JP2021011451A - 灌流装置 - Google Patents

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    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N1/00Preservation of bodies of humans or animals, or parts thereof
    • A01N1/02Preservation of living parts

Abstract

【課題】体外において臓器に保存液を灌流する灌流装置において、配管内に生じた気泡が特定の箇所に溜まることを抑制し、かつ、配管の急激な曲折による流路の閉塞も抑制できる構造を提供する。【解決手段】この灌流装置1は、臓器9および灌流用の配管が配置される配置台70を備える。配置台70の上面は、下段面72と、下段面72よりも高い上段面73と、傾斜面74とを含む。傾斜面74は、下段面72と上段面73とを繋ぎ、下段面72から上段面73へ向かうにつれて徐々に高くなる。この灌流装置1では、下段面72と上段面73との間で、傾斜面74に沿って配管を配置できる。これにより、配管内に気泡が生じた場合に、下段面72側に気泡が溜まることを抑制できる。また、傾斜面74に沿って配管を配置することにより、配管の急激な曲折による流路の閉塞を抑制できる。【選択図】図2

Description

本発明は、体外において臓器に保存液を灌流する灌流装置に関する。
肝臓移植等の臓器の移植手術では、ドナーから臓器を摘出した後、当該臓器をレシピエントへ移植するまでの間、一時的に臓器を体外で保存する。このとき、臓器が虚血状態となることを防止するために、臓器内に保存液を灌流させる。臓器を体外で保存する従来の装置については、例えば、特許文献1,2に記載されている。
米国特許第8128740号明細書 米国特許出願公開第2006/0210959号明細書
この種の生体外灌流では、臓器内の血管に、保存液とともに気泡が混入することを防止する必要がある。従来の灌流装置では、保存液を供給する配管の経路上に気泡トラップを設けることにより、保存液中の気泡を除去していた。しかしながら、気泡トラップのみに依存すると、気泡トラップを通過した後に発生する気泡を除去することができない。
また、灌流装置の配管の経路上には、各種のセンサが設けられている。配管内に気泡が発生し、滞留すると、これらのセンサのうち、流量センサ等の一部のセンサの計測結果に誤差が生じる場合がある。このため、配管内に発生した気泡が、特定の箇所に溜まることを防止できる技術が求められている。
ただし、この種の灌流装置の配管は、急激に曲折すると、いわゆるキンクにより、内部の流路が閉塞される場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、体外において臓器に保存液を灌流する灌流装置において、配管内に生じた気泡が特定の箇所に溜まることを抑制し、かつ、配管の急激な曲折による流路の閉塞も抑制できる構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、体外において臓器に保存液を灌流する灌流装置であって、臓器および灌流用の配管が配置される配置台を備え、前記配置台の上面は、下段面と、前記下段面よりも高い位置にある上段面と、前記下段面と前記上段面とを繋ぎ、前記下段面から前記上段面へ向かうにつれて徐々に高くなる傾斜面と、を含む。
本願の第2発明は、第1発明の灌流装置であって、保存液の供給源となるリザーバを支持するリザーバ支持部をさらに備え、前記リザーバ支持部は、前記上段面に設けられている。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の灌流装置であって、臓器を保持するリアクタが配置されるリアクタ支持部をさらに備え、前記リアクタ支持部は、前記下段面に設けられている。
本願の第4発明は、第3発明の灌流装置であって、前記リアクタ支持部は、前記下段面から下方へ向けて凹む凹部を有し、前記凹部内に前記リアクタが配置される。
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明の灌流装置であって、前記配管内を流れる保存液の流量を計測する流量センサをさらに備え、前記流量センサは、前記傾斜面に配置されている。
本願の第6発明は、第1発明から第5発明までのいずれか1発明の灌流装置であって、前記配管内を流れる保存液中の気泡を検出する気泡センサをさらに備え、前記気泡センサは、前記傾斜面に配置されている。
