JP2021006467A - 容器及びその製造方法 - Google Patents

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Tomiaki Ito
富秋 伊藤
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宗弘 岩崎
近藤 忠和
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忠和 近藤
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Yasushi Yamazaki
裕史 山崎
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Abstract

【課題】 断熱性を有し、環境保全に役立つ容器及びその製造方法を提供する。【解決手段】 容器1は、底部2と、底部2の周縁に接続され上方に延びる側壁部3とから主に構成されている。側壁部3は、紙からなる基層10と、基層10の外方面に積層され、発泡した生分解性の第1の樹脂からなる発泡剤を実質的に含まない発泡層の第1の層11と、基層10の内方面に積層され、生分解性の第2の樹脂からなる非発泡層の第2の層12とから構成されている。このように構成することで、断熱性が高く、且つ、容器の側壁部が生分解性となるため、内容物が高温であっても持ち易く便宜となり、且つ、環境保全に役立つ。【選択図】 図1

Description

この発明は容器及びその製造方法に関し、特に、飲料や食品等を収納する紙コップ等として用いられる容器及びその製造方法に関するものである。
従来から、飲料や食品等を収納する容器として、紙やプラスチック(合成樹脂)及びこれらの積層体が日常生活において大量に使われている。又、使い易さを考慮して、紙の表裏両面にプラスチックを積層した、少なくとも三層からなる積層体を容器に成形した後、外側(把持側)のプラスチック層を発泡させて断熱性を持たせた容器も使用されている。
一方、近年、適切に廃棄処理されなかった使用済みのプラスチック製の飲料、食品用容器等による海洋汚染等の問題が生じている。
このような問題を解決するため、自然環境中で微生物等により分解される生分解性樹脂製の容器や、紙と生分解性樹脂との積層体からなる容器が開発され、使用され始めている。紙と積層される生分解性樹脂としては、例えば脂肪族ポリエステル樹脂がよく知られている。又、生分解性樹脂を発泡させ断熱性を得る技術検討もなされている。
例えば、特許文献1には、生分解性樹脂として脂肪族ポリエステル樹脂を用いた無架橋発泡体が開示されている。
又、特許文献2には、生分解性樹脂の架橋連続発泡体が開示されている。
特表2017−503033号公報 特開2009−91588号公報
しかしながら、上記のような従来知られていた生分解性樹脂の発泡体やその製造方法は、生分解性樹脂単独の発泡シートやフィルムについての技術であった。
このような発泡済みのシートやフィルムを紙に積層し、それを容器形状に成形して断熱性を有する容器等を得る方法では、容器の成形工程において発泡層が変形して断熱性が低減する等の問題点があった。又、発泡剤を含むことにより製造コストがかかるものや、飲料、食品等を収納する用途に好適でないものがあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、断熱性を有し、環境保全に役立つ容器及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、底部と、底部の周縁に接続され上方に延びる側壁部とを備えた容器であって、側壁部は、紙からなる基層と、基層の一方面に積層され、発泡した生分解性の第1の樹脂からなり、発泡剤を実質的に含まない第1の層と、基層の他方面に積層され、生分解性の第2の樹脂からなる第2の層とを備えたものである。
このように構成すると、断熱性が高く、且つ、容器の側壁部が生分解性となる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第1の樹脂は、融点が80℃以上130℃以下であるものである。
このように構成すると、第1の層の発泡の均一性が良好となる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第2の樹脂は、第1の樹脂と比べ融点及び軟化点の少なくとも一方が5℃以上高いものである。
