JP2021006267A - 術後のレインボー効果を低減するシステム及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不規則性の高い光破壊の散在パターンが得られるパルス化レーザーシステムを提供すること。【解決手段】レーザービームを生成するレーザー供給源と、レーザービームのビーム焦点の場所及び更には眼の角膜内のビーム焦点において形成される光破壊の場所を制御するスキャナと、角膜内の規則的な光破壊パターンの形成を制御するべく、レーザー供給源及びスキャナに対する命令を生成するコンピュータと、光破壊パターンの形成後の角膜による光の回折が減少又は回避されるように、不規則な光破壊パターンの角膜内における形成を引き起こすべく、それぞれの光破壊の場所を擾乱するノイズ供給源とを含む、パルス化レーザーシステム。【選択図】図2A
Description
本開示は、術後にしばしば患者によって観察されるレインボー効果を低減するべく、眼科手術の際にパルス化レーザーによって角膜内に形成される光破壊パターンに不規則性を導入するシステム及び方法に関する。
屈折眼科手術は、一般に、様々な視力問題を矯正するべく、使用されている。このような一般的な屈折矯正手術の1つは、LASIC(Laser−Assisted in SItu Keratomileusis)と呼称され、且つ、近視、乱視、又は更に複雑な屈折異常を矯正するべく使用されている。その他の手術は、角膜欠陥又はその他の問題を矯正することができる。これらの手術は、単独で使用することもできるが、いくつかのものは、白内障手術などのその他の視力矯正手術との適合性を有している。例えば、乱視を矯正するためのLASIKは、しばしば、白内障手術と組み合わせられている。
LASIK及びその他の屈折眼科手術の際に、矯正手順は、一般に、眼の表面よりも、角膜基質などの眼の内部部分に対して実行される。この方式は、矯正手順の狙いを眼の最も効果的な部分に絞ることができるようにすることにより、眼の外側の保護部分をほとんど無傷の状態において維持することにより、且つ、その他の理由に起因して、手術結果を改善する傾向を有する。
眼の内部部分には、様々な方式によってアクセスすることができるが、多くの場合に、アクセスには、角膜内におけるフラップの切開を伴っている。これは、特に、矯正手順が基質などの角膜の内部部分に対して実行される、LASIKなどの、屈折眼科手術に当て嵌まる。フラップは、角膜の外側部分が持ち上げられると共に外に折り曲げられることにより、角膜の内部部分に対してアクセスできるようにする。但し、フラップを使用しないその他の手順においては、その内部への又は眼のその他の内部部分へのアクセスを許容するべく、角膜は、なんらかの方式によって切開されてもよい。
角膜は、一般には、パルス化フェムト秒レーザーなどのパルス化レーザーを使用することによって切開されており、この場合に、ビーム焦点が角膜内において運動している。レーザーのパルス化された特性は、レーザーがオン状態にパルス化された際に、レーザーがビーム焦点の場所に対応した角膜組織を散在パターンにおいて蒸発させるようにし、その結果、レーザーがパルスの間においてオフ状態にある際に、ビーム焦点の場所に対応した角膜組織を無傷の状態において残している。通常、パルス化レーザーは、フェムト秒レーザーの場合には、数十〜数百フェムト秒などの非常に短いパルス時間にわたってのみ、オン状態となり、オン状態の際には、小さな容積内において非常に高いパワー密度を生成することにより、その容積内の組織を切除する。次いで、ビーム焦点は、レーザーが再度オン状態にパルス化される前に、角膜内の新しい場所に移動する。この結果、通常は、平均サイズが数マイクロメートルである、一連の小さな光破壊(photodisruption)が生成される。又、小さな光破壊は、通常、数マイクロメートルだけ、離隔している。このように形成された散在パターンは、角膜組織が効果的に切開されることにより、例えば、レーザーによる角膜組織に対する損傷を低減しつつ、フラップを引き剥すと共に持ち上げることができるようになっている。
