JP2021010343A - 口腔内細菌による健康状態の予測方法 - Google Patents

口腔内細菌による健康状態の予測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】口腔内細菌による健康状態の予測方法の提供。【解決手段】被験者から採取された口腔内試料に含まれるActinobacteria門、Bacteroidetes門、Canididate division SR1門、Firmicutes門、Fusobacteria門、Proteobacteria門およびSpirochaetes門から選択される細菌の存在量および該口腔内試料に含まれる総細菌量の情報から被験者の健康状態を評価または予測する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔内細菌叢から様々な健康指標または健康状態を簡易に予測する方法に関するものである。
これまで唾液をはじめとする口腔内の試料は、検査の検体として注目されていなかった。しかし、近年の研究により、健康に関する多くの機能を有することが示され、検査検体として重要になってきている(非特許文献1)。それに伴い、唾液等の口腔内サンプルからの様々なバイオマーカーの探索が行われている(特許文献1〜3、非特許文献2)。さらに、口腔内には約800種類の細菌が存在すると言われており、その細菌種に着目した歯科疾患の評価方法(特許文献4、5)あるいは、歯科疾患の細菌マーカーを探索する方法も提案されている(特許文献6)。しかし、これらの細菌種に着目した評価方法は、歯周病をはじめとする細菌の直接の影響が予想される歯科疾患を対象に、検討が進められているに過ぎず、予測の対象の疾患は限定的であった。
細菌の種類と量の情報から機械学習によって口臭の有無を判定するプログラムも提案されている(特許文献7)が、判定に用いる具体的な因子(細菌種)は示されていない。また、健全歯数の情報に基づき口腔保健状態を「口腔年齢」という指標で予測する方法が提案されているが(特許文献8)、歯科知識を有した専門家による判定が必要であると考えられ、簡便な方法とは言い難い。
特開2019-35767号公報 特開2019-35768号公報 WO201564594号 WO2014179965号 WO201988271号 WO201988272号 特開2019-30275号 特開2000-201953号
日本口腔検査学会雑誌, 3(1): 13-20(2011) 高知県立大学紀要(看護学部編)64,pp.73-83 (2015)
本発明は、非侵襲性の口腔内試料から、健康情報を予測する簡便な手段を提供することを課題とする。
本発明は、以下の通りである。
(1) 被験者から採取された口腔内試料に含まれるActinobacteria門、Bacteroidetes門、Canididate division SR1門、Firmicutes門、Fusobacteria門、Proteobacteria門およびSpirochaetes門から選択される細菌の存在量および該口腔内試料に含まれる総細菌量の情報から被験者の健康状態を評価または予測する方法。
(2)口腔内試料に含まれる細菌がCanididate division SR1門、Actinobacteria綱、Gammaproteobacteria綱、Bacteroidia綱、Epsilonproteobacteria綱、Flavobacteriia綱、Betaproteobacteria綱、Clostridia綱、Fusobacteriia綱、Bacilli綱、Negativicutes綱、Tissierellia綱、Erysipelotrichia綱およびSpirochaetia綱から選択される細菌である(1)記載の方法。
(3)各細菌の存在量が該口腔内試料に含まれる総細菌量に占める存在比である(1)又は(2)に記載の方法。
(4)被験者の健康状態が、肝機能、循環器機能、腎機能、糖代謝機能および脂質代謝機能に係る評価指標である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の方法。
(5)被験者の健康状態が、年齢に係る評価指標である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の方法。
(6)被験者の健康状態が、口臭に係る評価指標である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の方法。
本発明によれば、簡便な方法で健康情報を予測することができる。
DNAチップを用いた細菌量測定のため検量線(PCR増幅前の比と増幅後の比との関係)を示す図である。 65項目の口腔細菌データを説明変数とし、LASSO回帰により作成したγGTPを予測するモデルを示す図である。 図2のLASSOモデルによるγGTP予想値に対する実測値の関係を示す散布図である。 65項目の口腔細菌データに性別、年齢、BMI、喫煙習慣および飲酒習慣の5項目を説明変数に加え、LASSO回帰により作成したγGTPを予測するモデルを示す図である。 図4のLASSOモデルによるγGTP予想値に対する実測値の関係を示す散布図である。 65項目の口腔細菌データを説明変数とし、LASSO回帰により作成した拡張期血圧を予測するモデルを示す図である。 図6のLASSOモデルによる拡張期血圧予想値に対する実測値の関係を示す散布図である。 65項目の口腔細菌データに性別、年齢、BMI、喫煙習慣および飲酒習慣の5項目を説明変数に加え、LASSO回帰により作成した拡張期血圧を予測するモデルを示す図である。 図8のLASSOモデルによる拡張期血圧予想値に対する実測値の関係を示す散布図である。 65項目の口腔細菌データに性別、年齢、BMI、喫煙習慣および飲酒習慣の5項目を説明変数に加え、LASSO回帰により作成したクレアチニンクリアランスを予測するモデルを示す図である。 図10のLASSOモデルによるクレアチニンクリアランス予想値に対する実測値の関係を示す散布図である。 65項目の口腔細菌データを説明変数とし、LASSO回帰により作成したHbA1cを予測するモデルを示す図である。 図12のLASSOモデルによるHbA1c予想値に対する実測値の関係を示す散布図である。 65項目の口腔細菌データに性別、年齢、BMI、喫煙習慣および飲酒習慣の5項目を説明変数に加え、LASSO回帰により作成したHbA1cを予測するモデルを示す図である。 図14のLASSOモデルによるHbA1c予想値に対する実測値の関係を示す散布図である。 65項目の口腔細菌データを説明変数とし、LASSO回帰により作成した中性脂肪を予測するモデルを示す図である。 図16のLASSOモデルによる中性脂肪予想値に対する実測値の関係を示す散布図である。 65項目の口腔細菌データに性別、年齢、BMI、喫煙習慣および飲酒習慣の5項目を説明変数に加え、LASSO回帰により作成した中性脂肪を予測するモデルを示す図である。 図18のLASSOモデルによる中性脂肪予想値に対する実測値の関係を示す散布図である。 65項目の口腔細菌データを説明変数とし、LASSO回帰により作成した年齢を予測するモデルを示す図である。 図20のLASSOモデルによる年齢予想値に対する実年齢の関係を示す図である。 65項目の口腔細菌データを説明変数とし、LASSO回帰により作成した硫化水素を予測するモデルを示す図である。 図22のLASSOモデルによる硫化水素予想値に対する実測値の関係を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施をすることができる。
本発明に用いる口腔内試料は唾液、舌苔、プラーク、歯肉溝浸出液(GCF)等由来の試料から選択できるが、簡便さの点から唾液、舌苔が好ましい。
被験者の健康状態を評価または予測のための測定対象の細菌は、該試料の総細菌量ならびにActinobacteria門、Bacteroidetes門、Canididate division SR1門、Firmicutes門、Fusobacteria門、Proteobacteria門およびSpirochaetes門から選択される細菌である。種レベルまたは株レベルの精度で細菌種を特定し測定することが好ましい場合もあるが、必ずしもその必要はなく、属レベル、科レベル等の上位分類単位で群として測定することも可能である。
Actinobacteria門に属するものとしては、Actinobacteria綱の、Bacteroidetes門に属するものとしては、Bacteroidia綱およびFlavobacteriia綱の、Firmicutes門に属するものとしては、Clostridia綱、Bacilli綱、Negativicutes綱、Tissierellia綱およびErysipelotrichia綱の、Fusobacteria門に属するものとしては、Fusobacteriia綱の、Proteobacteria門に属するものとしては、Betaproteobacteria綱の、Gammaproteobacteria綱およびErysipelotrichia綱の、Spirochaetes門に属するものとしては、Spirochaetia綱の細菌が挙げられる。
