JP2021001733A - 分光分析システム - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に溶液分析が可能であり、かつ、放射性物質が含有される溶媒を適切に分析する。【解決手段】分光分析システム1は、放射性物質を含有する溶液Xが貯留される貯留容器14が内部に収納される筐体12と、筐体12内に設けられてX溶液に浸漬される測定プローブ32と、少なくとも近赤外光の波長帯の光を照射する光源部30と、光を受光する検出部34と、光源部30からの光を測定プローブ32に導き、測定プローブ32からの光を検出部34に導く光ファイバ38と、を備える。筐体12及び測定プローブ32は、高線量区域AR1に設けられ、光源部30及び検出部34は、高線量区域AR1よりも空間線量率が低い低線量区域AR2に設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、分光分析システムに関する。
溶液中の放射性物質を分析する際に、分光分析を用いる場合がある。この場合、溶液による光の波長毎の吸光度を示す吸光度スペクトルから、放射性物質の濃度を算出する。例えば特許文献1には、配管を流れる溶液に光を照射して、分光分析により、溶液中のウラン及びプルトニウムの濃度を測定する旨が記載されている。
特開2017−125747号公報
特許文献1においては、配管を流れる溶液を分析するために、配管に対して測定プローブを接続するための加工を施す必要がある。しかし、既存の配管などにおいては、加工を施すことが困難となる場合がある。従って、配管に測定プローブを接続することなく、容易に溶液分析が可能な構造の分光分析システムが求められている。また、溶液中の放射性物質の濃度だけでなく、放射性物質が含有される溶媒自体の濃度を分光分析することも求められている。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、容易に溶液分析が可能であり、かつ、放射性物質が含有される溶媒を適切に分析可能な分光分析システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る分光分析システムは、放射性物質を含有する溶液が貯留される貯留容器が内部に収納される筐体と、前記筐体内に設けられて前記溶液に浸漬される測定プローブと、少なくとも近赤外光の波長帯の光を照射する光源部と、光を受光する検出部と、前記光源部からの光を前記測定プローブに導き、前記測定プローブからの光を前記検出部に導く光ファイバと、を備え、前記筐体及び前記測定プローブが、高線量区域に設けられ、前記光源部及び前記検出部が、前記高線量区域よりも空間線量率が低い低線量区域に設けられる。
この分光分析装置は、貯留容器にサンプリングされた溶液を分析するため、容易に溶液分析が可能な構造となる。また、この分光分析装置によると、近赤外光の波長帯を用いることで、水による光の吸収を抑え、放射性物質が含有される溶媒を適切に分析することができる。
前記光ファイバは、低OH型の光ファイバを含むことが好ましい。この分光分析装置によると、光の減衰を抑え、溶媒を適切に分析することが可能となる。
前記光源部は、さらに、紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の光も照射することが好ましい。この分光分析装置によると、溶液の溶媒の分析と共に、溶液の放射性物質の分析も、適切に行う事が可能となる。
前記光源部は、前記溶液中の有機溶媒を分析する際に、近赤外光の波長帯の光を照射し、前記溶液中の放射性物質を分析する際に、紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の光を照射することが好ましい。この分光分析装置によると、分析対象に応じて照射する光の波長帯を異ならせることで、溶液の溶媒と溶液の放射性物質の分析とを、適切に行う事が可能となる。
前記光ファイバは、紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の光を導く第1光ファイバと、近赤外光の波長帯の光を導く第2光ファイバと、を含み、前記第2光ファイバは、前記第1光ファイバよりも、OH基が少ないことが好ましい。この分光分析装置によると、溶液の溶媒と溶液の放射性物質の分析とを、適切に行う事が可能となる。
制御部を更に備え、前記制御部は、第1接続状態において、前記第1光ファイバを前記測定プローブに接続して、前記光源部から紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の光を照射させることで、紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の光を前記測定プローブから前記溶液に照射させ、第2接続状態において、前記第2光ファイバを前記測定プローブに接続して、前記光源部から近赤外光の波長帯の光を照射させることで、近赤外光の波長帯の光を前記測定プローブから前記溶液に照射させることが好ましい。この分光分析装置によると、溶液の溶媒と溶液の放射性物質の分析とを、適切に行う事が可能となる。
前記光ファイバを覆う金属管をさらに有することが好ましい。この分光分析装置によると、光ファイバが放射線によってダメージを受けることを抑制できる。
前記金属管は、伸縮可能であることが好ましい。この分光分析装置によると、金属管を伸縮可能とすることで光ファイバを動かすことが可能となり、例えば測定プローブを貯留容器に挿入する際などの分析のための作業を、容易に行う事が可能となる。
前記筐体内に設けられて、前記測定プローブ及び前記貯留容器の少なくとも一方を移動させることで、前記測定プローブを前記貯留容器内に挿入する操作部をさらに有することが好ましい。分光分析システムは、このような操作部を設けることで、貯留容器内に貯留された溶液の分析を、適切に実施できる。
