発明の詳細な説明
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2014年1月14日に出願された米国仮出願61/927,395号の利益を主張し、その全内容は、参照によって本明細書に援用される。
本願は、2014年1月15日に出願された米国仮出願61/927,878号の利益を主張し、その全内容は、参照によって本明細書に援用される。
〔本発明の背景〕
本発明はサンプルの取り扱いに関する。特に、本発明のある実施形態では、音響出射および分析に適合したサンプル容器、ならびに、その方法であって複数の貯蔵器(multiple reservoirs)を収容する方法、を記載している。例示として本発明は、生体サンプル容器または化学サンプル容器に適用されている。そこで、複数の流体サンプルは保存されていることが可能であり、例えば、単一サンプルの保存および取り出しのための音響射出機器およびサンプル取扱い機器の両方に適合可能な方法で、同一化物質の異なる濃度、患者の血液サンプルの異なる分画(例えば、血漿、軟膜、赤血球)が保存されるように保存される。また、当該複数の流体サンプルは、必ずしもそうではないが好ましくは、互いに関連する。なお、本発明の適用範囲はずっと広く、任意のコレクションのサンプルに適用可能であり、サンプル群の取り出しは、容器保存および取り出し操作の数を減らすことによって一貫して加速したり、サンプル保存の濃度を増やしたり、または、貯蔵用の同一サンプルの分取の数を多くすうことを可能にしたりするだろう。加えて、本発明のある実施形態では、音響出射および分析に適合したサンプル容器、ならびに、その方法であって容器の識別に適合可能な方法、を記載している。例示として本発明は、識別マーク(例えば、バーコード)を有する生体サンプル容器に適用されており、識別マークは容器に埋め込まれており、容器を識別する、また識別マークは容器周囲の異なる複数の点から見えてもよく、各点から見て容器を識別してもよい。なお、本発明の適用範囲はずっと広く、例えば、識別可能な容器内の流体サンプル(あるいは任意の他の品目または材料)に適用可能だろう。
個別の容器に収容された化学サンプルまたは生体サンプル(例えば、ヒト血液サンプル)を取り出して、(例えば、創薬のための高性能スクリーニングまたは自動臨床化学分析装置における臨床検査において、)反応および検査を行うために適切な1以上のウェルプレートまたは他のオブジェクトに(例えば、試験片上に)移動させることが望まれることがある。サンプルの取り扱いにとって重要事項としては、少量のサンプルを一貫して供給することにより様々な種類の検査を可能にするように、および、同一容器から繰り返しサンプルを引き出すことが可能なように、好ましくはサンプル容器の識別が混乱しないように、容器からの少量の異同を可能にすることとが挙げられる。
容器(マイクロプレートおよびマイクロチューブを含む)からのサンプルの移動を行うための方法として音響出射が昔から知られている。例えば、音響出射の一般的な設備では、圧電変換器が制御装置により選ばれた波形により駆動され、それに応じて音響エネルギーを発生する。音響エネルギーは大抵、音響レンズにより集束され、音響結合媒体(例えば、水)を通って、流体を含む貯蔵器または容器に結合される。集束されたエネルギーが、容器中の流体内でありその流体の遊離面の近くに焦点を有する場合、液滴が出射され得る。液滴の大きさや速度は、上述の選ばれた波形により制御することができる。
いくつかの実施形態では、上記変換器は、流体の遊離面に対して略垂直である1以上の方向(例えば、「z方向」)に移動可能である。当該移動は、制御装置による制御下で行うことができる。高性能用途の音響装置の中には、容器に対する変換器の位置の能動的制御に頼り、マイクロプレート内の複数の貯蔵器、または個別チューブ、またはチューブのラック内のチューブを処理するものもある。大抵、変換器の位置を調整する際は、モーション制御装置へモーションコマンドを送り、それにより1以上の方向への(例えば、1以上の軸に沿った)移動を開始する。例えば、水平面(例えば、「x方向」および/または「y方向」)における移動は、選択された貯蔵器に対して変換器を揃え、垂直方向(例えば、「z方向」)における移動を貯蔵器の検査と液滴移動のための集束との両方に用いる。別の例では、液滴射出に適切な集束を実現するための変換器の位置決めは、音響検査から収集されたデータに対応するものであってもよい。加えて、米国特許第6,938,995号および第7,900,505号が本明細書においてあらゆる目的で参照として援用される。移動が完了すれば、変換器および選択された貯蔵器が処理の次の工程に適切な位置にあることを、制御装置がシステムに通知してもよい。これはさらに、貯蔵器内および/または液滴の音響射出内の流体の計量であってもよい。完了すれば、第1の貯蔵器は取り去られ、第2の貯蔵器との音響結合が行われてもよい。結合流体は、第1の貯蔵器に結び付いたままであってもよく、典型的には変換器に面する表面にあるだろう。
容器は、1以上の流体貯蔵器を含んでもよい。例えば、容器は、個別チューブのような1つの貯蔵器や、分離可能なチューブのラックや、分離不可能なウェルを有するマイクロプレートを含んでもよい。1つの貯蔵器を有する個別チューブおよび複数の貯蔵器を有するマイクロプレートは、一般的であり、保存と取り出しとそのようなチューブおよびプレートの使用とを支援する基礎的設備も一般的である。加えて、紙ベースの、その上にバーコードが印刷された粘着ラベルは、上述の各容器のための一般的識別子であり、チューブおよびマイクロプレート両方の識別表示として本分野で良く知られている。典型的には、比較的大きいチューブに対しては、バーコードラベルは、チューブの円筒壁の外側面または底面に貼られる。一方、比較的小さいチューブは、ラベルを貼れない代わりに、マイクロプレート内またはバーコードラベルが(例えば、1以上の外側側面に)貼られたラック内の分かっている位置におかれることがあってもよい。RFIDタグも、今のところ一般的ではないが、用いられている。幾つかのケースにおいて、これは、タグおよびリーダーの費用に起因し、とりわけ、読み取られている単独の品物が、近接している品物から、隔たっている必要があるからである。
本分野で知られているように、単独チューブの利点は、他のサンプルとは無関係に、その中のサンプルを保存および取り出し可能なことである。また、マクロプレートの利点は、少量(例えば、最高密度のマイクロプレートで、1μL未満)でよいサンプルを多数(96、385、1536、3456)保存および取り出し可能な事である。加えて、本分野で知られているように、バーコードラベルが貼られている物体の特定領域は、バーコードリーダーが適切な識別を行えるように、提示されなければならない。しかしながら、もしも担体、ラベル、別の物体、またはその物体の向きが、完全なバーコードラベル、マーキング、または他の識別子の一部または全部を見ることができないように、リーダーを塞いだならば、問題が発生し得る。
〔本発明の要約〕
本発明はサンプルの取り扱いに関する。特に、本発明のある実施形態では、音響出射および分析に適合したサンプル容器、ならびに、その方法であって複数の貯蔵器(multiple reservoirs)を収容する方法、を記載している。例示として本発明は、生体サンプル容器または化学サンプル容器に適用されている。そこで、複数の流体サンプルは保存されていることが可能であり、例えば、単一サンプルの保存および取り出しのための音響射出機器およびサンプル取扱い機器の両方に適合可能な方法で、同一化物質の異なる濃度、患者の血液サンプルの異なる分画(例えば、血漿、軟膜、赤血球)が保存されるように保存される。また、当該複数の流体サンプルは、必ずしもそうではないが好ましくは、互いに関連する。なお、本発明の適用範囲はずっと広く、任意のコレクションのサンプルに適用可能であり、サンプル群の取り出しは、容器保存および取り出し操作の数を減らすことによって一貫して加速したり、サンプル保存の濃度を増やしたり、または、貯蔵用の同一サンプルの分取の数を多くすうことを可能にしたりするだろう。加えて、本発明のある実施形態では、音響出射および分析に適合したサンプル容器、ならびに、その方法であって容器の識別に適合可能な方法、を記載している。例示として本発明は、識別マーク(例えば、バーコード)を有する生体サンプル容器に適用されており、識別マークは容器に埋め込まれており、容器を識別する、また識別マークは容器周囲の異なる多くの点から見えてもよく、各点から見て容器を識別してもよい。なお、本発明の適用範囲はずっと広く、例えば、識別可能な容器内の流体サンプル(あるいは任意の他の品目または材料)に適用可能だろう。
例えば、小型化に従う音響射出システムと、一回の取り出しから複数の貯蔵器を提供可能な音響射出システムと、の両方に適用可能という利点を有する個別サンプル容器が必要である。具体的には、容器には、おそらく取り出され、特定機能のために用いられるだろう関連する材料が入っていることが望ましい。特定機能は、例えば、同一患者からの異なるサンプル(例えば、血液の異なる分画または時間経過サンプル)の検査、または、用量反応曲線を構成するための同一化合物の様々な濃度の検査である。
したがって、本発明のいくつかの実施形態では、複数の異なるサンプルを収容するように構成されている個別の略円筒容器、を記載している。状況に応じて、容器は他の容器と組み合わさられてもよい、例えば、他の容器と一緒に保存されてもよく、例えば、群としての取り出しのために、他の容器と積み重ねられてもよい。一実施形態では、複数の貯蔵器を有するこれら組み合わせ可能な1以上の円筒容器は、1つの貯蔵器のみを有する少なくとも1つの円筒容器と組み合わせられることも可能である。
別の一例として、小型化に従う音響射出システムと、極めて単純な識別と組み合わせ可能な音響射出システムと、の両方に適用可能という利点を有する個別サンプル容器が必要である。具体的には、多くの他の類似の容器(例えば、ラックに入っている)の付近にその容器があっても、リーダーに対して容器を正しい位置に置くように容器を取り扱う(例えば、回転させる)必要が最小または0で、識別マークリーダ(例えば、バーコードリーダー)が容器識別表示を見ることができることが望ましい。
具体的には、容器は、非特定の(または非所定の)および(比較的)小さいその外面の部分に基づいて識別可能であることが望ましく、また、その識別は、取り出し開け閉めし保存する複数のサイクルにおいていつでも繰り返し可能であることが望ましい。
したがって、本発明のいくつかの実施形態では、容器の内周または外周に直接書き込まれている(例えば、その面に直接掘り込まれたり、埋め込まれたりされている)識別情報を含む個別の略円筒容器、を記載している。そのような識別情報は例えば、一次元バーコードまたは二次元バーコードのような識別コードと、等分やで知られているチェックビットのような誤り訂正情報との両方を、容器の内側または外側円周での複数のセクター内に含んでもよい。セクターは、必ずしも必要ではないが、互いに連続していてもよく、例えば、1つ以上のブランクエリアによって、または容器に貼られた1以上の紙ベースのラベルによって、またはその両方によって、互いから切り離されていてもよい。好ましくは、音響波を使って容器内の流体の1以上の液滴を射出するのに、識別情報が実質的に邪魔にならないように、識別情報は容器の内側または外側面の一部に設けられている。
したがって、本発明の非限定的な一態様によれば、容器は、前記容器の内側面および外側面を規定するチューブ状側壁を含む。前記チューブ状側壁は、互いに対して前記チューブ状側壁の主軸に沿って配置されている第1領域と第2領域とを含む。前記容器はさらに、前記第1領域内の前記チューブ状側壁の複数のセクターにおいて、前記チューブ側壁内に埋め込まれている識別マークを含んでもよい。各前記セクターは幅を有し、前記識別表示は、任意かつ不定の1つ以上の前記セクターを見るリーダーによって、機械可読である。
本発明の非限定的な別の一態様によれば、容器を調製する方法は、前記容器の内側面および外側面を規定するチューブ状側壁を設けることを含み、前記チューブ状側壁は、互いに対して前記チューブ状側壁の主軸に沿って配置されている第1領域と第2領域とを有する。前記方法はさらに、前記第1領域内の前記チューブ状側壁の複数のセクターにおいて、前記チューブ側壁内に識別マークを埋め込むことを含んでもよく、各前記セクターは幅を有し、前記識別マークは、任意かつ不定の1つ以上の前記セクターを見るリーダーによって、機械可読である。
なお、本発明に係る識別マークは好ましくは、必ずしも必要ではないが、本発明に係る複貯蔵器容器(multi-reservoir containers)と共に用いられてもよい。同様に、本多貯蔵器容器は、必ずしも必要ではないが、本発明に係る識別マークと共に用いられてもよい。このように、本明細書に記載されている任意の実施形態の任意の適切な組み合わせを、用いることも可能である。
〔図面の簡単な説明〕
図1A〜図1Cは、本発明の実施形態に係る、その中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を示す概略図である。
図2A〜図2Dは、本発明の幾つかの実施形態に係る、音響射出及び/又は分析のための音響発生器と共にその中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を示す概略図である。
図3Aは、本発明の一実施形態に係る、その中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を調製するための例示的な方法におけるステップを示す図である。
図3Bは、本発明の一実施形態に係る、サンプル容器中に識別マークを埋め込むための例示的なシステムの概略図である。
図4A〜図4Cは、本発明の幾つかの実施形態に係る、その中に埋め込まれた識別マークを有するサンプルと共に、識別マークを読みとるリーダーを示す概略図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る、ラック内の複数のサンプル容器を示す概略図である。
図6A〜図6Bは、本発明のいくつかの実施形態に係る、サンプルがそれぞれ他から独立し、任意に容器の貯蔵器の底の厚みにおいて、音響的に区別可能な違いを含む、一つ以上の貯蔵器を有する略円筒形状の、1つの取り出し可能なサンプル容器を示す概略図である。
図7は、本発明のいくつかの実施形態に係る、音響出射システムとの結合において、互いからサンプルが独立している一つ以上の貯蔵器を有する、おおよそ円筒形状の回収可能なサンプル容器を示す概略図である。
図8A〜8Cは、本発明のいくつかの実施形態に係る、単一または他の容器との組み合わせ、例えば、他の容器との積層において、複数貯蔵器を有するサンプル容器の保管のための例示的な構成を図解している。
