JP2021004779A - X線分析装置、x線分析用信号処理装置およびx線分析方法 - Google Patents

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直也 上田
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Abstract

【課題】微分波を波形変換するフィルタを有するX線分析装置において、フィルタに入力される微分波のベースラインを適切に調整する。【解決手段】X線分析装置1は、X線を検出するX線検出器12と、X線検出器12で検出された階段波を微分波に変換する微分回路16と、微分波を符号無しの2進数で示されるデジタル信号に変換するADC20と、ADC20によって変換されたデジタル信号の最上位ビットを反転させる反転部44と、反転部44からの出力を符号付きの2進数で示されるデジタル信号として台形波または三角波に変換する波形変換デジタルフィルタ46と、台形波または三角波におけるピークの波高値を計数するピーク検出器52とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、X線分析装置、X線分析用信号処理装置およびX線分析方法に関する。
X線分析装置は、固体、粉体または液体の試料に励起X線(一次X線)を照射し、照射した一次X線により励起されて放出される蛍光X線を分光器で検出することによって、その試料に含まれる元素の定性分析または定量分析を行なうものである。このようなX線分析装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置と、エネルギ分散型蛍光X線分析装置とがある。
波長分散型蛍光X線分析装置は、分光結晶とスリットとを組み合わせたX線分光器により特定波長の蛍光X線を選別した上で検出器により検出する構成を有する。一方、エネルギ分散型蛍光X線分析装置は、こうした波長選別を行なわずに蛍光X線を直接半導体検出器等で検出し、その後の出力信号を波長λ(つまりX線エネルギE)ごとに分離する処理を行なうように構成される。したがって、蛍光X線スペクトルを作成する場合、波長分散型蛍光X線分析装置では波長走査を行なう必要があるのに対し、エネルギ分散型蛍光X線分析装置では多数の波長の情報が同時に得られるため、短時間で蛍光X線スペクトルを取得できる。
特開2015−21957号公報(特許文献1)は、エネルギ分散型蛍光X線分析装置を開示する。このエネルギ分散型蛍光X線分析装置は、X線検出器で検出された階段波を微分波に変換する微分回路と、微分波を台形波または三角波に変換するデジタルフィルタと、台形波または三角波におけるピークの波高値を弁別して計数するピーク検出器とを有する。
特開2015−21957号公報
特許文献1に記載されるX線分析装置によれば、階段波を微分波に変換することで、ダイナミックレンジを広くとれるため、分解能を高めることができる。そして、デジタルフィルタによって微分波を台形波または三角波に変換する変換処理を行なうことで、ピーク検出器においてピークの波高値を正確に算出することができる。
このようなX線分析装置において、アナログ信号である微分波をAD変換器等を用いてデジタル信号に変換する場合には、AD変換器の構成によってはデジタル信号に変換された微分波のベースラインがデジタル信号が取り得る値の範囲の中央値になる場合がある。一方、デジタルフィルタにおいては入力される波形はゼロをベースラインとすることを前提としているため、入力される波形のベースラインがゼロでないと、デジタルフィルタの出力波形のベースラインがゼロよりも大きく乖離することとなる。また、この場合、台形波の立ち上がり時間の変更に大きく影響を受けて、出力波形のベースラインが大きく変動する場合がある。そのため、出力波形のベースラインを適切に調整できない場合がある。さらに、デジタルフィルタに入力される微分波をオフセット補正することによってベースラインを調整することも考えられるが、上述のようにベースラインが変動する場合があるため、補正量を一律に設定することができない。そのため、オフセット補正による演算負荷が生じたり、オフセットの補正量を設定する負荷が生じたりする場合がある。
本開示の目的は、微分波を波形変換するフィルタを有するX線分析装置において、フィルタに入力される微分波のベースラインを適切に調整することである。
