JP2021015956A - 磁石の製造方法及びその製造方法により製造される磁石 - Google Patents

磁石の製造方法及びその製造方法により製造される磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】円盤状を成す磁石で、その上下両面がN極となり、その側面がS極となっている磁石Xnを容易に製造することができる磁石の製造方法を得る。【解決手段】強磁性体粒子pを硬化処理可能な流動性材料f1内に分散させて一次前駆体X1を得る分散工程S1と、この一次前駆体X1に一様な磁界を印加して強磁性体粒子pが着磁された二次前駆体X2を得る着磁工程S2とを実行し、所定形状に設定される二次前駆体X2を挟んで、極性方向が逆転した永久磁石Xpを配設する配向用磁界印加姿勢で流動性材料f1を硬化する配向硬化工程S3を実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、磁石の製造方法に関するとともに、その製造方法により製造される磁石に関する。
形状自由度のある磁石としてボンド磁石が良く知られている。
この種のボンド磁石の製造に際しては、フェライト磁石粉、希土類磁石粉等の磁石粉末と樹脂等の結合剤との混合物を得、得られた混合物を種々の方法で成形・硬化する。代表的な製造例は、プレス成形後の硬化処理であり、硬化に際しては所望の形状を得るために所謂型成形も使用される。
本明細書の図23は非特許文献1に示されているこのような型成形の一形態を示す説明図である(非特許文献1、29頁、下図)。
このような製造方法により製造することができるボンド磁石の極性方向は、その製造方法に起因して従来一定となっていた。この状況を簡単に説明すると、図23に示す様に成形時の磁界Hの印加方向に従って各磁石粒子の極性方向が決まることから、図23(a)に示す様に成形時のプレス方向Pに磁界Hを印加すると、部材Xの縦方向の両端面が異なる磁極となる。一方、図23(b)に示す様に成形時のプレス方向Pに直交する方向に磁界Hを印加すると、部材Xの横方向の両端面が異なる磁極となる。これらの図面において上側に描かれるプレス成形機Mには、磁界H印加のための誘導コイルCが夫々設けられている。
この状況は、公知の特許文献においても同様である(特許文献1)。
簡単に説明すると、特許文献1にはボンド磁石の製造方法が開示されており、開示の技術では、押出により得られた円筒形もしくはリング状成形体に対して、その軸と直角方向又は平行方向に前記成形体に磁界を印加する(請求項2)。具体的には、当該明細書の図2に示されるヨーク9内に配置される、図示しないコイルに通電して瞬間的にパルス磁界を発生させ印加する(7頁、左下欄、下から4行以下)。従って、この技術の開示は、先に説明した図23(a)に開示の技術と同様な構造となっている。
特開昭59−80902号公報
新版 磁石のはなし JEITA 一般財団法人 電子情報技術産業協会 2014年4月発行
しかしながら、上記のようなボンド磁石は形状を自由に設定できるとは言え、その極性方向が一方向となるため、例えば、形状が複雑であるとともに、極に関して、その極性分布を自由に設定したいという目的を満たすことができない。即ち、極性分布の設定に関して改良の余地がある。
さらに、ボンド磁石の場合、基本的には結合剤に対して所定の磁力を有する磁石粉末を混合するため、製造される磁石で得ることができる磁力は、その磁石粉末の特性に大きく依存し、実質上調整することは難しい。
上記実情に鑑み、本発明の主たる課題は、極性方向を所望の方向に分布設定することができる磁石の製造方法を得ることにあり、例えば、円盤状を成す磁石で、その上下両面が一方の極となり、その側面が他の極となっている磁石(この磁石を発明者等は「同極磁石」と呼んでいる)を容易に製造することができる磁石の製造方法を得ることにある。
本発明に係る磁石の製造方法の第1特徴構成は、
着磁処理可能な強磁性体粒子を硬化処理可能な流動性材料内に分散させて一次前駆体を得る分散工程と、
前記分散工程で得られた前記一次前駆体に一様な磁界を印加して前記強磁性体粒子が着磁され、流動性を保持する二次前駆体を得る着磁工程とを実行し、
前記二次前駆体が所定形状を保持する状態で、
前記所定形状に設定される一方向において、あるいは前記一方向に対して、特定される方向に永久磁石を前記二次前駆体に対して配設する配向用磁界印加姿勢で、前記流動性材料を硬化する配向硬化工程を実行して磁石を製造する点にある。
本発明に係る磁石の製造方法では、分散工程、着磁工程及び配向硬化工程を順に実行する。
ここで、分散工程は一次前駆体を得る工程であり、着磁工程は一次前駆体内に分散する強磁性体粒子を着磁する工程であり、配向硬化工程は二次前駆体内に分散する着磁状態にある強磁性体粒子を配向するとともに、その配向した状態で硬化する工程である。ここでの配向に関しては、後にも示す様に、強磁性体粒子のある程度の凝集(所謂、クラスター化)も進行させる。
即ち、事実上、強磁性粒子が、ある程度、移動・姿勢変更可能な状態で、一次前駆体を磁界(この磁界を「着磁磁界」と呼ぶことがあるものとする)内に配置する着磁処理を行うと、多数の強磁性粒子は、粒子単体単位では着磁される。ただし、本発明では所定の形状設定は配向硬化工程で行うため、この二次前駆体には流動性を残す。この着磁工程では磁界(着磁磁界)を調整して着磁程度を調整できるため、得ることができる磁石の強度を調整することもできる。ただし、着磁磁界の調整は、基本的には磁界強度を低下する方向に進むため、得られる磁石の特性を最大とするという観点からは、当該強磁性粒子に着磁しうる最大磁界で着磁(100%着磁)することが好ましい。
そして、配向硬化工程において、二次前駆体を所定形状に保持し、強磁性体粒子の配向を、所定形状に設定される一方向において、あるいは一方向に対して、特定される方向に永久磁石を二次前駆体に対して配設する配向用磁界印加姿勢で実行する。
結果、製造される磁石は、従来型の極性方向が一方向となった磁石ではなく、極性方向が当該配向用磁界印加姿勢で制御可能な所望の方向に分布設定された磁石となる。
この配向硬化工程においては、後にも示す様に、使用する磁界の強度は必ずしも強力である必要はない。
後述するように、本明細書では、硬化処理可能な流動性材料として、2液性硬化材料及び1液性硬化材料を使用する例を紹介するが、2液性硬化材料の場合、流動性を有するプレポリマーと強磁性粒子との混合物が一次前駆体となり、着磁処理したものが二次前駆体となり、配向硬化工程では、二次前駆体に硬化剤を混合して硬化させることとなる。
一方、1液性硬化材料の場合、硬化前の1液性硬化材料と強磁性粒子との混合物が一次前駆体となり、着磁処理を施した混合物であって流動性を有するものが二次前駆体となり、所定の時間経過或いは所定の処理により硬化させることとなる。
