JP2021015112A - 光走査装置、物体検出装置、光検出装置、光走査方法、物体検出方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】光ビームの投光方向を周期的に変動させる走査を行う場合において、小型かつ低コストの構成で広い走査範囲の走査を行えるようにする。【解決手段】点滅する走査ビームL2aにより、互いに平行で副走査方向の位置が異なる複数の主走査線を形成し、調整部60により各主走査線の走査範囲を調整して、一部の主走査線111aが、残りの主走査線121aよりも主走査方向に広い範囲を走査するようにする。このとき、一部の主走査線111a上では、残りの主走査線121a上よりも、光ビームにより形成される光点101をまばらにする。調整部60は、主走査線111aの一部を通過する光ビームを、主走査方向の一端側に近いほど強くその一端側へ屈折させるプリズム61と、主走査線111aの別の一部を通過する光ビームを、主走査方向の他端側に近いほど強くその他端側へ屈折させるプリズム62とを備えるとよい。【選択図】 図3
Description
この発明は、光ビームによる走査を行うための光走査装置及び光走査方法、光ビームを外部へ投光すると共に、その投光と同じ光軸で外部から入射する入射光を検出する光検出装置、走査される光ビームの光路上の物体を検出するための物体検出装置及び物体検出方法、および光ビームにより走査を制御するためのプログラムに関する。
に関する。
に関する。
従来から、レーザ光のパルスを外部へ照射し、物体により反射されて戻ってきたレーザ光を検出することにより、レーザ光の光路上にある物体及びその物体までの距離を検出する物体検出装置が知られている。このような物体検出装置は、ライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)と呼ばれる。
近年、ライダーは、自動車の自動運転の分野でも活用されるようになっている。外部の照明環境の影響を受けやすいカメラセンサーや、分解能が低いミリ波レーダーの欠点を補い、走行環境下の比較的小型の障害物を、精度よく検出するために、カメラセンサーやミリ波レーダーと併用する等である。
近年、ライダーは、自動車の自動運転の分野でも活用されるようになっている。外部の照明環境の影響を受けやすいカメラセンサーや、分解能が低いミリ波レーダーの欠点を補い、走行環境下の比較的小型の障害物を、精度よく検出するために、カメラセンサーやミリ波レーダーと併用する等である。
このようなライダーにおいては、視野範囲内をレーザビームにより走査すると共に物体からの反射光を検出することが一つの重要な動作であるが、この点に関する技術として、例えば非特許文献1、特許文献1及び特許文献2に記載のものが知られている。
また、本件出願人も、特許文献3に記載の出願を過去に行っている。
また、本件出願人も、特許文献3に記載の出願を過去に行っている。
Cristiano Niclass, et al.,"A100-m Range 10-Frame/s 340 × 96-Pixel Time-of-Flight DepthSensor in 0.18-μm CMOS", IEEE JOURNAL OF SOLID-STATECIRCUITS, Institute of Electrical and Electronics Engineers, FEBRUARY 2013,VOL. 48, NO. 2, p. 559-572
以上のうち、非特許文献1には、それぞれ傾き角の異なる3つの面を持つポリゴンミラーを回転させ、そのポリゴンミラーでレーザビームを偏向することにより、垂直方向4.5°の視野角の範囲内にレーザビームを投射しつつ、物体からの反射光を、ポリゴンミラーの投射時と同じ面で反射して光検出素子に導いて検出することが記載されている。
特許文献1には、1つの光源から出力されるレーザ光を2つに分岐させて、2つの走査部にそれぞれ入射させ、2つの走査部によりそれぞれレーザ光を偏向してそれぞれ異なる範囲内を走査することが記載されている(特許文献1の図17等参照)。また、特許文献1には、各走査部と対応する受光部を設け、各走査部から投光したレーザ光に対する反射光を、対応する受光部で検出することが記載されている。
また、特許文献2には、3つの走査部を設け、3つの光源から出力されるレーザ光を、それぞれ対応する走査部に入射させ、各走査部によりそれぞれレーザ光を偏向してそれぞれ異なる範囲内を走査することが記載されている(特許文献2の図2B等参照)。また、特許文献2にも、各走査部と対応する受光部を設け、各走査部から投光したレーザ光に対する反射光を、対応する受光部で検出することが記載されている。
特許文献3には、ねじりばねを用いたアクチュエータにより、レーザビームの投光方向を周期的に変動させる走査を、小型かつ耐久性の高い構成で実現する構成が記載されている。
特許文献3には、ねじりばねを用いたアクチュエータにより、レーザビームの投光方向を周期的に変動させる走査を、小型かつ耐久性の高い構成で実現する構成が記載されている。
ところで、ライダーにおいては、視野範囲の拡大が一つの要求項目となっているが、これを実現するために、非特許文献1に記載のようなポリゴンミラーは一つの有効な手段である。例えば4面のポリゴンミラーを用いれば最大180°、6面のポリゴンミラーでも最大120°の走査範囲を実現できる。しかし、ポリゴンミラーの場合、小型化や消費電力の低減が困難であった。このため、例えばドローン等の小型移動体への搭載やウェアラブル機器への搭載には不向きであるという問題があった。
一方、特許文献3に記載のアクチュエータでは、小型化が可能であるが、走査範囲を増すためにはねじりばねをより大きな角度でねじる必要があり、ねじりばねに働くせん断応力を考えると、安定して走査可能な範囲には限度がある。
この点につき、特許文献1及び2に記載のように複数の走査部を用いてそれぞれ異なる走査範囲を走査するようにすれば、装置全体としての走査範囲の拡大は可能である。しかし、走査部と受光部の組を複数組設ける必要があり、装置の大型化やコスト増につながる。
このような問題は、ライダー以外の用途で任意の光ビームによる走査を行う場合にも生じるものである。
この点につき、特許文献1及び2に記載のように複数の走査部を用いてそれぞれ異なる走査範囲を走査するようにすれば、装置全体としての走査範囲の拡大は可能である。しかし、走査部と受光部の組を複数組設ける必要があり、装置の大型化やコスト増につながる。
このような問題は、ライダー以外の用途で任意の光ビームによる走査を行う場合にも生じるものである。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、光ビームの投光方向を周期的に変動させる走査を行う場合において、小型かつ低コストの構成で広い走査範囲の走査を行えるようにすることを目的とする。
以上の目的を達成するため、本発明の光走査装置は、点滅する光ビームにより、互いに平行で副走査方向の位置が異なる複数の主走査線を形成する走査部と、上記走査部が形成した上記複数の主走査線による走査範囲を、上記複数の主走査線のうち一部の主走査線が、上記複数の主走査線のうち残りの主走査線よりも主走査方向に広い範囲を走査するように調整する調整部とを設けたものである。上記調整部による調整後は、上記一部の主走査線上では、上記残りの主走査線上よりも、上記光ビームにより形成される光点がまばらであるとよい。
このような光走査装置において、上記調整部が、上記一部の主走査線を形成する光ビームのうち、第1主走査範囲を通過する光ビームを、主走査方向の一端側に近いほど強く上記一端側へ屈折させる第1光学素子と、上記一部の主走査線を形成する光ビームのうち、上記第1主走査範囲よりも上記主走査方向の他端側に近い位置にあり、上記第1主走査範囲と重ならない第2主走査範囲を通過する光ビームを、上記他端側に近いほど強く上記他端側へ屈折させる第2光学素子とを備えるとよい。
さらに、上記第1光学素子と上記第2光学素子はそれぞれ、上記光ビームが通過する面が平面であるとよい。
さらに、上記第1光学素子と上記第2光学素子とが主走査方向に隣り合うように配置され、上記光ビームが上記第1光学素子と上記第2光学素子との境界付近の所定範囲を通過する期間、上記光ビームを消灯する第1境界制御部を備えるとよい。
さらに、上記一部の主走査線においては、上記第1光学素子を通過する光ビームにより形成される第1部分主走査線と、上記第2光学素子を通過する光ビームにより形成される第2部分主走査線との間に間隙があり、上記残りの主走査線は、少なくとも上記間隙がある主走査方向範囲をカバーする主走査方向範囲を走査するとよい。
さらに、上記第1光学素子と上記第2光学素子とが主走査方向に隣り合うように配置され、上記光ビームが上記第1光学素子と上記第2光学素子との境界付近の所定範囲を通過する期間、上記光ビームを消灯する第1境界制御部を備えるとよい。
さらに、上記一部の主走査線においては、上記第1光学素子を通過する光ビームにより形成される第1部分主走査線と、上記第2光学素子を通過する光ビームにより形成される第2部分主走査線との間に間隙があり、上記残りの主走査線は、少なくとも上記間隙がある主走査方向範囲をカバーする主走査方向範囲を走査するとよい。
また、上記の各光走査装置において、上記一部の主走査線が分布する第1副走査範囲と、上記残りの主走査線が分布する第2副走査範囲とが、その光走査装置の外部において少なくとも一部重なるとよい。
さらに、上記調整部が、上記一部の主走査線を形成する光ビームと、上記残りの主走査線を形成する光ビームとのうち一方又は両方を、上記第1副走査範囲と上記第2副走査範囲とが近づく方向へ屈折させる第3光学素子を備えるとよい。
さらに、上記光ビームが上記一部の主走査線を形成する期間と上記光ビームが上記残りの主走査線を形成する期間との境界付近の所定期間、上記光ビームを消灯する第2境界制御部を設けるとよい。
さらに、上記調整部が、上記一部の主走査線を形成する光ビームと、上記残りの主走査線を形成する光ビームとのうち一方又は両方を、上記第1副走査範囲と上記第2副走査範囲とが近づく方向へ屈折させる第3光学素子を備えるとよい。
さらに、上記光ビームが上記一部の主走査線を形成する期間と上記光ビームが上記残りの主走査線を形成する期間との境界付近の所定期間、上記光ビームを消灯する第2境界制御部を設けるとよい。
また、上記の各光走査装置において、上記走査部から出射される光ビームの上記主走査方向の位置と、その位置を通過する光ビームが上記調整部による調整後に進む方向との対応関係を取得する取得部と、上記走査部から出射される光ビームの上記主走査方向の位置と、上記取得部が取得した対応関係とに基づき、上記光ビームの点滅周期を制御する周期制御部を設けるとよい。