本開示のX線分析装置は、X線を検出するX線検出器と、X線検出器で検出された階段波を微分波に変換する微分回路と、微分波を符号無しの2進数で示されるデジタル信号に変換するAD変換部と、AD変換部によって変換されたデジタル信号の最上位ビットを反転させる反転部と、反転部からの出力を符号付きの2進数で示されるデジタル信号として台形波または三角波に変換するデジタルフィルタと、台形波または三角波におけるピークの波高値を計数するピーク検出器とを備える。
上記のX線分析装置によれば、たとえば、AD変換部により変換された微分波のベースラインが中央値になる場合には、微分波を示すデジタル信号の最上位ビットを反転させ、かつ、最上位ビットが反転されたデジタル信号が符号付きの2進数で示されるデジタル信号として取り扱われる。これにより、オフセット補正を行なうことなく、微分波のベースラインをゼロにすることができる。そのため、オフセットの補正量を設定する負荷の発生を抑制することができる。さらに、最上位ビットを反転させる処理によって、オフセット補正を行なう処理と比較して演算負荷を低減することができる。したがって、このX線分析装置によれば、フィルタに入力される微分波のベースラインを適切に調整することができる。
本実施の形態に係るX線分析装置の構成例を示す図である。 微分波から台形波への変換処理について説明するための図である。 微分波のベースラインについて説明するための図である。 微分波デジタル信号のデータの変化を説明するための図である。 X線分析装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。 反転前後における微分波デジタル信号のデータの変化を説明するための図である。
以下に、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さないものとする。
<X線分析装置1の構成について>
図1は、本実施の形態に係るX線分析装置1の構成例を示す図である。本実施の形態においてX線分析装置1は、エネルギ分散型蛍光X線分析装置である。図1に示すように、X線分析装置1は、X線管球10と、エネルギ分散型分光器(以下、X線検出器と記載する)12と、プリアンプ14と、微分回路16と、アンプ18と、ADC(Analog to Digital Converter)20と、CPU(Central Processing Unit)30と、X線分析用信号処理装置(以下、単に信号処理装置と記載する)40とを備える。
X線管球10は、1次X線を試料Sに出射する。X線管球10は、たとえば、陽極であるターゲットと、陰極であるフィラメントと、ターゲットおよびフィラメントを収容する筐体とを有する。ターゲットに高電圧を印加するとともに、フィラメントに低電圧を印可すると、フィラメントから放射された熱電子がターゲットの端面に衝突し、当該端面にて1次X線を発生させる。ターゲットの端面で発生した1次X線は試料Sに出射される。1次X線が試料Sに照射されると、1次X線により励起された蛍光X線が試料Sから放出され、X線検出器12に入射される。
X線検出器12は、予め定められた波長域の蛍光X線の強度を検出する。X線検出器12は、筐体内部に配置され、上記波長域の蛍光X線の強度を検出する検出素子を有する。検出素子は、たとえば、リチウムドリフト型Si半導体素子である。
X線検出器12の出力信号はプリアンプ14で増幅される。プリアンプ14により出力信号は階段波状の信号となる。階段波状の信号の各段が蛍光X線を検出していることを示している。各段の高さが波長λ、すなわちX線エネルギEを表している。
プリアンプ14で増幅された出力信号は、微分回路16に送られる。微分回路16は、コンデンサCおよび抵抗Rによって構成され、階段波を次式(1)で表す微分波に変換する。階段波を微分波に変換することで、ダイナミックレンジを広くとることができ、結果的に高分解能を得ることができる。微分波はアンプ18で増幅され、ADC20に送られる。
Figure 2021004779
ただし、τ(=RC)は時定数、Tはサンプリング周期、nはサンプル数、aは(exp(−T/τ))である。
ADC20は、アナログ信号である微分波を所定のサンプリング周期でサンプリングして、たとえば、符号なしの2進数で示されるデジタル信号(以下、微分波デジタル信号と記載する)に変換する。微分波デジタル信号は、信号処理装置40に入力される。
<信号処理装置40の構成について>
信号処理装置40は、一般的に、FPGA(Field-programmable gate array)をはじめとするロジックデバイスによって構成される。