本発明の磁石の製造方法の第2特徴構成は、
前記着磁工程を3T以上の磁界強度で実行し、
前記配向硬化工程を3T未満の磁界強度で実行する点にある。
着磁工程を3T以上の磁界強度で実行することで強磁性体粒子の着磁を強力に行うことでできる。この工程での着磁には、4T以上がさらに好ましく、8T以上がさらに好ましい。着磁の程度を高めることで、製造される磁石の磁力(換言すると表面磁束密度)を高めることができる。必ずしも上限を限るものではないが、流動性材料内における強磁性体粒子の分散状態が適度に保たれ、凝集が過度に進行することは避けることが好ましいと発明者等は考えている。
配向硬化工程は、本発明でキーとなる工程ではあるが、着磁状態にある強磁性体粒子が印加する磁界分布に従って配向されればよく、比較的低い磁界強度よい。即ち、配向硬化工程を3T未満の磁界強度で実行できる。0.33T以下がさらに好ましく、0.3T以下がさらに好ましい。例え3T以下であっても、先に説明した着磁処理により、磁石としては十分な残留磁化を維持することができる。ただしこの工程では配向させる必要があるため、最低強度は100mT程度となる。
従来、一般的な異方性ボンド磁石では、1〜2T程度の磁場を印加し配向するが、この配向処理を行った後に着磁処理を実行する。対して、本発明では、着磁処理を行った後、配向処理を実行する。よって、本発明では処理それぞれを、その目的(強磁性粒子の着磁、着磁状態にある強磁性体粒子の配向)に合致した態様、時間で実行できる。
例えば、着磁工程では強磁性粒子に対する瞬間的な処理として着磁を行い、その凝集を基本的には伴わない処理とできる。即ち、一般的な着磁処理では強磁性体である磁粉は磁気凝集を起こすが、本発明では粘度のある流動性材料に分散した状態で着磁を行うため、着磁処理後も、流動性材料内での粒子の分散状態は良好に保たれる。そして、配向硬化工程では流動性材料の硬化の進展とともに各粒子の配向(クラスタ構造の実現)を良好に起こさせることが可能となる。
強磁性体粒子の平均粒径は3〜200μmの範囲内とすることができる。
平均粒径が3μmより小さいと、粒子の製造に困難を伴ったり、取り扱いが困難となりやすい。一方、平均粒径が200μmより大きいと、分散工程の実行において、良好な均等分散を実行しくい傾向が出る。分散工程後の処理において沈降を起こす傾向となる。平均粒子径は、5〜200μmの範囲内とすることがさらに好ましく、5〜50μmの範囲内とすることがさらに好ましい。
流動性材料の粘度は、350〜500P(ポワズ)とすることでできる。
粘度が350Pより小さいと、分散工程の実行において、良好な均等分散を実行しにくい傾向が出る。分散工程後の処理において沈降を起こす傾向となる。500Pより大きいと、分散工程の実行において、分散を良好に行えず、所謂ダマが形成されやすくなる。粘度は、400〜450Pの範囲内とすることがさらに好ましい。
また、強磁性体粒子の流動性材料との混合物に対する配合割合は、体積割合で5〜50%の範囲内にあることとできる。
この配合割合が大きくなるに従って、磁石の強度を高めることができる。
体積割合が5%より小さいと、磁石強度を得にくい。50%より大きいと、分散工程の実行において、良好な均等分散を実行しにくい傾向に進み、分散工程後の処理において沈降を起こす傾向となる。体積割合は、20〜45%の範囲内とすることがさらに好ましく、30〜40%の範囲内とすることがさらに好ましい。
本発明の磁石の製造方法の第3特徴構成は、
前記流動性材料として、流動性を有するプレポリマーと当該プレポリマーに混合されて混合液を硬化させる硬化剤からなる2液性硬化材料を使用し、前記分散工程において前記プレポリマーに前記強磁性体粒子が分散した前記一次前駆体を得るとともに、
前記配向硬化工程において、前記二次前駆体に前記硬化剤を添加する点にある。
この構成を採用することにより、強磁性体粒子とプレポリマーとの混合により一次前駆体を得、その硬化処理を二次前駆体への硬化剤の添加で簡便に行うことができる。
2液性硬化材料の代表的な材料は、所謂、2液性のエポキシ樹脂を挙げることができる。
さらに、本発明の磁石の製造方法の第4特徴構成は、
前記流動性材料が加熱により硬化する熱硬化性材料、もしくは紫外線照射により硬化する紫外線硬化材料である点にある。
この構成を採用することにより、加熱あるいは紫外線照射といった簡便な方法で配向硬化工程を実行し、目的物である磁石を得ることができる。
さらに、本発明の磁石の製造方法の第5特徴構成は、
前記強磁性体粒子が希土類磁石粒子である点にある。
この種の強磁性体粒子としては、希土類磁石粒子を採用することがきる。
希土類磁石としては、ネオジム磁石(Nd−Fe−B系磁石)、サマリウム・コバルト磁石(Sm−Co系磁石)、サマリウム・鉄磁石(Sm−Fe−N系磁石)が強力な磁石であり、本発明の着磁処理により、その磁力はさらに強くできる。また、入手も容易である。
さらに、本発明の磁石の製造方法の第6特徴構成は、
前記配向硬化工程を、
前記所定形状に設定される一方向において、あるいは前記一方向に対して、
極性方向が互いに異なる複数の永久磁石を、前記二次前駆体に対して配設する配向用磁界印加姿勢で、前記流動性材料を硬化する配向硬化工程を実行して磁石を製造する点にある。
複数の永久磁石を、それらの極性方向を互いに異ならせて所定形状とされる二次前駆体に対して配置して配向硬化工程を実行することで、結果的に、形状が所定形状とされるとともに、磁石内部において、部分(本発明にいう特定磁性方向部分)、部分でその極性方向を所望の方向に分布設定された磁石を得ることができる。
このような磁石は、実質的に、
極性方向が特定方向に設定された特定磁性方向部分を複数有し、
磁石に定義される任意の前記一方向において、あるいは一方向に対して、
複数の特定磁性方向部分間で、特定方向が異なる磁石となる。
本発明の磁石の製造方法の第7特徴構成は、
前記着磁工程を、前記一次前駆体の周りに配設した誘導コイルに発生される磁界により実行し、
前記配向硬化工程を、前記一方向において、前記所定形状に設定された前記二次前駆体を挟んで、極性方向を互いに対向して配設した一対の永久磁石により実行する点にある。
この構成を採用することにより、誘導コイルで一次前駆体内に分散する強磁性体粒子を強力に着磁することができる。
一方、配向硬化工程においては、極性方向が互いに対向して配設される一対の永久磁石が二次前駆体を挟む状態で、着磁した強磁性体粒子の配向、ある程度の凝集を促進しながら、良好に実行できる。
この磁石の製造方法を実施することにより、以下の構造の磁石(「同極磁石」)を得ることができる。
一方向に両端部を備え、一方向に沿って複数の特定磁性方向部分が並んで構成され、
両端部の中間を挟んで位置する特定磁性方向部分間で、極性方向が逆転している磁石。
