JP2015100609A - 心筋保護液リザーバ及び心筋保護液供給装置 - Google Patents

心筋保護液リザーバ及び心筋保護液供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】流入する心筋保護液に対する撹拌作用を効果的に発生させて、心筋保護液の温度を均一に維持する。【解決手段】心筋保護液の貯留空間を形成する槽ハウジング21と、槽ハウジング上部に設けられた流入ポート24と、槽ハウジング下部に設けられた流出ポート25とを備え、槽ハウジング内部に、上方に凹となった湾曲面を形成する撹拌シート26が設置される。撹拌シートは湾曲方向における中間部で最低位部27を形成し、最低位部は槽ハウジングの垂直方向における中位領域に位置し、最低位部の両側の高位端部の一方が導入端部28を、他方が終端部29を構成する。流入ポートと連通する導入管30が、流入ポートから流入した液体を撹拌シートの導入端部に導くように配置される。撹拌シートの湾曲方向に沿った両側縁の少なくとも一部は、槽ハウジングの内壁面との間に間隙を形成している。【選択図】図1B

Description

本発明は、体外血液循環に用いられる人工心肺回路に組み込まれ、心筋保護液を貯留し適温に維持するための心筋保護液リザーバ及びそれを用いた心筋保護液供給装置に関し、特に、心筋保護液の温度あるいは濃度の均一性を向上させるための改良に関する。
心臓手術においては、患者の心臓を停止させ、その間の呼吸及び血液循環機能を代行するために、人工心肺回路が用いられる。人工心肺回路の要部を構成する人工肺により、患者の肺に代わって血液に対するガス交換、すなわち、血液に酸素を供給し、二酸化炭素を排出する機能を得る。
体外血液循環回路を用いて心臓の拍動を停止させているときには、冠動脈の血流は途絶えて心筋は阻血状態になる。これに対処して、心筋を保護しかつ術後の自己心拍の回復を速やかにする目的で、心筋保護液を心臓の冠動脈に数十分間隔で注入することが行われる。
心筋保護液の組成には種々のものがあるが、例えば、血液+心停止液という心筋保護液は広く用いられる。血液は、人工心肺回路を循環する血液の一部を用いる。心停止液とは、心筋が完全に収縮をなくすような薬を主体とした薬液である。心筋保護液が間歇的に冠動脈内に流れてゆくことによって、心筋に血液中の酸素と栄養と解毒物質などの成分が送られ、また、心停止液が入ることによって心臓の細胞が必要なエネルギー量、ひいては酸素の量が極端に少なくなる。これにより、体外血液循環中の心筋を適切に保護することができる。
心筋保護液を供給するための心筋保護液リザーバを含む人工心肺回路の一例を、図4に示す。図4は、患者1の身体に対して人工心肺回路が接続された状態を示す概念図である。この人工心肺回路は、メイン回路2、吸引・ベント回路3、及び心筋保護回路4から構成されている。図示しないが、更に血液濃縮回路等が含まれる場合もある。
メイン回路2は、静脈リザーバ5、人工肺6、血液ポンプ7、及び動脈フィルタ8を備え、脱血ライン9aを介して脱血した患者1の静脈血を、回路内を循環させた後、送血ライン9bを介して患者1の大動脈へ返血するように構成される。回路内で血液は、まず静脈リザーバ5に導かれ、次に血液ポンプ7により人工肺6に送られ、人工肺6によりガス交換された動脈血は、動脈フィルタ8を介して送血ライン9bに至る。
吸引・ベント回路3は、ローラーポンプ10a、10bを備え、吸引ライン11a、ベントライン11bを介して患者1から吸引した血液を、静脈リザーバ5に内蔵された心内血貯血槽に導くように構成される。
心筋保護回路4は、心筋保護液リザーバ12、心停止液供給部13、ローラーポンプ14a、14b、熱交換器15、及び切替えバルブ16を備え、心筋保護液注入ライン17を介して心筋保護液を患者1の心臓の冠動脈に注入するように構成される。心筋保護液リザーバ12には、心停止液供給部13から心停止液が供給され、また人工肺6から供給される血液が混合された心筋保護液が貯留されて、熱交換器15を経る循環に供される。
