JP2020537000A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、エラストマー凝集体組成物の製造方法において使用するためのバルブアセンブリ、及びそのようなバルブを使用する方法に関する。本発明は、それによって得られるエラストマー凝集体組成物にも関する。本発明は、さらに、そのようなエラストマー凝集体組成物を使用して製造された熱可塑性コポリマーに関する。
熱可塑性コポリマーの分野において、1つ又は複数のエラストマー相及び1つ又は複数の熱可塑性相を含んでなる特定のコポリマーは、有意な商業的及び技術的価値を有することが知られている。そのような複数相の存在によって、それぞれの相に存在する所望の特性の材料を単一ポリマー系に導入する手段が提供される。そのようなコポリマーは、非常に望ましい特性バランスを有することができ、それらは多種多様な用途に変換するために有用となる。例えば、そのようなコポリマーは、所望の衝撃強さ、引張強さ及び曲げ弾性率を含む機械的特性;加熱撓み温度などの熱的特性;射出成形による成形性などの加工特性;並びに表面光沢及び引掻抵抗などの光学的特性などの材料特性の望ましいバランスを示し得る。
1つ又は複数のエラストマー相及び1つ又は複数の熱可塑性相を含むそのようなコポリマーは、例えば、コア−シェルコポリマーであり得る。本発明に関して、コア−シェルコポリマーは、熱可塑性材料のマトリックス中に分散されたエラストマー粒子を含むコポリマー、特に、熱可塑性材料のマトリックス中に分散されたエラストマー粒子を含み、熱可塑性材料の特定の部分がエラストマー粒子の表面と化学的に結合しているコポリマーであるとして理解されてよい。
そのようなコア−シェルコポリマーは、例えば、特定のエラストマー粒子と特定のモノマーとを反応させることによって製造することができ、モノマーは反応して熱可塑性材料を形成し、またエラストマー粒子と反応してエラストマー粒子と化学的に結合した熱可塑性材料のポリマー構造を形成する。これによって、熱可塑性相を形成する熱可塑性材料がエラストマー相と適合性を有することが確実となる。そのような適合性は、エラストマー相と熱可塑性相の相分離が生じない溶融プロセスを可能にするものとして理解されてよい。
本発明に従ってエラストマー粒子を使用して製造され得るコア−シェルコポリマーの周知の種類は、ABSコポリマーとも呼ばれるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーである。そのようなABSコポリマーは、例えば、ポリブタジエン粒子がエラストマー粒子として作用し、それがスチレン及びアクリロニトリルを含むモノマーを含有する混合物と反応してABSコポリマーを形成し得る、乳化重合プロセスによって製造することができる。
そのようなコア−シェルコポリマーの他の例としては、メタクリレートブタジエンスチレンコポリマー、アクリロニトリルスチレンブチルアクリレートコポリマー及びスチレンブチルアクリレートコポリマーが含まれる。
そのようなコア−シェルコポリマーの材料特性の所望のバランスを達成するためには、コア−シェルコポリマーの製造方法において使用されるエラストマー粒子が特定の平均粒径を有することが望ましい。しかしながら、例えば、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリルブタジエン)及びポリ(アクリル酸ブチル)などのエラストマーの製造方法は、一般に、そのような望ましい平均粒径未満である平均粒径を有するエラストマー粒子をもたらす。
したがって、ABSコポリマーなどのコア−シェルコポリマーの製造において使用するのに望ましい平均粒径を有するエラストマー粒子を得るために、そのようなエラストマー粒子の製造方法から得られたエラストマー粒子を、平均粒径が増大するように修飾することが必要である。
そのようなエラストマー粒子の平均粒径を増大させるためのいくつかの既知の方法がある。例えば、最初のエラストマー粒子を形成するのに使用されたモノマーを使用して、そのエラストマー粒子にさらなる重合ステップを受けさせてもよい。これは、直接成長アプローチ(direct-growth approach)として知られている。この方法の不都合な点は、本発明によるコア−シェルコポリマーの製造において使用される所望の平均粒径を有するエラストマー粒子を製造するために必要とされる重合時間が有意に長くなるということである。
さらなる方法は、最初のエラストマー粒子を、例えばアクリル酸などの化学物質と反応させて化学的に凝集したエラストマー粒子を製造することによるなどの、化学的凝集である。しかしながら、この方法の不利益は、それがコア−シェルコポリマーの最終特性に影響し得る不純物を導入し得ることである。
所望の平均粒径を有するエラストマー粒子を達成するための第3の方法は、最初のエラストマー粒子に、粒子が融合してエラストマー凝集体組成物を形成するような性質の圧力をかける、圧力凝集(pressure agglomeration)によるものである。そのような方法は、比較的高速にすることができ、かつエラストマー粒子中にいずれのさらなる不純物も導入しない。したがって、それは、特に、ABSコポリマーなどの本発明によるコア−シェルコポリマーの製造における使用に適したエラストマー粒子を提供する目的のために、エラストマー粒子の平均粒径を増大させるのに望ましい方法である。
しかしながら、圧力凝集法の不都合な点は、そのような圧力凝集法を使用して得られるエラストマー凝集体の平均粒径を制御することが困難であるということである。
