JP2021006646A - 接着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】剥離ライナーを使用せずとも、接着面を保護することができ、ブロッキングや皮膚障害を引き起こすことがない接着シートを提供する。
【解決手段】基材1の片面又は両面の少なくとも一部に接着剤層2を有する接着シートであって、接着剤層2の表面の少なくとも一部に保護層3を有することを特徴とする接着シートが開示される。接着剤層2は膨張性接着剤層であることが好ましく、保護層3は熱溶融性保護層であることが好ましい。保護層3には、帯電防止剤、着色剤、ハードコート剤、潤滑剤、放熱材、金属不活性化剤、酸化防止剤等の機能性成分を含んでいても良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、接着剤層の表面に保護層を有する接着シートに関する。
電気電子分野、自動車関連分野、土木建築分野等の各分野では、部品や部材を固定するために接着シートが用いられている。接着シートには被着体との強固な接着を実現するため、高い接着性を有するエポキシ系やアクリル系などの接着剤層が設けられている。
使用前の接着シートは、接着強度の低下を防止するため、接着剤層の表面(接着面)を異物、埃、キズ、又は劣化等から保護する必要がある。また、目的外の箇所へ意図せず接着すること(いわゆるブロッキング)や作業者の手を汚染することを防止するためにも、接着面の保護は必要不可欠といえる。
特許文献1では、熱硬化型接着剤層表面に塵や埃等の異物を付着しにくくするため、剥離ライナーを備えた熱硬化型接着テープ又はシートが開示されている。また、特許文献2では、電気部品固定用接着シートの接着面に樹脂フィルムから成るライナーを設けて取扱いを容易とする発明が開示されている。
しかし、剥離ライナーを有する接着テープ又はシートは、連続して部材を組み立てる自動工程において、ライナー巻取機構を備えた設備を導入する必要がある。また、不要となった剥離ライナーがゴミとなるため、地球環境保護の観点から好ましくない。
一方、特許文献3では、接着層の耐ブロッキング性を向上させるため、接着層に無機充填剤を含有させる技術が開示されている。また、特許文献4では、第1の粘着剤層の上に複数の微粒子を含有した第2の粘着剤層を設けることにより剥離シートを不要とする技術が開示されている。
しかし、これらの発明は剥離ライナーを用いることなくブロッキング防止や作業効率向上を図れるものの、接着剤による皮膚への影響が懸念される。特にエポキシ系接着剤やアクリル系接着剤は、皮膚に障害を引き起こすとされており(非特許文献1)、接着剤層に無機充填剤等の微粒子を含有させたからといってこうした皮膚障害を回避できるものではない。
特開2012−51994号公報 特開2008−280436号公報 特開平08−60108号公報 特開2017−19993号公報
株式会社スリーボンド編集「スリーボンドテクニカルニュースNo.40」平成4年12月25日発行
本発明は、以上のような従来技術の課題を解決する為されたものである。すなわち、本発明の目的は、剥離ライナーを使用せずとも、接着面を保護することができ、ブロッキングや皮膚障害を引き起こすことがない接着シートを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を解決するため鋭意検討した結果、接着剤層の表面の少なくとも一部に、保護層を設けることが非常に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、基材の片面又は両面の少なくとも一部に接着剤層を有する接着シートであって、該接着剤層の表面の少なくとも一部に保護層を有することを特徴とする接着シートである。
本発明の接着シートは、剥離ライナーを使用せずとも、接着面を保護することができ、ブロッキングや皮膚障害を引き起こすことがない。また、保護層に、例えば、帯電防止剤、着色剤、ハードコート剤、潤滑剤、放熱材、金属不活性化剤、酸化防止剤、難燃剤等の各種機能を有する物質を含ませることによって、接着剤層の特性を損なうことなく、接着シートに各種機能を持たせることができる。
本発明の接着シートの実施形態を示す模式的断面図である。 実施例の剪断接着力の試験方法を説明するための模式図である。 実施例6の接着シートの保護層(発泡前)と比較例1の接着シートの接着剤層(発泡前)の表面組成について反射IR測定の結果を示すグラフである。
図1は、本発明の接着シートの一実施形態を示す模式的断面図である。図1(a)に示す実施形態においては、基材1の片面全体に接着剤層2が設けられており、接着剤層2の表面全体に保護層3が設けられている。ただし本発明はこの実施形態に限定されず、例えば接着剤層2が基材1の両面に設けられていても良い。
