JP2021010721A - 学習装置、推定装置、及び、環境調整システム。 - Google Patents
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Abstract
Description
これによって、環境調整システムは、就寝者の周囲の環境を調整し、就寝者の睡眠の質を向上させることが可能である。
(1)概要
図1は、第1実施形態に係る学習システム1、推定システム2、及び環境調整システム3の一例を示す図である。学習システム1は、各種データを取得し、取得したデータに基づいて学習し、学習した結果に基づいて学習済みの学習モデルを生成する。推定システム2は、各種データを取得し、学習システム1において生成された学習済みの学習モデルを用いて就寝者の睡眠の質を推定する。環境調整システム3は、推定システム2が推定した就寝者の睡眠の質に基づいて、就寝者の周囲の環境を調整する。
以下、学習システム1、推定システム2、及び環境調整システム3の詳細について説明する。
図2は、第1実施形態に係る学習システム1の一例を示す模式図である。学習システム1は、主に、データ取得装置10、教師データ生成装置20、及び、学習装置30を有している。各装置は、インターネット等のネットワークを介して通信可能である。
データ取得装置10は、例えば、就寝者の周囲の温度のデータを取得する第1取得装置11と、就寝者の皮膚温度のデータを取得する第2取得装置12と、就寝者の深部体温のデータを取得する第3取得装置13と、就寝者の睡眠の質のデータを取得する第4取得装置14と、を含む。なお、第1実施形態において、第1取得装置11、第2取得装置12、及び第3取得装置13は、それぞれ就寝者が就床する30分前から就寝者が覚醒するまで常時データの取得を行うが、データは所定の時間間隔において取得されてもよいし、任意のタイミングにおいて取得されてもよい。また、第4取得装置14は、第1実施形態においては就寝者が覚醒した後においてデータの取得を行う。第1取得装置11、第2取得装置12、第3取得装置13、及び第4取得装置14において取得されたデータには、それぞれデータを取得した時間の情報が紐付けられている。
第1取得装置11は、温度センサ、サーモグラフィ等の装置、又は、それらを含む装置である。例えば、第1取得装置11は、温度センサを含む空気調和装置であってもよい。第1取得装置11は特に限定されるものではないが、少なくとも、就寝者の周囲の温度のデータを取得することが可能な装置である。
第2取得装置12は、皮膚温度センサ等の装置、又は、皮膚温度センサ等を含む装置である。例えば、第2取得装置12は、皮膚温度センサを含むウエアラブルセンサであってもよい。第2取得装置12は特に限定されるものではないが、少なくとも、就寝者の皮膚温度のデータを取得することが可能な装置である。
第3取得装置13は、深部体温センサ等の装置、又は、深部体温センサ等を含む装置である。例えば、第3取得装置13は、鼓膜温度計であってもよい。第3取得装置13は特に限定されるものではないが、少なくとも、就寝者の深部体温のデータを取得することが可能な装置である。
第4取得装置14は、就寝者の睡眠の質を取得するための装置である。第1実施形態において、睡眠の質は、就寝者に対して実施される睡眠の質や日中のパフォーマンスに関するアンケートに基づいて決められる。睡眠の質や日中のパフォーマンスに関するアンケートは、例えば、OSA睡眠調査票MA版(OSA sleep inventory MA version)である。第4取得装置14は、例えば、モバイル端末等であってもよい。第4取得装置14としてのモバイル端末は、例えば、就寝者が覚醒後にモバイル端末を介してOSA睡眠調査票MA版を行うことによって、睡眠に関するデータを取得する。なお、第4取得装置14は、モバイル端末に限定されるものではなく、就寝者がOSA睡眠調査票MA版を行った結果等を取得することが可能な装置であればよい。
