JP2020531708A - 喫煙品用巻紙に位置合わせマークを付けるための方法 - Google Patents

喫煙品用巻紙に位置合わせマークを付けるための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】喫煙品用巻紙にマークをつけるための方法を提供する。【解決手段】本発明による方法は、(A)パルプ繊維を含む喫煙品用巻紙を提供する工程と、(B)少なくとも以下の工程によって巻紙にマークを形成する工程とを含み、(B・3)巻紙の表面をJ・m−2での所定のエネルギ密度y(y=k・xが成立する)のレーザー照射で処理する工程、ここで、xはJ・m−2・μm−1での巻紙の体積当たりの燃焼エンタルピーであり、kは、少なくとも−8μmであり、好ましくは少なくとも−7μmであり、特に好ましくは少なくとも−6.5μmであり、kは、最大−1μmであり、好ましくは最大−2μmであり、更に特に好ましくは最大−2.5μmであり、いずれの工程でも、工程(C)において、各構造が少なくとも一つのマークに対して機械方向で一定距離に配置されるように巻紙に規則的繰り返し構造を形成するか或いは、工程(A)において、機械方向で規則的繰り返し構造を持つ巻紙を提供するかのいずれかを行い、工程(B)において、各マークが少なくとも一つの構造に対して機械方向で一定距離に配置されるように巻紙にマークを形成し、前記マークの少なくとも一つの区分の機械方向長さが少なくとも0.01mmである、方法。

Description

本発明は喫煙品用巻紙に位置合わせマークを付けるための方法に関する。巻紙から製造された喫煙品の風味に及ぼされる位置合わせマークの影響ができるだけ小さくされる。これは、喫煙品の喫煙中ですら発生しない物質が巻紙に追加されることがほとんど又はほぼ全くない。
喫煙品は、喫煙材及び喫煙材を巻く巻紙を含み、これにより代表的には円筒形のロッドを形成する。喫煙材は、通常は、たばこ又は加熱時にエアロゾルを発生する他の材料であり、巻紙はシガレット紙である。喫煙品は、たばこが燃焼する従来のシガレットであってもよいが、喫煙材だけを加熱し、これによってエアロゾルを放出する喫煙品であってもよい。多くの場合、喫煙品には、エアロゾルの成分を濾過できる、フィルタ巻紙で包まれたフィルタ、及びフィルタ及びロッドを互いに連結するチップペーパーが更に含まれる。
幾つかの喫煙品について、巻紙には、ロッドの長さ方向に繰り返し構造が設けられている。これらの構造は、印刷や透かし模様等のただの外見的の特徴であってもよく、又は喫煙品の延焼性を制御する(「LIP」(low ignition propensity))ためのバンド、喫煙品の長さ方向で変化する巻紙の組成、特に燃焼添加剤等の機能的特徴であってもよく、又は目に見える又は見えない任意の他の特徴であってもよい。
このような喫煙品について、喫煙品の所定位置に構造を設ける必要がある。喫煙品の一般的な製造プロセスでは、喫煙材の連続ロッドを巻紙で巻き、これを後に切断して呼び長さが同じ短いピースにする。これにより切断位置がランダムとなり、そのためピースの長さをできるだけ揃える必要がある。巻紙上での構造の位置には何の役割もなく、そのため構造は喫煙品のランダムな位置に配置される。
喫煙品を製造するための幾つかの機械には、巻紙上の構造を検出でき、構造が喫煙品の公称一定位置にあるように連続ロッドの切断を構造と同期できるセンサが装備されている。しかしながら、この目的のため、こうした機械の通常の加工速度でセンサによって構造を検出できなければならない。そうでない場合には、即ち経済的に引き合う労力で又は十分に高い速度で構造を検出できない場合には、構造に対して一定位置に配置されており、センサによって容易に且つ確実に検出できるマーク、いわゆる位置合わせマークを巻紙に印刷することが一つの選択肢である。この場合、連続したロッドの切断は、印刷されたこれらの位置合わせマークと同期して行われる。
従来技術では、位置合わせマークを紙に印刷することは公知である。これは、多くの場合、多色印刷機で行われる。そのため、多色印刷を行うには、位置合わせマークを互いに対して正しく位置決めする必要がある。しかしながら、喫煙品用巻紙にこうした位置合わせマークを印刷するのは問題がある。これは、印刷用インクに使用される物質が、多くの場合、喫煙品用巻紙で許可されていないためである。更に、印刷中に使用される印刷用インク及び溶剤が、喫煙品の特に最初の一吸いの風味に影響を及ぼす場合がある。喫煙品の使用中に印刷用インク自体が燃えたり加熱されたりしない場合でもこうした影響が存在する場合がある。
紙に位置合わせマークを付けるのにレーザーが使用される場合がある。こうした場合、レーザービームが紙の小さな領域を燃焼することにより所定位置を黒く変色する。このような方法は、例えば、WO98/35096、WO2007/122284、又はWO2011/026693に開示されている。しかしながら、制御された態様で変色を生じることにより良好な位置合わせマークを付けるため、紙や紙のコーティングに特定の顔料が設けられる。これは、喫煙品用巻紙については、成分に関する法的必要条件のため、不可能である。
たとえこのような顔料又はコーティングがなくても、従来技術による方法の目的は、一般的には、紙に孔を開けずにできるだけ見易く且つ検出可能な位置合わせマークを形成することである。
しかしながら、印刷とは異なり、レーザーでは巻紙に新たな物質が付けられることはないが、それでも燃焼生成物及び熱分解産物が発生し、巻紙に残る。かくして、レーザーを使用して喫煙品用巻紙に位置合わせマークを付ける場合でも、この巻紙から製造された喫煙品の風味に影響を及ぼす新たな物質が存在する。更に、巻紙に位置合わせマークを付けるのは、こうした紙が比較的薄く、誤って穿孔してしまい易く、多くの場合、巻紙の熱劣化に影響を及ぼす燃焼添加剤を含むため、特に問題である。
例えばフィルタの領域にレーザーで周方向ミシン目が形成されたフィルタ付きたばこから、レーザーを用いた処理により喫煙品の風味に影響が及ぼされることが知られている。レーザーはチップペーパー及びフィルタ巻紙に思った通りに孔を開けるが、フィルタ材料にも穿孔してしまい、そのためフィルタ材料の蒸発生成物及び燃焼生成物がフィルタに残り、最初の一吸い中にこれらの生成物が刺激的であると喫煙者により知覚されてしまうのである。
かくして、この巻紙から製造された喫煙品の風味に及ぼされる影響ができるだけ小さいように、喫煙品の巻紙に位置合わせマークを形成する方法が必要とされている。
WO98/35096 WO2007/122284 WO2011/026693
本発明の目的は、巻紙から製造された喫煙品の風味に及ぼされるマークの影響ができるだけ小さいように、喫煙品用巻紙にマークを形成できる方法を提供することである。
この目的は、請求項1に記載のプロセスにより達成される。この他の有利な実施例は従属項に記載されている。
発明者は、マークの視認性を前提にした従来技術とは異なり、巻紙から材料を除くことにより、巻紙を機械的に加工することにより、または材料が追加されるにしてもこの追加の材料が喫煙品の喫煙中に発生する物質に過ぎず、従って、風味に悪影響が及ぼされることがないようにすることによって、喫煙品の風味に及ぼされる影響を最小にできるということを発見した。
かくして、喫煙品用巻紙に位置合わせマークを付けるための本発明による方法は、
(A)パルプ繊維を含む喫煙品用巻紙を提供する工程と、
(B)少なくとも以下の1つの工程によって巻紙にマークを形成する工程とを含み、
(B・1)巻紙から材料を除く工程、
(B・2)巻紙を機械的に加工する工程、
(B・3)巻紙の表面をJ・m−2での所定のエネルギ密度y(y=k・xが成立する)のレーザー照射で処理する工程、
ここで、xはJ・m−2・μm−1での巻紙の体積当たりの燃焼エンタルピーであり、
kは、少なくとも−8μmであり、好ましくは少なくとも−7μmであり、特に好ましくは少なくとも−6.5μmであり、
kは、最大−1μmであり、好ましくは最大−2μmであり、更に特に好ましくは最大−2.5μmであり、
工程(C)において、各構造が少なくとも一つのマークに対して機械方向で一定距離に配置されるように巻紙に規則的繰り返し構造を形成するか或いは、工程(A)において、機械方向で規則的繰り返し構造を持つ巻紙を提供するかのいずれかを行い、工程(B)において、各マークが少なくとも一つの構造に対して機械方向で一定距離に配置されるように巻紙にマークを形成する方法である。
本開示では、「一定」距離は、詳細には、構造の位置をマークの位置から演繹できる所定距離又は公知距離である。
工程(B.1)は、好ましくはダイカット、ミシン目加工、又は切断によって、巻紙から、特に巻紙の全厚に亘って材料を除去することによって、適当なセンサによって位置合わせマークとして検出できる加工を巻紙に施すという考えに基づいている。特に好ましくは、この加工は、巻紙の少なくとも一つの開口部である。これによって、材料は巻紙だけから除去され、従って、巻紙から製造された喫煙品の風味に影響が及ぼされることがないようにする。しかしながら、巻紙の開口部を設計する際、続いて実行される加工工程で、特に強度に関する要求を考慮しなければならない。
工程(B.2)は、特にエンボス加工又は圧縮によって巻紙を機械的に処理することによって、適当なセンサによって検出できるマークを巻紙に形成できるという考えに基づいている。一般的には、巻紙は、エンボス加工又は圧縮によって、このような処理が施された領域の透明度が増し、適当な背景に対して暗くなり、そのため検出が可能である。更に、これに関し、巻紙には何の材料も追加されず、この巻紙から製造された喫煙品の風味には影響が全く及ぼされない。更に、マークを設計するとき、巻紙の引っ張り強度を考慮しなければならないが、開口部が形成される場合よりもその必要性が小さい。
工程(B.3)の本発明による方法は、巻紙の表面をレーザー照射によって処理することによって、巻紙の成分の色が熱分解又は燃焼によって変化するという考えに基づいている。このような変化は、適当なセンサによって容易に検出できる。一般的には、こうした処理が施された巻紙の領域は、巻紙よりも黒く見える。
しかしながら、レーザー照射による処理中、巻紙の成分が変化する。即ち新たな物質が追加される。本発明の文脈では、これらの新たな物質は、巻紙から製造された喫煙品の喫煙中に発生する物質と種類及び量が実質的に変わらないということが保証される。
この進歩性は、喫煙中に喫煙者が吸い込む、喫煙品の風味に寄与する熱分解又は燃焼生成物が喫煙品の喫煙中又は加熱中に巻紙で発生するという考えに基づいている。巻紙の熱分解中又は燃焼中、燃焼エンタルピーが解放される。これは、部分的には、例えば熱放射、熱伝導、又は対流により環境に放出されるが、部分的には、熱伝導によって巻紙の燻りプロセスを維持する。しかしながら、喫煙品の喫煙中、巻紙は不完全燃焼しかしないため、全ての燃焼エンタルピーが解放されるのではない。これは、例えば熱量計で計測できる。他方、喫煙材もまた巻紙にエネルギを加える。
レーザーにより導入されたエネルギに関し、レーザーによる処理では表面にしか熱の影響が加えられないが、喫煙品の喫煙中、巻紙の全質量が熱的に劣化するということを考慮しなければならない。更に、レーザーの熱効果の持続時間は、喫煙品の喫煙中よりも遥かに短い。これに加え、レーザー照射の全てが巻紙に吸収されるのではなく、一部は反射され、そして一部は巻紙を通過する。
これらの複雑な側面を考慮し、位置合わせマークが付けられた巻紙の領域で巻紙の特定深さまで、喫煙品の喫煙中にこの領域の周囲から同じ体積に加えられるのとほぼ同量のエネルギが加えられるように、レーザーのエネルギ密度を選択できる。この場合、喫煙品の喫煙中に発生するのと同様の物質が、互いに対してほぼ同じ量で発生すると考えられ、従って、喫煙品の風味に望ましからぬ影響が及ぼされることが可能な限り回避される。本発明者の研究によれば、レーザー照射についてのエネルギ密度y(単位:J・m−2)が選択され、y=k・xが成立する場合にこの目的が達成されることがわかった。ここで、xは、J・m−2・μm−1での巻紙の単位面積当たりの燃焼エンタルピーであり、kは、少なくとも−8μmであり、好ましくは少なくとも−7μmであり、特に好ましくは少なくとも−6.5μmであり、最大−1μmであり、好ましくは最大−2μmであり、特に好ましくは最大−2.5μmである。
本方法の特に好ましい実施例では、−5.0μm≦k≦−4.0μmが成立する。
本発明の概念は従来技術の教示とは異なる。従来技術の教示によれば、当業者は、材料が発火したり材料に孔が開いたりしないようにするため、レーザーにより材料に加えられて熱的負荷により解放されるエネルギを小さくしようとする。これとは異なり、本発明の教示によれば、喫煙品の巻紙の熱分解又は燃焼中に発生するのとできるだけ同じ物質が発生するように、比較的大きなエネルギを放出するため、比較的高エネルギ密度のレーザー照射を選択しなければならない。これは比例定数kに反映される。
好ましい実施例では、工程(B・1)、(B・2)、及び(B・3)の各々について、たとえ工程(A)で巻紙に既に存在する物質、又は巻紙から製造された喫煙品の喫煙中に発生する物質しか巻紙に追加されない場合でも成立する。
図1は、本発明の原理を示す。機械方向を矢印3で示し、横方向を矢印4で示す巻紙1には、構造7が設けられている。これらの構造は、工程(A)で形成され、巻紙1に既に存在しているか或いは、工程(C)に従って付けられたものである。紙を同期するため、マーク2を、各マーク2が構造7の各々一つに対して一定距離8に配置されるように巻紙に形成する。
本発明による方法の工程(A)で提供された喫煙品用巻紙は、パルプ繊維でできている。パルプ繊維は、これらの繊維が巻紙に必要な強度を提供するために必要とされる。パルプ繊維は、好ましくは木材パルプ繊維であり、特に好ましくは、例えばトウヒ、松、又はカラマツ等の長繊維パルプから形成されており、又は例えばカバノキ、ブナ、又はユーカリ及びこれらの混合物等の短繊維パルプから形成されている。他の好ましい実施例ではパルプ繊維は、一部又は全部が、亜麻、麻、サイザル、ジュート、マニラ麻、綿、アフリカハネガヤ等の他の植物、又はこれらの混合物から形成されている。基本的には、パルプ繊維の選択に関する制限はなく、そのため、巻紙は、例えば、リヨセル繊維、ビスコース繊維、又はモーダル繊維等の再生セルロースから形成されたパルプ繊維を含有していてもよい。勿論、喫煙品用巻紙の成分に関する法的規制を遵守する必要がある。
巻紙は、好ましくは、パルプ繊維を、少なくとも50重量%、特に好ましくは少なくとも60重量%、更に特に好ましくは少なくとも70重量%含有し、好ましくは最大100重量%、特に好ましくは最大80重量%含有する。パーセントは、巻紙の全質量に関する。