本発明のいくつかの実施形態において、図9Aは、組み合わせ、例えば、貯蔵と取り出しのための複数貯蔵器を有する略円筒の容器の積層の貯蔵のための例示的な棚を図解し、図9Bは、分析または音響出射のための複数貯蔵器を有する略円筒の容器を個別に保持するための、例示的な棚を図解している。
図10A〜図10Bは、本発明の幾つかの実施形態に係る各ウェル内に異なる濃度で貯蔵または取り出しするために、略円筒外観を有する連結されたアセンブリとして積み重ねられた、対応する封止(又は蓋)を有する複数のサンプル容器表面の例示的なコレクションを示す概略図である。
〔詳細な説明〕
本発明はサンプルの取り扱いに関する。特に、本発明のある実施形態では、音響出射および分析に適合したサンプル容器、ならびに、その方法であって複数の貯蔵器(multiple reservoirs)を収容する方法、を記載している。例示として本発明は、生体サンプル容器または化学サンプル容器に適用されている。そこで、複数の流体サンプルは保存されていることが可能であり、例えば、単一サンプルの保存および取り出しのための音響射出機器およびサンプル取扱い機器の両方に適合可能な方法で、同一化物質の異なる濃度、患者の血液サンプルの異なる分画(例えば、血漿、軟膜、赤血球)が保存されるように保存される。また、当該複数の流体サンプルは、必ずしもそうではないが好ましくは、互いに関連する。なお、本発明の適用範囲はずっと広く、任意のコレクションのサンプルに適用可能であり、サンプル群の取り出しは、容器保存および取り出し操作の数を減らすことによって一貫して加速したり、サンプル保存の濃度を増やしたり、または、貯蔵用の同一サンプルの分取の数を多くすうことを可能にしたりするだろう。加えて、本発明のある実施形態では、音響出射および分析に適合したサンプル容器、ならびに、その方法であって容器の識別に適合可能な方法、を記載している。例示として本発明は、識別マーク(例えば、バーコード)を有する生体サンプル容器に適用されており、識別マークは容器に埋め込まれており、容器を識別する、また識別マークは容器周囲の異なる多くの点から見えてもよく、各点から見て容器を識別してもよい。なお、本発明の適用範囲はずっと広く、例えば、識別可能な容器内の流体サンプル(あるいは任意の他の品目または材料)に適用可能だろう。
本発明の様々な実施形態に関して、溶媒、物質および/または装置構造は変化し得るものであり、本発明は特定の溶媒、物質および/または装置構造に限定されるものでないことを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は特定の実施形態を記述することのみを目的としたもので、限定的な意図はないことも理解されたい。
いくつかの実施形態によれば、単数で記載されていても、文脈により別に明記していなければ、単数と複数の両方が含まれる。例えば、「流体」と記載されていれば、1つの流体だけでなく複数の流体も含まれる。別の例では、「温度」と記載されていれば、1つの温度だけでなく複数の温度も含まれる。
ある実施形態によれば、値の範囲が記載されている場合、その範囲の上限と下限の間の各値およびその記載された範囲の他の記載されたまたは間にある値が開示に含まれることが意図されている。例えば、1μmから8μmまでの範囲が記載される場合、1μm以上8μm以下の値の範囲だけでなく、少なくとも2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、および7μmも開示されることが意図されている。
いくつかの実施形態によれば、流体がサンプル容器に存在し略水平な(例えば、地球の重力の方向に略垂直な)遊離面を有する音響出射の構成に関して、「水平」または「垂直」が言及されることがある。
上述のように、音響出射および/または音響分析を用いて生体サンプルを処理(例えば、生体サンプルを収集、移動、保存、および/または分析)する全ライフサイクルを簡素化することができるサンプル容器であって、比較的長持ちする識別マークを備えることができるサンプル容器のニーズがある。
例えば、従来の収集容器(例えば、サンプルの引き出しおよび/または保存に用いられる容器)は従来の識別マークを備えることができるが、しかし、通常、音響移動の用途に適したものとはなっていない。大抵、これらの従来の容器は、形状がチューブ状であり、ピペットによるチューブからの完全な移動を容易にするために底が丸くなっている。容器の表面が湾曲していると、音響ビームが変化してしまい、ビーム(の軸)を容器に合わせること、容器内の流体を分析すること、音響出射を可能にするためビームをサンプル表面にフォーカスさせることに対してさらなる挑戦をもたらす。また、従来の容器は通常、液滴が容器から出射されるようなサンプルの遊離面への音響ビームの均一な伝搬に適合可能な方法でラベルがされていない。例えば、ある従来の容器は、チューブの底部の中央(例えば、製造時にプラスチックを型に入れる部分)における先端の開口部と真反対側に小さいこぶ状物または成形人工物を有するように成形された略円筒状のチューブである。そのような小さいこぶ状物または成形人工物は、この位置に入射する音の均一性を乱し得る。別の例では、従来のチューブの中には、湾曲した外壁に加えて、音を散乱させ得る繊維からなる紙でできた外部ラベルまたは音響エネルギーの均一な移動を妨害し得る空隙を含む粘着層を有するものもある。
本明細書において、音響射出に適した容器の中に識別マークを埋め込むことは、紙ラベル上に識別マークを設けた後にその紙ラベルを容器に貼ることよりも相対的に、著しい利点を備える。まず、埋め込まれた識別マークは、紙ラベルよりも著しく長持ちであることができる。例えば、従来のラベルは、識別マークを印刷可能な一枚の紙であったり、接着剤を用いて容器に貼りつけたものであったりしてもよい。そのようなラベルは、紙、または識別マーク、および/または接着剤の劣化の影響を、特に湿潤環境下で容器が複数回扱われたときに、受けやすいことがある。相対的に、本埋め込まれた識別マークは例えば、識別マークを順番で規定する複数の溝を規定することによって形成されてもよく、例えば、容器から少量の材料を除去することによって、或いは、幾何学模様に従って容器表面のテクスチャに別の方法で機械可読である変化を導入することによって、形成されてもよい。そのような溝は、適した方法であればどのような方法を用いて形成されてもよく、適した方法には、これに限らないが、レーザスクライビング(laser scribing)、化学的エッチング、表面を変色させることを含む。表面の変色は、加熱したり、焼き焦がしたり、放射線を照射したり、粘着材料を転写したりすることにより、粘着材料は、容器と同じ色であっても、異なる色であってもよい。よって、埋め込まれた識別マークは、容器と連続かつ一体であってもよく、容器と化学的および熱的および光学的性質が略同一であってもよく、流体への暴露にほぼ影響されなくてもよい。
さらに、本埋め込まれた識別マークは、形成するときに利用可能な技術を用いるのに適していれば、どのような所望のエリア、どのような所望の造作サイズを有するように形成されてもよい。例えば、識別マークは、100μm以下、50μm以下、25μm以下、10μm以下、5μm以下、又は1μm以下のサイズを有する造作を現在形成可能なレーザスクライビングを用いて形成されてもよい。したがって、識別マークが有する側面寸法の少なくとも1つは、1mm以下、500μm以下、250μm以下、100μm以下、50μm以下、又は、10μm以下であってもよい。そのようなサイズの造作およびラベルは容易に、側壁内に埋め込まれることができ、機械可読であることができる。相対的に、従来のラベルは、容器の外面に手作業で貼られることがあり、人間にとって可読であることが意図されていたりする。したがって、従来のラベルが有する造作のサイズは、1mm以上、10mm以上、又は100mm以上であることがあり、従来のラベルが有する側面寸法は1cm以上、又は、10cm以上であることがある。
加えて、容器内に埋め込まれた識別マークは、好ましくは、容器の内側にある流体の音響分析に適合可能であってもよい。例えば、識別マークは、好ましくは、容器の壁または底を通っての流体内への音響射出において液滴が浮上するだろう流体の遊離面への音響エネルギーの均一な又は効率的な移動を妨げないように構成されていてもよく、この音響エネルギーは、低メガヘルツ帯であってもよい。このように、幾つかの実施形態で識別マークは、ある領域(流体が配置されるかもしれない領域及び/又は音響エネルギーが流体内へ流体を通って伝達されるかもしれない領域)から離れて間隔をあけている領域内で容器内に埋め込まれていてもよい。例えば、サンプル容器が垂直に向けられており、音響エネルギーを容器の底を通って、容器の底領域内に配置されている流体内へ伝達可能な実施形態において、識別マークは好ましくは、容器内の流体の予期される最高レベルよりも上方の領域内に配置されてもよい。または、例えば、サンプル容器が水平に向けられており、音響エネルギーを容器の側面を通って、容器の側面に沿って配置されている流体内へ伝達可能な実施形態において、識別マークは好ましくは、音響エネルギーが流体内へ伝達される領域から離れて水平に間隔をあけてもよい。相対的に、音響エネルギーが注がれる容器の領域に紙ラベルを貼ることは、ラベル内又はラベルと容器との間の空隙の存在に起因する音響散乱、ラベルの紙繊維に起因する散乱、ラベル上に印刷された識別マークの表面テクスチャに起因する不均一な音響ビーム、及び、ラベルおよび識別マークの材料(例えば、紙、プラスチック、または接着剤)による音響エネルギーの吸収など、に繋がることがある。加えて、マーキング上の結合流体の存在に起因する閉塞、屈折、又は反射によって、紙ラベルは読解を妨げるかもしれないので、音響分析または射出段階で用いられる結合流体の存在も、読解方法に問題を提起するかもしれない。加えて、結合流体は、紙ラベル、その上のマーキング、及び/又は、容器にラベルを貼るために用いられる接着剤を劣化させるかもしれない。
したがって、本発明に係る埋め込まれた識別マークは、識別マークをほぼ劣化させない湿潤環境または他の過酷な環境での、サンプル容器の複数回の再利用を促進することができ、音響射出技術および識別マークの機械読取に適合可能かもしれないと評価されてもよい。好ましくは、その中に埋め込まれた識別マークを有する容器は、1つ以上の音響経路を備えてもよく、この音響経路は、散乱体及び/又は非集束体(例えば、気泡)が無く、並びに/或いは、低い表面粗さ及び/又は低い減衰量を有する。
加えて、なお、図1A,1B,1C,2A,2B,2C,2D,3A,3B,4A,4B,4C及び4Dを参照して説明されているような本発明に係る識別マークは何れも、必ずしも必要ではないが、図6A,6B,7,8A,8B,8C,9A,9B,10A,及び10Bを参照して説明されているような本発明に係る複貯蔵器容器の何れかと共に用いられるのに適していることができる。加えて、図6A,6B,7,8A,8B,8C,9A,9B,10A,及び10Bを参照して説明されているような本発明に係る複貯蔵器容器は何れも、必ずしも必要ではないが、図1A,1B,1C,2A,2B,2C,2D,3A,3B,4A,4B,4C及び4Dを参照して説明されているような本発明に係る識別マークの何れかと共に用いられるのに適していることができる。図9Bは、本発明に係る識別マークが複貯蔵器容器と共に使われている例示的な位置実施形態を示す。しかしながら、本明細書に記載される任意の実施形態の任意の組み合わせが用いられてもよい。
図1A〜図1Cは、本発明の実施形態に係る、その中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を示す概略図である。これらの図は単なる例示であり、他の図も同様に、請求項の範囲を不必要に限定するものではない。当業者は多くのバリエーション、代替、変形例を認識するだろう。
図1Aは、チューブ状側壁101を含む第1の例示的な容器100を示す。側壁101は、容器100の内面102と外面103とを規定する。示されている実施形態において、側壁101は略円筒であり、例えば、略円である断面を有する。ただし、側壁101は適当な他の幾何形状を有してもよく、例えば、側壁101が有する断面は、略三角形、略長方形、略正方形、略五角形、略六角形、又はどのような多角形であってもよく、実に、どのような規則形状または不規則形状であってもよい。加えて、側壁101の断面は主軸104に沿って変化してもよい。例えば、側壁101は傾斜していてもよく、例えば、側壁101の一端の断面が他端の断面よりも小さいように、または大きいように、傾斜していてもよい。例えば、側壁101が型を用いて形成されるならば、そのような傾斜は、型からの側壁101の移動を用意にすることができる。
図1Aに示される実施形態で、側壁101は、互いに対して側壁101の主軸104に沿って配置されている第1領域110と第2領域120と第3領域130とを備える。側壁101の第1領域110は、流体を受け入れるように構成された容積を規定し、例えば、この流体内を音響エネルギーは、流体の液滴を射出するために伝達される。バーコードのような識別マークは、第2領域内で側壁101内に埋め込まれている。例えば、識別マークは第2領域120内で側壁101の周りを複数のセクター105内に埋め込まれていてもよく、容器100の内面102および外面103の一方内または両方内に埋め込まれていてもよい。領域130は、随意的であるが、蓋を受けるように構成されてもよい。なお、図1Aは、識別マークが第2領域120内にのみ配置されているように示しているが、そうではなく、識別マークは、第1領域110と第2領域120と第3領域130との所望の1以上の何れに配置されてもよい。例えば、識別マークは、第1領域110と第2領域120との両方内に、又は第2領域120と第3領域130との両方内に、などに配置されてもよい。例示的な一実施形態において、容器100の高さは1cm以下であり、第1領域110が有する高さは0.5cm以下であり、第2領域120の高さは0.5cm以下である。例示的な別の一実施形態において、容器100の高さは100mm以下であり、第1領域110が有する高さは50mm以下であり、第2領域120の高さは50mm以下である。例示的な更に別の一実施形態において、容器100の高さは60mm以下であり、第1領域110が有する高さは30mm以下であり、第2領域120の高さは30mm以下である。例示的な更に別の一実施形態において、容器100の高さは20mm以下であり、第1領域110が有する高さは10mm以下であり、第2領域120の高さは10mm以下である。例示的な更に別の一実施形態において、容器100の高さは1mm以下であり、第1領域110が有する高さは500μm以下であり、第2領域120の高さは500μm以下である。明らかに、本発明に係る識別マークは、より大きい又はより小さいサイズの容器100と領域110と領域120とに適合可能である。
