JP2021010319A - 捕虫器 - Google Patents

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杉本 重郎
Shigeo Sugimoto
重郎 杉本
浅野 史也
Fumiya Asano
史也 浅野
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Abstract

【課題】メンテナンスの手間を軽減しつつ、効率的に捕虫できる技術を提供する。【解決手段】この捕虫器1は、軸方向一方側へ光を出射する光源12と、光源12の軸方向一方側において軸方向他方側の気体を軸方向一方側へと排出するファン15と、光源12の軸方向一方側かつファン15の軸方向他方側において光源12からの光を径方向外側へと反射させる反射部材14と、ファン15の周方向外側を覆う筒状部241と、通気性を有する捕虫部材16を筒状部241の軸方向一方側の開口を覆う位置に取り付ける捕虫部材取付部245とを有する。光源からの光を径方向外側に反射することにより、水平方向の広い範囲に光が届く。また、光により昆虫を誘引し、ファンを用いて吸気するため、捕虫器から離れた場所にいる昆虫も捕らえられる。また、交換が必要な誘引剤や粘着シートを必須の構成としていないため、メンテナンスの手間を軽減しつつ、効率的に補虫できる。【選択図】図4

Description

本発明は、昆虫を捕獲するための捕虫器に関する。
従来、誘引剤や誘引光を用いて昆虫を誘引し、昆虫を捕まえる捕虫器が知られている。近年、有機栽培の増加により、農薬を用いることなく、捕虫器によって捕獲することによって害虫となる昆虫を駆除する方法が特に注目されている。従来の捕虫器については、例えば、特許文献1および特許文献2に記載されている。
特開2007−209323号公報 特許5252503号明細書
特許文献1および特許文献2に記載の捕虫器では、長時間継続して捕虫を行う場合、誘引剤や、粘着性の捕虫部材を定期的に取り替える必要がある。このため、農園などで複数の捕虫器を使用する場合、全ての捕虫器に部材の交換等のメンテナンスが必要となると、大きな手間となってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、メンテナンスの手間を軽減しつつ、効率的に捕虫できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、捕虫器であって、少なくとも軸方向一方側へ光を出射する光源と、前記光源の軸方向一方側に前記光源と間隔を空けて配置され、軸方向他方側の気体を軸方向一方側へと排出するファンと、前記光源の軸方向一方側かつ前記ファンの軸方向他方側に配置され、前記光源からの光を径方向外側へと反射させる反射部材と、前記ファンの周方向外側を覆う筒状部と、通気性を有する捕虫部材を、前記筒状部の軸方向一方側の開口を覆う位置に取り付ける捕虫部材取付部とを有する。
本願の第2発明は、第1発明の捕虫器であって、複数の前記光源は、周方向に等間隔に配置され、前記反射部材は、軸方向に沿って配置される円錐台または多角形錘台の傾斜面を有し、前記光源と軸方向に重なる位置に前記傾斜面が配置される。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の捕虫器であって、前記反射部材は、前記光源の光軸に沿う光を、軸方向に対して直交する方向よりもやや軸方向一方側へと反射する。
本願の第4発明は、第1発明ないし第3発明のいずれかの捕虫器であって、複数の前記光源は、第1波長を中心波長とする、第1光源と、前記第1波長とは異なる第2波長を中心波長とする、第2光源と、を含む。
本願の第5発明は、第1発明ないし第4発明のいずれかの捕虫器であって、複数の前記光源は、495nm以上570nm以下の緑色波長帯域を中心波長とする光源を含む。