このように構成すると、第2の層を発泡させず、第1の層のみを発泡させることが容易となる。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、第1の樹脂は、(A)成分:カルボキシル基又は水酸基を有する生分解性樹脂、及び、(B)成分:(A)成分の生分解性樹脂が有するカルボキシル基又は水酸基との反応性を持つ官能基を2個以上有する有機化合物を含有するものである。
このように構成すると、第1の樹脂の溶融張力が向上する。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、第1の樹脂は、(A)成分の総量100重量%に対し、(B)成分を0.05重量%以上10重量%以下含有するものである。
このように構成すると、溶融張力が安定して向上する。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の構成において、底部は、その少なくとも内方面が生分解性樹脂で被覆された紙から構成されるものである。
このように構成すると、容器全体が生分解性となる。
請求項7記載の発明は、原紙シートの一方面に、融点が80℃以上130℃以下の生分解性の第1の樹脂を押出ラミネートすると共に、原紙シートの他方面に、生分解性の第2の樹脂を押出ラミネートして積層体シートを形成する工程と、積層体シートを所定形状に打ち抜くと共に成形して容器形状の側壁積層体とする工程と、側壁積層体を加熱して原紙シートに含まれる水分が水蒸気となり膨張することにより第1の樹脂を発泡させる工程とを備える、容器の製造方法である。
このように構成すると、発泡剤を含まず、断熱性が高く、且つ、側壁部が生分解性である容器が得られる。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、断熱性が高く、且つ、容器の側壁部が生分解性となるため、内容物が高温であっても持ち易く便宜となり、且つ、環境保全に役立つ。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、第1の層の発泡の均一性が良好となるため、断熱性が良好となる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、第2の層を発泡させず第1の層のみを発泡させることが容易となるため、第2の層に不均一な発泡が生じる虞を防止する。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、第1の樹脂の溶融張力が向上するため、第1の層の発泡の均一性がより良好となる。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、溶融張力が安定して向上するため、第1の層の発泡の均一性がより良好となる。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、容器全体が生分解性となるため、より環境保全に役立つものとなる。
請求項7記載の発明は、発泡剤を含まず、断熱性が高く、且つ、側壁部が生分解性である容器が得られるため、内容物が高温であっても持ち易く便宜となり、且つ、環境保全に役立つ。
この発明の第1の実施の形態の容器の全体構造を示す断面図である。 図1で示した“X”部分の拡大断面図である。 この発明の第1の実施の形態の容器の製造方法を示す概略工程図である。
図1はこの発明の第1の実施の形態の全体構造を示す断面図であり、図2は図1で示した“X”部分の拡大断面図である。
これらの図を参照して、容器1は、底部2と、底部2の周縁に接続され上方に延びる側壁部3とから主に構成されている。
底部2は、内方面(容器1において内容物を収納する方向の面)が生分解性樹脂で被覆された紙から構成されている。
又、特に図2を参照して、側壁部3は、紙からなる基層10と、基層10の外方面に積層され、発泡した生分解性の第1の樹脂からなる発泡層の第1の層11と、基層10の内方面に積層され、生分解性の第2の樹脂からなる非発泡層の第2の層12とから構成されている。
次に、上述した容器1の製造方法の一例について説明する。
図3はこの発明の第1の実施の形態の容器の製造方法を示す概略工程図である。
同図を参照して、まず第1の工程21の押出ラミネート工程として、原紙シートの一方面に、融点が80℃以上130℃以下の生分解性の第1の樹脂を押出ラミネートすると共に、原紙シートの他方面に、生分解性の第2の樹脂を押出ラミネートして積層体シートを形成する。
次に第2の工程22の成形工程として、上述した積層体シートを所定形状(容器1の側壁部3の展開形状)に打ち抜くと共に用途に応じてテーパーを設けた円筒形状等に成形して容器形状の側壁積層体とする。又、このとき通常は、積層体シートを容器1の底部2の展開形状にも打ち抜き、これを側壁積層体とヒートシール等の公知の方法で接着することで、未発泡状態の容器を得る。
