JP2021000945A - 自動運転制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動運転の自動車による並走状態が交通流に与える影響を小さくする自動運転制御装置を提供する。【解決手段】自動運転制御装置は、並走車を検出すると(ステップS101)、ランダム時間を設定し(ステップS102)、並走車との並走状態がランダム時間だけ継続すると(ステップS103:NO)減速制御を開始する。また、自動運転制御装置は、自車と並走車との優先度を判定し(ステップS104)、自車の優先度が並走車よりも低い場合(ステップS104:低判定)に減速制御を実行する。【選択図】図7
Description
本発明は、自動車の自動運転を制御する自動運転制御装置に関する。
近年、自動車の自動運転についての研究が進められている。例えば特許文献1のように、重量の変化のある乗合自動車や貨物自動車などの大型自動車においても自動運転についての研究が進められている。
ところで、上述した大型自動車は、例えば高速自動車国道などにおいては普通自動車に比べて法定最高速度が低い。そのため、例えば、高速自動車国道の合流部分などにおいて、走行車線へ合流した大型自動車と追越車線を走行している大型自動車とが並走状態になることがある。こうした場合、ドライバー付きの大型自動車であれば互いに譲り合うことで並走状態が解消されるものの、自動運転化された大型自動車では互いに譲り合うことが困難である。そのため、並走状態がなかなか解消されず、後続車の追い越しを妨げてしまうおそれがある。
本発明は、自動運転の自動車による並走状態が交通流に与える影響を小さくする自動運転制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する自動運転制御装置は、自車に対して並走する並走車を検出する並走車検出部と、前記並走車検出部が前記並走車を検出するとランダムな時間であるランダム時間を設定するランダム時間設定部と、を備え、前記並走車との並走状態が前記ランダム時間だけ継続すると減速制御を開始する。
上記構成によれば、ランダム時間だけ並走状態が継続すると自車が減速する。これにより、並走状態が長期間継続することを抑えられる。また、ランダム時間であることによって、自車と並走車とで同一の自動運転制御装置を搭載している場合であっても同一のランダム時間が設定されることは非常に稀になるため、並走状態が長期間継続することを抑えられる。これらのことから、自動運転の自動車による並走状態が交通流に与える影響を小さくできる。
上記構成の自動運転制御装置は、前記並走車と前記自車との優先度を判定する優先度判定部を備え、前記並走車よりも前記自車の優先度が低い場合には前記ランダム時間が経過する前に減速制御を開始することが好ましい。
上記構成によれば、並走車の優先度が自車よりも高い場合には減速制御を開始する。このようにランダム時間が経過する前に自車を減速させることで並走状態を早期に解消することができる。
上記構成の自動運転制御装置は、前記並走車と前記自車との優先度を判定する優先度判定部を備え、前記並走車よりも前記自車の優先度が高い場合には実行中の車速制御を継続することが好ましい。
上記構成によれば、自車の優先度が並走車よりも高い場合には実行中の車速制御を継続して実行する。このようにランダム時間が経過するまで実行中の車速制御を継続することで並走状態を解消することが可能である。
上記構成の自動運転制御装置において、前記優先度判定部は、前記自車に対する前記並走車の相対速度および相対位置を取得し、前記取得した相対速度および相対位置に基づく判定時間後における前記並走車の位置を判定位置とするとき、前記判定位置が前記自車よりも後方である場合は前記並走車よりも前記自車の優先度が高いと判定し、前記判定位置が前記自車よりも前方である場合は前記並走車よりも前記自車の優先度が低いと判定することが好ましい。
上記構成によれば、優先度判定部は、近未来における並走車の相対位置に基づいて優先度を判定している。そのため、並走状態を解消するうえで自車が減速すればよいか否かを高い信頼度のもとで判定することができる。
上記構成の自動運転制御装置は、前記自車の周辺情報を取得する周辺情報取得部と、
前記自車の走行情報を取得する走行情報取得部と、前記自車の位置情報を取得する位置情報取得部と、を備え、前記ランダム時間設定部は、前記周辺情報、前記走行情報、および、前記位置情報の少なくとも1つに基づいて前記ランダム時間を選択可能な選択範囲を変更することが好ましい。上記構成のように、自車の周辺情報、走行情報、および、位置情報の少なくとも1つに基づいてランダム時間の選択範囲を変更することができる。
