JP2021007976A - レーザ加工用ノズル,レーザ加工装置,レーザ加工方法,及びレーザ加工用ノズル群 - Google Patents

レーザ加工用ノズル,レーザ加工装置,レーザ加工方法,及びレーザ加工用ノズル群 Download PDF

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Ayako Nagase
絢子 長▲瀬▼
武志 吉田
Takeshi Yoshida
武志 吉田
功一 和家
Koichi Wake
功一 和家
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Abstract

【課題】アシストガス圧が低圧でもレーザ加工用ノズルに不具合が生じずにドロスを良好排出できるレーザ加工用ノズルを提供する。【解決手段】インナノズル(71)の外周面と第2貫通孔(723)の内周面との間に第2通気路が形成されたインナノズル(71)は第1端部の反対の第2端部側の先端面(714a)がアウタノズル(72)の第2端部側の先端面(72b)よりも軸方向内側に位置する。第1及び第2通気路からアシストガス(AG1、2)を噴出させ第1通気路からレーザ光を射出するレーザ切断加工でカッティングフロント下端でアシストガス(AG1、2)の流速(fr),密度(ρ),及び圧力(Ps)をそれぞれ音速以上,2.1kg/m3以下,及び0.13MPa以下にできる。【選択図】図2

Description

本発明は、レーザ加工用ノズル,レーザ加工装置,レーザ加工方法,及びレーザ加工用ノズル群に関する。
特許文献1に記載されたレーザ加工方法は、加工対象物とノズルとの距離を倣い制御により所定のノズルギャップとして保ちながら、ノズルから照射するレーザ光によって加工対象物を切断する。このレーザ加工方法では、加工で生じた溶解金属を、ノズルから噴出させたアシストガスで吹き飛ばしてカーフから排出する。
特開2009−000698号公報
レーザ光で軟鋼を切断する場合には、アシストガスとして比較的低圧の酸素を使用する。これは、レーザ光での熱切断において、融解した鉄とアシストガスとして供給する酸素との酸化反応熱によって更に融解を促進させるためである。
一方、レーザ光でステンレス鋼を切断する場合には、アシストガスとして酸素ではなく比較的高価な高純度の窒素ガスなどを使用する。これは、ステンレス鋼の切断の場合、切断面に黒い酸化皮膜が付かないことが一般的に望まれ、またステンレス鋼に含まれるクロムは、その酸化物がドロスの粘性に好ましくない影響を与えることが知られているためである。
また、レーザ光による軟鋼の切断においても、切断面に酸化皮膜が付くことを望まない場合は、窒素を主成分とするアシストガスを用いる。
従来、切断する鋼材の板厚が厚いほど、ドロス付着を抑制して融解金属の排出を促進するためにアシストガスを例えば1MPaを超えるガス圧にすることが炭酸ガスレーザが主流の時代から行われてきている。
そのため、一般的に、レーザ加工においては、アシストガスを、例えば1MPa以下の低圧で噴射して消費量を抑制し、コストを低減することが望まれている。
また、アシストガスを低圧でも効率よくカーフ内に流すため、ノズルギャップを0.5mm以下に小さくすることが検討されるが、スパッタの跳ね返りによるノズルの詰まりや、ピアス加工時のピアス痕との接触による損傷の虞が高まるという不具合が生じてしまう。
これらから、加工対象物をレーザ光によって切断する場合において、アシストガスのガス圧を、例えば1MPa以下の低圧にしても、レーザ加工用ノズルに不具合が生じることなく、より良好に、ドロス付着を抑制して溶解金属の排出ができることが要望されている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、アシストガスのガス圧が低圧でもレーザ加工用ノズルに不具合が生じることなくドロス付着を抑制して良好に排誘拐金属を排出できるレーザ加工用ノズル,レーザ加工装置,レーザ加工方法,及びレーザ加工用ノズル群を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。
1) 第1通気路としての第1貫通孔を有する管状のインナノズルと、
前記インナノズルが挿着される第2貫通孔と、第1の端部に形成されレーザ加工ヘッドの筐体に装着される装着部と、を有する管状のアウタノズルと、
を備え、
前記インナノズルは、前記第2貫通孔内に挿着された状態で、前記インナノズルの外周面と前記第2貫通孔の内周面との間にリング状の第2通気路が形成されると共に、前記インナノズルは、前記第1の端部の反対側となる第2の端部側の先端面が前記アウタノズルの前記第2の端部側の先端面よりも軸方向の内側に位置しており、
前記第1通気路及び前記第2通気路からアシストガスを噴出させると共に前記第1通気路からレーザ光を射出してワークを切断加工するレーザ加工において、カッティングフロントの下端位置で、噴出した前記アシストガスの、流速,密度,及び圧力を、それぞれ同時に、音速以上,2.1kg/m以下,及び0.13MPa以下にできるレーザ加工用ノズルである。
2) 1)に記載のレーザ加工用ノズルが装着されたレーザ加工ヘッドと、
前記レーザ加工ヘッドを3次元に移動させる駆動部と、
前記レーザ加工ヘッドにレーザ光を供給するレーザ発振器と、
前記レーザ加工ヘッドにアシストガスを供給するアシストガス供給装置と、
ノズルギャップを計測するノズルギャップ計測部と、
前記ノズルギャップ計測部で計測したノズルギャップに基づいて前記駆動部の動作を制御する制御部と、
を備えたレーザ加工装置である。
3) 2)に記載のレーザ加工装置を用い、
前記アシストガスのガス圧を1MPa以下、かつ前記ノズルギャップを0.5mm以上にして、前記レーザ光により熱間圧延鋼板又はステンレス鋼板を切断することを特徴とするレーザ加工方法である。
4) ノズル径の異なる複数のノズルの組として構成され、
各前記ノズルはレーザ光及びアシストガスを射出する貫通孔を有するインナノズルと、前記インナノズルとの間に前記アシストガスを射出するリング状の開口部を形成するアウタノズルとを有し、
前記インナノズルの先端部の外径をD3とし、前記貫通孔の内径をD1とし、前記アウタノズルの内径を前記ノズル径としてD2として、(D2,D1)及び(D2,D3)の組み合わせをそれぞれ(x、y)としたときに、
(D2,D1)及び(D2,D3)の組み合わせのいずれにおいても、yがxの一次関数となっていることを特徴とするレーザ加工用ノズル群である。
5) ノズル径の異なる複数のノズルの組として構成され、
各前記ノズルはレーザ光及びアシストガスを射出する貫通孔を有するインナノズルと、前記インナノズルとの間に前記アシストガスを射出するリング状の開口部を形成するアウタノズルとを有し、
前記インナノズルの先端部の外径をD3とし、前記貫通孔の内径をD1とし、前記アウタノズルの内径を前記ノズル径としてD2とし、
Δd2を(D3−D1)/2、Δd3を(D2−D3)/2として、(D2,Δd2)及び(D2,Δd3)の組み合わせをそれぞれ(x,y)としたときに、
(D2,Δd2)及び(D2,Δd3)の組み合わせのいずれにおいても、yがxの一次関数となっていることを特徴とするレーザ加工用ノズル群である。