前記貯留容器は、表面に開口して前記溶液が貯留される開口部が設けられ、前記開口部の内周面には、溝部が形成されていることが好ましい。分光分析システムは、貯留容器の内周面に溝部を形成することで、測定プローブに溶液が残留することを抑えて、放射線物質を含む溶液の管理負担を低減できる。
前記開口部の中心軸は、前記表面に直行する軸に対して傾斜していることが好ましい。分光分析システムは、開口部を傾斜させることで、測定プローブに溶液が残留することを抑えることができる。また、測定プローブの浸漬時に、液体が透過する部分に気泡を含有し難くすることができる。
本発明によれば、容易に溶液分析が可能であり、かつ、放射性物質が含有した溶媒を適切に分析することができる。
図1は、本実施形態に係る分光分析システムの模式図である。 図2は、金属管を説明するための模式図である。 図3は、本実施形態に係る測定プローブの一例を示す部分拡大図である。 図4は、本実施形態に係る演算部の模式的なブロック図である。 図5は、本実施形態に係る貯留容器の形状の他の例を示す図である。 図6は、本実施形態に係る貯留容器の形状の他の例を示す図である。 図7は、本実施形態に係る貯留容器の形状の他の例を示す図である。 図8は、本実施形態に係る貯留容器の形状の他の例を示す図である。 図9は、本実施形態に係る貯留容器の形状の他の例を示す図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態に係る分光分析システムの模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る分光分析システム1は、溶液Xを分析する装置である。分光分析システム1は、後述の貯留容器14に貯留された溶液Xを分析する。溶液Xは、放射性物質を含む溶液である。分光分析システム1が分析する溶液Xとしては、硝酸などの酸性溶媒に放射性物質が溶解した溶液X1と、有機溶媒に放射性物質が溶解した溶液X2と、が挙げられる。分光分析システム1は、溶液X1を分光分析して、溶液X1に含まれる放射性物質の濃度を測定する。また、分光分析システム1は、溶液X2を分光分析して、有機溶媒の濃度を測定する。本実施形態では、溶液X1、X2に含まれる放射性物質としては、ウラン及びプルトニウムが挙げられる。また、本実施形態では、溶液X2に含まれる有機溶媒としては、TBP(Tributylphosphate;トリブチルフォスフェート)をn−ドデカンで希釈した有機溶媒が挙げられる。また、溶液X2に含まれる有機溶媒のTBP及びn−ドデカン以外の例としては、ジブチルリン酸(DBP)、ブタノール、ドデカノン、ドデカノール、酪酸、プロピオン酸(TBPの劣化生成物)などが挙げられる。なお、分光分析システム1は、溶液X1、X2の両方を分析することに限られず、少なくとも一方を分析可能であればよい。
分光分析システム1は、例えば核燃料の再処理工場などの原子力施設内に設けられる。原子力施設は、例えば壁部Wが設けられ、壁部Wによって、高線量区域AR1と、高線量区域AR1よりも空間線量率が低い低線量区域AR2とに区分けされる。
分光分析システム1は、分光分析装置10と、筐体12と、貯留容器14と、洗浄容器16と、操作部18と、を備える。筐体12は、高線量区域AR1に設けられる。筐体12は、内部の空間12Aが閉塞されており、空間12Aが外気と遮断される。筐体12は、例えば少なくとも一部の壁が透明材で形成されて、外部から空間12Aに、操作部18を介してアクセス可能となっている。
貯留容器14は、筐体12内の空間12Aに配置される。貯留容器14は、溶液Xが貯留される容器である。溶液X1を分析する際には、貯留容器14には溶液X1が貯留され、溶液X2を分析する際には、貯留容器14には溶液X2が貯留される。溶液X1と溶液X2とを分析する場合、例えば貯留容器14に溶液X1、X2の一方を貯留して分析した後、貯留容器14内の溶液を溶液X1、X2の他方に取り換えて、分析を行う。また、溶液X1と溶液X2とを、別々の貯留容器14に貯留して、それぞれの貯留容器14を用いて分析を行ってもよい。
洗浄容器16は、筐体12の空間12Aに配置される。洗浄容器16は、後述の測定プローブ32を洗浄するための容器であり、例えば洗浄用の液体Yが貯留されている。液体Yは、例えば水である。ただし、洗浄容器16は、必須の構成でなく、筐体12内に設けられてなくてもよい。
操作部18は、作業者が筐体12の外部から空間12Aにアクセスするために用いられる機構である。操作部18は、少なくとも一部が筐体12の空間12Aに設けられる。本実施形態では、操作部18は、マニュピュレータである。操作部18は、作業者が操作する機構であるコントローラ18Aと、作業者の操作により動作するアーム18Bとを備える。コントローラ18Aは、筐体12の外部に設けられ、アーム18Bは、筐体12の空間12Aに設けられる。操作部18は、筐体12の外部にいる作業者がコントローラ18Aを操作することで、アーム18Bが動作する。なお、図1では、操作部18が2つ設けられるが、操作部18の数は任意である。また、操作部18は、マニュピュレータに限られず、例えば作業者が外部から手を挿入して内部の空間12Aにアクセス可能なグローブであってもよい。この場合、筐体12は、グローブを備えたグローブボックスであるといえる。
なお、筐体12には、溶液Xが貯留された容器などが気送される気送管が接続されていてもよい。
分光分析装置10は、光源部30と、測定プローブ32と、検出部34と、演算部36と、光ファイバ38と、を備える。分光分析装置10は、筐体12内の溶液Xが貯留される貯留容器14内に、光源部30からの測定光L1を、測定プローブ32を介して照射する。分光分析装置10は、溶液Xを透過した測定光L1である透過光L2を、測定プローブ32を介して検出部34で受光する。分光分析装置10は、演算部36により、検出部34が検出した透過光L2に基づき溶液Xの吸光度スペクトルを算出して、吸光度スペクトルに基づき、溶液Xを分析する。分光分析装置10は、測定プローブ32が、高線量区域AR1に配置され、光源部30と検出部34と演算部36とが、低線量区域AR2に配置される。また、光ファイバ38は、高線量区域AR1から低線量区域AR2にわたって設けられている。光ファイバ38は、光源部30と測定プローブ32とを接続し、測定プローブ32と検出部34とを接続する。