巻紙は充填材を含有していてもよい。充填材は、好ましくは酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、又は珪酸塩、又はこれらの混合物である。炭酸カルシウム、特に沈降炭酸カルシウムが特に好ましい。好ましくは、喫煙品用巻紙で選好的に使用されるこの他の充填材は、酸化マグネシウム、水酸化物マグネシウム、水酸化物アルミニウム、二酸化チタン、タルク、及びカオリン、又はこれらの混合物である。しかしながら、レーザー照射の作用で色彩が不可逆的に変化し、かくして位置合わせマークの見え方に寄与する特殊な充填材、例えば酸化鉄を使用してもよい。この場合も、喫煙品用巻紙の成分に関する法的規制を遵守しなければならない。
方法の工程(A)で提供された巻紙は、好ましくは、充填材を、少なくとも10重量%、特に少なくとも20重量%、及び好ましくは最大50重量%、特に好ましくは最大40重量%、更に特に好ましくは最大35重量%の量で含有する。パーセントは、巻紙の全質量に関する。変形例では、喫煙品用巻紙は充填材を全く含有しない。これらの変形例は、手巻き喫煙品(Roll-Your-Own)の場合に特に好ましい。
特に、喫煙材が燃焼される喫煙品、例えば従来のたばこでの使用に関し、巻紙は、喫煙品の燻り速度を高めたり減少したりし、燃えた後のたばこ並びに巻紙の灰の外観を改善できる少なくとも一つの燃焼添加剤を含んでいてもよい。このような燃焼添加剤は、多くの場合、巻紙の熱分解、従って燃焼のエンタルピーに影響を及ぼすため、工程(B・3)でレーザー照射のエネルギ密度の選択で所定の役割を果たす。
かくして、巻紙は、好ましくは、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、硝酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、サリチル酸塩、α−ヒドロキシカプリル酸塩、リン酸塩、塩化物、及び炭酸水素塩からなる群から選択された、好ましくは、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、及びその混合物からなる群から選択された一つ又はそれ以上の燃焼添加剤を含む。巻紙は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、ホウ酸、及びその混合物からなる群から選択された物質を燃焼抑制剤として含んでいてもよい。
巻紙の燃焼添加剤含有量は、好ましくは少なくとも0.5重量%、特に好ましくは少なくとも0.7重量%、更に特に好ましくは少なくとも1.0重量%及び/又は最大7.0重量%、特に好ましくは最大5.0重量%であり、更に特に好ましくは最大3.0重量%である。変形例では、喫煙品用巻紙には燃焼添加剤が全く含まれていない。この実施例は、巻紙が手巻き喫煙品(Roll-Your-Own)に使用される場合に特に好ましい。
巻紙には、当該技術分野で周知の別の成分が含まれていてもよい。これらの成分には、例えば着色剤、顔料、香料、又はガラス繊維等の無機繊維が含まれる。しかしながら、これらの物質の使用は、多くの国々における法的規制により制限される。
本発明による方法では、巻紙の秤量が重要である。これは、巻紙の機械的強度及び工程(B)の設計がこれにより本質的に決まるためである。本発明による方法に用いられる巻紙の秤量は、好ましい実施例では、10g/m乃至100g/mであり、好ましくは、20g/m乃至50g/mであり、特に好ましくは25g/m乃至35g/mである。巻紙の秤量は、ISO536:2012に従って決定できる。
同様の理由により、本発明による方法で巻紙の厚さもまた所定の役割を果たす。巻紙の厚さは、好ましい実施例では、15μm乃至100μmであり、好ましくは、30μm乃至60μmであり、特に好ましくは40μm乃至50μmである。巻紙の厚さは、一枚の層についてISO534:2011に従って計測できる。
本発明による方法について、機械方向で規則的に繰り返す構造が巻紙に設けられていることが重要である。そのため、後の加工工程でこれらの加工工程を巻紙の移動と同期するのに使用できるマークを各構造に対して一定距離に付ける必要がある。
工程(C)におけるように、本発明による方法の変形例では、マークを付けた後にこれらの構造を巻紙に付けることができ、又は本発明による方法の別の変形例では、工程(A)で提供された巻紙にこれらの構造が既に設けられていてもよい。
本発明は、特定の種類の構造に限定されない。これらの構造は、例えば、印刷、エンボス加工、又はダイカットで巻紙に形成された特徴であってもよく、この巻紙から製造された喫煙品上の一定の位置に現れていなければならない。構造は、透かし模様、ワイヤマーク、又は境界線(verge line)であってもよい。構造の種類は、構造による外見上知覚可能な特徴に限定されず、機能的特徴を含んでいてもよい。これには、例えば、巻紙から製造された喫煙品の自己消炎性に役立つ、巻紙に付けられたバンド、又はWO2011/120687に記載された、喫煙品を通って流れるエアロゾルを希釈するのに役立つミシン目線であってもよい。更に、これらの構造は、WO2014/202319に記載されているように、巻紙の組成が、特に燃焼添加剤の含有量に関し、機械方向で規則的に変化する構造であってもよい。好ましくは、構造がセンサによって検出できない場合、又は大きな労力を払わなければ検出できない場合に本発明による方法を使用できる。
かくして、好ましくは、工程(C)で、又は工程(A)に先立つ工程での巻紙上への構造の形成は、印刷、エンボス加工、ミシン目加工、ダイカット、浸漬、含浸、コーティング又はスプレーで行うことができる。
構造は、これにより、機械方向で規則的に繰り返される。機械方向という用語は、巻紙に設けられた構造との同期を必要とする別の加工工程で巻紙が移動する方向を意味するものと理解されるべきである。多くの場合、この方向は、従来技術による抄紙機で巻紙を形成できる方向、即ち巻紙の「機械方向」と同じ方向である。好ましい実施例では、巻紙は細長いウェブの形状であり、「機械方向」は、このウェブの長さ方向と一致する。
工程(B・1)は、好ましくは、巻紙の全厚に亘って材料が除去されるように、従って巻紙に少なくとも一つの開口部が形成されるように設計されていてもよい。特に好ましくは、少なくとも一つの開口部は、ダイカット、ミシン目加工、又は切断によって形成される。これよりは好ましくないけれども本発明による方法の範囲内で、例えば研削やスクラッチングによって巻紙の表面から材料を除去する。その結果、巻紙のこの領域の透明度が増すが開口部が形成されない。
工程(B・1)がミシン目加工や切断によって実行される限り、好ましくは、機械的ミシン目加工工具又は切断工具、又はレーザーを使用できる。特に好ましくは、この工程は、COレーザーによって実行される。
工程(B・1)で形成されたマークの形状に関し、好ましい実施例では、マークの横方向最外境界の曲率半径が小さ過ぎないように注意を払う。本開示では「横方向」は、機械方向と直交する方向である。好ましくは、横方向最外境界の曲率半径は、少なくとも0.1mmであり、好ましくは少なくとも0.2mmであり、特に好ましくは少なくとも0.5mmである。これは、機械方向での引っ張り荷重中にこれらの最外境界での応力ピークを効果的に低減できるということを意味する。これは、このような応力ピークにより、巻紙が加工中に裂けてしまい、生産性を低下してしまうためである。マークの横方向最外境界は直線であってもよく、その場合、曲率半径は任意であるが大きい。
この事実を代表的な説明によって図2に示す。図2は、マーク2を付けた巻紙1を示す。これらのマークは、一例として、巻紙の楕円形開口部として設計されている。巻紙の機械方向が矢印3で示してあり、矢印4で示す横方向は機械方向と本質的に直交する。マーク2の拡大図6では、マーク2の横方向最外境界5が拡大して示してあり、横方向最外境界5の曲率半径に参照符号Rが付してある。
特に好ましい実施例では、マークは、直径が少なくとも0.3mm、最大2.0mm、好ましくは少なくとも0.5mmであり且つ最大1.5mmの円形開口部である。
工程(B・2)は、好ましくは、機械的処理が巻紙のエンボス加工又は圧縮であるように設計されていてもよい。これに関し、巻紙は、透明度が局所的に増大するように所定の領域が圧縮される。マークは、暗い背景の前方で、センサによって、処理が施されていない巻紙と比較して暗い領域として検出できる。好ましい実施例では、巻紙のエンボス加工又は圧縮は、機械的圧力によって、対応する模様を備えた二つのロール間で実行でき、これにより巻紙にマークを形成する。
本発明による方法にとって、巻紙にエンボス加工を施すための線負荷が重要である。好ましくは、喫煙品用巻紙にエンボス加工を施すための線負荷は、70N/mm乃至130N/mmであり、好ましくは80N/mm乃至120N/mmであり、特に好ましくは90N/mm乃至115N/mmである。この線負荷で、エンボス加工が形成され、これを光センサによって問題なく検出できるが、これは、巻紙の引っ張り強度を大幅に低減しない。
本発明による方法におけるエンボス加工による結果にとって、紙の含水量もまた重要である。好ましくは、エンボス加工は、5重量%乃至10重量%、特に好ましくは7重量%乃至9重量%の含水量が高い紙で実行される。これらのパーセントは、巻紙の質量に関する。この高い含水量でエンボス加工を行うことにより更にはっきりとしたマークが形成される。これは、その後、より容易に自動検出できる。
この加工工程の別の好ましい実施例は、巻紙の製造中に抄紙機のプレスセクションの領域でマークを形成することである。即ち、未だ「未完成」の巻紙にマークを形成することである。この場合、プレスセクションでの巻紙の含水量が、完全に完成した巻紙よりも高いということを除き、上文中に説明した完成した巻紙に対するエンボス加工と非常に類似したエンボス加工プロセスを使用できる。特に、この場合も、対応する模様を備えたシリンダを使用できる。この加工工程の変形例は、巻紙の製造中、紙に透かし模様を形成するのと同様の方法で、対応する装置によって抄紙機のワイヤ上でマークを形成する工程を含む。
本発明による方法の工程(B・3)は、好ましくは、以下の副工程を含むように設計でき、
(B3・1)巻紙の体積あたりの燃焼エンタルピーに基づいてレーザー照射のエネルギ密度を選択する工程、
(B3・2)機械方向で規則的に繰り返すマークが巻紙に形成されるように、工程(B3・1)で選択したエネルギ密度のレーザー照射を使用することによって巻紙に位置合わせマークを付ける工程を含むように設計できる。
本発明による方法の工程(B3・1)で巻紙の体積あたりの燃焼エンタルピーに基づいてレーザー照射のエネルギ密度を選択するにあたり、巻紙の燃焼エンタルピーがわかっているのが、必要ではないけれども、有利である。
巻紙の燃焼エンタルピーは、例えば、熱量計、特に反応熱量計で決定できる。しかしながら、多くの場合、巻紙の成分は、燃焼エンタルピーが十分な精度で公知の物質であり、そのため巻紙の公知の組成から燃焼エンタルピーを計算することもできる。このような例示の計算を以下に更に詳細に説明する。
本発明による工程(B3・1)の好ましい実施例では、燃焼エンタルピー自体を数値的に決定する必要がもはやないが、その代わり、レーザー照射についての適当なエネルギ密度を巻紙の組成及び他の特性、特に厚さ及び秤量から直接的に決定できる。これに関し、中間量として燃焼エンタルピーの知識が有利であるが、これは必要ではない。いずれにせよ、本発明による好ましい方法の工程(B3・1)は、燃焼エンタルピーが明示的に決定されていない方法もまた含まなければならないが、その場合、燃焼エンタルピーに大きな影響を及ぼすエネルギ密度の選択に変数が使用される。これらの量は、特に、巻紙で使用された物質、これらの物質の量、巻紙の秤量、又は厚さである。
本発明による好ましい方法の工程(B3・1)における燃焼エンタルピーを使用することによるエネルギ密度の選択は、好ましくは、数学関数y=f(x)を使用する工程を含む。ここで、入力変数xは、巻紙の体積当たりの燃焼エンタルピーであり、出力変数yは、レーザー照射のエネルギ密度である。好ましい実施例では、この関数は、関連した間隔x∈[x0、x1]に関して単調に減少する関数であり、即ち全てのx∈[x0、x1]についてdf(x)/dx≦0であり、特に好ましくは、厳密に単調に減少する関数であり、全てのx∈[x0、x1]についてdf(x)/dx<0であり、最も特に好ましくは、線型関数y=k・x+d(k<0)であり、特にy=k・x(k<0)の比例関数である。間隔[x0、x1]は、ここでは大きさの間隔であり、サブセットとして、本発明による方法が適用される巻紙の単位体積当たりの最小燃焼エンタルピーから最大燃焼エンタルピーまでのインターバルスパンニング(interval spanning)を含む。
好ましい方法では、エネルギ密度の選択は、上述の関数y=f(x)(y=k・x(k<0))を適用して、巻紙の体積当たりの燃焼エンタルピーを使用して行われる。ここで、kは少なくとも−8μmであり、好ましくは少なくとも−7μmであり、特に好ましくは少なくとも−6.5μmであり、最大−1μmであり、好ましくは最大−2μmであり、特に好ましくは最大−2.5μmである。kについて、−5.0μm乃至−4.0μmのインターバルが特に好ましい。関数f(x)では、巻紙の体積当たりの燃焼エンタルピーをJ・m−2・μm−1で入力しなければならず、エネルギ密度は、J・m−2で得られる。
本発明による方法の工程(B・3)で巻紙に位置合わせマークを付けるのに使用されたレーザー照射は、一つ又はそれ以上の波長を有する。これらの波長は、位置合わせマークを付けるのに必要なエネルギ密度にとって重要である。特に、巻紙は、レーザー照射の一つ又はそれ以上の波長を本質的に吸収しなければならない。少なくとも8μm、最大12μmの波長が好ましく、COレーザーにより発生される波長が約10.6μmのレーザー照射が特に好ましい。しかしながら、本発明による方法で、他のレーザー照射源を同様に使用することができる。
レーザー照射の出力は、要求エネルギ密度とは別に、広い範囲に亘って変化できる。これは、主として、レーザー照射により単位時間当たり処理されるべき面積で決まる。当業者は、レーザーについての適当な出力を決定できる。レーザー照射のエネルギ密度と要求出力との間の関係の計算の一例を以下に説明する。
当業者は、レーザーを選択する上で重要なこの他の任意のパラメータ、例えば連続したレーザービーム又はパルス状レーザービームのいずれを使用するべきかを経験によって選択でき、又は実験によって決定できる。
