.6mmであるとよい。また、多数の粉粒体の径は、均等係数が2以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下であると、実質均一であると言え望ましい。均等係数が2よりも大きい、すなわち、粉粒体の径相互が所定の均等係数を超えるバラつきを有すると、スリット状ノズル群に同粉粒体が挟まったり、詰まったりしてしまう。平均粒子径はJIS Z 8825:2013に準拠して測定した値である。粉粒体の平均粒子径は、スリット状ノズルのスリット幅Sや濾材の目の粗さ等に基づき選定され、上記範囲よりも小さいと濾材に嵌ったり、透過したりしてしまい、粉粒体が付着物を剥離するという効果が期待できない。上記範囲よりも大きいとスリット状ノズルに引っかかり易くなる。なお、均等係数とは、粉粒体の篩分け計算図(対数グラフ)の線上において、累積通過質量百分率が60%になる粒子の大きさと有効径の比をいう。有効径とは、累積通過質量百分率が10%になる粒子の大きさをmmで示したものをいう(水道設備設計指針(2000)参照)。
(境界層)
濾過フィルタ12の濾過面に流体を噴射しても、濾過面に付着した付着物を剥離できない場合がある。これは、濾過面に境界層が形成されることによるものと推測される。一般に、水や空気などの流体には、単位面積当たりの流速について、同単位面積内の特定位置による速度変化の度合い(速度勾配)に比例した摩擦力が働く。この現象を、粘性に対するニュートンの法則という。この摩擦力の比例係数ηを粘度という。このとき、次の式(2)が成立する。
(摩擦力)=μ×du/dy・・・式(2)
ここで、uは流体の速度、yは流速を有する流体の断面積における半径方向の距離である。
粘度は(圧力)×(時間)の次元を有し、例えば水の粘度は0.891mPa・s、空気の粘度は0.0186mPa・s(水が25℃、空気が300Kのとき)である。そうすると、固体と流体の境界面では、流体は固体表面(例えば、濾過面)に固着していると考えることができる。濾過面の近傍(境界層)では流体は、粘性の影響を受けて流速が変化し、境界層以外の位置では粘度の影響をほとんど受けないと見なしてよい。そこで、流体に粉粒体を添加してやると、流体の摩擦力が減少し、境界層の形成が抑制される。結果、粉粒体が添加された流体が連続して噴射されて濾過面に接触し、付着物が剥離されやすくなる。
濾過フィルタ12を洗浄することを主眼とした場合、濾過フィルタ12の軸心方向に連続した1つのスリット状ノズル(例えば、濾過フィルタ12における軸心方向の長さと同程度の長さを有する1つのスリット状ノズル。以下、「1つのスリット状ノズル」ともいう。)でもよいようにも考えられる。しかしながら、この1つのスリット状ノズルで洗浄するとすると、スリットの総面積が相対的に大きいので、大量の洗浄液Cを噴射させる必要がある。本実施形態よりも洗浄液タンク40に備わるポンプの供給能力を大きくする必要が生じ、非経済である。また、濾過面全体に洗浄液Cが衝突するので、濾材が相対的に早く劣化する。特に、濾過面にテフロン(登録商標)膜が備わる場合、テフロン(登録商標)膜が相対的に早く剥離してしまう。
この点、本実施形態のスリット状ノズルは、濾過フィルタ12の軸心方向に間隔L2を空けて複数配された形態となっている。この間隔があるので、単位時間当たりの噴射量、換言すると、洗浄液タンク40に備わるポンプの供給能力を相対的に抑えても、スリット状ノズルにおいて単位面積当たりの噴射圧を所定の噴射圧以上に保つことができる。また、濾過面にテフロン(登録商標)膜が備わる場合、テフロン(登録商標)膜の早期剥離が抑制される。
また、理由は定かではないが、スリット状ノズル間の間隔L2と対向する濾過面の部分、すなわち、濾過面において洗浄液Cが直接衝突しない箇所、においても、付着物が剥離される。これはおそらく、次のように推定される。粉粒体を含む洗浄液Cが境界層の形成を抑制して濾過面に接触し、接触した洗浄液Cが濾材面に沿って同箇所に移動し、この移動により、同箇所の付着物が剥離されると考えられる。仮に、粉粒体等の固形分が洗浄液に含まれておらず、洗浄液が全て流体で構成されていれば、境界層の作用により、洗浄液が直接衝突する箇所、及び直接衝突しない箇所において付着物の十分な剥離がなされないものとなる。
(噴射圧)
濾過容器11内の液体を少なくともスリット状ノズル群の最下端よりも低い液嵩まで排液した状態で、好ましくは液嵩が濾過容器11の底に達した状態で、スリット状ノズル群から噴射される洗浄液Cの噴射圧が130kPa以下、好ましくは80〜120kPaとするとよい。130kPaを超えると、濾過面の早期損傷を引き起こす。また、噴射圧が大きいと濾過フィルタ12の襞2に洗浄液Cが強く当たり、濾過フィルタ12の襞2の突出方向が変わってしまう。具体的に言うと、第1の襞2に洗浄液Cが強く当たり、この第1の襞2が、洗浄液Cの噴射圧の力を受けて、隣接する第2の襞2側に動き接近し過ぎてしまう。換言すると、第1の襞2と第2の襞との間に形成される隙間2nが狭くなる又は閉じてしまう。そうすると、洗浄液Cがこの隙間2nに十分に噴射されず、隙間2nのケーキKが十分に剥離されないままとなる。また、80kPa未満だと濾過面からの付着物の剥離が十分になされない、又は部分的に付着物が濾過面に付着したままとなる。
この点、特許文献1では水を0.15〜1.5MPaで噴射する形態を開示しているが、仮にこの水圧で本実施形態の濾過フィルタに水を噴射すると、濾材を損傷させることになる。また、特許文献1の噴射ノズルは筒状の形態をしている。この噴射ノズルを利用してプリーツフィルタの濾過面に水と研掃材を噴射することを考えた場合、プリーツフィルタの濾過面全体に付着した汚れを剥ぎ落とすには、この濾過面に対向させつつ、噴射ノズルを移動させる必要がある。このように噴射ノズルを移動させて噴射させた場合、この濾過面において、汚れが十分に剥ぎ落とされた箇所と剥ぎ落とされていない箇所、すなわち、汚れのムラ(洗浄のムラとも言える。)が生じることになるおそれがある。
また、用途により一概には言えないが、一般的にウェットブラストのノズル噴射速度は100〜300m/sであるが、本実施形態では、粉粒体が混入された洗浄液Cによるノズル噴射速度は10〜15m/sであり、噴射目的が異なる。ウェットブラストは対象面の例えば、固着した汚れ等の固着物に粉粒物を強烈に当てて剥がすものである。一方本実施形態では洗浄液Cを、弱い物理的衝撃を与えれば容易に剥がれ落ちる程度の付着物(ケーキK)が付着された対象面(濾過面)に噴射させて、あたかも洗浄液Cが同濾過面を掃き取るようにしてケーキKを剥離させている。したがって、本実施形態とウェットブラストでは、噴射目的が本質的に異なる。
本実施形態の洗浄液Cの噴射圧は、上記に示す範囲であるので、濾過フィルタを洗浄するのに必要な洗浄液Cの量は、濾過面1m2当たり10〜15kgである。
(工程)
本実施形態の濾過装置10を用いた、被処理液Aの処理工程は、おおむね次の順序で行う。
(1)濾過工程
(2)排液工程
(3)パージ工程
(4)洗浄工程
上記(1)から始まり、順次(2)、(3)、(4)が完了したら、上記(1)に戻り、再度(1)〜(4)の工程を繰り返す。
(濾過工程)
図10を参照しつつ各工程を説明すると、先ずすべての液量調整バルブ(V1−3,V2−3,V3−3,V4−3,V5−3,V6)、風量調整バルブV7−3は全閉されており、ポンプ(P1,P2)、コンプレッサ81、モータMは停止しているものとする。濾過工程では、モータMを稼働させて濾過フィルタ12を回転させ、液量調整バルブV1−3,V2−3を開けてポンプP1を稼働させる。これにより、被処理液Aが、被処理液タンク30から被処理液供給部13pまで延在する配管内を通過して濾過容器内に供給される。なお、液量調整バルブV1−3は同配管に備わる。
被処理液Aを供給する速度は、例えば10LMH〜100LMH程度にすることができる。被処理液Aの供給速度をこの範囲にすることで、被処理液Aの濾過速度がこの範囲を超えることはない。例えば、濾過フィルタ12の表面にケーキKが存在していたとしても、徐々に被処理液AがケーキK及び濾過面を透過されて、濾過が行われることになる。そうすると、洗浄工程で濾過フィルタ12の表面12fに形成されたケーキKが剥離された後、濾過フィルタ12の表面12fにケーキKが残っていたとしても、引き続き濾過することができる。液量調整バルブV1−3の開度を調節すること等によって、被処理液Aの供給量は調節することができる。
濾過容器内の被処理液Aの液位が濾過フィルタ12の下端よりも上方になると、濾過が開始される。濾過フィルタ12を透過した濾液Bが濾液通路12rから濾液排出管14を通過する。濾液排出管先端の排出部14pから濾液タンク80まで延在し、液量調整バルブV2−3を備えた配管内を、濾液Bが通過して濾液タンク80に導かれ貯留される。濾液Bの排出量は、液量調整バルブV2−3の開度を調節することなどによって調整することができる。
濾過フィルタ12の上方まで液位が達した後は、例えば、濾液Bの排出量と被処理液Aの供給量を同程度に制御して液位をほぼ一定に保つとよい。また液位をほぼ一定に保つようにポンプP1の流量を調整するとよい。
濾過工程では、濾過フィルタ12は、回転機構で回転させてもよいし回転させなくてもよい。回転させる場合は、例えば、2rpm以下、好ましくは0.7rpm以下とすることができる。2rpmを超えると、濾過フィルタ12の回転に沿って濾過容器内の被処理液Aが流れ乱流を引き起こす原因となる。
濾過工程を継続するにつれて、被処理液A由来の懸濁物質が濾過フィルタ12の濾過面に付着しだし、やがて成長(堆積)してケーキKとなる。ケーキKが多量に付着すると濾過面の濾過効率が低下する。そこで、被処理液Aの種類にもよるが、濾過面における単位面積当たりのケーキK質量が、例えば、300〜600g/m2となったら、被処理液Aの供給を停止するとよい。この範囲を超えて濾過を継続したとしても、濾過効率が悪く、濾液Bの生成量が少ないものとなる。また、これとは別に、濾過面に(濾過膜の表面12f)に積層した懸濁物質の厚さ(ケーキ厚さ)を計測して、このケーキ厚さが所定の厚さ(例えば、ケーキ厚0.3〜0.6mm)まで成長した段階で被処理液Aの供給を停止する手法を採用することもできる。
ケーキKが、濾過面に所定量、堆積したらポンプP1を停止させ濾過工程を終了させ、排液工程に移る。
(排液工程)
排液工程では、液量調整バルブV1−3を全閉する。濃縮液排液部25pから洗浄液タンク40へ延在する配管に備わる液量調整バルブV4−3を開ける。排液工程時には回転機構は稼働させていてもよいし、停止させていてもよい。液量調整バルブV4−3を開けると、隙間50にある被処理液AとケーキKの一部、すなわち濃縮物Dが濃縮物排出管25から洗浄液タンク40に導かれる。
濾過容器内の濃縮物Dが排出された(又は、少なくとも隙間50における濃縮物D(又は被処理液A)の液位が濾過フィルタ12の下端部よりも下方になるまで濃縮物Dが排出された)ら排液工程を終了させ、パージ工程に移る。
(パージ工程)
パージ(purge)工程は公知のコンプレッサ81を用いて、濾過容器内を気体で満たす工程である。パージ工程は、濾過フィルタ12の中心部から同濾過フィルタ外面側へ液や空気を押し出し、濾過面に付着した付着物を剥離させるという洗浄効果がある。パージ工程時には回転機構は稼働させていてもよいし、停止させていてもよい。先ず、濾液排出管14の排出部14pとコンプレッサ81とを接続する配管に備わる風量調整バルブV7−3を開く。液量調整バルブV2−3が備わる配管とコンプレッサ81とを接続する配管とは別の配管L5−3によって接続され、この配管L5−3に液量調整バルブV5−3が備わる。配管L5−3の一端は、液量調整バルブV2−3が備わる配管のうちの、液量調整バルブV2−3よりも下流側に接続するとよい。この液量調整バルブV5−3は開いてもよいし、全閉のままとしてもよいが、開くと液量調整バルブV2−3が備わる配管に残る濾液Bを排出させることができる。
次にコンプレッサ81を稼働させると、気体が濾液排出部14pから濾過通路12r導かれ、さらに濾過フィルタ12の内面から外面(濾過面)方向へ導かれ、隙間50に満たされる。送風する能力は、例えば、500L/min程度にするとよい。パージ工程では、気体が濾過フィルタ12の内面から外面方向に流れるので、濾過面に付着したケーキKの一部が剥離したり、濾過面から浮いたりする。そうすると、次の洗浄工程によるケーキKが容易に剥離されるという効果がある。パージ工程により剥離した一部のケーキKや隙間50に残存する濃縮物Dはパージ圧を受け、濃縮物排出管25pから排出される。この洗浄容器90内に気体が満たされたらパージ工程を終了させ、洗浄工程に移る。
なお、パージ工程は、省略することもできる。
(洗浄工程)
洗浄工程では、排液工程及びパージ工程で洗浄液タンク40に導かれた濃縮物Dから洗浄液Cを得て、この洗浄液Cを用いて、濾過フィルタ12を洗浄する工程である。洗浄液タンク40には粉粒体が多数入っている。まず、回転機構を稼働させ濾過フィルタ12を回転させる。濾過フィルタ12の回転速度は0.5rpm、好ましくは0.5〜0.7rpmとすることができる。0.5rpmより長いと、洗浄にかかる合計時間が長くなり過ぎて処理効率がよくないし、プリーツフィルタ12の濾過面への単位時間当たりの噴射量が多くなり濾過面の寿命を縮めるおそれがある。また、1分未満だと付着物の剥離が十分になされない。
洗浄工程時はパージ気体を導入しなくてもよいが、パージ気体を導入し続けてもよい。パージ気体を導入し続けると、濾過フィルタ12が、内面から外面に気圧を受けて濾過面がある程度膨らむ。そうすると、濾過面の付着物に亀裂が入ったり、濾過面から付着物が浮いたりして、付着物の濾過面への付着力が低下する。よって、付着物が剥離しやすくなる。
