JP2021016255A - 回転電機及び回転電機の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高効率化を可能とした回転電機を提供すること。【解決手段】回転電機は、固定子鉄心16に巻線17が巻装されてなる固定子14と、固定子鉄心16が圧接して保持されるハウジング12と、固定子鉄心16と対向して配置され回転可能に支持された回転子とを備える。固定子鉄心16は、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材41と該第1軟磁性板材41よりも飽和磁束密度の低い第2軟磁性板材42とが積層されてなり、第2軟磁性板材42に第1軟磁性板材41よりも大きな圧縮力が掛かるようにハウジング12に圧接されて保持される。【選択図】図6
Description
本発明は、回転電機、及び回転電機の製造方法に関するものである。
従来、回転電機としては、例えば、円筒部を有する固定部材と、該固定部材の内側に固定された固定子鉄心に巻線が巻装されてなる固定子と、固定子鉄心の径方向内側で回転可能に支持された回転子とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。このような回転電機の固定子鉄心は、一般的に焼き嵌めや圧入によって固定部材の内周面に圧接して保持される。
ところで、近年では、回転子の永久磁石を強力なネオジム磁石等としつつ、固定子鉄心の素材として一般的なケイ素鋼板よりも飽和磁束密度の高いパーメンジュールよりなる板材等を用いることで、回転電機の高効率化、ひいては大出力化を図ることが考えられている。
しかしながら、飽和磁束密度の高いパーメンジュールよりなる板材等は、大きな圧縮力が掛かると透磁率等の磁気特性が大幅に低下することが知られており、例えば、単に焼き嵌めや圧入によって固定部材に圧接して固定されると、大きな圧縮力が掛かり、磁気特性が大幅に低下して、高効率の回転電機が得られないという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、高効率化を可能とした回転電機、及び回転電機の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する回転電機(11)は、固定子鉄心(16)に巻線(17)が巻装されてなる固定子(14)と、前記固定子鉄心が圧接して保持される固定部材(12)と、前記固定子鉄心と対向して配置され回転可能に支持された回転子(15)とを備えた回転電機であって、前記固定子鉄心は、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材(41)と該第1軟磁性板材よりも飽和磁束密度の低い第2軟磁性板材(42)とが積層されてなり、前記第2軟磁性板材に前記第1軟磁性板材よりも大きな圧縮力が掛かるように前記固定部材に圧接されて保持される。
同構成によれば、固定子鉄心は、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材と該第1軟磁性板材よりも飽和磁束密度の低い第2軟磁性板材とが積層されてなるため、例えば、第2軟磁性板材のみにて構成したものに比べて高効率の回転電機を得ることが可能となる。そして、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材は、大きな圧縮力が掛かると透磁率等の磁気特性が大幅に低下するが、固定子鉄心は、第2軟磁性板材に第1軟磁性板材よりも大きな圧縮力が掛かるように固定部材に圧接されて保持されるため、例えば第1軟磁性板材に大きな圧縮力が掛かる場合に比べて、磁気特性の低下を抑えることができる。よって、高効率の回転電機を得ることが可能となる。
上記課題を解決する回転電機(11)の製造方法は、固定子鉄心(16)に巻線(17)が巻装されてなる固定子(14)と、前記固定子鉄心が圧接して保持される固定部材(12)と、前記固定子鉄心と対向して配置され回転可能に支持された回転子(15)とを備えた回転電機の製造方法であって、前記固定子鉄心を、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材(41)と該第1軟磁性板材よりも飽和磁束密度の低い第2軟磁性板材(42)とを積層して構成するとともに、前記第2軟磁性板材の前記固定部材と圧接させる側の寸法を前記第1軟磁性板材よりも大きく形成しておき、前記第2軟磁性板材に前記第1軟磁性板材よりも大きな圧縮力が掛かるように前記固定部材に圧接させて保持させる回転電機の製造方法。