識別マークが位置する領域は、リーダーに見える領域であり、容器100内に配置されるかもしれない流体内のおよび流体を通じる音響エネルギーの伝達にほぼ干渉しない領域であることが好ましい。例えば、図4A〜4Cを参照してより詳細に説明されるように、埋め込まれた識別マークは、図1Aに示される第2領域120の任意かつ不定の1以上のセクター105を見ているリーダーによって機械可読であることが好ましい。例えば、各セクター105の幅Wは、識別マークが埋め込まれている内面102または外面103の周の約1%と約50%との間であってもよく、例えば、約5%と約55%との間、約5%と約20%との間、約5%と約10%との間、例えば、識別マークが埋め込まれている内面102または外面103の周の約10%以下であってもよい。図3A〜3Bを参照して以下により詳細に説明されるように、識別マークはレーザスクライビングを用いて形成されてもよく、図4A〜4Cを参照して以下により詳細に説明されるように、識別マークはレーザリーダーを用いて読み取られてもよい。例えば、識別マークが含む造作のサイズは、100μm以下であってもよく、例えば、50μm以下、25μm以下、10μm以下、5μm以下、又は1μm以下であってもよく、識別マークの側面寸法の少なくとも1つは、1mm以下、500μm以下、250μm以下、100μm以下、50μm以下、又は10μm以下であってもよい。
図1Aに示される実施形態で、埋め込まれた識別マークは、幾何学模様に従って変化するチューブ状側壁101のテクスチャの機械可読な変化を含み、このテクスチャの変化は、例えば、これに限定されないが、第2領域120内で側壁101内に規定される複数の溝である。図3A〜3Bを参照して以下により詳細に説明されるように、溝などのテクスチャの変化は、容器から少量の材料を除去することであっても、または、幾何学模様に従って容器の表面のテクスチャに、機械可読な変化を別の方法で導入することによってもよい。用いる別の方法は、例えば、レーザスクライビング、化学エッチング、または、表面を変色させることで、この表面の変色は、加熱したり、焼き焦がしたり、放射線を照射したり、粘着材料を転写したりすることにより、この粘着材料は、容器と同じ色であっても、異なる色であってもよい。
図1Aに示されるように、幾つかの実施形態で溝などのテクスチャの変化は、溝が側壁101の主軸104に略垂直に伸びている1次元バーコードなどのバーコードを規定する。溝などのテクスチャの変化は、側壁101の周りにほぼ連続していてもよく、例えば、複数のセクター105が互いに連続していてもよい。あるいは、埋め込まれた識別マークは1ヶ所以上の切れ目を有してもよい。例えば、図1Bは、変形例側壁101’を有する代替容器100’を示し、この変形例側壁101’で変形例領域120’内の識別マークは、図1Aに示されているのと類似の1次元バーコードを備えるが、しかし、この変形例側壁101’でバーコードを規定する溝などのテクスチャの変化は、側壁101の周りで1ヶ所以上の切れ目106を有している。幾つかの実施形態で、切れ目106が有する幅は、識別マークが埋め込まれている表面の周の約40%以下であり、例えば、識別マークが埋め込まれている表面の周の約20%以下、例えば、識別マークが埋め込まれている表面の周の約10%以下、例えば、識別マークが埋め込まれている表面の周の約5%以下、例えば、識別マークが埋め込まれている表面の周の約2%以下、例えば、識別マークが埋め込まれている表面の周の約1%以下、である。図4Bにより詳細に説明されているように、このような切れ目106は、容器に貼られた紙ラベルを含んでもよく、例えば、容器の外面に貼られた人間が読める紙ラベルを含んでもよい。たとえ部分的または全体的にこのようなラベルまたは他の切れ目106が1つ以上のセクター105を隠したとしても、隠されていないセクター105内又はその部分内の識別コードは、そのような他の任意且つ不定の隠されていないセクター105内またはその部分内の識別コードを見ることによって、機械可読であることが好ましい。
当業者にとって自明であるが、本発明に係る埋め込まれた識別マークは、今知られている又は今までに開発されている任意の模様または識別コードを適切に含むことができる。一実施例において、図1Cが示す別の代替的な容器100’’は、変形例側壁101’’を有し、変形例側壁101’’において変形例領域120内の識別マークは、容器のほぼ全週に繰り返される二次元バーコード107と、1箇所以上の随意的な中断を含む。幾つかの実施形態において、二次元バーコード107が有する幅は、識別マークが埋め込まれている表面の周の約20%以下であり、例えば、識別マークが埋め込まれている表面の周の約10%以下、例えば、識別マークが埋め込まれている表面の周の約5%以下、例えば、識別マークが埋め込まれている表面の周の約2%以下、例えば、識別マークが埋め込まれている表面の周の約1%以下、である。
好ましい実施形態において、本発明に係る識別マークは、任意の適切な幾何学模様を含んでもよく、例えば、シンボル、ドット、直線、空白、曲線、又は本分野で知られているまたは今までに開発されている他の適切な模様の任意の適切な組み合わせでもよい。そのような幾何学模様は、テクスチャの変化を用いて適切に規定されてもよく、例えば、サンプル容器の内面、外面、又は両方内に規定されている複数の溝を用いて適切に規定されてもよい。一実施例において、識別マークが含む溝などのテクスチャの変化は、容器に対する放射位置に基づいて、情報を担持する方法として、色、幅、深さ、デューティサイクル(例えば、セクター内での異なる種類の破線)などを変化させる1つ以上の造作を含んでもよい。
本発明に係る識別マークが適切にベースとしてもよい1次元バーコードの例は、例えば次を1つ以上含む。:コーダバー(Codabar)、Code-25 (例えば、インターリーブド2OF5又は非インターリーブド2OF5)、Code 11、Code 39、Code 93、Code 128、CPCバイナリ、DUN 14、GS1-128、GS1データーバー(GS1 DataBar)、健康産業バーコード(Health Industry Bar Code;HIBC)、ITF-14、JAN、MSI、ファーマコード(Pharmacode)、プレッシイ(Plessey)、および統合商品コード(Universal Product Code;UPC、例えば、UPC-A、UPC-B、UPC-C、UPC-D、又はUPC-E)。本発明に係る識別マークが適切にベースとしてもよい2次元バーコードの例は、例えば次を1つ以上含む。:3-DI、配列タグ(ArrayTag)、アウグタグ(AugTag)、アズテックコード(Aztec code)、小アズテックコード(Small Aztec Code)、コーダブロック(Codablock)、Code 1、Code 16K、Code 49、コンパクト行列コード(Compact Matrix Code)、CPコード(CP Code)、サイバーコード(CyberCode)、データグリフィス(DataGlyphs)、データ行列(Data Matrix)、データストリップコード(Datastrip Code)、ドットコードA(Dot Code A)、EZコード(EZcode)、格子行列コード(Grid Matrix Code)、HDバーコード(HD Barcode)、Hueコード(HueCode)、INTACTA.CODE、インターコード(Intercode)、JAGTAG、MaxiCode、mコード(mCode)、ミニコード(MiniCode)、MicroPDF417、NexCode、Optar、PaperDisk、PDF417、PDMark、QRコード(QR Code)、クウィックマークコード(QuickMark Code)、スマートコード(SmartCode)、スノーフレークコード(Snowflake Code)、ショットコード(ShotCode)、SPARQコード(SPARQCode)、スーパーコード(SuperCode)、トリルコード(Trillcode)、ウルトラコード(UltraCode)、ベリコード(VeriCode)、VSコード(VSCode)、及びウォーターコード(WaterCode)。好ましくは、必ずしもではないが、本発明に係る埋め込みバーコードに用いられるため選択された1次元または2次元バーコードは、エラーコードを含み、例えば、リーダが識別コードを正確に読みとったことの確認を手助けする1つ以上のチェックビットを含む。なお、バーコード以外の識別マークが用いられてもよく、例えば、機械可読な数字、文字、シンボル、またはその他のどのような適切な幾何学模様が用いられてもよい。バーコードのような識別マークを読み取るためのシステム例は、本分野で知られており、図4A〜4Cを参照してより詳細に説明されている。
上述のように、本発明に係る埋め込まれた識別マークは、容器内に配置された流体内へのおよび流体を通じる音響エネルギーの伝播に適合可能なことが好ましい。例えば、図2A〜図2Cは、本発明の幾つかの実施形態に係る、音響射出及び/又は分析のための音響発生器と共にその中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を示す概略図である。
図2Aは、実質的に鉛直な向きであり、音響発生器240と共に使用するために構成されている例示的なサンプル容器200を示している。例示的な実施形態では、サンプル容器200は、実質的に円筒型であり得るチューブ状側壁201を含み、且つ、上面204を有している流体203を受けるための第1容積202を規定している第1領域230と、上面204に渡って配置されている気体を含むための第2容積205を規定している第2領域220と、第3領域230とを含む。第3領域230は、蓋(図示せず)を受けるように構成されていてもよい。ここに記載されているような識別マークは、領域220内、必須ではないが、好ましくは領域220内のみの側壁201内に埋め込まれている。図2Aに示される実施形態では、識別マークは、テクスチャにおける変化、例えば、溝221と比べて高くなっている複数のリッジ222を規定するために容器200の外面内に規定されている複数の溝221を含む。好ましくは、溝221は、溝221およびリッジ222によって規定されている識別マークが機械可読であり、任意の適切な幾何学模様を有し得るような深さを有している。例えば、溝221は1nmのオーダーで、または、10nmのオーダーで、または、100nmのオーダーで、または、1mmのオーダーで、深さを有していてもよい。
図2Aに示されている実施形態では、容器200は、別の容器の形状が用いられてもよいが、好ましくは左右対称であり、例えば、容器底部206から上に伸びており、開口部207で終わっている側壁201を有している円筒である。容器の底206の材料および厚さは、好ましくは、音響放射が容器200内に含まれる流体を通じて中へ伝達してもよいように構成されている。必須ではないが、好ましくは、容器底部206は、実質的に平坦であり、側壁201の主軸に実質的に垂直に向けられており、音波を受け、領域210内に配置されている流体203に音波を伝達するように構成されている。例えば、容器200は、音響放射を発生されるために音響放射発生器241と、液滴が出射される流体203、表面近傍204内の焦点に音響放射を収束させるための音響レンズ243と、を含む音響出射装置240に結合され得る。音響放射発生器は、変換器242、例えば、分析器に一般に共有されている圧電素子を含む。図のように、組み合わせるユニット245は、制御装置および分析器の構成要素の両方として機能することが規定されている。制御装置として作動する組み合わせるユニット245は、機械的および音響エネルギーの中に変換される電気的エネルギーを有する圧電素子242を備えている。分析器の構成要素として作動する組み合わせるユニットは、変換器から電気的な信号を受け、分析する。電気的信号は、変換器による機械的および音響エネルギーの吸収および変換の結果として、生成される。
図2Aに示されるように、音響レンズ243は、音響放射を収束させるための凹状の面を有している単一の固体の一部を含んでいてもよいが、レンズは、本分野において周知であるような別の方法で構成されていてもよい。音響出射装置240は、それ故に、容器200に音響結合され、それと共に、流体203に結合されるとき、面204からの流体の液滴を出射するために生成し、音響放射を収束するように適合されている。音響放射発生器241およびレンズ243は、単一の制御装置によって単一のユニットとして機能してもよく、または、それらは望ましい装置の性能に応じて、独立して制御されてもよい。典型的には、液滴の配置の正確さ、および、液滴のサイズおよび速度における一貫性は、単一の出射装置を用いてより容易に達成することができるため、単一の出射装置の設計は、複数の出射装置の設計を超えることが好ましい。
また、それぞれの個々の貯蔵器および、それに伴い、流体内に出射装置240を音響結合する多数の方法がある。1つのそのような方法は、例えば、米国特許第4,308,547号(Lovelady et al.)に記載されているように、直接的な接触を介し、分割された電極を有している半球体の結晶から構成されているレンズが、出射される液体に覆われる。前述の特許は、レンズが流体の表面に、または表面下に位置してもよいことをさらに開示している。ただし、流体にレンズを音響結合することに関するこの方法は、繰り返されるレンズの洗浄が二次汚染を避けるために必要とされるように、複数の容器または庁臓器中で異なる流体を出射するために出射装置が用いられるとき、望ましくない。洗浄処理は、各液滴の出射の発生の間、伝達時間を必然的に長くする。加えて、このような方法においては、流体は、それが、高価または希少であり得る材料を廃棄する各容器から取り去られるように、出射装置に貼りつく。
したがって、1つの典型的な方法は、出射装置、例えば、出射される任意の流体を用いるレンズ243の任意の位置を接触させることなしに、容器に出射装置を音響結合させる。このために、出射装置240は、適切に制御下に置かれてもよく、出射装置を容器200に覆うことなしに、そこから液滴を出射するように、容器200と音響結合を繰り返し可能であってもよい。これは、典型的には、出射装置と、容器の外面、例えば、底面206との間での直接的または間接的な接触を含む。直接的な接触(図示せず)が、出射装置240を容器200に音響結合するために用いられるとき、直接的な接触は、効率的な音響エネルギーの伝達を確保するために全体的に等角であることが好ましい。すなわち、出射装置240および容器200の底面206は、ぴったりと合う接触のために適合されている対応する表面を有しているべきである。したがって、音響結合は、音響レンズ243を介して出射装置240と容器200との間で達成され、底面206の表面の輪郭が、レンズの表面の輪郭(図2Aの実施形態には図示せず)に適切に対応することが望ましい。
