JP2021011500A - トレプロスチニル誘導体化合物およびその使用方法 - Google Patents

トレプロスチニル誘導体化合物およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】肺高血圧症(PH)または肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療に用いられる化合物の提供。【解決手段】以下の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、もしくは薬学的に許容される塩。式中、R20〜R36は独立してHまたは重水素であり、Zは、アルコキシカルボニルアルコキシ基、アルコキシカルボニルアルキルアミノ基などを表す。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年1月11日出願の米国仮出願第61/751,608号の優先権を主張する2014年1月13日出願の米国出願第14/153,498号の一部継続出願であり、これらの出願はそれぞれあらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
背景
肺高血圧症(PH)または肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、死を引き起こしうる疾患であり、肺動脈圧および肺血管抵抗の増加を特徴とする。PHおよびPAHを治療するためのより優れた化合物および方法の必要性が存在する。例えば米国特許出願公開第2013/0274261号(特許文献1)を参照。PHおよびPAHに関して対象となるいくつかの化合物を含む多くの有用な薬理活性化合物は、様々な理由で有効に経口投与することができず、一般に静脈内経路または筋肉内経路を介して投与される。一般に、これらの投与経路は医師または他の医療専門家による介入を必要としており、患者の相当な不快感および潜在的な局所外傷を伴うことがある。そのような化合物の一例はトレプロスチニルおよびその誘導体であり、これはPHおよびPAHの治療において使用されている。例えば国際公開公報第2005/007081号(特許文献2)を参照。トレプロスチニル(本明細書では化合物Aとも呼ぶ)は以下の構造:
Figure 2021011500
を有する。トレプロスチニルは塩(例えばナトリウム塩)として存在することができる。
したがって、改善された製剤および方法によって、例えば経口的または経皮的に、トレプロスチニルを与えることが臨床的に必要である。より具体的には、トレプロスチニルまたはその誘導体(プロドラッグを含む)もしくは類似体の投与を介してトレプロスチニルの全身アベイラビリティを増加させるための安全かつ有効な方法が必要である。
多種多様な薬物の投与に対する経皮薬物送達技術の適用が提示されており、これを達成するための様々なシステムが数多くの技術雑誌および特許に開示されている。いずれも参照により本明細書に組み入れられる米国特許第3,598,122号(特許文献3)、米国特許第4,144,317号(特許文献4)、米国特許第4,201,211号(特許文献5)、米国特許第4,262,003号(特許文献6)、および米国特許第4,379,454号(特許文献7)は、先行技術の様々な経皮薬物送達システムを代表するものであり、これらのシステムは、制御された量の薬物を患者に数時間〜数日間の範囲の長期間にかけて送達する能力を有する。いずれの上記特許にも、トレプロスチニルまたはその誘導体を送達するように意図される経皮送達システムは記載されていない。
米国特許出願公開第2013/0274261号 国際公開公報第2005/007081号 米国特許第3,598,122号 米国特許第4,144,317号 米国特許第4,201,211号 米国特許第4,262,003号 米国特許第4,379,454号
概要
本明細書に記載の態様は、化合物、組成物、および装置、ならびにそれを作製する方法および使用する方法を含む。
一態様は、式(I):
Figure 2021011500
で表される化合物を提供し、
式中、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHまたは重水素であり;
Zは-OH、-OR11、-N(R11)R12、-SR11、またはP1であり;
R11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、置換アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、置換アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、または置換アルキルヘテロアリールであり;
R12はH、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
P1
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなるリストより選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、およびハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
かつ、R1およびR2は独立してHまたはP2であり、R1およびR2のうち少なくとも一方はP2であり、
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15は上記定義の通りであり;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19は上記定義の通りであり;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式Iは、式Iの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体を含む。
別の態様では、式Iのパラメータは以下のように定義される:
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHまたは重水素であり;
Zは-OR11、-N(R11)R12、-SR11、またはP1であり;
R11は分岐アルキル、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ビシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、置換アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、置換アルキルシクロヘテロアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、または置換アルキルヘテロアリールであり;
R12はH、分岐アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
P1
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなるリストより選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、およびハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
かつ、R1およびR2は独立してHまたはP2であり、
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15は上記定義の通りであり;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19は上記定義の通りであり;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式Iは、式Iの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体を含む。
別の態様では、式II:
Figure 2021011500
で表される化合物が提供され、
式中、
R2はHおよびP2からなる群より選択され;
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHおよび重水素からなる群より選択され;
L1は-O-アルキレン-C(O)-、-O-アルキレン-OC(O)-、または結合からなる群より選択され;
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15は上記定義の通りであり;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19は上記定義の通りであり;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式IIは、式IIの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体を含む。
別の態様では、化合物は式III:
Figure 2021011500
で表され、
式中、L2は、-CH2-、-CHMe-、-C(Me)2-、および
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
XはNR14またはOであり;
R14はH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHおよび重水素からなる群より選択され;
Zは-OH、-OR11、-N(R11)R12、-SR11、またはP1であり;
R11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、置換アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、置換アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、または置換アルキルヘテロアリールであり;
R12はH、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
P1
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、およびハロアルコキシからなる群より置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式IIIは、式IIIの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体を含む。
別の態様は、式IV:
Figure 2021011500
で表される化合物を提供し、
式中、R1はHおよびP2からなる群より選択され;
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHおよび重水素からなる群より選択され;
L1は-O-アルキレン-C(O)-、-O-アルキレン-OC(O)-、または結合からなる群より選択され;
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、およびハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式IVは、式IVの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体を含む。
式I、II、III、またはIVに記載の少なくとも1つの化合物と少なくとも1つの他の成分とを含む組成物を含む組成物も提供される。一態様では、本組成物は経皮送達用に製剤化されている。別の態様では、本組成物はパッチによる経皮送達用に製剤化されている。一態様では、本組成物は少なくとも1つの溶媒をさらに含みうる。一態様では、式I、II、III、またはIVに記載の化合物の量は、ヒトの治療に有用な送達プロファイルを提供するように適合されている。一態様では、治療は哺乳動物などの対象に対して行われるが、対象はヒトではない。
少なくとも1つの態様の少なくとも1つの利点としては、例えばPHおよびPAHに対する治療用途および予防用途を含む特定の用途に合わせて薬学的に有用なモチーフの化学構造を調整する能力が挙げられる。例えば、薬物送達プロファイルは特定の用途に適合しうる。
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる利点としては、より優れたバイオアベイラビリティを提供するように本化合物を使用する能力が挙げられ、この使用は経皮薬物送達用途における使用を含む。
[本発明1001]
式(I):
Figure 2021011500
で表される化合物であって、
式中、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHまたは重水素であり;
Zは-OH、-OR11、-N(R11)R12、-SR11、またはP1であり;
R11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、置換アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、置換アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、または置換アルキルヘテロアリールであり;
R12はH、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
P1
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシ、ハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
かつ、R1およびR2は独立してHまたはP2であり、R1およびR2のうち少なくとも一方はP2であり、
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシ、ハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式Iが、式Iの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、多形体、ならびに立体異性体(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー)を含む、
前記化合物。
[本発明1002]
R1がP2であり、かつR2がHである、本発明1001の化合物。
[本発明1003]
R1がHであり、かつR2がP2である、本発明1001の化合物。
[本発明1004]
R1がP2であり、かつR2がP2である、本発明1001の化合物。
[本発明1005]
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1006]
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1007]
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1008]
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1009]
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1010]
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1011]
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1012]
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1013]
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1014]
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1015]
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1001の化合物。
[本発明1016]
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36がHである、本発明1001の化合物。
[本発明1017]
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36のうち少なくとも1つが重水素である、本発明1001の化合物。
[本発明1018]
Zが-OR11、-N(R11)R12、またはP1である、本発明1001の化合物。
[本発明1019]
ZがP1である、本発明1001の化合物。
[本発明1020]
Zが-OH、-OR11、-N(R11)R12、またはP1である、本発明1001の化合物。
[本発明1021]
Zが-OHである、本発明1001の化合物。
[本発明1022]
Zが-OHではなく、かつR11が非置換または置換ベンジルではない、本発明1001の化合物。
[本発明1023]
式(IA):
Figure 2021011500
で表される化合物であって、
式中、
Zは-OH、-OR11、またはP1であり;
R11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、置換アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、置換アルキルシクロヘテロアルキルであり;
P1
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
かつ、R1およびR2は独立してHまたはP2であり、R1およびR2のうち少なくとも一方はP2であり、
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
R14はH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
式IAが、式IAの化合物の薬学的に許容される塩、多形体、ならびに立体異性体(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー)を含む、
本発明1001の化合物。
