実施の形態1.
図2は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。図2について説明する。無線アクセスネットワークは、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)201と称される。通信端末装置である移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)202は、基地局装置(以下「基地局(E-UTRAN NodeB:eNB)」という)203と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。
ここで、「通信端末装置」とは、移動可能な携帯電話端末装置などの移動端末装置だけでなく、センサなどの移動しないデバイスも含んでいる。以下の説明では、「通信端末装置」を、単に「通信端末」という場合がある。
移動端末202に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局203で終端するならば、E−UTRANは1つあるいは複数の基地局203によって構成される。
移動端末202と基地局203との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)は、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局203と移動端末202との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDとがある。
RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができる。またRRC_CONNECTEDでは、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbour cell)の測定(メジャメント(measurement))などが行われる。
基地局203は、eNB207と、Home−eNB206とに分類される。通信システム200は、複数のeNB207を含むeNB群203−1と、複数のHome−eNB206を含むHome−eNB群203−2とを備える。またコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)と、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN201とで構成されるシステムは、EPS(Evolved Packet System)と称される。コアネットワークであるEPCと、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN201とを合わせて、「ネットワーク」という場合がある。
eNB207は、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)、あるいはS−GW(Serving Gateway)、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という場合がある)204とS1インタフェースにより接続され、eNB207とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのeNB207に対して、複数のMME部204が接続されてもよい。eNB207間は、X2インタフェースにより接続され、eNB207間で制御情報が通信される。
Home−eNB206は、MME部204とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB206とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのMME部204に対して、複数のHome−eNB206が接続される。あるいは、Home−eNB206は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)205を介してMME部204と接続される。Home−eNB206とHeNBGW205とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW205とMME部204とはS1インタフェースを介して接続される。
一つまたは複数のHome−eNB206が一つのHeNBGW205と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW205は、一つまたは複数のMME部204と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
MME部204およびHeNBGW205は、上位装置、具体的には上位ノードであり、基地局であるeNB207およびHome−eNB206と、移動端末(UE)202との接続を制御する。MME部204は、コアネットワークであるEPCを構成する。基地局203およびHeNBGW205は、E−UTRAN201を構成する。
さらに3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB206間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home−eNB206間は、X2インタフェースにより接続され、Home−eNB206間で制御情報が通信される。MME部204からは、HeNBGW205はHome−eNB206として見える。Home−eNB206からは、HeNBGW205はMME部204として見える。
Home−eNB206が、HeNBGW205を介してMME部204に接続される場合および直接MME部204に接続される場合のいずれの場合も、Home−eNB206とMME部204との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。
基地局203は、1つのセルを構成してもよいし、複数のセルを構成してもよい。各セルは、移動端末202と通信可能な範囲であるカバレッジとして予め定める範囲を有し、カバレッジ内で移動端末202と無線通信を行う。1つの基地局203が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、移動端末202と通信可能に構成される。
図3は、本発明に係る通信端末である図2に示す移動端末202の構成を示すブロック図である。図3に示す移動端末202の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部301からの制御データ、およびアプリケーション部302からのユーザデータが、送信データバッファ部303へ保存される。送信データバッファ部303に保存されたデータは、エンコーダー部304へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部303から変調部305へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部304でエンコード処理されたデータは、変調部305にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部306へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ307から基地局203に送信信号が送信される。
また、移動端末202の受信処理は、以下のように実行される。基地局203からの無線信号がアンテナ307により受信される。受信信号は、周波数変換部306にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部308において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部309へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部301へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部302へ渡される。移動端末202の一連の処理は、制御部310によって制御される。よって制御部310は、図3では省略しているが、各部301〜309と接続している。
図4は、本発明に係る基地局である図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。図4に示す基地局203の送信処理を説明する。EPC通信部401は、基地局203とEPC(MME部204など)、HeNBGW205などとの間のデータの送受信を行う。他基地局通信部402は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部401および他基地局通信部402は、それぞれプロトコル処理部403と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部403からの制御データ、ならびにEPC通信部401および他基地局通信部402からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部404へ保存される。
送信データバッファ部404に保存されたデータは、エンコーダー部405へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部404から変調部406へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部406にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部407へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ408より一つもしくは複数の移動端末202に対して送信信号が送信される。
また、基地局203の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末202からの無線信号が、アンテナ408により受信される。受信信号は、周波数変換部407にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部409で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部410へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部403あるいはEPC通信部401、他基地局通信部402へ渡され、ユーザデータはEPC通信部401および他基地局通信部402へ渡される。基地局203の一連の処理は、制御部411によって制御される。よって制御部411は、図4では省略しているが、各部401〜410と接続している。
図5は、本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。図5では、前述の図2に示すMME部204に含まれるMME204aの構成を示す。PDN GW通信部501は、MME204aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部502は、MME204aと基地局203との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部501から、ユーザプレイン通信部503経由で基地局通信部502に渡され、1つあるいは複数の基地局203へ送信される。基地局203から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部502から、ユーザプレイン通信部503経由でPDN GW通信部501に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部501から制御プレイン制御部505へ渡される。基地局203から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部502から制御プレイン制御部505へ渡される。
HeNBGW通信部504は、HeNBGW205が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME204aとHeNBGW205との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部504から受信した制御データは、HeNBGW通信部504から制御プレイン制御部505へ渡される。制御プレイン制御部505での処理の結果は、PDN GW通信部501経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部505で処理された結果は、基地局通信部502経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局203へ送信され、またHeNBGW通信部504経由で1つあるいは複数のHeNBGW205へ送信される。
制御プレイン制御部505には、NASセキュリティ部505−1、SAEベアラコントロール部505−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部505−3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部505−1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部505−2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部505−3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE−IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末202のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
MME204aは、1つまたは複数の基地局203に対して、ページング信号の分配を行う。また、MME204aは、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME204aは、移動端末が待ち受け状態のとき、および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。MME204aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME204aに接続されるHome−eNB206のCSGの管理、CSG IDの管理、およびホワイトリストの管理は、アイドルステートモビリティ管理部505−3で行われてもよい。
次に通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図6は、LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。通信端末は、セルサーチを開始すると、ステップST601で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(Synchronization Signal:SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCIに1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST602で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST601で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST603で、ステップST602までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST604で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST605で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、トラッキングエリアコード(Tracking Area Code:TAC)が含まれる。
次にステップST606で、通信端末は、ステップST605で受信したSIB1のTACと、通信端末が既に保有しているトラッキングエリアリスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。トラッキングエリアリストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはトラッキングエリアを識別するための識別情報であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはトラッキングエリアのコード番号である。
通信端末は、ステップST606で比較した結果、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれなければ、通信端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにトラッキングエリアの変更を要求する。
コアネットワークを構成する装置(以下「コアネットワーク側装置」という場合がある)は、TAU要求信号とともに通信端末から送られてくる該通信端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、トラッキングエリアリストの更新を行う。コアネットワーク側装置は、通信端末に更新後のトラッキングエリアリストを送信する。通信端末は、受信したトラッキングエリアリストに基づいて、通信端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、通信端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
スマートフォンおよびタブレット型端末装置の普及によって、セルラー系無線通信によるトラフィックが爆発的に増大しており、世界中で無線リソースの不足が懸念されている。これに対応して周波数利用効率を高めるために、小セル化し、空間分離を進めることが検討されている。
従来のセルの構成では、eNBによって構成されるセルは、比較的広い範囲のカバレッジを有する。従来は、複数のeNBによって構成される複数のセルの比較的広い範囲のカバレッジによって、あるエリアを覆うように、セルが構成されている。
小セル化された場合、eNBによって構成されるセルは、従来のeNBによって構成されるセルのカバレッジに比べて範囲が狭いカバレッジを有する。したがって、従来と同様に、あるエリアを覆うためには、従来のeNBに比べて、多数の小セル化されたeNBが必要となる。
以下の説明では、従来のeNBによって構成されるセルのように、カバレッジが比較的大きいセルを「マクロセル」といい、マクロセルを構成するeNBを「マクロeNB」という。また、小セル化されたセルのように、カバレッジが比較的小さいセルを「スモールセル」といい、スモールセルを構成するeNBを「スモールeNB」という。
マクロeNBは、例えば、非特許文献7に記載される「ワイドエリア基地局(Wide Area Base Station)」であってもよい。
スモールeNBは、例えば、ローパワーノード、ローカルエリアノード、ホットスポットなどであってもよい。また、スモールeNBは、ピコセルを構成するピコeNB、フェムトセルを構成するフェムトeNB、HeNB、RRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)またはRN(Relay Node)であってもよい。また、スモールeNBは、非特許文献7に記載される「ローカルエリア基地局(Local Area Base Station)」または「ホーム基地局(Home Base Station)」であってもよい。
図7は、マクロeNBとスモールeNBとが混在する場合のセルの構成の概念を示す図である。マクロeNBによって構成されるマクロセルは、比較的広い範囲のカバレッジ701を有する。スモールeNBによって構成されるスモールセルは、マクロeNB(マクロセル)のカバレッジ701に比べて範囲が小さいカバレッジ702を有する。
複数のeNBが混在する場合、あるeNBによって構成されるセルのカバレッジが、他のeNBによって構成されるセルのカバレッジ内に含まれる場合がある。図7に示すセルの構成では、参照符号「704」または「705」で示されるように、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702が、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701内に含まれる場合がある。
また、参照符号「705」で示されるように、複数、例えば2つのスモールセルのカバレッジ702が、1つのマクロセルのカバレッジ701内に含まれる場合もある。移動端末(UE)703は、例えばスモールセルのカバレッジ702内に含まれ、スモールセルを介して通信を行う。
また図7に示すセルの構成では、参照符号「706」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702とが複雑に重複する場合が生じる。
また、参照符号「707」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ701と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ702とが重複しない場合も生じる。
さらには、参照符号「708」で示されるように、多数のスモールeNBによって構成される多数のスモールセルのカバレッジ702が、1つのマクロeNBによって構成される1つのマクロセルのカバレッジ701内に構成される場合も生じる。
データの伝送速度の向上の要求から、3GPPでは、遅延時間の削減が検討されている(非特許文献7参照)。遅延時間の削減方法の一つとして、接続状態のUEを対象にした送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)の短縮が提案されている。現在のLTEの規格において、TTI=1サブフレームであるところを、例えば、TTI=1スロット、あるいは、TTI=1シンボルとすることが提案されている。1サブフレームは1msであり、1スロットは0.5msであり、1シンボルは0.1msである。
TTIは送信時間の単位であり、TTI毎にデータがスケジューリングされ、物理リソースにマッピングされて送信される。例えば、現在の規格であるTTI=1サブフレームの場合、1サブフレームの間にデータスケジューリングおよび物理リソースマッピングが行われるように決められている。したがって、現在の規格は、短縮したTTIには対応していない。
現在のLTEのキャリア上で、従来のTTI規格に対応するレガシーUE(legacy UE)とともに、新たに短縮されたTTIに対応するUE(以下「LR−UE」という)をサポートさせること、すなわち後方互換性(バックワードコンパチブル)を持たせることは、何の工夫もなければ困難である。3GPPでは、これらの問題については、まだ何ら議論されていない。
本実施の形態では、この問題を解決する方法を開示する。
PDSCHについて開示する。レガシーUEのデータがマッピングされる共有チャネルであるPDSCHは、サブフレーム単位で物理リソースにマッピングされる。現在のLTE規格においては、レガシーUEのPDSCHは、物理リソースにPRBペア(PRB pair)でマッピングされる。ただし、従来のPDSCHは、PDCCH領域にはマッピングされない。
PRBは、物理リソースブロック(Physical Resource Block)で、周波数軸方向は12サブキャリア、時間軸方向は1スロットの物理リソースからなる。PRBペアは、時間軸上の2つのPRBからなる(非特許文献9参照)。
図8は、従来のPDSCHの物理リソースへのマッピングについて説明するための図である。図8において、横軸は時間tを示し、縦軸は周波数fを示す。
図8に示す例では、1スロットは7シンボルからなる。したがって、1サブフレームは14シンボルからなる。1サブフレームの先頭の3シンボルには、PDCCHがマッピングされる。先頭から4シンボル以降に、PDSCHがマッピングされる。1PRBは、縦軸である周波数軸方向の12サブキャリアと、横軸である時間軸方向の1スロットの物理リソースとからなる。図8では、PRBを参照符号「11」、「12」、「21」、「22」で示す。
図8に示すように、従来のPDSCHは、2つのスロットの2つのPRBからなるPRBペアにマッピングされる。ただし、従来のPDSCHは、PDCCH領域にはマッピングされない。図8に示す例では、1番目のサブフレームであるサブフレーム#1は、周波数領域が同じPRB11,12からなるPRBペア10にマッピングされている。2番目のサブフレームであるサブフレーム#2は、スロット間で周波数領域が異なるPRB21,22からなるPRBペア20にマッピングされている。すなわち、周波数ホッピングがなされる。
また、PDSCHは、PDCCHを用いてスケジューリングされる。PDCCHは、PDCCH領域にマッピングされる。すなわち、PDSCHがマッピングされる物理リソースは、PRBペア単位でスケジューリングされる。時間的には1サブフレーム単位でスケジューリングされることになる。
しかし、短縮されたTTIで動作するUE(LR−UE)は、TTIが1サブフレームより短くなるので、そのPDSCHの物理リソースへのマッピングに、レガシーUEの前記マッピング方法を適用することはできず、何らかの新たな方法が必要とされる。
特許文献1には、TTIを短縮した場合の運用方法が記載されている。しかし、特許文献1には、TTIを短縮することは記載されているが、依然、TTI=1サブフレーム単位で構成される方法が開示されている。すなわち、従来のサブフレーム単位のスケジューリングと同様である。したがって、特許文献1には、短縮されたTTI、例えば、TTI=1スロット、およびTTI=1シンボルなどでのサポートについては開示されていない。また、LTEの同一キャリア上で、短縮されたTTIをサポートするためには、LR−UEとレガシーUEとの共存が図られなければならない。特許文献1には、従来のTTIと短縮されたTTIとの2種類のデータを、1サブフレーム内でどのようにマッピングして送信するかについての開示は無い。
LTEの同一キャリア上で、短縮されたTTIをサポートするためには、これらの問題を解決する方法が必要である。本発明では、これらの問題の解決方法を開示する。
本実施の形態では、LR−UEのPDSCHを、従来のPDSCHがマッピングされる物理リソース領域にPRB単位でマッピングする。一つのPDSCHに対して、一つまたは複数のPRBを用いてもよい。
LR−UEのPDSCHは、レガシーUEのPDSCHがマッピングされるPRBペアを避けてマッピングする。
LR−UEのPDSCHは、従来のPDCCHがマッピングされるシンボルを除いたシンボルにマッピングする。
図9は、実施の形態1におけるLR−UEのPDSCHの物理リソースへのマッピングについて説明するための図である。図9に示すように、レガシーUEは、2つのPRB31,32、すなわち参照符号「30」で示されるPRBペア単位でマッピングされる。LR−UEは1つのPRB単位でマッピングされる。LR−UE#1とLR−UE#3とは、1番目のスロットであるスロット#0のみにマッピングされる。LR−UE#2は、2番目のスロットであるスロット#1のみにマッピングされる。PDSCHがスケジューリングされないPRBが、PRB単位で発生してもよい。例えば、参照符号「33」で示されるPRBには、PDSCHはスケジューリングされない。PDSCHは、PDCCH領域を除く領域の物理リソースにマッピングされる。このようにPRB内のPDCCH領域は、PDSCHなどがマッピングされる領域から除かれるので、図9以降の図では、PDSCHなどがマッピングされる領域をPRBとして示すこととする。
このような方法でLR−UEのPDSCHを物理リソースにマッピングすることによって、LR−UEのPDSCHを1TTI毎に物理リソースにマッピングすることが可能となる。さらに、レガシーUEのPDSCHと、LR−UEのPDSCHとを、1サブフレーム内の物理リソースに、ともにマッピングすることが可能となる。
PDCCHについて説明する。従来のスケジューリングは、サブフレーム単位で行われる。レガシーUEのPDSCHは、サブフレーム単位でスケジューリングされ、サブフレーム単位で物理リソースにアロケーションされる。スケジューリングのための制御情報は、下り制御情報(Downlink Control Information:DCI)に含まれ、PDCCHにマッピングされる。PDCCHは、サブフレーム毎に先頭から1〜4シンボルにマッピングされる。1〜4シンボルのうち、いくつのシンボルが用いられるかは、PCFICHで示される。PDCCHは、1サブフレーム内の最初のスロットのみにマッピングされる(非特許文献9,10参照)。
しかし、LR−UEは、TTIが1サブフレームより短くなり、アロケーションされる物理リソースも1サブフレームより短くなる。したがって、サブフレーム単位で行われる従来のスケジューリング方法を適用することはできない。すなわち、サブフレーム毎のPDCCHでスケジューリングすることはできない。
また、LTEの同一キャリア上で、短縮されたTTIをサポートするためには、LR−UEとレガシーUEとの共存が図られなければならない。これらの問題を解決する方法を以下に開示する。
LR−UEに対して、短縮したTTIのデータ毎のスケジューリングを行う。LR−UEのPDSCHに対して、短縮したTTI毎にスケジューリングを行う。TTI=1スロットとした場合、スロット単位でスケジューリングを行う。LR−UEのPDSCHに対して、スロット単位で物理リソースへのアロケーションを行う。
スロット毎のPDCCHを設ける。スロット毎のPDCCHで1TTIデータ毎のスケジューリングを行う。スロット毎のPDCCHでスロット単位のスケジューリングを行う。
スロット毎の下り制御情報(DCI)をPDCCHに含める。DCIには、下り(DL)スケジューリング情報、上り(UL)スケジューリング情報などが含まれる。スケジューリング情報には、物理リソースのアロケーション情報、MCS(Modulation and Coding Scheme)情報などが含まれる。
従来のPDCCHと同様に、スロット毎のPDCCHの物理リソース領域は、スロット内の一つまたは複数のシンボルに、システム帯域全体にわたって設ける。サブフレーム内の1番目のスロットのスロット毎のPDCCHは、従来のPDCCHがマッピングされるシンボルを避けてマッピングしてもよい。これによって、従来のPDCCHとの衝突を避けることができる。
従来のPDCCHがマッピングされるシンボルに続けて次のシンボルからマッピングしてもよい。これによって、PDCCHの物理リソース領域を時間的に連続にすることができる。
サブフレーム内2番目のスロットのスロット毎のPDCCHは、スロット内最初のシンボルからマッピングしてもよい。
PDCCHの物理リソースへのマッピング方法は、従来のPDCCHと同様の方法を適用するとよい。
スロット毎のPCFICHを設けてもよい。スロット毎のPCFICHは、スロット毎のPDCCHの用いられるシンボル数を示す。スロット毎のPDCCHがマッピングされる領域の先頭のシンボルにマッピングされるとよい。スロット毎のPCFICHの物理リソースへのマッピング方法は、従来のPCFICHと同様の方法を適用するとよい。
スロット毎のPCFICHで、スロット毎のPDCCHがマッピングされるシンボル数を示す。LR−UEは、スロット毎のPCFICHを受信することによって、スロット毎のPDCCHのシンボル数を認識することができる。
図10は、実施の形態1におけるスロット毎のPDCCHについて説明するための図である。従来のPDCCHが、参照符号「40」で示される1サブフレームの先頭の2シンボルにマッピングされる場合を示す。LR−UE用のPDCCHは、スロット毎にマッピングされる。LR−UE用のPDCCHは、サブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0では、参照符号「41」で示される3シンボル目にマッピングされる。LR−UE用のPDCCHは、サブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1では、参照符号「42」で示される1シンボル目にマッピングされる。サブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0では、従来のPDCCHがマッピングされる領域(以下「PDCCH領域」という場合がある)40を避けて、LR−UEのPDCCHがマッピングされる。
図10において太い矢印で示すように、従来のPDCCH領域40には、レガシーUEのPDCCHがマッピングされ、該PDCCHで、レガシーUEの1サブフレーム単位のPDSCHのスケジューリングを行う。LR−UEのPDCCHで、スロット単位のPDSCHのスケジューリングを行う。LR−UEのPDCCHで、同一スロットのPDSCHのスケジューリングを行う。
図10に示す例では、サブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0の3番目のシンボル41にマッピングされるLR−UEのPDCCHで、LR−UE#1、LR−UE#3のPDSCHのスケジューリングが行われる。サブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1の1番目のシンボル42にマッピングされるLR−UEのPDCCHで、LR−UE#1、LR−UE#2のPDSCHのスケジューリングが行われる。
サブフレーム内の1番目のスロットにマッピングされるスロット毎のPDCCHは、従来のPDCCHがマッピングされるシンボルに多重してマッピングされてもよい。この場合、例えば、LR−UE用のスロット毎のPDCCHと、レガシーUE用の従来のPDCCHとを、従来のPDCCH領域にマッピングするとよい。これによって、スロット毎のPDCCH領域を別途設ける必要がなくなる。
また、サブフレーム内の1番目のスロットでは、スロット毎のPCFICHが不要となる。従来のPCFICHを用いればよい。LR−UEは、レガシーUEと同じく、従来のPCFICHを受信することによって、PDCCHのシンボル数、およびPDSCHがマッピングされる先頭のシンボル番号を認識することが可能となる。
図11は、実施の形態1におけるマッピング方法を説明するための図である。図11では、スロット毎のPDCCHを従来のPDCCH領域にマッピングする方法について説明する。図11に示す例では、サブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0のLR−UEのPDCCHを、従来のPDCCH領域50にマッピングする。例えば、LR−UEのPDCCHは、スロット#0の1番目のシンボル51にマッピングされる。スロット#0のLR−UEのPDCCHは、従来のPDCCHと多重されてマッピングされる。サブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1のLR−UEのPDCCHは、図10に示す例と同様に、2番目のスロットであるスロット#1の先頭のシンボル52にマッピングされる。
図11に示す例では、サブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0のLR−UE#1、LR−UE#3のPDSCHのスケジューリングは、従来のPDCCH領域50にマッピングされるLR−UEのPDCCHで行われる。サブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1のLR−UE#1、LR−UE#2のPDSCHのスケジューリングは、同じスロット#1にマッピングされるLR−UEのPDCCHで行われる。
LR−UE用のDCIとして、1TTI=1スロット毎のDCIを新たに設けるとよい。例えば、LR−UE用のDCIフォーマットを新たに設ける。このようにすることによって、PDCCHを用いて、短縮されたTTI毎のスケジューリングを行うことが可能となる。
また例えば、該DCIに、スロット単位であることを示す情報およびスロットを特定する情報の少なくとも一方の情報を設ける。具体的には、該DCIに、1TTIデータ毎のスケジューリング情報を設けるとよい。スケジューリング情報としては、アロケーション情報およびMCS情報などがある。アロケーション情報としては、PRB単位の物理リソースの情報がある。例えば、PRBの数、PRB番号などである。
eNBは、LR−UE用に、レガシーUE用のPRBペア以外のPRBをスケジューリングする。
LR−UE用のDCIをPDCCHにマッピングする。LR−UE用のPDCCHには、LR−UEのC−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier)でスクランブルされたCRCを用いるとよい。これによって、従来のUE用のPDCCHと同様に、LR−UE自身のC−RNTIでPDCCHを検出することが可能となる。
PDCCHは、サブフレームの先頭から1番目のシンボルから4番目のシンボルにマッピングされる。PDCCHの物理リソースへのマッピング方法、例えばCCE(Control Channel Element)を用いる方法などは、従来と同じとしてもよい。従来と同じとすることによって、PDCCHの物理リソースへのマッピング方法を新たに決める必要が無く、レガシーUEへのPDCCHとLR−UEへのPDCCHとを混在させることが可能となる。これによって、後方互換性を持たせることができる。
LR−UEの動作について開示する。LR−UEは、スロット毎のPCFICHおよび従来のPCFICHの少なくとも一方を受信し、各スロットのPDCCH領域のシンボル数、および各スロットのPDSCH領域先頭のシンボル番号を認識する。
LR−UEは、スロット毎のPDCCH領域あるいは従来のPDCCH領域を自身のC−RNTIで検出する。これによって、LR−UEは、自身宛てのPDCCHを検出できる。LR−UEは、自身のC−RNTIで検出したPDCCHからDCIを取得する。LR−UEは、DCI中のスケジューリング情報を用いてPDSCHを受信する。どのスロット、どのPRBにPDSCHがアロケーションされているかを認識するために、スロット情報およびスロット毎のPRB情報を用いるとよい。LR−UEは、スケジューリング情報を用いて、受信したPDSCHを復調して、データを取得する。LR−UEは、復調用のRSとして、CRSを用いてもよい。
LR−UEのスロット毎のPDCCHをシステム帯域全体にマッピングすると、レガシーUEのPDSCHと衝突してしまう。図10および図11に示すように、レガシーUEのPDSCHは、1サブフレーム単位でマッピングされている。図10では、該サブフレームの1番目および2番目のスロットにおいて、図11では、該サブフレームの2番目のスロットにおいて、システム帯域全体にわたって、LR−UEのスロット毎のPDCCHがマッピングされるシンボル41,42,52が発生する。
これによって、該シンボル41,42,52において、レガシーUEのPDSCHとスロット毎のPDCCHとが衝突することになる。この衝突によって、該シンボル41,42,52で、レガシーUEのPDSCHが欠落することになる。したがって、レガシーUEによるPDSCHの受信性能は劣化することになる。
しかし、LR−UEのスロット毎のPDCCHを、比較的少ないシンボル、例えば図10および図11に示すように1シンボルとすることによって、レガシーUEは、CRCチェックなどの復調時の利得によって、データの受信性能の劣化を低減することができる。
また、前述の図11に示すように、1番目のスロットにおいて、従来のPDCCHがマッピングされる領域50に、LR−UEのスロット毎のPDCCHをマッピングする方法を用いることによって、レガシーUEへの影響を、さらに少なくすることができる。これによって、レガシーUEにおけるデータの受信性能の劣化をさらに低減することができる。したがって、レガシーUEは、データを受信することが可能となる。
また、本実施の形態で開示した方法を用いることによって、LR−UEも、スロット毎のPDCCHを受信することが可能となり、同一スロットの、スロット毎のPDSCHを受信することが可能となる。
したがって、LTEの同一キャリア内に、レガシーUEとLR−UEとの両者を共存させることが可能となる。また、このようにすることによって、従来のマッピング方法と同様の方法を用いることができ、マッピング方法の制御を統一することができる。したがって、実装を容易にすることができる。
eNBは、レガシーUEのPDSCHに対しては、サブフレーム単位でスケジューリングを行い、LR−UEのPDSCHに対しては、TTIに対応する単位でスケジューリングを行う。eNBは、レガシーUEのPDSCHに対して、サブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0までに、既に、サブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1も含めたサブフレーム単位のスケジューリングを行っている。
eNBは、サブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1においてLR−UEのPDSCHをスケジューリングする場合、レガシーUEのPDSCHがマッピングされるPRBペアを除いた物理リソースを用いてスケジューリングする。仮に、LR−UEのPDSCHをスケジューリングするために必要となる物理リソースが、レガシーUEのPDSCHがマッピングされるPRBペアを除いた残余の物理リソースでは不足する場合、その後のTTI、例えば、次のサブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0で、スケジューリングできなかったLR−UEのPDSCHをスケジューリングするとよい。このように、eNBは、TTIに対応する単位で、柔軟にスケジューリングを行うことが可能となる。
eNBは、サブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0において、サブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1にスケジューリングする可能性のあるLR−UEのPDSCHも考慮に入れたスケジューリングを行ってもよい。例えば、接続状態にあるLR−UEの数、LR−UEに対する下り送信バッファに存在するデータ量などを用いて、該スケジューリングを行ってもよい。
HARQについて開示する。HARQは、TTI単位で行う。LR−UEに対しては、短縮したTTI、すなわち本実施の形態ではスロット単位で行うとよい。また、レガシーUEに対しては、従来のTTI、すなわちサブフレーム単位で行う。
LR−UEに対しては、前述に開示した方法、または後述するPUCCHに関して開示した方法で、短縮したTTI単位でスケジューリングを行うことが可能であるので、下りリンクに対して、短縮したTTI単位でHARQを行うことが可能となる。同様に、LR−UEに対しては、前述に開示した方法で、または後述するPHICHおよびPUSCHに関して開示した方法で、短縮したTTI単位でスケジューリングを行うことが可能であるので、上りリンクに対して、短縮したTTI単位でHARQを行うことが可能となる。
LR−UEのHARQにおいて、RTT(Round Trip Time)を短縮するとよい。短縮したTTI単位でスケジューリングを行うことが可能であるので、RTTを短縮することが可能となる。RTTを短縮させる方法として、例えば、eNBにおける、下りデータの送信タイミングから上りAck/Nackの受信タイミングまでの時間、または該上りAck/Nackの受信タイミングから下りデータの再送タイミングまでの時間を短縮するとよい。また、上りデータのスケジューリングタイミングから上りデータの受信タイミングまでの時間、または該上りデータの受信に対する下りAck/Nackの送信もしくは上り再送データのスケジューリングタイミングまでの時間を短縮するとよい。eNBにおける場合について記載したが、UEにおける場合も同様である。
RTTを短縮させる場合、従来のRTTにかかるTTI数を同じとしてもよい。従来のTTIに比べて時間が短縮されたTTIが用いられるので、TTI数が同じであっても、RTTの時間は短縮される。例えば、eNBにおける、下りデータの送信タイミングから上りAck/Nackの受信タイミングまでのTTI数、または該上りAck/Nackの受信タイミングから下りデータの再送タイミングまでのTTI数を、従来のTTI数と同じとするとよい。また、上りデータのスケジューリングタイミングから上りデータの受信タイミングまでのTTI数、または該上りデータの受信に対する下りAck/Nackの送信もしくは上り再送データのスケジューリングタイミングまでのTTI数を同じとするとよい。eNBにおける場合について記載したが、UEにおける場合も同様である。
以上のようにすることによって、再送制御を高速に行うことが可能となる。これによって、低遅延となり、データの伝送速度を向上させることができる。
また、短縮したTTI単位のHARQでは、HARQのプロセス数を増大させてもよい。例えば、従来のTTIのHARQのプロセス数が8であった場合、TTI=1スロットの場合のHARQのプロセス数を、2倍の16にする。このようにすることによって、RTTの時間を同じとしても、HARQのプロセス数が増大することになる。HARQのプロセス数を増大させ、データの処理数を増大させることによって、データの伝送速度の向上を図ることができる。
以上のように本実施の形態によれば、レガシーUEのPDSCHは、サブフレーム単位で物理リソースにマッピングされる。LR−UEのPDSCHは、レガシーUEのPDSCHがマッピングされる物理リソースの領域に、PRB単位でマッピングされる。これによって、LR−UEのPDSCHを、TTI毎に物理リソースにマッピングすることが可能になる。したがって、LR−UEに対するデータの伝送速度を向上させることが可能となる。また、レガシーUEのPDSCHと、LR−UEのPDSCHとを、1つのサブフレーム内の物理リソースに共存させることが可能になる。したがって、種々のTTIに対応可能であり、後方互換性を有する通信システムを実現することができる。
また本実施の形態では、レガシーUEのPDSCHは、PRBペア単位で物理リソースにマッピングされ、LR−UEのPDSCHは、レガシーUEのPDSCHがマッピングされるPRBペアを除いた残余の物理リソースにマッピングされる。これによって、より確実に、レガシーUEのPDSCHと、LR−UEのPDSCHとを、1つのサブフレーム内の物理リソースに共存させることができる。
また本実施の形態では、レガシーUEのPDSCHは、サブフレーム単位でスケジューリングが行われ、LR−UEのPDSCHは、TTIに対応する単位でスケジューリングが行われる。これによって、より確実に、レガシーUEのPDSCHと、LR−UEのPDSCHとを、1つのサブフレーム内の物理リソースに共存させることができる。
実施の形態1 変形例1.
