JP2021008566A - 黒色顔料分散液 - Google Patents
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Abstract
【課題】 貯蔵安定性が優れた黒色顔料分散液を提供する。【解決手段】 一次粒子径が10〜50nmである黒色窒化チタン顔料、アクリル共重合体、シロキサン重合体、有機溶剤を含有する顔料分散液であって、アクリル共重合体が、側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有する黒色顔料分散液。【選択図】なし
Description
本発明は電子情報材料分野の用途において有用な黒色顔料分散液に関するものである。
近年、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品に用いられる電子材料として素子を製造する際の各種処理工程に耐えられる耐熱性を有す材料に対する需要が高まっている。
とりわけ技術革新の著しいタッチパネルディスプレーの分野において、遮光膜としてブラックマトリクスが形成されており、センサー基板に対向するカバーガラスやカバーフィルム上に印刷インクにより形成することが一般的になされている。とりわけ近年主流となっているTFT液晶ディスプレーでは製造プロセスが350℃以上の高温となり、遮光性や膜厚を損なわずに高温真空下で電極を形成することが可能な高度な耐熱性が要求されている。
一般にブラックマトリックスの主要材料である黒色顔料分散液は、黒色顔料、溶剤、アクリル、ウレタン、ポリアミンなどの高分子分散剤、バインダー樹脂から成り立っている。ポリイミドをバインダー樹脂として用いた黒色顔料分散液が知られている(特許文献1参照)。黒色顔料分散液から形成された遮光膜の耐熱性を、より一層向上させるために、バインダー樹脂として高耐熱材料であるシロキサン重合体を用いることが考えられる。しかしながら、バインダー樹脂をシロキサン重合体にした黒色顔料分散液は、貯蔵により、黒色顔料分散液から黒色顔料が分離するので、問題があった。
本発明は、貯蔵により、黒色顔料分散液から黒色顔料が分離せず、耐熱性に優れた黒色顔料分散液を提供する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明は、一次粒子径が10〜50nmである黒色窒化チタン顔料、アクリル共重合体、シロキサン重合体、有機溶剤を含有する顔料分散液であって、アクリル共重合体が、側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有するアクリル共重合体である黒色顔料分散液である。
本発明の黒色顔料分散液を用いることにより、貯蔵安定性に優れた黒色顔料分散液が得られる。
本発明の黒色顔料分散液を硬化させた感光性黒色樹脂は、耐熱性に優れ、塗料、燃料電池、光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用であり、特に、電子情報材料分野において有用である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明は、一次粒子径が10〜50nmである黒色窒化チタン顔料、アクリル共重合体、シロキサン重合体、有機溶剤を含有する顔料分散液であって、アクリル共重合体が、側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有するアクリル共重合体である黒色顔料分散液である。
黒色窒化チタン顔料の一次粒子径は10〜50nmであり、好ましくは10〜40nmである。一次粒子径が50nmより粗大な黒色窒化チタン顔料を用いると、保存により、黒色窒化チタン顔料が、黒色顔料分散液から沈殿する。
プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートに分散させ、動的光散乱法により測定した黒色窒化チタン粒子の数平均粒子径は、好ましくは、50〜500nmである。窒化チタン粒子の数平均粒子径は、より好ましくは、50〜400nm、さらにより好ましくは、70〜300nmである。窒化チタン粒子の数平均粒子径が、50〜500nmであると、高度な遮光性と分散安定性を両立する効果が得られ好ましい。
黒色窒化チタン顔料は、黒色窒化チタン顔料とシロキサン重合体の総量を100重量部としたとき、20〜95重量部含有することが好ましく、より好ましくは、50〜90%重量含有する。窒化チタンを、50〜90重量%含有すると、さらに一層の長期の保存安定性を持つ黒色顔料分散液を得る事ができる。
本発明の黒色顔料分散液において、黒色窒化チタン顔料以外の他の黒色顔料を含有してもよい。本発明の黒色顔料分散液において、例えば、炭化チタン、炭化珪素、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、グラファイトを含有することができる。
