JP2021011965A - 加熱調理器用の防汚基板及びそれを備える加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器用の防汚基板及びそれを備える加熱調理器 Download PDF

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文枝 堀端
大輝 梅本
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大輝 梅本
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佑紀 岩崎
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Abstract

【課題】防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有する加熱調理器用の防汚基板及びそれを備える加熱調理器を提供すること。【解決手段】防汚性塗膜形成組成物から形成された防汚性塗膜10と、無機基材20とを有する、防汚基板1であって、前記防汚性塗膜形成組成物は、防汚性部と、シロキサン結合部とを有する防汚性成分を含み、前記防汚性部は、少なくとも1つのフッ素原子を含み、炭素数が1以上12以下であるアルキル鎖を有するフッ素含有基であり、前記シロキサン結合部は、前記無機基材に対する結合性を有し、前記無機基材は、金属、非結晶化ガラス、ホウロウ、陶磁器及び合成セラミックスからなる群から選択される少なくとも1つを含む、加熱調理器用の防汚基板。【選択図】図1

Description

本開示は、加熱調理器用の防汚基板及びそれを備える加熱調理器に関する。
IH調理器等の加熱調理器は、被加熱物が配置されるトッププレートを備える。また、電子レンジ、オーブン等の加熱調理器は、被加熱物が収納される加熱庫を備える。これらトッププレート及び加熱庫等に対して、調理中に油が飛散することがあり、更に、調味料及びゆで汁等に由来する汚れが付着することがある。
このため、トッププレート及び加熱庫等には、汚れの付着を防止する防汚性、及び汚れが付着しても容易に洗浄できる洗浄性が必要とされている。
例えば、汚れの付着を防止すること、及び汚れが付着しても容易に洗浄できることを目的とする加熱調理器として、特許文献1に記載の加熱調理器が挙げられる。
特許文献1には、調理室の内壁面又は調理室内の調理器具の表面にアルミナセラミックの微粉体を主成分とする、有機化合物を含まない無機質素材の塗膜を備える加熱調理器が記載されている。
特開2012−26596号公報
しかし、特許文献1に記載の無機質素材の塗膜は、アルミナセラミックの微粉体を主成分とするため、衝撃に弱く、亀裂、剥離が生じやすい。このため、特許文献1の発明においては、防汚性及び洗浄性を十分に発揮できる塗膜を得られないおそれがある。更に、特許文献1に記載の無機質素材の塗膜は、アルミナセラミックの微粉体を主成分とするため、汚れの離型性が劣るといった問題がある。
また、加熱調理器に備えられ得るトッププレート及び加熱庫等に付着した汚れは、繰返し加熱に付されることがある。その結果、汚れは、焦付き汚れとして、トッププレート及び加熱庫等に固着し得る。このため、加熱調理器には、焦付き汚れを防止又は低減する焦付き防汚性、及び焦付きを容易に洗浄できる焦付き洗浄性が必要とされている。
本開示は、従来の課題を解決するためになされたものであって、防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有する加熱調理器用の防汚基板及びそれを備える加熱調理器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、加熱調理器用の防汚基板は、
防汚性塗膜形成組成物から形成された防汚性塗膜と、
無機基材とを有する、加熱調理器用の防汚基板であって、
前記防汚性塗膜形成組成物は、
防汚性部と、シロキサン結合部とを有する防汚性成分を含み、
前記防汚性部は、少なくとも1つのフッ素原子を含み、炭素数が1以上12以下であるアルキル鎖を有するフッ素含有基であり、
前記シロキサン結合部は、前記無機基材に対する結合性を有し、
前記無機基材は、金属、非結晶化ガラス、ホウロウ、陶磁器及び合成セラミックスからなる群から選択される少なくとも1つを含む。
本開示によれば、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有する加熱調理器用の防汚基板を提供できる。さらに、本開示に係る防汚基板を備える加熱調理器は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。
図1は、一実施形態に係る加熱調理器用の防汚基板を示す概略断面図である。 図2は、一実施形態に係る加熱調理器用の防汚基板の別の例を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して本開示を詳細に説明する。幾つかの実施形態により、図面を用いて詳しく説明するが、図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観および寸法比などは実物と異なり得る。また、特記しない限り、同じ符号または記号は、同じ部材または同じ意味内容を示すものとする。
図1は、本開示の加熱調理器用の防汚基板1の構造を例示する概略断面図である。防汚基板1は、防汚性塗膜10と、無機基材20とを有する。防汚性塗膜10は、本開示に係る防汚性塗膜形成組成物から形成された塗膜である。
本開示は更に、以下の実施形態を含むことができる。
一実施形態において、加熱調理器用の防汚基板1は、前記無機基材20が、石英ガラス、高ケイ酸ガラス及びホウ硅酸ガラスからなる群から選択される少なくとも一種の非結晶化ガラスを含む。
一実施形態において、防汚基板1は、無機基材20が、ホウ硅酸ガラスを含む。
一実施形態において、防汚基板1は、前記フッ素含有基に含まれるアルキル鎖の炭素数が1以上8以下である。
一実施形態において、防汚基板1は、防汚性塗膜10における、常温で測定したオレイン酸の接触角が40°以上である。
一実施形態において、防汚基板1は、防汚性塗膜10における、常温で測定したオレイン酸の接触角が70°以上である。
一実施形態において、防汚性塗膜を、300℃で、95時間加熱した条件で測定した、防汚性塗膜の水接触角(300℃加熱後)は、100°以上である。
図2は、本開示の加熱調理器用の防汚基板1に関する別の実施形態を例示する、概略断面図である。防汚基板1において、無機基材20が、少なくとも防汚性塗膜10側の表面に、SnOを含む基材表面層30を有する。