実施の形態1では、スロット毎のPDCCHを設けてスロット毎にマッピングする方法を開示した。スロット毎のPDCCHの問題点として、特に2番目のスロットでのレガシーUEのPDSCHとの衝突があることを述べた。
スロット毎のPDCCHのシンボル数を少なくして、レガシーUEのPDSCH復調時の利得によってデータの受信性能の劣化を低減できることを述べたが、UEとeNBとの間の電波伝播環境およびUEの能力などによっては、受信品質の劣化および受信誤りの増大を引き起こすおそれがある。本変形例では、この問題を解決する方法について開示する。
実施の形態1では、サブフレーム内の1番目のスロットのスロット毎のPDCCHは、従来のPDCCHがマッピングされるシンボルに多重してマッピングしてもよいことを開示した。
本変形例では、さらに、サブフレーム内の2番目のスロットのスロット毎のPDCCHを、従来のPDCCHがマッピングされるシンボルに多重してマッピングする。
サブフレーム内の2つのスロットのスロット毎のPDCCHを、従来のPDCCHがマッピングされるシンボルに多重してマッピングする。
これによって、サブフレーム内の2番目のスロットにも、スロット毎のPDCCH領域を別途設ける必要がなくなる。
従来のPDCCH領域にマッピングされる2つのスロット毎のPDCCHで、同一サブフレーム内の2つのスロットのPDSCHのスケジューリングを行う。任意の一つのLR−UEに対して、2つのスロット毎のPDCCHを用いて2スロット分のスケジューリングを行ってもよい。
図12は、実施の形態1の変形例1におけるマッピング方法を説明するための図である。図12では、2つのスロット毎のPDCCHを従来のPDCCH領域にマッピングする方法について説明する。本変形例では、サブフレーム内の1番目および2番目のスロットであるスロット#0,#1のLR−UEのPDCCHを、従来のPDCCH領域60にマッピングする。LR−UEのPDCCHは、従来のPDCCHと多重されてマッピングされる。図12に示す例では、サブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0のLR−UE#1およびLR−UE#3、ならびにサブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1のLR−UE#2のPDSCHのスケジューリングを行う各LR−UEのPDCCHが、従来のPDCCH領域60にマッピングされる。図12に示す例では、サブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1には、LR−UE#1のPDSCHはマッピングされない。参照符号「61」で示されるPRBには、PDSCHはスケジューリングされない。
図13は、実施の形態1の変形例1におけるマッピング方法の他の例を説明するための図である。図13では、2つのスロット毎のPDCCHを従来のPDCCH領域にマッピングする方法の他の例を説明する。図13では、サブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0と2番目のスロットであるスロット#1とに、LR−UE#1のスロット毎のPDSCHがスケジューリングされる場合を示している。各々のスロット毎のPDSCHをスケジューリングする各々のLR−UEのPDCCHは、従来のPDCCH領域60にマッピングされる。レガシーUEは、スロット間で周波数領域が異なるPRB71,72からなるPRBペア70にマッピングされる。
LR−UE用のDCIは、実施の形態1と同じく、1TTI=1スロット毎のDCIとするとよい。DCIには、1スロット分のスケジューリング情報が含まれる。
該DCIに、スロット単位であることを示す情報およびスロットを特定する情報の少なくとも一方の情報を設ける。該DCIに、1TTIデータ毎のスケジューリング情報を設けるとよい。スケジューリング情報としては、アロケーション情報およびMCS情報などがある。アロケーション情報としては、PRB単位の物理リソースの情報がある。例えば、PRBの数、PRB番号などである。スケジューリング情報に、TTI番号とスロット番号とを関連付ける情報を設けてもよい。これによって、LR−UEは、どのTTIデータがどのスロットにマッピングされるかを認識することができる。
スロット毎のDCIを各々スロット毎のPDCCHにマッピングして、該スロット毎のPDCCHで、サブフレーム内の1番目および2番目のスロットのスケジューリングを行う。
従来のPDCCH領域を用いて、任意のLR−UEに対して、該PDCCH領域が存在するサブフレーム内の2スロット分のスケジューリングを行うことが可能となる。各スロットのスケジューリング情報は異なってもよいし、スロット以外は同じであってもよい。
LR−UE用のPDCCHには、LR−UEのC−RNTIでスクランブルされたCRCを用いるとよい。これによって、従来のUE用のPDCCHと同様に、LR−UE自身のC−RNTIでPDCCHを検出することが可能となる。
PDCCHは、サブフレームの先頭から1番目のシンボルから4番目のシンボルにマッピングされる。PDCCHの物理リソースへのマッピング方法、例えばCCEを用いる方法などは、従来と同じとしてもよい。従来と同じとすることによって、PDCCHの物理リソースへのマッピング方法を新たに決める必要が無く、レガシーUEへのPDCCHとLR−UEへのPDCCHとを混在させることが可能となる。これによって、後方互換性を持たせることができる。
LR−UEの動作について開示する。LR−UEは、従来のPCFICHを受信し、従来のPDCCH領域のシンボル数およびPDSCH領域の先頭のシンボル番号を認識する。
LR−UEは、従来のPDCCH領域を自身のC−RNTIで検出する。これによって、LR−UEは、自身宛てのPDCCHを検出することができる。LR−UEのPDCCHが2スロット分マッピングされている場合は、LR−UEは、自身のC−RNTIで2スロット分のPDCCHを検出する。LR−UEは、自身のC−RNTIで検出したPDCCHからDCIを取得する。LR−UEは、DCI中のスケジューリング情報を用いて、PDSCHを受信する。どのスロット、どのPRBにPDSCHがアロケーションされているかを認識するために、スロット情報およびスロット毎のPRB情報を用いるとよい。また、どのTTIのデータがどのスロットにマッピングされているかを認識するために、TTI情報を用いてもよい。LR−UEは、スケジューリング情報を用いて、受信したPDSCHを復調して、データを取得する。
HARQは、実施の形態1で開示した方法を適用するとよい。ただし、本変形例の場合、LR−UEに対するサブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1のPDSCHのDCIを含むPDCCHを、サブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0のPDCCH領域にマッピングする。したがって、サブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1のPDSCHについては、再送のためのPDSCHのDCIを含むPDCCHをマッピングするタイミングが1スロット早くなる。上りリンクにおいても同様である。
処理時間が間に合う場合は問題無いが、処理時間が間に合わないような場合は問題が生じる。また、処理時間が間に合わないだけでなく、他の何らかの理由によって再送タイミングを可変にしたい場合が存在する。このような課題を解決する方法として、非同期(asynchronous)のHARQとするとよい。再送タイミングを予め固定せず、再送データのスケジューリングによってタイミングを決定することによって、再送タイミングを可変にすることができる。したがって、サブフレーム内の2番目のスロットであるスロット#1のPDSCHに対する再送を、サブフレーム内の1番目のスロットであるスロット#0のPDCCH領域を用いてスケジューリングすることが可能となる。上りリンクにおいても同様である。なお、この方法は、実施の形態1にも適用することが可能である。
以上のようにすることによって、再送制御を高速に行うことが可能となる。これによって、低遅延となり、データの伝送速度を向上させることができる。また、データの処理数を増大させることによって、データの伝送速度の向上を図ることができる。また、非同期(asynchronous)のHARQとすることによって、処理時間が間に合わないような場合、および再送タイミングを柔軟に制御したい場合にも、HARQを行うことが可能となる。
本変形例で開示した方法を用いることによって、従来のPDCCH領域に2スロット分のスロット毎のPDCCHをマッピングできるので、1番目および2番目のスロットでスロット毎のPDCCHをマッピングするための物理リソース領域が不要となる。
したがって、スロット毎のPDCCHとレガシーUEのPDSCHとが衝突するようなことはなくなる。したがって、実施の形態1に比べて、前記衝突によるレガシーUEのデータの受信品質の劣化を無くすことが可能となる。
また、LR−UEも、短縮したTTI、ここではスロット毎のPDCCHを受信することが可能となり、スロット毎のPDSCHを受信することが可能となる。
したがって、遅延時間の短縮およびデータの伝送速度の向上を図ることができる。
また、LTEの同一キャリア内に、レガシーUEとLR−UEとの両者を共存させることが可能となる。
また、従来のマッピング方法と同様の方法を用いることができ、マッピング方法の制御を統一することができる。したがって、実装を容易にすることができる。
実施の形態1 変形例2.
実施の形態1の変形例1では、従来のPDCCH領域を用いて、2スロット分のスロット毎のPDCCHを送信する方法を開示した。
本変形例では、従来のPDCCH領域を用いて、LR−UEのPDCCHを送信する他の方法を開示する。
LR−UEのPDSCHに対して、PDCCHで2スロット単位のスケジューリングを行う。PDCCHで2スロット単位の物理リソースへのアロケーションを行う。LR−UEに対するPDCCHで、2TTI=2スロット分のデータをスケジューリングする。
LR−UEのPDSCHに対して、1スロット毎に一つまたは複数のPRBを用いてもよい。2スロットとも同じ数のPRBであってもよいし、各スロットで異なる数のPRBであってもよい。このようにすることによって、短縮したTTI毎のデータに対して柔軟なスケジューリングを行うことが可能となる。
図14は、実施の形態1の変形例2におけるスケジューリング方法を説明するための図である。図14では、LR−UEのPDCCHで2スロット単位のスケジューリングを行う方法について説明する。図14では、サブフレーム内の1番目のスロットと2番目のスロットに、LR−UE#1のスロット毎のPDSCHがスケジューリングされる場合を示している。各々のスロット毎のPDSCHを、一つのLR−UEのPDCCHでスケジューリングする。該LR−UEのPDCCHは、従来のPDCCH領域80にマッピングされる。
LR−UE用のDCIとして、2TTI=2スロット分のDCIを新たに設けるとよい。一つのDCIに、2スロット分のスケジューリング情報を含めてもよい。各スロットのスケジューリング情報は異なってもよい。一つのDCIに、スロット毎のアロケーション情報を2スロット分含めてもよい。
該DCIに、2スロット分であることを示す情報が含まれてもよい。あるいは、2スロット分のスケジューリング情報が含まれるDCIフォーマットを、新たなDCIフォーマットとしてもよい。これによって、LR−UEは、2スロット分のスケジューリング情報が含まれることを認識できる。
該DCIに、1TTIデータ毎のスケジューリング情報を2TTI分含めるとよい。スケジューリング情報として、アロケーション情報およびMCS情報などがある。アロケーション情報としては、PRB単位の物理リソースの情報がある。例えば、PRBの数およびPRB番号などである。
DCIに、どのスロットの情報かを特定する情報を設けてもよい。また、TTI番号とスロット番号とを関連付ける情報を設けてもよい。このようにすることによって、LR−UEは、どのTTIデータがどのスロットにマッピングされるかを認識することができる。
2スロット分データが無い場合、スケジューリング無し(no scheduling)あるいは無送信としてもよい。
他の方法として、従来のPRBペアのスケジューリング方法を適用してもよい。PRBペアは、1サブフレーム分のスケジューリング情報で特定される。1サブフレームは、2スロットである。したがって、PRBペアのスケジューリング方法を用いることによって、2スロット分のスケジューリングを行うことが可能となる。したがって、新たな方法を用いなくて済むので、通信システムが複雑化することを回避することが可能となる。
eNBは、LR−UE用に、レガシーUE用のPRBペア以外のPRBをスケジューリングする。
図15は、実施の形態1の変形例2におけるスケジューリング方法を説明するための図である。図15では、LR−UEのPDCCHに従来のPRBペアのスケジューリング方法を適用して2スロット単位のスケジューリングを行う方法について説明する。
図15に示す例では、サブフレーム内の1番目のスロットおよび2番目のスロットのLR−UE#1のPDSCHのスケジューリングを、PRBペアの方法を用いて、一つのLR−UEのPDCCHで行う。また、サブフレーム内の1番目のスロットおよび2番目のスロットのLR−UE#2のPDSCHについても同様に、PRBペアの方法を用いて、一つのLR−UEのPDCCHで行う。
図15に示す例では、スロット#0のPRB91とスロット#1のPRB94とからなるPRBペア95に、LR−UE#1がマッピングされる。スロット#0のPRB93とスロット#1のPRB92とからなるPRBペア96のうち、スロット#0のPRB93にLR−UE#2がマッピングされ、スロット#1のPRB92にLR−UE#2がマッピングされる。
図14および図15に示す例では、レガシーUEについて記載していないが、レガシーUEのPDSCHがマッピングされてもよい。その場合、該PDSCHのスケジューリングは、レガシーUEのPDCCHで行われる。レガシーUEのPDCCHは、従来のPDCCH領域80,90に、LR−UEのPDCCHと多重されてマッピングされる。以下、レガシーUEについては、特別な事がなければ、説明を省略する。
本変形例では、LR−UE用のDCIをPDCCHにマッピングする。LR−UE用のPDCCHには、LR−UEのC−RNTIでスクランブルされたCRCを用いるとよい。これによって、従来のUE用のPDCCHと同様に、LR−UE自身のC−RNTIでPDCCHを検出することが可能となる。
PDCCHは、サブフレームの先頭から1番目のシンボルから4番目のシンボルにマッピングされる。PDCCHの物理リソースへのマッピング方法、例えばCCEを用いる方法などは、従来と同じとしてもよい。従来と同じとすることによって、PDCCHの物理リソースへのマッピング方法を新たに決める必要が無く、レガシーUEへのPDCCHとLR−UEへのPDCCHとを混在させることが可能となる。これによって、後方互換性を持たせることができる。
LR−UEの動作について開示する。LR−UEは、PCFICHを受信し、PDSCH領域の先頭のシンボルを認識する。LR−UEは、PDCCH領域を自身のC−RNTIで検出する。これによって、LR−UEは、自身宛てのPDCCHを検出できる。LR−UEは、自身のC−RNTIで検出したPDCCHからDCIを取得する。LR−UEは、DCI中のスケジューリング情報を用いて、PDSCHを受信する。DCI中に2スロット分のスケジューリング情報がある場合、2スロット分のPDSCHを受信する。どのスロット、どのPRBにPDSCHがアロケーションされているかを認識するために、スロット情報およびスロット毎のPRB情報を用いるとよい。また、どのTTIのデータがどのスロットにマッピングされているかを認識するために、TTI情報を用いてもよい。LR−UEは、スケジューリング情報を用いて、受信したPDSCHを復調して、データを取得する。
HARQは、実施の形態1の変形例1で開示した方法を適用するとよい。これによって、実施の形態1の変形例1と同様の効果を得ることができる。他の方法として、HARQは、2TTI単位で行われるようにしてもよい。この場合は、レガシーUEもLR−UEも、HARQが1サブフレーム単位で行われることになるので、スケジューラが複雑化することを回避することができる。
本変形例で開示した方法を用いることによって、実施の形態1の変形例1と同様の効果を得ることが可能となる。
また、一つのDCIに2スロット分のスケジューリング情報を含ませることによって、PDCCH領域にマッピングするLR−UEのPDCCHの数を減らすことができる。したがって、PDCCHへのマッピングによる物理リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
また、LR−UEは、従来のPDCCH領域から一つのPDCCHを検出して受信することによって、2スロット分のスケジューリング情報を受信することが可能となる。これによって、LR−UEのPDCCH受信時間の短縮、および受信電力の削減が可能となる。
実施の形態1 変形例3.
実施の形態1の変形例1では、従来のPDCCH領域を用いて、2スロット分のスロット毎のPDCCHを送信する方法を開示した。本変形例では、従来のPDCCH領域を用いて、LR−UEのPDCCHを送信する他の方法を開示する。
eNBは、従来のPDCCH領域を用いて、直前のスロットのDCIを含むスロット毎のPDCCHと、PDCCH領域と同じスロットのDCIを含むスロット毎のPDCCHとを送信する。
eNBは、奇数番目のスロットであるスロット#奇数のPDSCHのスケジューリングを決定し、該スケジューリング情報をDCIに含ませ、該DCIをスロット毎のPDCCHにマッピングする。eNBは、該スロット毎のPDCCHを次のスロットのPDCCH領域にマッピングして送信する。eNBは、偶数番目のスロットであるスロット#偶数のPDSCHのスケジューリングを決定し、該スケジューリング情報をDCIに含ませ、該DCIをスロット毎のPDCCHにマッピングする。eNBは、該スロット毎のPDCCHを同じスロットのPDCCH領域にマッピングして送信する。
サブフレーム内の2番目のスロットのスロット毎のPDCCHは、次のサブフレームの従来のPDCCHがマッピングされるシンボルに多重してマッピングする。サブフレーム内の1番目のスロットのスロット毎のPDCCHは、同じサブフレームの従来のPDCCHがマッピングされるシンボルに多重してマッピングする。
従来のPDCCH領域にマッピングされる2つのスロット毎のPDCCHで、直前のスロットのPDSCHのスケジューリングと同じスロットのPDSCHのスケジューリングを行う。任意の一つのLR−UEに対して、2つのスロット毎のPDCCHを用いて、直前のスロットと同じスロットの2スロット分のスケジューリングを行ってもよい。
従来のPDCCH領域にマッピングされるスロット毎のPDCCHで、直前のスロットのPDSCHのスケジューリングを行う点で、前述の実施の形態1の変形例1と異なる。
図16は、実施の形態1の変形例3におけるスケジューリング方法を説明するための図である。図16では、従来のPDCCH領域にマッピングしたLR−UEのPDCCHで直前のスロットのスケジューリングと同じスロットのスケジューリングを行う方法について説明する。
本変形例では、サブフレーム内の1番目のスロットのLR−UEのPDSCHをスケジューリングするPDCCHと、その直前のサブフレームの2番目のスロットのLR−UEのPDSCHをスケジューリングするPDCCHとを、同じ従来のPDCCH領域にマッピングする。LR−UEのPDCCHは、従来のPDCCHと多重されてマッピングされる。
図16に示す例では、サブフレーム#2の1番目のスロットであるスロット#0のLR−UE#1,LR−UE#3のPDSCHのスケジューリングを行うPDCCHと、サブフレーム#1の2番目のスロットであるスロット#1のLR−UE#1,LR−UE#2のPDSCHのスケジューリングを行うPDCCHとを、サブフレーム#2の従来のPDCCH領域102にマッピングする。
サブフレーム#2では、レガシーUEは、周波数帯域が異なる2つのPRB103,104で構成されるPRBペア105にマッピングされる。サブフレーム#2の従来のPDCCH領域102にマッピングされるレガシーUEのPDCCHは、PRBペア105にマッピングされるレガシーUEのPDSCHのスケジューリングに用いられる。
サブフレーム#1の1番目のスロットであるスロット#0のLR−UE#1,LR−UE#3のPDSCHのスケジューリングを行うPDCCHは、サブフレーム#1の従来のPDCCH領域101にマッピングされる。
LR−UE用のDCIは、実施の形態1と同じくTTI毎、ここではスロット毎のDCIとするとよい。DCIには、1スロット分のスケジューリング情報が含まれる。
該DCIに、スロット単位であることを示す情報およびスロットを特定する情報の少なくとも一方の情報を設ける。該DCIに、サブフレームを特定する情報を設けてもよい。該DCIに、1TTIデータ毎のスケジューリング情報を設けるとよい。スケジューリング情報としては、アロケーション情報およびMCS情報などがある。アロケーション情報としては、PRB単位の物理リソースの情報がある。例えば、PRBの数およびPRB番号などである。スケジューリング情報に、TTI番号とスロット番号とを関連付ける情報、あるいは、TTI番号とサブフレーム番号とスロット番号とを関連付ける情報を設けてもよい。LR−UEは、どのTTIデータがどのスロットにマッピングされるかを認識することができる。
スロット毎のDCIを、それぞれ、スロット毎のPDCCHにマッピングして、該スロット毎のPDCCHで、従来のPDCCHがマッピングされるサブフレームの直前のスロットのスケジューリングと同じスロットのスケジューリングを行う。
従来のPDCCH領域を用いて、任意のLR−UEに対して、該PDCCH領域が存在するサブフレームの直前のスロットのスケジューリングと同じスロットのスケジューリングを行うことが可能となる。各スロットのスケジューリング情報は、異なっていてもよいし、スロット以外は同じであってもよい。
LR−UE用のPDCCHには、LR−UEのC−RNTIでスクランブルされたCRCを用いるとよい。従来のUE用のPDCCHと同様に、LR−UE自身のC−RNTIでPDCCHを検出することが可能となる。
PDCCHは、サブフレームの先頭から1番目のシンボルから4番目のシンボルにマッピングされる。PDCCHの物理リソースへのマッピング方法、例えばCCEを用いる方法などは、従来と同じとしてもよい。従来と同じとすることによって、PDCCHの物理リソースへのマッピング方法を新たに決める必要が無く、レガシーUEへのPDCCHとLR−UEへのPDCCHとを混在させることが可能となる。これによって、後方互換性を持たせることができる。
LR−UEの動作について開示する。LR−UEは、従来のPCFICHを受信し、従来のPDCCH領域のシンボル数およびPDSCH領域の先頭のシンボル番号を認識する。
LR−UEは、従来のPDCCH領域を自身のC−RNTIで検出する。これによって、LR−UEは、自身宛てのPDCCHを検出できる。LR−UEのPDCCHが2スロット分マッピングされている場合は、LR−UEは、自身のC−RNTIで2スロット分のPDCCHを検出する。LR−UEは、自身のC−RNTIで検出したPDCCHからDCIを取得する。LR−UEは、DCI中のスケジューリング情報を用いて、PDSCHを受信する。どのスロット、どのPRBにPDSCHがアロケーションされているかを認識するために、スロット情報およびスロット毎のPRB情報を用いるとよい。また、どのTTIのデータがどのスロットにマッピングされているかを認識するために、TTI情報を用いてもよい。LR−UEは、スケジューリング情報を用いて、受信したPDSCHを復調して、データを取得する。
本変形例においては、LR−UEは、検出したPDCCHのDCI中のスケジューリング情報によって、直前のスロットのPDSCHまたは同じスロットのPDSCHを受信する。
LR−UEは、スロット#奇数のスロットであるサブフレーム内の2番目のスロットを受信して記憶しておく。LR−UEは、サブフレーム内の2番目のスロットを受信した時点では、自身宛てのPDSCHがスケジューリングされているか否かを認識することができない。次のスロットの従来のPDCCH領域を受信して検出することによって、自身宛てのPDSCHが存在するか否かを判断することができる。したがって、LR−UEは、このようにサブフレーム内の2番目のスロットを受信して記憶することによって、スケジューリング情報を受信したスロットの直前のスロットのPDSCHを受信することが可能となる。
実施の形態1の変形例1または実施の形態1の変形例2で開示した方法では、例えば、eNBは、サブフレーム内の1番目のスロット期間内にデータが発生した場合、該スロットの直後のスロット、具体的にはサブフレーム内の2番目のスロットにスケジューリングすることはできない。該スロットのスケジューリング情報は、サブフレーム内の1番目のスロットの従来のPDCCH領域で送信済みであるからである。このような場合、eNBは、さらにその後のスロット、具体的には次のサブフレームの1番目のスロットまで1スロット待って、スケジューリング情報の送信とデータの送信とを行う必要が生じる。すなわち、データの発生タイミングによって、1スロット分の遅延が生じる場合がある。
しかし、本変形例で開示した方法を用いることによって、eNBは、サブフレーム内の1番目のスロット期間内にデータが発生した場合でも、該スロットの直後のスロット、具体的にはサブフレーム内の2番目のスロットにスケジューリングすることが可能となる。該スロットのスケジューリング情報は、次のサブフレーム内の1番目のスロットの従来のPDCCH領域で送信するからである。例えば、eNBは、サブフレーム内の1番目のスロット期間内にデータが発生した場合、サブフレーム内の2番目のスロットでデータのスケジューリングを行い、データをサブフレーム内の2番目のスロットにマッピングする。そして、eNBは、次のサブフレーム内の1番目のスロットで送信したデータのスケジューリング情報を送信する。
したがって、本変形例で開示した方法によって、データの発生後、スロット単位で即座にデータを送信することが可能となる。これによって、1スロット分の遅延を発生させないようにすることができる。
HARQは、実施の形態1の変形例1で開示した方法を適用するとよい。これによって、実施の形態1の変形例1と同様の効果を得ることができる。
本変形例で開示した方法を用いることによって、従来のPDCCH領域に2スロット分のスロット毎のPDCCHをマッピングできるので、1番目および2番目のスロットでスロット毎のPDCCHをマッピングするための物理リソース領域が不要となる。
したがって、スロット毎のPDCCHとレガシーUEのPDSCHとが衝突するようなことはなくなるので、前述の実施の形態1に比べて、該衝突によるレガシーUEのデータの受信品質の劣化を無くすことが可能となる。
また、LR−UEも、短縮したTTI、ここではスロット毎のPDCCHを受信することが可能となり、スロット毎のPDSCHを受信することが可能となる。
したがって、遅延時間の短縮およびデータの伝送速度の向上を図ることができる。
また、LTEの同一キャリア内に、レガシーUEとLR−UEとの両者を共存させることが可能となる。
また、従来のマッピング方法と同様の方法を用いることができ、マッピング方法の制御を統一することができる。したがって、実装を容易にすることができる。
また、実施の形態1の変形例1、および実施の形態1の変形例2では、データの発生タイミングによっては1スロットの遅延が発生するが、本変形例で開示した方法を用いることによって、1スロットの遅延を発生させないようにすることができる。したがって、遅延時間の短縮、およびデータの伝送速度の向上を図ることができる。
実施の形態1の変形例2で開示したPRBペアを用いる方法を適用してもよい。これによって、PDCCHの量を削減できる。また、PDCCHへのマッピングによる物理リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
また、LR−UEは、従来のPDCCH領域から一つのPDCCHを検出して受信することによって、2スロット分のスケジューリング情報を受信することが可能となる。したがって、LR−UEのPDCCH受信時間の短縮、および受信電力の削減が可能となる。
また、従来のPRBペアの方法を適用することによって、レガシーUEと統一した方法でスケジューリングを行うことができ、制御を容易にすることができる。
実施の形態1 変形例4.
現在のLTEの規格では、レガシーUEのPDSCHの物理リソースへのマッピングはPRBペアを用いて行われる。PRBペアのPRBが、周波数領域が同じ、すなわち、同じサブキャリアにマッピングされる方法であるローカライズド(localized)と、周波数領域が異なる、すなわち、異なるサブキャリアにマッピングされる方法であるディストリビューテッド(distributed)とがある。
しかし、LR−UEに対する短縮したTTIのデータをスロット毎に物理リソースにマッピングする場合、該データはスロット毎なので、ディストリビューテッドを行うことはできない。また、周波数ダイバーシチゲインを得ることができなくなってしまう。
このような問題を解決する方法を以下に開示する。LR−UEに対するPDSCHの物理リソースへのマッピングにおいて、1スロット内で、非連続の周波数領域、すなわち、非連続のサブキャリアにマッピングする。周波数領域としてPRB単位とするとよい。1スロット内で、ディストリビューテッドを行うことになる。
LR−UEに対して1スロット内で一つまたは複数のPRBをアロケーションすることを開示したが、該複数のPRBとして、連続的なPRBであってもよいし、非連続なPRBであってもよい。特定の周波数領域で電波環境が良好な場合、該周波数領域で連続的なPRB(ローカライズド)を用いることによって、通信品質を向上させることが可能となる。また、周波数フェージングがあるような場合、非連続なPRB(ディストリビューテッド)を用いることによって、特定の周波数領域の電波環境が悪かったとしても、所望の通信品質を得ることが可能となる。
非連続な複数のPRBをPRBセットとしてもよい。PRBセットのスケジューリング方法として、DCIにPRBセット情報を新たに設けてもよい。
PRBセットのアロケーション方法として、絶対的なPRBの番号を用いて該複数のPRBを特定する方法がある。この場合、アロケーション情報として、PRBセットの各PRBの絶対的なPRB番号を含めるとよい。
アロケーション情報として、最小のPRB番号と、次に続くPRBまでの周波数間隔情報、例えばサブキャリア数、あるいはPRB間隔情報、例えばPRB数を含めるとよい。PRBセットの最も小さいPRBの番号と、次に続くPRBまでの周波数間隔あるいはPRB間隔を用いて、該複数のPRBを特定することができる。
また、アロケーション情報に、PRBの個数情報を含めておいてもよいし、最後のPRBであることを示す情報を含めてもよいし、最後のPRBには次に続くPRBまでの周波数間隔情報またはPRB間隔情報を設定しないようにしてもよい。これによって、最後のPRBであることが認識される。
図17は、実施の形態1の変形例4におけるスケジューリング方法を説明するための図である。図17では、LR−UEに対して1スロット内で複数のPRBをスケジューリングする方法について説明する。本変形例では、LR−UEのPDSCHに、複数のPRBをマッピングする。LR−UEのPDCCHで該PDSCHに対して複数のPRBをアロケーションする。
図17に示す例では、サブフレーム内の1番目のスロットでは、LR−UE#1のPDSCHが非連続な2つのPRBにマッピングされる。該PDSCHのスケジューリングは、LR−UE#1のPDCCHで行われる。該PDCCHは、従来のPDCCH領域110にマッピングされる。
サブフレーム内の2番目のスロットでは、LR−UE#2のPDSCHが、連続する二つのPRBにマッピングされる。該PDSCHのスケジューリングは、LR−UE#2のPDCCHで行われる。該PDCCHは、従来のPDCCH領域110にマッピングされる。
アロケーション情報に、PRBの最初と最後のPRB番号情報を含めてもよい。各PRBの間隔が同じ周波数間隔であった場合、さらに、PRBの個数情報、PRB間の周波数間隔情報、例えばサブキャリア数、あるいはPRB間隔情報、例えばPRB数を含めることによって、該複数のPRBを特定することができる。
PRBが2つの場合、1スロット内のPRBペアとし、従来のPRBペアのアロケーション方法を適用してもよい。
LR−UE用の1スロット内のPRBペアか、レガシーUE用の2スロット間のPRBペアなのかを特定するための情報を設けるとよい。該情報をスケジューリング情報に含めてもよい。
あるいは、LR−UE用かレガシーUE用かを特定するための情報を設けてもよい。LR−UE用の場合、同一スロット内でのPRBペアが用いられるようにし、レガシーUE用の場合、2スロット間でのPRBペアが用いられるようにするとよい。このような方法にすることによって、従来と同じPRBペアの指定方法を適用することができるので、制御が複雑化することを回避することが可能となる。
他の方法として、eNBは、レガシーUEのPDCCHのDCIのPRBペア情報には従来の2スロット間のPRBペアの情報を設定し、LR−UEのPDCCHのDCIに含まれるPRBペア情報には、1スロット内でのPRBペアの情報を設定する。また、PRBペア情報を含むDCIを含むPDCCHが、LR−UE用か、またはレガシーUE用かで判断するようにする。このようにすることによって、レガシーUEまたはLR−UEは、自身がレガシーUEなのか、LR−UEなのかによって、PDCCHのPRBペアが、2スロット間のPRBペアなのか1スロット内のPRBペアなのかを判断することが可能となる。どのPRBペアなのかを示す明確な情報を不要とすることができる。
実施の形態1 変形例5.
