JP2021011234A - タイヤ - Google Patents

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Masahiko Yamamoto
雅彦 山本
小野 雄平
Yuhei Ono
雄平 小野
俊介 兼松
Shunsuke Kanematsu
俊介 兼松
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Abstract

【課題】タイヤ変形の測定精度を改善し、タイヤに発生している力をより正確に測定し得るタイヤの提供を目的とする。【解決手段】圧電素子1は、線状体であり、空気入りタイヤ10に取り付けられる。圧電素子1は、導電性繊維Aで形成された芯部2と、芯部2の外周部に少なくとも一方向に巻かれた圧電性繊維Bを有する鞘部3とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電素子を取り付けたタイヤに関する。
フィルム型の圧電素子からなる歪みセンサを用いて、タイヤに負荷される荷重を特定する技術が知られている(特許文献1参照)。
具体的には、監視システムが、タイヤに取り付けられたピエゾフィルムを用いて、タイヤ変形の大きさを測定し、タイヤに負荷される荷重とタイヤ変形の大きさとの関連付けに基づいて、タイヤに負荷される荷重を特定する。
特開2014-54978号公報
しかしながら、従来のピエゾフィルムは、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)などから作られる圧電素子であるため、タイヤのゴム材料と比較して剛性が高い。
このため、ピエゾフィルムが貼り付けられた領域では、ピエゾフィルムが貼り付けられていない領域よりもタイヤが変形し難くなり、タイヤ変形が阻害される可能性がある。
また、従来のピエゾフィルムは面状であるため、二次元的な広がりを持ち、あらゆる方向に沿ったタイヤ変形の大きさを測定してしまう。このため、特定の方向に沿ったタイヤ変形の大きさを取得するためには、複雑な処理が必要となる。
更に、従来のピエゾフィルムは面状であるため、曲面に対する追随性が悪い。このため、剥がれや損傷を生じ易く、耐久性に劣る。
したがって、タイヤ変形の大きさを精度良くに測定するには、まだ改善の余地がある。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、タイヤ変形の測定精度を改善し、タイヤに発生している力をより正確に測定し得るタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、タイヤであって、前記タイヤに取り付けられる線状体の圧電素子を備え、前記圧電素子は、導電性繊維で形成された芯部と、前記芯部の外周部に少なくとも一方向に巻かれた圧電性繊維を有する鞘部と、を備える。
このように、本発明の一態様に係る圧電素子は、線状体、つまり一次元的形状であるため、特定の方向のみの変形を測定することができる。更には、タイヤのように曲面表面に対しても、特定の角度に追随性良く圧電素子を設置できるため、圧電素子の剥がれや損傷が生じにくい。
上述したタイヤによれば、タイヤ変形の測定精度を改善し、タイヤに発生している力をより正確に測定し得るタイヤを提供することができる。
図1は、空気入りタイヤ10の一部拡大断面図である。 図2は、空気入りタイヤ10の側面図である。 図3は、圧電素子1の構成を説明する説明図である。 図4は、監視システム500のブロック図である。 図5Aは、圧電素子1における電気信号の発生原理を説明する説明図である。 図5Bは、圧電素子1における電気信号の発生原理を説明する説明図である。 図5Cは、圧電素子1における電気信号の発生原理を説明する説明図である。 図6は、タイヤ変形の測定例に用いた圧電素子1の構成を説明する説明図である。 図7は、空気入りタイヤ10に負荷される荷重と、圧電素子1を用いて測定されたタイヤ変形の大きさとの関係を示すグラフである。 図8は、空気入りタイヤ10に負荷される荷重と、圧電素子1を用いて測定されたタイヤ変形との関係を示すグラフである。 図9は、第1変形例に係る空気入りタイヤ10aの側面図である。 図10は、第2変形例に係る空気入りタイヤ10bの側面図である。 図11は、第3変形例に係る空気入りタイヤ10cの一部拡大断面図である。 図12は、第4変形例に係る空気入りタイヤ10dの一部拡大断面図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一又は類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
(1)タイヤの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ10の一部拡大断面図である。具体的には、図1は、空気入りタイヤ10のタイヤ径方向及びタイヤ幅方向に沿った断面図である。なお、図1では、断面ハッチングの図示は省略されている(以下同)。図2は、空気入りタイヤ10の側面図である。
図1に示すように、空気入りタイヤ10は、トレッド部20、タイヤサイド部30、カーカスプライ40、ベルト層50及びビード部60を備える。