本願の第7発明は、第1発明から第6発明までのいずれか1発明の灌流装置であって、水平面に対する前記傾斜面の傾斜角度は、30°以上かつ60°以下である。
本願の第8発明は、第1発明から第7発明までのいずれか1発明の灌流装置であって、前記配管内を流れる保存液に酸素を供給する人工肺をさらに備え、前記人工肺は、前記上段面に配置されている。
本願の第9発明は、第1発明から第8発明までのいずれか1発明の灌流装置であって、温調水を生成して保温すべき部分へ供給する温調水生成部をさらに備え、前記温調水生成部は、前記配置台の内部に配置されている。
本願の第10発明は、第1発明から第9発明までのいずれか1発明の灌流装置であって、制御部としてのコンピュータをさらに備え、前記コンピュータおよび前記コンピュータに接続された配線が、前記配置台の内部に配置されている。
本願の第11発明は、第1発明から第10発明までのいずれか1発明の灌流装置であって、上面視において、前記下段面、前記傾斜面、および前記上段面が、直線状に配列されている。
本願の第12発明は、第1発明から第11発明までのいずれか1発明の灌流装置であって、前記配置台の上面の縁部の少なくとも一部分から上方へ突出する縁部突起をさらに備える。
第1発明から第12発明によれば、下段面と上段面との間で、傾斜面に沿って配管を配置できる。これにより、配管内に気泡が生じた場合に、下段面側に気泡が溜まることを抑制できる。また、傾斜面に沿って配管を配置することにより、配管の急激な曲折による流路の閉塞を抑制できる。
特に、第3発明によれば、配管内に生じた気泡が、臓器内の血管へ混入することを抑制できる。
特に、第4発明によれば、臓器を、より低い位置に配置できる。したがって、配管内に生じた気泡が、臓器内の血管へ混入することを、より抑制できる。
特に、第5発明によれば、流量センサに気泡が滞留することを抑制できる。これにより、流量センサの計測誤差を抑制できる。
特に、第9発明によれば、温調水生成部を配置台の内部に配置することにより、配置台の上面に配置される部品点数を低減できる。したがって、灌流装置をより小型化できる。
特に、第10発明によれば、制御部および電気配線に、保存液等の液滴がかかることを防止できる。したがって、制御部および電気配線の故障を抑制できる。
特に、第12発明によれば、配置台の上面に保存液が流出した場合に、縁部突起により、保存液を堰き止めることができる。
灌流装置の配管構成を示した図である。 灌流装置の斜視図である。 灌流装置の側面図である。 灌流装置の上面図である。 制御部と各部との電気的接続を示したブロック図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本願において「ドナー」および「レシピエント」は、ヒトであってもよいし、非ヒト動物であってもよい。すなわち、本願において、「臓器」は、ヒトの臓器であってもよいし、非ヒト動物の臓器であってもよい。また、非ヒト動物は、マウスおよびラットを含む齧歯類、ブタ、ヤギ、およびヒツジを含む有蹄類、チンパンジーを含む非ヒト霊長類、その他の非ヒトほ乳動物であってもよいし、ほ乳動物以外の動物であってもよい。
<1.灌流装置の配管構成>
図1は、一実施形態に係る灌流装置1の配管構成を示した図である。この灌流装置1は、臓器9の移植手術を行うときに、ドナーから摘出された臓器9を、レシピエントへ移植するまでの間、体外において一時的に保存するための装置である。灌流装置1は、臓器9内の血管に保存液を灌流しつつ、臓器9を保存する。本実施形態では、保存対象となる臓器9が肝臓である場合について、説明する。ただし、灌流装置1において保存される臓器9は、腎臓、心臓、膵臓等の他の臓器であってもよく、臓器の一部分であってもよい。
図1に示すように、本実施形態の灌流装置1は、リアクタ10、リザーバ20、門脈用給液部30、肝動脈用給液部40、排液部50、および温調水生成部60を備えている。
リアクタ10は、臓器9を保持するための保持器である。リアクタ10は、アウターリアクタ11と、インナーリアクタ12とを有する。アウターリアクタ11は、有底円筒状の容器である。アウターリアクタ11の内部には、保存液が貯留される。インナーリアクタ12は、円環状のリアクタフレーム121と、リアクタフレーム121の内側に張られた載置シート122とを有する。載置シート122の材料には、生体適応性および滅菌保持性を有し、かつ、柔軟性を有する樹脂が用いられる。また、載置シート122には、複数の開口が設けられている。