特許文献1は、それが制限帯域を通って流れるときに、圧力凝集によって合成ゴムラテックスの平均粒径を増大させる方法を記載している。この場合、凝集は補強剤の添加によって始まる。補強剤として利用される樹脂分散体は、凝集されるラテックス分散体と相溶性であり、シリカと同様に、化学的凝集剤としてではなく単に得られるラテックスフォームから製造される成形物においてより高い硬度及び圧縮強度を達成するために作用する。補強剤は、スチレンのホモポリマー、又は少量部分のブタジエンと主要部分のスチレンとのコポリマーである。
特許文献2は、クリームを均質化(ホモジナイズ)及び乳化するためのバルブを記載する。ポンプによって、高圧下で、液体をノズル中の穿孔に押し通す。ノズルは、第1の列において嵌合し、かつ弾性的に押圧する相補的リブの表面を有する可動性部材と関連し、かつその間で穿孔から出た流体が押し込まれる、一連の同心又は偏心リブが形成された表面をその外側に有する。
特許文献3は、水及び油を混合することによって、例えば、水を流れさせる流路に形成された制限部と、制限部からのその間隙において環状間隙を形成することが可能なバルブ要素と、間隙の径を調節するための調節手段と、流路を通して流水に油を供給するための油供給流路とを備え、それによって、間隙の径を調節することによって、異なる粘度を有する異なる種類の潤滑油の適切な混合レベルを提供することができる熱間圧延機のロール(R)上に注入される水と油との混合液体を発生させるための混合機(1)に関する。
特許文献4は、均質化有効性の増加を生じるように協力して連結する複数の同一セル破壊バルブアセンブリに関する。また、均質化有効性の増加を生じる方法は、第1のセル破壊バルブアセンブリのバルブシートに、均質化される生産物を導入するステップと;均質化された生産物を第1のバルブアセンブリのバルブシートのアウトプットから除去するステップと;第2のセル破壊バルブアセンブリのバルブシートに、均質化された生産物を導入するステップと;均質化された生産物を第2のバルブアセンブリのバルブシートのアウトプットから除去するステップとを含む。
特許文献5は、調節可能なオリフィスホモジナイザーに関する。上記明細書には、装置全体での前もって決定された圧力低下を維持する目的のため、バルブプラグの位置が様々に調節され得ることが開示されている。
特許文献6は、ノズルを変更することによって装備を修正することを必要とせず、したがって、プロセスを中断することを必要とせずに、配置中に導入される蒸気の流量を変化させることを可能にするであろう蒸気の注入によって流体食品を処理するための配置を開示する。
特許文献7は、化学的凝集及び圧力凝集の組合せを利用する、粗製ポリマー分散体を調製するための方法を開示する。化学的凝集は、ポリエチレングリコールなどの凝集剤を使用して行われる。化学的凝集剤の量は、約0.01〜5重量%である。凝集の間の温度は、一般に約10〜70℃であり、好ましくは20〜50℃の範囲である。
本発明の目的は、上記及び/又は他の問題が解決されたエラストマー凝集体組成物の製造方法及びそのような方法において使用するためのバルブを提供することである。
したがって、本発明は、バルブアセンブリであって、ホモジナイズされる流体のためのフローチャネルに乳化フローチャネル部分を提供するように相対向して配置されたバルブとシートとを備え、乳化フローチャネル部分がバルブアセンブリの断面においてバルブの軸中心線に対して鋭角に配置されるバルブアセンブリを提供する。本発明は、さらに、そのようなバルブアセンブリを備えた高圧力ホモジナイザーを提供する。
本発明はさらに、エラストマー凝集体組成物の製造方法であって、
a)水中エラストマー粒子を含むスラリーを提供するステップ;および
b)開口部(aperture)にスラリーを押し通して、エラストマー凝集体組成物を得るステップ
を含み、
ステップb)は、本発明によるバルブアセンブリを使用して実行され、
スラリーはホモジナイズされる流体であり、乳化フローチャネル部分は開口部を備える、方法を提供する。
a)水中エラストマー粒子を含むスラリーを提供するステップ;および
b)開口部(aperture)にスラリーを押し通して、エラストマー凝集体組成物を得るステップ
を含み、
ステップb)は、本発明によるバルブアセンブリを使用して実行され、
スラリーはホモジナイズされる流体であり、乳化フローチャネル部分は開口部を備える、方法を提供する。
本発明は、スラリーが通過する開口部の形状が、得られる凝集体組成物の粒径分布の制御性に重要な影響を及ぼすことの発見に基づく。
本発明による方法は、一般に、バルブアセンブリを備えた高圧ホモジナイザーにおいて実行される。高圧ホモジナイザー用のバルブアセンブリの一般的設計は、1組の平行に積み重ねられた平面ディスクである。スラリーは、スラリーに加えられる高圧によるせん断下でこれらディスク間の間隙を通って流れる。
スラリーの一定送り速度において、バルブ中のディスク間の間隙を縮小することにより、圧力が増加する。これによって、間隙を通過するスラリーに加えられるせん断応力が大きくなることが予想され、また大きな粒子の割合が高まることが予想される。しかしながら、本発明者は、平行平坦ディスク(parallel flat discs)を有するバルブアセンブリがそのような性能を示さないことを観察した。圧力の増加は、必ずしもより大きい粒子をもたらすとは限らず、より小さい粒径をもたらす場合もある。これは、予測可能な様式で粒径分布を制御することを非常に困難にする。
本発明者は、特定形状を有するバルブアセンブリが、粒径分布のより容易な制御を可能にする圧力と粒径分布との間の予測可能な関係を導くことを見出した。本発明によるバルブが使用される場合、圧力の増加がより大きい平均粒径につながる。
好ましくは、フローチャネルはY形断面を有する。
好ましくは、バルブはシートに向かって円錐形の表面を有する。
好ましくは、乳化フローチャネル部分は、バルブ及びシートを互いに対して移動させることによって調節可能である、ホモジナイズされる流体の流れに対して垂直な方向に見られる第1の幅を有する。
