図1Aから1Cは、G1−MおよびG2−Mのための合成プロトコールの開発の本研究および過去の研究の概要を示している。(図1A)先に報告されたG1−Mの合成。Macromolecules, 2010, 43, 10326.(図1B)G2−Mの合成。(図1C)G1−MおよびG2−Mの合成概要。
図2は、数100グラムの生成物をもたらすG2−Mの例示的な大スケール合成を示している。
図3は、ブラシファースト開環メタセシス重合(BF−ROMP)によるBASP形成のためのG2−PTX−MMおよびG2−TEG−MMの合成を示している。
図4Aから4Cは次を示す:(図4A)BASP−NPの作出のためのBF−ROMPプロセスの概略図。(図4B)それらのG1−MMカウンターパートと比較したG2−MMの反応混合物のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)トレース。*は残存する未変換のブラシを印し、**は残存するMMを印す。(図4C)それらのG1に基づくBASP−NPカウンターパートと比較したG2に基づくBASP−NPの透過電子顕微鏡法(TEM)画像。
図5Aから5Cは次を示す。(図5A)BBCPの合成および自己集合の概略図。(図5B)BMMの反応混合物のGPCトレース。(図5C)BMMから調製されたBBCPの小角X線散乱(SAXS)プロファイル。
図6はCDCl3中のG2−b1の1H−NMRスペクトルを示している。
図7はCDCl3中のG2−b1の13C−NMRスペクトルを示している。
図8はCDCl3中のG2−b2の1H−NMRスペクトルを示している。
図9はCDCl3中のG2−b2の13C−NMRスペクトルを示している。
図10はCDCl3中のG2−Nb−イン−OtBuの1H−NMRスペクトルを示している。
図11はCDCl3中のG2−Nb−イン−OtBuの13C−NMRスペクトルを示している。
図12はCDCl3中のG2−Nb−イン−酸の1H−NMRスペクトルを示している。
図13はCDCl3中のG2−Nb−イン−酸の13C−NMRスペクトルを示している。
図14はCDCl3中のG2−Nb−イン−NHSの1H−NMRスペクトルを示している。
図15はCDCl3中のG2−Nb−イン−NHSの13C−NMRスペクトルを示している。
図16はCDCl3中のG2−Nb−イン−プロパノールの1H−NMRスペクトルを示している。
図17はCDCl3中のG2−Nb−イン−プロパノールの13C−NMRスペクトルを示している。
図18はCDCl3中のG2−Nb−イン−PEGの1H−NMRスペクトルを示している。
図19はG2−Nb−イン−PEGのMALDIスペクトルを示している。C157H300N3O72: Calculated m/z = 3380.24; Found: 3379.088 [M + H]+. C157H302N3O73: Calculated m/z = 3398.25; Found: 3398.299 [M +H3O]+.
図20はCDCl3中のPTX−アジドの1H−NMRスペクトルを示している。
図21はCDCl3中のPTX−アジドの13C−NMRスペクトルを示している。
図22はCDCl3中のG2−TEG−PEGの1H−NMRスペクトルを示している。
図23はG2−TEG−PEGのMALDIスペクトルを示している。C165H317N6O76. Calculated m/z = 3599.36; Found: 3599.036 [M + H]+. C165H319N6O77. Calculated m/z = 3616.35; Found: 3614.584 [M + H3O]+.
図24はCDCl3中のG2−PTX−MMの1H−NMRスペクトルを示している。
図25はG2−PTX−MMのMALDIスペクトルを示している。C210H359N7O89: Calculated m/z = 4404.385 [M + H]+; Found: 4404.133 [M + H]+. Calculated m/z = 4426.367 [M + Na]+; Found: 446.691 [M + Na]+.
図26はCDCl3中のG1−TEG−MMの1H−NMRスペクトルを示している。
図27はG1−TEG−MMのMALDIスペクトルを示している。C164H314N6O75: Calculated m/z = 3591.082 [M + Na]+; Found: 3589.634 [M+Na]+. Calculated m/z = 3569.100 [M+H]+; Found: 3567.984 [M+H]+.
図28はCDCl3中のG1−PTX−MMの1H−NMRスペクトルを示している。
図29はG1−PTX−MMのMALDIスペクトルを示している。C211H361N7O89: Calculated m/z = 4448.3926 [M + H2O + Na]+; Found: 4448.309 [M + H2O + Na]+.
図30はCDCl3中のG2−Nb−PS−プロパノールの1H−NMRスペクトルを示している。
図31はCDCl3中のG2−Nb−PS−br−PLAの1H−NMRスペクトルを示している。
図32はG2−Nb−PS−分枝−PLAのGPCトレースを示している。
図33は、同じ世代のMMの混合物から調製されたリビングボトルブラシによる、それらのG1−MMカウンターパートと比較したG2−MMのBASP形成反応混合物のGPCトレースを示している。*は残存する未変換のブラシを印し、**は残存するMMを印す。
図34は、BASPプラットフォームを最適化するための、マクロモノマーあたり1つのクリック部位およびアジドあたり1つの薬物などの最適なMM比の概略図を示している(Liao, L.; Liu, J.; Dreaden, E. C.; Morton, S. W.; Shopsowitz, K. E.; Hammond, P. T; Johnson, J. A. JACS 2014, 136, 5896およびBarnes, J. C; Bruno, P. M.; Nguyen, H. V.-T.; Liao, L.; Liu, J.; Hemann, M. T.; Johnson, J. A. JACS, 2016, 138, 12494)。
図35は、図1Bに概説されている合成戦略によって可能になるマルチアルキンMMの合成を示している。
図36はNb−インII−MMのMALDIスペクトルを示している。
図37Aから37BはNb−インIII−MMのMALDIスペクトルを示している。(図37A)Nb−インIII−MMの完全なMALDIスペクトル。(図37B)Nb−インIII−MMのクローズアップのMALDIスペクトル。
図38はchexII−MMからのChexII−BASPの合成およびchexIII−MMからのChexIII−BASPの合成を示している。
図39はchexII−MMのMALDIスペクトルを示している。
図40はchexIII−MMのMALDIスペクトルを示している。
図41はChexII−BASPのGPCトレースを示している。
図42はChexIII−BASPのGPCトレースを示している。
図43は、アルキンあたりスピロシクロヘキシルニトロキシド薬剤の3倍の搭載を達成することができるアジド(ChexW−N3)の合成を示している。アジドのMALDIスペクトルもまた提供されている。
図44はBASPのChexWIの合成とchexW−MM(ChexWIの合成の第1ステップから形成される生成物)のMALDIスペクトルとを示している。
図45はChexWIのGPCトレースを示している。
図46は3つのパクリタキセル部分を含有するアジド(PTX−アミド−N3)の合成を示している。
図47はPTXIII−アミド−MMのMALDIスペクトルを示している。
図48はF−TELII−MMの構造を示している。これは次のBASPを合成するために用いられる:TELII7AcXL10、TELIIAcXL20、およびTELII7AcXL30。TELII7AcXL10、TELIIAcXL20、およびTELII7AcXL30のGPCトレースが提供されている。
図49はF−TELII−MMのMALDIスペクトルを示している。
図50はF−TELIII−N3の合成を示している。
図51はTel3−N3の合成を示している。
図52はF−TELIII−N3のMALDIスペクトルを示している。
図53はTELWI−MM(n=65)の構造およびMALDIスペクトルを示しており、これはF−TELIII−N3を用いて合成される。
図54はTel3MM(n=62)の構造およびMALDIスペクトルを示しており、これはTel3−N3から合成される。
図55はTELWI−MM、TELWI10、TELWI20、およびTELWI40−4hのGPCトレースを示している。TELWI10ではDH=15.8nm、TELWI20ではDH=16.4nm。
図56はTELWI−MMおよびTELWI7AcXL20のGPCトレースを示している。
図57は、37%薬物搭載による、Tel3−N3およびG2−イン−イン−イン−PEGからのG2−イン3−Tel3−MMの合成を示している。
図58はG2−イン3−Tel3−MMのMALDIスペクトルを示している。
図59はTel3MMおよびTel3Cy7.5−ブラシ10のGPCトレースを示している。
図60はTel3−N3の構造、精密質量、および分子量を示している。
図61はTel3−N3のMALDIスペクトルを示している。
図62はTel3MMの構造を示している。
図63はTel3MMのMALDIスペクトルを示している。
図64はCDCl3中のG2−Nb−イン2−OtBuの1H−NMRスペクトルを示している。
図65はCDCl3中のG2−Nb−イン2−OtBuの13C−NMRスペクトルを示している。
図66はCDCl3中のG2−Nb−イン2−NHSの1H−NMRスペクトルを示している。
図67はCDCl3中のG2−Nb−イン2−NHSの13C−NMRスペクトルを示している。
図68はCDCl3中のG2−Nb−イン3−OtBuの1H−NMRスペクトルを示している。*は微量の溶媒不純物を印す。
図69はCDCl3中のG2−Nb−イン3−OtBuの13C−NMRスペクトルを示している。
図70はCDCl3中のG2−Nb−イン3−NHSの1H−NMRスペクトルを示している。*は微量の溶媒不純物を印す。
図71はCDCl3中のG2−Nb−イン3−NHSの13C−NMRスペクトルを示している。
図72はCDCl3中のG2−Nb−イン2−PEGの1H−NMRスペクトルを示している。
図73はG2−Nb−イン2−PEGのMALDIスペクトルを示している。C163H306N4O73K calcd m/z = 3527.24; Found: 3528.928 [M + K]+. C163H306N4O73: calcd m/z = 3545.25; Found: 3545.544 [M + H2O + K]+.