光源部30は、測定光L1を照射する光源と、光源からの測定光L1を所望の波長に分光する分光器とを備える。光源部30は、光ファイバ38を介して測定プローブ32に接続される。光源部30は、光ファイバ38を介して、分光器で分光した測定光L1を、測定プローブ32に向けて送光する。光源部30は、測定光L1として、測定光L1aと測定光L1bとを照射する。測定光L1aは、本実施形態では紫外光から可視光までの波長帯の光であるが、紫外光から近赤外光までの波長帯の光であってもよい。例えば、測定光L1aは、例えば、200nm以上900nm以下の波長帯の光(紫外光から近赤外光までの波長帯の光)であるが、例えば、350nm以上700nm以下の波長帯の光(紫外光から可視光までの波長帯の光)であってもよい。測定光L1aは、紫外光の波長帯と可視光の波長帯との少なくとも一方の波長帯の光であってもよい。また、測定光L1bは、近赤外光の波長帯の光である。具体的には、測定光L1bは、800nm以上2500nm以下の波長帯の光(近赤外光の波長帯の光)であることが好ましい。
光源部30は、演算部36の制御により、測定光L1aの照射と測定光L1bの照射とを切り替える。演算部36は、溶液X1を分析する場合には、光源部30に測定光L1aを照射させ、溶液X2を分析する場合には、光源部30に測定光L1bを照射させる。本実施形態において、光源部30は、測定光L1aを照射する光源と、測定光L1bを照射する光源とを備える。測定光L1aを照射する光源としては、例えば重水素放電管やタングステンランプなどが用いられ、測定光L1bを照射する光源としては、例えばハロゲンランプなどが用いられる。
測定プローブ32は、筐体12内に設けられ、溶液Xが貯留される貯留容器14内に配置される。測定プローブ32は、光ファイバ38を介して、光源部30及び検出部34に接続されている。測定プローブ32は、光源部30から送光された測定光L1を受光し、受光した測定光L1を、後述の流路部32b内に侵入した溶液Xに向けて照射する。また、測定プローブ32は、光ファイバ38を介して、流路部32b内の溶液Xを透過した測定光L1である透過光L2を受光して、検出部34に向けて送光する。なお、溶液X1を分析する場合、貯留容器14内に溶液X1が貯留される。この場合、測定プローブ32は、光源部30から測定光L1aを受光し、溶液X1を透過した測定光L1aである透過光L2aを、検出部34に向けて送光する。一方、溶液X2を分析する場合、貯留容器14内に溶液X2が貯留される。この場合、測定プローブ32は、光源部30から測定光L1bを受光し、溶液X2を透過した測定光L1bである透過光L2bを、検出部34に向けて送光する。
測定プローブ32の詳細構成について説明する前に、光ファイバ38について説明する。光ファイバ38は、第1光ファイバ50と、第2光ファイバ52と、第3光ファイバ54とを含む。第1光ファイバ50は、溶液X1を分析する際に用いられ、測定光L1a及び透過光L2aが伝送される。より詳しくは、第1光ファイバ50は、測定光L1aを伝送する第1送光用光ファイバ50Aと、透過光L2aを伝送する第1受光用光ファイバ50Bと、を含む。第2光ファイバ52は、溶液X2を分析する際に用いられ、測定光L1b及び透過光L2bが伝送される。より詳しくは、第2光ファイバ52は、測定光L1bを伝送する第2送光用光ファイバ52Aと、透過光L2bを伝送する第2受光用光ファイバ52Bと、を含む。第3光ファイバ54は、溶液X1を分析する際と溶液X2を測定する際との両方に用いられ、測定光L1a、L1b及び透過光L2a、L2bが伝送される。より詳しくは、第3光ファイバ54は、測定光L1(測定光L1a、L1b)を伝送する第3送光用光ファイバ54Aと、透過光L2(透過光L2a、L2b)を伝送する第3受光用光ファイバ54Bと、を含む。
第1送光用光ファイバ50Aは、一方の端部50A1から他方の端部50A2まで、低線量区域AR2から高線量区域AR1にわたって設けられる。第1送光用光ファイバ50Aは、端部50A1が光源部30に接続され、端部50A2がカプラCA1に接続される。第2送光用光ファイバ52Aは、一方の端部52A1から他方の端部52A2まで、低線量区域AR2から高線量区域AR1にわたって設けられる。第2送光用光ファイバ52Aは、端部52A1が光源部30に接続され、端部52A2がカプラCA1に接続される。第3送光用光ファイバ54Aは、一方の端部54A1から他方の端部54A2まで、筐体12内の空間12Aから高線量区域AR1にわたって設けられる。第3送光用光ファイバ54Aは、端部54A1が空間12A内の測定プローブ32に接続され、端部54A2がカプラCA1に接続される。
第1受光用光ファイバ50Bは、一方の端部50B1から他方の端部50B2まで、低線量区域AR2から高線量区域AR1にわたって設けられる。第1受光用光ファイバ50Bは、端部50B1が検出部34に接続され、端部50B2がカプラCA2に接続される。第2受光用光ファイバ52Bは、一方の端部52B1から他方の端部52B2まで、低線量区域AR2から高線量区域AR1にわたって設けられる。第2受光用光ファイバ52Bは、端部52B1が検出部34に接続され、端部52B2がカプラCA2に接続される。第3受光用光ファイバ54Bは、一方の端部54B1から他方の端部54B2まで、筐体12内の空間12Aから高線量区域AR1にわたって設けられる。第3受光用光ファイバ54Bは、端部54B1が空間12A内の測定プローブ32に接続され、端部54B2がカプラCA2に接続される。