好ましくはActinobacteria綱に属するものとしては、Actinomycetales目、Corynebacteriales目およびMicrococcales目の、Gammaproteobacteria綱に属するものとしては、Pasteurellales目の、Bacteroidia綱に属するものとしては、Bacteroidales目の、Epsilonproteobacteria綱に属するものとしては、Campylobacterales目の、Flavobacteriia綱に属するものとしては、Flavobacteriales目の、Betaproteobacteria綱に属するものとしては、Neisseriales目の、Clostridia綱に属するものとしては、Clostridiales目の、Fusobacteriia綱に属するものとしては、Fusobacteriales目の、Bacilli綱に属するものとしては、Bacillales目およびLactobacillales目の、Negativicutes綱に属するものとしては、Veillonellales目およびSelenomonadales目の、Tissierellia綱に属するものとしては、Tissierellales目の、Erysipelotrichia綱に属するものとしては、Erysipelotrichales目の、Spirochaetia綱に属するものとしては、Spirochaetales目の細菌が挙げられる。
さらに好ましくは、Actinomycetales目に属するものとしては、Actinomycetaceae科の、Pasteurellales目に属するものとしては、Pasteurellaceae科の、Bacteroidales目に属するものとしては、Prevotellaceae科、Porphyromonadaceae科およびTannerellaceae科の、Campylobacterales目に属するものとしては、Campylobacteraceae科の、Flavobacteriales目に属するものとしては、Flavobacteriaceae科の、Corynebacteriales目に属するものとしては、Corynebacteriaceae科の、Neisseriales目に属するものとしては、Neisseriaceae科の、Clostridiales目に属するものとしては、Peptostreptococcaceae科の、Fusobacteriales目に属するものとしては、Fusobacteriaceae科およびLeptotrichiaceae科の、Lactobacillales目に属するものとしては、Carnobacteriaceae科、Lactobacillaceae科およびStreptococcaceae科の、Veillonellales目に属するものとしては、Veillonellaceae科の、Tissierellales目に属するものとしては、Peptoniphilaceae科の、Micrococcales目に属するものとしては、Micrococcaceae科の、Selenomonadales目に属するものとしては、Selenomonadaceae科の、Erysipelotrichales目に属するものとしては、Erysipelotrichaceae科の、Spirochaetales目に属するものとしては、Spirochaetaceae科の細菌が挙げられる。
これらの分類に属する細菌の内、特に好ましい細菌は、Actinomyces属、Aggregatibacter属、 Alloprevotella属、Campylobacter属、Capnocytophaga属、Corynebacterium属、Eikenella属、Eubacterium属、Filifactor 属、Fusobacterium属、Gemella属、Granulicatella属、Haemophilus属、Lactobacillus属、Leptotrichia属、Megasphaera属、Neisseria属、Parvimonas属、Peptostreptococcus属、Porphyromonas属、Prevotella属、Rothia属、Selenomonas属、Solobacterium属、SR1 bacteria、Streptococcus属、Tannerella属、Treponema属およびVeillonella属に属する細菌である(表1)。なお、本発明で用いる細菌の分類はNational Center for Biotechnology Information(NCBI)の分類に従った。
これらの細菌の存在量の測定は特に限定なく、任意の方法で実施できる。ここではDNAチップを用いた方法を中心に後述する。
存在量は各細菌の絶対定量であっても、相対的な量であっても構わない。例えば、DNAチップで得られるシグナル値または次世代シークエンサー(以降NGSと称す)で得られるリード数のような相対値で構わない。
総細菌量も絶対定量であっても、相対的な量の指標であっても構わないが、適切なものを用いる必要がある。特に、該口腔内試料に含まれる総細菌量に占める各細菌の存在比を算出する場合にあっては、総細菌の存在量の指標として適切なものを用いる必要がある。例えば、NGSを用いた菌叢解析の場合、各リードのアノテーションは、用いるデータベースの情報量やその条件に大きく依存する。未知の細菌由来または大きな変異ある遺伝子に相当するリードが存在した場合、何もアノテーションされなくなってしまう。このようなリードが多いと総細菌量としては小さく評価することになり、本発明による予測の精度が低下してしまう。従って、NGSを用いた菌叢解析の場合、例えば16SリボゾームRNA遺伝子の細菌の部分共通配列を利用したアノテーションを実施する等の工夫が必要になる。一方、後述するDNAチップにより総細菌量を測定する場合は、このような問題は生じず、より精度の高い予測が可能となる。
本発明における各細菌の存在量が該口腔試料に含まれる総細菌量に占める存在比は、適切な総細菌の存在量の指標に対して、前述の各細菌の存在量の指標の割合であれば、特に限定はない。総細菌および各細菌が共に相対的な指標であっても、いすれか片方のみが相対的な指標であっても構わない。
本発明における健康状態の評価または予測の対象としては、肝機能、循環器機能、腎機能、糖代謝機能および脂質代謝機能に係る評価指標が挙げられる。肝機能の指標としては、総蛋白、アルブミン、γ-GTP(γグルタミルトランスペプチダーゼ活性)、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ活性)、ALP(アルカリフォスファターゼ活性)およびコリンエステラーゼが挙げられる。循環器機能の指標としては、血圧およびCPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)が挙げられる。腎機能の指標としては、血中尿素窒素、尿酸、クレアチニン、クレアチニンクリアランスおよびeGFR(推算糸球体濾過量)が挙げられる。糖代謝機能の指標としては、血糖値およびHbA1c(ヘモグロビンA1c)が挙げられる。脂質代謝機能の指標としては、総コレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)、HDL(高比重リポ蛋白コレステロール)およびLDL(低比重リポ蛋白コレステロール)が挙げられる。好ましくは、それぞれの機能の代表的指標であるγ-GTP、血圧、クレアチニンクリアランス、HbA1cおよびトリグリセライドが挙げられる。
さらに、本発明における健康状態の評価または予測の対象として、年齢および口臭がある。口腔内試料の細菌叢から評価される口の健康状態を年齢で表し、実年齢を比較することで、口腔内の状態が理解を深めることが期待される。口臭の具体的な指標としては、呼気中の硫化水素またはメチルメルカプタン濃度が一般に用いられているが、本発明においても、それらの濃度を評価または予測対象とすることができる。
本発明における健康状態の評価または予測の方法としては、複数の被験者の口腔内試料のの細菌の存在量および該口腔内試料に含まれる総細菌量の情報と健康状態の指標のデータを取得したのち、細菌の存在量および総細菌量の情報を説明変数、健康状態を目的変数として、多変量解析によって予測モデルを求め、その回帰モデルを用いて未知の口腔細菌情報から健康状態の評価または予測を行う。回帰モデルの作成には、細菌情報以外に被験者の性別、年齢、体重、BMI、喫煙習慣および飲酒習慣等の基本的な情報を説明変数として加えてもよい。健康状態を表す指標には、男女差、体重等に影響を受けるものがあり、これらの基本情報を加えることで、予測の精度が向上する場合がある。回帰モデルのアルゴリズムに特に制限はなく、線形でも非線形であって良い。SVM(Sapport vector machine)、ランダムフォレスト、決定木、ロジスティック回帰、LASSO(Least absolute shrinkage and selection operator)、SVR(Support vector regression)、ブースティング、バギング、およびCART(Classification and regression tree)等のアルゴリズムを使用することができる。場合によっては、口腔内試料の細菌情報を教師なしデータ分類手法(クラスター分析、主成分分析等)を用いて分類し、健康状態との関係から、予測モデルを作製することもできる。
肝機能に係る指標の評価または予測にはActinobacteria門、Bacteroidetes門、Firmicutes門、Proteobacteria門およびSpirochaetes門から選択される細菌の存在量の情報を用いることが好ましい。
循環器機能に係る指標の評価または予測にはActinobacteria門、Bacteroidetes門、Firmicutes門、Fusobacteria門、Proteobacteria門およびSpirochaetes門から選択される細菌の存在量および該口腔内試料に含まれる総細菌量の情報を用いることが好ましい。