図74はCDCl3中のG2−Nb−イン3−PEGの1H−NMRスペクトルを示している。
図75はG2−Nb−イン3−PEGのMALDIスペクトルを示している。C169H314N5O74: calcd m/z = 3598.34; Found: 3598.104 [M + H]+. C169H316N5O75: calcd m/z = 3616.35; Found: 3615.795 [M + H3O]+.
図76はG1−TEG−40およびG2−TEG−40のGPCトレースを示している。*は残存するMMを指示している。MMからBPの変換は全ての重合で≧90%であることが決定された。
図77はCDCl3中のG2−TEG2−PEGの1H−NMRスペクトルを示している。
図78はG2−TEG2−PEGのMALDIスペクトルを示している。C179H341N10O81: calcd m/z = 3927.53; Found: 3925.116 [M + H]+. C179H343N10O82: calcd m/z = 3945.54; Found: 3945.016 [M + H3O]+.
図79はCDCl3中のG2−TEG3−PEGの1H−NMRスペクトルを示している。
図80はG2−TEG3−PEGのMALDIスペクトルを示している。C193H364N14O86Li calcd m/z = 4261.71; Found: 4261.143 [M + Li]+. C194H369N14O87: calcd m/z = 4287.73; Found: 4286.392 [M + MeOH + H]+.
図81Aから81Dは、G2−chex−MM、G2−chex2−MM、およびG2−chex3−MMのEPRスペクトルの数値分析を示している。(図81A)G2−chex−MMのEPRスペクトルの数値分析。(図81B)G2−chex2−MMのEPRスペクトルの数値分析。(図81C)G2−chex3−MMのEPRスペクトルの数値分析。(図81D)G2−chex−MM、G2−chex2−MM、およびG2−chex3−MMについてのシミュレーションから取得された該当のデータ。
図82はG2−chex−MMのMALDIスペクトルを示している。C175H330N8O74: calcd m/z = 3728.48; Found: 3729.711 [M + H]+. C175H332N8O75: calcd m/z = 3746.49; Found: 3747.129 [M + H3O]+.
図83はG2−chex2−MMのMALDIスペクトルを示している。C199H366N14O77: calcd m/z = 4191.78; Found: 4190.456 [M + Li]+. C199H366N14O77: calcd m/z = 4217.8; Found: 4215.330 [M + MeOH + H]+.
図84はG2−chex3−MMのMALDIスペクトルを示している。C223H404N20O80: calcd m/z = 4643.06; Found: 4643.578 [M + H]+. C223H403N20O80Na: calcd m/z = 4665.0; Found: 4663.612 [M + Na]+.
図85Aから85Dは次を示す:(図85A)グラフトスルーROMPによるBBCP形成のためのBMMの形成。(図85B)BBCPの合成および自己集合の概略図。(図85C)BMMの反応混合物のGPCトレース。(図85D)BMMから調製されるBBCPのSAXSプロファイル。
図86はMMM(マルチクリックマクロモノマー)前駆体の合成を示す。
図87Aから87Bは次を示す:(図87A)MMMの合成。(図87B)MMMのグラフトスルーROMP概略図。
図88Aから88Cは次を示す:(図88A)G2−Nb−TEGn−PEGのキャラクタリゼーション。(図88B)DP=40におけるG2−Nb−TEGn−PEGのGPC。(図88C)様々なDPにおけるG2−Nb−TEG3−PEGのGPC。MMからBPの変換は全てのケースで≧90%であることが決定された。
図89Aから89Eは次を示す:(図89A)G2−Nb−chexn−PEGの化学構造。G2−chex−MM:C175H330N8O74: calcd m/z = 3728.48; Found: 3729.711 [M + H]+. G2−chex2−MM:C199H366N14O77: calcd m/z = 4191.78; Found: 4190.456 [M + Li]+. G2−chex3−MM:C223H404N20O80: calcd m/z = 4643.06; Found: 4643.578 [M + H]+. (図89B)G2−Nb−chexn−PEGの正規化されたEPR。G2−chex−MM、G2−chex2−MM、およびG2−chex3−MM(図89C)G2−Nb−chexn−PEGのMALDIキャラクタリゼーション。G2−chex−MM、G2−chex2−MM、およびG2−chex3−MM。(図89D)DP=40におけるG2−Nb−chexn−PEGのGPC。(図89E)様々なDPにおけるG2−Nb−chex3−PEGのGPC。
定義
便宜上、本願において、明細書、例、および添付の請求項において使用されるある種の用語が本願に取りまとめられている。
文脈によって別様に要求されない限り、単数の用語は複数を包含するものとし、複数の用語は単数を包含するものとする。
次の定義は本願において用いられるより一般的な用語である:
文脈が明瞭に別様に指示していない限り、単数の用語「a」、「an」、および「the」は複数の参照を包含する。類似に、文脈が明瞭に別様に指示していない限り、単語「または」は「および」を包含することを意図される。
例、または別様に指示されているところ以外では、本願において用いられる成分または反応条件の数量を表現する全ての数は、全てのものが用語「約」によって修飾されると理解されるべきである。「約」および「およそ」は、測定の性質または精度から考えて、一般的に、測定される数量にとって受容可能な誤差の度合いを意味するものとする。例示的な誤差の度合いは、所与の値または値の範囲の20パーセント(%)以内、典型的には10%以内、またはより典型的には5%、4%、3%、2%、もしくは1%以内である。
具体的な官能基および化学用語の定義が下により詳細に記載される。化学元素は元素周期表CAS版,Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.見返しに従って同定され、一般的に、具体的な官能基はそこに記載される通りに定義される。加えて、有機化学の一般的原理ならびに具体的な官能性部分および反応性は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March March's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;ならびにCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
本願に記載される化合物は1つ以上の不斉中心を包含し得、それゆえに種々の立体異性体形態で存在し得、例えばエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーである。例えば、本願に記載される化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体の形態であり得るか、または立体異性体の混合物の形態であり得、ラセミ混合物および1つ以上の立体異性体が濃縮された混合物を包含する。異性体は当業者に公知の方法によって混合物から単離され得、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を包含する;または、好ましい異性体は不斉合成によって調製され得る。例えばJacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);およびWilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を見よ。本開示は、加えて、実質的に他の異性体を不含の個々の異性体としての、代替的には種々の異性体の混合物としての、化合物を包摂する。
値の範囲が列記されているときには、それは範囲内の各値および部分範囲を包摂することを意図される。例えば、「C1−C6アルキル」はC1、C2、C3、C4、C5、C6、C1−C6、C1−C5、C1−C4、C1−C3、C1−C2、C2−C6、C2−C5、C2−C4、C2−C3、C3−C6、C3−C5、C3−C4、C4−C6、C4−C5、およびC5−C6アルキルを包摂することを意図される。
用語「アルキル」は直鎖または分枝の飽和炭化水素基のラジカルを言う。いくつかの態様において、アルキル基は、1から1000個の炭素原子(「C1−C1000アルキル」)、1から900個の炭素原子(「C1−C900アルキル」)、1から800個の炭素原子(「C1−C800アルキル」)、1から700個の炭素原子(「C1−C700アルキル」)、1から600個の炭素原子(「C1−C600アルキル」)、1から500個の炭素原子(「C1−C500アルキル」)、1から400個の炭素原子(「C1−C400アルキル」)、1から300個の炭素原子(「C1−C300アルキル」)、1から200個の炭素原子(「C1−C200アルキル」)、1から100個の炭素原子(「C1−C100アルキル」)を有する。いくつかの態様において、アルキル基は、1から10個の炭素原子(「C1−C10アルキル」)、1から9つの炭素原子(「C1−C9アルキル」)、1から8つの炭素原子(「C1−C8アルキル」)、1から7つの炭素原子(「C1−C7アルキル」)、1から6つの炭素原子(「C1−C6アルキル」)、1から5つの炭素原子(「C1−C5アルキル」)、1から4つの炭素原子(「C1−C4アルキル」)、1から3つの炭素原子(「C1−C3アルキル」)、1から2つの炭素原子(「C1−C2アルキル」)、または1つの炭素原子(「C1アルキル」)を有する。C1−C6アルキル基の例はメチル(C1)、エチル(C2)、n−プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n−ブチル(C4)、tert−ブチル(C4)、sec−ブチル(C4)、イソブチル(C4)、n−ペンチル(C5)、3−ペンタニル(C5)、アミル(C5)、ネオペンチル(C5)、3−メチル−2−ブタニル(C5)、第三級アミル(C5)、およびn−ヘキシル(C6)を包含する。アルキル基の追加の例はn−ヘプチル(C7)、n−オクチル(C8)、および同類を包含する。別様に定められていない限り、アルキル基のそれぞれのものは、独立して、無置換であるか(「無置換アルキル」)、または1つ以上の置換基によって置換される(「置換アルキル」)。
用語「アルケニル」は、2から1000個の炭素原子と1つ以上の炭素−炭素二重結合(例えば、1、2、3、または4つの二重結合)とを有する直鎖または分枝の炭化水素基のラジカルを言う。いくつかの態様において、アルケニル基は、2から1000個の炭素原子(「C2−C1000アルケニル」)、2から900個の炭素原子(「C2−C900アルケニル」)、2から800個の炭素原子(「C2−C800アルケニル」)、2から700個の炭素原子(「C2−C700アルケニル」)、2から600個の炭素原子(「C2−C600アルケニル」)、2から500個の炭素原子(「C2−C500アルケニル」)、2から400個の炭素原子(「C2−C400アルケニル」)、2から300個の炭素原子(「C2−C300アルケニル」)、2から200個の炭素原子(「C2−C200アルケニル」)、2から100個の炭素原子(「C2−C100アルケニル」)を有する。いくつかの態様において、アルケニル基は2から9つの炭素原子を有する(「C2−9アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2から8つの炭素原子を有する(「C2−8アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2から7つの炭素原子を有する(「C2−7アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2から6つの炭素原子を有する(「C2−6アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2から5つの炭素原子を有する(「C2−5アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2から4つの炭素原子を有する(「C2−4アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2から3つの炭素原子を有する(「C2−3アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2つの炭素原子を有する(「C2アルケニル」)。1つ以上の炭素−炭素二重結合は、内部(例えば2−ブテニル中)または末端(例えば1−ブテニル中)であり得る。C2−4アルケニル基の例は、エテニル(C2)、1−プロペニル(C3)、2−プロペニル(C3)、1−ブテニル(C4)、2−ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)、および同類を包含する。C2−6アルケニル基の例は、前述のC2−4アルケニル基ならびにペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)、および同類を包含する。別様に定められていない限り、アルケニル基のそれぞれのものは独立して無置換であるか(「無置換アルケニル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換アルケニル」)。アルケニル基において、立体化学が定められていないC=C二重結合(例えば、−CH=CHCH3、