本発明による方法の工程(B)で巻紙に形成されたマークは、簡単な光センサ、特に輝度の差を検出する光センサによって容易に検出できるように設計されていなければならない。そのため、マークの色彩や白さが巻紙の残りの部分とは大幅に異なるようにし、センサがマークと混同する構造が巻紙自体にないようにするのがよい。マークが巻紙の開口部である場合には、センサの領域の背景の色を巻紙とは異なるように選択しなければならず、又は透過センサ(光バリア)を使用しなければならない。加工工程(B・2)又は(B・3)の一方に従って従来の白色巻紙に形成したマークは、横方向で、即ち上文中で定義したように機械方向とほぼ直交する方向で、好ましくは連続した又は不連続の線である。しかしながら、他のマーク模様、例えば円形、三角形、正方形、又は他の幾何学図形を使用してもよい。
マークを形成する方法とは別に、マークの機械方向長さは本発明による方法と関連している。これは、確実に検出する上でマークの長さが重要であるためである。喫煙品の製造中、巻紙の速度は最高10m/sに達する。マークは、確実に検出するため、少なくとも1μsに亘ってセンサの下になければならない。そのため、少なくとも一つの位置でのマークの機械方向長さは、少なくとも0.01mmでなければならない。好ましくは、マークの少なくとも一つの区分での機械方向長さは少なくとも0.10mmであり、特に好ましくは少なくとも0.20mmである。喫煙品上で、マーク自体はできるだけ見えてはならない。かくしてマークの機械方向長さは最大5.00mmであり、好ましくは最大3.00mmであり、特に好ましくは最大1.00mmでなければならない。これらの好ましい長さについて、機械方向での巻紙の引っ張り強度の低下が、巻紙のその後の加工が可能である程度に小さいように考慮しなければならない。
巻紙の機械的強度を全く低下しない又は僅かに低下するに過ぎない、加工工程(B・2)又は(B・3)に従って形成されたマークについて、マークは、巻紙の全幅に亘って横方向に延びていてもよい。マークの横方向最小長さは、マークを確実に検出するのに使用されるセンサの性能で決まり、センサの検出領域の下で巻紙をどれ程正確に且つ安定して案内できるのかで決まる。好ましくは、マークの横方向長さは、かくして、少なくとも0.20mmであり、特に好ましくは少なくとも0.50mmであり、更に特に好ましくは少なくとも1.00mmである。
マークが巻紙の広幅リール(巻材)上で形成され、次いでこのリール(巻材)を狭幅リールに切り分けなければならない限り、狭幅リールの各々の幅方向に少なくとも一つのマークが配置されるようにマークを巻紙上に配置することに意味がある。このようにして、マークを、続いて行われる加工工程で、個々の狭幅リール上で検出できる。
加工工程(B・1)に従って形成されたマーク等の、巻紙の機械的強度を大幅に低下するマーク、特に巻紙の開口部によって形成されたマークについて、横方向長さをできるだけ小さいように選択しなければならない。好ましくは、マークの横方向長さは、少なくとも0.20mm、特に好ましくは少なくとも0.50mm、更に特に好ましくは少なくとも1.0mmであり、好ましくは最大5.00mm、特に好ましくは最大4.00mm、更に特に好ましくは最大3.00mmである。
マークが巻紙の広幅リール上で形成され、次いでこのリールが狭幅リールに切り分けられる限り、狭幅リールの各々の幅方向に少なくとも一つのマークが配置されるようにマークを巻紙上に配置することに意味がある。このようにして、マークを、続いて行われる加工工程で、個々の狭幅リール上で検出できる。この場合マークの横方向長さは、好ましくは、最大で狭幅リールの幅の1/3、特に好ましくは最大1/5、最も特に好ましくは最大1/10である。
このようなマークを付けた広幅リールを切断して狭幅リールにするとき、マークが切られないように、従って狭幅リールの縁部に配置されないようにマークを付け、切断プロセスを制御することに意味がある。
マークは、巻紙の任意の側で巻紙に配置されていてもよい。マークを巻紙に形成する場合、マークは、続いて行われる加工工程で、より容易に検出できる巻紙の側に形成される。喫煙品用巻紙の場合、これは、好ましくは、喫煙品の外側にある巻紙の側部である。巻紙のこの側部は、好ましくは、巻紙の製造中に抄紙機のワイヤとは反対側に面する側であり、フェルト側と呼ばれるが、ワイヤ側はワイヤに面する側であり、代表的には、喫煙品の喫煙材に面する。
マークが巻紙の開口部である場合には、開口部は、二つの側のいずれかの側から形成されていてもよく、又は両側から形成されていてもよい。
各マークの位置は、巻紙に設けられた少なくとも一つの構造に対し、全てのマークが機械方向で同じ一定距離にある限り、一般的に任意である。この距離は、続いて行われる加工工程で、巻紙上の構造の位置をマークの位置から得ることができるように、公知でなければならない。特に好ましくは、巻紙上の構造に対するマークの位置は、巻紙から製造された喫煙品の通常の使用中にこれらのマークが見えないように選択される。フィルタ付きたばこについて、これは、チップペーパーが喫煙材のロッドと重なるフィルタ付きたばこ上の領域にあり、そのため巻紙のマークが覆われるようにマークが巻紙に配置されているということを意味する。
本発明による方法の個々の工程(A)、(B)、及び(C)は、単一の装置で実行でき、又は幾つかの装置で別々に実行できる。
一例として、工程(A)で先ず最初に巻紙を従来の抄紙機で製造し、巻き取ることができる。別の装置で巻紙を解き、工程(B)で巻紙にマークを形成し、これによってマークを付けた巻紙を再び巻き取る。別の装置、例えば印刷機又はコーティング機で工程(C)で巻紙に構造を付ける。
幾つかの用途では、同じ装置で工程(B)及び(C)を実行でき、好ましい。例えば、装置は印刷機又はコーティング機であってもよく、先ず最初に工程(B)でマークを形成した後、工程(C)で同じ装置で構造を付ける。この場合、工程(B)を実行するマーキングユニットと工程(C)に従って構造を付けるための装置との間で、当該技術分野で公知の位置合わせ制御を行うのが有利である。位置合わせ制御は、マークの位置と、付けられるべき構造の位置とをマークを検出するセンサによって同期する。この同期は、装置を通した走行中の巻紙の長さの変化を補償できるということを意味する。当該技術分野で公知の印刷機、エンボス加工機、ダイカット機又はミシン加工機とは別に、喫煙品用巻紙に構造を付けるための装置もまた、WO2010/124879に記載されている。
機械による喫煙品の製造中、適当なセンサによってマークを検出でき、巻紙で巻いた喫煙材の代表的には連続したロッドを、マークと同期して所定位置で切断でき、その結果、構造は喫煙品上の一定位置を占める。
喫煙品の手巻き用の巻紙について、喫煙品の手巻き(Roll-Your-Own)に適するように巻紙のリールを切断して小さなシートにする。この機械でマークを検出し、シートへの切断をマークと同期する。ここでは、構造はシート上の一定位置に配置され、従ってシートから製造された喫煙品上の一定位置にある。
本方法の変形例において、機械方向繰り返し構造が既に設けられた巻紙を工程(A)で提供する。好ましくは、工程(A)及び(B)が同じ装置で実行される。かくして、この変形例は、巻紙に構造が既に設けられていることを想定しており、マークが後に追加される。マークが構造に対して一定位置にあるようにするため、構造を検出する必要がある。従って、このような方法について、先ず最初にマークを形成し、続いて実行される加工工程でこれらのマークを検出する代わりに、続いて実行される加工工程で構造自体を検出することは明らかである。換言すると、何らかの方法で構造を検出しなければならない場合、マークの形成は一見して余計であると思われる。
しかしながら、構造を検出するためのセンサが高価であり、検出が低速でしか行えない場合、例えば構造がほとんど見えない場合、又は巻紙の組成の変化でしかない場合がある。こうした場合、本方法を有利に使用できる。
喫煙品用巻紙の多くの用途において、巻紙は、最初に、広幅リールとして提供され、喫煙品を製造するため、後に複数の狭幅リール、いわゆるボビンに切断される。本発明による方法では、費用がかかる、巻紙の構造及び対応するマークの検出は、喫煙品を製造するための機械上で、広幅リールで低速で行われ、構造でなく位置合わせマークを検出するために比較的簡単なセンサしか必要とされず、高い製造速度が得られ、高価なセンサが必要とされない。特に好ましくは、喫煙品を製造するための機械が巻きたばこ製造機であり、後の加工工程が巻紙で包んだ喫煙材の連続ロッドの切断プロセスである場合に本方法を使用できる。
勿論、喫煙品用巻紙の製造で必要とされる随意の中間工程を個々の工程間で実行できる。
図1は、構造及びマークを付けた巻紙を示す図である。 図2は、マークを開口部として付けた巻紙を示す図である。 図3は、抄紙機による巻紙の製造及びワイヤセクション又はプレスセクションでのマークの形成を示す図である。 図4は、同じ装置で巻紙にマーク及び構造を形成するプロセスを示す図である。 図5は、構造及びマークが、対応する構造に対して機械方向で一定距離に配置されるように巻紙に既に形成してあるプロセスを示す図である。 図6は、マークを巻紙の移動とは別個に形成する場合に適した、図5と同様のプロセスを示す図である。
本発明による方法を好ましい例示の実施例により以下に更に詳細に説明する。
図3は、機械方向151に作動する抄紙機を用いた本発明による巻紙150の製造を示す。例示の図3によれば、抄紙機は、ヘッドボックスのセクション100、ワイヤセクション110、プレスセクション120、乾燥セクション130、及び巻取りセクション140を含む。ヘッドボックス101から水性繊維懸濁液即ち繊維/充填剤懸濁液が走行しているワイヤ111上に流れ、ここで脱水により巻紙150が形成される。巻紙150は、次いで、プレスセクション120を通って走行する。プレスセクション120では、代表的にはフェルトで覆われたロール対121を使用することによって巻紙150に圧力が及ぼされ、これにより巻紙150が更に脱水される。次いで巻紙150は乾燥セクション130を通って走行する。乾燥セクション130では、少なくとも一つの、好ましくはそれ以上の加熱された乾燥シリンダ131と接触し、蒸発により水分を除去する。その結果、巻紙150の含水量は3%−10%に達する。最後に、巻紙150をリール141に巻き付ける。
工程(B.2)に従ってマークを形成するため、例えば模様付きシリンダ112を抄紙機のワイヤセクション110に設けてもよい。模様付きシリンダは、未だ水分の残る巻紙150に圧力を及ぼし、これによって巻紙150の材料を押し退け、透明度が高い模様を形成する。別の態様では、工程(B.2)に従ってマークを形成するため、例えば一対のロール122がプレスセクション120に設けられていてもよい。これによりロール122の模様を機械的圧力によって巻紙150に転写する。好ましくは、ロール対は、プレスセクションのロールの機械方向での最終ロール対である。
図4は、本発明による例示の巻紙製造プロセスを示す。このプロセスでは、本発明による工程(A)において、未だ何の構造もない巻紙200がリール201に設けられており、これを機械方向208に走行する。工程(B)では、マーキングユニット202によって巻紙200にマークが形成される。図示の実施例では、マーキングユニット202はレーザーによって形成される。これにより工程(B.3)で巻紙200がレーザー照射により処理される。マーキングユニット202によって形成されたマークを検出ユニット205、例えば光学式センサが検出し、装置206によって巻紙200に形成された構造がマークから一定距離のところに配置されるように位置合わせ制御を行う。図示の実施例では、装置206は、例えば、印刷装置であってもよく、この印刷装置により、自己消火に役立つバンドが巻紙200に印刷される。ここでは、位置合わせ制御は、ガイドローラー203によって行うことができる。ガイドローラー203は、矢印204の方向に移動可能であり、マーキングユニット202と装置206との間の経路の長さを長くしたり短くしたりすることによって、マーク及び構造を互いに対して位置決めする。好ましくは、検出ユニット205は、図4に破線で示すように、装置206の後方にも配置されていてもよい。これは、このような場合には、巻紙200に設けられたマーク及び構造の互いに対する位置を直接的に決定でき、これらの相対的位置を制御できるためである。最終工程において、巻紙200をリール207に巻き取る。
図5は、本発明による例示の製造プロセスを示す。このプロセスでは、工程(A)で提供された巻紙には既に構造が形成されている。ここでは、巻紙300はリール301で提供され、機械方向308に走行し、先ず最初に、位置合わせ制御を受ける。位置合わせ制御は、例えば、ロール301とマーキングユニット302(図示の実施例では、この場合もレーザーである)との間の紙匹の長さを長くしたり短くしたりできる、矢印304の方向に移動可能なガイドローラー303によって行われる。その結果、マーキングユニット302によって形成されるマークが、巻紙300上に存在する構造に対して一定距離に正確に配置される。これによって、マーキングユニットの前方又は後方に配置できる検出ユニット305が、少なくとも構造を検出し、巻紙300上でマークと構造との間に一定距離が形成されるように、ガイドロール303の位置に作用する。好ましくは、検出ユニット305は、マーキングユニット302の後方に配置される。これは、この位置でマーク並びに構造を検出でき、これらの互いに対する相対的な位置を直接的に決定でき、及びかくして制御できるためである。検出ユニット305がマーキングユニット302の前方に配置された場合には、検出ユニット305とマーキングユニット302との間の距離は、好ましくは、可能な限り小さい。最後に、巻紙300をリール307に巻き取る。
図6は、本発明による製造プロセスの更に別の実施例を示す。工程(A)では、構造が既に設けられた巻紙400がリール401の形態で提供され、巻紙は、プロセスを通して機械方向408に走行する。マーキングユニット402の前方又は後方に配置された検出ユニット405が構造を検出し、マーキングユニット402によって形成されたマークが巻紙400に設けられた構造に対して一定距離に配置されるようにマーキングユニット402(レーザー)を直接的に制御する。この例示の実施例は、好ましくは、マーキングユニット402によるマークの形成が巻紙の移動とは別個にトリガーされる場合に使用される。好ましくは、これは、工程(B.3)に従ってレーザーでマークを付けることによって可能となる。更に、検出ユニット405は、好ましくは、マーク及び構造の互いに対する位置を直接的に決定できるように、及びかくしてこの位置の制御が可能であるように、マーキングユニット402の後方に配置することができる。最後に、巻紙300をリール407に巻き取る。