[本発明1024]
式(I):
Figure 2021011500
の化合物であって、
式中、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHまたは重水素であり;
Zは-OR11、-N(R11)R12、-SR11、またはP1であり;
R11は分岐アルキル、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ビシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、置換アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、置換アルキルシクロヘテロアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキルヘテロアリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリールであり;
R12はH、分岐アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
P1
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシ、ハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
かつ、R1およびR2は独立してHまたはP2であり、
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシ、ハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式Iが、式Iの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、多形体、ならびに立体異性体(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー)を含む、
前記化合物。
[本発明1025]
Zが-OR11である、本発明1024の化合物。
[本発明1026]
Zが-N(R11)R12である、本発明1024の化合物。
[本発明1027]
Zが-SR11である、本発明1024の化合物。
[本発明1028]
ZがP1である、本発明1024の化合物。
[本発明1029]
ZがOR11であり、かつR11がビシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、またはアルキルシクロヘテロアルキルである、本発明1024の化合物。
[本発明1030]
R11がハロアルキルである、本発明1024の化合物。
[本発明1031]
R11がフルオロアルキルである、本発明1024の化合物。
[本発明1032]
R1が水素であり、かつR2がP2である、本発明1024の化合物。
[本発明1033]
R1がP2であり、かつR2が水素である、本発明1024の化合物。
[本発明1034]
R1がP2であり、かつR2がP2である、本発明1024の化合物。
[本発明1035]
R1およびR2がそれぞれ水素である、本発明1024の化合物。
[本発明1036]
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36がHである、本発明1024の化合物。
[本発明1037]
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36のうち少なくとも1つが重水素である、本発明1024の化合物。
[本発明1038]
式(IAA):
Figure 2021011500
の化合物であって、
式中、
R100およびR200は独立してH、CONR900R1000、CR900R1000OCOP3R900R1000からなる群より選択され、R900およびR1000は独立してH、アルキル、およびシクロアルキルより選択され、
R300、R400、R500、R600、R700、およびR800は独立してHおよび重水素からなる群より選択され、
XはO、NHR1200、またはSであり、
P3はNまたはOであり、
R1100はハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールであり;
R1200はハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールである、
前記化合物。
[本発明1039]
R100、R200がHである、本発明1038の化合物。
[本発明1040]
R300、R400、R500、R600、R700、およびR800がHである、本発明1039の化合物。
[本発明1041]
XがOである、本発明1040の化合物。
[本発明1042]
R1100
Figure 2021011500
より選択される、本発明1041の化合物。
[本発明1043]
XがNHR1200である、本発明1039の化合物。
[本発明1044]
R1100
Figure 2021011500
より選択される、本発明1043の化合物。
[本発明1045]
XがOである、本発明1038の化合物。
[本発明1046]
R300、R400、R500、R600、R700、およびR800がHである、本発明1045の化合物。
[本発明1047]
R1100がアルキルである、本発明1046の化合物。
[本発明1048]
式II:
Figure 2021011500
で表される化合物であって、
式中、
R2はHおよびP2からなる群より選択され;
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHおよび重水素からなる群より選択され;
L1は-O-アルキレン-C(O)-、-O-アルキレン-OC(O)-、または結合からなる群より選択され;
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシ、ハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式IIが、式IIの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、多形体、ならびに立体異性体(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー)を含む、
前記化合物。
[本発明1049]
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36がHである、本発明1048の化合物。
[本発明1050]
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36のうち少なくとも1つが重水素である、本発明1048の化合物。
[本発明1051]
L1が-O-アルキレン-C(O)-である、本発明1048の化合物。
[本発明1052]
L1が-O-アルキレン-OC(O)-である、本発明1048の化合物。
[本発明1053]
L1が結合である、本発明1048の化合物。
[本発明1054]
アルキレン基がC1〜C5アルキレン基である、本発明1048の化合物。
[本発明1055]
アルキレン基がC1アルキレン基である、本発明1048の化合物。
[本発明1056]
式IIA:
Figure 2021011500
で表される化合物であって、
式中、L1およびR2が本発明1048で定義されたとおりである、
本発明1048の化合物。
[本発明1057]
式II(AA)
Figure 2021011500
の化合物、および式II(AA)の化合物の鏡像異性体であって、
式中、
R2000は独立してH、CONR9000R10000、CR9000R10000OCOPR9000R10000からなる群より選択され、R9000およびR10000は独立してH、アルキル、シクロアルキルより選択され、
R3000、R4000、R5000、R6000、R7000、およびR8000は独立してH、重水素からなる群より選択され、
XはO、NR12000、Sであり、
PはN、Oであり、
R12000はハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールであり、
nは1〜7の整数であり;
かつ式II(AA)が、式II(AA)の立体異性体(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー)、式II(a)の化合物の薬学的に許容される塩、および式II(AA)の多形体を含む、
前記化合物および前記鏡像異性体。
[本発明1058]
式III:
Figure 2021011500
で表される化合物であって、
式中、L2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
XはNR14またはOであり;
R14はH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく; かつ
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHおよび重水素からなる群より選択され;
Zは-OH、-OR11、-N(R11)R12、-SR11、またはP1であり;
R11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、置換アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、置換アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、または置換アルキルヘテロアリールであり;
R12はH、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
P1
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシ、ハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式IIIが、式IIIの化合物の立体異性体(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー)、薬学的に許容される塩、および多形体を含む、
前記化合物。
[本発明1059]
L2
Figure 2021011500
からなる群より選択される、本発明1058の化合物。
[本発明1060]
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36がHである、本発明1058の化合物。
[本発明1061]
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36のうち少なくとも1つが重水素である、本発明1058の化合物。
[本発明1062]
式IIIA:
Figure 2021011500
で表される化合物であって、
式中、ZおよびL2が本発明1058で定義されたとおりである、
本発明1058の化合物。
[本発明1063]
式III(AA):
Figure 2021011500
を有する化合物、ならびに式III(AA)の化合物の立体異性体(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー)、および式III(AA)の化合物の薬学的に許容される塩、および式III(AA)の多形体であって、
式中、
R11はハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールであり、
R03、R04、R05、R06、R07、およびR08は独立してH、重水素からなる群より選択され、
XはO、NR012、Sであり、
R012はハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールであり、
YはC=Oである、
前記化合物、ならびに前記立体異性体、および前記薬学的に許容される塩、および前記多形体。
[本発明1064]
式IV:
Figure 2021011500
で表される化合物であって、
R1はHおよびP2からなる群より選択され;
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHおよび重水素からなる群より選択され;
L1は-O-アルキレン-C(O)-、-O-アルキレン-OC(O)-、または結合からなる群より選択され;
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、およびアルコキシ、ハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式IVが、式IVの化合物の立体異性体(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー)、薬学的に許容される塩、および多形体を含む、
前記化合物。
[本発明1065]
式IVA:
Figure 2021011500
で表される化合物であって、
式中、L1およびR1が本発明1064で定義されたとおりである、
本発明1064の化合物。
[本発明1066]
本発明1001〜1065の少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの他の成分とを含む、組成物。
[本発明1067]
経皮送達用に製剤化されている、本発明1066の組成物。
[本発明1068]
パッチによる経皮送達用に製剤化されている、本発明1066の組成物。
[本発明1069]
少なくとも1つの溶媒をさらに含む、本発明1066の組成物。
[本発明1070]
本発明1001〜1065の化合物の量が、ヒトの治療に有用な送達プロファイルを提供するように適合されている、本発明1063の組成物。
[本発明1071]
以下の群より選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、クラスレート、多形体、もしくは立体異性体(例えば、鏡像異性体もしくはジアステレオマー):
Figure 2021011500
Figure 2021011500
Figure 2021011500
Figure 2021011500
Figure 2021011500
Figure 2021011500
Figure 2021011500

[本発明1072]
本発明1071の化合物と1つまたは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、組成物。
[本発明1073]
肺高血圧症を治療する方法であって、治療を必要とする対象に治療有効量のトレプロスチニル誘導体またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、クラスレート、もしくは多形体を投与する段階を含む、前記方法。
[本発明1074]
トレプロスチニル誘導体が本発明1001〜1065のいずれかの化合物である、本発明1073の方法。
[本発明1075]
トレプロスチニル誘導体が本発明1071の化合物である、本発明1073の方法。
[本発明1076]
トレプロスチニル誘導体が経口投与、局所投与、または非経口投与される、本発明1073の方法。
[本発明1077]
トレプロスチニル誘導体が(例えば経皮パッチ剤によって)経皮投与される、本発明1076の方法。
[本発明1078]
肺高血圧症が肺動脈性肺高血圧症である、本発明1073の方法。
[本発明1079]
さらなる治療剤を投与する段階をさらに含む、本発明1073の方法。
[本発明1080]
さらなる治療剤が血管作用薬、利尿薬、および抗凝固薬からなる群より選択される、本発明1079の方法。
[本発明1081]
肺高血圧症が肺動脈性肺高血圧症であり;
トレプロスチニル誘導体が本発明1071の化合物であり;かつ
トレプロスチニル誘導体が局所投与(例えば経皮投与)される、
本発明1073の方法。
詳細な説明
序論
2013年1月11日出願の米国優先権仮出願第61/751,608号は、式I、式II、および式IIIを含む化学式および特許請求の範囲、ならびにスキームI〜4、実施例、および14〜16頁の構造の表を含んだその全体が、あらゆる目的で参照により本明細書に組み入れられる。
トレプロスチニルを含む様々なプロスタサイクリン類似体、およびそれらの使用方法は公知である。例えば、血管拡張を促進し、血小板凝集および血栓形成を阻害し、血栓溶解を刺激し、細胞増殖(血管リモデリングを含む)を阻害し、細胞保護を行い、アテローム発生を予防し、血管新生を誘導する上で使用することができる。これらのプロスタサイクリン模倣機構を通じて、これらの化合物を肺高血圧症、虚血性疾患(例えば末梢血管疾患、レイノー現象、強皮症、心筋虚血、虚血性脳卒中、腎不全)、心不全(うっ血性心不全を含む)、抗凝固を必要とする状態(例えばMI後、心臓手術後)、血栓性微小血管症、体外循環、網膜中心静脈閉塞症、アテローム性動脈硬化症、炎症性疾患(例えばCOPD、乾癬)、高血圧症(例えば子癇前症)、生殖および分娩、がんまたは他の未制御細胞増殖状態、細胞保存/組織保存、ならびにプロスタサイクリン処置が有益な役割を有するようである他の新興治療領域の治療において使用することができる。また、これらの化合物は、他の心血管薬(例えばカルシウムチャネル遮断薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、内皮アンタゴニスト、および抗血小板薬)との組み合わせで相加的または相乗的な利点を示しうる。
トレプロスチニルはプロスタサイクリンの化学的に安定な類似体である。トレプロスチニルナトリウム(Remodulin(登録商標))が皮下投与向けに米国食品医薬品局(FDA)に承認されているが、遊離酸としてのトレプロスチニルは著しい代謝による10%未満の絶対経口バイオアベイラビリティおよび非常に短い全身半減期を示す。
定義
本明細書において、複数の化学式で表される化学基の一覧が示される(例えばP1、P2、L1、およびL2)。本明細書において使用されるこれら基の一覧では、基の一覧における化学式の部分群の任意の組み合わせ、および基の一覧における任意の単一の式も記述される。