前記自車の走行情報を取得する走行情報取得部と、前記自車の位置情報を取得する位置情報取得部と、を備え、前記ランダム時間設定部は、前記周辺情報、前記走行情報、および、前記位置情報の少なくとも1つに基づいて前記ランダム時間を選択可能な選択範囲を変更することが好ましい。上記構成のように、自車の周辺情報、走行情報、および、位置情報の少なくとも1つに基づいてランダム時間の選択範囲を変更することができる。
図1〜図7を参照して、自動運転制御装置の一実施形態について説明する。図1に示すように、大型自動車10は、駆動源や駆動輪、キャブなどを有する車両本体11と、車両本体11に架装された荷台12とを有している。車両本体11は、車両本体11を統括的に制御する車両制御システム15を備えている。車両制御システム15は、車載ネットワーク16を介して各種の制御対象17と電気的に接続されている。車両制御システム15は、各種の制御対象17を制御することにより車両本体11を統括的に制御する。
図2〜図7を参照して、車両制御システム15について説明する。図2に示すように、車両制御システム15は、各種機能部として、通信部21、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部22、周辺状況検出部23、走行状況検出部24、走行経路設定システム25、地図データベース26、および、自動運転制御装置30を備えている。
通信部21は、例えば、自車と他車との間で車々間通信可能に構成されている。通信部21は、例えば自車の走行情報や位置情報など、自車に関する各種情報を自車のIDを関連付けた車両情報として他車に送信する。また、通信部21は、他車が送信した車両情報を受信し、その受信した他車の車両情報を自動運転制御装置30に出力する。また、通信部21は、例えば、道路上に設置された情報発信装置との通信により交通状況を示す交通情報を取得し、その取得した交通情報を自動運転制御装置30に出力する。
GNSS受信部22は、自車の現在位置を示す位置情報を受信する。GNSS受信部22は、図示しない3以上のGNSS衛星からGNSS信号を受信し、その受信したGNSS信号に基づく自車の現在地(例えば緯度および経度)を示すGNSS情報を取得する。GNSS受信部22は、その取得したGNSS情報を自動運転制御装置30に出力する。
周辺状況検出部23は、レーダー部や撮像部などで構成されており、自車の周辺状況を示す情報を検出する。
図3に示すように、レーダー部は、例えば、自車40と同じ車線41や車線41に隣接する車線42,43などを走行する周辺車45が検出されるように自車40の周辺が検出範囲に設定されている。レーダー部は、例えば、自車40の周辺に検出波としてミリ波を出射するミリ波レーダーや自車40の周辺に検出波として赤外線光を出射するレーザーレーダーによって構成される。レーダー部は、出射した検出波の反射波に基づいて、周辺に位置する障害物の自車40に対する距離および相対速度を示す障害物情報を取得する。
図3に示すように、レーダー部は、例えば、自車40と同じ車線41や車線41に隣接する車線42,43などを走行する周辺車45が検出されるように自車40の周辺が検出範囲に設定されている。レーダー部は、例えば、自車40の周辺に検出波としてミリ波を出射するミリ波レーダーや自車40の周辺に検出波として赤外線光を出射するレーザーレーダーによって構成される。レーダー部は、出射した検出波の反射波に基づいて、周辺に位置する障害物の自車40に対する距離および相対速度を示す障害物情報を取得する。
撮像部は、周辺車45が撮像されるように自車40の周辺が撮像範囲に設定されている。撮像部は、自車40の周辺を撮像した画像の画像情報を取得する。周辺状況検出部23は、自車40の周辺状況を示す情報として、レーダー部が取得した障害物情報、および、撮像部が取得した画像情報を自動運転制御装置30に出力する。
走行状況検出部24は、自車の走行状況に関する各種の情報を検出する。走行状況検出部24は、例えば、車速を検出する車速センサー、加減速度を検出する加減速度センサー、ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサーなどを有している。また走行状況検出部24は、駆動軸回転数を検出する回転数センサー、アクセル開度を検出するアクセル開度センサーなどを含んでいる。走行状況検出部24は、各センサーの検出値を検出値情報として自動運転制御装置30に出力する。