本発明による方法の第1工程(A)において、表1の性質を持つ4つの異なる巻紙が提供された。パルプ繊維は別として、充填剤としての沈降炭酸カルシウム及びクエン酸3カリウム又はクエン酸3ナトリウム及びクエン酸3カリウムの混合物が燃焼添加剤として使用される。これらの紙は、図3に非常に簡略に概略的に示す従来の長網抄紙機で製造されたものである。
Figure 2020531708
加工工程(B.1)の一例として、各巻紙から幅が106mmのリールが切断され、ダイカット装置でマークを形成した。これらのマークは、直径が0.5mmの円形の開口部である。幾つかのこのような開口部が、機械方向に対して横方向で互いに隣接して配置されている。縁部から横方向に見た第1開口部の中心は、縁部から13.25mmの距離のところにあり、別の開口部の各々の中心は、横方向で見て、前の開口部の中心から26.5mm離間されている。次いで、リールを切断してボビンにする。これらのボビンの各々の幅は、約8mmのたばこの製造で代表的なように、26.5mmである。これによって、横方向において、開口部は各ボビンの中央に配置される。機械方向での開口部の繰り返し間隔は、たばこの特定の製造プロセスに適合させてある。この特定の実施例では、次いで、たばこロッドの長さが54mmのフィルタ付きたばこが製造される。この目的のため、先ず最初に、たばこロッドを切断し、各々の長さが54mmのピースにする。これらのピースを長さ方向に離間し、これらのピースの各二本間に倍の長さのたばこ用フィルタを追加する。フィルタ及び二本のたばこロッドピースの各々の一部の周囲に倍の幅のチップペーパーを糊付けし、吸い口端で連結された二倍の長さのたばこを製造する。最終工程において、この二倍の長さのたばこを中央で切断する。この製造プロセスにより、機械方向で第1開口部の中心から始めて、開口部の次の中心が5mmの距離のところにあり、次いで、再び第1開口部から始めて一つ置いて次の中心がたばこロッドの長さの二倍と対応する108mmの距離のところにある、機械方向開口部が得られる。
この構成により、開口部はチップペーパーの下に配置され、かくして見えない。更に、これにより、たばこの製造中に開口部が切れることがない。
光バリアによってこれらの開口部を容易に検出でき、たばこへの巻紙の更なる加工に支障がなく、このことは、引っ張り強度の低下がかなり小さいということを示す。
加工工程(B.2)の一例として、幅が0.25mmの横方向連続線を、巻紙の各々にエンボス加工で付ける。巻紙P2は、厚さが大きいため、紙P1、P3、及びP4に対して使用できる力よりも大きい約115N/mmの力を使用できる。紙P1、P3、及びP4では、エンボス加工を行うための線荷重は90N/mm乃至100N/mmである。エンボス加工を行うため、巻紙の質量に対する含水量が5重量%乃至10重量%と比較的高い巻紙を選択する。これは、このような場合に、エンボスがよりはっきりと見え、より容易に検出できるためである。線模様に対する変形例として、ドット模様もまた同様の線荷重でエンボス加工される。
エンボス加工によって付けたマーク、線模様、並びにドット模様は、全ての巻紙について裸眼で容易に視認できる。そのため、比較的高い速度で、これらをセンサによって検出することもできるということに疑いはない。
工程(B3.1)工程(B3.2)を含む好ましい実施例の加工工程(B.3)の一例を以下に説明する。
レーザー照射のエネルギ密度を決定するため、先ず最初に、紙の燃焼エンタルピーを推定する。この目的のため、セルロース及びクエン酸の燃焼エンタルピーは表2に従って公知であり、炭酸カルシウムについては、表2は、反応CaCo→CaO+COのエンタルピーを示す。
Figure 2020531708
これらの値から巻紙の完全燃焼エンタルピーを推定できる。これは、全ての成分について、巻紙の単位面積当たりの質量に、質量当たりのエンタルピーを乗じ、合算することによって行われる。表1のクエン酸塩含有量は、クエン酸分としてある。かくして得られた単位面積当たりのエンタルピーを厚さで除す。その結果、表3が得られる。
Figure 2020531708
9.2μm乃至10.9μmの波長の連続したレーザービームを放出する公称出力25WのCOレーザーで紙に位置合わせマークを付けた。レーザーはその公称出力の70%で、即ち17.5Wで作動させた。
マーク模様は、巻紙の横方向で、幅が0.25mmの連続線であり、1m/s乃至7m/sの様々な速度で紙P1、P2、P3、及びP4に形成された。これらの技術的データから、レーザー出力(17.5W)を速度及び線の幅で除した表4の理論的エネルギ密度が算出される。関数y=f(x)=k・xを、kJ・m−2・μm−1での巻紙の単位体積あたりの燃焼エンタルピーと、kJ・m−2でのレーザービームのエネルギ密度yとの間の関係についてのベースとすると、巻紙P1−P4の各々について、様々な速度の各々で比例定数kを算出できる。kについての結果が表4に示してある。
Figure 2020531708
喫煙品の製造についての適正及び喫煙品の風味に及ぼされる影響に関して巻紙を検査した。
全ての実験において、機械方向に走行する巻紙に設けられたマークを簡単なセンサで確実に検出するため、マークは十分な強度を有する。しかしながら、6m/s及び7m/sのマーク付け速度では、機械方向に高速で走行する巻紙に設けられたマークを確実に検出するには強度が不十分である。かくして、kは、−1μmの値を越えてはならず、好ましくは、−2μmよりも小さくなければならない。
他方、エネルギ密度は、巻紙に孔が開くことがないのに十分に低い。そのため、マーク付けの結果のみに基づいて、kの値を−12μmよりもかなり小さくすることもできる。
風味に及ぼされる影響を調査するため、機械方向に対して横方向の幾つかの連続線を、巻紙に6mm幅のバンドの形態で互いに近接して形成し、これからフィルタ付きたばこを製造した。これらの線は、互いに近接して配置されることにより、たばこの周方向に6mm幅のバンドを形成する。たばこを一服ふかす最中に、赤熱した円錐部が、処理がなされていない巻紙からバンドの領域に移動する場合、喫煙中に風味の可知差異(perceptible difference)が生じるか否か調査を行った。1m/sの速度で製造された、即ちkの値が約−11μmの巻紙を含む全ての喫煙品について、風味に悪影響が及ぼされたことが知覚できたが、他の喫煙品には影響が及ぼされなかった。
かくして、これは、kの値が、好ましくは、−8μm以下であってはならず、好ましくは−7μm以下であってはならず、特に好ましくは−6.5μm以下であってはならないということを意味する。マークの検出可能性のため、kの値は、好ましくは−1μmよりも大きくてはならず、特に好ましくは−2μmよりも大きくてはならず、更に特に好ましくは−2.5μmよりも大きくてはならない。マークの視認性及び喫煙品の風味に関し、2m/s乃至3m/sのマーク付け速度、即ち−5.0μm乃至−4.0μmのkの値から最良の結果が得られた。
勿論、通気性、透明度、又は輝度等の別の紙パラメータを含むことにより、関数y=f(x)を更に微調整できる。
対応するセンサ及び位置合わせ制御を持つ印刷機では、本発明による方法の工程(C)で提供されるように、機械方向でマークに対して一定距離に位置決めされた構造を巻紙に形成できるということを確認するロゴが巻紙に印刷される。巻紙の機械的性質、特に引っ張り強度がレーザーによるマーク付けでほとんど変化しなかったため、これは、予想通り問題なく行うことができた。
1 巻紙
2 マーク
3 機械方向
4 横方向
5 横方向最外境界
7 構造
8 一定距離
本発明は喫煙品用巻紙に位置合わせマークを付けるための方法に関する。巻紙から製造された喫煙品の風味に及ぼされる位置合わせマークの影響ができるだけ小さくされる。これは、喫煙品の喫煙中ですら発生しない物質が巻紙に追加されることがほとんど又はほぼ全くない。
喫煙品は、喫煙材及び喫煙材を巻く巻紙を含み、これにより代表的には円筒形のロッドを形成する。喫煙材は、通常は、たばこ又は加熱時にエアロゾルを発生する他の材料であり、巻紙はシガレット紙である。喫煙品は、たばこが燃焼する従来のシガレットであってもよいが、喫煙材だけを加熱し、これによってエアロゾルを放出する喫煙品であってもよい。多くの場合、喫煙品には、エアロゾルの成分を濾過できる、フィルタ巻紙で包まれたフィルタ、及びフィルタ及びロッドを互いに連結するチップペーパーが更に含まれる。
幾つかの喫煙品について、巻紙には、ロッドの長さ方向に繰り返し構造が設けられている。これらの構造は、印刷や透かし模様等のただの外見的の特徴であってもよく、又は喫煙品の延焼性を制御する(「LIP」(low ignition propensity))ためのバンド、喫煙品の長さ方向で変化する巻紙の組成、特に燃焼添加剤等の機能的特徴であってもよく、又は目に見える又は見えない任意の他の特徴であってもよい。
このような喫煙品について、喫煙品の所定位置に構造を設ける必要がある。喫煙品の一般的な製造プロセスでは、喫煙材の連続ロッドを巻紙で巻き、これを後に切断して呼び長さが同じ短いピースにする。これにより切断位置がランダムとなり、そのためピースの長さをできるだけ揃える必要がある。巻紙上での構造の位置には何の役割もなく、そのため構造は喫煙品のランダムな位置に配置される。
喫煙品を製造するための幾つかの機械には、巻紙上の構造を検出でき、構造が喫煙品の公称一定位置にあるように連続ロッドの切断を構造と同期できるセンサが装備されている。しかしながら、この目的のため、こうした機械の通常の加工速度でセンサによって構造を検出できなければならない。そうでない場合には、即ち経済的に引き合う労力で又は十分に高い速度で構造を検出できない場合には、構造に対して一定位置に配置されており、センサによって容易に且つ確実に検出できるマーク、いわゆる位置合わせマークを巻紙に印刷することが一つの選択肢である。この場合、連続したロッドの切断は、印刷されたこれらの位置合わせマークと同期して行われる。
従来技術では、位置合わせマークを紙に印刷することは公知である。これは、多くの場合、多色印刷機で行われる。そのため、多色印刷を行うには、位置合わせマークを互いに対して正しく位置決めする必要がある。しかしながら、喫煙品用巻紙にこうした位置合わせマークを印刷するのは問題がある。これは、印刷用インクに使用される物質が、多くの場合、喫煙品用巻紙で許可されていないためである。更に、印刷中に使用される印刷用インク及び溶剤が、喫煙品の特に最初の一吸いの風味に影響を及ぼす場合がある。喫煙品の使用中に印刷用インク自体が燃えたり加熱されたりしない場合でもこうした影響が存在する場合がある。
紙に位置合わせマークを付けるのにレーザーが使用される場合がある。こうした場合、レーザービームが紙の小さな領域を燃焼することにより所定位置を黒く変色する。このような方法は、例えば、WO98/35096、WO2007/122284、又はWO2011/026693に開示されている。しかしながら、制御された態様で変色を生じることにより良好な位置合わせマークを付けるため、紙や紙のコーティングに特定の顔料が設けられる。これは、喫煙品用巻紙については、成分に関する法的必要条件のため、不可能である。
たとえこのような顔料又はコーティングがなくても、従来技術による方法の目的は、一般的には、紙に孔を開けずにできるだけ見易く且つ検出可能な位置合わせマークを形成することである。
しかしながら、印刷とは異なり、レーザーでは巻紙に新たな物質が付けられることはないが、それでも燃焼生成物及び熱分解産物が発生し、巻紙に残る。かくして、レーザーを使用して喫煙品用巻紙に位置合わせマークを付ける場合でも、この巻紙から製造された喫煙品の風味に影響を及ぼす新たな物質が存在する。更に、巻紙に位置合わせマークを付けるのは、こうした紙が比較的薄く、誤って穿孔してしまい易く、多くの場合、巻紙の熱劣化に影響を及ぼす燃焼添加剤を含むため、特に問題である。
例えばフィルタの領域にレーザーで周方向ミシン目が形成されたフィルタ付きたばこから、レーザーを用いた処理により喫煙品の風味に影響が及ぼされることが知られている。レーザーはチップペーパー及びフィルタ巻紙に思った通りに孔を開けるが、フィルタ材料にも穿孔してしまい、そのためフィルタ材料の蒸発生成物及び燃焼生成物がフィルタに残り、最初の一吸い中にこれらの生成物が刺激的であると喫煙者により知覚されてしまうのである。
かくして、この巻紙から製造された喫煙品の風味に及ぼされる影響ができるだけ小さいように、喫煙品の巻紙に位置合わせマークを形成する方法が必要とされている。
WO98/35096 WO2007/122284 WO2011/026693
本発明の目的は、巻紙から製造された喫煙品の風味に及ぼされる位置合わせマークの影響ができるだけ小さいように、喫煙品用巻紙に位置合わせマークを形成できる方法を提供することである。
この目的は、請求項1に記載のプロセスにより達成される。この他の有利な実施例は従属項に記載されている。
発明者は、位置合わせマークの視認性を前提にした従来技術とは異なり、材料が追加されるにしてもこの追加の材料が喫煙品の喫煙中に発生する物質に過ぎず、従って、風味に悪影響が及ぼされることがないようにすることによって、喫煙品の風味に及ぼされる影響を最小にできるということを発見した。
かくして、喫煙品用巻紙に位置合わせマークを付けるための本発明による方法は、
(A)パルプ繊維を含む喫煙品用巻紙を提供する工程と、
(B)少なくとも以下の工程によって巻紙に位置合わせマークを形成する工程とを含み、
(B・3)巻紙の表面をJ・m−2での所定のエネルギ密度y(y=k・xが成立する)のレーザー照射で処理する工程、
ここで、xはJ・m−2・μm−1での巻紙の体積当たりの燃焼エンタルピーであり、
kは、少なくとも−8μmであり、好ましくは少なくとも−7μmであり、特に好ましくは少なくとも−6.5μmであり、
kは、最大−1μmであり、好ましくは最大−2μmであり、更に特に好ましくは最大−2.5μmであり、
工程(C)において、各構造が少なくとも一つの位置合わせマークに対して機械方向で一定距離に配置されるように巻紙に規則的繰り返し構造を形成するか或いは、工程(A)において、機械方向で規則的繰り返し構造を持つ巻紙を提供するかのいずれかを行い、工程(B)において、各位置合わせマークが少なくとも一つの構造に対して機械方向で一定距離に配置されるように巻紙に位置合わせマークを形成し、
位置合わせマークの少なくとも一つのセクションの機械方向長さが少なくとも0.01mmである、方法である。
本開示では、「一定」距離は、詳細には、構造の位置を位置合わせマークの位置から演繹できる所定距離又は公知距離である。