好ましくは、フローチャネルは、第1の幅より大きい、ホモジナイズされる流体の流れに垂直な方向に見られる第2の幅を有する入口フローチャネル部分を有する。
バルブの軸中心線に対する乳化フローチャネル部分の角度は、90°未満、例えば、85°未満、10°〜80°、20°〜70°、30°〜60°、40°〜50°である。
図1は、本発明によるものではないバルブアセンブリの例を概略的に例示する。
図2は、本発明の特定の実施形態において使用され得るバルブアセンブリ1の例示的かつ非制限的な実施形態の断面図を示す。バルブアセンブリ1は、開口部6が設けられた乳化フローチャネル部分5をスラリーのためのフローチャネル4に提供するように相対向して配置されたバルブ2とシート3とを備える。乳化フローチャネル部分5は、バルブ2の軸中心線に対して鋭角αで配置される。図2は、バルブアセンブリ1の例示的な実施形態のフローチャネル4がY形断面を有することを示す。バルブアセンブリ1のバルブ2は、乳化フローチャネル部分5をフローチャネル4に提供するようにシート3に向かって円錐形の表面を有する。バルブアセンブリ1を使用する際に、スラリーは、開口部6を介して乳化フローチャネル部分5に入る。乳化フローチャネル部分5は、スラリーの流れに対して垂直な方向に見られる第1の幅を有する。第1の幅は、バルブ2及びシート3を互いに対して移動させることによって調節可能である。フローチャネル4は、スラリーの流れに垂直な方向に見られる第2の幅を有する入口フローチャネル部分7を有する。バルブアセンブリが使用中である場合に、第2の幅は第1の幅より大きい。
図2のこの実施形態において、バルブ径A1は6.84mmであり、シートの内口径(inner bore diameter)B1は1.8mmであり、乳化フローチャネル部分5の長さは2mmであった。
図1は図2と類似しているが、開口部が設けられた乳化フローチャネル部分がバルブの軸中心線に対して90°に配置されている。
図1の本実施形態において、バルブ径A1は6.84mmであり、シートの内口径B1は1.8mmであり、乳化フローチャネル部分の長さは0.465mmであった。バルブテーパエンド径Aは4.97mmであり、かつ内口テーパエンド径は4.04mmであった。
スラリー中のエラストマー粒子の平均粒径及び粒径分布、又はエラストマー凝集体組成物中のエラストマー凝集体の平均粒径及び粒径分布を決定してもよい。本発明に関して、平均粒径は、ISO9276−2:2014に従って決定されるD50粒径であると理解される。粒径分布は、ISO13320に従って、Beckman Coulter多波長レーザー回折粒径分析機器タイプLS13320によって決定される。
ステップ(a)
スラリー
本発明の方法において使用されるエラストマー粒子は、例えば、ポリブタジエン粒子、ポリ(スチレンブタジエン)粒子、ポリ(アクリロニトリルブタジエン)粒子、及びポリブチルアクリレート粒子、並びにそれらの組合せからなる群より選択され得る。好ましくは、ポリ(スチレンブタジエン)粒子は、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%のブタジエンに由来する単位を含む。
スラリー
本発明の方法において使用されるエラストマー粒子は、例えば、ポリブタジエン粒子、ポリ(スチレンブタジエン)粒子、ポリ(アクリロニトリルブタジエン)粒子、及びポリブチルアクリレート粒子、並びにそれらの組合せからなる群より選択され得る。好ましくは、ポリ(スチレンブタジエン)粒子は、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%のブタジエンに由来する単位を含む。
好ましくは、本発明の方法において使用されるエラストマー粒子は、ポリブタジエン粒子、少なくとも50重量%のブタジエンに由来する単位を含むポリ(スチレンブタジエン)粒子、ポリ(アクリロニトリルブタジエン)粒子、及びポリブチルアクリレート粒子、並びにそれらの組合せからなる群より選択される。エラストマー粒子がポリ(スチレンブタジエン)粒子を含む場合、ポリ(スチレンブタジエン)粒子は、好ましくは、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%のブタジエンに由来する単位を含む。
好ましくは、エラストマー粒子はポリブタジエン粒子である。
スラリー中のエラストマー粒子(すなわち、非ホモジナイズ粒子(unhomogenized particle))は、ホモジナイズ処理前の平均粒径D50、例えば元のD50を有する。エラストマー粒子は、好ましくは最大150nm、より好ましくは最大130nm、又はさらにより好ましくは最大120nm、例えば80〜120nmの平均粒径を有する。そのようなエラストマー粒子の使用は、エラストマー粒子を得るための長期にわたるモノマーの重合の必要性が回避されるという利点を有する。
エラストマー粒子の粒径分布は重要ではないが、典型的には、スラリー中における214nmより小さい粒径を有する粒子の体積分率は少なくとも90%である。
本発明による方法において使用されるスラリーは、スラリーの全重量に対して、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも20重量%でかつ最大70重量%、より好ましくは少なくとも30重量%でかつ最大60重量%、なおより好ましくは少なくとも30重量%でかつ最大50重量%のエラストマー粒子を含み得る。
好ましくは、本発明による方法において使用されるスラリーは、スラリーの全重量に対して、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも20重量%でかつ最大70重量%、より好ましくは少なくとも30重量%でかつ最大60重量%、なおより好ましくは少なくとも30重量%でかつ最大50重量%のエラストマー粒子を含み、エラストマー粒子はポリブタジエン粒子からなる。