または
)は(E)または(Z)立体配置であり得る。
用語「アルキニル」は、2から1000個の炭素原子と1つ以上の炭素−炭素三重結合(例えば、1、2、3、または4つの三重結合)とを有する直鎖または分枝炭化水素基のラジカルを言う。いくつかの態様において、アルキニル基は、2から1000個の炭素原子(「C2−C1000アルキニル」)、2から900個の炭素原子(「C2−C900アルキニル」)、2から800個の炭素原子(「C2−C800アルキニル」)、2から700個の炭素原子(「C2−C700アルキニル」)、2から600個の炭素原子(「C2−C600アルキニル」)、2から500個の炭素原子(「C2−C500アルキニル」)、2から400個の炭素原子(「C2−C400アルキニル」)、2から300個の炭素原子(「C2−C300アルキニル」)、2から200個の炭素原子(「C2−C200アルキニル」)、2から100個の炭素原子(「C2−C100アルキニル」)を有する。いくつかの態様において、アルキニル基は、2から9つの炭素原子(「C2−9アルキニル」)、2から8つの炭素原子(「C2−8アルキニル」)、2から7つの炭素原子(「C2−7アルキニル」)、2から6つの炭素原子(「C2−6アルキニル」)、2から5つの炭素原子(「C2−5アルキニル」)、2から4つの炭素原子(「C2−4アルキニル」)、2から3つの炭素原子(「C2−3アルキニル」)、または2つの炭素原子(「C2アルキニル」)を有する。1つ以上の炭素−炭素三重結合は内部(例えば2−ブチニル中)または末端(例えば1−ブチニル中)であり得る。C2−4アルキニル基の例は、限定なしに、エチニル(C2)、1−プロピニル(C3)、2−プロピニル(C3)、1−ブチニル(C4)、2−ブチニル(C4)、および同類を包含する。C2−6アルキニル(alkenyl)基の例は、前述のC2−4アルキニル基ならびにペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)、および同類を包含する。別様に定められていない限り、アルキニル基のそれぞれのものは独立して無置換であるか(「無置換アルキニル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換アルキニル」)。
用語「ヘテロアルキル」は、酸素、窒素、リン、または硫黄から選択される少なくとも1つのへテロ原子(例えば、1、2、3、または4つのヘテロ原子)を、親鎖中に(すなわち、その隣り合う炭素原子間に挿入されて)および/またはその1つ以上の末端位置(単数もしくは複数)に置かれてさらに包含する、アルキル基を言う。ある種の態様において、ヘテロアルキル基は、1から1000個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C1000ヘテロアルキル」)、1から900個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C900ヘテロアルキル」)、1から800個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C800ヘテロアルキル」)、1から700個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C700ヘテロアルキル」)、1から600個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C600ヘテロアルキル」)、1から500個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C500ヘテロアルキル」)、1から400個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C400ヘテロアルキル」)、1から300個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C300ヘテロアルキル」)、1から200個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C200ヘテロアルキル」)、または1から100個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C100ヘテロアルキル」)有する飽和基を言う。ある種の態様において、ヘテロアルキル基は、1から10個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C10ヘテロアルキル」)、1から9つの炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C9ヘテロアルキル」)、1から8つの炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C8ヘテロアルキル」)、1から7つの炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C7ヘテロアルキル」)、1から6つの炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C6ヘテロアルキル」)、1から5つの炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C5ヘテロアルキル」)、1から4つの炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C4ヘテロアルキル」)、1から3つの炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C3ヘテロアルキル」)、1から2つの炭素原子と1つのヘテロ原子とを親鎖中に(「C1−C2ヘテロアルキル」)、または1つの炭素原子と1つのヘテロ原子とを(「C1ヘテロアルキル」)有する飽和基を言う。別様に定められていない限り、ヘテロアルキル基のそれぞれのものは独立して無置換であるか(「無置換ヘテロアルキル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロアルキル」)。
用語「ヘテロアルケニル」は、酸素、窒素、または硫黄から選択される少なくとも1つのへテロ原子(例えば、1、2、3、または4つのヘテロ原子)を、親鎖中に(すなわち、その隣り合う炭素原子間に挿入されて)および/またはその1つ以上の末端位置(単数もしくは複数)に置かれてさらに包含する、アルケニル基を言う。ある種の態様において、ヘテロアルケニル基は、1から1000個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C1000アルケニル」)、1から900個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C900アルケニル」)、1から800個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C800アルケニル」)、1から700個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C700アルケニル」)、1から600個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C600アルケニル」)、1から500個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C500アルケニル」)、1から400個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C400アルケニル」)、1から300個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C300アルケニル」)、1から200個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C200アルケニル」)、または1から100個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C100アルケニル」)有する不飽和(saturated)基を言う。ある種の態様において、ヘテロアルケニル基は、2から10個の炭素原子と少なくとも1つの二重結合と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に有する基を言う(「ヘテロC2−10アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、2から9つの炭素原子と少なくとも1つの二重結合と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−9アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、2から8つの炭素原子と少なくとも1つの二重結合と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−8アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、2から7つの炭素原子と少なくとも1つの二重結合と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−7アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、2から6つの炭素原子と少なくとも1つの二重結合と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−6アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、2から5つの炭素原子と少なくとも1つの二重結合と1または2つのヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−5アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、2から4つの炭素原子と少なくとも1つの二重結合と1または2つのヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−4アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、2から3つの炭素原子と少なくとも1つの二重結合と1つのヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−3アルケニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルケニル基は、2から6つの炭素原子と少なくとも1つの二重結合と1または2つのヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−6アルケニル」)。別様に定められていない限り、ヘテロアルケニル基のそれぞれのものは独立して無置換であるか(「無置換ヘテロアルケニル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロアルケニル」)。ある種の態様において、ヘテロアルケニル基は無置換ヘテロC2−10アルケニルである。ある種の態様において、ヘテロアルケニル基は置換ヘテロC2−10アルケニルである。
用語「ヘテロアルキニル」は、酸素、窒素、または硫黄から選択される少なくとも1つのへテロ原子(例えば、1、2、3、または4つのヘテロ原子)を、親鎖中に(すなわち、その隣り合う炭素原子間に挿入されて)および/またはその1つ以上の末端位置(単数もしくは複数)に置かれてさらに包含する、アルキニル基を言う。ある種の態様において、ヘテロアルキニル基は、1から1000個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C1000アルキニル」)、1から900個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C900アルキニル」)、1から800個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C800アルキニル」)、1から700個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C700アルキニル)、1から600個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C600アルキニル」)、1から500個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C500アルキニル」)、1から400個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C400アルキニル」)、1から300個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C300アルキニル」)、1から200個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C200アルキニル」)、または1から100個の炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に(「ヘテロC1−C100アルキニル」)有する不飽和(saturated)基を言う。