JP2021004813A - センサ付き転がり軸受及び荷重算出システム - Google Patents

センサ付き転がり軸受及び荷重算出システム Download PDF

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柳沢 知之
Tomoyuki Yanagisawa
知之 柳沢
絢子 田淵
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絢子 田淵
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Abstract

【課題】転動体の位置に関わらず安定して荷重を求めるための情報を得ることができるセンサ付き転がり軸受等を提供する。【解決手段】センサ付き転がり軸受5は、転がり軸受10と、転がり軸受10の回転軸中心Axの方向と直交する側面に芯材が固定されて導線が巻回されたコイル20とを備え、コイル20は、2つ設けられ、2つのコイル20は、回転軸Axを中心とするピッチ角度P1が、転がり軸受10が有する複数の転動体13のうち、回転軸Axを中心として円周方向に隣り合う2つの転動体のピッチ角度P2の1/2である。【選択図】図4

Description

本発明は、センサ付き転がり軸受及び荷重算出システムに関する。
転がり軸受に加わる荷重を検知する構成が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2006−226477号公報
特許文献1に記載の構成では、玉軸受の転動体の外周面が接触する位置を検出して転動体の接触角を求めるためのセンサが設けられている。しかしながら、小径の球体である転動体の接触位置を正確に求めるには限界があるため、特許文献1に記載の構成で荷重の検出精度を高めることは困難である。
本発明は、転動体の位置に関わらず安定して荷重を求めるための情報を得ることができるセンサ付き転がり軸受及び荷重算出システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明のセンサ付き転がり軸受は、転がり軸受と、前記転がり軸受の回転軸方向と直交する側面に芯材が固定されて導線が巻回されたコイルとを備え、前記コイルは、2つ設けられ、2つの前記コイルは、前記回転軸を中心とするピッチ角度が、前記転がり軸受が有する複数の転動体のうち、前記回転軸を中心として円周方向に隣り合う2つの転動体のピッチ角度の1/2である。
従って、2つのコイルのうち一方と転動体とが遠ざかる場合、他方と転動体とは近づく。このため、2つのコイルの各々のインダクタンスにおける転動体の影響を2つのコイルの各々のインダクタンス同士で互いに打ち消すことができる。これによって、転動体の位置に関わらず安定して荷重を求めるための情報を得ることができる。
上記の目的を達成するための本発明の荷重算出システムは、センサ付き転がり軸受と、前記コイルに所定の周波数の交流電圧を印加する励磁回路と、前記交流電圧の印加によって前記導線に流れた電流を測定する電流測定回路と、前記交流電圧の印加によって前記導線に生じた電圧を測定する電圧測定回路と、前記導線に流れた電流と前記導線に生じた電圧とに基づいて前記転がり軸受に加わるラジアル荷重を算出する演算装置と、を備える。
従って、転がり軸受に加わる荷重に応じたコイルのインダクタンスを電流と電圧とに基づいて算出してインダクタンスに応じた荷重を導出することができる。すなわち、インダクタンスを電流と電圧から求めることができるため、より高精度にインダクタンス及びインダクタンスに応じた荷重を求めることができる。
本発明の荷重算出システムでは、励磁回路は、コイル毎に設けられる。
従って、複数のコイルを個別に励磁することができる。このため、複数のコイルのいずれかに生じた電気的変化が他のコイルに影響を与える可能性を低減することができる。
本発明によれば、転動体の位置に関わらず安定して荷重を求めるための情報を得ることができる。