位置合わせマークを巻紙に形成する工程(B)は、更に、巻紙から材料を除去する工程(B・1)を含んでいてもよい。工程(B.1)は、好ましくはダイカット、ミシン目加工、又は切断によって、巻紙から、特に巻紙の全厚に亘って材料を除去することによって、適当なセンサによって位置合わせマークとして検出できる加工を巻紙に施すという考えに基づいている。特に好ましくは、この加工は、巻紙の少なくとも一つの開口部である。これによって、材料は巻紙だけから除去され、従って、巻紙から製造された喫煙品の風味に影響が及ぼされることがないようにする。しかしながら、巻紙の開口部を設計する際、続いて実行される加工工程で、特に強度に関する要求を考慮しなければならない。
位置合わせマークを巻紙に形成する工程(B)は、更に、巻紙を機械的に加工する工程(B・2)を含んでいてもよい。工程(B.2)は、特にエンボス加工又は圧縮によって巻紙を機械的に処理することによって、適当なセンサによって検出できる位置合わせマークを巻紙に形成できるという考えに基づいている。一般的には、巻紙は、エンボス加工又は圧縮によって、このような処理が施された領域の透明度が増し、適当な背景に対して暗くなり、そのため検出が可能である。更に、これに関し、巻紙には何の材料も追加されず、この巻紙から製造された喫煙品の風味には影響が全く及ぼされない。更に、位置合わせマークを設計するとき、巻紙の引っ張り強度を考慮しなければならないが、開口部が形成される場合よりもその必要性が小さい。
工程(B.3)の本発明による方法は、巻紙の表面をレーザー照射によって処理することによって、巻紙の成分の色が熱分解又は燃焼によって変化するという考えに基づいている。このような変化は、適当なセンサによって容易に検出できる。一般的には、こうした処理が施された巻紙の領域は、巻紙よりも黒く見える。
しかしながら、レーザー照射による処理中、巻紙の成分が変化する。即ち新たな物質が追加される。本発明の文脈では、これらの新たな物質は、巻紙から製造された喫煙品の喫煙中に発生する物質と種類及び量が実質的に変わらないということが保証される。
この進歩性は、喫煙中に喫煙者が吸い込む、喫煙品の風味に寄与する熱分解又は燃焼生成物が喫煙品の喫煙中又は加熱中に巻紙で発生するという考えに基づいている。巻紙の熱分解中又は燃焼中、燃焼エンタルピーが解放される。これは、部分的には、例えば熱放射、熱伝導、又は対流により環境に放出されるが、部分的には、熱伝導によって巻紙の燻りプロセスを維持する。しかしながら、喫煙品の喫煙中、巻紙は不完全燃焼しかしないため、全ての燃焼エンタルピーが解放されるのではない。これは、例えば熱量計で計測できる。他方、喫煙材もまた巻紙にエネルギを加える。
レーザーにより導入されたエネルギに関し、レーザーによる処理では表面にしか熱の影響が加えられないが、喫煙品の喫煙中、巻紙の全質量が熱的に劣化するということを考慮しなければならない。更に、レーザーの熱効果の持続時間は、喫煙品の喫煙中よりも遥かに短い。これに加え、レーザー照射の全てが巻紙に吸収されるのではなく、一部は反射され、そして一部は巻紙を通過する。
これらの複雑な側面を考慮し、位置合わせマークが付けられた巻紙の領域で巻紙の特定深さまで、喫煙品の喫煙中にこの領域の周囲から同じ体積に加えられるのとほぼ同量のエネルギが加えられるように、レーザーのエネルギ密度を選択できる。この場合、喫煙品の喫煙中に発生するのと同様の物質が、互いに対してほぼ同じ量で発生すると考えられ、従って、喫煙品の風味に望ましからぬ影響が及ぼされることが可能な限り回避される。本発明者の研究によれば、レーザー照射についてのエネルギ密度y(単位:J・m−2)が選択され、y=k・xが成立する場合にこの目的が達成されることがわかった。ここで、xは、J・m−2・μm−1での巻紙の単位面積当たりの燃焼エンタルピーであり、kは、少なくとも−8μmであり、好ましくは少なくとも−7μmであり、特に好ましくは少なくとも−6.5μmであり、最大−1μmであり、好ましくは最大−2μmであり、特に好ましくは最大−2.5μmである。
本方法の特に好ましい実施例では、−5.0μm≦k≦−4.0μmが成立する。
本発明の概念は従来技術の教示とは異なる。従来技術の教示によれば、当業者は、材料が発火したり材料に孔が開いたりしないようにするため、レーザーにより材料に加えられて熱的負荷により解放されるエネルギを小さくしようとする。これとは異なり、本発明の教示によれば、喫煙品の巻紙の熱分解又は燃焼中に発生するのとできるだけ同じ物質が発生するように、比較的大きなエネルギを放出するため、比較的高エネルギ密度のレーザー照射を選択しなければならない。これは比例定数kに反映される。
好ましい実施例では、工程(B・1)、(B・2)、及び(B・3)の各々について、たとえ工程(A)で巻紙に既に存在する物質、又は巻紙から製造された喫煙品の喫煙中に発生する物質しか巻紙に追加されない場合でも成立する。
図1は、本発明の原理を示す。機械方向を矢印3で示し、横方向を矢印4で示す巻紙1には、構造7が設けられている。これらの構造は、工程(A)で形成され、巻紙1に既に存在しているか或いは、工程(C)に従って付けられたものである。紙を同期するため、位置合わせマーク2を、各位置合わせマーク2が構造7の各々一つに対して一定距離8に配置されるように巻紙に形成する。
本発明による方法の工程(A)で提供された喫煙品用巻紙は、パルプ繊維でできている。パルプ繊維は、これらの繊維が巻紙に必要な強度を提供するために必要とされる。パルプ繊維は、好ましくは木材パルプ繊維であり、特に好ましくは、例えばトウヒ、松、又はカラマツ等の長繊維パルプから形成されており、又は例えばカバノキ、ブナ、又はユーカリ及びこれらの混合物等の短繊維パルプから形成されている。他の好ましい実施例ではパルプ繊維は、一部又は全部が、亜麻、麻、サイザル、ジュート、マニラ麻、綿、アフリカハネガヤ等の他の植物、又はこれらの混合物から形成されている。基本的には、パルプ繊維の選択に関する制限はなく、そのため、巻紙は、例えば、リヨセル繊維、ビスコース繊維、又はモーダル繊維等の再生セルロースから形成されたパルプ繊維を含有していてもよい。勿論、喫煙品用巻紙の成分に関する法的規制を遵守する必要がある。
巻紙は、好ましくは、パルプ繊維を、少なくとも50重量%、特に好ましくは少なくとも60重量%、更に特に好ましくは少なくとも70重量%含有し、好ましくは最大100重量%、特に好ましくは最大80重量%含有する。パーセントは、巻紙の全質量に関する。
巻紙は充填材を含有していてもよい。充填材は、好ましくは酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、又は珪酸塩、又はこれらの混合物である。炭酸カルシウム、特に沈降炭酸カルシウムが特に好ましい。好ましくは、喫煙品用巻紙で選好的に使用されるこの他の充填材は、酸化マグネシウム、水酸化物マグネシウム、水酸化物アルミニウム、二酸化チタン、タルク、及びカオリン、又はこれらの混合物である。しかしながら、レーザー照射の作用で色彩が不可逆的に変化し、かくして位置合わせマークの見え方に寄与する特殊な充填材、例えば酸化鉄を使用してもよい。この場合も、喫煙品用巻紙の成分に関する法的規制を遵守しなければならない。
方法の工程(A)で提供された巻紙は、好ましくは、充填材を、少なくとも10重量%、特に少なくとも20重量%、及び好ましくは最大50重量%、特に好ましくは最大40重量%、更に特に好ましくは最大35重量%の量で含有する。パーセントは、巻紙の全質量に関する。変形例では、喫煙品用巻紙は充填材を全く含有しない。これらの変形例は、手巻き喫煙品(Roll-Your-Own)の場合に特に好ましい。
特に、喫煙材が燃焼される喫煙品、例えば従来のたばこでの使用に関し、巻紙は、喫煙品の燻り速度を高めたり減少したりし、燃えた後のたばこ並びに巻紙の灰の外観を改善できる少なくとも一つの燃焼添加剤を含んでいてもよい。このような燃焼添加剤は、多くの場合、巻紙の熱分解、従って燃焼のエンタルピーに影響を及ぼすため、工程(B・3)でレーザー照射のエネルギ密度の選択で所定の役割を果たす。
かくして、巻紙は、好ましくは、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、硝酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、サリチル酸塩、α−ヒドロキシカプリル酸塩、リン酸塩、塩化物、及び炭酸水素塩からなる群から選択された、好ましくは、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、及びその混合物からなる群から選択された一つ又はそれ以上の燃焼添加剤を含む。巻紙は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、ホウ酸、及びその混合物からなる群から選択された物質を燃焼抑制剤として含んでいてもよい。
巻紙の燃焼添加剤含有量は、好ましくは少なくとも0.5重量%、特に好ましくは少なくとも0.7重量%、更に特に好ましくは少なくとも1.0重量%及び/又は最大7.0重量%、特に好ましくは最大5.0重量%であり、更に特に好ましくは最大3.0重量%である。変形例では、喫煙品用巻紙には燃焼添加剤が全く含まれていない。この実施例は、巻紙が手巻き喫煙品(Roll-Your-Own)に使用される場合に特に好ましい。
巻紙には、当該技術分野で周知の別の成分が含まれていてもよい。これらの成分には、例えば着色剤、顔料、香料、又はガラス繊維等の無機繊維が含まれる。しかしながら、これらの物質の使用は、多くの国々における法的規制により制限される。
本発明による方法では、巻紙の秤量が重要である。これは、巻紙の機械的強度及び工程(B)の設計がこれにより本質的に決まるためである。本発明による方法に用いられる巻紙の秤量は、好ましい実施例では、10g/m乃至100g/mであり、好ましくは、20g/m乃至50g/mであり、特に好ましくは25g/m乃至35g/mである。巻紙の秤量は、ISO536:2012に従って決定できる。
同様の理由により、本発明による方法で巻紙の厚さもまた所定の役割を果たす。巻紙の厚さは、好ましい実施例では、15μm乃至100μmであり、好ましくは、30μm乃至60μmであり、特に好ましくは40μm乃至50μmである。巻紙の厚さは、一枚の層についてISO534:2011に従って計測できる。
本発明による方法について、機械方向で規則的に繰り返す構造が巻紙に設けられていることが重要である。そのため、後の加工工程でこれらの加工工程を巻紙の移動と同期するのに使用できる位置合わせマークを各構造に対して一定距離に付ける必要がある。
工程(C)におけるように、本発明による方法の変形例では、位置合わせマークを付けた後にこれらの構造を巻紙に付けることができ、又は本発明による方法の別の変形例では、工程(A)で提供された巻紙にこれらの構造が既に設けられていてもよい。
本発明は、特定の種類の構造に限定されない。これらの構造は、例えば、印刷、エンボス加工、又はダイカットで巻紙に形成された特徴であってもよく、この巻紙から製造された喫煙品上の一定の位置に現れていなければならない。構造は、透かし模様、ワイヤマーク、又は境界線(verge line)であってもよい。構造の種類は、構造による外見上知覚可能な特徴に限定されず、機能的特徴を含んでいてもよい。これには、例えば、巻紙から製造された喫煙品の自己消炎性に役立つ、巻紙に付けられたバンド、又はWO2011/120687に記載された、喫煙品を通って流れるエアロゾルを希釈するのに役立つミシン目線であってもよい。更に、これらの構造は、WO2014/202319に記載されているように、巻紙の組成が、特に燃焼添加剤の含有量に関し、機械方向で規則的に変化する構造であってもよい。好ましくは、構造がセンサによって検出できない場合、又は大きな労力を払わなければ検出できない場合に本発明による方法を使用できる。
かくして、好ましくは、工程(C)で、又は工程(A)に先立つ工程での巻紙上への構造の形成は、印刷、エンボス加工、ミシン目加工、ダイカット、浸漬、含浸、コーティング又はスプレーで行うことができる。
構造は、これにより、機械方向で規則的に繰り返される。機械方向という用語は、巻紙に設けられた構造との同期を必要とする別の加工工程で巻紙が移動する方向を意味するものと理解されるべきである。多くの場合、この方向は、従来技術による抄紙機で巻紙を形成できる方向、即ち巻紙の「機械方向」と同じ方向である。好ましい実施例では、巻紙は細長いウェブの形状であり、「機械方向」は、このウェブの長さ方向と一致する。
工程(B・1)は、好ましくは、巻紙の全厚に亘って材料が除去されるように、従って巻紙に少なくとも一つの開口部が形成されるように設計されていてもよい。特に好ましくは、少なくとも一つの開口部は、ダイカット、ミシン目加工、又は切断によって形成される。これよりは好ましくないけれども本発明による方法の範囲内で、例えば研削やスクラッチングによって巻紙の表面から材料を除去する。その結果、巻紙のこの領域の透明度が増すが開口部が形成されない。
工程(B・1)がミシン目加工や切断によって実行される限り、好ましくは、機械的ミシン目加工工具又は切断工具、又はレーザーを使用できる。特に好ましくは、この工程は、COレーザーによって実行される。
工程(B・1)で形成された位置合わせマークの形状に関し、好ましい実施例では、位置合わせマークの横方向最外境界の曲率半径が小さ過ぎないように注意を払う。本開示では「横方向」は、機械方向と直交する方向である。好ましくは、横方向最外境界の曲率半径は、少なくとも0.1mmであり、好ましくは少なくとも0.2mmであり、特に好ましくは少なくとも0.5mmである。これは、機械方向での引っ張り荷重中にこれらの最外境界での応力ピークを効果的に低減できるということを意味する。これは、このような応力ピークにより、巻紙が加工中に裂けてしまい、生産性を低下してしまうためである。位置合わせマークの横方向最外境界は直線であってもよく、その場合、曲率半径は任意であるが大きい。
この事実を代表的な説明によって図2に示す。図2は、位置合わせマーク2を付けた巻紙1を示す。これらの位置合わせマークは、一例として、巻紙の楕円形開口部として設計されている。巻紙の機械方向が矢印3で示してあり、矢印4で示す横方向は機械方向と本質的に直交する。位置合わせマーク2の拡大図6では、位置合わせマーク2の横方向最外境界5が拡大して示してあり、横方向最外境界5の曲率半径に参照符号Rが付してある。
特に好ましい実施例では、位置合わせマークは、直径が少なくとも0.3mm、最大2.0mm、好ましくは少なくとも0.5mmであり且つ最大1.5mmの円形開口部である。
工程(B・2)は、好ましくは、機械的処理が巻紙のエンボス加工又は圧縮であるように設計されていてもよい。これに関し、巻紙は、透明度が局所的に増大するように所定の領域が圧縮される。位置合わせマークは、暗い背景の前方で、センサによって、処理が施されていない巻紙と比較して暗い領域として検出できる。好ましい実施例では、巻紙のエンボス加工又は圧縮は、機械的圧力によって、対応する模様を備えた二つのロール間で実行でき、これにより巻紙に位置合わせマークを形成する。