本発明によれば、アシストガスのガス圧が低圧でもレーザ加工用ノズルに不具合が生じることなくドロス付着を抑制して良好に融解金属を排出できる、という効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置の実施例であるレーザ加工装置51を示す構成図である。 図2は、レーザ加工装置51が備えるレーザ加工用ノズル7を示す縦断面図である。 図3は、レーザ加工用ノズル7の上面図である。 図4は、レーザ加工用ノズル7の下面図である。 図5(a)は、切断経路Qにおけるドロス高さの測定点を示す図であり、図5(b)は、ドロス高さtを示す図である。 図6は、レーザ加工用ノズル7を用いたSPH材のレーザ切断加工におけるドロス高さを示した第1の表である。 図7は、レーザ加工用ノズル7を用いたSPH材のレーザ切断加工におけるドロス高さを示した第2の表である。 図8は、レーザ加工用ノズル7を用いたSUS材のレーザ切断加工におけるドロス高さを示した表である。 図9は、レーザ加工用ノズル7の主要寸法に基づく評価値を示す表である。 図10は、レーザ加工用ノズル7及び比較例のノズル101,102のアシストガスAGの流速分布のシミュレーション結果を示す図である。 図11は、レーザ加工用ノズル7及び比較例のノズル101,102のアシストガスAGの密度分布のシミュレーション結果を示す図である。 図12は、レーザ加工用ノズル7及び比較例のノズル101,102のアシストガスAGの圧力分布のシミュレーション結果を示す図である。 図13は、図10に示される流速分布のシミュレーションにおけるカッティングフロント下端位置での流速frのマッハ数を示すグラフである。 図14は、図11に示される密度分布のシミュレーションにおけるカッティングフロント下端位置での密度ρの値を示すグラフである。 図15は、図12に示される圧力分布のシミュレーションにおけるカッティングフロント下端位置での圧力Psの値を示すグラフである。 図16は、切断実験に供した17種類のノズルの代表寸法を示す表である。 図17は、ノズル7,7A,7B及び比較例のノズル771,772の主要寸法と評価結果とを示す表である。 図18は、各供試ノズルについての内径D2と、内径D1及び外径D3との関係を示したグラフである。 図19は、ノズル7,7A,7BのアシストガスAGの流速分布のシミュレーション結果を示す図である。 図20は、ノズル771,772のアシストガスAGの流速分布のシミュレーション結果を示す図である。 図21は、ノズル7,7A,7BのアシストガスAGの密度分布のシミュレーション結果を示す図である。 図22は、ノズル771,772のアシストガスAGの密度分布のシミュレーション結果を示す図である。 図23は、ノズル7,7A,7BのアシストガスAGの温度分布のシミュレーション結果を示す図である。 図24は、ノズル771,772のアシストガスAGの温度分布のシミュレーション結果を示す図である。 図25は、ノズル7,7A,7BのアシストガスAGの圧力分布のシミュレーション結果を示す図である。 図26は、ノズル771,772のアシストガスAGの圧力分布のシミュレーション結果を示す図である。
(実施例)
本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置を、実施例のレーザ加工装置51により説明する。
図1は、レーザ加工装置51の全体の構成を示す図である。
レーザ加工装置51は、レーザ加工ヘッド1,レーザ発振器2,アシストガス供給装置3,駆動部4,及び制御部としてのNC装置5を含んで構成されている。
レーザ加工ヘッド1は、筒状の筐体11及び筐体11の先端部に取り付けられたレーザ加工用ノズル7を有する。レーザ加工用ノズル7は、筐体11に対し、ねじの螺合構造などによって着脱可能に取り付けられる。
筐体11の内部には、コリメーションレンズ12,ベンドミラー13,及び集束レンズ14が配置されている。
筐体11は、ノズルギャップHgを計測するためのノズルギャップ計測部15を有する。ノズルギャップHgは、レーザ加工用ノズル7の先端面72b(図2参照)と、レーザ加工装置51で加工するワークWの上面Waとの間の距離である。以下、レーザ加工用ノズル7を、単にノズル7とも称する。
レーザ発振器2は、例えばファイバレーザであって、NC装置5の制御の下でレーザ光Lsaを生成する。
生成するレーザ光Lsaの波長は、1060nm〜1080nmの範囲を含むいわゆる1μm帯(900nm〜1100nm帯域)、或いは1μm帯よりも短い波長であればよい。
レーザ発振器2は、ファイバレーザに限るものではなく、例えばディスクレーザやDDL(ダイレクト・ダイオード・レーザ)であってもよい。
換言するならば、レーザ発振器2は、波長が比較的長い10μm帯の炭酸ガスレーザなどにおいて受け易い窒素プラズマの影響を受けにくく、加工対象となる金属の吸収率が高い短波長レーザであればよい。
レーザ発振器2で生成されたレーザ光Lsaは、プロセスファイバ21及びカプラ21aを介して筐体11内に供給される。
カプラ21aから筐体11内に供給されたレーザ光Lsaは、発散光であり、コリメーションレンズによって平行光束とされてベンドミラー13に向かう。
平行光束とされたレーザ光Lsaは、ベンドミラー13で正反射し、集束レンズ14によって、所望の位置に焦点を結ぶようにノズル7から射出するレーザ光Lsに加工される。
レーザ光Lsは、ノズル7の先端近傍に開口するインナノズル71の開口部71a(図2参照)から外部に射出する。
レーザ加工ヘッド1は、集束レンズ14を光軸方向に移動させる集束レンズ駆動部14aを有する。集束レンズ14が光軸方向に移動することでレーザ光Lsの焦点位置が調整される。集束レンズ駆動部14aの動作は、NC装置5によって制御される。
アシストガス供給装置3は、例えば窒素ガスをアシストガスAGとしてレーザ加工ヘッド1に供給する。アシストガス供給装置3の動作はNC装置5により制御される。
アシストガスAGに窒素ガスを用いるのは、レーザ光Lsによる熱切断加工において、被加工材であるワークWの切断部位の酸化を抑制するためである。
アシストガスAGに用いる窒素ガスとして、ボンベなどで供給される高純度の窒素ガス、或いは大気から生成した窒素リッチガスを用いることができる。
レーザ加工ヘッド1は、駆動部4によって、加工するワークWの上面Waに対する水平方向及び直交方向のいずれか一方に、又は両方向同時に3次元的に移動する。
駆動部4の動作はNC装置5によって制御される。
NC装置5は、レーザ加工を実行中に、駆動部4を動作させて、ノズルギャップ計測部15により計測したノズルギャップHgが所定値となるようにレーザ加工ヘッド1の上下方向位置を制御する。
次に、ノズル7の詳細を図2〜図4を参照して説明する。
図2〜図4は、それぞれノズル7の縦断面図,上面図,下面図である。図2は、図3におけるS2−S2位置での縦断面図である。
ノズル7は、いわゆるダブルノズルタイプであって、インナノズル71及びアウタノズル72を有する。説明の便宜上、上下方向を、図2に矢印で示される方向に規定する。
インナノズル71は、上下方向を軸方向とする第1貫通孔である貫通孔711を有し管状に形成されている。インナノズル71は、上部側から、係合部712,中間部713,及び先端部714を有する。
係合部712は、直管状であって外周面に雄ねじが形成された雄ねじ部712aを有する。図2において、雄ねじ部712aのねじ形状は省略してある。
中間部713は、雄ねじ部712aの谷径よりも小さい外径で直管状に形成されている。