すなわち、心筋保護液は、手術中、心筋保護液リザーバ12に貯留されるが、心筋の保護のため、心筋保護液を適切な温度で投与する必要がある。このため、心筋保護液リザーバ12に貯留されている心筋保護液は、熱交換器15を通るように循環させられて一定温度に維持される。
心筋保護液リザーバ12から循環流出ライン18に流出する心筋保護液は、ローラーポンプ14bにより送出されて熱交換器15及び切替えバルブ16を経由し、循環流入ライン19から心筋保護液リザーバ12に戻される。一方、人工肺6から血液の一部がローラーポンプ14aにより吸引され、熱交換器15及び切替えバルブ16を経由して、循環流入ライン19から心筋保護液リザーバ12に送られる。
切替えバルブ16は、熱交換器15から流出する心筋保護液を、循環流入ライン19または心筋保護液注入ライン17に選択的に供給するための切替えを行う。これにより、心筋保護液リザーバ12から循環中の心筋保護液を、必要に応じて心臓の冠動脈へ注入することができる(例えば特許文献1参照)。
特開平7−241337号公報
しかしながら、心筋保護液リザーバ12に貯留されている心筋保護液は、必ずしも温度が均一にはなっていないことが判った。原因として考えられることは、熱交換器15を循環させても、心筋保護液が適切に撹拌されなければ、均一な温度状態を確保できないことである。心筋保護液の濃度についても同様に、十分な均一性を確保することは困難である。
そこで、循環して戻ってきた心筋保護液によって、心筋保護液リザーバ12内で撹拌作用が発生するように、リザーバの構造を改良することが考えられた。撹拌性を向上させることにより、温度あるいは濃度の均一性が向上する効果が期待される。
ところが、特許文献1に記載されている従来例の心筋保護液の給液装置では、単純に、循環する心筋保護液が流入ポートからリザーバに流入する構造が示されているのみである。すなわち、流入する心筋保護液に対して撹拌作用を発生させるためのリザーバの内部構造について、示唆する記載はない。
そこで本発明は、槽内に流入する心筋保護液に対して撹拌作用を効果的に発生させるための内部構造を有する心筋保護液リザーバを提供することを目的とする。
また、そのような心筋保護液リザーバを備え、リザーバ内に貯留された心筋保護液が熱交換器を経由し循環して一定温度あるいは一定濃度に維持され、一方、循環路中の心筋保護液を心筋保護液供給ラインに選択的に送出可能なように構成された心筋保護液供給装置を提供することを目的とする。
本発明の心筋保護液リザーバは、心筋保護液を貯留する空間を形成する槽ハウジングと、前記槽ハウジングの上部に設けられた流入ポートと、前記槽ハウジングの下部に設けられた流出ポートとを備える。
上記課題を解決するために、本発明の心筋保護液リザーバは、前記槽ハウジングの内部に、上方に凹となった湾曲面を形成する撹拌シートが設置され、前記撹拌シートは前記湾曲面の湾曲方向における中間部で最低位部を形成し、前記最低位部は前記槽ハウジングの垂直方向における中位領域に位置し、前記最低位部の両側の高位端部の一方が導入端部を、他方が終端部を構成しており、前記流入ポートと連通する導入管が、前記流入ポートから流入した液体を前記撹拌シートの前記導入端部に導くように配置され、前記流出ポートは前記撹拌シートの前記終端部の下方領域に配置され、前記撹拌シートの前記湾曲方向に沿った両側縁の少なくとも一部は前記槽ハウジングの内壁面との間に間隙を形成していることを特徴とする。
上記構成によれば、流入ポートから導入される心筋保護液は、導入管により撹拌シートの導入端部の上面に導かれ、湾曲面に沿って流れるのに伴い、撹拌シートの両側縁と槽ハウジングの内壁面との間の間隙から落下して、貯液室23に集まる。この過程で、心筋保護液は適切に撹拌されて、温度あるいは濃度が均一になる。