インナーリアクタ12は、アウターリアクタ11の内部に配置される。そして、アウターリアクタ11の内部に配置されたインナーリアクタ12の載置シート122の上面に、臓器9が載置される。臓器9は、アウターリアクタ11の内部に貯留された保存液に部分的に浸漬された状態で、保持される。これにより、臓器9の乾燥が抑制される。
リザーバ20は、臓器9へ灌流させる保存液の供給源である。リザーバ20には、例えば、保存液が貯留されたパウチバッグ(いわゆる点滴バッグ)が用いられる。リザーバ20は、使用のたびに新しいものに交換される。ただし、リザーバ20は、パウチバッグ以外の容器(例えばボトル)であってもよい。リザーバ20から供給される保存液には、典型的には、ETK液あるいはUW液が用いられる。ただし、ETK液、UW液以外の保存液が用いられてもよい。保存液は、アウターリアクタ11内に貯留される保存液と同じ種類の保存液であってもよいし、異なる種類の保存液であってもよい。
門脈用給液部30は、リザーバ20から、臓器9である肝臓の門脈へ、保存液を供給するための配管系である。図1に示すように、門脈用給液部30は、第1給液配管31、ポンプ32、第2給液配管33、人工肺34、第3給液配管35、気泡トラップ36、第4給液配管37、流量/気泡センサ38、および第5給液配管39を有する。
第1給液配管31の上流側の端部は、リザーバ20の出力ポートに接続される。第1給液配管31の下流側の端部は、ポンプ32の入力ポートに接続される。ポンプ32は、後述する制御部80からの駆動電流に従って動作することにより、下流側へ向かう保存液の流れを形成する。第2給液配管33の上流側の端部は、ポンプ32の出力ポートに接続される。第2給液配管33の下流側の端部は、人工肺34の入力ポートに接続される。人工肺34は、配管内を流れる保存液に、酸素を供給して溶解させる。また、人工肺34は、温調水生成部60から供給される温調水により、保存液を一定の温度に維持する機能も有する。第3給液配管35の上流側の端部は、人工肺34の出力ポートに接続される。第3給液配管35の下流側の端部は、気泡トラップ36の入力ポートに接続される。
気泡トラップ36は、配管内を流れる保存液から気泡を除去する。第4給液配管37の上流側の端部は、気泡トラップ36の出力ポートに接続される。第4給液配管37の下流側の端部は、流量/気泡センサ38の入力ポートに接続される。流量/気泡センサ38は、配管内を流れる保存液の流量を計測する流量センサとしての機能と、配管内を流れる保存液中の気泡を検出する気泡センサとしての機能と、を有する。第5給液配管39の上流側の端部は、流量/気泡センサ38の出力ポートに接続される。第5給液配管39の下流側の端部は、臓器9である肝臓の門脈に、カテーテルを介して接続される。
ポンプ32を動作させると、リザーバ20内の保存液が、上述した第1給液配管31、ポンプ32、第2給液配管33、人工肺34、第3給液配管35、気泡トラップ36、第4給液配管37、流量/気泡センサ38、および第5給液配管39を通って、門脈へ供給される。なお、第1給液配管31、第2給液配管33、第3給液配管35、第4給液配管37、および第5給液配管39は、使用のたびに新しいものに交換されるディスポーザブル品であってもよい。
肝動脈用給液部40は、リザーバ20から、臓器9である肝臓の肝動脈へ、保存液を供給するための配管系である。図1に示すように、肝動脈用給液部40は、第6給液配管41、ポンプ42、第7給液配管43、人工肺44、第8給液配管45、気泡トラップ46、第9給液配管47、流量/気泡センサ48、および第10給液配管49を有する。
第6給液配管41の上流側の端部は、リザーバ20の出力ポートに接続される。第6給液配管41の下流側の端部は、ポンプ42の入力ポートに接続される。ポンプ42は、後述する制御部80からの駆動電流に従って動作することにより、下流側へ向かう保存液の流れを形成する。第7給液配管43の上流側の端部は、ポンプ42の出力ポートに接続される。第7給液配管43の下流側の端部は、人工肺44の入力ポートに接続される。人工肺44は、配管内を流れる保存液に、酸素を供給して溶解させる。また、人工肺44は、温調水生成部60から供給される温調水により、保存液を一定の温度に維持する機能も有する。第8給液配管45の上流側の端部は、人工肺44の出力ポートに接続される。第8給液配管45の下流側の端部は、気泡トラップ46の入力ポートに接続される。