「アルキル」という用語は、一価の飽和炭化水素基を意味する。C1〜C8アルキルとは、1〜8個の炭素原子を有するアルキルのことであり、例えばC1〜C3アルキル、C1〜C5アルキル、およびC1〜C7アルキルが挙げられる。アルキルは直鎖状または分岐状でありうる。アルキル基の例としてはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、およびn-ヘキシルが挙げられる。
「ハロアルキル」という用語は、ClおよびFより選択される1個または複数のハロゲン原子に結合した一価の飽和炭化水素基を意味する。具体例としては2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2-フルオロプロピル、および2,2-ジフルオロプロピルが挙げられる。
「ヘテロアルキル」という用語は、O、N、およびSより選択される1個または複数のヘテロ原子に結合した一価の飽和炭化水素基を意味する。C1〜C8ヘテロアルキルとは、1〜8個の炭素原子と、O、N、Sより選択される1個または複数のヘテロ原子とを有するアルキルのことであり、例えばC1〜C3-OH、C1〜C5-SH、およびC1〜C7-NH2が挙げられる。C1-C2-O-C3-C4-OHおよびC1-C2-NH-C3-C4-OHも挙げられる。
「シクロアルキル」という用語は、一価の単環式、二環式、または三環式飽和炭化水素環系を意味する。「C3〜C14シクロアルキル」という用語は、環炭素原子の数が3〜14であるシクロアルキルを意味する。C3〜C14シクロアルキルの例としてはC3〜C10シクロアルキルおよびC3〜C6シクロアルキルが挙げられる。二環系および三環系としては縮合環系、架橋環系、およびスピロ環系が挙げられる。シクロアルキル基のより具体的な例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、cis-およびtrans-デカリニル、ノルボルニル、アダマンチル、ならびにスピロ[4.5]デカニルが挙げられる。
「シクロヘテロアルキル」または「ヘテロシクロアルキル」という用語は、1〜4個の環原子が、独立してO、N、およびSからなる群より選択されるヘテロ原子である、一価の単環式、二環式、または三環式飽和環系を意味する。「3員〜14員シクロヘテロアルキル」という用語は、環原子の数が3〜14であるシクロヘテロアルキルを意味する。3員〜14員シクロヘテロアルキルの例としては3員〜10員シクロヘテロアルキルおよび3員〜6員シクロヘテロアルキルが挙げられる。二環系および三環系としては縮合環系、架橋環系、およびスピロ環系が挙げられる。シクロヘテロアルキル基のより具体的な例としてはアゼパニル、アゼチジニル、アジリジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラゾリジニル、ピロリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、およびα-メチル-1,3-ジオキソール-2-オニルが挙げられる。
「アルキルシクロアルキル」という用語は、アルキル基に結合した一価の単環式、二環式、または三環式飽和炭化水素環系を意味する。具体例としてはシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、およびシクロヘキシルエチルが挙げられる。
「アルキルヘテロシクロアルキル」または「アルキルシクロヘテロアルキル」という用語は、アルキル基に結合したシクロヘテロアルキル基を意味する。具体例としてはN-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、4-エチルピペリジン、1-メチル-4-エチルピペリジン、およびN-エチルピペラジンが挙げられる。
「アリール」という用語は、単環系、縮合二環系、または縮合三環系でありうる一価の芳香族炭素環系を意味する。「C6〜C14アリール」という用語は、6〜14個の環炭素原子を有するアリールを意味する。C6〜C14アリールの一例はC6〜C10アリールである。アリール基のより具体的な例としてはフェニル、ナフチル、アントラシル、およびフェナントリルが挙げられる。
「ヘテロアリール」という用語は、不飽和芳香族ヘテロシクリル基を意味する。ヘテロアリール基の例としては1〜4個の窒素原子を含有する不飽和3員〜6員複素単環式基、例えばピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、テトラゾリルなど; 1〜5個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロシクリル基、例えばインドリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニルなど; 1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和3員〜6員複素単環式基、例えばオキサゾリル、オキサジアゾリルなど; 1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロシクリル基; 1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和3員〜6員複素単環式基、例えばチアゾリル、チアジアゾリルなど; ならびに1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロシクリル基が挙げられる。
「アルキルアリール」という用語は、ベンジル、ジフェニルメチル、またはフェニルエチルなどのアリール置換アルキル基を意味する。
「アルキルヘテロアリール」という用語は、イミダゾリルメチル、チアゾリルメチル、またはピリジルエチルなどのヘテロアリール置換アルキル基を意味する。
アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、およびアルキルヘテロアリールなどの本明細書に記載の用語は、それらが環を形成する態様を網羅してもよいと理解されよう。例えば、任意で、R14、R15、R16、R17、R18、およびR19などの基は、他のR14基、R15基、R16基、R17基、R18基、およびR19基と環を形成してもよい。
「置換される」という用語は、所与の構造中の1個または複数の水素基がハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルチオアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルコキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルハロ、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ヒドロキシル、アルキルオキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルキル、アシル、カルボニル、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、アリール、ヘテロアリール、複素環、および脂肪族を含むがそれに限定されない特定の置換基の基で置き換えられることを意味する。当業者の通常の限界の範囲内で置換基をさらに置換してもよいと理解されよう。ある部分または基は置換されていてもよく、すなわち、その基は1個または複数の置換基を有しても有さなくてもよい。
本明細書において使用される「化合物」という用語は、その塩、溶媒和物、水和物、および多形体も含むように意図されている。本出願に記載の本発明の特定の局面における「塩」、「溶媒和物」、「水和物」、または「多形体」の特定の記載は、「化合物」という用語がこれら他の形態の記載なしに使用される本発明の他の局面におけるこれら形態の意図的な排除としては解釈されないものとする。
本発明の化合物の塩は、酸と本化合物の塩基性基、例えばアミノ官能基との間で、または塩基と本化合物の酸性基、例えばカルボキシル官能基との間で形成される。別の好ましい態様によれば、本化合物は薬学的に許容される塩基付加塩または酸付加塩である。
「薬学的に許容される」という用語は、正しい医学的判断の範囲内では、過度の毒性、刺激性、アレルギー反応などを伴わず、ヒトおよび他の哺乳動物の組織と接触させて使用するのに適しており、かつ妥当な損益比に相応している、成分を意味する。「薬学的に許容される塩」とは、レシピエントへの投与時に本発明の化合物または化合物のプロドラッグを直接的または間接的に与えることが可能な任意の無毒の塩を意味する。「薬学的に許容される対イオン」とは、レシピエントへの投与時に塩から放出される際に毒性ではない、塩のイオン性部分のことである。
薬学的に許容される塩を形成するために一般に使用される酸としては、二硫化水素、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸、ならびにp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、二酒石酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ベシル酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、ギ酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、乳酸、シュウ酸、p-ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、および酢酸などの有機酸、ならびに関連する無機酸および有機酸が挙げられる。したがって、薬学的に許容される塩としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、β-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、マンデル酸塩、および同様の塩が挙げられる。好ましい薬学的に許容される酸付加塩としては塩酸および臭化水素酸などの鉱酸と形成される塩、および特にマレイン酸などの有機酸と形成される塩が挙げられる。
本明細書において使用される「水和物」という用語は、非共有結合的分子間力によって結合した化学量論的または非化学量論的量の水をさらに含む化合物を意味する。
本明細書において使用される「溶媒和物」という用語は、非共有結合的分子間力によって結合した化学量論的または非化学量論的量の水、アセトン、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、2-プロパノールなどの溶媒をさらに含む化合物を意味する。
同位体および同位体存在度
合成において使用される化学物質の起源に応じて、合成された化合物において天然同位体存在度の何らかの変動が生じることが認識されよう。したがって、トレプロスチニルの製剤は少量の重水素化アイソトポローグを本来的に含有する。この変動にもかかわらず、天然に豊富な水素および炭素の安定同位体の濃度は小さく、本発明の化合物の安定同位体置換の程度に関して重要ではない。例えばWada E et al, Seikagaku 1994, 66:15; Ganes L Z et al, Comp Biochem Physiol Mol Integr Physiol 1998, 119:725を参照。本発明の化合物において、特定の位置が重水素を有すると明示される場合、その位置での重水素の存在度は、約0.015%である天然重水素存在度よりも実質的に大きいと理解されよう。通常、重水素を有すると明示される位置は、前記化合物中の重水素として明示される各原子において少なくとも約3000の最小同位体濃縮係数(約45重水素取り込み%)を有する。
本明細書において使用される「同位体濃縮係数」という用語は、同位体存在度と特定の同位体の天然存在度との間の比を意味する。
いくつかの態様では、本発明の化合物は、重水素として明示された各原子について少なくとも3500(重水素として明示された各原子において52.5重水素取り込み%)、少なくとも4000(60重水素取り込み%)、少なくとも4500(67.5重水素取り込み%)、少なくとも5000(75重水素取り込み%)、少なくとも5500(82.5重水素取り込み%)、少なくとも6000(90重水素取り込み%)、少なくとも6333.3(95重水素取り込み%)、少なくとも6466.7(97重水素取り込み%)、少なくとも6600(99重水素取り込み%)または少なくとも6633.3(99.5重水素取り込み%)の同位体濃縮係数を有する。
本発明の化合物において、特定の同位体として具体的に明示されていない任意の原子は、その原子の任意の安定同位体を表すように意図されている。別途記述がない限り、ある位置が「H」または「水素」として具体的に明示される場合、その位置はその天然存在度の同位体組成で水素を有するものと理解されよう。
他の態様では、本発明の化合物は合計10%未満、好ましくは6%未満、より好ましくは3%未満の、重水素を欠く形態を含むすべての他のアイソトポローグを含有する。特定の局面では、本化合物は合計「X」%未満の、重水素を欠く形態を含むすべての他のアイソトポローグを含有し、Xは0以上10以下の任意の数(例えば1、0.5、0.001)である。合計10%超のすべての他のアイソトポローグを含有する組成物は、本明細書においては「混合物」と呼ばれ、以下に記載のパラメータに適合しなければならない。同位体組成に関するこれらの限定、および本明細書における同位体組成に対するすべての言及は、式IまたはIIの化合物の活性遊離塩基形態に存在する重水素/水素の相対量にのみ関するものであり、プロドラッグの加水分解性部分の同位体組成、または対イオンの同位体組成を含まない。
「アイソトポローグ」という用語は、分子またはイオンの同位体組成のみが本発明の特定の化合物と異なる種を意味する。
立体異性体
本発明が、本明細書に記載の化合物のすべてのありうるジアステレオマーおよび鏡像異性体を含むすべてのありうる立体異性体を包含するものであり、図示される構造でまたは命名法で示される特定の立体異性体だけを包含するものではないということが理解されよう。本発明のいくつかの態様は、図示される構造でまたは命名法で示される特定の立体異性体に関する。
コア構造式I
一態様では、本発明は、式I:
Figure 2021011500
で表される化合物を提供する。
式Iをさらに定義するために少なくとも2つの下位態様が提供される。
式Iの第1の下位態様では、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHまたは重水素であり;
Zは-OH、-OR11、-N(R11)R12、-SR11、またはP1であり;
R11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、置換アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、置換アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、または置換アルキルヘテロアリールであり;
R12はH、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
P1
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、およびハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
かつ、R1およびR2は独立してHまたはP2であり、R1およびR2のうち少なくとも一方はP2であり、
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15は上記定義の通りであり;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなるリストより選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19は上記定義の通りであり;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式Iは、式Iの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体を含む。この式Iでは、本明細書に記載の式II、III、およびIVとは対照的に、Z、R1、およびR2基は互いに結合していない。
一態様では、R1はP2であり、R2はHである。別の態様では、R1はHであり、R2はP2である。別の態様では、R1はP2であり、R2はP2である。
P2基をより具体的に説明することができる。一態様では、P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
別の態様では、P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
別の態様では、P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
別の態様では、P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
別の態様では、P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
別の態様では、P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
別の態様では、P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
別の態様では、P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
別の態様では、P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
別の態様では、P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
別の態様では、P2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
一態様では、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36はHである。
一態様では、Zは-OR11、-N(R11)R12、またはP1である。別の態様では、ZはP1である。別の態様では、Zは-OH、-OR11、-N(R11)R12、またはP1である。別の態様では、Zは-OHである。