パルス化レーザーの制御が改善されるのに伴って、光破壊の散在パターンは、平均切除サイズ及び切除間隔の両方の観点において、非常に規則的なものとなっている。例えば、LASIK手順において角膜フラップを切開するべく、しばしば、非常に正確なグリッドパターンが使用されている。この非常に正確なグリッドパターンは、何人かの患者においては、意図しない術後効果をもたらす。具体的には、光破壊は、光が角膜によって回折されることにより、患者の視野における虹の出現をもたらしうる。このレインボー効果は、最も頻繁には、患者の視野内における物体の鋭いエッジの周辺において観察される。レインボー効果は、注意を散漫にさせる場合があり、或いは、さもなければ、視力を低下させる場合があり、或いは、単に患者をイラつかせる場合がある。
レインボー効果は、角膜フラップが切開される屈折眼科手術の後に最も頻繁に報告されているが、恐らくは、角膜フラップの相対的に大きなサイズの程度に起因し、レインボー効果は、グリッドパターンがパルス化レーザーを使用して角膜内において切開されているすべての屈折又はその他の眼科手術において発生しうる。
本開示は、レーザービームを生成するレーザー供給源と、レーザービームのビーム焦点の場所及び更には眼の角膜内のビーム焦点において形成される光破壊の場所を制御するスキャナと、角膜内における規則的な光破壊パターンの形成を制御するべく、レーザー供給源及びスキャナに対する命令を生成するコンピュータと、光破壊パターンの形成後の角膜による光の回折が減少又は回避されるように、不規則な光破壊パターンの角膜内における形成を引き起こすべく、それぞれの光破壊の場所を擾乱(disturb)するノイズ供給源とを含むパルス化レーザーシステムに関する。
又、パルス化レーザーシステムは、i)レーザー供給源は、フェムト秒レーザーであってもよい、ii)スキャナは、少なくとも1つの横断方向制御要素と、少なくとも1つの長手方向制御要素とを含んでいてもよい、iii)それぞれのノイズ供給源は、少なくとも1つの横断方向制御要素又は少なくとも1つの長手方向制御要素に、或いは、複数の制御要素に、結合されていてもよい、iv)システムは、それぞれが別個に少なくとも1つの横断方向制御要素又は少なくとも1つの長手方向制御要素に結合された複数のノイズ供給源を含んでいてもよい、v)ノイズ供給源は、光破壊の場所が擾乱されるように、この場所を制御する電気信号にノイズを導入してもよく、この場合に、電気信号リミッタにより、光破壊が任意の方向において擾乱される距離を制限してもよい、vii)この場合に、ノイズ供給源は、光破壊の場所が擾乱されるように、この場所を制御するスキャナの要素を物理的に運動させてもよい、viii)ノイズ供給源は、光破壊が擾乱されるように、規則的な光破壊パターンの形成を制御するべく、コンピュータによって生成された命令を変更してもよく、この場合に、ノイズ供給源は、疑似ランダム数生成器又はランダム数生成器を含んでいてもよく、且つ、更には、この場合に、コンピュータは、光破壊が擾乱される距離をチェック及び制限するためのコードを更に実行してもよい、ix)それぞれの光破壊は、規則的な光破壊パターン内の所与の方向における光破壊の間の間隔の20%以下の距離だけ、擾乱されてもよい、x)それぞれの光破壊が擾乱される距離は、光破壊がオーバーラップしないように、制限されてもよい、という要素を含んでいてもよく、これらの要素は、明らかに相互に排他性を有していない限り、互いに組み合わせることができる。
本開示は、上述の任意のパルス化レーザーシステムを含む手術室を更に含む。
又、本開示は、屈折眼科手術などの眼科手術を受ける患者の眼の角膜内において切開を形成するための上述の任意のパルス化レーザーシステム又は手術室の使用をも含む。