次に第3の工程23の加熱発泡工程として、上述した成形工程で得られた未発泡容器の側壁積層体を加熱して原紙シートに含まれる水分の膨張により第1の樹脂を発泡させ、容器1を得る。
したがって、このようにして得られた容器1の側壁部3の第1の層11は、紙に含まれた水分が加熱され主に水蒸気となることによる膨張により、発泡されたものである。換言すると、発泡剤を実質的に含まないものである。尚、発泡剤を実質的に含まないとは、発泡剤にあたるものを第1の樹脂を発泡させる目的では配合させていないことを示す。
このようにして構成された容器1は、断熱性が高く、且つ、容器1の側壁部3が生分解性となるため、内容物が高温であっても持ち易く便宜となり、且つ、環境保全に役立つ。
又、容器1は底部2も内方面が生分解性樹脂で被覆されることで、容器1全体が生分解性となるため、より環境保全に役立つものとなる。
尚、上述した本発明の実施の形態による容器は特定の製造方法により製造されていたが、他の製造方法により製造されるものであっても良い。
又、本発明に使用される生分解性樹脂としては、容器に成形された後、土中又は水中に廃棄することにより、土中又は水中の微生物により分解され得る性質を有するものであれば特に制限されない。
このような生分解性樹脂としては、微生物産生系生分解性樹脂、天然物系生分解性樹脂、化学合成系生分解性樹脂が挙げられる。これらの樹脂の例としては、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリエチレンテレフタレート−サクシネート(PETS)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンアジペート−テレフタレート(PBAT)、ポリエチレンアジペート−テレフタレート(PEAT)、ポリブチレンサクシネート−テレフタレート(PBST)、ポリエチレンサクシネート−テレフタレート(PEST)、ポリブチレンサクシネート−アジペート(PBSA)、ポリブチレンサクシネート−カーボネート(PEC)、ポリブチレンサクシネート−アジペート−テレフタレート(PBSAT)、ポリエチレンサクシネート−アジペート−テレフタレート(PESAT)、ポリテトラメチレンアジペート−テレフタレート(PTMAT)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリヒドロキシ酪酸−ヒドロキシヘキサン酸(PHBH)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトン−ブチレンサクシネート(PCLBS)、酢酸セルロース等が例示され、これらの生分解性樹脂から選択された少なくとも1種の高分子化合物を含む。
この中でも、脂肪族ポリエステル系の生分解性樹脂が好適に使用できる。又、ジオールとジカルボン酸の重合により得られる生分解性樹脂も好適に使用できる。
又、第1の樹脂及び第2の樹脂は、互いに同一のものを使用しても良いし、異なるものを使用しても良い。
尚、本発明の目的を損なわない範囲で、鎖延長剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、染料、加水分解防止剤、光安定剤、可塑剤等の各種添加剤を適当な量含有していても良い。
そして、本発明の第1の樹脂(発泡用生分解性樹脂組成物)は、下記の(A)成分と(B)成分を含有することが好ましい。
(A)成分:カルボキシル基又は水酸基を有する生分解性樹脂
(B)成分:上記(A)成分の生分解性樹脂が有するカルボキシル基又は水酸基との反応性を持つ官能基を2個以上有する有機化合物
このように構成することで、第1の樹脂の溶融張力が向上するため、第1の層の発泡の均一性がより良好となる。
又、上記(B)成分における、カルボキシル基又は水酸基との反応性を持つ官能基としては、例えば酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリン基等が挙げられ、特にエポキシ基が好ましい。エポキシ基を有する有機化合物の場合、カルボキシル基との反応を適度に容易化することができ、(A)成分である生分解性樹脂の鎖延長やグラフト化反応などにより歪み硬化特性が発現し、このため発泡特性の向上効果が付与される。更に、押出溶融時の加水分解による分子量の低下抑制効果も有する。
エポキシ基を有する有機化合物の具体例としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタクリレート等のエポキシ基を有する単量体を構成単位として含み、その他の単量体と公知の方法で重合させたビニル重合体が挙げられる。