教師データ生成装置20は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ストレージ、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置、表示装置、および、データバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーションシステム等がインストールされ、さらに、サーバの機能を有したコンピュータでであってもよい。また、必要に応じてGPU(Graphics Processing Unit)を設けるようにしてもよい。あるいは、1つまたは複数のコンピュータを用いて提供される仮想化された仮想サーバであってもよい。なお、本開示における教師データ生成装置20は、大容量のメモリを有していることが好ましい。
データ取得部21は、データ取得装置10において取得された各種データを、ネットワークを介して受信することによって取得する処理を行う。データ取得部21が取得した各種データは、それぞれ取得データ記憶部24に記憶される。なお、取得データ記憶部24に記憶された各種データには、データ取得装置10においてそれぞれのデータが取得された時間の情報が紐付けられている。
第1周囲温度は、就寝者が入眠するときの就寝者の周囲の温度である。第2周囲温度は、第1周囲温度よりも前のタイミングに取得された就寝者の周囲の温度である。第2周囲温度のデータは、少なくとも、就寝者が就床する前のタイミングにおいて取得される。例えば、第2周囲温度のデータは、就寝者が就床する任意の時間前に取得されたデータであってもよい。第1実施形態においては、第2周囲温度のデータは、就寝者が就床する30分前の就寝者の周囲の温度のデータであるがこれに限定されるものではない。
第1皮膚温度は、就寝者が入眠するときの皮膚温度である。
第1深部体温は、就寝者が入眠するときの深部体温である。第2深部体温は、第1深部体温よりも前のタイミングに取得された就寝者の深部体温である。第2深部体温のデータは、就寝者が就床する前のタイミングにおいて取得されることが好ましい。例えば、第2深部体温のデータは、就寝者が就床する任意の時間前に取得されたデータであることが好ましい。第1実施形態において第2深部体温のデータは、就寝者が就床する30分前の就寝者の深部体温のデータであるがこれに限定されるものではない。
睡眠の質は、上述したようにOSA睡眠調査票MA版に基づいて決められる。睡眠の質のデータは、就寝者が起床後にOSA睡眠調査票MA版を実施した後のタイミングにおいて取得される。
特徴量抽出部22は、取得データ記憶部24に記憶された、第1皮膚温度及び第2皮膚温度のデータ、及び、第1深部体温及び第2深部体温のデータから、それぞれ皮膚温度特徴量及び深部体温特徴量を抽出する処理を行う。特徴量抽出部22において抽出された皮膚温度特徴量及び深部体温特徴量は、取得データ記憶部24に記憶される。以下に皮膚温度特徴量及び深部体温特徴量について説明する。
皮膚温度特徴量は、就寝者の皮膚温度に関する特徴量であって、第1皮膚温度及び第2皮膚温度のデータから抽出される。具体的に、皮膚温度特徴量は、第1皮膚温度及び第2皮膚温度の変化値、最大値、最小値、最頻値、平均値、最大値と最小値との差、最大または最小の傾き、平均の傾き、及び、変化に関する指標、のいずれかに基づいて決められた特徴量である。変化に関する指標とは、例えば、皮膚温度と相関する深部体温の傾きといった、変化傾向を示す指標である。なお、第1皮膚温度及び第2皮膚温度のデータから皮膚温度特徴量を抽出する手法は特に限定されないが、フィルタ法、ラッパー法、組み込み法、等を用いて特徴選択を行い、有用な特徴量を選択することが好ましい。また、交互作用特徴量を用いてもよい。
深部体温特徴量は、就寝者の深部体温に関する特徴量であって、第1深部体温及び第2深部体温のデータから抽出される。具体的に、深部体温特徴量は、第1深部体温及び第2深部体温の変化値、最大値、最小値、最頻値、平均値、最大値と最小値との差、最大または最小の傾き、平均の傾き、及び、変化に関する指標、のいずれかに基づいて決められた特徴量である。変化に関する指標とは、例えば、深部体温と相関する皮膚温度の傾きといった、変化傾向を示す指標である。第1深部体温及び第2深部体温のデータから深部体温特徴量を抽出する手法は特に限定されないが、フィルタ法、ラッパー法、組み込み法、等を用いて特徴選択を行い、有用な特徴量を選択することが好ましい。また、交互作用特徴量を用いてもよい。
教師データ生成部23は、取得データ記憶部24から状態変数及び正解データを抽出し教師データ(教師データセット)を生成する。教師データは、学習装置30が睡眠の質を学習するためのデータセットである。第1実施形態においては、教師データとして、第1周囲温度、第2周囲温度、皮膚温度特徴量、深部体温特徴量、及び睡眠の質のデータを用いる。