走行経路設定システム25は、目的地と目的地までの走行経路とを示す経路情報を自動運転制御装置30に出力する。走行経路設定システム25は、例えばナビゲーションシステムであり、搭乗者が操作可能な操作装置や地図データベース26の地図情報に基づく地図を表示する表示装置によって構成されている。走行経路設定システム25は、例えば、図示されない操作装置を通じて目的地が入力されると、GNSS受信部22が出力するGNSS情報と地図データベース26の地図情報とに基づいて現在地から目的地までの走行経路を設定する。
地図データベース26は、交差点や分岐点などを示すノードやノード間を繋ぐ道路区間であるリンクなどによって構成された地図情報を有するデータベースであり、自車40に搭載された記憶装置に記憶されている。地図情報には、例えば、各ノードの位置や種別などを含むノード情報、および、各リンクの種別やリンク長に加えて車線数や曲率、勾配、各車線の種別などを含むリンク情報が含まれている。
なお、走行経路設定システム25および地図データベース26は、自車と通信可能な施設などのコンピューターに記憶される構成であってもよい。この場合、経路情報は、通信部21が受信し、通信部21によって自動運転制御装置30に出力される。
自動運転制御装置30は、1以上のECU(Electronic Control Unit)で構成されている。ECUは、上述した各種情報、および、メモリーに記憶したプログラムや各種データに基づいて各種処理を実行する。ECUは、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、或いは、それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
自動運転制御装置30は、プログラムの実行により機能する各種の機能部として、周辺情報取得部31、走行情報取得部32、位置情報取得部33、および、自動運転制御部34を備えている。
周辺情報取得部31は、周辺状況検出部23が出力した障害物情報および画像情報に基づいて自車40の周辺情報を取得する。周辺情報取得部31は、画像情報に対して例えば画像セグメーションや特徴点の抽出などの画像処理を行うことにより画像情報内の物体を識別し、それら識別した物体と障害物情報内の障害物とを関連付けることにより周辺情報を取得する。
例えば、周辺情報取得部31は、画像情報に対する画像処理により、各周辺車45の種別(例えば普通自動車や貨物自動車のほか、緊急車両など)を識別するとともに、障害物情報に基づき各周辺車45の相対位置、相対速度などを周辺情報として取得する。
また例えば、周辺情報取得部31は、画像情報に対する画像処理により自車40の周辺の道路標識や自車線位置などを識別し、走行中の道路44における法定最高速度や走行中の車線41の位置などを周辺情報として取得する。
走行情報取得部32は、自車40の走行状況を示す走行情報を取得する。走行情報取得部32は、周辺状況検出部23が出力した画像情報に対する画像処理を通じ、走行中の車線41における自車40の横位置、および、当該車線41の延在方向に対する自車40の相対角度などを走行情報として取得する。また走行情報取得部32は、走行状況検出部24が出力した検出値情報に基づき、自車40の車速、加減速度、操舵角、駆動軸回転数、アクセル開度、および、要求トルクなどを走行情報として取得する。
位置情報取得部33は、自車40の現在位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部33は、GNSS受信部22が出力したGNSS情報に基づいて自車40の現在位置を取得する。
自動運転制御部34は、上述した周辺情報、走行情報、および、位置情報などに基づいて制御対象17を選択的に制御することで自動運転走行を実現する。例えば、自動運転制御部34は、走行経路設定システム25が出力した経路情報に基づき目的地までの自動運転走行を実現する。
制御対象17は、例えば、駆動アクチュエーター、ブレーキアクチュエーター、操舵アクチュエーター、灯火システムに組み込まれたリレーなどで構成される。駆動アクチュエーターは、エンジンやリターダー、モーターなど、自車の駆動システムに組み込まれており、該駆動システムの出力を制御する。ブレーキアクチュエーターは、自車のブレーキシステムに組み込まれており、ブレーキシステムによる制動力を制御する。操舵アクチュエーターは、自車のステアリングシステムに組み込まれており、ステアリングの操舵角を制御する。灯火システムは、制動灯や方向指示器などで構成されており、リレーは、方向指示器の点灯・非点灯を制御する。