カプラCA1、CA2は、演算部36の制御により、第1接続状態と第2接続状態とを切り替える。演算部36は、溶液X1を分析する場合に、カプラCA1、CA2を制御して、第1接続状態とする。第1接続状態において、カプラCA1は、第1送光用光ファイバ50Aと第3送光用光ファイバ54Aとを接続して、第2送光用光ファイバ52Aと第3送光用光ファイバ54Aとを非接続とする。また、第1接続状態において、カプラCA2は、第1受光用光ファイバ50Bと第3受光用光ファイバ54Bとを接続して、第2受光用光ファイバ52Bと第3受光用光ファイバ54Bとを非接続とする。言い換えれば、第1接続状態においては、第1光ファイバ50を測定プローブ32に接続する。また、演算部36は、第1接続状態において、光源部30に測定光L1aを照射させる。従って、第1接続状態においては、光源部30からの測定光L1aが、第1送光用光ファイバ50A、第3送光用光ファイバ54A、及び測定プローブ32を通って、貯留容器14内の溶液X1に照射される。溶液X1を透過した透過光L2aは、測定プローブ32から、第3受光用光ファイバ54B及び第1受光用光ファイバ50Bを通って、検出部34に送光される。検出部34は、送光された透過光L2aを受光(検出)する。
一方、演算部36は、溶液X2を分析する場合に、カプラCA1、CA2を制御して、第2接続状態とする。第2接続状態において、カプラCA1は、第2送光用光ファイバ52Aと第3送光用光ファイバ54Aとを接続して、第1送光用光ファイバ50Aと第3送光用光ファイバ54Aとを非接続とする。また、第2接続状態において、カプラCA2は、第2受光用光ファイバ52Bと第3受光用光ファイバ54Bとを接続して、第1受光用光ファイバ50Bと第3受光用光ファイバ54Bとを非接続とする。言い換えれば、第2接続状態においては、第2光ファイバ52を測定プローブ32に接続する。また、演算部36は、第2接続状態において、光源部30から測定光L1bを照射させる。従って、第2接続状態においては、光源部30からの測定光L1bが、第2送光用光ファイバ52A、第3送光用光ファイバ54A、及び測定プローブ32を通って、貯留容器14内の溶液X2に照射される。溶液X2を透過した透過光L2bは、測定プローブ32から、第3受光用光ファイバ54B及び第2受光用光ファイバ52Bを通って、検出部34に送光される。検出部34は、送光された透過光L2bを受光(検出)する。
このように、本実施形態においては、第1光ファイバ50と、第2光ファイバ52とを設け、溶液X1を分析する場合には第1光ファイバ50を用いて測定光L1a及び透過光L2aを伝送し、溶液X2を分析する場合には第2光ファイバ52を用いて測定光L1b及び透過光L2bを伝送する。ただし、分光分析システム1は、第1光ファイバ50と第2光ファイバ52との両方を設けることに限られない。分光分析システム1は、測定光L1a、L1bを同じ光ファイバで伝送し、透過光L2a、L2bを同じ光ファイバで伝送してもよい。
なお、第2光ファイバ52は、第1光ファイバ50よりも、OH基が少ない材料で構成される。第2光ファイバ52は、低OH型の光ファイバである。低OH型の光ファイバとは、OH基が少ないSiOで構成される光ファイバであり、例えば、第2光ファイバ52は、波長1383nmの光の伝達損失が、0.35dB/km以下となる程度にOH基が少ない構成となっている。すなわち、第2光ファイバ52が波長1383nmの光を伝える際に、第2光ファイバ52の1km長さあたりの光の減衰量が、平均で0.35dB以下となっているといえる。第1光ファイバ50は、第2光ファイバ52よりもOH基が多いSiOで構成される。第3光ファイバ54は、第1光ファイバ50又は第2光ファイバ52と同じ材料で構成されており、例えば第1光ファイバ50と同じ材料であることが好ましい。
以上のように構成される光ファイバ38は、金属管40に覆われている。図2は、金属管を説明するための模式図である。金属管40は、光ファイバ38を覆うことで、光ファイバ38を放射線から保護する。ここでの放射線は、例えばベータ線である。金属管40は、金属製の部材である。金属管40の材料としては、例えば、SUS316などのステンレス鋼や、ハステロイ(登録商標)などが挙げられる。また、金属管40は、軸方向に伸縮可能に構成されることが好ましい。例えば、金属管40は、蛇腹状や、金属繊維を織り込んだ形状で構成されることで、軸方向に伸縮可能となっていてよい。また、金属管40の厚みLは、1.5mm以上20mm以下であることが好ましい。厚みLが1.5mm以上であることで、ベータ線を適切に遮蔽可能であり、厚みLが20mm以下であることで、光ファイバ38を容易に動かすことができる。なお、厚みLは、図3に示すように、金属管40の内周面40Aと外周面40Bとの間の長さを指す。
また、図1に示すように、本実施形態における金属管40は、低線量区域AR2から高線量区域AR1にわたって光ファイバ38を覆うように設けられている。ただし、金属管40は、少なくとも高線量区域AR1において光ファイバ38を覆っていればよく、低線量区域AR2には設けられていなくてよい。この場合、光ファイバ38は、高線量区域AR1においては金属管40に覆われ、低線量区域AR2においては金属管40に覆われず露出される。なお、本実施形態においては、高線量区域AR1内であって筐体12外においては、1本の光ファイバ38を1つの金属管40で覆っているが、筐体12内においては、第3送光用光ファイバ54Aと第3受光用光ファイバ54Bとを、1つの金属管40で覆っている。
次に、測定プローブ32の詳細構成について説明する。図3は、本実施形態に係る測定プローブの一例を示す部分拡大図である。図3に示すように、測定プローブ32は、中空形状をなしており、基端32cから離れた先端部32aに、第3送光用光ファイバ54Aの先端部及び第3受光用光ファイバ54Bの先端部が固定されている。第3送光用光ファイバ54Aの先端部及び第3受光用光ファイバ54Bの先端部は、第3送光用光ファイバ54Aから出射する測定光L1と、第3受光用光ファイバ54Bによって受光する透過光L2とが、逆方向になるように配置されている。