あるいは、上記走査部から出射される光ビームの上記主走査方向の位置と、その位置を通過する光ビームが上記調整部による調整後に進む方向との対応関係を、上記走査部から出射される光ビームの副走査方向の位置と対応付けて取得する取得部と、上記走査部から出射される光ビームの上記主走査方向の位置及び上記副走査方向の位置と、上記取得部が取得した対応関係とに基づき、上記光ビームの点滅周期を制御する周期制御部を設けるとよい。
これらの光走査装置において、上記周期制御部が、上記調整部による調整後の各主走査線上の光点分布がそれぞれ等間隔になるように上記点滅周期を制御するとよい。
また、上記走査部が、第1回転軸を中心に第1ミラーを往復回転運動させる第1アクチュエータと、上記第1回転軸と異なる第2回転軸を中心に第2ミラーを回転運動させる第2アクチュエータとを備え、光ビームを上記第1ミラー及び上記第2ミラーで反射した後で出力し、上記第1ミラーの向きの変化に応じて上記主走査線が形成され、上記周期制御部が、上記第1ミラーの回転速度を検出し、その回転速度にも基づき、上記光ビームの点滅周期を制御するとよい。
また、上記走査部が、第1回転軸を中心に第1ミラーを往復回転運動させる第1アクチュエータと、上記第1回転軸と異なる第2回転軸を中心に第2ミラーを回転運動させる第2アクチュエータとを備え、光ビームを上記第1ミラー及び上記第2ミラーで反射した後で出力し、上記第1ミラーの向きの変化に応じて上記主走査線が形成され、上記周期制御部が、上記第1ミラーの回転速度を検出し、その回転速度にも基づき、上記光ビームの点滅周期を制御するとよい。
また、この発明の物体検出装置は、上記のいずれかの光走査装置と、受光素子と、外部から入射する入射光を導光し、上記光走査装置による光ビームの投光と同じ光軸で上記受光素子へ導く光学系と、上記光ビームの投光タイミング及び投光方向と、上記受光素子が出力する光検出信号のタイミングとに基づき、上記光ビームの光路上の物体までの距離及びその物体がある方向を検出する物体検出部とを設けたものである。上記光ビームがレーザビームであるとよい。
また、以上説明した各発明は、その説明した態様のみならず、装置、システム、方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体等、任意の態様で実施することができる。
以上のような本発明によれば、光ビームの投光方向を周期的に変動させる走査を行う場合において、小型かつ低コストの構成で広い走査範囲の走査を行うことができる。
この発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態(図1乃至図12)〕
まず、この発明の第1実施形態である物体検出装置10の全体構成について、図1を用い、主な構成要素をその機能に注目して区分して説明する。図1は、物体検出装置の主な構成要素をその機能に注目して区分して示すブロック図である。
〔第1実施形態(図1乃至図12)〕
まず、この発明の第1実施形態である物体検出装置10の全体構成について、図1を用い、主な構成要素をその機能に注目して区分して説明する。図1は、物体検出装置の主な構成要素をその機能に注目して区分して示すブロック図である。
物体検出装置10は、レーザビームを外部へ投光すると共に、外部の物体で反射されて戻ってくるレーザビームを検出し、その投光方向及び投光タイミングと反射光の検出タイミングとの差に基づき、レーザビームの光路上にある物体までの距離及びその物体がある方向を検出する装置である。この物体検出装置10は、図1に示すように、投光部20、走査部30、受光部40、フロントエンド回路51、TDC(時間−デジタル変換器:Time-to-Digital Converter)52、プロセッサ53、入出力部54、調整部60を備える。
これらのうち投光部20は、レーザビームを外部へ投光するためのモジュールであり、LD(レーザダイオード)モジュール21、レーザ駆動回路22、投光光学系23を備える。
LDモジュール21は、レーザ駆動回路22から印加される駆動信号に応じてレーザ光を出力するレーザ光源である。ここでは、複数の発光点を備えるものを用い、出力の強度を高めている。これ以外に、パルスレーザダイオードという半導体レーザで、出力強度を高めるために、発光端面の広いストライプ構造を用いることも考えられる。このストライプ構造は広がり光源になり、物理的な複数発光点と同義となる。また、逆に、発光点が1つであってもよい。レーザ光の波長に特に制約はないが、たとえば近赤外光のレーザ光を用いることが考えられる。レーザ光は、光ビームの一例である。
レーザ駆動回路22は、プロセッサ53から供給されるパラメータに従ったタイミングでLDモジュール21を点灯させるための駆動信号を生成し、LDモジュール21に印加するための回路である。LDモジュール21の点灯は、パルス波により間欠的に行う。
LDモジュール21は、レーザ駆動回路22から印加される駆動信号に応じてレーザ光を出力するレーザ光源である。ここでは、複数の発光点を備えるものを用い、出力の強度を高めている。これ以外に、パルスレーザダイオードという半導体レーザで、出力強度を高めるために、発光端面の広いストライプ構造を用いることも考えられる。このストライプ構造は広がり光源になり、物理的な複数発光点と同義となる。また、逆に、発光点が1つであってもよい。レーザ光の波長に特に制約はないが、たとえば近赤外光のレーザ光を用いることが考えられる。レーザ光は、光ビームの一例である。
レーザ駆動回路22は、プロセッサ53から供給されるパラメータに従ったタイミングでLDモジュール21を点灯させるための駆動信号を生成し、LDモジュール21に印加するための回路である。LDモジュール21の点灯は、パルス波により間欠的に行う。
投光光学系23は、LDモジュール21が出力するレーザ光を近似的な平行光のビームにするための光学系であり、この実施形態では、LDモジュール21が備える複数の発光点の中心に焦点が位置する凸レンズによるコリメートレンズを用いている。
なお、投光光学系23により形成されたレーザビームL1は、受光部40のミラー41の透孔41aを通過し、走査部30のミラー31a及びミラー32aにより反射されて走査ビームL2aとなり、さらに調整部60のプリズム61,62又は透明板63により進行方向を調整されて、出射光L2として物体検出装置10の外部へ出力される。
図1及び図2では、図を直感的に分かりやすくするため、レーザビームL1がミラー32a→ミラー31aの順で反射されるように記載しているが、実際には、図5を用いて後述するようにミラー31a→ミラー32aの順で反射される。いずれにせよ、反射の順がどちらであるかは本質的ではなく、いずれの順も任意に採用可能である。
なお、投光光学系23により形成されたレーザビームL1は、受光部40のミラー41の透孔41aを通過し、走査部30のミラー31a及びミラー32aにより反射されて走査ビームL2aとなり、さらに調整部60のプリズム61,62又は透明板63により進行方向を調整されて、出射光L2として物体検出装置10の外部へ出力される。
図1及び図2では、図を直感的に分かりやすくするため、レーザビームL1がミラー32a→ミラー31aの順で反射されるように記載しているが、実際には、図5を用いて後述するようにミラー31a→ミラー32aの順で反射される。いずれにせよ、反射の順がどちらであるかは本質的ではなく、いずれの順も任意に採用可能である。
次に、走査部30は、投光部20により出力されるレーザビームを偏向して、所定の視野(FOV:Field of View)内を走査させるためのモジュールである。走査部30は、アクチュエータ31とアクチュエータ32とを備える。
この例では、アクチュエータ31は、特許第6521551号公報に記載のような、ミラー31aを、直線状の突起部を有するねじりばねの一方の面に、突起部を跨ぐように固定し、ねじりばね302の他方の面側に配置された永久磁石及びコイルの作用により、ねじりばねの突起部の略中心に位置する回転軸(第1軸)を中心に回転し、所定の角度範囲を往復運動させるものである。また、アクチュエータ32は、軸の一端に力を加えることにより軸の他端に取り付けられたミラー32aを、この軸(第2軸)を中心に回転させる、公知のガルバノミラーである。しかし、アクチュエータ31,32の構成はこれらに限られるものではない。
この例では、アクチュエータ31は、特許第6521551号公報に記載のような、ミラー31aを、直線状の突起部を有するねじりばねの一方の面に、突起部を跨ぐように固定し、ねじりばね302の他方の面側に配置された永久磁石及びコイルの作用により、ねじりばねの突起部の略中心に位置する回転軸(第1軸)を中心に回転し、所定の角度範囲を往復運動させるものである。また、アクチュエータ32は、軸の一端に力を加えることにより軸の他端に取り付けられたミラー32aを、この軸(第2軸)を中心に回転させる、公知のガルバノミラーである。しかし、アクチュエータ31,32の構成はこれらに限られるものではない。
走査部30は、ミラー31aの向きにより走査ビームL2aの主走査方向の向きを制御し、ミラー32aの向きにより走査ビームL2aの副走査方向の向きを制御する。
このことにより、走査ビームL2aは、所定の走査範囲100′内に、ミラー31aの回転に応じて主走査方向(Horizontal)走査線101aを形成し、ミラー32aの回転に応じて副走査方向(Vertical)走査線101bを形成すると共に、副走査方向の走査位置が調整される。
このことにより、走査ビームL2aは、所定の走査範囲100′内に、ミラー31aの回転に応じて主走査方向(Horizontal)走査線101aを形成し、ミラー32aの回転に応じて副走査方向(Vertical)走査線101bを形成すると共に、副走査方向の走査位置が調整される。
LDモジュール21は間欠的に点灯させるので、実際には走査線101a,101bは連続した線ではなく光点(ビームスポット)の集合となる。
以上の走査ビームL2aは、その進行方向に応じた位置で、調整部60のプリズム61,62又は透明板63に入射し、その屈折作用によって進行方向を調整されて出射光L2となる。出射光L2は、相対的に広い角度範囲の領域である第1走査範囲110と、第1走査範囲110より狭い角度範囲の領域である第2走査範囲120とを含む所定の走査範囲100内に、走査線を形成する。プリズム61,62及び透明板63の構成及び機能と、形成される走査線の構成については、図2乃至図4を用いて後述する。
以上の投光部20、走査部30及び調整部60が、光走査装置を構成する。
以上の走査ビームL2aは、その進行方向に応じた位置で、調整部60のプリズム61,62又は透明板63に入射し、その屈折作用によって進行方向を調整されて出射光L2となる。出射光L2は、相対的に広い角度範囲の領域である第1走査範囲110と、第1走査範囲110より狭い角度範囲の領域である第2走査範囲120とを含む所定の走査範囲100内に、走査線を形成する。プリズム61,62及び透明板63の構成及び機能と、形成される走査線の構成については、図2乃至図4を用いて後述する。
以上の投光部20、走査部30及び調整部60が、光走査装置を構成する。