本願の第6発明は、第1発明ないし第5発明のいずれかの捕虫器であって、複数の前記光源は、315nm以上380nm以下の近紫外線UV−A領域の波長帯域、または、380nm以上450nm以下の紫色波長帯域を中心波長とする光源を含む。
本願の第7発明は、第1発明ないし第6発明のいずれかの捕虫器であって、前記光源および前記反射部材の軸方向一方側、かつ、前記ファンの軸方向他方側に配置され、軸方向に沿う板状の粘着部材取付部をさらに有する。
本願の第8発明は、第1発明ないし第7発明のいずれかの捕虫器であって、前記光源の軸方向他方側において径方向に拡がる傘部と、少なくとも前記傘部から前記筒状部の軸方向他方側の開口までを筒状に覆う選択部材と、をさらに有し、前記選択部材は、複数の貫通孔を有する。
本願の第9発明は、第1発明ないし第7発明のいずれかの捕虫器であって、前記筒状部の軸方向他方側の開口を覆う選択部材をさらに有し、前記選択部材は、複数の貫通孔を有する。
本願の第1発明から第9発明によれば、光を用いて昆虫を誘引し、ファンを用いて吸気することにより、捕虫器から離れた場所にいる昆虫も捕らえることができる。また、交換等のメンテナンスが必要な誘引剤や粘着シートを必須の構成としていないため、メンテナンスの手間を軽減しつつ、効率的に補虫できる。また、光源からの光を径方向外側に反射することにより、水平方向の広い範囲に光が届く。したがって、昆虫を広い範囲から誘引できる。
特に、本願の第2発明によれば、光源からの光を効率良く径方向外側へと届けることができる。したがって、昆虫をより広い範囲から誘引できる。
特に、本願の第3発明によれば、反射した光がユーザの目に入りにくい。したがって、取扱いやすい。
特に、本願の第4発明によれば、2種類以上の波長帯域の光を用いることにより、誘引される昆虫の種類が増える。これによって、より効率良く昆虫を捕らえることができる。
特に、本願の第5発明によれば、ミナミキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ネギアザミウマ、タバココナジラミ、ナガマドキノコバエ、チャバネアオカメムシ等の昆虫を効率良く誘引できる。
特に、本願の第6発明によれば、ミカンキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ネギアザミウマ、タバココナジラミ、ナガマドキノコバエ、アシグロハモグリバエ、ショウジョウバエ、チャバネアオカメムシ等の昆虫を効率良く誘引できる。
特に、本願の第7発明によれば、捕らえられる昆虫の種類を知りたい場合に、粘着部材取付部に粘着部材を取り付ける。ファンを用いて捕虫すると、捕虫部材に溜まった昆虫は乾燥してしまうため、種類の判別が困難になる。そこで、粘着部材を配置することにより、一部の昆虫を判別可能に捕らえることができる。粘着部材取付部および粘着部材を軸方向に沿って配置することにより、粘着部材取付部および粘着部材が径方向外側からファンへと向かう気流の妨げとなりにくい。
特に、本願の第8発明および第9発明によれば、選択部材を配置することにより、捕らえる昆虫の大きさを選択できる。これにより、ミツバチなどの大きな益虫を捕らえることなく、小さな害虫を捕らえることができる。
一実施形態に係る捕虫器の側面図である。 一実施形態に係る捕虫器の側面図である。 一実施形態に係る捕虫器の断面図である。 一実施形態に係る捕虫器の断面図である。 一実施形態に係る捕虫器の使用時の様子を示した側面図である。 一実施形態に係る捕虫器のファン収容部、取付部および粘着部材の上面図である。 一変形例に係る捕虫器の側面図である。 一変形例に係る選択部材の部分側面図である。 他の変形例に係る捕虫器の断面図である。 他の変形例に係るファン収容部、取付部および粘着部材の上面図である。 変形例に係る選択部材の部分側面図である。 変形例に係る選択部材の部分側面図である。 変形例に係る選択部材の部分側面図である。 変形例に係る選択部材の部分側面図である。