トレッド部20は、路面(不図示)と接する部分である。トレッド部20には、空気入りタイヤ10の使用環境や装着される車両の種別に応じたパターンが形成される。
タイヤサイド部30は、トレッド部20に連なり、トレッド部20のタイヤ径方向内側に位置する。タイヤサイド部30は、トレッド部20のタイヤ幅方向外側端からビード部60の上端までの領域である。タイヤサイド部30は、サイドウォールなどと呼ばれることもある。
カーカスプライ40は、空気入りタイヤ10の骨格を形成する。カーカスプライ40は、タイヤ径方向に沿って放射状に配置されたカーカスコード(不図示)がゴム材料によって被覆されたラジアル構造である。但し、カーカスプライ40は、ラジアル構造に限定されず、カーカスコードがタイヤ径方向に交錯するように配置されたバイアス構造でも構わない。
また、カーカスコードは、特に限定されず、例えば、有機繊維のコードによって形成し得る。
ベルト層50は、トレッド部20のタイヤ径方向内側に設けられる。ベルト層50は、コードが交錯する一対の交錯ベルトと、交錯ベルトのタイヤ径方向外側に設けられる補強ベルト51とを含む。補強ベルト51は、キャップ・レイヤーなどとも呼ばれることもある。なお、ベルト層50は、キャップ・レイヤーとは異なる形状の補強ベルトを含んでもよい。
ビード部60は、タイヤサイド部30に連なり、タイヤサイド部30のタイヤ径方向内側に位置する。ビード部60は、タイヤ周方向に延びる円環状である。カーカスプライ40は、ビード部60を介して、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返されている。
空気入りタイヤ10は、リムホイール100に組み付けられる。具体的には、ビード部60は、リムホイール100の径方向外側端に形成されるリムフランジ110に係止される。
なお、空気入りタイヤ10は、リムホイール100に組み付けられることによって形成された内部空間に空気が充填されるタイヤであるが、当該内部空間に充填される気体は、空気に限らず、窒素ガスなどの不活性ガスでもよい。
空気入りタイヤ10のタイヤ内側面には、リムホイール100に組み付けられた空気入りタイヤ10の内部空間に充填された空気(又は窒素ガスなどの不活性ガス)漏れを防止するインナーライナー(不図示)が貼り付けられている。
空気入りタイヤ10のタイヤ外側面には、線状体の圧電素子1が取り付けられている。圧電素子1は、接着剤を用いてタイヤ外側面に貼り付けられる。
なお、図1では、圧電素子1は、空気入りタイヤ10の一方の外側面(図1の左側)のみに設けられているが、これに限定されない。圧電素子1は、空気入りタイヤ10の両方の外側面に設けられてもよい。
空気入りタイヤ10のリムホイール100には、処理装置200が取り付けられている。処理装置200は、信号線300を介して圧電素子1に接続される。処理装置200は、圧電素子1から出力される電気信号を無線信号に変換して、後述する外部機器400に送信する。
図2に示すように、圧電素子1は、空気入りタイヤ10の外側面において、空気入りタイヤ10のタイヤ径方向に沿って、直線状に1つ以上設けられている。本実施形態では、4つの圧電素子1が、空気入りタイヤ10のタイヤ周方向に沿って、90度間隔で配置されている。
空気入りタイヤ10の外側面において、空気入りタイヤ10のタイヤ径方向に沿って、圧電素子1を直線状に設ける場合、測定対象となる歪みに応じて、次のように、歪みの変化が大きい位置に圧電素子1を配置することが好ましい。
タイヤ変形として、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪みを測定対象とする場合、タイヤ径方向において、空気入りタイヤ10のタイヤ幅が最大となるタイヤ最大幅位置Wmaxよりタイヤ径方向内側に、圧電素子1を配置することが好ましい。
タイヤ変形として、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の引張歪みを測定対象とする場合、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Wmaxを跨いで、圧電素子1を配置することが好ましい。
本実施形態では、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪みを測定対象とするため、圧電素子1は、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Wmaxよりタイヤ径方向内側に配置されている。なお、タイヤ最大幅位置Wmaxを通るタイヤ幅方向に沿った直線WMは、タイヤ赤道線CL1に垂直に交わる(図1参照)。
(2)圧電素子の構成
次に、圧電素子1の具体的構成について説明する。図3は、圧電素子1の構成を説明する説明図である。
図3に示すように、圧電素子1は、線状体であり、芯部2及び鞘部3を備える。線状体の好ましい形状として、次の条件が挙げられる。
・アスペクト比(長さ/最大断面幅):5以上、好ましくは10以上、最も好ましくは15以上
・最大断面幅(直径):2.0mm以下、好ましくは1.0mm、最も好ましくは0.5mm以下