接着剤層2は、基材1の片面又は両面の一部に設けられていても良い。この場合、保護層3aは、図1(b)に示すように、接着剤層2の表面全体及び接着剤層が設けられていない基材の表面全体を覆うように設けても良いし、図1(c)に示すように、接着剤層2の表面全体のみを覆うように設けても良い。また保護層3は、図1(d)に示すように、接着剤層2の表面の一部に設けられていても良い。
保護層3は、後で詳述する帯電防止剤、着色剤、ハードコート剤、潤滑剤、放熱材、金属不活性化剤、酸化防止剤、難燃剤、撥水・撥油剤、耐溶剤性樹脂等の機能性成分を含んでいても良い。これにより、保護以外の所望の機能を保護層3に付与できる。また接着剤層2も、保護層3と同じ又は異なる機能性成分を含んでいても良い。
2種類の保護層3を設けることもできる。例えば図1(e)に示すように、接着剤層2の上に設けられた保護層3aの表面に、さらに別の保護層3bを設けた2層構成の保護層にしても良い。このような2層構成の保護層3は、保護層3aの上に保護層3bを重ね塗りして形成しても良いし、塗工過程で分離することにより形成しても良い。さらに保護層は、3層以上の構成にしても良い。また図1(f)に示すように、保護層3aと保護層3bを接着剤層2の表面の各々別の位置に設けても良い。保護層3aと保護層3bは、例えば、互いに異なる機能性成分を含む層である。これにより2つの異なる機能を全面に付与でき(図1(e))、あるいは、2つの異なる機能を異なる位置に付与できる(図1(f))。
以下、本発明の接着シートの各構成について説明する。
[基材1]
本発明に用いる基材1は、図1に示すように接着剤層2を支持する為の部材である。
基材1は特に限定されないが、耐熱絶縁性基材であることが好ましい。耐熱性のレベルは使用する用途によって異なるが、例えば、基材1の溶融温度は、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上である。また例えば、UL−746Bに準拠して測定される基材1の連続使用温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上である。
基材1は、図1に示すように一の部材から成る単層基材であっても良いし、貼り合わせ用接着剤によって一の部材と他の部材を貼り合わせた積層構造を有する積層体からなる基材であっても良い。基材1は柔軟性を有していても良いし、あるいは反発性を有していても良く、その性状は用途によって適宜選択される。接着シートの強さ(こわさ)や形状保持性が要求される用途においては、基材1は積層体からなる基材であることが好ましい。
基材1を構成する部材は、樹脂フィルム、不織布又は紙であることが好ましく、樹脂フィルムであることがより好ましい。基材が積層体からなる基材である場合、その部材は、樹脂フィルム、不織布及び紙からなる群より選ばれる一種以上の部材であることが好ましく、少なくとも一つは樹脂フィルムであることがより好ましい。
樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、芳香族ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート;ポリアリレート;ポリウレタン;ポリアミド、ポリエーテルアミド等のポリアミド系樹脂;ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のポリスルホン系樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のポリエーテルケトン系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);変性ポリフェニレンオキシド;が挙げられる。2種以上の樹脂フィルムを併用しても良い。中でも、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンが好ましい。
基材1には、接着剤層2との密着性を向上させる為に、コロナ処理やプライマー処理を施しても良い。
基材1の厚さは、使用用途によって適宜選択すれば良い。一般的には2〜200μm、好ましくは9〜100μm、より好ましくは12〜50μmである。
[接着剤層2]
本発明に用いる接着剤層2は、図1に示すように、基材の片面又は両面の少なくとも一部に設けられる。
接着剤層2の種類は特に限定されないが、好ましくは熱硬化性樹脂、硬化剤及び硬化触媒を含有する熱硬化性の接着剤層であり、より好ましくはさらに感温性発泡剤を含有する膨張性接着剤層であり、特に好ましくは熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である発泡性エポキシ接着剤層である。