本開示は、ビーム焦点を有するレーザービームを生成し、光破壊を生成するべく角膜内の場所にスキャナを使用してビーム焦点を導き、且つ、光破壊パターンを生成するべく反復することにより、角膜を切開するべく患者の眼のうちの少なくとも1つの眼の角膜内において光破壊パターンを形成するステップを含む眼科手術を実行する方法を更に含み、この場合に、コンピュータは、規則的な光破壊パターンを形成するべくスキャナ用の命令を生成し、この光破壊パターンは、光破壊パターンの形成後の角膜による光の回折が減少又は回避されるように、ノイズ供給源からのノイズによって擾乱される。
本発明及びその特徴及び利点に関する更に十分な理解のために、以下、添付図面との関連において以下の説明を参照されたい。
以下の説明においては、開示されている主題の説明を促進するべく、例として、詳細事項が記述されている。但し、当業者には、開示されている実施形態が、例示を目的としたものであり、且つ、すべての可能な実施形態を網羅するものではないことが明らかであろう。
本開示は、光破壊パターンが患者の眼の角膜内において形成される屈折眼科手術などの眼科手術を実行するシステム及び方法に関する。システム及び方法は、術後にレインボー効果をもたらす角膜による光の回折を減少又は回避するべく十分な不規則性を光破壊パターンに導入している。システム及び方法は、パルス周波数などのレーザービーム供給源のなんらかのパラメータを変更することによってではなく、パルス化レーザーシステムのノイズ供給源及びスキャナを使用することにより、この不規則性を導入している。
図1Aは、屈折眼科手術を含む眼科手術において不規則な角膜破壊グリッドパターンを形成する際に使用されるパルス化レーザーシステム10の概略図である。パルス化レーザーシステム10は、別個の手術ツールであってもよく、或いは、相対的に大きな眼科手術システムの一部分であってもよく、その他のレーザーシステム、患者又は眼の位置決めシステム、観察システム、又はこれらの任意の組合せを含むことができる。具体的には、パルス化レーザーシステム10は、所与の眼科手術を実行するための実質的にすべてのコンピュータ支援型装置を提供するべく設計された手術室の一部分であってもよい。
パルス化レーザーシステム10は、レーザービーム30を生成するレーザー供給源20を含む。システム10は、スキャナ、ミラー、ビーム拡大器、及びレンズなどの、レーザービーム30を導き、合焦し、或いは、その他の方法で操作する、様々なコンポーネントを含む。わかりやすさを目的として、すべてのこのようなコンポーネントが図1Aに示されているわけではない。但し、スキャナ40が示されており、その理由は、スキャナ40が、手術の際に患者の眼の角膜内において配置されるビーム焦点50を制御しているからである。スキャナ40は、患者の眼の角膜内において、図2、図2B、及び図2Cに示されているものなどの、不規則な光破壊パターンを結果的にもたらす、ビーム焦点50の不規則なパターンを生成する。レーザー供給源20及びスキャナ40は、コンピュータ60によって制御されており、コンピュータ60は、パルス化レーザーシステム10のその他のコンポーネントを制御することもできる。パルス化レーザーシステム10は、そのコンポーネントのみならず、使い捨て可能でありうる患者インターフェイス周辺装置をも保護及び位置決めするべく、ハウジング及びその他の機器を更に含むことができる。
レーザー供給源20は、選択された持続時間を有するパルスとしてレーザービーム30を生成する任意のレーザーを含むことができる。レーザー供給源20は、パルス持続時間に従って命名することができる。例えば、パルス持続時間が、10フェムト秒未満などのフェムト秒の範囲にある場合には、レーザー供給源20は、フェムト秒レーザーである。
スキャナ40は、ビーム焦点50の横断方向及び長手方向の制御を提供している。「横断方向」は、レーザービーム30の伝播方向に対して直角である方向を意味している。横断方向プレーンが、図2A及び図2Bに示されており、且つ、横断方向x及びyを含む。横断方向プレーンは、レーザービーム30が角膜に進入する際に角膜がレーザービーム30との関係において位置決めされる方式に応じて、患者の眼の角膜内の任意の場所に配置されうるが、通常、横断方向プレーンは、図2A、図2Bにおいて示されているように、角膜の表面に対してほぼ平行に、配置されることになる。