上述したように、線状体は、より一次元的である方が、特定の方向のみの変形を測定することができるとともに、形状追随性がよくなるため、アスペクト比はより大きく、断面幅はより小さいほうが好ましい。一方、長さについては、測定すべき範囲及び精度により、別途決めることができる。
圧電素子1の弾性率は、300MPa以上、1500MPa以下であり、好ましくは、300MPa以上、500MPa以下である。なお、圧電素子1の弾性率は、具体的には、次の条件下での引張試験で得られた引張弾性率である。
・圧電素子1の長さ:250mm
・歪み入力速度:300mm/min
圧電素子1の長さは、特に限定されず、タイヤの種別に応じて、タイヤ変形の大きさを測定するのに必要な長さの圧電素子1が適宜用いられる。
芯部2は、導電性繊維Aから形成される。導電性繊維Aは、フィラメントを複数本束ねたマルチフィラメント、又はフィラメント1本からなるモノフィラメントで構成される。
導電性繊維Aとして、例えば、金属繊維、導電性高分子からなる繊維、炭素繊維、繊維状又は粒状の導電性フィラーを分散させた高分子からなる繊維、繊維状物の表面に導電性を有する層を設けた繊維などが挙げられる。
繊維状物の表面に導電性を有する層を設ける方法としては、繊維状物の表面を金属で被覆することが挙げられる。
この場合、繊維状物として、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ポリスルホン繊維、ポリエーテル繊維、ポリウレタン繊維などの合成繊維、綿、麻、絹などの天然繊維、アセテートなどの半合成繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維を用いることができる。
また、繊維状物の表面を被覆する金属として、例えば、金、銀、白金、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、パラジウム、酸化インジウム錫、硫化銅など、及びこれらの混合物や合金などを用いることができる。
鞘部3は、圧電性繊維B及び絶縁性繊維Cから形成される。圧電性繊維Bは、主成分としてポリ乳酸を含む。圧電性繊維Bにおいて、ポリ乳酸の結晶が一軸配向されている。圧電性繊維Bは、フィラメントを複数本束ねたマルチフィラメント、又はフィラメント1本からなるモノフィラメントで構成される。
圧電性繊維Bの総繊度は、導電性繊維Aの総繊度の1/2倍以上、20倍以下であることが好ましい。なお、繊度は、繊維の太さを測る単位であり、単位長さあたりの重さとして示される。導電性繊維Aの総繊度は、導電性繊維Aの全ての繊度の和である。同様に、圧電性繊維Bの総繊度は、圧電性繊維Bの全ての繊度の和である。
圧電性繊維Bの1本あたりの繊度は、導電性繊維Aの総繊度の1/20倍以上、2倍以下であることが好ましい。
絶縁性繊維Cとしては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ポリスルホン繊維、ポリエーテル繊維、ポリウレタン繊維などの合成繊維、綿、麻、絹などの天然繊維、アセテートなどの半合成繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維を用いることができる。
絶縁性繊維Cの体積抵抗率は、106Ωcm以上であればよい。
圧電性繊維B及び絶縁性繊維Cは、導電性繊維Aを覆うように、導電性繊維Aに組紐状に巻き付けられる。具体的には、図3に示すように、圧電性繊維Bは、芯部2の中心軸CL2を基準として、時計回りに角度α傾斜する方向WD1に巻かれている(Z巻き)。絶縁性繊維Cは、芯部2の中心軸CL2を基準として、反時計回りに角度α傾斜する方向WD2に巻かれている(S巻き)。
すなわち、Z巻きの圧電性繊維Bは、芯部2の中心軸CL2を基準とした、芯部2の一方の領域2aから他方の領域2bに向かって螺旋状に巻かれる。同様に、S巻きの絶縁性繊維Cは、芯部2の中心軸CL2を基準とした、芯部2の他方の領域2bから一方の領域2aに向かって螺旋状に巻かれる。
角度αは、15度以上、75度以下であることが好ましい。なお、角度αは、Z巻きの圧電性繊維B及びS巻きの絶縁性繊維Cの主方向と芯部2の中心軸CL2とのなす角(巻き付け角度)と定義付けることができる。また、Z巻きの圧電性繊維Bの巻き付け角度αは、S巻きの絶縁性繊維Cの巻き付け角度αと異なっていてもよい。
Z巻きの圧電性繊維BとS巻きの絶縁性繊維Cとは、交差するように組まれており、芯部2の外周部を覆っている。このような構成により、交差する圧電性繊維Bと絶縁性繊維Cとの周囲には空隙が存在する。このため、圧電素子1は、外力によって自由に屈曲することができる。
なお、図3では、Z巻きの圧電性繊維B(又はS巻きの絶縁性繊維C)は、1本のS巻きの絶縁性繊維C(又はZ巻きの圧電性繊維B)を潜って、鞘部3の外周面に現れているが、圧電性繊維Bと絶縁性繊維Cとが交差する組み方は、これに限定されない。例えば、Z巻きの圧電性繊維B(又はS巻きの絶縁性繊維C)は、2本以上のS巻きの絶縁性繊維C(又はZ巻きの圧電性繊維B)を潜って、鞘部3の外周面に現れてもよい。
また、対象のタイヤ変形を適切に測定できるのであれば、絶縁性繊維Cの代わりに、圧電性繊維Bを用いて、S巻きの圧電性繊維BとZ巻きの圧電性繊維Bとを交差するように組んでもよい。同様に、対象のタイヤ変形を適切に測定できるのであれば、S巻きの圧電性繊維BとZ巻きの絶縁性繊維Cとを交差するように組んでもよい。