先端部714は、上端部が中間部713に接続し、下方に向かうに従って、外径が同芯で外径D3まで小さくなるように形成されている。
貫通孔711は、上方孔部711a及び下方孔部711bを有する。
上方孔部711aは、上端面から先端部714の途中までの範囲であって、下方に向かうに従って内径が内径D1まで小さくなる先すぼまりの孔部である。
下方孔部711bは、上端部が上方孔部711aに接続し、一定の内径D1で先端面714aに下方孔部711bで開口している。
アウタノズル72は、上下方向を軸とする第2貫通孔である貫通孔723を有し管状に形成されている。アウタノズル72は、第1の端部側である上端部側から、第1の端部の反対側の第2の端部側である下端部側に向け、装着部727,フランジ部721,及び傾斜部722を有する。
装着部727は、外周面に雄ねじが形成された雄ねじ部727aを有する。
雄ねじ部727aは、筐体11の下端部に形成された雌ねじ部11a(図1参照)に螺合する。この螺合構造によって、ノズル7は、筐体11に対し着脱自在となっている。
貫通孔723は、上部から雌ねじ部723a,基本孔部724,中間孔部725,及び先端孔部726を有する。
雌ねじ部723aは、貫通孔723の上部の内周面に形成された雌ねじを有する。雌ねじ部723aは、インナノズル71の係合部712の雄ねじ部712aと螺合する。
基本孔部724は、雌ねじ部723aの下端部から傾斜部722の途中まで直状に形成されている。
中間孔部725は、上端が基本孔部724に接続し、下方に向け内径が内径D2まで小さくなるよう形成されている。
先端孔部726は、上端が中間孔部725に接続し、一定の内径D2で形成され先端面72bに先端孔部726で開口している。
フランジ部721は、装着部727の雄ねじ部727aを筐体11の雌ねじ部11aに螺進(螺合部分が増える方向にまわす)させた際に、所定の位置で筐体11の下端面11b(図1参照)に当接し、それ以上の螺進を規制する。
インナノズル71を、第2の端部となる先端部714が下方を向く姿勢でアウタノズル72の貫通孔723に上方から挿入し、インナノズル71の雄ねじ部712aをアウタノズル72の装着部727の雌ねじ部723aに螺着させることで、インナノズル71とアウタノズル72とを一体化させることができる。
アウタノズル72に装着されたインナノズル71の上下方向の位置は、雄ねじ部712aの下端部が、それより小径の基本孔部724に当接することで所定の位置に規制される。
インナノズル71がアウタノズル72に対し所定の位置に挿着されているとき、インナノズル71の先端面714aの上下方向位置は、アウタノズル72の先端面72bの位置よりも上方にある。
先端面72bに対する先端面714aの高さを距離H1とする。
図3に示されるように、インナノズル71の係合部712の外周面には、円形の外周に対し例えば、断面形状で弦状に切り込まれた切り込み部716が、等角度間隔で複数形成されている。
インナノズル71がアウタノズル72に対し所定の位置に装着されている状態で、各切り込み部716とアウタノズル72の貫通孔723との間に、軸方向(上下方向)に延びる通気路ARaが形成される。
ノズル7を筐体11に装着した状態で、通気路ARaの上端は、筐体11内の空間V11(図1参照)に連通し、下端は、インナノズル71の中間部713の外周面と、アウタノズル72の貫通孔711の内周面との間の空間である通気路ARbに連通する。
通気路ARbの下端は、先端孔部726の内側の空間である外部空間Vgに、リング状の開口部72aで連通する。
一方、貫通孔711は、上端が筐体11内の空間V11に連通し、下端が外部空間Vgに連通する通気路ARcとなっている。
従って、図4に示されるように、筐体11内の空間V11は、ノズル7の下方の外部空間Vgに対し、通気路ARcによる第1通気路AR1と、通気路ARa及び通気路ARbによる第2通気路AR2とにより連通している。
上述の構造により、筐体11内に供給されたアシストガスAGは、第1通気路AR1と第2通気路AR2とに分流して進入する。そして、第1通気路AR1に進入したガス流は、開口部71aから外部に向け第1ガス流AG1として噴出し、第2通気路AR2に進入したガス流は、開口部72aから外部に向けリング状の第2ガス流AG2として噴出する。
ノズル7は、内径D1,D2及び外径D3、並びに、距離H1が次のように設定されている。
<ノズル7>
内径D1=2.0mm
内径D2=7.0mm
外径D3=6.0mm
距離H1=1.0mm
次に、ノズル7を用いたレーザ加工方法により、板厚6.0mmの熱間圧延鋼板(SPH材)を、レーザ光で切断し、溶解金属の排出量に対応して生じたドロス高さtを測定し、3つの測定項目で溶解金属排出効果を評価した評価試験について説明する。以下、板厚6.0mmのSPH材を、SPH6.0と記す。他の板厚についても同様の記載とする。
試験として、まず、レーザ加工ヘッド1に供試ノズルを装着し、アシストガスAGを所定のガス圧で噴出させながらレーザ光LsをSPH6.0の板材に照射し、所定の切断経路Qで切断する。そして、切断経路Qに設定した複数の測定点において、図5(a)に示されるように、切断したワークWの下面Wbに対し下方に突出したドロスの突出距離をドロス高さtとして測定する。
レーザ加工の設定条件は、次のとおりである。
・加工速度:10000mm/min
・レーザ出力:6000W
・周波数:500Hz
・デューティ:100%
・アシストガス:N
・焦点外し量:−0.5mm
3つの測定項目は、切断経路Qにおける直線部に設定した6つの測定点の平均値及び最大値、並びに、切断経路Qにおける角部の平均値である。
具体的には、図5(b)に示されるように、ドロス高さtの測定点は、ワークWを長方形の切断経路Qで切断したときの、直線部における6点と、角部の4点の合計10点である。直線部の6点については、6点の平均値及び最大値を求め、角部は4点の平均値を求めた。
直線部の6点は、切断経路Qにおいて、短辺を2等分する測定点P3,P6と長辺を3等分する測定点P1,P2,P4,P6である。最大値は、6点の測定点における最大値である。また角部の4点は、切断経路Qの4隅の4箇所の測定点Pe1〜Pe4である。
レーザ光LsによるSPH6.0材の切断を、アシストガスAGのガス圧を1MPa以下とし、生じるドロス高さtが実用上支障ない大きさとなるよう行う場合、従来、標準ノズルと称するノズルR1を用いノズルギャップHgを0.5mm未満にする必要があった。ノズルR1の主要寸法は次のとおりである。
<ノズルR1>
内径D1=3.0mm
内径D2=7.0mm
外径D3=4.0mm
距離H1=5.5mm
以下、アシストガスAGのガス圧が1MPa以下の場合を低ガス圧又は低圧とし、ノズルギャップHgが0.5mm以上の場合、大ノズルギャップとして分類する。
ノズル7は、ノズルR1に対し、内径D1を小さくし、外径D3を大きくし、距離H1を小さくしたものである。
内径D1を小さくすることで、ノズル7の図4に示される開口面積S1は、ノズルR1より小さくなっている。また、内径D2を維持し外径D3を大きくしたことで、ノズル7の図4に示される通気路AR2のリング状の開口面積S2は、ノズルR1より小さくなっている。
尚、ノズル7は、ノズルの開口径に相当するアウタノズル72の先端孔部726の内径D2がノズルR1と同じに維持されている。一方、インナノズル71の先端面714aの上下位置を規定する距離H1は、ノズルR1に対して短縮されている。