図1B及び図1Cに示されているように、スキャナ40は、横断方向制御要素70を使用して横断方向プレーン内においてビーム焦点50を制御することができる。横断方向制御要素70は、相互に垂直の軸を中心として傾斜可能であるミラーのペアを含むことができる。これらのミラーの傾斜は、電流計測アクチュエータ、圧電モーター、マイクロアクタ(microactor)、又はその他の装置によって制御することができる。或いは、この代わりに、横断方向制御要素70は、電気光学結晶を含むこともできる。
「長手方向」は、レーザービーム30の伝播方向を意味している。図2Cは、長手方向Zを含んでいる。長手方向も、レーザービーム30が角膜に進入する際に角膜がレーザービーム30との関係において位置決めされる方式に応じて、患者の眼の角膜内の任意の場所に配置されうるが、通常、長手方向は、図2Cに示されているように、角膜の表面に対してほぼ垂直に配置されることになる。
スキャナ40は、図1B及び図1Cに示されているように、長手方向制御要素80を使用して長手方向においてビーム焦点50を制御することができる。長手方向制御要素80は、長手方向において調節可能なレンズを含むことができる。或いは、この代わりに、長手方向制御要素80は、可変屈折力レンズを含むこともできる。又、この代わりに、長手方向制御要素80は、変形可能なミラーを含むこともできる。
スキャナ40は、複数の横断方向制御要素70、複数の長手方向制御要素80、或いは、これら両方の要素の複数のものを含むことができる。これに加えて、1つの横断方向制御要素70及び1つの長手方向制御要素80を複数の場所又は装置内において配置することもできる。同様に、複数の横断方向制御要素70又は複数の長手方向制御要素80が複数の場所又は装置内において位置することもできる。従って、スキャナ40は、物理的に分散された装置を含むことができる。
コンピュータ60は、患者の眼の角膜内において規則的な光破壊パターンを形成するべく、レーザー供給源20及びスキャナ40に対する命令を生成するためのコードを実行可能である少なくとも1つのプロセッサリソースを含む。コンピュータ60は、レーザー供給源20及びスキャナ40との間における物理的な又は無線による通信状態にあってもよい。コンピュータ60は、メモリ、特に、処理リソース用の命令を保存するメモリ、レーザー供給源20及びスキャナ40と通信するための通信モジュール、及びその他のコンポーネントを更に含むことができる。
パルス化レーザーシステム10は、スキャナ40に結合された、又はその内部に配置された、ノイズ供給源90を更に含む。コンピュータ60が、図2A及び図2Bの光破壊グリッドパターン110などの規則的な光破壊パターンに従って、ビーム焦点50を配置するべく、スキャナ40に対する命令を生成した際に、ノイズ供給源90は、光破壊100が規則的な光破壊パターンから擾乱されるように、スキャナ40の少なくとも1つの横断方向制御要素70又は長手方向制御要素80を擾乱する。少なくとも1つの要素が、複数のビーム焦点50について生成された複数の命令との関連において擾乱されるのに伴って、図2A、図2B、及び図2Cに示されているものなどの不規則な光破壊パターンが生成される。
ノイズ供給源90は、1つのノイズ供給源又は複数のノイズ供給源を含むことができる。図1Bに示されているように、1つのノイズ供給源がスキャナ40の複数の制御要素に対して結合されてもよく、この場合には、類似の擾乱が、それぞれに対して適用される。図1Cに示されているように、異なる擾乱がそれぞれに対して適用されるように、複数のノイズ供給源90が、それぞれ、スキャナ40の異なる制御要素に対して結合されてもよい。
