JP2021006644A - セルロースナノファイバー含有乾燥体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施形態に係るセルロースナノファイバー含有乾燥体の製造方法は、
カルボキシ基の含有量が0.1mmol/g以下のセルロースナノファイバーの分散液と、グリセリン又はグリセリン誘導体の水溶液との混合により混合液を得る工程(A)、及び
上記混合液を乾燥させる工程(B)
を備える。
はじめに、工程(A)に供せられる分散液に含まれるセルロースナノファイバーについて説明する。セルロースナノファイバーとは、パルプ(パルプ繊維)等の植物原料を解繊して得られる微細なセルロース繊維をいい、一般的に繊維幅がナノサイズ(1nm以上1000nm以下)のセルロース微細繊維を含むセルロース繊維をいう。セルロースナノファイバーは、通常、植物原料(繊維原料)を公知の方法により解繊することにより得ることができる。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)等の広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)等の針葉樹クラフトパルプ(NKP)等の化学パルプ;
ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、晒サーモメカニカルパルプ(BTMP)等の機械パルプ;
茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙、更紙古紙等から製造される古紙パルプ;
古紙パルプを脱墨処理した脱墨パルプ(DIP)などが挙げられる。これらは、本発明の効果を損なわない限り、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
工程(A)においては、セルロースナノファイバーの分散液と、グリセリン類の水溶液との混合により混合液を得る。
工程(B)においては、上記工程(A)で得られた混合液を乾燥させる。これにより、セルロースナノファイバー含有乾燥体を得ることができる。このような乾燥工程において、セルロースナノファイバーの表面に、グリセリン類が析出し、各セルロースナノファイバーがグリセリン類に被覆された状態のセルロースナノファイバー含有乾燥体を得ることができると推察される。このようにして得られたセルロースナノファイバー含有乾燥体は、各セルロースナノファイバー間の水素結合がグリセリン類により阻害され、高い再分散性を発揮することができる。また、このようにして得られたセルロースナノファイバー含有乾燥体は、変色の少ない、好ましくは変色が実質的に無い乾燥体となる。
本発明の実施形態に係るセルロースナノファイバー含有乾燥体は、カルボキシ基の含有量が0.1mmol/g以下のセルロースナノファイバーと、グリセリン又はグリセリン誘導体とを含むセルロースナノファイバー含有乾燥体である。当該セルロースナノファイバー含有乾燥体は、後に詳述するように、水と混合して再分散された分散液にして使用することができる。当該セルロースナノファイバー含有乾燥体は、上述したセルロースナノファイバー含有乾燥体の製造方法により好適に得ることができる。
本発明の実施形態に係るセルロースナノファイバー分散液の製造方法は、当該セルロースナノファイバー含有乾燥体と水とを混合する工程を備える。当該セルロースナノファイバー分散液の製造方法によれば、分散性の高いセルロースナノファイバー含有乾燥体を用いるため、分散性の高い、高濃度のセルロースナノファイバー分散液を容易に得ることができる。また、着色の無いセルロースナノファイバー分散液を得ることができる。なお、セルロースナノファイバー含有乾燥体と混合する水は、純水であってもよく、他の成分を含む水溶液や水分散液であってもよい。セルロースナノファイバー含有乾燥体と水との混合に際しては、必要に応じ撹拌することが好ましい。
実施例及び比較例の各種物性は、以下の評価方法に準じて測定した。
ISO−13320(2009)に準拠して、粒度分布測定装置(セイシン企業社の「レーザー回折・散乱式粒度分布測定器」)を用いて体積基準粒度分布を示す曲線を測定し、ピークの数を数えた。
セルロースナノファイバーの保水度(%)は、JAPAN TAPPI No.26:2000に準拠して測定した。
解繊前のパルプ(原料パルプ又は酸化処理したパルプ)を精秤し、pH2.5〜3.0に調製し、0.05mol/L水酸化ナトリウムにて自動滴定した。電導度測定(東亜DKK社の伝導度装置「pH/ion/EC/DO meter MN−60R」を用いた常温での測定)を行い、電導度の変化の無い範囲をカルボキシ基の量とした。
原料パルプ(LBKP:水分98質量%)に対し、ナイヤガラビーターを用いて2時間30分かけて予備叩解を行った。次いで、石臼型分散機(増幸産業社の「スーパーマスコロイダー」)を用いた解繊処理を2回施し、セルロースナノファイバーの水分散液(濃度2質量%)を得た。この水分散液に含まれるセルロースナノファイバーは、レーザー回折を用いた粒度分布測定の疑似粒度分布において1つのピークを有し、保水度は350%以上であった。また、カルボキシ基の含有量は、0.05mmol/gであった。
再分散剤(グリセリン類又はその代替成分)として表1に記載の化合物を用い、セルロースナノファイバーとの混合比を表1に記載の比としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜3及び比較例1〜9、11のセルロースナノファイバー含有乾燥体を得た。なお、比較例11は、グリセリン類又はその代替成分を混合させず、セルロースナノファイバーの水分散液をそのまま乾燥させてセルロースナノファイバー含有乾燥体を得た。
乾燥質量で10gの原料パルプ(LBKP:水分98質量%)、0.16gのTEMPO及び1.0gの臭化ナトリウムを水500mlに混合した後、12質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を25ml加えて反応させた。反応中はpH10以下にならないように、0.5M(モル濃度)の水酸化ナトリウム水溶液を添加した。pHの変化がなくなった時点で反応終了とし、水洗後、ろ過し、酸化処理したパルプを得た。このとき、カルボキシ基の導入量は1.29mmol/gであった。得られた酸化処理したパルプを固形分濃度2質量%に希釈し、ホモミキサーで12,000rpm、6時間分散処理して、セルロースナノファイバーの水分散液(濃度2質量%)を得た。このカルボキシ基含有量1.29mmol/gのセルロースナノファイバーの水分散液を用い、セルロースナノファイバーと再分散剤との混合比を表1に記載の比としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例10のセルロースナノファイバー乾燥体を得た。
(濃度(%))
得られた各セルロースナノファイバー含有乾燥体0.2gを水9.8gに添加し、次いで、マグネティックスターラーを用い60分間、800rpmで撹拌して、各セルロースナノファイバーの再分散液を得た。得られた再分散液を10分間静置した後、上澄み液の濃度を以下の方法にて測定した。測定結果を表1に示す。なお、完全に再分散した状態であれば、濃度は2.0質量%となる。
得られた各セルロースナノファイバー含有乾燥体を目視にて観察し、無色透明あるいは白色であるものは、変色(着色)が無いと評価した。一方、黄色、茶色等が見られるものは、変色(着色)が有ると評価した。評価結果を表1に示す。
Claims (2)
- カルボキシ基の含有量が0.1mmol/g以下のセルロースナノファイバーと、
グリセリン又はグリセリン誘導体と
を含み、
上記セルロースナノファイバーが、水分散状態でレーザー回折法により測定される擬似粒度分布曲線において単一のピークを有し、上記ピークとなるセルロースナノファイバーの粒径(最頻値)が5μm以上25μm以下であるセルロースナノファイバー含有乾燥体。 - 上記セルロースナノファイバー100質量部に対するグリセリン又はグリセリン誘導体の含有量が、0.1質量部以上200質量部以下である請求項1に記載のセルロースナノファイバー含有乾燥体。
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