本発明の第一の態様によると、エアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体のすぐ下流に配置された中空の管状支持要素とを備えるエアロゾル発生物品が提供されている。中空の管状支持要素は、エアロゾルがエアロゾル形成基体から物品の口側端に向かって流れるための開口部を画定する。中空の管状支持要素の材料の少なくとも一部分は、開口部の中に内向きに突出して、一つ以上の内部突起部を画定する。一つ以上の内部突起部は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部のための支持バリアを提供することができる。
従来技術のエアロゾル発生物品とは対照的に、本発明の第一の態様のエアロゾル発生物品は、少なくとも一つの突起部を有する中空の管状支持要素を備え、この突起部はその開口部の中に内向きに突出する。少なくとも一つの突起部は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部のための支持バリアを提供する働きをする。これは、例えばヒーターブレードがエアロゾル形成基体の中に挿入されている時に、押し込まれるエアロゾル形成基体の材料のために利用できる空き空間を減少させることができる。言い換えれば、少なくとも一つの突起部は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部の下流への移動を防止または制限する支持バリアを提供することができる。結果として、本発明の第一の態様において、物品が使用されている時に、エアロゾル形成材料の部分がエアロゾル形成基体から押し出される可能性は低い。これはユーザーにとって、より一貫した体験につながりうる。
さらに、中空の管状支持要素の支持バリアは、一つ以上の内部突起部の形態で提供されるため、支持要素は依然として、エアロゾルがエアロゾル形成基体から物品の口側端に向かって流れるために適切にサイズ設定された開口部を保持することができる。これは、支持要素が依然として適切に低い引き出し抵抗を有することができることを意味する。これはまた、支持要素が依然として、適切に低い濾過効果を有することができることを意味する。
よって、本発明の第一の態様は、周知のエアロゾル発生物品よりも改善された一貫性を有し、その一方でまた、こうした物品の望ましい特性の一部から恩恵を受けるエアロゾル発生物品を提供する。
本発明の第一の態様において、中空の管状支持要素は、弾性変形可能な材料から形成されることが好ましい。従って、エアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体のすぐ下流に配置された中空の管状支持要素とを備えるエアロゾル発生物品が提供されてもよく、中空の管状支持要素は弾性変形可能な材料から形成されている。中空の管状支持要素は、エアロゾルがエアロゾル形成基体から物品の口側端に向かって流れるための開口部を画定する。中空の管状支持要素の材料の少なくとも一部分は、開口部の中に内向きに突出して、一つ以上の内部突起部を画定する。一つ以上の内部突起部は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部のための支持バリアを提供することができる。
これは特に、物品のエアロゾル形成基体部分に挿入されているヒーターによって加熱されるエアロゾル発生物品の文脈において、多くの利点を提供しうる。例えば、弾性変形可能材料から支持要素を形成することによって、バリアは、ヒーターブレードなどのヒーター要素がエアロゾル発生物品の中に挿入される際に、わずかに変形することができる。これは、ヒーター要素がエアロゾル発生物品の中に挿入される際に、バリアによってヒーター要素に生じる損傷の可能性を低減するのに役立ちうる。従って、内側に突出し、弾性変形可能でもある支持バリアは、エアロゾル形成基体への大きな損傷または変更を防止することと、その一方でまた、エアロゾル発生装置のヒーター要素の損傷を回避することとの間の最適なバランスを提供することができる。
本発明は、一つ以上のヒーターブレードを受容するように構成されているロッドの形態のエアロゾル形成基体を有するエアロゾル発生物品に特に適している。こうしたエアロゾル形成基体は、多くの適切な構成を有しうる。一部の特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料のシートの集合体、例えば均質化したたばこのシートの集合体、またはニコチン塩およびエアロゾル形成体を含むシートの集合体を含むロッドの形態である。