本発明の実施形態における心筋保護液リザーバを概念的に示す正面図 同心筋保護液リザーバの右側面から見た断面図 同心筋保護液リザーバの上面部を取り去った平面図 同心筋保護液リザーバの要部を構成する撹拌シートを示す斜視図 同撹拌シートの形状の要部を示す平面図 従来例の人工心肺回路を示す概念図
本発明の心筋保護液リザーバは、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
すなわち、前記撹拌シートの前記最低位部またはその近傍に、両側縁がくびれて形成された切欠き凹部、前記撹拌シートを横断する方向に形成された傾斜部、あるいは穴が設けられている構成とすることができる。これにより、心筋保護液の循環量が少ない場合でも、撹拌シート上の心筋保護液が確実に落下する作用が得られ、撹拌シート上に溜まることが回避される。
また、前記導入管の先端部における管軸の方向は、前記撹拌シートに平行な面内で前記湾曲方向に沿って配向されている構成とすることができる。これにより、導入端部と導入管が滑らかに接触し、撹拌シートで気泡を巻き込むことなく心筋保護液を流すことができる。
また、前記槽ハウジングは、上部の撹拌室と、前記撹拌室の側方に偏倚した一部領域に下方に突出して形成された貯液室を有し、前記撹拌室における前記貯液室とは反対側に偏倚した位置の上部に前記流入ポートが設けられ、前記貯液室の下端に前記流出ポートが設けられている構成とすることができる。これにより、心筋保護液は確実に撹拌シート26の湾曲面に沿って流れて、撹拌性を確実に向上させることができる。
また、前記貯液室が形成されていない領域の前記撹拌室の下部では、撹拌室底面が横方向に延在して前記撹拌シートの前記最低位部が載置されている構成とすることができる。これにより、導入管から噴出する心筋保護液に対して、撹拌シートを安定して保持することができる。
本発明の心筋保護液供給装置は、上記いずれかの構成を有する心筋保護液リザーバと、前記心筋保護液リザーバの前記流出ポートから流出する液体を流動させる送液ポンプと、前記流出ポートから流出する液体に対する熱交換を行う熱交換器と、前記流出ポート、前記送液ポンプ、前記熱交換器及び前記流入ポートの間を接続する循環ラインと、前記循環中の液体が前記流入ポートに戻る経路中に配置され、前記循環ラインを流動する心筋保護液の送液路を、前記流入ポートへの循環ラインまたは外部への心筋保護液供給ラインとの間で切替える切替えバルブとを備え、前記流出ポートから流出する心筋保護液が前記熱交換器を経由して前記流入ポートに戻るように前記送液ポンプによる循環を行う経路と、前記心筋保護液供給ラインを介した送液の経路を前記切替えバルブにより選択することが可能である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
<実施の形態>
本発明の実施形態における心筋保護液リザーバの構造について、図1A〜1Cを参照して説明する。図1Aは、心筋保護液リザーバ20の構成を概念的に示す正面図、図1Bはその右側面から見た断面図、図1Cは、平面図である。この心筋保護液リザーバ20は、図4に示した従来例と同様の人工心肺回路中に、心筋保護液リザーバ12に代えて用いることができる。
心筋保護液リザーバ20は、槽ハウジング21により心筋保護液を貯留する空間を形成して構成される。なお、図1Cは、槽ハウジング21の上面を取り去って内部が見える状態にして示されている。槽ハウジング21は、上部に撹拌室22を有し、その撹拌室22の正面側に偏倚した一部領域が下方に突出して、貯液室23が形成されている。従って、貯液室23が形成されていない領域の撹拌室22の下部では、横方向に延在する撹拌室底面22aが形成されている。撹拌室22及び貯液室23は、図1Aに示されるように、側面の幅が下方に向かって狭まっており、下端部で平坦になったV字状を形成している。