一態様では、Zは-OHではなく、R11は非置換または置換ベンジルではない。
式Iの第2の下位態様では、
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHまたは重水素であり;
Zは-OR11、-N(R11)R12、-SR11、またはP1であり;
R11は、分岐アルキル、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ビシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、置換アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、置換アルキルシクロヘテロアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、または置換アルキルヘテロアリールであり;
R12はH、分岐アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
P1
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、およびハロアルコキシからなる群より置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
かつ、R1およびR2は独立してHまたはP2であり、
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15は上記定義の通りであり;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなるリストより選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、またはSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19は上記定義の通りであり;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式Iは、式Iの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体を含む。
一態様では、Zは-OR11である。一態様では、Zは-N(R11)R12である。一態様では、Zは-SR11である。一態様では、ZはP1である。一態様では、ZはOR11であり、R11はビシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、またはアルキルシクロヘテロアルキルである。一態様では、ZはP1である。
一態様では、R11はハロアルキル、またはより具体的にはフルオロアルキルである。
一態様では、R1は水素であり、またはR2は水素である。一態様では、R1は水素であり、R2はP2である。一態様では、R1はP2であり、R2は水素である。一態様では、R1およびR2は水素である。一態様では、R1およびR2はP2である。
一態様では、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36のうち少なくとも1つは重水素である。
一態様では、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は水素である。
式IA
式Iの1つの下位態様は、式(IA):
Figure 2021011500
で表される化合物であり、
式中、
Zは-OH、-OR11、またはP1であり;
R11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、置換アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、または置換アルキルシクロヘテロアルキルであり;
P1
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14はH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
かつ、R1およびR2は独立してHまたはP2であり、R1およびR2のうち少なくとも一方はP2であり、
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式IAは、式IAの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体を含む。
式Iの化合物の例
以下が式Iの具体的な化合物である(なお、化合物Aはトレプロスチニルである)。
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸シクロプロピルメチルエステル(化合物1を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
N-シクロプロピルメチル-2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-アセトアミド(化合物2を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸2-モルホリン-4-イル-エチルエステル(化合物3を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸3-フルオロ-プロピルエステル(化合物4を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸テトラヒドロ-フラン-3-イルエステル(化合物5を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
2-{2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-アセトキシ}-プロピオン酸メチルエステル(化合物6を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
N-(2-ヒドロキシ-エチル)-2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-アセトアミド(化合物7を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
N-(2-アミノ-エチル)-2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-アセトアミド(化合物8を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸2-ヒドロキシ-エチルエステル(化合物9を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸2-メトキシ-エチルエステル(化合物10を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-N-(3-ヒドロキシ-プロピル)-アセトアミド(化合物11を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
{2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-アセチルアミノ}-酢酸メチルエステル(化合物12を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
({2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-アセチル}-メチル-アミノ)-酢酸メチルエステル(化合物13を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-N-(2,2,2-トリフルオロ-エチル)-アセトアミド(化合物14を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸メチルエステル(化合物15を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸2,2-ジメチル-プロピルエステル(化合物16を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸1,2-ジメチル-プロピルエステル(化合物17を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸1,2,2-トリメチル-プロピルエステル(化合物18を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルエステル(化合物19を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸イソプロピルエステル(化合物20を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-N-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-プロピル)-アセトアミド(化合物21を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
ペンタン酸1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-2-イルエステル(化合物22を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
3-メチル-酪酸1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-2-イルエステル(化合物23を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
シクロプロパンカルボン酸1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-2-イルエステル(化合物24を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-エトキシカルボニルオキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸メチルエステル(化合物25を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-アセトキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸メチルエステル(化合物26を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
コハク酸エチルエステル1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-2-イルエステル(化合物27を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸tert-ブチルエステル(化合物28を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
3-{2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-アセチル}-オキサゾリジン-2-オン(化合物29を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-N-(1H-テトラゾール-5-イル)-アセトアミド(化合物30を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチルエステル(化合物31を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸1,2,2-トリメチル-プロピルエステル(化合物32を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸1,2,2-トリメチル-プロピルエステル(化合物33を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルエステル(化合物34を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルエステル(化合物35を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルエステル(化合物36を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルエステル(化合物37を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシルエステル(化合物38を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルエステル(化合物39を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-(2-エトキシ-エトキシカルボニルオキシ)-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸メチルエステル(化合物40を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-(2-ジメチルアミノ-エトキシカルボニルオキシ)-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸メチルエステル(化合物41を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エトキシカルボニルオキシ)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸メチルエステル(化合物42を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
3-モルホリン-4-イル-プロピオン酸1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-2-イルエステル(化合物43を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2-(2-ピロリジン-1-イル-アセトキシ)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸メチルエステル(化合物44を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
シクロペンタンカルボン酸1-[2-(2-ヒドロキシ-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-1-イル)-エチル]-ヘキシルエステル(化合物45を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
1-メチル-ピペリジン-2-カルボン酸1-[2-(2-ヒドロキシ-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-1-イル)-エチル]-ヘキシルエステル(化合物46を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
4-メチル-モルホリン-2-カルボン酸1-[2-(2-ヒドロキシ-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-1-イル)-エチル]-ヘキシルエステル(化合物47を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
シクロプロパンカルボン酸1-[2-(2-ヒドロキシ-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-1-イル)-エチル]-ヘキシルエステル(化合物48を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
2-メチル-酪酸1-[2-(2-ヒドロキシ-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-1-イル)-エチル]-ヘキシルエステル(化合物49を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[1-(3-シクロペンチルオキシカルボニルオキシ-オクチル)-2-ヒドロキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸メチルエステル(化合物50を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
{1-[3-(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルオキシカルボニルオキシ)-オクチル]-2-ヒドロキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ}-酢酸メチルエステル(化合物51を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-アセトキシ-1-(3-アセトキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルエステル(化合物52を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルエステル(化合物53を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
プロピオン酸1-{2-[5-メトキシカルボニルメトキシ-2-(5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジオキソール-4-イルメトキシカルボニルオキシ)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-1-イル]-エチル}-ヘキシルエステル(化合物54を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸1,2-ジメチル-プロピルエステル(化合物55を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸1,2-ジメチル-プロピルエステル(化合物56を含むすべてのありうる立体異性体)