この磁石は、以下の様にも記載できる。
一方向に両端部を備え、当該両端部が共に一の極を有し、両端部の中間に位置し、一方向に直交する方向の側面が前記一の極とは異なる他の極を有する磁石。
この記載において、一の極はN極及びS極の何れかの極を意味し、他の極は当該一の極とは異なる極であるS極又はN極となる。
また、この磁石は、以下の様にも記載できる。
一方向に両端部を備え、一方向に直交する方向の側面を備えた柱状に構成され、両端部が共に一の極を有し、前記側面が前記一の極とは異なる他の極を有する磁石。
ここで、柱状の具体的形態は、円柱、角柱状等、中実となっていてもよいし、柱内に軸方向に伸びる空洞を有する所謂環状等となっていてもよい。
この記載形態においても、一の極はN極及びS極の何れかの極を意味し、他の極は、当該一の極とは異なる極であるS極又はN極となる。
本発明の磁石の製造方法の第8特徴構成は、
前記着磁工程を、前記一次前駆体の周りに配設した誘導コイルに発生される磁界により実行し、
前記所定形状が中空半球形状に設定され、
前記特定方向を半球の径方向として、径方向に異なる磁極を有する球形状永久磁石で、前記配向硬化工程を実行する点にある。
この構成を採用することにより、形状が中空半球形状とされ、半球の極と赤道との間で極性の異なる磁石を製造することができる。これが、本発明の第12特徴構成の磁石である。
この構成にあっても、極の極性と赤道の極性とは、一の極はN極及びS極の何れかの極となり、他の極は、当該一の極とは異なる極であるS極又はN極となる。
さらに本発明の第13特徴構成に記載する様に、
上記の様にして製造される半球形状の磁石であって、赤道の極を同じくする磁石を、磁石の赤道面を合わせて一体化することにより、球形状を有し、球両極の極性と、赤道における極性とが異なる磁石を得ることができる。
この種の磁石も形状が球形状をしているだけであり「同極磁石」の一種と呼べる。
さらに後述するように、この種の球形状を有し、その球両極の極性と、赤道における極性とが異なる磁石は、上記のように半球状の磁石を赤道で接合して製造できる他、第3実施形態に示すように型の形状及びその磁極特性を適切に選択することで、配向硬化工程で、実質一段で製造できる。
さて、本発明の磁石の第14特徴構成は、
上述の中空球形状の磁石であって、前記一対の磁石により内部に形成された中空部を充填してある点にある。
この構成を採用することにより、磁石の形状を保ち強度を高めることができる。
また、充填材として非磁性体を選択すると、中空半球形状の磁石の特性が低減されることはない。一方、中空部の充填剤としては非磁性体以外にもシェルを成す磁石と同じ物質あるいは他の磁性体を使用しても良い。
磁石の製造方法により製造することができる磁石の一実施形態の模式図 磁石の製造プロセスを示すフローチャート 第1実施形態における製造工程を示す説明図 第1実施形態における配向硬化工程の詳細を示す模式図 第1実施形態における磁石の極性確認結果を示す図 第1実施形態における磁石の要部セム写真を示す図 第1実施形態における磁石における表面磁束密度の測定結果を示す図 第1実施形態における磁石及び類似の磁極分布を得る従来磁石の組合せ構成模式図 第1実施形態における磁石の一使用形態を示す図 第2実施形態における配向硬化工程で使用する型を示す模式図 第2実施形態における配向硬化工程を示す説明図 第2実施形態における表面磁束密度の測定座標系を示す図 図12における表面磁束密度の測定位置を示す図 第2実施形態における周1の表面磁束密度の測定結果を示す図 第2実施形態における周2の表面磁束密度の測定結果を示す図 第2実施形態の磁石の磁力線の分布を示す図 第2実施形態における磁石の一使用形態を示す図 第2実施形態における磁石の一使用形態を示す図 第2実施形態における永久磁石型の一使用形態を示す図 第3実施形態で使用する永久磁石型の構成を示す図 第3実施形態における配向硬化工程の説明図及び型側の磁気分布を示す図 本発明に係る磁石の製造方法の別実施形態を示す図 従来のボンド磁石成形時に於ける磁界印加状態を示す説明図
以下、図面に基づいて、1.本発明に係る磁石の製造方法、2.当該磁石の製造方法で製造される磁石、及び3.その磁石の使用形態に関して説明する。
ただし、本発明の理解を容易とするため、先ず、本発明に係る磁石の製造方法に従って製造することができる磁石Xnの一実施形態(後述する第1実施形態)に関して、図1に基づいて説明しておく。同図において、(a)は本発明に係る製造方法で製造することができる磁石Xnの模式図であり、(b)は(a)に示した磁石Xnと同形状とされ、従来技術で得ることができた磁石Xoを示している。これらの図でBは磁力線(N極からS極に向かう)を示しているが、これらは後に図7に基づいて説明する磁石の磁束密度分布から推定される磁力線の分布である。この点に関しては別図でも同様である。
両図からも判明する様に、磁石Xn,Xoは円盤状に形成されており、その軸方向D1(図1の上下方向であって、本発明にいう「一方向」)の厚みhが比較的薄いものとして形成してある。径をd、厚みをhとして、d/h=6程度としている。
図1には、発明者らが「特定磁性方向部分」と呼ぶ区画MFを、厚み方向の上下に配置する丸○で各一示した。即ち、○は磁石X内に設定される所定の大きさの区画MFを示しており、この区画MFに於ける磁性の方向を矢印で示している。この区画内の矢印はS極からN極へ向かう方向としている。磁石の外部に「N」「S」で記載しているのは、当該磁石Xの極である。
簡単に、図1(a)と(b)との差異に関して説明しておくと、本発明に係る磁石Xnでは、図1の上下方向において上側に位置される区画MF「特定磁性方向部分」の磁極の方向が上向き、下側に位置される区画MF「特定磁性方向部分」の磁極の方向が下向きとなっており、磁石Xnで磁極の方向が上下逆転している。従って、この磁石Xnでは、概略、磁石表面に現れる極は、磁石Xnの上下方向端が両方ともN極となり、磁石Xnの側面(円盤側外周面)がS極となる。
対応する従来の磁石Xoでは、上側に位置される区画MF「特定磁性方向部分」及び下側に位置される区画MF「特定磁性方向部分」の磁極の方向が共に上向きとなっており、磁極の方向が上下に位置する区画MF「特定磁性方向部分」間で同一となる。従って、この磁石Xoでは、磁石表面に現れる極は、磁石の上方向端がN極となっており、下方向端がS極となる。結果、側面に関しては、上に従うに従って、その極性はSからNに変化している。
以上が、本発明で製造することができる磁石Xnの一実施形態の特徴であるが、以下、磁石Xn、Xnn、Xns、Xnsrを得る場合の製造方法を例示して説明する。
本明細書では、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態を紹介する。