本発明による方法にとって、巻紙にエンボス加工を施すための線負荷が重要である。好ましくは、喫煙品用巻紙にエンボス加工を施すための線負荷は、70N/mm乃至130N/mmであり、好ましくは80N/mm乃至120N/mmであり、特に好ましくは90N/mm乃至115N/mmである。この線負荷で、エンボス加工が形成され、これを光センサによって問題なく検出できるが、これは、巻紙の引っ張り強度を大幅に低減しない。
本発明による方法におけるエンボス加工による結果にとって、紙の含水量もまた重要である。好ましくは、エンボス加工は、5重量%乃至10重量%、特に好ましくは7重量%乃至9重量%の含水量が高い紙で実行される。これらのパーセントは、巻紙の質量に関する。この高い含水量でエンボス加工を行うことにより更にはっきりとした位置合わせマークが形成される。これは、その後、より容易に自動検出できる。
この加工工程の別の好ましい実施例は、巻紙の製造中に抄紙機のプレスセクションの領域で位置合わせマークを形成することである。即ち、未だ「未完成」の巻紙に位置合わせマークを形成することである。この場合、プレスセクションでの巻紙の含水量が、完全に完成した巻紙よりも高いということを除き、上文中に説明した完成した巻紙に対するエンボス加工と非常に類似したエンボス加工プロセスを使用できる。特に、この場合も、対応する模様を備えたシリンダを使用できる。この加工工程の変形例は、巻紙の製造中、紙に透かし模様を形成するのと同様の方法で、対応する装置によって抄紙機のワイヤ上で位置合わせマークを形成する工程を含む。
本発明による方法の工程(B・3)は、好ましくは、以下の副工程を含むように設計でき、
(B3・1)巻紙の体積あたりの燃焼エンタルピーに基づいてレーザー照射のエネルギ密度を選択する工程、
(B3・2)機械方向で規則的に繰り返す位置合わせマークが巻紙に形成されるように、工程(B3・1)で選択したエネルギ密度のレーザー照射を使用することによって巻紙に位置合わせマークを付ける工程を含むように設計できる。
本発明による方法の工程(B3・1)で巻紙の体積あたりの燃焼エンタルピーに基づいてレーザー照射のエネルギ密度を選択するにあたり、巻紙の燃焼エンタルピーがわかっているのが、必要ではないけれども、有利である。
巻紙の燃焼エンタルピーは、例えば、熱量計、特に反応熱量計で決定できる。しかしながら、多くの場合、巻紙の成分は、燃焼エンタルピーが十分な精度で公知の物質であり、そのため巻紙の公知の組成から燃焼エンタルピーを計算することもできる。このような例示の計算を以下に更に詳細に説明する。
本発明による工程(B3・1)の好ましい実施例では、燃焼エンタルピー自体を数値的に決定する必要がもはやないが、その代わり、レーザー照射についての適当なエネルギ密度を巻紙の組成及び他の特性、特に厚さ及び秤量から直接的に決定できる。これに関し、中間量として燃焼エンタルピーの知識が有利であるが、これは必要ではない。いずれにせよ、本発明による好ましい方法の工程(B3・1)は、燃焼エンタルピーが明示的に決定されていない方法もまた含まなければならないが、その場合、燃焼エンタルピーに大きな影響を及ぼすエネルギ密度の選択に変数が使用される。これらの量は、特に、巻紙で使用された物質、これらの物質の量、巻紙の秤量、又は厚さである。
本発明による好ましい方法の工程(B3・1)における燃焼エンタルピーを使用することによるエネルギ密度の選択は、好ましくは、数学関数y=f(x)を使用する工程を含む。ここで、入力変数xは、巻紙の体積当たりの燃焼エンタルピーであり、出力変数yは、レーザー照射のエネルギ密度である。好ましい実施例では、この関数は、関連した間隔x∈[x0、x1]に関して単調に減少する関数であり、即ち全てのx∈[x0、x1]についてdf(x)/dx≦0であり、特に好ましくは、厳密に単調に減少する関数であり、全てのx∈[x0、x1]についてdf(x)/dx<0であり、最も特に好ましくは、線型関数y=k・x+d(k<0)であり、特にy=k・x(k<0)の比例関数である。間隔[x0、x1]は、ここでは大きさの間隔であり、サブセットとして、本発明による方法が適用される巻紙の単位体積当たりの最小燃焼エンタルピーから最大燃焼エンタルピーまでのインターバルスパンニング(interval spanning)を含む。
好ましい方法では、エネルギ密度の選択は、上述の関数y=f(x)(y=k・x(k<0))を適用して、巻紙の体積当たりの燃焼エンタルピーを使用して行われる。ここで、kは少なくとも−8μmであり、好ましくは少なくとも−7μmであり、特に好ましくは少なくとも−6.5μmであり、最大−1μmであり、好ましくは最大−2μmであり、特に好ましくは最大−2.5μmである。kについて、−5.0μm乃至−4.0μmのインターバルが特に好ましい。関数f(x)では、巻紙の体積当たりの燃焼エンタルピーをJ・m−2・μm−1で入力しなければならず、エネルギ密度は、J・m−2で得られる。
本発明による方法の工程(B・3)で巻紙に位置合わせマークを付けるのに使用されたレーザー照射は、一つ又はそれ以上の波長を有する。これらの波長は、位置合わせマークを付けるのに必要なエネルギ密度にとって重要である。特に、巻紙は、レーザー照射の一つ又はそれ以上の波長を本質的に吸収しなければならない。少なくとも8μm、最大12μmの波長が好ましく、COレーザーにより発生される波長が約10.6μmのレーザー照射が特に好ましい。しかしながら、本発明による方法で、他のレーザー照射源を同様に使用することができる。
レーザー照射の出力は、要求エネルギ密度とは別に、広い範囲に亘って変化できる。これは、主として、レーザー照射により単位時間当たり処理されるべき面積で決まる。当業者は、レーザーについての適当な出力を決定できる。レーザー照射のエネルギ密度と要求出力との間の関係の計算の一例を以下に説明する。
当業者は、レーザーを選択する上で重要なこの他の任意のパラメータ、例えば連続したレーザービーム又はパルス状レーザービームのいずれを使用するべきかを経験によって選択でき、又は実験によって決定できる。
本発明による方法の工程(B)で巻紙に形成された位置合わせマークは、簡単な光センサ、特に輝度の差を検出する光センサによって容易に検出できるように設計されていなければならない。そのため、位置合わせマークの色彩や白さが巻紙の残りの部分とは大幅に異なるようにし、センサが位置合わせマークと混同する構造が巻紙自体にないようにするのがよい。位置合わせマークが巻紙の開口部である場合には、センサの領域の背景の色を巻紙とは異なるように選択しなければならず、又は透過センサ(光バリア)を使用しなければならない。加工工程(B・2)又は(B・3)の一方に従って従来の白色巻紙に形成した位置合わせマークは、横方向で、即ち上文中で定義したように機械方向とほぼ直交する方向で、好ましくは連続した又は不連続の線である。しかしながら、他の位置合わせマーク模様、例えば円形、三角形、正方形、又は他の幾何学図形を使用してもよい。
位置合わせマークを形成する方法とは別に、位置合わせマークの機械方向長さは本発明による方法と関連している。これは、確実に検出する上で位置合わせマークの長さが重要であるためである。喫煙品の製造中、巻紙の速度は最高10m/sに達する。位置合わせマークは、確実に検出するため、少なくとも1μsに亘ってセンサの下になければならない。そのため、少なくとも一つの位置での位置合わせマークの機械方向長さは、少なくとも0.01mmでなければならない。好ましくは、位置合わせマークの少なくとも一つの区分での機械方向長さは少なくとも0.10mmであり、特に好ましくは少なくとも0.20mmである。喫煙品上で、位置合わせマーク自体はできるだけ見えてはならない。かくして位置合わせマークの機械方向長さは最大5.00mmであり、好ましくは最大3.00mmであり、特に好ましくは最大1.00mmでなければならない。これらの好ましい長さについて、機械方向での巻紙の引っ張り強度の低下が、巻紙のその後の加工が可能である程度に小さいように考慮しなければならない。
巻紙の機械的強度を全く低下しない又は僅かに低下するに過ぎない、加工工程(B・2)又は(B・3)に従って形成された位置合わせマークについて、位置合わせマークは、巻紙の全幅に亘って横方向に延びていてもよい。位置合わせマークの横方向最小長さは、位置合わせマークを確実に検出するのに使用されるセンサの性能で決まり、センサの検出領域の下で巻紙をどれ程正確に且つ安定して案内できるのかで決まる。好ましくは、位置合わせマークの横方向長さは、かくして、少なくとも0.20mmであり、特に好ましくは少なくとも0.50mmであり、更に特に好ましくは少なくとも1.00mmである。
位置合わせマークが巻紙の広幅リール上で形成され、次いでこのリールを狭幅リールに切り分けなければならない限り、狭幅リールの各々の幅方向に少なくとも一つの位置合わせマークが配置されるように位置合わせマークを巻紙上に配置することに意味がある。このようにして、位置合わせマークを、続いて行われる加工工程で、個々の狭幅リール上で検出できる。
加工工程(B・1)に従って形成された位置合わせマーク等の、巻紙の機械的強度を大幅に低下する位置合わせマーク、特に巻紙の開口部によって形成された位置合わせマークについて、横方向長さをできるだけ小さいように選択しなければならない。好ましくは、位置合わせマークの横方向長さは、少なくとも0.20mm、特に好ましくは少なくとも0.50mm、更に特に好ましくは少なくとも1.0mmであり、好ましくは最大5.00mm、特に好ましくは最大4.00mm、更に特に好ましくは最大3.00mmである。
位置合わせマークが巻紙の広幅リール上で形成され、次いでこのリールが狭幅リールに切り分けられる限り、狭幅リールの各々の幅方向に少なくとも一つの位置合わせマークが配置されるように位置合わせマークを巻紙上に配置することに意味がある。このようにして、位置合わせマークを、続いて行われる加工工程で、個々の狭幅リール上で検出できる。この場合位置合わせマークの横方向長さは、好ましくは、最大で狭幅リールの幅の1/3、特に好ましくは最大1/5、最も特に好ましくは最大1/10である。
このような位置合わせマークを付けた広幅リールを切断して狭幅リールにするとき、位置合わせマークが切られないように、従って狭幅リールの縁部に配置されないように位置合わせマークを付け、切断プロセスを制御することに意味がある。
位置合わせマークは、巻紙の任意の側で巻紙に配置されていてもよい。位置合わせマークを巻紙に形成する場合、位置合わせマークは、続いて行われる加工工程で、より容易に検出できる巻紙の側に形成される。喫煙品用巻紙の場合、これは、好ましくは、喫煙品の外側にある巻紙の側部である。巻紙のこの側部は、好ましくは、巻紙の製造中に抄紙機のワイヤとは反対側に面する側であり、フェルト側と呼ばれるが、ワイヤ側はワイヤに面する側であり、代表的には、喫煙品の喫煙材に面する。
位置合わせマークが巻紙の開口部である場合には、開口部は、二つの側のいずれかの側から形成されていてもよく、又は両側から形成されていてもよい。
位置合わせマークの位置は、巻紙に設けられた少なくとも一つの構造に対し、全ての位置合わせマークが機械方向で同じ一定距離にある限り、一般的に任意である。この距離は、続いて行われる加工工程で、巻紙上の構造の位置を位置合わせマークの位置から得ることができるように、公知でなければならない。特に好ましくは、巻紙上の構造に対する位置合わせマークの位置は、巻紙から製造された喫煙品の通常の使用中にこれらの位置合わせマークが見えないように選択される。フィルタ付きたばこについて、これは、チップペーパーが喫煙材のロッドと重なるフィルタ付きたばこ上の領域にあり、そのため巻紙の位置合わせマークが覆われるように位置合わせマークが巻紙に配置されているということを意味する。
本発明による方法の個々の工程(A)、(B)、及び(C)は、単一の装置で実行でき、又は幾つかの装置で別々に実行できる。
一例として、工程(A)で先ず最初に巻紙を従来の抄紙機で製造し、巻き取ることができる。別の装置で巻紙を解き、工程(B)で巻紙に位置合わせマークを形成し、これによって位置合わせマークを付けた巻紙を再び巻き取る。別の装置、例えば印刷機又はコーティング機で工程(C)で巻紙に構造を付ける。
幾つかの用途では、同じ装置で工程(B)及び(C)を実行でき、好ましい。例えば、装置は印刷機又はコーティング機であってもよく、先ず最初に工程(B)で位置合わせマークを形成した後、工程(C)で同じ装置で構造を付ける。この場合、工程(B)を実行するマーキングユニットと工程(C)に従って構造を付けるための装置との間で、当該技術分野で公知の位置合わせ制御を行うのが有利である。位置合わせ制御は、位置合わせマークの位置と、付けられるべき構造の位置とを位置合わせマークを検出するセンサによって同期する。この同期は、装置を通した走行中の巻紙の長さの変化を補償できるということを意味する。当該技術分野で公知の印刷機、エンボス加工機、ダイカット機又はミシン加工機とは別に、喫煙品用巻紙に構造を付けるための装置もまた、WO2010/124879に記載されている。
機械による喫煙品の製造中、適当なセンサによって位置合わせマークを検出でき、巻紙で巻いた喫煙材の代表的には連続したロッドを、位置合わせマークと同期して所定位置で切断でき、その結果、構造は喫煙品上の一定位置を占める。
喫煙品の手巻き用の巻紙について、喫煙品の手巻き(Roll-Your-Own)に適するように巻紙のリールを切断して小さなシートにする。この機械で位置合わせマークを検出し、シートへの切断を位置合わせマークと同期する。ここでは、構造はシート上の一定位置に配置され、従ってシートから製造された喫煙品上の一定位置にある。
本方法の変形例において、機械方向繰り返し構造が既に設けられた巻紙を工程(A)で提供する。好ましくは、工程(A)及び(B)が同じ装置で実行される。かくして、この変形例は、巻紙に構造が既に設けられていることを想定しており、位置合わせマークが後に追加される。位置合わせマークが構造に対して一定位置にあるようにするため、構造を検出する必要がある。従って、このような方法について、先ず最初に位置合わせマークを形成し、続いて実行される加工工程でこれらの位置合わせマークを検出する代わりに、続いて実行される加工工程で構造自体を検出することは明らかである。換言すると、何らかの方法で構造を検出しなければならない場合、位置合わせマークの形成は一見して余計であると思われる。