代わりに、音響結合は、出射装置と、それぞれの容器との間で間接的な接触を介して達成されてもよく、例えば、図2Aに示されている。例えば、音響結合媒体244は、出射装置および容器を互いから所定の距離に設置した状態で、射出装置240と容器200の底206との間に配置されてもよい。音響結合媒体244は、音響結合流体、好ましくは、音響レンズ243および容器200の底206の両方と等角に接触する音響的に均一な材料であってもよい。好ましくは、音響結合媒体244は、流体媒体それ自体と異なる音響的性質を有している材料を実質的に必要としない。さらに、音響結合媒体244は、音圧および強度における著しい減衰なしに、音響レンズ243から底面206および容器200に音響放射の伝達を促進する音響的性質を有している材料、例えば、音響インピーダンスを含むことが好ましい。例えば、図2Aに示されるように、音響放射発生器241によって発生した音波が、レンズ243によって、音響結合媒体244内に向けられ、次に、当該音響結合媒体244が、容器200内に音波を伝達するように、音響結合媒体244は、容器200を音響レンズ243に結合してもよい。音波は、好ましくは、流体のうちの少なくとも一つの液滴209を出射するために、焦点208である流体203の表面近傍204に収束する。典型的な音響出射システムおよびそれらの使用のさらなる詳細については、米国特許第6,938,995号および第7,900,505号に見られる。
図2Aに示される以外に、多くの構成および配置が適切に用いられてもよいということに留意する。例えば、図2Bは、図2Aに示されるものに類似する態様における出射装置240に結合される代替の容器200’の実施形態を示している。容器200’の代替の側壁201’は、代替のテクスチャにおける変化、例えば、領域220’内の容器200’の内面に規定されている複数の代替の溝221’を含む。溝221’は、溝221’に比べて高くなっている領域222’を規定し、結果的に、バーコード等の識別マークを規定する。さらに、別の実施形態(図示せず)では、識別マークは、容器の内面および外面の両方の側に適切に埋め込まれてもよい。
図2C〜2Dは、さらなる別の実施形態を示しており、代替容器200’’は、実質的に水平な向きであり、音響発生器240と共に用いられるように構成されており、当該音響発生器240は、図2Aに関して記載されているのと同じように構成されてもよいが、水平な容器200’’と共に用いられるように適切に適合されてもよい。例示的な実施形態では、サンプル容器200’’は、実質的に円筒であり得るチューブ状側壁201’’を含み、上面204’’を有している流体203’’の音響出射を行うための第1領域210’’、ここに記載されているような、第2領域220’’に埋め込まれている識別マークを有している第2領域220’’、および蓋250’’を受けるように構成されている第3領域230’’を含む。図2C〜2Dに示される実施形態では、識別マークは、テクスチャにおける変化、例えば、図2Aに示されるものと同じような形態における溝に比べて高くなっている複数のリッジを規定するために、容器200’’の外面内に規定されている複数の溝を含む。代わりに、識別マークは、テクスチャにおける変化、例えば、図2Bに示されるものと同じような態様における容器200’’の内面内に規定されている複数の溝を含んでいてもよく、または、さらに別の代替は、容器200’’の内面および外面の両方の内に規定されている溝を含んでいてもよい。好ましくは、識別マークは、例えば、溝およびリッジによって規定されており、機械可読であり、任意の適切な幾何学模様を有していてもよい。
図2C〜2Dに示される実施形態では、領域201’’、ならびに、任意かつ同様に領域220’’および230’’における側壁201’’の一部は、側壁201’’の主軸に沿って実質的に平坦であり得るが、容器200’’は略円筒である。例えば、図2Dは、領域210’’内の容器200’’の断面を示しており、当該領域210’’では、底の一部206’’が実質的に平坦であり、側壁201’の主軸に実質的に垂直に向けられており、音波を受け、領域210’’内に配置されている流体203’’に音波を伝達するように構成されていることが見られ得る。底の一部206’’の材料および厚さは、容器200’’内に含まれる流体203’’を通じて中へ伝達されてもよいようにするべきである。例えば、容器200’’は、上述の図2Aに関して記載されている出射装置240と同じように構成されていてもよく、容器200’’と共に用いるために適合されている響出射装置240’’に結合されていてもよい。水平な構成において使用するための容器および音響出射装置のさらなる詳細については、米国出願公開第2013/0109042号に見られ、これの全体の内容は、全ての目的のために、本明細書に参照として組み込まれる。
サンプル容器を調製するための典型的な方法およびシステムは、別の方法およびシステムが適切に使用されてもよいということが理解されるべきであるが、これから記載する。
図3Aは、本発明の実施形態に基づくサンプル容器に埋め込まれている識別マークを有しているサンプル容器を調製するための典型的な方法301を示している。方法301は、サンプル容器(302)の内面および外面を規定しているチューブ状側壁を備えることを含む。好ましくは、チューブ状側壁は、互いに対してチューブ状側壁の主軸に沿って配置されている第1領域および第2領域を有している。任意に、チューブ状側壁は、第1領域および第2領域に関する側壁の主軸に沿って配置されている第3領域をさらに含み、蓋を受けるように構成されている。
好ましくは、側壁を提供するために用いられる材料は、側壁に含まれることを意図された流体と適合可能である。したがって、側壁がアセトニトリル等の有機溶媒を含むことを意図する場合、アセトニトリルに対して溶解または膨張するポリマーは、側壁の形成に用いるのには適していない。同様に、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含むことを意図された側壁は、好ましくは、DMSOに適合可能である。水ベースの流体に対しては、多くの材料が側壁の構成に適しており、酸化ケイ素および酸化アルミニウム等のセラミックス、ステンレス鋼およびプラチナ等の金属、ならびに、ポリエステルおよびポリテトラフルオロエチレン等のポリマーを含むが、これらに限定されない。感光性である流体に対しては、側壁は、実質的に弱められていない装置の機能に対して十分な音響透過性を有している光学的な不透明材料から構成されていてもよい。側壁は、型による成形、機械加工、鋳造、圧伸、または3次元印刷等の任意適した技術を用いて調製されてもよい。いくつかの実施形態では、図2A〜2Bに示される、それらのように、側壁は、容器の底と一体的に形成されてもよい。容器の底は、例えば、側壁の主軸に実質的に垂直であってもよく、第2領域内に配置されている流体を通じて中に音波を伝達するように適切に構成されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、図2C〜2Dに示される、1つ以上の蓋は、流体を囲む部分的、または、全体的に閉じた容器を形成するためにその後に側壁に適切に貼りつけられてもよい。上述のように、側壁は、任意の適切な断面を有してもよい。いくつかの実施形態では、側壁は略円筒である。例えば、側壁は、略円であり、容器が音響出射のための水平な構成に適して用いられ得る1つ以上の平坦な部分を任意に含む断面を有していてもよく、円の一部を有している断面および平坦な部分は、「略円」としてみなされ得る。そのような平坦な部分は、流体を通じて中に音波を伝達するように適切に構成されていてもよい。
識別マークは、次に、第1領域(303)内のチューブ状側壁に関してそれぞれが幅を有している、複数のセクターにおけるチューブ状側壁内に埋め込まれる。識別マークは、好ましくは、任意かつ不定の1つ以上のセクターを見るリーダーによって機械可読である。いくつかの実施形態では、識別マークは、チューブ状側壁のテクスチャにおける機械可読の変化を形成することによって埋め込まれる。いくつかの実施形態では、識別マークを埋め込むことは、テクスチャにおける変化、例えば、複数の溝が識別マークを規定する、例えば、バーコードを規定する、側壁における複数の溝を規定するために側壁の一部を取り去ることを含む。テクスチャにおける変化、例えば溝は、例えば、容器から少量の材料を取り去ること、または、別の方法で幾何学模様に基づく容器の表面のテクスチャにおける機械可読な変化を取り入れることによって形成してもよい。そのようなテクスチャにおける変化、例えば溝は、適した方法であればどのような方法を用いて形成されてもよく、適した方法には、これに限らないが、レーザスクライビング、化学的エッチング、加熱、燃焼または放射、または、容器と同じ色であっても、1つ以上異なる色であってもよい粘着材料の転写等による表面の変色を含む。テクスチャにおける変化、例えば、溝は、容器の内面又は容器の外面または両方に適切に規定されていてもよい。いくつかの実施形態では、バーコードは、1次元であり、溝は、例えば、図1Aに示されているチューブ状側壁の主軸に実質的に垂直に伸びている。別の実施形態では、バーコードは2次元であり、溝は、図1Cに関して上述したような2次元幾何学模様を規定している。さらに別の実施形態では、識別マークは、任意の別の適切な幾何学模様であり、当該幾何学模様は、容器を識別するために機械可読であってもよい。
図3Bは、本発明の一実施形態に基づく、サンプル容器内の識別マークを埋め込むための典型的なシステム350の概略図である。例示されているシステム350は、別のシステムの構成が適切に用いられてもいということが理解されるべきであるが、レーザーマーカー360、制御装置370、および回転機構380を含む。レーザーマーカー360は、テクスチャにおける変化、例えば、適切な幾何学模様を有している溝を規定するために側壁301の一部を除去するといった制御装置370からの指示に基づき、側壁301から材料を取り去るように構成されている1つ以上のレーザービーム361で側壁301を照射するように構成されている。制御装置370は、側壁301内に埋め込まれる識別マークのタイプ、例えば、バーコードのタイプに関するユーザーの指示を受け、その識別マークのタイプを実行するためにレーザーマーカー360に適切に指示するように構成されている。制御装置370は、回転機構380に、側壁301を結合させても、側壁301に関する複数のセクター内の側壁301の内面または外面または両方から材料を取り去り、それと共にテクスチャにおける変化、例えば、そのようなセクター内の溝を規定するために側壁301を回転させるようにさらに構成されていてもよい。図1Aに関して上述されているように、そのようなセクターは、互いに隣接していてもよく、または、図1Bに関して上述されているように、1つ以上のそのようなセクターの間に切れ目があってもよい。そのような切れ目は、側壁301の回転の間、適切な時間でレーザービーム361を中断することによって形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、制御装置370は、側壁301内のある領域内のみ、例えば、出射音波と識別マークとの間での相互作用を抑えるために、音響エネルギーの横断が液滴の出射に使用される領域から離れて間隙を与えられている領域のみに識別マークを配置するように、レーザーマーカー360を適切に制御する。
側壁内に識別マークを埋め込むのに用いるために適合され得る適切なレーザーマーカーおよび制御装置は、キーエンス株式会社(大阪、日本)から販売されているMD−V9900Aシリーズ、3軸YVO4レーザーマーカー等、市販されている。ただし、識別マークを規定する任意の適切な方法、例えば、テクスチャにおける変化を規定すること、側壁内の溝を規定することが用いられてもよく、そのような方法が、必ずしも必要ではないが、側壁から材料を取り去ることを含んでいてもよいということが理解されるべきである。例えば、材料は、テクスチャにおける変化、例えば、間に溝を有しているリッジを規定するために側壁に加えられてもよく、例えば、リッジは、積層または3次元印刷、または曲面のための従来の印刷方法を用いて形成されてもよい。または、例えば、側壁は、材料の除去の付加的なステップのための必要性を未然に防ぐために、容器と一体化されているテクスチャの変化で加工されていてもよく、例えば、側壁および溝は、型による成形または3次元印刷によって形成されていてもよい。レーザーマーキング以外の方法が、容器内の識別マークに埋め込まれるために適切に用いられてもよいということが理解されるべきである。
上述の通り、埋め込まれた識別マークは、好ましくは機械可読であり、全く人間にとって可読でなくてもよい。図4A〜4Cは、本発明のいくつかの実施形態に基づく、識別マークを読むためのリーダーと共にサンプル容器に埋め込まれている識別マークを有しているサンプル容器を示す概略図である。図4Aは、リーダー490が領域420内の不定の回転位置における容器400の1つ以上のセクターを読み取り、エラー修正コード(ECC)を含み得る識別マークを発見する実施形態を示している。識別マークは、例えば、リーダー490は容器400の外側を読み取ってもよく、容器400の外面に配置されていてもよいということに留意する。そのような実施形態では、容器400は、適切に透明、および、識別マークを読むために用いられるように波長に対して少なくとも部分的に透明のいずれかであり得、そのような波長は、人間にとって可視である範囲内であっても、例えば、紫外線、近赤外線、または、遠赤外線の範囲の波長を含み得る、人間にとって可視である範囲外であってもよい。代わりに、識別マークは、例えば、容器400の内面に配置されていてもよく、この場合、リーダー490は、容器400の内部を読み取ってもよい。そのような実施形態では、容器400は、好ましくは、少なくとも部分的に透明である。さらに別の実施形態では、識別マークは、例えば、容器400の内面および外面の両方に配置されていてもよく、この場合、リーダー490は、容器400の内面および外面の両方で読み取ってもよい。そのような実施形態では、容器400は、好ましくは、少なくとも部分的に透明である。
図4Bは、代替のリーダー490’が、領域420内の容器400の2つの不定のセクターを読み取る代替の実施形態を示しており、当該領域420では、1つのセクターが図4Aのように少なくとも部分的に可視的であり、他が切れ目、例えば、容器の外面に貼られている補助的なラベル421によって少なくとも部分的に覆われている。識別マークは、好ましくは、ラベルを見るリーダー490’によって、および、ラベルによって覆われていない任意かつ不定の1つ以上のセクターを見ることによって、機械可読である。ラベルおよび1つ以上のセクターは、容器の外面の周の約10%以下、例えば、容器の外面の周の約5%以下、容器の外面の周の約2%以下、互いに分離されていてもよい。図4Aのように、リーダー490’は、容器400’の内面および/または外面を読み取ってもよく、容器400’は、容器の内面を読み取ることを促進するために、必要に応じて、少なくとも部分的に透明であってもよい。リーダー490’が複数のセクターまたはその位置を読み取るように構成されている単一のリーダーを含んでいても、代わりに、対応するセクターまたはその位置を読み取る複数のリーダー、例えば、2つのリーダーを含んでいてもよいということに留意する。