エポキシ樹脂は、多官能エポキシ樹脂を含むことが好ましい。多官能エポキシ樹脂の種類は限定されないが、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂及びこれらの混合物が好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂を用いると、硬化物のガラス転移点が高くなるので高温下でも接着力が安定する傾向にある。
エポキシ樹脂として、多官能エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を併用しても良い。多官能エポキシ樹脂及びそれ以外のエポキシ樹脂を混合して用いることにより、エポキシ樹脂の軟化点、溶融粘度、ガラス転移点、貯蔵弾性率等の物性を容易かつ詳細に調整できる。一般に、軟化点が低い又は液状のエポキシ樹脂を混合すると、接着剤層の加熱時の流動性及び硬化前後の可撓性を高めることできる。一方、軟化点が高い又は半固体若しくは固体のエポキシ樹脂を混合すると、接着剤層表面の粘着性を低くすることができる。また、液状のエポキシ樹脂は、感温性発泡剤に含まれる粉状又は粒状の熱膨張性マイクロカプセル等の成分を予備分散させる目的や、エポキシ樹脂成分を均一に混合させる目的にも使用できる。
このような混合可能なエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型、ダイマー酸変性ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族骨格を有するエポキシ樹脂;フェノキシ樹脂(ビスフェノール類とエピクロルヒドリンより合成されるポリヒドロキシポリエーテル);結晶エポキシ樹脂が挙げられる。結晶エポキシ樹脂は、常温では無粘着性の固体であるのに対して、融点以上で溶融粘度が大きく低下することから、融点以上では反応性希釈剤として作用する。その為、結晶エポキシ樹脂を接着剤層2に含めると、接着剤層2の加熱時の流動性をより高めることができ、接着剤層2の熱膨張に有利に作用する。また、室温で非粘着性の固体であることから、接着剤層表面の粘着性を低減する、又は、接着剤層表面を非粘着性にするのに役立つ。接着剤層2を溶融コーティング法によって形成する場合、結晶エポキシ樹脂の融点以上に加熱することで、エポキシ樹脂の溶融粘度を低下させて溶融コーティングの速度を高めることもできる。
エポキシ樹脂の数平均分子量は、GPCによる標準ポリスチレン換算で、一般に100〜60000である。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、一般に50〜30000g/eqである。
接着剤層2に用いる硬化剤としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂を用いる場合はフェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂を硬化剤として使用し、後述する硬化触媒としてのイミダゾール系化合物と組み合わせて使用すれば、硬化時間を短縮し且つ耐熱性を向上できる。また、硬化剤としてフェノール樹脂を使用することにより、耐熱性、電気特性等の設計が容易になる。フェノール樹脂の添加量は、理論上は、エポキシ樹脂のエポキシ当量数に対するフェノール樹脂の水酸基当量数が1対1近傍になるように決定される。エポキシ樹脂のエポキシ当量数に対するフェノール樹脂の水酸基当量数の比率は、通常は0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.2である。
接着剤層2に用いる硬化触媒としては、特に限定されないが、硬化剤としてフェノール樹脂を用いる場合はイミダゾール系化合物が好ましい。イミダゾール系化合物を硬化触媒として使用し、硬化剤としてのフェノール樹脂と組み合わせて使用すれば、硬化時間を短縮し且つ耐熱性を向上する。また、イミダゾール系化合物は他の硬化触媒と比較して、単独触媒として使用可能であり且つ粒径の非常に細かいグレードも有るので使い易いという利点がある。
イミダゾール系化合物の具体例としては、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジエチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール誘導体が挙げられる。2種以上のイミダゾール系化合物を併用しても良い。中でも、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。イミダゾール系化合物の含有量は、接着剤層中の樹脂成分100質量部に対し、好ましくは0.1〜1.0質量部、より好ましくは0.3〜0.8質量部である。