一実施形態において、防汚基板1は、防汚性塗膜10と、無機基材20との間に、更に中間層を有してよく、更に、前記中間層は、水酸基を含む中間層形成組成物から形成された層である。
一実施形態において、上記防汚基板1を備える、加熱調理器が提供される。
以下、本開示の防汚基板1について、より詳細に説明する。
[防汚性塗膜]
防汚性塗膜10は、本開示に係る防汚性塗膜形成組成物から形成できる。また、防汚性塗膜10は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。したがって、本開示の加熱調理器用の防汚基板1は、防汚性塗膜10を最外層に有することができるので、防汚基板1は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。
本明細書において、防汚性とは、少なくとも常温において、汚れの付着を防止又は抑制可能な性質である。例えば、防汚基板1は、0℃以上250℃程度の幅広い温度に曝されても、汚れの付着を防止又は抑制できる。
また、本開示において、防汚性が優れる場合、防汚性塗膜10は、撥水性及び撥油性をバランスよく備える傾向がある。したがって、本開示に係る防汚性塗膜10は、水系の汚れ及び油系の汚れのいずれに対しても、良好な防汚性を示すことができる。
また、洗浄性とは、付着した汚れを容易に除去できる性質である。例えば、仮に、本開示に係る防汚性塗膜10に汚れが付着しても、防汚性塗膜10は、汚れを拭き取り除去しやすく、容易に汚れを洗浄できる。汚れの除去は、から拭き、水拭き、洗浄剤を用いる洗浄など、いずれであってもよい。
本開示において、防汚性塗膜10の撥水性は、水接触角で評価できる。例えば、常温(23℃)での水接触角は、100°以上である。一実施形態において、水接触角は、100°以上160°以下である。
例えば、ブラスト処理などを経た無機基材20は、表面に凹凸を有することがある。本開示の防汚性塗膜10は、このような表面形状を有する無機基材に積層される場合であっても、上記範囲内で水接触角を示すことができる。したがって、本開示の防汚性塗膜10は、無機基材20の様々な表面形状に適応でき、優れた撥水性を示すことができ、その上、優れた撥水性を示すことができる。加えて、本開示の防汚性塗膜10は、無機基材20の表面形状が有する外観、例えば、無機基材20の表面凹凸により形成される質感などの優れた意匠性を損なうことなく再現できる。
一実施形態において、防汚性塗膜10の常温(23℃)での水接触角は、100°以上130°以下であり、例えば、100°以上127°以下である。一実施形態において、防汚性塗膜10の常温(23℃)での水接触角は、100°超125°以下である。
水接触角がこのような範囲内であることにより、防汚性塗膜10は、優れた撥水性を示すことができ、更に防汚基板1は、優れた撥水性を示すことができる。優れた撥水性を示すことで、防汚性塗膜10及び防汚基板1は、水系の汚れに対して、良好に防汚性、洗浄性、後述の焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。
なお、本明細書においては、特に言及のない限り、防汚性塗膜10の有する特性が、防汚基板1の特性にも当てはまる。例えば、防汚性塗膜10の有する撥水性、撥油性等の性質を、防汚基板1も備えることができる。
常温での水接触角の測定は、既知の方法により行うことができる。例えば、常温での水接触角の測定は、以下の方法で測定できる。
測定装置:協和界面科学株式会社製、KYOWA Drop Master DM―501SA
水の滴下量:5μL
測定温度:23℃
蒸留水をシリンジに入れ、評価面(防汚性塗膜10の表面)に蒸留水を滴下し、水接触角を測定する。
本開示の防汚性塗膜10は、高温で加熱後においても、優れた撥水性を有することができる。例えば、防汚性塗膜10を、300℃で、95時間加熱した条件で測定した、防汚性塗膜10の水接触角(300℃加熱後)は、100°以上であり、ある実施形態において、100°以上130°以下であり、別の実施形態において、100°以上120°以下である。
本開示に係る防汚性塗膜10は、23℃で測定した水接触角に対し、300℃で、少なくとも95時間加熱した後における水接触角は、ほぼ同等であるか、±10%の範囲内で変化する。一実施形態において、23℃で測定した水接触角に対し、300℃で、少なくとも95時間加熱した後における水接触角は、ほぼ同等であるか、±8%の範囲内で変化する。
このように、防汚性塗膜10は、高温に長期間曝しても、十分な水接触角を保持できるので、長期に亘り、撥水性を保持できる。
300℃に加熱後の水接触角の測定は、加熱後の試験片を用いたこと以外、上述の方法を採用できる。この評価実験のために試験片の加熱を行う場合、例えば、膜厚1μmの防汚性塗膜10を加熱して、評価できる。
また、別の実施形態において300℃で、少なくとも95時間、例えば、95時間超、130時間以下の時間をかけで加熱した条件で測定した、水接触角についても、上述の数値範囲をとることができる。よって、本開示の防汚基板1は、耐熱性、長期耐久性にも優れている。
本開示において、撥油性は、オレイン酸を用いる接触角測定により評価できる。例えば、防汚性塗膜10における、常温(23℃)で測定したオレイン酸の接触角は40°以上である。別の実施形態において、オレイン酸の接触角は、40°以上105°以下であり、例えば、65°以上であり、別の実施形態では65°以上100°以下である。更に別の実施形態において、オレイン酸の接触角は70°以上100°以下であり、例えば、80°以上100°以下である。
防汚性塗膜10における、常温で測定したオレイン酸の接触角が上記範囲内であることにより、防汚性塗膜10は、優れた撥油性を示すことができ、更に、防汚基板1は、優れた撥油性を示すことができる。
このような範囲で撥油性を示すことで、防汚性塗膜10及び防汚基板1は、油系の汚れに対して、良好な防汚性、洗浄性、後述の焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。
常温で測定したオレイン酸の接触角の測定は、既知の方法により行うことができる。例えば、常温で測定したオレイン酸の接触角は、以下の方法で測定できる。
測定装置:協和界面科学株式会社製、KYOWA Drop Master DM―501SA
オレイン酸の滴下量:5μL
測定温度:23℃
オレイン酸をシリンジに入れ、評価面(防汚性塗膜10の表面)にオレイン酸を滴下し、測定する。
本開示の防汚性塗膜10は、高温で加熱後においても、優れた撥油性を有することができる。例えば、防汚性塗膜10を、300℃で、95時間加熱した条件で測定した、防汚性塗膜10のオレイン酸の接触角(300℃加熱後)は、40°以上105°以下であり、例えば、65°以上であり、別の実施形態では65°以上105°以下である。更に別の実施形態において、オレイン酸の接触角は70°以上105°以下であり、例えば、75°以上105°以下である。