測定プローブ32の先端には、収容空間33aを有する直方体状の収容部33が設けられている。収容部33は、測定プローブ32側の一面に測定光L1及び透過光L2を透過する光透過部33bが設けられている。収容部33の収容空間33a内には、収容部33内に収納された一対の反射鏡33c1,33c2が設けられている。反射鏡33c1は、第3送光用光ファイバ54Aから照射される測定光L1を反射鏡33c2に向けて90度反射するように、第3送光用光ファイバ54Aが延在する方向に対して所定の角度をとって配置される。反射鏡33c2は、反射鏡33c1によって反射された測定光L1を第3受光用光ファイバ54Bに向けて90度反射するように、反射鏡33c1に対して所定の角度をとって配置される。
また、収容部33の収容空間33a内には、第3送光用光ファイバ54Aの先端部と反射鏡33c1との間に凸レンズ33d1が配置され、第3受光用光ファイバ54Bの先端部と反射鏡33c2との間に凸レンズ33d2が配置される。凸レンズ33d1は、第3送光用光ファイバ54Aから反射鏡33c1へ向けて照射された測定光L1のビーム径の拡大を抑える。また、凸レンズ33d2は、反射鏡33c2から第3受光用光ファイバ54Bに向けて反射された透過光L2のビーム径の拡大を抑える。このように、凸レンズ33d1,33d2を設けて測定光L1及び透過光L2のビーム径の拡大を抑えることにより、測定光L1を透過光L2として、第3受光用光ファイバ54Bの先端部に集光させることが可能となる。
測定プローブ32の流路部32bは、先端部32aの一方の側面32dから他方の側面32eに向けて一部が切り欠かれて設けられている。すなわち、流路部32bは、測定プローブ32の側面(外周面)に設けられた溝であるともいえる。測定プローブ32の流路部32bは、反射鏡33c2と第3送光用光ファイバ54Aとの間の光路に設けられている。このように流路部32bを設けることにより、反射鏡33c2によって反射された測定光L1が流路部32bを通過する際に、流路部32b内に侵入した溶液Xによって測定光L1の一部が吸光されて透過光L2となる。
このように、本実施形態においては、第3送光用光ファイバ54A、第3受光用光ファイバ54B及び反射鏡33c1,33c2によって、測定光L1を検出部34に向けて反射する光路が形成されている。そして、この光路の一部に含まれる測定プローブ32の先端部32aの側面には、測定プローブ32の側面の一部が測定プローブ32の内側に向けて切り欠かれた流路部32bが形成されている。このように測定プローブ32が設けられることにより、貯留容器14内の溶液Xが測定プローブ32の流路部32bに侵入し、侵入した溶液Xに対して光源部30からの測定光L1が照射されると共に、溶液Xを透過した透過光L2が検出部34に向けて伝送される。これにより、溶液Xの分光分析が可能となる。ただし、以上説明した測定プローブ32の形状は一例であり、測定プローブ32は、透過光L2を検出部34に送光可能な形状であれば任意の形状であってよい。
図1に示す検出部34は、測定プローブ32から光ファイバ38を介して送光された透過光L2を受光する受光素子であり、受光した透過光L2の強度を検出する。溶液X1を分析する場合、検出部34は透過光L2aを受光し、溶液X2を分析する場合、検出部34は透過光L2bを受光する。
図4は、本実施形態に係る演算部の模式的なブロック図である。演算部36は、本実施形態ではコンピュータであり、分光分析システム1を制御して、溶液Xを分析する。図4に示すように、演算部36は、入力部36Aと、出力部36Bと、記憶部36Cと、制御部36Dとを備える。入力部36Aは、作業者の操作を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボードやタッチパネルなどである。出力部36Bは、情報を出力する装置であり、例えば制御部36Dの制御内容などを表示する表示装置を含む。記憶部36Cは、制御部36Dの演算内容やプログラムの情報などを記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
制御部36Dは、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。制御部36Dは、記憶部36Cに記憶されたソフトウェア(プログラム)を読み出すことで、各種処理を実行する。制御部36Dは、例えば、上述のように、光源部30に、測定光L1a及び測定光L1bを照射させ、カプラCA1、CA2を制御して、第1接続状態と第2接続状態とを切り替える。また、制御部36Dは、検出部34が検出した透過光L2の強度に基づき、溶液Xの吸光度スペクトルを算出し、吸光度スペクトルに基づき、溶液Xを分析する。例えば、制御部36Dは、入力部36Aに溶液X1を分析する旨の情報が入力された場合に、溶液X1を分析すると判断し、入力部36Aに溶液X2を分析する旨の情報が入力された場合に、溶液X2を分析すると判断する。溶液X1を分析する場合、制御部36Dは、検出部34が検出した透過光L2aの強度に基づき、溶液X1の吸光度スペクトルを算出し、溶液X1の吸光度スペクトルから、溶液X1に含まれる放射性物質の濃度を算出する。また、溶液X2を分析する場合、制御部36Dは、検出部34が検出した透過光L2bの強度に基づき、溶液X2の吸光度スペクトルを算出し、溶液X2の吸光度スペクトルから、溶液X2に含まれる有機溶媒の濃度を算出する。