Figure 2021011500
コア構造式IIおよびIIA
別の態様では、本発明は、式II:
Figure 2021011500
で表される化合物を提供し、
式中、
R2はHおよびP2からなる群より選択され;
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHおよび重水素からなる群より選択され;
L1は-O-アルキレン-C(O)-、-O-アルキレン-OC(O)-、または結合からなる群より選択され;
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15は上記定義の通りであり;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、およびSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19は上記定義の通りであり;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式IIは、式IIの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体を含む。
一態様では、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36はHである。一態様では、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36のうち少なくとも1つは重水素である。
一態様では、L1は-O-アルキル-C(O)-、-O-アルキル-OC(O)-からなる群より選択される。一態様では、L1は-O-アルキレン-C(O)-である。一態様では、L1は-O-アルキレン-OC(O)-である。一態様では、請求項41のアルキレン基はC1〜C5アルキレン基である。一態様では、請求項41のアルキレン基はC1アルキレン基である。
式IIの1つの下位態様では、式IIA:
Figure 2021011500
で表される請求項41に記載の化合物が提供され、
式中、L1およびR2は式IIで定義されたとおりである。
式IIの化合物の例
以下は式IIの具体的な化合物を表す。
Figure 2021011500
トレプロスチニル2-ヒドロキシラクトン(化合物57を含む、可能性のある全ての立体異性体)
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸カルボキシメチルラクトン(化合物58を含む、可能性のある全ての立体異性体)
コア構造式III
1つの態様では、本発明は式III:
Figure 2021011500
で表される化合物を提供し、
式中、L2は、-CH2-、-CHMe-、-C(Me)2-、および
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
XはNR14またはOであり;
R14はH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく; かつ
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHおよび重水素からなる群より選択され;
Zは-OH、-OR11、-N(R11)R12、-SR11、またはP1であり;
R11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、置換アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、置換アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、または置換アルキルヘテロアリールであり;
R12はH、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
P1
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、およびSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、およびハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R15およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式IIIは、式IIIの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体を含む。
一態様では、L2
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
一態様では、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36のうち少なくとも1つは重水素であり、またはそれらはいずれも水素である。
式IIIの1つの特定の下位態様は、式IIIA:
Figure 2021011500
で表される化合物を含み、
式中、ZおよびL2は式IIIで定義されたとおりである。
式IIIの化合物の例
以下の化合物は式IIIの化合物の具体例を表す。
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸メチルエステル2,3-マレイン酸塩(化合物59を含む、可能性のある全ての立体異性体)
コア構造式IV
別の態様は、式IV:
Figure 2021011500
で表される化合物であり、式中、L1基は式IIとは異なって、R1よりもむしろR2に結合し、
R1はHおよびP2からなる群より選択され;
R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHおよび重水素からなる群より選択され;
L1は-O-アルキレン-C(O)-、-O-アルキレン-OC(O)-、および結合からなる群より選択され;
P2
Figure 2021011500
からなる群より選択され、
ここで、
mは1、2、3、または4であり;
R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、およびSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
R16およびR17はそれぞれの場合で独立してHまたはアルキルであり;
R16およびR17は、それらが結合している原子と一緒になって3員〜6員環を形成してもよく;
R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素およびアルキルからなる群より選択され、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなるリストより選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、およびハロアルコキシからなるリストより置換されており;
R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
式IVは、式IVの化合物の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体を含む。
一態様では、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36のうち少なくとも1つは重水素であり、またはそれらはいずれも水素である。
式IVの特定の態様では、化合物は式IVA:
Figure 2021011500
で表され、
式中、L1およびR1は式IVで定義されたとおりである。
式IIの化合物と同様のアプローチを使用して式IVの化合物を作製および使用することができる。
優先権仮出願第61/751,608号の態様
優先権仮出願の一態様は式(IAA)
Figure 2021011500
に記載の化合物であり、
式中、
R100およびR200は独立してH、CONR900R1000、CR900R1000OCOP3R900R1000からなる群より選択され、R900およびR1000は独立してH、アルキル、およびシクロアルキルより選択され、
R300、R400、R500、R600、R700、およびR800は独立してHおよび重水素からなる群より選択され、
XはO、NHR1200、またはSであり、
P3はNまたはOであり、
R1100はハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
R1200はハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールである。
一態様では、R100、R200はHである。一態様では、R300、R400、R500、R600、R700、およびR800はHである。一態様では、XはOである。一態様では、R1100
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
一態様では、XはNHR1200である。
一態様では、R1100
Figure 2021011500
からなる群より選択される。
一態様では、XはOである。一態様では、R300、R400、R500、R600、R700、およびR800はHである。一態様では、R1100はアルキルである。
優先権仮出願の別の態様は、式II(AA):
Figure 2021011500
の化合物であり、
式中、
R2000は独立してH、CONR9000R10000、CR9000R10000OCOP4R9000(R10000)からなる群より選択され、R9000およびR10000は独立してH、アルキル、およびシクロアルキルより選択され、
R3000、R4000、R5000、R6000、R7000、およびR8000は独立してHおよび重水素からなる群より選択され、
XはO、NR12000、またはSであり、
P4はNまたはOであり、
R12000はハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
nは1〜7の整数であり、
ここで、式II(AA)の化合物には、式II(AA)の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体が含まれる。
優先権仮出願の別の態様は、式III(AA):
Figure 2021011500
を有する化合物であり、
式中、
R11はハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
式中、R03、R04、R05、R06、R07、およびR08は独立してHおよび重水素からなる群より選択され、
式中、XはO、-NR012、またはSであり、
R012はハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
Yは、C=O、-CH2-、-CHMe-、または-C(Me)2-であり、
式III(AA)の化合物には、式III(AA)の鏡像異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および多形体が含まれる。
式Iの化合物の作製方法
R1およびR2がHである式Iの化合物は、スキーム1に従って、ZがOHであり、R1がHであり、R2がGreeneおよびWutsのProtective Groups in Organic Synthesisに記載の保護基を表すPGである式Iの化合物から出発して合成することができる。カルボン酸を、EDC、DCC、DIC、BOP、HATU、HBTU、CDI、塩化チオニル、または塩化オキサリルを含むがそれに限定されない活性化剤の使用を包含するカップリング条件を使用して活性化する。カップリング条件は、DMF、HOSu、HOBT、またはHOATを含むがそれに限定されない添加剤を含んでも含まなくてもよく、DMAP、TEA、DIPEA、N-メチルモルホリン、ピリジン、および/またはイミダゾールを含むがそれに限定されない1つまたは複数の求核性または非求核性の塩基または添加剤を含んでも含まなくてもよい。カップリング条件は、DCM、THF、DMF、ジオキサン、酢酸エチル、および/またはアセトニトリルを含むがそれに限定されない好適な溶媒または溶媒混合物中で実行してもよい。活性化された酸は単離および精製してもよく、試薬ZHで直接処理してもよい。あるいは、ZHはカップリング条件の間に存在してもよい。カップリング条件の代表例、ならびに活性化剤、添加剤、および塩基の定義は、Handbook of Reagents for Organic Synthesis: Activating Agents and Protecting Groups, John Wiley and Sonsに見出すことができる。ZがOHではなく、R1がHであり、R2がPGである、得られた式Iの化合物を、PGで表される保護基の種類に適した脱保護条件を使用して脱保護することで、式Iの化合物を得る。好適な脱保護条件の例は、GreeneおよびWutsのProtective Groups in Organic Synthesisに見出すことができる。
スキーム1
Figure 2021011500
R1 = R2であるかまたはR1がHである式Iの化合物は、スキーム2に従って、R1およびR2がHである式Iの化合物から出発して、アシル化条件、およびYがハロゲン、スルホニル、ホスホリル、またはアシルを含むがそれに限定されない脱離基である反応性分子ROHまたはRYを使用することで合成することができる。反応性分子ROHを使用する場合、アシル化条件は上記のカップリング条件と同様である。反応性分子RYを使用する場合、アシル化条件は、DMAP、TEA、DIPEA、N-メチルモルホリン、ピリジン、および/またはイミダゾールを含むがそれに限定されない1つまたは複数の求核性または非求核性の塩基または添加剤を含んでも含まなくてもよく、DCM、THF、DMF、ジオキサン、酢酸エチル、および/またはアセトニトリルを含むがそれに限定されない好適な溶媒または溶媒混合物中で実行してもよい。
スキーム2
Figure 2021011500
R2がHである式Iの化合物は、スキーム3に従って、R1がHであり、R2が上記のPGである式Iの化合物から出発して、上記のROHまたはRYを使用するアシル化条件とそれに続く上記の脱保護条件とを使用することで合成することができる。
スキーム3
Figure 2021011500
式IIの化合物の作製方法
式IIの化合物は、スキーム4に従って、ZがOHであり、R2が上記のPGである式Iの化合物から出発して、ラクトン化条件を使用することで合成することができる。ラクトン化条件の例はChemical Reviews (2007), 107, 239およびBeilstein Journal of Organic Chemistry (2012), 8, 1344に見出すことができ、無水2,4,6-トリクロロ安息香酸、TEA、およびDMAP; 無水4-ニトロ安息香酸、TEA、およびDMAP; ヨウ化2-クロロ-1-メチルピリジニウムおよびトリブチルアミン; 2,2'-ジピリジルジスルフィドおよびトリフェニルホスフィン; ならびに上記カップリング条件およびアシル化条件におけるすべての反応が挙げられるがそれに限定されない。ラクトン化反応は、DCM、THF、DMF、ジオキサン、酢酸エチル、アセトニトリル、および/またはトルエンを含むがそれに限定されない好適な溶媒または溶媒混合物中で実行してもよい。
スキーム4
Figure 2021011500
式IIIの化合物の作製方法
式IIIの化合物は、スキーム5に従って、R1およびR2がHである式1の化合物から出発して、DCM、THF、DMF、ジオキサン、酢酸エチル、アセトニトリル、および/またはトルエンを含むがそれに限定されない好適な溶媒または溶媒混合物中、DMAP、TEA、DIPEA、N-メチルモルホリン、ピリジン、および/またはイミダゾールを含むがそれに限定されない1つまたは複数の求核性または非求核性の塩基または添加剤の存在下または非存在下で、ホスゲン、カルボニルジイミダゾール、またはクロロギ酸4-ニトロフェニルを含むがそれに限定されない活性化カルボニル等価物と反応させることで合成することができる。
スキーム5
Figure 2021011500
薬学的組成物
本明細書に記載の化合物は単独でまたは当技術分野において公知の他の成分との組み合わせで使用することができる。特に、予防的処置および治療的処置における使用に適合した複数成分の製剤を調製することができる。組成物は例えば固体製剤、液体製剤、半固体製剤、溶液剤、懸濁液剤、または乳剤の形態でありうる。水を製剤化用剤として使用することができる。水は純粋な形態でも1つまたは複数の賦形剤との組み合わせでもよい。
一態様では、本化合物は、薬物が収容または分散されるマトリックス材料を含むマトリックス形態で製剤化される。マトリックス材料はさらに、リザーバからの薬物の溶解および/または分散を制御することで薬物の放出を制御するものであり、リザーバに貯蔵されている間の薬物分子の安定性を高めることができる。一態様では、薬物は、放出を促進するために有用な賦形剤材料、例えば、薬物をリザーバからリザーバ上の任意の組織嚢を通じて押し出すことに役立ちうる水膨潤性材料と共に製剤化される。例としては、当技術分野において公知のヒドロゲルおよび浸透圧発生剤が挙げられる。別の態様では、薬物は浸透促進剤と共に製剤化される。さらに、浸透促進剤は、薬物の皮膚を通じた局所投与部位中への輸送または全身送達を促進することで、薬物の放出を制御する。
より具体的には、さらに薬物の放出速度を制御するために、薬物をマトリックス材料に分散させることができる。このマトリックス材料は、米国特許第5,797,898号に記載の「放出系」であることができ、その分解性、溶出性、または分散性は、化学分子の放出速度を制御するための方法を提供することができる。