腎機能に係る指標の評価または予測にはActinobacteria門、Bacteroidetes門、Firmicutes門、Proteobacteria門およびSpirochaetes門から選択される細菌の存在量および該口腔内試料に含まれる総細菌量の情報を用いることが好ましい。
糖代謝機能に係る指標の評価または予測にはActinobacteria門、Bacteroidetes門、Canididate division SR1門、Firmicutes門、Proteobacteria門およびSpirochaetes門から選択される細菌の存在量の情報を用いることが好ましい。
脂質代謝機能に係る指標の評価または予測にはActinobacteria門、Bacteroidetes門、Firmicutes門およびSpirochaetes門から選択される細菌の存在量の情報を用いることが好ましい。
年齢に係る指標の評価または予測にはActinobacteria門、Bacteroidetes門、Canididate division SR1門、Firmicutes門、Proteobacteria門およびSpirochaetes門から選択される細菌の存在量の情報を用いることが好ましい。
口臭に係る指標の評価または予測にはBacteroidetes門、Canididate division SR1門、Firmicutes門、Proteobacteria門およびSpirochaetes門から選択される細菌の存在量の情報を用いることが好ましい。
以下、口腔内試料中の細菌の存在量を測定する方法については、DNAチップを用いた方法を中心に述べる。なお、一般的に、DNAチップとは、プローブが配置された基盤の総称である。また、本明細書においては、DNAチップ及びDNAマイクロアレイ等の名称については、それぞれ区別はせず、同義語であるとする。
本発明においてDNAチップは、例えば、以下のプローブ(a)と、プローブ(b)及び(c)の少なくとも一方のプローブとを搭載することが最も好ましい。
(a)検出対象の細菌の遺伝子(または遺伝子由来の増幅産物)それぞれに特異的にハイブリダイズする核酸からなるプローブ
(b)すべての細菌の遺伝子(または遺伝子由来の増幅産物)にハイブリダイズする核酸からなる総細菌量指標プローブ
(c)1種類又は複数種類のコントロール核酸それぞれに特異的にハイブリダイズする核酸からなるプローブ
ここで、プローブ(a)として使用され得るオリゴDNAは、口腔内細菌に由来する核酸の塩基配列のうちの菌特異的な領域(菌の種類によって塩基配列が変わる領域)の塩基配列とハイブリダイズすることができるものである。ここで、当該核酸は、染色体DNAやプラスミドDNA等を含むDNA及びRNAのいずれでもよく限定はされないが、染色体DNAであることが好ましい。具体的には、本発明においてプローブとして使用されるオリゴヌクレオチドは、前記口腔内細菌の染色体DNA中の16SrRNA遺伝子の塩基配列とハイブリダイズすることができるものである。
本発明に用い得るプローブは、検出目的となる各種の前記口腔内細菌に特異的な塩基配列となるような領域を選択してその領域の塩基配列を設計することが好ましい。一般的に、プローブの設計の際には、特異的な領域を選択することに加え、融解温度(Tm)がそろっていて、二次構造を形成しにくいものである必要がある。
口腔内細菌の各々の種に対応する特異的な塩基配列は、例えば、マルチプルアラインメントをとり、種間で異なる領域にプローブを設計するなどの手段により見出すことができる。アラインメントをとるためのアルゴリズムには、特に限定はないが、より具体的な解析プログラムとしては、例えば、ClustalX1.8等のプログラムを利用することができる。アラインメントをとる際のパラメータは、各プログラムのデフォルト状態で実行してもよいが、プログラムの種類などに応じて適宜調整することができる。
一方で、プローブの特異性は、属レベル、またはそれ以上の分類(科、目、綱または門)レベルの特異性を基に同じ分類レベルの細菌を一括に検出するものであってもよい。当然、個々の種あるは株レベルで検出可能な特異性であってもよく、細菌検出の目的に応じて適宜判断が可能である。検出の特異性のレベルに応じて、検出できている細菌種を特定の1種類と限定することもでき、または各分類レベルの和(合計)としてとられることもできる。
総細菌量指標であるプローブ(b)は、特定のプライマー対で増幅できた、検体の中のすべての細菌を捕捉する目的のプローブである。細菌を検出する上では、検出対象細菌が、非検出対象細菌を含む全体の細菌の中でどの程度の割合であるのか、また、そもそも検体中にどれくらいの量の細菌が存在しているのかといった観点から細菌の総量を検出することはきわめて重要となる。
細菌の総量を検出するためには、例えば、DNAチップとは独立に細菌の総量を測定することも可能であるが、DNAチップ中に細菌の総量の指標となるプローブを搭載しておくことにより操作の簡便性が向上する。プローブについては、プライマー対によって増幅される塩基配列の中から、多種類の菌種に共通な塩基配列を使用してもよい。そのような配列が見つからない場合は、比較的共通な配列を複数設計し、それらを総合的に判断することで総細菌量指標プローブとしてもよい。総細菌量指標プローブは、好ましくは、検体に含まれる細菌に由来する核酸にハイブリダイズするプローブ、詳しくは、前記特定のプライマー対により増幅される塩基配列のうちの、細菌が共通に有する塩基配列とハイブリダイズするプローブである。
総細菌量指標は、個々の菌種特異的な増幅産物の合計量を表すため、一般的に量が多くなることから、目的のシグナル強度が、検出可能なシグナル強度の範囲を超えてしまうことがある。そのような状況を防ぐためには、ハイブリダイゼーションに供する検体量を制限することが望ましい。又は、プローブを設計する際には、例えば当該プローブのTm値を低くする。具体的にはGC含量を少なくすることや、プローブの配列長自体を短くする方法が考えられる。
また、ハイブリダイゼーションに際して、増幅された核酸と総細菌量指標プローブとのハイブリダイゼーションに対して競合的に作用するような核酸を添加することで、シグナル強度の低減化を図ることが可能である。このような核酸としては、例えば、総細菌量指標プローブと全て又は部分的に同じ配列を有する核酸、又は総細菌量指標プローブの相補配列を全て又は部分的に有する核酸などが挙げられる。
プローブ(c)は、コントロール核酸にのみハイブリダイズするプローブである。本明細書において、コントロール核酸とは、増幅反応やハイブリダイゼーション反応の前に、検体中に一定量添加する核酸の量を示す指標である。コントロール核酸は、通常の増幅反応を行えば増幅反応が確実に行われる核酸であり、いわゆる陽性コントロールとしての役割を果たす。従って、コントロール核酸に特異的なプローブを、DNAチップに搭載しておけば、その検出結果から、増幅反応やハイブリダイゼーション等が適切に実施されたかを確認することができる。
コントロール核酸を増幅反応前に添加するのであれば、コントロール核酸に対する特定のプライマー対も反応液に加えておく必要があるが、場合により細菌用のプライマー対で共通して増幅させることも可能である。また、ハイブリダイゼーションで他の検出対象とは独立して検出するためには、検出対象細菌、非検出対象細菌いずれにも類似性が低い塩基配列を選択する必要がある。
コントロール核酸を1種類設定した場合、多少増幅効率やハイブリダイゼーション効率が増減した場合に、コントロール核酸のシグナル強度を比較することにより補正係数を算出することができる。複数のDNAチップのデータを比較する際には、補正係数で補正した後のシグナル強度で比較してもよい。
コントロール核酸の増幅反応前の添加によって、増幅後の総細菌量指標のシグナル強度から増幅前の量を決定することが可能になる。例えばPCR法による増幅を用いる場合、競合的PCR法の原理により、増幅前の量に依存した量の指標が得られる。
本発明に用いるプローブを設計する際、プローブの長さは限定されるものではなく、例えば、10塩基以上が好ましく、より好ましくは16〜50塩基であり、さらに好ましくは18〜35塩基である。プローブの長さが適切であれば(前記範囲内であれば)、非特異的なハイブリダイゼーション(ミスマッチ)を抑制し、特異的な検出に使用することができる。また本発明に用いるプローブの設計の際には、Tmも確認しておくことが好ましい。Tmとは、任意の核酸鎖の50%がその相補鎖とハイブリッド形成する温度を意味し、鋳型DNA又はRNAとプローブとが二本鎖を形成してハイブリダイズするためには、ハイブリダイゼーションの温度を最適化する必要がある。一方、この温度を下げすぎると非特異的な反応が起こりやすくなるため、温度は可能な限り高いことが望ましい。
従って、設計しようとする核酸断片のTmはハイブリダイゼーションを行う上で重要な因子である。Tmの確認には、公知のプローブ設計用ソフトウェアを利用することができ、本発明で利用可能なソフトウェアとしては、例えばProbeQuest(登録商標;ダイナコム社)などが挙げられる。またTmの確認は、ソフトウェアを使わずに自ら計算することによっても行うことができる。その場合には、最近接塩基対法(NearestNeighborMethod)、Wallance法、GC%法等に基づく計算式を利用することができる。本発明のプローブにおいては、限定はされないが、平均Tmが約35〜70℃又は45〜60℃であることが好ましい。なお、プローブとして特異的なハイブリダイズが可能な条件としては、その他にもGC含量等があり、その条件は当業者に周知である。