しかしながら、構造を検出するためのセンサが高価であり、検出が低速でしか行えない場合、例えば構造がほとんど見えない場合、又は巻紙の組成の変化でしかない場合がある。こうした場合、本方法を有利に使用できる。
喫煙品用巻紙の多くの用途において、巻紙は、最初に、広幅リールとして提供され、喫煙品を製造するため、後に複数の狭幅リール、いわゆるボビンに切断される。本発明による方法では、費用がかかる、巻紙の構造及び対応する位置合わせマークの検出は、喫煙品を製造するための機械上で、広幅リールで低速で行われ、構造でなく位置合わせマークを検出するために比較的簡単なセンサしか必要とされず、高い製造速度が得られ、高価なセンサが必要とされない。特に好ましくは、喫煙品を製造するための機械が巻きたばこ製造機であり、後の加工工程が巻紙で包んだ喫煙材の連続ロッドの切断プロセスである場合に本方法を使用できる。
勿論、喫煙品用巻紙の製造で必要とされる随意の中間工程を個々の工程間で実行できる。
図1は、構造及び位置合わせマークを付けた巻紙を示す図である。 図2は、位置合わせマークを開口部として付けた巻紙を示す図である。 図3は、抄紙機による巻紙の製造及びワイヤセクション又はプレスセクションでの位置合わせマークの形成を示す図である。 図4は、同じ装置で巻紙に位置合わせマーク及び構造を形成するプロセスを示す図である。 図5は、構造及び位置合わせマークが、対応する構造に対して機械方向で一定距離に配置されるように巻紙に既に形成してあるプロセスを示す図である。 図6は、位置合わせマークを巻紙の移動とは別個に形成する場合に適した、図5と同様のプロセスを示す図である。
本発明による方法を好ましい例示の実施例により以下に更に詳細に説明する。
図3は、機械方向151に作動する抄紙機を用いた本発明による巻紙150の製造を示す。例示の図3によれば、抄紙機は、ヘッドボックスのセクション100、ワイヤセクション110、プレスセクション120、乾燥セクション130、及び巻取りセクション140を含む。ヘッドボックス101から水性繊維懸濁液即ち繊維/充填剤懸濁液が走行しているワイヤ111上に流れ、ここで脱水により巻紙150が形成される。巻紙150は、次いで、プレスセクション120を通って走行する。プレスセクション120では、代表的にはフェルトで覆われたロール対121を使用することによって巻紙150に圧力が及ぼされ、これにより巻紙150が更に脱水される。次いで巻紙150は乾燥セクション130を通って走行する。乾燥セクション130では、少なくとも一つの、好ましくはそれ以上の加熱された乾燥シリンダ131と接触し、蒸発により水分を除去する。その結果、巻紙150の含水量は3%−10%に達する。最後に、巻紙150をリール141に巻き付ける。
工程(B.2)に従って位置合わせマークを形成するため、例えば模様付きシリンダ112を抄紙機のワイヤセクション110に設けてもよい。模様付きシリンダは、未だ水分の残る巻紙150に圧力を及ぼし、これによって巻紙150の材料を押し退け、透明度が高い模様を形成する。別の態様では、工程(B.2)に従って位置合わせマークを形成するため、例えば一対のロール122がプレスセクション120に設けられていてもよい。これによりロール122の模様を機械的圧力によって巻紙150に転写する。好ましくは、ロール対は、プレスセクションのロールの機械方向での最終ロール対である。
図4は、本発明による例示の巻紙製造プロセスを示す。このプロセスでは、本発明による工程(A)において、未だ何の構造もない巻紙200がリール201に設けられており、これを機械方向208に走行する。工程(B)では、マーキングユニット202によって巻紙200に位置合わせマークが形成される。図示の実施例では、マーキングユニット202はレーザーによって形成される。これにより工程(B.3)で巻紙200がレーザー照射により処理される。マーキングユニット202によって形成された位置合わせマークを検出ユニット205、例えば光学式センサが検出し、装置206によって巻紙200に形成された構造が位置合わせマークから一定距離のところに配置されるように位置合わせ制御を行う。図示の実施例では、装置206は、例えば、印刷装置であってもよく、この印刷装置により、自己消火に役立つバンドが巻紙200に印刷される。ここでは、位置合わせ制御は、ガイドローラー203によって行うことができる。ガイドローラー203は、矢印204の方向に移動可能であり、マーキングユニット202と装置206との間の経路の長さを長くしたり短くしたりすることによって、位置合わせマーク及び構造を互いに対して位置決めする。好ましくは、検出ユニット205は、図4に破線で示すように、装置206の後方にも配置されていてもよい。これは、このような場合には、巻紙200に設けられた位置合わせマーク及び構造の互いに対する位置を直接的に決定でき、これらの相対的位置を制御できるためである。最終工程において、巻紙200をリール207に巻き取る。
図5は、本発明による例示の製造プロセスを示す。このプロセスでは、工程(A)で提供された巻紙には既に構造が形成されている。ここでは、巻紙300はリール301で提供され、機械方向308に走行し、先ず最初に、位置合わせ制御を受ける。位置合わせ制御は、例えば、ロール301とマーキングユニット302(図示の実施例では、この場合もレーザーである)との間の紙匹の長さを長くしたり短くしたりできる、矢印304の方向に移動可能なガイドローラー303によって行われる。その結果、マーキングユニット302によって形成される位置合わせマークが、巻紙300上に存在する構造に対して一定距離に正確に配置される。これによって、マーキングユニットの前方又は後方に配置できる検出ユニット305が、少なくとも構造を検出し、巻紙300上で位置合わせマークと構造との間に一定距離が形成されるように、ガイドロール303の位置に作用する。好ましくは、検出ユニット305は、マーキングユニット302の後方に配置される。これは、この位置で位置合わせマーク並びに構造を検出でき、これらの互いに対する相対的な位置を直接的に決定でき、及びかくして制御できるためである。検出ユニット305がマーキングユニット302の前方に配置された場合には、検出ユニット305とマーキングユニット302との間の距離は、好ましくは、可能な限り小さい。最後に、巻紙300をリール307に巻き取る。
図6は、本発明による製造プロセスの更に別の実施例を示す。工程(A)では、構造が既に設けられた巻紙400がリール401の形態で提供され、巻紙は、プロセスを通して機械方向408に走行する。マーキングユニット402の前方又は後方に配置された検出ユニット405が構造を検出し、マーキングユニット402によって形成された位置合わせマークが巻紙400に設けられた構造に対して一定距離に配置されるようにマーキングユニット402(レーザー)を直接的に制御する。この例示の実施例は、好ましくは、マーキングユニット402による位置合わせマークの形成が巻紙の移動とは別個にトリガーされる場合に使用される。好ましくは、これは、工程(B.3)に従ってレーザーで位置合わせマークを付けることによって可能となる。更に、検出ユニット405は、好ましくは、位置合わせマーク及び構造の互いに対する位置を直接的に決定できるように、及びかくしてこの位置の制御が可能であるように、マーキングユニット402の後方に配置することができる。最後に、巻紙300をリール407に巻き取る。
本発明による方法の第1工程(A)において、表1の性質を持つ4つの異なる巻紙が提供された。パルプ繊維は別として、充填剤としての沈降炭酸カルシウム及びクエン酸3カリウム又はクエン酸3ナトリウム及びクエン酸3カリウムの混合物が燃焼添加剤として使用される。これらの紙は、図3に非常に簡略に概略的に示す従来の長網抄紙機で製造されたものである。
Figure 2020531708
加工工程(B.1)の一例として、各巻紙から幅が106mmのリールが切断され、ダイカット装置で位置合わせマークを形成した。これらの位置合わせマークは、直径が0.5mmの円形の開口部である。幾つかのこのような開口部が、機械方向に対して横方向で互いに隣接して配置されている。縁部から横方向に見た第1開口部の中心は、縁部から13.25mmの距離のところにあり、別の開口部の各々の中心は、横方向で見て、前の開口部の中心から26.5mm離間されている。次いで、リールを切断してボビンにする。これらのボビンの各々の幅は、約8mmのたばこの製造で代表的なように、26.5mmである。これによって、横方向において、開口部は各ボビンの中央に配置される。機械方向での開口部の繰り返し間隔は、たばこの特定の製造プロセスに適合させてある。この特定の実施例では、次いで、たばこロッドの長さが54mmのフィルタ付きたばこが製造される。この目的のため、先ず最初に、たばこロッドを切断し、各々の長さが54mmのピースにする。これらのピースを長さ方向に離間し、これらのピースの各二本間に倍の長さのたばこ用フィルタを追加する。フィルタ及び二本のたばこロッドピースの各々の一部の周囲に倍の幅のチップペーパーを糊付けし、吸い口端で連結された二倍の長さのたばこを製造する。最終工程において、この二倍の長さのたばこを中央で切断する。この製造プロセスにより、機械方向で第1開口部の中心から始めて、開口部の次の中心が5mmの距離のところにあり、次いで、再び第1開口部から始めて一つ置いて次の中心がたばこロッドの長さの二倍と対応する108mmの距離のところにある、機械方向開口部が得られる。
この構成により、開口部はチップペーパーの下に配置され、かくして見えない。更に、これにより、たばこの製造中に開口部が切れることがない。
光バリアによってこれらの開口部を容易に検出でき、たばこへの巻紙の更なる加工に支障がなく、このことは、引っ張り強度の低下がかなり小さいということを示す。
加工工程(B.2)の一例として、幅が0.25mmの横方向連続線を、巻紙の各々にエンボス加工で付ける。巻紙P2は、厚さが大きいため、紙P1、P3、及びP4に対して使用できる力よりも大きい約115N/mmの力を使用できる。紙P1、P3、及びP4では、エンボス加工を行うための線荷重は90N/mm乃至100N/mmである。エンボス加工を行うため、巻紙の質量に対する含水量が5重量%乃至10重量%と比較的高い巻紙を選択する。これは、このような場合に、エンボスがよりはっきりと見え、より容易に検出できるためである。線模様に対する変形例として、ドット模様もまた同様の線荷重でエンボス加工される。
エンボス加工によって付けた位置合わせマーク、線模様、並びにドット模様は、全ての巻紙について裸眼で容易に視認できる。そのため、比較的高い速度で、これらをセンサによって検出することもできるということに疑いはない。
工程(B3.1)工程(B3.2)を含む好ましい実施例の加工工程(B.3)の一例を以下に説明する。
レーザー照射のエネルギ密度を決定するため、先ず最初に、紙の燃焼エンタルピーを推定する。この目的のため、セルロース及びクエン酸の燃焼エンタルピーは表2に従って公知であり、炭酸カルシウムについては、表2は、反応CaCo→CaO+COのエンタルピーを示す。
Figure 2020531708
これらの値から巻紙の完全燃焼エンタルピーを推定できる。これは、全ての成分について、巻紙の単位面積当たりの質量に、質量当たりのエンタルピーを乗じ、合算することによって行われる。表1のクエン酸塩含有量は、クエン酸分としてある。かくして得られた単位面積当たりのエンタルピーを厚さで除す。その結果、表3が得られる。
Figure 2020531708
9.2μm乃至10.9μmの波長の連続したレーザービームを放出する公称出力25WのCOレーザーで紙に位置合わせマークを付けた。レーザーはその公称出力の70%で、即ち17.5Wで作動させた。
マーク模様は、巻紙の横方向で、幅が0.25mmの連続線であり、1m/s乃至7m/sの様々な速度で紙P1、P2、P3、及びP4に形成された。これらの技術的データから、レーザー出力(17.5W)を速度及び線の幅で除した表4の理論的エネルギ密度が算出される。関数y=f(x)=k・xを、kJ・m−2・μm−1での巻紙の単位体積あたりの燃焼エンタルピーと、kJ・m−2でのレーザービームのエネルギ密度yとの間の関係についてのベースとすると、巻紙P1−P4の各々について、様々な速度の各々で比例定数kを算出できる。kについての結果が表4に示してある。
Figure 2020531708
喫煙品の製造についての適正及び喫煙品の風味に及ぼされる影響に関して巻紙を検査した。
全ての実験において、機械方向に走行する巻紙に設けられた位置合わせマークを簡単なセンサで確実に検出するため、位置合わせマークは十分な強度を有する。しかしながら、6m/s及び7m/sのマーク付け速度では、機械方向に高速で走行する巻紙に設けられた位置合わせマークを確実に検出するには強度が不十分である。かくして、kは、−1μmの値を越えてはならず、好ましくは、−2μmよりも小さくなければならない。
他方、エネルギ密度は、巻紙に孔が開くことがないのに十分に低い。そのため、マーク付けの結果のみに基づいて、kの値を−12μmよりもかなり小さくすることもできる。
風味に及ぼされる影響を調査するため、機械方向に対して横方向の幾つかの連続線を、巻紙に6mm幅のバンドの形態で互いに近接して形成し、これからフィルタ付きたばこを製造した。これらの線は、互いに近接して配置されることにより、たばこの周方向に6mm幅のバンドを形成する。たばこを一服ふかす最中に、赤熱した円錐部が、処理がなされていない巻紙からバンドの領域に移動する場合、喫煙中に風味の可知差異(perceptible difference)が生じるか否か調査を行った。1m/sの速度で製造された、即ちkの値が約−11μmの巻紙を含む全ての喫煙品について、風味に悪影響が及ぼされたことが知覚できたが、他の喫煙品には影響が及ぼされなかった。
かくして、これは、kの値が、好ましくは、−8μm以下であってはならず、好ましくは−7μm以下であってはならず、特に好ましくは−6.5μm以下であってはならないということを意味する。位置合わせマークの検出可能性のため、kの値は、好ましくは−1μmよりも大きくてはならず、特に好ましくは−2μmよりも大きくてはならず、更に特に好ましくは−2.5μmよりも大きくてはならない。位置合わせマークの視認性及び喫煙品の風味に関し、2m/s乃至3m/sのマーク付け速度、即ち−5.0μm乃至−4.0μmのkの値から最良の結果が得られた。
勿論、通気性、透明度、又は輝度等の別の紙パラメータを含むことにより、関数y=f(x)を更に微調整できる。
対応するセンサ及び位置合わせ制御を持つ印刷機では、本発明による方法の工程(C)で提供されるように、機械方向で位置合わせマークに対して一定距離に位置決めされた構造を巻紙に形成できるということを確認するロゴが巻紙に印刷される。巻紙の機械的性質、特に引っ張り強度がレーザーによるマーク付けでほとんど変化しなかったため、これは、予想通り問題なく行うことができた。