ある種の態様において、ヘテロアルキニル基は、2から10個の炭素原子と少なくとも1つの三重結合と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に有する基を言う(「ヘテロC2−10アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、2から9つの炭素原子と少なくとも1つの三重結合と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−9アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、2から8つの炭素原子と少なくとも1つの三重結合と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−8アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、2から7つの炭素原子と少なくとも1つの三重結合と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−7アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、2から6つの炭素原子と少なくとも1つの三重結合と1つ以上のヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−6アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、2から5つの炭素原子と少なくとも1つの三重結合と1または2つのヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−5アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、2から4つの炭素原子と少なくとも1つの三重結合と1または2つのヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−4アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、2から3つの炭素原子と少なくとも1つの三重結合と1つのヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−3アルキニル」)。いくつかの態様において、ヘテロアルキニル基は、2から6つの炭素原子と少なくとも1つの三重結合と1または2つのヘテロ原子とを親鎖中に有する(「ヘテロC2−6アルキニル」)。別様に定められていない限り、ヘテロアルキニル基のそれぞれのものは独立して無置換であるか(「無置換ヘテロアルキニル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロアルキニル」)。ある種の態様において、ヘテロアルキニル基は無置換ヘテロC2−10アルキニルである。ある種の態様において、ヘテロアルキニル基は置換ヘテロC2−10アルキニルである。
用語「カルボシクリル」または「炭素環式」または「シクロアルキル」は、3から10個の環員炭素原子(「C3−10カルボシクリル」)とゼロ個のヘテロ原子とを非芳香族環系中に有する非芳香族環式炭化水素基のラジカルを言う。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3から8つの環員炭素原子(「C3−8カルボシクリル」)、3から7つの環員炭素原子(「C3−7カルボシクリル」)、3から6つの環員炭素原子(「C3−6カルボシクリル」)、4から6つの環員炭素原子(「C4−6カルボシクリル」)、5から6つの環員炭素原子(「C5−6カルボシクリル」)、または5から10個の環員炭素原子(「C5−10カルボシクリル」)を有する。例示的なC3−6カルボシクリル基は、限定なしに、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)、および同類を包含する。例示的なC3−8カルボシクリル基は、限定なしに、前述のC3−6カルボシクリル基ならびにシクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)、シクロオクチル(C8)、シクロオクテニル(C8)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C7)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)、および同類を包含する。例示的なC3−10カルボシクリル基は、限定なしに、前述のC3−8カルボシクリル基ならびにシクロノニル(C9)、シクロノネニル(C9)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C9)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)、および同類を包含する。先述の例が例解している通り、ある種の態様において、カルボシクリル基は単環式(「単環式カルボシクリル」)または多環式(例えば、二環式系(「二環式カルボシクリル」)もしくは三環式系(「三環式カルボシクリル」)などの縮合、架橋、もしくはスピロ環系を含有する)どちらかであり、飽和であり得るか、または1つ以上の炭素−炭素二重もしくは三重結合を含有し得る。「カルボシクリル」は、取り付け点がカルボシクリル環上である、上で定義されているカルボシクリル環が1つ以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合した環系をもまた包含し、かかるものにおいて、炭素数は引き続いて炭素環式環系中の炭素数を指定する。別様に定められていない限り、カルボシクリル基のそれぞれのものは独立して無置換であるか(「無置換カルボシクリル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換カルボシクリル」)。
用語「ヘテロシクリル」または「複素環式」は、環員炭素原子と1から4つの環員ヘテロ原子とを有する3から14員の非芳香族環系のラジカルを言い、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される(「3〜14員のヘテロシクリル」)。1つ以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、取り付け点は原子価が許容する炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または多環式(例えば、縮合、架橋、もしくはスピロ環系、例えば二環式系(「二環式ヘテロシクリル」)もしくは三環式系(「三環式ヘテロシクリル」))どちらかであり得、飽和であり得るか、または1つ以上の炭素−炭素二重もしくは三重結合を含有し得る。ヘテロシクリル多環式環系は1つ以上のヘテロ原子を1つまたは両方の環に包含し得る。「ヘテロシクリル」は、取り付け点がカルボシクリルもしくはヘテロシクリル環上どちらかである、上で定義されているヘテロシクリル環が1つ以上のカルボシクリル基と縮合した環系、または、取り付け点がヘテロシクリル環上である、上で定義されているヘテロシクリル環が1つ以上のアリールもしくはヘテロアリール基と縮合した環系をもまた包含し、かかるものにおいて、環員数は引き続いてヘテロシクリル環系の環員数を指定する。別様に定められていない限り、ヘテロシクリルのそれぞれのものは独立して無置換であるか(「無置換ヘテロシクリル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロシクリル」)。
いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環員炭素原子と1〜4つの環員ヘテロ原子とを有する5〜10員の非芳香族環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される(「5〜10員のヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環員炭素原子と1〜4つの環員ヘテロ原子とを有する5〜8員の非芳香族環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される(「5〜8員のヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環員炭素原子と1〜4つの環員ヘテロ原子とを有する5〜6員の非芳香族環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される(「5〜6員のヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される1〜3つの環員ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される1〜2つの環員ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される1つの環員ヘテロ原子を有する。
1つのヘテロ原子を含有する例示的な3員のヘテロシクリル基は、限定なしに、アジリジニル(azirdinyl)、オキシラニル、およびチイラニルを包含する。1つのヘテロ原子を含有する例示的な4員のヘテロシクリル基は、限定なしに、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルを包含する。1つのヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基は、限定なしに、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル−2,5−ジオンを包含する。2つのヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基は、限定なしに、ジオキソラニル、オキサチオラニル、およびジチオラニルを包含する。3つのヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基は、限定なしに、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルを包含する。1つのヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基は、限定なしに、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルを包含する。2つのヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基は、限定なしに、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、およびジオキサニルを包含する。3つのヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基は、限定なしに、トリアジナニルを包含する。1つのヘテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロシクリル基は、限定なしに、アゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルを包含する。1つのヘテロ原子を含有する例示的な8員のヘテロシクリル基は、限定なしに、アゾカニル、オキセカニル、およびチオカニルを包含する。例示的な二環式ヘテロシクリル基は、限定なしに、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロイソクロメニル、デカヒドロナフチリジニル、デカヒドロ−1,8−ナフチリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2−b]ピロール、インドリニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル、クロマニル、クロメニル、1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−b]ピロリル、5,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,2−b]ピロリル、6,7−ジヒドロ−5H−フロ[3,2−b]ピラニル、5,7−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピラニル、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロフロ[3,2−c]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−b]ピリジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジニル、および同類を包含する。
用語「アリール」は、芳香族環系中に提供された6〜14個の環員炭素原子と0個のヘテロ原子とを有する、単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイによって共有された6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを言う(「C6−14アリール」)。いくつかの態様において、アリール基は6つの環員炭素原子を有する(「C6アリール」;例えば、フェニル)。いくつかの態様において、アリール基は10個の環員炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、ナフチル、例えば1−ナフチルおよび2−ナフチル)。いくつかの態様において、アリール基は14個の環員炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アントラシル)。「アリール」は、ラジカルまたは取り付け点がアリール環上である、上で定義されているアリール環が1つ以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合した環系をもまた包含し、かかるものにおいて、炭素原子数は引き続いてアリール環系の炭素原子数を指定する。別様に定められていない限り、アリール基のそれぞれのものは独立して無置換であるか(「無置換アリール」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換アリール」)。