さらに本発明のプローブには、例えば、タグ配列などの付加配列が含まれていてもよい。タグ配列としては、例えば「AAAAAAA」のようなスペーサー配列が一例として挙げられる。本発明の方法において、検出目的となる前記口腔内細菌が有する核酸の塩基配列は、すべての場合において当該塩基配列そのものである必要はなく、塩基配列の一部が欠失、置換、挿入等により変異が生じたものであってもよい。したがって、検出目的の核酸の塩基配列は、当該塩基配列に相補的な配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつそれぞれの塩基配列に由来する機能や活性を有する変異型遺伝子も対象とすることができ、プローブは、このような変異型遺伝子の塩基配列を基礎として設計することもできる。
設計されるプローブとしては、具体的には、前述のプローブ(a)の配列が含まれる。また、これらのDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ口腔内細菌に由来する核酸の塩基配列のうちの少なくとも一部の塩基配列を検出し得る機能を有するDNAを含むものが好ましく挙げられる。このようなDNAの塩基配列としては、プローブ(a)に対して少なくとも60%以上の相同性を有する塩基配列であることが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上である。
実際にプローブを検出に用いる際にはハイブリダイゼーションにおけるストリンジェンシーも考慮する必要がある。ストリンジェンシーをある程度緊密にすることによって、各種の口腔内細菌において各々の核酸中の特定の領域間で類似する塩基配列領域が存在しても、他の異なる領域を区別してハイブリダイズすることができる。また、当該特定の領域間の塩基配列がほとんど異なる場合は、ストリンジェンシーを緩やかに設定することができる。
このようなストリンジェンシーの条件としては、例えば緊密条件の場合は50〜60℃の条件下でのハイブリダイゼーションであり、ゆるやかな条件の場合は30〜40℃の条件下でのハイブリダイゼーションである。ハイブリダイゼーションの条件において、ストリンジェントな条件としては、例えば、「0.24MTris・HCl/0.24MNaCl/0.05%Tween−20、40℃」、「0.24MTris・HCl/0.24MNaCl/0.05%Tween−20、37℃」、「0.24MTris・HCl/0.24MNaCl/0.05%Tween−20、30℃」、よりストリンジェントな条件としては、例えば「0.24MTris・HCl/0.24MNaCl/0.05%Tween−20、50℃」、「0.24MTris・HCl/0.24MNaCl/0.05%Tween−20、55℃」、「0.06MTris・HCl/0.06MNaCl/0.05%Tween−20、60℃」等の条件を挙げることができる。
より詳細には、プローブを添加して1時間以上50℃に保ってハイブリッド形成させ、その後、0.24M Tris・HCl/0.24MNaCl/0.05%Tween−20中、50℃で20分の洗浄を4回、最後に、0.24MTris・HCl/0.24MNaCl、50℃で10分の洗浄を1回行う方法もある。ハイブリダイゼーション、又は洗浄の際の温度を上げることにより、よりストリンジェントな条件を設定することができる。当業者であれば、このようなバッファーの塩濃度、温度等の条件に加えて、その他のプローブ濃度、プローブの長さ、反応時間等の諸条件を加味し、条件を設定することができる。ハイブリダイゼーション法の詳細な手順については、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual 4th ed.」(Cold Spring Harbor Press (2012)、「Current Protocols in Molecular Biology」(John Wiley & Sons (1987-1997))等を参照することができる。
また、本発明に用いるプローブを構成するヌクレオチドは、DNA及びRNA、又はPNAのいずれであってもよく、DNA、RNA及びPNAの2種以上のハイブリッドであってもよい。例えば、通常のオリゴヌクレオチド合成法を使用して化学合成する(精製はHPLC等により行う)ことにより作製することができる。また上記ヌクレオチドの末端、中間を化学修飾したものを使用することもできる。
ここでプローブ(a)、(b)、(c)の具体例として表1に例示できる。表1中、細菌それぞれに特異的なプローブの例を配列番号3〜69に、総細菌量指標プローブの例を配列番号2に、 コントロール核酸用プローブの例を配列番号1に示す。 また、表2中、コントロール核酸の例を配列番号74に示す。
本発明の方法において、DNAチップの支持体となる基盤の形態としては、平板(ガラス板、樹脂板、シリコン板等)、棒状、ビーズ等のいずれの形態のものも使用できる。支持体として、平板を使用する場合は、その平板上に、所定の間隔もって、所定のプローブを種類毎に固定することができる(スポッティング法等;Science270,467−470(1995)等参照)。また、平板上の特定の位置で、所定のプローブを種類毎に逐次合成していくこともできる(フォトリソグラフィー法等;Science251,767−773(1991)等参照)。
他の好ましい支持体の形態としては、中空繊維を使用するものが挙げられる。支持体として中空繊維を使用する場合は、所定のプローブを種類毎に各中空繊維に固定し、すべての中空繊維を集束させ固定した後、繊維の長手方向で切断を繰り返すことにより得られるDNAチップ(以下「繊維型DNAチップ」と言う)が好ましく例示できる。このマイクロアレイは、貫通孔基板に核酸を固定化したタイプのものと説明することもでき、いわゆる「貫通孔型DNAチップ」とも言われる(特許第3510882号公報等参照)。
プローブの支持体への固定方法は限定されず、どのような結合様式でもよい。また、支持体に直接固定することに限定はされず、例えば、予め支持体をポリリジン等のポリマーでコーティング処理し、処理後の支持体にプローブを固定することもできる。さらに、支持体として中空繊維等の管状体を使用する場合は、管状体にゲル状物を保持させ、そのゲル状物にプローブを固定することもできる。以下、DNAチップの一形態である繊維型DNAチップに関して詳細に説明する。このDNAチップは、例えば、下記(i)〜(iv)の工程を経て作製することができる。
(i) 複数本の中空繊維を、中空繊維の長手方向が同一方向となるように3次元に配列して配列体を製造する工程
(ii) 前記配列体を包埋し、ブロック体を製造する工程
(iii) オリゴヌクレオチドプローブを含むゲル前駆体重合性溶液を前記ブロック体の各中空繊維の中空部に導入して重合反応を行い、プローブを含むゲル状物を中空部に保持させる工程
(iv) 中空繊維の長手方向と交差する方向で切断して、ブロック体を薄片化する工程
中空繊維に使用される材料としては、限定はされないが、例えば、特開2004−163211号公報等に記載の材料が好ましく挙げられる。
中空繊維は、その長手方向の長さが同一となるように3次元に配列される(工程(i))。 配列方法としては、例えば、粘着シート等のシート状物に複数本の中空繊維を所定の間隔をもって平行に配置し、シート状とした後、このシートを螺旋状に巻き取る方法(特開平11−108928号公報参照)や、複数の孔が所定の間隔をもって設けられた多孔板2枚を孔部が一致するように重ね合わせ、それらの孔部に中空繊維を通過させ、その後2枚の多孔板の間隔を開いて仮固定し、2枚の多孔板間における中空繊維の周辺に硬化性樹脂原料を充満させて硬化させる方法(特開2001−133453号公報参照)などが挙げられる。製造された配列体はその配列が乱れないように包埋される(工程(ii))。
包埋の方法としては、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂等を繊維間の隙間に流し込む方法のほか、繊維どうしを熱融着により接着する方法等が好ましく挙げられる。包埋された配列体には、各中空繊維の中空部に、オリゴヌクレオチドプローブを含むゲル前駆体重合性溶液(ゲル形成溶液)を充填し、中空部内で重合反応を行う(工程(iii))。これにより、各中空繊維の中空部に、プローブが固定されたゲル状物を保持させることができる。ゲル前駆体重合性溶液とは、ゲル形成重合性モノマー等の反応性物質を含有する溶液であって、該モノマー等を重合、架橋させることにより該溶液がゲル状物となることが可能な溶液をいう。そのようなモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ビニルピロリドン、メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。この場合、溶液には重合開始剤等が含まれていてもよい。中空繊維内にプローブを固定した後、中空繊維の長手方向と交差する方向(好ましくは直交する方向)で、ブロック体を切断して薄片化する(工程(iv))。このようにして得られた薄片は、DNAチップとして使用できる。当該DNAチップの厚みは、0.01mm〜1mm程度であることが好ましい。ブロック体の切断は、例えば、ミクロトーム及びレーザー等により行うことができる。前記した繊維型DNAチップとしては、例えば、三菱ケミカル社製DNAチップ(GenopalTM)等が好ましく挙げられる。
繊維型DNAチップでは、前記のように、プローブはゲル内で3次元的に配列され、3次元構造を維持することが可能となる。そのため、表面をコートしたスライドガラスにプローブを結合させた平面DNAチップに比べて、検出効率が上昇し、高感度で高再現性の検査をすることが可能となる。また、DNAチップに配置されるプローブの種類の数は、1つのDNAチップに500種類以下、好ましくは250種類以下、さらに好ましくは100種類以下が好ましい。このように配置されたプローブ数(種類)をある程度制限することにより、目的の口腔内細菌をより高感度で検出することが可能となる。