以下では、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本願では、ファンに対して光源側を上方向、光源に対してファン側を下方向として上下方向を定義する。なお、この方向の定義は、捕虫器の使用時の姿勢を限定するものではない。
<1.第1実施形態>
図1および図2は、一実施形態に係る捕虫器1の側面図である。捕虫器1は、飛翔性昆虫(以下、単に「昆虫」と称する)を捕らえるための装置である。図3および図4は、捕虫器1の断面図である。図5は、捕虫器1の使用時の様子を示した側面図である。図6は、捕虫器1のファン収容部24、粘着部材取付部43および粘着部材17の上面図である。
捕虫器1は、筐体11と、光源12と、台座部13と、反射部材14と、ファン15とを有する。捕虫器1の各部は、中心軸9を中心として配置される。ここで、中心軸9に平行な方向を「軸方向」とする。また、光源12に対してファン15側を軸方向一方側、ファン15に対して光源12側を軸方向他方側とする。また、以下では、軸方向一方側を下方向または下側、軸方向他方側を上方向または上側と称する場合がある。
筐体11は、上方から下方へ向かって順に、傘部21、上側柱部22、下側柱部23およびファン収容部24を有する。
傘部21は、平板状の下傘部211と、下傘部211の上方をドーム状に覆う上傘部212とを有する。下傘部211および上傘部212の間の空間には、光源12およびファン15に電力を供給するための回路基板10が収容されている。また、傘部21の上部には、捕虫器1をぶら下げるための取っ手25が取り付けられている。
上側柱部22は、傘部21の下面から下方へ延びる柱状の部位である。本実施形態では、上側柱部22は、傘部21の下傘部211と一体に形成されている。下側柱部23は、ファン収容部24の上面から上方へ延びる柱状の部位である。図3に示すように、上側柱部22と下側柱部23とは、台座部13の一部を挟み込んでねじ止めされる。これにより、傘部21および上側柱部22と、下側柱部23およびファン収容部24とが互いに固定されるとともに、台座部13が筐体11に対して固定される。
ファン収容部24は、内部の空間にファン15を収容する。ファン収容部24は、ファン15の外側を覆う筒状部241と、筒状部241の軸方向他方側を覆う上板部242と、筒状部241の軸方向一方側を覆う下板部243と、筒状部241の外周をさらに覆うカバー部244と、カバー部244の外周面から径方向外側へ拡がるフランジ245とを有する。
上板部242は、上下方向に貫通する複数の吸引孔246を有する。また、下板部243は、上下方向に貫通する複数の排出孔247を有する。図6に示すように、本実施形態の吸引孔246は、円弧状に延びる。なお、吸引孔246および排出孔247はそれぞれ、捕獲対象とする昆虫が通過できる大きさであることが好ましい。
フランジ245は、捕虫袋16を取り付けるための捕虫部材取付部である。捕虫器1の使用時には、図3〜図5に示すように、筒状部241の軸方向一方側の開口を覆う位置に、捕虫袋16が取り付けられる。
捕虫袋16は、通気性を有する捕虫部材である。本実施形態の捕虫袋16は、不織布により袋状に形成される。なお、捕虫袋16は、通気性を有する素材であれば、布、紙、目の細かいネットや網等のその他の素材が用いられてもよい。また、本発明の捕虫部材は、袋状の部材に限られない。捕虫部材は、例えば、枠体に通気性を有する素材を張ったものであってもよい。
また、本実施形態の捕虫袋16は、その開口部付近がゴムによって軽く閉められている。当該ゴム部分をフランジ245の上側においてカバー部244の周囲に沿わせることにより、ゴム部分がフランジ245に当たって捕虫袋16が下方へとずり落ちるのを抑制する。捕虫袋16の交換時には、当該ゴム部分を広げて捕虫器1から捕虫袋16を取り外すことができるため、手を汚すことなく捕虫袋16を交換できる。このような捕虫袋16を用いることにより、捕虫袋16の交換を容易に行うことができる。
光源12は、傘部21の下面に配置された複数のLED光源30により構成される。それぞれのLED光源30の光軸は、軸方向一方側に向けられている。このため、LED光源30は、少なくとも軸方向一方側へ光を出射する。