評価試験は、ノズル7に対する比較例として、次に寸法を示すノズル101,102を用いた切断も行い、それぞれのドロス高さtを測定した。
〔ノズル101〕 〔ノズル102〕
内径D1=3.0mm 内径D1=3.0mm
内径D2=7.0mm 内径D2=7.0mm
外径D3=5.0mm 外径D3=6.0mm
距離H1=1.0mm 距離H1=1.0mm
評価は、3つの測定項目のすべてにおいて、ノズルR1を用いノズルギャップHgを0.6mmとして切断した場合のドロス高さよりも、低いドロス高さとなったノズルを良評価「○」とし、1項目でもドロス高さが高くなったノズルを不適評価「×」とした。
比較例のノズル101,102は、ノズルR1に対し、円形の第1通気路AR1の開口面積S1は維持し、リング状の第2通気路AR2の開口面積S2のみを小さくするようにインナノズルを形成したものである。
第1通気路AR1の開口面積S1の大きさ順は、
ノズルR1=ノズル101=ノズル102>ノズル7
である。
第2通気路AR2の開口面積S2の大きさ順は、
ノズルR1>ノズル101>ノズル102=ノズル7
である。
図6は、ドロス高さtの測定結果を示す。
図6に示されるように、比較例のノズル101,102は、ノズルギャップHgが0.6mmでガス圧が0.7MPaの場合に、角部の平均ドロス高さが、評価基準のノズルR1のドロス高さ以上となり不適評価「×」となる。
一方、ノズル7は、3つの評価項目である直線部の6点平均及び最大、並びに、角部の平均のドロス高さ、のすべてにおいて、ドロス高さは小さく、良評価「○」となる。
従って、ノズル7は、アシストガスAGのガス圧が低圧でも、ノズルギャップHgが大ノズルギャップの0.6mmにおいて、より良好に溶解金属を排出できる。
また、図6に示されるように、各ノズルを用い、ノズルギャップHgを同じ0.6mmとし、アシストガスAGのガス圧を0.9MPaに高くした場合のドロス高さについても試験を行った。
その結果、ノズル7を用いた場合のドロス高さは、ノズルR1を用いた場合のドロス高さに対し、直線部の6点平均で僅かに大きくなったもののほぼ同等程度となる一方、直線部の最大及び角部の平均において、顕著に小さくなり、比較的良好に溶解金属排出ができることがわかる。
このように、ノズル7は、低ガス圧かつ大ノズルギャップの切断加工における溶解金属排出力に関し、評価基準のノズルR1、及び比較例のノズル101,102よりも優位性を有する。
上述のSPH6.0材における試験で判明した、溶解金属排出力についてのノズル7の優位性が、異なる板厚のSPH材でも得られるかを評価した。
図7(a)は、ノズルR1とノズル7とを用いて、SPH材の板厚4.5mmを、(b)は板厚9.0mmを切断したときのそれぞれのドロス高さtを示す。
ノズルR1は、ノズルギャップ0.6mmで実用的なドロス高さが得られなかったため、ノズルギャップ0.3mmでのドロス高さを比較のため記載してある。
レーザ加工の設定条件は、次のとおりである。
・加工速度:10000mm/min
・レーザ出力:6000W
・周波数:500Hz
・デューティ:100%
・アシストガス:N
・焦点外し量:−0.5mm〔SPH4.5〕
−1.0mm〔SPH9.0〕
図7(a)に示されるように、SPH4.5材の切断において、ノズル7は、ノズルギャップHgが0.6mmでガス圧が0.7MPaの場合、ドロス高さは、全ての評価項目において、ノズルR1のノズルギャップHgが0.3mmの場合のドロス高さよりも顕著に小さくなり、良評価「○」となる。
また、ノズルギャップHgを0.6mmとして維持し、ガス圧を0.9MPaに高くした場合、ノズル7では、角部の平均ドロス高さがノズルR1の場合を約39%超えるものの、直線部の2つの項目はノズルR1の場合を下回り、準良評価(「○−」と記す)となる。
従って、SPH4.5材についても、ノズル7は、低ガス圧かつ大ノズルギャップの切断における溶解金属排出が比較的良好であることがわかる。
図7(b)に示されるように、SPH9.0材の切断において、ノズル7は、ノズルギャップHgが0.6mmでガス圧が0.7MPaの場合、ドロス高さは、全ての評価項目において、ノズルR1のノズルギャップHgが0.3mmの場合のドロス高さよりも顕著に小さくなり、良評価「○」となる。
また、ノズルギャップHgを0.6mmとして維持し、ガス圧を0.9MPaに高くした場合、ノズル7では、角部の平均ドロス高さがノズルR1の場合を約14%超えるものの、直線部の2つの項目はノズルR1の場合を下回り、準良評価となる。
従って、SPH9.0材についても、ノズル7は、低ガス圧かつ大ノズルギャップの切断における溶解金属排出が比較的良好であることがわかる。
以上から、ノズル7は、SPH材のレーザ切断において、板厚によらず、アシストガスのガス圧が低圧、かつ大ノズルギャップであっても、ノズルに不具合が生じることなく溶解金属を比較的良好に排出できる。そのため、実用上支障なく有効に用いることができる。
次に、SPH材で認められた、ノズル7の低ガス圧かつ大ノズルギャップの切断加工における溶解金属排出の優位性が、異なる他の鋼材でも発揮されるかを、ステンレス鋼板(SUS304)で評価した。以下、ステンレス鋼板をSUS材と表記する。
図8(a)〜(c)は、それぞれSUS材の板厚4.0mm,5.0mm,6.0mmを切断したときのドロス高さtを、3つの測定項目で示している。以下、SUS材の板厚5.0mm材を、SUS5.0と記す。他の板厚についても同様である。
ノズルR1は、SUS材においても、ノズルギャップ0.6mmで実用的なドロス高さが得られなかったため、ノズルギャップ0.3mmでのドロス高さを比較のため記載してある。
また、SUS材での切断は、アシストガスAGのガス圧を、低ガス圧領域の0.6MPa,0.8MPaとして評価した。
レーザ加工の設定条件は、次のとおりである。
・加工速度:14000mm/min〔SUS4.0〕
10000mm/min〔SUS5.0〕
8000mm/min〔SUS6.0〕
・レーザ出力:6000(W)
・周波数:1000Hz〔SUS4.0〕
1500Hz〔SUS5.0〕
500Hz〔SUS6.0〕
・デューティ:100%
・アシストガス:N
・焦点外し量:±0.0mm
図8(a)に示されるように、SUS4.0材の切断において、ノズル7は、ノズルギャップHgが0.6mmでガス圧が0.6MPaの場合、すべての測定項目でノズルR1のノズルギャップ0.3mmにおけるドロス高さ以下にはならないものの、実用可能なドロス高さで切断可能であることが確認された。
一方、ノズルギャップHgを0.6mmで維持し、ガス圧を0.8MPaに高めた場合は、ドロス高さを実用的な高さに抑えられなかった(不適評価×)。
図8(b)に示されるように、SUS5.0材の切断において、ノズル7は、ノズルギャップHgが0.6mmでガス圧が0.6MPa及び0.8MPaの場合、全評価項目でノズルR1のノズルギャップ0.3mmにおけるドロス高さ以下にはならない。しかしながら、実用可能なドロス高さで切断できることが確認された。
図8(c)に示されるように、SUS6.0材の切断において、ノズル7は、ノズルギャップHgが0.6mmでガス圧が0.6MPaの場合、直線部の6点平均ドロス高さが、ノズルR1のノズルギャップHgが0.3mmの場合を約19%超える。しかしながら、他の測定項目は、ノズルR1のノズルギャップ0.3mmにおけるドロス高さ以下となっており、ノズル7は、ある程度有効に溶解金属排出ができ、実用可能であることがわかる。