更に、対象のタイヤ変形を適切に測定できるのであれば、Z巻きの複数の繊維、及びS巻きの複数の繊維のうち、少なくとも1本の繊維が圧電性繊維Bであればよい。
更にまた、対象のタイヤ変形を適切に測定できるのであれば、Z巻きの圧電性繊維B(又はS巻きの圧電性繊維B)のみで、芯部2の外周部を覆ってもよい。
圧電素子1は、鞘部3の外側に被覆層(図示略)を含むことができる。被覆層の厚さは、0.05mm以上、2.0mm以下であることが好ましい。
また、圧電素子1は、芯部2及び鞘部3のうちの少なくとも一方に、高弾性繊維を含むことができる。高弾性繊維の弾性率は、15.0GPa以上であることが好ましい。導電性繊維Aに対する高弾性繊維の割合は、50%以下であることが好ましい。同様に、圧電性繊維Bに対する高弾性繊維の割合は、50%以下であることが好ましい。
(3)監視システムの構成
次に、監視システム500の具体的構成について説明する。図4は、監視システム500のブロック図である。図5A〜図5Cは、圧電素子1における電気信号の発生原理を説明する説明図である。
図4に示すように、監視システム500は、圧電素子1、処理装置200及び外部機器400を備える。処理装置200は、信号線300を介して圧電素子1の芯部2に接続される(図1参照)。
圧電素子1が歪んでいない状態では、図5Aに示すように、導電性繊維A及び圧電性繊維Bにおいて、正電荷及び負電荷は均一に分布している。この状態では、導電性繊維Aから負電荷は流出せず、かつ、導電性繊維Aに負電荷は流入しないため、圧電素子1において電気信号は発生しない。
空気入りタイヤ10の変形に伴って、圧電素子1が歪み始めると、図5Bに示すように、圧電性繊維Bにおいて分極が発生する。圧電性繊維Bの分極により、圧電性繊維Bにおいて、正電荷が一方向に分布し、かつ、負電荷が他方向に分布する。
圧電性繊維Bにおける正電荷及び負電荷の分布につられて、導電性繊維Aから負電荷が流出する。この負電荷の移動は、微小な電気信号の流れ(すなわち電流)として現れる。このため、圧電素子1において電気信号が発生する。なお、圧電素子1の歪み変形が大きいほど、発生する電気信号レベルは大きくなる。
空気入りタイヤ10が元の状態に戻り始めるのに伴って、圧電素子1の歪みが解消され始めると、図5Cに示すように、圧電性繊維Bにおいて分極が解消する。これにより、圧電性繊維Bにおいて、正電荷及び負電荷が均一に分布する。
圧電性繊維Bにおける正電荷及び負電荷の均一分布につられて、導電性繊維Aに負電荷が流入する。この負電荷の移動は、微小な電気信号の流れ(すなわち電流)として現れる。このため、圧電素子1において電気信号が発生する。
なお、圧電素子1の歪み動作(図5B)と、圧電素子1の歪みが解消される動作(図5C)とでは、負電荷の移動の向きは逆向きとなる。このため、圧電素子1の歪み動作と圧電素子1の歪みが解消される動作とでは逆極性の電気信号が発生する。
図4に示すように、処理装置200は、増幅部210、変換部220及び送信部230を備える。増幅部210は、圧電素子1から出力される電気信号を増幅する。
変換部220は、増幅部210で増幅された電気信号を無線信号に変換して、送信部230に出力する。送信部230は、変換部220から出力された無線信号を外部機器400に送信する。
増幅部210、変換部220及び送信部230は、各種電子回路で構築されてもよいし、プロセッサ上で動作するソフトウェアプログラムにより実装される機能モジュールとして構築されてもよい。また、増幅部210、変換部220及び送信部230は、各種電子回路とソフトウェアプログラムとの組み合わせで構築されてもよい。
更に、増幅部210、変換部220及び送信部230は、これらの機能をまとめて、ソフトウェアプログラムを書き込んだ集積回路又はマイクロプロセッサなどで構築されてもよい。
外部機器400は、圧電素子1から出力され、かつ、処理装置200の増幅部210で増幅された電気信号レベルを、タイヤ変形(例えば、空気入りタイヤ10の圧縮歪み)の大きさに変換する変換テーブルを予め記憶している。外部機器400は、処理装置200から無線信号を受信すると、変換テーブルに基づいて、処理装置200から無線信号として受信した電気信号レベルから、タイヤ変形の大きさを取得する。
外部機器400として、例えば、空気入りタイヤ10が取り付けられた車両に搭載されている表示機器、空気入りタイヤ10が取り付けられた車両に搭載されている車載ECU(Electronic Control unit)、空気入りタイヤ10が取り付けられた車両をネットワーク経由で遠隔制御する車両制御装置などが挙げられる。
(4)タイヤ変形の測定例
次に、圧電素子1を用いたタイヤ変形の測定例について説明する。本測定例では、タイヤ変形として、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪みを測定した。
なお、本測定例では、環境ノイズを遮断して、タイヤ変形をより良く測定するために、鞘部3の外側に、接地された導電層4を設けた圧電素子1aを用いた(図6参照)。このため、本測定例における、圧電素子1aから出力される電気信号レベルは、導電性繊維Aと導電層4との間の電位差に対応している。