本発明の黒色顔料分散液では、側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有すアクリル共重合体を含有する。側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有すアクリル共重合体は、黒色顔料を樹脂溶液中に均一にかつ安定に分散させる効果がある。側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有すアクリル共重合体は、好ましくは、側鎖に3級アミンと4級アンモニウム塩を有するアクリル共重合体である。
側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有すアクリル共重合体の具体例としては、DISPERBYK(登録商標)−187、190、191、194N、199、2000、2001、2006、2009、2010、2012、2013、2015、2022、2025、2050、2055、2200、DISPERBYK(登録商標)LPN6919、LPN21116、LPN21234、(以上、ビックケミー社製)が挙げられる。
側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有するアクリル共重合体は、黒色顔料、シロキサン重合体、側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有すアクリル共重合体の総量を100重量部としたとき、好ましくは、0.3〜15重量部含有する。側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有するアクリル共重合体を、0.3〜15重量部含有すると、耐熱性を悪化させずに、高度に分散を安定化させる効果がある。
本発明の黒色顔料分散液が含有するシロキサン重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量が、800〜5,000であることが好ましい。ポリスチレン換算重量平均分子量は、テトラヒドロフランをキャリヤーとして、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、実施例にて示す標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算したものである。本発明の黒色顔料分散液が含有するシロキサン重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量は、より好ましくは、1,200〜3,000である。
本発明の黒色顔料分散液において、シロキサン重合体は、黒色窒化チタン顔料とシロキサン重合体を100重量%としたとき、好ましくは、5〜50重量%含有し、より好ましくは15〜30重量%含有する。シロキサン重合体を、5〜50重量%含有すると、高度な耐熱性を発現し高度に分散を安定化させる効果がある。
本発明の黒色顔料分散液は有機溶剤を含有する。有機溶剤の含有量は、ブラックマトリックス組成物設計の自由度を高める観点から、黒色窒化チタン顔料、シロキサン重合体、側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有すアクリル共重合体の総量を100重量部としたとき、100〜600重量部が好ましく、より好ましくは、150〜400重量部である。
本発明の黒色顔料分散液に使用できる有機溶剤は、カルボン酸エステル、脂肪族エーテル類、ケトンから選ばれる1種以上を使用することが好ましい。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、また、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
カルボン酸エステルの例としては、ベンジルアセテート、エチルベンゾエート、メチルベンゾエート、マロン酸ジエチル、2−エチルヘキシルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、シュウ酸ジエチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキシルアセテート、3−メトキシ−ブチルアセテート、アセト酢酸メチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、2−エチルブチルアセテート、イソペンチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸ペンチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられ、工業的利用の観点からプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましい。
本発明の黒色顔料分散液は、レジスト材料の有機溶剤として広く用いられるプロピレングリコールモノメチルエーテルを有機溶剤として使用することが、特に、好ましい。
脂肪族エーテル類の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのプロピレングリコール誘導体が好ましい。