一方、ノズルギャップHgを0.6mmで維持しガス圧を0.8MPaに高めた場合は、ドロス高さを実用的な高さに抑えられなかった(不適評価×)。
以上のように、SUS材を切断する場合も、ノズル7を用い、ガス圧を低ガス圧の範囲内で適切に調整することで、大ノズルギャップにおいてもドロス高さを実用的な高さ内に抑制できる。
図9は、ノズルR1,実施例のノズル7,及び比較例のノズル101,102の、主要寸法及び主要寸法に基づき演算で求められるよう予め設定した評価値を示した表である。
評価値は2種あり、一つは、第2通気路AR2の開口幅による量であり、詳しくは、開口幅の平均値の2倍の値として2倍幅Δd1で規定される。
もう一つは、第2通気路AR2の内壁の位置を示す外径D3と第1通気路AR1の内径D1との差の半分である距離Δd2である。
すなわち、距離Δd2は、(内径D3−内径D1)/2として規定される。
第1通気路AR1及び第2通気路AR2は、レーザ光Lsの光軸に対し、基本的に同芯で形成されるが、僅かであれば意図的にずらして形成してもよい。
2種の評価値において、ノズル7は、2倍幅Δd1が1.0mm、距離Δd2が2.0mmのノズルとして規定される。
比較例のノズル101,102は、2倍幅Δd1がそれぞれ2.0mm,1.0mmであり、距離Δd2がそれぞれ1.0mm,1.5mmである。従って、2倍幅Δd1が1.0mm以下、かつ距離Δd2が2.0mm以上であれば、アシストガスのガス圧が低圧でも、ノズルにスパッタが付着する、或いはノズルがピアス痕と衝突する、などの不具合は生じない、とみなすことができる。
換言するならば、ノズルの第1通気路AR1の内径D1を小さくし、第1通気路AR1と第2通気路AR2との間の径方向距離(内径D3−内径D1)を大きくすると、アシストガスのガス圧が低圧でもノズルに不具合が生じることなく溶解金属を良好に排出できる、という効果が得られる。
実施例のノズル7は、アシストガスAGの圧力を1MPa以下の低ガス圧領域とした上で、ノズルギャップHgを0.5mm以上の大ノズルギャップ領域に設定した場合にも、カーフ内のアシストガスAGの流速を高く維持し溶解金属排出を促進できる、という効果が得られるノズルである。
この効果が得られるノズルを、2種の評価値とそれぞれが満たすべき範囲を設定することで、効果が得られにくいノズルと区別するために、2種の評価値とそれぞれが満たすべき範囲を設定した。
実施例のノズル7は、ノズル7の寸法から得られる2種の評価値の両方が、それぞれが満たすべき範囲内にある。
具体的には、実施例のノズル7は、上述のように、第2通気路AR2の開口幅の平均値の2倍である2倍幅Δd1の値が第1の所定値以下であり、距離Δd2が第2の所定値以上である。第1の所定値が1.0mm、第2の所定値が2.0mmである。
そこで、実施例のノズル7、並びに、比較例のノズル101及び102の3種について、シミュレーションにより、カッティングフロント近傍におけるアシストガスAGの流速fr,密度ρ,及び圧力Psそれぞれの分布を評価した。
以下、そのシミュレーションの結果を図10〜図15を参照して説明する。
図10は、流速frの分布を示し、図11は密度ρの分布を示し、図12は圧力Psの分布を示している。
また、図13は、図10におけるカッティングフロント下端位置での流速frのマッハ数を示すグラフであり、図14は、図11におけるカッティングフロント下端位置での密度ρの値を示すグラフであり、図15は、図12におけるカッティングフロント下端位置での圧力Psの値を示すグラフである。
図10(a)は、実施例のノズル7の場合、図10(b)は比較例のノズル101の場合、図10(c)は比較例のノズル102の場合のアシストガスAGの流速分布が、各ノズルの形状と切断中のワークWs及びカッティングフロント93と共に示されている。
図10(a)〜(c)において、流速frは、高速度領域を3段階に分け、それぞれハッチング等で領域判別可能に示してある。
3段階の領域である第1〜第3領域は次の流速に対応している。
第1領域fr1:512≦fr
第2領域fr2:448≦fr<512
第3領域fr3:384≦fr<448
単位はm/sである。
図10(a)〜(c)のいずれにおいても、カッティングフロント93の下端位置でのノズル中心から加工方向(X軸方向)の後方側5mm(−5mm)の範囲において、アシストガスAGの流速はマッハ1.5以上であることが確認された。
図11(a)は実施例のノズル7の場合、図11(b)は比較例のノズル101の場合、図11(c)は比較例のノズル102の場合のアシストガスAGの密度分布が、切断中のワークWs及びカッティングフロント93と共に示されている。
図11(a)〜(c)において、密度ρは、高密度領域を3段階に分け、それぞれハッチング等で領域判別可能に示してある。
3段階の領域である第1〜第3領域は次の密度に対応している。
第1領域ρ1:4.50≦ρ
第2領域ρ2:3.65≦ρ<4.50
第3領域ρ3:3.20≦ρ<3.65
単位はkg/mである。
図12(a)は実施例のノズル7の場合、図12(b)は比較例のノズル101の場合、図12(c)は比較例のノズル102の場合のアシストガスAGの圧力分布が、切断中のワークWs及びカッティングフロント93と共に示されている。
図12(a)〜(c)において、圧力Psは、圧力領域を3段階に分け、それぞれハッチング等で領域判別可能に示してある。
3段階の領域である第1〜第3領域は次の圧力に対応している。
第1領域Ps1:0.380≦Ps
第2領域Ps2:0.280≦Ps<0.380
第3領域Ps3:0.240≦Ps<0.280
単位はMPaである。
図10に示されるように、流速分布のシミュレーション結果において、ノズル7及びノズル101,102のいずれにおいても、カッティングフロント93の左側の領域であるカーフ内でアシストガスの流れに剥離は生じていないことが確認される。
また、カッティングフロント93の下端部を含む全体で音速以上となる高速の流速が確保されていることが確認される。
これにより、レーザ光の照射で溶融した金属は、アシストガスAGの流速が音速以上の高速になっていることから良好にカーフ外へ排出される。
図11に示されるように、密度分布のシミュレーション結果において、実施例のノズル7は、カーフとなるカッティングフロント93の左側の領域において、第1領域ρ1〜第3領域ρ3がノズル7側となる上部のみに偏って分布している。
一方、比較例のノズル101,102では、第1領域ρ1〜第3領域ρ3は、上部から上下方向の中央部まで延びており、実施例とは明らかに異なる分布となっている。
また、図12に示されるように、圧力分布のシミュレーション結果において、実施例のノズル7は、カーフにおいて、第1領域ρ1〜第3領域ρ3がノズル7側となる上部のみに偏って分布している。
一方、比較例のノズル101では、第1領域Ps1〜第3領域Ps3は上部から上下方向の中央部まで延びており、ノズル102では、第1領域Ps1〜第3領域Ps3はノズル101の場合ほど中央部まで延びてないものの、ノズル7よりは下方に延びて分布している。すなわち、圧力分布においても、実施例のノズル7の分布は比較例のノズル101,102の分布とは明らかに異なっている。