本発明の方法において、口腔内試料中の細菌の存在量を算出する方法は、例えば、下記の工程を含む方法である。
(i)被験者から採取した口腔内試料を検体とし、検体中の細菌の核酸を抽出する工程
(ii)抽出した核酸を、前記した本発明のオリゴヌクレオチドプローブ又は本発明のDNAチップに接触させる工程
(iii)DNAチップから得られたシグナル強度から細菌の存在量を算出する工程
工程(i)では、被験者から採取した口腔内試料を検体とし、検体中に含まれる細菌の核酸を抽出する。採取する口腔内試料の種類は、特には限定されない。例えば、唾液、舌苔、口腔洗浄液等を使用することができ、これらの中でも唾液が好ましい。口腔内試料を採取する方法は特には限定されず、試料の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、口腔内試料として唾液を使用する場合は、市販の唾液採取キットを利用する方法、綿棒を口に含み唾液を採取する方法、唾液を容器に直接採取する方法等が挙げられる。口腔内試料として舌苔を使用する場合、綿棒による舌面擦過する方法等が挙げられる。口腔内試料として口腔洗浄液を使用する場合、口腔洗浄液又は水を口に含み、口腔洗浄液又は水とともに唾液を容器に採取し、得られた溶液を検体とする方法が挙げられる。口腔洗浄液としては、例えば滅菌された生理食塩水等が挙げられる。
次いで、得られた口腔内試料中に存在する細菌の核酸抽出を行う。抽出の方法は限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、機器による自動抽出法、市販の核酸抽出キットを利用する方法、ビーズで破砕する方法、プロテイナーゼK処理後にフェノール抽出する方法、クロロホルムを利用する方法又は簡易抽出方法として、試料を加熱、溶解する方法等が挙げられる。これらを組み合せて処理してもよい。また、特に検体中から核酸を抽出せず、次の工程に進んでも良い。
検体から得られた核酸は、PCR等により所望の塩基配列領域を増幅し、その増幅断片をDNAチップ等に接触させてもよく、限定はされない。得られた核酸をテンプレートとして増幅する領域は、本発明に用いるプローブ、又はDNAチップに配置したオリゴヌクレオチドの塩基配列を含む核酸領域をコードする部位である。増幅する所望の領域は、限定はされず、前記細菌の種を問わず保存性の高い領域の塩基配列を利用し、多種類の混合物を一度に増幅して得ることができる。好ましい領域として16SrRNA遺伝子などが挙げられる。16SrRNA遺伝子のうち、全長又は、可変領域V1−V9の一つ以上の領域を対象とすることが望ましい。より好ましくは、可変領域V1−V6を対象とすることが望ましい。さらに好ましくは、可変領域V3−V4を対象とすることが望ましい。なお、16SrRNA遺伝子の可変領域がV1−V9領域からなり、その領域も特定されていることは公知である。
増幅反応時における反応効率をなるべく一定にするために、検出対象細菌にて増幅される塩基長とコントロール核酸の増幅塩基長は大きな差のないようにすることが望ましい。例えば、検出対象細菌の増幅産物が500bp程度となるのであれば、コントロール核酸の増幅産物は300bpから1000bp程度とすることが望ましい。
細菌由来の核酸とコントロール核酸を別々に増幅させる場合においては必要に応じて2対以上のプライマー対を用いるマルチプレックス手法を適用できる。逆に必要に応じて共通の一組にプライマー対で競合させる手法も適用できる。
プライマー配列の例を表2に示す。細菌増幅用プライマー対(配列番号70、71)や、コントロール核酸プライマー対(配列番号72、73)を利用することが可能である。なお、PCR法による核酸の増幅は、定法に従って行うことができる。
本工程において抽出した核酸及びその増幅断片は、適宜標識化し、ハイブリダイズさせた後の検出過程において利用することも可能である。具体的には、PCRプライマーの末端を各種レポーター色素で標識しておく方法、反応性のヌクレオチドアナログを逆転写反応時に取り込ませる方法、ビオチン標識したヌクレオチドを取り込ませる方法などが考えられる。さらに、調製後に蛍光標識試薬と反応させて標識することも可能である。蛍光試薬としては、例えば、各種レポーター色素(例えば、Cy5、Cy3、VIC、FAM、HEX、TET、フルオレセイン、FITC、TAMRA、Texasred、YakimaYellow等)を用いることができる。
工程(ii)では、工程(i)で得た核酸又はその増幅断片を、本発明に用いるプローブ又はDNAチップに接触させるが、具体的には、当該核酸等を含むハイブリダイゼーション溶液を調製し、当該溶液中の核酸等を、DNAチップに搭載されたオリゴヌクレオチドプローブに結合(ハイブリダイズ)させる。ハイブリダイゼーション溶液は、SDSやSSC等の緩衝液を用いて、定法に従い、適宜調製することができる。ハイブリダイゼーション反応は、ハイブリダイゼーション溶液中の核酸等が、DNAチップに搭載されたオリゴヌクレオチドプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るよう、反応条件(緩衝液の種類、pH、温度等)を適宜設定して行うことができる。なお、ここで言う「ストリンジェントな条件」とは、類似配列によるクロスハイブリダイゼーションを生じにくい、又は類似配列によってクロスハイブリダイゼーションした核酸を解離させる条件のことをいい、具体的には、ハイブリダイゼーション反応時又はハイブリダイゼーション後のDNAチップの洗浄条件を意味する。
例えば、ハイブリダイゼーション反応時の条件としては、反応温度は、35〜70℃が好ましく、より好ましくは40〜65℃であり、ハイブリダイズさせる際の時間は、約1分〜16時間が好ましい。また、ハイブリダイゼーション後のDNAチップの洗浄条件としては、洗浄液組成は、0.24MTris・HCl/0.24MNaCl/0.05%Tween−20であることが好ましく、洗浄時の温度は、35〜80℃又は40〜65℃が好ましく、より好ましくは45〜60℃である。より具体的には、塩(ナトリウム)濃度が48〜780mMであり、温度が37〜80℃である条件が好ましく、より好ましくは塩濃度が97.5〜390mMであり、温度が45〜60℃である条件である。
洗浄後は、プローブに結合した核酸等の標識を検出できる装置により、スポットごとに検出強度を測定する。例えば、前記核酸等を蛍光標識化していた場合は、各種蛍光検出装置、例えば、CRBIO(日立ソフトウェアエンジニアリング社製)、arrayWoRx(GEHealthcare社製)、Affymetrix428ArrayScanner(Affymetrix,社製)、GenePix(AxonInstruments社製)、ScanArray(PerkinElmer社製)、ジェノパールリーダー(三菱ケミカル社製)などを用いて、蛍光強度を測定することができる。これらの装置については、蛍光スキャナーの場合は、例えば、レーザーの出力、検出部の感度を適宜調整してスキャンを行うことができ、CCDカメラ型のスキャナーの場合は、露光時間を適宜調節してスキャンを行うことができる。スキャンの結果に基づく定量方法は、定量ソフトウェアにより行う。定量ソフトウェアに特に限定はなく、スポットの蛍光強度の平均値、中央値等を用いて定量することができる。また、定量にあたっては、DNAフラグメントのスポット範囲の寸法精度などを考慮し、プローブを搭載していないスポットの蛍光強度をバックグラウンドとして用いるなど、調整を行うことが好ましい。
工程(iii)では、前記の手順で得られたシグナル強度より、検出対象菌種の細菌の存在量を算出する。検出対象細菌を検出するためのプローブのシグナル強度とバックグラウンドのシグナル強度の差を減算してその値を用いることも可能である。あるいはプローブのシグナル強度とバックグラウンドのシグナル強度の比からSN比として示す方法がある。シグナル強度は細菌の存在比と比例するため、細菌の定量値を算出する必要がない場合においては、これらの値をそのまま用いることもできる。
あるいは、あらかじめ細菌ごとに細菌の染色体DNAの濃度を変えて複数条件にて検出し、各濃度条件で得られるシグナル強度を元に、細菌ごとに染色体DNA濃度を算出する換算係数(検量線)を取得しておき、それぞれの条件で得られたシグナル強度から染色体DNAの濃度を算出する方法を用いることもできる。この場合は、結果を細菌のコピー数として算出することもできる。
さらに、いずれの場合でも、各DNAチップの検出対象細菌のシグナル強度に補正係数を考慮することでシグナル強度やコピー数を補正してもよい。補正とシグナル強度・コピー数換算の順序は特に問わない。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例では、唾液中の口腔内細菌叢から肝機能の代表指標であるγGTPの予測を行った。
1.唾液サンプルの採取
941名の男女被験者から、唾液サンプルを回収した。唾液サンプルは対象者自身で起床後(歯磨き前)に、唾液採取容器(防腐剤含有)へ0.25ml入れるよう依頼した。回収したサンプルは口腔細菌の測定の実施場所到着までは室温保存とし(2〜3日間)、その後、口腔細菌の測定までは冷凍保存した。
2.唾液サンプル中の口腔細菌の測定
本実施例では、口腔細菌をDNAチップによって測定した。具体的には、サンプルから抽出したDNAを、蛍光標識されたプライマーを使用したPCR反応によって増幅し、続いてDNAチップとのハイブリダイゼーションを行い、蛍光シグナルを測定した。さらにそのシグナルを基に、予測モデルに使用するデータを算出した。