導電層4は、例えば、導電性繊維などの導電体から形成される。導電性繊維は、圧電性繊維Bの周りに巻き付けられる。導電性繊維は、芯部2の導電性繊維Aと同じ種類であってもよい。
(4.1)測定例1
図7は、本測定例により求められた、空気入りタイヤ10に負荷される荷重と、圧電素子1を用いて測定された空気入りタイヤ10の変形との関係を示すグラフである。具体的には、内圧を張った空気入りタイヤ10に1000N, 2000N, 3000N及び4000Nの各荷重を負荷した状態で、回転させながら、圧電素子1を用いて、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪みを測定した。
なお、本測定例では、圧電素子1から出力された電気信号レベルを、空気入りタイヤ10の圧縮歪みの大きさに変換する変換テーブルを用いて、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪みを取得している。
図7に示したグラフの横軸は、リムホイール100の中心Pを回転中心とした、空気入りタイヤ10の回転角βを表している。図2に示すように、空気入りタイヤ10の側面において、空気入りタイヤ10の回転に伴って、圧電素子1が、基準面Gと垂直に交わる鉛直方向VD上の位置LPを通過するとき、回転角βは0度となる。
また、空気入りタイヤ10の側面において、圧電素子1が、空気入りタイヤ10の回転に伴って、鉛直方向VD上の位置UPを通過するとき、回転角βは-180度又は+180度となる。圧電素子1が、回転方向RTに沿って移動する方向をプラス方向とし、回転方向RTと逆方向に沿って移動する方向をマイナス方向と定義する。
なお、空気入りタイヤ10の回転に伴って、圧電素子1が通過する鉛直方向VD上の2つ位置LP, UPのうち、位置LPは基準面Gに近い側であり、位置UPは基準面Gから遠い側である。
このように、回転角βは、回転方向RTに沿って、-180度から+180度に変化する。
図7に示したグラフの縦軸のマイナス方向は、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪みを表している。なお、本測定例では、圧電素子1が鉛直方向VD上の位置UPに位置するとき、すなわち、回転角βが-180度又は+180度のとき、空気入りタイヤ10の圧縮歪みを0に設定している。
測定条件は、以下のとおりである。
・圧電素子1の長さ:2.0cm
・圧電素子1の幅:0.4mm
・圧電素子1の重量:0.01g
・圧電素子1の取付位置:空気入りタイヤ10のタイヤ径方向において、圧電素子1のタイヤ径方向外側端が、タイヤ最大幅位置Wmaxより3cmタイヤ径方向内側に位置する。
・空気入りタイヤ10のサイズ:タイヤ幅215mm、偏平率65%、ラジアル構造、リム径16インチ
・空気入りタイヤ10に負荷される荷重:1000N, 2000N, 3000N及び4000N
・空気入りタイヤ10の進行方向に対するスリップアングル:0度
図7の測定結果によれば、空気入りタイヤ10の外側面において、タイヤ径方向に沿って取り付けた圧電素子1を用いることにより、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪みから、空気入りタイヤ10に負荷される荷重が分かる。
(4.2)測定例2
図8は、本測定例により求められた、空気入りタイヤ10に負荷される荷重と、圧電素子1を用いて測定された空気入りタイヤ10の変形との関係を示すグラフである。具体的には、空気入りタイヤ10の外側面において、タイヤ径方向に沿って圧電素子1を取り付けた状態で、空気入りタイヤ10に負荷される荷重を変えながら、圧電素子1を用いて、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪みの最大値と最小値との差を測定した。
図8に示したグラフの横軸は、空気入りタイヤ10に負荷される荷重を表している。本測定例では、空気入りタイヤ10に負荷される荷重は、1000N, 2000N, 3000N及び4000Nである。
図8に示したグラフの縦軸は、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪みの最大値と最小値との差を表している。
図8の測定結果によれば、空気入りタイヤ10の外側面において、タイヤ径方向に沿って取り付けた圧電素子1を用いることにより、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪みの最大値と最小値との差から、空気入りタイヤ10に負荷される荷重が分かる。
(5)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
具体的には、圧電素子1は線状体であり、空気入りタイヤ10に取り付けられる。圧電素子1は、導電性繊維Aで形成された芯部2と、芯部2の外周部に少なくとも一方向に巻かれた圧電性繊維Bを有する鞘部3とを備える。
このような構成により、圧電素子1は、導電性繊維及び圧電性繊維で形成されるため、圧電素子1の剛性を弱めることができる。