本実施形態では光源12は6つのLED光源30を有する。6つのLED光源30は、中心軸9を中心とする円周に沿って、周方向に略等間隔に配置される。
6つのLED光源30は、第1波長を中心波長とする3つの第1光源31と、第2波長を中心波長とする3つの第2光源32とを含む。第2波長は、第1波長とは異なる波長である。このように、2種類以上の波長帯域の光を用いることにより、誘引される昆虫の種類が増える。これによって、効率良く昆虫を誘引できる。第1光源31と第2光源32とは、周方向に交互に配置される。
本実施形態では、第1波長は、495nm以上570nm以下の緑色波長帯域の波長である。この第1波長の光により、ミナミキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ネギアザミウマ、タバココナジラミ、ナガマドキノコバエ、チャバネアオカメムシ等の昆虫を効率良く誘引できる。また、第2波長は、315nm以上380nm以下の近紫外線UV−A波長帯域の波長、または、380nm以上450nm以下の紫色波長帯域の波長である。この第2波長の光により、ミカンキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ネギアザミウマ、タバココナジラミ、ナガマドキノコバエ、アシグロハモグリバエ、ショウジョウバエ、チャバネアオカメムシ等の昆虫を効率良く誘引できる。
台座部13は、反射部材14を保持するための部材である。台座部13は、本体部41と、2つの固定部42と、粘着部材取付部43とを有する。本実施形態の台座部13は、一体に成型された樹脂により構成される。
本体部41の外表面は、下方に向かうにつれて拡がる円錐台形状である。本体部41は、中心軸9に沿って配置される。本体部41の外表面には、反射部材14が固定される。
固定部42はそれぞれ、本体部41の下端部かつ外端部から径方向外側に向かって板状に延びる。固定部42には、上下に貫通する固定孔420(図3参照)が設けられている。上側柱部22と下側柱部23とは、固定部42を挟み込んでねじ止めされる。このとき、固定用のねじが固定孔420に挿入されるため、台座部13の水平方向の移動が抑制される。
粘着部材取付部43は、台座部13から下方へ延びる板状の部位である。粘着部材取付部43の少なくとも一部は、光源12および反射部材14の軸方向一方側、かつ、ファン15の軸方向他方側に配置される。また、粘着部材取付部43は、軸方向に沿って配置される。
反射部材14は、光源12の軸方向一方側、かつ、ファン15の軸方向他方側に配置される。反射部材14は、その表面が鏡面であり、光の反射率が高い。反射部材14は、光源12からの光を径方向外側へと反射させる。本実施形態の反射部材14は、フレキシブルな素材で形成されている。反射部材14は、台座部13の本体部41の外表面に沿って貼付される。これにより、反射部材14は、軸方向に沿って配置される円錐台状の傾斜面となる。なお、当該傾斜面は、多角形錘台状であってもよい。また、図4に示すように、反射部材14の傾斜面は、光源12と軸方向に重なる位置に配置される。
図4中には、光源12の光軸に沿う光の進む経路が、実線矢印で示されている。反射部材14が光源12からの光を径方向外側へと反射させることにより、光源12の光が水平方向の広い範囲まで届く。これにより、農園などの広い土地で捕虫器1を用いる場合に、捕虫器1の有効面積(効果が及ぶ範囲)が広くなる。特に、上記のように光源12と反射部材14の傾斜面を配置することにより、光源12から出射された光を効率良く径方向外側へと届けることができる。したがって、昆虫をより広い範囲から誘引できる。