次に、受光部40は、物体検出装置10の外部から入射する光を検出するためのモジュールであり、ミラー41、集光レンズ42、受光素子43、アパーチャー44を備える。この受光部40により検出したい光は、物体検出装置10から投光され外部の物体により反射されて戻ってくるレーザビームである。レーザビームは、物体面において乱反射されるが、そのうち投光時の光路と逆向きに反射された成分のみが、戻り光L3として物体検出装置10に戻る。物体検出装置10に入射したこの戻り光L3は、出射光L2とほぼ同じ経路を逆向きに進み、戻り光L4としてミラー41に到達する。
ミラー41は、投光部20から出力されるレーザビームを通過させるための透孔41aを備えると共に、戻り光L4を受光素子43へ導くための固定のミラーである。ミラー41の位置において、戻り光L4はレーザビームL1に比べると広がりが大きいため、透孔41aよりも広い範囲でミラー41に当たり、透孔41a以外の位置に当たる成分が、受光素子43へ向けて反射される。
集光レンズ42は、ミラー41で反射された戻り光L4を集光して所定の焦点面上に結像させる集光光学部材である。
受光素子43は、所定の受光面上に当たった光の強度に応じた検出信号を出力する光検出素子である。受光素子として例えばシリコンフォトマルチプライヤー(SiPM)を用いることができるが、これに限られることはない。
アパーチャー44は、集光レンズ42の焦点面上に配置され、開口部以外の光を遮光することにより、外乱光が受光素子43に入射することを防止する。
以上のうちミラー41、集光レンズ42及びアパーチャー44が、受光光学系を構成する。
受光素子43は、所定の受光面上に当たった光の強度に応じた検出信号を出力する光検出素子である。受光素子として例えばシリコンフォトマルチプライヤー(SiPM)を用いることができるが、これに限られることはない。
アパーチャー44は、集光レンズ42の焦点面上に配置され、開口部以外の光を遮光することにより、外乱光が受光素子43に入射することを防止する。
以上のうちミラー41、集光レンズ42及びアパーチャー44が、受光光学系を構成する。
次に、フロントエンド回路51は、受光素子43が出力する検出信号を、TDC52でのタイミング検出に適した波形に整形する回路である。
TDC52は、レーザ駆動回路22から供給される駆動信号と、フロントエンド回路51から供給される整形後の検出信号とに基づき、出射光となるレーザビームL1の点灯パルスのタイミングt0と、これと対応する戻り光L4のパルスのタイミングt1との時間差を示すデジタル出力を形成する回路である。
TDC52は、レーザ駆動回路22から供給される駆動信号と、フロントエンド回路51から供給される整形後の検出信号とに基づき、出射光となるレーザビームL1の点灯パルスのタイミングt0と、これと対応する戻り光L4のパルスのタイミングt1との時間差を示すデジタル出力を形成する回路である。
出射光のパルスと、戻り光のパルスでは、光が光路上の物体に到達して戻ってくるのに要する時間だけの時間差があるので、その時間差Δtに基づき、物体検出装置10から物体までの距離sを、s=c(Δt)/2として求めることができる。cは光速である。なお、上記sは、正確には物体から受光素子43までの光路長である。
プロセッサ53は、図1に示した各部の動作を制御する制御部である。CPU、ROM、RAM等を備え、ソフトウエアを実行する汎用のコンピュータにより構成してもよいし、専用のハードウエアにより構成してもよいし、それらの組み合わせであってもよい。プロセッサ53は例えば、TDC52からの出力信号に基づく物体までの距離の算出、戻り光の検出時点での走査部30による走査のタイミング(出射光L2の投光方向)に基づく物体のある方向の算出を行う。また、後に詳述するが、走査部30におけるミラー31a,32aの向きに応じたLDモジュール21の点灯間隔の制御も行う。
入出力部54は、外部との間の情報の入出力を行うモジュールである。ここでいう情報の入出力には、外部の装置との間での有線あるいは無線による通信、ボタンやタッチパネル等を用いたユーザからの操作の受け付け、ディスプレイ、ランプ、スピーカ、バイブレータ等を用いたユーザへの情報の提示を含む。入出力部54が外部へ出力すべき情報としては、例えば、検出した物体に関する情報(距離や方向の生データでも、それらに基づき所定のサイズ、位置、移動速度等の物体を検出したことを示す情報でもよい)、物体検出装置10の動作状態や設定状態に関する情報が考えられる。入出力部54が外部から入力を受け付けるべき情報としては、例えば、物体検出装置10の動作の設定に関する情報が考えられる。
入出力部54による通信の相手としては、例えば自動運転システムを備えた自動車やドローンなどの移動体が考えられる。物体検出装置10が検出した物体の情報を自動運転システムに供給すれば、自動運転システムは、その情報を参照し、検出した物体を回避するような走行ルートを計画することができる。
なお、この発明を、物体検出装置10と、その通信相手の自動車やドローン、航空機等の装置とを含むシステムとして実施することも考えられる。
なお、この発明を、物体検出装置10と、その通信相手の自動車やドローン、航空機等の装置とを含むシステムとして実施することも考えられる。
次に、プリズム61,62及び透明板63の構成及び機能と、出射光L2により形成される走査線の構成について、図2乃至図4を用いて説明する。
図2は、プリズム61,62を通過する走査ビームL2aの光路を模式的に示す図である。図3は、プリズム61,62及び透明板63の構成及びこれらを通過する走査ビームL2aの光路を示す、模式的な斜視図である。図4は、プリズム61,62及び透明板63を通過した出射光L2により形成される走査線の構成を示す図である。なお、図3においてミラー31aの図示は省略し、ミラー32a以降の光路を示している。図3及び図4においては、プリズム61,62を通過する光路及び走査線を破線で、透明板63を通過する光路及び走査線を実線で示している。
図2は、プリズム61,62を通過する走査ビームL2aの光路を模式的に示す図である。図3は、プリズム61,62及び透明板63の構成及びこれらを通過する走査ビームL2aの光路を示す、模式的な斜視図である。図4は、プリズム61,62及び透明板63を通過した出射光L2により形成される走査線の構成を示す図である。なお、図3においてミラー31aの図示は省略し、ミラー32a以降の光路を示している。図3及び図4においては、プリズム61,62を通過する光路及び走査線を破線で、透明板63を通過する光路及び走査線を実線で示している。
図2に示すように、アクチュエータ32は、ミラー32aに往復回転運動をさせつつレーザビームL1を反射させることにより、走査角ψの範囲を主走査方向に走査する走査ビームL2aを形成する。走査ビームL2aの副走査方向の位置はミラー31aの角度により調整されるが、走査角ψは、副走査方向の位置によらず一定である。
一方、プリズム61,62はそれぞれ、少なくとも走査ビームL2aが入射する面と出射光L2が出射する面が平面であり、それらの面は頂角θをなしている。この実施形態においては、説明をわかりやすくするため、プリズム61,62は、その境界が走査角ψのちょうど中間に来るように、かつ、ミラー31aがレーザビームL1を反射する位置と、当該境界とを通る面69に対して対称になるように配置した例について説明する。しかし、このような配置は必須ではない。
そして、プリズム61は、走査ビームL2aの主走査線の一端側(図2で右側)に配置される第1光学素子であり、主走査方向の入射位置に応じて走査ビームL2aの入射角が異なることに起因して、プリズム61に入射する第1主走査範囲のビームを、主走査線の一端側に近い位置に入射するビームほど大きく、該一端側へ屈折させるように配置されている。
プリズム62は、走査ビームL2aの主走査線の他端側(図2で左側)に配置される第2光学素子であり、主走査方向の入射位置に応じて走査ビームL2aの入射角が異なることに起因して、プリズム62に入射する第2主走査範囲のビームを、主走査線の他端側に近い位置に入射するビームほど大きく、該他端側へ屈折させるように配置されている。
図2において、α及びβは、プリズム61,62を通過した出射光L2の光路が、プリズム61,62の境界を通る光路(面69)に対して何度傾いているかを示す。図2からわかるように、出射光L2は、約2βの走査角の範囲を走査することになる。
例えば、屈折率nd=1.8で頂角θ=23°のプリズム61,62を用いると、走査ビームL2aの走査角度(ミラー31aの回転角度)ψ=45°に対し、出射光L2の走査角2βとして、最大で約100°を実現可能である。すなわち、アクチュエータ31の回転可能範囲の2倍程度の角度範囲を走査することができる。
例えば、屈折率nd=1.8で頂角θ=23°のプリズム61,62を用いると、走査ビームL2aの走査角度(ミラー31aの回転角度)ψ=45°に対し、出射光L2の走査角2βとして、最大で約100°を実現可能である。すなわち、アクチュエータ31の回転可能範囲の2倍程度の角度範囲を走査することができる。
ねじりばねを用いたアクチュエータ31は、小型で高速な回転が可能であるが、ねじりばねの可動範囲の制約から、回転角をあまり大きくできないという制約がある。しかし、プリズム61,62を用いることにより、その制約を超えた広い範囲の走査が可能になると言える。
なお、プリズム61,62は、プリズム61の対称軸61aとプリズム62の対称軸62aとが一直線状に並ぶように配置する必要はなく、また、各対称軸61a,62aが面69と直交している必要もない。走査ビームL2aの入射側が出射光L2の出射側に比べて狭かったり、逆に広かったりしてもよい。ψの値が共通でも、プリズム61,62の配置角度によって、αやβの値は異なる。もちろん、プリズムの屈折率ndや頂角θによっても、ψとα及びβとの関係は異なる。
ところで、図2において、プリズム61は走査ビームL2aを図で右方向へ、プリズム62は走査ビームL2aを図で左方向へ屈折させるため、走査ビームL2aがプリズム61とプリズム62の境界付近を通過するときには、出射光L2の進行方向が急激に変化することになる。また、プリズム61とプリズム62の境界で走査ビームL2aが乱反射されることも考えられる。
この点を考慮して、物体検出装置10は、走査の乱れに起因するノイズを避けるため、走査ビームL2aがプリズム61とプリズム62の境界付近を通過する間、例えば図2における2本の破線の光路の間では、LDモジュール21を消灯する。
このため、図3及び図4に示すように、プリズム61,62を通過する出射光L2により第1走査範囲110に形成される主走査線111aには、プリズム61を通過する光ビームによる第1部分主走査線111a1とプリズム62を通過する光ビームによる第2部分主走査線111a2の間の、走査範囲の中央付近の約2αの走査角の範囲に間隙が生じ、この部分は走査できないデッドゾーン111cとなる。