洗浄液供給部94pとポンプP2とを接続する配管には液量調整バルブV3−3が備わる。また、この配管のうちの液量調整バルブV3−3が備わる箇所よりも上流側(ポンプP2側)から、分級機41に接続される配管42が分岐している。分級機41は継続して又は断続して稼働させるとよい。分級機41はケーキ分を排出するケーキ排出部と残分を排出する残分排出部が備わる。ケーキ排出部から排出されたケーキは配管を通過してケーキ回収タンク70に導かれる。この配管には流量調整バルブV6が備わり、分級機41が稼働しているときはこの流量調整バルブV6を開けておくとよい。分級により得られた残分に含まれる粉粒体は洗浄液タンク40に導かれる。なお、分級機41が停止しているときは、分級機は濃縮物D又は洗浄液Cが分級機41に導入されない仕組みになっている。
分級機41が稼働している状態で液量調整バルブV3−3を全閉にして、ポンプP2を稼働させると、濃縮物DはポンプP2から汲み取られて分級機41に供給され、ケーキ分と残分に分級され、この残分が洗浄液タンク40に導かれ、濃縮物Dと混ざる。このサイクルを繰り返すことで、濃縮物Dからケーキ分が除かれて洗浄液Cが得られる。
分級機41が稼働又は停止している状態で液量調整バルブV3−3を開くと、洗浄液Cが、洗浄液供給管94から洗浄容器90に導かれ、洗浄容器90に備わるスリット状ノズル群から噴射される。なお、濃縮物Dをケーキ分と残分に分ける手法として、分級機41に換えて、ストレーナやふるいを用いた手法としてもよい。
濾過フィルタ12を洗浄する時間は、特に限定されず、例えば、濾過フィルタ12に洗浄液Cが噴射され始めてから濾過フィルタ12が1周するまでの時間、又は1周以上(例えば、1周半や2週)するまでの時間とすることができる。
洗浄工程の終了は、例えば、上述の、濾過フィルタ12が1周又は1周以上したときとすることができる。濾過工程が終了したら、濾過工程に戻り、濾過工程を開始する。なお、ケーキKは全部が濾過面から剥離されてもよいし、一部が剥離され残りが濾過面に付着されていてもよい。
本実施形態では、濾過フィルタ12へのスリット状ノズル群の噴射圧が一般的なノズルの噴射圧よりも低くてよく、かつ、濾過フィルタ12からのケーキKが十分に剥離されるので、濾過フィルタ12を長期に亘り継続使用できる。例えば、本実施形態の濾過フィルタ12の交換頻度は2〜4年に1回とすることができる。
洗浄工程は、濾過容器から被処理液と濾液が排水された状態で、行うことが好ましいが、濾過容器に被処理液と濾液が残存する状態や、濾過容器内の被処理液の水位が濾過フィルタ12の上方まで達している状態で洗浄工程を行うこともできる。
剥離されたケーキKは、濾過容器11の下部に堆積する。そのため、このケーキKと被処理液Aが混合した液(濃縮物D)を濃縮物排出管25から定期的に排出する。この濃縮物Dは、例えば自然流下により排出させたり、バルブ機構を介して連続的に排出させたりすることができる。このときのバルブ機構としては、ロータリーバルブ、チューブポンプ、二段ダンパ、スクリューポンプなどを例示することができる。排出された排出物は洗浄液タンク40に導かれる。
(別の実施形態)
濾過装置は1台に限らず、複数台用いてもよい。図11に示すように上記実施形態に濾過装置を2台追加して、被処理液Aを並列処理する形態を提示することができる。上記実施形態と重複する箇所や説明は省略する場合がある。新たに追加された濾過装置101,102は、濾過装置10と同じ形態のものを用いている。
被処理液タンク30に備わるポンプP1に接続された配管は3方に分岐し、3方に分岐した配管(配管L1−3,配管L1−2,配管L1−1)の先端はそれぞれ、濾過装置10の被処理液供給部13p、濾過装置101の被処理液供給部13p、濾過装置102の被処理液供給部13pに接続されている。濾過装置10の濾液排出部14pに配管L2−3の一端が、濾過装置101の濾液排出部14pに配管L2−2の一端が、濾過装置102の濾液排出部14pに配管L2−1の一端が、それぞれ接続されこれらの配管の他端のそれぞれは1つの配管に接続され、この1つの配管が、濾液タンク80まで延在している。洗浄液タンク40に備わるポンプP2に一端が接続された配管は4方に分岐している。4方に分岐した配管のうちの、1つ目は分級機41に接続される配管42であり、2つ目の配管L3−3は濾過装置10の洗浄液供給部94pに、3つ目の配管L3−2は濾過装置101の洗浄液供給部94pに、4つ目の配管L3−1は濾過装置102の洗浄液供給部94pにそれぞれ接続されている。濾過装置10の濃縮物排出部25pに配管L4−3の一端が、濾過装置101の濃縮物排出部25pに配管L4−2の一端が、濾過装置10の濃縮物排出部25pに配管L4−1の一端が、それぞれ接続され、これら配管の他端のそれぞれは1つの配管に接続され、この1つの配管が、洗浄液タンク40まで延在している。コンプレッサ81に接続された配管は3方に分岐し、この3方に分岐した配管(配管L7−3,配管L7−2,配管L7−1)の先端はそれぞれ、濾過装置10の濾液排出部14p、濾過装置101の濾液排出部14p、濾過装置102の濾液排出部14pに接続されている。
配管L1−3は液量調整バルブV1−3を備え、配管L1−2は液量調整バルブV1−2を備え、配管L1−1は液量調整バルブV1−1を備える。配管L2−1は液量調整バルブV2−1を備え、配管L2−2は液量調整バルブV2−2を備え、配管L2−3は液量調整バルブV2−3を備える。配管L3−1は液量調整バルブV3−1を備え、配管L3−2は液量調整バルブV3−2を備え、配管L3−3は液量調整バルブV3−3を備える。配管L4−1は液量調整バルブV4−1を備え、配管L4−2は液量調整バルブV4−2を備え、配管L4−3は液量調整バルブV4−3を備える。配管L7−1は風量調整バルブV7−1を備え、配管L7−2は風量調整バルブV7−2を備え、配管L7−3は風量調整バルブV7−3を備える。
配管L2−2と配管L7−2とは別の配管L5−2によって接続され、この配管L5−2に液量調整バルブV5−2が備わる。配管L5−2の一端は、配管L2−2のうちの、液量調整バルブV2−2よりも下流側に接続するとよい。
配管L2−1と配管L7−1とは別の配管L5−1によって接続され、この配管L5−1に液量調整バルブV5−1が備わる。配管L5−1の一端は、配管L2−1のうちの、液量調整バルブV2−1よりも下流側に接続するとよい。
被処理液Aの処理工程に係る操作手順は、濾過装置10を1台のみ備えた形態と概ね同様である。異なる操作手順は主に液量調整バルブと風量調整バルブの操作である。そこで、異なる操作手順を主に次記に示す。
(濾過工程)
図11を参照しつつ各工程を説明すると、先ずすべての液量調整バルブと風量調整バルブは全閉にしておく。液量調整バルブV1−3,V2−3,V1−2,V2−2,V1−1,V2−1を開けてポンプP1を稼働させる。また、濾過装置に備わるモータMをそれぞれ稼働させて濾過フィルタ12を回転させる。
配管L2−3,L2−2,L2−1内を、濾液Bが通過して濾液タンク80に貯留される。
(排液工程)
排液工程では、液量調整バルブV1−3,V1−2,V1−1を全閉する。液量調整バルブV4−3,V4−2,V4−1を開ける。
(パージ工程)
パージ工程では、風量調整バルブV7−3,V7−2,V7−1を開く。液量調整バルブV5−3,V5−2,V5−1は開いてもよいし、全閉のままとしてもよいが、開くと配管L5−3,L5−2,L5−1に残存する濾液Bを排出させることができる。
次にコンプレッサ81を稼働させると、気体が濾液排出部14pから濾過通路12rに導かれ、さらに濾過フィルタ12の内面から外面(濾過面)方向へ導かれ、隙間50に満たされる。送風する能力は、各配管L7−3,L7−2,L7−1内で例えば、500L/min程度にするとよい。
(洗浄工程)
分級機41が稼働している状態で液量調整バルブV3−3,V3−2,V3−1を全閉にして、ポンプP2を稼働させると、濃縮物DはポンプP2から汲み取られて分級機41に供給され、ケーキ分と残分に分級され、この残分が洗浄液タンク40に導かれ、濃縮物Dと混ざる。このサイクルを繰り返すことで、濃縮物Dはケーキ分が除かれて洗浄液Cが得られる。
分級機41が稼働又は停止している状態で液量調整バルブV3−3,V3−2,V3−1を開くと、洗浄液Cが、濾過装置の各々に備わる洗浄液供給管94から洗浄容器90に導かれ、洗浄容器90に備わるスリット状ノズル群から噴射される。
(その他の手段)
濾過フィルタ12のケーキ付着面12fにおけるケーキ厚を計測する手段を設けることが好ましい(図示略)。ケーキ厚を計測する手段としては、実際のケーキ厚を計測する装置のほか、被処理液Aに含まれる粒子濃度、被処理液Aの供給速度、濾過時間を計測し、これらの各値からケーキ厚を推定する装置を用いても良い。
なお、濾過容器11に被処理液Aを供給することにより、濾過容器11の下部に内圧がかかる。前述の濃縮物Dの排出はこの内圧を用いて行ってもよい。
(縦型脱水乾燥装置と横型脱水乾燥装置)
図1では、濾過フィルタ12を縦に配置した縦型濾過装置10について説明した。本発明はこのような形態に限られるものでなく、濾過フィルタ12を横に配置した横型濾過装置10にしてもよい。
(効果)
本発明に係る濾過装置によれば、以下に掲げる効果の少なくとも一つを得ることができる。
高精度のプリーツフィルタ(例えば、親水性ポリテトラフルオロエチレンやポリエステルスパンボンド)を用いることにより、濾過装置10は濃縮効率を高めることができる。例えば、親水性ポリテトラフルオロエチレンのプリーツフィルタを搭載した濾過装置10に約2〜3VOL%の被処理液Aを供給した場合、約60〜70VOL%の濃縮物Dを得ることができる。以上のように、含水率の低い濃縮物Dを得ることにより、後段の脱水工程や乾燥工程の負荷を減らすことができる。また、前記プリーツフィルタと空気圧を用いて脱水することも可能であり、その場合は45VOL%程度のより低い含水率の濃縮物Dを得ることができる。
プリーツフィルタを用いているため、プリーツのない平坦なフィルタを用いた場合よりも、大量の被処理液Aを濾過処理することができる。
従来、河川工事、ダム工事、基礎工事、浚渫工事などの大量の高濃度濁水が発生する現場では、無機凝集剤や高分子凝集剤を大量に添加して脱水処理を行い、その脱水ケーキを産業廃棄物として埋め立てる等するため、高額な費用を要していた。
そこで、本発明に係る濾過装置10を用いて、土木作業現場で生じた被処理液Aを濾過した後、濃縮物D(濁水濃縮スラリー)にセメントを混ぜて一般土とすることにより、その一般土を運搬することなく、現場で処分する(例えば散布する)ことが可能となる。その結果、大幅なコストダウンを図ることができる。
一般に利用される金属メッシュフィルタを搭載した濾過装置は、凝集剤の使用が不可欠である。本発明に係る濾過装置10では、必ずしも凝集剤を使用する必要はない。そのため、ランニングコストの大幅な低減を図ることができる。
プリーツフィルタを用いることにより、平坦なフィルタを用いた場合よりも、濾過装置10の濾過容器11を小型化することができる。濾過装置10を小型化することにより、フットプリントを小さくすることも可能となる。本発明者の試算によれば、本発明に係る濾過装置10は、平膜フィルタを搭載した従来品の1/5程度の大きさにすることが可能である。
襞2の内側の空間を閉鎖状態にする形態を開示したが、この形態では処理液Bがプリーツフィルタ12の外部へ漏れ出ることを防ぐことができる。その結果、濃縮物Dの濃度が低くなることを防ぐことができる。また、処理液Bを漏れなく回収することができるため、全体として濾過効率が向上する。
本実施形態の濾過装置10を用いて洗浄工程を行った。実施例及び比較例ともに、スリット状ノズル群から噴射される洗浄液の噴射圧を100kPaとした。また、洗浄工程に要した総時間は延べ200時間であった。この時間経過後、洗浄した濾過フィルタ12を濾過装置10から取り出し、濾過フィルタ12の表面を撮影した。
粉粒体は、実施例にイオン交換樹脂を、比較例にガラスビーズを用いた。イオン交換樹脂のモース硬度は1〜1.5、真比重0.9g/cm3、粒度分布500〜600μmであった。ガラスビーズのモース硬度は4.5〜6.5、真比重2.5g/cm3、使用したガラスビーズは粒度分布350〜500μmであった。なお、粒径分布はJIS Z 8815:1994に準拠して測定した。
実施例では、図13に示すように濾過フィルタ12の濾過面に損傷は確認されなかった。比較例では、噴射開始後0.2時間で濾過面に損傷が確認され、その後図14に示すように濾過フィルタ12の濾過面に損傷部112が複数確認された。
比較例における濾過フィルタの損傷はブラスト効果によるものと考えられる。ブラスト効果によれば、粒子が大きく、真比重が大きく、噴射速度が大きければ粉粒体は、慣性力が大きくなり自由粒子として運動するため、勢いよく濾過面に衝突を繰り返す。結果、濾過面に損傷がもたらされる。
実施例では、上記慣性力が大きくなく自由粒子としての運動が制限されると考えられる。そのため、洗浄液とともにイオン交換樹脂は濾過面を撫でるように、あたかも、ブラシで濾過面を撫でるように作用し、濾過面に弱く付着した汚れを剥ぎ落とすものと推測される。結果、濾過面の損傷が抑制される。