中空の管状部分の開口部は、エアロゾルがエアロゾル形成基体から物品の口側端に向かって流れるための内部通路を提供する。開口部は、エアロゾル発生物品の長軸方向に、中空の管状支持要素の長さ全体を通って延びることが好ましい。これは、エアロゾルが中空の管状支持要素の上流端から中空の管状支持要素の下流端まで妨げられずに通過することを可能にすることができる。
中空の管状支持要素の開口部の断面積は、開口部の全長に沿って変化しないことが好ましい。この場合、突起部は中空の管状支持要素の全長に沿って存在することが好ましい。すなわち、少なくとも一つの突起部は、開口部の全長に沿って開口部の中に延びる。これは、中空の管状支持要素の製造を簡単にするために役立つ場合がある。別の方法として、一部の実施形態において、中空の管状支持要素の開口部の断面積は、開口部の長さに沿って変化する。例えば、中空の管状支持要素の開口部は、中空の管状支持要素の一方の端でより小さい断面積を有するように先細りしてもよい。別の例として、突起部は中空の管状支持要素のある一定の長軸方向の部分(複数可)に沿ってのみ存在してもよい。この場合、突起部は中空の管状支持要素の下流端には存在しないが、その代わりに中空の管状支持要素の上流端に存在してもよい。少なくとも一つの突起部は、中空の管状支持要素の少なくとも上流端部分で開口部の中に延びることが好ましい。少なくとも一つの突起部は、中空の管状支持要素の少なくとも上流端面で開口部の中に延びることがより好ましい。これは、中空の管状支持要素の開口部がその下流端で、より従来的な形状(円形状など)を有することを可能にし、その一方で依然として、上述の少なくとも一つの突起部によって提供される利点の恩恵を受けることができる。
開口部の長さは、エアロゾル発生物品の長軸方向に測定される。
開口部は、中空の管状支持要素の長さに沿って部分的にのみ延びうる。すなわち、開口部は、中空の管状支持要素の上流端から、中空の管状支持要素の上流端と下流端の間にある中空の管状支持要素内の一点まで延びうる。こうした実施形態において、開口部の下流に配置されている中空の管状支持要素のセクションは、多孔性であることが好ましい。これは、エアロゾルが開口部の下流端から物品の口側端に向かって流れ続けることを可能にすることができる。
少なくとも一つの突起部は、中空の管状支持要素の上流端から見て、適切な任意のプロフィールを有してもよい。特に、開口部は、中空の管状支持要素の上流端から見て周辺部を有しうる。中空の管状支持要素の上流端から見た時に、各突起部は、周辺部の第一の部分と、周辺部の第一の部分のそれぞれの端と交わる仮想直線とによって区切られている。仮想直線と、仮想直線から最も遠い周辺部の第一の部分上の点との間の、仮想直線と直角を成す方向の距離は、少なくとも約1ミリメートルであることが好ましく、少なくとも約2ミリメートルであることがより好ましい。従って、それぞれの突起部は、中空の管状支持要素の上流端から見て、直線または曲面の側部を有しうる。それぞれの突起部は、中空の管状支持要素の上流端から見て、鋭いまたは丸みのある先端を有しうる。中空の管状支持要素の上流端は、エアロゾル形成基体に隣接する端である。
開口部の形状は、中空の管状支持要素の上流端から見て、少なくともある程度の左右対称性を有することが好ましい。開口部の形状は、中空の管状支持要素の上流端から見て、放射対称性を有することが好ましい。
中空の管状支持要素は、一つの突起部のみを有してもよい。これは、中空の管状支持要素の製造の複雑さを低減することができる。
別の方法として、一部の好ましい実施形態において、中空の管状支持要素は、開口部の中に内向きに突出する二つ以上の突起部を備える。こうした実施形態において、二つ以上の突起部は開口部の周囲に均一に配置されていることが好ましい。例えば、中空の管状支持要素は、開口部の周囲に直径方向に向かい合った二つの突起部を備えてもよい。別の実施例として、中空の管状支持要素は、開口部の周囲に配置された三つの突起部を備えてもよく、それぞれの突起部は中空の管状支持要素の上流端から見て、仮想正三角形の先端に配置されている。この均一な分布は、エアロゾル形成基体のためのバリアを提供する突起部の有効性を高めることができ、その一方でまた、エアロゾルが流れるための適切なサイズの開口部を許容する。