スラリーは好ましくは水性エマルジョンである。スラリーは、スラリーが水性エマルジョンの形態になることを確実にするために、乳化剤をさらに含んでいてもよい。そのような水性エマルジョンは、ラテックスとも称される。疑義を避けるために、乳化剤は、本明細書において、化学的凝集剤とはみなされない。
乳化剤の量は、エラストマー粒子に対して、例えば、0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%、0.2〜5重量%又は0.5〜3重量%であってよい。
適切な乳化剤は、当業者に既知の水性乳化重合に関連して分散剤として一般的に利用される乳化剤である;そのような乳化剤は、例えば、Houben−Weyl,Methoden der organischen Chemie,Volume XIV/1,Makromolekulare Stoffe[Macromolecular substances],Georg−Thieme−Verlag,Stuttgart,1961,pp.411−420に記載されている。アニオン性、カチオン性及び非イオン性乳化剤が適切である。アニオン性乳化剤、特に石けんを使用することが好ましい。
適切なアニオン性乳化剤Eは、例えば、Na及びKなどのアルカリ金属との、アンモニウムとの、トリエチルアミンエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモルホリンなどの揮発性アミンとの、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどの二価及び三価カチオンとの、C8〜C18脂肪酸の塩である。さらなる適切なアニオン性乳化剤の例は、アルキル硫酸(アルキル:C8〜C22)の、エトキシル化アルカノール(EO単位:2〜50、アルキル:C12〜C18)及びエトキシル化アルキルフェノール(EO単位:3〜50、アルキル:C4〜C9)との硫酸モノエステルの、アルキルスルホン酸(アルキル:C12〜C18)の、並びにアルキルアリールスルホン酸(アルキル:C9〜C18)の、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩である。さらに適切な乳化剤は、Houben−Weyl,loc.cit.pp.192−208に示される。
好ましい乳化剤は、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸及びオレイン酸のナトリウム又はカリウム石けん、並びにリシノール酸、アビエチン酸及びピマル酸のナトリウム又はカリウム塩などの樹脂石けん(レジネート)である。獣脂脂肪酸のカリウム塩、又はオレイン酸カリウムが好ましく利用される乳化剤である。
一部の実施形態において、スラリーは化学的凝集剤を含む。スラリー中の化学的凝集剤の存在は、より大きい凝集体を増進させる。
一部の実施形態において、スラリーは、化学的凝集剤を実質的に含まない。これによって、エラストマー凝集体組成物から製造されるコア−シェルコポリマーの最終特性に影響を及ぼし得る不純物が回避される。これらの場合、好ましくは、化学的凝集剤の量は、スラリー中の固形分と任意の化学的凝集剤の合計に対して0.01重量%未満である。
「化学的凝集剤」という用語は、本明細書中、一般的に、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、C1〜C18カルボン酸のポリビニルエステル(例えば、ポリギ酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニル、ポリn−酪酸ビニル、ポリラウリン酸ビニル及びポリステアリン酸ビニル)、ポリエーテル(例えば、ポリアルキレングリコール)、及びそれらの組合せなどの、親水性モノマーをベースとする水溶性又は水分散性ポリマーを意味する。
スラリー温度
ステップ(b)において開口部に押し通される、ステップ(a)において提供されるスラリーは、0℃より高くかつ100℃未満、典型的には10〜90℃の温度を有し得る。
ステップ(b)において開口部に押し通される、ステップ(a)において提供されるスラリーは、0℃より高くかつ100℃未満、典型的には10〜90℃の温度を有し得る。
好ましくは、ステップ(b)において開口部に押し通される、ステップ(a)において提供されるスラリーは、40〜80℃、好ましくは45〜80℃、より好ましくは50〜70℃の温度を有する。
そのような比較的高温のスラリーの使用によって、エラストマー凝集体組成物から製造されるコア−シェルコポリマーの最終特性に影響を及ぼし得る化学的凝集剤及び不純物の使用を回避する、所望の粒径分布での圧力凝集法が提供される。驚くべきことに、40〜80℃の温度を有するスラリーの使用によって、所望の粒径分布を有するエラストマー凝集体組成物を得るための方法の広い操作ウインドウが可能となることが見出された。
ステップb)
ステップ(b)において、エラストマー粒子を含むスラリーを開口部に押し通す。開口部を通ることによって、エラストマー粒子は凝集し、エラストマー凝集体を含むエラストマー凝集体組成物が提供される。
ステップ(b)において、エラストマー粒子を含むスラリーを開口部に押し通す。開口部を通ることによって、エラストマー粒子は凝集し、エラストマー凝集体を含むエラストマー凝集体組成物が提供される。
開口部は、バルブアセンブリの相対向して配置されたバルブとシートとによって提供されるスラリーのためのフローチャネルに含まれる。開口部は、バルブアセンブリの断面においてバルブの軸中心線に対して鋭角に配置される。
ある圧力でスラリーを開口部に押し通す。例えば、少なくとも400バール、例えば、少なくとも500バール、少なくとも600バール、少なくとも700バール又は少なくとも800バールの圧力でスラリーを開口部に押し通してよい。特に好ましくは少なくとも850バール、例えば850〜1000バールの圧力で、スラリーを開口部に押し通す。