気泡トラップ46は、配管内を流れる保存液から気泡を除去する。第9給液配管47の上流側の端部は、気泡トラップ46の出力ポートに接続される。第9給液配管47の下流側の端部は、流量/気泡センサ48の入力ポートに接続される。流量/気泡センサ48は、配管内を流れる保存液の流量を計測する流量センサとしての機能と、配管内を流れる保存液中の気泡を検出する気泡センサとしての機能と、を有する。第10給液配管49の上流側の端部は、流量/気泡センサ48の出力ポートに接続される。第10給液配管49の下流側の端部は、臓器9である肝臓の肝動脈に、カテーテルを介して接続される。
ポンプ42を動作させると、リザーバ20内の保存液が、上述した第6給液配管41、ポンプ42、第7給液配管43、人工肺44、第8給液配管45、気泡トラップ46、第9給液配管47、流量/気泡センサ48、および第10給液配管49を通って、肝動脈へ供給される。なお、第6給液配管41、第7給液配管43、第8給液配管45、第9給液配管47、および第10給液配管49は、使用のたびに新しいものに交換されるディスポーザブル品であってもよい。
排液部50は、臓器9から保存液を排出するための配管系である。図1に示すように、排液部50は、第1排液配管51、流量/気泡センサ52、第2排液配管53、pH/溶存酸素センサユニット54、第3排液配管55、ポンプ56、および第4排液配管57を有する。
第1排液配管51の上流側の端部は、臓器9である肝臓の肝静脈に、カテーテルを介して接続される。第1排液配管51の下流側の端部は、流量/気泡センサ52の入力ポートに接続される。流量/気泡センサ52は、配管内を流れる保存液の流量を計測する流量センサとしての機能と、配管内を流れる保存液中の気泡を検出する気泡センサとしての機能と、を有する。第2排液配管53の上流側の端部は、流量/気泡センサ52の出力ポートに接続される。第2排液配管53の下流側の端部は、pH/溶存酸素センサユニット54の入力ポートに接続される。
pH/溶存酸素センサユニット54は、配管内を流れる保存液中のpH値を計測するpHセンサと、配管内を流れる保存液中の溶存酸素濃度を計測する溶存酸素センサと、を含む。第3排液配管55の上流側の端部は、pH/溶存酸素センサユニット54の出力ポートに接続される。第3排液配管55の下流側の端部は、ポンプ56の入力ポートに接続される。ポンプ56は、後述する制御部80からの駆動電流に従って動作することにより、下流側へ向かう保存液の流れを形成する。第4排液配管57の上流側の端部は、ポンプ56の出力ポートに接続される。第4排液配管57の下流側の端部は、リザーバ20の入力ポートに接続される。
ポンプ56を動作させると、肝静脈から排出される保存液が、上述した第1排液配管51、流量/気泡センサ52、第2排液配管53、pH/溶存酸素センサユニット54、第3排液配管55、ポンプ56、および第4排液配管57を通って、リザーバ20へ再び供給される。ただし、臓器9から排出される保存液を、リザーバ20へ戻すことなく廃棄してもよい。また、第1排液配管51、第2排液配管53、および第3排液配管55は、使用のたびに新しいものに交換されるディスポーザブル品であってもよい。
温調水生成部60は、温調水を生成して、保温すべき部分へ供給するユニットである。温調水生成部60は、タンクに貯留された水を加熱または冷却することにより、一定温度の温調水を生成する。温調水の温度は、例えば、4℃、20℃、37℃などとされる。温調水生成部60において生成された温調水は、タンクから人工肺34,44へ供給される。これにより、人工肺34,44における保存液の温調が行われる。
<2.灌流装置の物理的構造>
続いて、灌流装置1の物理的な構造について説明する。図2は、灌流装置1の斜視図である。図3は、灌流装置1の側面図である。図4は、灌流装置1の上面図である。図2〜図4に示すように、灌流装置1は、上述したリアクタ10、リザーバ20、門脈用給液部30、肝動脈用給液部40、排液部50、および温調水生成部60に加えて、配置台70および制御部80を備えている。
配置台70は、上述したリアクタ10、門脈用給液部30、肝動脈用給液部40、および排液部50を上面に配置する筐体である。配置台70は、臓器移植を行うときに、手術室内の手術台90の近傍に置かれて使用される。配置台70の下部には、複数の車輪71が設けられている。これらの車輪71により、配置台70は、手術室の床面に対して移動可能となっている。
図4に示すように、配置台70は、上面視において、長辺と短辺とを有する長方形状である。臓器移植を行うときには、配置台70の一方の短辺が手術台90に近接する姿勢で、灌流装置1が配置される。以下では、配置台70の使用時の姿勢において、手術台90に近い側を「フロント側」、手術台90から遠い側を「リア側」として、各部の説明を行う。