2…襞、2S…(襞の)内部空間、10…濾過装置、11…濾過容器、12…濾過フィルタ、12b…濾過膜の裏面(濾過フィルタの内面)、12f…濾過膜の表面(濾過フィルタの外面)、12m…濾過膜、12r…濾液通路、12s…筒状体、13…被処理液供給管、13p…被処理液供給部、14…濾液排出管、14…濾液排出部14p、16C…閉鎖空間、16N…開放空間(非閉鎖空間)、19…濃縮物排出管、25p…濃縮物排出部、50…(濾過容器と濾過フィルタの間の)間隙、70…ケーキ回収タンク、80…濾液タンク、81…コンプレッサ、90…洗浄容器、90A…洗浄容器90を形成する壁のうち濾過容器11に接する部分、90a…開口部、92,93…調節板、92e,93e…調節板の側縁、94…洗浄液供給管、94p…洗浄液供給部、A…被処理液、B…濾液、D…濃縮液、K…ケーキ、L1…開口部90aにおける長手方向の最長幅、L2…間隔、S…スリット幅、W…開口部90aにおける短手方向の最長幅W
本発明は、複数の襞を有するプリーツフィルタを備えた濾過装置及び被処理液の処理方法に関する。
汚れ面に付着した汚れを除去する手法の一例に、ノズルから高圧の洗浄液を汚れ面に噴射させて、汚れを剥ぎ落とす手法がある。しかしながら、この手法は、汚れが除去される反面、汚れ面を損傷させる結果をもたらすことがある。また、噴射圧を高めたとしても、洗浄液は境界層(「境界層」については後述する。)で粘性の影響を受け、流速が急激に変化し、結果、汚れが除去されない場合もある。
そこで、粘性の影響を抑制するため、研掃材を混ぜた洗浄液を汚れ面に噴射して汚れを除去するブラスト処理なる手法が知られている。例えば、特許文献1では水と研掃材を加圧噴射して対象物を剥離して破砕する手法を開示している。この手法は、洗浄液の粘性の影響が抑制されて、対象物が剥ぎ落ちやすくなる反面、研磨剤の加圧噴射により、対象物の付着面に研磨剤が衝突してこの付着面を損傷させる結果を引き起こす。
特開2007−291747号公報 特開2019−58868号公報
そこで、本発明が解決しようとする主たる課題は、プリーツフィルタの濾過膜の表面に付着した付着物が除去され、また表面の損傷が抑制される濾過装置及び被処理液の処理方法を提供することにある。
この課題を解決するための態様は、次の通りである。
[第1の態様]
濾過容器を内部に備える濾過装置であって、
前記濾過容器は、被処理液の供給部と濾液の排出部と洗浄液の供給部を有し、
前記濾過容器の内部に、外面が濾過面であり内部が濾液の通路である筒状の濾過フィルタが設けられ、
前記濾過フィルタは、平坦な濾材を蛇腹状に折り曲げて複数の襞を形成しつつ、筒状に形成したプリーツフィルタであり、
前記濾過装置には、前記濾過フィルタを洗浄するスリット状ノズルが備わり、
前記スリット状ノズルは、前記濾過面の外側に前記濾過フィルタに対向して配され、前記濾過フィルタの軸心方向に延在し、かつ、この軸心方向に間隔を空けて複数配されてスリット状ノズル群を成し、
前記スリット状ノズル群から、軟性の粉粒体を含む前記洗浄液が前記濾過フィルタへ向かって噴射される、
ことを特徴とする濾過装置。
特許文献1に開示されたブラスト装置は、研掃材と水との混合水を噴射ノズルから高圧噴射するものであり、この混合水を噴射させて作業面のアスベストを剥離し、回収するものである。ゆえに、この文献に用いられる研掃材は作業面を破壊する硬度を有する必要がある。仮にこの研掃材を本発明の濾過フィルタに高圧噴射すれば、濾過フィルタの表面は直ちに損傷してしまう。
そこで、本発明は、噴射する洗浄液に含まれる粉粒体に軟性素材を用いている。軟性の粉粒体であれば、濾過フィルタの表面に衝突しても、同表面の損傷を抑制できる。濾過フィルタの損傷が抑制されるので、長期的に安定した濾過がなされる。また、濾過フィルタに対向して配されるスリット状ノズルは間隔を空けて配されることから、スリット状ノズルから噴射される洗浄液は、濾過面に間隔を空けて衝突することになる。そして、濾過面は、洗浄液が衝突した箇所のみならず、同間隔においても付着物が剥離される効果を有することを、発明者は知見している。
同間隔においても付着物が剥離される原因は、定かではないが、おそらく、粉粒体による、流体の摩擦力の減少作用と、境界層形成の抑制作用によるものと考えられる(この作用については後述する。)。
なお、特許文献2は被処理液の供給圧を変えて濾過フィルタの濾過、付着物の剥離を行う濾過装置を開示している。しかしながら、本形態は、濾過容器が洗浄液の供給部を別途有する点で、特許文献2と異なる。
[第2の態様]
前記スリット状ノズルのそれぞれが、一直線上に配されているものである、
第1の態様に記載の濾過装置。
一直線上に配されているので、濾過フィルタの濾過面が軸心方向に一斉に洗浄液の噴射を受けて、付着物が剥離される。
[第3の態様]
前記スリット状ノズルは、
ノズル幅を調節する調節板を2枚備え、
第1調節板の側縁と第2調節板の側縁とが、所定の間隔を空けて対向し、前記濾過フィルタの軸心方向に平行に延在されて、なるものである、
第1の態様に記載の濾過装置。
一般にノズルをスリット状にするには、レーザ加工による手法を挙げることができる。しかしながら、レーザ加工では熱で加工対象物を加工するので、加工部が必ずしも直線形状にならない場合がある。そうすると、スリット状ノズルの噴射圧にスリット内で差異が生ずる。しかしながら、本形態にすると、スリットの形状に平行部を有することになるのでスリット内で噴射圧の差異がほとんどなくなる。よって、ほぼ均一な噴射圧で洗浄液がスリット状ノズルから噴射される。
[第4の態様]
前記スリット状ノズル群は、
ノズル幅を調節する調節板を2枚備え、
第1調節板の側縁と第2調節板の側縁とが、所定の間隔を空けて対向し、前記濾過フィルタの軸心方向に平行に延在されて、なるものである、
第1の態様に記載の濾過装置。
スリット状ノズル群の全体が2枚の調節板で形成されているので、スリット状ノズル群のうちのスリット状ノズルそれぞれのスリット幅が揃う。よって、スリット状ノズル相互がほぼ同形状となり、スリット状ノズル相互における噴射圧の差異が抑制される。
[第5の態様]
前記第1調節板の側縁と前記第2調節板の側縁がそれぞれ直線である、
第44の態様に記載の濾過装置。
スリット状ノズル群の横幅が均一になるので、スリット状ノズル相互における噴射圧が同程度になる。
[第6の態様]
多数からなる前記粉粒体の径が実質均一である、
第1の態様に記載の濾過装置。
一般にブラスト加工に用いられる研掃材の原料には例えば、果実の殻が用いられる。この果実の殻を適度に粉砕したものを研掃材としている。この研掃材は相互に径に大きなバラつきがある。例えば、径の大きな研掃材が噴射ノズルに詰まると、続く径の小さな研掃材も次々と噴射ノズルに詰まってしまう。
しかしながら、本態様では粉粒体の径が実質均一なので、粉粒体の各々が噴射ノズルに詰まり難いものとなっている。
[第7の態様]
濾過容器を内部に備える濾過装置の処理方法であって、
前記濾過容器は、被処理液の供給部と濾液の排出部と洗浄液の供給部を有し、
前記濾過容器の内部に、外面が濾過面であり内部が濾液の通路である筒状の濾過フィルタが設けられ、
前記濾過フィルタは、平坦な濾材を蛇腹状に折り曲げて複数の襞を形成しつつ、筒状に形成したプリーツフィルタであり、
前記濾過装置には、前記濾過フィルタを洗浄するスリット状ノズルが備わり、
前記スリット状ノズルは、前記濾過フィルタに対向して配され、上下方向に延在するスリット状であり、上下方向に間隔を空けて複数配されてスリット状ノズル群を成し、
前記スリット状ノズル群から前記濾過フィルタへ向かって、粉粒体が含まれる前記洗浄液を噴射するものである、
ことを特徴とする濾過装置の洗浄方法。
第1の態様と同様の効果を奏する。
[第8の態様]
前記濾過容器は、濾過されなかった濃縮物を排出する濃縮物排出部をさらに有し、
前記濃縮物排出部から排出された前記濃縮物を分級してケーキ分を取り除き、残分を洗浄液とし、この洗浄液を前記スリット状ノズル群から噴射する、
第7の態様に記載の濾過装置の処理方法。
濃縮物から洗浄液を得るので、別途洗浄液用の液体を系外より導入する必要がなく経済的である。また、別途洗浄液用の液体、例えば、水、工業用水等を得られない環境下の作業であっても被処理液の濾過を継続的に又は断続的に行うことができる。
本発明によれば、プリーツフィルタの濾過膜の表面の損傷を抑制しつつ、この濾過膜の表面に付着した付着物が除去される濾過装置及び被処理液の処理方法を提供することができる。
濾過装置の構造説明図である。 図1のX−X部分の濾過フィルタの矢視図である。 図2のY部分の拡大図である。 図1のX−X部分の濾過フィルタの矢視図であり、洗浄部の構造説明図である。 図4のZ部分の横断面図である。 図3のZ部分の拡大図である。 濾過装置の他の実施形態の構造説明図である。 図7のQ−Q部分の濾過フィルタの横断面図である。 図8のP部分の拡大図(図9A)と図9AのR部分の拡大図(B)である。 濾過装置を備えた濾過設備の全体図である。 濾過装置を備えた別の実施形態の濾過設備の全体図である。 フィルタ支持体を設けた濾過フィルタの説明図である。 濾過フィルタの濾過面を表す図である。 濾過フィルタの濾過面を表す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明及び図面は、本発明の一実施形態を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきでない。
(被処理液A)
本発明に係る濾過装置10によって濾過される被処理液Aとしては、例えば、トンネル構内排水、吹付け用生コンプラント排水、ダイスライム回収排水、バッチャープラント排水、河川工事ドライピット排水、深礎工事排水、グラウト工事排水、シールド工事排水、シールド余剰泥水、浚渫埋立排水、ケイソン工事排水、場所打杭排水、床面洗浄排水、ウェルポイント工事排水、基礎工事ヤード排水、タイヤ洗浄排水、コアボーリング排水、ダイヤモンドカッター排水、土壌汚染掘削ヤード排水、VOC分解洗浄排水、焼却炉解体洗浄排水、放射能除染工事排水、ワイヤーソー切断工事排水、ウォータージェット切断工事排水、製紙工場プロセス排水、パルプ工場プロセス排水、食品工場洗浄排水、生コン工場洗浄排水、コンクリート二次製品工場排水、砕石工場ヤード排水、ガス洗浄スクラバ排水、ゴミ焼却炉急冷塔排水、転炉ガス洗浄排水、アーク炉ガス洗浄排水、銀回収工程排水、洗砂装置排水、水洗中和排水、バレル研磨排水、電界研磨排水、ガラス研磨排水、ウェットブラスト排水、吹付塗装ブース排水、カチオン塗装排水、ステンレス酸洗排水、原料ヤード排水、原料コンベア洗浄排水、堆積ダスト湿式回収排水、工場ヤード排水、連鋳排水、圧延冷却排水、除湿ドレン排水、浸漬切断ヤード排水、鉱さいヤード排水、船舶底部ビルジ排水、造船ドッグ排水、除貝排水、冷却塔ブロー排水、染色工場排水、ミルクプラント洗浄排水、トンネル壁面洗浄排水、建物外壁洗浄排水、洗車排水、ゴルフ場排水、産業処分場浸出水、下水処理水、有機溶剤排液、アルコール排液、油排液、及び、これらから2以上の排液が混合された排液、等の排液を挙げることができる。そのほかの被処理液Aとして、オイルやジャムを例示することもできる。
また、ゴムやスポンジ等の弾性や圧縮性を有する粉体や流体が含まれた液体を被処理液Aとしても良い。
以下では、被処理液Aが濾過されたものを処理液B、濾過フィルタ12を洗浄する液体を洗浄液Cと記載する。
本発明の実施形態に係る濾過装置10は、密閉された濾過容器11内で、被処理液A(例えばスラリー)を濾過フィルタ12で濾過し、処理液B(例えば濾液)や、ケーキKを含む濃縮物Dを排出する全量濾過(デッドエンド濾過)型の装置である。この濾過装置10では、洗浄液Cが噴射部95から濾過フィルタ12の濾過面に噴射されて、この濾過面に付着したケーキKを剥離し、落下させる。そして、剥離したケーキKが濃縮物排出管25から排出されるフローになっている。このフローについては後で詳述することにして、先ずは濾過装置10の構成について説明する。
(濾過容器11)
濾過装置10は濾過容器11を有している。この濾過容器11の底部は、略面形状としてもよいし、ケーキが排出されやすいようにシュート形状としてもよい。そして、この底部には濃縮物排出管25が設けられている。この底部をシュート形状にした場合、シュートの下方先端に濃縮物排出管25を設けると、剥離されたケーキがシュートの勾配により自然に濃縮物排出管25に集まり、排出されるので好適である。しかしながら、この濾過容器11の形状は前述の形状に限られるものではなく、任意の形状に変更してもよい。
(筒状体12s)
濾過容器11内には、壁面に濾液Bの透過孔が形成され、内部に濾液Bが通る濾液通路12rが形成された筒状体12sが設けられる。筒状体12sの形状や姿勢は特に限定されないが、図示した一例では円筒形状であって、その中心軸が濾過容器11の上下方向に沿う姿勢で、濾過容器11内に配されている。そのほか、筒状体12sの形状を角筒形などの任意の公知形状に変更しても良いし、筒状体12sの姿勢を筒状体12sの軸心方向が斜めに傾斜するように濾過容器11内に設置しても良い。隙間50と筒状体12s間で液体の流通がなされないように筒状体12sの上端を有底(上底)形態にしてもよい。この場合、後述する回転機構の回転軸をこの有底部(上底部)に接続させることができる。なお、図示した筒状体12sは、パンチングメタルなどの透過孔を有する平板を円筒状に成形したものである。
(濾過膜12m)
筒状体12sの壁面の外側には、濾過膜12mが形成されている。この濾過膜12mとしては、表面積(濾過面積)が広いことから、平坦な濾材をジグザグに折り曲げつつ、筒状体12sの外周面に巻き付けて、筒状(図2の態様では、円筒状にしているが、これに限定されず、角柱状や楕円状等にしてもよい)に形成したプリーツフィルタを好適に用いることができる。前記のようにジグザグに折り曲げることで、筒状体12sの周囲に(図示形態では筒状体12sの全周に)、複数の襞2が形成される。平坦な濾材を折り曲げる際は、折り目がつくように折り曲げてもよいし、折り目がつかないように曲線(緩やかな曲線、急な曲線など)を描くように折り曲げても良い。また、襞2の上端および下端は、筒状体12sの軸心に対して垂直方向に配置した不織布12mT、12mDによって覆われている。