信号処理装置40は、ADC20から与えられる微分波デジタル信号を式(2)で示される台形波に変換するように構成される波形変換デジタルフィルタ46を含む。
Figure 2021004779
ここで、式(2)に示されるMは、台形波の上底の時間に相当し、式(2)で示されるNは、台形波の立ち上がり時間および立ち下がり時間を示す。
図2は、微分波から台形波への変換処理について説明するための図である。図2の左側に示される微分波は、信号処理装置40に含まれるデジタルフィルタによって、図2の右側に示されるように、立ち上がり時間および立ち下がり時間がいずれもNであって、上底の時間がMとなる台形波に変換されることとなる。
信号処理装置40は、台形波におけるピークを検出して各ピークの波高値(ピークトップ値)を取得し、ピーク毎にピークトップ値に応じたX線エネルギEの計数値を算出して、CPU30に出力する。
CPU30は、信号処理装置40から出力される計数値に基づいて、波高分布図(エネルギスペクトルヒストグラム)を作成する。波高分布図は横軸に蛍光X線エネルギEを示し、縦軸に元素の含有量(強度)を示す図である。波高分布図では、試料S中に含まれる元素から放出される蛍光X線のエネルギEに対応する位置に各元素固有のピークが現れる。CPU30は、このピークの出現位置およびそのX線強度値などに基づいて、含有元素の定性分析および定量分析を行なう。
<微分波のベースラインについて>
以上のような構成を有するX線分析装置1において、アナログ信号である微分波をADC20を用いてデジタル信号に変換する場合には、ADC20の構成によってはデジタル信号に変換された微分波のベースラインがデジタルフィルタにおいて入力される波形のベースラインとして想定される値と大きく異なる場合がある。
図3は、微分波のベースラインを説明するための図である。図3の左側には、微分波に変換前の階段波が示される。図3の右側には、ADC20によってデジタル信号に変換された微分波が示される。図3の左側に示すように、階段波においては0をベースラインとする場合でもADC20の構成によっては、デジタル信号に変換された微分波のベースラインが中央値に変化する場合がある。
一方、信号処理装置40に含まれるデジタルフィルタにおいては入力される波形はゼロをベースラインとすることを前提としているため、入力される波形のベースラインがゼロでないと、デジタルフィルタの出力波形のベースラインがゼロよりも大きく乖離することとなる。また、この場合、台形波の立ち上がり時間の変更に大きく影響を受けて、出力波形のベースラインが大きく変動する場合がある。そのため、出力波形のベースラインを適切に調整できない場合がある。さらに、デジタルフィルタに入力される微分波をオフセット補正することによってベースラインを調整することも考えられるが、上述のようにベースラインが変動する場合があるため、補正量を一律に設定することができない。そのため、オフセット補正による演算負荷が生じたり、オフセットの補正量を設定する負荷が生じたりする。
<信号処理装置40の構成および処理の一例について>
本実施の形態において信号処理装置40は、反転部44と、波形変換デジタルフィルタ46と、ベースライン補正部48と、ゲイン/オフセット調整部50と、ピーク検出器52と、ヒストグラムメモリ54とを含むものとする。
反転部44は、ADC20から入力される符号無しの2進数で示される微分波デジタル信号の最上位ビット(以下、MSB(Most Significant Bit)と記載する場合がある)を反転する反転処理を実行する。
波形変換デジタルフィルタ46は、反転部44からの出力を符号付きの2進数で示されるデジタル信号として台形波または三角波に変換する処理を実行する。波形変換デジタルフィルタ46は、符号付きの2進数の加算処理を行なう加算器46aと、符号付きの2進数の乗算処理を行なう乗算器46bとを含む。加算器46aまたは乗算器46bは、複数個あってもよい。なお、微分波を台形波に変換する変換処理については、公知の方法を用いればよく、その処理内容についての詳細な説明は行なわない。
図4は、微分波デジタル信号のデータの変化を説明するための図である。図4の中央の破線よりも左側には、反転部44によって反転処理が実行される前(以下、反転前と記載する)において10進数で取りうる値と、符号なしの2進数で取りうる値とが示される。たとえば、符号なしの2進数で取りうる値が14ビットで表示される場合には、符号なしの2進数で取りうる値は、「00000000000000」(以下、「00…00」と10個の「0」を省略して記載する)から「11111111111111」(以下、「11…11」と10個の「1」を省略して記載する)までの範囲の値となる。