このため、圧電素子1が空気入りタイヤ10の変形に伴う表面や内部の伸縮に追従し易くなり、圧電素子の剛性に起因するタイヤ変形の阻害が低減される。
また、圧電素子1は線状体であるため、特定の方向に沿って、圧電素子1を空気入りタイヤ10に取り付けることできる。このため、圧電素子1を用いて、特定の方向に沿ったタイヤ変形の大きさのみ容易に測定することができる。
これに対して、圧電素子が面状である場合、圧電素子は、あらゆる方向に沿ったタイヤ変形の大きさを測定してしまう。このため、特定の方向に沿ったタイヤ変形の大きさを取得するためには、処理装置200又は外部機器400において、複雑な処理が必要となる。
更に、圧電素子1は線状体であるため、曲面に対する追随性を改善することができる。
これに対して、圧電素子が面状である場合、圧電素子は、曲面に対する追随性が悪く、剥がれや損傷を生じるなどの観点で耐久性に劣る。
これらの特性により、圧電素子1を用いることにより、タイヤ変形の大きさを精度良く測定することができる。
すなわち、本実施形態によれば、タイヤ変形の測定精度を改善し、タイヤに発生している力、具体的には、空気入りタイヤ10に負荷される荷重をより正確に測定し得る空気入りタイヤ10を提供することができる。
加えて、圧電素子1は線状体であるため、圧電素子1の長さを自由に調整することができる。例えば、タイヤ変形の大きさを十分に検出できるように、建設車両用タイヤには、長い圧電素子1が取り付けられ、自動車用タイヤには、短い圧電素子1が取り付けられる。
このため、タイヤの種別に依存せずに、圧電素子1を用いて、タイヤ変形の大きさを精度良く測定することができる。
本実施形態によれば、鞘部3は、交差するように組まれた圧電性繊維及び絶縁性繊維、又は交差するように組まれた圧電性繊維で形成される。
このような構成により、交差する圧電性繊維B及び絶縁性繊維C、又は交差する圧電性繊維Bの周囲には空隙が存在する。このため、圧電素子1において、タイヤ変形により、圧縮される部分が生じたとしても、圧縮される部分は、圧電性繊維B及び絶縁性繊維Cの巻き付け角度α、又は圧電性繊維Bの巻き付け角度αが大きくなるような局所的な変化を生じて縮む。このため、圧電素子1は、圧縮変形に対する剛性が小さいという特性を有する。
同様に、引っ張られる部分は、圧電性繊維B及び絶縁性繊維Cの巻き付け角度α、又は圧電性繊維Bの巻き付け角度αが小さくなるような局所的な変化を生じて伸びる。このため、圧電素子1は、引張変形に対する剛性が小さいという特性を有する。
これらの特性により、圧電素子1が空気入りタイヤ10の変形に伴う表面や内部の伸縮に追従し易くなり、圧電素子の剛性に起因するタイヤ変形の阻害が低減される。これにより、圧電素子1を用いて、タイヤ変形の大きさを精度良く測定することができる。
本実施形態によれば、圧電素子1は、鞘部3に周りに導電体からなる導電層4を更に備える。
このような構成により、圧電素子1は、環境ノイズを遮断する。これにより、圧電素子1を用いて、タイヤ変形の大きさを精度良く測定することができる。
本実施形態によれば、圧電素子1は、空気入りタイヤ10に複数取り付けられる。
このような構成により、1つの圧電素子1が空気入りタイヤ10に取り付けられている場合と比較して、タイヤ変形を監視する時間間隔を短くすることができる。これにより、複数の圧電素子1を用いて、タイヤ変形の大きさを精度良く測定することができる。
本実施形態によれば、圧電素子の弾性率は、300MPa以上、1500MPa以下である。
このような構成により、圧電素子1と空気入りタイヤ10のゴム材料との間の剛性差が小さくなる。
このため、圧電素子1が空気入りタイヤ10のゴム材料の動きにより追従し易くなり、圧電素子の剛性に起因するタイヤ変形の阻害が低減される。
また、圧電素子1の弾性率は、従来の圧電素子の弾性率よりも低いため、圧電素子1が強い衝撃を受けたとしても、その衝撃入力による歪みに追従できる。このため、圧電素子の耐久性が改善される。
本実施形態によれば、空気入りタイヤ10の側面において、圧電素子1は、タイヤ径方向に沿って、空気入りタイヤ10に取り付けられる。
圧電素子1は線状体であるため、このような構成により、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪み又は引張歪みの大きさを精度良く測定することができる。
本実施形態によれば、圧電素子1は、空気入りタイヤ10の外側面に取り付けられる。
このような構成により、圧電素子1を容易に空気入りタイヤ10に取り付けることができる。
本実施形態によれば、圧電素子1は、空気入りタイヤ10の外側面において、タイヤ径方向に沿って、空気入りタイヤ10に取り付けられ、かつ、空気入りタイヤ10のタイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Wmaxよりタイヤ径方向内側に配置される。
このような構成により、圧電素子1は、空気入りタイヤ10の倒れ込みなどにより、空気入りタイヤ10の圧縮歪みの変化が大きい位置に配置される。このため、圧電素子1を用いて、空気入りタイヤ10の圧縮歪みの大きさを精度良く測定することができる。