少なくとも3m/秒、例えば、5〜15m/秒の流速で、スラリーを開口部に押し通してよい。
好ましくは少なくとも500m/秒、より好ましくは少なくとも600m/秒、より好ましくは少なくとも700m/秒、例えば、少なくとも700m/秒でかつ最大1000m/秒の流速で、スラリーを開口部に押し通す。
エラストマー凝集体組成物
最終コア−シェルコポリマーのバランスがとれた流動/衝撃特性及び他の特性を達成するために、エラストマー凝集体組成物が、比較的わずかな部分の非常に小さい粒子(例えば、アンダーホモジナイズ部分(underhomogenized portion))及び比較的わずかな部分の非常に大きい粒子(例えば、オーバーホモジナイズ部分(overhomogenized portion))を有することが望ましい。アンダーホモジナイズ部分は、凝集しなかった元の粒子の部分を意味する。例えば、図3を参照すると、ライン1は、非ホモジナイズエラストマー粒子(例えば、スラリー中の元の粒子)を示す。非ホモジナイズエラストマー粒子の全てが200nm未満の粒径を有する。したがって、アンダーホモジナイズ粒子は、200nm未満の粒径を有するものであると考えられる。オーバーホモジナイズ部分は、非ホモジナイズ粒子の平均粒径の10倍(好ましくは9倍、より好ましくは8倍)以上の粒径を有するホモジナイズ粒子の部分を意味する:
オーバーホモジナイズ部分=10(非ホモジナイズ粒子のD50)
最終コア−シェルコポリマーのバランスがとれた流動/衝撃特性及び他の特性を達成するために、エラストマー凝集体組成物が、比較的わずかな部分の非常に小さい粒子(例えば、アンダーホモジナイズ部分(underhomogenized portion))及び比較的わずかな部分の非常に大きい粒子(例えば、オーバーホモジナイズ部分(overhomogenized portion))を有することが望ましい。アンダーホモジナイズ部分は、凝集しなかった元の粒子の部分を意味する。例えば、図3を参照すると、ライン1は、非ホモジナイズエラストマー粒子(例えば、スラリー中の元の粒子)を示す。非ホモジナイズエラストマー粒子の全てが200nm未満の粒径を有する。したがって、アンダーホモジナイズ粒子は、200nm未満の粒径を有するものであると考えられる。オーバーホモジナイズ部分は、非ホモジナイズ粒子の平均粒径の10倍(好ましくは9倍、より好ましくは8倍)以上の粒径を有するホモジナイズ粒子の部分を意味する:
オーバーホモジナイズ部分=10(非ホモジナイズ粒子のD50)
図3の実施例において、ライン1(非ホモジナイズ粒子)のD50は100nmであり、40nm〜200nmの粒子分布を有するであろう。アンダーホモジナイズ粒子は、最大200nmの粒径を有し、オーバーホモジナイズ粒子は、1000nm以上、好ましくは900nm以上の粒径を有するであろう。
エラストマー凝集体組成物は、エラストマー凝集体組成物の全体積に基づき、最大40体積%、好ましくは最大30体積%のアンダーホモジナイズ粒子を有することができる。
エラストマー凝集体組成物は、エラストマー凝集体組成物の全体積に基づき、最大10体積%、好ましくは最大8体積%のオーバーホモジナイズ粒子を有することができる。
例えば、エラストマー凝集体組成物中の214nm未満の粒径を有する粒子の体積分率は、好ましくは比較的小さい。例えば、エラストマー凝集体組成物中の214nm未満の粒径を有する粒子の体積分率は、最大50%、より好ましくは最大40%、なおより好ましくは最大30%、例えば、10〜30%又は20〜30%である。これによって、エラストマー凝集体組成物を使用して製造されるグラフトコポリマーのより良好な衝撃強さがもたらされる。これによって、グラフトコポリマーの加工安定性がさらに改善される。
例えば、エラストマー凝集体組成物中の868nmより大きい粒径を有する粒子の体積分率は、好ましくは比較的小さい。例えば、エラストマー凝集体組成物中の868nmより大きい粒径を有する粒子の体積分率は、最大15%、より好ましくは最大10%である。これによって、エラストマー凝集体を使用して製造されるグラフトコポリマーの所望のメルトフローがもたらされる。これによって、グラフトコポリマーの不透明性に対する有害作用も避けられる。
好ましい実施形態において、エラストマー凝集体組成物中の214nm未満の粒径を有する粒子の体積分率は10〜30%又は20〜30%であり、かつエラストマー凝集体組成物中の868nmより大きい粒径を有する粒子の体積分率は最大10%である。そのような組成物は、エラストマー凝集体を使用して製造されるグラフトコポリマーに所望の材料特性を提供し、また所望の加工特性を提供するのに有利である、所望の狭い粒径分布を示す。
好ましくは、エラストマー凝集体組成物中のエラストマー凝集体は、少なくとも150nm又は少なくとも250nm、例えば、少なくとも150nmでかつ最大1000nm、又は少なくとも250nmでかつ最大1000nmの平均粒径を有する。より好ましくは、エラストマー粒子は、少なくとも200nmでかつ最大500nm、又は少なくとも250nmでかつ最大400nmの平均粒径を有する。そのような組成物は、エラストマー凝集体を使用して製造されるグラフトコポリマーに所望の材料特性を提供するため、並びに所望の加工特性を提供するために有利である。
さらなる態様
本発明の方法によって得られるエラストマー凝集体組成物は、例えば、乳化重合によるグラフトコポリマーなどのエラストマー強化熱可塑性コポリマーの製造などにおける、さらなる重合プロセスにおいて使用することができる。
本発明の方法によって得られるエラストマー凝集体組成物は、例えば、乳化重合によるグラフトコポリマーなどのエラストマー強化熱可塑性コポリマーの製造などにおける、さらなる重合プロセスにおいて使用することができる。