撹拌室22には、貯液室23とは反対側に偏倚した位置の上部に流入ポート24が設けられ、貯液室23の下端には流出ポート25が設けられている。図示は省略するが、槽ハウジング21の上部に更に、心停止液を注入する薬液注入ポートが設けられた構成としてもよい。この心筋保護液リザーバ20が図4に示した人工心肺回路中で使用される際は、貯液室23に貯留された心筋保護注液は、流出ポート25から出て熱交換器15を含むラインを経由し、流入ポート24から槽ハウジング21に戻るように循環する。
撹拌室22には、上方に凹となったU字状の湾曲面(図1B参照)を形成する撹拌シート26が設置されている。撹拌シート26の形状を、図2に斜視図で示す。撹拌シート26は、湾曲方向における中間部を最低位部27とし、その両側が上方に傾斜して高位端部を各々形成している。最低位部27は撹拌室底面22a上に載置され、従って、槽ハウジング21の垂直方向における中位領域に位置している。「中位領域」とは、流入ポート24が設けられた上端部よりも低く、流出ポート25が設けられた下端部よりも高いことを意味する。
撹拌シート26の高位端部の一方が導入端部28を、他方が終端部29を構成する。撹拌シート26の材質は特に限定されないが、樹脂製とすればU字状の湾曲面を形成し易く、また心筋保護液に対する影響の無い材質を容易に選択することができる。撹拌シート26に用いる材質は、軟質でも硬質でもよい。
撹拌シート26の湾曲方向に沿った両側縁26aは、槽ハウジング21の内壁面との間に一定の間隙g(図1A参照)を形成している。撹拌室22及び貯液室23の側面はV字状になっているため、内壁に沿った撹拌シート26の側縁26aもV字状傾斜線を形成している。この結果、図1Cに示されるように、撹拌シート26は中央の最低位部27部に向かって幅狭になっている。
更に、撹拌シート26の最低位部27では、両側縁26aがくびれて切欠き凹部31が形成されている。切欠き凹部31の形状を図3に示す。図3は、図1Cにおける切欠き凹部31の近傍を拡大して示した図である。撹拌シート26の両側の側縁26aを最低位部27部に向かって延長した交点に対して、切欠き凹部31の最奥部の交点の位置は、幅dだけくびれている。すなわち、側縁26aが槽ハウジング21の内壁面との間に形成する一定の間隙gに対して、切欠き凹部31は、間隙の大きさを拡大する目的で設けられる。
撹拌シート26の導入端部28には、導入管30が結合している。導入管30は流入ポート24と連通しており、流入ポート24から流入した液体を導入端部28の上面に導くように配置されている。導入管30は先端径が細く、液体が噴出するようになっている。導入管30の出口での一定の流速を確保可能とするために、導入管30の先端内径は6.4mm以下とすることが望ましい。
導入管30の先端部における管軸の方向は、撹拌シート26の導入端部28の面内で湾曲方向に沿って配向されている。これにより、導入端部28と導入管30が滑らかに接触する。流出ポート25は、撹拌シート26の終端部29の下方領域に配置された状態になっている。但し、流出ポート25は、必ずしも撹拌シート26の終端部29の下方領域に配置される必要はなく、適宜配置を設定することが可能である。
以上のような構成を有する心筋保護液リザーバ20を、図4に示した人工心肺回路中に、心筋保護液リザーバ12に代えて用いた場合の動作について、図1A〜1C及び図4を参照して以下に説明する。
人工心肺回路では、心筋保護液リザーバ20の流出ポート25から循環流出ライン18に流出する心筋保護液が、ローラーポンプ14bにより送出される。心筋保護液は、熱交換器15及び切替えバルブ16を経由し、循環流入ライン19から流入ポート24を介して心筋保護液リザーバ20に戻る。