学習装置30は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、メモリ、ストレージ、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置、表示装置、および、データバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーションシステム等がインストールされ、さらに、サーバの機能を有した高性能なコンピュータである。また、必要に応じてGPU(Graphics Processing Unit)を設けるようにしてもよい。あるいは、1つまたは複数のコンピュータを用いて提供される仮想化された仮想サーバであってもよい。
教師データ取得部31は、ネットワークを介して教師データ生成装置20から複数の教師データを取得する。なお、教師データ取得部31において取得された教師データは、それぞれメモリ等に記憶される。
学習部32には、あらかじめ学習モデルが設けられている。学習部32は、教師データ取得部31が取得した複数の教師データに基づいて学習モデルに学習(例えば、教師あり学習)を行わせる。学習モデルの行う学習の手法は特に限定されないが、重回帰分析、ランダムフォレスト等を用いることが好ましい。
学習モデル生成部33は、学習部32における学習が進み、学習モデルの推定精度が向上した段階で学習モデルを学習済みの学習モデルとして出力することによって、推定装置50において利用される学習モデルを生成する。学習モデル生成部33から出力された学習モデルは、推定システム2において入力される入力データから睡眠の質の推定値を所定の精度以上で出力することが可能である。
(3−1)
第1実施形態の学習システム1に含まれる学習装置30は、就寝者の睡眠の質を学習する学習装置30である。学習装置30は、取得部としての教師データ取得部31と、学習部32と、生成部としての学習モデル生成部33と、を備える。教師データ取得部31は、第1周囲温度と、第2周囲温度と、深部体温に関する特徴量と、皮膚温度に関する特徴量と、を状態変数として取得する。第1周囲温度は、就寝者が入眠するときの就寝者の周囲の温度である。第2周囲温度は、第1周囲温度よりも前に取得された就寝者の周囲の温度である。深部体温に関する特徴量は、少なくとも就寝者が入眠するときの第1深部体温に基づいて決められる。皮膚温度に関する特徴量は、少なくとも就寝者が入眠するときの第1皮膚温度に基づいて決められる。学習部32は、状態変数、および、睡眠の質、を関連付けて学習する。学習モデル生成部33は、学習部32の学習の結果に基づき学習モデルを生成する。学習モデルは、第1周囲温度、第2周囲温度、深部体温、及び、皮膚温度に関する特徴量を入力として、睡眠の質を推定する。
学習装置30が取得する第2特徴量は、少なくとも、第1皮膚温度と、第2皮膚温度と、に基づいて決められる。第1皮膚温度は、就寝者が入眠するときの皮膚温度である。第2皮膚温度は、第1皮膚温度よりも前に取得された就寝者の皮膚温度である。
学習装置30は、複数の教師データを用いて学習する。教師データは、睡眠の質のデータ、第1周囲温度のデータ、第2周囲温度のデータ、深部体温に関する特徴量としての深部体温特徴量、及び、皮膚温度に関する特徴量としての皮膚温度特徴量、を含む。
(4−1)変形例1
第1実施形態において、睡眠の質は、OSA睡眠調査票MA版に基づいて決定されるが、睡眠の質はこれ以外の方法に基づいて決定されてもよい。また、第4取得装置14は、モバイル端末以外の装置であってもよい。
データ取得装置10は、上記に示したデータ以外のデータを取得してもよい。例えば、データ取得装置10は、環境データ、対象データ、又は睡眠データを取得してもよい。具体的には、環境データは、就寝者の周囲の湿度、照度、色度、香り、又は気流等のデータである。対象データは、就寝者の指尖血流量、就寝者の指尖血流量を推定するためのRGB画像、心拍数、心拍変動、呼吸数、ガルバニック皮膚反応、着衣量・布団の種類、日中の活動状況、枕の温度等のデータである。睡眠データは、就寝者の体動、睡眠状態、又は入眠までの時間等のデータである。なお、これらのデータは、データ取得装置10に含まれる第1取得装置11、第2取得装置12、第3取得装置13、及び第4取得装置14、あるいはこれら以外の装置において取得されてもよい。学習装置30は、それらの装置において取得したデータを教師データとして利用することが可能である。