本発明の黒色顔料分散液において、黒色顔料分散液の製造方法としては、分散機を用いてシロキサン重合体溶液中に黒色窒化チタン顔料を分散させる方法が一般的になされている。黒色窒化チタン顔料を分散させる分散機としては、ボールミル、サンドグラインダー、3本ロールミル、高速度衝撃ミルなど、種々の方法をとりうるが、分散効率とナノサイズの微分散化の観点からビーズミルが好ましい。ビーズミルとしては、コボールミル、バスケットミル、ピンミル、ダイノーミルなどを用いることができ、これらの分散方法を組み合わせて製造してもよい。ビーズミルのビーズとしては、チタニアビーズ、ジルコニアビーズ、ジルコンビーズなどを用いることが好ましい。
分散に用いるビーズ径としては、0.01mm以上5.0mm以下が好ましく、更に好ましくは0.03mm以上1.0mm以下である。黒色窒化チタン顔料の一次粒子径及び一次粒子が凝集して形成された二次粒子の粒子径が小さい場合には、0.03mm以上0.10mm以下の微小な分散ビーズを用いることが好ましい。
本発明の黒色顔料分散液は、好ましくは、−15℃で30日保管後の粘度が、調整直後の粘度の1〜2倍であり、さらに好ましくは、初期の粘度の1.0〜1.5倍である。
本発明の黒色顔料分散液は、青板ガラス基板上にスピン塗布しホットプレート上で100℃、90秒セミキュアし、この後、露光機“マスクアライナーPEM−800”(ユニオン光学株式会社製)を用いて露光し、23℃の2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて20秒浸漬し、さらに、250℃で30分間キュアした後、350℃で60分間キュアを行って製造した厚さ1.0μmの塗膜のODが1.0μmあたり2.0以上、好ましくは、2.5以上であり、遮光性が良好であった。塗膜のODは、光学濃度計(X−Rite社製361TVisula)を用いて測定した。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。
<評価方法>
〔粘度〕
粘度計(東機産業社製RE105L)を25℃に温度設定し、実施例、比較例にて作製した黒色顔料分散液を1.1ml用い、50rpmでの値を粘度の値とした。
〔粘度〕
粘度計(東機産業社製RE105L)を25℃に温度設定し、実施例、比較例にて作製した黒色顔料分散液を1.1ml用い、50rpmでの値を粘度の値とした。
〔数平均粒子径〕
動的光散乱方式の粒度分布計(マイクロトラック・ベル社製UPA−EX150)を20℃±1℃に温度設定し、実施例、比較例にて作製した黒色顔料分散液をプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートで400倍に希釈し、120秒測定して得られた値を黒色窒化チタン顔料粒子の数平均粒子径の値とした。
動的光散乱方式の粒度分布計(マイクロトラック・ベル社製UPA−EX150)を20℃±1℃に温度設定し、実施例、比較例にて作製した黒色顔料分散液をプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートで400倍に希釈し、120秒測定して得られた値を黒色窒化チタン顔料粒子の数平均粒子径の値とした。
〔分散安定性〕
本発明では経時での粘度変化を分散安定性の指標とする。実施例、比較例にて作製した黒色顔料分散液を初期の粘度、および、−15℃で30日保管後の粘度を測定した。保管による増粘は小さい方が望ましいが、微細分散された顔料同士やシロキサン結合同士で相互作用が働くことで増粘する場合があり、作製30日後の増粘が初期の粘度から50%以内である場合を、分散状態が極めて良好であると判断した。
本発明では経時での粘度変化を分散安定性の指標とする。実施例、比較例にて作製した黒色顔料分散液を初期の粘度、および、−15℃で30日保管後の粘度を測定した。保管による増粘は小さい方が望ましいが、微細分散された顔料同士やシロキサン結合同士で相互作用が働くことで増粘する場合があり、作製30日後の増粘が初期の粘度から50%以内である場合を、分散状態が極めて良好であると判断した。
〔遮光性〕
実施例、比較例にて作製した黒色顔料分散液を、青板ガラス基板(松浪ガラス製)上にスピン塗布しホットプレート上で100℃、90秒セミキュアし、この後、露光機“マスクアライナーPEM−800”(ユニオン光学株式会社製)を用いて露光し、23℃の2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて20秒浸漬した。さらに、250℃で30分間キュアした後、350℃で60分間キュアを行った。このようにして、厚さ1.0μmのブラックマトリクスを作成した。光学濃度計(X−Rite社製361TVisula)を用い測定した。塗膜のODが1.0μmあたり2.5以上である場合、遮光性が極めて良好、塗膜のODが1.0μmあたり2.0以上である場合、遮光性が良好であると判断した。
実施例、比較例にて作製した黒色顔料分散液を、青板ガラス基板(松浪ガラス製)上にスピン塗布しホットプレート上で100℃、90秒セミキュアし、この後、露光機“マスクアライナーPEM−800”(ユニオン光学株式会社製)を用いて露光し、23℃の2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて20秒浸漬した。さらに、250℃で30分間キュアした後、350℃で60分間キュアを行った。このようにして、厚さ1.0μmのブラックマトリクスを作成した。光学濃度計(X−Rite社製361TVisula)を用い測定した。塗膜のODが1.0μmあたり2.5以上である場合、遮光性が極めて良好、塗膜のODが1.0μmあたり2.0以上である場合、遮光性が良好であると判断した。