本発明は、本発明による方法によって得られる又は得ることができるエラストマー凝集体組成物にも関する。
本発明は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、メタクリレートブタジエンスチレンコポリマー、アクリロニトリルスチレンブチルアクリレートコポリマー又はスチレンブチルアクリレートコポリマーの製造における本発明によるエラストマー凝集体組成物の使用にも関する。
本発明は、本発明によるエラストマー凝集体組成物を使用して製造されたアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、メタクリレートブタジエンスチレンコポリマー、アクリロニトリルスチレンブチルアクリレートコポリマー又はスチレンブチルアクリレートコポリマーにも関する。
本発明は、本発明によるエラストマー凝集体組成物の製造方法、及び好ましくは乳化重合を介してエラストマー凝集体組成物からコポリマーを製造することを含む、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、メタクリレートブタジエンスチレンコポリマー、アクリロニトリルスチレンブチルアクリレートコポリマー又はスチレンブチルアクリレートコポリマーからなる群より選択されるコポリマーの製造方法にも関する。
以下の実施例はポリブタジエン粒子に関するが、本発明は、他の種類のエラストマー、すなわち、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブチルアクリレートゴムなどにも適用される。理論に限定はされないが、これらゴムは異なる化学的特性を有するが、粒子間の相互作用はなお静電反発及びファンデルワールス引力によって制御される。静的条件下で、実施例のラテックス粒子は、それらの帯電表面からの静電反発のために安定化され又は凝集が防がれる。この静電表面電荷は、ラテックスの製造において使用される吸着された界面活性剤の結果である。ホモジナイザーはラテックス分散体にエネルギーを付与し、それによって、粒子が反発のエネルギーに打ち勝つこととなり、引力、かつ最終的に凝集が導かれる。異なるバルブ構造又は幾何構造によるプロセス条件の操作によって、エネルギー散逸分布、かつ最終的に粒径分布の制御が可能となる。
本発明は、コポリマーの製造のための本発明による方法によって得られる又は得ることができるコポリマーにも関する。
例えば、エラストマー凝集体組成物を反応容器に添加し、加熱することができる。スチレンをその容器に添加し、開始剤(例えば、クメンヒドロペルオキシド開始剤)の添加の前に、任意選択的に一定期間かけて、任意選択的な予浸を行ってもよい。アクリロニトリル及びスチレン供給原料も、例えば、開始剤添加の開始後に反応容器に添加することができる。任意選択的に、アクリロニトリル及びスチレンも一定期間かけて添加することができる。重合プロセスの例は、米国特許第6,784,253号明細書に開示される。
具体的な事例において、ポリブタジエンエマルジョンの最初の装てんを3リットルの反応容器に添加し、57.2℃まで加熱することができる。次に、12.06重量部のスチレンを「予浸」として反応容器に添加することができる。約20分の予浸後、0.375部のクメンヒドロペルオキシド開始剤の添加を開始することができる。70分間かけて開始剤を反応容器に添加することができる。開始剤添加の開始から5分後に、12.05部のアクリロニトリルの供給を開始することができる。65分間かけてアクリロニトリルを反応容器に添加することができる。開始剤添加の開始から10分後に、24.09部のスチレンの供給を開始することができる。60分間かけてスチレンを反応容器に添加することができる。
本発明は本明細書に記載の特徴の全ての可能な組合せに関し、特に請求項に示される特徴の組合せが好ましいことに留意されたい。したがって、本発明による組成物に関する特徴の全ての組合せ、本発明による方法に関する特徴の全ての組合せ、並びに本発明による組成物に関する特徴及び本発明による方法に関する特徴の全ての組合せが本明細書に記載されていることが認識されるであろう。
さらに、「含む」という用語が他の要素の存在を除外しないことに留意されたい。しかしながら、特定の成分を含む製品/組成物に関する記載が、これらの成分からなる製品/組成物も開示することが理解される。これらの成分からなる製品/組成物は、それが製品/組成物の調製のためのより単純で、より経済的な方法を提供するという点で有利であり得る。同様に、特定のステップを含む方法に関する記載が、これらのステップからなる方法も開示することが理解される。これらのステップからなる方法は、それがより単純で、より経済的な方法を提供するという点で有利であり得る。
本明細書中に別途指定されない限り、(ISO、ASTMなどを含む)全ての試験規格は2017年10月12日の時点で有効である最新の規格である。
値がパラメーターに関する下限及び上限で記載される場合、下限の値及び上限の値の組合せによって作成される範囲も開示されるものとして理解される。
以下に本発明を実施例によって説明するが、それらに限定されることはない。
38.52重量%全固形分のポリブタジエンラテックス13800gに、10%全固形分の獣脂脂肪酸カリウム塩石けん292gを添加し、十分撹拌した。追加分の脱イオン水154gを添加し、37.5重量%全固形分及び0.9重量%全石けんの最終ラテックスを得た。
このスラリーの粒径分布は、ISO13320によって、Beckman Coulter多波長レーザー回折粒径分析機器タイプLS13320によって決定した。
スラリーを室温(23.9℃)においてホモジナイザーに供給した。ホモジナイザーは図1又は図2に示されるバルブを有し、その中をラテックスが通過して、エラストマー凝集体組成物が得られる。