この場合、「00…00」に対応する10進数の値は、「0」であって、「11…11」に対応する10進数の値は、「16383」である。また、中央値である「10000000000000」(以下、「10…00」と10個の「0」を省略して記載する)に対応する10進数の値は、8192であり、直前の「01111111111111」(以下、「01…11」と10個の「1」を省略して記載する)に対応する10進数の値は、8191である。
反転部44において反転処理が行なわれると、符号無しの2進数で示される値の最上位ビットが反転される。すなわち、最上位ビットが「0」である場合には「1」に反転され、最上位ビットが「1」である場合には「0」に反転される。
その結果、図4の中央の破線よりも右側に示すように、「00…00」から「11…11」の値は、反転処理によって「10…00」から「01…11」の値にそれぞれ変換される。「10…00」から「01…11」までの値は、波形変換デジタルフィルタ46において符号付きの2進数として取り扱われる。符号付きの2進数として取り扱われる場合、「10…00」から「01…11」までの値は、10進数での−8192から8191までの値に対応する。なお、符号なしの2進数で示される値のうちの中央値「10…00」は、反転処理によって「00…00」に変換されることとなる。
すなわち、反転部44は、ADC20から出力される微分波デジタル信号のデータに示される符号なしの2進数の値を最上位ビットを反転した値に変換し、変換したデータを波形変換デジタルフィルタ46に出力する。波形変換デジタルフィルタ46は、反転部から入力された微分波デジタル信号のデータに示される値を符号付きの2進数の値として取り扱って台形波に変換する。
波形変換デジタルフィルタ46から出力される台形波は、ベースライン補正部48およびゲイン/オフセット調整部50によってベースラインおよびゲインが調整された後、ピーク検出器52に入力される。
ピーク検出器52は、台形波の上底をピークとして検出して各ピークの波高値(ピークトップ値)を取得する。ピーク検出器52は、ピーク毎にピークトップ値に応じたX線エネルギEの計数値をインクリメントして、ヒストグラムメモリ54に格納する。ヒストグラムメモリ54に格納された計数値は、CPU30に出力される。なお、上記説明においては、符号なしの2進数で取りうる値が14ビットで表示される場合を一例として説明したが、特に14ビットで表示されることに限定されるものではなく、たとえば、8ビットや16ビット等で表示されるようにしてもよい。
<X線分析装置1による一連の処理内容について>
以下にX線分析装置1による一連の処理内容について図5を用いて説明する。図5は、X線分析装置1において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップ(以下、ステップをSと記載する)10にて、X線分析装置1は、蛍光X線の強度を階段波として検出する。S20にて、X線分析装置1は、階段波を微分波に変換する。S30にて、X線分析装置1は、微分波デジタル信号に変換する。
S40にて、X線分析装置1(具体的には、信号処理装置40)は、微分波デジタル信号に対して反転処理を実行する。なお、反転処理については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
S50にて、X線分析装置1は、波形変換処理を実行する。X線分析装置1は、反転処理が実行された微分波デジタル信号を波形変換デジタルフィルタ46を用いて台形波に変換する処理を実行する。
S60にて、X線分析装置1は、変換された台形波のベースラインを補正する。S70にて、X線分析装置1は、ベースラインが補正された出力波形のゲインまたはオフセットを調整する。
S80にて、X線分析装置1は、調整後の出力波形のピークの波高値を検出する。なお、ピークの波高値の検出については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
S90にて、X線分析装置1は、ヒストグラムメモリ54に格納された計数値を更新する。X線分析装置1は、ヒストグラムメモリ54に格納された計数値のうちの検出された波高値に対応する計数値をインクリメントすることによって更新する。S100にて、X線分析装置1は、波高分布図を作成する。
<X線分析装置1の動作の一例について>