自動運転制御部34は、駆動アクチュエーターおよびブレーキアクチュエーターを制御することにより車速制御を行う。例えば、自動運転制御部34は、車速制御の一例として、自車40と同じ車線41を走行する直近の先行車を追従する追従制御を実行する。追従制御において、自動運転制御部34は、直近の先行車との車間距離および相対速度に基づき車間距離が車速に応じた適正距離となる加減速度を演算し、その演算した加減速度の制御指示値を駆動アクチュエーターおよびブレーキアクチュエーターに出力する。
自動運転制御部34は、操舵アクチュエーターを制御することにより操舵角制御を行う。操舵角制御において、自動運転制御部34は、例えば、自車40の横位置が車線41の中央となるように操舵アクチュエーターを制御する。また、自動運転制御部34は、例えば、隣接する車線42,43に車線変更するように操舵アクチュエーターを制御する。
自動運転制御部34は、リレーを制御することにより灯火制御を行う。灯火制御において、自動運転制御部34は、例えば、車線変更する際に方向指示器が点灯するようにリレーを制御し、車線変更が完了すると方向指示器が消灯するようにリレーを制御する。
自動運転制御部34は、各種情報に基づいて車線変更が必要と判断すると、目標車線を設定するとともにその目標車線への車線変更するように制御対象17を選択的に制御する車線変更制御を実行する。
車線変更制御において、自動運転制御部34は、目標車線を設定すると灯火制御を通じて方向指示器を点灯させて車線変更することを周辺車45などに周知する。自動運転制御部34は、周辺情報取得部31の取得した周辺情報、すなわち周辺車45の位置および相対速度に基づいて、走行中の車線41から当該車線41に隣接する車線42への車線変更の可否を判断する。具体的には、例えば、自動運転制御部34は、車線変更後における自車40の前後において十分な車間距離が確保できるか否かで車線変更の可否を判断する。車線変更が可能であると判断すると、自動運転制御部34は、車速制御および操舵角制御を通じて車線41から車線42に車線変更するように車速や操舵角を制御する。車線変更が完了すると、自動運転制御部34は、方向指示器を消灯する。
ここで、図4に示すように、例えば高速自動車国道などにおいて、付加車線50から本線の走行車線51への車線変更後、追越車線52を走行する並走車53との並走状態が継続することがある。こうした並走状態が長期間継続すると、大型自動車よりも法定最高速度が速い普通自動車54,55の走行の妨げになるおそれがある。そのため、自動運転制御部34は、実行条件が成立しているときに並走車53を検出すると、並走状態の解消を図る並走状態解消制御を実行する。並走状態解消制御において、自動運転制御部34は、自車40と並走車53との優先度の比較などを行い、その結果に基づいて自動運転制御の制御方法を選択する。具体的には、自動運転制御部34は、通常の車速制御である通常制御、あるいは、自車40を減速させる車速制御である減速制御を選択する。
図5に示すように、並走状態解消制御に関連して、自動運転制御部34は、プログラムの実行により機能する各種の機能部として、並走車検出部56、ランダム時間設定部57、および、優先度判定部58を有している。
並走車検出部56は、自車40が走行している車線に隣接する車線において自車40と並走状態にある並走車53を検出する。並走車検出部56は、並走状態解消制御の実行条件が成立しているときに並走車53を検出する。
実行条件の一例は、例えば、車速が実行速度以上であることである。実行速度は、渋滞の可能性が低い速度であるとともに周辺が混雑していないことを示す速度であり、自車40が円滑に走行していることを示す速度である。実行条件の他の例は、例えば、走行している道路が片側2車線以上の幹線道路であることである。幹線道路は、高速自動車国道や自動車専用道路、一般国道、主要地方道などである。
並走車検出部56は、周辺情報に基づいて、隣接する車線を走行する周辺車45のうちで自車40の車線変更の妨げとなる周辺車45を並走車53として検出する。また例えば、並走車検出部56は、通信部21を通じた車々間通信により取得した他車の車両情報(例えば走行情報や位置情報など)に基づいて、自車40の車線変更の妨げとなる他車を並走車として検出する。