その他の単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族環を有する単量体や、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基又は水酸基との反応性を持つ官能基を有する単量体単位の量は、(B)成分の全構成単位の総量100重量%において、5重量%以上95重量%以下の範囲内にあることが好ましい。このように構成することで、第1の樹脂の溶融張力向上の効果を安定して奏することができる。
尚、エポキシ基を有する有機化合物の他の例としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化ポリブタジエン等の液状有機化合物が挙げられ、多官能エポキシ基を有する有機化合物であれば特に限定されない。
そして、第1の樹脂において、(A)成分と(B)成分の含有量は、(A)成分の総量100重量%に対し、(B)成分を0.05重量%以上10重量%以下であることが好ましい。又、0.1重量%以上5重量%以下であることが更に好ましい。このように構成することで、溶融張力が安定して向上するため、第1の層の発泡の均一性がより良好となる。
第1の樹脂をこのように(A)成分と(B)成分を含有するものとする場合、例えば(A)成分と(B)成分とを同方向二軸押出機等の押出機やバッチ式ニーダーで、130℃〜240℃程度に加熱しながら溶融混練することで製造することができる。又、(A)成分と相溶性のある比較的低融点の生分解性ポリエステル樹脂と(B)成分の1重量%〜20重量%とを同方向二軸押出機等で溶融混錬させたマスターバッチをあらかじめ作成し、(A)成分に混合させる方法を用いることもできる。更に、(A)成分と(B)成分とを同方向二軸押出機を用いて混錬を行うと同時に、押出機の先端に付けた口金からシート状に押出して紙にラミネートする方法も採り得る。
次に、本発明の容器は、上述した本発明の実施の形態のように、基層の外方側及び内方側の両面に生分解性樹脂層が積層されていることが好ましい。このように構成することで、紙から発生する水分が発泡用の第1の樹脂を起泡させることなく空気中に蒸散してしまい第1の樹脂が発泡不足となる虞を防止する。
又、上述した本発明の実施の形態による容器は、基層の外方面の樹脂層のみが第1の層として発泡されていたが、第1の層を基層の内方面として発泡させても同様に本発明の効果を奏することができる。
又、基層の外方側及び内方側の両面の第1の層及び第2の層が発泡されていても良い。このように構成すると、発泡層の総厚みが増すことで断熱性がより向上するため、内容物を高温とする場合に便宜である。
又、発泡に用いられる生分解性樹脂の融点は、80℃以上130℃以下の範囲にあることが好ましい。80℃以上であることで、容器への成形工程で金型に樹脂が融着する虞や、製造された容器に高温の飲料等が注がれたときに軟化する虞を防止する。又、130℃以下であることで、発泡に係る加熱が高温になり加熱発泡工程の生産性が低下する虞や、成形工程において容器の底部とのヒートシール温度が高温となり生産性が低下する虞を防止する。したがって、第1の層の発泡の均一性が良好となるため、断熱性が良好となる。
尚、上記に例示した生分解性樹脂は、単体では融点が好ましい範囲にないものがあるが、共重合や、他の生分解性樹脂との相溶ブレンドや、可塑剤等の比較的低分子量成分とのブレンド等の方法を用いて融点調整を行うことができる。
又、第2の樹脂は、第1の樹脂と比べ融点及び軟化点の少なくとも一方が5℃以上高いことが好ましい。このように構成することで、第2の層を発泡させず第1の層のみを発泡させることが容易となるため、第2の層に不均一な発泡が生じる虞を防止する。
但し、第1の樹脂の融点又は軟化点と第2の樹脂の融点又は軟化点とがそれぞれ有意な差が見られないものであっても良い。このとき、第2の樹脂の発泡を企図しない場合であっても、加熱発泡工程において側壁積層体の一方面を優先的に加熱することによって、側壁部の一方面のみを発泡層とした容器を得ることができる。一方面を優先的に加熱する方法や、他方面の温度を一方面の温度より低くする方法は特に限定されず、例えば容器の開口部が蓋等で塞がれた状態で加熱装置の中に入れて容器内方側の温度上昇を遅らせたり、赤外線ヒーターで容器外方側のみを加熱する等の方法が挙げられる。