本実施例における予測モデルには、表3に示す65項目の口腔細菌データを使用した。このうち、各細菌データ(64項目)については、総細菌量に占める各細菌の割合に比例する量として、総細菌量指標プローブと各細菌のプローブのシグナルの比を用いた。一方で、総細菌量については、唾液1mL中の総細菌量の値を算出して用いた。このとき、DNAチップのシグナル値をサンプル中の総細菌の絶対量に変換する必要があるが、これについては本発明者らが簡便な手法を提案しており(特願2019-026519)、この手法を用いた。すなわち、サンプルの増幅、測定をコントロール核酸と混合して行い、また予めコントロール核酸および総細菌量のシグナルと総細菌の絶対量の関係について検量線を得て、サンプル中の総細菌の絶対量を測定した。
ただし本実施例において、総細菌量指標プローブは16SrRNA遺伝子にハイブリダイズするプローブであり、サンプル中の総細菌の絶対量とは、サンプル中の総16SrRNA遺伝子のコピー数のことを指す。
2-1.検量線の作成
検量線の作成には、検量用核酸として、11種の細菌のゲノムDNAの混合液を用いた。使用した混合液の組成は表4に示す通りである。使用した各ゲノムDNAは、ATCC(登録商標) (American Type Culture Collection)から表4に記載のATCC番号のものを購入した。
上記の混合液(104pM)を、PCR反応液中の16SrRNA遺伝子の濃度の合計が、0.24pMと、その0.25n倍(n=1, 2, … ,7)になるようにPCR反応液に加えた。PCR反応液のその他の組成については、表5に示す通りである。総液量は20μLに調整した。各条件2反応ずつ行った。
ここで、各プライマーとコントロール核酸の配列は、それぞれ表2に示す通りであり、F(フォワード)プライマーは5´端がCy5修飾されたものである。表2の配列中のR、Yは混合塩基を示しており、RはAとG、YはCとTを示す。各プライマーは、各細菌の16SrRNA遺伝子のコンセンサス配列に結合するように設計されている。コントロール核酸は、増幅に必要な塩基配列と塩基がランダムに組み合わされた塩基配列とから構成された人工配列を含む核酸である。
また、用いたPCR用酵素はPremix Ex Taq(登録商標) Hot Start Version(TaKaRa)であり、酵素とバッファーを含めて2xの濃度で提供されているものを1xの濃度になるように調整して反応を行った。
PCR反応は、サーマルサイクラーで表6に示す条件で行った。
PCR終了後、それぞれの反応液(20μL全量)にハイブリダイゼーション反応液(1M Tris-HCl 48μL、1M NaCl 48μL、0.5% Tween20 20μL、Nuclease free water 64μL)を添加した。この液とDNAチップを用いて、自動ハイブリ洗浄装置(三菱ケミカル)にて、50℃で16時間ハイブリダイゼーションを行った。その後洗浄を行った。
本実施例で使用したDNAチップは、三菱ケミカル製のDNAチップであるジェノパール(登録商標)である。このDNAチップに搭載された、検出対象の細菌の遺伝子(または遺伝子由来の増幅産物)それぞれに特異的にハイブリダイズする核酸からなるプローブ(プローブ(a))は、配列番号3〜69に示される塩基配列であり(表1)、すべての細菌の遺伝子(または遺伝子由来の増幅産物)にハイブリダイズする核酸からなる総細菌量指標プローブ(プローブ(b))およびコントロール核酸に特異的にハイブリダイズする核酸からなるプローブ(プローブ(c))はそれぞれ配列番号2および1のものを用いた。ただし、Aggregatibacter actinomycetemcomitans、Prevotella intermediaおよび口腔乳酸菌(群)由来の核酸の検出については、配列番号7と8に示される塩基配列のヌクレオチドの混合物、配列番号37と38に示される塩基配列のヌクレオチドの混合物および配列番号67と68に示される塩基配列のヌクレオチドの混合物をそれぞれプローブとして用いた。これらの配列の5末端ビニル化オリゴDNAを、ジェノパールのプラットフォームを用いてアレイ化した (特許第6299660号)。
検出にはジェノパールリーダー(三菱ケミカル)を用いた。検出された蛍光シグナルを基に換算された数値データを解析に使用した。
11種の細菌のゲノムDNAの混合液およびコントロール核酸の増幅産物には、当該11種の細菌由来の全ての16SrRNA遺伝子(総16SrRNA遺伝子)とコントロール核酸の増幅産物とが含まれる。
総16SrRNA遺伝子にハイブリダイズするプローブ(配列番号2)のシグナル強度(増幅後の16SrRNA遺伝子の量を示す指標)をIT、コントロール核酸にハイブリダイズするプローブ(配列番号1)のシグナル強度をIC、増幅前の16SrRNA遺伝子の量をCT、増幅前のコントロール核酸の量をCCとし、これらを[式1:(log10( IT ÷ IC ) = a × log10( CT ÷ CC ) + b)]で近似した(図1)。Microsoft社のソフトウェア「EXCEL」のLINEST関数を用いて近似直線の傾き、切片を求め、(式1)のパラメータについてa=0.389, b=0.591と決定した。
この検量線により、サンプル中の総細菌の絶対量を決定することが可能となった。
2-1.唾液サンプルの測定
各唾液サンプルについて、ビーズ破砕、プロテイナーゼK(QIAGEN)による処理およびQIAamp 96 DNA Blood Kit(QIAGEN)によるDNA抽出を行った。抽出したDNAの濃度をNanoDrop(商標)(Thermo Fisher Scientific)で測定し、測定濃度に基づき、PCR反応液を、液中に含まれる抽出DNAの重量が100pgになるように調製した。PCR反応液のその他の組成および液量は、上記「2-1.検量線の作成」と同様である。
上記「2-1.検量線の作成」と同様に、PCR反応、ハイブリダイゼーション、検出を行い、検出された蛍光シグナルを基に換算された数値データを解析に使用した。
口腔総細菌量については、上記検量線を用いて絶対量を求めた。すなわち、総16SrRNA遺伝子のプローブのシグナル強度ITMと、「2-1.検量線の作成」で求めたパラメータから、式2[CTM = CC ×10^((log10(ITM÷ICM )-0.591)÷0.389)]に従って、PCR反応液中に加えた総16SrRNA遺伝子の物質量(mol)を算出し、これにアボガドロ数を乗じてコピー数を算出した。抽出工程およびPCR反応液調製工程での希釈率に基づき、唾液1mL中の総16SrRNA遺伝子のコピー数を算出した。
本実施例における予測モデルでは、各細菌データ(64項目)は総細菌量(シグナル値)に占める各細菌(シグナル値)の比の対数をとった値を、総細菌量については、唾液1ml中の総細菌数の対数をとった値を用いた。ここで各口腔細菌について、値が0(=検出下限以下)になる対象者もいるので、対数を取るために、全対象者での0以外の最小値の1/10を算出し、0と置き換えた。
3.唾液サンプルと対応付けられた健診情報
本実施例における予測対象として、対象者の健康診断におけるγGTPの値を使用した。この値が得られた対象者は上記941名のうち715名であった。
また、口腔細菌データ以外の説明変数として、対象者に対するアンケート調査により得られた性別、年齢、喫煙習慣および飲酒習慣の情報と、対象者の健康診断におけるBMIの値、計5項目を使用した。これら5項目がすべて得られた対象者は、上記715名のうち714名であった。
γGTPの値は正規性の観点から、対数を取った値を予測モデルの作成に用いた。
4.予測モデルの作成
表3に示す65項目の口腔細菌データを説明変数とし、γGTPを予測するモデルをLASSO回帰により作成した。このとき使用したデータは、γGTPの値が得られた715名のものである。LASSO回帰にはRの「glmnet」パッケージのglmnet関数を使用した。すべての説明変数は分散1、平均0に正規化して用いた。またハイパーパラメータλは、Rの「glmnet」パッケージのcv.glmnet関数を用いて逸脱度を評価基準に10-foldのクロスバリデーションを行い決定した。得られた予測モデルを図2に示す。
本予測モデルによる予測値と実測値の関係を図3に示す。予測値と実測値の相関係数は0.377と、弱い相関が認められ、予測が可能となった。
さらに、65項目の口腔細菌データに加えて、性別、年齢、BMI、喫煙習慣および飲酒習慣の5項目を説明変数に含めたLASSO回帰による予測モデルを作成した。このとき使用したデータは、γGTPの値と上記5項目すべてが得られた714名のものである。LASSO回帰は上と同様に行った。得られた予測モデルを図4に示す。
本予測モデルによる予測値と実測値の関係を図5に示す。予測値と実測値の相関係数は0.587と、相関が認められ、予測が可能となった。
以上のように、肝機能の代表指標であるγGTPの予測は、Actinobacteria門Actinobacteria綱に属するRothia属細菌、Bacteroidetes門Bacteroidia綱に属するPorphyromonas属細菌、Prevotella属細菌およびTannerella属細、Bacteroidetes門Flavobacteriia綱に属するCapnocytophaga属細菌、Firmicutes門Bacilli綱に属するGranulicatella属細菌、Lactobacillus属細菌およびStreptococcus属細菌、Firmicutes門Clostridia綱に属するFilifactor属細菌およびEubacterium属細菌、Firmicutes門Erysipelotrichia綱に属するSolobacterium属細菌、Firmicutes門Negativicutes綱に属するSelenomonas属細菌およびVeillonella属細菌、Firmicutes門Tissierellia綱に属するParvimonas属細菌、Proteobacteria門Betaproteobacteria綱に属するNeisseria属細菌、Proteobacteria門Epsilonproteobacteria綱に属するCampylobacter属細菌、Proteobacteria門Gammaproteobacteria綱に属するHaemophilus属細菌およびSpirochaetes門Spirochaetia綱に属するTreponema属細菌の口腔内試料中の存在量の情報により達成できる。