放出系は、例えば治療効果を高めるために血漿レベルの時間変動が望ましい場合には時間調節された放出プロファイル(例えばパルス放出)を提供することができ、あるいは、一定の血漿レベルが必要である場合にはより連続的なまたは一貫した放出プロファイルを提供することができる。パルス放出は個々のリザーバから、複数のリザーバから、またはその組み合わせから実現することができる。例えば、各リザーバが単一のパルスのみを与える場合、複数のパルス(すなわちパルス放出)は、いくつかの各リザーバからの単一のパルスの放出を時差をおいて行うことで実現される。あるいは、放出系および他の材料のいくつかの層を単一のリザーバに組み込むことで、複数のパルスを単一のリザーバから実現することができる。連続放出は、それを通じて長期間にわたって分子を分解し、溶出させ、または分散させる放出系を組み込むことで実現することができる。さらに、分子のいくつかのパルスを立て続けに放出することで(「デジタル」放出)、連続放出に似せることができる。本明細書に記載の能動放出系は、単独でまたは例えば米国特許第5,797,898号に記載の受動放出系との組み合わせで使用することができる。
薬剤を1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と共に製剤化することができる。代表例としては増量剤、湿潤剤、安定剤、結晶成長阻害剤、抗酸化剤、抗菌剤、保存料、緩衝剤(例えば酸、塩基)、界面活性剤、乾燥剤、分散剤、浸透圧剤、結合剤(例えばデンプン、ゼラチン)、崩壊剤(例えばセルロース)、滑剤(例えばタルク)、希釈剤(例えば乳糖、リン酸二カルシウム)、着色料、潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、硬化植物油)、ならびにその組み合わせが挙げられる。いくつかの態様では、賦形剤はワックスまたはポリマーである。一態様では、ポリマーはポリエチレングリコール(PEG)、例えば通常は分子量約100〜10,000ダルトンを有するもの(例えばPEG 200、PEG 1450)を含む。別の態様では、ポリマーはポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、その共重合体(PLGA)、またはエチル-酢酸ビニル(EVA)ポリマーを含む。さらに別の態様では、賦形剤材料は薬学的に許容される油(例えばゴマ油)を含む。
一態様では、賦形剤材料は飽和薬物溶液を含む。すなわち、賦形剤材料は、薬物用の溶媒に溶解した薬物で形成される溶液を含む。この溶液は、溶媒が薬物の固体マトリックス形態を溶解させないように飽和している。飽和溶液は非溶媒賦形剤材料として作用し、固体マトリックス中の細孔および空隙を実質的に満たす。
別の態様では、賦形剤材料は薬学的に許容されるパーハロ炭化水素(perhalohydrocarbon)または非置換飽和炭化水素を含む。例えば、無水液体、非プロトン性液体、疎水性液体、非極性液体、例えば生体適合性パーハロ炭化水素または非置換飽和炭化水素、例えばパーフルオロデカリン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン、パーフルオロ-N-メチルデカヒドロキンジン(methyldecahydroquindine)、パーフルオロ-オクトヒドロキノリジン(octohydro quinolidine)、パーフルオロ-N-シクロヘキシルピリリジン(cyclohexylpyrilidine)、パーフルオロ-N,N-ジメチルシクロヘキシルメチルアミン、パーフルオロ-ジメチル-アダマンタン、パーフルオロトリ-メチルビシクロ(3.3.1)ノナン、ビス(パーフルオロヘキシル)エテン、ビス(パーフルオロブチル)エテン、パーフルオロ-1-ブチル-2-ヘキシルエテン、テトラデカン、メトキシフルラン、およびミネラルオイルが記載されているKneppらの米国特許第6,264,990号を参照。
一態様では、薬学的に許容される賦形剤材料はジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセリン、またはエタノールを含む。
式I、II、III、およびIVに記載の化合物の混合物を使用することができる。
上記のように、薬学的組成物は、トレプロスチニル誘導体またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、クラスレート、もしくは多形体と、1つまたは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤とを含みうる。本組成物はさらなる治療剤を含有してもよい。
薬学的に許容される担体および賦形剤は、薬学的に許容される材料、媒体、および物質を含む。賦形剤の非限定的な例としては液体および固体充填剤、希釈剤、結合剤、潤滑剤、滑剤、界面活性剤、分散剤、崩壊剤、乳化剤、湿潤剤、懸濁化剤、増粘剤、溶媒、等張化剤、緩衝剤、pH調整剤、吸収遅延剤、甘味料、香味料、着色料、安定剤、保存料、抗酸化剤、抗菌剤、抗細菌剤、抗真菌剤、補助剤、封入材料、およびコーティング材料が挙げられる。薬学的製剤中でのそのような賦形剤の使用は当技術分野において公知である。任意の従来の担体または賦形剤が有効成分と適合しない場合を除いて、本開示は、トレプロスチニル誘導体を含有する製剤中での従来の担体および賦形剤の使用を包含する。例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott Williams & Wilkins (Philadelphia, Pennsylvania [2005]); Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th Ed., Rowe et al., Eds., The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association (2005); Handbook of Pharmaceutical Additives, 3rd Ed., Ash and Ash, Eds., Gower Publishing Co. (2007); およびPharmaceutical Preformulation and Formulation, Gibson, Ed., CRC Press LLC (Boca Raton, Florida [2004])を参照。
適切な製剤化は、選択される投与経路などの様々な要因に依存しうる。トレプロスチニル誘導体を含む薬学的組成物の潜在的な投与経路としては経口、非経口(筋肉内、皮下、皮内、血管内、静脈内、動脈内、髄内、およびくも膜下腔内を含む)、腹腔内、ならびに局所(皮膚/皮膚上、経皮、粘膜、経粘膜、鼻腔内[例えば鼻内スプレー剤または点鼻剤による]、眼内[例えば点眼剤による]、肺内[例えば吸入による]、頬側、舌下、直腸、および膣内を含む)が挙げられるがそれに限定されない。
一例として、経口投与に好適なトレプロスチニル誘導体の製剤は、例えばカプセル剤(プッシュフィットカプセル剤および軟カプセル剤を含む)、カシェ剤、もしくは錠剤として; 散剤もしくは顆粒剤として; またはボーラス剤、舐剤、もしくはペースト剤として提示されうる。例えば、プッシュフィットカプセル剤はトレプロスチニル誘導体と例えば充填剤(例えば乳糖)、結合剤(例えばデンプン)、および潤滑剤(例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム)、ならびに場合によっては安定剤との混合物を含有しうる。軟カプセル剤では、トレプロスチニル誘導体を好適な液体(例えば脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコール)に溶解または懸濁させることができ、安定剤を加えることができる。
また、経口投与用組成物を、水性液体および/もしくは非水性液体中の溶液剤もしくは懸濁液剤として、または水中油型液体乳剤もしくは油中水型液体乳剤として製剤化することができる。トレプロスチニル誘導体の分散性粉末または顆粒を、水性液体、有機溶媒、および/または油と任意の好適な賦形剤(例えば分散剤、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、および/または保存料の任意の組み合わせ)との任意の好適な組み合わせと混合することで、溶液剤、懸濁液剤、または乳剤を形成することができる。
また、トレプロスチニル誘導体を注射または注入による非経口投与用に製剤化することができる。注射または注入用製剤は、例えば油性または水性媒体中の溶液剤、懸濁液剤、または乳剤の形態であることができ、懸濁化剤、分散剤、および/または安定剤などの賦形剤を含有することができる。例えば、水性または非水性(例えば油性)滅菌注射液剤は、トレプロスチニル誘導体を、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を対象の血液と等張性にする溶質などの賦形剤と共に含有しうる。水性または非水性滅菌懸濁液剤は、トレプロスチニル誘導体を、懸濁化剤および増粘剤、ならびに場合によっては安定剤、およびより高濃度の溶液剤または懸濁液剤の調製を可能にするようにトレプロスチニル誘導体の溶解度を増加させる剤などの賦形剤と共に含有しうる。別の例として、注射または注入(例えば皮下または静脈内)用の滅菌水溶液剤は、トレプロスチニル誘導体、塩化ナトリウム、緩衝剤(例えばクエン酸ナトリウム)、保存料(例えばm-クレゾール)、ならびに場合によってはpHを調整するための塩基(例えばNaOH)および/または酸(例えばHCl)を含有しうる。
トレプロスチニル誘導体の遅延放出または持続放出では、組成物を、対象の例えば筋肉内または皮下に移植または注射可能なデポー剤として製剤化することができる。デポー製剤を、トレプロスチニル誘導体を比較的長い期間にわたって、例えば少なくとも約1週間、2週間、3週間、1ヶ月、1.5ヶ月、2ヶ月、またはそれ以上にわたって送達するように設計することができる。例えば、トレプロスチニル誘導体を、ポリマー材料と共に、疎水性材料と共に(例えば油中乳剤として)、および/もしくはイオン交換樹脂と共に、または難溶性誘導体(例えば難溶性塩)として、製剤化することができる。
いくつかの態様では、トレプロスチニル誘導体の典型的な剤形が頬側または舌下用の錠剤または丸剤として製剤化される。頬側または舌下用の錠剤または丸剤の利点としては、初回通過代謝の回避および胃腸吸収の回避が挙げられる。また、頬側または舌下用の錠剤または丸剤を、トレプロスチニル誘導体のより迅速な全身循環への取り込みのためにトレプロスチニル誘導体のより速やかな放出を実現するように設計することができる。頬側または舌下用の錠剤または丸剤は、治療有効量のトレプロスチニル誘導体に加えて、充填剤および希釈剤(例えばマンニトールおよびソルビトール)、結合剤(例えば炭酸ナトリウム)、湿潤剤(例えば炭酸ナトリウム)、崩壊剤(例えばクロスポビドンおよびクロスカルメロースナトリウム)、潤滑剤(例えば二酸化ケイ素[コロイド状二酸化ケイ素を含む]およびフマル酸ステアリルナトリウム)、安定剤(例えば炭酸水素ナトリウム)、香味料(例えばスペアミント香料)、甘味料(例えばスクラロース)、ならびに着色料(例えば鉄黄)の任意の組み合わせを含むがそれに限定されない好適な賦形剤を含有しうる。
さらに、トレプロスチニル誘導体を鼻腔内投与用に製剤化することができる。鼻腔内投与は、初回通過代謝を回避するものであり、著しい濃度のトレプロスチニル誘導体を中枢神経系に導入することができ、これにより副作用を減少させることができる。鼻腔内製剤は、トレプロスチニル誘導体を、溶解度向上剤(例えばプロピレングリコール)、保水剤(例えばマンニトールまたはソルビトール)、緩衝剤および水、ならびに場合によっては保存料(例えば塩化ベンザルコニウム)、粘膜接着剤(例えばヒドロキシエチルセルロース)、および/または浸透促進剤などの賦形剤と共に含みうる。
さらに、トレプロスチニル誘導体を経口吸入による投与用に製剤化することができる。吸入による投与の利点としては、比較的少ない全身副作用で肺に治療剤が選択的に蓄積されることが挙げられる。特定の態様では、経口吸入用の滅菌水溶液剤は、トレプロスチニル誘導体、塩化ナトリウム、緩衝剤(例えばクエン酸ナトリウム)、場合によっては保存料(例えばm-クレゾール)、ならびに場合によってはpHを調整するための塩基(例えばNaOH)および/または酸(例えばHCl)を含有する。
薬学的組成物は、当技術分野において公知である任意の好適な様式で、例えば従来の混合、溶解、懸濁、造粒、糖衣錠作製、湿式粉砕、乳化、封入、包括、または圧縮のプロセスによって製造することができる。
本組成物は単回用量としての単位剤形で提供されうる。単位剤形においては、すべての有効成分および非有効成分が好適な系中で組み合わせられており、投与される組成物を形成するために成分が混合されている必要はない。単位剤形は有効量またはその適切な一部分のトレプロスチニル誘導体を含有しうる。単位剤形の代表例は、経口摂取用の錠剤、カプセル剤、または丸剤である。薬学的組成物の内容物に関して、「有効成分」という用語はプロドラッグを包含する。
あるいは、本組成物はキットとしても提示されうる。キットにおいては、有効成分、賦形剤、および担体(例えば溶媒)は2つ以上の別々の容器(例えばアンプル、バイアル、管、瓶、またはシリンジ)で与えられ、投与される組成物を形成するためにそれらが組み合わせられている必要がある。キットは、本組成物(例えば静脈内注射される溶液剤)を調製および投与するための説明書を含みうる。
局所用組成物
皮膚または粘膜に適用される局所製剤は、全身分配のために血液中に治療剤を経皮投与または経粘膜投与することに有用でありうる。局所投与の利点としては初回通過代謝の回避、胃腸吸収の回避、相対的に短い生物学的半減期での治療剤の送達、治療剤のより制御された放出、治療剤のより均一な血漿投与の実行、およびユーザー適応性の改善を挙げることができる。
一般に、かつ本明細書の他の箇所に記載の局所製剤に関する開示以外に、局所投与に好適な組成物としては、スプレー剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤や、クリーム剤、フォーム剤、軟膏剤、およびペースト剤などの水中油型または油中水型乳剤、ならびに液滴剤(例えば点眼剤、点鼻剤、および点耳剤)などの溶液剤または懸濁液剤などの液体または半液体製剤が挙げられるがそれに限定されない。いくつかの態様では、局所用組成物は、担体に溶解、分散、または懸濁した治療剤を含む。担体は、例えば溶液、懸濁液、乳濁液、軟膏、またはゲル基剤の形態であることができ、例えばワセリン、ラノリン、ワックス(例えばミツロウ)、ミネラルオイル、長鎖アルコール、ポリエチレングリコールもしくはポリプロピレングリコール、希釈剤(例えば水および/またはアルコール[例えばエタノールもしくはプロピレングリコール])、乳化剤、安定剤、または増粘剤、あるいはその組み合わせを含有することができる。局所用組成物は例えば経皮パッチ、マイクロニードルパッチ、またはイオン泳動装置を含むことができ、あるいは、局所製剤をそれにより投与することができる。経皮パッチは、好適な材料(例えば硝酸もしくは酢酸セルロース、プロピレン、またはポリカーボネート)で作成される微多孔膜と、皮膚接着剤と、裏地材料とを例えば含みうる。局所用組成物は、濃度勾配または活性機構(例えばイオノスフェア)によって治療剤を経皮送達(経皮的送達および経粘膜送達を含む)することができる。
例示のために、代表的な種類の局所用組成物を以下で説明する。
浸透促進剤を含む局所用組成物
いくつかの態様では、局所用組成物はトレプロスチニル誘導体および浸透促進剤を含む。本組成物はさらなる治療剤を含有してもよい。
浸透促進剤は、皮膚または粘膜への治療剤の浸透性を増加させる。特定の態様では、浸透促進剤はN-ラウロイルサルコシン、オクチル硫酸ナトリウム、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、オレイン酸グリセリル、もしくはラウリルスルホ酢酸ナトリウム、またはその組み合わせである。特定の態様では、本組成物は重量/体積(w/v)比で浸透促進剤を約1〜20%、1〜15%、1〜10%、または1〜5%の量で含有する。皮膚または粘膜に浸透する治療剤の能力をさらに向上させるために、本組成物は界面活性剤、アゾン様化合物、アルコール、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、または脂肪族チオールを含有してもよい。
本組成物は1つまたは複数のさらなる賦形剤をさらに含有しうる。好適な賦形剤としては可溶化剤(例えばC2〜C8アルコール)、保湿剤または保水剤(例えばグリセロール[グリセリン]、プロピレングリコール、アミノ酸およびその誘導体、ポリアミノ酸およびその誘導体、ならびにピロリドンカルボン酸ならびにその塩および誘導体)、界面活性剤(例えばラウレス硫酸ナトリウムおよびソルビタンモノラウレート)、乳化剤(例えばセチルアルコールおよびステアリルアルコール)、増粘剤(例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、およびアクリルポリマー)、ならびに製剤基剤または担体(例えば軟膏基剤としてのポリエチレングリコール)が挙げられるがそれに限定されない。非限定的な例として、本組成物の基剤または担体はエタノール、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコール(例えばPEG 300)、ならびに場合によっては水性液体(例えば等張リン酸緩衝食塩水)を含有しうる。
局所用組成物は、溶液剤(例えば点眼剤、点鼻剤、もしくは点耳剤)、懸濁液剤、乳剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤、ペースト剤、ゼリー剤、フォーム剤、またはスプレー剤などの任意の好適な剤形を有しうる。いくつかの態様では、本組成物は、表面積約10〜800cm2、10〜400cm2、または10〜200cm2を覆うように皮膚または粘膜に適用される。本組成物は、全身循環への治療剤の経皮投与または経粘膜投与用に、例えば経皮パッチ剤またはマイクロニードルパッチ剤として製剤化されうる。
浸透促進剤および揮発性液体を含む局所用組成物
さらなる態様では、局所用組成物はトレプロスチニル誘導体、浸透促進剤、および揮発性液体を含む。本組成物はさらなる治療剤を含有してもよい。