次に、生分解性樹脂の紙へのラミネート方法は特に限定されず、接着剤を用いた生分解性樹脂フィルムと紙とのラミネート法や、通常の紙へのTダイ押出コーティング設備を使用することができる。ラミネート時に、紙の表面にはコロナ処理を施したり、ポリエチレンイミン等のアンカーコート剤(AC剤)を塗布したりしても良い。押出コーティングにおける口金(Tダイ)とラミネートロールの間隙は、小さい方が樹脂フィルムの厚みの均一性や紙への密着強度が高めることができ、より好ましい。
又、本発明で使用される紙は100g/m〜400g/mの厚み(坪量)のものが好ましい。更に紙の含水率は2重量%以上10重量%以下の範囲内であることが第1の樹脂の発泡性を良好とするために好ましく、4重量%以上8.5重量%以下の範囲内であることが更に好ましい。
更に、本発明でラミネートされる生分解性樹脂層の厚みは特に限定されず、15μm〜100μmであることが生分解性樹脂の発泡性を良好とするために好ましく、20μm〜60μmであることが更に好ましい。
更に、本発明では、容器のデザインやバーコードが印刷された紙を使用し、印刷層の上に生分解性樹脂を押出ラミネートして使用することもできる。
このとき、容器の外方面の生分解性樹脂層の上に印刷を施したのち容器形状に加工し、容器の外方面の樹脂層を発泡させて発泡層を形成することもできる。この場合は、印刷されたインキ層が生分解性樹脂層の発泡に伴う膨張変形に追従するような伸張性を持ったインキを選定することが好ましい。
又、容器の外方面の生分解性樹脂層の上の一部又は全部領域に発泡抑制層を設けることもできる。その方法としては例えば、外方面の生分解性樹脂層の表面上に、この生分解性樹脂より軟化し難い耐熱性のあるコーティング被膜層が存在すると、発泡のための加熱操作時に被膜層が寸法膨張しないため、生分解性樹脂層に発生する気泡が小さくなったり、気泡が割れたりすることにより発泡が抑制される。これにより生分解性樹脂層の発泡に伴う表面の凹凸を部分的に小さくしたり、紙や生分解性樹脂層に印刷されたバーコードの読み取り性の低下を防ぐことができる。
以下、実施例に基づいて本発明について具体的に説明する。尚、本発明の実施の形態は実施例に限定されるものではない。
(1)実施例及び比較例の容器の準備
(1−1)実施例1の準備
・第1の樹脂の作製
まず、上述した(A)成分として、融点115℃の生分解性PBS(三菱ケミカル株式会社製 商品名:BioPBS(登録商標) ZM9B02)のペレットと融点84℃の生分解性PBS(三菱ケミカル株式会社製 商品名:BioPBS(登録商標) FD92)のペレットとを1:1の重量比で混合したペレット(以下、「A−1」と称する。)の総量100重量%に対し、上述した(B)成分として、エポキシ基含有ポリマー(東亜合成株式会社製 商品名:ARUFON(登録商標) UC−4035 カタログ値:重量平均分子量(Mw)=11000、ガラス転移点(Tg)=52℃、エポキシ価=1.8meq/g、性状:固体、スチレン・アクリル系共重合体)(以下、「B−1」と称する。)を0.1重量%含む樹脂組成物を準備した。次に、φ25mm二軸押出機(L/D=40)を用いて、230℃、200rpmで溶融混練し、ストランドを押出し、水槽で急冷後、ストランドカットして第1の樹脂のペレットを得た。第1の樹脂の融点は100℃であった。
尚、融点は特に注釈の無い限り、押出したシートを示差走査熱量計(DSC)で昇温速度10℃/分で測定したものである。
・原紙シートの一方面(容器の内方面となる面)への生分解性樹脂層の形成
上述した融点115℃の生分解性PBSを95mmφ単軸押出機に1000mm幅のTダイを取り付けて240℃でシート状に押出し、坪量240g/mの紙である原紙シートのコロナ処理を施した一方面に対してニップロールを用いてラミネートを行い、ラミネート原紙(以下、「C−1」と称する。)を得た。容器の内方面となる面の生分解性樹脂層の厚みは40μmであった。
・原紙シートの他方面(容器の側壁部の外方面となる面)への生分解性樹脂層の形成
上記A−1の生分解性PBSを95mmφ単軸押出機に1000mm幅のTダイを取り付けて240℃でシート状に押出し、上記C−1のラミネート原紙の樹脂がラミネートされた面とは反対側の面にコロナ処理を施しながらラミネートを行った。容器の側壁部の外方面となる面の生分解性樹脂層の厚みは60μmであった。
これにより、紙の表裏両面に生分解性樹脂が積層された三層構成の積層体シート(以下、「C−2」と称する。)を得た。
・容器の側壁部ブランクの作製
上記C−2の積層体シートから、所定形状の容器の側壁部ブランクを打ち抜いた。
・容器の底部ブランクの作製
上記C−1のラミネート原紙から、所定形状の容器の底部ブランクを打ち抜いた。
・容器の作製