このため、図3及び図4に示すように、プリズム61,62を通過する出射光L2により第1走査範囲110に形成される主走査線111aには、プリズム61を通過する光ビームによる第1部分主走査線111a1とプリズム62を通過する光ビームによる第2部分主走査線111a2の間の、走査範囲の中央付近の約2αの走査角の範囲に間隙が生じ、この部分は走査できないデッドゾーン111cとなる。
物体検出装置10においては、このデッドゾーン111cの影響を緩和するために、走査ビームL2aによる副走査範囲の一部に透明板63を設けている。
この透明板63は、光線の方向を変更する屈折パワーを有さず、走査ビームL2aをそのまま通過させて、出射光L2として出射させる。この出射光L2により、第2走査範囲120には、走査範囲100′と同じく走査角ψの範囲に、主走査線121aが形成され、こちらには中央付近にデッドゾーンが生じない。この主走査線121aは、少なくとも、デッドゾーン111cの主走査方向範囲をカバーするような主走査方向範囲を持つことが好ましい。
この透明板63は、光線の方向を変更する屈折パワーを有さず、走査ビームL2aをそのまま通過させて、出射光L2として出射させる。この出射光L2により、第2走査範囲120には、走査範囲100′と同じく走査角ψの範囲に、主走査線121aが形成され、こちらには中央付近にデッドゾーンが生じない。この主走査線121aは、少なくとも、デッドゾーン111cの主走査方向範囲をカバーするような主走査方向範囲を持つことが好ましい。
このようにすると、走査範囲100の全体で見れば、第1走査範囲110が持つ広い走査角の全体において、副走査方向のいずれかの位置では走査が可能であることになる。比較的副走査方向に長い物体を検出する場合や、走査範囲100のサイズに対して比較的大きいサイズの物体を検出すればよい場合などは、その物体の主走査方向位置を、副走査方向の一部の範囲の走査線でカバーできれば、検出に支障はない。このため、デッドゾーン111cがあったり、第2走査範囲120においては走査角が狭かったりしても、この点は大きな問題とならず、全体として約2βの広い走査範囲が得られることによる効果を享受できる。例えば、大きな物体を検出して回避すればよい場合等である。
なお、走査ビームL2aがプリズム61,62と透明板63との境界付近を通過する期間にも、物体検出装置10は、プリズム61とプリズム62の境界の場合と同様な理由により、LDモジュール21を消灯する。あるいは、境界付近において、1走査線当たりのアクチュエータ32の回転量を大きくして、境界をスキップする。いずれにしても、第1走査範囲110と第2走査範囲120との間には、副走査方向にある程度の間隔が生じる。
また、物体検出装置10においては、図4に示すように、第1走査範囲110では、第2走査範囲120に比べて、主走査線上に形成される光点101がまばらになるようにしている。第1走査範囲110の方が第2走査範囲120に比べて主走査方向の角度範囲が大きいため、同じ密度で光点101を配置しようとすると、点灯間隔をより短く、点灯制御の周波数をより大きくする必要がある。しかし、小型化を考慮した場合、点灯制御の周波数を上げると、放熱の問題や、LDモジュール21の寿命、出射されるレーザの対眼安全性等の問題が生じることが考えられる。そこで、これらの問題を避けるため、第1走査範囲110においても、LDモジュール21の点灯周期は第2走査範囲120と同程度として、光点101の分布がまばらであることを許容することにより、小型でも安全かつ信頼性の高い光走査を実現することができる。
また、調整部60において、透明板63の部分は、光学的パワーを持たないため、何も設けなくても構わない。また、副走査方向の全長に亘ってプリズム61,62を設ける構成も妨げられない。この構成では、デッドゾーン111cの主走査範囲を主走査線121aにより補うことができないが、主走査方向の一部範囲の走査ができなくても問題ない場合には、この構成でも、走査範囲拡大の効果自体は享受できる。
また、2つのプリズム61,62を用いることは必須ではなく、走査ビームL2aが主走査方向の全長に亘って入射する1つのプリズムを用いることも考えられる。プリズム61,62を用いる場合に比べ、走査範囲拡大の効果は落ちるが、プリズムへのビームの入射角に応じて、屈折により生じる入射と出射との角度差が異なるため、その角度差の変化分だけ、走査ビームL2aに比べ出射光L2の走査範囲を拡大することが可能である。1つのプリズムを用いる場合には、デッドゾーンも生じない。
また、プリズム61,62に代えて、走査ビームL2aが入射する面と出射光L2が出射する面の少なくとも一方が曲面である凹レンズを用いても、走査ビームL2aの進行方向を広げ出射光L2の走査範囲を拡大すること自体は可能である。しかし、ビームが曲面を通過すると収差が生じて光点101がぼやけてしまい、反射光が検出しにくくなる。複数のレンズを組み合わせることにより収差を補正することもできるが、そうするとサイズやコストの増加につながる。しかし、この点が障害とならなければ、凹レンズも採用可能である。ビームが通過する面が平面のみであるプリズム61,62であれば、収差は生じず、このような問題はない。
次に、物体検出装置10の概略の構造について、図5を用いて説明する。図5は、物体検出装置10の主な構成要素の構造を示す分解斜視図である。
物体検出装置10は、図5に示すように、トップカバー71とリアカバー72を、2つのカバークリップ73,73により結合した外装を備える。また、トップカバー71は、走査ビームL2aを通過させるための窓を備え、その窓には塵の侵入を防ぐための、走査ビームL2aの波長において透明な保護材74が嵌められている。
物体検出装置10は、図5に示すように、トップカバー71とリアカバー72を、2つのカバークリップ73,73により結合した外装を備える。また、トップカバー71は、走査ビームL2aを通過させるための窓を備え、その窓には塵の侵入を防ぐための、走査ビームL2aの波長において透明な保護材74が嵌められている。
また、窓の外側に設けられた窪み75に、プリズム61,62及び透明板63を一体に形成した光学部材である調整部60が装着されている。窓を通過した走査ビームL2aがさらにこの調整部60を通過することにより、主走査線111a,121aを含む出射光L2となる。調整部60は、接着等によりトップカバー71に固定してもよいし、着脱可能としてもよい。着脱可能とすれば、広範囲の走査が必要な場合に調整部60を装着し、デッドゾーン111cのない走査が必要な場合に調整部60を取り外す等して、走査範囲を容易に変更することができる。
これらの筐体の内側に、図1に示した調整部60以外の各構成要素が格納されている。ミラー45は、図1には示していないが、ミラー41と集光レンズ42の間にあって戻り光L4の向きを変えるための光学素子である。レーザ駆動回路22、プロセッサ53等の回路やモジュール間の配線は、図を見やすくするため図5では図示を省略している。
次に、図6を用いて、アクチュエータ31の詳細な構成について説明する。
図6は、アクチュエータ31の、ミラー31aの回転軸に垂直な面かつコイルのコア311の位置での模式的な断面図である。
図6に示すように、アクチュエータ31においては、ミラー31aが、直線状の突起部302cと平面部302bとを有するねじりばね302の一方の面に、ホルダ323を介して突起部302cを跨ぐように固定され、ねじりばね302の端部(図6で奥側と、図に表れない手前側)にある平面部302aを支持部材としてのトップヨーク314に固定されている。そして、ねじりばね302の他方の面側に、N極321nとS極321sとが突起部302cを跨ぐように配置された永久磁石321が固定されている。
図6は、アクチュエータ31の、ミラー31aの回転軸に垂直な面かつコイルのコア311の位置での模式的な断面図である。
図6に示すように、アクチュエータ31においては、ミラー31aが、直線状の突起部302cと平面部302bとを有するねじりばね302の一方の面に、ホルダ323を介して突起部302cを跨ぐように固定され、ねじりばね302の端部(図6で奥側と、図に表れない手前側)にある平面部302aを支持部材としてのトップヨーク314に固定されている。そして、ねじりばね302の他方の面側に、N極321nとS極321sとが突起部302cを跨ぐように配置された永久磁石321が固定されている。
また、駆動コイル316が、その一端が永久磁石321と対向するように、強磁性体によるコア311に巻き回されて配置されている。同じコア311を用いて、センシングコイル317も設けられている。枠ヨーク312とトップヨーク314が、これらのコイルを囲む磁性体による外装を形成する。また、外装に覆われない位置に、駆動コイル316へ駆動信号を印加するための端子と、センシングコイル317に発生する信号を出力するための端子が設けられている。
駆動コイル316に通電し、例えば永久磁石321と対向する側の端部がN極となると、永久磁石321のS極321sが駆動コイル316に引き寄せられる。それに応じてねじりばね302は回転軸304を中心に時計回りに回転してねじれ、ミラー31aも、回転軸304を中心に時計回りに回転する。そして、駆動コイル316と永久磁石321の間に生じる磁力と、ねじりばね302の復元力とが釣り合う位置で回転が止まる。駆動コイル316に流す電流の強さを変えることにより、この回転の速さと停止位置を調整可能である。駆動コイル316への通電方向を逆向きにすると、ねじりばね302及びミラー31aは同様に反時計回りに回転する。
駆動コイル316に印加する駆動信号の電圧又は電流の向きを定期的に反転させることにより、図6に矢印Vで示すようにミラー31aに上記の時計回り及び反時計回りの回転を交互に行わせ、回転軸304の廻りを所定の角度範囲で回転する往復運動(揺動)をさせることができる。
次に、図7乃至図9を用いて、アクチュエータ31による揺動動作の特性について説明する。図7は、ミラー31aの走査角と走査角速度の絶対値との関係を示すグラフ、図8は、LDモジュール21の駆動信号の例を示す図、図9は、走査線上に形成される走査ビームL2aによる光点の例を示す図である。
発明者らの実験により、アクチュエータ31により揺動されるミラー31aの移動速度は一定ではないことがわかっている。ミラー31aは揺動経路の端部では停止し、他の部分では動いているので、移動速度に変動があるのは明らかだが、その速度は、図7に示すように、概ね揺動経路の端部に行くほど遅く、中央部に行くほど速くなっている。反時計回りに回転する際も時計回りに回転する際も、移動の向きが異なるのみで、同じ位置であれば速さはほぼ等しい。
そこで、図7では、揺動経路上の位置(回転角により表現し、「走査角」と呼ぶことにする)を横軸に、その位置での角速度の絶対値を縦軸に取って速度の変化を図示している。