〔重量平均分子量〕
東ソー社製HLC-8220GPCシステムを使用し、東ソー社製TSKgel SuperHZ3000、TSKgel SuperHZ2000、TSKgel SuperHZ1000を直列に接続して分析を行った。検出はRI(屈折率計)で行い、リファレンスカラムとしてTSKgelSuperH−RCを1本使用した。展開溶媒には和光純薬社製テトラヒドロフランを使用し、カラムとリファレンスカラムの流速は0.35mL/minで行った。測定温度はプランジャーポンプ、カラム共に40℃で行った。サンプルの調製にはシリコーン重合体約0.025gを10mLのテトラヒドロフランで希釈したものを25μL打ちこむ設定で行った。分子量分布計算には、東ソー社製TSK標準ポリスチレン(A−500、A−1000、A−2500、A−5000、F−1、F−2、F−4、F−10、F−20、F−40、F−80)を標準物質として使用した。
東ソー社製HLC-8220GPCシステムを使用し、東ソー社製TSKgel SuperHZ3000、TSKgel SuperHZ2000、TSKgel SuperHZ1000を直列に接続して分析を行った。検出はRI(屈折率計)で行い、リファレンスカラムとしてTSKgelSuperH−RCを1本使用した。展開溶媒には和光純薬社製テトラヒドロフランを使用し、カラムとリファレンスカラムの流速は0.35mL/minで行った。測定温度はプランジャーポンプ、カラム共に40℃で行った。サンプルの調製にはシリコーン重合体約0.025gを10mLのテトラヒドロフランで希釈したものを25μL打ちこむ設定で行った。分子量分布計算には、東ソー社製TSK標準ポリスチレン(A−500、A−1000、A−2500、A−5000、F−1、F−2、F−4、F−10、F−20、F−40、F−80)を標準物質として使用した。
<シロキサン重合体の合成>
以下にシロキサン重合体の合成例を示す。原料は特に明示しない場合、試薬メーカー(東京化成工業株式会社、和光純薬工業株式会社、ナカライテスク株式会社、信越化学工業株式会社)から購入した一般的な試薬を用いた。
以下にシロキサン重合体の合成例を示す。原料は特に明示しない場合、試薬メーカー(東京化成工業株式会社、和光純薬工業株式会社、ナカライテスク株式会社、信越化学工業株式会社)から購入した一般的な試薬を用いた。
〔合成例1〕
500mLの4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル119.38g、メチルトリメトキシシラン54.5g(0.40mol)、テトラメトキシシラン15.2g(0.10mol)、フェニルトリメトキシシラン59.5g(0.30mol)、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン49.7g(0.20mol)を仕込んだ。次いで、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドの48%水溶液(日本ファインケム株式会社製、水分含量52重量%)を123.4g滴下した。20〜30℃で4時間熟成後、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドと当量のクエン酸で中和した。反応液に、酢酸エチル536.6gと超純水123.3gを加え、撹拌の後分液した。得られた油層に、超純水143.1gを加え撹拌の後、分液した。この操作を2回繰り返した後、約40℃、160torrで濃縮した。濃縮液にプロピレングリコールモノメチルエーテル77.1gを加えることで、溶媒置換し、シロキサン重合体の30%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た(P−1)。シロキサン重合体の30%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を175℃で乾固し、その残渣からシリコーン重合体の収率を求めたところ、98%であった。得られたシロキサン重合体の重量平均分子量は1720であった。