第1実施形態は、磁石Xnの概略形成が柱状とされ、その軸方向両端の極性が同一とされて、両端間の中央側面が他の極となっている例である(図1(a)参照)。この第1実施形態は、配向硬化工程で最終目的とする形状の磁石Xnを得る。
第2実施形態は、磁石Xnsの概略形成が球形状とされており、その上下両極の極性が同一とされ、両極間の中央側面となる赤道部位が他の極となっている例である(図16参照)。この第2実施形態は、配向硬化工程を経ることで、中空半球形状の磁石Xnnを得、得られた一対の磁石Xnnをその赤道面で接着することで、目的とする球形状の磁石Xnsを得る。
第3実施形態は、磁石Xnsrの概略形成が球形状とされており、その上下両極の極性が同一とされ、両極間の中央面となる赤道部位が他の極となっている例である。この第3実施形態は、配向硬化工程で使用する型を永久磁石型とすることで、一段で目的とする球形状の磁石Xnsrを得る。
これら、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態との間で、分散工程S1,着磁工程S2は基本的に共通である。但し、第1実施形態、第2実施形態では、硬化材料として2液性硬化材料を使用し、第3実施形態では1液性硬化材料を使用する例を示した。配向硬化工程S3に於ける手法は基本的に同じであるが、実施形態間で使用する型及び永久磁石Zpの形状が異なる。
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態を説明する。
1.磁石の製造方法
この磁石の製造方法を図2にフローチャートで示した。
図3は各工程において製造される前駆体X1,X2及び最終品である磁石Xnを示す説明図であり、図4は配向硬化工程S3において磁石Xnを得る場合の詳細を示す模式図である。
図2に示す様に、本発明に係る磁石の製造方法は、分散工程S1、着磁工程S2、配向硬化工程S3を順に備えて構成される。
図3からも判明する様に、
分散工程S1は、着磁処理可能な強磁性体粒子pを硬化処理可能な流動性材料f1(f)内に分散させて一次前駆体X1を得る工程であり、
着磁工程S2は、前記分散工程で得られた前記一次前駆体X1に一様な磁界(着磁磁界)Hを印加して前記強磁性体粒子pが着磁された二次前駆体X2を得る工程である。
配向硬化工程S3は、二次前駆体X2に対して、その形状を決定した状態でこれを硬化させるとともに、二次前駆体X2内に分散して保持される着磁済みの強磁性体粒子pを磁気配向する工程である。即ち、二次前駆体X2が所定形状を保持する状態で、前記所定形状に設定される一方向D1において、あるいは前記一方向D1に対して、極性方向が互いに異なる複数の永久磁石Xpを、前記二次前駆体X2に対して配設する配向用磁界印加姿勢で、前記流動性材料fを硬化する工程である。
以下、各工程について、さらに詳細に説明する。
この実施形態で採用した着磁可能な強磁性体粒子p及び硬化処理可能な流動性材料fは以下の通りである。
強磁性体粒子p ; 種別 ネオジム磁石粒子(Nd−Fe−B磁石粒子)
(Magnequench社製;製品名 MQP−B−20052−070)
平均粒径 5μm
密度 7g/cm
流動性材料fとして所謂2液性硬化材料、具体的にはエポキシ樹脂(2液性)を使用した。この種の2液性硬化材料は流動性を有するプレポリマーと当該プレポリマーに混合されて混合物の硬化を促進する硬化剤から成っており、一般にプレポリマーがA液、硬化剤がB液と呼ばれている。図3等の記載はこの表記に従い、A液をf1で、B液をf2で示した。
流動性材料f : 種別 2液性エポキシ樹脂
(コニシ株式会社製;製品名 ボンドクイック5)
粘度 350 P
1−1 分散工程
図3(a)に示す様に、分散工程では、強磁性体粒子pを流動性材料f1(f)内に分散させて一次前駆体X1を得る。図(a)下図では、混合物を撹拌機構Tにより撹拌混合する状態を示している。
これら分散混合において、第1実施形態では両者の混合割合は5体積%〜25体積%(〔強磁性体粒子体積〕/〔強磁性体粒子体積+A液体積〕)とした。
この分散工程S1は、強磁性体粒子pとA液f1とを、所定の容器(図外)に混合・投入し、例えば、アズワン社製の真空脱泡装置「VD−VLH」内に配置し、ULVAC社製の真空ポンプ「G−50SA」で真空引きを行いながら容器内容物を真空脱泡攪拌状態し混合分散するものとした。
この様にして得られた一次前駆体X1は、撹拌・混合後、2ケ月を経過しても、強磁性体粒子pが沈降したり、一部凝集したりすることはなかった。この状態は、数ケ月に渡って維持できた。
一次前駆体X1は流動性を有するため、強磁性体粒子pは、均等に分散された状態である程度の移動、姿勢変更が可能である。さらに、下記着磁工程S2においては、その分散状態をほぼ保ったままで着磁することが可能であった。即ち、着磁により強磁性体粒子pの凝集体(所謂、ダマ)が形成されることはなかった。
1−2 着磁工程
図3(b)に示す様に、この工程は、分散工程S1で得られた一次前駆体X1に一様な磁界Hを印加して強磁性体粒子pが着磁された二次前駆体X2を得る工程である。
即ち、一次前駆体X1の周りに配設した誘導コイルCに発生される磁界(着磁磁界)Hにより、強磁性体粒子pを着磁する。この着磁操作は、3T以上の印加磁界で実行できる。本実施形態では8Tで行った。
さらに具体的には、東英工業社製のパルス励磁式磁気特性測定装置「TPM−2−08s25VT−C」を使用して一次前駆体X1に高磁界Hを印加する。この装置は、一次前駆体X1を収容する試料室(図外)と、試料室を取り囲む超電導コイルCと、超電導コイルCに直列接続されたコンデンサCOおよびスイッチSWと、コンデンサCOを充電するための直流電源(図外)とを有する構成となっており、スイッチSWを開けた状態でコンデンサCOを充電した後、スイッチSWを閉じることで、コンデンサCOの放電電流が超電導コイルCに一気に流れ、超電導コイルCの周り、すなわち試料室に一様な高磁界Hを発生させることができる。着磁工程S2においては、このようなパルス励磁式磁気特性測定装置のほか、振動試料型磁力測定装置(VSM)、電磁石を使用することもできる。
1−3 配向硬化工程
図3(c)に示す様に、この工程は、前記二次前駆体X2が所定形状を保持する状態で、前記所定形状に設定される一方向D1において、あるいは前記一方向D1に対して、極性方向が互いに異なる複数の永久磁石Xpを、二次前駆体X2に対して配設する配向用磁界印加姿勢で、流動性材料を硬化する工程である。
具体的には、図4に示す様に、前記着磁工程S2で着磁された状態にある強磁性体粒子pを含む二次前駆体X2が所定形状を保持する状態で、所定位置に保持する。そして、一方向D1である図3及び図4の上下方向において、所定形状を成す二次前駆体X2を挟んで、極性方向を互いに対向して永久磁石Xpを配設するとともに、硬化を実行する。