本発明の第一の態様の中空の管状支持要素は、支持要素がその開口部の中に内向きに延びる一つ以上の突起部を有するため、エアロゾル形成基体のための支持バリアを提供する働きをする。円筒形のロッドの形態のエアロゾル形成基体を有する物品を、ヒーターブレードを有するエアロゾル発生装置で加熱することは周知である。ヒーターブレードは使用中にロッドに挿入されている。こうした配設において、通常はヒーターブレードがロッド内の中央に位置し、エアロゾル形成材料との相互作用を最適化することが望ましい。よって、本発明の一つ以上の突起部は、開口部の中に延び中空の管状支持要素の中心に近い位置まで延びることが好ましい。これは、ヒーターブレードがエアロゾル形成ロッドに挿入されている時にヒーターブレードが存在する半径方向位置に近い半径方向位置に、支持バリアが存在することを可能することができる。これは、最小限の材料が使用時にヒーターブレードによって中空の管状支持要素の開口部の中に押し込まれることを確実にするために特に有利でありうる。
よって、突起部の少なくとも一つは、中空の管状支持要素の半径方向の中心に向かって延びることが好ましい。
少なくとも一つの突起部の先端は、中空の管状支持要素の半径方向の中心から、中空の管状支持要素の半径の約40パーセント未満の距離に位置することが好ましく、30パーセント未満の距離に位置することがより好ましく、23パーセント未満の距離に位置することがさらにより好ましい。これは少なくとも以下の三通りの実施形態を網羅することが理解されよう。第一に、突起部が中空の管状支持要素の半径方向の中心を通って延びない実施形態を網羅する。第二に、突起部の先端が中空の管状支持要素の半径方向の中心に存在する実施形態を網羅する。第三に、突起部が中空の管状支持要素の半径方向の中心を通って延びるが、前記突起部の先端が、中空の管状支持要素の半径方向の中心から、中空の管状支持要素の半径の40パーセント未満の距離だけ間隔を置いているかまたはそれを越えて延びる配設を網羅する。
一部の特に好ましい実施形態において、少なくとも一つの突起部の先端は、中空の管状支持要素の半径方向の中心から、中空管状支持要素の半径の20パーセント未満の距離に位置する。
本発明の第一の態様には、中空の管状支持要素の材料を中空の管状支持要素の半径方向の中心に、またはその近くに存在させることは利点であるという理解が伴う。これは、こうした材料がエアロゾル形成基体のための支持バリアを提供できるためである。本発明の第一の態様は、材料の一つ以上の突出部を中空の管状支持要素の開口部の中に内向きに延ばすことによって、この利点を達成する。
ところが、本開示ではまた、この利点は先端付き突出部それ自体なしで、代わりに中空の管状支持要素の少なくとも一部の材料を中空の管状支持要素の半径方向の中心を通って延ばすことによって、またその一方で依然として、エアロゾルが通って流れるための、中空の管状支持要素の一つ以上の開口部を保持することによって達成されうることも認識している。
従って、本発明の第二の態様によると、エアロゾル形成材料のシートの集合体を含むロッドの形態のエアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体のすぐ下流に配置された中空の管状支持要素とを備えるエアロゾル発生物品が提供されている。中空の管状支持要素は、中空の管状支持要素の周辺部の周りに延びる材料の周辺部分と、周辺部分上の少なくとも第一の点から中空の管状支持要素の半径方向の中心を通って周辺部分上の少なくとも第二の点まで延びる材料の内側部分とを備える。周辺部分および内側部分は一緒に、エアロゾルがエアロゾル形成基体から物品の口側端に向かって流れるための、中空の管状支持要素中の少なくとも二つの開口部を画定する。
それ故に、二つ以上の突起部が一緒に結合または併合されて、中空の管状支持要素の半径方向の中心を通過する材料の架橋を形成する場合、本発明の第二の態様の中空の管状支持要素は、本発明の第一の態様の中空の管状支持要素と類似していると見なされうる。
本明細書で使用される「半径方向の中心」とは、中空の管状支持要素の長軸方向と直交するように切り取られた、中空の管状支持要素の断面の中心点を意味する。断面は点で切り取られ、この点に沿って突出部または材料の内側部分が存在する。この点は、中空の管状支持要素の上流端であることが好ましい。
従って、本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様に関連して上述した利点および好ましい特徴の多くから恩恵を受けることができる。特に、中空の管状支持要素の材料の内側部分は有利なことに、エアロゾル形成基体のための支持バリアとしての役割を果たすことができる。中空の管状支持要素の材料の内側部分と周辺部分との間の空き空間に画定された少なくとも二つの開口部は、支持要素が依然として、適切に低い引き出し抵抗を有することができることを確実にすることができる。それらはまた、支持要素が依然として、適切に低い濾過効果を有することを確実にすることができる。