ランダム時間設定部57は、ランダム性を有するランダム時間を設定するとともにランダム時間の設定からの経過時間を計時する。ランダム時間は、並走車53の検出から減速制御を開始するまでの時間であって、最短時間および最長時間が規定された選択範囲(例えば数秒間)から任意に選択される時間である。自動運転制御部34は、並走車53との並走状態がランダム時間だけ継続すると減速制御を開始する。なお、ランダム時間は、1msec単位や10msec単位で選択可能であるとよい。
ランダム時間設定部57は、例えば最短時間と最長時間とを選択することにより、ランダム時間を選択する選択範囲を変更してもよい。ランダム時間設定部57による選択範囲の変更の例について説明する。ランダム時間設定部57は、以下に示す選択方法に基づいて総合的に判断した時間をランダム時間に設定してもよい。
一例において、ランダム時間設定部57は、走行情報に基づき最短時間と最長時間とを選択する。例えば、ランダム時間設定部57は、車速が速いほど中央時間((最短時間+最長時間)/2)が小さくなるように最短時間と最長時間とを選択する。こうした構成によれば、減速制御を実行するまでの平均的な走行距離のばらつきを抑えることができる。
他の例において、ランダム時間設定部57は、車速が速いほど中央時間((最短時間+最長時間)/2)が大きくなるように最短時間と最長時間とを選択する。こうした構成によれば、減速制御を実行するまでの走行距離が長くなることで、並走状態を解消するために自車40が減速する頻度を抑えることができる。
他の例において、ランダム時間設定部57は、周辺情報に基づいて最短時間と最長時間とを選択する。例えば、ランダム時間設定部57は、自車40および並走車53の後方に位置する周辺車45が少ないほど中央時間が大きくなるように最短時間と最長時間とを選択する。こうした構成によれば、後続車が追い付くまでに十分な時間があることから、減速制御を実行しなくとも、後続車が追い付くまでの間に並走状態が解消されることがある。すなわち、並走状態解消制御にともなう加減速の頻度を抑えることができ、その抑えられた頻度の分だけエネルギー消費量を抑えることができる。
他の例において、ランダム時間設定部57は、自車40および並走車53の経路情報に基づいて最短時間と最長時間とを選択する。例えば、ランダム時間設定部57は、現在位置から遠くない分岐点において自車40が側道に進入する場合など、走行経路の違いにより並走状態が早期に解消される場合に、中央時間が大きくなるように最短時間と最長時間とを選択する。こうした構成によれば、並走状態が早期に解消される場合に減速制御が実行されにくくなる。そのため、並走状態解消制御にともなう加減速の頻度を抑えることができ、その抑えられた頻度の分だけエネルギー消費量を抑えることができる。
他の例において、ランダム時間設定部57は、位置情報に基づいて自車40が走行している道路の種別に基づいて選択時間の範囲を変更する。例えば、ランダム時間設定部57は、自車40が高速自動車国道を走行中である場合は、一般国道を走行中である場合よりも中央時間が大きくなるように最短時間と最長時間とを選択する。こうした構成によれば、並走状態が早期に解消される場合に減速制御が実行されにくくなる。そのため、並走状態解消制御にともなう加減速の頻度を抑えることができ、その抑えられた頻度の分だけエネルギー消費量を抑えることができる。
優先度判定部58は、上記経過時間がランダム時間内にあるとき、自車40と並走車53との優先度を判定する。優先度は、並走状態を解消するうえで自車40および並走車53のいずれを先行車として優先させるべきかの指標である。優先度判定部58は、判定結果として、並走車53よりも自車40の優先度が低い低判定、並走車53よりも自車40の優先度が高い高判定、および、並走車53および自車40の優先度の高低が判断しにくく並走状態が継続していると判断される継続判定を有している。自動運転制御部34は、高判定の場合は通常制御を継続して実行し、低判定の場合は減速制御を実行する。
判定方法の一例は、並走車53の緊急度合いに基づいて優先度を判定する。例えば、優先度判定部58は、周辺情報に基づいて並走車53が救急車や消防車等の緊急車両である場合に自車40の優先度が低いと判定する。