分光分析システム1は、以上のような構成となっている。このような分光分析システム1を用いて溶液Xを分析する場合、作業者は、操作部18を操作して、筐体12内の貯留容器14内に溶液Xを注入する。なお、例えば気送管から、溶液Xが貯留済みの貯留容器14が筐体12内に供給された場合は、筐体12内の貯留容器14内に溶液Xを注入するステップは不要となる。次に、作業者は、操作部18を操作して、筐体12内の測定プローブ32を、溶液Xが貯留された貯留容器14内に挿入する。例えば、溶液Xが貯留された貯留容器14が筐体12内で固定されており、作業者は、測定プローブ32を、操作部18で把持して貯留容器14側に移動させることで、測定プローブ32を貯留容器14内に挿入する。ただし、逆に、測定プローブ32が筐体12内で固定されていてもよく、作業者は、溶液Xが貯留された貯留容器14を、操作部18で把持して測定プローブ32側に移動させることで、測定プローブ32を貯留容器14内に挿入してもよい。また、測定プローブ32と貯留容器14との両方を動かしてもよい。すなわち、操作部18は、作業者の操作によって、測定プローブ32及び貯留容器14の少なくとも一方を移動させることで、測定プローブ32を貯留容器14内に挿入する。このようにして測定プローブ32が貯留容器14内に挿入された状態で、溶液Xの分析が行われる。溶液Xの分析が終了したら、作業者は、操作部18を操作して、貯留容器14内に挿入された測定プローブ32を、貯留容器14から抜き出す。また、作業者は、操作部18を操作して、貯留容器14から抜き出された測定プローブ32を、洗浄容器16内に挿入して、測定プローブ32を洗浄してもよい。
図5は、本実施形態に係る貯留容器の形状の他の例を示す図である。貯留容器14は、図5の例に示すように、内径D2が、測定プローブ32の外径D1と略同一の大きさとなっていてもよい。すなわち、貯留容器14の内径D2は、測定プローブ32が挿入可能なように測定プローブ32の外径D1より大きいが、外径D1に対して大きくなり過ぎないように、例えば外径D1と略同一の大きさであることが好ましい。内径D2を外径D1と略同一にすることで、測定プローブ32で溶液Xを測定する際に、貯留容器14に貯留する溶液Xの量を少なくすることが可能となり、放射性物質を含む溶液Xの管理負荷を低減できる。本実施形態では、貯留容器14の内径D2と、測定プローブ32の外径D1との差が、1mm以上20mm以下であることが望ましい。
図6及び図7は、本実施形態に係る貯留容器の形状の他の例を示す図である。図6に示すように、本実施形態の他の例に係る貯留容器14Aは、開口部62が、表面60aに対して直交しておらず傾斜している。具体的には、貯留容器14Aは、本体部60と、開口部62とを含む。本体部60は、耐放射線性を有する部材で形成されている。本体部60として金属材料を用いる場合は、例えば、SUS316などのステンレス鋼や、ハステロイなどが用いられる。この場合、本体部60は、耐放射線性に加え、耐硝酸性を有する。また、本体部60として有機材料を用いる場合は、例えば、スチレンブタジエンゴムや、ポリイミド等の高分子材料などが用いられる。
開口部62は、本体部60の表面60aに形成される開口である。開口部62は、表面60aから、本体部60の表面60aと反対側の面である底面60bに向けて延在しているが、底面60bまで貫通していない。すなわち、開口部62の底面62bは、本体部60の表面60aと底面60bとの間に位置している。開口部62は、内部に溶液Xが貯留されて、測定プローブ32が挿入される。開口部62の内径D1は、図5で説明した内径D1と同様の大きさであることが好ましい。また、開口部62は、中心軸AXが、表面60aに直交する軸に対して、傾斜している。すなわち、中心軸AXと表面60aとがなす角度θは、90度より小さい。角度θは、45度以上、90度以下であることが好ましい。
また、開口部62の内周面62aには、溝部64が形成されている。溝部64は、開口部62の内周面62aにおいて、開口部62の周方向に延在する溝であり、開口部62の軸方向(中心軸AXに沿った方向)において複数設けられている。溝部64は、内周面62aから放射方向外側に向けて窪んでいる溝であり、言い換えれば、溝部64の底面64aが、開口部62の内周面62aよりも、中心軸AXを中心とした放射方向の外側に位置している。また、溝部64は、開口部62に貯留された溶液Xの液面よりも、表面60a側に形成されることが好ましく、言い換えれば、溶液Xに浸からない位置に形成されることが好ましい。従って、溝部64は、開口部62の軸方向において、表面60a側、すなわち開口部62の入口側に形成されている。溝部64は、例えば、開口部62の軸方向における、表面60aと底面62bとの中央位置よりも、表面60a側に位置しているといえる。また、図6の例では、溝部64は、開口部62の周方向における一周にわたって形成されておらず、開口部62の周方向における一周のうちの、一部の区間にのみ形成されている。具体的には、溝部64は、開口部62の周方向における一周のうちの、底面60b側(鉛直方向下側)の区間に形成されている。言い換えれば、溝部64は、開口部62の周方向における一周のうちの、中心軸AXが傾斜している方向側の区間に形成されている。
図7は、貯留容器14Aに測定プローブ32を挿入した場合の例を示している。図7に示すように、貯留容器14Aは、開口部62内に溶液Xが貯留される。そして、溶液Xが貯留された開口部62に、中心軸AXに沿って測定プローブ32が挿入されて、溶液Xの分析が行われる。この場合、中心軸AXが傾斜しているため、測定プローブ32の挿入時に、測定プローブ32に気泡が溜まることが抑制される。また、溶液Xの分析が終わった後、測定プローブ32は、開口部62から抜き出される。溶液Xは放射性物質を含むため、開口部62から抜き出された測定プローブ32には、溶液Xが残留しないことが好ましい。しかし、測定プローブ32は、溝状の流路部32bが形成されているため、流路部32bに溶液Xが残留しやすい形状となっている。それに対し、貯留容器14Aは、溝部64が形成されることで、流路部32bに溶液Xが残留することを抑制できる。すなわち、測定プローブ32が中心軸AXに沿って抜き出される際に、流路部32bが溝部64の近傍を通る。この際に、流路部32bに残留した溶液Xは、溝部64に接触することで、流路部32bから溝部64側に移動する。これにより、測定プローブ32の流路部32bに溶液Xが残留することが抑制される。