図1は、実施形態の荷重算出システムの主要構成を示すブロック図である。 図2は、センサ付き転がり軸受の主要構成を示す断面図である。 図3は、センサ付き転がり軸受の主要構成の他の構成例を示す断面図である。 図4は、2つのコイルのピッチ角度と転がり軸受が有する複数の転動体の所定のピッチ角度との関係を示す図である。 図5は、2つのコイルの各々のインダクタンス及びその合成インダクタンスと、転がり軸受に対するラジアル荷重との関係を模式的に示すグラフである。 図6は、変形例1の荷重算出システムの主要構成を示すブロック図である。 図7は、変形例2の荷重算出システムの主要構成を示すブロック図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
(実施形態)
図1は、実施形態の荷重算出システム1の主要構成を示すブロック図である。荷重算出システム1は、転がり軸受10と、コイル20と、励磁回路30と、第1電流測定回路40aと、第2電流測定回路40bと、第1電圧測定回路50aと、第2電圧測定回路50bと、演算装置60とを備える。以下、第1電流測定回路40aと第2電流測定回路40bとを包括して電流測定回路40と記載する。また、第1電圧測定回路50aと第2電圧測定回路50bとを包括して電圧測定回路50と記載する。
転がり軸受10は、回転軸Sを回転可能に軸支する。コイル20は、転がり軸受10に取り付けられる。コイル20は、転がり軸受10に加わるラジアル荷重Rの変化に応じてインピーダンスが変化する。転がり軸受10とコイル20は、センサ付き転がり軸受5を構成する。
コイル20は、2つ設けられる。2つのコイル20は、例えば、演算装置60に対して直列に接続される。2つのコイル20を区別する場合、コイル20a,20bと記載する。コイル20aとコイル20bは、転がり軸受10に対する配置(図4参照)を除いて、共通の構成である。
図2は、センサ付き転がり軸受5の主要構成を示す断面図である。図2は、転がり軸受10の回転軸中心Ax及びコイル20を通る平面でセンサ付き転がり軸受5を切った場合の断面図である。転がり軸受10は、外輪11と、内輪12と、転動体13と、保持器14とを有する。外輪11と内輪12は、転動体13を挟んで相対的に回転可能に設けられる。転動体13は、複数設けられ、外輪11と内輪12の間で回転軸中心Axを中心とする円周方向に沿って並ぶ。転動体13を挟んで、外輪11が外周側に配置され、内輪12が内周側に配置される。保持器14は、円周方向に並ぶ複数の転動体13同士の間隔を保持する。実施形態では、転動体13の形状が球である玉軸受が採用されているが、これは転がり軸受10の形態の一例であってこれに限られるものでない。転がり軸受10は、転動体13の形状が円柱状のころ軸受又は針軸受であってもよい。また、転がり軸受10は、円すいころ軸受又は球面ころ軸受であってもよい。
実施形態では、外輪11が固定され、内輪12及び回転軸Sが回転可能に軸支される構成であるが、内輪12及び回転軸Sが固定され、外輪11が回転可能に支持される構成であってもよい。実施形態の外輪11は、例えば軸受鋼のように、導電性且つ磁性を有する材料で構成されている。
図3は、センサ付き転がり軸受の主要構成の他の構成例を示す断面図である。コイル20は、芯材21と、導線22とを備える。芯材21は、外輪11の側面に芯材21の端部が密着するよう固定される。具体的には、例えば図2のように、外輪11と芯材21とを接着剤で固定する。また、図3のように、外輪11の一側面に取り付けられた固定部材25を用いてもよい。固定部材25は、例えば外径が外輪11と同様の、輪状の部材である。固定部材25には、コイル20が内側に挿入可能な孔25aが外輪11の側方に位置するよう設けられている。コイル20は、孔25aに対して機械的締結(例えば、圧入等)又は接着によって固定される。なお、図3に例示する固定部材25は、外輪11の一側面側に設けられた切欠11aに圧入される突出部25bを有し、圧入によって外輪11に固定されるが、接着によってもよい。コイル20が固定される外輪11の側面とは、回転軸中心Axと直交する外輪11の側面である。芯材21は、例えば鉄又は鉄を主材料とする合金若しくは化合物のように、中空のコイルに比して導線22の内側の透磁率をより高めることが可能な材料を用いて構成される。導線22は、芯材21に巻回される。導線22は、例えば銅線であるが、導電性を有する他の素材によって構成された導線であってもよい。