接着剤層2に用いる感温性発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素アンモニウム、アジド類等の無機系発泡剤;トリクロロモノフルオロメタン等のフッ化アルカン、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン系化合物、p−トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド系化合物、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾール等のトリアゾール系化合物、N,N−ジニトロソテレフタルアミド等のN−ニトロソ化合物等の有機系発泡剤;炭化水素系化合物等から成る熱膨張剤をマイクロカプセル化させた熱膨張性マイクロカプセル;が挙げられる。2種以上の感温性発泡剤を併用しても良い。エポキシ樹脂を用いる場合は、エポキシ樹脂の硬化を阻害せず、エポキシ樹脂の物性に与える悪影響を少なくする点から、熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。
熱膨張性マイクロカプセルは、ガスバリアー性を有する熱可塑性樹脂をシェルとし、シェルの内部に熱膨張剤を内包させたマイクロカプセルである。熱膨張性マイクロカプセルを加熱すると、シェルの熱可塑性樹脂が軟化し、熱膨張剤の体積が増大することにより、カプセルが膨張する。例えば、低沸点の炭化水素系化合物の気化をカプセルの膨張に利用できる。
熱膨張性マイクロカプセルの膨張(発泡)温度は、エポキシ樹脂の軟化点以上であり、且つエポキシ樹脂の硬化反応の活性化温度以下であることが好ましい。この発泡温度がエポキシ樹脂の軟化点以上であれば、柔らかくなったエポキシ樹脂の中で熱膨張剤を十分に膨張でき、発泡後の接着剤層2の厚さを均一にすることができる。また、この発泡温度がエポキシ樹脂の硬化反応の活性化温度以下であれば、発泡前にエポキシ樹脂が硬化することを防止できる。さらに、エポキシ樹脂の軟化点を硬化反応の活性化温度以下とすることにより、接着シートの製造工程に溶融又は溶液コーティングが含まれる場合に、これらのコーティング工程及びそれに伴う乾燥工程中にエポキシ樹脂がゲル化することを防止できる。
エポキシ樹脂の軟化点は、JIS K 2207に規定される環球式軟化点試験法を用いて測定できる。熱膨張性マイクロカプセルの発泡温度とは、熱膨張性マイクロカプセルの体積変化が生じる温度であり、例えば70℃以上200℃以下、好ましくは100℃以上180℃以下の範囲から選ぶことができる。
感温性発泡剤の含有量及び体積膨張率は、硬化した接着剤層2に要求される強度及び接着力、接着シートに要求される膨張率等に応じて、適宜決定できる。感温性発泡剤の含有量は、接着剤層2中の樹脂成分100質量部に対し、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは2〜15質量部である。発泡後の接着シートの厚さの増加倍数は、例えば、1.1倍以上10倍以下とすることができる。
接着剤層2には、基材1との密着性、接着シートを折り曲げた際の柔軟性、接着剤の塗工時のレべリング性、加熱発泡硬化する際の液垂れ防止等の点から、他の樹脂(耐熱性樹脂等)を添加することが好ましい。他の樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、カルボキシル基末端ブタジエンニトリルゴム(CTBN)、エポキシ変性ブタジエンが挙げられる。中でも、柔軟性や接着性の点から、ウレタン樹脂が最も好ましい。
ウレタン樹脂は、一般に、ポリオール単量体単位からなるソフトセグメントと、多官能イソシアネート化合物や低分子グリコール単量体単位からなるハードセグメントとを含む樹脂である。ウレタン樹脂に用いるポリオールは、水酸基を2個以上有する化合物である。ゴム弾性伸長回復率等の特性を高める点から、ポリオールの水酸基数は、好ましくは2〜3であり、より好ましくは2である。ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ひまし油系ポリオールを使用できる。2種以上のポリオールを併用しても良い。
ポリオールを架橋させるための架橋剤として用いる多官能イソシアネート化合物としては、例えば、多官能脂肪族系イソシアネート化合物、多官能脂環族系イソシアネート化合物、多官能芳香族系イソシアネート化合物を使用できる。また、これら化合物のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体も使用できる。2種以上の多官能イソシアネート化合物を併用しても良い。
多官能脂肪族系イソシアネート化合物の具体例としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
多官能脂環族系イソシアネート化合物の具体例としては1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,3−シクロへキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