実施の形態1では、スロット毎のPDCCHを設けてスロット毎にマッピングする方法を開示した。実施の形態1では、スロット内のシンボルにシステム帯域全体にわたってPDCCHを設けるので、問題点として、レガシーUEのPDSCHと衝突が避けられないことを述べた。
スロット毎のPDCCHのシンボル数を少なくしてレガシーUEのPDSCHへの影響を少なくし、復調時の利得によって、データの受信性能の劣化を低減できることを述べたが、UEとeNBとの間の電波伝播環境およびUEの能力などによっては、受信品質の劣化および受信誤りの増大を引き起こすおそれがある。本変形例では、この問題を解決する方法について開示する。
スロット内の一つまたは複数のPRBにスロット毎のPDCCHをマッピングする。スロット毎のPDCCHで1TTIデータ毎のスケジューリングを行う。スロット毎のPDCCHでスロット単位のスケジューリングを行う。スロット毎のPDCCHでスロット単位の物理リソースへのアロケーションを行う。スロット毎のPDCCHと同一スロットに割当てられているPDSCHのスケジューリングを行う。
このようにすることによって、スロット毎のPDCCHをマッピングする物理リソース領域を、システム帯域全体では無くすことができ、予め定めるPRB、すなわち予め定める周波数領域のみにすることができる。
したがって、レガシーUEのPDSCHと衝突しないように、スケジューリングを行うことが可能となる。
また、LR−UEの増大によってスロット毎のPDCCHが増え、PDCCHに必要となるシンボル数が増大した場合でも、レガシーUEのPDSCHとの衝突が無いので、該衝突によるデータの通信品質の劣化を防ぐことが可能となる。
スロット毎にLR−UE用のPDCCH領域を設けてもよい。PDCCHを物理リソースにマッピングする領域として、PRB単位としてもよい。一つまたは複数のPRBを用いてもよい。スロット毎のPDCCHをLR−EPDCCHとする。LR−UEのPDCCHとして、LR−EPDCCHを用いる。
LR−EPDCCHを、従来のPDSCHがマッピングされる物理リソース領域にマッピングする。
LR−UEのPDSCHは、レガシーUEのPDSCHがマッピングされるPRBペアを避けてマッピングする。
スロット#偶数のLR−EPDCCHは、従来のPDCCHがマッピングされるシンボル(1〜4シンボル)を除いてマッピングする。
図18は、実施の形態1の変形例5におけるスケジューリング方法を説明するための図である。図18では、LR−UEに対してLR−EPDCCHでスケジューリングする方法について説明する。図18に示すように、LR−EPDCCHは、スロット毎に従来のPDSCHがマッピングされる物理リソース領域にマッピングされる。例えば、LR−EPDCCH#1は、サブフレーム内の1番目のスロットにマッピングされ、LR−EPDCCH#2は、サブフレーム内の2番目のスロットにマッピングされる。
LR−EPDCCH#1は、LR−UE#1のPDCCHであり、同一のスロットのLR−UE#1のPDSCHのスケジューリングを行う。LR−EPDCCH#2は、LR−UE#2のPDCCHであり、同一のスロットのLR−UE#2のPDSCHのスケジューリングを行う。サブフレーム内の1番目のスロットのLR−EPDCCH#1は、従来のPDCCH領域111を除いたシンボルにマッピングされる。
スロット毎に予め定めるPRBを用いて、LR−UEのPDCCHをマッピングする領域(以下「LR−EPDCCH領域」という場合がある)を設けることを開示した。ここでは、さらに、LR−UEのPDCCHを該領域にマッピングする方法を開示する。
従来、予め定める周波数領域にマッピングする制御チャネルとして、EPDCCHがある。しかし、EPDCCHは、1サブフレーム全体にわたってマッピングされる。したがって、スロット毎のPDCCHのマッピング方法に、従来のEPDCCHのマッピング方法を適用した場合、予め定める周波数領域にマッピングすることは可能となるが、スロット毎にマッピングすることができなくなってしまう。
ここでは、スロット毎に予め定めるPRBを用いて、LR−UEのPDCCHをマッピングする方法を開示する。
1スロット単位のDCIをLR−EPDCCHにマッピングする。1スロット単位のDCIは、一つまたは複数の制御チャネルエレメント、ここではLR−ECCEに分割される。
LR−EPDCCHの物理リソースとして、一つまたは複数のRE(Resource Element)からなるLR−EREGを設ける。LR−ECCEは、LR−EREGにマッピングされる。
このようにすることによって、1スロット単位のDCIがLR−EPDCCHにマッピングされ、LR−EPDCCHは、1スロット内の物理リソースにマッピングされる。
任意の数のLR−EREGをPRB内に構成するとよい。例えば、LR−EREG=0〜15の16グループをPRB内に構成するとよい。この場合、従来のEPDCCH用のEREGの構成を用いてもよい(非特許文献11参照)。ただし、従来のEPDCCHは、PRBペア内で16グループのEREGが構成される。しかし、LR−EPDCCHではPRBペアは得られないので、EREGの構成をそのまま適用することはできない。
そこで、PRBペア内のEREGの配置は保ったまま、LR−EREGとしてPRB内のEREGのみ用いるようにする。このようにすることによって、EREGのグループ数とLR−EREGのグループ数とは同じ値を保ったまま、LR−EREGをPRB内に構成することが可能となる。
例えば、16グループのLR−EREGを1PRB内に構成する場合、1PRB内の1LR−EREG内に含まれるRE数は、4あるいは5となる。
LR−EREG数は、従来のEREGと同様に16グループを構成できるが、1LR−EREG当たりのRE数が半減することになる。
DCIをマッピングするのに必要となるRE数は、EPDCCHもLR−EPDCCHも同じである。したがって、LR−EREG内のRE数が半減してしまうと、DCIを入れられなくなってしまうという問題がある。このような問題を解決する方法を以下に開示する。
LR−UEに割当てるLR−EPDCCHセット数を増大させる。通常、eNBは、UEに対してEPDCCH領域を割当てる。この領域は、連続であってもよいし、非連続であってもよい。このEPDCCH領域を「EPDCCHセット」という場合がある。従来、UEに対して2つのEPDCCHセットの割当が可能である。
これと同様に、eNBがLR−UEに対して割当てるLR−EPDCCH領域をLR−EPDCCHセットとする。このLR−UEに割当て可能な最大のLR−EPDCCHセット数を2よりも増大させる。
UEは、2よりも大きい数のLR−EPDCCHセットを検索し、自身のLR−EPDCCHを受信する。
例えば、1LR−UEに対して、LR−EPDCCHセット数として、1,2に加えて,4セットを設定可能とするとよい。
このようにすることによって、全てのLR−EPDCCHセットに含まれるPRB数を増大させることが可能となる。また、LR−UEが受信するPRB数を増大させることが可能となる。したがって、1PRB内のLR−EREG内のRE数が半減したとしても、PRB数が増大するので、従来と同等のRE数を確保することができる。
他の方法を以下に開示する。eNBがLR−UEに対して割当てるLR−EPDCCH領域を増大させる。LR−UEに割当てるLR−EPDCCHセットを構成するPRB数を増大させてもよい。LR−UEに割当て可能なLR−EPDCCHセットを構成する最大のPRB数を8よりも増大させる。UEは、8よりも大きい数のPRBで構成されるLR−EPDCCHセットを検索し、自身のLR−EPDCCHを受信する。
例えば、1LR−UEに対して、LR−EPDCCHセットを構成するPRB数として、2,4,8に加えて、16を設定可能とするとよい。
このようにすることによって、LR−UEに割当可能な全てのLR−EPDCCHセットに含まれるPRB数を増大させることができる。また、LR−UEが受信するPRB数を増大させることが可能となる。したがって、1PRB内のLR−EREG内のRE数が半減したとしても、PRB数が増大するので、従来と同等のRE数を確保することができる。
他の方法を以下に開示する。LR−UEがサポートする制御チャネルエレメント(Control Channel Element:CCE)のアグリゲーションレベルを従来の数よりも減少させる。従来、1UEに対するCCEのアグリゲーションレベルとして、1,2,4,8,16,32の設定が可能であった。ここでは、LR−UEがサポートする最大のCCEのアグリゲーションレベルを32よりも小さくする。例えば、LR−UEがサポートする最大のCCE数を16とする。
このようにすることによって、LR−UEに対するDCIが含まれるCCE数を少なくすることができる。これによって、LR−UEに対するDCIをマッピングするのに必要とするRE数を少なくすることが可能となる。
したがって、LR−UEに割当可能な1PRB内のLR−EREG内のRE数が半減し、全てのLR−EPDCCHセットに含まれるRE数が半減したとしても、LR−UEに対するDCIをマッピングすることが可能となる。
他の方法を以下に開示する。LR−UEに対するDCIが含まれるLR−ECCEが必要とする物理リソース量を削減する。前記物理リソース量を削減するために、LR−UEに対するDCIの情報量を削減してもよい。
例えば、従来、EPDCCHにマッピングされるECCEは、1ECCEが36RE、あるいは72REにマッピングされる。ここでは、LR−UEに対するDCIが含まれるLR−ECCEが必要とする物理リソースを36REあるいは72REよりも削減する。例えば、1LR−ECCEの物理リソースを18REあるいは36REとする。
このようにすることによって、LR−UEに対するDCIが含まれるLR−ECCEに必要とする物理リソース量を削減することが可能となる。
したがって、LR−UEに割当可能な1PRB内のLR−EREG内のRE数が半減し、全てのLR−EPDCCHセットに含まれるRE数が半減したとしても、LR−UEに対するDCIをマッピングすることが可能となる。
本変形例では、前述のように、任意の数のLR−EREGをPRB内に構成することを開示し、例として、LR−EREG=0〜15の16グループをPRB内に構成することを開示した。他の例として、LR−EREG=0〜7の8グループをPRB内に構成する。LR−EREGの番号は、全てのLR−EPDCCH用PRBで同じにしてもよい。あるいは、LR−EREGの番号を2種類設けてもよい。例えば、LR−EREG=0〜7のPRBと、LR−EREG=8〜15のPRBとに分けて使用してもよい。
8グループのLR−EREGを1PRB内に構成する場合、1PRB内の1LR−EREG内に含まれるRE数は、9となる。このようにすることによって、1LR−EREG当たりのRE数を、従来のEREGあたりのRE数と同じ値にすることができる。
前述したように、DCIをマッピングするのに必要となるRE数はEPDCCHもLR−EPDCCH同じである。
したがって、ここで開示した方法を用いることによって、一つのLR−UEに割当てるLR−EPDCCH領域に必要なRE数を得ることができる。LR−UEに対するDCIを入れることが可能となる。RE数の減少に対する解決策は不要となる。
ここで開示した方法では、1LR−EREG当たりのRE数は従来のEREGあたりのRE数と同じにできるが、LR−EREG数は従来のEREG数の半分になってしまう。この場合、LR−EPDCCH領域に構成されるLR−EREG数が減少してしまうため、LR−EPDCCH領域でサポート可能なLR−UE数が減少してしまうことになる。
このような問題を解決する方法として、前述した、LR−EREG内のRE数が半減してしまう問題に対する解決方法を適用するとよい。
LR−UE用DCIについては、実施の形態1で開示した方法を適用するとよい。
LR−UE用のDCIをLR−EPDCCHにマッピングする。
LR−UE用のLR−EPDCCHには、LR−UEのC−RNTIでスクランブルされたCRCを用いるとよい。従来のUE用のPDCCHと同様に、LR−UE自身のC−RNTIでLR−EPDCCHを検出することが可能となる。
LR−EPDCCHの設定方法について開示する。
LR−EPDCCH領域を設定する。LR−EPDCCHセットとして設定してもよい。LR−EPDCCHセットの周波数軸上のリソースはPRB単位で設定する。連続的なPRBを設定してもよいし、非連続的なPRBを設定してもよい。
LR−EPDCCHの時間軸上のリソースは短縮したTTIであるスロット単位で設定する。連続的なスロットを設定してもよいし、非連続的なスロットを設定してもよい。
一つのスロットでLR−EPDCCH領域あるいはLR−EPDCCHセットが設定されるようにする。
LR−EPDCCHは、セル毎に設定されてもよいし、LR−UE毎に設定されてもよい。あるいは、セル毎とLR−UE毎との組合せでもよい。
例えば、LR−EPDCCHの時間軸上の設定をセル毎とし、周波数軸上の設定をUE毎とする。このようにすることによって、eNBは、LR−EPDCCHのスロットタイミングを予め設定することが可能となり、スケジューリングが容易になる。LR−UEは、セル毎に設定されているLR−EPDCCHのスロットタイミングを認識し、そのスロットにおいてUE毎に設定されるLR−EPDCCHのPRB構成を認識することが可能となる。
他の例として、LR−EPDCCHを設定可能なリソースの設定をセル毎で行い、実際にLR−UEに対するLR−EPDCCHの設定をUE毎で行ってもよい。予め、セル毎にLR−EPDCCHを設定可能なリソースの設定を行っておくことによって、レガシーUEとの同一サブフレーム上へのLR−EPDCCHのスケジューリングを容易にできる。また、レガシーUEとLR−UEとの共存を容易にすることが可能となる。
LR−EPDCCHの設定は、静的に決められてもよいし、準静的または動的に決められてもよい。
静的に決められる場合、規格などで決められるとよい。準静的または動的に決められる場合、RRCシグナリングを用いるとよい。
例えば、セル毎の設定については規格で決めておき、UE毎の設定については準静的または動的にRRCシグナリングを用いて決めてもよい。
他の例として、セル毎の設定の場合、報知情報として、eNBから傘下のUEに対して報知するとよい。LR−UE毎の設定の場合、UE個別シグナリングで、eNBから、短縮したTTIを実行するLR−UEに対して通知する。
eNBは、RRCシグナリングとして、RRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージにLR−EPDCCHの設定情報を含めて、LR−UEに通知してもよい。
PDCCHのシンボル数が大きくなった場合など、スロット#偶数のスロットで、LR−ECCE用のLR−EREGの数が少なくなる場合がある。この問題を解決する方法として、前述の、LR−UEに割当てるLR−EPDCCHセット数を増大させる方法において、LR−EPDCCHセット数をさらに増大させるとよい。あるいは、前述のeNBがLR−UEに対して割当てるLR−EPDCCH領域を増大させる方法において、LR−EPDCCH領域をさらに増大させるとよい。このようにすることによって、たとえPDCCHのシンボル数が大きくなっても、スロット#偶数のスロットのLR−EPDCCH領域のRE数を増大させることが可能となり、スロット毎にLR−UEに対するDCIをマッピングすることが可能となる。
LR−UEの動作について開示する。LR−UEは、PCFICHを受信し、スロット#0のPDSCH領域の先頭のシンボルを認識する。LR−UEは、LR−EPDCCH領域を自身のC−RNTIで検出する。LR−EPDCCH領域の構成は、例えばRRCシグナリングを用いてeNBから通知される。
これによって、LR−UEは、自身宛てのLR−EPDCCHを検出できる。LR−UEは、自身のC−RNTIで検出したLR−EPDCCHからDCIを取得する。LR−UEは、DCI中のスケジューリング情報を用いてPDSCHを受信する。どのスロット、どのPRBにPDSCHがアロケーションされているかを認識するために、スロット情報およびスロット毎のPRB情報を用いるとよい。LR−UEは、スケジューリング情報を用いて、受信したPDSCHを復調して、データを取得する。LR−UEは、復調用のRSとして、CRSを用いてもよい。あるいは、UE個別のRSを設けて、該RSを用いてもよい。
HARQは、実施の形態1の変形例1で開示した方法を適用するとよい。これによって、実施の形態1の変形例1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1 変形例6.
前述の、LR−UE用のスロット毎のPDCCHを、従来のPDCCH領域を用いて送信する方法と、スロット毎の予め定めるPRB(LR−EPDCCH)を用いて送信する方法とを組み合わせてもよい。
図19は、実施の形態1の変形例6における送信方法を説明するための図である。図19では、LR−UEに対してスロット毎のPDCCHを従来のPDCCH領域を用いて送信する方法とLR−EPDCCHを用いて送信する方法とを組み合わせた方法の例を示す。サブフレーム内の1番目のスロットのスロット毎のPDCCHは、LR−EPDCCHを用いて送信し、サブフレーム内の2番目のスロットのスロット毎のPDCCHは、従来のPDCCH領域112を用いて送信する。
サブフレーム内の1番目のスロットのLR−EPDCCH領域にマッピングしたスロット毎のPDCCHで、同一スロットのPDSCHのスケジューリングを行う。また、サブフレーム内の1番目のスロットの従来のPDCCH領域にマッピングしたスロット毎のPDCCHで、次のスロットのPDSCHのスケジューリングを行う。
サブフレーム内の2番目のスロットのスロット毎のPDCCHは、従来のPDCCH領域を用いて送信するので、スロット毎のPDCCHには、1TTIのデータ分、ここでは1スロット分のDCIを含める方法を用いるとよい。1スロット分のDCIを含める方法には、前述の実施の形態1の変形例1を適用するとよい。
サブフレーム内の1番目のスロットには、既に従来のPDCCH領域が存在する。したがって、該PDCCH領域を用いることによって、1サブフレーム内の両方のスロットに、LR−EPDCCH領域を構成しなくて済む。これによって、新たな制御チャネルのリソースの増大を抑制することが可能となるので、データチャネルのリソースの減少を抑制することができる。したがって、システムのスループットを向上させることが可能となる。
図20は、実施の形態1の変形例6における送信方法を説明するための図である。図20では、LR−UEに対してスロット毎のPDCCHを従来のPDCCH領域を用いて送信する方法とLR−EPDCCHを用いて送信する方法とを組み合わせて用いる方法の他の例を示す。
サブフレーム内の1番目のスロットのスロット毎のPDCCHは、従来のPDCCH領域113を用いて送信し、サブフレーム内の2番目のスロットのスロット毎のPDCCHは、LR−EPDCCHを用いて送信する。
サブフレーム内の1番目のスロットの従来のPDCCH領域にマッピングしたスロット毎のPDCCHで、同一スロットのPDSCHのスケジューリングを行う。また、サブフレーム内の2番目のスロットのLR−EPDCCHにマッピングしたスロット毎のPDCCHで、同一スロットのPDSCHのスケジューリングを行う。
サブフレーム内の1番目のスロットのスロット毎のPDCCHは、従来のPDCCH領域を用いて送信するので、スロット毎のPDCCHには、1TTIのデータ分、ここでは1スロット分のDCIを含める方法を用いるとよい。1スロット分のDCIを含める方法は、前述の実施の形態1の変形例1を適用するとよい。
図19に示す例のように、サブフレーム内の1番目のスロットにLR−EPDCCH領域を構成する場合、既に従来のPDCCH領域が存在する。したがって、従来のPDCCH領域を除いた物理リソースへのマッピングとなるので、周波数軸方向の物理リソースが増大する場合がある。
図20に示す例のように、サブフレーム内の1番目のスロットに従来のPDCCH領域を用いることによって、該スロットでLR−EPDCCH領域を構成しなくて済む。したがって、図19に示す例に比べて、リソースの増大をさらに抑制することができるので、データチャネルのリソースの減少をさらに抑制することができる。したがって、システムのスループットをさらに向上させることが可能となる。
実施の形態2.
上りデータに対するAck/Nackについて開示する。従来、LTEではTTI=1サブフレームであるので、HARQはサブフレーム単位で行われる。したがって、LTEでは、上りデータに対するAck/Nackを送信するためのPHICHもサブフレーム毎に送信される。
LR−UEは、TTIが1サブフレームより短くなるので、HARQも1サブフレームより短い単位で行われることが必要となる。
しかし、HARQを1サブフレームより短い単位で行う場合、従来のLTEのPHICH送信方法を適用することはできない。また、LTEの同一キャリア上で、短縮したTTIをサポートするためには、LR−UEとレガシーUEとの共存が図られなければならない。ここでは、これらの問題を解決する方法を開示する。
LR−UEに対して、HARQをTTI単位で行う。LR−UEの上りデータに対するAck/Nackをスロット単位で送信可能とする。
Ack/Nackの送信方法の具体例として、以下の(1)〜(8)の8つを開示する。
(1)LR−PHICHを用いて送信する。
(2)LR−EPDCCH領域に多重して送信する。
(3)LR−EPDCCHを用いて送信する。
(4)PHICHを用いて送信する。
(5)PHICHを用いて、直前のスロットに対応するAck/Nackを送信する。
(6)PDCCHを用いて送信する。
(7)PDCCHを用いて、直前のスロットに対応するAck/Nackを送信する。
(8)前記(1)〜(7)の組合せ。
前記具体例(1)のLR−PHICHを用いて送信する方法について開示する。LR−UEの上りデータに対するAck/Nackを送信するための物理チャネルを設ける。この物理チャネルを「LR−PHICH」という場合がある。LR−PHICHは、スロット#偶数で送信してもよいし、スロット#奇数で送信してもよい。LR−PHICH用の物理リソースは、PRB単位としてもよい。
LR−PHICHを、従来のPDSCHがマッピングされる物理リソース領域にマッピングする。LR−PHICHは、他のチャネルがマッピングされるPRBペアを避けてマッピングする。スロット#偶数のLR−PHICHは、従来のPDCCHがマッピングされるシンボル(1〜4シンボル)を除いてマッピングする。
図21および図22は、実施の形態2におけるLR−PHICHの送信方法を説明するための図である。図21では、サブフレーム内の2番目のスロットにLR−PHICHを一つのPRBにマッピングする場合を示している。図22では、サブフレーム内の1番目と2番目のスロットにLR−PHICHをそれぞれ一つのPRBにマッピングする場合を示している。サブフレーム内の1番目のスロットでは、LR−PHICHは、従来のPDCCHがマッピングされるシンボル114を除いたシンボルにマッピングされる。
短縮したTTI単位、スロット単位のAck/NackをLR−PHICHにマッピングする方法について開示する。
LR−UEの上りデータに対するAck/Nackを予め定めるビット数で構成し、変調が行われる。各LR−UEの変調データに直交コードが乗算され、複数のLR−UEのAck/Nackが多重され、スクランブリングが行われる。該複数のLR−UEをLR−PHICHグループとする。
該Ack/Nackのビットからスクランブリングまでは、レガシーUEの上りデータに対するAck/Nackと同じ方法を用いてもよい。Ack/Nackを3ビットで構成し、BPSK変調が行われ、直交コードによる多重が行われ、SF=4のスクランブリングが行われる。その結果、1LR−PHICHグループでスクランブリング後のデータは12シンボルになる。1LR−PHICHグループに8LR−UEが多重される。
レガシーUEと同じ方法を用いることによって、変調およびコーディング、あるいはデコーディングおよび復調の構成を一つにすることができる。これによって、通信システムが複雑化することを回避することができ、実装上簡易に構成することが可能となる。
一つまたは複数のLR−PHICHグループを、LR−PHICH用の物理リソースにマッピングする。
マッピング方法について以下に開示する。LR−PHICHの領域である1PRB内に、一つまたは複数のリソースエレメントグループを設ける。このリソースエレメントグループをHREGとする。1HREGは、一つあるいは複数のREで構成する。1LR−PHICHグループを一つまたは複数のHREGにマッピングする。
例えば、1PRB内のREを18のHREGに分割する。分割方法は、EREGと同様の方法を用いてもよい。1PRB内のREを0〜17でナンバリングし、同じナンバのREで一つのHREGを構成する。1PRB内のRSを除いてナンバリングするとよい。RSが12REだとすると、1HEREGに含まれるRE数は4となる。
レガシーUEと同じ変調およびコーディング方法とした場合、1LR−PHICHグループに必要なシンボル数は12である。したがって、1LR−PHICHグループを3HREGにマッピングするとよい。1PRBは、18のHREGからなるので、6LR−PHICHグループをマッピング可能となる。
RSの数が4よりも大きいような場合は、1LR−PHICHグループをマッピングするHEREGの数を増やせばよい。
このようにすることによって、LR−PHICHグループを、LR−PHICHの領域である1PRB内にマッピングすることが可能となる。
前述の例では、LR−PHICHの領域である1PRB内で、48LR−UEのLR−PHICHを収容できる。さらに多くのLR−UEの収容が必要な場合は、LR−PHICHをマッピングする物理リソースを複数のPRBで構成してもよい。1スロット内の複数のPRBを用いて、LR−PHICH領域を設けるとよい。
他のマッピング方法について以下に開示する。
LR−PHICHがマッピングされる物理リソースを複数のPRBで構成し、該複数のPRB内に1LR−PHICHグループをマッピングする。該複数のPRBは、同一スロット内に構成される。該複数のPRBは、連続的に構成されてもよいし、非連続的に構成されてもよい。
一つのPRBからなるLR−PHICH領域が複数構成されたものを、LR−PHICHセットとしてもよい。1LR−PHICHグループを、LR−PHICHセット内にマッピングする。
例えば、1PRBのLR−PHICH領域が3つ構成されるLR−PHICHセットを設ける。LR−PHICHセット内に、3つのPRBが構成される。LR−PHICHグループを該LR−PHICHセット全体にマッピングする。各PRBの一つずつのHREGを用いてマッピングするとよい。LR−PHICHセット全体で3PRBあるので、合計3HREGを用いてマッピングすることになる。LR−PHICHグループに必要な12シンボルを、該3HREGにマッピングすることになる。
この場合、1LR−PHICHセットに18LR−PHICHグループをマッピングすることが可能となる。したがって、1LR−PHICHセットに144LR−UEの収容が可能となる。
このようにすることによって、1LR−UEに対するLR−PHICHを周波数軸方向に分散させてマッピングさせることが可能となる。
これによって、周波数ダイバーシチゲインを得ることが可能となり、HARQを確実に実行させることが可能となる。したがって、データの伝送速度を向上させることができる。
従来、PHICHの設定情報は、一部がMIBに含められてPBCHにマッピングされて報知された。これは、PHICHが、PDCCHがマッピングされるシンボルに多重されるからである。UEがPDCCHの受信を可能にするために、PHICHの設定情報を認識する必要があるためである。
しかし、LR−PHICHは、PDCCHがマッピングされる領域を避けてマッピングされる。したがって、設定情報は、MIBに含められなくてもよい。また、設定情報は、PBCHにマッピングされて報知されなくてもよい。これによって、多頻度で送信されるMIBの情報量を削減することが可能となる。
LR−PHICHの設定方法について、以下に開示する。LR−PHICH領域を設定する。LR−PHICHセットとして設定してもよい。LR−PHICHセットの周波数軸上のリソースは、PRB単位で設定する。連続的なPRBを設定してもよいし、非連続的なPRBを設定してもよい。
LR−PHICHの時間軸上のリソースは、短縮したTTIであるスロット単位で設定する。連続的なスロットを設定してもよいし、非連続的なスロットを設定してもよい。毎スロット設定してもよい。
一つのスロットでLR−PHICH領域あるいはLR−PHICHセットが設定されるようにする。
LR−PHICHは、セル毎に設定されてもよいし、LR−UE毎に設定されてもよいし、LR−UEのグループ毎、例えばLR−PHICHグループ毎に設定されてもよい。また、システムとして規格で設定されてもよい。あるいは、これらの組合せでもよい。
例えば、LR−PHICHの時間軸上および周波数軸上の設定をセル毎とし、HREGの番号の設定をUE毎とする。HREGの数とPRB内REのマッピング方法は、システムとして予め規格で決めておいてもよい。このようにすることによって、eNBは、LR−PHICHのスロットタイミングおよびPRBを予め設定することが可能となり、スケジューリングが容易になる。LR−UEは、セル毎に設定されているLR−PHICHのスロットタイミングとPRBとを認識し、そのスロットとPRBとにおいてUE毎に設定されるHREGを認識することが可能となる。
他の例として、LR−PHICHを設定可能なリソースの設定をセル毎で行い、実際にLR−UEに対するLR−PHICHの設定をUE毎で行ってもよい。予め、セル毎にLR−PHICHを設定可能なリソースの設定を行っておくことによって、レガシーUEとの同一サブフレーム上へのLR−PHICHのスケジューリングを容易にできる。また、レガシーUEとLR−UEとの共存を容易にすることが可能となる。
LR−PHICHの設定は、静的に決められてもよいし、準静的または動的に決められてもよい。
静的に決められる場合、規格などで決められるとよい。準静的または動的に決められる場合、RRCシグナリングを用いるとよい。
例えば、セル毎の設定については規格で決めておき、UE毎の設定については準静的または動的にRRCシグナリングを用いて決めてもよい。
他の例として、セル毎の設定の場合、報知情報として、eNBから傘下のUEに対して報知するとよい。LR−UE毎の設定の場合、UE個別シグナリングで、eNBから、短縮したTTIを実行するLR−UEに対して通知する。
eNBは、RRCシグナリングとして、RRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージにLR−PHICHの設定情報を含めて、LR−UEに通知してもよい。
LR−UEの動作について開示する。LR−UEは、PCFICHを受信し、スロット#0のPDSCH領域の先頭のシンボルを認識する。
LR−UEは、LR−PHICH領域の自身のHREG番号から自身のLR−PHICHを検出する。LR−PHICH領域の構成とHREG番号は、例えばRRCシグナリングを用いてeNBから通知される。
これによって、LR−UEは、自身宛てのLR−PHICHを検出し、Ack/Nackを受信することができる。
前述の例では、eNBがHREG番号をLR−UEに通知して、該HREG番号を用いて自身のLR−PHICHを特定することを開示した。
他の例として、HREG番号を、LR−PHICHに対応する上りデータであるPUSCHがマッピングされる物理リソースを用いて導出するようにしてもよい。物理リソースとしては、RE番号およびPRB番号などがある。その中で、例えば、最小のRE番号、最小のPRB番号などとして特定するとよい。
あるいは、LR−PHICHに対応する上りデータであるPUSCHのスケジューリング情報がマッピングされる制御チャネルエレメント番号を用いて導出するようにしてもよい。最小の制御チャネルエレメント番号などとして特定するとよい。
あるいは、LR−PHICHに対応する上りデータであるPUSCHの復調用RSに用いられるサイクリックシフト番号を用いて導出するようにしてもよい。あるいは、これらの組合せを用いて導出するようにしてもよい。
eNBは、これらの番号を考慮してスケジューリングあるいはマッピングする。このようにすることによって、LR−UEは、明示的にHREGの番号を通知されなくても、自身のHREG番号を導出することができ、自身のLR−PHICHを特定することが可能となる。
また前述のようにすることによって、LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信が可能になり、上りデータに対するHARQを、短縮したTTI単位で行うことが可能となる。また、上りデータに対するHARQを、スロット単位で行うことが可能となる。したがって、遅延時間の削減を図ることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
前記具体例(2)のLR−EPDCCH領域に多重して送信する方法について開示する。
LR−UE用のAck/Nackは、LR−EPDCCHがマッピングされる物理リソースに、多重されてマッピングされる。LR−UE用のPHICHとLR−UE用のPDCCHとを、LR−EPDCCHがマッピングされる1PRB内で多重する。
多重方法を開示する。RE毎に多重するとよい。LR−EPDCCHの、一つまたは複数のLR−EREGをLR−UE用のPHICHに用いる。言い換えると、一つまたは複数のLR−EREGを、LR−EPDCCHのマッピングに用いずに、LR−UE用のPHICHのマッピングに用いる。言い換えると、一つまたは複数のLR−EREGをLR−UE用のPHICHがマッピングされるHREGにする。
LR−EPDCCHの構成方法は、前述した方法を適用すればよい。LR−EREGの構成方法としては、LR−EREG=0〜15の16グループをPRB内に構成する方法がより適している。Ack/Nackに従来の変調およびコーディング方法を用いた場合、1HREGに必要とするRE数が4であるので、この方法の場合、1LR−EREG内のRE数が等しくなる、あるいは近くなるからである。
また、LR−EPDCCHセットとして、3を設けてもよい。これによって、3HREGを構成するのに用いることが可能となる。
HREGの特定方法は、前述のLR−PHICH内のHREGの特定方法を適用すればよい。
このようにすることによって、新たにLR−PHICHの物理リソース領域を設けなくてもよくなる。したがって、eNBは、LR−PHICHの構成をLR−UEに通知する必要が無くなるので、シグナリング量を削減することができる。
図23および図24は、実施の形態2におけるLR−EPDCCH領域にAck/Nackを多重して送信する方法を説明するための図である。本実施の形態では、上りデータに対するAck/Nackが、LR−UE用PHICHにマッピングされてLR−EPDCCH領域に多重されて送信される。
図23では、サブフレーム内の2番目のスロットにおいてLR−UE用のPHICHをLR−EPDCCH領域に多重してマッピングする場合を示している。図24では、サブフレーム内の1番目と2番目のスロットにLR−UE用PHICHをそれぞれLR−EPDCCH領域に多重してマッピングする場合を示している。サブフレーム内の1番目のスロットでは、LR−UE用のPHICHは、従来のPDCCHがマッピングされるシンボルを除いたLR−EPDCCHに多重されてマッピングされる。
このようにすることによって、LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信が可能になり、上りデータに対するHARQを、短縮したTTI単位で行うことが可能となる。また、上りデータに対するHARQを、スロット単位で行うことが可能となる。したがって、遅延時間の削減を図ることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
前記具体例(3)のLR−EPDCCHを用いて送信する方法について開示する。LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信は、LR−EPDCCHでのスケジューリングのみによって行う。LR−UEのPHICHを設けないとしてもよい。
LR−UEに対するDCIに、新規データであるか否かを示す情報を含める。DCIは、LR−EPDCCHにマッピングされる。LR−UEは、自身宛てのLR−EPDCCHを受信し、DCIの中の該情報を受信することによって、スケジューリングが新規データに対してされたのか、再送データに対してされたのかを認識することが可能となる。LR−UEは、該情報が新規データであることを示している場合は、該スケジューリングに従って、新規データを送信する。この場合、LR−UEは、Ackとみなすことが可能となる。LR−UEは、該情報が新規データでないことを示している場合は、該スケジューリングに従って、再送データを送信する。この場合、LR−UEは、Nackとみなすことが可能となる。
このようにすることによって、LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信が可能になり、上りデータに対するHARQを、短縮したTTI単位で行うことが可能となる。また、上りデータに対するHARQを、スロット単位で行うことが可能となる。したがって、遅延時間の削減を図ることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
また、LR−PHICHを設けなくてもよく、LR−PHICH用の領域を設けなくてもよい。したがって、データに使用する物理リソースを増大させることが可能となり、さらなるデータの伝送速度の向上を図ることができる。
前記具体例(4)のPHICHを用いて送信する方法について開示する。スロット#偶数のスロットには、レガシーUEのPHICHがマッピングされる。本方法では、該PHICHがマッピングされる領域に、LR−UEのPHICHもマッピングする。LR−UEのPHICHもレガシーUEと同じ方法で、PHICHの物理リソースにマッピングするとよい。
このようにすることによって、LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信が可能になり、上りデータに対するHARQを行うことが可能となる。
また、LR−PHICH用の領域を設けなくてもよい。したがって、データに使用する物理リソースを増大させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
前記具体例(5)のPHICHを用いて、直前のスロットに対応するAck/Nackを送信する方法について開示する。スロット#偶数のスロットには、レガシーUEのPHICHがマッピングされる。本方法では、該PHICHがマッピングされる領域に、LR−UEの直前のスロットに対応するPHICHもマッピングする。LR−UEの直前のスロットに対応するPHICHも、レガシーUEと同じ方法を用いて、PHICHの物理リソースにマッピングするとよい。
LR−UEは、直前のスロットに対応するPHICHに対応する上りデータを記憶しておく。LR−UEは、スロット#偶数のスロットのPHICHを受信した時点で、直前のスロットに対応するPHICHに対応する上りデータのAck/Nackを認識することができる。したがって、LR−UEは、直前のスロットに対応するPHICHに対応する上りデータを記憶しておくことによって、スロット#偶数のスロットのPHICHに従って、新規データあるいは再送データを送信することが可能となる。
このようにすることによって、LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信が可能になり、上りデータに対するHARQを行うことが可能となる。
また、LR−PHICH用の領域を設けなくてもよい。したがって、データに使用する物理リソースを増大させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
前記具体例(6)のPDCCHを用いて送信する方法について開示する。本方法では、LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信は、PDCCHでのスケジューリングのみによって行う。前述した、あるいは後述する、PDCCHを用いたスケジューリング方法を用いる。PDCCHを用いたPUSCHのスケジューリング方法を用いる。LR−UEに対する1TTI毎のデータのDCIを用いて行う。これによって、スロット毎のAck/Nackの送信が可能となる。LR−UEに対する1TTI毎のデータのDCIに、新規データであるか否かを示す情報を含める。DCIは、PDCCHにマッピングされる。LR−UEは、自身宛てのPDCCHを受信し、DCIの中の該情報を受信することによって、スケジューリングが新規データに対してされたのか、再送データに対してされたのかを認識することが可能となる。LR−UEは、該情報が新規データであることを示している場合は、該スケジューリングに従って、新規データを送信する。この場合、LR−UEは、Ackとみなすことが可能となる。LR−UEは、該情報が新規データでないことを示している場合は、該スケジューリングに従って、再送データを送信する。この場合、LR−UEは、Nackとみなすことが可能となる。
LR−UEに対する1TTI毎のデータのスケジューリング情報を2TTI分、DCIに含める方法の場合、各TTIのデータと対応付けて、新規データであるか否かを示す情報を含めるとよい。DCIは、PDCCHにマッピングされる。LR−UEは、自身宛てのPDCCHを受信し、DCIの中の該情報を受信することによって、各スロットのスケジューリングが新規データに対してされたのか、再送データに対してされたのかを認識することが可能となる。LR−UEは、該情報が新規データであることを示している場合は、該スケジューリングに従って、対応するスロットで、新規データを送信する。この場合、LR−UEは、Ackとみなすことが可能となる。LR−UEは、該情報が新規データでないことを示している場合は、該スケジューリングに従って、対応するスロットで、再送データを送信する。この場合、LR−UEは、Nackとみなすことが可能となる。
このようにすることによって、LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信が可能になり、上りデータに対するHARQを行うことが可能となる。
また、LR−PHICHを設けなくてもよく、LR−PHICH用の領域を設けなくてもよい。したがって、データに使用する物理リソースを増大させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
前記具体例(7)のPDCCHを用いて、直前のスロットに対応するAck/Nackを送信する方法について開示する。
本方法では、LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信は、PDCCHでのスケジューリングのみによって行う。LR−UEに対して、予め定めるスロットで行われるべきAck/Nackの送信を、次のスロットのPDCCHを用いたPUSCHのスケジューリングを用いて行う。言い換えると、予め定めるスロットで行われるPDCCHを用いたPUSCHのスケジューリングを用いて、直前のスロットで行われるべきAck/Nackの送信を行う。実施の形態1の変形例3で開示した方法を適用したPDCCHを用いたPUSCHのスケジューリング方法を適用するとよい。スロット#偶数のPDCCHで行われるPUSCHのスケジューリングを用いて、直前のスロット#奇数で行われるべきAck/Nackの送信を行う。
LR−UEに対するスロット#偶数のPDCCHで行われるPUSCHのスケジューリング情報を含むDCIに、直前のスロットに対応するAck/Nackに対応する上りデータが新規データであるか否かを示す情報を含める。LR−UEは、スロット#偶数の自身宛てのPDCCHを受信し、DCIの中の該情報を受信することによって、スケジューリングが新規データに対してされたのか、再送データに対してされたのかを認識することが可能となる。LR−UEは、該情報が新規データであることを示している場合は、該スケジューリングに従って、新規データを送信する。この場合、LR−UEは、Ackとみなすことが可能となる。LR−UEは、該情報が新規データでないことを示している場合は、該スケジューリングに従って、再送データを送信する。この場合、LR−UEは、Nackとみなすことが可能となる。
LR−UEは、直前のスロットに対応するAck/Nackに対応する上りデータを記憶しておく。LR−UEは、スロット#偶数のスロットのPDCCHを受信した時点で、直前のスロットに対応するAck/Nackを認識することができる。したがって、LR−UEは、直前のスロットに対応するAck/Nackに対応する上りデータを記憶しておくことによって、スロット#偶数のスロットのAck/Nackに従って、新規データあるいは再送データを送信することが可能となる。
このようにすることによって、LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信が可能となり、上りデータに対するHARQを行うことが可能となる。
また、LR−PHICHを設けなくてもよく、LR−PHICH用の領域を設けなくてもよい。したがって、データに使用する物理リソースを増大させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
また、LR−UEのPDCCHがスロット#偶数のスロットのみにマッピングされるような場合に適用することによって、スロット#奇数のスロットにPDCCHをマッピングしなくてもよく、スロット#奇数のスロットにPDCCH領域を設けなくてもよくなる。これによって、制御のための物理リソースが増大することを回避することができ、データのための物理リソースの増大を図ることができる。
前記具体例(1)から(7)の方法を組合せてもよい。例えば、スロット#偶数のスロットには、前記具体例(4)あるいは前記具体例(5)の方法を用い、スロット#奇数のスロットには前記具体例(1)から(3)のいずれかの方法を用いる。
スロット#偶数のスロットでは、PDCCHの領域があるので、1PRB内でLR−PHICH用に割当てられる物理リソースは少なくなる。したがって、LR−PHICHの送信のために該スロット内で周波数軸上に、より多くの物理リソースが必要となる場合が発生する。
スロット#偶数のスロットに、前記具体例(4)のPHICHあるいは前記具体例(5)のPHICHを用いる方法を適用することによって、スロット#偶数のスロットでLR−PHICH用に割当てる物理リソースの増大を抑制することが可能となる。したがって、データに割当てる物理リソースを増大させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
実施の形態3.