本開示に係る防汚性塗膜10は、23℃で測定した、オレイン酸接触角に対し、300℃で、少なくとも95時間加熱した後におけるオレイン酸接触角は、ほぼ同等であるか、±10%の範囲内で変化する。一実施形態において、23℃で測定したオレイン酸接触角に対し、300℃で、少なくとも95時間加熱した後におけるオレイン酸接触角は、ほぼ同等であるか、±8%の範囲内で変化する。
このように、防汚性塗膜10は、高温に長期間曝しても、十分なオレイン酸接触角を保持できるので、長期に亘り、撥油性を保持できる。
300℃に加熱後のオレイン酸接触角の測定は、加熱後の試験片を用いたこと以外、上述の方法を採用できる。この評価実験のために加熱を行う場合、例えば、膜厚1μm防汚性塗膜10を加熱して評価できる。
また、別の実施形態において300℃で、少なくとも95時間、例えば、95時間超、130時間以下の時間をかけで加熱した条件で測定した、オレイン酸接触角(300℃加熱後)についても、上述の数値範囲をとることができる。よって、本開示の防汚基板1は、耐熱性、長期耐久性にも優れている。
本開示において、常温(23℃)での水接触角と、常温でのオレイン酸の接触角とが上記範囲内であることにより、防汚性塗膜10は、優れた撥水性と撥油性を有することができ、防汚基板1も、優れた撥水性と撥油性を有することができる。
更に、高温(300℃)に加熱後の水接触角と、高温(300℃)に加熱後のオレイン酸の接触角とが上記範囲内であることにより、防汚性塗膜10は、高温に曝されても、長期に亘り、優れた撥水性と撥油性を有することができ、防汚基板1も、優れた撥水性と撥油性を有することができる。
よって、防汚基板1が、撥水性と撥油性について、バランスよく優れた値を示すことで、防汚基板1は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。また、防汚基板1は、これら防汚性等について、高温に曝される使用形態においても、長期間性能を保持できる。
本開示において、上記範囲内であれば、防汚性塗膜10は、種々の水接触角と、種々のオレイン酸の接触角を適宜組合せて有することができる。
防汚性塗膜10は、上述のように、優れた防汚性を示すことができ、更に、優れた洗浄性を有する。例えば、水拭きを行うことで、防汚性塗膜10を容易に洗浄できる。また、市販の洗浄剤等を併用した場合においても、防汚性塗膜10を、容易に洗浄できる。洗浄性に優れた防汚性塗膜10を有する、本開示に係る防汚基板1は、優れた洗浄性を有することができる。
ここで、例えば、防汚基板1がトッププレート又は加熱庫等として使用される場合、汚れが付着した状態で、繰返し加熱に付され得る。汚れが加熱に付されると、焦付き汚れとなり、トッププレート及び加熱庫等に焦付き汚れが固着する可能性があった。焦げ付き汚れは、通常の汚れよりも基板に固着する傾向、粘度が高くなる傾向があるため、洗浄することが、通常の汚れと比べて手間を要する。
これに対して、本開示に係る防汚性塗膜10は、汚れが繰返し加熱に付された場合であっても、従来のトッププレート又は加熱庫等と比較して、焦付き汚れの固着を防止でき又は大きく低減できる。したがって、このような防汚性塗膜10を有する防汚基板1は、優れた焦付き防汚性を有することができる。
更に、仮に、焦付き汚れが生じたとしても、防汚性塗膜10は、容易に焦付き汚れを洗浄(除去)できる。したがって、防汚基板1においても、優れた焦付き洗浄性を有することができる。
ここで、本開示において、焦付き防止性、焦付き洗浄性の評価は、例えば、以下のように行える。
まず、250℃に加熱した防汚基板1における防汚性塗膜10と、250℃に加熱した鍋又は金属板との間に、調味料、食品等を塗布又は配置する。更に、防汚基板1における防汚性塗膜10、調味料等及び鍋等をこの順で配置した状態で、250℃にて15分保持し、その後、鍋等を防汚基板1における防汚性塗膜10から取り除き、防汚基板1を室温まで冷却する。ここで、防汚基板1における防汚性塗膜10において、焦付きが観察されなかった場合、焦付き防止性が極めて優れていると判断できる。
焦付きが観察される場合でも、焦付きを除去できれば、良好な又は優れた焦付き洗浄性を有していると判断できる。
また、本開示の防汚性塗膜10が、上記した種々の水接触角及びオレイン酸接触角を満たすことにより、良好な焦付き防止性及び焦付き洗浄性を備える傾向がある。
防汚性塗膜10は、防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性に加えて、高い熱効率を有することができる。更に、防汚性塗膜10は、優れた防汚性、焦付き防汚性を有するので、汚れ及び焦付き汚れに基づき、防汚性塗膜10の熱効率が低下することを防止又は抑制できる。このため、従来と比べ、防汚性塗膜10の熱効率を長期間保持でき、防汚基板1の熱効率についても長期に亘り保持できる。
防汚基板1が、熱効率に優れ、汚れ及び焦付き汚れに基づく熱効率の低下を抑制又は防止できるので、例えば、防汚基板1を、IH調理器等に用いるトッププレートに使用する場合、IH調理器の熱効率を長期に亘り保持できる。
また、防汚性塗膜10は、高い透明性を有し、更に、繰返し加熱に付された場合であっても変色を生じにくいといった効果を奏することができる。その上、防汚性塗膜10は、優れた耐傷付性を有することができる。
また、意匠性に優れた防汚性塗膜10は、無機基材20が有する透明性、光沢、質感等の意匠性を損なうことを防止でき、あるいは、無機基材20が有する意匠性をより高めることができる。このように、防汚性塗膜10は優れた意匠性を有することができる。
更に、防汚性塗膜10を有する防汚基板1においても、優れた意匠性を有することができる。
防汚性塗膜10は、単層であってよい。また、防汚性塗膜10は、少なくとも最外層に、本開示の防汚性塗膜形成組成物から形成された塗膜を有する複層塗膜であってよい。
防汚性塗膜10の膜厚は、例えば0.05μm以上2μm以下である。ある実施形態において、防汚性塗膜10の膜厚は、例えば0.1μm以上1.5μm以下であり、例えば、0.1μm以上1.0μm以下であり、一実施形態において、0.2μm以上0.5μm以下である。
防汚性塗膜10が複層塗膜構造を有する場合、各層の膜厚の合計が上記範囲内であることができる。
防汚性塗膜10は、既知の方法を用いて、本開示に係る防汚性塗膜形成組成物から形成できる。例えば、無機基材20への防汚性塗膜形成組成物の塗装は、ディッピング法、スプレー法、スピンコート法など公知の方法を用いて行うことができる。