判定方法の一例は、近未来(秒単位)における自車40に対する並走車53の相対位置で優先度を判定する。優先度判定部58は、自車40に対する並走車53の相対位置および相対速度に基づいて、並走車53の相対位置および相対速度を取得してから判定時間後における並走車53の相対位置である判定位置を予測する。判定位置に位置する並走車53が自車40よりも前方に位置している場合、優先度判定部58は、判定結果として低判定を得る。判定位置に位置する並走車53が自車40よりも後方に位置している場合、優先度判定部58は、判定結果として高判定を得る。判定位置に位置する並走車53が並走状態を継続している場合、優先度判定部58は、判定結果として継続判定を得る。
図6(a)に示すように、判定位置を利用した判定方法において、優先度判定部58は、自車40の前端に対する並走車53の前端の位置で優先度を比較してもよい。例えば、優先度判定部58は、判定位置に位置する並走車53の前端が自車40の前端よりも1m以上前に位置していれば低判定と判定し、判定位置に位置する並走車53の前端が自車40の前端よりも1m以上後ろに位置していれば高判定と判定する。優先度判定部58は、判定位置に位置する並走車53の前端が自車40の前端に対する±1mの範囲内に位置する場合は継続判定と判定する。図6(a)では、自車40とともに継続判定がなされる並走車53を点線で示している。
図6(b)に示すように、判定位置を利用した判定方法において、優先度判定部58は、自車40に対する並走車53の前端の位置で優先度を比較してもよい。例えば、優先度判定部58は、判定位置に位置する並走車53の前端が自車40の前端よりも前方に位置していれば低判定と判定し、判定位置に位置する並走車53の前端が自車40の後端よりも後方に位置していれば高判定と判定する。優先度判定部58は、判定位置に位置する並走車53の前端が自車40の前端と後端との間に位置していれば継続判定と判定する。図6(b)では、自車40とともに継続判定がなされる並走車53を点線で示している。
図6(c)および図6(d)に示すように、優先度判定部58は、並走車53との速度差が大きいほど各判定結果が得られる判定範囲を自車40の前方側へ移動させてもよい。すなわち、優先度判定部58は、高判定が得られやすいように判定範囲を変更してもよい。これは、並走車53との速度差が大きいほど通常制御を継続していても並走状態が解消されやすいことに基づくものである。なお、図6(c)は図6(a)に示す判定範囲を前方に移動させたものであり、図6(d)は図6(b)に示す判定範囲を前方に移動させたものである。また、並走車53の相対位置に基づく優先度の判定は、例えば、相対速度と相対位置とに応じて判定結果が規定されたマップを用いて判定されてもよい。
図7を参照して、自動運転制御部34が実行する並走状態解消制御について説明する。自動運転制御部34は、車速が実行速度以上であるときに並走状態解消制御を繰り返し実行する。なお、並走状態解消制御の開始時、自動運転制御部34は、通常の車速制御である通常制御を実行している。
図7に示すように、並走状態解消制御においては、まず、並走車検出部56が並走車53の検出を行う(ステップS101)。並走車53が検出されなかった場合(ステップS101:NO)、一連の処理がそのまま終了する。一方、並走車53が検出された場合(ステップS101:YES)、ランダム時間設定部57は、ランダム時間を設定し(ステップS102)、経過時間の計時を開始する。
次のステップS103においては、優先度判定部58が、ランダム時間の設定からの経過時間がランダム時間内であるか否かを判断する。経過時間がランダム時間内である場合(ステップS103:YES)、優先度判定部58は、自車40と並走車53との優先度を判定する(ステップS104)。並走車53よりも自車40の優先度が高い場合(ステップS104:高判定)、自動運転制御部34が通常制御を選択し(ステップS105)、一連の処理を一旦終了する。
一方、並走車53と自車40との優先度が同じである場合(ステップS104:継続判定)、優先度判定部58は、ステップS103の処理に戻り、経過時間がランダム時間内であるか否かを再び判断する。そして優先度判定部58は、ステップS104の処理に移行して並走車53と自車40との優先度の比較を再び行う。
他方、経過時間がランダム時間に到達した(ステップS103:NO)、および、並走車53よりも自車40の優先度が低い場合(ステップS104:低判定)、自動運転制御部34は、減速制御を選択し(ステップS106)、一連の処理が一旦終了する。