レガシーUEのデータがマッピングされる上り共有チャネルPUSCHは、サブフレーム単位で物理リソースにマッピングされる。現在のLTE規格においては、レガシーUEのPUSCHは、物理リソースにPRBペア(PRB pair)でマッピングされる。
PRBは、物理リソースブロック(Physical Resource Block)で、下りと同様、周波数軸方向は12サブキャリア、時間軸方向は1スロットの物理リソースからなる。PRBペアは時間軸上の2つのPRBからなる(非特許文献9参照)。
図25は、従来のPUSCHとPUCCHの物理リソースへのマッピングについて説明するための図である。図25に示す例では、1スロットは7シンボルからなる。したがって、1サブフレームは14シンボルからなる。PUCCHは、周波数軸方向の両端にマッピングされる。PUSCHは、周波数軸方向の両端のPUCCHの間の周波数領域にマッピングされる。
1PRBは、周波数軸方向の12サブキャリアと時間軸方向の1スロットの物理リソースかならなる。
図25に示すように、従来のPUSCHは、2つのスロットの2つのPRBからなるPRBペアにマッピングされる。矢符121,122で示されるように、サブフレーム内の2スロット間で周波数ホッピングが行われる構成と、サブフレーム間で周波数ホッピングが行われる構成とがある。
また、PUCCHは、2つのスロットの2つのPRBからなるPRBペアにマッピングされる。矢符120で示されるように、サブフレーム内の2スロット間で周波数ホッピングが行われる。PUCCHは、サブフレーム単位で設定される。
また、PUSCHは、PDCCHを用いてスケジューリングされる。PDCCHは、PDCCH領域にマッピングされる。すなわち、PUSCHがマッピングされる物理リソースは、PRBペア単位でスケジューリングされる。時間的には1サブフレーム単位でスケジューリングされることになる。
しかし、短縮したTTIで動作するUE(LR−UE)は、TTIが1サブフレームより短くなるので、そのPUSCHの物理リソースへのマッピングに、レガシーUEの前記マッピング方法を適用することはできず、何らかの新たな方法が必要とされる。
また、LTEの同一キャリア上で、短縮したTTIをサポートするためには、LR−UEとレガシーUEとの共存が図られなければならない。これらの問題を解決する方法を以下に開示する。
LR−UEのPUSCHを、従来のPUSCHがマッピングされる物理リソース領域にPRB単位でマッピングする。一つのPUSCHに対して、一つまたは複数のPRBを用いてもよい。
現在のLTEでは、上りはSC−FDMAが用いられる。したがって、LR−UEのPUSCHに複数のPRBを用いる場合、連続的なPRBを用いるとよい。これによって、低いピーク電力対平均電力比(Peak to Average Power Ratio:PAPR)を維持したまま、LR−UEのPUSCHをマッピングできる。
将来、上りにOFDMAが用いられるような場合は、下りのPDSCHと同様に、連続的なPRBを用いてもよいし、非連続的なPRBを用いてもよい。上りの通信品質が良い周波数帯で連続的なPRBを用いることによって、高速伝送を行うことが可能となる。あるいは、非連続的なPRBを用いることによって、周波数ダイバーシチゲインが得られ、通信品質の向上を図ることが可能となる。
LR−UEのPUSCHは、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBペアを避けてマッピングする。
上りの復調用RSは、従来のレガシーUEのPUSCHにおける復調用RSと同じシンボルにマッピングするとよい。これによって、PUSCHへのRSの挿入方法が一つとなり、制御を容易にできる。
図26は、実施の形態3におけるLR−UEのPUSCHの物理リソースへのマッピングについて説明するための図である。
図26に示すように、レガシーUEのPUSCHは、サブフレーム内の2つのスロットの2つのPRBからなるPRBペアにマッピングされる。レガシーUE#1は、矢符132で示されるように、サブフレーム間の周波数ホッピングが行われる。レガシーUE#2は、矢符131,133で示されるように、サブフレーム内の2スロット間で周波数ホッピングが行われる。
LR−UEのスロット毎のPUSCHは、PRB単位でマッピングされる。サブフレーム#1の1番目のスロットでは、LR−UE#1,LR−UE#2,LR−UE#3がマッピングされ、2番目のスロットでは、LR−UE#1がマッピングされる。サブフレーム#2の1番目のスロットでは、LR−UE#1,LR−UE#2がマッピングされ、2番目のスロットでは、LR−UE#2がマッピングされる。参照符号「130」で示されるように、PRB単位でスケジューリングされない物理リソースが存在する。
レガシーUEのPUSCHは、サブフレーム単位でスケジューリングされ、サブフレーム単位で物理リソースにアロケーションされる。PUSCHの物理リソースへのアロケーション情報を含むスケジューリングのための制御情報は、DCI(Downlink Control Information)に含まれる。DCIは、PDCCHにマッピングされる(非特許文献10参照)。
しかし、LR−UEは、短縮したTTIが1サブフレームより短くなり、アロケーションされる物理リソースも1サブフレームより短くなる。したがって、レガシーUEのスケジューリング方法を適用することはできない。
また、LTEの同一キャリア上で、短縮したTTIをサポートするためには、LR−UEとレガシーUEとの共存が図られなければならない。
これらの問題を解決する方法として、前述のPDSCHのスケジューリング方法を適用するとよい。
LR−UEに対して、短縮したTTIのデータ毎のスケジューリングを行う。LR−UEのPUSCHに対して、短縮したTTI毎にスケジューリングを行う。TTI=1スロットとした場合、スロット単位でスケジューリングを行う。LR−UEのPUSCHに対して、スロット単位で物理リソースへのアロケーションを行う。HARQは、TTI単位で行う。LR−UEに対しては、スロット単位で行う。レガシーUEに対しては、サブフレーム単位で行う。
LR−UEのPUSCHのスケジューリング方法も、前述のLR−UEのPDSCHのスケジューリング方法を適用するとよい。
適宜、PDSCHをPUSCHに対応させ、LR−UEのDCIに含まれるPDSCHのスケジューリング情報を、PUSCHのスケジューリング情報に対応させて適用すればよい。
LR−UEのPUSCHに対して、短縮したTTI毎にスケジューリングを行うこと、例えば、LR−UEに対してPDCCHあるいはLR−EPDCCHでスケジューリングすることによって、LR−UEの短縮したTTI毎のデータをスケジューリングすることが可能となる。したがって、LR−UEからのデータの伝送速度を向上させることが可能となる。また、LTEの同一キャリア上で、LR−UEに対して、短縮したTTIをサポートしつつ、さらには、レガシーUEとの共存が可能となる。
実施の形態4.
レガシーUEのPUCCHは、サブフレーム単位でスケジューリングされ、サブフレーム単位で物理リソースにアロケーションされる。しかし、LR−UEに対する短縮したTTIは、1サブフレームより短くなり、アロケーションされる物理リソースも1サブフレームより短くなる。したがって、レガシーUEのPUCCHを適用することはできない。また、LTEの同一キャリア上で、短縮したTTIをサポートするためには、LR−UEとレガシーUEとの共存が図られなければならない。本実施の形態では、これらの問題を解決する方法を開示する。
LR−UEのPUCCH(以下「LR−PUCCH」という場合がある)を、従来のPUSCHがマッピングされる物理リソース領域にPRB単位でマッピングする。一つまたは複数のPRBを用いてもよい。
現在のLTEでは、上りはSC−FDMAが用いられる。このようにシングルキャリアの多重アクセス方式が用いられる場合に、LR−UEのPUCCHに複数のPRBが用いられる場合には、連続的なPRBを用いるとよい。これによって、低いPAPRを維持したまま、LR−UEのPUCCHをマッピングできる。
将来、上りにOFDMAのようにマルチキャリアの多重アクセス方式が用いられるような場合は、連続的なPRBを用いてもよいし、非連続的なPRBを用いてもよい。上りの通信品質が良い周波数帯で連続的なPRBを用いることによって、高速伝送を行うことが可能となる。あるいは、非連続的なPRBを用いることによって、周波数ダイバーシチゲインが得られ、通信品質の向上を図ることが可能となる。
LR−PUCCHは、レガシーUEのPUCCHがマッピングされる物理リソースを避けてマッピングする。LR−PUCCHがマッピングされる物理リソースは、システム帯域の中で、レガシーUEのPUCCHがマッピングされる物理リソースよりも内側の周波数にマッピングされるとよい。これによって、レガシーUEのPUCCHの物理リソースのスケジューリングを変更することなく、レガシーUEとLR−UEとを共存させることができる。
LR−PUCCHがマッピングされる物理リソースとレガシーUEのPUCCHがマッピングされる物理リソースとは、周波数軸上において連続してマッピングするようにしてもよい。これによって、シングルキャリアの多重アクセス方式が用いられる場合にPUSCH領域を離散的にすることがないので、上りの物理リソースの使用効率を高めることができ、セルとして容量を増大できる。
上りの復調用RSは、従来のレガシーUEのPUCCHにおける復調用RSと同じシンボルにマッピングするとよい。これによって、PUCCHへのRSの挿入方法が一つとなり、制御を容易にできる。
LR−PUCCHがマッピングされる物理リソース領域において、複数のLR−UEのPUCCHが多重されてもよい。例えば、周波数分割多重、あるいは、コード分割多重されてもよい。
各LR−UEのPDSCHに対するAck/NackのためのLR−PUCCHのリソースは、該PDSCHがスケジューリングされるLR−UEのPDCCHの予め定めるCCEの番号を用いて、前述のLR−PUCCHがマッピングされる物理リソース領域になるように導出してもよい。該PDSCHがLR−EPDCCHでスケジューリングされる場合、さらに周波数軸方向のオフセットを設けて、前述のLR−PUCCHがマッピングされる物理リソース領域になるように導出してもよい。オフセット値は、eNBからLR−UEに通知するとよい。eNBからLR−UEへの通知には、RRCシグナリングを用いてもよいし、LR−EPDCCHを用いてもよい。該PDSCHのスケジューリングのためのDCIに含めて通知してもよい。
図27は、実施の形態4におけるLR−UEのPUCCHの物理リソースへのマッピングについて説明するための図である。図27に示す例では、従来のPUCCHがマッピングされる周波数領域の内側に連続してLR−PUCCHがマッピングされる物理リソース領域が構成される。LR−PUCCHは、スロット毎にマッピングされる。サブフレーム内の1番目のスロットでは、LR−UE#2のLR−PUCCHがLR−PUCCH用片側の物理リソース領域にマッピングされ、LR−UE#3のLR−PUCCHが逆側のLR−PUCCH用片側の物理リソース領域にマッピングされる。サブフレーム内の2番目のスロットでは、LR−UE#1のLR−PUCCHがLR−PUCCH用片側の物理リソース領域にマッピングされ、LR−UE#4のLR−PUCCHが逆側のLR−PUCCH用片側の物理リソース領域にマッピングされる。
図27に示す例では、LR−PUCCHの物理リソース領域を周波数軸上の両側に構成したが、周波数軸上の片側のみに構成してもよい。このような構成は、通信品質が良く、周波数ホッピングが不要の場合に有効である。PDSCHにアロケーションする物理リソースが増大できるので、システムとしてのスループットを増大できる。
LR−UEの上り制御情報(Uplink Control Information:UCI)には、スロット単位の情報を含める。LR−UEのUCIに対して、従来と同様の変調およびコーディングを行うとよい。レガシーUEと方法を同じにすることによって、制御が複雑化することを回避することができる。また、eNBにおいて、PUCCHの受信部の実装を簡易にすることができる。
レガシーUEに対しては、PUCCHで送信するUCIを1サブフレーム用いて物理リソースにマッピングしていたが、LR−UEに対しては、UCIを1スロット用いて物理リソースにマッピングする。
しかし、LR−UEのUCIに対して、従来と同様の変調およびコーディングを行う場合、必要となる物理リソースが時間軸方向に不足する場合がある。この場合は、周波数軸方向の物理リソースを増やして、増やした物理リソースにマッピングする方法で対応すればよい。1スロット内のPRB数を増大させればよい。シングルキャリアの場合、連続したPRBを用いるとよい。マルチキャリアの場合、連続的なPRBを用いてもよいし、非連続的なPRBを用いてもよい。
また、他の方法として、LR−UEのUCIの情報量を削減して、必要な物理リソース量を削減してもよい。あるいは、他の方法として、変調方法あるいはコーディング方法を変更して必要な物理リソースを削減してもよい。従来のPUCCHの周波数軸上の物理リソース量と同じになるように削減するとよい。このようにすることによって、制御チャネルに必要となる物理リソースを削減することが可能となり、データチャネルがマッピングできる物理リソースを増大させることができる。したがって、データの伝送速度の向上を図ることができる。
レガシーUEのPUCCHの物理リソースへのマッピングでは、矢符140,141で示されるように、スロット間の周波数ホッピングが行われ、周波数ダイバーシチゲインを得ている。しかし、LR−UEのPUCCHは、1スロット内にマッピングされるので、スロット間の周波数ホッピングが不可能になる。この問題を解決する方法を以下に開示する。
スロット内のシンボルを複数のグループに分ける。該グループ間で周波数ホッピングを行うとよい。スロット内のシンボルをどのようにグルーピングするかは、規格などで予め静的に決められてもよいし、準静的または動的に決められてもよい。準静的または動的に決められる場合、eNBが決定し、決定したグルーピング情報をeNBからUEに通知してもよい。通知方法は、RRCシグナリングでもよいし、PDCCHあるいはLR−EPDCCHで通知してもよい。あるいは、これらの組合せでもよい。例えば、グルーピングの一覧を規格で決めておき、どのグルーピングを用いるかのインジケーションを、eNBが決定しUEに通知するようにしてもよい。このようにすることによって、シグナリング量を削減できる。
図28は、実施の形態4におけるLR−UEのPUCCHの物理リソースへの他のマッピング方法について説明するための図である。
図28に示す例では、従来のPUCCHがマッピングされる周波数領域の内側に連続してLR−PUCCHがマッピングされる物理リソース領域が構成される。LR−PUCCHは、スロット毎にマッピングされる。また、図28に示す例では、スロット内で連続するシンボルのグループが2つ構成され、LR−PUCCHは、矢符145で示されるように、スロット内で、該シンボルのグループ間で周波数ホッピングが行われる。このようにすることによって、周波数ダイバーシチゲインを得ることが可能となり、PUCCHの通信品質を向上させることができる。
LR−PUCCHの設定方法は、従来のPUCCHの設定方法を適用するとよい。従来のPUCCHの設定は、1サブフレーム単位のPRB構成を設定して行われるが、代わりに、LR−PUCCHの設定は、1スロット単位のPRB構成を設定すればよい。
eNBからLR−UEへのLR−PUCCHの構成の通知方法は、従来のPUCCHの構成の通知方法を適用するとよい。
LR−UEは、eNBから通知されたLR−PUCCH構成を用いて、スロット単位のUCIをLR−PUCCHにマッピングして、eNBに送信する。
このようにすることによって、LR−UEの短縮したTTI毎のUCIをPUCCHにマッピングすることが可能となり、該PUCCHを短縮したTTI毎に物理リソースにマッピングすることが可能となる。
PUCCHは、下りデータに対するAck/Nackを送信するためにも用いられる。したがって、LR−UEの短縮したTTIでの下りデータに対するHARQが可能となる。したがって、遅延時間の削減を図ることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
また、LTEの同一キャリア上で、LR−UEとレガシーUEとの共存が可能となる。
実施の形態5.
レガシーUEのSRS(Sounding Reference Signal)は、サブフレーム単位でスケジューリングされ、サブフレーム内の最後のシンボルにアロケーションされる。しかし、LR−UEに対する短縮したTTIは、1サブフレームより短くなる。サブフレーム単位のSRSでは、短縮したTTIに対応できなくなる場合がある。したがって、短縮したTTIに対応可能なSRSが必要となる。また、LTEの同一キャリア上で、短縮したTTIをサポートするためには、LR−UEとレガシーUEとの共存が図られなければならない。本実施の形態では、これらの問題を解決する方法を開示する。
スロット単位でLR−UEに対するSRSを構成可能とする。また、LR−UEに対して、スロット単位でSRSを設定可能にする。スロット単位でLR−UEに対するSRSを物理リソースにマッピングする。
スロット内の任意の1シンボルにSRSを構成する。スロット内の最後の1シンボルとしてもよい。スロット毎にSRSを構成するシンボル番号を異ならせてもよい。例えば、スロット#偶数のスロットでは、LR−UEのSRSをスロット内の最後のシンボルに構成し、スロット#奇数のスロットでは、LR−UEのSRSをスロット内の1番目のシンボルに構成するようにしてもよい。
LR−UEのSRSを、スロット#奇数のスロットのスロット内の最後のシンボルに構成する場合、レガシーUEのSRSと衝突してしまう。これを避けるために、LR−UEのSRSとレガシーUEのSRSとを周波数分割多重するとよい。
LR−UEのSRSの構成方法は、レガシーUEのSRSの構成方法を適用するとよい。このようにすることによって、たとえ、LR−UEのSRSを、スロット#奇数のスロット内の最後のシンボルに構成したとしても、LR−UEのSRSとレガシーUEのSRSとを共存可能にする。
図29は、実施の形態5におけるLR−UEのSRSの構成方法を説明するための図である。図29に示す例では、LR−UEのSRSをスロット毎に、スロット内の最後のシンボルに構成している。サブフレームの最後のシンボル、すなわちサブフレーム内の2番目のスロットの最後のシンボルは、従来のレガシーUEのSRSが構成される。したがって、図29に示す例では、該シンボルに、LR−UEのSRSも構成される。該シンボルに、レガシーUEのSRSとLR−UEのSRSとが多重される。このようにすることによって、レガシーUEのSRSとLR−UEのSRSとを共存させることが可能となる。LR−UEは、該SRSが構成されるシンボルでSRSを送信することが可能となる。
図29に示す例では、レガシーUEは、矢符151,153で示されるように、サブフレーム内の2スロット間で周波数ホッピングが行われる。またレガシーUEは、矢符152で示されるように、サブフレーム間の周波数ホッピングが行われる。参照符号「150」で示されるように、PRB単位でスケジューリングされない物理リソースが存在する。
SRSの設定方法の一例を開示する。LR−UEに対してスロット単位のSRSを設定する。セル毎に設定されてもよいし、UE毎に設定されてもよい。あるいは、セル毎にSRS構成の一部が設定され、UE毎にSRS構成の残りの設定がなされてもよい。eNBは、LR−UEに対して、スロット単位のSRSの設定情報を通知する。RRCシグナリング、PDCCHまたはLR−EPDCCHを用いるとよい。セル毎に設定する場合は、システム情報に含めて報知するとよい。システム情報は、MIBあるいはSIBである。UE個別に設定する場合は、個別RRCシグナリングを用いて通知するとよい。UE個別に設定する場合は、該情報をDCIに含めてPDCCHあるいはLR−EPDCCHを用いて通知するとよい。
例えば、eNBは、最初にセル毎のSRS構成を設定する。eNBは、次に、その中でLR−UE個別に用いるSRS構成を設定する。
例えば、セル毎のSRS構成として、時間軸上のリソース情報としてもよい。どのスロットにSRSを構成するかを特定する情報としてもよい。特定する情報の一例としては、システムフレーム番号(SFN)、無線フレーム番号、スロット番号、シンボル番号、システムフレーム内無線フレームのオフセット値、サブフレーム内スロットのオフセット値、およびスロット間の間隔などがある。これによって、LR−UEは、セル毎にSRSが構成されるスロットを特定することができる。
UE毎のSRS構成として、周波数軸上のリソース情報としてもよい。どのPRBにSRSを構成するかを特定する情報とすればよい。どのPRBにSRSを構成するかを特定する情報の一例としては、PRB番号などがある。あるいは、どのサブキャリアにSRSを構成するかを特定する情報としてもよい。どのサブキャリアにSRSを構成するかを特定する情報の一例としては、サブキャリア番号などがある。
また、UE毎のSRS構成として、他LR−UEあるいはレガシーUEとの多重方法の情報としてもよい。例えば、他LR−UEあるいはレガシーUEと、1PRB内で周波数分割多重した場合、自身のSRSが構成される周波数軸上のリソースを特定できる情報とすればよい。前記リソースを特定できる情報は、例えば、サブキャリアのオフセット値、サブキャリア間隔などがある。
LR−UEは、eNBから通知された前述のSRS構成を用いて、SRSを物理リソースにマッピングして送信する。
LR−UEは、スロット単位のSRSが構成されているシンボルで、データを送信しない。該シンボルにデータをマッピングしない。
該シンボルとして、LR−UE個別に設定されているSRS構成のシンボルだけではなく、セル毎に設定されているSRS構成のシンボルで、データを送信しないようにするとよい。該シンボルでデータをマッピングしないようにするとよい。
また、LR−UEは、レガシーUEのSRSが構成されているシンボルで、データを送信しないようにするとよい。該シンボルにデータをマッピングしないようにするとよい。
該シンボルとして、セル毎に設定されているSRS構成のシンボルで、データを送信しないようにするとよい。該シンボルでデータをマッピングしないようにするとよい。
LR−UEは、レガシーUEに対してセル毎に設定されるSRS構成をeNBから受信するとよい。
このようにすることによって、自身の送信データと自身のSRSあるいはレガシーUEのSRSとが衝突してしまうことを回避することが可能となる。
スロット内の任意の1シンボルにLR−UE用のSRSが構成される場合、レガシーUEの上りデータと衝突してしまう場合が生じる。このような場合、レガシーUEの上りデータの通信品質の劣化、LR−UEのSRS精度の劣化が引き起こされる。このような問題を解決する方法を開示する。
レガシーUEのPUSCHが送信されるPRB領域では、LR−UEのSRSを構成しない。eNBは、レガシーUEのPUSCHが送信されるPRB領域で、LR−UEのSRSを設定しないようにしてもよい。
LR−UEは、LR−UE用のPUSCHがマッピングされているPRBおよび何もマッピングされていないPRBの少なくとも一方でSRSを送信する。
図30は、実施の形態5におけるLR−UEのSRSの構成方法を説明するための図である。レガシーUEのPUSCHが送信されるPRB領域では、LR−UEのSRSを構成しない。図30に示す例では、サブフレーム#1のサブフレーム内の1番目のスロットにおいて、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBの最後のシンボルには、LR−UEのSRSが構成されない。LR−UEのPUSCHがマッピングされるPRBの最後のシンボルに、LR−UEのSRSが構成される。
サブフレーム#2のサブフレーム内の1番目のスロットにおいて、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBの最後のシンボルには、LR−UEのSRSが構成されない。LR−UEのPUSCHがマッピングされるPRBと、何もスケジューリングされていないPRBの最後のシンボルに、LR−UEのSRSが構成される。
図30に示す例では、サブフレーム#1、サブフレーム#2ともに、サブフレーム内の2番目のスロットの最後のシンボルに、レガシーUEのSRSが構成されている。該シンボルに、LR−UEのSRSも構成される。該シンボルで、レガシーUEのSRSとLR−UEのSRSとが多重される。
このようにすることによって、レガシーUEのPUSCHとLR−UEのSRSとが衝突することを回避することができる。また、レガシーUEのSRSとLR−UEのSRSとを共存させることが可能となる。また、LR−UEは、該SRSが構成されるシンボルでSRSを送信することが可能となる。
図30に示す例では、レガシーUEは、矢符156,158で示されるように、サブフレーム内の2スロット間で周波数ホッピングが行われる。またレガシーUEは、矢符157で示されるように、サブフレーム間の周波数ホッピングが行われる。参照符号「155」で示されるように、PRB単位でスケジューリングされない物理リソースが存在する。
eNBは、レガシーUE用のPUSCHのスケジューリングを行うので、PUSCHがマッピングされるPRBを認識している。したがって、eNBは、LR−UE用のSRSを、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBを避けて構成するとよい。
あるいは、eNBは、LR−UE用のSRSのセル毎の構成として、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBに構成してもよいが、LR−UE毎のSRS設定として、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBを避けて設定するようにしてもよい。
LR−UEは、eNBから通知された自身のSRSの設定に従って、SRSを送信する。
このような方法を用いることによって、LR−UEは、他のLR−UEのPUSCH領域を認識しなくてもよい。したがって、LR−UEの制御が複雑化することを回避することができる。
他の方法として、eNBは、LR−UEに、他のLR−UEのPUSCH領域情報を通知してもよい。あるいは、eNBは、LR−UEに、何もマッピングされていない領域情報を通知する。PUSCH領域情報および、何もマッピングされていない領域情報としては、PRB番号などがある。該情報を受信したLR−UEは、該領域でSRSを送信可能とする。
例えば、eNBは、セル毎のLR−UE用のSRS構成として、スロット構成を通知する。その後、eNBは、LR−UE毎に、SRS設定情報と、他のLR−UEのPUSCH領域情報および何もマッピングされていない領域情報の少なくとも一方の情報とを通知する。
LR−UEは、eNBから受信したこれらの情報を用いて、LR−UE用のPUSCHがマッピングされているPRBおよび何もマッピングされていないPRBの少なくとも一方で、自身のSRS設定に従って、SRSを送信する。
このような方法を用いることによって、LR−UEは、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBを避けて、SRSを送信することができる。
eNBは、LR−UE毎に、他のLR−UEのPUSCH領域情報を通知する場合、予め、LR−UEのPUSCHがマッピングされる物理リソース領域を確保しておいてもよい。しかし、予め物理リソース領域を確保することは、時間的に動的な負荷状況および電波伝搬状況に柔軟に対応できなくなり、物理リソースの使用効率を低下させる場合がある。
このような問題を解決する方法として、SRSの設定を動的に行うようにするとよい。eNBは、LR−UEからのSRSの送信を必要とする場合、LR−UEに対してSRSの送信要求を通知する。
SRSの送信要求は、LR−UEに対して、PDCCHあるいはLR−EPDCCHで通知するとよい。スロット毎のDCIに含めて通知するとよい。SRSの送信要求とともに、SRS設定情報と、他のLR−UEのPUSCH領域情報および何もマッピングされていない領域情報の少なくとも一方の情報とを通知する。
eNBから、自身宛てのPDCCHあるいはLR−EPDCCHを受信し、SRSの送信要求とこれらの情報を受信したLR−UEは、受信した情報に従って、該PDCCHあるいはLR−EPDCCHが送信されたスロットに対応する上りスロットでSRSを送信する。
SRSの送信要求を通知せずに、SRS設定情報ならびに、他のLR−UEのPUSCH領域情報および何もマッピングされていない領域情報の少なくとも一方の情報のみを通知するようにしてもよい。LR−UEは、該情報の受信に基づいて、SRSの送信を行うと判断するようにしてもよい。これによって、要求のための情報が削減できる。
あるいは、SRSの送信要求およびSRS設定情報のみを通知するようにしてもよい。他のLR−UEのPUSCH領域情報および何もマッピングされていない領域情報の少なくとも一方の情報は通知しない。
前述したように、eNBは、レガシーUE用のPUSCHのスケジューリングを行うので、PUSCHがマッピングされるPRBを認識している。eNBは、LR−UE用のSRSを、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBを避けて設定できる。この場合、eNBは、SRSの送信要求およびSRS設定情報のみを通知するだけでよい。
LR−UEは、eNBから通知された自身のSRSの設定に従ってSRSを設定し、eNBから通知されたSRSの送信要求に従って、対応する上りスロットでSRSを送信する。
このようにすることによって、他のLR−UEのPUSCH領域情報および、何もマッピングされていない領域情報の少なくとも一方の情報は、通知が不要となるので、DCIの情報量を削減することが可能となる。
あるいは、SRSの送信要求は通知せず、SRS設定情報のみを通知するようにしてもよい。SRSの設定がSRSの送信要求であると決めておくとよい。LR−UEは、eNBから通知された自身のSRSの設定に従って、対応する上りスロットでSRSを送信する。これによって、DCIの情報量をさらに削減することができる。
このような方法を用いることによって、LR−UEは、レガシーUEのPUSCHの柔軟なスケジューリングに対応することができる。LR−UEは、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBを避けて、SRSを送信することができる。
さらに、時間的に動的な負荷状況および電波伝搬状況に柔軟に対応できるようになるので、物理リソースの使用効率の低下を抑制することができる。
スロット#奇数のスロットでは、他の方法として、LR−UE用のSRSをスロット内の最後のシンボルに構成するようにして、レガシーUEのSRSと前述した方法で多重してもよい。
eNBは、レガシーUEのSRS構成をレガシーUEに通知する。したがって、レガシーUEは、どのスロットの最後のシンボルでSRSが構成されるかを認識しており、そのシンボルではデータを送信しない。このデータが送信されないシンボルをLR−UEのSRS用として用いることによって、レガシーUEのデータと衝突することを回避することができる。
前述の方法を用いることによって、LR−UEのSRSをスロット単位で送信することが可能となる。また、LTEの同一キャリア上で、LR−UEのSRSとレガシーUEのSRSとを共存させることが可能となる。
したがって、eNBは、LR−UEのスロット単位のSRSを受信することが可能となり、該SRSを用いてLR−UEへの効率の良いデータスケジューリングを行うことが可能となる。
また、eNBによるレガシーUEへのデータスケジューリング効率の低下を抑制しつつ、LR−UEへのデータスケジューリング効率を向上させることが可能となる。
したがって、レガシーUEのデータの伝送速度の低下を抑制しつつ、LR−UEのデータの伝送速度を向上することが可能となる。
LR−UEのSRS設定とPUCCHの送信とが同じスロット内で発生する場合がある。その場合は、従来のSRSとPUCCHとが同時発生した場合の方法と同じにするとよい。従来の方法と同じにすることによって、制御が複雑化することを回避することが可能となる。
前述のように、本実施の形態では、短縮したTTIに対応するために、スロット単位のSRSについて開示した。
しかし、他の方法として、LR−UEのSRSの送信に、サブフレーム単位の従来のSRSの送信方法を適用してもよい。
eNBのスケジューリングにおいて、スロット単位のSRSが不要となる場合がある。例えば、セルの負荷が少ない場合などである。スロット単位のSRSが無くても、eNBのスケジューリング効率の低下は少ない。このような場合に、従来のSRSの送信方法を適用することによって、シグナリング量の増大を抑制することが可能となる。また、レガシーUEとの共存も容易になるので、制御が複雑化することを回避することが可能となる。
スロット単位のSRSとサブフレーム単位のSRSとを適宜組み合わせてもよい。セル毎に使い分けてもよいし、UE毎に使い分けてもよい。準静的または動的に使い分けてもよい。判断基準として、セルの負荷、セルのスループット、セルの平均遅延時間、UE毎の通信品質、要求QoS(Quality of Service)毎、要求遅延時間毎などに応じて使い分けるとよい。
LR−UE用のPUCCHでSR、CSI、下りデータに対するAck/Nackを送信するが、該LR−UEのPUCCHをSRSとを同じシンボルで送信する場合、従来のレガシーUEのPUCCHとSRSの方法と同様にしてもよい。
実施の形態6.