外輪11及び芯材21は、導電性を有する。このため、外輪11と芯材21とは電気的に連続している。従って、外輪11は、コイル20の芯材21の電気的特性に影響を与える。このような外輪11と芯材21を含むセンサ付き転がり軸受5は、転がり軸受10に対するラジアル荷重Rの変化に応じて外輪11に固定されているコイル20のインピーダンスが変化する特性を有する。ラジアル荷重Rの変化に応じてコイル20のインピーダンスが変化すると、励磁回路30から印加される交流電流によってコイル20に生じるインダクタンスが変化する。すなわち、ラジアル荷重Rとコイル20のインダクタンスとの間には相関がある。このため、コイル20のインダクタンスからラジアル荷重Rを求めることができる。
図1に示す励磁回路30は、導線22に所定の周波数の交流電圧を印加する。励磁回路30は、図示しない電源装置と接続され、当該電源装置から電力の供給を受けてコイル20の導線22に交流電流を印加する。
実施形態の励磁回路30は、導線Mを介して直列に接続された2つのコイル20に交流電流を印加する。図1では、コイル20aとコイル20bとが励磁回路30に対して直列に接続されている。励磁回路30は、コイル20aとコイル20bに交流電流を印加する。
電流測定回路40は、交流電圧の印加によって導線22に流れた電流を測定する。実施形態の電流測定回路40は、交流電流計として機能する回路である。電圧測定回路50は、交流電圧の印加によって導線22に生じた電圧を測定する。実施形態の電圧測定回路50は、交流電圧計として機能する回路である。コイル20の導線22と、励磁回路30と、電流測定回路40と、電圧測定回路50とは、導線Mを介して電気的に接続され、電気回路を構成している。演算装置60は、導線22に流れた電流と導線22に生じた電圧とに基づいてラジアル荷重Rを算出する。すなわち、演算装置60は、導線22に流れた電流と導線22に生じた電圧とに基づいてコイル20のインダクタンスを算出することで、求められたインダクタンスに対応するラジアル荷重Rを導出する。
電流測定回路40と電圧測定回路50は、コイル20毎に設けられる。第1電流測定回路40aは、コイル20aの導線22に流れた電流Iaを測定する。第2電流測定回路40bは、コイル20bの導線22に流れた電流Ibを測定する。第1電圧測定回路50aは、コイル20aの導線22に生じた電圧Vaを測定する。第2電圧測定回路50bは、コイル20bの導線22に生じた電圧Vbを測定する。
励磁回路30によってコイル20に印加される交流電流によって導線22に流れる電流値Iと導線22に生じる電圧値Vとに基づいて、演算装置60は、式(1)を用いてコイル20のインピーダンスZを算出する。具体的には、演算装置60は、コイル20aの導電流Iaと電圧Iaとに基づいて、コイル20aのインピーダンスZを算出する。また、演算装置60は、コイル20bの導電流Ibと電圧Ibとに基づいて、コイル20bのインピーダンスZを算出する。なお、電圧値Vは芯材21に巻回された導線22の両端間の電圧である。電圧測定回路50は、芯材21に巻回された導線22の両端間の電圧値Vを測定する。
Figure 2021004813
励磁回路30からの交流電流の伝送路にコイル20があることで、電流値Iの自己誘導により電圧の位相に対して電流の位相が遅れる。このため、電流値Iと電圧値Vに位相差θが生じる。演算装置60は、電流値Iと電圧値Vの位相差θとインピーダンスZとに基づいて、式(2)を用いてインダクタンスLを算出する。式(2)のfは、交流電流の周波数(所定の周波数)を示す。例えば、f=128[khz]であるが、これに限られるものでなく、適宜変更可能である。位相差θの単位は、[度(°)]である。位相差θは、周波数(f)に応じて同一時間内に生じる電流値Iの変化と電圧値Vの変化に基づいて求められる。例えば、電流値Iの位相は、電圧値Vの位相に対して90度遅れる。
Figure 2021004813
式(3)に示すように、インダクタンスLの値と、ラジアル荷重Rの値(Fr)との間には相関がある。式(3)のaは、ラジアル荷重Rに対するコイル20の感度に応じて設定される係数である。bは、インダクタンスLの初期値(Fr=0の場合に測定されるインダクタンス)である。a,bは、コイル20が設けられた転がり軸受10に対して加えられるラジアル荷重Rを変化させる事前の実験と測定の結果に基づいて定めることができる。演算装置60は、式(3)から導出される式(4)を用いて、インダクタンスLからラジアル荷重値Frを求めることができる。
Figure 2021004813