減速制御を選択した自動運転制御部34は、例えば周辺車45の走行の妨げにならない程度に減速したのち、周辺情報に基づく並走車53との距離が並走車53の後方へ車線変更できる程度に開いたら通常制御に復帰する。
本実施形態の効果について説明する。
(1)自動運転制御装置30は、並走車53との並走状態がランダム時間だけ継続すると減速制御を開始する。これにより、並走状態が長期間継続することが抑えられることから、自動運転の自動車が交通流に与える影響を小さくすることができる。
(1)自動運転制御装置30は、並走車53との並走状態がランダム時間だけ継続すると減速制御を開始する。これにより、並走状態が長期間継続することが抑えられることから、自動運転の自動車が交通流に与える影響を小さくすることができる。
(2)ランダム時間がランダムであることにより、自車40および並走車53の双方が自動運転制御装置30を搭載している場合であっても、いずれか一方において減速制御が先行して行われる可能性が非常に高い。すなわち、並走状態が長期間継続することを抑えられる。
(3)ランダム時間が経過する前に優先度判定部58によって低判定がなされると、自動運転制御部34が減速制御を開始する。こうした構成によれば、並走車53の優先度が自車40よりも高い場合にその並走車53を優先させることができる。これにより、並走状態を早期に解消することができる。
(4)ランダム時間が経過する前に優先度判定部58によって高判定がなされると、自動運転制御部34は実行中の通常制御を継続して実行する。こうした構成によれば、自車40の優先度が並走車53よりも高い場合に自車40の走行を優先させることにより、並走状態を早期に解消することができる。
(5)優先度判定部58は、判定位置に位置する並走車53が自車40の前方に位置している場合は自車40の優先度が低い低判定と判定し、判定位置に位置する並走車53が自車40の後方に位置している場合は自車40の優先度が高い高判定と判定する。このように近未来における並走車53の位置を判定位置としているため、並走状態を解消するうえでの自車40の車速制御を高い信頼度のもとで選択することができる。
(6)ランダム時間の選択範囲は、周辺情報、走行情報、および、位置情報の少なくとも1つに基づいて変更可能に構成されている。こうした構成によれば、その時々の自車40の状況に応じたランダム時間を設定することができる。
(7)自動運転制御装置30は、車速が実行速度以上にあるときに並走状態解消制御を実行可能に構成されている。こうした構成によれば、例えば、渋滞時や混雑時など、後続車との車間距離が小さくなりやすい条件では減速制御が実行されない。そのため、自車40の減速制御に起因して自車40を先頭とした車列の形成を回避することができる。
(8)並走車53との速度差が大きいほど各判定結果が得られる判定範囲を自車40の前方側へ移動させることにより、並走車53との速度差が大きいほど通常制御が選択されやすくなる。これにより、並走状態解消制御にともなう減速制御の頻度を抑えることができる。また、マップを用いて優先度が判定されることにより、該判定を行ううえでの自動運転制御装置30に対する負荷を軽減することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上述した自動運転制御装置30は、自動運転可能な自動車に搭載されればよく、大型自動車だけでなく普通自動車などに搭載されてもよい。
・上述した自動運転制御装置30は、自動運転可能な自動車に搭載されればよく、大型自動車だけでなく普通自動車などに搭載されてもよい。
・ランダム時間は、予め定めた1つの選択範囲、すなわち固定された選択範囲から選択される構成であってもよい。
・優先度判定部58は、以下のような方法で、また、以下のような方法を適宜組み合わせて総合的に優先度を判定してもよい。
・優先度判定部58は、以下のような方法で、また、以下のような方法を適宜組み合わせて総合的に優先度を判定してもよい。
判定方法の他の例は、自車40と並走車53との間で通信部21を通じた車々間通信が可能である場合、並走車53の車両情報に基づいて優先度を判定する。例えば、優先度判定部58は、走行情報に基づいて自車40の重量と並走車53の重量とを演算し、重量が大きい方の車両を優先度が高いと判定する。なお、判定位置を利用した判定方法においては、自車40の重量と並走車53の重量とに基づいて判定範囲が変更されてもよい。