多官能芳香族系ジイソシアネート化合物の具体例としては、フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソソアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,2'一ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−トルイジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
ウレタン樹脂は、以上説明したポリオールと多官能イソシアネート化合物を含有する組成物を硬化させて得られる。特に、ゴム弾性伸長回復率等の特性の点から、低結晶性の線状ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましく、ヘキサンジオールコポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリテトラメチレングリコール系ポリウレタン樹脂がより好ましい。
ウレタン樹脂の含有量は、接着剤層2中の樹脂成分100質量部中、好ましくは60質量部以下である。
接着剤層2は、耐熱性や熱伝導性の点から、耐熱性フィラーを含むことが好ましい。耐熱性フィラーの種類は特に限定されないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、タルク(珪酸マグネシウム)等の無機フィラーが挙げられる。2種以上の耐熱性フィラーを併用しても良い。耐熱性フィラーの含有量は、接着剤中の樹脂成分100質量部に対し、好ましくは20〜300質量部、より好ましくは20〜100質量部である。
接着剤層2は、必要に応じて、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤、エポキシ変性アルコキシシラン等のシランカップリング剤、ヒュームドシリカ等のチキソトロピー剤、識別のための顔料や染料等の添加剤を含んでも良い。
接着剤層2は、連続層であっても良いし、複数のストライプ、ドット等のパターンから構成される不連続なものであっても良い。さらに、接着剤層2の表面にエンボス等の凹凸が形成されていてもよい。接着剤層2を不連続なものとする、あるいは接着剤層2の表面にエンボス等の凹凸を形成することによって、接着剤層2の表面の粘着性を低減する、あるいは接着剤層の接着力を調整したり、必要な部分のみに接着剤層2を形成することができる。また、このような接着剤層2の表面の不均一性は、発泡時に軽減又は打ち消されるので、その不均一性に因る接着力への悪影響も生じにくい。
接着剤層2の厚さは、使用用途によって適宜決定すれば良い。通常2〜300μm、好ましくは2〜150μmである。
[保護層3]
本発明に用いる保護層3は、図1に示すように、接着剤層の表面の少なくとも一部に設けられる。保護層3は、接着シートを接着する際の加熱により流動、分解又は昇華し、その結果接着剤層2による被着体への接着を妨げない層であることが好ましい。特に、常温(使用前の接着シートの保管時温度)では、接着剤層2の表面を保護して異物の混入、キズ、ブロッキング等の発生を抑制し、高温(使用時の接着シートの硬化温度)では、保護層3を構成する成分が接着剤層2に分散・吸収されることがより好ましい。例えば、保護層3が熱溶融性保護層であり、接着剤層2が膨張性接着剤層(感温性発泡剤を含む接着剤層)である場合は、接着シートを接着する際の加熱により膨張性接着剤層中に微小気泡が発生し、同時に熱溶融性保護層が流動し、保護層を構成する成分が発泡の影響で接着剤層中に拡散する。その結果、熱溶融性保護層は接着剤層表面からほぼ消失し、接着剤本来の接着性を損なうことなく被着体へ接着される。
なお、保護層3は使用時の接着シートを構成する部材の一部であり、例えば、使用時には剥離される剥離ライナーは保護層3ではない。
保護層3が熱溶融性保護層である場合、保護層3に含まれる熱溶融性物質の種類は限定されず、常温では固体状であり、接着シートを接着する際の加熱により、少なくとも接着剤層中に拡散する程度に流動する成分(例えば熱可塑性樹脂成分)であれば良い。熱溶融性物質のガラス転移点(Tg)は100℃以下が好ましく、融点は200℃以下が好ましく、軟化点は180℃以下が好ましい。
保護層3には、機能性成分を含有させることにより、保護以外の所望の機能を保護層3に付与することもできる。熱溶融性物質自体が機能性成分であっても良いし、熱溶融性物質に機能性成分を配合しても良い。機能性成分の具体例としては、帯電防止剤、着色剤、ハードコート剤、潤滑剤、放熱材、金属不活性化剤、酸化防止剤、難燃剤、撥水・撥油剤、耐溶剤性樹脂が挙げられる。機能性成分が熱溶融性物質である場合は、接着シートを接着する際の加熱により流動して接着剤層中に拡散することが好ましい。一方、機能性成分が熱溶融性物質でない場合は、機能性成分と共に熱溶融性バインダーを含むことが好ましい。