第1実施形態において、第1周囲温度、及び第2周囲温度は、同一の装置(第1取得装置11)において取得されるが、第1周囲温度、及び第2周囲温度は、異なる装置において取得されてもよい。
第1実施形態においては教師データ生成装置20が皮膚温度特徴量、及び深部体温特徴量を抽出しているが、皮膚温度特徴量、及び深部体温特徴量は、学習装置30において抽出されてもよい。あるいは、皮膚温度特徴量は第2取得装置12において抽出されてもよいし、深部体温特徴量は第3取得装置13において抽出されてもよい。各データから特徴量を抽出する処理は、いずれの装置において行われてもよい。
第1実施形態において、学習システム1は皮膚温度特徴量、及び深部体温特徴量を抽出し学習を行っているが、学習システム1はディープラーニングを用いて学習を行ってもよい。言い換えると、学習部32は皮膚温度、深部体温、第1周囲温度、及び第2周囲温度、から自動的に適切な特徴量を抽出し、学習を行ってもよい。なお、このとき、皮膚温度及び深部体温は、就寝者が入眠するときのみにおいて取得されてもよい。
第1実施形態において、教師データは就寝者に関連する教師データセットである。ここで、学習部32が学習に用いる複数の教師データはそれぞれ異なる対象(就寝者)に関連する教師データセットであってもよい。
図3は、第1実施形態に係る推定システム2及び環境調整システム3の一例を示す模式図である。推定システム2は、入力データ取得装置40、及び推定装置50等の装置を有している。各装置は、インターネット等の所定のネットワークを介して通信可能である。
入力データ取得装置40は、就寝者の周囲の温度のデータを取得する第5取得装置41と、就寝者の皮膚温度のデータを取得する第6取得装置42と、就寝者の深部体温のデータを取得する第7取得装置43と、を含む。第5取得装置41、第6取得装置42、及び第7取得装置43は、それぞれ所定のデータを取得する。
第5取得装置41は、温度センサ、サーモグラフィ等の装置、又は、それらを含む装置である。例えば、第5取得装置41は、温度センサを含む空気調和装置等であってもよい。第5取得装置41は特に限定されるものではないが、少なくとも、就寝者の周囲の温度のデータを取得することが可能な装置である。
第6取得装置42は、皮膚温度センサ等の装置、又は、それらを含む装置である。例えば、第6取得装置42は、皮膚温度センサ等を含むウエアラブルセンサ等であってもよい。第6取得装置42は特に限定されるものではないが、少なくとも、就寝者の第3皮膚温度及び第4皮膚温度のデータを取得することが可能な装置である。
第7取得装置43は、深部体温センサ等の装置、又は、それらを含む装置である。例えば、第7取得装置43は、鼓膜温度計等であってもよい。第7取得装置43は特に限定されるものではないが、少なくとも、就寝者の第3深部体温及び第4深部体温のデータを取得することが可能な装置である。
推定装置50は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ストレージ、入出力インターフェース、通信インターフェース、入力装置、表示装置、および、データバス等の周知のハードウェア構成を備え、周知のオペレーションシステム等がインストールされ、さらに、サーバの機能を有した高性能なコンピュータである。また、必要に応じてGPU(Graphics Processing Unit)を設けるようにしてもよい。あるいは、1つまたは複数のコンピュータを用いて提供される仮想化された仮想サーバであってもよい。
入力データ取得部51は、第5取得装置41において取得された第3周囲温度及び第4周囲温度のデータと、第6取得装置42において取得された第3皮膚温度及び第4皮膚温度のデータと、第7取得装置43において取得された第3深部体温及び第4深部体温とのデータを、ネットワークを介して受信することによって取得する。なお、入力データ取得部51において取得されたデータは、それぞれメモリ等に記憶される。