ノイズ供給源90は、スキャナ40の1つ又は複数の制御要素に電気的又は物理的に結合されてもよく、且つ、熱雑音などの、統計的にノイズの多い信号の任意の物理的供給源を含むことができる。ノイズ供給源90は、適宜、信号がコンピュータ60を離脱した後に制御要素によって受け取られた電気信号にノイズを導入することにより、制御要素を擾乱することができる。又、ノイズ供給源90は、制御要素を物理的に運動させることもできる。ノイズ供給源90がスキャナ40の1つ又は複数の制御要素に対して電気的又は物理的に結合されている際には、コンピュータ60によって実行されるコードを規則的な光破壊パターンを生成する従来のコードから変更する必要はなく、且つ、コンピュータ60は、単に、規則的な光破壊パターン用の命令を送信することができる。ノイズ供給源90が、コンピュータ60からスキャナ40によって受け取られる命令とは無関係に、実際の光破壊パターンが不規則なものになるようにする。
又、ノイズ供給源90は、コンピュータ60内において存在していてもよく、且つ、コンピュータ60によって生成された命令がスキャナ40に送信される前に、それらの命令を変更することができる。例えば、ノイズ供給源90は、ランダム又は疑似ランダム数生成器であってもよい。ノイズ供給源90は、スキャナ40用の命令が従来のコードによって生成された後に、且つ、それらの命令が送信される前に、それらの命令の変更を単純に実行することにより、規則的な光破壊パターンを生成する従来のコードに対して容易に追加することができる。
本開示のシステム及び方法を使用して生成された不規則な光破壊パターンは、図2Aに示されている1つの横断方向、或いは、長手方向(図示されていない)などの、1つの次元においてのみ、擾乱を有することができる。擾乱は、図2Bに示されている2つの横断方向におけるもの、或いは、1つの横断方向と長手方向(図示されてはいない)におけるものなどのように、2つの次元におけるものであってもよい。又、擾乱は、図2Cに示されているように、3つの次元におけるものであってもよい。
通常、それぞれの光破壊100は、2μm〜5μmの平均寸法を有しており、且つ、ビーム焦点50においてレーザービーム30によって形成される二酸化炭素及び水蒸気の泡である。
それぞれの光破壊100が規則的なパターンから擾乱されうる距離を制御することができる。例えば、この距離は、光破壊が角膜の外側において、或いは、損傷場所内において、或いは、これらの両方の内部において、発生しないことを保証するように、パルス化レーザーシステム10が角膜を実際に切開することを保証するべく、制御されてもよい。例えば、ノイズ供給源90がスキャナ40の1つ又は複数の制御要素に電気的に結合されている場合には、光破壊100が擾乱される距離は、ダイオードなどの、電気信号リミッタを使用して制御することができる。ノイズ供給源90が、コンピュータ60によって送信される命令内においてノイズを導入している場合には、コンピュータ60は、光破壊100が擾乱される距離をチェック及び制限するためのコードを更に実行することができる。
それぞれの光破壊100が擾乱される距離は、規則的な光破壊パターン内の所与の方向における光破壊の間の間隔の特定の百分率以下であってもよい。例えば、これは、所与の方向において、20%以下、15%以下、10%以下、又は5%以下であってもよい。又、この距離は、光破壊100がオーバーラップしえないように、制限することもできる。
ノイズ供給源90、ノイズ供給源90が光破壊100を擾乱しうる方向、並びに、それぞれの光破壊100が擾乱される距離に関する任意の制限は、パルス化レーザーシステム100が屈折眼科手術又はその他の眼科手術において角膜内において光破壊パターンを形成するべく使用される際に、術後の角膜による光の回折が減少又は回避されるようなものになっている。従って、患者は、術後にレインボー効果をまったく経験することがなく、或いは、術後に、ノイズ供給源90を有していない同一のシステムが使用される場合よりも、少ない頻度においてレインボー効果を経験することになる。