以上のように説明したX線分析装置1の動作について説明する。たとえば、微分回路16において階段波からアナログ信号である微分波に変換されると、ADC20において符号なしの2進数で示される微分波デジタル信号に変換され、信号処理装置40に入力される。
信号処理装置40に入力された微分波デジタル信号のデータに含まれる各値は、反転部44においてその最上位ビットが反転されて波形変換デジタルフィルタ46に入力される。波形変換デジタルフィルタ46に入力された、最上位ビットが反転された後のデジタル信号は、符号付きの2進数のデジタル信号として取り扱われる。
図6は、反転前後における微分波デジタル信号のデータの変化を説明するための図である。反転前における微分波デジタル信号のデータを10進数で表示すると、図6の左側の波形に示すように、0から16383までの間において8192をベースラインとした微分波になる。これに対して、反転後における微分波デジタル信号のデータを10進数で表示すると、図6の右側の波形に示すように、−8192から8191までの間において0をベースラインとした微分波になる。
波形変換デジタルフィルタ46の加算器46aや乗算器46bなどの各演算処理部において演算処理が実行されることによって図2を用いて説明したように微分波が台形波に変換される。変換された台形波は、ベースライン補正部48およびゲイン/オフセット調整部50においてベースラインおよびゲインが調整された後にピーク検出器52に入力される。ピーク検出器52は、台形波の上底の波高値をピークの波高値として取得し、取得した波高値を用いてヒストグラムメモリ54に格納されたデータを更新する。具体的には、ピーク検出器52は、取得した波高値に対応する計数値をインクリメントする。CPU30は、信号処理装置40から出力される計数値に基づいて、波高分布図を作成する。
<作用効果について>
以上のようにして、本実施の形態に係るX線分析装置1によると、たとえば、微分波のベースラインが中央値になる場合には、微分波を示す符号無しの2進数で示されるデジタル信号の最上位ビットを反転させ、かつ、符号付きの2進数で示されるデジタル信号として取り扱われることによって、オフセット補正を行なうことなく、ゼロをベースラインとすることができる。そのため、オフセットの補正量を設定する負荷の発生を抑制することができる。さらに、最上位ビットを反転させる処理によって、オフセット補正を行なう処理と比較して演算負荷を低減することができる。したがって、このX線分析装置1によれば、フィルタに入力される微分波のベースラインを適切に調整することができる。
さらに、波形変換デジタルフィルタ46は、符号付きの2進数で加算処理を行なう加算器46aと、符号付きの2進数で乗算処理を行なう乗算器46bとを含んでおり、反転部44からの出力されるデジタル信号を符号付きの2進数で示されるデジタル信号として台形波に変換することができる。
なお、上述の信号処理装置40において、波形変換デジタルフィルタ46は、微分波を台形波に変換するものとして説明したが、波形変換デジタルフィルタ46は、微分波を台形波に代えて三角波に変換するようにしてもよい。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
[態様]
上述した複数の例示的な実施の形態およびその変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様に係るX線分析装置は、X線を検出するX線検出器と、X線検出器で検出された階段波を微分波に変換する微分回路と、微分波を符号無しの2進数で示されるデジタル信号に変換するAD変換部と、AD変換部によって変換されたデジタル信号の最上位ビットを反転させる反転部と、反転部からの出力を符号付きの2進数で示されるデジタル信号として台形波または三角波に変換するデジタルフィルタと、台形波または三角波におけるピークの波高値を計数するピーク検出器とを備える。
第1項に記載のX線分析装置において、たとえば、AD変換部により変換された微分波のベースラインが中央値になる場合には、微分波を示すデジタル信号の最上位ビットを反転させ、かつ、最上位ビットが反転されたデジタル信号が符号付きの2進数で示されるデジタル信号として取り扱われる。これにより、オフセット補正を行なうことなく、微分波のベースラインをゼロにすることができる。そのため、オフセットの補正量を設定する負荷の発生を抑制することができる。さらに、最上位ビットを反転させる処理によって、オフセット補正を行なう処理と比較して演算負荷を低減することができる。したがって、このX線分析装置によれば、フィルタに入力される微分波のベースラインを適切に調整することができる。