また、図4に示すように、反射部材14は、光源12の光軸に沿う光を、軸方向に対して直交する方向(水平方向)よりもやや軸方向一方側(下側)へと反射する。具体的には、反射部材14は、光源12の光軸に沿う光を、軸方向に対して直交する方向よりも2°軸方向一方側に傾いた方向へと反射する。これにより、ユーザが捕虫器1の設置やメンテナンスを行う際に、反射した光がユーザの目に入りにくい。したがって、ユーザが捕虫器1を取扱いやすい。このように、反射部材14が、光源12の光軸に沿う光を、軸方向に対して直交する方向よりも1°〜5°軸方向一方側に傾いた方向へと反射することが好ましい。その結果、水平方向に近い角度で広い範囲に光を拡散できるとともに、反射した光がユーザの目に入りにくくなる。
ファン15は、光源12の軸方向一方側に、光源12と間隔を空けて配置される。ファン15は、軸方向他方側の気体を軸方向一方側へと排出する軸流ファンである。ファン15が駆動させると、図4虫の破線矢印のように、吸引孔246を介してファン収容部24の上方の空気を吸引し、排出孔247を介してファン収容部24の下方へと排出する。これにより、傘部21とファン収容部24の間の空間においては、当該空間の径方向外側から径方向内側へと向かう気流が発生する。
捕虫器1の使用時には、光源12を点灯させるとともにファン15を駆動させる。すると、光源12から反射部材14を介して周囲に照射される光に誘引されて捕虫器1の周囲に集まった昆虫が、ファン15により生じた気流によってファン15の方へと吸引される。そして、ファン15の下方に配置された捕虫袋16に捕らえられる。
このように、この捕虫器1では、ファン15によって吸引された昆虫を通気性を有する捕虫袋16で捕らえる。昆虫を粘着性の捕虫部材で捕らえる場合、昆虫の張り付いた捕虫部材を交換する際に手が汚れる等の手間が生じる。それに対し、この捕虫器1の捕虫袋16は交換が容易であり、捕虫部材の交換時の手間が軽減される。
捕虫器1の使用時には、捕虫袋16に捕らえられた昆虫は、ファン15からの気流を受け続けるため、乾燥して粉砕されやすくなる。このため、捕らえられた昆虫の種類を判別しにくくなる。そこで、本実施形態の捕虫器1では、図5に示すように、使用時に、粘着部材取付部43に粘着部材17を取り付けることができる。このようにすれば、捕虫器1の周囲からファン15へと向かう昆虫の一部が粘着部材17に貼り付く。粘着部材17に張り付いた昆虫は粉砕されないため、どのような種類の昆虫が捕虫器1によって捕らえられているかを判別できる。このように、捕らえられた昆虫の種類を知りたい場合には、粘着部材17を用いることができる。
本実施形態では、図5および図6に示すように、粘着部材取付部43および粘着部材17を軸方向に沿って配置する。これにより、粘着部材取付部43および粘着部材17が、捕虫器1の径方向外側からファン15へと向かう気流の妨げとなりにくい。
<2.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
図7は、一変形例に係る捕虫器1Aの側面図である。図8は、図7の例の捕虫器1Aの選択部材18Aの部分側面図である。この捕虫器1Aは、上記の実施形態の捕虫器1に加え、選択部材18Aを有する。この捕虫器1Aにおいて、傘部21Aは、光源12Aの軸方向他方側において径方向に拡がる。選択部材18Aは、少なくとも、傘部21Aから、ファン収容部24Aの筒状部241Aの軸方向他方側の開口までを筒状に覆う。図7の例では、選択部材18Aは、傘部21Aから、筒状部241Aの軸方向一方側の端部までを筒状に覆う。
選択部材18Aは、複数の貫通孔180Aを有するネット状の部材である。貫通孔180Aは、捕虫袋の気流を通すための孔と比べて十分大きい。これにより、捕虫器1Aの駆動時に、ファンにより生じた気流によって捕虫器1Aの径方向外側からファン収容部24Aの軸方向他方側の開口を介してファンへと向かう気流が選択部材18Aの貫通孔180Aを通過する。これにより、貫通孔180Aよりも大きな昆虫が捕虫器1Aによって捕らえられない。すなわち、選択部材18Aを配置することにより、捕らえる昆虫の大きさを選択できる。