図13〜図15は、それぞれ図10〜図12におけるカッティングフロント93の下端部におけるノズルの中心から加工方向後方側に5mm離れた位置Pf1〔X軸方向−5mmの位置:図10(a)参照〕までの範囲の流速fr,密度ρ,圧力Psを示すグラフである。
図13に示されるように、流速frは、ノズル7,101,102のいずれにおいても、カッティングフロント93の下端位置のノズル中心(0mm)で少なくともマッハ数で1.5以上の高速であることが確認される。
図14に示されるように、密度ρは、カッティングフロント93の下端位置のノズル中心(0mm)において、最小となるノズル7は2.1kg/mであり、第2位のノズル101は2.2kg/mであることが確認される。
図15に示されるように、圧力Psは、カッティングフロント93の下端位置のノズル中心(0mm)において、最小となるノズル7は0.130MPaであり、第2のノズル102は、0.134MPaである。
これらの結果から、ノズル7は、カッティングフロント93の下端位置のノズル中心(0mm)位置で、流速frがマッハ数で1.5以上、密度ρが2.1kg/m以下、圧力Psが0.130以下、の各範囲を満たすものとなっている。
このように、ノズル7を用いた場合、ノズル101,102を用いた場合よりもカーフ内におけるアシストガスAGの密度ρ及び圧力Psが低いことが確認される。これにより、レーザ光の照射に起因するプラズマの発生が抑制されて切断部位へ照射されたレーザ光のエネルギは切断部位の金属に高効率で吸収され、溶融した金属の粘度が低く維持される。これにより、溶解金属の排出が容易になりドロス高さが低くなる。
ノズル7を用いることで、ノズル101,102を用いた場合よりもカーフ内のアシストガスAGの密度及び圧力を低くできる要因として、次のことが考えられる。すなわち、ノズル7は、第2通気路AR2を形成する外側の壁の位置を示す内径D2がノズル101,102と同じ値である。さらに、ノズル7は、第1通気路AR1の流路面積と第2通気路AR2の流路面積との合計流路面積がノズル101,102よりも小さい。
レーザ切断加工では、切断材料の厚みが厚い場合にも良好に切断できるように、アシストガスAGの噴射範囲は標準ノズルR1と同等に大きいことが望まれる。
一方で、上述のように、カーフ内のアシストガスAGの密度及び圧力を低くしプラズマ発生を抑制して、切断部位の金属へのエネルギ吸収効率を向上させることも望まれる。
そのため、ノズル7は、標準ノズルR1に対し、第2通気路AR2の外壁の内径D2は同じとし、第2通気路AR2の内壁の外径D3を大きくしてある。
これにより、アシストガスAGの噴射範囲を大きく維持すると共にカーフ内のアシストガスAGの圧力Ps及び密度ρの抑制を促している。
また、ノズル7は、さらに、標準ノズルR1に対し、第1通気路AR1の内径D1を小さくしてある。
これにより、カーフ内の、特にカッティングフロント93に沿う空間におけるアシストガスAGの圧力Ps及び密度ρを直接的に抑制している。
このようにして、ノズル7は、レーザ切断加工中のカッティングフロントの下端位置で、噴出した前記アシストガスの、流速,密度,及び圧力を、それぞれ同時に、音速以上,2.1kg/m以下,及び0.13MPa以下にできる。これにより、ノズル7は、厚い板材も良好に切断可能であって、アシストガスのガス圧が低圧でもレーザ加工用ノズルに不具合が生じることなく溶解金属を良好に排出できるものとなっている。
一般に、切断するワークWの厚さが大きいほどノズル径の大きいノズルを用いて切断を行う。ここでノズル径は、レーザ光又はアシストガスが射出する孔の最大内径を意味する。ダブルノズルタイプのノズルにおいて、ノズル径はアウタノズル72の内径D2に対応する。
そこで、ワークWの厚さが大きい場合に適用され得る、上述のノズル7(内径D2=7.0mm)よりも内径D2が大きいノズルにおいて、ドロス高さが良評価となる内径D1及び外径D3の組み合わせが得られるか否かを切断実験により確認した。
その結果、内径D2が7.0mmよりも大きいノズルでも、ドロス高さが良評価となる内径D1及び外径D3の組み合わせが、ある特定の条件の下で得られることを明らかにしたので、次に説明する。
図16は、切断実験に供した供試番号1〜17の17種類のノズルの代表寸法を示す表である。17種類の内訳は、内径D2が7.0mm,10.0mm,及び13.0mmで、それぞれ内径D1及び外径D3の組み合わせが異なる4種,4種,及び9種である。
ノズル7に対して内径D2が大きく、ドロス高さにおいて良評価が得られるノズルの例として、供試番号7のノズル7A及び供試番号15のノズル7Bを説明する。既述のノズル7は、供試番号1である。
一方、良評価が得られなかった比較例として、供試番号13のノズル771及び供試番号14のノズル772を説明する。
図17は、実施例としてのノズル7,7A,7Bと、比較例としてのノズル771,772との主要寸法及びそれぞれの評価結果(良評価「〇」、不適評価「×」)を示した表である。
図17は、内径D1,内径D2,外径D3,及び距離H1に加えて、図9を参照して説明した距離Δd2と、2倍幅Δd1の半分の幅Δd3とが示されている。
切断実験は、供試番号1〜17のノズルを順にレーザ加工ヘッド1に装着し、それぞれのノズルにおいて、アシストガスAGを所定のガス圧で噴出させながらレーザ光LsをSPH6.0の板材に照射して所定の切断経路Qで切断する。そして、切断経路Qに設定した複数の測定点において、図5(a)に示されるように、切断したワークWの下面Wbに対し下方に突出したドロスの突出距離をドロス高さtとして測定する。
レーザ加工の設定条件は、次のとおりである。
・加工速度:10000mm/min
・レーザ出力:6000W
・周波数:500Hz
・デューティ:100%
・アシストガス:N
・焦点外し量:−0.5mm
図18は、図17に示された各供試ノズルについて、内径D2と、内径D1及び外径D3との関係を示したグラフである。
具体的には、図18において、グラフの横軸を内径D2の線形軸として設定し、縦軸を寸法(mm)の線形軸として設定して内径D1,外径D3の値をプロットしている。
また、比較例であるノズル771,772については、内径D2がノズル7Bと同じ13.0(mm)であることから、本来ノズル7Bと同じ3(mm)の位置に記載すべきところ、描画の重複を避けるためにノズル7Bとは分けて右方に独立して記載してある。
図18から明らかなように、良評価「〇」となったノズル7,7A,7Bの内径D1,内径D2,外径D3は、(内径D2,内径D1)=(x、y)としたときに、
y=(1/3)x−1/3 (式1)
を満たし、(内径D2,外径D3)=(x,y)としたときに、
y=(2/3)x+4/3 (式2)
を満たしている。
すなわち、(内径D2,内径D1)及び(内径D2,外径D3)の組み合わせをそれぞれ(x、y)としたときに、(内径D2,内径D1)及び(内径D2,外径D3)の組み合わせのいずれにおいても、yがxの一次関数となっている。
これに対し、不適評価「×」となった比較例のノズル771,772のうち、ノズル771は、(内径D2,内径D1)が(13.0,3.0)であって(式1)を満たさず、(内径D2,外径D3)が(13.0,11.0)であって(式2)を満たしていない。
また、ノズル772は、(内径D2,内径D1)が(13.0,3.0)であって(式1)を満たさず、(内径D2,外径D3)が(13.0,12.0)であって(式2)を満たしていない。