このようにミラー31aの回転速度に変動があるため、図8に示すような等間隔のパルスを有する駆動信号drv1によりLDモジュール21を駆動すると、走査ビームL2aによる走査線100a上には、図9に示すように光点101が形成されることになる。すなわち、主走査方向の中央部では粗く、端部では細かく分布する光点が形成される。このため、物体の検出分解能も、中央部では端部よりも粗くなってしまう。
このようにミラー31aの回転速度に変動があるため、図8に示すような等間隔のパルスを有する駆動信号drv1によりLDモジュール21を駆動すると、走査ビームL2aによる走査線100a上には、図9に示すように光点101が形成されることになる。すなわち、主走査方向の中央部では粗く、端部では細かく分布する光点が形成される。このため、物体の検出分解能も、中央部では端部よりも粗くなってしまう。
次に、出射光L2について考えると、透明板63を通過する部分については、走査線121a上の光点分布は図9と同様であるが、プリズム61,62を通過する部分については、プリズム61,62の影響を受けることになる。
図10に、ミラー31aにより反射されプリズム61,62に入射する走査ビームL2aの進行方向ω1と、プリズム61,62通過後の出射光L2の進行方向ω2との関係を示す。各軸の値は、図2の面69とω1,ω2とがなす角を、面69から見て反時計回りをプラスの角度として表している。
図10に、ミラー31aにより反射されプリズム61,62に入射する走査ビームL2aの進行方向ω1と、プリズム61,62通過後の出射光L2の進行方向ω2との関係を示す。各軸の値は、図2の面69とω1,ω2とがなす角を、面69から見て反時計回りをプラスの角度として表している。
図10において、ω1とω2がプラスの部分が、プリズム61を通るビームに、ω1とω2がマイナスの部分が、プリズム62を通るビームにそれぞれ該当する。ω1の絶対値が最大の箇所が、走査ビームL2aの主走査方向端部と対応し、ω1がゼロ付近の線が途切れている部分は、主走査方向中央部のデッドゾーン111cに対応する。そして、各タイミングにおける出射光L2の進行方向ω2は、ミラー31aの角度によって規定される各タイミングのω1を、図10の関係に従って換算した方向となる。
ω1とω2の関係はプリズム61,62の屈折率nd及び頂角θや、配置角度によって異なるが、一般には、図10に示すように、単純な線形関係にはならない。また、この実施形態においては、ω1の変化速度よりもω2の変化速度の方が大きく、かつω1の絶対値が大きくなるほど(主走査方向端部に近いほど)ω2の変化速度が大きい。
このようなω1とω2の関係を予め測定して求めておくことは可能である。従って、測定で得た対応関係やその近似式を制御回路から参照できるようにしておき、かつ、各タイミングのω1を取得できるようにすれば、物体検出装置10は、走査中にリアルタイムでω2の値を求めることができる。
このようなω1とω2の関係を予め測定して求めておくことは可能である。従って、測定で得た対応関係やその近似式を制御回路から参照できるようにしておき、かつ、各タイミングのω1を取得できるようにすれば、物体検出装置10は、走査中にリアルタイムでω2の値を求めることができる。
物体検出装置10には、以上のアクチュエータ31による揺動動作の特性と、プリズム61,62の特性とを考慮して、出射光L2による各主走査線111a,121a上に光点101がそれぞれ等間隔で分布するように、LDモジュール21の駆動信号のパルスの間隔を制御する機能を設けている。なお、主走査線111a上と主走査線121a上とで光点101の間隔が異なってよいことは、上述の通りである。
次に、図11を用いて、この制御を行う制御回路の動作及び機能について説明する。図11は、その制御回路及び周辺回路の構成を示す図である。
図11に示す制御回路351は、周期制御部に該当し、大きく分けて、アクチュエータ31,32の駆動制御、ミラー31aの回転速度の検出、及びLDモジュール21の点灯間隔の制御に関する動作を行う。
図11に示す制御回路351は、周期制御部に該当し、大きく分けて、アクチュエータ31,32の駆動制御、ミラー31aの回転速度の検出、及びLDモジュール21の点灯間隔の制御に関する動作を行う。
まず、アクチュエータ31,32の駆動制御については、制御回路351は、駆動信号生成回路352に対し、アクチュエータ31に実行させる走査の範囲や周期の値を設定する。駆動信号生成回路352は、その設定された値に従い、適当な周期で変動する電圧の、適当なレベルの駆動信号353を生成してアクチュエータ31の駆動コイル316に印加する。このことにより、図6を用いて説明したように、アクチュエータ31にミラー31aを揺動させることができる。
また、制御回路351は、アクチュエータ31が揺動範囲の端部に到達するタイミングで、アクチュエータ32を副走査方向へ主走査線の間隔分だけ回転させるための駆動信号を生成し、アクチュエータ32へ出力する。アクチュエータ32が副走査方向の端部に到達すると、制御回路351は、アクチュエータ32の回転方向を反転させて、次のフレームの走査を行う。この場合、ミラー32aは往復回転運動をする。
次に、ミラー31aの回転速度の検出については、検出回路354が、アクチュエータ31のセンシングコイル317に生じる誘導電圧を検出し、ADC(アナログデジタルコンバータ)355がリアルタイムでその電圧をデジタル値に変換し、その値を差分算出部357によって補正して制御回路351に供給する。制御回路351は、その電圧値に基づき、ミラー31aの回転速度を算出する。センシングコイル317の巻数は、駆動コイル316と同じで、駆動コイル316と逆巻きにするとよいが、これに限られることはない。
ここで、ミラー31aを揺動させる際、センシングコイル317には、2種類の要因による誘導起電力が発生する。
1つめの要因は、駆動コイル316に印加される駆動信号の電圧変動によって駆動コイル316が発生する磁界の強さ及び向きが変動することによる誘導起電力である。
2つ目の要因は、永久磁石321が揺動することによって生じる磁界の強さの変動による誘導起電力である。永久磁石321が図6を用いて説明したように揺動する場合、それによってセンシングコイル317内に生じる磁界の強さの変動速度は、概ね永久磁石321の回転角速度に比例すると考えることができる。永久磁石321の回転角速度は、すなわちミラー31aの回転角速度でもあるので、2つめの要因で生じる誘導起電力の強さは、ミラー31aの回転角速度に比例すると考えることができる。
1つめの要因は、駆動コイル316に印加される駆動信号の電圧変動によって駆動コイル316が発生する磁界の強さ及び向きが変動することによる誘導起電力である。
2つ目の要因は、永久磁石321が揺動することによって生じる磁界の強さの変動による誘導起電力である。永久磁石321が図6を用いて説明したように揺動する場合、それによってセンシングコイル317内に生じる磁界の強さの変動速度は、概ね永久磁石321の回転角速度に比例すると考えることができる。永久磁石321の回転角速度は、すなわちミラー31aの回転角速度でもあるので、2つめの要因で生じる誘導起電力の強さは、ミラー31aの回転角速度に比例すると考えることができる。
相互誘導電圧パターン記憶部356及び差分算出部357は、以上のうち1つめの要因による誘導起電力分の値をADC355の出力から差し引くために設けたものである。
すなわち、相互誘導電圧パターン記憶部356は、アクチュエータ31において、永久磁石321を取り外した状態で駆動信号を駆動コイル316に印加した場合に相互誘導によりセンシングコイル317に生じる誘導電圧の電圧値の推移を、駆動信号の1周期分、駆動信号の位相と対応付けて記憶している。そして、駆動信号生成回路352は、ミラー31aを揺動させるために駆動信号を駆動コイル316に印加する際、相互誘導電圧パターン記憶部356に対し、駆動信号の位相を示すタイミング信号Tmを供給する。相互誘導電圧パターン記憶部356は、このタイミング信号Tmに基づき、現在のタイミングと対応する電圧値を、差分算出部357へ供給する。
すなわち、相互誘導電圧パターン記憶部356は、アクチュエータ31において、永久磁石321を取り外した状態で駆動信号を駆動コイル316に印加した場合に相互誘導によりセンシングコイル317に生じる誘導電圧の電圧値の推移を、駆動信号の1周期分、駆動信号の位相と対応付けて記憶している。そして、駆動信号生成回路352は、ミラー31aを揺動させるために駆動信号を駆動コイル316に印加する際、相互誘導電圧パターン記憶部356に対し、駆動信号の位相を示すタイミング信号Tmを供給する。相互誘導電圧パターン記憶部356は、このタイミング信号Tmに基づき、現在のタイミングと対応する電圧値を、差分算出部357へ供給する。
差分算出部357は、ADC355から供給される、実際にセンシングコイル317に生じている誘導電圧の値から、相互誘導電圧パターン記憶部356から供給される電圧値を、相互誘導の寄与分として減算し、その結果の差分を制御回路351へ供給する。
以上により、制御回路351へ、ミラー31aの回転角速度に比例した誘導電圧の値を供給することができる。制御回路351へ供給される誘導電圧の変化を、ミラー31aの揺動範囲の一端から他端まで半周期分の時間を横軸に取ってプロットすると、グラフ371に示すように、図7に示した回転角速度のグラフと概ね同様な形状になると考えられる。
以上により、制御回路351へ、ミラー31aの回転角速度に比例した誘導電圧の値を供給することができる。制御回路351へ供給される誘導電圧の変化を、ミラー31aの揺動範囲の一端から他端まで半周期分の時間を横軸に取ってプロットすると、グラフ371に示すように、図7に示した回転角速度のグラフと概ね同様な形状になると考えられる。
制御回路351は、時刻tにおいて差分算出部357から供給される電圧値VR(t)に、予め求めて設定された比例定数Kを乗じて、ミラー31aの角速度ω(t)を、ω(t)=K×VR(t)により求める。
Kの値は、例えば、半周期分のミラー31aの回転角を他の手段で計測した値と、半周期分の電圧値VR(t)の積分値とを比較することにより求められる。
なお、センシングコイル317に生じる誘導電圧の電流値を用いても、同様にω(t)を求めることができる。
Kの値は、例えば、半周期分のミラー31aの回転角を他の手段で計測した値と、半周期分の電圧値VR(t)の積分値とを比較することにより求められる。
なお、センシングコイル317に生じる誘導電圧の電流値を用いても、同様にω(t)を求めることができる。
次に、LDモジュール21の点灯間隔の制御については、制御回路351が、上述のω(t)に基づき行うが、この際に、図10を用いて説明したプリズム61,62の特性に基づく補正値も参照して行う。
光学補正値出力部361が、この補正値を出力する。具体的には、ミラー31aの現在の角度ω1として、走査ビームL2aの主走査方向の現在位置を求め、この現在位置と、図10に示した関係とから、現在の、ω1の変化量に対するω2の変化量の割合であるdω2/dω1を求めて、補正値として出力する。また、現在、走査ビームL2aがプリズム61,62に入射しているか、透明板63に入射しているかによって、ω1とω2の関係が変わる(透明板63に入射している間はω1=ω2である)ので、光学補正値出力部361は、走査ビームL2aの副走査方向の現在位置にも基づき、補正値の出力を行う。