よって、本発明の第二の態様は、周知のエアロゾル発生物品よりも改善された一貫性を有し、その一方でまた、こうした物品の望ましい特性の一部から恩恵を受けるエアロゾル発生物品を提供する。
本発明の第二の態様において、中空の管状支持要素は、弾性変形可能な材料から形成されていることが好ましい。従って、エアロゾル形成材料のシートの集合体を含むロッドの形態のエアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体のすぐ下流に配置された中空の管状支持要素とを備えるエアロゾル発生物品が提供されてもよく、中空の管状支持要素は弾性変形可能な材料から形成されている。中空の管状支持要素は、中空の管状支持要素の周辺部の周りに延びる材料の周辺部分と、周辺部分上の少なくとも第一の点から中空の管状支持要素の半径方向の中心を通って周辺部分上の少なくとも第二の点まで延びる材料の内側部分とを備える。周辺部分および内側部分は一緒に、エアロゾルがエアロゾル形成基体から物品の口側端に向かって流れるための、中空の管状支持要素中の少なくとも二つの開口部を画定する。
これは特に、物品のエアロゾル形成基体部分に挿入されているヒーターによって加熱されるエアロゾル発生物品の文脈において、多くの利点を提供しうる。例えば、弾性変形可能材料から支持要素を形成することによって、中空の管状支持要素の材料の内側部分は、ヒーターブレードなどのヒーター要素がエアロゾル発生物品の中に挿入される際に、わずかに変形することができる。これは、ヒーター要素がエアロゾル発生物品の中に挿入される際に、内側部分によってヒーター要素に生じる損傷の可能性の低減に役立ちうる。従って、こうした弾性変形可能な内側部分を有する支持要素は、エアロゾル形成基体への大きな損傷または変更を防ぐことと、その一方でまた、エアロゾル発生装置のヒーター要素の損傷を回避することとの間の最適なバランスを提供することができる。
本発明の第二の態様において、周辺部分は実質的に環状とすることができる。例えば、当技術分野で周知の中空の管状支持要素の形状と類似した、濾過材料の環状の管の形態とすることができる。
材料の内側部分は、周辺部分内の空間にわたって延びる一つ以上のバーの形態を有することができ、少なくとも一つのバーは中空の管状支持要素の半径方向の中心を通って延びる。例えば、内側部分は、周辺部分内の空間を横切って、中空の管状支持要素の半径方向の中心を通って延びる単一のバーから成ってもよい。こうした実施形態において、内側部分および周辺部分は、それらの端の間の空き空間に二つの開口部を画定する。それぞれの開口部は、中空の管状支持要素の上流端から見て、半円形を有しうる。
別の実施形態において、内側部分は二つのバーから成ってよく、そのそれぞれは周辺部分内の空間を横切って、中空の管状支持要素の半径方向の中心を通って延びる。こうした実施形態において、内側部分および周辺部分は、それらの端の間の空き空間に四つの開口部を画定する。二つのバーが互いに直交する場合、それぞれの開口部は、中空の管状支持要素の上流端から見たて、四分円形状を有しうる。
別の実施形態において、内側部分は、中空の管状支持要素の上流端から見て、明確なバー形状を有しない場合がある。代わりに、中空の管状支持要素は、二つ以上の楕円形状の開口部を有してもよく、内側部分および周辺部分は一緒に、前記楕円形状の開口部を囲む材料を提供する。楕円形状の開口部は、円形状の開口部であってもよい。
上述の通り、本発明の第一の態様に関して上述した好ましい特徴は、本発明の第二の態様に同様に適用されてもよい。例えば、本発明の第二の態様の中空の管状支持要素の少なくとも二つの開口部は、本発明の第一の態様に関して上述した特徴のうちの一つ以上を有しうる。特に、中空の管状支持要素の少なくとも二つの開口部の断面積(複数可)は、中空の管状支持要素の全長に沿って変化しないことが好ましい。この場合、材料の内側部分は中空の管状支持要素の全長に沿って存在することが好ましい。これは、中空の管状支持要素の製造を簡単にするために役立つ場合がある。別の方法として、一部の実施形態において、中空の管状支持要素の少なくとも二つの開口部の断面積(複数可)は、開口部の長さに沿って変化してもよい。例えば、中空の管状支持要素の開口部のそれぞれまたはすべては、中空の管状支持要素の一方の端でより小さい断面積を有するように先細りしてもよい。