浸透促進剤は、皮膚または粘膜への治療剤の浸透性を増加させる。いくつかの態様では、浸透促進剤はアミノ安息香酸C8〜C18アルキル(例えばp-アミノ安息香酸C8〜C18アルキル)、ジメチルアミノ安息香酸C8〜C18アルキル(例えばp-ジメチルアミノ安息香酸C8〜C18アルキル)、桂皮酸C8〜C18アルキル、メトキシ桂皮酸C8〜C18アルキル(例えばp-メトキシ桂皮酸C8〜C18アルキル)、およびサリチル酸C8〜C18アルキルからなる群より選択される。特定の態様では、浸透促進剤はサリチル酸オクチル、p-ジメチルアミノ安息香酸オクチル、もしくはp-メトキシ桂皮酸オクチル、またはその組み合わせである。
揮発性液体は、皮膚耐性または粘膜耐性のある任意の揮発性溶媒でありうる。特定の態様では、揮発性液体はC2〜C5アルコールまたはその水溶液、例えばエタノールもしくはイソプロパノールまたはその水溶液である。エアロゾル噴霧剤(例えばジメチルエーテル)は揮発性液体と見なされうる。いくつかの態様では、揮発性液体は本組成物の担体または媒体として機能する。
本組成物は増粘剤を含有してもよい。増粘剤の非限定的な例としてはセルロース系増粘剤(例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポビドン、ポリアクリル酸/ポリアクリレート(例えばCarbopol(登録商標)ポリマー)、Sepigel(登録商標)(ポリアクリルアミド/イソパラフィン/ラウレス-7)、ならびにGantrez(登録商標)シリーズのポリメチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体(例えばPMV/MA共重合体Gantrez(登録商標)A-425のブチルエステル)が挙げられる。
いくつかの態様では、本組成物は重量比でトレプロスチニル誘導体約0.1〜5%、0.5〜5%、または1〜5%、浸透促進剤約1〜20%、1〜15%、または1〜10%、および揮発性液体約40〜98%、45〜95%、50〜90%、または60〜80%を含有する。さらなる態様では、本組成物は重量比で水約1〜40%、1〜30%、1〜20%、もしくは5〜20%、および/または増粘剤約0.1〜15%、0.5〜10%、もしくは1〜5%を含有してもよい。
例示すると、特定の態様では、局所用スプレー組成物はトレプロスチニル誘導体約0.1〜5% w/v、サリチル酸オクチルまたはp-メトキシ桂皮酸オクチル約2〜10% w/v、および担体としての水性エタノール約95%を含有する。さらなる態様では、局所用ゲル組成物はトレプロスチニル誘導体約0.1〜5% w/v、サリチル酸オクチルまたはp-メトキシ桂皮酸オクチル約1〜10% w/v、Carbopol(登録商標)ポリアクリル酸約0.5〜5% w/v、および担体としての水性エタノール約70%、ならびに場合によっては塩基性溶液(例えば0.1N NaOH)約1〜10% w/vを含む。さらなる態様では、局所用ローション組成物はトレプロスチニル誘導体約0.1〜5% w/v、サリチル酸オクチルまたはp-メトキシ桂皮酸オクチル約1〜10% w/v、エチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース約1〜5% w/v、および担体としての水性エタノール約90%を含有する。
本組成物は、配合剤(例えばパラフィン油、シリコーン油、植物油、もしくはミリスチン酸イソプロピルなどの脂肪酸エステル)、希釈剤、共溶媒(例えばアセトン、もしくはジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル)、乳化剤、界面活性剤(例えばエトキシ化脂肪アルコール、グリセロールモノステアレート、もしくはリン酸エステル)、安定剤、抗酸化剤、または保存料(例えばヒドロキシ安息香酸エステル)、あるいはその組み合わせなどの他の賦形剤をさらに含みうる。例えば、溶液剤または懸濁液剤中の治療剤を所望の濃度に維持するために、共溶媒および/または界面活性剤を使用することができる。
局所用組成物は、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤、ムース剤、スプレー剤もしくはエアロゾル剤、または皮膚もしくは粘膜を通じた吸収により薬物を投与する任意の経皮装置(例えばパッチ剤)などの任意の好適な剤形を有しうる。いくつかの態様では、局所用組成物は、表面積約10〜800cm2、10〜400cm2、または10〜200cm2を覆うように皮膚または粘膜に適用される。
浸透促進剤および別の賦形剤を含む局所用組成物
なおさらなる態様では、局所用組成物はトレプロスチニル誘導体、浸透促進剤、ならびに親油性溶媒、製剤基剤、および増粘剤のうち少なくとも1つを含む。いくつかの態様では、本組成物は親油性溶媒および製剤基剤を含有し、あるいは、同じ物質が親油性溶媒および製剤基剤の両方として機能しうる。さらなる態様では、本組成物は親油性溶媒、製剤基剤、および増粘剤を含有する。本組成物はさらなる治療剤を含んでもよい。
浸透促進剤は、皮膚または粘膜への治療剤の浸透性を増加させる。浸透促進剤の非限定的な例としてはジメチルスルホキシド(DMSO)、デシルメチルスルホキシド、ラウロカプラム、ピロリドン(例えば2-ピロリドンおよびN-メチル-2-ピロリジン)、界面活性剤、アルコール(例えばオレイルアルコール)、ポリエチレングリコール(例えばPEG 400)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オレイン酸、ならびに脂肪酸エステル(例えばミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸メチル、グリセロールモノオレエート、およびプロピレングリコールモノオレエート)が挙げられる。
親油性溶媒の非限定的な例としては親油性アルコール(例えばヘキシレングリコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、およびステアリルアルコール)、ポリエチレングリコール(例えばPEG 100、PEG 300、PEG 400、およびPEG 3350)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリソルベート(例えばTween(登録商標)20〜80)、Labrasol(登録商標)、脂肪酸エステル(例えばミリスチン酸イソプロピルおよびアジピン酸ジイソプロピル)、セバシン酸ジエチル、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールラウレート、モノグリセリドおよびジグリセリド(例えばCapmul(登録商標)MCM)、中鎖トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、グリセリルモノカプリレート、グリセリルモノ-オレエート、グリセリルモノ-リノレエート、グリセロールオレエート/プロピレングリコール、ミネラルオイル、ならびに植物油が挙げられる。
親油性溶媒は製剤基剤または担体としても機能しうる。例えば、ポリエチレングリコール(例えばPEG 100〜PEG 3500、例えばPEG 300、PEG 400、およびPEG 3350)は親油性溶媒および製剤基剤として機能しうる。
また、本組成物はC1〜C5アルコール(例えばエタノール、イソプロパノール、グリセリン、プロピレングリコール、および1,2-ペンタンジオール)ならびに/または水などの親水性溶媒を含有しうる。
本組成物は、本組成物の粘度および/または物理安定性を増加させるための増粘剤を含有しうる。増粘剤の例としてはグリセリン、ステアリルアルコール、ならびにポリマー(例えばポリジメチルシロキサン[ジメチコン]およびCarbopol(登録商標)ポリマー)が挙げられるがそれに限定されない。
いくつかの態様では、本組成物は抗酸化剤をさらに含む。抗酸化剤の非限定的な例としてはブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、トコフェロール(例えばビタミンEおよびそのエステル)、フラビノイド、グルタチオン、アスコルビン酸およびそのエステル、DMSO、ならびにキレート剤(例えばEDTAおよびクエン酸)が挙げられる。
特定の態様では、局所用組成物はw/w比でトレプロスチニル誘導体約0.1〜5%または0.5〜5%、浸透促進剤約2〜30%または5〜20%、製剤基剤としても機能しうる親油性溶媒約20〜80%または30〜70%、増粘剤約0.1〜10%または1〜7.5%、および抗酸化剤約0.01〜2%または0.05〜1%を含む。非限定的な例として、局所用組成物はトレプロスチニル誘導体と、親油性溶媒および製剤基剤としてのPEG 400および/またはPEG 3350と、浸透促進剤としてのジエチレングリコールモノエチルエーテル、オレイルアルコール、および/またはミリスチン酸イソプロピルと、増粘剤としてのステアリルアルコールと、抗酸化剤としてのBHTとを含有しうる。
局所用組成物は、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤、ゼリー剤、ペースト剤、または皮膚もしくは粘膜を通じた吸収により薬物を投与する任意の経皮装置(例えばパッチ剤)などの任意の好適な剤形を有しうる。
浸透促進剤および接着剤を含む局所用組成物
さらなる態様では、局所用組成物はトレプロスチニル誘導体、浸透促進剤、および接着剤を含む。本組成物はさらなる治療剤を含有してもよい。
浸透促進剤は、皮膚または粘膜への治療剤の浸透性を増加させる。例えば、浸透促進剤は、C8〜C20またはC12〜C18の脂肪アシル鎖長とC1〜C6またはC2〜C4アルコール成分(例えばイソプロパノール)とを有する、脂肪酸エステルでありうる。特定の態様では、浸透促進剤はミリスチン酸イソプロピルまたはパルミチン酸イソプロピルである。いくつかの態様では、浸透促進剤は本組成物、または経皮パッチ剤の皮膚接触層の約0.1〜20重量%、0.5〜15重量%、1〜15重量%、2〜12重量%、または4〜10重量%の量である。
接着剤は、皮膚または粘膜への局所用組成物の接触を維持する。接着剤の非限定的な例としてはアクリル/アクリレート(例えばポリアルキルアクリレートおよびDuro-Tak(登録商標)ポリアクリレートを含むポリアクリレート)、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリシロキサン、ポリウレタン、可塑化ポリエーテルブロックアミド共重合体、天然および合成ゴム、可塑化スチレン-ブタジエンゴムブロック共重合体(例えばDuro-Tak(登録商標)87-6173)、ならびにその混合物が挙げられる。
局所用組成物は1つまたは複数のさらなる賦形剤を含みうる。さらなる賦形剤は、例えば希釈剤、皮膚軟化剤、可塑化剤、または皮膚もしくは粘膜に対する刺激を減少させる剤、あるいはその組み合わせでありうる。
特定の態様では、皮膚または粘膜への適用前の局所用組成物は水、テトラグリコール(グリコフロール)、および/または親水性有機溶媒(例えばC1〜C5アルコール)を実質的に含まない。
本組成物は、無傷で損傷のない皮膚または無傷で損傷のない粘膜組織などの体表面または膜を通じて全身循環中に治療剤を経皮投与(経皮的投与および経粘膜投与を含む)することができる。
いくつかの態様では、局所用組成物は、皮膚または粘膜に適用される経皮パッチ剤の形態である。パッチ剤は、支持層に積層されているかまたは他のやり方で取り付けられている皮膚接触層または粘膜接触層(簡易的には「皮膚接触層」)を有する。皮膚接触層は、皮膚接触面を保護するために、かつ皮膚接触層が皮膚または粘膜に適用されるまでそれを清潔に保つために、使用前に取り外し可能な剥離ライナーで覆われていてもよい。パッチ剤の支持層は、皮膚接触層の支持体として、かつ、環境に対する皮膚接触層中の治療剤の損失を防止する障壁として作用する。支持層の材料は、治療剤、浸透促進剤、および接着剤に適合性があり、パッチ剤の成分に対する浸透性が最小限である。支持層は、紫外線に対する曝露による分解からパッチ剤の成分を保護するために、不透明でありうる。また、支持層は、接着剤層に結合しかつ接着剤層を支持することが可能であるが、パッチ剤を対象の動きに順応させることができるほど柔軟である。支持層の材料は例えば金属箔、金属ポリホイル、あるいはポリマー(例えばポリエステル[ポリエステルテレフタレートなどの]もしくはアルミニウム蒸着ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンメチルメタクリレートブロック共重合体、ポリエーテルブロックアミド共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、シリコーンエラストマー、ゴム系ポリイソブチレン、スチレン、またはスチレン-ブタジエンもしくはスチレン-イソプレン共重合体)を含有する複合箔または複合フィルムでありうる。剥離ライナーは、支持層と同じ材料で作製されてもよく、適切な剥離面でコーティングされたフィルムであってもよい。
トレプロスチニル誘導体の治療的使用
いくつかの態様では、本明細書に記載の化合物は、肺高血圧症を治療するために使用される。したがって、本開示は、肺高血圧症を治療する方法であって、治療を必要とする対象に治療有効量のトレプロスチニル誘導体またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、クラスレート、もしくは多形体を投与する段階を含む方法を提供する。トレプロスチニル誘導体はトレプロスチニルのプロドラッグを含む。肺高血圧症を治療するために、さらなる治療剤を投与してもよい。
肺高血圧症とは、肺動脈、肺静脈、および肺毛細血管を含む肺血管系の血圧上昇のことである。したがって、肺高血圧症は肺動脈性肺高血圧症(PAH)および肺静脈性肺高血圧症(PVH)(例えばうっ血性心不全)を包含する。より広範には、肺高血圧症は以下を包含する:
WHO第I群 - 特発性PAH、遺伝性PAH(例えばBMPR2、ALK1、およびエンドグリン[遺伝性出血性末梢血管拡張症ありまたはなし])、薬物誘発性および毒素誘発性PAH、様々な状態(例えば結合組織病、HIV感染症、門脈圧亢進症、先天性心疾患、住血吸虫症、および慢性溶血性貧血[例えば鎌状赤血球症])に関連するPAH、新生児遷延性肺高血圧症、肺静脈閉塞症(PVOD)、ならびに肺毛細血管腫症(PCH)を含む、肺動脈性肺高血圧症;
WHO第II群 - 収縮不全、拡張障害、および心臓弁膜症を含む、左心疾患による肺高血圧症;
WHO第III群 - 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患、拘束性と閉塞性との混合障害を伴う他の肺疾患、睡眠呼吸障害、肺胞低換気障害、高地への慢性曝露、および発育異常を含む、肺疾患および/または低酸素症による肺高血圧症;
WHO第IV群 - 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH); ならびに
WHO第V群 - 血液疾患(例えば骨髄増殖性疾患および脾摘出)、全身性疾患(例えばサルコイドーシス、肺ランゲルハンス細胞組織球症、リンパ脈管筋腫症、神経線維腫症、および血管炎)、代謝障害(例えば糖原病、ゴーシェ病、および甲状腺疾患)、ならびに他の原因(例えば腫瘍閉塞、線維性縦隔炎、および透析期慢性腎不全)を含む、不明の多因子機序を伴う肺高血圧症。
肺高血圧症を治療するためのトレプロスチニル誘導体の治療有効量および投与頻度は、肺高血圧症の種類、状態の重症度、投与様式、対象の年齢、体重、身体全体の健康状態、性別、および食事、ならびに治療に対する対象の応答を含む様々な要因に依存しうるものであり、治療医が決定することができる。特定の態様では、1日当たりのトレプロスチニル誘導体の有効量は、約0.1〜100mg、0.1〜50mg、0.5〜50mg、0.5〜25mg、0.5〜10mg、1〜10mg、もしくは1〜5mg、または治療医が適切と見なす用量であり、これを単回投与または分割投与することができる。さらなる態様では、1日当たりのトレプロスチニル誘導体の有効量は、約0.001〜2mg/kg体重、0.005〜1mg/kg体重、0.01〜0.5mg/kg体重、もしくは0.01〜0.1mg/kg体重、または治療医が適切と見なす用量である。
いくつかの態様では、トレプロスチニル誘導体は、単回投与されるか、または、毎日(1日1回、2回、3回、もしくはそれ以上を含む)、2日毎に、3日毎に、週2回、週3回、毎週、2週毎に、3週毎に、毎月、6週毎に、2ヶ月毎に、または3ヶ月毎に、あるいは治療医が適切と見なす頻度で複数回投与される。さらなる態様では、トレプロスチニル誘導体は慢性投与レジメン下で投与される。特定の態様では、治療有効量のトレプロスチニル誘導体が少なくとも2週間、3週間、1ヶ月間、1.5ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、またはそれ以上にわたって投与される。
トレプロスチニル誘導体は任意の好適な経路によって投与されうる。トレプロスチニル誘導体の潜在的な投与経路としては経口、非経口(筋肉内、皮下、皮内、血管内、静脈内、動脈内、髄内、およびくも膜下腔内を含む)、腹腔内、ならびに局所(皮膚/皮膚上、経皮、粘膜、経粘膜、鼻腔内[例えば鼻内スプレー剤または点鼻剤による]、眼内[例えば点眼剤による]、肺内[例えば吸入による]、頬側、舌下、直腸、および膣内を含む)が挙げられるがそれに限定されない。特定の態様では、トレプロスチニル誘導体は経口投与される。他の態様では、トレプロスチニル誘導体は局所(例えば皮膚、経皮、粘膜、経粘膜、鼻腔内、肺内[例えば吸入による]、または舌下)投与される。さらなる態様では、トレプロスチニル誘導体は非経口(例えば皮下または静脈内、注射または注入によるものを含む)投与される。
いくつかの態様では、トレプロスチニル誘導体は、PAHを治療するために使用される。さらなる態様では、さらなる治療剤が、トレプロスチニル誘導体との組み合わせで、PAHを治療するために使用される。さらなる治療剤は、トレプロスチニル誘導体の投与と同時に、またはそれに連続して(その前もしくは後に)投与されうる。トレプロスチニル誘導体と同時投与される場合、さらなる治療剤はトレプロスチニル誘導体と同じ組成物に含まれていてもよく、別々の組成物に含まれていてもよい。
特定の態様では、PAHの治療用のさらなる治療剤は以下からなる群より選択される:
プロスタグランジンおよびプロスタノイド(例えばプロスタサイクリン[プロスタグランジンI2]およびベラプロスト)、エンドセリン受容体(例えばETAおよび/またはETB)アンタゴニスト(例えばアンブリセンタン、ボセンタン、シタキセンタン、およびActelion-1)、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤(例えばシルデナフィルおよびタダラフィル)、可溶性グアニル酸シクラーゼ活性化因子(例えばシナシグアトおよびリオシグアト)、ならびにその類似体および誘導体を含むがそれに限定されない、血管作用薬;