例えば、無機基材20が非結晶化ガラスを含む実施形態においては、ディッピング法を用いることがきる。ディッピング法を用いることにより、意匠性を更に向上させることができる。
乾燥工程を促進するために、過熱してもよい。通常、乾燥は100℃以上300℃以下の温度範囲で1時間以上24時間以下の時間をかけて行われる。
また、防汚性塗膜10は、防汚性塗膜形成組成物の塗装方法に応じて、無機基材20の一面全体を被覆してもよく、一面の一部分を被覆してもよく、無機基材20の全面を被覆してもよい。
[防汚性塗膜形成組成物]
本開示に係る防汚性塗膜形成組成物は、
防汚性部と、シロキサン結合部とを有する防汚性成分を含み、
前記防汚性部は、少なくとも1つのフッ素原子を含み、炭素数が1以上12以下であるアルキル鎖を有するフッ素含有基であり、
前記シロキサン結合部は、前記無機基材20に対する結合性を有する。
このような塗膜形成組成物から形成された防汚性塗膜10は、防汚性及び洗浄性に加え、更に、優れた焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。
その上、防汚性塗膜10は、優れた熱効率、高い透明性などの意匠性を有することができる。更に、防汚性塗膜10は、高温から急激に冷却された際の耐熱衝撃性、耐傷付性等、良好な機械的特性を有することができる。
また、このような塗膜形成組成物から形成された防汚性塗膜10は、無機基材20との密着性を高くできるので、無機基材20から、防汚性塗膜10が剥離することを抑制できる。加えて、本開示に係る防汚性塗膜形成組成物から形成された防汚性塗膜10は、熱分解による剥離、変色についても、防止又は抑制できる。
(防汚性成分)
本開示における防汚性成分は、防汚性部と、シロキサン結合部とを有する。防汚性部は、少なくとも1つのフッ素原子を含み、炭素数が1以上12以下であるアルキル鎖を有するフッ素含有基である。シロキサン結合部は、前記無機基材20に対する結合性を有する。本開示において、シロキサン結合部は、前記無機基材20に対する結合性を有する基であって、例えば、防汚性塗膜10の状態で、シロキサン結合を形成できる末端基又は置換基を含む。
一実施形態において、シロキサン結合部は、クロロシラン類及びアルコキシシラン類から選択される少なくとも1種に由来する構造を含む。このような構造を有する末端基を含むことで、防汚性成分は、シロキサン結合を形成でき、無機基材20に対する結合性を有することができる。さらに、防汚性塗膜10において、架橋構造を形成できる。
例えば、クロロシラン類は、モノクロロシラン、ジクロロシラン及びトリクロロシランからなる群から選択される少なくとも1種を含む。
例えば、アルコキシシラン類は、エトキシ基、メトキシ基を含み得る。
例えば、防汚性成分は、以下の一般式(1)で示される構造を有してよい。
Figure 2021011965
[式中、Rは、防汚性部であり、少なくとも1つのフッ素原子を含み、炭素数が1以上12以下であるアルキル鎖を有するフッ素含有基であり;
は、炭素数が1以上12以下のアルキレン基及び酸素原子から選択される少なくとも1種を含む2価の連結基であり、例えば、メチレン基であり;
Aは、シロキサン結合部であり、無機基材20に対する結合性を有する基であり、
aは、1〜10の整数である]。
一実施形態において、防汚性部は、少なくとも1つのフッ素原子を含み、炭素数が1以上10以下であるアルキル鎖を有するフッ素含有基である。フッ素含有基の炭素数は、1以上8以下であってよく、一実施形態において2以上8以下であってよく、例えば、2以上6以下であってよい。また、一実施形態において、フッ素含有基の炭素数は、3以上6以下であってよく、例えば、4以上6以下であってよい。
例えば、防汚性部は、炭化水素鎖であるアルキル鎖の少なくとも1つの水素原子をフッ素原子に置き変えた、炭素数1以上12以下のフルオロアルキル基であってよい。
一実施形態において、防汚性部は、アルキル鎖の水素原子を全てフッ素原子に置き変えた、炭素数1以上12以下のパーフルオロアルキル基であってよい。
一実施形態において、防汚性部は、アルキル鎖の水素原子を全てフッ素原子に置き変えた、炭素数3以上8以下、例えば、炭素数4以上6以下である、パーフルオロアルキル基であってよい。
このように、防汚性部は、上述の範囲内で炭素数を有するフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキル基から選択される少なくとも1種である。
また、本開示に係る防汚性成分は、防汚性部として、種々の炭素数を有する防汚性部を組合せて含んでもよく、フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基を組合せて含んでもよい。
なお、本開示において、防汚性成分が、炭素数の異なる防汚性部(フッ素含有アルキル基)を組合せて含む場合、塗膜形成組成物に含まれるフッ素含有基のうち、最も分布の多い炭素数を、フッ素含有基における炭素原子数として記載できる。例えば、炭素数6のアルキル鎖を有するフッ素含有基が最も多く存在する形態では、フッ素含有基は、少なくとも1つのフッ素原子を含み、炭素数が6であるアルキル鎖を有することが示される。
本開示における、これら炭素数、フッ素原子の数などは、IR、NMR等既知の装置を用いて、一般的な条件下で測定できる。例えば、1H NMR 測定および19F NMR測定により、炭素数及びフッ素原子の数を測定できる。
本開示に係る防汚性成分が、上記の防汚性部を有することにより、防汚性塗膜10は、高い撥水性及び撥油性を有することができる。更に、防汚性塗膜10の熱分解を抑制または防止でき、防汚性塗膜10は高い耐熱性を有することができる。したがって、本開示に係る防汚基板1は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。
また、本開示に係る防汚性成分が、上記の防汚性部を有することにより、防汚性塗膜10は、更に、耐傷付性、耐薬品性(例えば、耐洗剤性)、低摩擦性、及び高い透明性を有することができる。
本開示における防汚性成分はシロキサン結合部を有する。また、シロキサン結合部は、無機基材20に対する結合性を有する。例えば、シロキサン結合部は、少なくとも1つのSi−O結合を有するシラン化合物及びその変性物であってよい。
本開示に係るシロキサン結合部を有する防汚性成分は、無機基材20と高い結合性を示すことができるので、本開示に係る防汚性成分を含む防汚性塗膜形成組成物から、防汚性塗膜10を形成することにより、防汚性塗膜10と無機基材20との密着性を高く保持できる。更に、防汚性塗膜10と無機基材20との密着性を高く保持できることにより、例えば、加熱調理器の洗浄及び加熱等を繰り返しても、防汚性塗膜10の剥離を防止又は大きく低減できる。更に、防汚性塗膜10と無機基材20との密着性が高いことで、防汚基板1は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を、長期に亘り有することができる。