保護層3が帯電防止剤を含む場合、接着シートに帯電防止性を付与できる。例えば、接着シート製造工程(繰出し、搬送中)の静電気によるスパークを抑制し、接着シート繰出し時の剥離不良を防止できる。帯電防止剤の種類は特に限定されず、市販品を使用しても良い。
保護層3が着色剤を含む場合、接着シートに着色による識別性を付与できる。具体的には、例えば、両面で接着剤や構成が異なる接着シートの表裏設置間違いを防止することができる。着色剤の種類は特に限定されず、市販品を使用しても良い。
保護層3がハードコート剤を含む場合、接着シートに耐傷性を付与できる。具体的には、例えば、最近の携帯電子機器内部等において、小型部品を所定の箇所に固定する際に、接着シートが他の部品に当たって絶縁性が低下するのを防止できる。ハードコート剤の種類は特に限定されず、市販品を使用しても良い。また、ハードコート剤を含む保護層3の上に着色剤を含むグラビア印刷等の方法で印刷を施しても良い。このような方法は、例えば、接着シート上に接着シートの情報(Lotや注意表示等)を表示したい場合に利用できる。
保護層3が潤滑剤を含む場合、接着シートに滑り性を付与できる。具体的には、例えば、接着シートを携帯電子機器内部に配置する際の摩擦抵抗を小さくでき、複雑な入り組んだ箇所であっても容易に接着シートを配置できるようになる。潤滑剤の種類は特に限定されず、市販品を使用しても良い。
保護層3が放熱材を含む場合、接着シートに熱伝導性を付与できる。放熱材はバインダー樹脂と共に用いることが好ましい。放熱材は、バインダー樹脂が溶融消失した後は接着剤層表層近傍に留まるので、特に接着シート表層の熱伝導率を向上できる。その結果、例えば被着体表面に温度ムラがあっても接着剤層が均一に発泡硬化できる。放熱材の種類は特に限定されず、市販品を使用しても良い。
保護層3が金属不活性化剤を含む場合、接着シートに被着体(金属)起因の接着剤層の劣化を防止できる。金属不活性化剤の種類は特に限定されず、市販品を使用しても良い。
保護層3が酸化防止剤を含む場合、接着シートの酸化劣化を防止できる。酸化防止剤の種類は特に限定されず、市販品を使用しても良い。
保護層3が難燃剤を含む場合、接着シートに難燃性を付与できる。難燃剤の種類は特に限定されず、市販品を使用しても良い。
保護層3が撥水・撥油剤を含む場合、接着シートに防水・防油性を付与できる。具体的には、例えば、接着シートの製造工程中に水や油を含んだ異物等の付着を防ぎ、不良品の発生を防止できる。撥水・撥油剤の種類は特に限定されず、市販品を使用しても良い。
保護層3が耐溶剤性樹脂を含む場合、接着シートに耐溶剤性を付与できる。耐溶剤性樹脂の種類は特に限定されず、市販品を使用しても良い。
保護層3の厚さは、通常0.01〜30μm、好ましくは0.03〜20μm、より好ましくは0.05〜15μmである。
[接着シート]
本発明の接着シートは、以上説明した保護層3を有する接着シートであり、より具体的には、基材1の片面又は両面の少なくとも一部に接着剤層2を有し、接着剤層2の表面の少なくとも一部に保護層3を有する接着シートである。本発明の接着シートは剥離ライナーを必要としない。ただし、例えば両面接着シートの場合、一方の接着剤層上に保護層3を設け、もう一方の接着剤層2上には剥離ライナーを設けても良い。
本発明の接着シートは、接着剤層2が感温性発泡剤を含む場合、発泡硬化前の厚さは好ましくは10〜1000μm、より好ましくは10〜250μm、特に好ましくは20〜200μmである。
本発明の接着シートの製造方法は特に限定されない。片面接着シートの場合、基材1の一方の表面上に接着剤層2を形成し、次いで接着剤層2の表面上に保護層3を形成することにより製造できる。接着剤層2は、例えば溶液コーティング法、溶融コーティング法、溶融押出法、圧延法等、従来知られている方法で形成できる。溶融コーティング法は無溶媒で行うことができ、溶媒の除去工程、処理設備等を必要としないので、生産性及び経済性の点で好ましい。溶融コーティング法を用いる場合、エポキシ樹脂が結晶エポキシ樹脂を含むことが好ましい。この場合、結晶エポキシ樹脂の融点以上に加熱することにより、エポキシ樹脂の溶融粘度を低下でき、溶融コーティングの速度を高めることができる。保護層3は、その材料の種類に応じて公知の塗工法を適宜用いれば良い。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<膨張性接着剤>
以下の各成分を表1に示す量(質量部)で混合して、膨張性接着剤を得た。
[エポキシ樹脂]
「EP1」:エポキシ樹脂(半固体、ブチルカルビトール60%溶液の溶解粘度220〜300mPa・s(25℃)、エポキシ当量180g/eq、ノボラック型、一般タイプ)
「EP2」:エポキシ樹脂(液状、粘度13,000mPa・s、エポキシ当量188g/eq、汎用エポキシ樹脂)
[エラストマー]