同方法によれば、固定子鉄心は、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材と該第1軟磁性板材よりも飽和磁束密度の低い第2軟磁性板材とが積層されてなるため、例えば、第2軟磁性板材のみにて構成したものに比べて高効率の回転電機を得ることが可能となる。そして、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材は、大きな圧縮力が掛かると透磁率等の磁気特性が大幅に低下するが、固定子鉄心は、第2軟磁性板材に第1軟磁性板材よりも大きな圧縮力が掛かるように固定部材に圧接されて保持されるため、例えば第1軟磁性板材に大きな圧縮力が掛かる場合に比べて、磁気特性の低下を抑えることができる。よって、高効率の回転電機を得ることが可能となる。
以下、回転電機の一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、回転電機11は、固定部材としての略有底円筒状のハウジング12と、該ハウジング12の開口端に固定されたエンドハウジング13とを備える。また、回転電機11は、ハウジング12の内周面に固定された略円筒状の固定子14と、固定子14の径方向内側で回転可能に支持された回転子15とを備える。
図1に示すように、回転電機11は、固定部材としての略有底円筒状のハウジング12と、該ハウジング12の開口端に固定されたエンドハウジング13とを備える。また、回転電機11は、ハウジング12の内周面に固定された略円筒状の固定子14と、固定子14の径方向内側で回転可能に支持された回転子15とを備える。
図1及び図2に示すように、固定子14は、固定子鉄心16に巻線17が巻装されてなる。詳しくは、図2に示すように、固定子鉄心16は、環状のヨーク部16aと該ヨーク部16aから径方向内側に延びる周方向に複数のティース部16bとを有する。巻線17は、銅やアルミ等からなる導体17aにエナメル被膜17bが施されたものである。そして、巻線17は、ティース部16b同士の間に径方向に並設されつつ、それらが絶縁紙18に覆われた態様で保持されている。
図1に示すように、回転子15は、ハウジング12及びエンドハウジング13の軸中心に固定された一対の軸受19によって回転可能に支持された回転軸20と、該回転軸20に固定された回転子鉄心21と、該回転子鉄心21の外表面に固定された永久磁石22とを備え、該永久磁石22が固定子鉄心16と径方向に対向して配置されている。
図3に示すように、本実施形態の永久磁石22は、ネオジム磁石が採用されるとともに、ハルバッハ配列が採用されている。なお、図3に図示された矢印は、永久磁石22の磁化方向を示しており、矢印の基点側がS極に該当し、矢印の終点側がN極に該当している。
図4に示すように、前記巻線17は、U相、V相、W相の巻線17がY結線されており、それら各相の巻線17の端子には制御装置31が接続されている。
制御装置31は、直流電源Eの直流電力から120度位相の異なる三相の駆動電力を生成するための三相インバータ回路32を備えている。三相インバータ回路32は、直流電源Eに接続された高電位側電源線L1とグランド線GNDとの間に直列接続された3対のMOSFET33a,33b,33c,33d,33e,33fを有するブリッジ回路で構成されている。なお、各MOSFET33a,33b,33c,33d,33e,33fには、それぞれ還流ダイオードD1〜D6が接続されている。
制御装置31は、直流電源Eの直流電力から120度位相の異なる三相の駆動電力を生成するための三相インバータ回路32を備えている。三相インバータ回路32は、直流電源Eに接続された高電位側電源線L1とグランド線GNDとの間に直列接続された3対のMOSFET33a,33b,33c,33d,33e,33fを有するブリッジ回路で構成されている。なお、各MOSFET33a,33b,33c,33d,33e,33fには、それぞれ還流ダイオードD1〜D6が接続されている。