例えば、無機基材20が、石英ガラス、高ケイ酸ガラス及びホウ硅酸ガラスからなる群から選択される少なくとも一種の非結晶化ガラスを含む実施形態において、本開示に係るシロキサン結合部は、これら非結晶化ガラスの表面に対し良好な結合性を有する結合基である。この実施形態において、例えば、シロキサン結合部は、少なくとも1つのSi−O結合を有するシラン化合物及びその変性物であってよい。
なお、Si−O結合の有無などは、IR、NMR等既知の装置を用いて、一般的な条件下で測定できる。例えば、1H NMR 測定および19F NMR測定により、炭素数及びフッ素原子の数を測定できる。
本開示に係るシロキサン結合部を有する防汚性塗膜形成組成物から形成される、防汚性塗膜10は、非結晶化ガラスの表面と密着することができ、非結晶化ガラスを十分に保護できる。防汚性塗膜10と非結晶化ガラス表面との密着性が向上することにより、防汚性塗膜10の剥離を防止又は抑制できるので、防汚性塗膜10の奏する上記効果を十分に発揮可能な防汚基板1を得ることができる。
更に、本開示における防汚性塗膜10は、例えば、非結晶化ガラス等の無機基材20の表面との結合性に優れるため、非結晶化ガラス等の表面をエッチングし粗面化を行わなくても、優れた密着性を示すことができる。このため、例えば、非結晶化ガラスが有する高い透明性を保持できる。その上、非結晶化ガラス等の表面を粗面化しなくてもよいため、例えば、赤外線の温度センサーの透過性が下がることを抑制できる。このため、温度検知に支障が生じることも抑制でき、IH機器は、安定した温度制御を行うことができる。
一実施形態において、図2に示すように、無機基材20は、少なくとも、防汚性塗膜10側の表面に、基材表面層30を有する。この実施形態において、本開示に係るシロキサン結合部は、更に、基材表面層30に対し結合性を有することができる。
本開示におけるシロキサン結合部は、例えば、少なくとも1つのSi−O結合を有するシラン化合物及びその変性物であってよい。
本開示に係るシロキサン結合部は、無機基材20に対する結合性を示すことに加え、基材表面層30に対しても、同程度又はそれ以上の結合性を示してよい。
このように、本開示に係るシロキサン結合部が、基材表面層30に対して結合性を有することにより、シロキサン結合部を含む防汚性塗膜形成組成物から形成された、防汚性塗膜10と、基材表面層30との密着性をより強固にできる。
基材表面層30を有する実施形態において、本開示におけるシロキサン結合部は、無機基材20に対する結合性を有しており、更に、この実施形態において、シロキサン結合部は、基材表面層30に対しても結合性を有し得る。また、基材表面層30は、無機基材20に対する結合性を有することができる。
したがって、基材表面層30を設ける実施形態において、本開示に係るシロキサン結合部を含む防汚性塗膜形成組成物から形成された防汚性塗膜10と、基材表面層30と、無機基材20との各層間における密着性を高くできるので、防汚基板1は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を、長期に亘り有することができる。
例えば、基材表面層30が酸化スズ(SnO)を含む形態においては、本開示に係るシロキサン結合部は、酸化スズ(SnO)を含む基材表面層30に対し結合性を有する結合基であってよい。この実施形態において、例えば、シロキサン結合部は、少なくとも1つのSi−O結合を有するシラン化合物及びその変性物であってよい。
また、酸化スズ(SnO)を含む基材表面層30は、無機基材20に対する結合性を有することができる。
このように、本開示に係るシロキサン結合部を含む防汚性塗膜形成組成物から形成された防汚性塗膜10と、基材表面層30と、無機基材20との各層間での密着性を高くできるので、防汚基板1は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を、長期に亘り有することができる。更に、酸化スズ(SnO)を含む基材表面層30を有することで、防汚基板1は、加熱調理器の洗浄及び加熱等を繰り返しても、基材表面層30上に配置された防汚性塗膜10の剥離を、防止又は大きく低減できる。
また、防汚性塗膜10は、防汚性、洗浄性等に加えて、高い熱効率、高い透明性、優れた耐傷付性、繰返し加熱に付された場合であっても変色を生じにくいといった効果を奏することができる。
このように、SnOを含む基材表面層30を有することにより、防汚性塗膜10と基材表面層30との密着性の向上、及び基材表面層30と無機基材20との密着性の向上を奏することができる。このことは、特定の理論に限定して解釈すべきではないが、例えば、酸化スズ(SnO)を含む基材表面層30には、無機基材20及び防汚性塗膜10との結合に寄与し得る結合基、例えば、水酸基等が比較的高密度で存在するので、無機基材20及び防汚性塗膜10との結合がより強固になるものと推測される。
本開示に係る防汚性塗膜形成組成物は、本開示の防汚基板1の有する特性を損なわない範囲で、既知の添加剤を含んでよく、例えば、界面活性化剤、相溶剤、顔料、抗菌剤、紫外線吸収剤、加水分解触媒、架橋剤および酸化防止剤などの添加剤を含んでよい。
本開示に係る防汚性塗膜形成組成物は、防汚性成分を、防汚性塗膜形成組成物の固形分100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下の量で含んでよく、例えば、20質量部以上95質量部以下の量で含んでよい。
一実施形態において、防汚性塗膜形成組成物は、例えば、水系溶媒を用いて調製できる。また、本開示の防汚基板1の有する特性を損なわない範囲で、既知の水系溶媒を選択できる。例えば、水系溶媒としては、水、アルコール、水/アルコール混合物等が挙げられる。更に、水系溶媒の一部として、ケトン類、グリコール類等の希釈溶剤を添加してもよい。水系溶媒を用いることにより、防汚性塗膜形成組成物は、環境への負荷を低減でき、る。さらに、防汚性成分に含まれるフッ素含有基のライフタイムを長く保つことができ、本開示の防汚基板1は、撥水性と撥油性をバランスよく有することができ、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。また、防汚基板1は、高温に曝される使用形態においても、これら防汚性等について長期間性能を保持できる。
[無機基材]
本開示において、無機基材20は、金属、非結晶化ガラス、ホウロウ、陶磁器及び合成セラミックスからなる群から選択される少なくとも1つを含む。