材料の内側部分は、中空の管状支持要素の少なくとも上流端部分に存在することが好ましい。材料の内側部分は、中空の管状支持要素の少なくとも上流端面に存在することがより好ましい。これは、中空の管状支持要素の開口部が下流端で、より従来的な形状(円形状など)を有することを可能にし、その一方で依然として、上述の材料の内側部分によって提供される利点から恩恵を受けることができる。
本発明の第一または第二の態様の中空の管状支持要素は、任意の適切な材料から形成されうる。中空の管状支持要素は、弾性変形可能な材料から形成されることが好ましい。例えば、中空の管状支持要素は発泡体材料またはゴムから形成されてもよい。中空の管状支持要素の弾性変形可能材料は、繊維質の濾過材料を含むことが好ましい。繊維質の濾過材料は、酢酸セルロース繊維などのセルロース系繊維を含んでもよい。こうした実施形態において、中空の管状支持要素は、あるタイプの中空アセテート管であると理解されてもよい。
中空の管状支持要素の材料は多孔性であることが好ましい。これは、エアロゾル形成基体で形成されたエアロゾルが、物品の口側端に向かって流れる際に、中空の管状支持要素の材料を通過することも可能にすることができる。特に、こうした多孔性構造は、中空の管状支持要素が非常に低量または実質的にゼロの引き出し抵抗(RTD)に貢献することができることを意味しうる。従って、本発明の第一または第二の態様の構造を有する多孔性中空管状支持要素は、エアロゾル形成基体のために十分なバリアがあることを確実にし、その一方でまた、エアロゾルがエアロゾル形成基体から支持要素を通してほとんど妨げられずに流れることができることを確実にすることができる。言い換えれば、中空の管状支持要素の多孔性構造は、消費者に送達されるエアロゾルの量を高めるのに役立ちうる。
従って、中空の管状支持要素は、長さ1ミリメートル当たり約0.1mmH2O未満の引き出し抵抗を有することができ、長さ1ミリメートル当たり約0.05mm H2O未満の引き出し抵抗を有することがより好ましく、長さ1ミリメートル当たり約0.01mm H2O未満の引き出し抵抗を有することがさらにより好ましい。
中空の管状支持要素が繊維質の濾過材料で形成されている場合、中空の管状支持要素の弾性特性を調節するために、可塑剤を繊維質の濾過材料に追加しうる。こうした可塑剤には、トリアセチン、およびトリエチレングリコールジアセテートが挙げられる。可塑剤が中空の管状支持要素に含まれる場合、可塑剤は中空の管状支持要素の全重量の約13重量パーセント〜約25重量パーセントの量で含まれることが好ましい。
マウスピースの長軸方向における中空の管状支持要素の長さは約4ミリメートル〜約26ミリメートルであることが好ましく、約6ミリメートル〜約21ミリメートルであることがより好ましく、約8ミリメートルであることが最も好ましい。
エアロゾル発生物品は、フィルターセグメントを備えることが好ましい。フィルターセグメントはロッドの口側端に位置していることが好ましい。フィルターセグメントはプラグの形態であることが好ましい。フィルターセグメントは繊維を含むことが好ましい。フィルターセグメントの繊維は酢酸セルロースを含むことが好ましい。
フィルターセグメントの引き出し抵抗は、長さ1ミリメートル当たり約0.4mm H2O〜約3mm H2Oであることが好ましい。エアロゾル発生物品の総引き出し抵抗は、長さ1ミリメートル当たり約0.6mm H2O〜約1.5mm H2Oであることが好ましく、長さ1ミリメートル当たり約0.8mm H2O〜約1.2mm H2Oであることがより好ましい。
エアロゾル冷却要素はエアロゾル形成基体の下流に位置することができ、例えばエアロゾル冷却要素は支持要素のすぐ下流に位置すること、および支持要素と隣接することができる。
本明細書で使用される「エアロゾル冷却要素」は、使用中にエアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物によって形成されたエアロゾルが、ユーザーによって吸入される前にエアロゾル冷却要素を通過し、かつエアロゾル冷却要素によって冷却されるように、エアロゾル形成基体の下流に位置するエアロゾル発生物品の構成要素を指す。エアロゾル冷却要素は、エアロゾル形成基体とマウスピースの間に位置付けられていることが好ましい。エアロゾル冷却要素は広い表面積を有するが、低い圧力降下を生じさせる。高い圧力降下を生じさせるフィルターおよびその他のマウスピース(例えば繊維の束で形成されたフィルター)は、エアロゾル冷却要素とは見なされない。エアロゾル発生物品内のチャンバーおよびくぼみは、エアロゾル冷却要素であるとは見なされない。
本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形、または楕円形の断面の概して円筒状の要素を示すために使用される。