そして、U相用のMOSFET33a,33b間の出力端子SuはU相の巻線17の端子に接続され、V相用のMOSFET33c,33d間の出力端子SvはV相の巻線17の端子に接続され、W相用のMOSFET33e,33f間の出力端子SwはW相の巻線17の端子に接続されている。
また、制御装置31は、電流指令部34を備え、電流指令部34は、例えば、図示しない上位の制御部からの指令信号S及び回転子15の回転検出信号Pに応じて各MOSFET33a,33b,33c,33d,33e,33fのゲートGa〜Gfに制御信号を出力し、PWM制御を行う。
ここで、図5及び図6に示すように、本実施形態の固定子鉄心16は、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材41と該第1軟磁性板材41よりも飽和磁束密度の低い第2軟磁性板材42とが積層されてなる。そして、図6に示すように、固定子鉄心16は、第2軟磁性板材42に第1軟磁性板材41よりも大きな圧縮力が掛かるようにハウジング12に圧接されて保持されている。
詳述すると、まず本実施形態の第2軟磁性板材42は、飽和磁束密度が約1.8テスラのケイ素鋼板が採用され、第1軟磁性板材41は、飽和磁束密度が約2.3テスラのパーメンジュールよりなる板材が採用されている。そして、第1軟磁性板材41と第2軟磁性板材42とは交互に積層されている。また、第2軟磁性板材42における第1軟磁性板材41との対向面、すなわち第2軟磁性板材42における積層方向の両端面には絶縁皮膜42aの処理が施されている。なお、第1軟磁性板材41には絶縁皮膜の処理は施されていない。
そして、図5に示すように、ハウジング12に組み付ける前の状態であって第1軟磁性板材41及び第2軟磁性板材42を製造して積層しただけの状態では、第2軟磁性板材42のハウジング12と圧接させる側(図5中、左側)の寸法は第1軟磁性板材41よりも大きく形成されている。言い換えると、ハウジング12に組み付ける前の状態では、第2軟磁性板材42は、第1軟磁性板材41よりも外径が大きく成形されている。なお、図5では、視覚的に分かり易いように寸法の大小を模式的に誇張して図示しているが、本実施形態では、第2軟磁性板材42の直径が第1軟磁性板材41の直径よりも数百ミクロン程度大きく形成されている。
そして、図6に示すように、第1軟磁性板材41及び第2軟磁性板材42よりなる固定子鉄心16は、例えば、焼き嵌めや圧入によってハウジング12の内周面に圧接して保持されている。この状態では、第2軟磁性板材42には第1軟磁性板材41よりも大きな圧縮力が掛かることになる。また、この状態では、第1軟磁性板材41は、第2軟磁性板材42よりも大きな圧縮力が掛からないようにハウジング12に接触されている。すなわち、第2軟磁性板材42が僅かに圧縮されて径方向内側に縮むことで、第1軟磁性板材41は、ハウジング12に接触するように設定されている。また、本実施形態では、第1軟磁性板材41は、ハウジング12から圧縮力が掛からずにハウジング12と丁度接触するように設定されている。
次に、上記のように構成された回転電機11の作用について説明する。
制御装置31から固定子14の巻線17に三相の駆動電流が供給されると、固定子14にて回転磁界が発生されて回転子15が回転駆動される。そして、永久磁石22は、強力なネオジム磁石が採用されているが、固定子鉄心16の素材の一部として飽和磁束密度の高いパーメンジュールよりなる板材である第1軟磁性板材41が用いられているため、磁気飽和を回避でき、滞りない磁束の流れを確保でき、回転子15が高効率で回転駆動される。
制御装置31から固定子14の巻線17に三相の駆動電流が供給されると、固定子14にて回転磁界が発生されて回転子15が回転駆動される。そして、永久磁石22は、強力なネオジム磁石が採用されているが、固定子鉄心16の素材の一部として飽和磁束密度の高いパーメンジュールよりなる板材である第1軟磁性板材41が用いられているため、磁気飽和を回避でき、滞りない磁束の流れを確保でき、回転子15が高効率で回転駆動される。