農園において、例えば、ミツバチ等の昆虫は受粉を行うために必要な益虫である。このため、ミツバチを、捕虫器1Aを用いるビニールハウス内に放虫する場合がある。このような益虫を捕虫器1Aで捕らえてしまうと、受粉が行われないという問題が生じる。しかしながら、アザミウマやコナジラミ等の害虫が誘引される波長帯域の光によって、ミツバチ等の益虫も誘引されてしまう。
そこで、図7の例のように、貫通孔180Aを有する選択部材18Aをファンへ向かう気流の経路上に配置することにより、貫通孔180Aを通過できる昆虫のみを選択的に捕らえることができる。貫通孔180Aは、例えば、その短径が4mm〜6mmである。このような大きさにすれば、アザミウマやコナジラミ等の小さな害虫は貫通孔180Aを通過可能であり、ミツバチ等の益虫は貫通孔180Aを通過できない。
なお、図7の例の捕虫器1Aでは、図8に示すように、選択部材18Aは四角い貫通孔180Aを有するフレキシブルなネット状の部材である。しかしながら、選択部材は、硬い板状の部材や、フレキシブルなシート状の部材に貫通孔が設けられたものであってもよい。
図9は、他の変形例に係る捕虫器1Bの断面図である。図10は、図9の例の捕虫器1Bのファン収容部24B、粘着部材取り付け部43B、粘着部材17Bおよび選択部材18Bの上面図である。この捕虫器1Bでは、選択部材18Bが、ファン収容部24Bの筒状部241Bの軸方向他方側の開口を覆う。具体的には、選択部材18Bは、ファン収容部24Bの上板部242Bの上面に、吸引孔246Bを覆うように配置される。
選択部材18Bは、図7の例の選択部材18Aと同様に、複数の貫通孔180Bを有するネット状の部材である。貫通孔180Bは、捕虫袋の気流を通すための孔と比べて十分大きい。また、貫通孔180Bの短径は、上板部242Bに設けられた吸引孔246Bの短径よりも小さい。このため、図9および図10の例のように、貫通孔180Bを有する選択部材18Bをファン15Bへ向かう気流の経路上に配置することにより、貫通孔180Bを通過できる昆虫のみを選択的に捕らえることができる。
図9および図10の例の捕虫器において、ミツバチの放虫時に、捕獲対象の昆虫を観察するために粘着部材17Bを取り付けると、捕獲対象でないミツバチまで粘着部材17Bに貼り付く虞がある。そこで、粘着部材取り付け部をファン15Bよりも下側に設けてもよい。例えば、ファン収容部24Bの下端部に粘着部材取り付け部を設ける。この場合、使用時には、捕虫袋の内部に、粘着部材取り付け部と、粘着部材取り付け部に取り付けられた粘着部材とが配置される。このようにすれば、粘着部材が選択部材18Bよりも下流側に配置されるため、捕獲対象でないミツバチ等の比較的大きな昆虫が粘着部材に貼り付くのを抑制できる。
図7の例の捕虫器1Aや、図9および図10の例の捕虫器1Bにおいて、選択部材18A,18Bは着脱自在である。このため、例えば、捕虫器1A,1Bは、ビニールハウス内に受粉用のミツバチを放虫していない場合には、選択部材18A,18Bを装着せずに使用し、ミツバチの放虫を行う場合には、選択部材18A,18Bを装着して使用してもよい。
図11〜図14は、他の変形例に係る選択部材18C〜18Fの部分側面図である。図11の例の選択部材18Cは、円形の貫通孔180Cを有する。図11の例のように、貫通孔の形状は四角形に限られない。選択部材の貫通孔は、例えば、三角形、五角形、六角形その他の任意の形状であってもよい。
図12の例の選択部材18Dは、円形の貫通孔180Dのそれぞれに、突起181Dが設けられている。突起181Dは、貫通孔180Dの縁部の一部から貫通孔180Dの中心へ向かって突出する。図13の例の選択部材18Eは、円形の貫通孔180Eのそれぞれに、3つの突起181Eが設けられている。3つの突起181Eは、貫通孔180Eの縁部の3箇所から貫通孔180Eの中心へ向かって突出する。図14の例の選択部材18Eは、四角形の貫通孔180Fのそれぞれに、4つの突起181Fが設けられている。4つの突起181Fはそれぞれ、貫通孔180Fの角部から貫通孔180Fの中心へ向かって突出する。