複数の長軸方向に延びる経路は、捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされてチャネルを形成するシート材料によって画定されうる。複数の長軸方向に延びる経路は、捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされて複数のチャネルを形成する単一のシートによって画定されうる。シートは捲縮されていてもよい。別の方法として、複数の長軸方向に延びるチャネルは、捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされて複数の経路を形成する複数のシートによって画定されうる。
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する薄層状の要素を意味する。
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、ロッドの円筒軸に沿って、またはそれと平行に延びる方向を意味する。
本明細書で使用される「捲縮」という用語は、複数の実質的に平行した隆起またはコルゲーションを有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起またはコルゲーションは、ロッドに対して長軸方向に延びることが好ましい。
本明細書で使用される「集合」、「ひだ付け」、または「折り畳み」という用語は、材料シートがロッドの円筒軸に対して実質的に横方向に渦巻き状にされるか、折り畳まれるか、または別の方法で圧縮または収縮されていることを意味する。シートは集合、ひだ付け、または折り畳みの前に捲縮されうる。シートは事前に捲縮されることなく、集合され、ひだ付けされ、または折り畳まれうる。
別の方法として、エアロゾル発生物品はエアロゾル冷却要素を有しない場合がある。この場合、フィルターセグメントは、エアロゾル形成基体のすぐ下流に、または支持要素(存在する場合)のすぐ下流に位置しうる。くぼみは、フィルターセグメントとエアロゾル形成基体の間の、またはフィルターセグメントと支持要素(存在する場合)の間のエアロゾル発生物品の中に提供されうる。くぼみは、エアロゾル発生基体からフィルターセグメントまで、または支持要素(存在する場合)からフィルターセグメントまで延びることが好ましい。
エアロゾル冷却要素は、長さ1ミリメートル当たりおよそ300平方ミリメートル〜およそ1000平方ミリメートルの総表面積を有しうる。好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、長さ1ミリメートル当たりおよそ500平方ミリメートルの総表面積を有する。一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、実質的に円形断面および約5ミリメートル〜約10ミリメートルの直径を有しうる。例えば、エアロゾル冷却要素は約7ミリメートルの直径を有しうる。
エアロゾル冷却要素は代わりに、熱交換器と称されうる。
エアロゾル冷却要素は低い引き出し抵抗を有することが好ましい。すなわち、エアロゾル冷却要素は、エアロゾル発生物品を通る空気の通路に低抵抗性を提供することが好ましい。エアロゾル冷却要素はエアロゾル発生物品の引き出し抵抗に実質的に影響を及ぼさないことが好ましい。
エアロゾル冷却要素は複数の長軸方向に延びるチャネルを含んでもよい。複数の長軸方向に延びるチャネルは、捲縮、ひだ付け、集合、折り畳みのうち一つ以上の加工がなされてチャネルを形成するシート材料によって画定されうる。複数の長軸方向に延びるチャネルは、捲縮、ひだ付け、集合、折り畳みのうち一つ以上の加工がなされて複数のチャネルを形成する単一のシートによって定義されうる。複数の長軸方向に延びるチャネルは、捲縮、ひだ付け、集合、折り畳みのうち一つ以上の加工がなされて複数のチャネルを形成する複数のシートによって定義されうる。
エアロゾル冷却要素は、金属箔、重合体材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテート(CA)およびアルミ箔から成る群から選択される材料シートの集合体を含んでもよい。
エアロゾル冷却要素は、生物分解性物質のシートの集合体を含むことが好ましい。例えば、非多孔性の紙のシートの集合体、またはポリ乳酸またはMater−Bi(登録商標)の等級(デンプンベースのコポリエステルの市販のファミリー)などの生物分解性高分子材料シートの集合体。