用語「ヘテロアリール」は、芳香族環系中に提供された環員炭素原子と1〜4つの環員ヘテロ原子とを有する、5〜14員の単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイによって共有された6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを言い、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜14員のヘテロアリール」)。1つ以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、取り付け点は原子価が許容する炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール多環式環系は、1つ以上のヘテロ原子を1つまたは両方の環中に包含し得る。「ヘテロアリール」は、取り付け点がヘテロアリール環上である、上で定義されているヘテロアリール環が1つ以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合した環系を包含し、かかるものにおいて、環員数は引き続いてヘテロアリール環系の環員数を指定する。「ヘテロアリール」は、取り付け点がアリールまたはヘテロアリール環上どちらかである、上で定義されているヘテロアリール環が1つ以上のアリール基と縮合した環系をもまた包含し、かかるものにおいて、環員数は縮合した多環式(アリール/ヘテロアリール)環系の環員数を指定する。1つの環がヘテロ原子を含有しない多環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリル、および同類)において、取り付け点は、どちらかの環、すなわちヘテロ原子を保有する環(例えば、2−インドリル)またはヘテロ原子を含有しない環(例えば、5−インドリル)どちらかの上であり得る。ヘテロアリール基は一価であり得るか、または別の部分への1つよりも多くの取り付け点を有し得る(例えば、それは二価、三価などであり得る)が、原子価は直接的に基の名前において定められ得る。例えば、「トリアゾールジイル」は二価のトリアゾリル部分を言う。
いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供された環員炭素原子と1〜4つの環員ヘテロ原子とを有する5〜10員の芳香族環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供された環員炭素原子と1〜4つの環員ヘテロ原子とを有する5〜8員の芳香族環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜8員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供された環員炭素原子と1〜4つの環員ヘテロ原子とを有する5〜6員の芳香族環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜6員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3つの環員ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2つの環員ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1つの環員ヘテロ原子を有する。別様に定められていない限り、ヘテロアリール基のそれぞれのものは独立して無置換であるか(「無置換ヘテロアリール」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロアリール」)。
1つのヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基は、限定なしに、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルを包含する。2つのヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基は、限定なしに、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルを包含する。3つのヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基は、限定なしに、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルを包含する。4つのヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基は限定なしにテトラゾリルを包含する。1つのヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基は限定なしにピリジニルを包含する。2つのヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基は、限定なしに、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルを包含する。3または4つのヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基は、限定なしに、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルを包含する。1つのヘテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロアリール基は、限定なしに、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルを包含する。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基は、限定なしに、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルを包含する。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基は、限定なしに、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルを包含する。例示的な三環式ヘテロアリール基は、限定なしに、フェナントリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、およびフェナジニルを包含する。
上から理解される通り、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、アリール、およびヘテロアリール基はある種の態様においては任意に置換される。任意に置換は、置換または無置換であり得る基を言う(例えば、「置換」または「無置換」アルキル)。一般的に、用語「置換」は、基の上に存在する少なくとも1つの水素が、許容される置換基、例えば、置換によって安定な化合物、例えば転位、環化、脱離、または他の反応などによる転換を自発的に受けない化合物をもたらす置換基によって置き換えられるということを意味する。別様に指示されていない限り、「置換される」基は基の1つ以上の置換可能な位置に置換基を有し、いずれかの所与の構造中の1つよりも多くの位置が置換されるときには、置換基は各位置において同じかまたは異なるかどちらかである。用語「置換」は、有機化合物の全ての許容される置換基、安定な化合物の形成をもたらす本願に記載される置換基のいずれかによる置換を包含することを企図される。本開示は、安定な化合物に到達するためのいずれかおよび全てのかかる組み合わせを企図する。本開示の目的のためには、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満足しかつ安定な部分の形成をもたらす水素置換基および/または本願に記載されるいずれかの好適な置換基を有し得る。
接尾辞「エン」を基に添えることは、基が多価(例えば、二価、三価、四価、または五価)部分であるということを指示している。ある種の態様において、接尾辞「エン」を基に添えることは基が二価部分であるということを指示している。
例示的な炭素原子置換基は、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−ORaa、−ON(Rbb)2、−N(Rbb)2、−N(Rbb)3 +X−、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−CO2H、−CHO、−C(ORcc)2、−CO2Raa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−OC(=O)N(Rbb)2、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCO2Raa、−NRbbC(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、−C(=O)NRbbSO2Raa、−NRbbSO2Raa、−SO2N(Rbb)2、−SO2Raa、−SO2ORaa、−OSO2Raa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa)3、−OSi(Raa)3、−C(=S)N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、−P(=O)(N(Rbb)2)2、−OP(=O)(N(Rbb)2)2、−NRbbP(=O)(Raa)2、−NRbbP(=O)(ORcc)2、−NRbbP(=O)(N(Rbb)2)2、−P(Rcc)2、−P(ORcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)3 +X−、−P(Rcc)4、−P(ORcc)4、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3 +X−、−OP(ORcc)2、−OP(ORcc)3 +X−、−OP(Rcc)4、−OP(ORcc)4、−B(Raa)2、−B(ORcc)2、−BRaa(ORcc)、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリールを包含するが、これに限定されず、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;式中、X−は対イオンであり;
あるいは、炭素原子上の2つのジェミナル水素が基=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbb、または=NORccによって置き換えられ;
Raaのそれぞれのものは独立してC1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRaa基が連結されて3〜14員のヘテロシクリルもしくは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;
Rbbのそれぞれのものは独立して水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、−P(=O)(N(Rcc)2)2、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が連結されて3〜14員のヘテロシクリルもしくは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;式中、X−は対イオンであり;
Rccのそれぞれのものは独立して水素、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRcc基は連結されて3〜14員のヘテロシクリルもしくは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;
Rddのそれぞれのものは独立してハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−ORee、−ON(Rff)2、−N(Rff)2、−N(Rff)3+X−、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−CO2H、−CO2Ree、−OC(=O)Ree、−OCO2Ree、−C(=O)N(Rff)2、−OC(=O)N(Rff)2、−NRffC(=O)Ree、−NRffCO2Ree、−NRffC(=O)N(Rff)2、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff)2、−OC(=NRff)N(Rff)2、−NRffC(=NRff)N(Rff)2、−NRffSO2Ree、−SO2N(Rff)2、−SO2Ree、−SO2ORee、−OSO2Ree、−S(=O)Ree、−Si(Ree)3、−OSi(Ree)3、−C(=S)N(Rff)2、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)(ORee)2、−P(=O)(Ree)2、−OP(=O)(Ree)2、−OP(=O)(ORee)2、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6−10アリール、5〜10員のヘテロアリールから選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、もしくは5つのRgg基によって置換されるか、または、2つのジェミナルRdd置換基が連結されて=Oもしくは=Sを形成し得;式中、X−は対イオンであり;