ノズル771,772以外の、図16に示される評価が不適評価「×」となった供試番号2〜6,8〜12,16,及び17のノズルも、(式1)及び(式2)の両方を満たしていない。すなわち、不適評価「×」のノズルは、(内径D2,内径D1)及び(内径D2,外径D3)の組の少なくとも一方が、その一方に対応する(式1)及び(式2)の一方を満たしていない。
ノズル7,7A,7B及び比較例のノズル771,772の5種について、シミュレーションにより、カッティングフロント93の近傍におけるアシストガスAGの流速fr,密度ρ,温度tm,及び圧力Psそれぞれの分布を求め評価した。以下、そのシミュレーションの結果を図19〜図26を参照して説明する。
図19及び図20は、流速frの分布を示し、図21及び図22は、密度ρの分布を示し、図23及び図24は、温度tmの分布を示し、図25及び図26は、圧力Psの分布を示している。それらのうち、図19,図21,図23,及び図25において、(a)はノズル7,(b)はノズル7A,(c)はノズル7Bの結果である。また、図20,図22,図24,及び図26において、(a)はノズル771,(b)はノズル772の結果である。
(流速frについて)
流速frのシミュレーション結果の評価において、高速度領域の3段階の区分けのうち、第1領域fr1及び第2領域fr2との境界値を図10で説明した値に対して変更してある。
図19(a)〜(c)に示される、良評価を得たノズル7,7A,7Bにおいて、カッティングフロント93の近傍の大部分が、第3領域fr3或いはそれ以下の流速となっている。
これに対し、図20(a),(b)に示される、不適評価となった比較例のノズル771,772では、カッティングフロント93の近傍には第2領域fr2が広範囲に出現して、アシストガスAGの流れが高速化していることがわかる。
(密度ρについて)
密度ρのシミュレーション結果の評価では、密度領域を4段階の第1領域ρ11〜第4領域ρ14に分け、図21(a)〜(c)及び図22(a),(b)それぞれにおいてハッチング等で領域判別可能に示してある。第1領域ρ11〜第4領域ρ14は次の密度に対応している。
第1領域ρ11:4.5≦ρ
第2領域ρ12:3.5≦ρ<4.5
第3領域ρ13:2.0≦ρ<3.5
第4領域ρ14:ρ<2.0
単位はkg/mである。
図21では第1ρ11〜第3領域ρ13が表示され、図22は第1領域ρ11〜第4領域ρ14が表示されている。
図21(a)〜(c)に示される、良評価を得たノズル7,7A,7Bにおいて、カッティングフロント93の近傍の大部分が、第3領域ρ13以上の密度となっている。
これに対し、図22(a),(b)に示される、不適評価となった比較例のノズル771,772では、カッティングフロント93の近傍に第2領域よりも低密度の第4領域ρ14が出現して、アシストガスAGの流れが低密度化していることがわかる。
(温度tmについて)
温度tmのシミュレーション結果の評価では、温度領域を3段階の第1領域tm1〜第3領域tm3に分け、図23(a)〜(c)及び図24(a),(b)それぞれにおいてハッチング等で領域判別可能に示してある。第1領域tm1〜第3領域tm3は次の温度に対応している。
第1領域tm1:20.5≦tm
第2領域tm2:−55.5≦ρ<20.5
第3領域tm3:−84.0≦ρ<−55.5
単位は℃である。
図23(a)〜(c)に示される、良評価を得たノズル7,7A,7Bにおけるカッティングフロント93の近傍は、主として第2領域tm2及び第3領域tm3で占められている。また、図24(a),(b)に示される不適評価となった比較例のノズル771,772でも、カッティングフロント93の近傍は、主として第2領域tm2及び第3領域tm3で占められている。
ここで、それぞれの、カッティングフロント93の近傍の第2領域tm2と第3領域tm3との範囲の差に着目すると、図24(a),(b)に示される不適評価を得た比較例のノズル771,772の方が、ノズル7,7A,7Bよりもカッティングフロント93の近傍の第3領域tm3が占める範囲が広い。
すなわち、ノズル7,7A,7Bよりもノズル771,772の方が、カッティングフロント93の近傍のアシストガスAGの流れは低温化していることがわかる。
(圧力Psについて)
圧力Psのシミュレーション結果の評価では、圧力領域を4段階の第1領域Ps11〜第4領域Ps14に分け、図25(a)〜(c)及び図26(a),(b)においてそれぞれハッチング等で領域判別可能に示してある。
3段階の領域である第1領域Ps11〜第3領域Ps13は次の圧力に対応している。
第1領域Ps11:0.25≦Ps
第2領域Ps12:0.15≦Ps<0.25
第3領域Ps13:0.09≦Ps<0.15
第4領域Ps14:Ps<0.09
単位はMPaある。
図25(a)〜(c)に示される、良評価を得たノズル7,7A,7Bにおけるカッティングフロント93の近傍は、ノズル7A,7Bの図25(b),(c)において第4領域Ps4が半分以下の範囲で出現している程度である。
これに対し、図26(a),(b)に示される、不適評価となった比較例のノズル771,772では、カッティングフロント93の近傍の第4領域Ps14の範囲は、図25(b),(c)のノズル7A,7Bよりも顕著に大きく、カッティングフロント93近傍の大部分の範囲に出現しており、低圧化していることがわかる。
以上から、ノズル771,772を用いたレーザ切断加工では、カッティングフロント93近傍におけるアシストガスAGの流れが、ノズル7,7A,7Bを用いた場合よりも、高速,低密度,低温,かつ低圧となっている。
主要寸法においてノズル771,772は、ノズル7Bに対し、第1通気路AR1の内径D2が同じであるものの、第2通気路AR2の径方向の隙間距離である幅Δd3がノズル7Bよりも小さい。換言するならば、ノズル771,772は、第2通気路AR2と第1通気路AR1との間の径方向距離である距離Δd2が、ノズル7Bよりも大きい。
この寸法的態様とシミュレーション結果とを照合すると、ノズル771,772では、幅Δd3が小さいことにより、アシストガス供給装置3からノズル7Bの場合と同じ条件でレーザ加工ヘッド1に供給されたアシストガスAGの第2通気路AR2から噴出する第2ガス流AG2の流速が上昇する。
これにより、カッティングフロント93において、アシストガスAGがレーザ光の照射により溶融している金属から奪う熱量が増加し、溶解金属の温度がノズル7Bの場合よりも低くなる。
その結果、アシストガスAGの流速上昇に伴う溶解金属の排出促進効果よりも、溶解金属属の温度低下に伴う粘度上昇が勝って溶解金属の排出が滞る。そのため、ドロスの高さが抑制されにくくなる、と推察される。
上述の切断実験、並びに、シミュレーションの結果及び評価から、切断加工においてドロスの高さを良好に抑制できるダブルノズルタイプのノズルについて、次の関係のあることが明らかになった。
従来、加工するワークの厚さの大小に応じて、いわゆるノズル径と称されるアウタノズル72の内径D2も大小となるノズルを用いて切断加工を行うことが好ましいことが把握されている。
そのため、内径D2の異なる複数のノズルで構成されたレーザ加工用ノズル群をあらかじめ用意しておき、加工するワーク厚さに応じて良好にドロスの高さを抑制できるノズルを選択して加工を実行することが行われている。
しかしながら、従来、ノズル群の寸法関係に法則性は見出されてなかったため、経験などに基づいて内径D1,内径D2,外径D3の組を設定しノズル群を構築していた。