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)固定子鉄心16は、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材41と該第1軟磁性板材41よりも飽和磁束密度の低い第2軟磁性板材42とが積層されてなるため、例えば、一般的なケイ素鋼板よりなる第2軟磁性板材42のみにて構成したものに比べて高効率の回転電機11を得ることが可能となる。そして、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材41は、大きな圧縮力が掛かると透磁率等の磁気特性が大幅に低下する。なお、図7は、実験結果より得た磁界強度−磁束密度特性図であって、圧縮力が掛かった第1軟磁性板材41の特性X1は、圧縮力の掛かっていない第1軟磁性板材41の特性X2よりも磁束密度が大幅に低下していることを示している。しかし、固定子鉄心16は、第2軟磁性板材42に第1軟磁性板材41よりも大きな圧縮力が掛かるように、すなわち、第1軟磁性板材41に大きな圧縮力が掛からないようにハウジング12に圧接されて保持されるため、例えば第1軟磁性板材41に大きな圧縮力が掛かる場合に比べて、磁気特性の低下を抑えることができる。よって、高効率の回転電機11を得ることが可能となる。
(1)固定子鉄心16は、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材41と該第1軟磁性板材41よりも飽和磁束密度の低い第2軟磁性板材42とが積層されてなるため、例えば、一般的なケイ素鋼板よりなる第2軟磁性板材42のみにて構成したものに比べて高効率の回転電機11を得ることが可能となる。そして、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材41は、大きな圧縮力が掛かると透磁率等の磁気特性が大幅に低下する。なお、図7は、実験結果より得た磁界強度−磁束密度特性図であって、圧縮力が掛かった第1軟磁性板材41の特性X1は、圧縮力の掛かっていない第1軟磁性板材41の特性X2よりも磁束密度が大幅に低下していることを示している。しかし、固定子鉄心16は、第2軟磁性板材42に第1軟磁性板材41よりも大きな圧縮力が掛かるように、すなわち、第1軟磁性板材41に大きな圧縮力が掛からないようにハウジング12に圧接されて保持されるため、例えば第1軟磁性板材41に大きな圧縮力が掛かる場合に比べて、磁気特性の低下を抑えることができる。よって、高効率の回転電機11を得ることが可能となる。
(2)第1軟磁性板材41と第2軟磁性板材42とは交互に積層されるため、軸方向のバランスが良好となる。例えば、大きな圧縮力が掛かるようにハウジング12に圧接される第2軟磁性板材42が軸方向に第1軟磁性板材41と交互に配置されるため、固定子鉄心16をハウジング12に軸方向にバランス良く強固に固定することができる。また、例えば、本実施形態のように第2軟磁性板材42のみに絶縁皮膜42aの処理を施した構成で全ての層の間を絶縁することができる。
(3)第2軟磁性板材42における第1軟磁性板材41との対向面には絶縁皮膜42aの処理が施されるため、その間での渦電流損を低減することができる。そして、このようにすると、例えば、第1軟磁性板材41に絶縁皮膜の処理を施す場合のような熱処理を行う必要がなくなるため、熱処理で寸法変化が激しいパーメンジュールよりなる板材等を第1軟磁性板材41として採用することができる。言い換えると、絶縁皮膜の処理が困難な第1軟磁性板材41を用いながらも渦電流損を良好に低減することができる。
(4)第1軟磁性板材41は、第2軟磁性板材42よりも大きな圧縮力が掛からないようにハウジング12に接触されるため、例えば、ハウジング12に接触しない構成に比べて放熱性が良好となる。
上記実施形態は以下のように変更して実施することができる。また、本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、第1軟磁性板材41と第2軟磁性板材42とは交互に積層されるとしたが、これに限定されず、交互以外の組み合わせで積層してもよい。
・上記実施形態では、第1軟磁性板材41と第2軟磁性板材42とは交互に積層されるとしたが、これに限定されず、交互以外の組み合わせで積層してもよい。