特徴量抽出部52は、入力データ取得部51が取得した第3皮膚温度及び第4皮膚温度のデータから皮膚温度特徴量を抽出する。また、特徴量抽出部52は、入力データ取得部51が取得した第3深部体温及び第4深部体温のデータから深部体温特徴量を抽出する。皮膚温度特徴量及び深部体温特徴量は、学習システムの特徴量抽出部22が抽出する皮膚温度特徴量及び深部体温特徴量と概ね同一の特徴量であるため説明を省略する。
推定部53は、入力データ取得部51において取得された第3周囲温度及び第4周囲温度のデータと、特徴量抽出部22において抽出された皮膚温度特徴量及び深部体温特徴量と、を入力データとして、睡眠の質の推定を行う。睡眠の質の推定は、例えば、就寝者の睡眠の質を3段階(良い・普通・悪い、等)に分類することである。推定とは、例えば、教師あり学習である。推定の手法は特に限定されないが、重回帰分析、ランダムフォレスト等を用いることが好ましい。例えば、これらの手法を用いて推定した実験の結果、入力データに応じた正答率は0.762、0.930、又は、0.803であって、高い精度で睡眠の質の推定を行うことが可能であった。
出力部54は、推定部53において推定された睡眠の質の推定値を出力する。具体的に、出力部54は、出力として他の装置に対して睡眠の質の推定値を送信する、あるいはディスプレイ等に表示する。
第1実施形態における推定システム2に含まれる推定装置50は、学習装置30の学習の結果に基づき生成された学習済みの学習モデルを用いて、就寝者の睡眠の質を推定する。
(7−1)変形例1
入力データ取得部51は、上記に示したデータ以外の入力データを取得してもよい。例えば、入力データ取得部51は、環境データ、対象データ、又は睡眠データ等を取得してもよい。入力データ取得部51は、学習モデルの仕様に応じた入力データを取得する。
第1実施形態においては推定装置50が皮膚温度特徴量を抽出しているが、皮膚温度特徴量は、第6取得装置42において抽出されてもよい。あるいは、皮膚温度特徴量は第6取得装置42以外の他の装置において抽出されてもよい。
第1実施形態において、推定システム2は皮膚温度特徴量を抽出し学習を行っているが、推定システム2はディープラーニングを用いて学習を行ってもよい。言い換えると、推定部53は、第3周囲温度、第4周囲温度、第3皮膚温度、及び第4皮膚温度から自動的に適切な特徴量を抽出し学習を行ってもよい。
環境調整システム3は、推定システム2が推定した就寝者の睡眠の質に基づいて、就寝者の周囲の環境を調整するシステムである。環境調整システム3は、第1実施形態の推定装置50と、環境調整装置60と、を含む。以下、環境調整装置60の一例について説明する。
環境調整装置60は、就寝者の周囲の環境を調整する装置であって、例えば空気調和装置である。環境調整装置60は、主に、取得部61と、制御部62と、アクチュエータ63と、を備える。
取得部61は、インターネット等のネットワークを介して推定装置50から睡眠の質の推定値を取得する。また、取得部61は、ネットワークを介して入力データ取得装置40から各種データを取得する。取得部61は、推定装置50及び入力データ取得装置40から取得した情報を後述する制御部62の記憶装置に記憶する。
制御部62は、コンピュータにより実現されるものであって、図示しない制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の演算処理等を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
アクチュエータ63は、制御部62の制御演算装置からの制御指示を受け取り動作する。アクチュエータ63は、例えば、空気調和装置の圧縮機、膨張弁、ファン、フラップ等である。
第1実施形態における環境調整システム3は、推定装置50と、環境調整装置60と、を備える。環境調整装置60は、アクチュエータ63と、制御部62と、を有す。アクチュエータ63は、就寝者の周囲の環境を調整する。制御部62は、推定装置50が推定した就寝者の睡眠の質に基づいて、アクチュエータの動作を制御する。
第1実施形態において、取得部61は入力データ取得装置40から各種データを取得するが、取得部61は環境調整システム3に適宜取り付けられたセンサから各種データを取得してもよい。
以下、本願発明の第2実施形態に係る学習システム1、及び推定システム2の詳細について、第1実施形態の各システムと異なる点について説明する。