図2〜図4に示すように、配置台70の上面は、下段面72、上段面73、および傾斜面74を含む。図4に示すように、下段面72、傾斜面74、および上段面73は、上面視において、フロント側からリア側へ向けて、一直線状に配列されている。
下段面72は、配置台70の上面のうち、最もフロント側に位置する部分である。下段面72は、臓器移植に使用される一般的な手術台90の高さと同等の高さ位置において、略水平に広がる。車輪71の下端部から下段面72までの高さh1は、例えば、900〜1000mmとされる。下段面72には、リアクタ支持部721が設けられている。リアクタ支持部721は、下段面72の中央において、下方へ向けて凹む凹部722を有する。リアクタ10は、凹部722内に配置される。
上段面73は、配置台70の上面のうち、最もリア側に位置する部分である。上段面73は、下段面72よりも高い位置において、略水平に広がる。車輪71の下端部から上段面73までの高さh2は、例えば、1200〜1300mmとされる。上段面73には、リザーバ支持部731が設けられている。リザーバ支持部731は、上段面73のリア側の端縁部から上方へ向けて延びるリアフレーム732を有する。リアフレーム732のリア側の面には、フック733が設けられている。図2〜図4の例では、リザーバ20としてのパウチバッグが、フック733に吊されることにより支持されている。
また、リアフレーム732の上部には、表示部84が固定されている。表示部84には、例えば液晶ディスプレイが用いられる。灌流装置1の動作時には、各センサの計測値などの種々の情報が、表示部84に表示される。
傾斜面74は、配置台70の上面のうち、下段面72と上段面73との間に位置する部分である。傾斜面74は、下段面72のリア側の端縁部と、上段面73のフロント側の端縁部とを繋ぐ。傾斜面74は、リア側へ向かうにつれて徐々に高くなるように傾斜している。水平面に対する傾斜面74の傾斜角度θは、例えば30°以上かつ60°以下、より好ましくは40°以上かつ50°以下とされる。
上述した門脈用給液部30のうち、第1給液配管31、ポンプ32、および第2給液配管33の上流側の一部は、配置台70のリア側の側面に配置されている。また、上述した肝動脈用給液部40のうち、第6給液配管41、ポンプ42、および第7給液配管43の上流側の一部は、配置台70のリア側の側面に配置されている。
また、門脈用給液部30のうち、第2給液配管33の下流側の一部、人工肺34、第3給液配管35、気泡トラップ36、および第4給液配管37の上流側の一部は、上段面73に配置されている。また、肝動脈用給液部40のうち、第7給液配管43の下流側の一部、人工肺44、第8給液配管45、気泡トラップ46、および第9給液配管47の上流側の一部も、上段面73に配置されている。また、排液部50のうち、第2排液配管53の下流側の一部、pH/溶存酸素センサユニット54、および第3排液配管55も、上段面73に配置されている。
このように、この灌流装置1では、門脈用給液部30、肝動脈用給液部40、および排液部50の多くの部分が、上段面73に配置されている。そして、上段面73の高さは、執刀医や看護師などの作業者が、起立した姿勢で、作業を行いやすい高さとなっている。したがって、門脈用給液部30、肝動脈用給液部40、および排液部50の各部の接続作業を、容易かつ迅速に行うことができる。
また、門脈用給液部30のうち、第4給液配管37の下流側の一部、流量/気泡センサ38、および第5給液配管39の上流側の一部は、傾斜面74に配置されている。また、肝動脈用給液部40のうち、第9給液配管47の下流側の一部、流量/気泡センサ48、および第10給液配管49の上流側の一部も、傾斜面74に配置されている。また、排液部50のうち、第1排液配管51の下流側の一部、流量/気泡センサ52、および第2排液配管53の上流側の一部も、傾斜面74に配置されている。
このように、この灌流装置1では、門脈用給液部30の第4給液配管37〜第5給液配管39、肝動脈用給液部40の第9給液配管47〜第10給液配管49、および排液部50の第1排液配管51〜第2排液配管53が、傾斜面74に沿って配置される。このようにすれば、これらの配管内に気泡が生じた場合に、その気泡は、上段面73側へ浮上する。このため、下段面72側に気泡が溜まることを抑制できる。したがって、リアクタ10に保持された臓器9内の血管へ、気泡が混入することを抑制できる。
また、本実施形態では、下段面72に設けられた凹部722内に、リアクタ10が配置されている。このようにすれば、凹部722が無い場合よりも、臓器9をより低い位置に配置できる。具体的には、臓器9を、保存液の循環経路の中で、最も低い位置に配置できる。したがって、配管内に生じた気泡が臓器9内の血管へ混入することを、より抑制できる。