具体的には、円盤状に保持された二次前駆体X2を挟む状態で、上側の永久磁石XpのS極を下向きに、下側の永久磁石XpのS極を上向きに配置している。結果、両永久磁石Xp間では、両者が対向配置された状態となっている。
硬化においては、先に説明したA液f1に対して硬化剤となるB液f2を添加する。この様に、二次前駆体X2を異なる磁気方向を有する磁界H内に配置して、硬化を進めることにより、異なった方向の特定磁性方向部分を有する磁石Xnを容易に製造することができる。ここで、配向硬化工程S3で印加する磁界の強度に関しては、3T未満でよく、具体的には永久磁石Xpとしては、両端部位に0.33T程度の磁束密度を有するネオジム磁石を使用した。
上記配向硬化工程S3において、硬化は室温で行った。30分程度で表面が硬化し、完全硬化までに2時間程度を要した。
1−4 磁石
図3(d)に示す様に、以上の工程を経ることにより、一の磁石Xn内で磁極の方向が異なった特定磁性方向部分を有する磁石を容易に製造することができる。
2.磁石
上述の磁石の製造方法に従って得られた磁石Xnの試験結果に基づいて、その構造に関して説明する。以下に示す結果は、これまで説明してきた実施形態で、強磁性粒子pの配合割合を20%とした試料の結果である。
図5は磁石Xnの表面に於ける磁力線方向の分布の確認結果であり、図6は磁石Xnの中心軸を通る断面の要部セム写真である。図7は同磁石Xnで測定した表面磁束密度の結果を示す。表面磁束密度の測定にはガウスメータ(電子機器工業製、GM4002)を使用した。
図5からも判明する様に、磁石の上下面st、sbの大半がN極となり、側面ssがS極となっていた。この構造は先に説明した図1(a)の構成を意味している。
図6は、磁石Xnの中心軸cを通る切断面の要部セム写真を示している。
同図において、(a)は磁石Xnの右半分を示しており、図面上下方向が磁石Xnの厚み方向に、左右方向が径方向に対応している。従って、図面左端が磁石Xnの中央近傍に対応し、図面右端が磁石Xnの側面に対応する。
(a)に於いて方形太線で囲った部位O1,O2,O3がさらに詳細な観察対象とした部位である。O1は磁石Xn中央近傍の上面stの観察結果であり、O2、O3は磁石Xn側面ss近傍部位の厚み方向上部側部位及び中央部位の観察結果である。
これらの結果から、O1部位では、磁石Xnの一方向D1である上下方向に成長した針状のクラスターCTが観察できる。同針状のクラスターCTに関しては、O2部位では右上方向に形成されており、O3部位では磁石Xnの幅方向(厚み方向に直交する方向)に形成されている。これらの方向は想定された磁力線の方向と一致しており、これまで説明してきた磁石Xnの極性が是認される結果であった。
以下に示す表1及び表2に、表面磁束密度の測定結果を示した。
表1が磁石Xn上面st側の結果を示し、表2が磁石Xn下面sb側の結果である。
これらの表において、横軸は磁石Xn中央cからの距離を示している。観測方向は、円形形状を有する表面において設定されるx、y二方向である。これらの表及び後に示す図7において、表面磁束密度が+の領域はN極領域と、−の領域はS極領域となる。
Figure 2021015956
Figure 2021015956
表に対応する測定結果を、磁石Xn径方向の全領域に関して示したのが、図7である。図7(a)は、磁石Xn上面stの結果を示し、図7(b)は磁石Xn下面sbの結果を示している。
従って、この磁石Xnは、以下の構造となっている。
前記一方向D1に沿って複数の特定磁性方向部分MFが並んで構成され、
前記両端部st、sbの中間を挟んで位置する前記特定磁性方向部分FM間で、極性方向が逆転している。
また、以下の構造ともなっている。
前記一方向D1に両端部(上面st、下面sb)を備え、当該両端部が共にN極となり、前記両端部の中間に位置し、前記一方向に直交する表面(側面ss)がS極となっている。
図8右図に、この磁石Xnの模式図(上側図)を、その磁界の想定図(下側図)に示した。対して、図8左図は、この磁石Xnに対応する構造の磁石を従来型の磁石Xoを貼り合せて得る場合の想定図である。
3.磁石の使用形態
以上説明してきた磁石Xnの使用例に関して、その一つを紹介する。
図9(a)は上記の様にして製造された磁石Xnを従来型の磁石Xoの上に載せた場合の姿勢を示す図である。この図において磁石Xoの極性は、上面がN極、下面がS極となっている。この磁石Xoに本発明に係る磁石Xnを載せると、その姿勢に関わらず磁石Xnは同図に示す様に倒立する。
この種の挙動を示す理由は、先にも示した様に、磁石Xnの側面ssがS極となっており、その上面st、下面sbの両端面が共にN極となっているためである。一方、図8左図に示す様に、類似の極性分布を示す磁石を、従来型の磁石Xoを貼り合せて製作した場合、磁石Xの側面は完全にS極とならず、結果的に安定した倒立状態を実現することはできなかった。
そこで、磁石Xnを姿勢制御用に使用することができる。図9(b)にこの例を示している。同図の下側には、従来型の磁石Xoを示しており、その上面がN極とその下面がS極となる平板状の磁石Xoが配置されている。この磁石Xoの上面に揺動可能な非磁性体から構成される球状部材Aが配され、その中央、径方向に本発明に係る磁石Xnをその軸方向に装備しておく。
この構成を採ると、磁石Xoと磁石Xnとの間では、N極間で斥力(円弧両端矢印で示す)が働くことにより、磁石Xnが磁石Xoに対して倒立する。即ち、磁石Xn、ひいては球状部材Aの姿勢を維持することが可能となり、例えば、磁石Xnの先端に位置される機器aの磁石Xoに対する距離を一定に維持することができる。
〔第2実施形態〕
この実施形態では、中空半球形状の磁石Xnnをまず一対製造し、それら一対を一体化することで中空球形状の磁石Xnsを製造する。
下記する様に、磁石Xnnは中空半球形状を有し、その極性は半球の極(半球の球状側端部)における極性と赤道における極性とが異なっている。一方、磁石Xnsは、球形状を有し、両極の極性と赤道における極性とが異なっている。従って、この様にして製造される磁石Xnsも同極磁石となる。
以下、順に説明する。
中空半球形状の磁石の製造
この磁石Xnnの製造において、分散工程S1及び着磁工程S2は第1実施形態と同様である。但し、強磁性粒子pの配合割合を40体積%とした試料を使用した。
配向硬化工程S3以降を、図10、図11を使用して説明する。
配向硬化工程S3で使用する成形用の型Mを図10に示した。