実施の形態1では、短縮したTTIの例として、TTI=1スロットの場合について開示した。本実施の形態では、短縮したTTIの例として、TTI=1シンボルの場合について、解決策を開示する。
PDSCHとPDCCHの送信方法について、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)UEに対して、RRCシグナリングを用いてLR−UEのPDCCHをマッピングする物理リソース領域を設定する。
(2)UEに対して、RRCシグナリングを用いてLR−UEのPDSCHをマッピングする物理リソース領域を設定する。
前記送信方法(1)では、LR−UEのPDSCHのスケジューリング情報は、LR−UEのPDCCHに含まれる。LR−UEは、自身宛てのPDCCHを受信して、受信したPDCCHに含まれる自身宛てのPDSCHのスケジューリング情報を受信して、PDSCHを受信する。
前記送信方法(1)について、さらに具体例を開示する。LR−UEのPDCCHがマッピングされる物理リソースとして、PRB単位で構成する。LR−UEのPDCCHがマッピングされる物理リソースとして、PRBペア単位で構成してもよい。
LR−UEのPDCCHは、従来のPDSCHがマッピングされる物理リソース領域にマッピングされる。
LR−UEのPDCCHは、レガシーUEのPDSCHがマッピングされるPRBペアを避けてマッピングされる。
従来のPDCCHがマッピングされるシンボル(1〜4シンボル、PCFICHで指示)は除かれる。
このような方法を用いることによって、LR−UEのPDCCH領域と既存の物理チャネルとを共存させることが可能となる。ここでは、LR−UEのPDCCH領域を「LR−PDCCH領域」という。
LR−PDCCH領域内で、複数のLR−UEのPDCCHが多重される。任意の一つのLR−UEのPDCCHは、1シンボル内にマッピングされる。1シンボル内で複数のLR−UEのPDCCHが多重されてもよい。あるいは、1シンボルに1つのLR−UEのPDCCHがマッピングされ、LR−PDCCH領域内で複数のLR−UEのPDCCHが多重されてもよい。
LR−UEのDCIは、1TTI=1シンボル毎のDCIとするとよい。DCIには、1シンボル分のスケジューリング情報が含まれる。
LR−UEのDCIに、LR−UEのPDSCHのスケジューリング情報を含めるとよい。LR−UEのスケジューリング情報に、LR−UEのPDSCHの物理リソースへのアロケーション情報を含めるとよい。LR−UEのDCIは、LR−UEのPDCCHにマッピングされ、LR−PDCCH領域にマッピングされる。
スケジューリング情報としては、アロケーション情報およびMCS情報などがある。アロケーション情報としては、シンボル情報、サブキャリア情報がある。周波数軸上の物理リソースを特定するために、サブキャリア情報の代わりにPRB単位の情報としてPRB情報を用いてもよい。例えば、PRBの数およびPRB番号などである。
LR−UE用のPDCCHには、LR−UEのC−RNTIでスクランブルされたCRCを用いるとよい。従来のUE用のPDCCHと同様に、LR−UE自身のC−RNTIでLR−PDCCH領域を検索することによって、自身宛てのPDCCHを検出して受信することが可能となる。
LR−UEのPDSCHのスケジューリング情報が含まれるPDCCHを、LR−PDCCH領域内の該PDSCHと同一のシンボルにマッピングするとよい。
このようにすることによって、LR−UEは、自身のPDCCHを検出して、受信したシンボルと同じシンボルでPDSCHを受信することが可能となる。
また、LR−UEの複数のPDCCHが、LR−PDCCH領域内の複数のシンボルにマッピングされてもよい。
LR−UEは、LR−PDCCH領域内の自身のPDCCHをシンボル毎に検出して受信する。受信したPDCCHのスケジューリング情報に従って、該PDCCHと同一シンボルに存在するPDSCHを受信する。
また、1シンボル内に、LR−UEの複数のPDCCHをマッピングしてもよい。それぞれ異なるPDSCHのスケジューリングを行う。各PDSCHは、同一のシンボル内にマッピングされてもよいし、異なるシンボルにマッピングされてもよい。
同一のシンボル内にマッピングされる場合、LR−UEは、LR−PDCCH領域内の自身のPDCCHをシンボル毎に検出して受信する。受信した複数のPDCCHに含まれるスケジューリング情報に従って、該PDCCHと同一のシンボルに存在する複数のPDSCHを受信する。
異なるシンボルにマッピングされる場合、該DCIにシンボルを特定する情報を設けてもよい。同一のシンボルにPDSCHがスケジューリングされる場合だけでなく、他のシンボルにPDSCHがスケジューリングされるような場合に有効である。LR−UEは、LR−PDCCH領域内の自身のPDCCHをシンボル毎に検出して受信する。受信した複数のPDCCHに含まれるスケジューリング情報に従って、PDSCHがスケジューリングされるシンボルでPDSCHを受信する。
また、LR−UEの一つのPDCCHのDCIに複数のPDSCHのスケジューリング情報をマッピングしてもよい。各PDSCHは、同一のシンボル内にマッピングされてもよいし、異なるシンボルにマッピングされてもよい。該DCIにそれぞれのPDSCHがマッピングされるシンボルを特定する情報を設けてもよい。LR−UEは、LR−PDCCH領域内の自身のPDCCHをシンボル毎に検出して受信する。受信したPDCCHに含まれる複数のPDSCHのスケジューリング情報に従って、複数のPDSCHを受信する。
図31は、実施の形態6におけるLR−UEのシンボル毎のPDCCHとPDSCHの送信方法を説明するための図である。図31に示す例では、スロット毎にPRB単位でLR−PDCCH領域が構成される。LR−PDCCH領域とレガシーUEのPDSCHがマッピングされる領域とは、重ならないように構成される。LR−PDCCH領域が先に構成される場合、レガシーUEのPDSCHは、LR−PDCCH領域を避けてマッピングされる。LR−PDCCH領域内に、シンボル毎に複数のLR−UEのPDCCHが多重されてマッピングされる。同じLR−UEのPDCCHが複数マッピングされてもよい。サブフレーム内の1番目のスロットのLR−PDCCH領域は、従来のPDCCH領域160のシンボルが除かれる。
LR−PDCCH領域内にマッピングされたLR−UEのPDCCHによって、LR−UEのPDSCHをスケジューリングする。LR−UEのPDCCHが存在するシンボルと同一のシンボル内のPDSCHをスケジューリングする。LR−UEのPDSCHとレガシーUEのPDSCHとは、重ならないようにスケジューリングされる。このようにすることによって、レガシーUEとの共存が可能となる。
図31に示す例では、LR−UEのPDSCHは、周波数軸上の同じ周波数領域にスケジューリングされる。これに限らず、LR−UEのPDSCHが個別に周波数軸上の異なる周波数領域にスケジューリングされてもよい。周波数軸上の同じ周波数領域、例えばPRBの周波数領域である12サブキャリア単位でスケジューリングする場合、レガシーUEのPDSCHの物理リソースへのマッピングとの関係で、簡易にかつ効率良くスケジューリングすることが可能となる。参照符号「161」で示されるように、シンボル単位でスケジューリングされない物理リソースが存在する。
図32は、実施の形態6におけるLR−UEのシンボル毎のPDCCHとPDSCHの他の例を説明するための図である。図32では、レガシーUEのPDSCHのPRBペアの周波数が異なる場合を示している。LR−PDCCHは、スロット毎に周波数軸上の異なる周波数領域に構成される。また、サブフレーム内の2番目のスロットでは、LR−PDCCH領域内にマッピングされるLR−UEのPDCCHと連続してPDSCHがスケジューリングされる。サブフレーム内の1番目のスロットのLR−PDCCH領域は、従来のPDCCH領域165のシンボルが除かれる。
このように、スロット毎にPRB単位でLR−PDCCH領域の構成を柔軟に行うことによって、レガシーUEのPDSCHとLR−UEのPDSCHとがマッピングされる物理リソースを柔軟に設定することができる。
LR−PDCCH領域の設定方法について開示する。LR−PDCCH領域を設定する。LR−PDCCHセットとして設定してもよい。LR−PDCCHセットの周波数軸上のリソースは、PRB単位で設定する。連続的なPRBを設定してもよいし、非連続的なPRBを設定してもよい。
LR−PDCCH領域の時間軸上のリソースは、スロット単位で設定する。連続的なスロットを設定してもよいし、非連続的なスロットを設定してもよい。毎スロット設定してもよい。あるいは、サブフレーム単位で設定してもよい。
LR−PDCCH領域は、セル毎に設定されてもよいし、LR−UE毎に設定されてもよいし、LR−UEのグループ毎、例えばLR−PDCCH領域にマッピングされるLR−UEのグループ毎に設定されてもよい。また、システムとして規格で設定されてもよい。あるいは、これらの組合せでもよい。
例えば、LR−PDCCH領域の時間軸上および周波数軸上の設定をセル毎とする。1シンボル内のLR−UEの多重方法は、システムとして予め規格で決めておいてもよい。このようにすることによって、eNBは、LR−PDCCH領域のスロットタイミングおよびPRBを予め設定することが可能となり、スケジューリングが容易になる。LR−UEは、セル毎に設定されているLR−PDCCH領域のスロットタイミングとPRBとを認識し、そのスロットとPRBとにおいてUE毎のPDCCHを検索し、受信することが可能となる。
他の例として、LR−PDCCH領域を設定可能なリソースの設定をセル毎で行い、実際にLR−UEに対するLR−PDCCH領域の設定をUE毎で行ってもよい。予め、セル毎にLR−PDCCH領域を設定可能なリソースの設定を行っておくことによって、レガシーUEとの同一サブフレーム上へのLR−UEのPDCCHのスケジューリングを容易にできる。また、レガシーUEとLR−UEとの共存を容易にすることが可能となる。
LR−PDCCH領域の設定は、静的に決められてもよいし、準静的または動的に決められてもよい。
静的に決められる場合、規格などで決められるとよい。準静的または動的に決められる場合、RRCシグナリングを用いるとよい。
例えば、セル毎の設定については規格で決めておき、UE毎の設定については準静的または動的にRRCシグナリングを用いて決めてもよい。
他の例として、セル毎の設定の場合、報知情報として、eNBから傘下のUEに対して報知するとよい。LR−UE毎の設定の場合、UE個別シグナリングで、eNBから、短縮したTTIを実行するLR−UEに対して通知する。
eNBは、RRCシグナリングとして、RRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージにLR−PDCCH領域の設定情報を含めて、LR−UEに通知してもよい。
LR−UEの動作について開示する。LR−UEは、PCFICHを受信し、スロット#0のPDSCH領域の先頭のシンボルを認識する。LR−UEは、LR−PDCCH領域を自身のC−RNTIで検出する。LR−PDCCH領域の構成は、例えばRRCシグナリングを用いてeNBから通知される。
これによって、LR−UEは、自身宛てのPDCCHを検出することができる。LR−UEは、自身のC−RNTIで検出したPDCCHからDCIを取得する。LR−UEは、DCI中のスケジューリング情報を用いてPDSCHを受信する。どのシンボル、どのサブキャリアにPDSCHがアロケーションされているかを認識するために、シンボル情報、サブキャリア情報を用いるとよい。シンボル内の周波数領域を特定するために、PRB単位の情報としてPRB情報を用いてもよい。LR−UEは、スケジューリング情報を用いて、受信したPDSCHを復調して、データを取得する。
LR−PDCCH領域において、1シンボル毎にRSを設ける。LR−UEのPDCCHがマッピングされるシンボルにRSを設けてもよい。PDCCHの復調用に用いるとよい。また、LR−UEのPDSCHがマッピングされるシンボルの物理リソース内にRSを設ける。LR−PDSCHの復調用に用いるとよい。RSは、セル個別に設けられてもよいし、LR−UE個別に設けられてもよい。
LR−UEのPDCCHあるいはPDSCHが周波数軸上で複数の連続したPRBにマッピングされる場合、RSを設けるサブキャリア間隔を大きくしてもよい。例えば、PRB数とRSを設けるサブキャリア間隔を予め規格で決めておいてもよい。あるいは、eNBが準静的または動的に決定し、LR−UEに対してRRCシグナリングで通知してもよい。
また、LR−UEのPDCCHとPDSCHとを周波数軸上で連続したPRBにマッピングすることによって、該PDCCHとPDSCHとを合わせたRSで復調できるようになる。したがって、このような場合、RSを設けるサブキャリアの間隔を大きくできる。このような場合も、連続したPRB数とRSを設けるサブキャリアの間隔を予め規格で決めておいてもよい。あるいは、eNBが準静的または動的に決定し、LR−UEに対してRRCシグナリングで通知してもよい。
また、LR−UEのPDCCHとPDSCHとを時間軸上で連続したシンボルにマッピングすることによって、該PDCCHとPDSCHとを合わせたRSで復調できるようになる。したがって、このような場合、RSを設けるシンボルの間隔を大きくできる。このような場合も、連続したシンボル数とRSを設けるシンボルの間隔を予め規格で決めておいてもよい。あるいは、eNBが準静的または動的に決定し、LR−UEに対してRRCシグナリングで通知してもよい。
以上のように前記送信方法(1)によって、レガシーUEのPDSCHは、サブフレーム単位で物理リソースにマッピングされる。LR−UEのPDSCHは、レガシーUEのPDSCHがマッピングされる物理リソースの領域に、シンボル単位でマッピングされる。これによって、LR−UEのPDSCHを、TTI毎に物理リソースにマッピングすることが可能となる。したがって、LR−UEに対するデータの伝送速度を向上させることが可能となる。また、レガシーUEのPDSCHと、LR−UEのPDSCHとを、1つのサブフレーム内の物理リソースに共存させることが可能となる。したがって、種々のTTIに対応することが可能であり、後方互換性を有する通信システムを実現することができる。
前記送信方法(2)の場合、LR−UEのPDCCHは、LR−UEのPDSCH領域に多重されてもよいし、別の領域に設けられてもよい。別の領域に設けられる場合、前記送信方法(1)の方法を適用してもよい。LR−UEのPDCCHに、PDSCHのスケジューリング情報を含めたDCIをマッピングする。LR−UEのPDSCHのスケジューリング情報として、PDSCHの物理リソースアロケーション情報を含まず、その他のMCSなどの情報のみ含ませてもよい。LR−UEは、自身宛てのPDCCHを受信して、それに含まれるPDSCHのスケジューリング情報を受信して、LR−UE用PDSCH領域内のPDSCHを受信する。
LR−UEのPDSCHがマッピングされる物理リソースとして、PRB単位で構成する。LR−UEのPDSCHがマッピングされる物理リソースとして、PRBペア単位で構成してもよい。
LR−UEのPDSCHは、従来のPDSCHがマッピングされる物理リソース領域にマッピングされる。
LR−UEのPDSCHは、レガシーUEのPDSCHがマッピングされるPRBペアを避けてマッピングされる。
従来のPDCCHがマッピングされるシンボル(1〜4シンボル、PCFICHで指示)は除かれる。
このような方法を用いることによって、LR−UEのPDSCH領域と既存の物理チャネルとを共存させることが可能となる。ここでは、LR−UEのPDSCH領域を「LR−PDSCH領域」という。
LR−PDSCH領域内で、複数のLR−UEのPDSCHが多重される。任意の一つのLR−UEのPDSCHは、1シンボル内にマッピングされる。1シンボル内で複数のLR−UEのPDSCHが多重されてもよい。あるいは、1シンボルに1つのLR−UEのPDSCHがマッピングされ、LR−PDSCH領域内で複数のLR−UEのPDSCHが多重されてもよい。
LR−UEのDCIは、1TTI=1シンボル毎のDCIとするとよい。DCIには、1シンボル分のスケジューリング情報が含まれる。
LR−UEのDCIに、LR−UEのPDSCHのスケジューリング情報を含めるとよい。LR−UEのDCIは、LR−UEのPDCCHにマッピングされ、LR−PDSCH領域に多重されてマッピングされる。
スケジューリング情報としては、アロケーション情報およびMCS情報などがある。アロケーション情報としては、周波数領域を特定するために、PRB単位の物理リソースの情報がある。例えば、PRBの数およびPRB番号などである。スケジューリング情報に、LR−UEのPDSCHの物理リソースへのアロケーション情報を含めなくてもよい。LR−PDSCH領域内にPDSCHがアロケーションされるので、LR−UEのPDSCHの物理リソースへのアロケーション情報は無くてもよい。
LR−UE用のPDCCHには、LR−UEのC−RNTIでスクランブルされたCRCを用いるとよい。従来のUE用のPDCCHと同様に、LR−UE自身のC−RNTIでLR−PDSCH領域を検索することによって、自身宛てのPDCCHを検出して受信することが可能となる。
LR−UEのPDCCHを、LR−PDSCH領域内の該PDSCHと同一のシンボルにマッピングするとよい。LR−UEのPDCCHとPDSCHとが多重されてマッピングされる。多重は1シンボル内で行われる。多重方法として、例えば周波数分割多重、コード分割多重などがある。周波数分割多重とした場合、サブキャリア単位およびRE単位で分割多重するとよい。また、周波数軸上においてPRB単位(12サブキャリア単位)で分割多重してもよい。LR−PDSCH領域を複数のPRBを用いて構成する場合に適用してもよい。
多重方法は、予め規格などで静的に決めておいてもよいし、準静的または動的に決めてもよい。準静的または動的に決められる場合、eNBが決定し、RRCシグナリングでLR−UEに通知するとよい。また、規格で何種類かの多重方法の一覧表を設けておき、その中のどれを選択するかを示す情報を設けてLR−UEに通知してもよい。
このようにすることによって、LR−UEは、自身のPDCCHを検出し、受信したシンボルと同じシンボルでPDSCHを受信することが可能となる。
また、LR−UEの複数のPDCCHが、LR−PDSCH領域内の複数のシンボルに多重されてもよい。
LR−UEは、LR−PDSCH領域内の自身のPDCCHをシンボル毎に検出して受信する。受信したPDCCHのスケジューリング情報に従って、該PDCCHと同一のシンボルに存在するPDSCHを受信する。
また、1シンボル内に、LR−UEの複数のPDCCHをマッピングしてもよい。それぞれ異なるPDSCHのスケジューリングを行う。各PDSCHは、同一のシンボル内にマッピングされてもよいし、異なるシンボルにマッピングされてもよい。
同一のシンボル内にマッピングされる場合、LR−UEは、LR−PDSCH領域内に多重されている自身のPDCCHをシンボル毎に検出して受信する。受信した複数のPDCCHに含まれるスケジューリング情報に従って、該PDCCHと同一のシンボルに存在する複数のPDSCHを受信する。
異なるシンボルにマッピングされる場合、該DCIにシンボルを特定する情報を設けてもよい。同一のシンボルにPDSCHがスケジューリングされる場合だけでなく、他のシンボルにPDSCHがスケジューリングされるような場合に有効である。LR−UEは、LR−PDSCH領域内の自身のPDCCHをシンボル毎に検出して受信する。受信した複数のPDCCHに含まれるスケジューリング情報に従って、PDSCHがスケジューリングされるシンボルでPDSCHを受信する。
また、LR−UEの一つのPDCCHのDCIに、複数のPDSCHのスケジューリング情報をマッピングしてもよい。各PDSCHは、同一のシンボル内にマッピングされてもよいし、異なるシンボルにマッピングされてもよい。該DCIにそれぞれのPDSCHがマッピングされるシンボルを特定する情報を設けてもよい。LR−UEは、LR−PDSCH領域内の自身のPDCCHをシンボル毎に検出して受信する。受信したPDCCHに含まれる複数のPDSCHのスケジューリング情報に従って、複数のPDSCHを受信する。
図33は、実施の形態6における送信方法を説明するための図である。図33では、LR−PDSCHを構成した場合のPDSCHの送信方法について説明する。
図33に示す例では、スロット毎にPRB単位でLR−PDSCH領域が構成される。LR−PDSCH領域とレガシーUEのPDSCHがマッピングされる領域とは、重ならないように構成される。LR−PDSCH領域が先に構成される場合、レガシーUEのPDSCHは、LR−PDSCH領域を避けてマッピングされる。LR−PDSCH領域を、周波数軸上の同じ周波数領域、例えばPRBの周波数領域である12サブキャリア単位でスケジューリングする場合、レガシーUEのPDSCHの物理リソースへのマッピングとの関係で、簡易にかつ効率良くスケジューリングすることが可能となる。
LR−PDSCH領域内に、シンボル毎に複数のLR−UEのPDSCHが多重されてマッピングされる。同じLR−UEのPDSCHが複数マッピングされてもよい。サブフレーム内の1番目のスロットのLR−PDSCH領域は、従来のPDCCH領域のシンボルが除かれる。
LR−UEのPDCCHは、LR−PDSCH領域内に多重されてもよい。該PDCCHによってLR−UEのPDSCHをスケジューリングする。LR−UEのPDCCHが存在するシンボルと同一のシンボル内のPDSCHをスケジューリングする。参照符号「170」で示されるように、シンボル単位でスケジューリングされない物理リソースが存在する。
図34は、実施の形態6におけるLR−PDSCHを構成する他の方法について説明するための図である。
図33に示す例では、LR−PDSCH領域は、サブフレーム内の1番目のスロットと2番目のスロットで、周波数軸上の同じ周波数領域に構成される。これに限らず、LR−PDSCHが個別に周波数軸上の異なる周波数領域に構成されてもよい。
図34では、LR−PDSCH領域がスロット毎に個別に周波数軸上の異なる周波数領域に構成される場合を示している。LR−PDSCHを周波数軸上で柔軟に構成することによって、レガシーUEのPDSCHがマッピングされる物理リソースを柔軟に設定することができる。
LR−PDSCHの設定方法は、前記送信方法(1)のLR−PDCCHの設定方法を適用するとよい。
LR−UEの動作について開示する。LR−UEは、PCFICHを受信し、スロット#0のPDSCH領域の先頭のシンボルを認識する。
LR−UEは、LR−PDSCH領域において、自身のC−RNTIで自身宛てのPDCCHを検出する。LR−PDSCH領域の構成は、例えばRRCシグナリングを用いてeNBから通知される。LR−PDSCH領域のPDSCHとPDCCHとの多重方法は、例えば規格によって予め決められる。これらによって、LR−UEは、自身宛てのPDCCHを検出することができる。
LR−UEは、自身のC−RNTIで検出したPDCCHからDCIを取得する。LR−UEは、DCI中のスケジューリング情報を取得する。LR−UEは、前述の多重方法およびスケジューリング情報を用いて、PDSCHを受信し、復調して、データを取得する。
LR−PDSCH領域において、1シンボル毎にRSを設ける。LR−UEのPDCCHおよびLR−PDCCHの復調用に用いるとよい。RSは、セル個別に設けられてもよいし、LR−UE個別に設けられてもよい。
LR−UEのPDSCH領域のRSの構成方法として、前記送信方法(1)で開示したLR−UEのPDCCH領域のRSの構成方法、LR−UEのPDCCHとPDSCHとを周波数軸上で連続したPRBにマッピングした際のRSの構成方法、LR−UEのPDCCHとPDSCHとを時間軸上で連続したシンボルにマッピングした際のRSの構成方法を適宜適用するとよい。
LR−UEのPDCCHは、LR−UEのPDSCH領域とは別の領域に設けられてもよい。別の領域に設けられる場合、前記送信方法(1)のLR−PDCCH領域を設ける方法を適用するとよい。
HARQについて開示する。HARQはTTI単位で行う。LR−UEに対しては、短縮したTTI、すなわち本実施の形態ではシンボル単位で行うとよい。また、レガシーUEに対しては、従来のTTI、すなわちサブフレーム単位で行う。LR−UEに対して、HARQを短縮したTTI単位で行う方法は、実施の形態1の変形例1で開示した方法を適用するとよい。非同期のHARQも適用するとよい。従来のPDCCH領域のように、LR−UEのPDSCHをマッピングできないシンボルが存在する。そのような場合に非同期のHARQを用いることによって、従来のPDCCH領域を除いたスケジューリングが可能となる。
本実施の形態で開示した方法を用いることによって、LR−UEのPDSCHを1TTI毎に物理リソースにマッピングすることが可能となる。LR−UEのPDSCHをシンボル毎に物理リソースにマッピングすることが可能となる。また、レガシーUEのPDSCHとLR−UEのPDSCHとを、1サブフレーム内の物理リソースに共存させることが可能となる。1TTIが1サブフレームより短いLR−UEのPDSCHのスケジューリングが可能となる。したがって、LR−UEに対するデータの伝送速度を向上させることが可能となる。また、LTEの同一キャリア上で、LR−UEとレガシーUEとの共存が可能となる。
実施の形態7.
上りデータに対するAck/Nackについて開示する。実施の形態2で述べたように、LR−UEは、TTIが1サブフレームより短くなるので、HARQも1サブフレームより短い単位で行われることが必要となる。しかし、HARQを1サブフレームより短い単位で行う場合、従来のLTEのPHICH送信方法を適用することはできない。また、LTEの同一キャリア上で、短縮したTTIをサポートするためには、LR−UEとレガシーUEとの共存が図られなければならない。本実施の形態では、これらの問題を解決する方法を開示する。
LR−UEに対して、HARQをTTI単位で行う。LR−UEの上りデータに対するAck/Nackをシンボル単位で送信可能とする。
Ack/Nackの送信方法の具体例として、以下の(1)〜(4)の4つを開示する。
(1)LR−PHICHを用いて送信する。
(2)LR−PDCCH領域に多重して送信する。
(3)LR−UEのPDCCHを用いて送信する。
(4)前記(1)〜(3)の組合せ。
前記具体例(1)のLR−PHICHを用いて送信する方法について開示する。LR−UEの上りデータに対するAck/Nackを送信するための物理チャネルであるPHICHを設ける。このPHICHを、以下「LR−PHICH」という。LR−PHICHを1シンボル内にマッピングする。
このLR−PHICH構成に、実施の形態2で開示したLR−PHICH構成を適用してもよい。実施の形態2では、LR−PHICH用の物理リソース全体にLR−UEのAck/Nackをマッピングしたが、本実施の形態では、LR−PHICH用の物理リソースの1シンボル内に、LR−UEのAck/Nackをマッピングする。LR−PHICH用の物理リソースの1シンボル内に、LR−PHICHグループをマッピングするとしてもよい。また、一つのHREGを1シンボル内で構成されるようにしてもよい。このようにすることによって、任意のLR−UEのAck/Nackが、LR−PHICH用の物理リソースの1シンボル内で送信されるようになる。
このようにすることによって、LR−UEの上りデータに対するAck/Nackをシンボル単位で送信することが可能となる。
前記具体例(2)のLR−PDCCH領域に多重して送信する方法について開示する。LR−UE用のAck/Nackは、LR−PDCCHがマッピングされる物理リソースに、多重されてマッピングされる。LR−UE用のPHICHとLR−UE用のPDCCHとを、LR−PDCCH領域の1シンボル内で多重する。
多重方法として、例えば周波数分割多重およびコード分割多重がある。周波数分割多重とした場合、サブキャリア単位およびRE単位で分割多重するとよい。
多重方法は、予め規格などで静的に決めておいてもよいし、準静的または動的に決めてもよい。準静的または動的に決められる場合、eNBが決定し、RRCシグナリングでLR−UEに通知するとよい。また、規格で何種類かの多重方法の一覧表を設けておき、その中のどれを選択するかを示す情報を設けてLR−UEに通知してもよい。
多重方法として、実施の形態2で開示したLR−EPDCCH領域に多重して送信する方法を適用してもよい。実施の形態2では、LR−EPDCCH領域のPRB全体にLR−UEのAck/Nackをマッピングしたが、本実施の形態では、LR−PDCCH領域の1シンボル内にLR−UEのAck/Nackをマッピングする。LR−PDCCH領域の1シンボル内にLR−PHICHグループをマッピングするようにしてもよい。また、一つのHREGを1シンボル内で構成されるようにしてもよい。このようにすることによって、任意のLR−UEのAck/Nackが、LR−UEのPDCCH用の物理リソースの1シンボル内で多重されて送信されるようになる。
前記具体例(3)のLR−UEのPDCCHを用いて送信する方法について開示する。LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信は、LR−UEのPDCCHでのスケジューリングのみによって行う。LR−UEのPHICHを設けないとしてもよい。
LR−UEに対するDCIに新規データか否かを示す情報を含める。DCIは、LR−UEのPDCCHにマッピングされる。LR−UEは、自身宛てのPDCCHを受信し、DCIの中の該情報を受信することによって、スケジューリングが新規データに対してされたのか、再送データに対してされたのかを認識することが可能となる。LR−UEは、該情報が新規データであることを示している場合は、該スケジューリングに従って、新規データを送信する。この場合、LR−UEは、Ackとみなすことが可能となる。LR−UEは、該情報が新規データでないことを示している場合は、該スケジューリングに従って、再送データを送信する。この場合、LR−UEは、Nackとみなすことが可能となる。
このようにすることによって、LR−PHICHを設けなくてもよく、LR−PHICH用の領域を設けなくてもよい。したがって、データに使用する物理リソースを増大させることが可能となり、さらなるデータの伝送速度の向上を図ることができる。
このようにすることによって、LR−UEの上りデータに対するAck/Nackの送信が可能になり、上りデータに対するHARQを、短縮したTTI単位で行うことが可能となる。上りデータに対するHARQを、シンボル単位で行うことが可能となる。
したがって、遅延時間の削減を図ることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
また、LTEの同一キャリア上で、LR−UEとレガシーUEとの共存が可能となる。
実施の形態8.
PUSCHについて開示する。実施の形態3で述べたように、短縮したTTIで動作するLR−UEは、1TTIが1サブフレームより短くなるので、そのPUSCHの物理リソースへのマッピングに、レガシーUEの前記マッピング方法を適用することはできない。また、LTEの同一キャリア上で、短縮したTTIをサポートするためには、LR−UEとレガシーUEとの共存が図られなければならない。本実施の形態では、これらの問題を解決する方法を開示する。
PUSCHの送信方法について、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)UEに対して、LR−UEのPDCCHで、LR−UEのPUSCHのスケジューリング情報を通知する。
(2)UEに対して、RRCシグナリングを用いてLR−UEのPUSCHのスケジューリング情報を通知する。
前記送信方法(1)では、LR−UEは、LR−UE用PDCCHを受信し、該PDCCHに含まれるLR−UEのPUSCHのスケジューリング情報を受信することによって、PUSCHを受信する。
前記送信方法(2)では、LR−UEは、eNBからRRCシグナリングを用いて通知されたLR−UEのPUSCHのスケジューリング情報を用いて、PUSCHを受信する。
前記送信方法(1)について、さらに具体例を開示する。LR−UEのPUSCHがマッピングされる物理リソースとして、シンボル単位で構成する。
LR−UEのPUSCHがマッピングされる物理リソースを、1シンボル内の一つまたは複数の予め定める周波数で構成する。予め定める周波数として、サブキャリア単位あるいはRE単位としてもよい。例えば、1シンボル内の12サブキャリアを、LR−UEのPUSCHがマッピングされる物理リソースとしてもよい。
LR−UEのPUSCHは、従来のPUSCHがマッピングされる物理リソース領域にマッピングされる。
LR−UEのPUSCHは、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBペアを避けてマッピングされる。
このような方法を用いることによって、LR−UEのPUSCHと既存の物理チャネルとを共存させることが可能となる。
図35は、実施の形態8におけるLR−UEのシンボル毎のPUSCHの送信方法について説明するための図である。LR−UEのPUSCHは、シンボル毎に物理リソースにマッピングされる。図35に示す例では、12サブキャリア単位で物理リソースにマッピングされる。サブフレーム#1では、1シンボル内で12サブキャリアの物理リソースに、LR−UEのPUSCHがマッピングされる。サブフレーム#2では、1シンボル内で2つの連続した12サブキャリアに、物理リソースのLR−UEのPUSCHがマッピングされる。このようにすることによって、データ量を増大させることが可能となる。LR−UEのPUSCHのスケジューリングは、下りリンクのPDCCHで行われる。
図35に示す例では、LR−UEのPUSCHは、スロット毎に周波数軸上の同じ周波数領域にスケジューリングされる。これに限らず、LR−UEのPUSCHが個別に周波数軸上の異なる周波数領域にスケジューリングされてもよい。周波数軸上の同じ周波数領域、例えばPRBの周波数領域である12サブキャリア単位でスケジューリングする場合、レガシーUEのPUSCHの物理リソースへのマッピングとの関係で、簡易にかつ効率良くスケジューリングすることが可能となる。参照符号「171」で示されるように、シンボル単位でスケジューリングされない物理リソースが存在する。
従来のPDCCH領域のシンボルには、LR−UE用のPDCCHがマッピングされないので、シンボル毎のPUSCHをスケジューリングすることができない。従来のPDCCH領域のシンボルに対応した上りシンボルでは、PUSCHを送信しないようにしてもよい。
あるいは、他の方法として、従来のPDCCH領域のシンボルに対応した上りシンボルのスケジューリングを、LR−UE用のPDCCHで行うようにしてもよい。このようにすることによって、従来のPDCCH領域のシンボルに対応した上りシンボルでもPUSCHを送信することが可能となる。
あるいは、他の方法として、従来のPDCCH領域のシンボルに、LR−UE用のPDCCHを多重してマッピングするようにしてもよい。これによって、従来のPDCCH領域のシンボルに対応した上りシンボルでもPUSCHを送信することが可能となる。
任意の一つのLR−UEのPUSCHは、1シンボル内にマッピングされる。1シンボル内で複数のLR−UEのPUSCHが多重されてもよい。
任意の一つのLR−UEのPUSCHが連続したサブキャリアあるいはREにマッピングされてもよい。あるいは、非連続なサブキャリアあるいはREにマッピングされてもよい。非連続な場合、等間隔のサブキャリアあるいはREにマッピングされるとよい。SC−FDMAにも適用可能となる。
等間隔のサブキャリアあるいはREにマッピングする場合、複数のLR−UEのPUSCHのサブキャリアあるいはREを一つずつずらしてマッピングするとよい。このようにすることによって、非連続的なサブキャリアあるいはREを用いる場合でも、1シンボル内の物理リソースに複数のLR−UEのPUSCHを多重することが可能となる。
非連続なサブキャリアあるいはREにマッピングされる場合、LR−UEのPUSCHをマッピングする周波数軸方向の物理リソースは広がる。しかし、周波数軸方向の物理リソースが広がることによって、周波数ダイバーシチゲインを得ることが可能となる。
図36は、実施の形態8における1シンボル内に複数のLR−UEのPUSCHが多重されて送信する方法について説明するための図である。LR−UEのPUSCHは、シンボル毎に物理リソースにマッピングされる。図36に示す例では、12サブキャリア単位で物理リソースにマッピングされる。
サブフレーム内の1番目のスロットの3番目のシンボルで、2つのLR−UEのPUSCHが多重される。各LR−UEのPUSCHは、連続する12サブキャリアの物理リソースにマッピングされる。5番目のシンボルも同様に、2つのLR−UEのPUSCHが多重される。7番目のシンボルでは、1つのLR−UEのPUSCHが、2つの連続した12サブキャリアの物理リソースにマッピングされる。
サブフレーム内の2番目のスロットでは、1番目のシンボルで、2つのLR−UEのPUSCHが多重される。各LR−UEのPUSCHは、非連続の12サブキャリアの物理リソースにマッピングされる。4番目のシンボルも同様に、2つのLR−UEのPUSCHが多重される。
このようにすることによって、さらに柔軟に、多数のLR−UEデータのPUSCHを物理リソースにマッピングすることが可能となる。
従来のPUSCHでは、周波数ホッピングを行っていた。しかし、1シンボル内にPUSCHをマッピングする場合、周波数ホッピングを行うことが不可能となる。
この問題を解決するために、前述した、一つのLR−UEに対して等間隔のサブキャリアあるいはREにマッピングする方法を用いるとよい。LR−UEのPUSCHをマッピングする周波数軸方向の物理リソースを広げることによって、周波数ダイバーシチゲインを得ることが可能となる。
他の方法として、UEに対して複数のTTIを選択可能としてもよい。例えば、上り通信品質の良いUEに対しては、TTI=1シンボルとする。上り通信品質が悪いUEに対しては、TTI=1スロットあるいは1サブフレームとする。
通信品質が良く、周波数ダイバーシチゲインを不要とするUEに対しては、周波数ホッピングをサポートしないTTI=1シンボルを選択して設定する。通信品質が悪く、周波数ダイバーシチゲインを必要とするUEに対しては、周波数ホッピングをサポートするTTI=1スロットあるいは1サブフレームを選択して設定する。
該選択および設定は、eNBが、対象となるUEとの上りの通信品質を評価して行うとよい。また、UEが、eNBに対してTTI設定の要求を通知してもよい。
このようにすることによって、LR−UEに対して適応的に周波数ホッピングをサポートすることが可能となり、ダイバーシチゲインを得ることが可能となる。
LR−UEのDCIは、1TTI=1シンボル毎のDCIとするとよい。DCIには、1シンボル分のスケジューリング情報が含まれる。LR−UEのDCIに、LR−UEのPUSCHのスケジューリング情報を含めるとよい。LR−UEのDCIは、LR−UEのPDCCHにマッピングされる。LR−UEのPDCCHの構成方法については、実施の形態7で開示した方法を適用すればよい。
LR−UEの動作について開示する。LR−UEが自身宛てのPDCCHを検出してDCIを取得する。この方法は、実施の形態7で開示した方法を適用すればよい。LR−UEは、DCI中のスケジューリング情報を用いてPUSCHを受信する。どのシンボル、どの周波数領域にPDSCHがアロケーションされているかを認識するために、シンボル情報および周波数領域情報を用いるとよい。LR−UEは、スケジューリング情報を用いて受信したPDSCHを復調して、データを取得する。
LR−UEのPUSCH領域において、1シンボル毎にRSを設ける。PUSCHの復調用に用いるとよい。1シンボルの期間内にRSを設けるとよい。PUSCHの復調用としてもよい。UEは、PUSCHのデータとRSとを時間多重して、1シンボルの期間にマッピングする。RSは、予め定める位置に挿入されるようにしてもよい。予め定める位置は、規格などで静的に決定されてもよい。あるいは、準静的または動的に決定されてもよい。予め定める位置は、eNBが決定し、RRCシグナリングを用いてLR−UEに通知してもよい。予め定める位置は、例えば、RSの位置、先頭からの位置、間隔、RSの数などである。
前述のように、本実施の形態では、LR−UEのPUSCHは、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBペアを避けてマッピングされることを示した。
他の方法として、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBペアを避けずにマッピングされてもよい。
図37は、実施の形態8におけるマッピング方法を説明するための図である。図37では、レガシーUEのPUSCHを避けずにLR−UEのPUSCHをマッピングする方法について説明する。LR−UEのPUSCHは、シンボル毎に物理リソースにマッピングされる。図37に示す例では、LR−UE#1のPUSCHは、サブフレーム内の1番目のスロットの5番目のシンボルで、3つの連続した12サブキャリアの物理リソースにマッピングされる。LR−UE#2のPUSCHは、サブフレーム内の1番目のスロットの6番目のシンボルで、2つの連続した12サブキャリアの物理リソースにマッピングされる。LR−UE#3のPUSCHは、サブフレーム内の2番目のスロットの2番目のシンボルで、2つの連続した12サブキャリアの物理リソースにマッピングされる。
これらのマッピングの際に、図37に示すように、レガシーUEのPUSCHがマッピングされるPRBペアを避けずにマッピングされる。
LR−UEのPUSCHをマッピングするシンボルで、LR−UEのPUSCHとレガシーUEのPUSCHとが衝突する場合が生じる。上りリンクのため、LR−UEのPUSCHもレガシーUEのPUSCHも該シンボルで送信されることになる。この場合、eNBでは、それらのチャネルを正常に受信できなくなる場合が発生する。
この問題を解決する方法として、レガシーUEよりもLR−UEの送信電力を高くするとよい。eNBは、LR−UEの送信電力を、レガシーUEよりも高く設定する。あるいは、eNBは、レガシーUEの送信電力を、LR−UEよりも低く設定してもよい。eNBがUEに通知する電力設定パラメータを用いて設定するとよい。
電力設定パラメータとして、通常の設定値からの差を設定してもよい。オフセットパラメータを設けてもよい。eNBは、該オフセットパラメータをLR−UEに通知するとよい。あるいは、eNBは、該オフセットパラメータをレガシーUEに通知してもよい。
eNBは、電力設定パラメータを、レガシーUEへのDCI、LR−UEへのDCIに含めて通知してもよい。
レガシーUEが従来の電力設定パラメータのみしか受信できない場合は、LR−UEに対してのみ通知してもよい。
UEのPUSCH送信電力は、eNBがUEに通知する電力設定パラメータとUEが測定するパスロスとを用いて導出される。従来の導出方法で導出したLR−UEとレガシーUEとの送信電力に、さらに、LR−UEとレガシーUEとの送信電力間で差をつけることができる。したがって、eNBでのLR−UEとレガシーUEとの受信電力に差がつくことになり、eNBは、受信電力の高い方の信号を受信することが可能となる。
eNBは、受信電力を低くしたUEのPUSCHについて、CRCチェックなどの復調時の利得、あるいは再送制御によって、データの受信性能の劣化を低減することができる。
以上のように、レガシーUEよりもLR−UEの送信電力を高くするとよいことを開示した。これによって、eNBは、LR−UEの信号を受信できるようになる。LR−UEのPUSCHは、シンボル単位で送信されるので、該シンボルにおいてレガシーUEのPUSCHと衝突した場合、他のシンボルを利用した復調時の利得を得ることができない。eNBが衝突したLR−UEの信号を正常に受信できるようにすることによって、LR−UEのPUSCHの受信性能を向上させることができる。他方、レガシーUEのPUSCHについては、他のシンボルを利用して、CRCチェックなどの復調時の利得を得て、データの受信性能を向上させることが可能である。
逆に、LR−UEよりもレガシーUEの送信電力を高くしてもよい。eNBは、レガシーUEの信号を受信できるようになり、レガシーUEのPUSCHの受信性能を向上させることが可能となる。この場合、eNBにおけるLR−UEのPUSCHの受信性能は劣化することになるが、再送制御によって劣化を低減することは可能である。
このような方法を用いることによって、LR−UEのPUSCHとレガシーUEのPUSCHとが衝突した場合でも、eNBは、それらのチャネルを受信することが可能となる。
衝突による問題を解決する他の方法を開示する。レガシーUEは、LR−UEのPUSCHが送信されるシンボルで送信しない。データを送信しないとしてもよい。送信電力を0としてもよい。レガシーUEは、衝突するシンボルのデータをパンクチャして他のシンボルを用いて送信してもよい。データを、衝突するシンボルを除いたシンボルにマッピングして送信してもよい。
このようにすることによって、eNBでは、レガシーUEのPUSCHを受信することが可能となる。
eNBは、レガシーUEに対して、LR−UEに使用されるシンボルを通知するとよい。eNBは、該シンボルの情報をレガシーUEへのDCIに含めて通知してもよい。これによって、レガシーUEが、LR−UEが送信されるシンボルを認識することが可能となる。
逆に、LR−UEは、レガシーUEのPUSCHが送信されるシンボルで送信しないようにしてもよい。この場合、LR−UEは、衝突するシンボルのREのデータをパンクチャして他のREを用いて送信してもよい。データを、衝突するREを除いたREにマッピングして送信してもよい。
このようにすることによって、eNBでは、LR−UEのPUSCHを受信することが可能となる。
eNBは、LR−UEに対して、レガシーUEに使用されるシンボルおよび周波数領域の少なくとも一方を通知するとよい。周波数領域は、例えば、REおよびサブキャリアである。eNBは、該電力設定パラメータをLR−UEへのDCIに含めて通知してもよい。これによって、LR−UEが、レガシーUEが送信されるシンボルおよび周波数領域の少なくとも一方を認識することが可能となる。
前記送信方法(2)について、さらに具体例を開示する。eNBは、LR−UEに対して、RRCシグナリングを用いて、LR−UEのPUSCHのスケジューリング情報を通知する。LR−UEは、RRCシグナリングで受信したPUSCHのスケジューリング情報を用いて、自身のPUSCHを受信する。
スケジューリング情報としては、シンボル情報、サブキャリアまたはREの情報がある。また、予め定める期間、このスケジューリングを用いる場合、予め定める期間を示す情報を含めてもよい。予め定める期間を示す情報は、始期を示す情報、期間を示す情報、終期を示す情報、周期を示す情報などがある。
本実施の形態で開示した方法を用いることによって、LR−UEのPUSCHを短縮したTTI毎、ここではシンボル毎に、物理リソースにマッピングすることが可能となる。したがって、LR−UEからのデータの伝送速度を向上させることが可能となる。また、レガシーUEのPUSCHとLR−UEのPUSCHとを、1サブフレーム内の物理リソースに共存させることができる。
実施の形態9.