これらのエラストマー凝集体組成物の粒径分布は、ISO13320によって、Beckman Coulter多波長レーザー回折粒径分析機器タイプLS13320によって決定した。
214nm未満の粒径を有する粒子の体積分率(本明細書中、<214nm部分とも記載される)及び868nmより大きい粒径を有する粒子の体積分率(本明細書中、>868nm部分とも記載される)をホモジナイズプロセスの圧力変化に対してモニターした。図1及び図2のバルブを使用した結果を、それぞれ図4及び図5に示す。
図1のバルブを使用した場合(図4)、粒径分布は、圧力に対して所望の一貫した結果を示さなかった。ホモジナイズ圧力が4000psi未満であるとき、<214nm部分は圧力の増大とともに減少し、>868nm部分は圧力の増大とともに増加した。<214nm及び>868nm部分の割合は、圧力が4000〜8000psiのときは、概して一定であった。圧力が8000psiより高いとき、<214nm部分は圧力の増大とともに増加し、>868nm部分は圧力の増大とともに減少した。これは予想外であり、かつ望ましくなく、粒径分布の制御を困難にする。
それとは対照的に、図2のバルブを使用した場合(図5)、粒径分布は、圧力に対して所望の一貫した結果を示した。ホモジナイズ圧力が4000psiに達するまで、<214nm部分及び>868nm部分にほとんど影響は見られなかった。4000psiから、<214nm部分は圧力の増大とともに減少し、>868nm部分は圧力の増大とともに増加した。圧力の増大がより大きい平均粒径をもたらすこの関係は、粒径分布のより容易な制御を可能にする。
本明細書に開示されるバルブ及び方法のいくつかの態様を以下に示す。
態様1:バルブアセンブリであって、ホモジナイズされる流体のためのフローチャネルに乳化フローチャネル部分を提供するように相対向して配置されたバルブとシートとを備え、乳化フローチャネルがバルブアセンブリの断面においてバルブの軸中心線に対して鋭角に配置される、バルブアセンブリ。
態様2:フローチャネルがY形断面を有する、態様1によるバルブアセンブリ。
態様3:バルブがシートに向かって円錐形の表面を有する、前記態様のいずれか1つによるバルブアセンブリ。
態様4:乳化フローチャネル部分が、バルブ及びシートを互いに対して移動させることによって調節可能な、ホモジナイズされる流体の流れに対して垂直な方向に見られる第1の幅を有する、上記態様のいずれか1つによるバルブアセンブリ。
態様5:フローチャネルが、第1の幅より大きい、ホモジナイズされる流体の流れに垂直な方向に見られる第2の幅を有する入口フローチャネル部分を有する、態様4によるバルブアセンブリ。
態様6:態様1〜5のいずれか1つによる少なくとも1つのバルブアセンブリを含む高圧ホモジナイザー。
態様7:エラストマー凝集体組成物の製造方法であって、(a)水中エラストマー粒子を含むスラリーを提供するステップ;および(b)開口部にスラリーを押し通して、エラストマー凝集体組成物を得るステップを含み、ステップ(b)が、態様1〜5のいずれか1つによるバルブアセンブリを使用して実行され、スラリーがホモジナイズされる流体であり、かつ乳化フローチャネル部分に開口部が設けられている、方法。
態様8:エラストマー凝集体組成物の製造方法であって、バルブアセンブリにおいて開口部にスラリーを押し通して、エラストマー凝集体組成物を得るステップを含み、バルブアセンブリが、開口部が設けられた乳化チャネル部分をホモジナイズされるスラリーのためのフローチャネルに提供するように相対向して配置されたバルブとシートとを備え;乳化フローチャネル部分が、バルブアセンブリの断面においてバルブの軸中心線に対して角度α(好ましくは鋭角)に配置され;かつスラリーが水中にエラストマー粒子を含む、方法。
態様9:エラストマー粒子が、ポリブタジエン粒子、ポリ(スチレンブタジエン)粒子、ポリ(アクリロニトリルブタジエン)粒子、及びポリブチルアクリレート粒子、並びにそれらの組合せからなる群より選択される、態様7〜8のいずれか1つによる方法。
態様10:エラストマー粒子が、ポリブタジエン粒子、少なくとも50重量%のブタジエンに由来する単位を含むポリ(スチレンブタジエン)粒子、ポリ(アクリロニトリルブタジエン)粒子、及びポリブチルアクリレート粒子、並びにそれらの組合せからなる群より選択される、態様7〜9のいずれか1つによる方法。
態様11:エラストマー粒子がポリブタジエン粒子である、態様7〜10のいずれか1つによる方法。
態様12:スラリーが、化学的凝集剤を実質的に含まず、好ましくは、化学的凝集剤の量が、スラリー中の固形分及び任意の化学的凝集剤の合計に対して0.01重量%未満である、態様7〜11のいずれか1つによる方法。
態様13:スラリーが、40〜80℃、好ましくは45〜80℃の温度を有する、態様7〜12のいずれか1つによる方法。
態様14:角度αが90°未満、好ましくは85°未満、より好ましくは20°〜70°である、態様7〜13のいずれか1つによる方法。
態様15:スラリー中のエラストマー粒子が、ISO9276−2:2014に従って決定される平均粒径D50を有し;エラストマー凝集体組成物が、エラストマー凝集体組成物の全体積に基づき、最大40体積%、好ましくは最大30体積%のアンダーホモジナイズ部分を有し、かつ最大10体積%、好ましくは最大8体積%のオーバーホモジナイズ部分を有する、態様7〜14のいずれか1つによる方法。
態様16:スラリー中のエラストマー粒子が、ISO9276−2:2014に従って決定される平均粒径D50を有し;エラストマー凝集体組成物が、エラストマー凝集体組成物の全体積に基づき、最大40体積%、好ましくは最大30体積%のアンダーホモジナイズ部分を有し、かつ最大10体積%、好ましくは最大8体積%のオーバーホモジナイズ部分を有する、態様7〜15のいずれか1つによる方法。