特に好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素はポリ乳酸のシートの集合体を含む。
エアロゾル冷却要素は、重量ミリグラム当たりおよそ10〜100平方ミリメートルの比表面積を有する材料シートの集合体から形成されてもよい。一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、およそ35 mm2/mgの比表面積を有する材料シートの集合体から形成されてもよい。
本発明のエアロゾル発生物品はエアロゾル形成基体を含む。本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、担体または支持体の上に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填されていてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
本発明のエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置で使用するために構成されてもよい。本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。
エアロゾル形成基体は、植物材料およびエアロゾル形成体を含むことが好ましい。植物材料は、アルカロイドを含む植物材料であることが好ましく、ニコチンを含む植物材料であることがより好ましく、たばこ含有材料であることがより好ましい。
エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準で、植物材料の70重量パーセントを含むことが好ましく、少なくとも植物材料の90重量パーセントを含むことがより好ましい。エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準で植物材料の90〜95重量パーセントなど、乾燥質量基準で植物材料の95重量パーセント未満を含むことが好ましい。
エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準で少なくともエアロゾル形成体の5重量パーセントを含むことが好ましく、少なくともエアロゾル形成体の10重量パーセントを含むことがより好ましい。エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準で5〜30重量パーセントのエアロゾル形成体など、乾燥質量基準で30重量パーセント未満のエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
一部の特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、植物材料およびエアロゾル形成体を含み、基体は乾燥質量基準で5〜30重量%のエアロゾル形成体含有量を有する。植物材料は、アルカロイドを含む植物材料であることが好ましく、ニコチンを含む植物材料であることがより好ましく、たばこ含有材料であることがより好ましい。アルカロイドは天然の窒素含有有機化合物の部類である。アルカロイドは主に植物に見いだされるが、細菌、真菌および動物にも見いだされる。アルカロイドの例には、カフェイン、ニコチン、テオブロミン、アトロピン、およびツボクラリンが含まれるがこれらに限定されない。好ましいアルカロイドはニコチンであり、これはたばこ中に見いだされうる。
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよく、例えば加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料、例えばキャストリーフたばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
一部の好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、乾燥質量基準で5〜30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する均質化したたばこ材料のテクスチャードシートを含みうる。均質化したたばこ材料のテクスチャードシートの使用は有利なことに、均質化したたばこ材料シートを集合してエアロゾル形成基体を形成するのを容易にしうる。