本開示は、光破壊パターンが、角膜を切開するべく、患者の眼のうちの少なくとも1つの眼の角膜内において形成される、屈折眼科手術などの、眼科手術を実行する方法を更に含む。方法は、光破壊パターンを形成するべく、システム10などの、パルス化レーザーシステムを使用するステップを含む。具体的には、レーザー供給源20などのレーザー供給源が、レーザービーム30などのレーザービームを生成し、このレーザービームが、スキャナ40などのスキャナにより、角膜内の、ビーム焦点50などの、ビーム焦点まで導かれ、そこで、レーザービームが、光破壊100などの、光破壊を生成する。このプロセスは、角膜内において光破壊パターンを形成するべくレーザー供給源20をパルス化することによって反復される。レーザー供給源及びスキャナは、コンピュータ60などのコンピュータによって制御されている。ノイズは、ノイズ供給源90などのノイズ供給源を使用して導入されている。
レーザー供給源は、例えば、10フェムト秒未満などのフェムト秒の範囲内の期間にわたって、それぞれのレーザービームを生成することができる。パルスの間の時間インターバルは、フェムト秒〜ナノ秒の範囲であってもよい。
レーザー供給源は、コンピュータによって制御されており、コンピュータは、処理リソース上においてコードを実行し、且つ、命令をレーザー供給源に送信する。又、スキャナも、コンピュータによって制御されており、コンピュータは、処理リソース上においてコードを実行し、且つ、ビーム焦点及び光破壊が、図2A及び図2Bに示されているものなどの規則的なパターンに準拠するようにするべく、命令をスキャナに送信する。
スキャナは、要素70などの横断方向制御要素を使用してビーム焦点の横断方向場所を制御する。横断方向場所は、相互に垂直の軸を中心として傾斜可能であるミラーのペアに結合された電流計測アクチュエータのペアのうちの少なくとも1つを起動することにより、制御及び変更することができる。アクチュエータのペアのうちの少なくとも1つを作動させることにより、結合されたミラーがその軸を中心として傾斜することになる。又、横断方向場所は、レーザービームが通過する電気光学結晶の電界を変更することにより、制御及び変更することもできる。結晶は、電界に正比例するその屈折率の変化を有する。
スキャナは、要素80などの長手方向制御要素を使用してビーム焦点の長手方向場所を制御する。長手方向場所は、例えば、ハウジング内において長手方向においてレンズ位置を変更するなどのように、長手方向において調節可能なレンズを調節することにより、制御及び変更することができる。又、長手方向場所は、可変屈折力レンズの横断方向場所を運動させることにより、制御及び変更することもできる。又、長手方向場所は、変形可能なミラーの形状を変更することにより、制御及び変更することもできる。
ノイズは、電気信号又は物理コンポーネントを熱雑音供給源などの物理的なノイズ供給源に結合することにより、導入することができる。ノイズ供給源は、電気信号の、又は物理コンポーネントによって生成される物理的運動の程度の、変動を生成することができる。ノイズが光破壊パターンを擾乱する程度は、電気信号供給源とレーザービームを実際に位置決めする制御要素の任意のコンポーネントの間において、ダイオードなどの、電気信号リミッタを含むことにより、制御することができる。
又、ノイズは、命令が実際にスキャナに送信される前に、疑似ランダム又はランダム数生成器などのノイズ供給源を規則的な光破壊パターンを制御するコンピュータによって生成された命令に対して適用することにより、導入することもできる。ノイズが光破壊パターンを擾乱する程度は、光破壊が任意の方向において擾乱されうる距離をチェック及び制限するためのコードを更に実行することにより、制御することができる。
従って、光破壊が1つ、2つ、又は3つの次元において擾乱された不規則な光破壊パターンが生成される。光破壊は、角膜内において切開を依然として効果的に生成するが、角膜内において光を回折させることはなく、或いは、規則的な光破壊パターンとして、光を回折させることがない。この結果、患者は、術後に、レインボー効果をまったく又はほとんど経験することがない。
この方法は、LASIKなどの屈折眼科手術、或いは、白内障手術などの、角膜が切開される任意のその他の眼科手術の一部分として実施することができる。