PUCCHについて開示する。実施の形態4で述べたように、短縮したTTIで動作するLR−UEは、TTIが1サブフレームより短くなるので、そのPUCCHの物理リソースへのマッピングに、レガシーUEの前記マッピング方法を適用することはできない。また、LTEの同一キャリア上で、短縮したTTIをサポートするためには、LR−UEとレガシーUEとの共存が図られなければならない。本実施の形態では、これらの問題を解決する方法を開示する。
LR−UE用PUCCHがマッピングされる物理リソースを、PRB単位で構成する。あるいは、LR−UE用PUCCHがマッピングされる物理リソースを、PRBペア単位で構成してもよい。あるいは、LR−UE用PUCCHがマッピングされる物理リソースとして、シンボル単位で構成してもよい。
LR−UE用のPUCCHは、上り物理リソース領域にマッピングされる。LR−UE用のPUCCHは、レガシーUEのPUCCHがマッピングされるPRBペアを避けてマッピングされる。
LR―UE用のPUCCHは、レガシーUEのPUCCHがマッピングされるPRBペアの内側にマッピングされてもよい。LR−UE用のPUCCHは、レガシーUEのPUCCHがマッピングされるPRBペアと連続にマッピングされてもよい。
従来のレガシーUEのPUCCHのように、上り物理リソースの周波数軸上の両側に設けなくてもよい。すなわち、上り物理リソースの周波数軸上の片側のみでもよい。
このような方法を用いることによって、LR−UEのPUCCHと既存の物理チャネルとを共存させることが可能となる。
LR−UE用PUCCHがマッピングされる物理リソースを、ここでは「LR−PUCCH領域」という。
LR−PUCCH領域は、セル毎に設定されてもよいし、LR−UE毎に設定されてもよいし、LR−UEのグループ毎、例えばLR−PUCCH領域にマッピングされるLR−UEのグループ毎に設定されてもよい。また、システムとして規格で設定されてもよい。あるいは、これらの組合せでもよい。
例えば、LR−PUCCH領域の時間軸上および周波数軸上の設定をセル毎とする。1シンボル内のLR−UEの多重方法は、システムとして予め規格で決めておいてもよい。このようにすることによって、eNBは、LR−PUCCH領域、例えば、スロットタイミングおよびPRBを予め設定することが可能となり、スケジューリングが容易になる。LR−UEは、セル毎に設定されているLR−PUCCH領域、例えば、スロットタイミングおよびPRBを認識し、LR−PUCCH領域においてUE毎のPUCCHを検索して、受信することが可能となる。
他の例として、LR−PUCCH領域を設定可能なリソースの設定をセル毎で行い、実際にLR−UEに対するLR−PUCCHの設定をUE毎で行ってもよい。予め、セル毎にLR−PUCCH領域を設定可能なリソースの設定を行っておくことによって、レガシーUEとの同一サブフレーム上へのLR−PUCCHのスケジューリングを容易にできる。また、レガシーUEとLR−UEとの共存を容易にすることが可能となる。
LR−PUCCH領域の設定は、静的に決められてもよいし、準静的または動的に決められてもよい。
静的に決められる場合、規格などで決められるとよい。準静的または動的に決められる場合、RRCシグナリングを用いるとよい。
例えば、セル毎の設定については規格で決めておき、UE毎の設定については準静的または動的にRRCシグナリングを用いて決めてもよい。
他の例として、セル毎の設定の場合、報知情報として、eNBから傘下のUEに対して報知するとよい。LR−UE毎の設定の場合、UE個別シグナリングで、eNBから、短縮したTTIを実行するLR−UEに対して通知する。
eNBは、RRCシグナリングとして、RRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージに、LR−PUCCH領域の設定情報を含めて、LR−UEに通知してもよい。
LR−PUCCH領域内で、複数のLR−UEのPUCCHが、1シンボル毎に時間分割多重される。LR−PUCCH領域内で、複数のLR−UEのPUCCHが、1シンボル内で多重されてもよい。コード分割多重とするとよい。あるいは、周波数分割多重が用いられてもよい。周波数分割多重される場合、実施の形態8で開示した、1シンボル内で複数のLR−UEのPUSCHを多重する方法を適用するとよい。
図38は、実施の形態9におけるLR−UEのシンボル毎のPUCCHの物理リソースへのマッピングについて説明するための図である。図38に示す例では、従来のPUCCHがマッピングされる周波数領域の片側において、内側に連続してLR−PUCCHがマッピングされる物理リソース領域が構成される。レガシーUEのPUCCHは、スロット毎にマッピングされる。LR−PUCCH領域内に、LR−UEのPUCCHがシンボル毎にマッピングされる。図38に示す例において、サブフレーム内の1番目のスロットでは、5番目と6番目のシンボルに、LR−UEのPUCCHがマッピングされる。サブフレーム内の2番目のスロットでは、1番目と2番目と4番目と6番目のシンボルに、LR−UEのPUCCHがマッピングされる。
従来のPUCCHでは、周波数ホッピングを行っていた。しかし、1シンボル内にPUCCHをマッピングする場合、周波数ホッピングを行うことが不可能となる。この問題を解決するために、実施の形態8で開示したPUSCHの場合の方法を適用するとよい。これによって、周波数ダイバーシチゲインを得ることが可能となる。
LR−UEのPUSCH領域において、1シンボル毎にRSを設ける。PUSCHの復調用に用いるとよい。1シンボルの期間内にRSを設けるとよい。PUSCHの復調用としてもよい。UEは、PUSCHのデータとRSとを時間多重して、1シンボルの期間にマッピングする。RSは、予め定める位置に挿入されるようにしてもよい。予め定める位置は、規格などで静的に決定されてもよい。あるいは、準静的または動的に決定されてもよい。予め定める位置は、eNBが決定し、RRCシグナリングを用いてLR−UEに通知してもよい。予め定める位置は、例えば、ビットおよびシンボルなどのRSの位置、先頭からの位置、間隔、ビット数およびシンボル数などのRSの数などである。
このようにすることによって、LR−UEの短縮したTTI毎のUCIをPUCCHにマッピングすることが可能となり、該PUCCHを短縮したTTI毎に物理リソースにマッピングすることが可能となる。
PUCCHは、下りデータに対するAck/Nackを送信するためにも用いられる。これによって、LR−UEの短縮したTTIでの下りデータに対するHARQが可能となる。したがって、遅延時間の削減を図ることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
実施の形態10.
SRSの設定方法の一例を開示する。LR−UEに対して、シンボル単位のSRSを設定する。セル毎に設定されてもよいし、UE毎に設定されてもよい。あるいは、セル毎にSRS構成の一部が設定され、UE毎にSRS構成の残りの設定がなされてもよい。SRSの設定は、規格などで静的に行われてもよいし、準静的または動的に行われてもよい。eNBは、LR−UEに対して、シンボル単位のSRSの設定情報を通知する。RRCシグナリングあるいはLR−UEのPDCCHを用いるとよい。セル毎に設定する場合は、システム情報に含めて報知するとよい。システム情報は、MIBあるいはSIBである。UE個別に設定する場合は、個別RRCシグナリングを用いて通知するとよい。UE個別に設定する場合は、該情報をDCIに含めてLR−UEのPDCCHを用いて通知するとよい。
eNBは、LR−UEからのSRSの送信を必要とする場合、LR−UEに対して、SRSの送信要求を通知するようにしてもよい。SRSの送信要求の通知方法としては、実施の形態5で開示した方法を適用するとよい。
例えば、eNBは、最初にセル毎のSRS構成を設定する。eNBは、次に、その中でLR−UE個別に用いるSRS構成を設定する。
例えば、セル毎のSRS構成として、時間軸上のリソース情報としてもよい。どのシンボルにSRSを構成するかを特定する情報としてもよい。特定する情報の一例としては、システムフレーム番号(SFN)、無線フレーム番号、スロット番号、シンボル番号、システムフレーム内無線フレームのオフセット値、サブフレーム内スロットのオフセット値、シンボルのオフセット値、シンボル間の間隔などがある。これによって、LR−UEは、セル毎にSRSが構成されるシンボルを特定することができる。
UE毎のSRS構成として、周波数軸上のリソース情報としてもよい。どのサブキャリアあるいはREにSRSを構成するかを特定する情報とすればよい。前記特定する情報の一例としては、サブキャリア番号あるいはRE番号などがある。前記特定する情報は、PRB番号としてもよい。
また、UE毎のSRS構成として、他LR−UEあるいはレガシーUEとの多重方法の情報としてもよい。例えば、他LR−UEあるいはレガシーUEと、1シンボル内で周波数分割多重した場合、自身のSRSが構成される周波数軸上のリソースを特定できる情報とすればよい。周波数軸上のリソースを特定できる情報としては、例えば、サブキャリアのオフセット値、サブキャリア間隔などがある。
LR−UEは、eNBから通知された前述のSRS構成を用いて、SRSを物理リソースにマッピングして送信する。
LR−UEは、シンボル単位のSRSが構成されているシンボルで、データを送信しない。該シンボルにデータをマッピングしない。
該シンボルとして、LR−UE個別に設定されているSRS構成のシンボルのみ、あるいは、セル毎に設定されているSRS構成のシンボルのみ、あるいは、該両方のシンボルで、データを送信しないようにしてもよい。また、該シンボルでデータをマッピングしないようにしてもよい。
また、LR−UEは、レガシーUEのSRSが構成されているシンボルで、データを送信しないようにするとよい。また、該シンボルにデータをマッピングしないようにするとよい。
該シンボルとして、レガシーUE個別に設定されているSRS構成のシンボルのみ、あるいは、セル毎に設定されているSRS構成のシンボルのみ、あるいは、該両方のシンボルで、データを送信しないようにしてもよい。また、該シンボルでデータをマッピングしないようにしてもよい。
eNBは、レガシーUEのSRSが構成されているシンボルで、LR−UEに対して、PDSCHをスケジューリングしないようにしてもよい。
eNBは、LR−UEのSRSが構成されているシンボルで、該LR−UEに対して、PDSCHをスケジューリングしないようにしてもよい。
eNBは、LR−UEのSRSが構成されているシンボルおよび周波数領域で、他のLR−UEに対して、PDSCHをスケジューリングしないようにしてもよい。
このようにすることによって、自身の送信データと、自身のSRS、他のLR−UEのSRS、またはレガシーUEのSRSとが衝突してしまうことを回避することが可能となる。
シンボル単位でSRSが構成される場合、レガシーUEの上りデータと衝突してしまう場合が生じる。このような場合、実施の形態5で述べたように、レガシーUEの上りデータの通信品質の劣化、LR−UEのSRS精度の劣化が引き起こされる。このような問題を解決する方法として、実施の形態5で開示した方法を適用するとよい。
図39は、実施の形態10におけるLR−UEのSRSの構成方法を説明するための図である。図39に示す例では、LR−UEのSRSをシンボル毎に構成している。サブフレームの最後のシンボル、すなわちサブフレーム内の2番目のスロットの最後のシンボルは、従来のレガシーUEのSRSが構成される。したがって、図39に示す例では、サブフレーム内の2番目のスロットの最後のシンボルに、LR−UEのSRSも構成される。該シンボルに、レガシーUEのSRSとLR−UEのSRSとが多重される。このようにすることによって、レガシーUEのSRSとLR−UEのSRSとを共存させることが可能となる。LR−UEは、該SRSが構成されるシンボルでSRSを送信することが可能となる。
同一のシンボル上で、LR−UEのSRSとLR−UEのPUSCHとを多重してもよい。UEは、PUSCHのデータとSRSとを時間多重して、1シンボルの期間にマッピングする。SRSは、予め定める位置に挿入されるようにしてもよい。予め定める位置は、規格などで静的に決定されてもよい。あるいは、準静的または動的に決定されてもよい。予め定める位置は、eNBが決定し、RRCシグナリングを用いてLR−UEに通知してもよい。予め定める位置は、例えば、ビットおよびシンボルなどのSRSの位置、先頭からの位置、間隔、ビット数およびシンボル数などのSRSの数などである。SRSは、連続的に多重されてもよいし、非連続的に多重されてもよい。
eNBは、LR−UEに対して、SRSも考慮に入れたLR−UE用PUSCHのスケジューリングを行うとよい。LR−UEは、スケジューリングされたLR−UE用PUSCH領域で、PUSCHデータとSRSとを多重したデータをマッピングして、送信する。
図40は、実施の形態10におけるLR−UEのSRSをPUSCHと多重させて送信する方法について説明するための図である。図40に示す例では、LR−UEのSRSをシンボル毎に構成している。サブフレームの最後のシンボル、すなわちサブフレーム内の2番目のスロットの最後のシンボルは、従来のレガシーUEのSRSが構成される。したがって、図40に示す例では、サブフレーム内の2番目のスロットの最後のシンボルに、LR−UEのSRSも構成される。該シンボルに、レガシーUEのSRSとLR−UEのSRSとが多重される。このようにすることによって、レガシーUEのSRSとLR−UEのSRSとを共存させることが可能となる。LR−UEは、該SRSが構成されるシンボルでSRSを送信することが可能となる。
サブフレーム内の1番目のスロットの3番目のシンボルと5番目のシンボルで、LR−UEのSRSとPUSCHとが多重されてマッピングされる。ここでは、周波数領域として、12サブキャリアが用いられる。それらのシンボルで、PUSCHがマッピングされない周波数領域があってもよい。サブフレーム内の2番目のスロットの1番目のシンボルと3番目のシンボルと6番目のシンボルとで、LR−UEのSRSとPUSCHとが多重されてマッピングされる。ここでは、周波数領域として、2つの12サブキャリアが用いられる。
このようにすることによって、LR−UEのSRSおよびPUSCHの物理リソースへのマッピングを柔軟に行うことが可能となる。また、物理リソースの使用効率を向上させることができる。また、広い周波数帯域にSRSを分散させることが可能となるので、周波数ダイバーシチゲインを得ることができる。
LR−UE用のPUCCHで、SR、CSIおよび下りデータに対するAck/Nackを送信するが、該LR−UEのPUCCHとSRSとを同じシンボルで送信する場合、従来のレガシーUEのPUCCHおよびSRSの方法と同様にしてもよい。
本実施の形態で開示した方法を用いることによって、LR−UEのSRSをシンボル単位で送信することが可能となる。また、LTEの同一キャリア上で、LR−UEのSRSとレガシーUEのSRSとを共存させることが可能となる。
したがって、eNBは、LR−UEのシンボル単位のSRSを受信することが可能となり、該SRSを用いてLR−UEへの効率の良いデータスケジューリングを行うことが可能となる。
eNBによるレガシーUEへのデータスケジューリングの効率の低下を抑制しつつ、LR−UEへのデータスケジューリングの効率を向上させることが可能となる。
したがって、レガシーUEのデータの伝送速度の低下を抑制しつつ、LR−UEのデータの伝送速度を向上することが可能となる。
前述のように本実施の形態では、短縮したTTIに対応するために、シンボル単位のSRSについて開示した。
しかし、他の方法として、LR−UEのSRSの送信に、サブフレーム単位の従来のSRSの送信方法、あるいは、実施の形態5で開示したスロット単位のSRSの送信方法を用いてもよい。
eNBのスケジューリングにおいて、シンボル単位のSRSが不要な場合がある。例えば、セルの負荷が少ない場合などである。シンボル単位のSRSが無くても、eNBのスケジューリングの効率の低下は少ない。このような場合に、サブフレーム単位の従来のSRSの送信方法、あるいは、実施の形態5で開示したスロット単位のSRSの送信方法を適用することによって、シグナリング量の増大を抑制することが可能となる。また、レガシーUEとの共存も容易になるので、制御が複雑化することを回避することが可能となる。
シンボル単位のSRS、スロット単位のSRS、サブフレーム単位のSRSを適宜組み合わせてもよい。セル毎に使い分けてもよい。UE毎に使い分けてもよい。準静的または動的に使い分けてもよい。判断基準として、セルの負荷、セルのスループット、セルの平均遅延時間、UE毎の通信品質、要求QoS毎、要求遅延時間毎などに応じて使い分けるとよい。これによって、多種のサービスに対して、サービス毎の要求に適した設定を行うことが可能となる。
実施の形態11.
前述の実施の形態では、短縮したTTIで動作するUE(LR−UE)をサポートする方法を開示した。また、3GPPでは、接続状態のUEを対象にしたTTIの短縮が提案されていることを述べた。したがって、UEは、接続状態に移行した後に、短縮したTTIで運用されることになる。UEが、接続状態に移行した後に、短縮したTTIへ切替える方法が必要となる。本実施の形態では、これらの方法について開示する。ここでは、短縮したTTIへ切替えるUEについても、LR−UEということとする。
eNBは、接続状態にあるLR−UEに対して、TTI構成情報を通知する。TTI構成情報としては、TTI値、物理チャネルの構成情報、およびRSの構成情報などがある。
TTI構成情報としては、セル毎に構成するパラメータ、あるいは、UE毎に構成するパラメータが存在する。セル毎に構成するパラメータは、セル個別のシグナリングで通知してもよいし、UE個別のシグナリングで通知してもよい。UE毎に構成するパラメータは、UE個別のシグナリングで通知するとよい。
eNBは、LR-UEに対してTTI構成情報を通知した後、該LR−UEに対して該TTI構成に切替える。あるいは、eNBは、TTI構成情報を通知した後、該LR−UEから該通知に対する肯定応答(Ack)を受信した場合に、該LR−UEに対して該TTI構成に切替えるようにしてもよい。あるいは、eNBは、TTI構成情報を通知した後、LR−UEから、TTI構成情報を用いた設定の完了メッセージを受信した場合に、該LR−UEに対して該TTI構成に切替えるようにしてもよい。
LR−UEは、eNBからTTI構成情報を受信した後、該TTI構成情報を用いて、PHYおよびMACなどの関連するレイヤの設定を行い、送受信を開始する。
図41〜図43は、実施の形態11におけるLR−UEに対するTTI切替えに関するシーケンスの一例を示す図である。図41〜図43では、eNBがUE個別にTTI構成情報を通知する場合について示している。また、図41〜図43では、レガシーUEと共存している場合について示している。図41と図42とは、境界線BL1の位置で、つながっている。図42と図43とは、境界線BL2の位置で、つながっている。
ステップST4101において、レガシーUEは、eNBとTTI=1サブフレームで通信状態にある。ステップST4102において、LR−UEは、eNBとTTI=1サブフレームで通信状態にある。
ステップST4103において、eNBは、LR−UEに対して、TTIの短縮を決定し、TTI=1スロットに設定する。
ステップST4104において、eNBは、LR−EPDCCH構成を決定する。この他にも必要なTTI構成を決定してもよい。LR−UEに対して必要なTTI構成の決定は、図4の制御部411で行われるようにしてもよい。
ステップST4105において、eNBは、LR−UEに対して、短縮したTTIの構成情報を通知する。ここでは、UE個別のRRCシグナリングで通知する。例えば、eNBからUEへ、RRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージを用いて通知してもよい。RRC接続再設定メッセージ内の、「RadioResourceConfigDedicated」情報に、TTI構成情報を含めてもよい。「RadioResourceConfigDedicated」情報内の「physicalConfigDedicated」情報に、TTI構成情報を含めてもよい。
ステップST4108において、LR−UEは、eNBから通知されたTTI構成情報を用いて、PHYおよびMACなどの関連するレイヤの設定を行う。ここでは、TTI=1スロットである。LR−UEにおけるTTI構成情報を用いた設定は、図3のプロトコル処理部301で行われるようにしてもよい。あるいは、eNBから通知されたTTI構成情報を制御部310で処理し、制御部310からプロトコル処理部301に対して、関連するレイヤの設定を行わせるように制御してもよい。
TTI=1スロットの構成の設定が完了したLR−UEは、ステップST4124において、eNBに対して、設定の完了メッセージを通知する。設定の完了メッセージの通知には、UE個別のRRCシグナリングを用いるとよい。例えば、UEからeNBへ、RRC接続再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)メッセージを用いて通知してもよい。
ステップST4109において、LR−UEは、設定したTTI構成情報に従って送受信を行う。ここでは、LR−EPDCCHを用いる場合の構成を示している。LR−UEは、LR−EPDCCH領域を自身のC−RNTIで検索し、自身のPDCCHを検出する。LR−UEにおいて、図3の制御部310あるいはプロトコル処理部301は、設定されたTTI構成情報に従って物理リソースへのマッピングを行う。制御部310あるいはプロトコル処理部301は、設定されたTTI構成情報に従って、送信データバッファ部303、エンコーダー部304、変調部305、周波数変換部306、復調部308、デコーダー部309を制御するようにしてもよい。
ステップST4124において、LR−UEから設定の完了メッセージを受信したeNBは、ステップST4106において、レガシーUEに対しては、変更なく、TTI=1サブフレームでスケジューリングを行う。またeNBは、ステップST4107において、LR−UEに対して、設定したTTI構成でスケジューリングを開始する。eNBにおけるTTI構成情報を用いた設定は、図4のプロトコル処理部403で行われるようにしてもよい。制御部411は、LR−UEに対して設定したTTI構成情報をプロトコル処理部403に通知して、プロトコル処理部403で関連するレイヤの設定を行わせるように制御してもよい。MACレイヤ内のスケジューラによって、レガシーUEおよびLR−UEなどの各UEに設定されたTTI構成でスケジューリングが行われる。
また、eNBにおいて、図4の制御部411あるいはプロトコル処理部403は、各UEに対して、設定したTTI構成情報を用いて物理リソースへのマッピングを行う。制御部411あるいはプロトコル処理部403は設定したTTI構成情報に従って、送信データバッファ部404、エンコーダー部405、変調部406、周波数変換部407、復調部409、デコーダー部410を制御するようにしてもよい。
また、ステップST4110において、レガシーUEは、変更無く、従来のPDCCH領域を自身のC−RNTIで検索し、自身のPDCCHを検出する。
図42のステップST4111およびステップST4112において、eNBとレガシーUEとの間で、TTI=1サブフレームの構成で、従来通りの物理チャネルおよびRSを用いて送受信が行われる。このようにして、引き続きレガシーUEは、ステップST4116において、データの送受信を行う。
ステップST4113およびステップST4114において、eNBとLR−UEとの間で、短縮したTTIであるTTI=1スロットの構成で送受信が行われる。TTI=1スロットの構成の物理チャネルおよびRSを用いて、また、該チャネルおよびRSの物理リソースへのマッピング方法を用いて、送受信が行われる。例えば、LR−EPDCCH、LR−PHICH、LR−UEのPDSCH、LR−UEのPUSCH、LR−UEのPUCCH、LR−UEのSRSなどが用いられる。
このようにして、引き続きLR−UEは、ステップST4115において、データの送受信を行う。
ステップST4117において、LR−UEは、eNBとTTI=1スロットで通信状態にある。ステップST4118において、eNBは、LR−UEに対して、TTIの短縮の解除を決定する。
図43のステップST4119において、eNBは、LR−UEに対して、短縮したTTIの構成(TTI=1スロット)の解除を通知する。短縮したTTIの構成の解除の通知には、UE個別のRRCシグナリングを用いるとよい。例えば、eNBからUEへ、RRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージを用いて通知してもよい。解除を指示する情報を設けて、該シグナリングに含めて通知してもよい。あるいは、TTI=1サブフレームの構成情報を含めてもよい。LR−UEは、この情報によって、TTI=1スロットの解除が通知されたと判断してもよい。
ステップST4119において、短縮したTTIの解除を通知されたLR−UEは、ステップST4120において、短縮したTTI(TTI=1スロット)の設定を解除する。従来のTTI=1サブフレームの設定に戻すようにしてもよい。
TTI=1スロットの設定の解除が完了したLR−UEは、ステップST4125において、eNBに対して、設定の解除の完了メッセージを通知する。設定の解除の完了メッセージの通知には、UE個別のRRCシグナリングを用いるとよい。例えば、UEからeNBへ、RRC接続再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)メッセージを用いて通知してもよい。
ステップST4127において、LR−UEは、従来のTTI=1サブフレームの設定で送受信を行う。LR−UEは、PDCCH領域を自身のC−RNTIで検索し、自身のPDCCHを検出する。
ステップST4125において、LR−UEから設定の解除の完了メッセージを受信したeNBは、ステップST4126において、LR−UEに対して、従来のTTI構成(TTI=1サブフレーム)でスケジューリングを開始する。
ステップST4121およびステップST4122において、eNBとLR−UEとの間で、TTI=1サブフレームの構成で、従来通りの物理チャネルおよびRSを用いて送受信が行われる。
このようにして、ステップST4123において、LR−UEは、短縮したTTI(TTI=1スロット)を解除し、従来のTTI(TTI=1サブフレーム)でeNBと通信を行う。
このようにすることによって、eNBとの間で接続状態にあるLR−UEが、短縮したTTIで通信することが可能となる。
また、短縮したTTIの解除も可能となり、eNBとLR−UEとの間で、柔軟にTTIの構成を切替えることが可能となる。
また、eNBは、短縮したTTIでLR−UEと通信しつつ、従来のTTIでレガシーUEと通信することが可能となる。短縮したTTIで運用するLR−UEと、従来のTTIで運用するレガシーUEとの通信を共存させることが可能となる。
図44〜図46は、実施の形態11におけるLR−UEに対するTTI切替えに関するシーケンスの他の例を示す図である。図44〜図46では、TTI構成情報の通知において、TTI構成情報のうち、セル毎に設定するものはセル個別のシグナリングが用いられ、UE毎に設定するものはUE個別のシグナリングが用いられる。図44と図45とは、境界線BL3の位置で、つながっている。図45と図46とは、境界線BL4の位置で、つながっている。
図44〜図46に示すシーケンスは、図41〜図43に示すシーケンスと類似しているので、ここでは主として異なる部分についての説明を行う。
ステップST4201において、レガシーUEは、eNBとTTI=1サブフレームで通信状態にある。ステップST4202において、LR−UEは、eNBとTTI=1サブフレームで通信状態にある。
ステップST4203において、eNBは、短縮したTTIの運用を決定し、そのためのセル毎のTTI構成情報を決定する。セル毎のTTI構成情報として、例えば、セル毎のLR−EPDCCH構成とする。また、ここでは、TTI=1スロットに設定する。
ステップST4204およびステップST4205において、eNBは、セル毎のTTI構成情報、例えば、LR−EPDCCH構成情報を、LR−UEおよびレガシーUEに報知する。
ステップST4206において、eNBは、LR−UEに対して、TTIの短縮を決定し、TTI=1スロットに設定する。ステップST4207において、eNBは、UE毎のTTI構成情報を決定する。
ステップST4208において、eNBは、LR−UEに対して、UE毎のTTIの構成情報を通知する。ここでは、UE個別のRRCシグナリングで通知する。
図45のステップST4211において、LR−UEは、eNBから通知されたセル毎のTTI構成情報と、eNBからUE個別に通知されたUE毎のTTI構成情報とを用いて、PHYおよびMACなどの関連するレイヤの設定を行う。ここでは、TTI=1スロットである。
TTI=1スロットの構成の設定が完了したLR−UEは、ステップST4227において、eNBに対して、設定の完了メッセージを通知する。設定の完了メッセージの通知には、UE個別のRRCシグナリングを用いるとよい。
ステップST4212において、LR−UEは、設定したTTI構成情報に従って送受信を行う。ここでは、LR−EPDCCHを用いる構成の場合を示している。LR−UEは、LR−EPDCCH領域を自身のC−RNTIで検索し、自身のPDCCHを検出する。
ステップST4227において、LR−UEから設定の完了メッセージを受信したeNBは、ステップST4209において、レガシーUEに対しては、変更なく、TTI=1サブフレームでスケジューリングを行う。またeNBは、ステップST4210において、LR−UEに対して、設定したTTI構成でスケジューリングを開始する。
また、レガシーUEは、ステップST4213において、変更無く、従来のPDCCH領域を自身のC−RNTIで検索し、自身のPDCCHを検出する。
ステップST4214およびステップST4215において、eNBとレガシーUEとの間で、TTI=1サブフレームの構成で、従来通りの物理チャネルおよびRSを用いて送受信が行われる。このようにして、引き続きレガシーUEは、ステップST4219において、データの送受信を行う。
ステップST4216およびステップST4217において、eNBとLR−UEとの間で、短縮したTTIであるTTI=1スロットの構成で送受信が行われる。TTI=1スロットの構成の物理チャネルおよびRSを用いて、また、該チャネルおよびRSの物理リソースへのマッピング方法を用いて送受信が行われる。例えば、LR−EPDCCH、LR−PHICH、LR−UEのPDSCH、LR−UEのPUSCH、LR−UEのPUCCH、LR−UEのSRSなどが用いられる。このようにして、引き続きLR−UEは、ステップST4218において、データの送受信を行う。
図46のステップST4220において、LR−UEは、eNBとTTI=1スロットで通信状態にある。ステップST4221において、eNBは、LR−UEに対して、TTIの短縮の解除を決定する。
ステップST4222において、eNBは、LR−UEに対して、短縮したTTI構成(TTI=1スロット)の解除を通知する。短縮したTTI構成の解除の通知には、UE個別のRRCシグナリングを用いるとよい。例えば、eNBからUEへ、RRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージを用いて通知してもよい。解除を指示する情報を設けて、該シグナリングに含めて通知してもよい。あるいは、TTI=1サブフレームの構成情報を含めてもよい。LR−UEは、この情報によって、TTI=1スロットの解除が通知されたと判断してもよい。
ステップST4222において、短縮したTTIの解除を通知されたLR−UEは、ステップST4223において、短縮したTTI(TTI=1スロット)の設定を解除する。従来のTTI=1サブフレームの設定に戻すようにしてもよい。
TTI=1スロットの設定の解除が完了したLR−UEは、ステップST4228において、eNBに対して、設定の解除の完了メッセージを通知する。設定の解除の完了メッセージの通知には、UE個別のRRCシグナリングを用いるとよい。例えば、UEからeNBへ、RRC接続再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)メッセージを用いて通知してもよい。
ステップST4230において、LR−UEは、従来のTTI=1サブフレームの設定で送受信を行う。LR−UEは、PDCCH領域を自身のC−RNTIで検索し、自身のPDCCHを検出する。
ステップST4228において、LR−UEから設定の解除の完了メッセージを受信したeNBは、ステップST4229において、LR−UEに対して、従来のTTI構成(TTI=1サブフレーム)でスケジューリングを開始する。
ステップST4224およびステップST4225において、eNBとLR−UEとの間で、TTI=1サブフレームの構成で、従来通りの物理チャネルおよびRSを用いて送受信が行われる。
このようにして、ステップST4226において、LR−UEは、短縮したTTI(TTI=1スロット)を解除し、従来のTTI(TTI=1サブフレーム)でeNBと通信を行う。
このように、TTI構成情報の一部をセル毎に設定し、該セル毎のTTI構成情報を報知することによって、UE毎に通知が必要となるTTI構成情報の情報量を少なくすることが可能となる。例えば、頻繁に、任意のUEに対してTTI構成が変更されるような場合、該TTI構成の切替えに必要となるUE毎のシグナリングの情報量を低減することができる。これによって、システムとしてのシグナリングの負荷の削減を図ることが可能となる。
実施の形態11 変形例1.