Reeのそれぞれのものは独立してC1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、C6−10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、および3〜10員のヘテロアリールから選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRgg基によって置換され;
Rffのそれぞれのものは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6−10アリール、および5〜10員のヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基が連結されて3〜10員のヘテロシクリルもしくは5〜10員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRgg基によって置換され;
Rggのそれぞれのものは独立してハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−OC1−6アルキル、−ON(C1−6アルキル)2、−N(C1−6アルキル)2、−N(C1−6アルキル)3 +X−、−NH(C1−6アルキル)2 +X−、−NH2(C1−6アルキル)+X−、−NH3 +X−、−N(OC1−6アルキル)(C1−6アルキル)、−N(OH)(C1−6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1−6アルキル、−SS(C1−6アルキル)、−C(=O)(C1−6アルキル)、−CO2H、−CO2(C1−6アルキル)、−OC(=O)(C1−6アルキル)、−OCO2(C1−6アルキル)、−C(=O)NH2、−C(=O)N(C1−6アルキル)2、−OC(=O)NH(C1−6アルキル)、−NHC(=O)(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)C(=O)(C1−6アルキル)、−NHCO2(C1−6アルキル)、−NHC(=O)N(C1−6アルキル)2、−NHC(=O)NH(C1−6アルキル)、−NHC(=O)NH2、−C(=NH)O(C1−6アルキル)、−OC(=NH)(C1−6アルキル)、−OC(=NH)OC1−6アルキル、−C(=NH)N(C1−6アルキル)2、−C(=NH)NH(C1−6アルキル)、−C(=NH)NH2、−OC(=NH)N(C1−6アルキル)2、−OC(NH)NH(C1−6アルキル)、−OC(NH)NH2、−NHC(NH)N(C1−6アルキル)2、−NHC(=NH)NH2、−NHSO2(C1−6アルキル)、−SO2N(C1−6アルキル)2、−SO2NH(C1−6アルキル)、−SO2NH2、−SO2C1−6アルキル、−SO2OC1−6アルキル、−OSO2C1−6アルキル、−SOC1−6アルキル、−Si(C1−6アルキル)3、−OSi(C1−6アルキル)3、−C(=S)N(C1−6アルキル)2、C(=S)NH(C1−6アルキル)、C(=S)NH2、−C(=O)S(C1−6アルキル)、−C(=S)SC1−6アルキル、−SC(=S)SC1−6アルキル、−P(=O)(OC1−6アルキル)2、−P(=O)(C1−6アルキル)2、−OP(=O)(C1−6アルキル)2、−OP(=O)(OC1−6アルキル)2、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、C6−10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、5〜10員のヘテロアリールであるか;または、2つのジェミナルRgg置換基が連結されて=Oもしくは=Sを形成し得;式中、X−は対イオンである。
ある種の態様において、炭素原子置換基は独立してハロゲン、置換もしくは無置換のC1−6アルキル、−ORaa、−SRaa、−N(Rbb)2、−CN、−SCN、−NO2、−C(=O)Raa、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−OC(=O)N(Rbb)2、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCO2Raa、または−NRbbC(=O)N(Rbb)2である。ある種の態様において、炭素原子置換基は独立してハロゲン、置換もしくは無置換のC1−6アルキル、−ORaa、−SRaa、−N(Rbb)2、−CN、−SCN、または−NO2である。
窒素原子は原子価が許容するように置換または無置換であり得、第一級、第二級、第三級、および第四級窒素原子を包含する。例示的な窒素原子置換基は、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(ORcc)2、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(N(Rcc)2)2、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリールを包含するが、これらに限定されず、またはN原子に取り付けられた2つのRcc基が連結されて3〜14員のヘテロシクリルもしくは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され、式中、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは上で定義されている通りである。
ある種の態様において、窒素原子上に存在する置換基は窒素保護基である(本願においては「アミノ保護基」ともまた言われる)。窒素保護基は、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1−10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員のヘテロアリール基を包含するが、これらに限定されず、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され、式中、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは本願において定義される通りである。窒素保護基は当分野において周知であり、参照によって本願に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。
例えば、アミド基などの窒素保護基(例えば−C(=O)Raa)は、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(Ν’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロケイ皮酸アミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、およびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドを包含するが、これらに限定されない。
カルバメート基などの窒素保護基(例えば−C(=O)ORaa)は、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOCまたはBoc)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート,シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニル(isoborynl)カルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、および2,4,6−トリメチルベンジルカルバメートを包含するが、これらに限定されない。
スルホンアミド基などの窒素保護基(例えば−S(=O)2Raa)は、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを包含するが、これらに限定されない。
他の窒素保護基は、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタンアダクト(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン(pyroolin)−3−イル)アミン、第四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボロン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミダート、ジベンジルホスホロアミダート、ジフェニルホスホロアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)を包含するが、これらに限定されない。
ある種の態様において、酸素原子上に存在する置換基は酸素保護基である(本願においては「ヒドロキシル保護基」ともまた言われる)。酸素保護基は、−Raa、−N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−S(=O)Raa、−SO2Raa、−Si(Raa)3、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)2、−P(ORcc)3 +X−、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、および−P(=O)(N(Rbb)2)2を包含するが、これらに限定されず、式中、X−、Raa、Rbb、およびRccは本願において定義される通りである。酸素保護基は当分野において周知であり、参照によって本願に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。
例示的な酸素保護基は、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベロイル(dibenzosuberyl)、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、蟻酸、蟻酸ベンゾイル、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メトキシ酢酸、トリフェニルメトキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢酸、3−フェニルプロピオン酸、4−オキソペンタノアート(レブリナート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート(pivaloate)、アダマントエート(adamantoate)、クロトン酸、4−メトキシクロトン酸、安息香酸、p−フェニル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸(メシト酸)、炭酸メチル、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、エチルカーボネート、2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、イソブチルカーボネート、ビニルカーボネート、アリルカーボネート、t−ブチルカーボネート(BOCまたはBoc)、p−ニトロフェニルカーボネート、ベンジルカーボネート、p−メトキシベンジルカーボネート、3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、o−ニトロベンジルカーボネート、p−ニトロベンジルカーボネート、S−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチル(napththyl)カーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨード安息香酸、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノアート、o−(ジブロモメチル)安息香酸、2−ホルミルベンゼンスルホン酸、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)酪酸、2−(メチルチオメトキシメチル)安息香酸、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ酢酸、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸、クロロジフェニル酢酸、イソ酪酸、モノスクシノアート(monosuccinoate)、(E)−2−メチル−2−ブテン酸、o−(メトキシアシル)安息香酸、α−ナフトエ酸、硝酸、アルキルΝ,Ν,Ν’,Ν’−テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN−フェニルカルバメート、ホウ酸、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェン酸、硫酸、メタンスルホン酸(メシラート)、ベンジルスルホン酸、およびトシル酸(Ts)を包含するが、これらに限定されない。
ある種の態様において、硫黄原子上に存在する置換基は硫黄保護基である(本願においては「チオール保護基」ともまた言われる)。硫黄保護基は−Raa、−N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−S(=O)Raa、−SO2Raa、−Si(Raa)3、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)2、−P(ORcc)3 +X−、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、および−P(=O)(N(Rbb)2)2を包含するが、これらに限定されず、式中、Raa、Rbb、およびRccは本願において定義される通りである。硫黄保護基は当分野において周知であり、参照によって本願に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。