本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行した隆起またはコルゲーションを有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起またはコルゲーションは、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、または平行に延びることが好ましい。これは有利なことに、均質化したたばこ材料の捲縮したシートを集合してエアロゾル形成基体を形成するのを容易にする。しかし、当然のことながら、エアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に鋭角または鈍角で配置されている複数の実質的に平行な隆起またはコルゲーションを有してもよい。
エアロゾル形成基体は、紙またはその他のラッパーによって取り囲まれたエアロゾル形成材料を含むプラグの形態であってもよい。エアロゾル形成基体がプラグの形態である場合、任意のラッパーを含めてプラグ全体がエアロゾル形成基体であると考えられる。
本発明のエアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含むことが好ましい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生物品の使用温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を説明するために使用される。
適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリン)またはその混合物である。
エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料のシートの集合体、例えば均質化したたばこのシートの集合体、またはニコチン塩およびエアロゾル形成体を含むシートの集合体を含むロッドの形態であることが好ましい。
エアロゾル発生物品で使用するための均質化したたばこのシートの集合体を含むエアロゾル形成基体は、当業界で周知の方法(例えばWO2012/164009 A2号で開示されている方法)によって製造しうる。
エアロゾル形成基体の外径は少なくとも5ミリメートルであることが好ましい。エアロゾル形成基体の外径は、およそ5ミリメートル〜およそ12ミリメートル、例えばおよそ5ミリメートル〜およそ10ミリメートル、またはおよそ6ミリメートル〜およそ8ミリメートルでもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は7.2ミリメートル±10%の外径を有する。
エアロゾル形成基体は、およそ5ミリメートル〜およそ15ミリメートルの長さ、例えば約8ミリメートル〜約12ミリメートルの長さを有しうる。一実施形態において、エアロゾル形成基体は、およそ10ミリメートルの長さを有しうる。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、およそ12ミリメートルの長さを有する。エアロゾル形成基体は実質的に円柱状であることが好ましい。
当然のことながら、本発明の第一の態様に関して上述した好ましい特徴はまた、本発明の第二の態様に同様に適用されてもよい。
「上流」および「下流」という用語は、主流煙がエアロゾル発生基体から引き出されてフィルターまたはマウスピースを通る際の主流煙の方向に関して説明された、喫煙物品またはマウスピースの要素の相対的な位置を指す。
「長軸方向の」という用語は本明細書で使用される場合、エアロゾル発生物品の長さに平行な方向を指す。
本発明によるエアロゾル発生物品は、燃焼して煙を形成するたばこ材料を含むエアロゾル発生基体が中に含まれているフィルター付き紙巻たばこまたは他の喫煙物品であってもよい。従って、上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、エアロゾル発生基体はたばこロッドを備えてもよい。さらに、上述の実施形態のうちのいずれかにおいて、マウスピース(存在する場合)はフィルターを備えてもよい。こうした実施形態において、フィルターはチッピングペーパーによってたばこロッドに固定されてもよい。
別の方法として、本発明によるエアロゾル発生物品は、その中でたばこ材料が燃焼されるのではなく加熱されてエアロゾルを形成する物品でありうることが好ましい。一つのタイプの加熱式エアロゾル発生物品において、たばこ材料は一つ以上の電気発熱体によって加熱されてエアロゾルを生成する。
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。