その際、流入ポート24に至った心筋保護液は、導入管30により撹拌シート26の導入端部28の上面に導かれる。貯液室23の貯液量が多く、心筋保護液の循環量が多い場合、先端径の細い導入管30から噴出した液は、撹拌シート26の湾曲面に沿って流れ、最低位部27を通過して終端部29に向かって上向きに流れる。これに伴い、心筋保護液は撹拌シート26の両側縁26aと槽ハウジング21の内壁面との間の間隙gから落下して、貯液室23に集まる。この過程で、心筋保護液は撹拌されながら撹拌シート26の両側縁26aを越えて、貯液室23に向かって流れ落ちる。これにより、全体の撹拌性が向上し、温度及び濃度が均一になる。
一方、心筋保護液の循環量が少ない場合、導入管30から流出した心筋保護液は、最低位部27の近傍までに撹拌シート26の両側縁26aを越えて、気泡を巻き込むことなく槽ハウジング21の内壁面に沿って流れ落ち貯液室23に集まる。その過程で撹拌されて温度及び濃度が均一になる。また、撹拌シート26の最低位部27では、切欠き凹部31により間隙gの大きさが拡大されているので、切欠き凹部31を通して撹拌シート26上の心筋保護液は速やかに排出され、心筋保護液が撹拌シート26上に滞留することはない。
なお、この効果を得るためには、間隙gは、両側縁26aの全領域において内壁面との間に形成される必要はない。すなわち、撹拌シート26の湾曲方向に沿った両側縁26aの少なくとも一部で、槽ハウジング21の内壁面との間に間隙gが形成されていれば、撹拌効果を相応の程度で得ることが可能である。
また、切欠き凹部31を設けることも必須ではないが、上述の効果が得られるので、仕様に応じて採用することが望ましい。切欠き凹部31を設ける位置も、最低位部27に限定されることはなく、最低位部27の近傍であって上述の効果を得ることが可能な範囲内に設ければよい。
また、心筋保護液の撹拌シート26上での滞留を防止するためには、切欠き凹部以外に、撹拌シート26を横断する方向の傾斜を形成した構造、もしくは撹拌シート26の最低位部27の近傍に穴を開けた構造等を採用することができる。
以上のように、本実施の形態の構成によれば、心筋保護液の循環量が多い場合、及び少ない場合のいずれの場合でも、導入管30から流出して貯液室23に集まる過程で心筋保護液が適切に撹拌される効果を得ることができる。これにより、心筋保護液の温度及び濃度が均一化され、心筋保護液注入ライン17から適切な温度及び濃度で投与することができる。
また、貯液室23が撹拌室22の正面側に偏倚した一部領域に形成され、貯液室23とは反対側に偏倚した位置の上部に流入ポート24が設けられ、貯液室23の下端に流出ポート25が設けられていることで、心筋保護液は確実に撹拌シート26の湾曲面に沿って流れる。これにより、撹拌性を確実に向上させることができる。
また、撹拌室22の下部に横方向に延在する撹拌室底面22aが形成されており、撹拌シート26の最低位部27が撹拌室底面22a上に載置されているので、導入管30から噴出する心筋保護液の流に抗して、撹拌シート26が安定して保持される。
撹拌シート26による撹拌性の向上効果を実証するために、撹拌シート26の有無による心筋保護液の濃度の均一性の変化を調べた。実験は、心筋保護液リザーバ20内の生理食塩水を牛血液に置換する方法で行った。貯血量を2000mLとし、流量を500mL/minとして牛血液を流入させて、流入開始から15秒後、及び30秒後における槽ハウジング21内の状態を観察した。
槽ハウジング21内に撹拌シート26が装着されていない従来例の場合、流入開始から15秒後には、槽ハウジング21内の下部領域50%が牛血液で置換され、30秒後には、下部領域65%が牛血液で置換されたことが観察された。一方、槽ハウジング21内に撹拌シート26が装着された本実施の形態の場合、流入開始から15秒後には、槽ハウジング21内の95%が牛血液で置換され、30秒後には、100%が牛血液で置換されたことが観察された。従って、撹拌シート26による撹拌性向上の効果が顕著であることを確認できた。