式(3)では,a,bを用いた1次近似による補正式でインダクタンスLからラジアル荷重Rとの相関が示されているが、コイル20の構成条件によっては2次の補正式など条件に応じた補正式とすることができる。
以上、演算装置60によるラジアル荷重Rの導出について説明したが、演算装置60は、上述の処理を行うための専用の回路であってもよいし、上述の処理内容を含むソフトウェア・プログラムを実行するコンピュータであってもよい。
なお、電流測定回路40によって測定された電流及び電圧測定回路50によって測定された電圧から演算装置60が電流値I及び電圧値Vを得るための仕組みについては、任意である。例えば、電流測定回路40によって測定された電流及び電圧測定回路50によって測定された電圧は、図示しないA/D変換器又は同様の機能を有する回路を用いてデジタル情報に変換されて演算装置60に入力されるか、係るA/D変換機能を演算装置60が含む。また、電流測定回路40、電圧測定回路50がそれぞれA/D変換機能を有し、デジタル化された電流値I、電圧値Vを演算装置60に出力する構成であってもよい。
図4は、2つのコイル20のピッチ角度P2と転がり軸受10が有する複数の転動体13の所定のピッチ角度P1との関係を示す図である。転がり軸受10が有する複数の転動体13のうち円周方向に隣り合う2つの転動体13の回転軸中心Axを中心とするピッチ角度は、保持器14によって規定された所定のピッチ角度P1である。図4に示す例では、転動体13aと転動体13bが円周方向に隣り合っており、回転軸中心Axを中心とするピッチ角度が所定のピッチ角度P1である。転動体13aと転動体13bに限らず、転動体13bと転動体13cを含めて、図示しない円周方向に隣り合う2つの転動体13同士のピッチ角度は、所定のピッチ角度P1である。例えば、1つの転がり軸受10が有する転動体13の数が8である場合、所定のピッチ角度P1は、45度(°)である。
実施形態では、1つの転がり軸受10に2つのコイル20が設けられている。図4では、回転軸中心Axを中心とする円周方向の配置が異なる2つのコイル20を区別する目的で、一方の符号の末尾にaを付し、他方の符号の末尾にbを付している。回転軸中心Axを中心として隣り合うコイル20aとコイル20bのピッチ角度P2は、所定のピッチ角度P1の半分(1/2)の角度である。コイル20aとコイル20bは、回転軸中心Axを中心とする円周方向の配置が異なる点を除いて共通の構成であり、上述のコイル20と同様である。
図5は、2つのコイル20a,20bの各々のインダクタンスLa,Lb及びその合成インダクタンスLcと、転がり軸受10に対するラジアル荷重Rとの関係を模式的に示すグラフである。
転動体13は、外輪11と内輪12の相対的な回転に伴って回転軸中心Axを中心として円周方向に公転運動をする。このため、コイル20と転動体13との位置関係は、外輪11と内輪12の相対的な回転に伴って変化する。
実施形態の転動体13は、磁性体である。これは、転動体13の材料に軸受鋼等の磁性体が用いられるためである。コイル20と転動体13との位置関係が外輪11と内輪12の相対的な回転に伴って変化すると、転動体13がコイル20に与える磁気的な影響の度合いが変化する。このような磁気的な影響の度合いの変化によって、図5のインダクタンスLa,Lbのように、1つのコイル20の電流値Iと電圧値Vから求められるインダクタンスLは、一次関数的な線形とは異なる波形を描きながら、ラジアル荷重Rの増大(又は減少)に伴って全体的に増加(又は減少)していく。すなわち、1つのコイル20のインダクタンスLは、理想的にはラジアル荷重Rの増大(又は減少)に伴って一次関数的に増大(又は減少)するはずであるにも関わらず、転動体13がコイル20に与える磁気的な影響の度合いによって一次関数的な線形とは異なる波形を描きながら増大(又は減少)する。このように、転動体13とコイル20との位置関係の変化は、インダクタンスLとラジアル荷重Rとの関係に誤差をもたらす。
インダクタンスLa,Lbの各々が示すインダクタンスLとラジアル荷重Rとの関係は、波形の振幅分が正しいラジアル荷重Rを求めるうえでの誤差になってしまう。複数回のタイミングで電流値Iと電圧値Vを測定し、それぞれのタイミングの電流値Iと電圧値Vに基づいて算出されたインダクタンスLの移動平均線L1,L2を求め、その中間値としての合成インダクタンスLcを導出することで誤差の影響を低減することも可能である。しかしながら、この方法では電流値Iと電圧値Vを複数回測定するまでラジアル荷重Rの算出精度を上げることが難しいことによるタイムラグが生じることになる。すなわち、移動平均のみではラジアル荷重Rのセンシングに関する応答速度を向上させることが困難である。