光学補正値出力部361が、この補正値を出力する。具体的には、ミラー31aの現在の角度ω1として、走査ビームL2aの主走査方向の現在位置を求め、この現在位置と、図10に示した関係とから、現在の、ω1の変化量に対するω2の変化量の割合であるdω2/dω1を求めて、補正値として出力する。また、現在、走査ビームL2aがプリズム61,62に入射しているか、透明板63に入射しているかによって、ω1とω2の関係が変わる(透明板63に入射している間はω1=ω2である)ので、光学補正値出力部361は、走査ビームL2aの副走査方向の現在位置にも基づき、補正値の出力を行う。
主走査方向の現在位置については、駆動信号生成回路352がタイミング信号Tmに基づき、差分算出部357が出力するω(t)を積分することにより求めることができる。すなわち、主走査方向の端部からスタートして、タイミング信号Tmの間隔毎に、角速度ω(t)に基づき前回算出時点からの移動量を求めることができるので、この移動量を加算していけば、各タイミングでの現在位置を求めることができる。また、このような算出を、主走査方向走査の複数周期に亘って行えば、主走査の1周期内の各タイミングでの現在位置の概算値を求めることができる。そこで、初めにその概算値を求めて、走査の条件が維持される間は、タイミング信号Tmが示す位相に基づき、その位相に対応する概算値を、現在位置として用いることもできる。
副走査方向の現在位置については、ミラー32aの回転位置に対応するが、走査範囲100全体の走査1回当たりの主走査線の本数が既知であるので、タイミング信号Tmに基づき主走査の回数をカウントすることにより、求めることができる。副走査カウンタ362がこのカウントを行い、副走査方向位置をプリズム境界制御部363へ出力する。
プリズム境界制御部363は、その副走査方向位置に基づき、走査ビームL2aがプリズム61,62に入射しているか、透明板63に入射しているかを示す信号を、光学補正値出力部361及び制御回路351へ出力する。また、プリズム境界制御部363は、上記副走査方向位置と、タイミング信号Tmが示す位相とに基づき、走査ビームL2aが、プリズム61とプリズム62との間の境界、または、プリズム61,62と透明板63との間の境界付近に入射する、ビームを消灯すべきタイミングを検出し、そのことを示す信号を制御回路351へ出力する。
光学補正量記憶部364は、図10に示したω1とω2の関係を、テーブルや換算式等の形で予め記憶しておく。この関係は、走査ビームL2aの副走査方向の位置と対応付けて記憶させておくとよい。
光学補正量記憶部364は、図10に示したω1とω2の関係を、テーブルや換算式等の形で予め記憶しておく。この関係は、走査ビームL2aの副走査方向の位置と対応付けて記憶させておくとよい。
光学補正値出力部361は、プリズム境界制御部363からの信号に基づき光学補正量記憶部364を参照して、走査ビームL2aの副走査方向の現在位置と対応するω1とω2の関係を取得し、その関係と、主走査方向の現在位置とに基づき、dω2/dω1を求めて制御回路351へ出力する。
なお、予めω1とdω2/dω1との関係を求めて光学補正量記憶部364へ記憶させておいてもよい。また、グラフ371からわかるように、主走査1周期内の大まかな位相(前半か後半か)が特定されれば、ω(t)とω1は1対1対応であるので、ω(t)とω2、あるいはω(t)とdω2/dω1との関係を予め求めて光学補正量記憶部364へ記憶させておくことも可能である。この場合、光学補正値出力部361は、必ずしも各時点のω1を求めなくても、タイミング信号Tmとω(t)の現在値とからdω2/dω1を得ることができる。
いずれの手法を採っても、実質的に、走査ビームL2aの主走査方向及び副走査方向の現在位置と対応する、調整部60の特性に基づき、当該位置における走査ビームL2aの進行方向と出射光L2の進行方向との関係から、LDモジュール21の点灯間隔の制御に用いるdω2/dω1の値を得る点では共通である。
制御回路351は、以上のω(t)及びdω2/dω1を用いて、出射光L2の主走査線111a,121a上で所望の分解能が得られるようにLDモジュール21を点灯させるための点灯間隔Tを求めることができる。分解能をξ度とすると、T=π・(ξ/180)/ω(t)/(dω2/dω1)である。
制御回路351は、LDモジュール21の点灯間隔の制御を行うため、差分算出部357からの電圧値VR(t)(又はω(t))の供給と、光学補正値出力部361からのdω2/dω1の供給とに応じて、リアルタイムで点灯間隔Tを求め、そのTの値を示すパルス幅変調信号をパルス発生器358へ供給する。主走査線111a上と主走査線121a上では分解能を変えてよいことは上述の通りであり、この場合、点灯間隔Tの算出に当たって、プリズム境界制御部363から供給される副走査方向位置の情報と対応するξの値を用いるとよい。
パルス発生器358は、そのパルス幅変調信号に従ってパルス幅変調を行い、間隔Tのパルスを有するタイミング信号を生成してレーザ駆動回路22に供給する。レーザ駆動回路22は、パルス発生器358から供給されるタイミング信号に含まれるパルスのタイミングでLDモジュール21を点灯させる駆動信号を生成して、LDモジュール21へ供給する。
また、制御回路351は、プリズム境界制御部363から供給される消灯タイミング信号に基づき、LDモジュール21の点灯オンオフを制御するオンオフ信号をパルス発生器358へ出力する。パルス発生器358は、このオンオフ信号に基づき、LDモジュール21を消灯すべき期間には、駆動信号をオフにする。プリズム61とプリズム62との間の境界で消灯する制御は、第1境界制御部の機能に対応し、プリズム61,62と透明板63との間の境界で消灯する制御は、第2境界制御部の機能に対応する。
制御回路351がパルス発生器358へ供給するパルス間隔を、グラフ371と同様に時間を横軸に取ってミラーの揺動範囲の一端から他端までの期間について示すと、グラフ373のようになる。グラフ372は、調整部60による光路の変化、すなわちdω2/dω1を考慮しない場合のパルス間隔である。
グラフ372では、制御回路351は、センシングコイル317に発生する誘導電圧に応じて、ミラー31aが揺動経路の中央付近にあってその誘導電圧が高いレベル(第1レベル)である場合に、ミラー31aが揺動経路の端部付近にあってその誘導電圧が低いレベル(第2レベル)である場合に比べて、LDモジュール21の点滅周期を短くするような制御を行っていることになる。
グラフ372では、制御回路351は、センシングコイル317に発生する誘導電圧に応じて、ミラー31aが揺動経路の中央付近にあってその誘導電圧が高いレベル(第1レベル)である場合に、ミラー31aが揺動経路の端部付近にあってその誘導電圧が低いレベル(第2レベル)である場合に比べて、LDモジュール21の点滅周期を短くするような制御を行っていることになる。
また、制御回路351は、これに加え、ミラー31aが揺動経路の端部付近にあってプリズム61,62の屈折による光路の変化が大きい場合に、ミラー31aが揺動経路の中央付近にあってプリズム61,62の屈折による光路の変化が小さい場合と比べて、LDモジュール21の点滅周期を短くするような制御を行っていることになる。
その結果、レーザ駆動回路22が生成するLDモジュール21の駆動信号は、図12に示すdrv2のように、ミラー31aの位置に応じて異なるパルス間隔のものになる。そして、このように点灯制御されたレーザビームL1を、ミラー31a,32aで偏向し、調整部60で屈折させて得られる光点101は、図4に示したように、主走査方向の走査線111a上に、(デッドゾーン111cを除き)その全長に亘って概ね等間隔で配列されることになる。そして、このことにより、物体検出装置10は、物体の検出を、主走査線111a,121aが操作する領域毎に、その領域内において概ね均等な分解能で行うことができる。
なお、視界内の中央付近を高密度で走査したい等の要求がある場合、光学補正値出力部361が求める走査ビームL2aの主走査方向の位置に応じてξの値を調整すれば、主走査方向の位置毎に光点101の分布密度を変えることもできる。
副走査方向については、主走査方向の1ライン分の走査を行う間ミラー32aを静止させており、また、調整部60が光路の向きを副走査方向に変化させることがないため、上述のような問題は起こらず、点灯間隔の調整は不要である。
副走査方向については、主走査方向の1ライン分の走査を行う間ミラー32aを静止させており、また、調整部60が光路の向きを副走査方向に変化させることがないため、上述のような問題は起こらず、点灯間隔の調整は不要である。
なお、上述した制御回路351は、プロセッサ53の一部として設けても、プロセッサ53と別に設けてもよい。また、制御回路351の機能は、専用のハードウエアによって実現しても、汎用のプロセッサにソフトウエアを実行させることにより実現しても、それらの組み合わせでもよい。
また、図11では、センシングコイル317に生じる誘導電圧の電圧値に基づきミラー31aの回転速度を検出する例について説明したが、角度センサや撮影画像の解析等によりミラー31aの位置をまず検出し、その変化速度に基づき回転速度を検出することも考えられる。ミラー32aの回転位置についても、同様に測定により求めることが考えられる。
〔第1実施形態の変形例(図13乃至図15)〕
次に、図13乃至図15を用いて、以上説明してきた第1実施形態の変形例について説明する。
図13は、変形例におけるプリズム61の形状を示す図である。図14は、変形例におけるプリズムを通過する走査ビームL2aの光路を模式的に示す、図2と対応する図である。図15は、変形例における調整部60を構成する光学部材の構成を示す斜視図である。
次に、図13乃至図15を用いて、以上説明してきた第1実施形態の変形例について説明する。
図13は、変形例におけるプリズム61の形状を示す図である。図14は、変形例におけるプリズムを通過する走査ビームL2aの光路を模式的に示す、図2と対応する図である。図15は、変形例における調整部60を構成する光学部材の構成を示す斜視図である。
図13乃至図15の変形例は、プリズム61,62をそれぞれ複数のパーツで構成した点が上述の第1実施形態と異なるのみであり、他の点は共通であるので、この相違点についてのみ説明する。第1実施形態と共通する又は対応する部分には、第1実施形態と同じ符号を用いる。
この変形例では、図13及び図14に示すように、第1実施形態のプリズム61に代えて、同じ頂角θを持つ小型のプリズム61a,61bを、走査ビームL2aが入射する側の面が共通の平面上に来るように並べて配置している。このように複数のプリズムに分割しても、頂角が同じであり、かつ同じ向きに配置されていれば、全体として、プリズム61と同じ屈折力を得ることができる。