1 巻紙
位置合わせマーク
3 機械方向
4 横方向
5 横方向最外境界
7 構造
8 一定距離

Claims (38)

  1. 喫煙品用巻紙に位置合わせマークをつけるための方法において、
    (A)パルプ繊維を含む喫煙品用巻紙を提供する工程と、
    (B)少なくとも以下の1つの工程によって巻紙にマークを形成する工程とを含み、
    (B・1)巻紙から材料を除去する工程、
    (B・2)及び巻紙を機械的に加工する工程、
    (B・3)巻紙の表面をJ・m−2での所定のエネルギ密度y(y=k・xが成立する)のレーザー照射で処理する工程、
    ここで、xはJ・m−2・μm−1での巻紙の体積当たりの燃焼エンタルピーであり、
    kは、少なくとも−8μmであり、好ましくは少なくとも−7μmであり、特に好ましくは少なくとも−6.5μmであり、
    kは、最大−1μmであり、好ましくは最大−2μmであり、更に特に好ましくは最大−2.5μmであり、
    工程(C)において、各構造が少なくとも一つのマークに対して機械方向で一定距離に配置されるように巻紙に繰り返し構造を形成するか或いは、工程(A)において、機械方向で繰り返し構造を持つ巻紙を提供するかのいずれかを行い、工程(B)において、各マークが少なくとも一つの構造に対して機械方向で一定距離に配置されるように巻紙に位置合わせマークを形成する、方法。
  2. −5.0μm≦k≦4.0μmが成立する、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(B・1)、(B・2)、及び(B・3)の各々について、たとえ工程(A)で巻紙に既に存在する物質、又は巻紙から製造された喫煙品の喫煙中に発生する物質しか巻紙に追加されない場合でも成立する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記パルプ繊維は、全体又は一部が木材パルプで形成されており、好ましくは長繊維パルプから、特にトウヒ、松、又はカラマツから、又は短繊維パルプから、特にカバノキ、ブナ、又はユーカリ、又はこれらの混合物から形成されている、請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記パルプ繊維は、一部又は全体が、亜麻、麻、サイザル、ジュート、マニラ麻、綿、アフリカハネガヤ又はこれらの混合物であり、及び/又は巻紙は、再生セルロース、特にリヨセル繊維、ビスコース繊維、又はモーダル繊維からのパルプ繊維を含有する、請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の方法。
  6. 工程(A)において、パルプ繊維を、巻紙の全質量に対し、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、特に好ましくは少なくとも70重量%含有し、最大100重量%、好ましくは最大80重量%含有する巻紙が提供される、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程(A)において、充填材を含有する巻紙が提供され、前記充填材は、好ましくは、酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、又は珪酸塩、又はこれらの混合物である、請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記充填材は、全体又は一部が、炭酸カルシウム、特に沈降炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化物マグネシウム、水酸化物アルミニウム、二酸化チタン、タルク、及びカオリン、又はこれらの混合物によって形成されており、及び/又は前記充填材の少なくとも一部は、レーザー照射の作用で色彩が不可逆的に変化する種類の充填材である、請求項7に記載の方法。
  9. 工程(A)において、巻紙の全質量に関して充填材を少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%、及び最大50重量%、好ましくは最大40重量%、及び特に好ましくは最大35重量%の量で含有する巻紙が提供される、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 工程(A)において、好ましくは、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、硝酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、サリチル酸塩、α−ヒドロキシカプリル酸塩、リン酸塩、塩化物、及び炭酸水素塩及びその混合物からなる群から選択された、特に好ましくは、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、及びその混合物からなる群から選択された少なくとも一つの燃焼添加剤を含有する巻紙が提供される、請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程(A)において、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、ホウ酸、及びその混合物からなる群から選択された燃焼抑制剤を含有する巻紙が提供される、請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の方法。
  12. 工程(A)で提供された巻紙の燃焼添加剤の、巻紙の全質量に関する含水量は、少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも0.7重量%、特に好ましくは少なくとも1.0重量%、及び/又は最大7.0重量%、好ましくは最大5.0重量%及び特に好ましくは最大3.0重量%である、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 工程(A)で提供された巻紙の秤量は、10g/m乃至100g/mであり、好ましくは、20g/m乃至50g/mであり、特に好ましくは25g/m乃至35g/mである、請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の方法。
  14. 工程(A)で提供された巻紙の厚さは、15μm乃至100μmであり、好ましくは30μm乃至60μmであり、特に好ましくは40μm乃至50μmである、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記繰り返し構造は、
    巻紙から製造された喫煙品上の一定の位置に現れていなければならない、印刷、エンボス加工、又はダイカットで巻紙に形成された構造、
    透かし模様、ワイヤマーク、又は境界線、
    巻紙から製造された喫煙品の自己消炎性に役立つ、巻紙に印刷されたバンド、
    喫煙品を通って流れるエアロゾルを希釈するのに役立つミシン目線、
    巻紙の組成の機械方向での規則的な局所的変化、特に燃焼添加剤の含有量に関する局所的変化のうちの一つ又はそれ以上によって形成されている、請求項1乃至14のうちのいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記繰り返し構造は、工程(A)の前に形成されるか或いは、工程(A)で、印刷、エンボス加工、ミシン目加工、ダイカット、浸漬、含浸、コーティング又はスプレー、又はこれらの組み合わせのうちの一つ又はそれ以上の工程を含むプロセスで形成される、請求項1乃至15のうちのいずれか一項に記載の方法。
  17. 工程(B・1)で巻紙に少なくとも一つの開口部が、特にダイカット、ミシン目加工、又は切断によって形成される、請求項1乃至16のうちのいずれか一項に記載の方法。
  18. ミシン目加工又は切断を行う場合、機械的ミシン目加工工具又は切断工具、又はレーザー、好ましくはCOレーザーが使用される、請求項17に記載の方法。
  19. 工程(B・1)において、特に研削又はスクラッチングによって巻紙の表面から材料を除去し、巻紙のこの領域の透明度を高めるが、開口部を形成しない、請求項1乃至16のうちのいずれか一項に記載の方法。
  20. 工程(B・1)において、横方向最外境界の曲率半径が少なくとも0.1mm、好ましくは少なくとも0.2mm、特に好ましくは少なくとも0.5mmのマークを形成する、請求項1乃至19のうちのいずれか一項に記載の方法。
  21. 工程(B・2)において、巻紙の透明度が局所的に高くなるように巻紙にエンボス加工を施すか或いは圧縮する、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に記載の方法。
  22. 巻紙のエンボス加工又は圧縮は、対応する模様が設けられた二つのロール間で機械的圧力を及ぼすことにより巻紙にマークを形成する工程を含む、請求項21に記載の方法。
  23. マークを形成するため、70N/mm乃至130N/mm、好ましくは80N/mm乃至120N/mm、特に好ましくは90N/mm乃至115N/mmの線負荷で巻紙をエンボス加工する、請求項21又は22に記載の方法。
  24. エンボス加工は、巻紙の質量に関する含水量が5重量%乃至10重量%、好ましくは7重量%乃至9重量%の紙で実行される、請求項21、22、又は23に記載の方法。
  25. 工程(B・2)において、未だ未完成の巻紙を、抄紙機プレスセクションで又はワイヤ上で、特に対応する模様が設けられたシリンダによって局所的に圧縮し、巻紙の製造中にマークを形成する、請求項21に記載の方法。
  26. 工程(B・3)は、
    (B3・1)巻紙の体積あたりの燃焼エンタルピーに基づいてレーザー照射のエネルギ密度を選択する工程、及び
    (B3・2)規則的に繰り返すマークが巻紙に機械方向で形成されるように、工程(B3・1)で選択されたエネルギ密度のレーザー照射を使用することによって巻紙にマークを付ける工程を含む、請求項1乃至25のうちのいずれか一項に記載の方法。
  27. 熱量計、特に反応熱量計で計測することによって巻紙の燃焼エンタルピーを決定し、又は
    巻紙の成分の種類及び量に関する情報及び個々の成分の燃焼エンタルピーに関する情報に基づいて巻紙の燃焼エンタルピーを計算し又は推定する、請求項26に記載の方法。
  28. 工程(B・3)で使用したレーザー照射の波長は少なくとも8μm、最大12μmであり、好ましくは約10.6μmであり、レーザー照射は好ましくはCOレーザーによって発生される、請求項1乃至27のうちのいずれか一項に記載の方法。
  29. 加工工程(B・2)又は(B・3)の一方で、少なくとも機械方向とほぼ直交する方向に延びる連続線又は不連続線形状のマークが形成される、請求項1乃至28のうちのいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記マークの機械方向長さは、少なくとも0.01mmである、好ましくは少なくとも0.10mmであり、より好ましくは少なくとも0.20mmであり、前記マークの機械方向長さは、最大5.00mmであり、好ましくは最大3.00mmであり、特に好ましくは最大1.00mmである、請求項1乃至29のうちのいずれか一項に記載の方法。
  31. 工程(B・2)又は(B・3)の一方で形成された機械方向と直交したマークの長さは、少なくとも0.2mmであり、好ましくは少なくとも0.5mmであり、特に好ましくは少なくとも1.0mmである、請求項1乃至30のうちのいずれか一項に記載の方法。
  32. 工程(B・1)で形成されたマークの長さ、特に巻紙の開口部によって形成されたマークの長さは、少なくとも0.2mmであり、好ましくは少なくとも0.5mmであり、特に好ましくは少なくとも1.0mmであり、最大5.00mmであり、好ましくは最大4.00mmであり、特に好ましくは最大3.00mmである、請求項1乃至31のうちのいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記マークは巻紙の広幅リール上で形成され、このリールは、次いで、狭幅リールに切り分けられ、前記マークは、機械方向と直交して見た方向で狭幅リールの各々に少なくとも一つのマークがあるように巻紙に配置され、機械方向と直交した方向でのマークの長さは、好ましくは、狭幅リールの幅の最大1/3であり、特に好ましくは最大1/5であり、更に特に好ましくは最大1/10であり、および/又は前記マークは、切断されないように、従って狭幅リールの縁部に配置されないように配置され、切断プロセスが制御される、請求項1乃至32のうちのいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記マークは、巻紙から製造された喫煙品の外側にある巻紙の側に形成され、巻紙のこの側は、好ましくは、抄紙機での巻紙の製造中にワイヤに面する側である、請求項1乃至33のうちのいずれか一項に記載の方法。
  35. 巻紙に設けられた構造に対するマークの位置は、巻紙から製造された喫煙品の通常使用中にマークが見えないように選択される、請求項1乃至34のうちのいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記喫煙品は、フィルタ付きたばこによって形成され、前記マークは、チップペーパーが喫煙材のロッドと重なることにより巻紙に設けられたマークを覆うフィルタ付きたばこ上の領域にあるように巻紙に位置決めされる、請求項35に記載の方法。
  37. 工程(A)において、先ず最初に、巻紙を従来の抄紙機で製造して巻き取り、別の装置で巻紙を解し、工程(B)において、マークを巻紙に形成し、これによってマークが付けられた巻紙を巻き取り、次いで、工程(C)において、マークを付けた巻紙に、別の装置で、特に印刷機又はコーティング機で、構造が付与される、請求項1乃至36のうちのいずれか一項に記載の方法。
  38. 工程(B)及び(C)は、同じ装置で行われ、特に同じ印刷機又はコーティング機で行われ、
    前記装置は、工程(B)を行うマーキングユニットを含み、工程(C)に従って構造を付与する装置を含み、
    付けられるべきマーク及び構造の位置は、センサによって検出されたマークを使用する位置合わせ制御によって互いに同期される、請求項1乃至37のうちのいずれか一項に記載の方法。
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