特に、空気入りタイヤ10の外側面において、圧電素子1をビード部60に配置する場合、ビード部60の近傍には、リムフランジ110が存在するため、圧電素子1が外部物体と接触して物理的に損傷するのを回避することができる。このため、物理的損傷に対する圧電素子1の耐久性が向上する。
(6)その他の実施形態
以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
本実施形態の第1変形例を説明する。図9は、第1変形例に係る空気入りタイヤ10aの側面図である。
図9に示すように、圧電素子1は、空気入りタイヤ10aの外側面において、空気入りタイヤ10aのタイヤ周方向に沿って、円弧状に1つ以上設けられている。本実施形態では、4つの圧電素子1が、空気入りタイヤ10aのタイヤ周方向に沿って、90度間隔で配置されている。
なお、タイヤ周方向におけるタイヤ変形の大きさを適切に測定できるのであれば、空気入りタイヤ10aのタイヤ周方向に沿って、圧電素子1を直線状に設けてもよい。
このように、本変形例によれば、空気入りタイヤ10の側面において、圧電素子1は、タイヤ周方向に沿って、空気入りタイヤ10に取り付けられる。圧電素子1は線状体であるため、圧電素子1を円弧状に配置することにより、タイヤ周方向に沿ったタイヤ変形の大きさのみを測定することができる。
これに対して、圧電素子が面状である場合、圧電素子は、タイヤ周方向以外の方向のタイヤ変形の大きさを測定してしまう。このため、タイヤ周方向に沿ったタイヤ変形の大きさを取得するためには、処理装置200又は外部機器400において、複雑な処理が必要となる。
加えて、圧電素子が面状である場合、圧電素子は、曲面に対する追随性が悪く、剥がれや損傷を生じるなどの観点で耐久性に劣る。
このような構成により、タイヤ周方向における空気入りタイヤ10の引張歪みの大きさを精度良く測定することができる。
なお、本変形例では、タイヤ変形として、タイヤ周方向における空気入りタイヤ10の引張歪みを測定対象としている。このため、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Wmaxよりタイヤ径方向外側に、圧電素子1を配置することが好ましい。この位置では、タイヤ周方向における空気入りタイヤ10の引張歪みの変化が大きい。
本実施形態の第2変形例を説明する。図10は、第2変形例に係る空気入りタイヤ10bの側面図である。
図10に示すように、圧電素子1は、空気入りタイヤ10bの外側面において、空気入りタイヤ10bのタイヤ径方向に対して45度傾斜する方向に沿って、直線状に1つ以上設けられている。なお、本実施形態では、4つの圧電素子1が、空気入りタイヤ10bのタイヤ周方向に沿って、90度間隔で配置されている。
このように、本変形例によれば、空気入りタイヤ10の側面において、圧電素子1が、タイヤ径方向に対して45度傾斜する方向に沿って、空気入りタイヤ10に取り付けられる。圧電素子1は線状体であるため、圧電素子1をタイヤ径方向に対して45度傾斜する方向に配置することにより、タイヤ径方向に対して45度傾斜する方向に沿ったタイヤ変形の大きさのみを測定することができる。
これに対して、圧電素子が面状である場合、圧電素子は、タイヤ径方向に対して45度傾斜する方向以外の方向のタイヤ変形の大きさを測定してしまう。このため、タイヤ径方向に対して45度傾斜する方向に沿ったタイヤ変形の大きさを取得するためには、処理装置200又は外部機器400において、複雑な処理が必要となる。
加えて、圧電素子が面状である場合、圧電素子は、曲面に対する追随性が悪く、剥がれや損傷を生じるなどの観点で耐久性に劣る。
このような構成により、45度傾斜する方向における空気入りタイヤ10のせん断歪みの大きさを精度良く測定することができる。
なお、本変形例では、タイヤ変形として、せん断方向における空気入りタイヤ10のせん断歪みを測定対象としている。このため、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Wmaxを跨いで、圧電素子1を配置することが好ましい。この位置では、せん断方向における空気入りタイヤ10のせん断歪みの変化が大きい。
本実施形態の第3変形例を説明する。図11は、第3変形例に係る空気入りタイヤ10cの一部拡大断面図である。
図11に示すように、空気入りタイヤ10cのタイヤ内側面には、圧電素子1が取り付けられている。圧電素子1は、接着剤を用いてタイヤ内側面に貼り付けられる。
このように、本変形例によれば、圧電素子1は、空気入りタイヤ10の内側面に取り付けられる。このような構成により、圧電素子1が外部物体と接触して物理的に損傷するのを回避することができる。このため、物理的損傷に対する圧電素子1の耐久性が向上する。
なお、本変形例の場合、測定対象となる歪みに応じて、次のように、歪みの変化が大きい位置に圧電素子1を配置することが好ましい。
タイヤ変形として、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪みを測定対象とする場合、圧電素子1は、タイヤ径方向に沿って直線状に設けられる。この場合、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Wmaxを跨いで、圧電素子1を配置することが好ましい。