図4Cは、代替のリーダー490’’が、領域420内の不定の回転位置において容器400の1つ以上のセクターの滑らかな角度の読み取りを行い、識別マークおよび任意のECCを発見する、別の代替の実施形態を示している。図4Aのように、リーダー490’’は、容器400’の内面および/または外面を読み取ってもよく、容器400’は、容器の内面の読み取りを促進するために、必要に応じて少なくとも部分的に透明であってもよい。また、図4Aのように、リーダー490’’は、1つのセクターまたはその位置を読み取るように構成されている単一のリーダーを含んでいてもよく、または、図4Bのように、複数のセクターまたはその位置を読み取るように構成されている単一のリーダーを含んでいてもよく、対応するセクターまたはその位置を読み取るように、それぞれ構成されている複数のリーダー、例えば、2つのリーダーを含んでいてもよい。
容器内の埋め込んでいる識別マークを読み取るのに用いるように適合されていてもよい適切なリーダーは、キーエンス株式会社(大阪、日本)から販売されているSR−D100シリーズ、高性能2次元コードリーダー等、市販されている。製造物に基づき、SR−D100のリーダーは、40mmの焦点距離を有している25μm以上のサイズを有しているセルのまま参照されるバーコードの特徴を読み取り得る超高性能モードを有している。簡易化された視点によれば、SR−D100のリーダーは、それの前方のマクロのレンズを有するカメラを含む。仮にカメラの視野が湾曲しているか、傾いている場合、埋め込まれている識別マークを見るとき、図4A〜4Bに個別に示されるような直接的な視野から、または、図4Cに示されるような滑らかな角度の視野からの場合があり得、視野における歪みは、露光時間を増やし得るカメラを絞ることによって補正されてもよい。
1つの例証的な実施形態では、15桁のコードは、約0.375mm×0.375mmの正方形である識別マークを生じさせるSR−D100HAモデルリーダーの分解能に対応している、15×15のセルおよび25μmのセルサイズを有している2次元バーコードとして表される。仮にコードが、リーダーの光軸上にある3.5mmの外周を有しているチューブ状側壁に印刷される場合、焦点距離の違いは、識別マークの端から中心まで約10μmである。仮にチューブ状側壁が、光軸が識別マークの端にあり、別の端がリーダーから41μmだけさらに離れているように回転される場合、これは、図5に示され、以下にさらに詳細に記載されている棚590内に配置されている容器500の側壁等の棚における側壁のコードを読み取ることができるために必要とされる傾斜角によって生じる補正に比べて少なくなってもよい。仮に、識別マークの端が側壁の上端から1mmに位置し、リーダーが棚の斜めに沿うコードを読み取る場合、これは、約20度に相当する隣接したチューブの壁近傍の間に約2.8mmの距離を置く。傾斜角に相当する奥の壁を通しての読み取りは、それの約半分である。
リーダーが識別マークを読み取ることができ得る傾斜角の最小量を計算するために、セルサイズと相互に関連する回折が限定されたスポットサイズを得るのに必要とされる第1の開口数(NA)が計算される。その結果、NAを縮小することを抑制するために、傾斜角を増やさなければいけないかどうかが決定される。25μmの最小のセルサイズを有する上述の例証的な実施形態を続けることは、対象が5μmの回折限界を有しているとみなす。これは、対象の開口数(NA)がFの数3.1に対応する少なくとも0.16(NA=1.22、λ/d、λ=650mmおよびd=5μm)でなければならないということを意味する。これは、約10度であるasin(0.16)の光の半分の円錐角に対応する。したがって、機械的な障害物を洗浄することは、我々が画像化を限定された回折を得ることができるということも保証する。20度の傾斜角による最悪の場合の焦点の移動は、約0.13mmである。SR−D100HAは、0.8の倍率を生じさせる(カルフォニア州サンノゼ、Aptina Imaging社による)6μmのピクセルで752×480の縦横比のピクセルセンサーと一致する、5.5×3.5mmの視野を有している。最悪の場合であるFの数3.1に対する領域の望ましい深さを計算するために、これらの数は、クレーズアップの画像の領域の深さに対する標準式DOF≒(2Fc(m+1))/m(ここで、Cは錯乱円の直径(例えば、12.5μm)であり、mは、約0.2mmの領域の深さを生じる倍率)において使用されてもよい。したがって、比較的小さい識別マークに対して、傾斜角および曲率が、識別マークを読むことについての可能性に影響を及ぼすことを実質的に予想していないように思われる。上述の課題および計算は単に典型的であり、限定される何れかの方法として構成されるべきでないということを予想すべきである。
図5は、棚590にコレクションとして保持されている、識別マークが埋め込まれた複数単一貯蔵容器500の概略図である。好ましくは、本発明の一実施形態における読み取り装置が、識別情報を読み取れるように、それぞれの容器は、それぞれが全てそろって回転軸方向を有している。いくつかの実施形態において、識別マークの大部分は、例えば、棚590に配置される事が要求され、かつ棚590によってよく見えなくなるような、容器500の一部分から、距離をあけた位置に配置されるように、棚590によってよく見えなくならないように構成されている。例えば、上記について、図1Aから1Cを参照すると、識別マークは領域120、120’、または120’’内のみに配置され得る。代わりに、図4Cに描かれているような、視射角走査を使用して読み取られる、容器500に関する実施形態において、識別マークは棚590の内部に配置されている領域内に適切に埋め込まれ得る。なぜならば、視射角走査は透過して識別マークを読み取ることができるため、棚590が識別マークを見えなくさせないからである。
棚590は適切な構造を有し得る。例えば、容器500の底が完全にさらされることを可能にするように、完全に空いている底を有していてもよく、もしくは代わりに、容器500の底の一部がさらされることを可能にするように、部分的に空いている底を有していてもよく、閉じた底を有していてもよい。図2Aを参照して上記に記載されたような、垂直方向の音響出射装置を使用される、容器500に関する実施形態において、音響出射装置から容器500への音響エネルギーの伝搬を促進するように、好ましくは、棚590は完全に、あるいは部分的に開いた底を有している。複数容器の取り扱いを手助けするように、好ましくは、容器500は他の一つと、音響上おおよそ区別可能でなく、それぞれに埋め込まれた識別マークを機械が読み取ることにより、他の一つと一意的に識別可能である。
加えて、棚590はさらに、適切な容器500の個数および並べ方を受け入れるように構成されている。例えば、商業上使用できる棚は、96個、384個、1536個、または3456個の容器の配置に適合しえるが、棚は、これよりも多い、もしくは少ない個数の容器に適合してもよい。適切な棚の製造業者は、ニューハンプシャー州ハドソンのサーモフィッシャーサイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific, Hudson, New Hampshire)およびマサチューセッツ州チェムスフォードのブルックスオートメーション有限会社(Brooks Automation, Inc. Chelmsford, Massachusetts)である。加えて、操作の間のそれぞれの容器の音響出射装置を連携させるために必要な動きおよび時間の総量を削減
するために、容器の中心は、隣接する容器の中心から約1cm超、例えば、約1.5mm超、約1mm超、または約0.5mm超離れない位置に配置されることが好ましい。これらの寸法は、最大容量までの容器のサイズを制限することがある。例えば、容器500は、約1mL超、例えば、約200μL超、約10μL超、または約1μL超の流体を収容しないように構成され得る。なお、これらの比較的小さな形状のために、このような容量、例えば、10μL以下、または、1μL以下の容量の容器は、従来のラベル、例えば、紙および接着剤由来のラベルを使用してラベル貼りされることには適さないかもしれない。このため、このような従来の容器は、従来通りにラベル貼りされた棚の中の、既知の位置にこれらが配置されることによって識別されてもよい。しかしながら、その位置の容器の使用に続いて、その位置から容器を除去すると、容器は、互いにもはや識別できないため、再利用には適していないかもしれない。したがって、このような容器は従来では廃棄される。対称的に、埋め込まれた識別マークを有する本容器は、どのような適当な回数でも適切に再利用されてもよく、例えば、棚590から取り除かれ、適切に保存され、そしてさらなる適当な回数の使用のために取り出されてもよい。そのようなものとして、埋め込まれた識別マークを有する本容器は、そうでなければ廃棄される流体の再利用を手助けするかもしれない。加えて、たとえ従来の容器に対する紙由来のラベルの適用が実施できるとしても、このようなラベルは本識別マークよりも長持ちせず、加えて、このようなラベルは、特に、ラベルが容器の底に適用されている場合には、容器からの音響出射に干渉するかもしれない。
図5に描かれるように、棚590が容器500の配置を所蔵するように構成されているとき、それぞれの容器は、個別に、効率的に、および体系的に位置指定されてもよい。どのような種類の配置でも採用されるが、配置は一様に間隔をあけられた容器の平行な列を含むことが好ましい。典型的には、必須ではないが、それぞれの列は同じ個数の容器を収容できる。例えば、容器のX行とY列を含み、XとYとがそれぞれ少なくとも2である直線の配列が使用されてもよい。いくつかの例において、XはYよりも大きくても、Yと同数でも、あるいはYよりも小さくてもよい。加えて、非直線の配列のみならず、他の幾何学も採用されてもよい。例えば、六角形、螺旋、およびその他の種類の配列が同様に使用されてもよい。いくつかの例において、棚590は容器の不規則な形態に適合するように構成されていてもよい。
識別マークを有する本容器は、どのような適切な応用にも適切に使用されることが明らかであるだろう。本容器は音響出射と適合可能に構成されていることを記載されているが、容器は、マイクロピペッティング(micropipetting)、ピンスポッティング(pin spotting)、インクジェット印刷、および同様の、他のいずれかの適切な流体保存あるいは分
析技術と適合可能に構成されていてもよいことが理解されるだろう。実際、識別マークを有する本容器は、何れかの品目もしくは材料を保存することに適切に使用されてもよい。
加えて、上述したように、音響出射および/または音響分析を用いて生物学的サンプルを処理(例えば、生物学的サンプルの最終、移動、保存、および/または分析)する全ライフサイクルを簡略化できる、サンプル容器に対する需要があり、それぞれが多様な流体を保存するように構成されていてもよい、複数貯蔵器がこれに含まれる。いくつかの実施形態において、複数貯蔵器は多様な異なる個々の流体の濃縮物を、それぞれ保存するように構成されている。
例えば、貯蔵器から引き出す容量と同様のより小さな貯蔵器を音響が可能にすることにより、従来の大きさの一般的な円筒形の容器内で規定される複数貯蔵器を有することが可能であり、使用可能である。例えば、ここに提供されているように、従来のマイクロプレートフットプリント、例えば、ラボサイト有限会社(Labcyte Inc. Sunnyvale, California)から使用可能な、1536列デッドボリューム(low dead-volume, LDV)マイクロプ
レートのような、96、385、1536、3456のウェルを有するマイクロプレート内において使用、および従来のロボットシステムを使用する、貯蔵や取り出しのために構成された容器は、これらに複数貯蔵器を含むように適切に適合されてもよい。その結果、従来のシステムを用いた音響出射において、適切に保存、取り出し、および分析もしくは使用されてもよいサンプルの数は劇的に増える可能性があり、保存、取り出し、分析、および使用の効率は、劇的に向上するかもしれない。加えて、他にも、ピペット、毛細管、ピン器具、または、例えば、庁臓器の中からサンプルの容量を引き出し、他の場所へ移動させる固体移動装置に基づくその他の手段のような、非音響の流体の取り扱い手段が、本貯蔵器からのサンプルの引き出しに適切に使用されてもよいことにも言及されるべきである。
なお、従来のチューブの優位性が柔軟性ならば、これらは隣り合うチューブと選択可能および交換可能に提供され、複数庁臓器が含まれるようにチューブが構成される代わりに、直観に反するように見える可能性があり、それは他の一つと分離できないかもしれない。しかしながら、流体の一つの望ましい商業的な利用は、例えば、流体が薬品のような化合物からなる場合、比較的素早くかつ好都合に用量反応曲線を構築できる能力である。本発明の模範的な実施形態において、同じチューブの中の各々の貯蔵器内に、流体の複数の濃縮物を保存することは、例えば化合物または薬品である、流体の濃度が異なるが含有率が同じに構築する工程を、複数の分離可能なチューブの分離取り出しなしで、速めることができる。加えて、比較的少量の同じ化合物もしくは薬品について、音響を利用して用量反応曲線を構築できるため、何れかの与えられた化合物の濃縮物の消費は、比較的低く抑えられるかもしれない。いくつかの実施形態において、同じチューブに化合物の多様な濃縮物を配置することは、取り出しを単純化させるかもしれない。これは、チューブの取り出しおよび調製が多様な濃縮物、例えば、4つの濃縮物を適切に供給するかもしれない。加えて、このようなチューブの構成は、1つの貯蔵器のみを有する同様のチューブを使用して達成されるかもしれないものと比較して、同じ空間のいくつかの多様な濃縮物、例えば、4Xの数の濃縮物を提供する貯蔵空間の使用を改善するかもしれない。