この変形例では、図13及び図14に示すように、第1実施形態のプリズム61に代えて、同じ頂角θを持つ小型のプリズム61a,61bを、走査ビームL2aが入射する側の面が共通の平面上に来るように並べて配置している。このように複数のプリズムに分割しても、頂角が同じであり、かつ同じ向きに配置されていれば、全体として、プリズム61と同じ屈折力を得ることができる。
一方、プリズム61a,61bでは、プリズム61よりも、頂角と対面している底辺を短くできるため、薄肉化と軽量化を図ることができる。なお、プリズム61aとプリズム61bの境界付近を通過する光には、頂点位置での乱反射が起こる可能性があるので、境界付近ではLDモジュール21を消灯してもよい。しかし、全体としては境界付近で出射光L2の進行方向が急激に変動することはないので、必ずしも消灯する必要はなく、隣り合う光点101の間に境界が位置するように点灯タイミングを調整する程度で十分である。
プリズム62も、同様に小型のプリズム62a,62bに分割して設けている。
プリズム62も、同様に小型のプリズム62a,62bに分割して設けている。
調整部60の光学部材の具体的構造としては、図15に示すように、全てのプリズム61a,61b,62a,62bを、走査ビームL2aが入射する側の面が共通の平面上に来るように並べ、走査ビームL2aが入射する側に、共通の透明板64を加えた形状として構成するとよい。このような構造とすれば、プリズム61a,61b,62a,62b及び透明板63,64を全て樹脂により一体成型することができ、低コストで製造できると共に、部品点数を削減することができる。
ただし、このように一体化することは必須ではなく、プリズム61a,61b,62a,62bを個別に設けてもよい。また、プリズム61,62に相当する屈折力を持つプリズムを、それぞれ3以上に分割して設けてもよい。
ただし、このように一体化することは必須ではなく、プリズム61a,61b,62a,62bを個別に設けてもよい。また、プリズム61,62に相当する屈折力を持つプリズムを、それぞれ3以上に分割して設けてもよい。
〔第2実施形態(図16乃至図22)〕
次に、この発明の第2実施形態である物体検出装置10について説明する。
第2実施形態は、調整部60−1に、走査ビームL2aの副走査方向の進行方向を調整する機能を持たせた点が上述の第1実施形態と異なるのみであり、他の点は共通である。そこで、図16乃至図18を用いてこの相違点について説明し、他の部分の説明は省略する。第1実施形態と共通する又は対応する部分には、第1実施形態と同じ符号を用いる。
図16は、第2実施形態における調整部60−1を通過する走査ビームL2a及び出射光L2の光路を、副走査方向の進行方向に注目して模式的に示す図である。図17は、第2実施形態における調整部60−1を構成する光学部材の構成を示す斜視図である。図18は、第2実施形態において出射光L2により形成される走査線の例を示す、図4と対応する図である。
次に、この発明の第2実施形態である物体検出装置10について説明する。
第2実施形態は、調整部60−1に、走査ビームL2aの副走査方向の進行方向を調整する機能を持たせた点が上述の第1実施形態と異なるのみであり、他の点は共通である。そこで、図16乃至図18を用いてこの相違点について説明し、他の部分の説明は省略する。第1実施形態と共通する又は対応する部分には、第1実施形態と同じ符号を用いる。
図16は、第2実施形態における調整部60−1を通過する走査ビームL2a及び出射光L2の光路を、副走査方向の進行方向に注目して模式的に示す図である。図17は、第2実施形態における調整部60−1を構成する光学部材の構成を示す斜視図である。図18は、第2実施形態において出射光L2により形成される走査線の例を示す、図4と対応する図である。
第2実施形態の調整部60−1では、プリズム61,62は第1実施形態と共通であるが、透明板63に代えて図17に示すようなプリズム65を設けている。プリズム65は、図16に示すように、入射する走査ビームL2aの副走査方向の進行方向を、プリズム61,62を通過した出射光L2に近づく方向へ屈折させる第3光学素子である。プリズム65は、プリズム65を通過した出射光L2の副走査方向の進行範囲(図16のa−b間の範囲)が、プリズム61,62を通過した出射光L2の進行範囲(図16のc−d間の範囲)と平行に拡がるように、すなわち、aとc、bとdがそれぞれ平行になるように、頂角、屈折率及び配置角度などを定めるとよい。また、プリズム65も、プリズム61,62と同様、ビームの入射側と出射側の面は平面であるとよい。
第2実施形態においては、以上のようなプリズム65の機能により、物体検出装置10の外部の、物体検出装置10からある程度離れた位置では、図18に示すように第1走査範囲110と第2走査範囲120とを副走査方向に実質的に重ねることができる。従って、第1走査範囲110ではデッドゾーン111cとなる範囲も、第2走査範囲120の主走査線121aにより走査することができる。また、主走査線111aと主走査線121aとが重なる範囲は、2重に走査できるので、高密度の走査が可能である。
正確には、第1走査範囲110と第2走査範囲120には、プリズム61,62とプリズム65の位置の違い分だけずれが生じ、a−c間、b−d間はゼロにはならないが、各プリズムのサイズは例えば数センチメートル程度であるので、a−b間及びc−d間が大きく拡がる数十メートル先ではこのずれは無視できる。より近い範囲でも、さほど大きな問題にはならない。
正確には、第1走査範囲110と第2走査範囲120には、プリズム61,62とプリズム65の位置の違い分だけずれが生じ、a−c間、b−d間はゼロにはならないが、各プリズムのサイズは例えば数センチメートル程度であるので、a−b間及びc−d間が大きく拡がる数十メートル先ではこのずれは無視できる。より近い範囲でも、さほど大きな問題にはならない。
なお、プリズム65を通過した出射光L2の進行範囲と、プリズム61,62を通過した出射光L2の進行範囲を完全に平行にせず、若干ずらすことにより、第1走査範囲110と第2走査範囲120とを部分的に重ね、デッドゾーン111cを部分的に第2走査範囲でカバーすることもできる。第1走査範囲110と第2走査範囲120とが重なった分だけ走査範囲100の全体で見た副走査方向の幅は小さくなるので、デッドゾーン111cのカバー度合いとのトレードオフとなる。
なお、第2実施形態と同様な効果は、プリズム61,62を通過した走査ビームL2aの進行方向を、透明板63を通過した出射光L2に近づく方向へ屈折させることによっても実現できる。
この屈折は、例えば、第1実施形態の調整部60に加えて、プリズム65と逆向きのプリズム66を設けることにより実現できる。
この屈折は、例えば、第1実施形態の調整部60に加えて、プリズム65と逆向きのプリズム66を設けることにより実現できる。
図19は、プリズム61,62に加えてプリズム66を設けた調整部60−2を通過する走査ビームL2a及び出射光L2の光路を示す、図16と対応する図である。図20は、この場合の光学部材の構成を示す、図17と対応する図である。
また、同様な屈折を、プリズム61,62の、ビームの入射側及び/又は出射側の面を副走査方向に傾け、プリズム61,62にプリズム66と同様な機能を付加することによっても実現できる。
また、同様な屈折を、プリズム61,62の、ビームの入射側及び/又は出射側の面を副走査方向に傾け、プリズム61,62にプリズム66と同様な機能を付加することによっても実現できる。
図21は、プリズム61,62に代えて、出射側の面を傾けることによりプリズム66の機能を付加したプリズム67,68を設けた調整部60−3を通過する走査ビームL2a及び出射光L2の光路を示す、図16と対応する図である。図22は、この場合の光学部材の構成を示す、図17と対応する図である。
また、プリズム65を用いる場合にも、図19及び図20の場合と同様に、プリズム65を透明板63と別に設けることも考えられる。
また、プリズム65〜68のような第3光学素子を、図13乃至図15を用いて説明した例と同様に、同一の屈折パワーを持つ複数の小型プリズムの組み合わせとして設けてもよい。これらの小型プリズムに、共通の透明板を加えてよいことも、図13乃至図15を用いて説明した例と同様である。
また、プリズム65を用いる場合にも、図19及び図20の場合と同様に、プリズム65を透明板63と別に設けることも考えられる。
また、プリズム65〜68のような第3光学素子を、図13乃至図15を用いて説明した例と同様に、同一の屈折パワーを持つ複数の小型プリズムの組み合わせとして設けてもよい。これらの小型プリズムに、共通の透明板を加えてよいことも、図13乃至図15を用いて説明した例と同様である。
〔その他の変形例〕
以上で実施形態の説明を終了するが、この発明において、装置の具体的な構成、具体的な動作の手順、部品の具体的な形状等は、上述の各実施形態で説明したものに限るものではない。
また、上述した物体検出装置10は、人の手のひらに載る程度のサイズで構成可能であり、自動車やドローンなどの移動体に搭載して、自動運転のための障害物検出装置として用いるために好適なものであるが、その利用目的はこれに限られない。柱や壁等に固定して、定点観測に用いることもできる。
以上で実施形態の説明を終了するが、この発明において、装置の具体的な構成、具体的な動作の手順、部品の具体的な形状等は、上述の各実施形態で説明したものに限るものではない。
また、上述した物体検出装置10は、人の手のひらに載る程度のサイズで構成可能であり、自動車やドローンなどの移動体に搭載して、自動運転のための障害物検出装置として用いるために好適なものであるが、その利用目的はこれに限られない。柱や壁等に固定して、定点観測に用いることもできる。
また、この発明のプログラムの実施形態は、1のコンピュータに、あるいは複数のコンピュータを協働させて、所要のハードウエアを制御させ、上述した実施形態における物体検出装置10における、LDモジュール21の発光タイミング調整機能を含む機能を実現させ、あるいは上述した実施形態にて説明した処理を実行させるためのプログラムである。
このようなプログラムは、はじめからコンピュータに備えるROMや他の不揮発性記憶媒体(フラッシュメモリ,EEPROM等)などに格納しておいてもよい。メモリカード、CD、DVD、ブルーレイディスク等の任意の不揮発性記録媒体に記録して提供することもできる。さらに、ネットワークに接続された外部装置からダウンロードし、コンピュータにインストールして実行させることも可能である。
また、以上説明してきた実施形態及び変形例の構成が、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせて実施可能であり、また、一部のみを取り出して実施することができることは、勿論である。