図12〜図14の例では、各貫通孔180D〜180Fに、1つまたは複数の突起181D〜181Fが設けられている。これにより、比較的大きな昆虫が貫通孔180D〜180Fを通ってファン側へと吸引されるのをより抑制できる。
また、捕虫器の細部の構成については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1,1A,1B 捕虫器
9 中心軸
11 筐体
12,12A 光源
14 反射部材
15,15B ファン
16 捕虫袋
17,17B 粘着部材
18A,18B,18C,18D,18E,18F 選択部材
21,21A 傘部
24,24A,24B ファン収容部
30 LED光源
31 第1光源
32 第2光源
43,43B 粘着部材取付部
180A,180B,180C,180D,180E,180F 貫通孔
241,241A,241B 筒状部
245 フランジ

Claims (9)

  1. 少なくとも軸方向一方側へ光を出射する光源と、
    前記光源の軸方向一方側に前記光源と間隔を空けて配置され、軸方向他方側の気体を軸方向一方側へと排出するファンと、
    前記光源の軸方向一方側かつ前記ファンの軸方向他方側に配置され、前記光源からの光を径方向外側へと反射させる反射部材と、
    前記ファンの外側を覆う筒状部と、
    通気性を有する捕虫部材を、前記筒状部の軸方向一方側の開口を覆う位置に取り付ける捕虫部材取付部と、
    を有する、捕虫器。
  2. 請求項1に記載の捕虫器であって、
    複数の前記光源は、周方向に等間隔に配置され、
    前記反射部材は、軸方向に沿って配置される円錐台または多角形錘台の傾斜面を有し、
    前記光源と軸方向に重なる位置に前記傾斜面が配置される、捕虫器。
  3. 請求項1または2に記載の捕虫器であって、
    前記反射部材は、前記光源の光軸に沿う光を、軸方向に対して直交する方向よりもやや軸方向一方側へと反射する、捕虫器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の捕虫器であって、
    複数の前記光源は、
    第1波長を中心波長とする、第1光源と、
    前記第1波長とは異なる第2波長を中心波長とする、第2光源と、
    を含む、捕虫器。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の捕虫器であって、
    複数の前記光源は、495nm以上570nm以下の緑色波長帯域を中心波長とする光源を含む、捕虫器。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の捕虫器であって、
    複数の前記光源は、315nm以上380nm以下の近紫外線UV−A領域の波長帯域、または、380nm以上450nm以下の紫色波長帯域を中心波長とする光源を含む、捕虫器。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の捕虫器であって、
    前記光源および前記反射部材の軸方向一方側、かつ、前記ファンの軸方向他方側に配置され、軸方向に沿う板状の粘着部材取付部
    をさらに有する、捕虫器。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の捕虫器であって、
    前記光源の軸方向他方側において径方向に拡がる傘部と、
    少なくとも前記傘部から前記筒状部の軸方向他方側の開口までを筒状に覆う選択部材と、
    をさらに有し、
    前記選択部材は、複数の貫通孔を有する、捕虫器。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の捕虫器であって、
    前記筒状部の軸方向他方側の開口を覆う選択部材
    をさらに有し、
    前記選択部材は、複数の貫通孔を有する、捕虫器。
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