チアジド利尿剤(例えばベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、エピチジド、およびヒドロクロロチアジド)、チアジド様利尿剤(例えばクロルタリドン、インダパミド、およびメトラゾン)、ならびにその類似体および誘導体を含むがそれに限定されない、利尿薬;
ビタミンKアンタゴニスト(例えばアセノクマロール、アトロメンチン、クマリン、フェニンジオン、フェンプロクモン、およびワルファリン)、直接トロンビン阻害剤(例えばアルガトロバン、ダビガトラン、ヒルジン、レピルジン、およびビバリルジン)、直接第Xa因子阻害剤(例えばアピキサバン、ベトリキサバン、ダレキサバン、エドキサバン、エリバキサバン、レタキサバン、およびリバーロキサバン)、ヘパリンおよびその誘導体(例えば未分画ヘパリン、低分子ヘパリン、フォンダパリヌクス、およびイドラパリヌクス)、その他(例えばアンチトロンビン、バトロキソビン、およびヘメンチン(hementin))、ならびにその類似体、誘導体、および断片を含むがそれに限定されない、抗凝固薬;ならびに
強心配糖体(例えばジゴキシン、アセチルジゴキシン、およびジゴキシゲニン)ならびに酸素治療を含むがそれに限定されない他の種類の治療剤。
さらなる態様を以下の非限定的実施例に示す。
化合物に関する4つのアッセイを以下の方法で行った。結果を表Iに示す。
(試験1)ヒト肝ミクロソーム安定性アッセイを、2% w/v炭酸水素ナトリウム中に1mL当たりミクロソームタンパク質0.5mgならびにNADPH産生系50μL(グルコース6-リン酸7.8mg、NADPH 1.7mg、およびグルコース6-リン酸脱水素酵素6U)を含む50mMリン酸カリウム緩衝液(pH 7.4)中で0.5uM試験化合物を37℃で最大45分間インキュベートすることで行った。0分、5分、15分、30分、および45分の時点でアリコートを採取し、停止溶液を含む内部標準で反応停止させた。また、45分時点で補因子不含対照を調製した。インキュベーション後、試料をLC-MS/MSで分析した。分析物対内部標準のピーク面積比を使用して固有クリアランスを計算した。固有クリアランス(CLint)は一次排出速度定数から非線形回帰により決定した。有効薬物である化合物Aの経時的な形成もLC-MS/MSでモニタリングした。
(試験2)ヒト血漿安定性アッセイを、ヘパリン化ヒト血漿中で0.5uM試験化合物を37℃で最大120分間インキュベートすることで行った。0分、5分、15分、30分、60分、および120分および240分の時点でアリコートを採取し、停止溶液を含む内部標準で反応停止させた。インキュベーション後、試料をLC-MS/MSで分析した。分析物対内部標準のピーク面積比を使用して半減期を計算した。有効薬物である化合物Aの経時的な形成もLC-MS/MSでモニタリングした。
(試験3)ヒト皮膚ホモジネート安定性アッセイを、ヒト肝ミクロソーム安定性アッセイと同様にして、2% w/v炭酸水素ナトリウム中に1mL当たりヒト皮膚ホモジネートタンパク質0.5mgならびにNADPH産生系50μL(グルコース6-リン酸7.8mg、NADPH 1.7mg、およびグルコース6-リン酸脱水素酵素6U)を含む50mMリン酸カリウム緩衝液(pH 7.4)中で0.5uM試験化合物を37℃で最大45分間インキュベートすることで行った。0分、5分、15分、30分、および45分の時点でアリコートを採取し、停止溶液を含む内部標準で反応停止させた。また、45分時点で補因子不含対照を調製した。インキュベーション後、試料をLC-MS/MSで分析した。分析物対内部標準のピーク面積比を使用して固有クリアランスを計算した。固有クリアランス(CLint)は一次排出速度定数から非線形回帰により決定した。有効薬物である化合物Aの経時的な形成もLC-MS/MSでモニタリングした。
(試験4)ヒト肝細胞安定性アッセイを、0.5uM試験化合物を37℃で最大240分間インキュベートすることで行った。凍結保存ヒト肝細胞をCelsis IVT(メリーランド州ボルチモア)から得た。細胞をベンダーの説明書に従って解凍し、ウィリアム培地Eに細胞50万個/mLで懸濁させた。試験化合物を細胞懸濁液中に添加して反応を開始させた。0分、10分、30分、60分、120分、および240分の時点でアリコートを採取し、停止溶液を含む内部標準で反応停止させた。インキュベーション後、試料をLC-MS/MSで分析した。分析物対内部標準のピーク面積比を使用して固有クリアランスを計算した。固有クリアランス(CLint)は一次排出速度定数から非線形回帰により決定した。有効薬物である化合物Aの経時的な形成もLC-MS/MSでモニタリングした。
アッセイ結果(半減期)を表Iに示す。表Iにおいて、アッセイ試験の結果の記号は以下の通りである。
A = 15分未満
B = 15〜30分
C = 31〜60分
D = 60分超
(表I)
Figure 2021011500
Figure 2021011500
化合物60〜64は以下に示す構造を有する。
Figure 2021011500
トレプロスチニル誘導体の合成実施例
式I、II、およびIIIに記載の化合物について以下の代表的合成を示す。
実施例1:2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-N-(2,2,2-トリフルオロ-エチル)-アセトアミドの合成
Figure 2021011500
{2-ヒドロキシ-1-[3-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルオキシ)-オクチル]-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ}-酢酸(94mg、0.2mmol)、トリフルオロエチルアミン(54mg、0.6mmol)、およびDIPEA(104μl、0.6mmol)のDMF(2ml)溶液をHATUで処理し、室温で24時間攪拌した。反応混合物をMTBEで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。この得られた材料をMeOH(4ml)に溶解させ、Amberlite IR120Hで処理し、24時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濃縮して2-[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-N-(2,2,2-トリフルオロ-エチル)-アセトアミド(46mg)を油状物として得た。
Figure 2021011500
実施例2:[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸1,2-ジメチル-プロピルエステルの合成
Figure 2021011500
{2-ヒドロキシ-1-[3-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルオキシ)-オクチル]-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ}-酢酸(47mg、0.1mmol)、3-メチル-2-ブタノール(26mg、0.3mmol)、およびDMAP(12mg、0.1mmol)のDCM(1ml)溶液をEDC(26mg、0.14mmol)で処理し、室温で24時間攪拌した。反応混合物をMTBEで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。この得られた材料をMeOH/THF(4ml)に溶解させ、Amberlite IR120Hで処理し、24時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濃縮して[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸1,2-ジメチル-プロピルエステル(16mg)を油状物として得た。
Figure 2021011500
実施例3:トレプロスチニル2-ヒドロキシラクトンの合成
Figure 2021011500
{2-ヒドロキシ-1-[3-(テトラヒドロ-ピラン-2-イルオキシ)-オクチル]-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ}-酢酸(47mg、0.1mmol)およびDMAP(26mg、0.2mmol)のDCM(1ml)溶液を2,4,6-トリクロロベンゾイルクロリド(27mg、0.11mmol)で処理し、室温で24時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。この得られた材料をMeOH/THF(4ml)に溶解させ、Amberlite IR120Hで処理し、24時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濃縮してトレプロスチニル2-ヒドロキシラクトン(8mg)を油状物として得た。
Figure 2021011500
実施例4:シクロプロパンカルボン酸1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-2-イルエステルの合成
Figure 2021011500
[2-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ]-酢酸メチルエステル(32mg、0.06mmol)、DIPEA(31μl、0.18mmol)およびDMAP(1結晶)のDCM(2ml)溶液をシクロプロパンカルボニルクロリド(8μl、0.08mmol)で処理し、窒素下、室温で24時間攪拌した。反応混合物をMTBEで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。この得られた材料をMeOH/THF(4ml)に溶解させ、Amberlite IR120Hで処理し、24時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濃縮してシクロプロパンカルボン酸1-(3-ヒドロキシ-オクチル)-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-2-イルエステル(32mg)を油状物として得た。
Figure 2021011500
実施例5:式IIIの化合物の合成
Figure 2021011500
アクリル酸1-[2-(2-アクリロイルオキシ-5-メトキシカルボニルメトキシ-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-1-イル)-エチル]-ヘキシルエステル(51mg、0.1mmol)のクロロホルム(20ml)溶液を(PCy3)2Cl2Ru=CHPh(19mg、0.023mmol)のクロロホルム(3ml)溶液で処理し、室温で24時間攪拌する。TEA(1ml)を加え、溶液を減圧濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して標記化合物を得る。
さらなる合成スキームを以下に示す。
実施例6(式Iの化合物)
Figure 2021011500
実施例7(式Iの化合物)
Figure 2021011500

Claims (18)

  1. 以下の式:
    Figure 2021011500
    の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、もしくは薬学的に許容される塩:
    式中、
    R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、およびR36は独立してHまたは重水素であり;
    ZはP1であり;
    P1
    Figure 2021011500
    からなる群より選択され、
    ここで、
    mは1、2、3、または4であり;
    R14およびR15はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
    ここで、置換された基は、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、脂肪族、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルもしくは複素環、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルチオアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルハロ、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ヒドロキシル、アルキルオキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルキル、アシル、カルボニル、カルボン酸、スルホン酸、およびホスホン酸、複素環、および脂肪族から選択される、1個または複数の置換基で置換されており;
    あるいは
    R14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、非置換であるかまたは独立してハロ、メチル、およびメトキシからなる群より選択される1個、2個、もしくは3個の置換基で置換されている、N、O、およびSより選択される1個または2個の環ヘテロ原子を組み入れていてもよい5員〜7員環を形成してもよく;
    R18およびR19はそれぞれの場合で独立して水素またはアルキルであり、該アルキルは非置換であるかまたはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、チオ、メチルチオ、-C(O)OH、-C(O)O-(アルキル)、-CONH2、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択される1個の置換基で置換されており、該アリールまたはヘテロアリールは非置換であるかまたはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、およびハロアルコキシからなる群より選択される置換基で置換されており;
    R14およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
    R14およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
    R15およびR18は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
    R15およびR19は、それらが結合している原子と一緒になって5員〜7員環を形成してもよく;
    かつ、R1およびR2は独立してHまたはP2であり、
    P2
    Figure 2021011500
    からなる群より選択され、
    ここで、
    mは1、2、3、または4であり;かつ
    R14はそれぞれの場合で独立してH、アルキル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
    ここで、置換された基は、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、脂肪族、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルもしくは複素環、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルチオアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルハロ、アミノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ヒドロキシル、アルキルオキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルキル、アシル、カルボニル、カルボン酸、スルホン酸、およびホスホン酸、複素環、および脂肪族から選択される、1個または複数の置換基で置換されている。
  2. R1が水素であり、かつR2がP2である、請求項1に記載の化合物。
  3. R1がP2であり、かつR2が水素である、請求項1に記載の化合物。
  4. R1がP2であり、かつR2がP2である、請求項1に記載の化合物。
  5. R1およびR2がそれぞれ水素である、請求項1に記載の化合物。
  6. R20〜R36がそれぞれ水素である、請求項1に記載の化合物。
  7. R20〜R36のうち少なくとも1つが重水素である、請求項1に記載の化合物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物と、少なくとも1つの他の成分とを含む、組成物。
  9. 経皮送達用に製剤化されている、請求項8に記載の組成物。
  10. パッチによる経皮送達用に製剤化されている、請求項9に記載の組成物。
  11. 少なくとも1つの溶媒をさらに含む、請求項8に記載の組成物。
  12. 肺高血圧症を治療するのに用いるための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物。
  13. 経口投与、局所投与、または非経口投与用に製剤化されている、請求項12に記載の組成物。
  14. 経皮投与用に製剤化されている、請求項13に記載の組成物。
  15. 肺高血圧症が肺動脈性肺高血圧症である、請求項12に記載の組成物。
  16. 肺高血圧症を治療するのに用いるためのさらなる治療剤を含む組成物と組み合わせられる、請求項12に記載の組成物。
  17. さらなる治療剤が血管作用薬、利尿薬、抗凝固薬、および強心配糖体からなる群より選択される、請求項16に記載の組成物。
  18. 経皮パッチ剤として製剤化されている、請求項14に記載の組成物。
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