10…物体検出装置、20…投光部、21…LDモジュール、22…レーザ駆動回路、23…投光光学系、30…走査部、31,32…アクチュエータ、31a,32a…ミラー、40…受光部、41,45…ミラー、42…集光レンズ、43…受光素子、44…アパーチャー、51…フロントエンド回路、52…TDC、53…プロセッサ、54…入出力部、60,60−1〜3…調整部、61,61a,61b,62,62a,62b,65〜68…プリズム、63,64…透明板、69…プリズム61と62の境界を通る面、71…トップカバー、72…リアカバー、73…カバークリップ、74…保護材、75…窪み、100,100′…走査範囲、101…光点、101a,101b…走査線、110…第1走査範囲、111a…主走査線、111a1…第1部分主走査線、111a2…第2部分主走査線、111c…デッドゾーン、120…第2走査範囲、121a…主走査線、316…駆動コイル、317…センシングコイル、351…制御回路、353…駆動信号、L1…レーザビーム、L2…出射光、L2a…走査ビーム、L3,L4…戻り光
Claims (20)
- 点滅する光ビームにより、互いに平行で副走査方向の位置が異なる複数の主走査線を形成する走査部と、
前記走査部が形成した前記複数の主走査線による走査範囲を、前記複数の主走査線のうち一部の主走査線が、前記複数の主走査線のうち残りの主走査線よりも主走査方向に広い範囲を走査するように調整する調整部とを備え、
前記調整部による調整後は、前記一部の主走査線上では、前記残りの主走査線上よりも、前記光ビームにより形成される光点がまばらであることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1に記載の光走査装置であって、
前記調整部は、
前記一部の主走査線を形成する光ビームのうち、第1主走査範囲を通過する光ビームを、主走査方向の一端側に近いほど強く前記一端側へ屈折させる第1光学素子と、
前記一部の主走査線を形成する光ビームのうち、前記第1主走査範囲よりも前記主走査方向の他端側に近い位置にあり、前記第1主走査範囲と重ならない第2主走査範囲を通過する光ビームを、前記他端側に近いほど強く前記他端側へ屈折させる第2光学素子とを備えることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2に記載の光走査装置であって、
前記第1光学素子と前記第2光学素子はそれぞれ、前記光ビームが通過する面が平面であることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2又は3に記載の光走査装置であって、
前記第1光学素子と前記第2光学素子とが主走査方向に隣り合うように配置され、
前記光ビームが前記第1光学素子と前記第2光学素子との境界付近の所定範囲を通過する期間、前記光ビームを消灯する第1境界制御部を備えることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の光走査装置であって、
前記一部の主走査線においては、前記第1光学素子を通過する光ビームにより形成される第1部分主走査線と、前記第2光学素子を通過する光ビームにより形成される第2部分主走査線との間に間隙があり、
前記残りの主走査線は、少なくとも前記間隙がある主走査方向範囲をカバーする主走査方向範囲を走査することを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光走査装置であって、
前記一部の主走査線が分布する第1副走査範囲と、前記残りの主走査線が分布する第2副走査範囲とが、当該光走査装置の外部において少なくとも一部重なることを特徴とする光走査装置。 - 請求項6に記載の光走査装置であって、
前記調整部が、
前記一部の主走査線を形成する光ビームと、前記残りの主走査線を形成する光ビームとのうち一方又は両方を、前記第1副走査範囲と前記第2副走査範囲とが近づく方向へ屈折させる第3光学素子を備えることを特徴とする光走査装置。 - 請求項7に記載の光走査装置であって、
前記光ビームが前記一部の主走査線を形成する期間と前記光ビームが前記残りの主走査線を形成する期間との境界付近の所定期間、前記光ビームを消灯する第2境界制御部を備えることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光走査装置であって、
前記走査部から出射される光ビームの前記主走査方向の位置と、その位置を通過する光ビームが前記調整部による調整後に進む方向との対応関係を取得する取得部と、
前記走査部から出射される光ビームの前記主走査方向の位置と、前記取得部が取得した対応関係とに基づき、前記光ビームの点滅周期を制御する周期制御部とを備えることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光走査装置であって、
前記走査部から出射される光ビームの前記主走査方向の位置と、その位置を通過する光ビームが前記調整部による調整後に進む方向との対応関係を、前記走査部から出射される光ビームの副走査方向の位置と対応付けて取得する取得部と、
前記走査部から出射される光ビームの前記主走査方向の位置及び前記副走査方向の位置と、前記取得部が取得した対応関係とに基づき、前記光ビームの点滅周期を制御する周期制御部とを備えることを特徴とする光走査装置。 - 請求項9又は10に記載の光走査装置であって、
前記周期制御部が、前記調整部による調整後の各主走査線上の光点分布がそれぞれ等間隔になるように前記点滅周期を制御することを特徴とする光走査装置。 - 請求項9乃至11のいずれか一項に記載の光走査装置であって、
前記走査部は、
第1回転軸を中心に第1ミラーを往復回転運動させる第1アクチュエータと、
前記第1回転軸と異なる第2回転軸を中心に第2ミラーを回転運動させる第2アクチュエータとを備え、
光ビームを前記第1ミラー及び前記第2ミラーで反射した後で出力し、
前記第1ミラーの向きの変化に応じて前記主走査線が形成され、
前記周期制御部は、前記第1ミラーの回転速度を検出し、その回転速度にも基づき、前記光ビームの点滅周期を制御することを特徴とする光走査装置。 - 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光走査装置と、
受光素子と、
外部から入射する入射光を導光し、前記光走査装置による光ビームの投光と同じ光軸で前記受光素子へ導く光学系と、
前記光ビームの投光タイミング及び投光方向と、前記受光素子が出力する光検出信号のタイミングとに基づき、前記光ビームの光路上の物体までの距離及びその物体がある方向を検出する物体検出部とを備え、
前記光ビームがレーザビームであることを特徴とする物体検出装置。 - 点滅する光ビームにより形成した、互いに平行で副走査方向の位置が異なる複数の主走査線により走査を行い、
前記複数の主走査線のうち一部の主走査線が、前記複数の主走査線のうち残りの主走査線よりも主走査方向に広い範囲を走査し、
前記一部の主走査線上では、前記残りの主走査線上よりも、前記光ビームにより形成される光点がまばらであることを特徴とする光走査方法。 - 請求項14に記載の光走査方法であって、
前記光ビームの光源からの距離が有効走査範囲である領域内において、前記一部の主走査線が分布する第1副走査範囲と、前記残りの主走査線が分布する第2副走査範囲とが、少なくとも一部重なることを特徴とする光走査方法。 - 請求項14又は15に記載の光走査方法により所定視野範囲の走査を行い、
前記所定視野範囲から入射する入射光を前記光ビームの投光と同じ光軸で受光素子へ導き、
前記光ビームの投光タイミング及び投光方向と、前記受光素子が出力する光検出信号のタイミングとに基づき、前記光ビームの光路上の物体までの距離及びその物体がある方向を検出し、
前記光ビームがレーザビームであることを特徴とする物体検出方法。 - 点滅する光ビームにより、互いに平行で副走査方向の位置が異なる複数の主走査線を形成する走査部と、前記走査部が形成した前記複数の主走査線による走査範囲を、前記複数の主走査線のうち一部の主走査線が、前記複数の主走査線のうち残りの主走査線よりも主走査方向に広い範囲を走査するように調整する調整部とを備え、前記調整部による調整後は、前記一部の主走査線上では、前記残りの主走査線上よりも、前記光ビームにより形成される光点がまばらである光走査装置を制御するプロセッサに、
前記走査部から出射される光ビームの主走査方向の位置と、その位置を通過する光ビームが前記調整部による調整後に進む方向との対応関係を取得する取得手順と、
前記走査部から出射される光ビームの前記主走査方向の位置と、前記取得手順で取得した対応関係とに基づき、前記光ビームの点滅周期を制御する周期制御手順とを実行させるためのプログラム。 - 請求項15に記載のプログラムであって、
前記取得手順は、前記走査部から出射される光ビームの前記主走査方向の位置と、その位置を通過する光ビームが前記調整部による調整後に進む方向との対応関係を、前記走査部から出射される光ビームの副走査方向の位置と対応付けて取得する手順であり、
前記周期制御手順は、前記走査部から出射される光ビームの前記主走査方向の位置及び前記副走査方向の位置と、前記取得手順で取得した対応関係とに基づき、前記光ビームの点滅周期を制御する手順であることを特徴とするプログラム。 - 請求項17又は18に記載のプログラムであって、
前記周期制御手順が、前記調整部による調整後の各主走査線上の光点分布がそれぞれ等間隔になるように前記点滅周期を制御する手順であることを特徴とするプログラム。 - 請求項17乃至19のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記光走査装置において、前記走査部は、第1回転軸を中心に第1ミラーを往復回転運動させる第1アクチュエータと、前記第1回転軸と異なる第2回転軸を中心に第2ミラーを回転運動させる第2アクチュエータとを備え、光ビームを前記第1ミラー及び前記第2ミラーで反射した後で出力し、前記第1ミラーの向きの変化に応じて前記主走査線が形成され、
前記周期制御手順は、前記第1ミラーの回転速度を検出する手順を備え、その回転速度にも基づき、前記光ビームの点滅周期を制御する手順であることを特徴とするプログラム。
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CN115825929A (zh) * | 2021-12-14 | 2023-03-21 | 深圳市速腾聚创科技有限公司 | 激光接收装置及激光雷达 |
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- 2020-03-25 JP JP2020053590A patent/JP2021015112A/ja active Pending
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