濾過膜12mは単層または多層にすることができる。図示形態では単層の濾過膜12mを用いている。また、濾過膜12mの素材(濾材)は特に限定されない。具体的な素材としては、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ステンレス、ナイロン等を例示することができる。この濾過膜12mの素材には、ぬれ性の良いもの(親水性のもの)を用いることが好ましい。ぬれ性は、固体表面と液滴の接線の間の接触角θを測定することによって示され、固体/気体間の界面張力γVS、液体/気体間の界面張力γLV、液体/固体間の界面張力γLSによって決定する。この接触角と界面張力の関係は、下記のヤングの式(1)によって表すことができる。
γVS=γLS+γLV cosθ ・・・式(1)
なお、撥水性の素材(接触角θが90度以上の素材)に対して、プラズマを照射する方法、紫外線(UV)を照射する方法、薬品処理する方法などにより、素材の表面を親水性にすることも可能である。しかし、このような素材は大気中に置くと再び疎水性に戻ってしまい、親水性を維持できる期間が短い。したがって、もとから親水性の素材(接触角θが90度未満の素材)を用いることが好ましい。特に、超親水性の素材(接触角θが5度未満の素材)を用いることが好ましい。
前記濾過膜12mの具体的な素材としては、例えば、東レ株式会社のポリエステル長繊維不織布「アクスター」(登録商標)のG2260-1S BK0を用いることができる。
濾過膜12mの膜厚は、好ましくは0.3〜0.7mm、より好ましくは0.6mmである。また、濾材の繊維径(投影面積円相当径、Heywood径をいう。以下、同じ。)は、好ましくは0.5〜20μmであり、より好ましくは7μmである。繊維径が0.5μmより細い繊維を用いると、濾過時の抵抗が大きくなるとともに、見かけの表面積が狭くなる。また、繊維径が20μmよりも太い繊維を用いると、懸濁物質(濾過対象物)が濾過膜12mを透過してしまい、ケーキKが形成され難い。
したがって、繊維径が0.5〜20μmの濾材を用いて、ある程度の目の粗さを持つ濾過膜12mを形成することが好ましい。このようなある程度の目の粗さを持つ濾過膜12mによって、濾過時には、濾過膜12mの目に懸濁物質が食い込んでコーティング層が形成されるため、そのコーティング層を新たな濾過フィルタ12として利用することができる。
濾過膜12mの長手方向の長さは、例えば300mm〜2000mmにすることができる。
本形態において、濾過膜12mの表面12fとは、濾過容器11側を向いている面をいい、濾過前の被処理液Aが接する面をいう。一方、濾過膜12mの裏面12bとは、筒状体12s側を向いている面をいい、被処理液Aが濾過膜12m内を通過し、濾液Bとして排出される面をいう。
濾過膜12mの交換頻度を減らし、ランニングコストを削減するため、所定の強度以上の濾過膜12mを用いることが好ましい。例えば、JIS L‐1906の測定方法において、引張強度(N/5cm)タテ:1200、ヨコ:700、破裂強力(kgf/cm2)タテ:25のものを用いると良い。
なお、本態様においては、濾過フィルタ12の外面12fから裏面12bへ向かって被処理液Aが流れる。この場合、濾過フィルタ12の外面12fが濾過面になる。濾過フィルタ12の裏面12bを濾過面にした場合と比べて、濾過時の耐圧が向上し、濾過面積が大きくなり、ケーキKが排出しやすくなるという利点がある。
(プレコーティング層)
被処理液Aに含まれる懸濁物質(濾過対象物)の粒径が濾材の目の大きさよりも小さい場合は、濾過精度が悪くなる。また、ゲル状、コロイド状などになっている付着性が強いスラリー(例えば、ベントナイトスラリー、凝結剤を使用したときのスラリー、藻や海苔のスラリー)の場合は、濾材が目詰まりしやすい。したがって、このような場合は、不具合を防ぐため、珪藻土、ゼオライトなどからなるプレコーティング層を形成することが好ましい。
(凝集剤)
プレコーティング層の形成に代えて、懸濁物質を凝集させる凝集剤(凝集沈降剤)を使用することもできる。凝集剤によって懸濁物質が凝集するため、濾材12mの目が懸濁物質より大きかったとしても、懸濁物質と濾液Bを分離することができる。この凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、高塩基性塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムなどを用いることができる。なお、凝集剤を使用するとランニングコストがかかるため、費用削減を重視する場合は使用を避けた方が良い。
本実施形態のプリーツフィルタ12は、外側襞間空間2n(外側襞間空間については後述する。)を覆うように、同プリーツフィルタ12外側上方から蓋体21Tが、外側下方から蓋体21Dが被せられており、これによって外側襞間空間2nが封鎖された状態になっている。蓋体21Tは、外側襞間空間2n及び筒状体12sの上方を覆う形態とされている。蓋体21Dは、筒状体12sの下部には濾液排出管14が接続されているので、外側襞間空間2nの下方を覆い、筒状体12s全部又は一部が覆われない形態とされている。すなわち、蓋体21Dには、濾液排出管14を貫通させる穴が設けられている。これら蓋体21T,21Dが備わることで、プリーツフィルタ内の濾液が、プリーツフィルタの上方や下方に流れて隙間50へ逆流し、被処理液Aに混じることを防止している。それと同時に、隙間50からプリーツフィルタの上方や下方を経由して被処理液Aが濾液通路12rに流れこむのを防止している。
(スペーサー3)
襞2の内部に、複数の穴が開けられた平坦な板材(ハニカムメッシュや金網等)を蛇腹状(この蛇腹状には、波状のものも含まれる)に折り曲げたスペーサー3を設けることが好ましい。スペーサー3は、襞2の基端側(筒状体12s側)から先端側(濾過容器11側)へ向かって、ジグザグに折り曲がりながら延在している。図示形態では、各襞2にスペーサー3が一枚ずつ設けられ、そのスペーサー3の一端側端部は筒状体12sの外面と0.1mm〜0.5mm程度離れ(筒状体12sと接触していてもよい)、他端側端部は襞2の先端側端部に位置している。スペーサー3の厚み方向両端部に形成された屈曲部3C、3Cは、濾過膜12mの裏面12bと接触している。図示形態のスペーサー3は、平面視で濾過膜12mと点状に接触しており、この接触部分が屈曲部3C、3Cになっている。スペーサー3は襞2の内部空間2Sを保持する機能を有し、被処理液Aが濾過膜12mの表面12fから裏面12bへ向かって流れる圧力や、濾過膜12mの表面12fにケーキKが積層して襞2を押し潰そうとする圧力に抗って、内部空間2Sが完全に潰れてしまうことを防いでいる。襞2の内部空間2Sがなくなることを「閉塞」といい、この閉塞を防ぐことにより、濾液Bが内部空間2Sを先端側から基端側へ向かって移動しやすくなる。図6Aは被処理液Aを濾過する前の状態を示し、図6Bは被処理液Aを濾過している最中の状態を示す。これらの図面に示すように、襞2が被処理液Aによって外側から押されると、押される前と比べて、スペーサー3の厚みが薄くなり(厚み方向の長さが短くなり)、平面視におけるスペーサー3の形状が平坦に近いものになる。このような場合であっても、ケーキKの堆積量が多くなければ(例えば、ケーキKが1〜2mm程度堆積した状態では)、スペーサー3は完全に平坦にならず、内部空間2Sが完全に潰れて閉塞してしまうことはほとんどない。
図示した形態では、平面視で、濾過膜12mとスペーサー3が屈折部3Cで接触しており、この接触部Tcは、スペーサー3の延在方向に沿って、所定の間隔を空けながら、厚み方向に交互に点状に存在している。すなわち、平面視で、濾過膜12mとスペーサー3が面状に接触していない形態である。
スペーサー3の素材としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンなど(単体でも用いても良いし、複数を組み合わせて用いても良い)を用いることができる。特に、弾性力や耐水性などが要求されることから、ポリプロピレンやポリエステルを用いることが好ましい。
例えば、スペーサー3として、プラスチック繊維(他の繊維でもよい)からなるメッシュ構造の板材を波付け加工して弾性体にしたものを用いることができる。このときのメッシュ構造は、例えば1.5mm〜2mm程度のメッシュにすることができる。この波付け弾性体であるスペーサー3は、被処理液Aの濾過圧力によって、濾過膜12mの外側から内側へ向かって押し付けられるが、メッシュの結節部は線径の倍の厚さ(約0.32〜0.4mm)があり、襞の内部空間2S内の濾液Bが筒状体12Sの方向へ流れる通液性を確保している。
プリーツフィルタ12の別の実施形態としては、プリーツフィルタ12の襞2の外側の空間17であって、隣接する襞2と襞2の間の空間2n(「外側襞間空間」や「隣接襞間空間」ともいう。本明細書において、他の段落においても同じ。)が封鎖されていない形態を提示できる。すなわち、外側襞間空間2nが開放空間(「非封鎖空間」ともいう)になっている。図8では外側襞間空間2nの1つに網掛けを付した。この図8では、図面の視認性を良くするために、1個の外側襞間空間2nにのみ網掛けを付しているが、プリーツフィルタ12の全周にわたって多数の襞2が形成されており、プリーツフィルタ12の外側であって、隣接する襞2と襞2の間の空間は、すべて外側襞間空間2nとなる。この外側襞間空間2nは、隣接する襞2と襞2の外表面12fによって囲まれた部分(外表面12fによって区画された部分)をいい、この外側襞間空間2nの基端は襞2の基端部2bと接しており、外側襞間空間2nの先端は隣接する襞2,2の先端部2p,2pの間を繋げた仮想線ALによって区画される。
この別の実施形態では、プリーツフィルタ12の軸心方向両側において、外側襞間空間2nを蓋体21などで封じず、開放状態にした。変形例として、プリーツフィルタ12の軸心方向片側のみにおいて、外側襞間空間2nを蓋体21などで封じず、開放状態にしてもよい。また、プリーツフィルタ12の軸心方向片側または両側に蓋体21を設けても良いが、この蓋体21を設ける場合は、蓋体21のうち外側襞間空間2nと重なる部分に切り欠きを設けるなどして、外側襞間空間2nを開放状態にしてもよい。
なお、プリーツフィルタ12の軸心方向両側または片側において、外側襞間空間2nを開放状態にする場合は、蓋体21以外にも埋込物などを設けないことが重要である。埋込物を設けると、開放状態にならないからである。
前記の説明において、隣接襞間空間2nを開放状態にする旨を記載した。この隣接襞間空間2nを完全に開放状態にしてもよいが、必ずしもこのような形態に限定されるものではなく、隣接襞間空間2nの一部が閉鎖されていても良い。例えば、少なくとも濾過膜12mの近傍(例えば、濾過膜12mの外表面12fから0.5mm程度離間した部分、好ましくは0.3mm程度離間した部分)を開放状態にしていればよい。
(閉鎖空間)
図9に示すように、プリーツフィルタ12の軸心方向両側において、襞2の内側の空間を封鎖することが好ましい。襞2の内側の空間とは、図9(B)に示すような襞2の内部空間2Sを含む概念である。図9(B)では、襞2の相対する濾過膜12ma、12mbに挟まれた空間(襞2の内部空間2S)が封鎖されており(閉じられており)、いわゆる閉鎖空間16Cになっている。閉鎖空間16Cにする方法は特に限定されないが、例えば、対面する濾過膜12ma、12mbの内壁面同士を超音波もしくはヒーターで加熱して溶着する方法を挙げることができる。そのほか、前記内壁面同士を接着剤で接着したり、濾過膜12ma、12mbの間に樹脂を埋め込んだりしてもよい。
プリーツフィルタ12の内部に筒状体12sを設ける場合は、襞2の内側の空間という概念に、濾過膜12mと筒状体12sの間の空間22(図9の網掛け部分)(以下、「膜筒間空間」という。)を含ませてもよい。図9Aの例では、この膜筒間空間22に樹脂を埋め込むことによって閉鎖空間16Cにしているが、この態様に限られるものではなく、例えば濾過膜12mと筒状体12sの間を接着剤によって接着するなどしてもよい。
以上の説明において、閉鎖空間16Cを形成するために、接着剤や埋込物を用いる形態を説明した。接着剤の種類は特に限定されないが、耐水性や接着力に優れることから、例えばエポキシ樹脂接着剤やゴム系接着剤などを用いることが好ましい。埋込物の種類も特に限定されないが、封止性が高いことから、例えばエポキシ樹脂系やシリコンゴムシーラントなどを用いることが好ましい。埋込物は、埋め込んだ後に硬化する樹脂(例えば、エポキシ樹脂系やフェノール系など)を用いることが好ましい。樹脂が硬化しない場合、剥離するおそれがあるからである。
また、接着剤や埋込物以外のものを用いて閉鎖空間16Cを形成してもよい。例えば、閉鎖空間16Cを形成したい部分に蓋体を設けても良い。この蓋体としては、例えば一枚の板材から構成することができる。複数枚の板材を用いるとシール性が向上するが、部材点数が多くなって管理が大変であるとともに、コストが高くなるので、一枚の板材が好ましい。板材の素材としては、例えばステンレス、アルミ、プラスチックなどを用いることができる。
この板材を用いる位置は、プリーツフィルタ12の一端側端部や他端側端部であれば、いずれの部分であってもよい。すなわち、必ずしもプリーツフィルタ12の一端側端縁や他端側端縁に設けなくてもよく、例えば、プリーツフィルタ12の襞2の内部空間2Sにこの板材を埋め込むようにしてもよい。なお、閉鎖空間16Cを設ける位置は、図7に示すように、プリーツフィルタ12の軸心方向の一端側端部および他端側端部の少なくともいずれか一方である。