タイヤ変形として、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の引張歪みを測定対象とする場合、圧電素子1は、タイヤ径方向に沿って直線状に設けられる。この場合、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Wmaxよりタイヤ径方向内側に、圧電素子1を配置することが好ましい。
タイヤ変形として、タイヤ周方向における空気入りタイヤ10の引張歪みを測定対象とする場合、圧電素子1は、タイヤ周方向に沿って円弧状又は直線状に設けられる。この場合、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Wmaxよりタイヤ径方向外側に、圧電素子1を配置することが好ましい。
タイヤ変形として、せん断方向における空気入りタイヤ10のせん断歪みを測定対象とする場合、圧電素子1は、タイヤ径方向に対して45度傾斜する方向に沿って直線状に設けられる。この場合、タイヤ径方向において、タイヤ最大幅位置Wmaxを跨いで、圧電素子1を配置することが好ましい。
例えば、同一円周上3点の三方向(0度, 45度, 90度)の歪情報を取得することにより、ロゼッタ解析のような手法を用いて、主歪方向の算出などのより有益な歪情報を得ることができる。
本実施形態の第4変形例を説明する。図12は、第4変形例に係る空気入りタイヤ10dの一部拡大断面図である。
図12に示すように、空気入りタイヤ10dのタイヤ内部に、圧電素子1が取り付けられている。具体的には、カーカスプライ40のカーカスコード(図示略)の一部が、圧電素子1に置き換えられている。なお、カーカスコードの代わりに、ベルト層50の補強ベルト51の一部を、圧電素子1に置き換えてもよい。
このように、本変形例によれば、圧電素子1は、空気入りタイヤ10dの内部に取り付けられる。このような構成により、圧電素子1が外部物体と接触して物理的に損傷するのを回避することができる。このため、物理的損傷に対する圧電素子1の耐久性が向上する。
圧電素子1を空気入りタイヤ10dの内部に取り付けた場合でも、タイヤ径方向における空気入りタイヤ10の圧縮歪み及び引張歪み、タイヤ周方向における空気入りタイヤ10の引張歪み、及びせん断方向における空気入りタイヤ10のせん断歪みを測定することができる。
なお、上述した実施形態及び第1乃至4変形例に係る圧電素子1の取付位置は、適宜組み合わされてもよい。
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
1, 1a 圧電素子
2 芯部
2a, 2b 領域
3 鞘部
4 導電層
10, 10a, 10b, 10c, 10d 空気入りタイヤ
20 トレッド部
30 タイヤサイド部
40 カーカスプライ
50 ベルト層
51 補強ベルト
60 ビード部
100 リムホイール
110 リムフランジ
200 処理装置
210 増幅部
220 変換部
230 送信部
300 信号線
400 外部機器
500 監視システム
A 導電性繊維
B 圧電性繊維
C 絶縁性繊維
α 角度
β 回転角
CL1 タイヤ赤道線
CL2 中心軸
Wmax タイヤ最大幅位置
WM 直線
WD1, WD2 方向
RT 回転方向
VD 鉛直方向
G 基準面
P 中心
LP 位置
UP 位置

Claims (9)

  1. タイヤであって、
    前記タイヤに取り付けられる線状体の圧電素子を備え、
    前記圧電素子は、
    導電性繊維で形成された芯部と、
    前記芯部の外周部に少なくとも一方向に巻かれた圧電性繊維を有する鞘部と、
    を備えるタイヤ。
  2. 前記鞘部は、交差するように組まれた前記圧電性繊維及び絶縁性繊維、又は交差するように組まれた前記圧電性繊維で形成される請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記圧電素子は、前記鞘部の周りに導電体からなる導電層を更に備える請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記圧電素子は、前記タイヤに複数取り付けられる請求項1乃至3の何れか1項に記載のタイヤ。
  5. 前記圧電素子の弾性率は、300MPa以上、1500MPa以下である請求項1乃至4の何れか1項に記載のタイヤ。
  6. 前記タイヤの側面において、前記圧電素子は、タイヤ径方向に沿って、前記タイヤに取り付けられる請求項1乃至5の何れか1項に記載のタイヤ。
  7. 前記タイヤの側面において、前記圧電素子は、タイヤ周方向に沿って、前記タイヤに取り付けられる請求項1乃至5の何れか1項に記載のタイヤ。
  8. 前記タイヤの側面において、前記圧電素子は、タイヤ径方向に対して所定の角度傾斜する方向に沿って、前記タイヤに取り付けられる請求項1乃至5の何れか1項に記載のタイヤ。
  9. 前記圧電素子は、前記タイヤの外側面、前記タイヤの内側面、及び前記タイヤの内部の少なくとも1つに取り付けられている請求項1乃至8の何れか1項に記載のタイヤ。

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