500mLの4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル119.38g、メチルトリメトキシシラン54.5g(0.40mol)、テトラメトキシシラン15.2g(0.10mol)、フェニルトリメトキシシラン59.5g(0.30mol)、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン49.7g(0.20mol)を仕込んだ。次いで、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドの48%水溶液(日本ファインケム株式会社製、水分含量52重量%)を123.4g滴下した。20〜30℃で4時間熟成後、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドと当量のクエン酸で中和した。反応液に、酢酸エチル536.6gと超純水123.3gを加え、撹拌の後分液した。得られた油層に、超純水143.1gを加え撹拌の後、分液した。この操作を2回繰り返した後、約40℃、160torrで濃縮した。濃縮液にプロピレングリコールモノメチルエーテル77.1gを加えることで、溶媒置換し、シロキサン重合体の30%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た(P−1)。シロキサン重合体の30%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を175℃で乾固し、その残渣からシリコーン重合体の収率を求めたところ、98%であった。得られたシロキサン重合体の重量平均分子量は1720であった。
〔合成例2〕
メチルトリメトキシシラン122.6g(0.90mol)、テトラメトキシシラン15.2g(0.10mol)にした以外は合成例1と同様に作製しシロキサン重合体の30%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た(P−2)。得られたシロキサン重合体の重量平均分子量は1740であった。
メチルトリメトキシシラン122.6g(0.90mol)、テトラメトキシシラン15.2g(0.10mol)にした以外は合成例1と同様に作製しシロキサン重合体の30%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た(P−2)。得られたシロキサン重合体の重量平均分子量は1740であった。
以下にポリアミック酸の合成例を示す。試薬メーカー(東京化成工業株式会社、和光純薬工業株式会社、ナカライテスク株式会社、信越化学工業株式会社)から購入した一般的な試薬を用いた。
〔合成例3〕
4,4′−ジアミノフェニルエーテル(0.30mol)、パラフェニレンジアミン(0.70mol)をγ−ブチロラクトン850g、N−メチル−2−ピロリドン850gと共に仕込み、3,3′,4,4′−オキシジフタルカルボン酸二無水物(0.9975mol)を添加し、80℃で3時間反応させた。無水マレイン酸(0.02mol)を添加し、更に80℃で1時間反応させ、ポリアミック酸の20%γ−ブチロラクトンおよびN−メチル−2−ピロリドン混合溶液を得た(P−3)溶液を得た。
4,4′−ジアミノフェニルエーテル(0.30mol)、パラフェニレンジアミン(0.70mol)をγ−ブチロラクトン850g、N−メチル−2−ピロリドン850gと共に仕込み、3,3′,4,4′−オキシジフタルカルボン酸二無水物(0.9975mol)を添加し、80℃で3時間反応させた。無水マレイン酸(0.02mol)を添加し、更に80℃で1時間反応させ、ポリアミック酸の20%γ−ブチロラクトンおよびN−メチル−2−ピロリドン混合溶液を得た(P−3)溶液を得た。
<黒色顔料分散液の製造>
以下に本発明における黒色顔料分散液の製造例を示す。原料は、特に明示しない場合、試薬メーカー(和光純薬工業株式会社、ナカライテスク株式会社)から購入した一般的な試薬を用いた。
以下に本発明における黒色顔料分散液の製造例を示す。原料は、特に明示しない場合、試薬メーカー(和光純薬工業株式会社、ナカライテスク株式会社)から購入した一般的な試薬を用いた。
〔実施例1〕
黒色窒化チタン顔料として粒子の一次粒子径が17nmであるチタン窒化物粒子(Heifei社製)(TN−1)を45.1g、シロキサン重合体(P−1)を61.0g、高分子分散剤として3級アミノ基と4級アンモニウム塩を有するアクリル共重合体の40%溶液であるDISPERBYK(登録商標)LPN−21116(ビックケミー社製)(DP−1)を10.5gおよびプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート126.0gをタンクに仕込み、ネオミキサー(プライミクス株式会社製)で20分撹拌した。その後、0.10mmφジルコニアビーズを75%充填した遠心分離セパレーターを具備したウルトラアペックスミル(株式会社広島メタル&マシナリー製)に分散液を供給し、回転速度7.5m/sで28分間分散を行い、固形分濃度30重量%、黒色顔料/樹脂(質量比)=70/30の黒色顔料分散液(MB−1)を得た。得られた黒色顔料分散液は、黒色窒化チタン顔料の数平均粒子径が92nm、黒色顔料分散液の粘度は3.9mPa・sであり、キュア後の塗膜のODは3.0であった。−15℃で30日保管後の黒色顔料分散液の粘度は4.1mPa・sであった。