このようにして得られた容器の側壁部ブランク及び底部ブランクを、厚み60μmの生分解性樹脂層が容器の側壁部の外方面となるように常用のカップ成形機で一体化させ、未発泡容器を組み立てた。この容器の開口孔径(W)は70mm、深さ(H)は80mm、底部径48mmであった。この未発泡容器を、入口温度130℃、出口温度130℃のコンベアオーブンに入れ、5分間かけてオーブンを通過させた。オーブン通過後、容器の側壁部の外方面及び内方面両面の生分解性樹脂層が発泡され、発泡層が形成された発泡容器を得た。得られた容器を実施例1として、後述する断熱性の評価に用いた。
(1−2)実施例2の準備
上述した実施例1と同様に作成した未発泡容器の上方開口部に厚み2mmの平らな木材片で蓋をして、入口温度130℃、出口温度130℃のコンベアオーブンに入れ、5分間かけてオーブンを通過させた。オーブン通過後、容器の側壁部の外方面のみの生分解性樹脂層が発泡され、発泡層が形成された発泡容器(実施例2)を得た。
(1−3)実施例3の準備
第1の樹脂を上述した融点115℃の生分解性PBSとした他は、上述した実施例1と同様にして作製した。
(1−4)実施例4の準備
第1の樹脂を上述した融点115℃の生分解性PBSとした他は、上述した実施例2と同様にして作製した。
(1−5)比較例1の準備
上述した実施例1と同様にして作製した未発泡容器を比較例1とした。
(2)断熱性の評価
容器に99℃〜100℃の熱湯を、容器内高さの80%の高さまで注ぎ入れ、まず実施例1、実施例2、実施例4及び比較例1に対して、即座に容器の側壁部を10秒間手で持ち感じる熱さを官能評価した。又、実施例3及び比較例1に対して、容器の側壁部の外方面の高さの中間位置での温度について接触式温度計で外面温度の時間変化を測定し、同時に湯温の時間変化も測定した。
結果は以下の表1の通りとなった。
Figure 2021006467
実施例1、実施例2及び実施例4は、比較例1と比べ手で持ったときに感じる熱さが明らかに和らいだため、実施例1、実施例2及び実施例4の断熱性を○(良好)と評価し、比較例1を×(不適)と評価した。これにより、生分解性樹脂による発泡層を有する容器である実施例1、実施例2及び実施例4では比較例1と比べ断熱性が良好となることが確認された。
又、実施例3により、生分解性樹脂による発泡層を有する容器は外面の温度上昇率が低く、湯温の低下も遅くなることが確認された。
1…容器
2…底部
3…側壁部
10…基層
11…第1の層
12…第2の層
21…第1の工程
22…第2の工程
23…第3の工程
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (7)

  1. 底部と、前記底部の周縁に接続され上方に延びる側壁部とを備えた容器であって、
    前記側壁部は、
    紙からなる基層と、
    前記基層の一方面に積層され、発泡した生分解性の第1の樹脂からなり、発泡剤を実質的に含まない第1の層と、
    前記基層の他方面に積層され、生分解性の第2の樹脂からなる第2の層とを備えた、容器。
  2. 前記第1の樹脂は、融点が80℃以上130℃以下である、請求項1記載の容器。
  3. 前記第2の樹脂は、前記第1の樹脂と比べ融点及び軟化点の少なくとも一方が5℃以上高い、請求項2記載の容器。
  4. 前記第1の樹脂は、
    (A)成分:カルボキシル基又は水酸基を有する生分解性樹脂、及び、
    (B)成分:前記(A)成分の生分解性樹脂が有するカルボキシル基又は水酸基との反応性を持つ官能基を2個以上有する有機化合物
    を含有する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の容器。
  5. 前記第1の樹脂は、前記(A)成分の総量100重量%に対し、前記(B)成分を0.05重量%以上10重量%以下含有する、請求項4記載の容器。
  6. 前記底部は、その少なくとも内方面が生分解性樹脂で被覆された紙から構成される、請求項1から請求項5のいずれかに記載の容器。
  7. 原紙シートの一方面に、融点が80℃以上130℃以下の生分解性の第1の樹脂を押出ラミネートすると共に、前記原紙シートの他方面に、生分解性の第2の樹脂を押出ラミネートして積層体シートを形成する工程と、
    前記積層体シートを所定形状に打ち抜くと共に成形して容器形状の側壁積層体とする工程と、
    前記側壁積層体を加熱して前記原紙シートに含まれる水分が水蒸気となり膨張することにより前記第1の樹脂を発泡させる工程とを備える、容器の製造方法。
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