(第2項)第1項に記載のX線分析装置において、デジタルフィルタは、符号付きの2進数で加算処理を行なう加算器と、符号付きの2進数で乗算処理を行なう乗算器とを含む。
第2項に記載のX線分析装置によれば、反転部からの出力されるデジタル信号を符号付きの2進数で示されるデジタル信号として台形波または三角波に変換することができる。
(第3項)一態様に係るX線分析用信号処理装置は、X線検出器で検出された階段波から変換された微分波が符号無しの2進数で示されるデジタル信号に変換され、変換されたデジタル信号が入力されるX線分析用信号処理装置である。このX線分析用信号処理装置は、変換されたデジタル信号の最上位ビットを反転させる反転部と、反転部からの出力を符号付きの2進数で示されるデジタル信号として台形波または三角波に変換するデジタルフィルタと、台形波または三角波におけるピークの波高値を計数するピーク検出器とを備える。
(第4項)一態様に係るX線分析方法は、X線検出器で検出された階段波を微分波に変換するステップと、微分波を符号無しの2進数で示されるデジタル信号に変換するステップと、変換されたデジタル信号の最上位ビットを反転させるステップと、反転されたデジタル信号を符号付きの2進数で示されるデジタル信号として台形波または三角波に変換するステップと、台形波または三角波におけるピークの波高値を計数するステップとを含む。
第3項に記載のX線分析用信号処理装置および第7項に記載のX線分析方法によれば、フィルタに入力される微分波のベースラインを適切に調整することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 X線分析装置、10 X線管球、12 X線検出器、14 プリアンプ、16 微分回路、18 アンプ、20 ADC、30 CPU、40 信号処理装置、44 反転部、46 波形変換デジタルフィルタ、46a 加算器、46b 乗算器、48 ベースライン補正部、50 オフセット調整部、52 ピーク検出器、54 ヒストグラムメモリ。

Claims (4)

  1. X線を検出するX線検出器と、
    前記X線検出器で検出された階段波を微分波に変換する微分回路と、
    前記微分波を符号無しの2進数で示されるデジタル信号に変換するAD変換部と、
    前記AD変換部によって変換された前記デジタル信号の最上位ビットを反転させる反転部と、
    前記反転部からの出力を符号付きの2進数で示されるデジタル信号として台形波または三角波に変換するデジタルフィルタと、
    前記台形波または前記三角波におけるピークの波高値を計数するピーク検出器とを備える、X線分析装置。
  2. 前記デジタルフィルタは、符号付きの2進数で加算処理を行なう加算器と、符号付きの2進数で乗算処理を行なう乗算器とを含む、請求項1に記載のX線分析装置。
  3. X線検出器で検出された階段波から変換された微分波が符号無しの2進数で示されるデジタル信号に変換され、変換された前記デジタル信号が入力されるX線分析用信号処理装置であって、
    変換された前記デジタル信号の最上位ビットを反転させる反転部と、
    前記反転部からの出力を符号付きの2進数で示されるデジタル信号として台形波または三角波に変換するデジタルフィルタと、
    前記台形波または前記三角波におけるピークの波高値を計数するピーク検出器とを備える、X線分析用信号処理装置。
  4. X線検出器で検出された階段波を微分波に変換するステップと、
    前記微分波を符号無しの2進数で示されるデジタル信号に変換するステップと、
    変換された前記デジタル信号の最上位ビットを反転させるステップと、
    反転された前記デジタル信号を符号付きの2進数で示されるデジタル信号として台形波または三角波に変換するステップと、
    前記台形波または前記三角波におけるピークの波高値を計数するステップとを含む、X線分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022162975A1 (ja) * 2021-01-27 2022-08-04 株式会社島津製作所 蛍光x線分析装置
CN117836616A (zh) * 2021-08-24 2024-04-05 株式会社理学 X射线分析装置及峰值预测程序

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