「E」:線状ポリエステルポリウレタン(軟化点87℃、分子量222300、水酸基含有量0.1%、接着性、柔軟性タイプ)
[硬化剤・触媒]
「T1」:フェノール樹脂(軟化点110℃、水酸基当量97g/eq、高耐熱性タイプ)
「T2」:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成社製、商品名2PHZ−PW、融点220℃、活性領域141〜153℃、開始領域153〜168℃)
[感温性発泡剤]
「H」:感温性発泡剤(平均粒径15μm、膨張開始温度125〜135℃、最大膨張温度150〜160℃)
[耐熱フィラー]
「J1」:酸化マグネシウム(平均粒径3μm、熱伝導性、耐熱性、電気絶縁性タイプ)
「J2」:珪酸マグネシウム(平均粒径5μm、熱伝導性、耐熱性、電気絶縁性タイプ)
Figure 2021006646
<保護層用材料>
各保護層を構成する以下の材料を用意した。
「配合2」:帯電防止剤(中京油脂製、商品名S−495、Tg55℃)100質量部
「配合3」:ハードコート剤(互応化学工業製、商品名プラスコートZ−565、Tg64℃、軟化点170〜175℃)100質量部、染料(シヤチハタ社製、商品名スタンプインキS−1)1質量部
「配合4」:ハードコート剤(互応化学工業製、商品名プラスコートZ−565、Tg64℃、軟化点170〜175℃)100質量部、染料(シヤチハタ社製、商品名スタンプインキS−1)1質量部
「配合5」:ハードコート剤(互応化学工業製、商品名プラスコートZ−565、Tg64℃、軟化点170〜175℃)100質量部
「配合6」:フッ素系コーティング剤(AGCセイミケミカル製、エスエフコート(登録商標)SWK−601)100質量部
「配合7」:耐溶剤性アクリルエマルション(三井化学製、ボンロン(登録商標)XHS−50、Tg60℃)100質量部
「配合8」:放熱材(3M製、商品名Platelets006)100質量部、線状ポリエステルポリウレタン(軟化点87℃、分子量222300、水酸基含有量0.1%、接着性、柔軟性タイプ)50質量部
「配合9」:潤滑剤(中京油脂製、商品名レゼムP677、融点80℃)100質量部
「配合10」:難燃剤(大塚化学製、商品名SPB−100、融点110℃)100質量部、線状ポリエステルポリウレタン(軟化点87℃、分子量222300、水酸基含有量0.1%、接着性、柔軟性タイプ)50質量部
<実施例1〜10>
基材(PPS樹脂、東レ製、トレリナ(登録商標)♯100‐3030、75μm)の両面に配合1の膨張性接着剤を乾燥後の厚さが各50μmとなるように塗布し、その後90℃で5分間乾燥させることにより溶媒を除去し、膨張性接着剤層を形成した。この膨張性接着剤層の表面に、表2及び3記載の配合及び厚さから成る各保護層を形成し、実施例1〜10の接着シートを得た。
<比較例1>
保護層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
以上の実施例1〜10、比較例1の接着シートについて、以下の方法に従い評価を行った。結果を表2〜5に示す。
[保護層の厚さ]
発泡前の接着シートの保護層の厚さは、保護層有りの接着シートの厚さから保護層無しの接着シートの厚さを差し引いて求めた。それぞれの厚さは、JIS Z 0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じて、シックネスゲージによる試験方法により測定した。
[タック]
タックは、シート表面に親指を微小な力で押し付け、極短時間のうちに引き剥がした際のべたつきの有無を官能的に試験し、べたつきのありなしを判定した。
[異物付着性]
40℃雰囲気下で、シート表面に和光純薬工業社製の20〜30メッシュの海砂0.1gをふりかけた後、海砂をふりかけた側が下向きとなるように、シートを180°反転させた。その後、シート表面を目視により観察して、以下の基準で評価した。
「○」:海砂が全く付着しなかった。
「△」:4粒以下の海砂が付着した。
「×」:5粒以上海砂が付着した。
[接着性]
JIS Z 1541「超強力両面粘着テープ」に記載の引張剪断接着力試験方法に準じて、図2に示したような発泡後の接着シートの剪断接着力を測定した。被着体としてはSPCC板(日新製鋼社製、商品名SPCC−SB NCB、1.0mm厚、12×100mm)を用いた。試料貼り付け面積は10×10mm、発泡硬化条件は180℃、10分、引張速度は200mm/分とした。まず、図2(A)に示すように、発泡前の接着シート4をSPCC板5に載せ、さらに2つの金属隙間ゲージ(0.300mm)6を介して別のSPCC板5を載せた。次いで、図2(B)に示すように、接着シート4を発泡硬化させ、この発泡後の接着シート4に対して引張剪断接着力試験(23℃)を行った。
[表面抵抗]
JIS K6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準じて、発泡前の接着シートの表面抵抗(Ω)を測定した。