上述の開示されている主題は、限定ではなく、例示を目的としたものであると見なすことを要し、且つ、添付の請求項は、本開示の真の精神及び範囲に含まれる、すべてのこのような変更、改善、及びその他の実施形態を含むべく意図されている。従って、法律によって許容される最大程度に、本開示の範囲は、添付の請求項及びその均等物の最も広い許容可能な解釈により、判定することを要し、且つ、上述の詳細な説明によって制限又は限定されるものではない。
Claims (15)
- パルス化レーザーシステムであって、
レーザービームを生成するレーザー供給源と、
前記レーザービームのビーム焦点の場所と、更には、眼の角膜内の前記ビーム焦点において形成される光破壊の場所とを制御するスキャナと、
前記角膜内の規則的な光破壊パターンの前記形成を制御するべく、前記レーザー供給源及びスキャナに対する命令を生成するコンピュータと、
前記光破壊パターンの形成後の前記角膜による光の回折が減少又は回避されるように、不規則な光破壊パターンの前記角膜内における形成を引き起こすべく、それぞれの光破壊の前記場所を擾乱するノイズ供給源と、
を有するシステム。 - 前記レーザー供給源は、フェムト秒レーザーである請求項1に記載のパルス化レーザーシステム。
- 前記スキャナは、少なくとも1つの横断方向制御要素と、少なくとも1つの長手方向制御要素とを有する請求項1又は2に記載のパルス化レーザーシステム。
- 前記ノイズ供給源は、少なくとも1つの横断方向制御要素又は少なくとも1つの長手方向制御要素に、或いは、複数の制御要素に結合されている請求項3に記載のパルス化レーザーシステム。
- そのそれぞれが、少なくとも1つの横断方向制御要素又は少なくとも1つの長手方向制御要素に別個に結合されている複数のノイズ供給源を有する請求項3に記載のパルス化レーザーシステム。
- 前記ノイズ供給源は、前記光破壊の前記場所が擾乱されるように、前記場所を制御する電気信号にノイズを導入する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のパルス化レーザーシステム。
- 光破壊が任意の方向において擾乱される距離を制限するべく、電気信号リミッタを更に有する請求項6に記載のパルス化レーザーシステム。
- 前記ノイズ供給源は、前記光破壊の前記場所が擾乱されるように、前記場所を制御する前記スキャナの要素を物理的に運動させる請求項1乃至5のいずれか1項に記載のパルス化レーザーシステム。
- 前記ノイズ供給源は、光破壊が擾乱されるように、規則的な光破壊パターンの前記形成を制御するべく、前記コンピュータによって生成された前記命令を変更する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のパルス化レーザーシステム。
- ノイズ供給源は、疑似ランダム数生成器又はランダム数生成器を有する請求項9に記載のパルス化レーザーシステム。
- 前記コンピュータは、前記光破壊が擾乱される前記距離をチェック及び制限するためのコードを更に実行する請求項9又は10に記載のパルス化レーザーシステム。
- それぞれの光破壊は、前記規則的な光破壊パターン内の所与の方向における光破壊の間の間隔の20%以下である距離だけ、擾乱される請求項1乃至11のいずれか1項に記載のパルス化レーザーシステム。
- それぞれの光破壊が擾乱される前記距離は、光破壊がオーバーラップしないように、制限されている請求項1乃至12のいずれか1項に記載のパルス化レーザーシステム。
- 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の前記パルス化レーザーシステムを有する手術室。
- 眼科手術を受ける患者の眼の角膜内において切開を形成するための請求項1乃至13のいずれか1項に記載の前記パルス化レーザーシステム又は請求項14に記載の前記手術室の使用。
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