これに対し、実施形態によれば、回転軸中心Axを中心として隣り合うコイル20aとコイル20bのピッチ角度P2は、所定のピッチ角度P1の半分(1/2)の角度である。このため、ピッチ角度P2の範囲内に転動体13の中心がある場合を考えると、コイル20aとコイル20bのうち一方から転動体13が遠ざかる場合、他方と転動体13とは近づく。コイル20aとコイル20bのうち一方と転動体13との距離が最短である場合、他方は、転動体13との距離が最長である。このようなコイル20a,20bと転動体13との位置関係によって、コイル20aとコイル20bのうち一方のインダクタンスLとラジアル荷重Rとの関係がインダクタンスLaのようになる場合、他方のインダクタンスLとラジアル荷重Rとの関係は、インダクタンスLbのようになる。従って、コイル20a,20bの各々のインダクタンスLa,Lbを足し合わせて2で割った合成インダクタンスLcは、インダクタンスLとラジアル荷重Rとの関係を示すグラフが実質的に理想的な一次直線を描く。
実施形態によれば、転がり軸受10に加わるラジアル荷重Rに応じたコイル20のインダクタンスLを電流値Iと電圧値Vとに基づいて算出してインダクタンスLに応じたラジアル荷重Rを導出することができる。すなわち、インダクタンスLを電流値Iと電圧値Vから求めることができるため、より高精度にインダクタンスL及びインダクタンスLに応じたラジアル荷重Rを求めることができる。また、外輪11の径方向の外周側に圧力検出用のセンサ及びリファレンス用のセンサを設けるためのスペースを必要とせず、外輪11の回転軸中心Axが延びる方向にコイル20を設けることが可能であればラジアル荷重Rを求めることができる。また、リファレンス用のセンサ、ロードセル、ひずみゲージアンプ等を用いた高価なシステムを必要とせず、より簡易な構成でラジアル荷重Rを求めることができる。
また、回転軸中心Axを中心として隣り合うコイル20aとコイル20bのピッチ角度P2を所定のピッチ角度P1の半分(1/2)の角度にすることで、転がり軸受10の回転の有無及び回転角度による影響を抑制してより高精度にラジアル荷重Rを導出することができる。すなわち、実施形態のセンサ付き転がり軸受5によれば、転動体13の位置に関わらず安定してラジアル荷重Rを求めるための情報を得ることができる。
また、1つの励磁回路30で複数のコイル20を励磁することができる。また、このような複数のコイル20に対する交流電流の印加タイミングを特に制御する必要なく、同時に複数のコイル20を励磁することができる。
(変形例1)
図6は、変形例1の荷重算出システム1Aの主要構成を示すブロック図である。変形例1の荷重算出システム1Aは、複数のコイル20と、コイル20に設けられた複数の励磁回路30とを備える。また、変形例1では、複数の励磁回路30による交流電圧の印加タイミングは同期する。なお、変形例1の第1電流測定回路40a、第2電流測定回路40b及び第1電圧測定回路50a、第2電圧測定回路50bについては、実施形態と同様である。
変形例1の励磁回路30は、コイル20毎に設けられる。第1励磁回路30aは、コイル20aの導線22に所定の周波数の交流電圧を印加する。第2励磁回路30bは、コイル20bの導線22に所定の周波数の交流電圧を印加する。これら特筆した事項を除き、第1励磁回路30a、第2励磁回路30bは、実施形態の励磁回路30と同様である。
同期回路70は、第1励磁回路30aによるコイル20aの励磁タイミングと、第2励磁回路30bによるコイル20bの励磁タイミングとが同一のタイミングになるように第1励磁回路30aと第2励磁回路30bの動作を制御する同期処理を行う。具体的形態の一例として、同期回路70は、励磁タイミングの制御に用いられるクロックパルスを第1励磁回路30a及び第2励磁回路30bに出力するクロック回路を含む構成である。第1励磁回路30a及び第2励磁回路30bは、クロックパルスによるタイミング制御下で、それぞれ交流電流を出力する。以上、特筆した事項を除いて、変形例1の荷重算出システム1Aは、実施形態の荷重算出システム1と同様である。