加えて、本チューブは任意に、他の1つとのコレクション、例えば、他の1つとの積層で保存されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、本チューブの高さは、積層を容易にできるように、保存する流体に対して要求される高さよりも長くてもよい。例えば、本チューブはキャップを受け入れられるように構成されてもよく、1つのチューブのキャップの頂点は、例えば、他の1つのチューブの底と連結するように、他の1つのチューブの底に係合するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態において、本発明に係るチューブに連結されてもよいチューブは、複数貯蔵器を有していてもよく、これにより、一回の取り出し動作を利用して取り出される流体の数のさらなる増大を可能にする。一つの実例となる実施形態において、二つの積層されたチューブはそれぞれの中に規定された4つの貯蔵器を含んでいてもよく、それぞれのそのような貯蔵器は、異なる流体の濃縮物を含んでいてもよい。結果として、このような積層の取り出しは、一度に8つの流体の濃縮物を取り出すことができ、これにより、単一の抽出に基づき8点における用量反応の素早い調製を促進させる。なお、チューブの何れの適切な数および種類においても、他の1つと混合および適合されてもよい。例えば、与えられた積層は、複数貯蔵器、例えば、4つの貯蔵器を含む、いずれかの望ましい数のチューブを含んでいてもよく、異なる数の複数貯蔵器、例えば、2つの貯蔵器を含む、いずれかの望ましい数のチューブを含んでいてもよく、単一の複数貯蔵器を含む、いずれかの望ましい数のチューブを含んでいてもよい。例えば、現行の貯蔵システムは、元から多くのチューブの配置に適合するように設計されているかもしれないが、代わりに、それぞれ望ましい数、例えば、2つまたはそれ以上、または3つまたはそれ以上、または4つまたはそれ以上、または5つまたはそれ以上、またはさらに10個またはそれ以上の数の、キャップ付の本チューブの積層の配置の貯蔵を適切に可能にする可能性があり、一つ以上のこのようなチューブは、複数の貯蔵器、例えば、4つの貯蔵器を含んでいるかもしれない。
なお、何れかの適切な数の貯蔵器は、本サンプルチューブの中に提供されていてもよく、何れかの適切な一つ以上の流体は、一つ以上のこのような貯蔵器の中に保存されてもよい。例えば、上述のように、このような流体は、様々な化合物、例えば、薬品の濃縮物を有していてもよい。希釈の手順は、何れかの望ましい濃縮の範囲を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、様々な濃縮物が、半分の記録される工程において提供されてもよい。しかしながら、濃縮物は、チューブの中の濃縮の全ての記録される工程の間、介在する半分の記録される工程において満たされる、3滴と同様に、1滴を使用した、半分の記録される工程において、10Xの工程において提供されてもよく、16点において使用されてもよい。
結果として、複数貯蔵器を含む本チューブ(容器)は、元から大きなチューブの使用、本チューブの貯蔵および取り出しのために設計されているかもしれない既存のチューブ貯蔵機器の使用を適切に促進させることができ、これにより、他の潜在的な応用例の間で、用量反応構成における貯蔵の効率性および実用性を向上させるかもしれない。
図6A−6Bは、本発明のいくつかの実施形態に係る、サンプルがそれぞれ他から独立し、任意に容器の貯蔵器の底の厚みにおいて、音響的に区別可能な違いを含む、一つ以上の貯蔵器を有する略円筒形状の、1つの取り出し可能なサンプル容器を示す概略図である。これらの図は、他の図と同様に例示に過ぎず、請求の範囲を不当に制限するべきではない。通常の当業者は、多くの変化、代替、変形を認識するだろう。
図6Aは、例えば、断面図がおおよそ円形となる、「略」円筒形状とも言い表されてもよい、おおよそ円筒形状を有する例示的な容器600を図解している。しかしながら、容器600の断面は他の適切な幾何学であってもよく、断面に、例えば、おおよそ三角形、もしくはおおよそ矩形、もしくはおおよそ正方形、もしくはおおよそ五角形、もしくはおおよそ六角形、もしくは何れかの適切な数の辺を有していてもよく、実際には、何れかの規則的な、もしくは不規則な形状を有していてもよいことが評価されるべきである。加えて、容器600の断面は、主軸604の間で変化してもよい。例えば、容器600は、例えば、容器600の一端における断面が、容器600のもう一方の端の断面よりも小さく、あるいは大きくなるような、テーパを有していてもよい。例えば、容器600が型で形成される場合、このようなテーパは、型から容器600を取り外すのを促進させることができる。
複数の貯蔵器601は、容器600の内部に規定されてもよく、例えば、主軸604と平行な方向に、容器600の少なくとも一部分に沿って伸びていてもよい。好ましくは、貯蔵器601はおおよそ円形の断面を有していてもよい。しかしながら、貯蔵器601の断面は他の適切な幾何学であってもよく、断面に、例えば、おおよそ三角形、もしくはおおよそ矩形、もしくはおおよそ正方形、もしくはおおよそ五角形、もしくはおおよそ六角形、もしくは何れかの適切な数の辺を有していてもよく、実際には、何れかの規則的な、もしくは不規則な形状を有していてもよいことが評価されるべきである。加えて、貯蔵器601の断面は、主軸604の間で変化してもよい。例えば、貯蔵器601は、例えば、貯蔵器601の一端における断面が、貯蔵器601のもう一方の端の断面よりも小さく、あるいは大きくなるような、テーパを有していてもよい。例えば、貯蔵器601が型で形成される場合、このようなテーパは、型から容器600および貯蔵器601を取り外すのを促進させることができる。容器600は、適切な数の貯蔵器601、例えば、2つまたはそれ以上、または3つまたはそれ以上、または4つまたはそれ以上、または5つまたはそれ以上、または6つまたはそれ以上、または10個またはそれ以上の数の貯蔵器601を含んでもよいことが理解されるべきである。加えて、容器600内のこのようなそれぞれの貯蔵器601は、一つ以上のこのような貯蔵器から独立して選択された形状及び大きさを有していてもよいことが理解されるべきである。好ましくは、容器600内に規定されたそれぞれの貯蔵器は音響出射のために設計されてもよい。加えて、それぞれの貯蔵器601は、容器600内の貯蔵器の独自の識別の助けになるように、任意に、他の1つの音響的に区別可能なように構成されていてもよい。例えば、図6Bに描かれるように、それぞれの貯蔵器601は、任意に、貯蔵器601の底がそれぞれの貯蔵器の下に異なる厚みを有するように構成されていてもよい。例えば、容器600の底は第一の貯蔵器601の下に厚みh1を有していてもよく、第二の貯蔵器601の下に厚みh2を有していてもよい。このような厚みの違いは、任意に、例えば、図7を参照して下記により詳細に説明される方法において、このような貯蔵器601内の流体の濃縮物を特定できるように、容器600内の個々の貯蔵器601を特定するために使用されてもよい。
再び図6Aを参照すると、貯蔵器601はそれぞれが流体、例えば、流体の液滴を出射するように、音響エネルギーが伝搬されてもよい流体を受け入れるように構成された容積を規定してもよい。例示的な実施形態において、容器600は、10cm以下、または6cm以下、または2cm以下、または1cm以下、または1mm以下、または100μm以下の高さを有する。例示的な実施形態において、容器600は、5cmまたは以下、または2cm以下、または1cm以下、または0.5cm以下、または1mm以下の直径を有する。例示的な実施形態において、それぞれの貯蔵器601は、独立して、1cm以下、または0.5cm以下、または1mm以下、または100μm以下の直径を有する。
いくつかの実施形態において、一つ以上の貯蔵器は他の少なくとも一つ以上の貯蔵器の容積と異なる容積を有している。例えば、貯蔵器はそれぞれ、他の一つと異なる容積の流体を保持するように構成されていてもよい。図示されるように、容積の違いは重要であるかもしれない。例えば、一つの貯蔵器が他の貯蔵器よりも少なくとも10%大きい容積を有していてもよく、例えば、一つの貯蔵器が他の貯蔵器よりも少なくとも50%大きい容積を有していてもよく、例えば、一つの貯蔵器が他の貯蔵器よりも少なくとも100%大きい容積を有していてもよく、例えば、一つの貯蔵器が他の貯蔵器よりも少なくとも400%大きい容積を有していてもよい。
好ましくは、容器600の提供に使用される材料は、貯蔵器601の中にそれぞれ収容されようとする流体と適合可能である。このため、貯蔵器601がアセトニトリルのような有機溶剤を含むようなとき、アセトニトリルを溶解または膨張させる重合体は、容器600を形成に使用するのには適していないであろう。同様に、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含むことが意図された貯蔵器は、好ましくはDMSOと適合可能である。水性の流体に対して、多くの材料が容器の構成に適しており、これに限られないが、酸化シリコンおよび酸化アルミニウムのようなセラミックス、ステンレス鋼および白金のような金属、およびポリエステルおよびポリテトラフルオロエチレンのような重合体が含まれる。感光性を有する流体に対して、容器600は、実質的に弱められていない装置の機能に対して十分な音響透過性を有している光学的に不透明な材料から構成されていてもよい。容器600とその中の貯蔵器601とは、型による成形、機械加工、鋳造、圧伸、または三次元印刷のような任意の適した技術を使用して調製されてもよい。上述のように、流体を密封するような閉じた容器を形成できるように、後で容器にキャップが適切に適用されてもよい。
図7は、本発明のいくつかの実施形態に係る、音響出射システムとの結合において、互いからサンプルが独立している一つ以上の貯蔵器を有する、おおよそ円筒形状の回収可能なサンプル容器を示す概略図である。
図7に描かれた実施形態において、容器700は好ましくは軸対称、例えば、容器の基部706から上方に延びる複数の側壁711を有し、容器700の中に複数の貯蔵器701を規定し、複数の開口707において終結する、円筒形状のものであるが、それでも他の容器の形状が使用されてもよい。容器基部706の材料および厚みは、好ましくは、音響放射がそこを通り、貯蔵器601の内部にそれぞれ収納された流体の中を透過させるように構成されている。加えて、図6Bを参照して上述されているように、容器基部706の厚みは、音響出射システムを使用してそれぞれの貯蔵器の独立を促進するように、任意にそれぞれの貯蔵器701の下で異なっていてもよい。例えば、貯蔵器の底における音の反射の経過時間は、1つの貯蔵器を他と区別するために使用されてもよい。例えば、第一貯蔵器において、底706は最も薄くなるように設計されていてもよい、厚さh1を有していてもよく、第二貯蔵器において、底706はh1よりも厚い厚さh2を有していてもよく、反時計回り(もしくは他のいずれかの望ましい配列)で、容器700の中の他のいずれかの貯蔵器においても、以下同様である。下記により詳細に記述されるような音響出射器740が容器に与えられているとき、貯蔵器701の底からの音響反射に基づく音波探知測定は、どちらの容器の貯蔵器がどちらであるかの決定に使用されてもよく、それぞれの貯蔵器に対して、変換器がそれ自身を集中させることを可能にするために使用されてもよい。
この点において、例えば、それぞれの貯蔵器の下の底706の厚みの違いによる、音響上読み取り可能な独立および/または整列マークの例示的な有利性は、このようなマークが、例えば、容器からの出射に使用される同じ変換器と適合可能に作られていてもよく、記録または予め決定した配置に再配置するであろう、外部の中継拠点へのセンシングと作動との両方が同じ装置または同様の装置によって実行されてもよいことが評価されるべきである。しかしながら、代替の実施形態は、音響上読み取る必要が無く、むしろ、容器のウェルの回転配置および独立性を決定するキー溝または(バーコードまたは指標のような)光学マークの使用のような、商業技術上よく知られている、他の配置マークを含む。他の多くのパターンまたは光学的に区別可能な特徴が、多くのウェルに順応させることが可能であろうことが評価されるべきである。
好ましくは、必須ではないが、容器基部706は略平行で、側壁711の主軸に略垂直に方向づけられ、音波を受け取り、選択された一つの貯蔵器701の中に配置された流体703へ音波を伝搬するように構成されている。例えば、容器700は音響放射を生成するための音響放射発生器741と、出射される液滴から、流体703の焦点に音響放射を収束させるための音響レンズ743とを含む、音響出射器740と表面704の近傍にて係合されてもよい。音響放射発生器は、例えば圧電素子の、分析器によって広く共有される変換器742を含む。描かれた実施形態において、制御部と分析器の構成要素との両方の役割を有する、組み合わせるユニット745が提供される。例えば、制御部としての操作において、組み合わせるユニット745は、機械的および音響エネルギーに変換される電気エネルギーとともに、圧電素子742が提供されてもよい。あるいは、例えば、分析器の構成要素としての操作において、組み合わせるユニットは、変換器からの電気信号を受け取り、分析してもよい。電気信号は、変換器による機械的および音響エネルギーの吸収および変換の結果として生成されてもよい。組み合わせるユニット745は、任意に、例えば、音響反響の経過時間に基づいて、それぞれの貯蔵器が特定できるように、貯蔵器701の底から反射された音響反響を解析できるようにも構成されている。加えて、かつそれぞれの貯蔵器701の下において、底706の厚みが変化しているかどうかとは無関係に、組み合わせるユニット745は、任意に、音波探知機を通じてそれぞれの貯蔵器701の中心を検出できるように構成されていてもよい。例えば、音響出射器740は、音響放射発生器741と、音響レンズ743と、音響結合媒体744とを、容器700と相対的に、あるいは反対に、動かすように構成された(特に図示されていない)動作システムを含んでいてもよい。そうではなく、例えば、前持ったプログラミングによって、それぞれの貯蔵器701の位置が、組み合わせるユニット745を使用可能としない位置にある実施形態においては、組み合わせるユニット745は貯蔵器701の底からの音響反響を使用して、それぞれの貯蔵器701の中心を識別できるように構成されてもよく、望ましい貯蔵器701の中において適する位置において、音響レンズ743の焦点が中心となるように、容器700と相対的に音響出射器740を動かせるように、動作システムを制御するように構成されていてもよい。組み合わせるユニット745はさらに、例えば、それぞれの貯蔵器701から流体の液滴を出射できるように、一つ以上の異なる望ましい貯蔵器701の中の適する位置において、音響レンズ743の焦点が中心となるように、容器700と相対的に音響出射器740を続けて動かせるように、動作システムを制御するように構成されていてもよい。