態様17:オーバーホモジナイズ部分が、平均粒径D50の10倍以上、好ましくは平均粒径D50の9倍以上、より好ましくは平均粒径D50の8倍以上の粒径を有するエラストマー凝集体組成物の部分である、態様16による方法。
態様18:アンダーホモジナイズ部分が、エラストマーの粒子の最大粒径以下の粒径を有するエラストマー凝集体組成物の部分である、態様16〜17のいずれか1つによる方法。
態様19:態様7〜18のいずれか1つによる方法によって得られる又は得ることができるエラストマー凝集体組成物。
態様20:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、メタクリレートブタジエンスチレンコポリマー、アクリロニトリルスチレンブチルアクリレートコポリマー又はスチレンブチルアクリレートコポリマーの製造における態様19によるエラストマー凝集体組成物の使用。
態様21:態様20によるエラストマー凝集体組成物を使用して製造されたアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、メタクリレートブタジエンスチレンコポリマー、アクリロニトリルスチレンブチルアクリレートコポリマー又はスチレンブチルアクリレートコポリマー。
態様22:態様19によるエラストマー凝集体組成物を加熱し、エラストマー凝集体組成物をスチレン及びアクリロニトリルと反応させてグラフトコポリマーを形成することを含む、グラフトコポリマーの形成方法。
1 バルブアセンブリ
2 バルブ
3 シート
4 フローチャネル
5 乳化フローチャネル部分
6 開口部
7 入口フローチャネル部分
2 バルブ
3 シート
4 フローチャネル
5 乳化フローチャネル部分
6 開口部
7 入口フローチャネル部分
Claims (14)
- エラストマー凝集体組成物の製造方法であって
バルブアセンブリにおいて開口部にスラリーを押し通して、エラストマー凝集体組成物を得るステップを含み、
前記バルブアセンブリがバルブとシートとを備え、該バルブとシートは、前記開口部が設けられた乳化フローチャネル部分をホモジナイズされるスラリーのためのフローチャネルに提供するように相対向して配置され、
前記乳化フローチャネル部分が、前記バルブアセンブリの断面において前記バルブの軸中心線に対して鋭角に配置され、
前記スラリーが水中にエラストマー粒子を含む、方法。 - 前記エラストマー粒子が、ポリブタジエン粒子、ポリ(スチレンブタジエン)粒子、ポリ(アクリロニトリルブタジエン)粒子、及びポリブチルアクリレート粒子、並びにそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記エラストマー粒子が、ポリブタジエン粒子、少なくとも50重量%のブタジエンに由来する単位を含むポリ(スチレンブタジエン)粒子、ポリ(アクリロニトリルブタジエン)粒子、及びポリブチルアクリレート粒子、並びにそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記エラストマー粒子がポリブタジエン粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記スラリーが化学的凝集剤を実質的に含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 化学的凝集剤の量が前記スラリー中の固形分及び任意の化学的凝集剤の合計に対して0.01重量%未満である、請求項5に記載の方法。
- 前記スラリーが40〜80℃の温度を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記フローチャネルがY形断面を有し、前記バルブが前記シートに向かって円錐形の表面を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記乳化フローチャネル部分が、前記バルブ及び前記シートを互いに対して移動させることによって調節可能な、ホモジナイズされる流体の流れに対して垂直な方向に見られる第1の幅を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記フローチャネルが、前記第1の幅より大きい、ホモジナイズされる流体の流れに対して垂直な方向に見られる第2の幅を有する入口フローチャネル部分を有する、請求項9に記載の方法。
- 前記スラリー中のエラストマー粒子が、ISO9276−2:2014に従って決定される平均粒径D50を有し、前記エラストマー凝集体組成物が、該エラストマー凝集体組成物の全体積に基づき、最大40体積%のアンダーホモジナイズ部分を有し、かつ最大10体積%のオーバーホモジナイズ部分を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法によって得られるエラストマー凝集体組成物。
- アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、メタクリレートブタジエンスチレンコポリマー、アクリロニトリルスチレンブチルアクリレートコポリマー、又はスチレンブチルアクリレートコポリマーの製造における請求項12に記載のエラストマー凝集体組成物の使用。
- 請求項13に記載のエラストマー凝集体組成物を使用して製造されたアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、メタクリレートブタジエンスチレンコポリマー、アクリロニトリルスチレンブチルアクリレートコポリマー、又はスチレンブチルアクリレートコポリマー。
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