図7では、一端側端部(上側端部)の軸心方向の長さ12Uを10mm〜20mmにすることが好ましく、13mm〜17mmにすることがより好ましく、15mmにすることがさらに好ましい。前記軸心方向の長さ12Uが10mmよりも短いと、一端側端部で必要とする接着強度が保持できないおそれがある。他方、前記軸心方向の長さ12Uが20mmよりも長いと、濾過フィルタ12のうちの実質的に濾過する部分(濾過フィルタ12の中間部12m)の長さが短くなるため、濾過効率が低下してしまうおそれがある。
他方、他端側端部(下側端部)の軸心方向の長さ12Dを15mm〜25mmにすることが好ましく、18mm〜22mmにすることがより好ましく、20mmにすることがさらに好ましい。前記軸心方向の長さ12Dが15mmよりも短いと、他端側端部で必要とする溶着強度が保持できないおそれがある。他方、前記軸心方向の長さ12Dが25mmよりも長いと、濾過フィルタ12のうちの実質的に濾過する部分(濾過フィルタ12の中間部12m)の長さが短くなるため、濾過効率が低下するおそれがある。
なお、図9の実施例では、一端側端部と他端側端部に閉鎖空間16Cを形成するために、エポキシ樹脂を用いている。
以上のように、襞2の内側の空間を封鎖することによって、襞2の内側の空間に存在する処理液Bが、プリーツフィルタ12の軸心方向端部から外部へ漏れ出ることを防ぐことができる。その結果、処理液Bが襞2の内側の空間から処理液の通路12rへと移動することになる。なお、処理液Bがプリーツフィルタ12の軸心方向端部から外部(濾過容器の内壁とプリーツフィルタの外面の間の空間(隙間50)。本明細書において同じ)へ漏れ出た場合、この漏れ出た処理液Bは濃縮物Dとして外部に排出される。漏れ出た濾過液Bが濃縮物Dとして排出されることになるため、濃縮物Dの水分率が高くなってしまうという不具合がある。また、濾過液Bをすべて回収できていないことになるため、濾過効率が低下するという問題もある。
処理液の通路12rとは、筒状体12sが設けられた場合では、筒状体12sの内側の空間をいう。筒状体12sが設けられていない場合では、襞2の基端部2bよりも内側の空間をいう。図1の実施形態では、この筒状体12sの上端部は、蓋体21Tで覆われている。上端部を蓋体で覆うことによって、処理液Bが上端部から外部へ漏れ出ることを防ぐことができる。また、筒状体の12sの下端部には、筒状体12sの直径と同じ直径を備えた排出管14が接続されている。処理液Bは、重力によって、処理液通路12rから排出管14へ移行し、その後、排出管14を通って濾過容器11の外へ排出される。なお、筒状体12sの上端部に設けた蓋体21Tや下端部に設けた排出管14の形態については、随時変更することができる。
なお、襞2の内側の空間を封鎖する場合は、完全に封鎖することが好ましい。一部に隙間が生じていると、その隙間から外部へ処理液Bが漏れ出るおそれがあるからである。すなわち、襞2の内側の空間を接着剤で接着する場合は、例えば、対面する濾過膜12ma、12mbの間を密閉することが好ましい。また、襞2の内側の空間を埋込物で封鎖する場合は、埋込物の内部に細かな貫通孔などが発生しないようにするととともに、例えば濾過膜12mと埋込物の間や、筒状体12sと埋込物の間に隙間が生じないように密閉することが好ましい。同様に、襞2の内側の空間を蓋体で封鎖する場合は、濾過膜12mと蓋体の間や、筒状体12sと蓋体の間に隙間が生じないように密閉することが好ましい。
プリーツフィルタ12の軸心方向両端部12U、12D以外の部分、すなわちプリーツフィルタの軸心方向中間部12Mについては、襞2の内側の空間を封鎖しないことが好ましい。処理液Bがその空間を通過して、処理液通路12rへと流れ込むことができるようにするためである。
また、前述のスペーサー3は、襞2の内側の空間のうち、封鎖部分16Cに設けないことが好ましい。封鎖部分16Cの内部にスペーサー3があると、スペーサー3の弾性作用によって、襞2の内部空間2Sの大きさが変動することになるため、例えば、濾過膜12maと12mbを接着剤で接着している場合、その接着が取れやすくなるからである。また、襞2の内部空間2Sを埋込物で封鎖している場合、濾過膜12mの内壁面と埋込物の外面との間に隙間が生じやすくなり、襞2の内部空間2Sを蓋体によって封じている場合、蓋体と濾過膜12mの間に隙間が生じやすくなったりする。
濾過フィルタ12の襞2内部にスペーサー3を設けない形態の場合は、筒状体12sと濾過フィルタ12との間に、濾過フィルタ12に沿うようにフィルタ支持体85を設けてもよい。このフィルタ支持体85は濾過フィルタ12の内面と当接して配するとよい。フィルタ支持体85は例えば、複数の孔が設けられた板材(ハニカムメッシュや金網等)をジグザグに折り曲げることにより形成することができる。
このフィルタ支持体85を備えることで、濾過フィルタ12の変形が防止される。濾過フィルタ12の濾過面には被処理液Aの濾過工程でケーキKが形成される。このケーキKは濾過工程を継続するに従い厚くなる。それと同時に、ケーキKの形成により濾過速度が低下して液圧がかかり襞2を内部側に潰そうとする力が加わる。しかるに、フィルタ支持体85が配されていれば、襞2が液圧を受けても潰れにくくなる。
(回転機構)
プリーツフィルタ12は、このプリーツフィルタ12の軸心を中心にして周方向に回転可能である。回転させる機構(回転機構)は、例えば、プリーツフィルタ12の上端部に備わる蓋体21Tに回転軸の一端が接続され、モータMにこの回転軸の他端が接続されている形態を挙げることができる。プリーツフィルタ上端部に蓋体21Tが備わっていない形態では、筒状体12s又はプリーツフィルタ12に回転軸の一端が接続された形態にするとよい。
濾過工程、排液工程、パージ工程、及び洗浄工程の少なくとも1つの工程でプリーツフィルタを回転させるとよい。特にプリーツフィルタの濾過面全体を洗浄液Cで洗浄する洗浄工程では、プリーツフィルタを回転させて濾過面のケーキKを剥離させることになる。洗浄工程でのプリーツフィルタ12の回転速度は0.5rpm、好ましくは0.5〜0.7rpmとすることができる。0.5rpmより長いと、洗浄にかかる合計時間が長くなり過ぎて処理効率がよくないし、プリーツフィルタ12の濾過面への単位時間当たりの噴射量が多くなり濾過面の寿命を縮めるおそれがある。また、1分未満だと付着物の剥離が十分になされない。
(供給部)
濾過容器11には、被処理液Aの供給管13の一端が取り付けられている。そして、この供給部13の他端には供給部13pが備わり、被処理液Aが貯留されている被処理液タンク30とこの供給13pは被処理液を送液する配管によって繋がれており、被処理液AはポンプP1によって被処理液タンク30から濾過容器11へ送られる。
被処理液Aの供給管13は、濾過容器11の側面、上底、及び下底のいずれの箇所に取り付けてもよい。特に、被処理液中における濾材を通過しない物質等(例えば、懸濁物質等)の比重が、被処理液中における液分の比重よりも大きい場合、濾過容器11の側面の下部又は下底部に供給管13を接続するとよい。同下部又は下底部に供給管13を設けると次の利点がある。被処理液Aが濾過容器内に供給され始めると、濾過容器内の液面が徐々に上昇し、プリーツフィルタ下端の位置まで上昇すると、濾過が始まる。更に液面が上昇を継続し、最終的には濾過容器内の上部まで達する。この間も濾過は継続される。なお、本実施形態では供給管13の一端と濾過容器11とが接続され、供給管の他端は供給部13pとされ、供給管13から被処理液Aが、供給管13を通り、濾過容器11に流れ込む。
被処理液Aが濾過容器11に供給され続けている間も、被処理液Aに含まれる懸濁物質等は液分よりも比重が大きい場合は、濾材に接触する間もなく沈降する。また、上記液面が濾過容器内の上部に達した後は、一例に、排出部14pから排出される濾液の排出量と当量の被処理液Aを濾過容器内に供給して、液面の水位がほぼ一定に保たれるように制御するとよい。なお、この制御は例えば、インバータや液量調整バルブを用いて行うことができる。この液面(水位)がほぼ一定に保たれている間も、新たに供給される被処理液中の懸濁物質の一部が濾過面に付着することなく濾過容器内で沈降する。沈降し、濾過容器11の下部に堆積した懸濁物質は、排出部25pから排出される。この作用機序により、濾材の濾過面に付着する付着物の、のべ量が比較的少なくて済み、プリーツフィルタ12の長期使用を可能とする。
しかしながら、懸濁物質の比重が、液分の比重に近いような被処理液Aを扱うのであれば、例えば、濾過容器11の上部に供給管13を設けてもよい。懸濁物質の比重と液分の比重とに差がなく、液面(水位)がほぼ一定に保たれている場合は、懸濁物質が濾過面全体に過度に偏ることなく付着されるので、濾過面の損傷や閉塞が、濾過面の特定箇所に集中し難い。懸濁物質が特定箇所に偏って付着すると、その箇所の摩耗が早まることになるが、懸濁物質が濾過面全体に過度に偏りなく付着するので、特定箇所の摩耗が発生しにくくプリーツフィルタ12を長期使用でき好ましい。
なお、被処理液Aの乱流を防ぐとともに、濾過フィルタ12の一部分ではなく全体を用いて濾過させることを考慮すると、濾過容器11の内壁の接線方向に被処理液Aが供給されるように供給管を濾過容器11に接続させるとよい。このように接続すると、被処理液Aが濾過容器11の内壁に沿って、濾過フィルタ12の外周を周回して流れ、濾過フィルタ全体で被処理液Aが濾過され好ましい。
濾過容器11の上部に供給管13を設けた場合の他の利点として、堆積したケーキの再浮上を抑制できる点を挙げることができる。懸濁物質の比重が液分の比重に近い場合、ケーキが堆積しやすい箇所、例えば、濾過容器の下方に供給管13を設けると濾過容器内で被処理液Aの流れの影響を受けて、一旦堆積したケーキが舞う場合も起こりうる。この点、供給管13の供給部を濾過容器11の上部に設けると、被処理液における濾過容器内の水位が十分あるときは、被処理液の流束が濾過容器下部に堆積したケーキに到達し難いため、一旦堆積したケーキが舞うのを防止できる。
(排出部)
濾過容器11には、濾過容器11の外に濾液Bを排出する濾液排出管14が設けられている。濾液排出管14は濾過フィルタ12の濾液通路12rの下端開口から濾過容器11外へ排出され、配管を介して濾液タンク80に導かれる。なお、濾過容器11の外方に突出した濾液排出管14の端部を、濾液Bの排出部14pという。
濾過容器11の底部には、濃縮物排出管25が設けられている。濾過容器11の外方に突出した濃縮物排出管25から、ケーキKを含む濃縮物D(濾過されなかったもの、ということもできる。)が濾過容器11の外に排出される。この濃縮物排出管25の内部には、液量調整バルブV4−3(例えば、バタフライバルブ)が設けられており、このバルブの開閉により濃縮物を排出可能状態としたり、密閉状態としたりでき、切り替え可能となっている。なお、濾過容器11の外方に突出した濃縮物排出管14の端部を、濃縮物Dの排出部25pという。ここで、濃縮物とは、被処理液やケーキK、粉粒体を含む概念である。
(洗浄部)
濾過装置10には濾過フィルタを洗浄するための洗浄部95が備わる。洗浄部95は、濾過容器11に設けられており、洗浄部95は洗浄容器90を備え、この洗浄容器90の壁には、洗浄液Cを洗浄液タンク40から洗浄容器90内に導入する洗浄液供給管94と、複数の洗浄ノズルが備わる。洗浄液供給管94は容器壁の任意の箇所に設けてもよいが、洗浄ノズルが設けられた壁と対向する位置にある壁であって上下方向の中央部又は上部に設けると好ましい。仮に洗浄液供給管が洗浄容器90の下部に位置すると、後述する洗浄ノズル群のうちの、上部にある洗浄ノズルにかかる水圧と下部にある洗浄ノズルにかかる水圧とで差が生じる可能性がある。特に、下部にある洗浄ノズルは、洗浄液供給管94から供給される洗浄液Cの供給圧力と、洗浄容器内におけるその洗浄ノズルの上方にある洗浄液の重力の影響を受けるため、相対的に高い噴射圧になる。一方、上部にある洗浄ノズルは、当該洗浄ノズルの上方まで溜まった洗浄液の重力をほとんど受けないため、相対的に低い噴射圧になる。しかしながら、洗浄液供給管94が洗浄容器90の中央部又は上部に位置すれば、上部にある洗浄ノズルにかかる水圧と下部にある洗浄ノズルにかかる水圧との差を抑制できる。洗浄容器90の外方に突出した洗浄液供給管94の端部を洗浄液供給部94pという。
洗浄容器90の形状は特に限定されず公知の形状にすることができる。例えば、上下方向が軸心となる円筒(円柱)形状、長手方向が上下方向であって内部が中空である角柱形状、上下方向が軸心となり内部が中空である円錐形状(円錐台形状を含む)、又は上下方向が軸心となり内部が中空である角錐形状(角錐台形状を含む)を挙げることができる。
洗浄容器90の長手方向の長さは、濾過フィルタ12の軸心方向の長さと同程度とするとよい。
図示例では濾過装置10に対して洗浄部95が1つ備わった形態としているが、この形態に限らず、洗浄部95が複数備わった形態としてもよい。例えば、図4を参照しつつ説明すると、平面視で濾過容器11の左部に洗浄部95が備わった形態となっているが、これに追加して、濾過容器11の右部にも洗浄部95が備わった形態としてもよい。また、同図平面視で濾過容器11において、濾過容器11を時計になぞらえて1時の方向、5時の方向、9時の方向(左部)にそれぞれ洗浄部95を備えた形態としてもよい。
(洗浄ノズル)
洗浄容器90と濾過容器11とは洗浄ノズルで連通されており、洗浄容器90に供給された洗浄液Cが洗浄ノズルを通って濾過容器11内に噴射される。