判定方法の他の例は、自車40と並走車53との間で通信部21を通じた車々間通信が可能である場合、自車40の経路情報と並走車53の経路情報とに基づいて優先度を判定する。優先度判定部58は、自車40の経路情報と並走車53の経路情報とに基づいて、先の分岐点や交差点などで並走状態が解消されることが明らかである場合、自車40の優先度が高いと判定する。なお、判定位置を利用した判定方法においては、経路情報に基づいて判定範囲が変更されてもよい。
判定方法の他の例は、車線の種別に基づいて優先度を判定する。例えば、優先度判定部58は、地図情報、位置情報、および、周辺情報に基づいて、自車が走行している車線の種別と並走車53が走行している車線の種別とを取得する。優先度判定部58は、取得した種別が走行車線51と追越車線52とである場合には、追越車線52を走行している車両の優先度が高いと判定する。なお、判定位置を利用した判定方法においては、車線の種別に基づいて判定範囲が変更されてもよい。
10…大型自動車、11…車両本体、12…荷台、15…車両制御システム、16…車載ネットワーク、17…制御対象、21…通信部、22…GNSS受信部、23…周辺状況検出部、24…走行状況検出部、25…走行経路設定システム、26…地図データベース、30…自動運転制御装置、31…周辺情報取得部、32…走行情報取得部、33…位置情報取得部、34…自動運転制御部、40…自車、41,42,43…車線、44…道路、45…周辺車、50…付加車線、51…走行車線、52…追越車線、53…並走車、54,55…普通自動車、56…並走車検出部、57…ランダム時間設定部、58…優先度判定部。
Claims (5)
- 自車に対して並走する並走車を検出する並走車検出部と、
前記並走車検出部が前記並走車を検出するとランダムな時間であるランダム時間を設定するランダム時間設定部と、を備え、
前記並走車との並走状態が前記ランダム時間だけ継続すると減速制御を開始する
自動運転制御装置。 - 前記並走車と前記自車との優先度を判定する優先度判定部を備え、
前記並走車よりも前記自車の優先度が低い場合には前記ランダム時間が経過する前に減速制御を開始する
請求項1に記載の自動運転制御装置。 - 前記並走車と前記自車との優先度を判定する優先度判定部を備え、
前記並走車よりも前記自車の優先度が高い場合には実行中の車速制御を継続する
請求項1または2に記載の自動運転制御装置。 - 前記優先度判定部は、
前記自車に対する前記並走車の相対速度および相対位置を取得し、
前記相対速度および前記相対位置を取得してから判定時間後における前記並走車の位置である判定位置を前記相対速度および前記相対位置に基づいて予測し、
前記判定位置が前記自車よりも後方である場合は前記並走車よりも前記自車の優先度が高いと判定し、
前記判定位置が前記自車よりも前方である場合は前記並走車よりも前記自車の優先度が低いと判定する
請求項2または3に記載の自動運転制御装置。 - 前記自車の周辺情報を取得する周辺情報取得部と、
前記自車の走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記自車の位置情報を取得する位置情報取得部と、を備え、
前記ランダム時間設定部は、前記周辺情報、前記走行情報、および、前記位置情報の少なくとも1つに基づいて前記ランダム時間を選択可能な選択範囲を変更する
請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動運転制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019116502A JP2021000945A (ja) | 2019-06-24 | 2019-06-24 | 自動運転制御装置 |
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Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023026707A1 (ja) * | 2021-08-25 | 2023-03-02 | 株式会社デンソー | 車両用制御装置及び車両用制御方法 |
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-
2019
- 2019-06-24 JP JP2019116502A patent/JP2021000945A/ja active Pending
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