例えば、図8に示すように、第1軟磁性板材41が第2軟磁性板材42よりも積層枚数が多くなるように積層してもよい。この例では、第1軟磁性板材41が2枚続けて積層されたものの間に1枚の第2軟磁性板材42が積層されるパターンで積層されている。
このようにすると、第1軟磁性板材41が第2軟磁性板材42と同じ積層枚数のものに比べて、固定子鉄心16の総合的な飽和磁束密度をより高くすることができ、より高効率の回転電機を得ることが可能となる。
また、この例(図8参照)では、第1軟磁性板材41同士の間には、ポリアミドフィルムや高分子紙等からなる絶縁部材43が挟持されている。このようにすると、絶縁皮膜の処理が困難な第1軟磁性板材41を2枚続けて積層した構成としながらも、その間での渦電流損を良好に低減することができる。
・上記実施形態では、特に言及していないが、固定子鉄心16は、積層された第1軟磁性板材41及び第2軟磁性板材42が軸方向にどうのように固定されていてもよい。
例えば、図9に示すように、固定子鉄心16は、軸方向に貫通する貫通孔44を有し、該貫通孔44内に磁性粉体45が圧縮された状態で固定された構成としてもよい。なお、磁性粉体45は粉毎に絶縁皮膜を有することが好ましい。このようにすると、例えば、かしめや溶接で軸方向に固定する場合に比べて、渦電流損の低減や磁気特性の向上を図ることができる。すなわち、第1軟磁性板材41及び第2軟磁性板材42を、例えば、かしめや溶接で軸方向に固定する場合では、渦電流の経路が形成されたり、圧縮力が掛かることで磁気特性が低下したりする虞があるが、これらを回避することができる。また、例えば、特に第1軟磁性板材41及び第2軟磁性板材42がプレス品である場合等では、貫通孔44の内面にバリやダレによって凹凸が生じることがあるが、それらの隙間にも磁性粉体45が入り込むため、第1軟磁性板材41及び第2軟磁性板材42が軸方向に強固に固定される。また、前記凹凸の隙間にも磁性粉体45が入り込むことで、前記隙間が磁気抵抗となり難くなり固定子鉄心16の磁気特性が向上する。
例えば、図9に示すように、固定子鉄心16は、軸方向に貫通する貫通孔44を有し、該貫通孔44内に磁性粉体45が圧縮された状態で固定された構成としてもよい。なお、磁性粉体45は粉毎に絶縁皮膜を有することが好ましい。このようにすると、例えば、かしめや溶接で軸方向に固定する場合に比べて、渦電流損の低減や磁気特性の向上を図ることができる。すなわち、第1軟磁性板材41及び第2軟磁性板材42を、例えば、かしめや溶接で軸方向に固定する場合では、渦電流の経路が形成されたり、圧縮力が掛かることで磁気特性が低下したりする虞があるが、これらを回避することができる。また、例えば、特に第1軟磁性板材41及び第2軟磁性板材42がプレス品である場合等では、貫通孔44の内面にバリやダレによって凹凸が生じることがあるが、それらの隙間にも磁性粉体45が入り込むため、第1軟磁性板材41及び第2軟磁性板材42が軸方向に強固に固定される。また、前記凹凸の隙間にも磁性粉体45が入り込むことで、前記隙間が磁気抵抗となり難くなり固定子鉄心16の磁気特性が向上する。
・上記実施形態では、第2軟磁性板材42における第1軟磁性板材41との対向面には絶縁皮膜42aの処理が施されるとしたが、これに限定されず、例えば、第1軟磁性板材41と第2軟磁性板材42のそれぞれの間にポリアミドフィルムや高分子紙等からなる絶縁部材を挟持させて設けてもよい。
・上記実施形態では、第1軟磁性板材41は、第2軟磁性板材42よりも大きな圧縮力が掛からないようにハウジング12に接触されるとしたが、これに限定されず、第1軟磁性板材41は、ハウジング12と接触しないように設けてもよい。
・上記実施形態では、第1軟磁性板材41は飽和磁束密度が約2.3テスラのパーメンジュールよりなる板材が採用され、第2軟磁性板材42は飽和磁束密度が約1.8テスラのケイ素鋼板が採用されるとしたが、第1軟磁性板材41の方が第2軟磁性板材42よりも飽和磁束密度が高ければ、それぞれ他の素材の板材に変更してもよい。
・上記実施形態では、永久磁石22は、ネオジム磁石が採用されているとしたが、これに限定されず、例えば、他の希土類磁石やフェライト磁石としてもよい。また、上記実施形態では、永久磁石22は、ハルバッハ配列が採用されているとしたが、これに限定されず、他の配列としてもよい。また、永久磁石22は、回転子鉄心21に埋め込まれて設けられたものとしてもよい。すなわち、回転子15は、表面磁石型でも埋め込み磁石型でもよい。