前述の実施の形態で、eNBは、LR−UEに対してTTIの短縮を決定した。あるいは、短縮したTTIの解除を決定した。本変形例では、eNBがLR−UEに対して、どのようなTTIに設定するかの判断方法について開示する。
eNBは、予め定める判断指標を用いて判断する。予め定める判断指標の具体例として、以下の(1)〜(11)の11個を開示する。
(1)サービスタイプ。
(2)データ量。
(3)QCI(QoS Class Identifier)。
(4)RBタイプ。
(5)下り通信品質。
(6)上り通信品質。
(7)HARQ回数。
(8)セルの負荷状況。
(9)セルのリソース使用状況。
(10)伝送速度。
(11)前記(1)〜(10)の組合せ。
前記具体例(1)について説明する。eNBは、対象とする通信のサービスあるいはアプリケーションがどのようなものかによって判断する。例えば、サービスがどのようなストリーミングデータなのかどうかによって判断する。または、例えば、リアルタイムデータストリーミングなのかどうかによって判断する。または、例えば、バッファードデータストリーミングなのかどうかによって判断する。または、例えば、FTPデータかどうかによって判断する。または、例えば、TCPベースのサービスかどうかによって判断する。対象とする通信のサービスあるいはアプリケーションのタイプの情報は、コアネットワークからeNBに通知されてもよいし、LR−UEからeNBに通知されてもよい。例えば、ストリーミングデータの場合、eNBは、リアルタイムデータストリーミングではTTIの短縮での運用を決定し、バッファードデータストリーミングの場合、従来のTTIでの運用を決定する。
また、サービスが緊急通信なのか否かによって判断してもよい。eNBは、緊急通信サービスの場合、短縮したTTIでの運用を決定するようにしてもよい。
このようにすることによって、サービスあるいはアプリケーションのタイプに応じて遅延量を改善させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることが可能となる。
前記具体例(2)について説明する。eNBは、対象とする通信のデータ量によって判断する。例えば、データ量が予め定める閾値より大きい場合は、eNBは短縮したTTIでの運用を決定し、該閾値以下の場合は、従来のTTIでの運用を決定する。対象とする通信のデータ量の情報は、コアネットワークからeNBに通知されてもよいし、LR−UEからeNBに通知されてもよい。あるいは、既に受信あるいは送信したデータ量によって判断してもよい。あるいは、残データ量によって判断してもよい。例えば、残データ量が多い場合は、短縮したTTIでの運用を決定するようにしてもよい。あるいは、通信データ量の変化量によって判断してもよい。残データ量の変化量によって判断してもよい。データ量として、LR−UEに対する下りバッファサイズまたはバッファの状況を用いてもよい。また、LR−UEから通知される上りバッファサイズまたはバッファ状況を用いてもよい。
このようにすることによって、通信のデータ量に応じて遅延量を改善させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることが可能となる。
前記具体例(3)について説明する。eNBは、対象とする通信のQCIによって判断する。例えば、QCIが1および4の場合は、eNBは、短縮したTTIでの運用を決定する。あるいは、要求される遅延量に応じて判断するようにしてもよい。例えば、要求される遅延量が閾値以下の場合は、短縮したTTIでの運用を決定する。要求される遅延量が閾値より大きい場合は、従来のTTIでの運用を決定する。
このようにすることによって、通信のQCIあるいは要求される遅延量に応じて遅延量を改善させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることが可能となる。
前記具体例(4)について説明する。eNBは、対象とする通信のRB(radio bearer)タイプによって判断する。例えば、DRB(Data Radio Bearer)の場合は、eNBは、短縮したTTIでの運用を決定する。あるいは、予め決められたDRBの場合、eNBは、短縮したTTIでの運用を決定するようにしてもよい。DRBは、データ用のRBであるので、データの伝送速度の向上が要求される場合が多い。したがって、短縮したTTIで運用することによって、データの伝送速度の向上を図ることができる。SRB(Signaling Radio Bearer)の場合は、eNBは、従来のTTIでの運用を決定するようにしてもよい。SRBは、比較的1回の通信データ量が少ない。したがって、大容量データの送受信の場合、SRBに対して、たとえ短縮したTTIに変更しても、トータルの送受信にかかる時間はあまり変わらないからである。
このようにすることによって、通信のRBに応じて遅延量を改善させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることが可能となる。
前記具体例(5)について説明する。eNBは、下り通信品質によって判断する。例えば、UEからのCQIあるいはCSIを受信して判断する。対象とするUEとの間の下り通信品質が良好な場合は、eNBは、短縮したTTIでの運用を決定する。下り通信品質が良好で無い場合は、eNBは、従来のTTIでの運用を決定する。通信品質の指標に閾値を設けてもよい。通信品質が、閾値以上か閾値より小さいかで判断してもよい。
また、下り通信品質の変化量によって判断してもよい。例えば、CQIあるいはCSIの変化量が小さい場合は、eNBは、短縮したTTIでの運用を決定する。下り通信品質の変化量が大きい場合は、eNBは、従来のTTIでの運用を決定する。通信品質の変化量の指標に閾値を設けてもよい。通信品質の変化量が、閾値以上か閾値より小さいかで判断してもよい。変化量が小さいと、通信品質が安定しており、電波伝搬環境が安定していると推測することが可能である。eNBは、安定した電波伝搬環境を有する該LR−UEに対して、短縮したTTIでの運用を決定する。
このようにすることによって、下り通信品質に応じて遅延量を改善させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることが可能となる。
前記具体例(6)について説明する。eNBは、上り通信品質によって判断する。例えば、UEからのPUCCH、PUSCH、上りDMRS、またはSRSを受信して判断する。対象とするUEとの間の上り通信品質が良好な場合は、eNBは、短縮したTTIでの運用を決定する。上り通信品質が良好でない場合は、eNBは、従来のTTIでの運用を決定する。通信品質の指標に閾値を設けてもよい。通信品質が、閾値以上か閾値より小さいかで判断してもよい。
また、上り通信品質の変化量によって判断してもよい。例えば、上りDMRSの変化量が小さい場合は、eNBは、短縮したTTIでの運用を決定する。下り通信品質の変化量が大きい場合は、eNBは、従来のTTIでの運用を決定する。通信品質の変化量の指標に閾値を設けてもよい。通信品質の変化量が、閾値以上か閾値より小さいかで判断してもよい。変化量が小さいと、通信品質が安定しており、電波伝搬環境が安定していると推測することが可能である。eNBは、安定した電波伝搬環境を有する該LR−UEに対して、短縮したTTIでの運用を決定する。
このようにすることによって、上り通信品質に応じて遅延量を改善させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることが可能となる。
前記具体例(7)について説明する。eNBは、HARQの再送回数によって判断する。上りHARQに対してでもよいし、下りHARQに対してでもよい。過去のHARQ再送回数で判断するとよい。過去の予め定める期間のHARQ再送回数で判断してもよい。予め定める期間の平均値を導出して判断してもよい。例えば、再送回数が多い場合は、eNBは、短縮したTTIでの運用を決定する。HARQの再送回数は、遅延に大きく影響する。したがって、HARQの再送回数が大きくなるような状況においては、短縮したTTIを用いることによって、遅延量を改善することが可能となる。
このようにすることによって、HARQの再送回数に応じて遅延量を改善させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることが可能となる。
前記具体例(8)について説明する。eNBは、セルの負荷状況によって判断する。セルの負荷が低い場合は、短縮したTTIを用い、セルの負荷が高い場合は、従来のTTIを用いる。短縮したTTIを運用するには、従来のTTIとの共存を行うので、従来のTTIのための物理リソースに加えて、短縮したTTIのための物理リソースが必要となる。したがって、セルの負荷が高い場合、該物理リソースの増大がシステムとしての容量を低減させてしまう。したがって、セルの負荷に応じて、短縮したTTIを構成する。これによって、システムとしての遅延量を改善させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることが可能となる。
前記具体例(9)について説明する。eNBは、セルのリソースの使用状況によって判断する。セルのリソースの使用状況が低い場合は、短縮したTTIを用い、セルのリソースの使用状況が高い場合は、従来のTTIを用いる。前記具体例(8)と同様に、セルのリソースの使用状況が高い場合、該物理リソースの増大がシステムとしての容量を低減させてしまう。したがって、セルのリソースの使用状況に応じて、短縮したTTIを構成する。これによって、システムとしての遅延量を改善させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることが可能となる。
前記具体例(10)について説明する。eNBは、データの伝送速度によって判断する。UEとのデータの伝送速度が低い場合は、短縮したTTIを用い、UEとのデータの伝送速度が高い場合は、従来のTTIを用いる。データの伝送速度が低い場合は、データの伝送速度の向上を図るために、短縮したTTIを用いる。データの伝送速度が高い場合は、既に所望のデータの伝送速度を得られているとして、従来のTTIを用いる。これによって、データの伝送速度に応じて、短縮したTTIを構成することができる。したがって、システムとしての遅延量を改善させることが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることが可能となる。
このような判断指標を用いることによって、eNBは、LR−UEに対して、TTIの短縮を通信状況に応じて決定することができる。判断指標の説明においては、TTIの短縮か否かの判断について記載したが、複数の短縮したTTIが構成されるような場合にも適宜適用することができる。これによって、複数の短縮したTTI、例えば、1スロット、1シンボルと、従来のTTI(1サブフレーム)とを使い分けることが可能となる。
前述のように本変形例1では、eNBが、LR−UEに対してどのようなTTIに設定するかの判断方法について開示した。該判断をLR−UEがeNBに対して要求してもよい。LR−UEが、TTIの設定変更をeNBに対して要求してもよい。
LR−UEは、eNBに対してTTI設定変更要求を通知する。TTI設定変更要求の通知は、UE個別のRRCシグナリングで通知するとよい。
TTI設定変更要求を受信したeNBは、該要求を送信したLR−UEに対して、TTIの短縮をするかどうか、どのTTI長にするかどうかを判断する。
例えば、図41〜図43では、ステップST4103の処理が行われる前に、LR−UEからeNBに対して、TTI設定変更要求が通知される。
LR−UEは、TTI設定変更要求を通知する前に、該通知を行うか否かの判断を行うようにしてもよい。TTI設定変更要求の通知を行うか否かの判断指標は、前述の判断指標を適宜LR−UE側で適用できるものを適用するとよい。
LR−UEは、eNBに対して、判断指標とその値を通知するようにしてもよい。eNBは、LR−UEにおける判断指標とその値を認識することができる。LR−UEは、eNBに対して、TTI設定変更要求とともに、判断指標とその値を通知するようにしてもよい。eNBは、該要求とともにLR−UEにおける判断指標とその値を認識することができ、該情報を用いて、該LR−UEに対して、要求通りTTI設定を変更するか否かを判断することができる。
eNBが、TTI構成を変更可能かどうかの情報をUEに通知してもよい。セル毎に通知してもよい。TTI構成を変更可能かどうかの情報およびサポートするTTI構成の情報の少なくとも一方の情報を設けて、eNBは、各セルにおいてUEに通知するとよい。サポートするTTI構成の情報は、実施の形態11の変形例2で示すTTIタイプでもよい。
通知方法としては、報知情報に含めて報知するとよい。あるいは、個別RRCシグナリングでUE個別に通知してもよい。このようにすることによって、eNBの傘下のUEが、セルがサポートするTTI構成、およびTTI構成が変更可能かどうかを認識することができる。したがって、LR−UEは、所望のTTI構成およびTTI構成の変更をサポートするセルに対して、TTI設定変更要求を通知することが可能となる。
LR−UEからTTI設定変更要求を受信したeNBは、TTI設定変更を行わないと判断してもよい。その場合、TTI設定変更要求を送信したLR−UEに対して、TTI設定変更の拒否を通知してもよい。eNBは、該拒否の通知とともに、拒否の理由(cause)を通知してもよい。該拒否メッセージを受信したLR−UEは、TTIの設定変更が行われないとみなすことができ、引き続き、現在のTTI設定で通信を行う。
eNBは、該拒否の通知とともに、TTI設定変更要求禁止期間を通知してもよい。TTI設定変更要求禁止期間を受信したLR−UEは、該期間、TTI設定変更要求をeNBに対して通知できない。eNBは、LR−UEから連続して該要求が送られてくることを防ぐことが可能となり、シグナリング量の削減を図ることができる。また、eNBは、自セルの状況、例えば負荷状況などに応じて該期間を設定してもよい。このようにすることによって、LR−UEに対して適切な期間をおいて該要求を通知するように制御することが可能となる。
本変形例で開示した方法を用いることによって、LR−UEの状況および周辺の電波伝搬環境などに応じて、適応的にTTI構成を変えることが可能となる。
また、LR−UEがTTI設定の変更を要求できるようにすることによって、通信品質などについて、LR−UE自身が測定したものを用いて即時に要求を行うことが可能となる。eNBがLR−UEから得た通信品質、例えばCQI/CSIのような粗い精度の通信品質情報を用いずに済ませることができる。したがって、精度の高いTTI構成を適応的に設定することが可能となる。これによって、伝送速度をさらに向上させることが可能となる。
実施の形態11 変形例2.
前述の実施の形態で、eNBは、LR−UEに対して、TTIの短縮を決定した。eNBは、対象となるUEが、短縮したTTIをサポートすることが可能かどうかを認識しておく必要がある。
本変形例では、eNBが、UEが短縮したTTIをサポートすることが可能かどうかを認識する方法を開示する。
複数のTTIをサポートするか否かのインジケータを設ける。対応するTTIのタイプの情報を設けてもよい。例えば、TTI=1サブフレーム、TTI=1スロット、TTI=1シンボルなどである。各TTIのタイプを一つまたは複数のビットで示してもよい。該ビットを予め決めておいてもよい。例えば、2ビットで示し、TTI=1サブフレームを10、TTI=1スロットを01、TTI=1シンボルを00とする。少ない情報量でTTIのタイプを表すことができる。TTI=1サブフレームは、デフォルトとして不要としてもよい。また、同時にサポート可能なTTIのタイプの数の情報を設けてもよい。また、通知するUEを特定するための情報、例えばUEの識別子を含めてもよい。
これらの情報を、ここでは、「複数TTI情報」という。複数TTI情報を、UE能力(UE capability)情報に含めてもよい。
UEは、eNBに対して、複数TTI情報をeNBに通知する。あるいは、ネットワーク側ノードへ通知するようにしてもよい。ネットワーク側ノードは、UEから受信した複数TTI情報を、必要に応じてeNBに通知するとよい。UEは、複数TTI情報を、eNBに対して、UE能力情報の通知方法を用いて通知してもよい。
このようにすることによって、eNBは、UEのTTI情報を受信することができ、UEが複数のTTIをサポートしているかどうかを認識することが可能となる。したがって、eNBは、UEから受信した複数TTI情報を用いて、該UEに対してTTI構成の変更を行い、該UEに対して、TTI構成を通知することが可能となる。
LR−UEは、eNBからTTI構成変更の通知を受信することによって、TTI構成を変更することが可能となり、eNBとの間で、該TTI構成に従って通信することが可能となる。これによって、設定されたTTI構成が短縮したTTIの場合、短縮したTTIで通信することが可能となる。
実施の形態12.
実施の形態11では、LR−UEに対して、接続状態に移行した後に、短縮したTTIへ切替える方法について開示した。システムとして、eNB、UEに対して、複数のTTI構成を同時にサポートさせる方法について開示する。
システムとして複数のTTIの同時設定を可能とする。eNBは、任意の一つの接続状態にあるLR−UEに対して、複数のTTIの設定を可能とする。eNBは、複数のTTIを同時にサポートすることが可能なLR−UEに対して、複数のTTIの設定を可能とする。
各TTIを構成するために用いられる物理チャネルの物理リソースは、衝突しないようにマッピングされるとよい。前述の実施の形態において、短縮したTTIの構成に用いられる物理チャネルがマッピングされる物理リソースと、従来のTTIの構成に用いられる物理チャネルがマッピングされる物理リソースとは、衝突しないようにすることを開示した。ここでは、さらに、前述の実施の形態で開示した方法を適用して、複数の短縮したTTIの構成に用いられる物理チャネルがマッピングされる物理リソース間で、衝突しないようにするとよい。衝突しないように、物理チャネルおよび該物理チャネルがマッピングされる物理リソースを構成すればよい。
eNBが、対象となるUEが複数のTTIを同時にサポートすることが可能か否かを判断する方法として、実施の形態11の変形例2で開示した方法を適用すればよい。UEが複数のTTIを同時にサポートすることが可能か否かの情報を設けて、複数TTI情報に含めるとよい。UEからeNBに対して複数TTI情報を通知する際に、複数のTTIを同時にサポートすることが可能か否かの情報も通知されるようにするとよい。このようにすることによって、eNBは、対象となるUEが複数のTTIを同時にサポートすることが可能か否かを判断することが可能となる。
一つのLR−UEに対して、複数のTTIを同時にサポートする例を開示する。例えば、eNBは、LR−UEに対して、下り制御情報の種類に応じて、複数のTTIで送信する。CSS(Common Search Space)(非特許文献12参照)にマッピングされる制御情報は、従来のTTIを用い、USS(UE specific Search Space)(非特許文献12参照)にマッピングされる制御情報は、短縮したTTIを用いる。
CSSにマッピングされる制御情報としては、SIBの制御情報、ページングの制御情報、RAR(Random Access Response)の制御情報がある。これらの制御情報は、UE個別のデータのための制御情報ではない。これらの制御情報は、LR−UE自身のC−RNTIを用いてPDCCHを検出するのではなく、セル毎あるいはシステムとして予め決められたRNTIを用いてPDCCHを検出する。したがって、該CSSにマッピングされる制御情報の送信に、従来のTTIを用いることによって、レガシーUEの従来の該制御情報の受信方法と同一にすることが可能となる。これによって、LR−UE個別に新たに物理リソースを確保する必要がなくなり、またレガシーUEへのページングとLR−UEへのページングとを異なるメカニズムで発生させる必要がなくなる。同様に、レガシーUEへのRARとLR−UEへのRARとを異なるメカニズムで発生させる必要がなくなる。したがって、物理リソースの使用効率を向上させることができ、制御が複雑化することを回避することが可能となる。また、制御を簡易にすることによって、実装を容易にすることが可能となる。
USSにマッピングされる制御情報として、UE個別通信用のデータのための制御情報がある。この制御情報は、LR−UE自身のC−RNTIを用いてPDCCHを検出する。したがって、該USSにマッピングされる制御情報の送信に、短縮したTTIを用いることによって、UE個別の通信用データの遅延を低減させることが可能となる。これによって、LR−UEのデータの伝送速度を向上させることが可能となる。
図47〜図49は、実施の形態12における一つのLR−UEに対して複数のTTIを同時にサポートする処理に関するシーケンスの一例を示す図である。図47〜図49において、CSSにマッピングされる制御情報は、従来のTTI(TTI=1サブフレーム)を用い、USSにマッピングされる制御情報は、短縮したTTIを用いる。短縮したTTIとして、図47〜図49に示す例では、TTI=1スロットとする。また、図47〜図49では、レガシーUEと共存している場合について示している。図47と図48とは、境界線BL5の位置で、つながっている。図48と図49とは、境界線BL6の位置で、つながっている。
ステップST4301において、レガシーUEは、eNBとTTI=1サブフレームで通信状態にある。ステップST4302において、LR−UEはeNBとTTI=1サブフレームで通信状態にある。
ステップST4303において、eNBは、LR−UEに対して、TTIの短縮の運用を決定し、短縮したTTIとしてTTI=1スロットに設定する。eNBは、LR−UEに対して、CSSにマッピングされる制御情報には、従来のTTIを用い、USSにマッピングされる制御情報には、短縮したTTIを用いることを決定する。
ステップST4304において、eNBは、短縮したTTIのためのLR−EPDCCH構成を決定する。この他にも必要なTTI構成を決定してもよい。
ステップST4305において、eNBは、LR−UEに対して、短縮したTTIの構成情報を通知する。ここでは、UE個別のRRCシグナリングで通知する。例えば、eNBからUEへ、RRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージを用いて通知してもよい。RRC接続再設定メッセージ内の、「RadioResourceConfigDedicated」情報に、TTI構成情報を含めてもよい。「RadioResourceConfigDedicated」情報内の「physicalConfigDedicated」情報に、TTI構成情報を含めてもよい。
また、CSSにマッピングされる制御情報は、従来のTTIを用い、USSにマッピングされる制御情報は、短縮したTTIを用いることを示す情報を設けてもよい。eNBは、LR−UEに対して、該情報をTTI構成情報とともに通知する。該情報をTTI構成情報に含めて通知してもよい。
ステップST4308において、LR−UEは、eNBから通知されたTTI構成情報を用いて、PHYおよびMACなどの関連するレイヤの設定を行う。ここでは、TTI=1スロットである。LR−UEは、従来のTTI(TTI=1サブフレーム)構成に従った関連レイヤの設定も維持する。すなわち、従来のTTIおよび短縮したTTIの2つのTTI構成に従った関連レイヤの設定を行う。LR−UEは、2つのTTIで動作可能とする。
TTI=1スロットの構成の設定が完了したLR−UEは、ステップST4326において、eNBに対して、設定の完了メッセージを通知する。設定の完了メッセージの通知には、UE個別のRRCシグナリングを用いるとよい。例えば、UEからeNBへ、RRC接続再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)メッセージを用いて通知してもよい。
ステップST4330において、LR−UEは、従来のTTI構成に従った送受信を維持する。LR−UEは、従来のPDCCH領域を自身のC−RNTIで検索し、自身のPDCCHを検出する。これによって、CSSにマッピングされた制御情報を受信することが可能となる。また、該制御情報に従って送受信を行うことが可能となる。
ステップST4309において、LR−UEは、短縮したTTI構成情報に従って送受信を行う。ここでは、LR−EPDCCHを用いる場合の構成を示している。LR−UEは、LR−EPDCCH領域を自身のC−RNTIで検索し、自身のPDCCHを検出する。これによって、USSにマッピングされた制御情報を受信することが可能となる。また、該制御情報に従って送受信を行うことが可能となる。
ステップST4326において、LR−UEから設定の完了メッセージを受信したeNBは、ステップST4307において、LR−UEに対して、CSSにマッピングする制御情報は従来のTTIでスケジューリングを開始し、USSにマッピングする制御情報は短縮したTTIでスケジューリングを開始する。このようにすることによって、CSSにマッピングする制御情報に関しては、従来のTTIを用いる方法が用いられ、USSにマッピングする制御情報に関しては、短縮したTTIを用いる方法が用いられることになる。これらが、eNBとLR−UEとの間で同時に行われることになる。
ステップST4306において、eNBは、レガシーUEに対しては、変更なく、従来のTTIでスケジューリングを行う。
また、ステップST4310において、レガシーUEは、変更無く、従来のPDCCH領域を自身のC−RNTIで検索し、自身のPDCCHを検出する。
図48のステップST4311およびステップST4312において、eNBとレガシーUEとの間で、TTI=1サブフレームの構成で、従来通りの物理チャネルおよびRSを用いて送受信が行われる。このようにして、引き続きレガシーUEは、ステップST4116において、データの送受信を行う。
ステップST4313において、eNBとLR−UEとの間で、CSSにマッピングする制御情報に関して、従来のTTIであるTTI=1サブフレームの構成で送受信が行われる。従来のTTI=1サブフレームの構成の物理チャネルおよびRSを用いて、また、該チャネルおよびRSの物理リソースへのマッピング方法を用いて送受信が行われる。例えば、PDCCH、PDSCHなどが用いられる。
ステップST4314およびステップST4315において、eNBとLR−UEとの間で、短縮したTTIであるTTI=1スロットの構成で送受信が行われる。TTI=1スロットの構成の物理チャネルおよびRSを用いて、また、該チャネルおよびRSの物理リソースへのマッピング方法を用いて送受信が行われる。例えば、LR−EPDCCH、LR−PHICH、LR−UEのPDSCH、LR−UEのPUSCH、LR−UEのPUCCH、LR−UEのSRSなどが用いられる。
このようにして、LR−UEは、ステップST4316において、2つのTTIを同時に運用して、データの送受信を行う。
ステップST4318において、eNBとLR−UEとの間で、従来のTTIでCSSにマッピングされる制御情報に関する送受信が行われる。
ステップST4319において、eNBとLR−UEとの間で、短縮したTTIでUSSにマッピングされる制御情報に関する送受信が行われる。
図49のステップST4320において、eNBは、LR−UEに対して、TTIの短縮の解除を決定する。
ステップST4321において、eNBは、LR−UEに対して、短縮したTTIの構成(TTI=1スロット)の解除を通知する。USSにマッピングする制御情報に関して、短縮したTTIを用いることを解除することを通知してもよい。
短縮したTTIの構成の解除の通知には、UE個別のRRCシグナリングを用いるとよい。例えば、eNBからUEへ、RRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージを用いて通知してもよい。解除を指示する情報を設けて、該シグナリングに含めて通知してもよい。あるいは、TTI=1サブフレームの構成情報を含めてもよい。LR−UEは、この情報によって、TTI=1スロットの解除が通知されたと判断してもよい。
ステップST4321において、短縮したTTIの解除を通知されたLR−UEは、ステップST4322において、短縮したTTI(TTI=1スロット)の設定を解除する。USSにマッピングされる制御情報に関して、従来のTTI=1サブフレームの設定に戻すようにしてもよい。これによって、CSSにマッピングされる制御情報およびUSSにマッピングされる制御情報に関して、ともに、従来のTTI=1サブフレームの設定になる。
TTI=1スロットの設定の解除が完了したLR−UEは、ステップST4327において、eNBに対して、設定の解除の完了メッセージを通知する。設定の解除の完了メッセージの通知には、UE個別のRRCシグナリングを用いるとよい。例えば、UEからeNBへ、RRC接続再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)メッセージを用いて通知してもよい。
ステップST4329において、LR−UEは、従来のTTI=1サブフレームの設定で送受信を行う。LR−UEは、PDCCH領域を自身のC−RNTIで検索し、自身のPDCCHを検出する。
ステップST4327において、LR−UEから設定の解除の完了メッセージを受信したeNBは、ステップST4328において、LR−UEに対して、CSSにマッピングする制御情報に関しても、USSにマッピングする制御情報に関しても、従来のTTIの構成(TTI=1サブフレーム)でスケジューリングを開始する。
ステップST4323およびステップST4324において、eNBとLR−UEとの間で、TTI=1サブフレームの構成で、従来通りの物理チャネルおよびRSを用いて送受信が行われる。
このようにして、ステップST4325において、LR−UEは、短縮したTTIを用いた複数のTTIを解除し、従来のTTI一つでeNBと通信を行う。
このように、一つのLR−UEに対して複数のTTIをサポート可能にし、前述のような使い分けを行うことによって、物理リソースの使用効率を向上させることができ、制御が複雑化することを回避しつつ、該LR−UEのデータの伝送速度を向上させることが可能となる。
一つのLR−UEに対して複数のTTIを同時にサポートする他の例を開示する。例えば、eNBは、LR−UEに対して、RB毎に異なるTTIを設定する。eNBは、一つのLR−UEに対してRB毎に異なるTTIを設定することによって、LR−UEと、同時に複数のTTIを用いて通信を行うことになる。
例えば、eNBは、予め定めるDRBに対してのみ短縮したTTIを用いる。その他のRBに対しては、従来のTTIを用いる。また、eNBは、LR−UEの複数のDRBに対して、それぞれ異なるTTI構成を用いてもよい。例えば、ある一つのDRBにはTTI=1スロットを設定し、他の一つのDRBにはTTI=1シンボルを設定する。他のRBには、TTI=1サブフレームを設定する。データの伝送の遅延を削減し、データの伝送速度の向上を図りたい場合、DRBに短縮したTTI構成を用いることは有効である。
あるいは、eNBは、予め定めるSRBに対してのみ短縮したTTIを用いる。その他のRBに対しては、従来のTTIを用いる。シグナリング量が多大になってしまうような場合に、シグナリングによる遅延を削減するために、SRBに短縮したTTIの構成を用いることは有効である。
eNBは、LR-UEに対して、RBの構成とともに、TTIの構成を通知してもよい。従来、eNBは、UEに対してRRCシグナリングを用いてRBの構成を通知する。RRCシグナリングとしては、RRC接続再設定(RRC connection reconfiguration)が用いられる。RRC接続再設定メッセージの中の個別無線リソース設定(RadioResourceConfigDedicated)情報の中のSRBに関する情報、あるいはDRBに関する情報でRBの構成が通知される。
該RBの構成とともに、TTIの構成を通知するとよい。例えば、該SRBに関する情報に、TTIの構成に関する情報を含めるとよい。あるいは、該DRBに関する情報に、TTIの構成に関する情報を含めるとよい。TTIの構成ではなく、TTIのタイプであってもよい。TTIのタイプ毎のTTIの構成は、別途通知してもよい。このようにすることによって、eNBは、LR−UEに対して、RB毎にTTIの構成を設定することが可能となる。eNBは、LR−UEと、RB毎に所望のTTIで通信することが可能となる。RBの特性に応じた遅延性能を得ることが可能となる。
このように、一つのLR−UEに対して、複数のTTIをサポートすることを可能にし、前述のような使い分けを行うことによって、各RBの特性に適した遅延性能が得られる。また、低遅延性能が要求されるRBについては、短縮したTTIを用いることによって、データの伝送速度を向上させることが可能となる。
実施の形態13.
従来のTTIで通信しているUEは、1サブフレームにわたってマッピングされるCRS(Cell specific Reference Signal)を受信することによって、セルの下りリンクのRSRPおよびRSRQなどの通信品質を測定(メジャメント)している。言い換えると、CRSを測定して通信品質を導出している。
短縮したTTIで通信しているLR−UEもメジャメントを行う必要がある。しかし、LR−UEは、受信単位が短縮したTTIになる。例えば、1スロットおよび1シンボルなどである。したがって、LR−UEは、該受信単位で従来のCRSを受信できないことになる。
LR−UE用に新たなCRSを設けて、物理リソースにマッピングしてもよいが、この場合、データに使用可能な物理リソースが低減することになる。LR−UE用に従来のCRSを用いる。
LR−UE用のデータあるいは制御チャネルがマッピングされる物理リソースにも、従来のCRSをマッピングする。LR−UE用のデータあるいは制御チャネルは、従来のCRSを避けてマッピングされる。LR−UE用のデータあるいは制御チャネルとCRSとは、周波数分割多重および時間分割多重が行われる。
LR−UEが従来のCRSを用いて通信品質を測定する方法について開示する。LR−UEは、設定されたTTI長に応じて、該TTI内に存在する従来のCRSを測定するとよい。例えば、TTI=1スロットの場合、1スロット分の従来のCRSを測定する。
しかし、TTIがさらに短くなると、設定されたTTI内に従来のCRSがマッピングされない場合が生じる。例えば、TTI=1シンボルの場合、従来のCRSがマッピングされないシンボルが存在する。このような短いTTIが設定されたLR−UEは、該TTI内に存在するCRSを測定できなくなる場合が生じる。
このような問題を解決する方法として、LR−UEは、TTI長とは関係なく、予め定める期間のCRSを測定する。例えば、TTI=1シンボルが設定された場合、1サブフレーム分のCRSを測定するようにしてもよい。通常のサブフレームであれば、1サブフレーム内にはCRSが必ず存在する。したがって、LR−UEもCRSを測定することが可能となる。TTI=1シンボルが設定された場合、LR−UEは、1サブフレームに相当する14シンボル内のCRSの存在するシンボルのみ受信して測定してもよい。
CRSの測定は、定期的、周期的、または連続的に行われるようにしてもよい。また、複数の測定結果を用いて平均化されてもよい。平均化は、予め定めるフィルタ関数に従って行われてもよい。
また、CRSの測定結果の導出単位として、サブフレーム単位としてもよい。あるいは、スロット単位で導出してもよい。あるいは、RE単位で導出してもよい。前述のCRSの測定に関する情報を、「CRS測定情報」とする。
CRS測定情報は、予め規格などで静的に決められてもよいし、準静的または動的に決められてもよい。準静的または動的に決められる場合、eNBあるいはネットワークノードが決定して、LR−UEに通知してもよい。
例えば、TTI=1スロットが設定された場合、LR−UEは、2スロット分のCRSを測定して平均して、RE単位のCRS測定結果を導出する。毎スロットあるいは予め定めるスロットのCRSの測定を行い、最新の2スロット分のCRSからの移動平均を導出する。この場合、毎スロット、RE単位のCRSの測定結果が導出できる。
eNBからLR−UEへの通知方法として、CRS測定情報を報知情報に含めて報知してもよい。別の方法として、CRS測定情報をRRCメッセージに含めて、個別RRCシグナリングで通知してもよい。
例えば、eNBは、LR−UEに対して、CRS測定情報を、TTI構成情報とともに、あるいはTTI構成情報に含めて通知してもよい。
他の例として、eNBは、LR−UEに対して、CRS測定情報を、メジャメント構成(measurement configuration)メッセージとともに、あるいはメジャメント構成メッセージに含めて通知してもよい。
このようにすることによって、LR−UEが、CRS測定情報を取得することができ、CRSをどのように測定するかを認識することが可能となる。
前述の方法を、隣接セルのCRSの測定についても適用してもよい。LR−UEは、隣接セルのCRSを用いて、隣接セルの通信品質の測定を行う。このようにすることによって、LR−UEは、隣接セルとの通信品質も評価することが可能となる。
本実施の形態で開示した方法を用いることによって、短縮したTTIが設定されたLR−UEは、従来のCRSを用いた通信品質の測定を行うことが可能となる。したがって、従来のメジャメント方法をLR−UEにも適用できることになる。同じ方法で測定可能となるので、システムとして評価方法を統一することができる。例えば、メジャメント結果報告用のイベントに用いるクライテリアを統一することができる。イベント発生を判断する閾値などの設定を統一することができる。
したがって、eNBあるいはネットワーク側のノードは、測定結果の比較を行い易くなるので、制御を容易に、また公平に、高精度に行うことが可能となる。例えば、ハンドオーバといった通信制御においても、レガシーUEとLR−UEとの共存を容易に行うことが可能となる。
実施の形態14.