また、流量/気泡センサ38,48,52中に気泡が滞留すると、その気泡により、流量の計測結果に誤差が生じやすくなる。しかしながら、本実施形態の灌流装置1では、流量/気泡センサ38,48,52が、傾斜面74に配置されている。このため、流量/気泡センサ38,48,52中に気泡が滞留することを抑制できる。したがって、流量/気泡センサ38,48,52における流量の計測結果に、誤差が生じることを抑制できる。
また、図3のように、側面視において、傾斜面74と上段面73とがなす角度は、鈍角である。このため、傾斜面74と上段面73との間において、第4給液配管37、第9給液配管47、および第2排液配管53に、急激な曲折は生じない。また、側面視において、傾斜面74と下段面72とがなす角度も、鈍角である。このため、傾斜面74と下段面72との間においても、第5給液配管39、第10給液配管49、および第1排液配管51に、急激な曲折は生じない。したがって、これらの配管37,39,47,49,51,53内の流路が、いわゆるキンクにより閉塞することを抑制できる。
なお、温調水生成部60は、配置台70の上面ではなく、配置台70の内部に配置されている。これにより、配置台70の上面に配置される部品点数が低減される。したがって、灌流装置1を小型化できる。
また、本実施形態の配置台70は、縁部突起75を有する。縁部突起75は、配置台70の上面の縁部の少なくとも一部分から、上方へ突出する。万が一、配置台70の上面において、配管から保存液が流出した場合、その保存液は、縁部突起75により堰き止められる。特に、本実施形態では、配置台70の上面の周縁部のうち、フロント側の端縁部以外の部分に、縁部突起75が設けられている。このため、配管から流出した保存液は、配置台70の上面においてフロント側へ流れ、フロント側の端縁部のみから下方へ流下する。したがって、流出する保存液を容易に回収できる。
制御部80は、灌流装置1の各部を動作制御するための手段である。制御部80は、コンピュータにより構成される。制御部80および制御部80に接続された電気配線は、配置台70の内部に配置されている。このようにすれば、制御部80および電気配線に、保存液等の液滴がかかることを防止できる。したがって、制御部80および電気配線の故障を抑制できる。
図5は、制御部80と、灌流装置1の各部との電気的接続を示したブロック図である。図5に示すように、制御部80は、CPU等のプロセッサ81、RAM等のメモリ82,およびハードディスクドライブ等の記憶部83を有する。記憶部83には、灌流装置1を動作制御するためのコンピュータプログラムCPが記憶されている。
また、図5に示すように、制御部80は、上述したポンプ32,42,56、流量/気泡センサ38,48,52、pH/溶存酸素センサユニット54、温調水生成部60、および表示部84と、それぞれ電気的に接続されている。制御部80は、記憶部83に記憶されたコンピュータプログラムCPに従って、これらの各部を動作制御する。これにより、臓器9に対する灌流処理が進行する。制御部80は、各センサの検出値が異常値を示した場合には、ポンプ32,42を停止させるなどの制御を行う。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、傾斜面74は平面状であった。しかしながら、傾斜面74は、曲面状であってもよい。また、下段面72と傾斜面74とが、角の無い滑らかな曲面により繋がっていてもよい。また、上段面73と傾斜面74とが、角の無い滑らかな曲面により繋がっていてもよい。また、傾斜面74は、微細な凹凸を有していてもよい。
また、上記の実施形態の灌流装置1は、流量センサの機能と気泡センサの機能とを兼ね備えた流量/気泡センサ38,48,52を備えていた。しかしながら、灌流装置1は、流量センサと気泡センサとを、別々に備えていてもよい。また、上記の実施形態の灌流装置1は、pHセンサと溶存酸素センサとを含むpH/溶存酸素センサユニット54を備えていた。しかしながら、灌流装置1は、pHセンサと溶存酸素センサとを、別ユニットとして備えていてもよい。
また、上記の実施形態では、保存対象となる臓器9が肝臓の場合について説明した。このため、上記の実施形態の灌流装置1は、2本の給液部30,40と、1本の排液部50とを備えていた。しかしながら、給液部および排液部の数は、臓器9の種類に応じて適宜に選択されればよい。
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 灌流装置
9 臓器
10 リアクタ