用語「ハロ」または「ハロゲン」はフッ素(フルオロ,−F)、塩素(クロロ,−Cl)、臭素(ブロモ,−Br)、またはヨウ素(ヨード,−I)を言う。
用語「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」は基−OHを言う。
用語「チオール」または「チオ」は基−SHを言う。
用語「アミン」または「アミノ」は基−NH−または−NH2を言う。
本願において用いられる用語「ポリエチレングリコール」または「PEG」はエチレングリコールポリマーを言い、これは約20から約2,000,000個のリンクされたモノマー、典型的には約50〜1,000個のリンクされたモノマー、通常は約100〜300個を含有する。ポリエチレングリコールは、種々の数のリンクされたモノマーを含有するエチレングリコールポリマー、例えば、PEG20、PEG30、PEG40、PEG60、PEG80、PEG100、PEG115、PEG200、PEG300、PEG400、PEG500、PEG600、PEG1000、PEG1500、PEG2000、PEG3350、PEG4000、PEG4600、PEG5000、PEG6000、PEG8000、PEG11000、PEG12000、PEG2000000、およびそれらのいずれかの混合物を包含する。
用語「塩」は、酸と塩基との中和反応からもたらされるイオン性化合物を言う。塩は1つ以上のカチオン(正荷電イオン)と1つ以上のアニオン(陰イオン)とから構成され、その結果、塩は電気的に中性(正味の電荷なし)である。本願の化合物の塩は、無機および有機の酸および塩基に由来するものを包含する。酸付加塩の例はアミノ基の塩であり、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸によって、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸などの有機酸によって、またはイオン交換などの当分野において公知の他の方法を用いることによって形成される。他の塩は、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重硫酸、ホウ酸、酪酸、しょうのう酸、カンファースルホン酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、二グルコン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グリセロリン酸、グルコン酸、ヘミ硫酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヨウ化水素、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ラクトビオン酸、乳酸、ラウリン酸、ラウリル硫酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、ペクチニン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、リン酸、ピクリン酸、ピバル酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデカン酸、吉草酸塩、および同類を包含する。適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN+(C1−4アルキル)4塩を包含する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および同類を包含する。さらなる塩は、アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンを包含し、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸などの対イオンを用いて形成される。
用語「医薬的に受容可能な塩」は、正しい医学的判断の範囲内において、ヒトおよびより下等な動物の組織と接触しての使用にとって好適であり、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答、および同類がなく、適度なベネフィット/リスク比に適った塩を言う。医薬的に受容可能な塩は当分野において周知である。例えば、Berge et al.は医薬的に受容可能な塩をJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19に詳細に記載しており、参照によって本願に組み込まれる。本願の化合物の医薬的に受容可能な塩は、好適な無機および有機酸および塩基に由来するものを包含する。医薬的に受容可能な無毒な酸付加塩の例はアミノ基の塩であり、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸によって、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸などの有機酸によって、またはイオン交換などの当分野において公知の他の方法を用いることによって形成される。他の医薬的に受容可能な塩は、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重硫酸、ホウ酸、酪酸、しょうのう酸、カンファースルホン酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、二グルコン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グリセロリン酸、グルコン酸、ヘミ硫酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヨウ化水素、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ラクトビオン酸、乳酸、ラウリン酸、ラウリル硫酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、ペクチニン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、リン酸、ピクリン酸、ピバル酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデカン酸、吉草酸塩、および同類を包含する。適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN+(C1−4アルキル)4 −塩を包含する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および同類を包含する。さらなる医薬的に受容可能な塩は、適切なときには、無毒なアンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンを包含し、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸などの対イオンを用いて形成される。
用語「脱離基」は、合成有機化学の分野におけるその通例の意味を与えられ、求核剤へと置換されることができる原子または基を言う。好適な脱離基の例は、ハロゲン(例えばF、Cl、Br、またはI(ヨウ素))、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキル−カルボニルオキシ(例えばアセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシ、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ、ピクシル、およびハロホルメートを包含する。いくつかのケースでは、脱離基は、スルホン酸エステル、例えばトルエンスルホナート(トシラート、−OTs)、メタンスルホナート(メシラート、−OMs)、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ(ブロシラート、−OBs)、−OS(=O)2(CF2)3CF3(ノナフラート、−ONf)、またはトリフルオロメタンスルホナート(トリフラート、−OTf)である。いくつかのケースでは、脱離基はp−ブロモベンゼンスルホニルオキシなどのブロシラートである。いくつかのケースでは、脱離基は2−ニトロベンゼンスルホニルオキシなどのノシラートである。いくつかの態様において、脱離基はスルホナート含有基である。いくつかの態様において、脱離基はトシラート基である。脱離基は、ホスフィンオキシド(例えば、光延反応の間に形成される)または内部の脱離基、例えばエポキシドもしくは環式スルファートでもまたあり得る。脱離基の他の例は、水、アンモニア、アルコール、エーテル部分、チオエーテル部分、ハロゲン化亜鉛、マグネシウム部分、ジアゾニウム塩、および銅部分である。
「クリックケミストリー」は、2001年にSharplessによって導入されたコンジュゲート化への化学的アプローチを言い、単位同士を一緒に連結することによって物質を素早くかつ確かに作出するように仕立てられたケミストリーを表す。例えば、Kolb, Finn and Sharpless Angewandte Chemie International Edition 2001 40, 2004-2021;Evans, Australian Journal of Chemistry 2007 60, 384-395)を見よ。例示的なカップリング反応(これらのいくつかは「クリックケミストリー」として分類され得る)は、活性化した酸またはアシルハロゲン化物からの(例えば、ペプチドカップリングなどの)エステル、チオエステル、アミドの形成;(例えば、ハロゲン化物の求核置換またはひずみ環系の開環などの)求核置換反応;アジド−アルキンのヒュスゲン環化付加;チオール−イン付加;イミン形成;マイケル付加(例えば、マレイミド付加反応);およびディールス・アルダー反応(例えば、テトラジン[4+2]環化付加)を包含するが、これらに限定されない。クリックケミストリー反応およびクリックケミストリーハンドルの例は、例えば、Kolb, H. C; Finn, M. G. and Sharpless, K. B. Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 2004-2021、Kolb, H. C. and Sharless, K. B. Drug Disc. Today, 2003, 8, 112-1137;Rostovtsev, V. V.; Green L. G.;Fokin, V. V. and Shrapless, K. B. Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, 2596-2599;Tomoe, C. W.; Christensen, C. and Meldal, M. J. Org. Chem. 2002, 67, 3057-3064、Wang, Q. et al. J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 3192-3193;Lee, L. V. et al. J. Am. Chem. Soc. 2003 125, 9588-9589;Lewis, W. G. et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, 1053-41057;Manetsch, R. et al., J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 12809-12818;Mocharla, V. P. et al. Angew. Chem., Int. Ed. 2005, 44, 116-120に見出され得る。
当分野において公知のバイオコンジュゲート化のいずれかの方法が用いられ得る(例えば、クリックケミストリー反応)。例えば、ナノ粒子はその外殻にクリックケミストリーハンドルを含み得、これは標的化薬剤上のクリックケミストリーハンドルと反応し得、それによって、ナノ粒子を標的化薬剤と共有結合的にリンクする。ある種の態様において、1つ以上のナノ粒子はクリックケミストリーによって標的化薬剤にコンジュゲート化され、そのため、リンカーはクリックケミストリー反応に由来する部分を含む(例えば、トリアゾール、ジアゾール、ジアジン、スルフィド結合、マレイミド環、スクシンイミド環、エステル、アミド)。
用語「平均分子量」は、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、より高い平均分子量(MzまたはMz+1)、GPC/SEC(ゲル浸透クロマトグラフィー/サイズ排除クロマトグラフィー)によって決定される平均分子量(Mp)、および粘度平均分子量(Mv)を包摂し得る。