・上記実施形態では、固定子鉄心16が圧接して保持される固定部材を略有底円筒状のハウジング12としたが、これに限定されず、固定子鉄心16が圧接して保持される他の形状の固定部材としてもよい。
・上記実施形態の制御装置31は、他の構成に変更してもよく、例えば、MOSFET33a,33b,33c,33d,33e,33fに換えてIGBTを用いた制御装置としてもよい。
11…回転電機、12…ハウジング(固定部材)、14…固定子、15…回転子、16…固定子鉄心、17…巻線、41…第1軟磁性板材、42…第2軟磁性板材、42a…絶縁皮膜、43…絶縁部材、44…貫通孔、45…磁性粉体。
Claims (8)
- 固定子鉄心(16)に巻線(17)が巻装されてなる固定子(14)と、
前記固定子鉄心が圧接して保持される固定部材(12)と、
前記固定子鉄心と対向して配置され回転可能に支持された回転子(15)と
を備えた回転電機(11)であって、
前記固定子鉄心は、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材(41)と該第1軟磁性板材よりも飽和磁束密度の低い第2軟磁性板材(42)とが積層されてなり、前記第2軟磁性板材に前記第1軟磁性板材よりも大きな圧縮力が掛かるように前記固定部材に圧接されて保持された回転電機。 - 前記第1軟磁性板材と前記第2軟磁性板材とは交互に積層された請求項1に記載の回転電機。
- 前記第1軟磁性板材は前記第2軟磁性板材よりも積層枚数が多い請求項1に記載の回転電機。
- 前記第1軟磁性板材同士の間には絶縁部材(43)が挟持された請求項3に記載の回転電機。
- 前記第2軟磁性板材における前記第1軟磁性板材との対向面には絶縁皮膜(42a)の処理が施された請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機。
- 前記固定子鉄心は、軸方向に貫通する貫通孔(44)を有し、該貫通孔内には粉毎に絶縁皮膜を有する磁性粉体(45)が圧縮された状態で固定された請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。
- 前記第1軟磁性板材は、前記第2軟磁性板材よりも大きな圧縮力が掛からないように前記固定部材に接触された請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転電機。
- 固定子鉄心(16)に巻線(17)が巻装されてなる固定子(14)と、
前記固定子鉄心が圧接して保持される固定部材(12)と、
前記固定子鉄心と対向して配置され回転可能に支持された回転子(15)と
を備えた回転電機(11)の製造方法であって、
前記固定子鉄心を、飽和磁束密度の高い第1軟磁性板材(41)と該第1軟磁性板材よりも飽和磁束密度の低い第2軟磁性板材(42)とを積層して構成するとともに、前記第2軟磁性板材の前記固定部材と圧接させる側の寸法を前記第1軟磁性板材よりも大きく形成しておき、前記第2軟磁性板材に前記第1軟磁性板材よりも大きな圧縮力が掛かるように前記固定部材に圧接させて保持させる回転電機の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023127328A1 (ja) * | 2021-12-28 | 2023-07-06 | 株式会社日立製作所 | 積層鉄心およびそれを用いた回転電機 |
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2019
- 2019-07-12 JP JP2019129896A patent/JP2021016255A/ja active Pending
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WO2023127328A1 (ja) * | 2021-12-28 | 2023-07-06 | 株式会社日立製作所 | 積層鉄心およびそれを用いた回転電機 |
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