変形例1によれば、複数のコイル20を個別に励磁することができる。このため、複数のコイル20のいずれかに生じた電気的変化が他のコイル20に影響を与える可能性をより低減することができる。また、複数の励磁回路30が同期して個別にコイル20を励磁する。このため、同一タイミングのラジアル荷重Rに応じた複数のコイル20のインダクタンスLを得ることができ、より高精度にラジアル荷重Rを求めることができる。
実施形態におけるコイル20a,20bに対する励磁は、実施形態のように1つの励磁回路30で行ってもよいし、変形例1のように個別の第1励磁回路30a、第2励磁回路30bで行ってもよい。
(変形例2)
図7は、変形例2の荷重算出システム1Bの主要構成を示すブロック図である。変形例2の荷重算出システム1Bは、複数のコイル20と、1つの励磁回路30と、1つの電流測定回路40と、1つの電圧測定回路50とを備える。実施形態1及び変形例1では、コイル20のインダクタンスLは、コイル20aとコイル20bとで個別に求められるが、変形例2では、2つのコイル20を含む回路の電流Iが電流測定回路40に測定され、当該回路の電圧Vが電圧測定回路50に測定され、当該回路のインピーダンスZ及びインダクタンスLが求められる。ここで求められるインダクタンスLは、合成インダクタンスLcと同様の傾向を示す。以上、特筆した事項を除いて、変形例2の荷重算出システム1Bは、実施形態の荷重算出システム1と同様である。
実施形態及び各変形例における2つのコイル20は、実施形態のように配置された2つのコイル20a,20bであってもよいし、他の配置関係にある2つのコイル20であってもよい。また、実施形態及び各変形例では、3つ以上のコイル20を設けてもよい。その場合、実施形態及び変形例2では、3つ以上のコイル20が励磁回路30に対して直列に接続される。変形例1では、3つ以上のコイル20にそれぞれ個別に励磁回路30が設けられ、3つ以上の励磁回路30が同期回路70の制御下で同期する。
実施形態及び各変形例のように、複数のコイル20を備える構成では、転がり軸受10に加わるラジアル荷重R以外の荷重も測定可能になる。具体的には、外輪11に対してそれぞれ異なる位置に配置された複数のコイル20のインダクタンスLと、そのような複数のコイル20のインダクタンスLが得られるタイミングに転がり軸受10に加わっているラジアル荷重R、アキシアル荷重、モーメント荷重の有無及び大きさとの相関を予め測定する。測定結果を示すデータを演算装置60から参照可能に記憶、保持することで、演算装置60が算出した複数のコイル20のインダクタンスLと当該データとの照合によって、転がり軸受10に加わっているラジアル荷重R、アキシアル荷重及びモーメント荷重を導出することができる。
1,1A,1B 荷重算出システム
10 転がり軸受
11 外輪
12 内輪
13 転動体
14 保持器
20 コイル
21 芯材
22 導線
30 励磁回路
30a 第1励磁回路
30b 第2励磁回路
40 電流測定回路
40a 第1電流測定回路
40b 第2電流測定回路
50 電圧測定回路
50a 第1電圧測定回路
50b 第2電圧測定回路
60 演算装置
70 同期回路

Claims (3)

  1. 転がり軸受と、
    前記転がり軸受の回転軸方向と直交する側面に芯材が固定されて導線が巻回されたコイルとを備え、
    前記コイルは、2つ設けられ、
    2つの前記コイルは、前記回転軸を中心とするピッチ角度が、前記転がり軸受が有する複数の転動体のうち、前記回転軸を中心として円周方向に隣り合う2つの転動体のピッチ角度の1/2である
    センサ付き転がり軸受。
  2. 請求項1に記載のセンサ付き転がり軸受と、
    前記コイルに所定の周波数の交流電圧を印加する励磁回路と、
    前記交流電圧の印加によって前記導線に流れた電流を測定する電流測定回路と、
    前記交流電圧の印加によって前記導線に生じた電圧を測定する電圧測定回路と、
    前記導線に流れた電流と前記導線に生じた電圧とに基づいて前記転がり軸受に加わるラジアル荷重を算出する演算装置と、
    を備える荷重算出システム。
  3. 前記励磁回路は、コイル毎に設けられる
    請求項2に記載の荷重算出システム。
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