型Mは下型M1と上型M2とから構成しており、図11に示す両者M1,M2が重ね合わさった状態で、両者間に所定厚a(本例では2mm)の中空半球形状の成形空間Zx(図11参照)を形成する様になっている。この成形空間Zxに先に説明した二次前駆体X2を収納することにより、半球形状の磁石Xnnを製造することができる。同図からも判明する様に、上記上型M2には、成形空間Zxの半球形状に対応して、永久磁石Xpを配置する永久磁石配置空間Zp(図11参照)が同じく半球形状に形成してある。これら成形空間Zxと永久磁石配置空間Zpとの間で、赤道面は型Mの合わせ面(成形空間Zxの赤道側端面)で一致させてある。この永久磁石配置空間Zpの径は、Ld−b(本例では20−5=15mm)としている。
これら型M(M1,M2)は共に、例えばシリコーン樹脂といった非磁性体からなっており、配向硬化工程S3において、型M(M1,M2)が磁石Xnnの磁極形成に影響することはない。
図11に示す様に、成形空間Zxに二次前駆体X2を収納した状態で、永久磁石配置空間Zpに永久磁石Xpを配置することで、二次前駆体X2の特定方向に磁界を印加しながら、その硬化を行うことができる。
製造にあたり使用した永久磁石Xpは、上下両極の極性が異なる球形状の永久磁石Xpとした。具体的には、図上下半球がN極、上半球がS極のものとした。従って、二次前駆体X2においては、磁力線は半球の径方向R1、外径側から内径側に向かって分布する。先にも示した様に、配向硬化工程S3で印加する磁界の強度に関しては、3T未満でよいが、具体的には永久磁石Xpとしては、両端部位に0.33T程度の磁束密度を有するネオジム磁石を使用した。
上記配向硬化工程S3において、硬化は室温で行った。30分程度で表面が硬化し、完全硬化までに2時間程度を要した。
以上、第2実施形態における配向硬化工程S3は、前記二次前駆体X2が所定形状(中空半球形状)を保持する状態で、前記所定形状に設定される、径方向である一方向R1に沿う様に(R1と同一となる特定される方向に)、永久磁石Xpを二次前駆体Xpに対して配設する配向用磁界印加姿勢で、流動性材料を硬化する工程でとなっている。
中空球形状の磁石Xnsの製造
上記の行程を経て製造された一対の中空半球形状の磁石Xnnを、磁石の赤道Eを合わせて一体化した。一体化に際しては樹脂による接着とした。
中空球形状の磁石Xnsの特性
製造した中空球形状の磁石Xnsの特性を確認した。
図12、図13は、表面磁極密度の測定において採用した座標を示したものであり、座標は極座標(r、θ、φ)とし、基準面を両半球形状の磁石Xnnの接着面である赤道Eとした。この接着面の座標は(r、θ、0°)となる。
磁束密度の測定位置は、測定位置座標(r、θ1、φ)及び(r、θ2、φ)とした。ここで、rは磁石表面Xnsの表面から10mm離間した位置、θ1は任意、θ2=θ1+90°とした。以下の説明では、便宜上、θ=θ1の周を周1と、θ=θ2の周を周2と呼ぶ(図14及び図15の右図参照)。図13に、測定の対象とした各周上の位置(各φ)を黒丸で示した。具体的には、φは、−180°〜+180°までと45°刻みとした。
測定には、第1実施形態と同様の装置を使用した。
図14、図15が結果である。
図14は周1における結果を示しており、図15は周2における結果を示している。
これらの図面において、(a)が上半球の結果であり、(b)が下半球の結果である。
さらに、これら図面の横に周1、周2の別を「測定範囲」として示した。
白抜き四角が接着前の磁束密度Br〔mT〕を、黒三角が接着後の磁束密度Br〔mT〕を示している。
試験結果を参照すると、接着前、ほぼ全ての測定位置においてマイナス(S極側磁性)の磁束密度となっていた中空半球形状の磁石Xnnを、その赤道面で接着一体化することにより、接着部位である赤道近傍がN極となり、上下両極がS極となっている。即ち、この球形状の磁石Xnsは球形状を有し、両極の極性と、赤道における極性とが異なる磁石となっている。今回の例では、両極における磁束密度は、−10mT程度であった。
図16に、この様にして得られた磁石Xnsの磁力線分布を模式的に示した。
磁石の使用形態
この様にして製造できる球形状の磁石Xnsは、先に説明した円柱形状の磁石Xnと比較して形状が異なるだけのため、図9(b)と同様な用途に使用できる。
さらに具体的な球形状を有する磁石Xnsの使用形態を図17から図19に示した。
〔二次元束縛運動全方位センサ〕
図17に示す例は、所定の基準体Z1に対して、二次元束縛運動を行う運動体A1の運動検出用に使用する例であり、基準体Z1及び平板状の運動体A1に設定する磁性をN−Sで示した。この基準体Z1の表裏間(図17の上下方向)で極性が異ならせてあるとともに、運動体A1においても、その表裏間で極性が異ならせてある。
同図に示すように、両者Z1,A1の間に本発明に係る球形状を有する球形状の磁石Xnsを載置しておくと、運動体A1の運動に従って、磁石Xnsが移動し、その位置を例えばレーザー計測器LDで検出することにより、磁石Xnsを全方位センサの検出機能部位とすることができる。
同図において、図、上下方向を重力方向gとしている。この場合、運動体A1の運動は基準体Z1の上部空間となる。この構成に対して、例えば、基準体Z1、磁石Xns、運動体A1で構成される検出系全体を所定角度右回転させて、右下がりとする場合(系全体を90°傾けてもよい)、下方が基準体Z1と運動体A1とが離間する位置関係となるため、例えば、運動体A1が上に移動すると、球形状の磁石Xnsの磁力保持が出来なくなる相対位置関係が発生する。この状態で磁石Xnsは自由落下することで、この磁石Xnsがブレーカとしての働きすることとなる。
〔無接点モータ〕
図18に示す例は、球形状の磁石Xnsを無接点モータの可動部に採用する例である。同図において、Wがモータを構成する円筒状の収納壁を示し、wがモータの出力軸dの回転方向を示している。このモータは、図示する様に、上下対を成すコイルにより成立するヘルムホルツコイルHC内に、その出力軸dを備えて構成され、可動部となる球形状の磁石Xnsを囲んだ駆動用のコイルcを対で備えることで、無接点で働くこととできる。このコイルcの極性は所定に回転速度で回転される。球形状の磁石Xnsの極性及び駆動用のコイルcを同図に描いている。本発明に係る球形状を有する磁石Xnsは両極が同一極とされ、赤道が別の極となるため、この様にモータを構成することができる。
〔全方位ユニバーサルセンサ〕
図19に示す例は、球形状の磁石Xnsを使用して全方向ユニバーサルセンサを構成する例である。
このセンサは、外略球形状と成す非磁性体の外郭OS内に、磁性流体MLを収納し、その磁性流体ML内に球形状の磁石Xnsを配置する。外郭OSの6極には、それぞれホールセンサhsを配置している。この様に構成することで、センサが姿勢変化を起こすと、ホールセンサhsにより観測される球形状の磁石Xnsの相対位置変位が発生し、この変位が検出されることとなり、全体が全方位ユニバーサルセンサとできる。