(11−1)データ取得装置10
第2実施形態の学習システム1におけるデータ取得装置10は、第1実施形態のデータ取得装置10と概ね同一である。
第2実施形態の学習システム1において、教師データ生成装置20は、学習装置30が就寝者の深部体温特徴量を学習するための教師データを生成する。ここで、便宜的に、第1実施形態において説明した就寝者の睡眠の質を学習するために生成される教師データを第1教師データ、深部体温特徴量を学習するための教師データを第2教師データとする。
学習装置30は、教師データ取得部31が取得した複数の教師データに基づいて学習モデルに学習を行わせる。ここで、便宜的に、第1教師データを用いて就寝者の睡眠の質を学習する学習モデルを第1学習モデル、第2教師データを用いて深部体温特徴量を学習する学習モデルを第2学習モデルとする。なお、第1学習モデルは、第1実施形態において説明した学習モデルである。
第2実施形態の学習システム1に含まれる学習装置30は、就寝者の睡眠の質を学習する学習装置30である。学習装置30は、取得部としての教師データ取得部31と、学習部32と、生成部としての学習モデル生成部33と、を備える。教師データ取得部31は、第1周囲温度と、第2周囲温度と、深部体温に関する特徴量と、皮膚温度に関する特徴量と、を状態変数として取得する。第1周囲温度は、就寝者が入眠するときの就寝者の周囲の温度である。第2周囲温度は、第1周囲温度よりも前に取得された就寝者の周囲の温度である。深部体温に関する特徴量は、少なくとも就寝者が入眠するときの第1深部体温に基づいて決められる。皮膚温度に関する特徴量は、少なくとも就寝者が入眠するときの第1皮膚温度に基づいて決められる。学習部32は、状態変数、および、睡眠の質、を関連付けて学習する。学習モデル生成部33は、学習部32の学習の結果に基づき学習モデルを生成する。学習モデルは、第1周囲温度、第2周囲温度、及び、皮膚温度に関する特徴量を入力として、睡眠の質を推定する。
第2実施形態において、第1教師データ及び第2教師データは、同一の教師データ生成装置20において生成されているが、これに限られない。第1教師データ及び第2教師データは、それぞれ異なるハードウェアにおいて生成されてもよい。
(14−1)入力データ取得装置40
第2実施形態の入力データ取得装置40は、第1実施形態における第5取得装置41と、第6取得装置42とを含む。言い換えると、第2実施形態の入力データ取得装置40は、第7取得装置43を含まない。第5取得装置41及び第6取得装置42は、第1実施形態と概ね同一のデータを取得する。
第2実施形態の推定装置50には、あらかじめ学習システム1が生成した学習済みの第1学習モデル及び第2学習モデルと、各学習モデルを実行するための各種プログラムが記憶されている。
第2実施形態における推定システム2に含まれる推定装置50は、学習装置30の学習の結果に基づき生成された学習済みの学習モデルを用いて、就寝者の睡眠の質を推定する。
第2実施形態において、深部体温特徴量の推定と睡眠の質の推定とは、同一の推定装置50において行われているが、これに限られない。深部体温特徴量の推定と睡眠の質の推定とは、それぞれ異なるハードウェアにおいて行われてもよい。
30 学習装置
31 取得部
32 学習部
50 推定装置
53 深部体温特徴量推定部
62 制御部
63 アクチュエータ
Claims (13)
- 就寝者の睡眠の質を学習する学習装置(30)であって、
前記就寝者の深部体温に関する特徴量、又は、前記就寝者の皮膚温度に関する特徴量、を状態変数として取得する取得部(31)と、
前記状態変数、および、前記睡眠の質を関連付けて学習する学習部(32)と、
前記学習部(32)の学習の結果に基づき、前記深部体温に関する特徴量、又は、前記皮膚温度に関する特徴量を入力として、前記就寝者の前記睡眠の質を推定する、学習モデルを生成する生成部と、
を備え、
前記深部体温に関する特徴量は、少なくとも前記就寝者が入眠するときの第1深部体温に基づいて決められ、
前記皮膚温度に関する特徴量は、少なくとも前記就寝者が入眠するときの第1皮膚温度に基づいて決められる、
学習装置(30)。 - 前記深部体温に関する特徴量は、さらに、前記第1深部体温よりも前に取得された第2深部体温に基づいて決められ、