図8及び図9は、本実施形態に係る貯留容器の形状の他の例を示す図である。なお、貯留容器14Aの溝部64は、図8に示すように、開口部62の周方向における全周にわたって設けられてもよい。この場合、溝部64は、開口部62の周方向における全周にわたって、螺旋状に連続して形成されることが好ましい。このように螺旋状に連続することで、溝部64に掻き出された溶液Xを、底面62b側に向かって流下させ易くする。また、図9に示すように、開口部62は、底面62bが、中心軸AXに直交する表面に平行になるように形成されてもよい。このように底面62bを中心軸AXに直交させることで、例えば図6のように底面62bが表面60aに平行である場合よりも、開口部62に貯留する溶液Xの量を少なくすることができ、放射線物質を含む溶液Xの管理負担を低減できる。なお、図9においては、底面62bが中心軸AXに直交しているが、それに限られず、底面62bが、表面60aに平行な面に対し、中心軸AX側(測定プローブ32が挿入されて来る側)に傾斜していればよい。
以上説明したように、本実施形態に係る分光分析システム1は、筐体12と、測定プローブ32と、光源部30と、検出部34と、光ファイバ38とを備える。筐体12は、放射性物質を含有する溶液Xが貯留される貯留容器14が、内部に収納される。測定プローブ32は、筐体12内に設けられて溶液Xに浸漬される。光源部30は、少なくとも近赤外光の波長帯の光を、すなわち測定光L1bを、照射する。検出部34は、光を受光する。光ファイバ38は、光源部30からの光(測定光L1)を測定プローブ32に導き、測定プローブ32からの光(透過光L2)を検出部34に導く。筐体12及び測定プローブ32は、高線量区域AR1に設けられ、光源部30及び検出部34は、高線量区域AR1よりも空間線量率が低い低線量区域AR2に設けられる。
本実施形態に係る分光分析システム1は、筐体12内に測定プローブ32を配置して、筐体12内に配置される貯留容器14内に測定プローブ32を挿入することで、溶液Xの分析を行う。すなわち、分光分析システム1は、配管を流れる溶液Xを直接測定せずに、貯留容器14に溶液Xをサンプリングして、測定を行う。従って、分光分析システム1は、例えば配管に測定プローブ32を接続するための加工などが不要となり、容易に溶液分析が可能な構造となる。また、放射性物質が含有した溶液Xの分光分析においては、放射性物質が含有される溶媒を分析することも求められる場合がある。溶液Xにおける溶媒としては、有機溶媒が用いられることがある。分光分析システム1は、光源部30によって、近赤外光の波長帯の測定光L1bを照射することで、溶液Xにおける有機溶媒を適切に分析できる。例えば、有機溶媒は赤外光の波長帯の光で分析可能であるが、有機溶媒に含まれている水に、光が吸収されるおそれがある。分光分析システム1は、赤外光の波長帯の光のうち、近赤外光の波長帯を用いることで、水による光の吸収を抑え、溶液Xに水が含まれていた場合であっても、有機溶媒を適切に分析することができる。
このように、分光分析システム1は、有機溶媒を適切に分析するために、近赤外光の波長帯の測定光L1bを用いる。測定光L1bは、光ファイバ38を通って、光源部30から測定プローブ32に導かれ、透過光L2bは、測定プローブ32から検出部34に導かれる。光ファイバ38は、低線量領域AR2から高線量領域AR1にわたって設けられるため、例えば数mなど、長い範囲にわたって設けられる。近赤外光の波長帯の測定光L1b及び透過光L2bは、このような長い光ファイバ38を通っている最中に減衰されて、検出部34で適切に検出されなくなるおそれがある。それに対し、本実施形態に係る光ファイバ38は、低OH型の光ファイバ(第2光ファイバ52)を含む。低OH型の第2光ファイバ52を用いて近赤外光の波長帯の測定光L1b、透過光L2bを伝送することで、光の減衰を抑え、有機溶媒を適切に分析することが可能となる。
光源部30は、さらに、紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の光(測定光L1a)も照射する。近赤外領域の測定光L1bに加え、紫外又は可視領域の測定光L1aを照射することで、溶液X2の有機溶媒の分析と共に、溶液X1の放射性物質の分析も、適切に行う事が可能となる。
また、光源部30は、溶液X2中の有機溶媒を分析する際に、近赤外光の波長帯の測定光L1bを照射し、溶液X1中の放射性物質を分析する際に、紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の測定光L1aを照射する。分光分析システム1は、分析対象に応じて照射する光の波長帯を異ならせることで、溶液X2の有機溶媒と溶液X1の放射性物質との分析を、適切に行うことができる。
また、光ファイバ38は、紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の測定光L1aを導く第1光ファイバ50と、近赤外光の波長帯の測定光L1bを導く第2光ファイバ52と、を含む。第2光ファイバ52は、第1光ファイバ50よりも、OH基が少ない。このように、近赤外光の測定光L1bを伝送する第2光ファイバ52を、紫外又は可視の波長帯の測定光L1aを伝送する第1光ファイバ50よりも、低OHとすることで、近赤外光の光の減衰を抑えつつ、紫外又は可視の光を適切に伝送することができる。従って、この分光分析システム1は、溶液X2の有機溶媒と溶液X1の放射性物質との分析を、適切に行うことができる。