この構成において外郭OS内を磁性流体MLで満たしているが、その理由は、球形状の磁石Xnsが持つ磁力により、磁性流体MLの磁気排除効果によって非磁性体(例えばセラミック等)の外郭OSの内で球形状の磁石Xnsを常に非接触で外殻OSの中心に位置保持することが可能となるためである。
〔第3実施形態〕
これまで説明してきた実施形態では、目的とする磁石を得るための成形型と配向硬化工程で使用する永久磁石Xpとは基本的に別体としている。但し、第1実施形態では、第二前駆体X2を、その上下から挟む永久磁石Xpも、目的とする磁石Xnの成形に参加する。このような製造方法に対して、配向硬化工程で永久磁石のみを成形用の型とすることもできる。第3実施形態は、この例である。以下、図20及び図21を使用して、この第3実施形態を説明する。
上述の第2実施形態との主な差異点は、最初から目的とする磁石の形状(球形状)に合わせた永久磁石型MMを作成し、それら使用して、永久磁石型MM内に二次前駆体X2を注入し、配向硬化を実施する。
図20は使用する永久磁石型MMの一方の型である下型M3の構成を示す図であり、図21は配向硬化工程S3の説明図及び磁気分布を示す図である。図21(b)は、配向硬化工程S3で形成される球形状の磁石Xnsrを、同図(a)に示す断面Gで示している。この図からも判明するように、目的物である磁石Xnsrは球形状の磁石とし、内部を中実とした。さらに、中実球形状の磁石Xnsrにおいて磁石の赤道がS極、赤道に対する極がN極となるものの例とした。
使用する型
図20(a)に、この実施形態で使用する永久磁石型MMの一方である下型M3の構成を示した。
同図からもの判明するように、下型M3は、概略方形の外形形状を有し、その表面中央に半球状の窪みmが形成されている。上型M4も基本構造は同じである。使用に際しては、下型M3及び上型M4を対として上下に重ねて使用する。従って、図21(a)に示す様に、この例でも永久磁石型MMは対を成す下型M3及び上型M4から成立し、窪みm側を合わせて両型M3,M4を一体化することで、両者間に成形空間Zxを形成できる(図20(b)参照)。
永久磁石型MMは永久磁石から構成しており、その極性は、図20(b)に示すように、厚み方向(同図上下方向)における極性が異なったものとする。図示する例は、底面をN極とし、上面(窪みmの内表面を含む)をS極とする例である。従って、永久磁石型MMの内部に成形空間Zxが形成され、その空間Zxを囲う周部は概略S極となる。
対となるこれら永久磁石型M3,M4において、その窪みm形成側であるS極側を合わせて重ねると反発力を生じるが、図21(b)に示す様に、両永久磁石型M3,M4を左右一対のヨークY、Yにより上下方向から挟持することで、両者間の隙間を適切に保つことができる。y1は、ヨークY,Yそれぞれの上下に設けた挟持部を示しており、y2は、永久磁石型M3,M4間に形成するN極側(S極に対する対極となる)を形成するための突出部である。ヨークY,Yは磁性体(代表的には鉄)から構成しており、上記一対の挟持部y1及びそれらの中間に突出部y2を設けることにより、永久磁石型M3,M4間及び成形空間Zxに充填する二次前駆体X2における磁界分布を、磁束漏れを低減して所望の状態とすることができる。この例では、二次前駆体X2,永久磁石型M3,M4、ヨークY,Y間を周回する磁束分布が形成される。
また、図21(a)からも判明するように、上型M4には、二次前駆体X2の注入孔h4を設けるとともに、空気抜き孔h5を設けている。
中実球形状の磁石の製造
磁石Xnsrの製造に際しては、1液性硬化材料を使用した。他の条件は第2実施形態に倣った。
製造に際しては、一次前駆体X1に対して着磁処理を施し、得られた二次前駆体X2を注入孔h4から注入する。これによって成形空間Zxは二次前駆体X2により充填される。所定の硬貨時間の経過に伴って、二次前駆体X2は硬化し、目的とする中実球形状の磁石Xnsrを得ることができた。
このようにして製造された磁石Xnsrは、磁石Xnsの赤道がS極、赤道に対する両極がN極となっていた。
〔別実施形態〕
(1)上記の第1実施形態にあっては、磁石の両端部がN極、側面がS極となっている磁石Xnの製造方法に関して示した。しかしながら、配向硬化工程S3において、二次前駆体X2を挟んで配置する永久磁石Xpの姿勢を図4に示した例とは逆転することで、磁石Xnの両端部がS極、側面がN極となっている磁石Xnも製造することができる。この構造の磁石Xnを図22(a)に示した。
また、上記の第2実施形態にあっては、磁石の赤道がN極、赤道に対する極がS極となっている磁石Xnsの製造方法に関して示した。しかしながら、配向硬化工程S3において、二次前駆体X2に対して配置する永久磁石Xpの姿勢を図11に示した例とは上下逆転することで、磁石Xnsの赤道がS極、赤道に対する極がN極となっている磁石Xnsも製造することができる。
さらに、上記の第3実施形態にあっては、磁石の赤道がS極、赤道に対する極がN極となっている磁石Xnsrの製造方法に関して示した。しかしながら、配向硬化工程S3において、二次前駆体X2に対して配置する永久磁石型MM(具体的には下型M3及び上型M4)の極性を図20に示した例とは上下反転することで、磁石Xnsrの赤道がN極、赤道に対する極がS極となっている磁石Xnsrも製造することができる。
(2)これまで説明した実施形態は、磁石(その前駆体である二次前駆体X2を含む)に設定する一方向に沿って、磁極方向を異にする永久磁石Xpを配置して配向硬化工程を実行する例を示した。しかしながら、本発明の製法を採用する場合、当該一方向に並べる必要はなく、この方向に交差して、あるいは直交する方向に並べて配向硬化工程を実行してもよい。このような例を図22(b)に示した。同図下側には、本発明に係る二次前駆体X2が容器Vに収納されている。そして、二次前駆体X2の上部にその表面に沿って複数の永久磁石Xpを、極性を交互に逆転して配置している。この様にすることで、磁石(二次前駆体X2)の表面に異なった極が順次出現する磁石を得ることができる。ここで、一方向D1は表面に直交する方向を想定している。
この様に本発明かかる磁石の製造方法では、二次前駆体X2に対する永久磁石Xpの配置を様々に変化させることにより、所望の磁極分布を有する磁石を容易に製造することができる。図22(c)は、二次前駆体X2を円筒形とし、その上部に千鳥に異なる磁極を配設して配向硬化工程を実行することにより得られる磁石の極性分布を示している。
(3) これまで説明してきた実施形態にあっては、強磁性粒子の例としてネオジム磁石(Nd−Fe−B系磁石)粒子の例を挙げたが、この種の材料としては、希土類を主成分とする強磁性粒子を好適に採用することができる。例えば、サマリウム・鉄磁石(Sm−Fe−N系磁石)、サマリウム・コバルト磁石(Sm−Co系磁石)粒子等を挙げることができる。