前記皮膚温度に関する特徴量は、さらに、前記第1皮膚温度よりも前に取得された第2皮膚温度に基づいて決められる、
請求項1に記載の学習装置(30)。 - 前記取得部(31)は、さらに、前記就寝者の平常時の前記深部体温に関する特徴量、又は、前記就寝者の平常時の前記皮膚温度に関する特徴量を取得する、
請求項1または2に記載の学習装置(30)。 - 前記取得部(31)は、前記就寝者の入眠するときの周囲温度、前記就寝者の指尖血流量、又は、前記就寝者のRGB画像を状態変数として取得する、
請求項1から3のいずれかに記載の学習装置(30)。 - 前記睡眠の質は、前記就寝者が入床してから入眠するまでの時間、前記就寝者の深睡眠率、前記就寝者の中途覚醒の回数、前記就寝者の中途覚醒の時間、前記就寝者に対して実施される睡眠の質に関するアンケート、前記就寝者に対して実施される日中のパフォーマンスに関するアンケート、前記就寝者のホルモンの分泌量、及び、前記就寝者のホルモンの濃度、の少なくともいずれか一つに基づいて決められる、
請求項1から4のいずれかに記載の学習装置(30)。 - 前記深部体温に関する特徴量は、所定期間における前記就寝者の前記深部体温の変化量、最大値、最小値、最頻値、平均値、最大値と最小値との差、最大または最小の傾き、平均の傾き、及び、変化に関する指標、の少なくともいずれか一つに基づいて決められる、
請求項1から5のいずれかに記載の学習装置(30)。 - 前記皮膚温度に関する特徴量は、所定期間における前記就寝者の前記皮膚温度の変化量、最大値、最小値、最頻値、平均値、最大値と最小値との差、最大または最小の傾き、平均の傾き、及び、変化に関する指標、の少なくともいずれか一つに基づいて決められる、
請求項1から6のいずれかに記載の学習装置(30)。 - 前記取得部(31)は、さらに、前記状態変数として前記就寝者が入眠するときの前記就寝者の周囲の湿度、照度、色度、香り、気流のいずれかを取得する、
請求項1から7のいずれかに記載の学習装置(30)。 - 前記学習部(32)は、複数の教師データを用いて学習し、
前記教師データは、前記状態変数および前記睡眠の質を含む、
請求項1から8のいずれかに記載の学習装置(30)。 - 請求項1から9のいずれかに記載の学習装置の学習の結果に基づき生成された学習モデルを用いて、就寝者の睡眠の質を推定する、
推定装置(50)。 - 深部体温特徴量推定部(53)をさらに備え、
前記深部体温特徴量推定部は、前記就寝者の皮膚温度に関する特徴量から前記就寝者の深部体温に関する特徴量を推定する、
請求項10に記載の推定装置(50)。 - 前記深部体温特徴量推定部(53)は、
前記就寝者の前記皮膚温度に関する特徴量と関連付けて前記就寝者の前記深部体温に関する特徴量を学習した学習モデルの学習結果に基づき、前記就寝者の前記皮膚温度に関する特徴量を入力として、前記就寝者の前記深部体温に関する特徴量を推定し、
前記就寝者の前記皮膚温度に関する特徴量は、少なくとも前記就寝者が入眠するときの第1皮膚温度に基づいて決められ、
前記就寝者の前記深部体温に関する特徴量は、少なくとも前記就寝者が入眠するときの第1深部体温に基づいて決められる、
請求項10に記載の推定装置(50) - 請求項10から12のいずれかに記載の推定装置(50)と、
環境調整装置(60)と、
を備え、
前記環境調整装置は、就寝者の周囲の環境を調整するアクチュエータ(63)と、前記アクチュエータ(63)の動作を制御する制御部(61)と、を有し、
前記制御部(61)は、前記推定装置(50)が推定した前記就寝者の睡眠の質に基づいて、前記アクチュエータ(63)の動作を制御する、
環境調整システム(3)。
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WO2022264271A1 (ja) * | 2021-06-15 | 2022-12-22 | 日本電信電話株式会社 | 温度推定システムおよび温度推定方法 |
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2020
- 2020-05-20 JP JP2020088163A patent/JP2021010721A/ja active Pending
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