本開示に係る無機基材20と、防汚性塗膜10は、良好な密着性を示すので、本開示の、加熱調理器用の防汚基板1は、表面保護に優れ、汚れ、焦付き汚れを防止でき、汚れの洗浄性に加え、焦付き汚れの洗浄性にも優れる。更に、本開示に係る防汚基板1は、加熱と冷却を繰り返し行っても、長期間に亘り、塗膜の剥離を抑制できる。このように、本開示の防汚基板1は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有し、更に、意匠性に優れた外観を有することができる。例えば、金属は、鉄、ステンレス、アルミなどである。
一実施形態において、無機基材20は、石英ガラス、高ケイ酸ガラス及びホウ硅酸ガラスからなる群から選択される少なくとも一種の非結晶化ガラスを含む。無機基材20が非結晶化ガラスを含むことにより、高温から急激に冷却された際の耐熱衝撃性を有することができ、更に、透明性の高い防汚基板1を得ることができる。また、無機基材20と併用できる印刷層、下地等の材質感、色彩等を良好に表現でき、デザイン性に優れた防汚基板1を得ることができる。例えば、非結晶化ガラスは、結晶化ガラスと比べ、熱的安定性が優れていると共に耐薬品にも優れる傾向がある。このため、無機基材20が非結晶化ガラスを含むことで、安全性、使い勝手の向上した加熱調理器を得ることができる。
本開示において、シリカ成分の純度に応じて、石英ガラス、高ケイ酸ガラス及びホウ硅酸ガラスを分類できる。例えば、石英ガラスは、これら非結晶化ガラスにおいて、最もシリカ(SiO)純度の高いガラスである。一方、ホウ硅酸ガラスは、シリカに加え、少なくとも酸化ホウ素(B)等のホウ素由来の組成が含まれる。
一実施形態において、無機基材20は、ホウ硅酸ガラスを含んでよい。ホウ硅酸ガラスを含むことにより、透明性が高く、白色の裏面印刷を美しく提供できる等、優れた意匠性を有することができる。更に、熱的安定性が優れていると共に耐薬品に優れた防汚基板1を得ることができる。その上、防汚基板1の軽量化を奏することができ、及びコストを低減できる。
無機基材20の厚さは、例えば2mm以上7mm以下である。ある実施形態において、無機基材20の厚さは、例えば3mm以上6mm以下である。無機基材20がこのような厚さであることにより、防汚基板1は十分な強度を有することができ、さらに、所望の伝熱効果を有することができる。
一実施形態において、無機基材20は、少なくとも、防汚性塗膜10側の表面に、SnOを含む基材表面層30を有する。無機基材20が、SnOを含む基材表面層30を有することにより、本開示に係る防汚性塗膜10と、無機基材20との密着性を更に向上させることができる。密着性が向上することで、防汚性塗膜10が奏する効果、例えば、表面保護、防汚性、焦付き防汚性、洗浄性及び焦付き洗浄性を、更に良好に維持できる。
例えば、本開示の加熱調理器用の防汚基板1について、使用者が、織布等を用いて繰り返し掃除することが想定される。防汚性塗膜10と、基材表面層30と、無機基材20との密着性が向上することにより、掃除が繰り返されても、撥水性、撥油性をより良好に保つことができる。
また、SnOを含む基材表面層30を有する防汚基板1は、加熱と冷却を繰り返し行っても、更に長期間に亘り、塗膜の剥離を抑制でき、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性等に優れる。その上、意匠性に優れた外観を有することができる。
特定の理論に限定して解釈すべきではないが、密着性の向上は、SnOを含む基材表面層30には、無機基材20及び防汚性塗膜10との結合に寄与し得る結合基、例えば、水酸基等が比較的高密度で存在し、SnOを含む基材表面層30は、無機基材20及び防汚性塗膜10のいずれに対しても、より強固に結合できることに起因するものと推測される。
基材表面層30の厚さは、例えば0.1mm以上2mm以下である。ある実施形態において、基材表面層30の厚さは、例えば0.2mm以上0.7mm以下である。基材表面層30がこのような厚さであることにより、例えば、無機基材20が有する、伝熱特性、透過性などを損なうことなく、無機基材20との密着性を更に向上させることができる。また、基材表面層30の厚さが、このような範囲内であることにより、防汚性塗膜10が奏する効果、例えば、耐熱衝撃性、寸法安定性などをより効果的に発揮できる。
一実施形態において、図2に示されるように、無機基材20は、石英ガラス、高ケイ酸ガラス及びホウ硅酸ガラスからなる群から選択される少なくとも一種の非結晶化ガラスを含み、更に、無機基材20は、防汚性塗膜10側の表面に、SnOを含む基材表面層30を有する。このような構造を有することで、非結晶化ガラスを含む無機基材20と、SnOを含む基材表面層30と、防汚性塗膜10との密着性を更に向上させることができる。これらの層間の密着性が向上することで、防汚性、洗浄性に加えて、耐熱衝撃性、焦付きを防止、焦付き洗浄性を更に良好に維持でき、例えば、掃除が繰り返されても、撥水性、撥油性をより良好に保つことができる。
また、加熱と冷却を繰り返し行っても、更に長期間に亘り、塗膜の剥離を抑制でき、焦付きの抑制、焦付きの洗浄性等に優れる。その上、意匠性に優れた外観を有することができる。例えば、無機基材20は、ホウ硅酸ガラスを含んでよい。
基材表面層30は、無機基材20における防汚性塗膜10側に、本開示に係る防汚性塗膜10の奏する効果を損なわない方法で配置できる。例えば、SnOを含む塗料組成物を、無機基材20の表面に塗装し、硬化させることにより、基材表面層30を形成してもよい。また、無機基材20を製造する工程において、SnOを含む基材表面層30を形成してもよい。
例えば、フロート法と称される方法を用い、非結晶化ガラスを含む無機基材20を製造する工程において、基材表面層30を形成できる。
ここで、本開示においては、フロート法で非結晶化ガラスを含む無機基材20を製造した場合において、その工程において生じ得る、SnOを含む層を除去することなく使用できる。一方、従来は、SnOを含む層を除去する場合が多かった。このため、本開示においては、SnOを含む層の除去工程を省略でき、更に、SnOを含む廃棄物を低減できるので、環境への負荷を低減できる。
一実施形態において、防汚性塗膜10と、無機基材20との間に、更に中間層を有してよく、中間層は、水酸基を含む中間層形成組成物から形成された層である。中間層を有することにより無機基材20と、中間層と、防汚性塗膜10との密着性を高めることができ、本開示の防汚基板1は、表面保護性、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を、更に良好に維持できる。中間層は、用いる無機基材20に含まれる成分に応じて適宜選択できる。