洗浄ノズルは洗浄容器90を形成する壁のうち濾過容器11に接する部分90Aに設ける。この部分90Aには開口部90aが設けられている。この開口部90aは、洗浄容器90の長手方向を開口部の長手方向とする矩形や略矩形(例えば、楕円形や小判形を含む。)とすることができるが、これらの形状に限定されるものではない。この開口部90aは上下方向(濾過フィルタ12の軸心方向)に間隔を空けて複数配される。この間隔L2は15〜30mm、より好ましくは20〜25mmとするとよい。そして、開口部90aにおける長手方向の最長幅L1は50〜100mm、短手方向(濾過容器の周方向といってもよい。)の最長幅Wは1〜2mm、より好ましくは1〜1.2mmとするとよい。また、長手方向の最長幅L1と間隔L2とを例えば、90:10〜75:25の比となるように配置してもよい。短手方向の最長幅Wがこの範囲よりも短いと、粉粒体が洗浄ノズルで詰まり、閉塞をきたすおそれがある。短手方向の最長幅Wがこの範囲よりも長いと、後述するスリット幅Sの調整に支障を来す場合がある。また、長手方向の最長幅L1がこの範囲よりも短いと、噴射圧が高まり濾過フィルタ12を損傷させる可能性がある。間隔L2がこの範囲より短いと、スリット状ノズル群の間隔が狭くなり過ぎ、1つの連続したスリット状ノズルに近似することになり、間隔を設けた効果が弱い。間隔L2がこの範囲よりも長いと、噴射圧が高まり過ぎ、濾過フィルタ12を損傷させる可能性がある。
スリット状ノズル群の上端から下端までの長さL3は濾過フィルタ12の軸心方向の長さ12Lと同程度かやや長さ12Lより短いものとするとよい。
開口部90aの別の配置形態として、次のものも提供できる。先ず、開口部90aが上下方向に(濾過フィルタ12の軸心方向)に間隔を空けて複数配され、これら開口部90a各々が一直線上に並んで、第1開口部群が形成される。同様に、開口部90aが上下方向に(濾過フィルタ12の軸心方向)に間隔を空けて複数配され、これら開口部90a各々が一直線上に並んで、第2開口部群が形成される。そして、濾過フィルタ12の周方向に間隔を空けて、第1開口部群と第2開口部群相互が平行に配される形態とすることができる。この場合、第1開口部群の開口部90aの各々と、第2開口部群の開口部90aの各々とが、濾過フィルタ12の周方向に、並んで又はズレて配されていてもよい。
洗浄容器90を形成する壁のうち濾過容器11に接する部分90Aの外壁には、ノズル幅Sを調節する調節板が2枚備わり、第1調節板92の側縁92eと第2調節板93の側縁93eとが所定の間隔を空けて対向し、濾過フィルタ12の軸心方向に平行に配されてスリット状ノズルが形成されている。スリット幅Sは適宜調節できるが0.7〜0.9mm、より好ましくは0.8mmとするとよい。0.9mmよりも長いと単位時間当たりの洗浄液の噴射量が多くなり過ぎ、ポンプP2に負荷をかける。0.7mmよりも短いと粉粒体がスリット部に詰まり易くなる。なお、第1調節板92の側縁92e、及び第2調節板93の側縁93eは直線となっていると、スリット幅が均一になり好ましい。
洗浄容器90と調節板92,93との固定手法は、公知の手法でよく特段限定されないが、例えば、固定具96(ビスやボルトナット等)で固定できる。スリット幅Sは、調節板92,93を固定する位置を微調節することにより、調節可能とされる。
図4に示すように、開口部群(90a,90a,90a,・・・,90a)に対して調節板92を1枚、調節板93を1枚設ける形態にすることができる。この形態では、ノズル幅を調節する調節板を2枚備え、第1調節板の側縁と第2調節板の側縁とが、所定の間隔を空けて対向し、濾過フィルタの軸心方向に平行に延在されたスリット状ノズル群となる。別の形態として、1つの開口部90aに対して調節板92を1枚、調節板93を1枚設けて、調節板92の側縁と調節板93の側縁とが特定の間隔を空けて対抗し、濾過フィルタの軸心方向に平行に延在されたスリット状ノズルとする形態とすることもできる。この場合、調節板92及び調節板93のそれぞれは、開口部90aの数と同数用いるとよい。また、複数(例えば、2〜6つ)の開口部(90a,90a,・・・)に対して調節板92を1枚、調節板93を1枚設ける形態とすることもできる。
従来、スリット状のノズルを設けるには、レーザ加工により孔を設けるのが一般的であった。すなわち、スリット状ノズルを設ける箇所に直接レーザを当てて孔を設けた。レーザ加工によれば、レーザの熱で孔に歪みが生じ、スリット幅を均一に形成し難い。孔に歪みがあると、例えば、形成された孔(スリット)のうち相対的に大径の箇所から洗浄液や粉粒体が多く噴射したり、小径の箇所で洗浄液の詰まりが発生したりする。そうすると、濾過フィルタ12の濾過面の洗浄が均一になされない等の不具合が生ずる。
しかしながら、本形態によれば、調節板92,93の配置でスリット状ノズルが形成されるので、レーザ加工に見られるスリット状ノズル形状の歪みが抑制される。そうすると、スリット状ノズルのスリット幅Sに過度の歪みがないので、例えば、スリット状ノズルの上端部、中部、下端部においてほぼ均一な噴射圧で洗浄液が噴射され、好ましい。また、例えば、スリット状ノズル群のうちの各々のスリット状ノズルで噴射圧のバラツキが抑制され、濾過面(濾過膜の表面)の特定箇所における損傷が他の箇所と比較して早まるといったことが抑制される。
以上のように形成されたスリット状ノズルは、濾過面の外側に濾過フィルタに対向して配され、濾過フィルタの軸心方向に延在し、かつ、この軸心方向に間隔を空けて複数配されてスリット状ノズル群を成すものとなる。そして、このスリット状ノズル群から、粉粒体を含む洗浄液が濾過フィルタへ向かって噴射される形態となる。
また、スリット状ノズル群を構成するスリット状ノズルの各々が、一直線上に配されている形態は好ましい。この形態とすると、隣接する襞2,2の間の第1隙間2nに、スリット状ノズル群から洗浄液が噴射されることになる。そして、濾過フィルタ12の回転により、隣の第2隙間2n(すなわち、第1隙間2nの周方向に隣り合う別の隙間2n)がスリット状ノズル群に対向する位置に到達し、この第2隙間2nにスリット状ノズル群から洗浄液が噴射されることになる。次いで、隣の第3隙間2n、そのまた隣の第4隙間2n、・・・と順次洗浄液が噴射されて、結果、濾過フィルタ12の全面が洗浄される。
(洗浄液)
濾過装置10で濾過されなかったものは、濃縮物Dとして濾過装置10から濃縮物排出管25を通り、洗浄液タンク40に貯留される。貯留された濃縮物Dは分級機41に送られ、ケーキ分と残分に分級される。残分は、主に液体や粉粒体を成分とする。この残分を洗浄液Cとして用いる。洗浄液の濃度は、粉粒体が洗浄液に25〜40容量%含まれるように調整するとよい。なお、洗浄液タンク40には当初から粉粒体を混入させておく。一方、一般的なウェットブラストは、粉粒体が洗浄液に2〜3容量%前後含まれるものであり、粉粒体の濃度が本実施形態よりもはるかに低すぎ、本形態における粉粒体量による洗浄効果が期待できない。
(粉粒体)
本実施形態の粉粒体では軟性の粉体及び粒体を利用し、例えば、球状塩ビスポンジ等の球状スポンジ、球状プラスチックビーズ(特にイオン交換樹脂に用いられる合成樹脂)、球状パーライトビーズ等のビーズ、珪砂等の砂等を挙げることができる。この中でも特に、球状プラスチックビーズ、球状パーライトビーズ等のビーズが粉粒体に用いるのに好ましい。イオン交換樹脂としては、特に限定されず公知のものでよく、例えば、スチレン・ジビニルベンゼンの共重合体やスチレン・ポリアミンの共重合からなる樹脂を例示できる。イオン交換樹脂はコストが安く、粒度のバラつきが比較的小さく好適である。イオン交換樹脂として、例えば、オルガノ株式会社の、強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂を用いることができる。
軟性の粉粒体は洗浄液Cに含まれ、濾過フィルタ12に噴射されるものである。洗浄液Cは、洗浄液タンク40から供給ポンプP2で汲み上げられ、洗浄液供給管94から洗浄容器90に供給される。軟性の粉粒体が洗浄液Cに均一に分散されるように、軟性の粉粒体の比重は0.8〜1.1g/cm3とするとよい。軟性の粉粒体の比重がこの範囲よりも小さいと、軟性の粉粒体が洗浄液タンク40の液面に浮いてしまう。軟性の粉粒体の比重がこの範囲よりも大きいと、軟性の粉粒体が洗浄液タンク40の底に沈んでしまう。なお、濾過装置の運転時では、濃縮物排出管25から濃縮物Dが排出されたり、濃縮物Dの分級を行ったりして、液分が洗浄液タンク40に供給されるので、洗浄液タンク40の水嵩が変動する。そのため、特段、攪拌装置を設けなくても、洗浄液タンク内で軟性の粉粒体が洗浄液Cに分散される機構になっている。
粉粒体の軟性度は公知の硬さの指標で適宜表すことができ、一例にモース硬度で表すことができる。本実施形態の粉粒体のモース硬度は0.6〜2、好ましくは1〜1.5であるとよい。モース硬度は、例えば、あるものでひっかいたときの傷のつきにくさを表す指標ということができる。仮に硬い粉粒体が強く濾過フィルタ12に衝突すると、濾過面を損傷し易くさせてしまうため、モース硬度が2よりも高いものは粉粒体として不適合である。なお、モース硬度は、JIS K 5600:1999に準拠して測定した値である。
一般のブラスト加工に用いられる粒体は、例えば、桃の種殻やクルミの殻等の果実の殻を挙げることができる。これらの殻のモース硬度は、本実施形態の粉粒体のモース硬度よりも大きいものであり、これらの殻を本実施形態に適用するのは不適当である。
また、濾過面を損傷し易くさせるのを抑制する観点から、粉粒体が、角を有する粉体又は粒体であるのは好ましくなく、球体状の粉体又は粒体、楕円体状の粉体又は粒体等の丸みを帯びた粉体又は粒体であるのが好ましい。
本実施形態に用いられる多数からなる粉粒体の平均粒子径は0.4〜0.8mm、好ましくは0.5〜0.6mmであるとよい。また、多数の粉粒体の径は、均等係数が2以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下であると、実質均一であると言え望ましい。均等係数が2よりも大きい、すなわち、粉粒体の径相互が所定の均等係数を超えるバラつきを有すると、スリット状ノズル群に同粉粒体が挟まったり、詰まったりしてしまう。平均粒子径はJIS Z 8825:2013に準拠して測定した値である。粉粒体の平均粒子径は、スリット状ノズルのスリット幅Sや濾材の目の粗さ等に基づき選定され、上記範囲よりも小さいと濾材に嵌ったり、透過したりしてしまい、粉粒体が付着物を剥離するという効果が期待できない。上記範囲よりも大きいとスリット状ノズルに引っかかり易くなる。なお、均等係数とは、粉粒体の篩分け計算図(対数グラフ)の線上において、累積通過質量百分率が60%になる粒子の大きさと有効径の比をいう。有効径とは、累積通過質量百分率が10%になる粒子の大きさをmmで示したものをいう(水道設備設計指針(2000)参照)。
(境界層)
濾過フィルタ12の濾過面に流体を噴射しても、濾過面に付着した付着物を剥離できない場合がある。これは、濾過面に境界層が形成されることによるものと推測される。一般に、水や空気などの流体には、単位面積当たりの流速について、同単位面積内の特定位置による速度変化の度合い(速度勾配)に比例した摩擦力が働く。この現象を、粘性に対するニュートンの法則という。この摩擦力の比例係数ηを粘度という。このとき、次の式(2)が成立する。
(摩擦力)=μ×du/dy・・・式(2)
ここで、uは流体の速度、yは流速を有する流体の断面積における半径方向の距離である。
粘度は(圧力)×(時間)の次元を有し、例えば水の粘度は0.891mPa・s、空気の粘度は0.0186mPa・s(水が25℃、空気が300Kのとき)である。そうすると、固体と流体の境界面では、流体は固体表面(例えば、濾過面)に固着していると考えることができる。濾過面の近傍(境界層)では流体は、粘性の影響を受けて流速が変化し、境界層以外の位置では粘度の影響をほとんど受けないと見なしてよい。そこで、流体に粉粒体を添加してやると、流体の摩擦力が減少し、境界層の形成が抑制される。結果、粉粒体が添加された流体が連続して噴射されて濾過面に接触し、付着物が剥離されやすくなる。
濾過フィルタ12を洗浄することを主眼とした場合、濾過フィルタ12の軸心方向に連続した1つのスリット状ノズル(例えば、濾過フィルタ12における軸心方向の長さと同程度の長さを有する1つのスリット状ノズル。以下、「1つのスリット状ノズル」ともいう。)でもよいようにも考えられる。しかしながら、この1つのスリット状ノズルで洗浄するとすると、スリットの総面積が相対的に大きいので、大量の洗浄液Cを噴射させる必要がある。本実施形態よりも洗浄液タンク40に備わるポンプの供給能力を大きくする必要が生じ、非経済である。また、濾過面全体に洗浄液Cが衝突するので、濾材が相対的に早く劣化する。特に、濾過面にテフロン(登録商標)膜が備わる場合、テフロン(登録商標)膜が相対的に早く剥離してしまう。
この点、本実施形態のスリット状ノズルは、濾過フィルタ12の軸心方向に間隔L2を空けて複数配された形態となっている。この間隔があるので、単位時間当たりの噴射量、換言すると、洗浄液タンク40に備わるポンプの供給能力を相対的に抑えても、スリット状ノズルにおいて単位面積当たりの噴射圧を所定の噴射圧以上に保つことができる。また、濾過面にテフロン(登録商標)膜が備わる場合、テフロン(登録商標)膜の早期剥離が抑制される。