本発明の心筋保護液リザーバは、槽内に流入する心筋保護液に対して撹拌作用を効果的に発生させて、槽内に貯留される心筋保護液の温度を均一に維持する効果が高く、人工心肺装置の構成に有用である。
1 患者
2 メイン回路
3 吸引・ベント回路
4 心筋保護回路
5 静脈リザーバ
6 人工肺
7 血液ポンプ
8 動脈フィルタ
9a 脱血ライン
9b 送血ライン
10a、10b、14a、14b ローラーポンプ
11a 吸引ライン
11b ベントライン
12、20 心筋保護液リザーバ
13 心停止液供給部
15 熱交換器
16 切替えバルブ
17 心筋保護液注入ライン
18 循環流出ライン
19 循環流入ライン
21 槽ハウジング
22 撹拌室
22a 撹拌室底面
23 貯液室
24 流入ポート
25 流出ポート
26 撹拌シート
26a 両側縁
27 最低位部
28 導入端部
29 終端部
30 導入管

Claims (6)

  1. 心筋保護液を貯留する空間を形成する槽ハウジングと、
    前記槽ハウジングの上部に設けられた流入ポートと、
    前記槽ハウジングの下部に設けられた流出ポートとを備えた心筋保護液リザーバにおいて、
    前記槽ハウジングの内部に、上方に凹となった湾曲面を形成する撹拌シートが設置され、
    前記撹拌シートは前記湾曲面の湾曲方向における中間部で最低位部を形成し、前記最低位部は前記槽ハウジングの垂直方向における中位領域に位置し、前記最低位部の両側の高位端部の一方が導入端部を、他方が終端部を構成しており、
    前記流入ポートと連通する導入管が、前記流入ポートから流入した液体を前記撹拌シートの前記導入端部に導くように配置され、
    前記撹拌シートの前記湾曲方向に沿った両側縁の少なくとも一部は前記槽ハウジングの内壁面との間に間隙を形成していることを特徴とする心筋保護液リザーバ。
  2. 前記撹拌シートの前記最低位部またはその近傍に、両側縁がくびれて形成された切欠き凹部、前記撹拌シートを横断する方向に形成された傾斜部、あるいは穴が設けられている請求項1に記載の心筋保護液リザーバ。
  3. 前記導入管の先端部における管軸の方向は、前記撹拌シートに平行な面内で前記湾曲方向に沿って配向されている請求項1または2に記載の心筋保護液リザーバ。
  4. 前記槽ハウジングは、上部の撹拌室と、前記撹拌室の側方に偏倚した一部領域に下方に突出して形成された貯液室を有し、
    前記撹拌室における前記貯液室とは反対側に偏倚した位置の上部に前記流入ポートが設けられ、前記貯液室の下端に前記流出ポートが設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の心筋保護液リザーバ。
  5. 前記貯液室が形成されていない領域の前記撹拌室の下部では、撹拌室底面が横方向に延在して前記撹拌シートの前記最低位部が載置されている請求項4に記載の心筋保護液リザーバ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の心筋保護液リザーバと、
    前記心筋保護液リザーバの前記流出ポートから流出する液体を流動させる送液ポンプと、
    前記流出ポートから流出する液体に対する熱交換を行う熱交換器と、
    前記流出ポート、前記送液ポンプ、前記熱交換器及び前記流入ポートの間を接続する循環ラインと、
    前記循環中の液体が前記流入ポートに戻る経路中に配置され、前記循環ラインを流動する心筋保護液の送液路を、前記流入ポートへの循環ラインまたは外部への心筋保護液供給ラインとの間で切替える切替えバルブとを備え、
    前記流出ポートから流出する心筋保護液が前記熱交換器を経由して前記流入ポートに戻るように前記送液ポンプによる循環を行う経路と、前記心筋保護液供給ラインを介した送液の経路を前記切替えバルブにより選択することが可能である心筋保護液供給装置。
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