11 アウターリアクタ
12 インナーリアクタ
20 リザーバ
30 門脈用給液部
31 第1給液配管
32 ポンプ
33 第2給液配管
34 人工肺
35 第3給液配管
36 気泡トラップ
37 第4給液配管
38 流量/気泡センサ
39 第5給液配管
40 肝動脈用給液部
41 第6給液配管
42 ポンプ
43 第7給液配管
44 人工肺
45 第8給液配管
46 気泡トラップ
47 第9給液配管
48 流量/気泡センサ
49 第10給液配管
50 排液部
51 第1排液配管
52 流量/気泡センサ
53 第2排液配管
54 pH/溶存酸素センサユニット
55 第3排液配管
56 ポンプ
57 第4排液配管
60 温調水生成部
70 配置台
71 車輪
72 下段面
73 上段面
74 傾斜面
75 縁部突起
80 制御部
84 表示部
90 手術台
721 リアクタ支持部
722 凹部
731 リザーバ支持部

Claims (12)

  1. 体外において臓器に保存液を灌流する灌流装置であって、
    臓器および灌流用の配管が配置される配置台
    を備え、
    前記配置台の上面は、
    下段面と、
    前記下段面よりも高い位置にある上段面と、
    前記下段面と前記上段面とを繋ぎ、前記下段面から前記上段面へ向かうにつれて徐々に高くなる傾斜面と、
    を含む、灌流装置。
  2. 請求項1に記載の灌流装置であって、
    保存液の供給源となるリザーバを支持するリザーバ支持部
    をさらに備え、
    前記リザーバ支持部は、前記上段面に設けられている、灌流装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の灌流装置であって、
    臓器を保持するリアクタが配置されるリアクタ支持部
    をさらに備え、
    前記リアクタ支持部は、前記下段面に設けられている、灌流装置。
  4. 請求項3に記載の灌流装置であって、
    前記リアクタ支持部は、前記下段面から下方へ向けて凹む凹部を有し、
    前記凹部内に前記リアクタが配置される、灌流装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の灌流装置であって、
    前記配管内を流れる保存液の流量を計測する流量センサ
    をさらに備え、
    前記流量センサは、前記傾斜面に配置されている、灌流装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の灌流装置であって、
    前記配管内を流れる保存液中の気泡を検出する気泡センサ
    をさらに備え、
    前記気泡センサは、前記傾斜面に配置されている、灌流装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の灌流装置であって、
    水平面に対する前記傾斜面の傾斜角度は、30°以上かつ60°以下である、灌流装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の灌流装置であって、
    前記配管内を流れる保存液に酸素を供給する人工肺
    をさらに備え、
    前記人工肺は、前記上段面に配置されている、灌流装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の灌流装置であって、
    温調水を生成して保温すべき部分へ供給する温調水生成部
    をさらに備え、
    前記温調水生成部は、前記配置台の内部に配置されている、灌流装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の灌流装置であって、
    制御部としてのコンピュータ
    をさらに備え、
    前記コンピュータおよび前記コンピュータに接続された配線が、前記配置台の内部に配置されている、灌流装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の灌流装置であって、
    上面視において、前記下段面、前記傾斜面、および前記上段面が、直線状に配列されている、灌流装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の灌流装置であって、
    前記配置台の上面の縁部の少なくとも一部分から上方へ突出する縁部突起
    をさらに備える、灌流装置。
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