従来のTTIで通信しているUEは、1サブフレーム内でマッピングされるCRSを受信することによって、下りチャネルの通信品質(CQI)を測定している。言い換えると、CRSを測定して下りチャネルの通信品質(CQI)を導出している。
また、従来のTTIで通信しているUEは、1サブフレーム内でマッピングされるCSI−RS(CSI Reference Signal)を受信することによって、下りチャネルの通信品質(CSI)を測定している。言い換えると、CRSを測定して下りチャネルの通信品質(CSI)を導出している。
短縮したTTIで通信しているLR−UEもメジャメントを行う必要がある。しかし、LR−UEは、受信単位が短縮したTTIになる。例えば、1スロットおよび1シンボルなどである。したがって、LR−UEは、該受信単位で従来のCRSおよびCSI−RSを受信できないことになる。
LR−UE用に新たなCRSおよびCSI−RSを設けて、物理リソースにマッピングしてもよいが、この場合、データに使用可能な物理リソースが低減することになる。LR−UE用に従来のCRSおよびCSI−RSを用いるとよい。
CRSについては、実施の形態13で開示したので、ここでは説明を省略する。LR−UEは、従来のCRSを用いて、下りチャネルの通信品質(CQI)を測定するとよい。
CSI−RSについても、実施の形態13で開示した方法を適用するとよい。CRSの代わりに、CSI−RSに対して適用すればよい。
LR−UEは、CSI−RSの測定結果をeNBへ報告する。該報告には、PUCCHが用いられる。短縮したTTIに対応したPUCCHも構成可能である。したがって、短縮したTTI単位でCSIの報告が可能となる。eNBは、LR−UEに対して、報告周期を設定するが、短縮したTTIの整数倍で報告周期を設定してもよい。短縮したTTI単位でCSIの報告が可能となるので、LR−UEにおける下り受信に対するCSIのフィードバックを早くできる。したがって、eNBは、より正確なスケジューリングを行うことが可能となる。
LR−UEが複数のTTIをサポートすることが可能な場合、LR−UEは、CSIの報告に、従来のTTIで送信されるPUCCHを用いるようにしてもよい。
eNBが、LR−UEに対して、CSI−RSの測定結果の報告周期を従来のTTI単位で設定し、該CSIの報告を従来のTTIにおけるPUCCHで送信するように設定する。LR−UEは、該CSIの報告に、従来のTTI、すなわち1サブフレーム単位で構成されるPUCCHを用いて送信する。PUCCHは、1サブフレームに構成されるので、PUCCHにマッピングできる制御情報量を増大させることが可能となる。
本実施の形態で開示した方法を用いることによって、短縮したTTIが設定されたLR−UEは、従来のCSI−RSを用いた通信品質の測定を行うことが可能となる。したがって、従来のメジャメント方法をLR−UEにも適用できることになる。同じ方法で測定可能となるので、システムとして評価方法を統一することができる。したがって、eNBあるいはネットワーク側のノードは、測定結果の比較を行い易くなるので、スケジューリングを容易に、また公平に、高精度に行うことが可能となる。
実施の形態15.
レガシーUEは、PDCCH領域のCRSの受信品質を測定してRLM(radio link monitor)を行っていた。短縮したTTIで動作するLR−UEは、必ずしもPDCCH領域を受信するとは限らない。そのような場合、LR−UEは、LR−EPDCCH領域のRSの受信品質を測定してRLMを行うようにしてもよい。LR−EPDCCH領域にCRSがマッピングされる場合は、該CRSを用いて受信品質を測定する。CRSがマッピングされず、他のRSがマッピングされる場合は、該RSを用いて受信品質を測定するとよい。このようにすることによって、LR−UEもRLMを行うことが可能となる。
また、複数のTTIで動作するLR−UEは、従来のTTIの通信品質のみを測定してもよい。従来のPDCCH領域のCRSの受信品質を測定してRLMを行ってもよい。従来のPDCCH領域を受信する場合に有効である。また、従来の方法と同じにすることが可能となるので、制御が容易になる。
他の方法として、複数のTTIで動作するLR−UEは、短縮したTTIの通信品質のみを測定してもよい。特に、従来のPDCCH領域を用いない場合に有効である。
他の方法として、複数のTTIで動作するLR−UEは、各TTIの通信品質を測定してもよい。従来のTTIにおける通信品質を、PDCCH領域のCRSの受信品質を測定して導出し、短縮したTTIにおける通信品質を、該TTI構成で用いられるPDCCH領域あるいはLR−EPDCCH領域のCRSの受信品質を測定して導出してもよい。
LR−UEは、eNBに対して、TTI設定毎の通信品質の測定結果を報告してもよい。あるいは、ある閾値を設定し、該閾値に基づいた報告起動(イベントトリガ)を設けてもよい。例えば、LR−UEは、通信品質が該閾値を下回ったTTIの設定について、eNBに通知するようにしてもよい。
このようにすることによって、eNBは、各TTIの設定における通信品質を認識することが可能となる。したがって、eNBは、各TTIの設定における通信品質を、LR−UEに対して、TTIの設定、変更、解除の判断に利用することが可能となる。
実施の形態16.
短縮したTTIが設定されているLR−UEが、ハンドーバ(HO)処理を実行される場合、ターゲットeNB(T−eNB)と、LR−UEに設定されているTTIで通信できない場合がある。例えば、T−eNBは、短縮したTTIをサポートしておらず、従来のTTIしかサポートしていない場合である。あるいは、短縮したTTIをサポートしていても、セルの負荷状況から該TTIを設定できない場合もある。このような場合、何もしないと、LR−UEは接続断となってしまう。したがって、接続状態から離れることになる。本実施の形態では、この問題を解決する方法を開示する。
LR−UEのHOを行うときは、従来のTTI(TTI=1サブフレーム)で行う。LR−UEに短縮したTTIが設定されている場合、短縮したTTIを解除し、従来のTTIに戻す。
LR−UEのHOを行うときに、LR−UEに設定されている短縮したTTIを解除する方法の具体例を開示する。
LR−UEは、HO元のソースeNB(S−eNB)から、移動制御情報(Mobility Control Information:MCI)を含むRRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージによってHOの実行を指示されると、HO先のターゲットeNB(T−eNB)に対してHOを実行する。
短縮したTTIが設定されているLR−UEは、S−eNBから該HOの実行の指示を受信すると、短縮したTTIの設定を解除するとよい。短縮したTTIの解除の方法は、実施の形態11に開示した方法を適用するとよい。短縮したTTIを解除したLR−UEは、従来のTTIで動作する。
このようにすることによって、LR−UEは、従来のTTIでHOを実行することが可能となる。LR−UEは、T−eNBに対して、従来のTTIでアクセスする。したがって、T−eNBは、従来のTTIを用いたLR−UEとの通信状態に移行することが可能となる。
他の方法を開示する。S−eNBからLR−UEへ、HOを行うときに、短縮したTTIを解除することを通知してもよい。S−eNBからLR−UEへ、MCIを含むRRCメッセージで、HOの実行の指示とともに、短縮したTTIの解除を通知してもよい。短縮したTTIの解除を指示するための情報および解除の方法は、実施の形態11に開示した方法を適用するとよい。
このようにすることによって、HOの実行を指示するLR−UEに対して、短縮したTTIの解除を明示的に通知することができる。したがって、LR−UEは、短縮したTTIの解除処理起動タイミングを誤ることなく、TTIの解除処理を実行することが可能となる。これによって、LR−UEの誤動作を削減することが可能となる。
図50および図51は、実施の形態16におけるHOを行うときにS−eNBからLR−UEに短縮したTTIの解除を通知する処理に関するシーケンスの一例を示す図である。図50と図51とは、境界線BL7の位置で、つながっている。
ステップST4401において、LR−UEは、S−eNBと短縮したTTIであるTTI=1スロットで通信状態にある。ステップST4402において、S−eNBは、LR−UEに対して、メジャメント設定メッセージを通知する。ステップST4402において、メジャメント設定を受信したLR−UEは、メジャメントを行う。
ステップST4403において、LR−UEは、S−eNBに対して、メジャメント結果を報告する。このメジャメント処理には、実施の形態13で開示した方法を適用するとよい。
ステップST4403においてメジャメント報告を受信したS−eNBは、ステップST4404において、該LR−UEに対してHOの決定を行う。
ステップST4405において、S−eNBは、T−eNBに対して、HO要求メッセージを通知する。
ステップST4406において、T−eNBは、アドミッション制御を行う。ステップST4407において、T−eNBは、S−eNBに対して、HO要求に対するAckメッセージを通知する。
ステップST4407においてHO要求に対するAckメッセージを受信したS−eNBは、LR−UEのHO要求がT−eNBに受け入れられたことを認識することができる。
ステップST4407においてHO要求に対するAckメッセージを受信したS−eNBは、ステップST4408において、LR−UEに対して、短縮したTTIの解除を決定する。
LR−UEに対して短縮したTTIの解除を決定したS−eNBは、図51のステップST4409において、LR−UEに対して、短縮したTTIの解除を通知する。S−eNBは、LR−UEに対して、MCIを含むRRCメッセージによるHOの実行の指示とともに、短縮したTTIを解除することを通知する。
ステップST4410において、LR−UEは、短縮したTTIの設定を解除し、従来のTTIの設定に戻す。したがって、これ以降のステップの処理においては、LR−UEは、従来のTTIで動作することになる。
ステップST4411において、LR−UEは、S−eNBからT−eNBへの接続変更を起動する。
ステップST4412において、LR−UEは、T−eNBと同期処理を実行し、RA処理を実行する。このとき、LR−UEおよびT−eNBは、従来のTTIであるTTI=1サブフレームで処理を実行する。
ステップST4410、ステップST4411およびステップST4412の処理によってT−eNBとの接続が完了したLR−UEは、ステップST4413において、T−eNBに対して、RRC接続再設定完了メッセージを通知する。このときも、LR−UEおよびT−eNBは、従来のTTIであるTTI=1サブフレームで処理を実行する。
ステップST4414において、LR−UE、S−eNB、T−eNB、MME、およびS−GW間でHO処理が実行される(非特許文献1参照)。
HO処理を完了した後は、ステップST4415において、LR−UEとT−eNBとの間で通信が行われる。LR−UEおよびT−eNBは、従来のTTIであるTTI=1サブフレームで通信を実行する。
このように、LR−UEがHO処理を実行される場合に、LR−UEに設定されている、短縮したTTIを解除することによって、T−eNBで短縮したTTIをサポートしていない場合、および短縮したTTIをサポートしていてもセルの負荷状況から該TTIを設定できないような場合でも、LR−UEとT−eNBとの間で、従来のTTIを用いた通信が可能となる。したがって、LR−UEは、接続状態を継続することが可能となる。
前述の方法では、S−eNBがHOさせるLR−UEに対して、短縮したTTIの解除を決定して通知した。他の方法を開示する。
T−eNBが、HOさせるLR−UEに対して、短縮したTTIの解除をするか否かを判断する。
S−eNBからT−eNBへ、HOさせるLR−UEが設定されているTTIの情報を通知する。短縮したTTIが設定されている場合に通知してもよい。設定されているTTIの情報として、TTI構成情報としてもよい。TTIタイプであってもよい。該通知には、X2シグナリングを用いるとよい。また、MME経由でS1シグナリングを用いて通知してもよい。該情報をS−eNBからT−eNBに通知するLR−UEのHO要求メッセージとともに通知するとよい。該情報をHO要求メッセージに含めて通知してもよい。例えば図50のステップST4405のHO要求メッセージに該情報を含めてもよい。
このようにすることによって、T−eNBが、HO要求のあったLR−UEが設定されているTTI構成情報を認識することが可能となる。
LR−UEに設定されているTTI構成情報を取得したT−eNBは、該情報を用いて、LR−UEに対して設定されているTTIを、自セルにおいて継続可能か否かを判断する。図50のステップST4406のアドミッション制御において判断してもよい。
T−eNBが、LR−UEに対して設定されているTTIを、自セルにおいて継続不可能と判断した場合は、LR−UEに対して、短縮したTTIの設定の解除を決定する。T−eNBは、LR−UEに対して、短縮したTTIの設定の解除を通知する。
該通知方法の例を開示する。T−eNBは、S−eNBに対して、LR−UEの短縮したTTIの設定の解除を通知する。図50のステップST4407のHO要求Ackメッセージの通知とともに、あるいは、該メッセージに含めて通知してもよい。
T−eNBから、HOさせるLR−UEの短縮したTTIの設定を解除することを通知されたS−eNBは、LR−UEに対して、短縮したTTIの設定を解除することを通知する。図51のステップST4409のHO指示を含むRRC接続再設定メッセージとともに、あるいは該メッセージに含めて通知してもよい。
S−eNBから、短縮したTTIの設定を解除することを通知されたLR−UEは、短縮したTTIの設定を解除し、従来のTTIの設定に戻す。これ以降のHO処理において、LR−UEは、従来のTTIで動作する。
このようにすることによって、LR−UEのHOを行うときに、T−eNBが、HOさせるLR−UEに対して、短縮したTTIの解除をするか否かを判断することが可能となる。T−eNBは、LR−UEに対して、短縮したTTIでの接続を継続できない場合、短縮したTTIの設定を解除することをLR−UEに対して通知することが可能となる。T−eNBの判断による短縮したTTI設定の解除を通知されたLR−UEは、短縮したTTIの設定を解除することが可能となり、これ以降のHO処理において、従来のTTIで動作することが可能となる。LR−UEとT−eNBとの間で、従来のTTIを用いた通信が可能となる。したがって、LR−UEは、接続状態を継続することが可能となる。
前述のように本実施の形態では、T−eNBが、LR−UEに対して設定されているTTIを自セルにおいて継続不可能と判断した場合、LR−UEに対して、短縮したTTIの設定の解除を決定することを開示した。
T−eNBが、LR−UEに対して設定されているTTIを自セルにおいて継続可能と判断した場合について開示する。T−eNBは、LR−UEに対して、TTIの設定の継続を通知する。
該通知方法の例を開示する。T−eNBは、S−eNBに対して、LR−UEのTTIの設定の継続を通知する。図50のステップST4407のHO要求Ackメッセージの通知とともに、あるいは、該メッセージに含めて通知してもよい。TTIの設定の継続を指示する情報を設けて、該メッセージに含めて通知してもよい。あるいは、継続するTTI構成情報およびTTIタイプを含めてもよい。
T−eNBから、HOさせるLR−UEのTTIの設定を継続することを通知されたS−eNBは、LR−UEに対して、TTIの設定を継続することを通知する。図51のステップST4409のHO指示を含むRRC接続再設定メッセージとともに、あるいは該メッセージに含めて通知してもよい。TTIの設定の継続を指示する情報を設けて、該メッセージに含めて通知してもよい。あるいは、継続するTTI構成情報およびTTIタイプを含めてもよい。
S−eNBから、TTIの設定を継続することを通知されたLR−UEは、TTIの設定を継続する。これ以降のHO処理において、LR−UEは、TTIの設定を継続して動作する。
S−eNBが、LR−UEに対して、TTIの設定を継続することを通知する他の方法として、S−eNBは、LR−UEに対して、TTI構成の設定変更を指示しないようにしてもよい。HOを行うときに、TTI構成の設定変更を指示しないことによって、LR−UEは、TTIの設定を継続して動作することになる。
このようにすることによって、T−eNBは、LR−UEに対して、S−eNBとの接続において設定されているTTIでの接続を継続可能な場合、TTIの設定を継続することを通知することが可能となる。T−eNBの判断によるTTIの設定の継続を通知されたLR−UEは、TTIの設定を継続することが可能となり、これ以降のHO処理において、TTIの設定を継続して動作することが可能となる。HOを行うとき、LR−UEとS−eNBとの間およびLR−UEとT−eNBとの間で、TTIを継続した通信が可能となる。LR−UEは、TTIの設定を継続したまま、接続状態を継続することが可能となる。
前述のように本実施の形態では、LR−UEに設定されているTTI構成情報を取得したT−eNBは、該情報を用いて、LR−UEに対して設定されているTTIを、自セルにおいて継続可能か否かを判断することを開示した。
T−eNBが、LR−UEに対してTTI構成を設定する判断を行ってもよい。T−eNBが、LR−UEに対してTTI構成を設定する方法を開示する。
S−eNBは、LR−UEから取得したLR−UEがサポートする複数TTI情報を、T−eNBに通知する。S−eNBが、LR−UEがサポートする複数TTI情報を取得する方法として、実施の形態11の変形例2で開示した方法を適用するとよい。S−eNBからT−eNBへの通知方法として、図50のステップST4405のHO要求メッセージの通知とともに、あるいは、該メッセージに含めて通知してもよい。このようにすることによって、T−eNBは、HOさせるLR−UEがサポートするTTI構成を認識することが可能となる。
T−eNBは、LR−UEに対して、TTI構成の設定を判断する。T−eNBは、自セルのTTI構成のサポート状況、セルの負荷状況、およびサービスの種類などの状況を考慮して、LR−UEに対して、TTI構成の設定を判断する。この判断指標として、実施の形態11の変形例1で開示した方法を適用するとよい。S−eNBは、該判断に必要な指標をT−eNBに予め通知するとよい。例えば、LR−UEがサポートする複数TTI情報とともに通知してもよい。また、S−eNBで設定していたTTI構成情報を通知してもよい。
T−eNBは、これらの指標を用いて、LR−UEに対して、適切なTTI構成の設定を判断することが可能となる。該TTI構成がS−eNBで設定されたものでなくてもよい。
T−eNBは、LR−UEに対して、TTI構成の設定を通知する。該通知方法の例を開示する。T−eNBは、S−eNBに対して、LR−UEのTTIの設定を通知する。設定するTTI構成情報を通知してもよい。図50のステップST4407のHO要求Ackメッセージの通知とともに、あるいは、該メッセージに含めて通知してもよい。
T−eNBから、HOさせるLR−UEのTTIの設定を通知されたS−eNBは、LR−UEに対して、該TTIの設定を通知する。設定するTTI構成情報を通知してもよい。図51のステップST4409のHO指示を含むRRC接続再設定メッセージとともに、あるいは該メッセージに含めて通知してもよい。
S−eNBから、TTIの設定を通知されたLR−UEは、通知されたTTI構成に切替える。これ以降のHO処理において、LR−UEは、通知されたTTI構成で動作する。
このようにすることによって、T−eNBは、LR−UEに対して、T−eNBが設定したTTIの設定を通知することが可能となる。T−eNBの判断によるTTIの設定を通知されたLR−UEは、以降のHO処理において、通知されたTTIの設定で動作することが可能となる。HOを行うとき、HO先となるT−eNBが設定したTTI構成で、LR−UEとT−eNBとの間で通信が可能となる。LR−UEは、T−eNBとの間で、適切なTTI構成で接続状態を維持したまま、通信することが可能となる。
本実施の形態で開示した方法を適宜組み合わせてもよい。例えば、LR−UEに構成されるRB毎のTTI構成の設定を、RB毎に解除、維持、変更してもよい。例えば、予め定めるDRBに対しては、S−eNBにおけるTTI構成の設定を維持し、他の予め定めるDRBに対しては、S−eNBにおけるTTI構成の設定を解除する。
このように適宜組み合わせることによって、LR−UEとT−eNBとの間の通信をより細かく、かつ効率的に制御することが可能となる。
実施の形態17.
接続状態におけるDRXの設定は、TTI単位で行われる。従来は、従来のTTIであるTTI=1サブフレーム単位で行われる。したがって、短縮したTTIで動作するLR−UEに対して、従来のDRX設定を行うことができない。
LR−UEの接続状態におけるDRXの設定は、短縮したTTI単位で行われるようにするとよい。例えば、短縮したTTIがTTI=1スロットの場合、スロット単位で行われるようにするとよい。LR−UEのPDCCHがマッピングされるスロットの数で行われるようにしてもよい。
DRXの設定パラメータとしては、DRX周期を表す「DRX-Cycle」、開始オフセットを表す「drxStartOffset」、オン期間を表す「onDurationTimer」、DRX非実行期間を表す「drx-InactivityTimer」、DRX再送期間を表す「drx-RetransmissionTimer」がある。DRXの設定の通知方法は、従来の方法を適用するとよい。
このようにすることによって、短縮したTTIで動作するLR−UEに対して、DRXを設定することが可能になる。短縮したTTIで動作するLR−UEが、DRXを行うことが可能となる。
複数のTTIで動作するLR−UEのDRXの設定についても、TTI毎にDRXの設定を行うようにすればよい。このようにすることによって、TTI毎の柔軟なDRXの制御を行うことが可能となる。
しかし、前述の方法のように、TTI毎に個別にDRXの設定を行うと、各TTIのDRXのオンタイミングが異なる場合が生じる。この場合、UEは、各TTIのオンタイミングで受信を行わなければならず、結局、UEとしての受信動作においてDRXの効果を得ることができなくなる。
このような問題を解決する方法を開示する。eNBは、各TTIのDRXのオン期間が重なるように各TTIのDRXの設定を行う。例えば、従来のTTIにおいては、サブフレーム#1とサブフレーム#2とがDRXオン期間であるとする。短縮したTTIにおいては、サブフレーム#1内のスロット#0とスロット#1、サブフレーム#2内のスロット#2とスロット#3をDRXのオン期間とすればよい。このように、複数のTTIにおいてDRXのオン期間を重ねることによって、UEとしての受信動作において、DRXの効果を得ることが可能となる。
eNBは、各TTIの他のDRXの設定パラメータについて、該タイミングが重なるように設定してもよい。これによって、さらに、UEとしての受信動作において、DRXの効果を得ることが可能となる。
従来のTTIのDRXの設定パラメータと重なるように設定する場合、サブフレーム単位で設定してもよい。LR−UEは、サブフレーム単位で設定されたパラメータを、TTI単位、例えば、スロット単位、あるいはシンボル単位に変換して設定すればよい。
このようにすることによって、LR−UEに対して、接続状態におけるDRXの設定を可能にすることができる。LR−UEは、DRXの効果を得ることが可能となる。
本実施の形態では、DRXの設定パラメータについて開示したが、他の設定パラメータについても適宜同様の方法を適用するとよい。従来のTTIにおいて、サブフレーム単位で設定していたパラメータについては、短縮したTTIで動作させる場合、短縮したTTI単位で設定可能とするとよい。
このようにすることによって、短縮したTTIで動作させる場合も、LR−UEに対して細かい制御が可能となる。
実施の形態18.
前述の実施の形態では、従来のTTI構成と短縮したTTI構成とを、1サブフレーム内で共存させることを開示した。
本実施の形態では、他の共存方法を開示する。従来のTTI構成と短縮したTTI構成とを、サブフレーム単位で時分割多重して共存させる。従来のTTI構成のサブフレームと短縮したTTI構成のサブフレームとを、時分割多重する。
eNBは、従来のTTI構成のサブフレームの構成と短縮したTTI構成のサブフレームの構成とを、傘下のUEに通知するとよい。短縮したTTI構成のサブフレームの構成のみを傘下のUEに通知してもよい。eNBから傘下のUEへの、従来のTTI構成のサブフレームの構成および短縮したTTI構成のサブフレームの構成の通知方法は、ABS(almost blank subframe)の通知方法を適用するとよい。あるいは、MBSFNサブフレームの通知方法を適用してもよい。
これによって、レガシーUEもLR−UEも、どのサブフレームが従来のTTI構成か、どのサブフレームが短縮したTTI構成かを認識することが可能となる。
eNBは、SS、PBCH、ページングがマッピングされるサブフレームは従来のTTI構成のサブフレームと設定してもよい。
eNBは、ABSを設定し、ABSに短縮したTTI構成のサブフレームを設定してもよい。ABSは、従来のPDCCH領域が無く、CRSのみがマッピングされる。また、レガシーUEのPDSCHもマッピングされない。したがって、LR−UE用のPDCCHの物理リソースへのマッピングが容易になる。また、LR−UE用の物理チャネルの物理リソースへのマッピングが容易になる。
下りHARQおよび上りHARQともに、タイミングによっては所望のTTI構成のサブフレームではない場合が生じる。下りHARQおよび上りHARQについても、所望のTTI構成のみのサブフレームをカウントしてタイミングを決定するとよい。
従来のTTI構成の場合、従来のTTI構成のサブフレームのみをカウントして、Ack/Nackのタイミングを決定する。短縮したTTI構成の場合、短縮したTTI構成のサブフレームのみをカウントして、Ack/Nackのタイミングを決定する。
HARQについて他の方法として、下りHARQおよび上りHARQともに、非同期のHARQとするとよい。Ack/Nackのタイミングは固定されず、スケジューリングによって決定される。eNBが設定したサブフレーム毎のTTI構成に従って、Ack/Nackをスケジューリングすることが可能となる。
このようにすることによって、従来のTTI構成のサブフレームと短縮したTTI構成のサブフレームとを時分割多重したとしても、レガシーUEに対しても、LR−UEに対しても、HARQを可能とする。したがって、HARQによる通信品質の向上を図ることが可能となる。
実施の形態18 変形例1.
TDDの場合、一つのサブフレーム内に、新たなDL−UL構成を設けてもよい。一つのサブフレーム内にDL期間とUL期間とを設けてもよい。また、従来のスペシャルサブフレームに相当する期間を設けてもよい。スペシャルシンボルを設けてもよい。
例えば、短縮したTTIがTTI=1スロットであるとすると、一つのサブフレームの1番目のスロットをDLのスロット、2番目のスロットをULのスロットと構成してもよい。
また、DLのスロットの最後から一つまたは複数のシンボルおよびULのスロットの最初の一つまたは複数のシンボルの少なくとも一方を用いて、スペシャルシンボルを構成してもよい。
また、CRSは、DLのスロットあるいはシンボルでのみ構成するとよい。ULのスロットあるいはシンボルでは構成しないようにするとよい。
このようにすることによって、TDDの場合、一つのサブフレームで短縮したTTIに対応するDLとULとの両方の期間を構成できる。
eNBから傘下のUEへ、新たなDL−UL構成を設けたサブフレーム構成を通知する。レガシーUEは、該サブフレームでスケジューリングが行われないようにしてもよい。LR−UEが該サブフレームでスケジューリングが行われるようにしてもよい。
該サブフレーム構成をTTI構成情報に含めてもよい。該サブフレーム構成の通知方法として、TTI構成情報の通知方法を適用するとよい。また、該サブフレーム構成の通知方法として、ABSの通知方法を適用するとよい。あるいは、MBSFNサブフレームの通知方法を適用してもよい。
これによって、レガシーUEもLR−UEも、どのサブフレームが新たなDL−UL構成を設けたサブフレームかを認識することが可能となる。
eNBは、ABSを設定し、ABSに新たなDL−UL構成を設定してもよい。ABSは、従来のPDCCH領域が無く、CRSのみがマッピングされる。新たなDL−UL構成を設定したABSのCRSは、DLのスロットあるいはシンボルでのみ構成するとよい。ULのスロットあるいはシンボルでは構成しないようにするとよい。
このようにすることによって、従来のDLサブフレームあるいはULサブフレームでDL期間とUL期間とを設けることが可能となる。したがって、LR−UEに対して、短縮したTTIに応じて送受信を行うことが可能となる。また、遅延時間を削減することが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
eNBは、MBSFNサブフレームを設定し、MBSFNサブフレームの新たなDL−UL構成を設定してもよい。MBSFNサブフレームは、従来のPDSCH領域が無く、該領域ではCRSがマッピングされない。例えば、短縮したTTIがTTI=1スロットであるとすると、一つのMBSFNサブフレームの1番目のスロットをDLのスロット、2番目のスロットをULのスロットと構成してもよい。また、DLのスロットの最後から一つまたは複数のシンボルおよびULのスロットの最初の一つまたは複数のシンボルの少なくとも一方を用いて、スペシャルシンボルを構成してもよい。また、CRSは、DLのスロットあるいはシンボルでのみ構成するとよい。ULのスロットあるいはシンボルでは構成しないようにするとよい。
このようにすることによって、一つのMBSFNサブフレームで短縮したTTIに対応するDLとULとの両方の期間を構成できる。
また、従来のDLサブフレームあるいはULサブフレームでDLの期間とULの期間とを設けることが可能となるので、LR−UEに対して、短縮したTTIに応じて送受信を行うことが可能となる。また、遅延時間を削減することが可能となり、データの伝送速度の向上を図ることができる。
一つのサブフレームで、新たなDL−UL構成を設けた場合、およびセル間で異なるDL−UL構成を設定した場合、セル間の干渉が問題になることがある。このような問題を解決するために、一つのサブフレームで、新たなDL−UL構成を設けたセルを有するeNBは、周辺のeNBに、設定した新たなDL−UL構成を通知するとよい。新たなDL−UL構成は、X2シグナリングを用いて通知するとよい。あるいは、新たなDL−UL構成は、MMEを介してS1シグナリングを用いて通知してもよい。
このようにすることによって、周辺eNBは、自セルにおいて、該構成を考慮に入れたDL−UL構成を設定することが可能となる。
他の方法として、ネットワーク側のノードあるいはOAM(operation administration and maintenance)が、新たなDL−UL構成を設定して、一つまたは複数のeNBに通知してもよい。ネットワークノードが、異なるDL−UL構成を用いた場合に干渉が問題となるeNBに対して、同じDL−UL構成を設定するように通知してもよい。
このようにして、eNB間で調整をとることによって、セル間の干渉を低減することが可能となる。
実施の形態18 変形例2.
他の共存方法を開示する。コンポーネントキャリア毎に、従来のTTI構成と、短縮したTTI構成とを設定する。従来のTTI構成のコンポーネントキャリアと、短縮したTTI構成のコンポーネントキャリアとを設けて、キャリアアグリゲーション(CA)を行う。従来のTTI構成のコンポーネントキャリアをPCellに用い、短縮したTTI構成のコンポーネントキャリアをSCellに用いてもよい。
eNBは、接続状態にあるLR−UEに対して、短縮したTTI構成のSCellを設定し、CAを行う。eNBは、LR−UEに対して、SCellとして構成するコンポーネントキャリアの短縮したTTI構成情報を通知するとよい。SCellの構成情報とともに、あるいはSCellの構成情報に含めて通知してもよい。
LR−UEは、SCellの構成情報と該SCellの短縮したTTI構成情報とを用いてCAを行う。上りリンクに関しても、短縮したTTI構成のコンポーネントキャリアを用いたSCell上で行うとよい。下りと上りとで、同じ短縮したTTIの構成のコンポーネントキャリアを用いることによって、eNBは、スケジューリングおよびHARQなどのタイミングを容易に制御することが可能となる。
このようにすることによって、eNBとLR−UEとの間で、従来のTTIと、短縮したTTIとを用いて通信が行われる。したがって、eNBとLR−UEとの間でデータの高速伝送を行うことが可能となる。
レガシーUEに対しては、短縮したTTI構成のコンポーネントキャリアを用いず、従来のTTI構成のコンポーネントキャリアのみを用いればよい。このようにすることによって、レガシーUEとLR−UEとの共存を図ることが可能となる。
また、この場合、短縮したTTI構成のコンポーネントキャリアとして、現在LTEでサポートされているキャリア構成でなくてもよい。例えば、シンボル長、CP長、サブキャリア周波数、および1サブフレームのシンボル数などの構成が異なっていてもよい。また、短縮したTTIとして、TTIの時間が短縮されるだけで、1TTIは1サブフレームであってもよい。TTIの時間が短縮されていればよい。従来のTTI構成のコンポーネントキャリアと、短縮したTTI構成のコンポーネントキャリアとを用いてCAを行う。このようにすることによって、将来のキャリア構成に柔軟に対応することが可能となる。
実施の形態18 変形例3.
他の共存方法を開示する。eNB毎に、従来のTTI構成と、短縮したTTI構成とを設定する。従来のTTI構成のキャリアを有するeNBと、短縮したTTI構成のキャリアを有するeNBとを用いて、デュアルコネクティビティ(Dual Connectivity:DC)を行う。3GPPにおいてリリース12で検討されているDCについては、非特許文献1に記載されている。従来のTTI構成のキャリアを有するeNBをMeNBとする。MeNBは、接続状態にあるLR−UEに対して、短縮したTTI構成のキャリアを有するeNBをSeNBとして設定し、DCを行う。eNBは、LR−UEに対して、SeNBが有するキャリアの短縮したTTI構成情報を通知するとよい。SeNBの構成情報とともに、あるいはSeNBの構成情報に含めて通知してもよい。LR−UEは、SeNBの構成情報と該SeNBが有するキャリアの短縮したTTI構成情報を用いてDCを行う。
このようにすることによって、MeNBとLR−UEとの間では、従来のTTIを用いて通信が行われ、SeNBとLR−UEとの間では、短縮したTTIを用いて通信が行われる。したがって、SeNBとLR−UEとの間で、データの高速伝送を行うことが可能となる。したがって、ネットワークとLR−UEとの間で、データの高速伝送が行われることになる。
レガシーUEに対しては、従来のTTI構成のキャリアを有するMeNBのみで通信を行うとよい。あるいは、SeNBが従来のTTI構成のキャリアを有する場合、MeNB、SeNBともに、従来のTTI構成のキャリアを用いてDCを行えばよい。このようにすることによって、レガシーUEとLR−UEとの共存を図ることが可能となる。
前述の各実施の形態およびその変形例では、従来のTTIが、TTI=1サブフレーム=1msのLTEの場合について開示したが、これに限らず、従来のTTIあるいは基本となるTTIが、他のTTIの値であってもよい。他のTTIを用いるようなシステムであってもよい。従来のTTIあるいは基本となるTTIに対して、短縮したTTIを構成するような場合に適用可能である。例えば、基本となるTTIが、TTI=1スロットとで、短縮したTTIがTTI=1シンボルであってもよい。この場合でも、前述の各実施の形態および変形例と同様の効果を得ることが可能となる。
前述の各実施の形態およびその変形例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において、各実施の形態およびその変形例を自由に組合せることができる。また各実施の形態およびその変形例の任意の構成要素を適宜変更または省略することができる。これによって、多様なサービスをサポートする場合にも、レガシーUEとの共存による後方互換性を有するシステムを構築することが可能となる。したがって、遅延時間の短縮を図り、データの伝送速度の向上を図ることができる通信システムを提供することができる。
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。