本実施例では、唾液中の口腔内細菌叢から循環器機能の指標のひとつである拡張期血圧の予測を行った。
1.唾液サンプルの採取
実施例1と同様。
2.唾液サンプル中の口腔細菌の検出
実施例1と同様。
3.唾液サンプルと対応付けられた健診情報
本実施例における予測対象として、対象者の健康診断における拡張期血圧の値を使用した。この値が得られた対象者は上記941名のうち715名であった。
また、口腔細菌データ以外の説明変数として、対象者に対するアンケート調査により得られた性別、年齢、喫煙習慣および飲酒習慣の情報と、対象者の健康診断におけるBMIの値、計5項目を使用した。これら5項目がすべて得られた対象者は、上記715名のうち714名であった。
4.予測モデルの作成
表3に示す65項目の口腔細菌データを説明変数とし、拡張期血圧を予測するモデルをLASSO回帰により作成した。このとき使用したデータは、拡張期血圧の値が得られた715名のものである。LASSO回帰については実施例1と同様に行った。得られた予測モデルを図6に示す。
本予測モデルによる予測値と実測値の関係を図7に示す。予測値と実測値の相関係数は0.363と、弱い相関が認められ、予測が可能となった。
さらに、65項目の口腔細菌データに加えて、性別、年齢、BMI、喫煙習慣および飲酒習慣の5項目を説明変数に含めたLASSO回帰による予測モデルを作成した。このとき使用したデータは、拡張期血圧の値と上記5項目すべてが得られた714名のものである。LASSO回帰は上と同様に行った。得られた予測モデルを図8に示す。
本予測モデルによる予測値と実測値の関係を図9に示す。予測値と実測値の相関係数は0.551と、相関が認められ、予測が可能となった。
以上のように、循環器機能の代表指標である拡張期血圧の予測は、Actinobacteria門Actinobacteria綱に属するActinomyces属細菌、Corynebacterium属細菌およびRothia属細菌、Bacteroidetes門Bacteroidia綱に属するPorphyromonas属細菌、Prevotella属細菌およびTannerella属細、Bacteroidetes門Flavobacteriia綱に属するCapnocytophaga属細菌、Firmicutes門Bacilli綱に属するGemella属細菌およびStreptococcus属細菌、Firmicutes門Clostridia綱に属するFilifactor属細菌およびEubacterium属細菌、Firmicutes門Negativicutes綱に属するSelenomonas属細菌およびVeillonella属細菌、Firmicutes門Tissierellia綱に属するParvimonas属細菌、Fusobacteria門Fusobacteriia綱に属するLeptotrichia属細菌、Proteobacteria門Betaproteobacteria綱に属するNeisseria属細菌およびEikenella属細菌、Proteobacteria門Epsilonproteobacteria綱に属するCampylobacter属細菌、Proteobacteria門Gammaproteobacteria綱に属するAggregatibacter属細菌およびSpirochaetes門Spirochaetia綱に属するTreponema属細菌の口腔内試料中の存在量の情報により達成できる。
本実施例では、唾液中の口腔内細菌叢から腎機能の代表指標としてクレアチニンクリアランスの予測を行った。
1.唾液サンプルの採取
実施例1と同様。
2.唾液サンプル中の口腔細菌の検出
実施例1と同様。
3.唾液サンプルと対応付けられた健診情報
本実施例における予測対象として、対象者の健康診断データとアンケート調査データから計算されるクレアチニンクリアランスの値を使用した。具体的には、血清クレアチニン濃度、年齢、体重および性別から、コッククロフトとゴールトの式を用いて算出した。さらに、口腔細菌データ以外の説明変数として、対象者に対するアンケート調査により得られた性別、年齢、喫煙習慣および飲酒習慣の情報と、対象者の健康診断におけるBMIの値、計5項目を使用した。これらクレアチニンクリアランスの算出に必要な値と上記5項目、すべて得られた対象者は、上記941名のうち175名であった。
4.予測モデルの作成
65項目の口腔細菌データに加えて、性別、年齢、BMI、喫煙習慣および飲酒習慣の5項目を説明変数に含めたLASSO回帰による予測モデルを作成した。このとき使用したデータは、必要な情報がすべて得られた175名のものである。LASSO回帰については実施例1と同様に行った。得られた予測モデルを図10に示す。
本予測モデルによる予測値と実測値の関係を図11に示す。予測値と実測値の相関係数は0.782と、強い相関が認められ、予測が可能となった。
以上のように、腎機能の代表指標であるクレアチニンクリアランスの予測は、Actinobacteria門Actinobacteria綱に属するRothia属細菌、Bacteroidetes門Bacteroidia綱に属するPorphyromonas属細菌およびPrevotella属細菌、Firmicutes門Bacilli綱に属するGemella属細菌、Firmicutes門Clostridia綱に属するEubacterium属細菌、Firmicutes門Negativicutes綱に属するSelenomonas属細菌、Proteobacteria門Epsilonproteobacteria綱に属するCampylobacter属細菌、Proteobacteria門Gammaproteobacteria綱に属するAggregatibacter属細菌およびSpirochaetes門Spirochaetia綱に属するTreponema属細菌の口腔内試料中の存在量の情報により達成できる。
糖代謝機能の代表指標であるHbA1cの予測を行った。
1.唾液サンプルの採取
実施例1と同様。
2.唾液サンプル中の口腔細菌の検出
実施例1と同様。

3.唾液サンプルと対応付けられた健診情報
本実施例における予測対象として、対象者の健康診断における拡張期血圧の値を使用した。この値が得られた対象者は上記941名のうち715名であった。
また、口腔細菌データ以外の説明変数として、対象者に対するアンケート調査により得られた性別、年齢、喫煙習慣および飲酒習慣の情報と、対象者の健康診断におけるBMIの値、計5項目を使用した。これら5項目がすべて得られた対象者は、上記715名のうち714名であった。
4.予測モデルの作成
表3に示す65項目の口腔細菌データを説明変数とし、HbA1cを予測するモデルをLASSO回帰により作成した。このとき使用したデータは、HbA1cの値が得られた637名のものである。LASSO回帰については実施例1と同様に行った。得られた予測モデルを図12に示す。
本予測モデルによる予測値と実測値の関係を図13に示す。予測値と実測値の相関係数は0.323と、弱い相関が認められ、予測が可能となった。
さらに、65項目の口腔細菌データに加えて、性別、年齢、BMI、喫煙習慣および飲酒習慣の5項目を説明変数に含めたLASSO回帰による予測モデルを作成した。このとき使用したデータは、拡張期血圧の値と上記5項目すべてが得られた636名のものである。LASSO回帰は上と同様に行った。得られた予測モデルを図14に示す。
本予測モデルによる予測値と実測値の関係を図15に示す。予測値と実測値の相関係数は0.429と、相関が認められ、予測が可能となった。
以上のように、糖代謝機能の代表指標であるHbA1cの予測は、Actinobacteria門Actinobacteria綱に属するActinomyces属細菌およびRothia属細菌、Bacteroidetes門Bacteroidia綱に属するPorphyromonas属細菌、Prevotella属細菌およびTannerella属細、Firmicutes門Bacilli綱に属するLactobacillus属細菌およびStreptococcus属細菌、Firmicutes門Clostridia綱に属するFilifactor属細菌およびEubacterium属細菌、Firmicutes門Negativicutes綱に属するVeillonella属細菌、Proteobacteria門Betaproteobacteria綱に属するNeisseria属、Proteobacteria門Gammaproteobacteria綱に属するHaemophilus属細菌、Spirochaetes門Spirochaetia綱に属するTreponema属細菌およびCanididate division SR1門に属するSR1 bacteriaの口腔内試料中の存在量の情報により達成できる。
本実施例では、唾液中の口腔内細菌叢から脂質代謝機能の代表指標である中性脂肪の予測を行った。
1.唾液サンプルの採取
実施例1と同様。
2.唾液サンプル中の口腔細菌の検出
実施例1と同様。
3.唾液サンプルと対応付けられた健診情報