また、理由は定かではないが、スリット状ノズル間の間隔L2と対向する濾過面の部分、すなわち、濾過面において洗浄液Cが直接衝突しない箇所、においても、付着物が剥離される。これはおそらく、次のように推定される。粉粒体を含む洗浄液Cが境界層の形成を抑制して濾過面に接触し、接触した洗浄液Cが濾材面に沿って同箇所に移動し、この移動により、同箇所の付着物が剥離されると考えられる。仮に、粉粒体等の固形分が洗浄液に含まれておらず、洗浄液が全て流体で構成されていれば、境界層の作用により、洗浄液が直接衝突する箇所、及び直接衝突しない箇所において付着物の十分な剥離がなされないものとなる。
(噴射圧)
濾過容器11内の液体を少なくともスリット状ノズル群の最下端よりも低い液嵩まで排液した状態で、好ましくは液嵩が濾過容器11の底に達した状態で、スリット状ノズル群から噴射される洗浄液Cの噴射圧が130kPa以下、好ましくは80〜120kPaとするとよい。130kPaを超えると、濾過面の早期損傷を引き起こす。また、噴射圧が大きいと濾過フィルタ12の襞2に洗浄液Cが強く当たり、濾過フィルタ12の襞2の突出方向が変わってしまう。具体的に言うと、第1の襞2に洗浄液Cが強く当たり、この第1の襞2が、洗浄液Cの噴射圧の力を受けて、隣接する第2の襞2側に動き接近し過ぎてしまう。換言すると、第1の襞2と第2の襞との間に形成される隙間2nが狭くなる又は閉じてしまう。そうすると、洗浄液Cがこの隙間2nに十分に噴射されず、隙間2nのケーキKが十分に剥離されないままとなる。また、80kPa未満だと濾過面からの付着物の剥離が十分になされない、又は部分的に付着物が濾過面に付着したままとなる。
この点、特許文献1では水を0.15〜1.5MPaで噴射する形態を開示しているが、仮にこの水圧で本実施形態の濾過フィルタに水を噴射すると、濾材を損傷させることになる。また、特許文献1の噴射ノズルは筒状の形態をしている。この噴射ノズルを利用してプリーツフィルタの濾過面に水と研掃材を噴射することを考えた場合、プリーツフィルタの濾過面全体に付着した汚れを剥ぎ落とすには、この濾過面に対向させつつ、噴射ノズルを移動させる必要がある。このように噴射ノズルを移動させて噴射させた場合、この濾過面において、汚れが十分に剥ぎ落とされた箇所と剥ぎ落とされていない箇所、すなわち、汚れのムラ(洗浄のムラとも言える。)が生じることになるおそれがある。
また、用途により一概には言えないが、一般的にウェットブラストのノズル噴射速度は100〜300m/sであるが、本実施形態では、粉粒体が混入された洗浄液Cによるノズル噴射速度は10〜15m/sであり、噴射目的が異なる。ウェットブラストは対象面の例えば、固着した汚れ等の固着物に粉粒物を強烈に当てて剥がすものである。一方本実施形態では洗浄液Cを、弱い物理的衝撃を与えれば容易に剥がれ落ちる程度の付着物(ケーキK)が付着された対象面(濾過面)に噴射させて、あたかも洗浄液Cが同濾過面を掃き取るようにしてケーキKを剥離させている。したがって、本実施形態とウェットブラストでは、噴射目的が本質的に異なる。
本実施形態の洗浄液Cの噴射圧は、上記に示す範囲であるので、濾過フィルタを洗浄するのに必要な洗浄液Cの量は、濾過面1m2当たり10〜15kgである。
(工程)
本実施形態の濾過装置10を用いた、被処理液Aの処理工程は、おおむね次の順序で行う。
(1)濾過工程
(2)排液工程
(3)パージ工程
(4)洗浄工程
上記(1)から始まり、順次(2)、(3)、(4)が完了したら、上記(1)に戻り、再度(1)〜(4)の工程を繰り返す。
(濾過工程)
図10を参照しつつ各工程を説明すると、先ずすべての液量調整バルブ(V1−3,V2−3,V3−3,V4−3,V5−3,V6)、風量調整バルブV7−3は全閉されており、ポンプ(P1,P2)、コンプレッサ81、モータMは停止しているものとする。濾過工程では、モータMを稼働させて濾過フィルタ12を回転させ、液量調整バルブV1−3,V2−3を開けてポンプP1を稼働させる。これにより、被処理液Aが、被処理液タンク30から被処理液供給部13pまで延在する配管内を通過して濾過容器内に供給される。なお、液量調整バルブV1−3は同配管に備わる。
被処理液Aを供給する速度は、例えば10LMH〜100LMH程度にすることができる。被処理液Aの供給速度をこの範囲にすることで、被処理液Aの濾過速度がこの範囲を超えることはない。例えば、濾過フィルタ12の表面にケーキKが存在していたとしても、徐々に被処理液AがケーキK及び濾過面を透過されて、濾過が行われることになる。そうすると、洗浄工程で濾過フィルタ12の表面12fに形成されたケーキKが剥離された後、濾過フィルタ12の表面12fにケーキKが残っていたとしても、引き続き濾過することができる。液量調整バルブV1−3の開度を調節すること等によって、被処理液Aの供給量は調節することができる。
濾過容器内の被処理液Aの液位が濾過フィルタ12の下端よりも上方になると、濾過が開始される。濾過フィルタ12を透過した濾液Bが濾液通路12rから濾液排出管14を通過する。濾液排出管先端の排出部14pから濾液タンク80まで延在し、液量調整バルブV2−3を備えた配管内を、濾液Bが通過して濾液タンク80に導かれ貯留される。濾液Bの排出量は、液量調整バルブV2−3の開度を調節することなどによって調整することができる。
濾過フィルタ12の上方まで液位が達した後は、例えば、濾液Bの排出量と被処理液Aの供給量を同程度に制御して液位をほぼ一定に保つとよい。また液位をほぼ一定に保つようにポンプP1の流量を調整するとよい。
濾過工程では、濾過フィルタ12は、回転機構で回転させてもよいし回転させなくてもよい。回転させる場合は、例えば、2rpm以下、好ましくは0.7rpm以下とすることができる。2rpmを超えると、濾過フィルタ12の回転に沿って濾過容器内の被処理液Aが流れ乱流を引き起こす原因となる。
濾過工程を継続するにつれて、被処理液A由来の懸濁物質が濾過フィルタ12の濾過面に付着しだし、やがて成長(堆積)してケーキKとなる。ケーキKが多量に付着すると濾過面の濾過効率が低下する。そこで、被処理液Aの種類にもよるが、濾過面における単位面積当たりのケーキK質量が、例えば、300〜600g/m2となったら、被処理液Aの供給を停止するとよい。この範囲を超えて濾過を継続したとしても、濾過効率が悪く、濾液Bの生成量が少ないものとなる。また、これとは別に、濾過面に(濾過膜の表面12f)に積層した懸濁物質の厚さ(ケーキ厚さ)を計測して、このケーキ厚さが所定の厚さ(例えば、ケーキ厚0.3〜0.6mm)まで成長した段階で被処理液Aの供給を停止する手法を採用することもできる。
ケーキKが、濾過面に所定量、堆積したらポンプP1を停止させ濾過工程を終了させ、排液工程に移る。
(排液工程)
排液工程では、液量調整バルブV1−3を全閉する。濃縮液排液部25pから洗浄液タンク40へ延在する配管に備わる液量調整バルブV4−3を開ける。排液工程時には回転機構は稼働させていてもよいし、停止させていてもよい。液量調整バルブV4−3を開けると、隙間50にある被処理液AとケーキKの一部、すなわち濃縮物Dが濃縮物排出管25から洗浄液タンク40に導かれる。
濾過容器内の濃縮物Dが排出された(又は、少なくとも隙間50における濃縮物D(又は被処理液A)の液位が濾過フィルタ12の下端部よりも下方になるまで濃縮物Dが排出された)ら排液工程を終了させ、パージ工程に移る。
(パージ工程)
パージ(purge)工程は公知のコンプレッサ81を用いて、濾過容器内を気体で満たす工程である。パージ工程は、濾過フィルタ12の中心部から同濾過フィルタ外面側へ液や空気を押し出し、濾過面に付着した付着物を剥離させるという洗浄効果がある。パージ工程時には回転機構は稼働させていてもよいし、停止させていてもよい。先ず、濾液排出管14の排出部14pとコンプレッサ81とを接続する配管に備わる風量調整バルブV7−3を開く。液量調整バルブV2−3が備わる配管とコンプレッサ81とを接続する配管とは別の配管L5−3によって接続され、この配管L5−3に液量調整バルブV5−3が備わる。配管L5−3の一端は、液量調整バルブV2−3が備わる配管のうちの、液量調整バルブV2−3よりも下流側に接続するとよい。この液量調整バルブV5−3は開いてもよいし、全閉のままとしてもよいが、開くと液量調整バルブV2−3が備わる配管に残る濾液Bを排出させることができる。
次にコンプレッサ81を稼働させると、気体が濾液排出部14pから濾過通路12r導かれ、さらに濾過フィルタ12の内面から外面(濾過面)方向へ導かれ、隙間50に満たされる。送風する能力は、例えば、500L/min程度にするとよい。パージ工程では、気体が濾過フィルタ12の内面から外面方向に流れるので、濾過面に付着したケーキKの一部が剥離したり、濾過面から浮いたりする。そうすると、次の洗浄工程によるケーキKが容易に剥離されるという効果がある。パージ工程により剥離した一部のケーキKや隙間50に残存する濃縮物Dはパージ圧を受け、濃縮物排出管25pから排出される。この洗浄容器90内に気体が満たされたらパージ工程を終了させ、洗浄工程に移る。
なお、パージ工程は、省略することもできる。
(洗浄工程)
洗浄工程では、排液工程及びパージ工程で洗浄液タンク40に導かれた濃縮物Dから洗浄液Cを得て、この洗浄液Cを用いて、濾過フィルタ12を洗浄する工程である。洗浄液タンク40には粉粒体が多数入っている。まず、回転機構を稼働させ濾過フィルタ12を回転させる。濾過フィルタ12の回転速度は0.5rpm、好ましくは0.5〜0.7rpmとすることができる。0.5rpmより長いと、洗浄にかかる合計時間が長くなり過ぎて処理効率がよくないし、プリーツフィルタ12の濾過面への単位時間当たりの噴射量が多くなり濾過面の寿命を縮めるおそれがある。また、1分未満だと付着物の剥離が十分になされない。
洗浄工程時はパージ気体を導入しなくてもよいが、パージ気体を導入し続けてもよい。パージ気体を導入し続けると、濾過フィルタ12が、内面から外面に気圧を受けて濾過面がある程度膨らむ。そうすると、濾過面の付着物に亀裂が入ったり、濾過面から付着物が浮いたりして、付着物の濾過面への付着力が低下する。よって、付着物が剥離しやすくなる。
洗浄液供給部94pとポンプP2とを接続する配管には液量調整バルブV3−3が備わる。また、この配管のうちの液量調整バルブV3−3が備わる箇所よりも上流側(ポンプP2側)から、分級機41に接続される配管42が分岐している。分級機41は継続して又は断続して稼働させるとよい。分級機41はケーキ分を排出するケーキ排出部と残分を排出する残分排出部が備わる。ケーキ排出部から排出されたケーキは配管を通過してケーキ回収タンク70に導かれる。この配管には流量調整バルブV6が備わり、分級機41が稼働しているときはこの流量調整バルブV6を開けておくとよい。分級により得られた残分に含まれる粉粒体は洗浄液タンク40に導かれる。なお、分級機41が停止しているときは、分級機は濃縮物D又は洗浄液Cが分級機41に導入されない仕組みになっている。
分級機41が稼働している状態で液量調整バルブV3−3を全閉にして、ポンプP2を稼働させると、濃縮物DはポンプP2から汲み取られて分級機41に供給され、ケーキ分と残分に分級され、この残分が洗浄液タンク40に導かれ、濃縮物Dと混ざる。このサイクルを繰り返すことで、濃縮物Dからケーキ分が除かれて洗浄液Cが得られる。
分級機41が稼働又は停止している状態で液量調整バルブV3−3を開くと、洗浄液Cが、洗浄液供給管94から洗浄容器90に導かれ、洗浄容器90に備わるスリット状ノズル群から噴射される。なお、濃縮物Dをケーキ分と残分に分ける手法として、分級機41に換えて、ストレーナやふるいを用いた手法としてもよい。
濾過フィルタ12を洗浄する時間は、特に限定されず、例えば、濾過フィルタ12に洗浄液Cが噴射され始めてから濾過フィルタ12が1周するまでの時間、又は1周以上(例えば、1周半や2週)するまでの時間とすることができる。
洗浄工程の終了は、例えば、上述の、濾過フィルタ12が1周又は1周以上したときとすることができる。洗浄工程が終了したら、濾過工程に戻り、濾過工程を開始する。なお、ケーキKは全部が濾過面から剥離されてもよいし、一部が剥離され残りが濾過面に付着されていてもよい。
本実施形態では、濾過フィルタ12へのスリット状ノズル群の噴射圧が一般的なノズルの噴射圧よりも低くてよく、かつ、濾過フィルタ12からのケーキKが十分に剥離されるので、濾過フィルタ12を長期に亘り継続使用できる。例えば、本実施形態の濾過フィルタ12の交換頻度は2〜4年に1回とすることができる。
洗浄工程は、濾過容器から被処理液と濾液が排水された状態で、行うことが好ましいが、濾過容器に被処理液と濾液が残存する状態や、濾過容器内の被処理液の水位が濾過フィルタ12の上方まで達している状態で洗浄工程を行うこともできる。
剥離されたケーキKは、濾過容器11の下部に堆積する。そのため、このケーキKと被処理液Aが混合した液(濃縮物D)を濃縮物排出管25から定期的に排出する。この濃縮物Dは、例えば自然流下により排出させたり、バルブ機構を介して連続的に排出させたりすることができる。このときのバルブ機構としては、ロータリーバルブ、チューブポンプ、二段ダンパ、スクリューポンプなどを例示することができる。排出された排出物は洗浄液タンク40に導かれる。
(別の実施形態)
濾過装置は1台に限らず、複数台用いてもよい。図11に示すように上記実施形態に濾過装置を2台追加して、被処理液Aを並列処理する形態を提示することができる。上記実施形態と重複する箇所や説明は省略する場合がある。新たに追加された濾過装置101,102は、濾過装置10と同じ形態のものを用いている。