また、中間層と、前述の基材表面層30を共に有してもよい。この実施形態においては、中間層は、SnOを実質的に含まない層であってよい。
一実施形態において、本開示の防汚基板1は、無機基材20と、中間層と、防汚性塗膜10とをこの順で有してよい。別の実施形態において、無機基材20と、SnOを含む基材表面層30と、中間層と、防汚性塗膜10とをこの順で有してよい。
[加熱調理器]
本開示は、更に、上記防汚基板1を備える、加熱調理器を提供する。一実施形態において、加熱調理器は、例えば、炊飯器、マイクロ波発生手段を備える調理器、蒸気発生手段を備える蒸気調理器、電磁誘導により加熱調理を行う誘導加熱調理器である。本開示の防汚基板1を備えることで、加熱調理器は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。更に、意匠性に優れた加熱調理器を得ることができる。
一実施形態において、加熱調理器は、誘導加熱調理器である。誘導加熱調理器が、本開示に防汚基板1を備える実施形態において、防汚基板1は、被加熱物である鍋等の調理容器が載置されるトッププレートとして使用できる。トッププレートとして使用する形態において、被加熱物である鍋等と、本開示に係る防汚性塗膜10とが接触する。
本開示の防汚基板1をトッププレートとして備える加熱調理器は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。更に、意匠性に優れた外観を有することができる。例えば、防汚基板1が非結晶化ガラスを含む実施形態であれば、白色をきれいに発色することができ、デザインの選択性が増す。
(実施例)
以下、本開示について、実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本開示は以下の実施例により何ら限定されるものではない。また、特に明記しない限り、実施例における部及び%は質量基準である。
(実施例1)
(無機基材)
無機基材として、非結晶化ガラスであるホウ硅酸ガラスを使用した(ショット社製、厚さ5mm)。また、無機基材は、SnOを含む基材表面層(厚さ0.5mm)を有した。SnOを含む基材表面層は、フロート法を用いホウ硅酸ガラスを形成した際に形成された層である。
(防汚性塗膜形成組成物)
防汚性成分として、少なくとも1つのフッ素原子を含み、炭素数が6であるアルキル鎖を有するフッ素含有基と、上記ホウ硅酸ガラス及び、SnOを含む基材表面層に対する結合性を示すシロキサン結合部とを有する防汚性成分として、トリクロロ(1H,1H,2H,2H-ペルフルオロ-n-オクチル)シラン(C8H4Cl3F13Si)(東京化成工業株式会社製)を用いた。また、界面活性剤として、フッ素系界面活性剤(3M社製、品番FC―72)を用いた。
上記防汚性成分5質量部とフッ素系界面活性剤15質量部と、水80質量部を、25±2℃の条件下、撹拌装置(マグネチックスターラー)を用いて、撹拌し、水性エマルジョン(防汚性塗膜形成組成物1)を調製した。
得られた防汚性塗膜形成組成物1を、調製後1週間、冷蔵庫5℃にて保管し、目視によりゲル化あるいは沈殿の有無を観察した。その結果、防汚性塗膜形成組成物1は、安定した水性エマルジョンであった。
(試験片の作成)
防汚性塗膜形成組成物1の塗装は、ディップコーティングにより行った。ディップコーティングは、上記無機基材を、300mm/分の速度で、防汚性塗膜形成組成物1(20±5℃)に、無機基材全体を浸漬させ、その状態で10分保持し(25±2℃)、次いで、無機基材を、50mm/分の速度で引き上げた。更に、250℃の雰囲気下、60分間かけ、得られた無機基材を乾燥させ、防汚性塗膜(厚さ0.5μm)を形成した。このようにして得られた防汚基板は、目視観察の結果、非常に高い透明性を有していた。
(評価)
得られた試験片について、常温(23℃)において、以下の評価を行った。
(23℃での水接触角)
測定装置:協和界面科学株式会社製KYOWA Drop Master DM―501SA
水の滴下量: 5μL
測定温度:23℃
蒸留水をシリンジに入れ、評価面(防汚性塗膜10の表面)に蒸留水を滴下し、測定した。
(23℃でのオレイン酸接触角)
測定装置:協和界面科学株式会社製KYOWA Drop Master DM―501SA
オレイン酸の滴下量: 5μL
測定温度:23℃
オレイン酸をシリンジに入れ、評価面(防汚性塗膜10の表面)にオレイン酸を滴下し、測定した。
(23℃での焦付き判定)
防汚性塗膜を形成したガラス板と、金属板を250℃に加熱した。ガラス片の塗装面に調味液(砂糖:みりん:しょうゆ=1:1:1)を滴下し、すばやく金属板(鉄:SUS板)を載せて、250℃にて15分保持した。その後、金属板をガラス板から剥離し、ガラス板を室温まで空冷させた。ここで、一度、防汚性塗膜を形成したガラス板における焦付きの有無を確認した。
焦付き等、汚れの確認ができた場合、中性洗剤を含ませたガーゼで除去できるかどうかを確認した。評価基準は以下のとおりである。
◎:焦げが付着せず
○:除去可能
△:一部残る/除去するのに強い力が必要である
×:ふき取れない
(23℃での耐薬品性(耐洗剤性))
食器用中性洗剤の各液を含ませたガーゼを、防汚性塗膜を形成したガラス板の防汚性塗膜の表面上に静置し、24時間保持した。その後、上記焦付き試験を実施し、上記基準に従い評価した。
(23℃での付着性)
2つ折の水雑巾にて、防汚性塗膜表面を13g/cmの荷重(500g/Φ7cm)で100回往復摩耗を行った。その後、23℃での水接触角を評価した。更に、上記焦付き試験を実施し、上記基準に従い評価した。
(23℃での透明性)
基準となる黒色板(アクリル板)上に、防汚性塗膜を有する無機基材を置き、黒色の変化の有無を目視にて確認した。
○:黒色に変化なし
△:視認する角度によっては、ごく僅かに、黒色に白濁あり
×:黒色に着色あり
更に、得られた試験片について、300℃耐熱後において、以下の評価を行った。
(300℃耐熱試験用の試験片の作成)
上記試験片の作成手順に従い作成した試験片を、庫内の中心温度が300℃となるように、熱電対を用いて温度制御した恒温槽(光洋サーモシステム株式会社製、ボックス炉KBF663N)に入れ、所定時間(27、48、96、120分)保持し、取り出した。
試験片を室温まで空冷後、防汚性塗膜面を、エタノールを含ませた旭化成株式会社製BEMCOT M−3iiにてふき取り洗浄し、後述の方法で水接触角及びオレイン酸接触角を測定した。
(加熱後の水接触角)
上記常温での水接触角の測定と同様の方法で、水接触角を測定した。
(加熱後のオレイン酸接触角)
上記常温でのオレイン酸接触角の測定と同様の方法で、オレイン酸接触角を測定した。
(加熱後の焦付き判定)
上記常温での焦付き判定と同様の方法で、焦付き判定を行った。
(加熱後の透明性)