これに対し、上述の切断実験及びシミュレーションによって次のことが明らかになった。すなわち、ノズル群を構成する内径D2が異なる複数のノズルは、他のノズルよりも内径D2が大きいノズルの内径D1及び外径D3が他のノズルの内径D1及び外径D3よりも大きく、内径D1,内径D2,及び外径D3は、次の(1)及び(2)の関係を両方とも満たす組み合わせとするとよい。
(1) (内径D2,内径D1)=(x、y)としたときに、yがxの1次関数となること。図17に示される数値に関しては(式1)である。
(2) (内径D2,外径D3)=(x,y)としたときに、yがxの1次関数となること。図17に示される数値に関しては(式2)である。
また、これらの関係に基づいて、次の(3)及び(4)が導き出される。
(3)図17に示される、第2通気路AR2の径方向の隙間距離である幅Δd3について、(内径D2,幅Δd3)=(x、y)としたときに、yはxの1次関数となる。図17に示される具体的に数値に関しては、図18に示されるように、
y=(1/6)x−2/3 (式3)
を満たす。
(4)図17に示される、第2通気路AR2と第1通気路AR1との間の径方向距離である距離Δd2について、(内径D2,距離Δd2)=(x、y)としたときに、yはxの1次関数となる。図17に示される具体的に数値に関しては、図18に示されるように、
y=(1/6)x+5/6 (式4)
を満たす。
すなわち、(内径D2,幅Δd3)及び(内径D2,距離Δd2)の組み合わせをそれぞれ(x、y)としたときに、(内径D2,幅Δd3)及び(内径D2,距離Δd2)の組み合わせのいずれにおいても、yがxの一次関数となるようにする。
(3),(4)は、(1)、(2)の関係から変数の減算により自ずと導きだされるので実質的に等価である。
従って、ノズル群を構成する複数のノズルは、上記の(1)及び(2)を満たすように、或いは、上記の(3)及び(4)を満たすように製作するとよい。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよい。
図17において、アウタノズル72のインナノズル71に対する段差となる距離H1を、1.0(mm)で一定としたが、これは限定されるものではない。
ワークWの上面Waにおいて、第1通気路AR1から噴出する第1ガス流AG1と、第2通気路AR2から噴出する第2ガス流AG2とが混合されるようになっていればよい。
1 レーザ加工ヘッド
11 筐体
11a 雌ねじ部
11b 下端面
12 コリメーションレンズ
13 ベンドミラー
14 集束レンズ
14a 集束レンズ駆動部
15 ノズルギャップ計測部
2 レーザ発振器
21 プロセスファイバ
21a カプラ
3 アシストガス供給装置
4 駆動部
5 NC装置
51 レーザ加工装置
7,7A,7B ノズル(レーザ加工用ノズル)
71 インナノズル
71a 開口部
711 貫通孔
711a 上方孔部
711b 下方孔部
712 係合部
712a 雄ねじ部
713 中間部
714 先端部
714a 先端面
716 切り込み部
72 アウタノズル
72a 開口部
72b 先端面
721 フランジ部
722 傾斜部
723 貫通孔
723a 雌ねじ部
724 基本孔部
725 中間孔部
726 先端孔部
727 装着部
727a 雄ねじ部
101,102 ノズル
AG アシストガス
AG1 第1ガス流
AG2 第2ガス流
ARa,ARb,ARc 通気路
AR1 第1通気路
AR2 第2通気路
D1,D2 内径
D3 外径
fr 流速
Hg ノズルギャップ
H1 距離
Lsa,Ls レーザ光
Ps 圧力
P1〜P6,Pe1〜Pe4 測定点
Pf1 位置
Q 切断経路
R1 ノズル
Rt1 噴出面積比
Rt2 第2噴出幅比
S1,S2 開口面積
t ドロス高さ
tm 温度
Vg 外部空間
V11 空間
W ワーク
Wa 上面
Wb 下面
Δd1 2倍幅
Δd2 距離
Δd3 幅
ρ 密度

Claims (5)

  1. 第1通気路としての第1貫通孔を有する管状のインナノズルと、
    前記インナノズルが挿着される第2貫通孔と、第1の端部に形成されレーザ加工ヘッドの筐体に装着される装着部と、を有する管状のアウタノズルと、
    を備え、
    前記インナノズルは、前記第2貫通孔内に挿着された状態で、前記インナノズルの外周面と前記第2貫通孔の内周面との間にリング状の第2通気路が形成されると共に、前記インナノズルは、前記第1の端部の反対側となる第2の端部の側の先端面が前記アウタノズルの前記第2の端部の側の先端面よりも軸方向の内側に位置しており、
    前記第1通気路及び前記第2通気路からアシストガスを噴出させると共に前記第1通気路からレーザ光を射出してワークを切断加工するレーザ加工において、カッティングフロントの下端位置で、噴出した前記アシストガスの、流速,密度,及び圧力を、それぞれ音速以上,2.1kg/m以下,及び0.13MPa以下にできるレーザ加工用ノズル。
  2. 請求項1記載のレーザ加工用ノズルが装着されたレーザ加工ヘッドと、
    前記レーザ加工ヘッドを3次元に移動させる駆動部と、
    前記レーザ加工ヘッドにレーザ光を供給するレーザ発振器と、
    前記レーザ加工ヘッドにアシストガスを供給するアシストガス供給装置と、
    ノズルギャップを計測するノズルギャップ計測部と、
    前記ノズルギャップ計測部で計測したノズルギャップに基づいて前記駆動部の動作を制御する制御部と、
    を備えたレーザ加工装置。
  3. 請求項2記載のレーザ加工装置を用い、
    前記アシストガスのガス圧を1MPa以下、かつ前記ノズルギャップを0.5mm以上にして、前記レーザ光により熱間圧延鋼板又はステンレス鋼板を切断することを特徴とするレーザ加工方法。
  4. ノズル径の異なる複数のノズルの組として構成され、
    各前記ノズルはレーザ光及びアシストガスを射出する貫通孔を有するインナノズルと、前記インナノズルとの間に前記アシストガスを射出するリング状の開口部を形成するアウタノズルとを有し、
    前記インナノズルの先端部の外径をD3とし、前記貫通孔の内径をD1とし、前記アウタノズルの内径を前記ノズル径としてD2として、(D2,D1)及び(D2,D3)の組み合わせをそれぞれ(x、y)としたときに、
    (D2,D1)及び(D2,D3)の組み合わせのいずれにおいても、yがxの一次関数となっていることを特徴とするレーザ加工用ノズル群。
  5. ノズル径の異なる複数のノズルの組として構成され、
    各前記ノズルはレーザ光及びアシストガスを射出する貫通孔を有するインナノズルと、前記インナノズルとの間に前記アシストガスを射出するリング状の開口部を形成するアウタノズルとを有し、
    前記インナノズルの先端部の外径をD3とし、前記貫通孔の内径をD1とし、前記アウタノズルの内径を前記ノズル径としてD2とし、
    Δd2を(D3−D1)/2、Δd3を(D2−D3)/2として、(D2,Δd2)及び(D2,Δd3)の組み合わせをそれぞれ(x,y)としたときに、
    (D2,Δd2)及び(D2,Δd3)の組み合わせのいずれにおいても、yがxの一次関数となっていることを特徴とするレーザ加工用ノズル群。
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