また、制御部36Dは、第1接続状態において、第1光ファイバ50を測定プローブ32に接続して、光源部30から測定光L1aを照射させることで、測定光L1aを測定プローブ32から溶液X1に照射させる。制御部36Dは、第2接続状態において、第2光ファイバ52を測定プローブ32に接続して、光源部30から測定光L1bを照射させることで、測定光L1bを測定プローブ32から溶液X2に照射させる。この分光分析システム1は、このように光ファイバ38の接続状態と光源部30から照射する光とを切り替えることで、溶液X2の有機溶媒と溶液X1の放射性物質との分析を、適切に行うことができる。
また、分光分析システム1は、光ファイバ38を覆う金属管40をさらに有する。光ファイバ38を金属管40で覆うことで、光ファイバ38が放射線によってダメージを受けることを抑制できる。また、金属管40は、伸縮可能であることが好ましい。金属管40を伸縮可能とすることで、光ファイバ38を動かすことが可能となり、例えば測定プローブ32を貯留容器14に挿入する際などの分析のための作業を、容易に行う事が可能となる。
また、分光分析システム1は、操作部18をさらに有する。操作部18は、筐体12内に設けられて、測定プローブ32及び貯留容器14の少なくとも一方を移動させることで、測定プローブ32を貯留容器14内に挿入する。分光分析システム1は、このような操作部18を設けることで、貯留容器14内に貯留された溶液Xの分析を、適切に実施できる。
また、貯留容器14Aは、表面60aに開口して溶液Xが貯留される開口部62が設けられ、開口部62の内周面62aには、溝部64が形成されている。分光分析システム1は、貯留容器14Aの内周面62aに溝部64を形成することで、測定プローブ32に溶液Xが残留することを抑えて、放射線物質を含む溶液Xの管理負担を低減できる。また、貯留容器14Aの開口部62の中心軸AXは、表面60aに直行する軸に対して傾斜している。このように開口部62を表面60aに対して傾斜させることで、測定プローブ32に溶液Xが残留することを抑えることができる。また、測定プローブ32の溶液Xへの浸漬時に、溶液Xが透過する部分である流路部32bに、気泡を含有し難くすることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 分光分析システム
10 分光分析装置
12 筐体
14 貯留容器
18 操作部
30 光源部
32 測定プローブ
34 検出部
36 演算部
38 光ファイバ
50 第1光ファイバ
52 第2光ファイバ
54 第3光ファイバ
AR1 高線量区域
AR2 低線量区域
L1a、L1b 測定光
L2a、L2b 透過光

Claims (11)

  1. 放射性物質を含有する溶液が貯留される貯留容器が内部に収納される筐体と、
    前記筐体内に設けられて前記溶液に浸漬される測定プローブと、
    少なくとも近赤外光の波長帯の光を照射する光源部と、
    光を受光する検出部と、
    前記光源部からの光を前記測定プローブに導き、前記測定プローブからの光を前記検出部に導く光ファイバと、
    を備え、
    前記筐体及び前記測定プローブが、高線量区域に設けられ、前記光源部及び前記検出部が、前記高線量区域よりも空間線量率が低い低線量区域に設けられる、
    分光分析システム。
  2. 前記光ファイバは、低OH型の光ファイバを含む、請求項1に記載の分光分析システム。
  3. 前記光源部は、さらに、紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の光も照射する、請求項1又は請求項2に記載の分光分析システム。
  4. 前記光源部は、前記溶液中の有機溶媒を分析する際に、近赤外光の波長帯の光を照射し、前記溶液中の放射性物質を分析する際に、紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の光を照射する、請求項3に記載の分光分析システム。
  5. 前記光ファイバは、紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の光を導く第1光ファイバと、近赤外光の波長帯の光を導く第2光ファイバと、を含み、
    前記第2光ファイバは、前記第1光ファイバよりも、OH基が少ない、請求項3又は請求項4に記載の分光分析システム。
  6. 制御部を更に備え、
    前記制御部は、
    第1接続状態において、前記第1光ファイバを前記測定プローブに接続して、前記光源部から紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の光を照射させることで、紫外光及び可視光の少なくとも一方の波長帯の光を前記測定プローブから前記溶液に照射させ、
    第2接続状態において、前記第2光ファイバを前記測定プローブに接続して、前記光源部から近赤外光の波長帯の光を照射させることで、近赤外光の波長帯の光を前記測定プローブから前記溶液に照射させる、請求項5に記載の分光分析システム。
  7. 前記光ファイバを覆う金属管をさらに有する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の分光分析システム。
  8. 前記金属管は、伸縮可能である、請求項7に記載の分光分析システム。
  9. 前記筐体内に設けられて、前記測定プローブ及び前記貯留容器の少なくとも一方を移動させることで、前記測定プローブを前記貯留容器内に挿入する操作部をさらに有する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の分光分析システム。
  10. 前記貯留容器は、表面に開口して前記溶液が貯留される開口部が設けられ、
    前記開口部の内周面には、溝部が形成されている、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の分光分析システム。
  11. 前記開口部の中心軸は、前記表面に直行する軸に対して傾斜している、請求項10に記載の分光分析システム。
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