上記常温での透明性の判断と同様の方法で、透明性の判定を行った。
得られた評価結果を、用いた無機基材等の詳細と共に、表1に示す。
(実施例2)
表1に示す条件、組成、加熱時間等を変更したこと以外は、実施例1と同様に実施例に係る試験片を作成し、種々の評価を行った。
(実施例3)
(水酸基を有する中間層について)
主成分としてテトラエトキシジルコニウム含み、ZrO2を含む中間層形成組成物(マツモトファインケミカル製ZA−65のイソプロパノール希釈物)を、SnOを含む基材表面層に塗装し、120℃で30分加熱し、水酸基を有する中間層(厚さ0.5μm)を形成した。
無機基材、SnOを含む基材表面層及び中間層を有する積層体を、例えば、実施例3で示す防汚性塗膜形成組成物中に浸漬させ、実施例1と同様に防汚性塗膜を形成した。
その結果、無機基材、SnOを含む基材表面層、中間層及び防汚性塗膜をこの順で備える防汚基板が得られた(実施例3)。
その他、表1に示す条件、組成、加熱時間条件で、実施例1と同様に実施例に係る試験片を作成し、種々の評価を行った。
(実施例4)
実施例1で用いた無機基材について、SnOを含む基材表面層とは反対側の無機基材面(すなわち、SiO面)に、実施例1と同様にして、防汚性塗膜を形成した。これにより、無機基材と防汚性塗膜をこの順で有する防汚基板を得た(実施例4)。
その他、表1に示す条件、組成、加熱時間条件で、実施例1と同様に実施例に係る試験片を作成し、種々の評価を行った。
(比較例1〜5)
比較例1は、表1に示す条件で、無機基材としてホウ珪酸を含む積層体を製造したこと以外は、実施例1と同様に比較例に係る試験片を作成し、種々の評価を行った。
なお、比較例1は、23℃での試験結果が不十分であったため、300℃加熱後の評価をしていない。
比較例2は、本開示の防汚性塗膜に代わり、PTFE樹脂粒子(AGC性PTFE ルブリカント L170JE)を含む塗膜を形成した。
比較例3は、本開示の防汚性塗膜を形成することなく、無機基材としてCaF(シグマ光機 フッ化カルシウム平凸レンズ SLCFU−25―100P)を用いた。なお、比較例3は、23℃での試験結果が不十分であったため、300℃加熱後の評価をしていない。
比較例4は、本開示の防汚性塗膜に代わり、フッ素樹脂の分散物を用いて塗膜を形成した。その他、表1に示す条件、組成、加熱時間条件で、実施例1と同様に比較例に係る試験片を作成し、種々の評価を行った。
Figure 2021011965
本開示によれば、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有する加熱調理器用の防汚基板を提供できる。このような本開示に係る防汚基板を備える加熱調理器は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。
更に、本開示によれば、例えば、300℃の加熱試験後、すなわち、高温条件下においても優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有する加熱調理器用の防汚基板を提供できる。
これに対し、比較例1は、防汚性成分がシロキサン結合部を有さないため、23℃における焦付防汚性及び洗浄性が不十分であった。また、高温条件では、更に、これら性能が悪化するものと推測できる。
比較例2、3及び4は、本開示の防汚性塗膜を有さないため、特に、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性が不十分であった。
本開示の防汚基板1は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有する、加熱調理器用の防汚基板1である。また、本開示に係る防汚基板1を備える加熱調理器は、優れた防汚性、洗浄性、焦付き防汚性及び焦付き洗浄性を有することができる。
1 防汚基板
10 防汚性塗膜
20 無機基材
30 基材表面層

Claims (10)

  1. 防汚性塗膜形成組成物から形成された防汚性塗膜と、
    無機基材とを有する、加熱調理器用の防汚基板であって、
    前記防汚性塗膜形成組成物は、
    防汚性部と、シロキサン結合部とを有する防汚性成分を含み、
    前記防汚性部は、少なくとも1つのフッ素原子を含み、炭素数が1以上12以下であるアルキル鎖を有するフッ素含有基であり、
    前記シロキサン結合部は、前記無機基材に対する結合性を有し、
    前記無機基材は、金属、非結晶化ガラス、ホウロウ、陶磁器及び合成セラミックスからなる群から選択される少なくとも1つを含む、加熱調理器用の防汚基板。
  2. 前記無機基材は、石英ガラス、高ケイ酸ガラス及びホウ硅酸ガラスからなる群から選択される少なくとも一種の非結晶化ガラスを含む、請求項1に記載の、加熱調理器用の防汚基板。
  3. 前記無機基材は、ホウ硅酸ガラスを含む、請求項2に記載の、加熱調理器用の防汚基板。
  4. 前記フッ素含有基に含まれるアルキル鎖の炭素数が4以上8以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の、加熱調理器用の防汚基板。
  5. 前記防汚性塗膜における、常温で測定したオレイン酸の接触角が40°以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の、加熱調理器用の防汚基板。
  6. 前記防汚性塗膜における、常温で測定したオレイン酸の接触角が70°以上である、請求項1から5のいずれか1項に記載の、加熱調理器用の防汚基板。
  7. 前記防汚性塗膜を、300℃で、95時間加熱した条件で測定した、防汚性塗膜の水接触角(300℃加熱後)は、100°以上である、請求項1から5のいずれか1項に記載の、加熱調理器用の防汚基板。
  8. 前記無機基材は、少なくとも、前記防汚性塗膜側の表面に、SnOを含む基材表面層を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の、加熱調理器用の防汚基板。
  9. 前記防汚性塗膜と、前記無機基材との間に、更に中間層を有し、
    前記中間層は、水酸基を含む中間層形成組成物から形成された層である、
    請求項1から8のいずれかに記載の、加熱調理器用の防汚基板。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の防汚基板を備える、加熱調理器。
JP2019125407A 2019-07-04 2019-07-04 加熱調理器用の防汚基板及びそれを備える加熱調理器 Pending JP2021011965A (ja)

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