図7に示されるように、音響レンズ743は音響放射の収束のための、窪んだ表面を有する単一個体要素を含んでいてもよいが、レンズはよく知られている他の方法において構成されていてもよい。このため、音響出射器740は、容器700、ひいては流体703と音響的に結合しているとき、表面704から流体の液滴を出射できるように、音響放射を発生および収束させるように適合させてもよい。音響放射発生器41およびレンズ743は、装置の望ましい実行に基づいて、単一の制御部によって制御される単一ユニットとして機能してもよく、あるいは、これらは独立して制御されていてもよい。典型的には、液滴配置の精度および液滴の大きさと速度との整合性を、単一の出射器においてより容易に獲得するために、単一の出射器の設計は複数の出射器の設計も望ましい。
出射器740と個々の貯蔵器701それぞれと、ひいてはこの中の流体とを音響的に結合させる方法も多くある。かかる一つの方法は、例えば、米国特許第4,308,547号(Lovelady et al.)に記載されている、分割電極を有した半球状結晶から構成されるレンズが出射される流体に埋もれる、直接接触を通じるものである。上記特許はさらに、
流体の表面またはその下に、レンズが位置してもよいことを開示している。しかしながら、このレンズと流体との音響的結合のための提案は、二次汚染を防ぐためのレンズの繰り返される洗浄が必要であろうことから、複数の容器または貯蔵器の異なる流体の出射に出射器が使用されるときは望ましくない。洗浄工程は、液滴出射の事象ごとの移動時間を、必然的に長時間化させるだろう。加えて、このような方法において、出射器をそれぞれの容器から取り除くとき、出射器に流体が付着し、高価または貴重かもしれない材料を無駄に消費するだろう。
したがって、1つの例示的な提案は、出射される流体の何れかと、出射器のいずれかの部分、例えば、レンズ743とを接触させることなく、容器との音響的結合がされるだろう。このために、出射器740は、貯蔵器701からそれぞれ液滴を出射するために、容器700との音響的結合を、それに埋もれることなく、制御され繰り返し可能な位置に置かれていてもよい。
例えば、図7に描かれているように、出射器と容器700との間の間接的な接触によって、音響的結合が達成されてもよい。例えば、音響結合媒体744は、互いに前もって蹴ってされた距離を離して位置している出射器と容器とにおいて、出射器740と容器700の基部706との間に配置されてもよい。音響結合媒体744は、音響結合流体であってもよく、好ましくは、音響レンズ743と容器700の基部706との両方と、等角に接触する音響的に単一の物質が好ましい。好ましくは、音響結合媒体744は流体媒体自身と音響上の性質が異なる材料をおおよそ使用していない。さらに、音響結合媒体744が、音圧および強度の重大な低減なく、音響レンズ743から底の表面706および容器700の中への音響放射の移動を促進する、音響上の性質、例えば、音響インピーダンスを有する材料を含むことが好ましい。例えば、図7に描かれるように、音響結合媒体744は、音響放射発生器741によって発生した音波が、レンズ743によって、容器700の中へと音波が伝搬する音響結合媒体744へと向けられるように、容器700を音響レンズ743と結合させてもよい。例えば、組み合わせたユニット745は、選択された一つの貯蔵器701の下において、レンズ743を中心とするように、(特に図示されない)動作システムを制御してもよい。好ましくは、音波は流体の少なくとも一つの液滴709を出射するために、貯蔵器701の中の流体703の表面704近傍の焦点708に収束される。さらなる例示的な音響出射システムとその使用との詳細のために、米国特許第6,938,995号および第7,900,505号を参照されたい。
図8A−8Cは、本発明のいくつかの実施形態に係る、単一または他の容器との組み合わせ、例えば、他の容器との積層において、複数貯蔵器を有するサンプル容器の保管のための例示的な構成を図解している。例えば、図8Aは、複数貯蔵器、例えば、4つの貯蔵器を含むサンプル容器が他の容器から分かれて保存されてもよい、例示的な実施形態を図解している。図8Bは、それぞれが独立して一つ以上の複数貯蔵器、例えば、4つの貯蔵器を含んでもよいサンプル容器の一対が、1つのコレクションに共に保管されてもよい、例えば、積層されてもよい、他の例示的な実施形態を図解している。図8Cは、それぞれが独立して一つ以上の複数貯蔵器、例えば、2つが4つの貯蔵器を含み、他の1つが1つの貯蔵器を含んでもよい3つのサンプル容器が、1つのコレクションに共に保存されてもよい、例えば、積層されてもよい、他の例示的な実施形態を図解している。上述のような、このような堆積、例えば、積層は、流体の保存、取り出し、および分析の効率性を促進させる。例えば、図8Bに描かれた積層または図8Cに描かれた積層において、積層の中の様々な貯蔵器が、同じ流体の異なる濃縮物を含んでいてもよい。したがって、このような積層の1つの取り出しはこのような濃縮物を取り出してもよく、これにより素早い分析と音響出射を促進し、例えば、容量反応曲線の素早い調製を促進できる。代替として、与えられた積層における容器内部の一つ以上の貯蔵器が、他の1つとは関係しない流体を保存してもよく、したがって、このような積層の一つの取り出しは、このような関係しない流体を適切に取り出してもよい。図8B−図8Cに見られるように、それぞれの容器はキャップと、他の一つの容器の基部と係合してもよい、例えば、連結してもよい一つの容器のキャップとを含んでもよい。
本発明のいくつかの実施形態において、図9Aは、組み合わせ、例えば、貯蔵と取り出しのための複数貯蔵器を有する略円筒の容器の積層の貯蔵のための例示的な棚を図解し、図9Bは、分析または音響出射のための複数貯蔵器を有する略円筒の容器を個別に保持するための、例示的な棚を図解している。これらの容器は、音響移動を促進させるために開けることができる、使い捨ての封止、または複数回使用する蓋(キャップ)または複数回使用する隔膜のより好ましい実施形態によって、封止または蓋(キャップ)をされて保存されてもよい。好ましくは、必須ではないが、容器と蓋とは、略円筒形の外形に積層可能である。また、容器と蓋との、積層の分離、蓋の開封、再び蓋をすること、再び積層することは、それらの従来技術として知られているさまざまな方法で実現されてもよく、取り出し、積層、または積層の分離の工程および容器の中の材料の保全を促進させる、本発明とともに使用されてもよい、将来的に出現するだろう他の方法が考えられる。図9Aに描かれた例示的な実施形態において、複数の容器900はその中に、棚901の中に規定された複数の穴902それぞれの中に積層され、保存された、複数貯蔵器を有する。望ましい時間において、音響分析または出射のために、容器900の一つ以上の積層は取り除かれてもよく、それから、棚990の中のそれぞれの空間内に、容器は設置(必要であれば積層の分離および蓋の開封)をされてもよい。このような音響分析または出射の後、その後の時間までの保管のため、必要であれば、容器は、棚901の中に規定された穴の中に、再び積層および/または蓋をされてもよい。容器の積層の取り扱いのための適した棚の機構の例として、その全内容が、全ての目的のために参照によって援用される、欧州特許出願公開EP1348485号を参照されたい。
図10A〜図10Bは、本発明の幾つかの実施形態に係る各ウェル内に異なる濃度で貯蔵または取り出しするために、略円筒外観を有する連結されたアセンブリとして積み重ねられた、対応する封止(又は蓋またはキャップ)を有する複数のサンプル容器表面の例示的なコレクション集合体を示す概略図である。図10Aに描かれた実施形態において、蓋を有し容器に対する構成物の外形が略円筒形状である、3つのサンプル容器が積層された構成が示されている。図10Aに具体例として示されている容器の積層の取り出しは、1つが、一番上において、1倍に指定された、単一貯蔵器の容器の高濃度の化合物の溶液と、濃度が希釈の度合いに応じて、3倍、10倍等に指定された、それぞれの複数貯蔵器の低濃度の化合物の溶液とを有する一つの容器の混合された積層を示す。これはおおよそ、濃縮物の半分の対数の希釈段階に一致する。これらの容器とともに、濃度の範囲は4対数、すなわち1倍から10000倍である。これらの濃縮物、またはいずれかのその他の望ましい濃縮物は、容器の積層の様々なウェルの中に、何れかの順序で適切に並べられる。例えば、前もって作られた連続する溶液の移動に対してより敏感である構成(例えば、図9A)と、一つの容器から他への、溶液の構成に対する他の構成(例えば、図9A)との、異なる構成が図9Aおよび9Bに示されている。例えば、一つの図解される実施形態において、1つの容器のウェルの1部分が、図10Bに示される図解された実施形態のように、積層の二つの下の容器の間で、1〜3段階を構成する他の容器のウェルの中で、2部分の希釈とともに混合されてもよい。図10Bのような連続する希釈の一続きを有する容器の積層の取り出しは、例えば、これらそれぞれの同量が、分析用のウェルに一致するように移動させられたとき、4対数の範囲かつ半分の対数の段階の分析の、素早い構成を促進させることができる。半分の対数の段階が図示されているが、濃縮物の貯蔵における段階は、2または10のように、大きいまたは小さい、異なる数であっても適切であるかもしれない。10の場合、すなわち対数の段階の場合、半分の対数の段階を満たすウェルから、移動された量を変化させることにより、中間の構成が構成できる。例えば、濃度が対数の段階と一致するように、容器が1倍、10倍、100倍などを、この順で保持している場合、半分の対数の段階における用量反応分析は、異なる量の液滴の音響移動を通じて、一連の分析用のウェルにおいて構成されてもよい。このような例において、1倍の濃縮物のウェルからの液滴は、最も高い濃度の分析用のウェルを形成してもよく、1倍の液滴と同量であるが10倍の希釈から移動された3滴の液滴は、二番目に高い濃度の分析用のウェルを形成してもよく、前述の10倍の希釈からの同量の1滴の液滴を三番目に高い濃度の分析用のウェルへ、100倍の希釈からの3滴は次の分析用のウェルを形成してもよく、以下同様であってもよい。これらの技術は、容量反応分析を構成する様々な容積とともに満たされた中間値のように、異なる濃度すなわち希釈(例えば、ちょうど上述したような対数の段階、または他の希釈)の多くの構成を設計できることが評価されるべきである。貯蔵器が、分析の構成に対して望まれている、希釈を運ぶ、あるいはサンプルまたはその他の材料を制御するために使用されてもよいことが考えられる。一つの例において、与えられた容器の中、または、例えば、容器の積層の、コレクションの中のサンプルは、他の1つと関連してもよい。例えば、関連は、分別(例えば、遠心分離)、流体クロマトグラフィ(LC)余水、患者から取得されたサンプルの時系列、または近親者からのDNAサンプルなどからなってもよい。
なお、いくつかの実施形態において、音響分析または出射のためのふさわしい位置に、貯蔵器が並べられるように、本容器を回転させることが望ましいかもしれない。このような配置、例えば、視覚法において読み取ることができる容器構成における幾何学的特徴に対する望ましい方法は、本容器を用いた使用に対して適切に適用されてもよい。加えて、上述のように、ウェルの独立を可能にする一つの方法は、チューブにおいて音響的に識別可能な特徴を有することである。例えば、このような特徴は、容器の底において存在し、チューブが音響読み取り機または移動装置にあるときに、検知されるように設計されていてもよい。一つの好ましい実施形態は、チューブの中のウェルに対する参照を提供する、他からある程度異なる厚みの一つ以上のウェルを有することである。チューブの底とそれぞれの貯蔵器の底との間における、音の経過時間は、チューブ内部の貯蔵器の配向/独立を決定するために使用されてもよい(例えば、これを貯蔵器#1、#2、#3、または#4とする)。その全内容が、全ての目的のために参照によって援用される、「埋め込まれた識別マークを有する音響出射に適合したサンプル容器」(“Sample Containers Having
Identification Marks Embedded Therein and Being Adapted for Acoustic Ejections.”)と題された、2014年1月14日に出願された米国仮出願第61/927,395
号と同様に、この点について他でより詳細が記載されているように、これらの分割可能な複数貯蔵器チューブそれぞれは、識別マークを提供されていてもよい。例えば、図9Bは容器900のそれぞれに配置された、例示的な識別マーク980を図解している。このような識別マークの使用は、純粋に任意であることも理解されるべきである。
本発明の非限定的な一態様によれば、容器は、前記容器の内面および外面を規定しているチューブ状側壁を含む。前記チューブ状側側壁は、互いに対して当該チューブ状側壁の主軸に沿って配置されている第1領域および第2領域を含む。前記容器はさらに、上記第1領域内の上記チューブ状側壁に関する複数のセクターにおいて、当該チューブ状側壁内に埋め込まれている識別マークを含む。各セクターは幅を有しており、前記識別マークは、任意かつ不定の1つ以上の上記セクターを見るリーダーによって機械可読である。例示としては、図1A,1B,1C,2A,2B,2C,2D,3B,4A,4B,4C,5,および9Bを参照して、そのような容器を上述した。
幾つかの実施形態において、上記識別マークは、上記側壁において規定される複数の溝を含み、上記複数の溝は、バーコードを規定している。例えば、上記バーコードは1次元バーコードを含んでもよく、上記溝は上記チューブ状側壁の上記主軸に実質的に垂直に伸びてもよい。又は、例えば、上記バーコードは2次元のバーコードを含んでもよく、
上記溝は2次元幾何学模様を規定してもよい。上記複数の溝は、上記容器の上記内面に規定されてもよい。又は、上記複数の溝は、上記容器の上記外面に規定されてもよい。
幾つかの実施形態において、上記識別マークは、幾何学模様に基づく上記チューブ状側壁の機械可読なテクスチャの変化を含む。例えば、上記機械可読なテクスチャの変化は、1つ以上のレーザスクライビング(laser scribing)、化学的エッチング、加熱、焼成、放射、または、粘着材料の転写を用いて形成されることができる。幾つかの実施形態において、上記粘着材料は、上記チューブ状側壁と同じ色を有する。幾つかの実施形態において、上記粘着材料は、上記チューブ状側壁と異なる色を有する。
幾つかの実施形態において、上記識別マークは、バーコードを規定している。例えば、上記バーコードは、1次元バーコードを含むことができる。又は、例えば、上記バーコードは、2次元バーコードを含むことができる。
幾つかの実施形態において、上記容器は、上記チューブ状側壁の上記主軸に実質的に垂直に向けられている実質的に平坦な底をさらに含み、当該実質的に平坦な底は、音波を受け、上記第2領域内に配置されている流体に上記音波を伝達するように構成されている。
幾つかの実施形態において、上記第2領域における上記チューブ状側壁の一部は、当該チューブ状側壁の上記主軸に沿って実質的に平坦であり、上記実質的に平坦な一部は音波を受け、当該音波を上記第2領域内に配置されている流体に伝達するように構成されている。