本実施例における予測対象として、対象者の健康診断における中性脂肪の値を使用した。この値が得られた対象者は上記941名のうち715名であった。
また、口腔細菌データ以外の説明変数として、対象者に対するアンケート調査により得られた性別、年齢、喫煙習慣および飲酒習慣の情報と、対象者の健康診断におけるBMIの値、計5項目を使用した。これら5項目がすべて得られた対象者は、上記715名のうち714名であった。
中性脂肪の値は正規性の観点から、対数を取った値を予測モデルの作成に用いた。
4.予測モデルの作成
表3に示す65項目の口腔細菌データを説明変数とし、中性脂肪を予測するモデルをLASSO回帰により作成した。このとき使用したデータは、中性脂肪の値が得られた715名のものである。LASSO回帰については実施例1と同様に行った。得られた予測モデルを図16に示す。
本予測モデルによる予測値と実測値の関係を図17に示す。予測値と実測値の相関係数は0.330と、弱い相関が認められ、予測が可能となった。
さらに、65項目の口腔細菌データに加えて、性別、年齢、BMI、喫煙習慣および飲酒習慣の5項目を説明変数に含めたLASSO回帰による予測モデルを作成した。このとき使用したデータは、拡張期血圧の値と上記5項目すべてが得られた714名のものである。LASSO回帰は上と同様に行った。得られた予測モデルを図18に示す。
本予測モデルによる予測値と実測値の関係を図19に示す。予測値と実測値の相関係数は0.542と、相関が認められ、予測が可能となった。
以上のように、脂質代謝機能の代表指標である中性脂肪の予測は、Actinobacteria門Actinobacteria綱に属するRothia属細菌、Bacteroidetes門Bacteroidia綱に属するPorphyromonas属細菌、Prevotella属細菌およびTannerella属細、Bacteroidetes門Flavobacteriia綱に属するCapnocytophaga属細菌、Firmicutes門Clostridia綱に属するFilifactor属細菌、Peptostreptococcus属細菌およびEubacterium属細菌、Firmicutes門Erysipelotrichia綱に属するSolobacterium属細菌、Firmicutes門Negativicutes綱に属するSelenomonas属細菌およびMegasphaera属細菌、Firmicutes門Tissierellia綱に属するParvimonas属細菌およびSpirochaetes門Spirochaetia綱に属するTreponema属細菌の口腔内試料中の存在量の情報により達成できる。
本実施例では、唾液中の口腔内細菌叢から年齢の予測を行った。
1.唾液サンプルの採取
実施例1と同様。
2.唾液サンプル中の口腔細菌の検出
実施例1と同様。
3.唾液サンプルと対応付けられた年齢の情報
本実施例における予測対象として、対象者のアンケート調査により得られた年齢の値を使用した。この値が得られた対象者は上記941名のうち937名であった。ここで、得られた年齢の値とは、10代、20代、30代、40代、50代および60代以上の6つの選択肢からなるアンケートの結果であり、これに1~6の数字を順に割り当てて解析に使用した。
4.予測モデルの作成
表3に示す65項目の口腔細菌データを説明変数とし、年齢を予測するモデルをLASSO回帰により作成した。このとき使用したデータは、年齢の値が得られた937名のものである。LASSO回帰については実施例1と同様に行った。得られた予測モデルを図20に示す。
本予測モデルによる予測値と実年齢の関係を図21に示す。予測値と実測値の相関係数は0.468と、相関が認められ、予測が可能となった。
以上のように、年齢の予測は、Actinobacteria門Actinobacteria綱に属するActinomyces属細菌、Corynebacterium属細菌およびRothia属細菌、Bacteroidetes門Bacteroidia綱に属するPorphyromonas属細菌、Prevotella属細菌、Alloprevotella属細菌およびTannerella属細、Bacteroidetes門Flavobacteriia綱に属するCapnocytophaga属細菌、Firmicutes門Bacilli綱に属するLactobacillus属細菌およびStreptococcus属細菌、Firmicutes門Clostridia綱に属するFilifactor属細菌およびEubacterium属細菌、Firmicutes門Negativicutes綱に属するSelenomonas属細菌、Firmicutes門Tissierellia綱に属するParvimonas属細菌、Proteobacteria門Betaproteobacteria綱に属するEikenella属細菌、Proteobacteria門Epsilonproteobacteria綱に属するCampylobacter属細菌、Proteobacteria門Gammaproteobacteria綱に属するAggregatibacter属細菌およびHaemophilus属細菌、Spirochaetes門Spirochaetia綱に属するTreponema属細菌およびCanididate division SR1門に属するSR1 bacteriaの口腔内試料中の存在量の情報により達成できる。
本実施例では、唾液中の口腔内細菌叢から口臭の代表的指標である呼気中の硫化水素濃度の予測を行った。
1.唾液サンプルの採取
実施例1と同様。
2.唾液サンプル中の口腔細菌の検出
実施例1と同様。
3.唾液サンプルと対応付けられた年齢の情報
本実施例における予測対象として、対象者の呼気中の硫化水素濃度の値を使用した。硫化水素濃度は口臭測定器オーラルクロマCHM-2(NISSHAエフアイエス株式会社製)を用いて測定した。測定は任意の時間に行った。この値が得られた対象者は上記941名のうち697名であった。呼気中の硫化水素濃度の値は正規性の観点から、対数を取った値を予測モデルの作成に用いた。ここで、値が0(=検出下限以下)になる対象者につては、対数を取るために、0.1で置き換えた。
4.予測モデルの作成
表3に示す65項目の口腔細菌データを説明変数とし、年齢を予測するモデルをLASSO回帰により作成した。このとき使用したデータは、呼気中の硫化水素濃度の値が得られた697名のものである。LASSO回帰については実施例1と同様に行った。得られた予測モデルを図22に示す。
本予測モデルによる予測値と実測値の関係を図23に示す。予測値と実測値の相関係数は0.386と、相関が認められ、予測が可能となった。
以上のように、口臭の代表的指標である呼気中の硫化水素濃度の予測は、Bacteroidetes門Bacteroidia綱に属するPorphyromonas属細菌、Prevotella属細菌およびAlloprevotella属細菌、Bacteroidetes門Flavobacteriia綱に属するCapnocytophaga属細菌、Firmicutes門Bacilli綱に属するStreptococcus属細菌、Firmicutes門Clostridia綱に属するPeptostreptococcus属細菌およびEubacterium属細菌、Firmicutes門Erysipelotrichia綱に属するSolobacterium属細菌、Proteobacteria門Gammaproteobacteria綱に属するAggregatibacter属細菌、Spirochaetes門Spirochaetia綱に属するTreponema属細菌およびCanididate division SR1門に属するSR1 bacteriaの口腔内試料中の存在量の情報により達成できる。
配列番号1〜74:合成DNA

Claims (6)

  1. 被験者から採取された口腔内試料に含まれるActinobacteria門、Bacteroidetes門、Canididate division SR1門、Firmicutes門、Fusobacteria門、Proteobacteria門およびSpirochaetes門から選択される細菌の存在量および該口腔内試料に含まれる総細菌量の情報から被験者の健康状態を評価または予測する方法。
  2. 口腔内試料に含まれる細菌がCanididate division SR1門、Actinobacteria綱、Gammaproteobacteria綱、Bacteroidia綱、Epsilonproteobacteria綱、Flavobacteriia綱、Betaproteobacteria綱、Clostridia綱、Fusobacteriia綱、Bacilli綱、Negativicutes綱、Tissierellia綱、Erysipelotrichia綱およびSpirochaetia綱から選択される細菌である請求項1記載の方法。
  3. 各細菌の存在量が該口腔内試料に含まれる総細菌量に占める存在比である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 被験者の健康状態が、肝機能、循環器機能、腎機能、糖代謝機能および脂質代謝機能に係る評価指標である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 被験者の健康状態が、年齢に係る評価指標である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 被験者の健康状態が、口臭に係る評価指標である1〜3のいずれか1項に記載の方法。

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