(4) これまで説明してきた実施形態にあっては、硬化処理可能な流動性材料として、2液性硬化材料を使用する例(第1実施形態及び第2実施形態)を及び1液性硬化材料を示す例(第3実施形態)を示したが、強磁性体粒子の分散状態を確保して、着磁、配向を実行できる材料であれば、任意の硬化材料を使用できる。
また、エポキシ樹脂に代えて、不飽和ポリエステル樹脂またはジアリルフタレート樹脂であってもよい。
さらに、硬化に関しては、硬化剤の添加により硬化させるほか、加熱、紫外線照射等により硬化する材料を使用することもできる。前者材料としては、エポキシ、フェノール、ウレタン等を例示でき、後者材料としては、エポキシ、アクリル、シリコーン等を例示できる。
(5) これまで説明してきた実施形態にあっては、配向硬化工程において、配向と硬化を同時に進行させる例を示したが、例えば、配向を先行して進行させ、その後硬化を進める等、その両者間でそのタイミングは任意に調整することができる。
(6) 上記の第2実施形態にあっては、中空球形状の磁石Znsを製造する場合、内部の中空部に関しては何も説明しなかったが、磁石Xnsを製造する段階で、磁石Xnsの中空部に非磁性体(図示省略)を充填しておくことにより磁石の強度を確保することができる。
この磁石は一対の中空半球形状の磁石Xnnにより内部に形成された中空部を非磁性体で充填してある磁石となる。この構成を採用すると、シェルとなっている中空球形状の磁石Xnsにより決定される磁界分布に影響を与えないという点から好ましい。さらに、中空部の充填剤としては非磁性体以外にもシェルと同じ物質あるいは他の磁性体でも良い。
B 磁力線
C 誘導コイル
CT 針状クラスター
D1 一方向
E 赤道(接着面)
H 磁界
M 型
MM 永久磁石型
M1 下型(型)
M2 上型(型)
M3 下型(型)
M4 上型(型)
O1 部位
O2 部位
O3 部位
R1 一方向(径方向)
S1 分散工程
S2 着磁工程
S3 配向硬化工程
V 容器
X 部材(磁石)
Xn 磁石(本発明の第1実施形態)
Xnn 中空半球形状の磁石(本発明の第2実施形態)
Xns 中空球形状の磁石(本発明の第2実施形態)
Xnsr 中実球形状の磁石(本発明の第3実施形態)
X0 磁石(従来技術)
Xp 永久磁石
X1 一次前駆体
X2 二次前駆体
f 流動性材料
f1 A液(流動性材料)
f2 B液(流動性材料)
p 強磁性体粒子
st 上面(端部)
sb 下面(端部)
ss 側面

Claims (15)

  1. 着磁処理可能な強磁性体粒子を硬化処理可能な流動性材料内に分散させて一次前駆体を得る分散工程と、
    前記分散工程で得られた前記一次前駆体に一様な磁界を印加して前記強磁性体粒子が着磁され、流動性を保持する二次前駆体を得る着磁工程とを実行し、
    前記二次前駆体が所定形状を保持する状態で、
    前記所定形状に設定される一方向において、あるいは前記一方向に対して特定される方向に、永久磁石を前記二次前駆体に対して配設する配向用磁界印加姿勢で、前記流動性材料を硬化する配向硬化工程を実行して磁石を製造する磁石の製造方法。
  2. 前記着磁工程を3T以上の磁界強度で実行し、
    前記配向硬化工程を3T未満の磁界強度で実行する請求項1記載の磁石の製造方法。
  3. 前記流動性材料として、流動性を有するプレポリマーと当該プレポリマーに混合されて混合液を硬化させる硬化剤からなる2液性硬化材料を使用し、前記分散工程において前記プレポリマーに前記強磁性体粒子が分散した前記一次前駆体を得るとともに、
    前記配向硬化工程において、前記二次前駆体に前記硬化剤を添加する請求項1又は2記載の磁石の製造方法。
  4. 前記流動性材料が加熱により硬化する熱硬化性材料、もしくは紫外線照射により硬化する紫外線硬化材料である請求項1〜3のいずれか一項記載の磁石の製造方法。
  5. 前記強磁性体粒子が希土類磁石粒子である請求項1〜4のいずれか一項記載の磁石の製造方法。
  6. 前記配向硬化工程を、
    前記所定形状に設定される一方向において、あるいは前記一方向に対して、
    極性方向が互いに異なる複数の永久磁石を、前記二次前駆体に対して配設する配向用磁界印加姿勢で、前記流動性材料を硬化する配向硬化工程を実行して磁石を製造する請求項1〜5の何れか一項記載の磁石の製造方法。
  7. 前記着磁工程を、前記一次前駆体の周りに配設した誘導コイルに発生される磁界により実行し、
    前記配向硬化工程を、前記一方向において、前記所定形状に設定された前記二次前駆体を挟んで、極性方向を互いに対向して配設した一対の永久磁石により実行する請求項1〜5の何れか一項記載の磁石の製造方法。
  8. 前記着磁工程を、前記一次前駆体の周りに配設した誘導コイルに発生される磁界により実行し、
    前記所定形状が中空半球形状に設定され、
    前記特定方向を半球の径方向として、径方向に異なる磁極を有する球形状永久磁石で、前記配向硬化工程を実行する請求項1〜5の何れか一項記載の磁石の製造方法。
  9. 請求項3記載の磁石の製造方法で製造される磁石であって、
    前記一方向に両端部を備え、
    前記一方向に沿って複数の特定磁性方向部分が並んで構成され、
    前記両端部の中間を挟んで位置する前記特定磁性方向部分間で、極性方向が逆転している磁石。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項記載の磁石の製造方法で製造される磁石であって、
    前記一方向に両端部を備え、当該両端部が共に一の極を有し、
    前記両端部の中間に位置し、前記一方向に直交する方向の側面が前記一の極とは異なる他の極を有する磁石。
  11. 一方向に両端部を備え、前記一方向に直交する方向の側面を備えた柱状に構成され、前記両端部が共に一の極を有し、前記側面が前記一の極とは異なる他の極を有する磁石。
  12. 請求項8記載の磁石の製造方法で製造される磁石であって、
    中空半球形状を有し、
    半球の極における極性と、赤道における極性とが異なっている磁石。
  13. 請求項12に記載の磁石であって赤道の極を同じくする磁石を、磁石の赤道面を合わせて一体化した磁石であって、
    球形状を有し、球両極の極性と、赤道における極性とが異なる磁石。
  14. 請求項13に記載の磁石であって、前記一対の磁石により内部に形成された中空部を充填してある磁石。
  15. 球形状を有し、球両極の極性と、赤道における極性とが異なる磁石。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023003367A (ja) * 2021-06-23 2023-01-11 輝男 渡邊 両端が同一磁極をもつ磁石

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