被処理液タンク30に備わるポンプP1に接続された配管は3方に分岐し、3方に分岐した配管(配管L1−3,配管L1−2,配管L1−1)の先端はそれぞれ、濾過装置10の被処理液供給部13p、濾過装置101の被処理液供給部13p、濾過装置102の被処理液供給部13pに接続されている。濾過装置10の濾液排出部14pに配管L2−3の一端が、濾過装置101の濾液排出部14pに配管L2−2の一端が、濾過装置102の濾液排出部14pに配管L2−1の一端が、それぞれ接続されこれらの配管の他端のそれぞれは1つの配管に接続され、この1つの配管が、濾液タンク80まで延在している。洗浄液タンク40に備わるポンプP2に一端が接続された配管は4方に分岐している。4方に分岐した配管のうちの、1つ目は分級機41に接続される配管42であり、2つ目の配管L3−3は濾過装置10の洗浄液供給部94pに、3つ目の配管L3−2は濾過装置101の洗浄液供給部94pに、4つ目の配管L3−1は濾過装置102の洗浄液供給部94pにそれぞれ接続されている。濾過装置10の濃縮物排出部25pに配管L4−3の一端が、濾過装置101の濃縮物排出部25pに配管L4−2の一端が、濾過装置10の濃縮物排出部25pに配管L4−1の一端が、それぞれ接続され、これら配管の他端のそれぞれは1つの配管に接続され、この1つの配管が、洗浄液タンク40まで延在している。コンプレッサ81に接続された配管は3方に分岐し、この3方に分岐した配管(配管L7−3,配管L7−2,配管L7−1)の先端はそれぞれ、濾過装置10の濾液排出部14p、濾過装置101の濾液排出部14p、濾過装置102の濾液排出部14pに接続されている。
配管L1−3は液量調整バルブV1−3を備え、配管L1−2は液量調整バルブV1−2を備え、配管L1−1は液量調整バルブV1−1を備える。配管L2−1は液量調整バルブV2−1を備え、配管L2−2は液量調整バルブV2−2を備え、配管L2−3は液量調整バルブV2−3を備える。配管L3−1は液量調整バルブV3−1を備え、配管L3−2は液量調整バルブV3−2を備え、配管L3−3は液量調整バルブV3−3を備える。配管L4−1は液量調整バルブV4−1を備え、配管L4−2は液量調整バルブV4−2を備え、配管L4−3は液量調整バルブV4−3を備える。配管L7−1は風量調整バルブV7−1を備え、配管L7−2は風量調整バルブV7−2を備え、配管L7−3は風量調整バルブV7−3を備える。
配管L2−2と配管L7−2とは別の配管L5−2によって接続され、この配管L5−2に液量調整バルブV5−2が備わる。配管L5−2の一端は、配管L2−2のうちの、液量調整バルブV2−2よりも下流側に接続するとよい。
配管L2−1と配管L7−1とは別の配管L5−1によって接続され、この配管L5−1に液量調整バルブV5−1が備わる。配管L5−1の一端は、配管L2−1のうちの、液量調整バルブV2−1よりも下流側に接続するとよい。
被処理液Aの処理工程に係る操作手順は、濾過装置10を1台のみ備えた形態と概ね同様である。異なる操作手順は主に液量調整バルブと風量調整バルブの操作である。そこで、異なる操作手順を主に次記に示す。
(濾過工程)
図11を参照しつつ各工程を説明すると、先ずすべての液量調整バルブと風量調整バルブは全閉にしておく。液量調整バルブV1−3,V2−3,V1−2,V2−2,V1−1,V2−1を開けてポンプP1を稼働させる。また、濾過装置に備わるモータMをそれぞれ稼働させて濾過フィルタ12を回転させる。
配管L2−3,L2−2,L2−1内を、濾液Bが通過して濾液タンク80に貯留される。
(排液工程)
排液工程では、液量調整バルブV1−3,V1−2,V1−1を全閉する。液量調整バルブV4−3,V4−2,V4−1を開ける。
(パージ工程)
パージ工程では、風量調整バルブV7−3,V7−2,V7−1を開く。液量調整バルブV5−3,V5−2,V5−1は開いてもよいし、全閉のままとしてもよいが、開くと配管L5−3,L5−2,L5−1に残存する濾液Bを排出させることができる。
次にコンプレッサ81を稼働させると、気体が濾液排出部14pから濾過通路12rに導かれ、さらに濾過フィルタ12の内面から外面(濾過面)方向へ導かれ、隙間50に満たされる。送風する能力は、各配管L7−3,L7−2,L7−1内で例えば、500L/min程度にするとよい。
(洗浄工程)
分級機41が稼働している状態で液量調整バルブV3−3,V3−2,V3−1を全閉にして、ポンプP2を稼働させると、濃縮物DはポンプP2から汲み取られて分級機41に供給され、ケーキ分と残分に分級され、この残分が洗浄液タンク40に導かれ、濃縮物Dと混ざる。このサイクルを繰り返すことで、濃縮物Dはケーキ分が除かれて洗浄液Cが得られる。
分級機41が稼働又は停止している状態で液量調整バルブV3−3,V3−2,V3−1を開くと、洗浄液Cが、濾過装置の各々に備わる洗浄液供給管94から洗浄容器90に導かれ、洗浄容器90に備わるスリット状ノズル群から噴射される。
(その他の手段)
濾過フィルタ12のケーキ付着面12fにおけるケーキ厚を計測する手段を設けることが好ましい(図示略)。ケーキ厚を計測する手段としては、実際のケーキ厚を計測する装置のほか、被処理液Aに含まれる粒子濃度、被処理液Aの供給速度、濾過時間を計測し、これらの各値からケーキ厚を推定する装置を用いても良い。
なお、濾過容器11に被処理液Aを供給することにより、濾過容器11の下部に内圧がかかる。前述の濃縮物Dの排出はこの内圧を用いて行ってもよい。
(縦型脱水乾燥装置と横型脱水乾燥装置)
図1では、濾過フィルタ12を縦に配置した縦型濾過装置10について説明した。本発明はこのような形態に限られるものでなく、濾過フィルタ12を横に配置した横型濾過装置10にしてもよい。
(効果)
本発明に係る濾過装置によれば、以下に掲げる効果の少なくとも一つを得ることができる。
高精度のプリーツフィルタ(例えば、親水性ポリテトラフルオロエチレンやポリエステルスパンボンド)を用いることにより、濾過装置10は濃縮効率を高めることができる。例えば、親水性ポリテトラフルオロエチレンのプリーツフィルタを搭載した濾過装置10に約2〜3VOL%の被処理液Aを供給した場合、約60〜70VOL%の濃縮物Dを得ることができる。以上のように、含水率の低い濃縮物Dを得ることにより、後段の脱水工程や乾燥工程の負荷を減らすことができる。また、前記プリーツフィルタと空気圧を用いて脱水することも可能であり、その場合は45VOL%程度のより低い含水率の濃縮物Dを得ることができる。
プリーツフィルタを用いているため、プリーツのない平坦なフィルタを用いた場合よりも、大量の被処理液Aを濾過処理することができる。
従来、河川工事、ダム工事、基礎工事、浚渫工事などの大量の高濃度濁水が発生する現場では、無機凝集剤や高分子凝集剤を大量に添加して脱水処理を行い、その脱水ケーキを産業廃棄物として埋め立てる等するため、高額な費用を要していた。
そこで、本発明に係る濾過装置10を用いて、土木作業現場で生じた被処理液Aを濾過した後、濃縮物D(濁水濃縮スラリー)にセメントを混ぜて一般土とすることにより、その一般土を運搬することなく、現場で処分する(例えば散布する)ことが可能となる。その結果、大幅なコストダウンを図ることができる。
一般に利用される金属メッシュフィルタを搭載した濾過装置は、凝集剤の使用が不可欠である。本発明に係る濾過装置10では、必ずしも凝集剤を使用する必要はない。そのため、ランニングコストの大幅な低減を図ることができる。
プリーツフィルタを用いることにより、平坦なフィルタを用いた場合よりも、濾過装置10の濾過容器11を小型化することができる。濾過装置10を小型化することにより、フットプリントを小さくすることも可能となる。本発明者の試算によれば、本発明に係る濾過装置10は、平膜フィルタを搭載した従来品の1/5程度の大きさにすることが可能である。
襞2の内側の空間を閉鎖状態にする形態を開示したが、この形態では処理液Bがプリーツフィルタ12の外部へ漏れ出ることを防ぐことができる。その結果、濃縮物Dの濃度が低くなることを防ぐことができる。また、処理液Bを漏れなく回収することができるため、全体として濾過効率が向上する。
本実施形態の濾過装置10を用いて洗浄工程を行った。実施例及び比較例ともに、スリット状ノズル群から噴射される洗浄液の噴射圧を100kPaとした。また、洗浄工程に要した総時間は延べ200時間であった。この時間経過後、洗浄した濾過フィルタ12を濾過装置10から取り出し、濾過フィルタ12の表面を撮影した。
粉粒体は、実施例にイオン交換樹脂を、比較例にガラスビーズを用いた。イオン交換樹脂のモース硬度は1〜1.5、真比重0.9g/cm3、粒度分布500〜600μmであった。ガラスビーズのモース硬度は4.5〜6.5、真比重2.5g/cm3、使用したガラスビーズは粒度分布350〜500μmであった。なお、粒径分布はJIS Z 8815:1994に準拠して測定した。
実施例では、図13に示すように濾過フィルタ12の濾過面に損傷は確認されなかった。比較例では、噴射開始後0.2時間で濾過面に損傷が確認され、その後図14に示すように濾過フィルタ12の濾過面に損傷部112が複数確認された。
比較例における濾過フィルタの損傷はブラスト効果によるものと考えられる。ブラスト効果によれば、粒子が大きく、真比重が大きく、噴射速度が大きければ粉粒体は、慣性力が大きくなり自由粒子として運動するため、勢いよく濾過面に衝突を繰り返す。結果、濾過面に損傷がもたらされる。
実施例では、上記慣性力が大きくなく自由粒子としての運動が制限されると考えられる。そのため、洗浄液とともにイオン交換樹脂は濾過面を撫でるように、あたかも、ブラシで濾過面を撫でるように作用し、濾過面に弱く付着した汚れを剥ぎ落とすものと推測される。結果、濾過面の損傷が抑制される。
2…襞、2S…(襞の)内部空間、10…濾過装置、11…濾過容器、12…濾過フィルタ、12b…濾過膜の裏面(濾過フィルタの内面)、12f…濾過膜の表面(濾過フィルタの外面)、12m…濾過膜、12r…濾液通路、12s…筒状体、13…被処理液供給管、13p…被処理液供給部、14…濾液排出管、14…濾液排出部14p、16C…閉鎖空間、16N…開放空間(非閉鎖空間)、25…濃縮物排出管、25p…濃縮物排出部、50…(濾過容器と濾過フィルタの間の)間隙、70…ケーキ回収タンク、80…濾液タンク、81…コンプレッサ、90…洗浄容器、90A…洗浄容器90を形成する壁のうち濾過容器11に接する部分、90a…開口部、92,93…調節板、92e,93e…調節板の側縁、94…洗浄液供給管、94p…洗浄液供給部、A…被処理液、B…濾液、D…濃縮液、K…ケーキ、L1…開口部90aにおける長手方向の最長幅、L2…間隔、S…スリット幅、W…開口部90aにおける短手方向の最長幅W

Claims (8)

  1. 濾過容器を内部に備える濾過装置であって、
    前記濾過容器は、被処理液の供給部と濾液の排出部と洗浄液の供給部を有し、
    前記濾過容器の内部に、外面が濾過面であり内部が濾液の通路である筒状の濾過フィルタが設けられ、
    前記濾過フィルタは、平坦な濾材を蛇腹状に折り曲げて複数の襞を形成しつつ、筒状に形成したプリーツフィルタであり、
    前記濾過装置には、前記濾過フィルタを洗浄するスリット状ノズルが備わり、
    前記スリット状ノズルは、前記濾過面の外側に前記濾過フィルタに対向して配され、前記濾過フィルタの軸心方向に延在し、かつ、この軸心方向に間隔を空けて複数配されてスリット状ノズル群を成し、
    前記スリット状ノズル群から、軟性の粉粒体を多数含む前記洗浄液が前記濾過フィルタへ向かって噴射されるものである、
    ことを特徴とする濾過装置。
  2. 前記スリット状ノズルのそれぞれが、一直線上に配されているものである、
    請求項1に記載の濾過装置。
  3. 前記スリット状ノズルは、
    ノズル幅を調節する調節板を2枚備え、
    第1調節板の側縁と第2調節板の側縁とが、所定の間隔を空けて対向し、前記濾過フィルタの軸心方向に平行に延在されて、なるものである、
    請求項1に記載の濾過装置。
  4. 前記スリット状ノズル群は、
    ノズル幅を調節する調節板を2枚備え、
    第1調節板の側縁と第2調節板の側縁とが、所定の間隔を空けて対向し、前記濾過フィルタの軸心方向に平行に延在されて、なるものである、
    請求項1に記載の濾過装置。
  5. 前記第1調節板の側縁と前記第2調節板の側縁がそれぞれ直線である、
    請求項4に記載の濾過装置。
  6. 多数からなる前記粉粒体の径が実質均一である、
    請求項1に記載の濾過装置。
  7. 濾過容器を内部に備える濾過装置の処理方法であって、
    前記濾過容器は、被処理液の供給部と濾液の排出部と洗浄液の供給部を有し、
    前記濾過容器の内部に、外面が濾過面であり内部が濾液の通路である筒状の濾過フィルタが設けられ、
    前記濾過フィルタは、平坦な濾材を蛇腹状に折り曲げて複数の襞を形成しつつ、筒状に形成したプリーツフィルタであり、
    前記濾過装置には、前記濾過フィルタを洗浄するスリット状ノズルが備わり、
    前記スリット状ノズルは、前記濾過フィルタに対向して配され、上下方向に延在するスリット状であり、上下方向に間隔を空けて複数配されてスリット状ノズル群を成し、
    前記スリット状ノズル群から前記濾過フィルタへ向かって、軟性の粉粒体が含まれる前記洗浄液を噴射する、
    ことを特徴とする被処理液の処理方法。
  8. 前記濾過容器は、濾過されなかった濃縮物を排出する濃縮物排出部をさらに有し、
    前記濃縮物排出部から排出された前記濃縮物を分級してケーキ分を取り除き、残分を洗浄液とし、この洗浄液を前記スリット状ノズル群から噴射する、
    請求項7に記載の被処理液の処理方法。
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