幾つかの実施形態において、上記識別マークは、実質的に上記第1領域内のみに配置されている。
幾つかの実施形態において、上記チューブ状側壁は、上記第1領域および第2領域に関する上記チューブ状側壁の上記主軸に沿って配置されている第3領域を含み、当該第3領域は、蓋を受けるように構成されている。
幾つかの実施形態において、上記識別マークは、上記容器の上記内面および外面の一方の内部に埋め込まれており、上記各セクターの幅は、上記容器の上記内面および外面の上記一方の周の約10%以下である、請求項1に記載の容器。
幾つかの実施形態において、複数の上記セクターは、互いに隣接している。
幾つかの実施形態は、上記容器の上記外面に貼られたラベルをさらに含み、当該ラベルは、上記セクターのうちの少なくとも1つを覆う。上記ラベルは、上記セクターのうちの少なくとも1つを覆う。上記識別マークは、当該ラベルを見る上記リーダー、および、当該ラベルによって覆われていない任意かつ不定の1つ以上の上記セクターを見ることによって機械可読であり、上記ラベルおよび上記1つ以上の上記セクターは、上記容器の外面の周の約5%以下互いに分離されている。
このような容器の何れも、状況に応じて、その中に規定される複数の貯蔵器を含むことができる。
本発明の非限定的な別の一態様によれば、容器を調製する方法は、上記容器の内面および外面を規定しているチューブ状側壁を設けることを含み、前記チューブ状側壁は、で互いに対して当該チューブ状側壁の主軸に沿って配置されている第1領域および第2領域を有している。上記方法は、上記第1領域内の上記チューブ状側壁に関する複数のセクターにおいて上記チューブ状側壁内に識別マークを埋め込むことを含み、各セクターは幅を有し、当該識別マークは、リーダーが上記セクターのうちの任意かつ不定の1つ以上を見ることによって機械可読である。例示としては、図1A,1B,1C,2A,2B,2C,2D,3B,4A,4B,4C,5,および9Bを参照して、そのような容器を上述した。
状況に応じてこのような任意の方法によって調整された上記容器は、その中に規定された複数の貯蔵器を含むことができる。
本発明の非限定的な別の一態様によれば、上記略チューブ状容器は、略チューブ状容器に規定されている複数の貯蔵器を含む。例示としては、図6A,6B,7,8A,8B,8C,9A,9B,10A,および10Bを参照して、そのような容器を上述した。
幾つかの実施形態において、上記略チューブ状容器は、上記複数の貯蔵器のうちの少なくとも1つの貯蔵器内に配置されている流体の音響出射に適合されている。
幾つかの実施形態において、複数の流体は、上記複数の貯蔵器のうちの貯蔵器内に夫々配置されている。状況に応じて、上記複数の流体は、同一患者からの異なるサンプル、患者からのサンプルの異なる分画、および、異なる濃度の同一化合物、化学物質または薬物から成る群から選択される。
幾つかの実施形態において、上記貯蔵器は、上記複数の流体を互いに分離する、
幾つかの実施形態において、各貯蔵器は底を含んでおり、上記貯蔵器のうちの少なくとも1つの底は、当該貯蔵器のうちの少なくとも1つの他の底と音響的に区別可能に異なる厚さを含む。
幾つかの実施形態において、上記略チューブ状容器は、非音響流体取扱い方法を用いて上記複数の貯蔵器のうちの少なくとも1つの貯蔵器内に配置されている流体の引き出しに適合されている。幾つかの実施形態において、上記非音響流体取扱い方法は、上記貯蔵器の1つに中への固体伝達装置の挿入に基づく。幾つかの実施形態において、上記固体伝達装置は、ピペット、毛細血管、または、ピン器具である。
幾つかの実施形態において、上記複数の貯蔵器は、3つ以上の貯蔵器を含む。
幾つかの実施形態において、上記略チューブ状容器の断面は、略円である。
幾つかの実施形態において、1つ以上の上記貯蔵器は、少なくとも1つの他の貯蔵器の容積と異なる容積を有している。例えば、上記貯蔵器は各々、互いと異なる容積を備えるように構成されてもよい。例示としては、容積の差異は顕著であってもよく、例えば、 1つの上記貯蔵器は、他の上記貯蔵器の容積よりも少なくとも10%大きい容積を有してもよく、他の上記貯蔵器の容積よりも少なくとも50%大きい容積を有してもよく、他の上記貯蔵器の容積よりも少なくとも100%大きい容積を有してもよく、他の上記貯蔵器の容積よりも少なくとも400%大きい容積を有してもよく、
幾つかの実施形態において、上記略チューブ状容器は、主軸を含み、上記貯蔵器の夫々は、当該主軸に平行な方向における上記容器の少なくとも一部に沿って伸びている。
幾つかの実施形態において、上記容器は、主軸に沿って傾斜している。
このような略チューブ状容器は何れも、状況に応じて、チューブ状側壁と、当該チューブ状側壁に関する複数のセクションにおいて、当該側壁内に埋め込まれている識別マークとを含む。
本発明の非限定的な別の一態様によれば、積層された複数の略チューブ状容器で、少なくとも1つの略チューブ状容器は、当該略チューブ状容器に規定されている複数の貯蔵器を含む。例示としては、図8B,8C,9A,9B,10A,および10Bを参照して、そのような積層された複数の略チューブ状容器を上述した。例示としては、図6A,6B,7,8A,8B,8C,9A,9B,10A,および10Bを参照して、そのような容器を上述した。
幾つかの実施形態において、上記積層された複数の略チューブ状容器は、群として取り出し可能である。
幾つかの実施形態において、上記少なくとも1つの略チューブ状容器は、上記複数の貯蔵器のうちの貯蔵器内に夫々配置されている複数の流体の音響出射に適合されている。
状況に応じて、このような任意の略チューブ状容器の少なくとも1つは、状況に応じて側壁と、当該側壁に関する複数のセクションにおいて当該側壁内に埋め込まれている識別マークと、を含むことができる。
本発明の非限定的な別の一態様によれば、方法は、その中に規定されている複数の貯蔵器を含む略チューブ状容器から、流体を引き出すことを含む。例示としては、図7,8Aを参照して、そのような方法を上述した。例示としては、図6A,6B,7,8A,8B,8C,9A,9B,10A,および10Bを参照して、そのような容器を上述した。
幾つかの実施形態において、上記引き出すことは、上記流体を音響的に射出することを含む。
幾つかの実施形態において、上記流体は、上記複数の貯蔵器のうちの少なくとも1つの貯蔵器内に配置されている。
幾つかの実施形態において、複数の流体は、上記複数の貯蔵器のうちの貯蔵器内に夫々配置される。状況に応じて、上記複数の流体は、同一患者からの異なるサンプル、患者からのサンプルの異なる分画、および、異なる濃度の同一化合物、化学物質または薬物から成る群から選択される。
幾つかの実施形態において、上記複数の貯蔵器のうちの少なくとも1つの貯蔵器内に配置されている流体を引き出すことは、非音響流体取扱い方法を用いることを含む。幾つかの実施形態において、上記非音響流体取扱い方法は、上記貯蔵器の1つの中への固体伝達装置の挿入に基づく。幾つかの実施形態において、上記固体伝達装置は、ピペット、毛細血管、または、ピン器具を含む。
幾つかの実施形態において、1つ以上の上記貯蔵器は、少なくとも1つの他の上記貯蔵器の容積と異なる容積を有している。例えば、上記貯蔵器はそれぞれ、他と異なる容積の流体を保持すうりょうに構成されてもよい。例示としては、その容積の違いは顕著であってもよく、例えば、上記貯蔵器の1つは、他の上記貯蔵器よりも少なくとも10%より大きい容積を有してもよく、例えば、他の上記貯蔵器よりも少なくとも50%より大きい容積を有してもよく、例えば、他の上記貯蔵器よりも少なくとも100%より大きい容積を有してもよく、例えば、他の上記貯蔵器よりも少なくとも400%より大きい容積を有してもよい。
幾つかの実施形態において、各貯蔵器は底を含み、少なくとも1つの上記貯蔵器の上記底は、少なくとも1つの他の上記貯蔵器の上記底と音響的に顕著区別に異なる厚さを含む。
幾つかの実施形態は、上記少なくとも1つの上記貯蔵器を、上記少なくとも1つの他の上記貯蔵器と音響的に区別することをさらに含む。
幾つかの実施形態において、上記貯蔵器は、上記複数の流体を互いに分離する。
幾つかの実施形態において、上記複数の貯蔵器は、3つ以上の貯蔵器を含む。
幾つかの実施形態において、上記略チューブ状容器の断面は、略円である。
幾つかの実施形態において、上記略チューブ状容器は、主軸を含み、上記貯蔵器の夫々は、上記主軸に平行な方向に、上記容器の少なくとも一部に沿って伸びている。
幾つかの実施形態において、上記容器は、上記主軸に沿って傾斜している。
状況に応じて、このような任意の方法の上記略チューブ状容器は、状況に応じて、側壁と、上記側壁に関する複数のセクションにおいて当該側壁内に埋め込まれている識別マークとを含む。
本発明の非限定的な別の一態様によれば、方法は、群として、積層された複数の略チューブ状容器を取り出すことを含み、少なくとも1つの上記略チューブ状容器は、当該略チューブ状容器に規定されている複数の貯蔵器を含む。例示としては、図8B,8C,9A10A,および10Bを参照して、そのような方法を上述した。例示としては、図6A,6B,7,8A,8B,8C,9A,9B,10A,および10Bを参照して、そのような容器を上述した。
幾つかの実施形態において、上記少なくとも1つの略チューブ状容器は、上記複数の貯蔵器のうちの少なくとも1つの貯蔵器内に配置されている少なくとも1つの流体の音響出射のために適合されている。
状況に応じて、このような任意の方法の上記略チューブ状容器は、状況に応じて、側壁と、上記側壁に関する複数のセクションにおいて当該側壁内に埋め込まれている識別マークとを含む。
本明細書に記載されたすべての特許、特許適用例、および出願公開は、全ての目的のためにそれらの全てが参照によって援用される。しかしながら、一つ以上の明確な定義を含む何れかの特許、特許適用例、または出願公開は、参照により援用され、これらの明確な定義は、一つ以上の明確な定義を見出された、援用される特許、特許適用例、または出願公開に適用し、この適用例の本文の残り、特にこの適用例の請求には適用しないことが理解されるべきである。
本発明の具体的な実施形態が記載されているが、記載された実施形態に相当する他の実施形態が存在することが、当業者によって理解されるべきである。したがって、本発明は具体的に図解された実施形態によって限られず、付加された請求項の範囲のみによって限られることが理解される。
本発明の実施形態に係る、その中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を示す概略図である。
本発明の実施形態に係る、その中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を示す概略図である。
本発明の実施形態に係る、その中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を示す概略図である。
本発明の幾つかの実施形態に係る、音響射出及び/又は分析のための音響発生器と共にその中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を示す概略図である。
本発明の幾つかの実施形態に係る、音響射出及び/又は分析のための音響発生器と共にその中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を示す概略図である。
本発明の幾つかの実施形態に係る、音響射出及び/又は分析のための音響発生器と共にその中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を示す概略図である。
本発明の幾つかの実施形態に係る、音響射出及び/又は分析のための音響発生器と共にその中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る、その中に埋め込まれた識別マークを有するサンプル容器を調製するための例示的な方法におけるステップを示す図である。
本発明の一実施形態に係る、サンプル容器中に識別マークを埋め込むための例示的なシステムの概略図である。
本発明の幾つかの実施形態に係る、その中に埋め込まれた識別マークを有するサンプルと共に、識別マークを読みとるリーダーを示す概略図である。
本発明の幾つかの実施形態に係る、その中に埋め込まれた識別マークを有するサンプルと共に、識別マークを読みとるリーダーを示す概略図である。
本発明の幾つかの実施形態に係る、その中に埋め込まれた識別マークを有するサンプルと共に、識別マークを読みとるリーダーを示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る、ラック内の複数のサンプル容器を示す概略図である。
本発明のいくつかの実施形態に係る、サンプルがそれぞれ他から独立し、任意に容器の貯蔵器の底の厚みにおいて、音響的に区別可能な違いを含む、一つ以上の貯蔵器を有する略円筒形状の、1つの取り出し可能なサンプル容器を示す概略図である。
本発明のいくつかの実施形態に係る、サンプルがそれぞれ他から独立し、任意に容器の貯蔵器の底の厚みにおいて、音響的に区別可能な違いを含む、一つ以上の貯蔵器を有する略円筒形状の、1つの取り出し可能なサンプル容器を示す概略図である。
本発明のいくつかの実施形態に係る、音響出射システムとの結合において、互いからサンプルが独立している一つ以上の貯蔵器を有する、おおよそ円筒形状の回収可能なサンプル容器を示す概略図である。
本発明のいくつかの実施形態に係る、単一または他の容器との組み合わせ、例えば、他の容器との積層において、複数貯蔵器を有するサンプル容器の保管のための例示的な構成を図解している。
本発明のいくつかの実施形態に係る、単一または他の容器との組み合わせ、例えば、他の容器との積層において、複数貯蔵器を有するサンプル容器の保管のための例示的な構成を図解している。
本発明のいくつかの実施形態に係る、単一または他の容器との組み合わせ、例えば、他の容器との積層において、複数貯蔵器を有するサンプル容器の保管のための例示的な構成を図解している。
本発明のいくつかの実施形態に係る組み合わせ、例えば、貯蔵と取り出しのための複数貯蔵器を有する略円筒の容器の積層の貯蔵のための例示的な棚を図解する。
本発明のいくつかの実施形態に係る分析または音響出射のための複数貯蔵器を有する略円筒の容器を個別に保持するための、例示的な棚を図解する。
本発明の幾つかの実施形態に係る各ウェル内に異なる濃度で貯蔵または取り出しするために、略円筒外観を有する連結されたアセンブリとして積み重ねられた、対応する封止(又は蓋)を有する複数のサンプル容器表面の例示的なコレクションを示す概略図である。
本発明の幾つかの実施形態に係る各ウェル内に異なる濃度で貯蔵または取り出しするために、略円筒外観を有する連結されたアセンブリとして積み重ねられた、対応する封止(又は蓋)を有する複数のサンプル容器表面の例示的なコレクションを示す概略図である。