[目視識別性]
発泡前の接着シートの表裏を目視で観察して、以下の基準で評価した。
「○」:表と裏を識別できた。
「×」:表と裏を識別できなかった。
[鉛筆硬度]
JIS K5600「塗料一般試験方法」に準じて、発泡前の接着シートの鉛筆硬度を測定した。
[接触角]
JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準じて、発泡前の接着シートの接触角を測定した。水の接触角はアズワン社製工業用精製水A300を、油の接触角はトヨタ純正オートフルードWS(ATF)を用いた。
[耐汚染接着性]
ATFで汚染された発泡前の接着シートを接着性の評価方法と同じ手順で剪断接着力を測定し、汚染しない場合を100%としたときの割合を計算した。なお、汚染された接着シートは、接着シートをATFに1秒浸漬した後に乾いた紙ウエスでシートを挟み、シート表面の過剰なATFを吸収させて得た。
[耐溶剤性]
トルエンを染み込ませた脱脂綿でシート表面を0.1MPaの圧力で3往復擦り、以下の基準で評価した。
「○」:表面の荒れが全く視認されなかった。
「△」:白化するが溶出しなかった。
「×」:脱脂綿に接着剤層が溶出した。
[熱伝導率]
京都電子工業社製の迅速熱伝導率計を用いて、薄膜測定モードにて発泡後の接着シートの熱伝導率を測定した。具体的には、アルミ板(厚さ10mm、250×350mm)の上に、熱伝導率が既知である3種類のリファレンスのブロックを載せて、その上に測定用試験片(45×100mm)を載せて、更にその上にヒータ線と熱電対が装備された熱伝導率測定用のセンサプローブ(商品名PD−11、40×97mm、820g)を載せ、測定を開始した。リファレンスのブロックとしては、発泡ポリエチレン(熱伝導率0.0347W/mK)、シリコーンゴム(熱伝導率0.236W/mK)、石英ガラス(熱伝導率1.416)を用いた。
[静摩擦係数]
JIS K7125「プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法」に準じて、発泡前の接着シートの静摩擦係数を測定した。
[難燃性]
UL94V試験で使用するサンプルサイズの接着シートを恒温槽中で発泡硬化させたサンプルで試験を行い、以下の基準で評価した。
「○」:UL94V試験にV0の試験条件で合格した。
「△」:UL94V試験の接炎時間を2秒にして2回の接炎後にサンプルの一部が燃焼せず残存した。
「×」:全て燃焼した。
Figure 2021006646
Figure 2021006646
Figure 2021006646
[IR測定]
実施例6の接着シートの保護層(発泡前)と比較例1の接着シートの接着剤層(発泡前)の表面組成について反射IR測定を行った。図3は、その結果を示すグラフである。この結果から明らかなように、比較例1の接着シートの接着剤層の表面にはエポキシ由来の吸収ピークが存在するが、実施例6の接着シートの保護層の表面にはピークが存在しない。したがって、実施例6の接着シートは、エポキシ樹脂成分による皮膚障害を発生させない。
本発明の接着シートは、剥離ライナーを使用せずとも、接着面を保護することができ、ブロッキングや皮膚障害を引き起こすことがない。また、接着剤層の特性を損なうことなく、接着シートに各種機能を持たせることができる。したがって、電気電子分野、自動車関連分野、土木建築分野等の幅広い分野において、様々な用途に有用である。
1 基材
2 接着剤層
3 保護層
3a 保護層
3b 保護層
4 接着シート
5 SPCC板
6 金属隙間ゲージ

Claims (13)

  1. 基材の片面又は両面の少なくとも一部に接着剤層を有する接着シートであって、該接着剤層の表面の少なくとも一部に保護層を有することを特徴とする接着シート。
  2. 接着剤層が、膨張性接着剤層である請求項1記載の接着シート。
  3. 膨張性接着剤層が、発泡性エポキシ接着剤層である請求項2記載の接着シート。
  4. 保護層が、熱溶融性保護層である請求項1記載の接着シート。
  5. 保護層が、帯電防止剤を含む請求項1記載の接着シート。
  6. 保護層が、着色剤を含む請求項1記載の接着シート。
  7. 保護層が、ハードコート剤を含む請求項1記載の接着シート。
  8. 保護層が、潤滑剤を含む請求項1記載の接着シート。
  9. 保護層が、放熱材を含む請求項1記載の接着シート。
  10. 保護層が、金属不活性化剤を含む請求項1記載の接着シート。
  11. 保護層が、酸化防止剤を含む請求項1に記載の接着シート。
  12. 保護層が、難燃剤を含む請求項1に記載の接着シート。
  13. 接着剤層の厚さが、2〜300μmである請求項1記載の接着シート。
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