黒色窒化チタン顔料として粒子の一次粒子径が17nmであるチタン窒化物粒子(Heifei社製)(TN−1)を45.1g、シロキサン重合体(P−1)を61.0g、高分子分散剤として3級アミノ基と4級アンモニウム塩を有するアクリル共重合体の40%溶液であるDISPERBYK(登録商標)LPN−21116(ビックケミー社製)(DP−1)を10.5gおよびプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート126.0gをタンクに仕込み、ネオミキサー(プライミクス株式会社製)で20分撹拌した。その後、0.10mmφジルコニアビーズを75%充填した遠心分離セパレーターを具備したウルトラアペックスミル(株式会社広島メタル&マシナリー製)に分散液を供給し、回転速度7.5m/sで28分間分散を行い、固形分濃度30重量%、黒色顔料/樹脂(質量比)=70/30の黒色顔料分散液(MB−1)を得た。得られた黒色顔料分散液は、黒色窒化チタン顔料の数平均粒子径が92nm、黒色顔料分散液の粘度は3.9mPa・sであり、キュア後の塗膜のODは3.0であった。−15℃で30日保管後の黒色顔料分散液の粘度は4.1mPa・sであった。
〔実施例2〕
シロキサン重合体(P−1)の代わりにシロキサン重合体(P−2)を用いた以外は実施例1と同様に作製し黒色顔料分散液(MB−2)を得た。得られた黒色顔料分散液は、黒色窒化チタン顔料の数平均粒子径が87nm、黒色顔料分散液の粘度は3.3mPa・sであり、キュア後の塗膜のODは2.8であった。−15℃で30日保管後の黒色顔料分散液の粘度は3.6mPa・sであった。
シロキサン重合体(P−1)の代わりにシロキサン重合体(P−2)を用いた以外は実施例1と同様に作製し黒色顔料分散液(MB−2)を得た。得られた黒色顔料分散液は、黒色窒化チタン顔料の数平均粒子径が87nm、黒色顔料分散液の粘度は3.3mPa・sであり、キュア後の塗膜のODは2.8であった。−15℃で30日保管後の黒色顔料分散液の粘度は3.6mPa・sであった。
〔比較例1〕
黒色窒化チタン顔料として粒子の一次粒子径が17nmであるチタン窒化物粒子(Heifei社製)(TN−1)の代わりに粒子の一次粒子径が97nmであるチタン窒化物粒子13M(三菱マテリアル株式会社製)(TN−2)を用いた以外は実施例1と同様に作製し黒色顔料分散液(MB−3)を得た。得られた黒色顔料分散液は、黒色窒化チタン顔料の数平均粒子径が232nm、黒色顔料分散液の粘度は5.3mPa・sであり、キュア後の塗膜のODは2.5であった。−15℃で30日保管後の黒色顔料分散液は、粒子が沈降して粘度の測定ができなかった。
黒色窒化チタン顔料として粒子の一次粒子径が17nmであるチタン窒化物粒子(Heifei社製)(TN−1)の代わりに粒子の一次粒子径が97nmであるチタン窒化物粒子13M(三菱マテリアル株式会社製)(TN−2)を用いた以外は実施例1と同様に作製し黒色顔料分散液(MB−3)を得た。得られた黒色顔料分散液は、黒色窒化チタン顔料の数平均粒子径が232nm、黒色顔料分散液の粘度は5.3mPa・sであり、キュア後の塗膜のODは2.5であった。−15℃で30日保管後の黒色顔料分散液は、粒子が沈降して粘度の測定ができなかった。
〔比較例2〕
シロキサン重合体(P−1)の代わりにポリアミック酸(P−3)を用いた以外は実施例1と同様に作製して、黒色顔料分散液(MB−4)を得た。得られた黒色顔料分散液は、作製直後の黒色窒化チタン顔料の数平均粒子径が410nmであった。作製後の黒色顔料分散液の粘度は19.3mPa・sであり、−15℃で1日保管後の黒色顔料分散液は、粒子が沈降して、粘度の測定ができなかった。
シロキサン重合体(P−1)の代わりにポリアミック酸(P−3)を用いた以外は実施例1と同様に作製して、黒色顔料分散液(MB−4)を得た。得られた黒色顔料分散液は、作製直後の黒色窒化チタン顔料の数平均粒子径が410nmであった。作製後の黒色顔料分散液の粘度は19.3mPa・sであり、−15℃で1日保管後の黒色顔料分散液は、粒子が沈降して、粘度の測定ができなかった。
Claims (4)
- 一次粒子径が10〜50nmである黒色窒化チタン顔料、アクリル共重合体、シロキサン重合体、有機溶剤を含有する顔料分散液であって、アクリル共重合体が、側鎖に3級アミンおよび/または4級アンモニウム塩を有するアクリル共重合体である黒色顔料分散液。
- プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートに分散させて動的光散乱法により測定した黒色窒化チタン顔料の平均粒子径が50〜500nmである請求項12に記載の黒色顔料分散液。
- 有機溶剤が、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートである請求項1または2に記載の黒色顔料分散液。
- −15℃で30日保管後の粘度が、調整直後の粘度の1〜2倍である請求項1〜3のいずれかに記載の黒色顔料分散液。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019122929A JP2021008566A (ja) | 2019-07-01 | 2019-07-01 | 黒色顔料分散液 |
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- 2019-07-01 JP JP2019122929A patent/JP2021008566A/ja active Pending
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