本願において用いられる用語「平均流体力学的直径」(DH)はコンジュゲートまたは粒子の平均サイズを言う。平均流体力学的直径はコンジュゲートまたは粒子の溶媒和層を包摂するかまたはせずにあり得、動的光散乱、電子顕微鏡法(例えば、走査電子顕微鏡法、透過電子顕微鏡法)、原子間力顕微鏡法、およびX線回折を包含するいくつもの方法によって決定され得る。動的光散乱(DLS)によって測定される流体力学的直径は、「測定されようとする粒子のものと同じ様式で拡散する仮想的な固い球体のサイズ」として定義される。だが、実際は、溶液中の粒子またはマクロ分子は非球体状、動的(タンブリングしている)、かつ溶媒和されている。これが理由で、粒子の拡散特性から計算される直径は、動的な水和/溶媒和された粒子の見かけ上のサイズを指示するであろう。ゆえに、術語の流体力学的直径である。そのため、流体力学的直径またはストークス直径は、測定されようとする粒子と同じ並進拡散係数を有する球体のものであり、粒子または分子を取り巻く水和層を想定する。動的光散乱(DLS)実験の測定されるデータは相関曲線であり、これは単一サイズ粒子の分散液については滑らかな単一指数的減衰関数であるはずである(Chu, B., Annual Review of Physical Chemistry, 1970, 21, 145-174)。相関曲線には、測定されようとするサンプル中の粒子の拡散についての情報の全てが盛り込まれる。相関曲線を指数関数にフィッティングすることによって、拡散係数(D)が計算され得る(Dは指数的減衰の寿命に比例する)。今や既知の拡散係数(D)によって、流体力学的直径はストークス−アインシュタインの等式の変形を用いることによって計算され得る。多分散サンプルでは、この曲線は指数的減衰の合計である。
本願において用いられる用語「平均多分散度」(PDI)は、例えばクロマトグラフィー方法、例えばゲル浸透クロマトグラフィーもしくはサイズ排除クロマトグラフィー、または動的光散乱によって決定される、混合物中の分子サイズの分布の尺度を言う。多分散度(PDI)は所与のポリマーの分子質量の分布の尺度である。多分散度は:PDI=Mw/Mnによって計算される(Stepto, R. F. T., et al., Pure Appl. Chem., 2009, 81, 351-353)。Mnは低分子質量の分子に対してより感受性であり、Mwは高分子質量の分子に対してより感受性である。分散度はポリマー混合液中の個々の分子質量の分布を指示する。Dは1に等しいかまたはそれ超の値を有する。
本願において用いられる用語「薬剤」は、診断、治療、予防医学、または獣医学目的で生物に投与される分子、分子の群、複合体、または物質を意味する。ある種の態様において、薬剤は医薬薬剤(例えば、治療薬剤、診断薬剤、または予防薬剤)である。ある種の態様において、本願において開示されるマクロモノマー、コンジュゲート、または粒子は、薬剤(単数または複数)、例えば第1の治療薬剤を含む(例えば、少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つを包含する)。いくつかの態様において、さらに、BASP組成物(例えば、マクロモノマー、コンジュゲート、または粒子)は例えば本願に記載される第2の治療薬剤、標的化部分、診断部分を含み得る。薬剤(単数または複数)はコンジュゲートまたは粒子にカップリングされ得る。他の態様において、薬剤(単数または複数)はコンジュゲートまたは粒子と会合させられ得る。いくつかの態様においては、第1の薬剤がコンジュゲートまたは粒子にカップリングさせられ得、第2の薬剤、標的化部分、および/または診断部分がコンジュゲートまたは粒子と非共有結合的に会合させられ得る。本願において開示される薬剤のいずれかは、本願において開示されるマクロモノマー、コンジュゲート、粒子、および他の組成物、ならびに方法に用いられ得る。
本願において用いられる用語「治療薬剤」は、それが適用される生体システムにおける局所または全身の生物学的、生理的、または治療効果を提供することができる薬剤を包含する。例えば、治療薬剤は、他の機能の中でも、腫瘍成長ををコントロールし、感染または炎症をコントロールし、鎮痛剤として働き、細胞接着抑制を促進し、骨成長を増強するように働き得る。他の好適な治療薬剤は抗ウイルス薬、ホルモン、抗体、または治療蛋白質を包含し得る。他の治療薬剤はプロドラッグを包含する。これらは、投与されるときには生物活性ではないが、対象への投与によって、代謝または何らかの他のメカニズムによって生物活性な薬剤へと変換される薬剤である。
薬剤、例えば治療薬剤は多種多様な異なる化合物を包含し得、化学的な化合物および化学的な化合物の混合物、例えば有機または無機低分子;サッカリン;オリゴ糖;多糖;生物学的マクロ分子、例えば、ペプチド、蛋白質、およびペプチドアナログおよび誘導体;ペプチドミメティック;抗体およびそれらの抗原結合断片;核酸;核酸アナログおよび誘導体;細菌、植物、真菌、または動物細胞などの生体材料から作られる抽出物;動物組織;天然に存在するかまたは合成の組成物;ならびにそれらのいずれかの組み合わせを包含する。
いくつかの態様において、薬剤はプロドラッグの形態である。用語「プロドラッグ」は、例えば加溶媒分解、還元、酸化、または生理条件によって活性になって、例えば医薬的に活性な化合物をインビボで提供する化合物を言う。プロドラッグは、例えば医薬的に活性な化合物のヒドロキシル部分とのプロドラッグ部分の酸、もしくは酸無水物、もしくは混合無水物部分の反応によってエステルを形成するためまたは医薬的に活性な化合物の置換もしくは無置換のアミンと共にプロドラッグ部分の酸、もしくは酸無水物、もしくは混合無水物部分によって調製されるアミドを形成するためなどの、医薬的に活性な化合物の誘導体を包含し得る。酸性基に由来する単純な脂肪族または芳香族エステル、アミド、および無水物はプロドラッグを含み得る。いくつかの態様において、本願に記載されるコンジュゲートまたは粒子は1つの治療薬剤またはそのプロドラッグを組み込む。いくつかの態様において、本願に記載されるコンジュゲートまたは粒子は1つよりも多くの治療薬剤またはプロドラッグを組み込む。
いくつかの態様において、薬剤、例えば治療薬剤は低分子である。本願において用いられる用語「低分子」は「天然生成物様」である化合物を言い得る。しかしながら、用語「低分子」は「天然生成物様」化合物に限定されない。むしろ、典型的には、低分子は、それがいくつかの炭素−炭素結合を含有し、5000ダルトン(5kDa)未満、好ましくは3kDa未満、なおより好ましくは2kDa未満、最も好ましくは1kDa未満の分子量を有するということを特徴とする。いくつかのケースでは、低分子が700ダルトンに等しいかまたはそれ未満の分子量を有するということが好ましい。
BASP組成物中の例示的な薬剤、例えば治療薬剤は、Harrison's Principles of Internal Medicine, 13th Edition, Eds. T.R. Harrison et al. McGraw-Hill N.Y., NY;Physicians' Desk Reference, 50th Edition, 1997, Oradell New Jersey, Medical Economics Co.;Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th Edition, Goodman and Gilman, 1990;United States Pharmacopeia, The National Formulary, USP XII NF XVII, 1990;Goodman and Oilman's The Pharmacological Basis of Therapeuticsの現行版;およびThe Merck Indexの現行版に見出されるものを包含するが、これらに限定されない。これらの全ての完全な内容は参照によって本願に組み込まれる。
いくつかの態様において、BASP組成物中の例示的な治療薬剤は、参照によって本願に組み込まれるU.S.特許No.9,381,253のパラグラフ[0148]に列記されている薬剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
他の態様においては、BASP組成物中の例示的な治療薬剤は、WO2013/169739に列記されている治療薬剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されず、参照によって本願に組み込まれるWO2013/169739の、例えばパラグラフ40〜49、283、286〜295に開示されている降圧薬および/またはコラーゲン修飾薬(「AHCM」);例えばパラグラフ113〜121に開示されている微小環境調節剤を包含する。いくつかの態様において、AHCMおよび/または微小環境調節剤を含むBASP組成物は、対象の腫瘍もしくは腫瘍血管系において、次の1つ以上を引き起こす:固体ストレス(例えば、腫瘍の成長によって誘導される固体ストレス)を縮減する;腫瘍線維化を減少させる;高間質圧または間質液圧(IFP)を縮減する;腫瘍の間質輸送を増大させる;腫瘍または脈管灌流を増大させる;血管直径を増大および/または圧迫されたもしくは虚脱した血管を大きくさせる;次の1つ以上を縮減するかまたは枯渇させる:癌細胞または間質細胞(例えば、腫瘍関連線維芽細胞または免疫細胞);細胞外マトリックスコンポーネント、例えば繊維(例えば、コラーゲン、プロコラーゲン)および/または多糖(例えばグリコサミノグリカン、例えばヒアルロナンまたはヒアルロン酸)のレベルまたは産生を減少させる;コラーゲンまたはプロコラーゲンのレベルまたは産生を減少させる;ヒアルロン酸のレベルまたは産生を減少させる;腫瘍酸素化を増大させる;腫瘍の低酸素を減少させる;腫瘍アシドーシスを減少させる;免疫細胞浸潤を可能にする;免疫抑制を減少させる;抗腫瘍免疫を増大させる;癌幹細胞(本願においては腫瘍開始細胞ともまた言われる)の産生を減少させる;あるいは治療、例えば癌治療(例えば、放射線、光線力学治療、化学療法学、および免疫療法)の有効性(例えば、透過または拡散)を増強する。
薬剤、例えば治療薬剤は、本願において開示されるカテゴリーおよび具体例を包含する。カテゴリーが具体例によって限定されるということは意図されていない。当業者は、カテゴリーに入りかつ本開示に従って有用である数々の他の化合物をもまた認識するであろう。
治療薬剤の例は、抗微生物薬、鎮痛剤、抗炎症薬、反対刺激薬、抗凝固薬、利尿薬、交感神経作用薬、食欲抑制薬、制酸薬、および他の胃腸薬;抗寄生虫薬、抗うつ薬、降圧薬、抗コリン作用薬、刺激剤、抗ホルモン剤、中枢および呼吸刺激剤、薬物アンタゴニスト、脂質調節薬、尿酸排泄剤、強心配糖体、電解質、エルゴットおよびそれらの誘導体、去痰薬、睡眠薬および鎮静薬、抗糖尿病薬、ドーパミン作動薬、制吐薬、筋弛緩剤、副交感神経作動薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン薬、ベータブロッカー、下剤、抗不整脈薬、造影材料、放射性医薬品、抗アレルギー薬、トランキライザー、血管拡張薬、抗ウイルス薬、および抗新生物もしくは細胞増殖抑制薬または抗癌特性を有する他の薬剤、あるいはそれらの組み合わせを包含するが、これらに限定されない。他の好適な治療薬剤は、避妊薬およびビタミン、ならびに微量および多量栄養素を包含する。なお他の例は、抗感染症薬、例えば抗生物質および抗ウイルス薬;鎮痛剤および鎮痛剤の組み合わせ;食欲抑制薬;抗寄生虫薬;抗関節炎薬;抗喘息薬;抗てんかん薬;抗うつ薬;抗利尿剤;止瀉薬(antidiarrleal);抗ヒスタミン薬;抗炎症薬;抗片頭痛薬;抗嘔吐薬;抗新生物薬;抗パーキンソン病薬;かゆみ止め;抗精神病薬;解熱薬、抗痙攣薬;抗コリン薬;交感神経作用薬;キサンチン誘導体;カルシウムチャネルブロッカーおよびベータブロッカーを包含する心血管薬、例えばピンドロールおよび抗不整脈薬;降圧薬;利尿薬;一般的な冠、末梢、および脳を包含する血管拡張薬;中枢神経系刺激薬;充血除去薬を包含する咳および風邪薬;エストラジオールなどのホルモン、およびコルチコステロイドを包含する他のステロイド;睡眠薬;免疫抑制剤;筋弛緩剤;副交感神経遮断薬;精神刺激薬;鎮静薬;およびトランキライザー;ならびに天然に由来するかまたは遺伝子操作された蛋白質、多糖、糖蛋白質、またはリポ蛋白質を包含する。
ある種のものでは、診断薬剤はイメージング剤または造影剤である。用語「イメージング剤」および「造影剤」は、医学イメージングにおいて体内の構造または流体のコントラストを増強するために用いられる物質を言う。これは、医学イメージングにおいて血管および胃腸管の可視性を増強するために普通に用いられる。
用語「クロスリンカー」は、2つ以上の分子またはポリマーが共有結合によって連結されることを許す化合物を言う。ある種の態様において、クロスリンカーは2つのポリマー間の共有結合的な取り付けをもたらす。
用語「開環メタセシス重合(ROMP)」は、環式オレフィン(例えば、ノルボルネンまたはシクロペンテン)の環ひずみの緩和によって駆動されるオレフィンメタセシス鎖成長重合の型を言う。ROMP反応に用いられる触媒は、RuCl3/アルコール混合物、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム(IV)、ジクロロ[1,3−ビス(2,6−イソプロピルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3−ビス(2−メチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン][3−(2−ピリジニル)プロピリデン]ルテニウム(II)、ジクロロ(3−メチル−2−ブテニリデン)ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロ[1,3−ビス(2−メチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン](2−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム(II)(グラブスC571)、ジクロロ(ベンジリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)(グラブスI)、ジクロロ[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(II)(グラブスII)、およびジクロロ[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン](ベンジリデン)ビス(3−ブロモピリジン)ルテニウム(II)(グラブスIII)を包含する。
用語「組成物」および「製剤」は交換可能に用いられる。
投与が企図される「対象」は、ヒト(すなわち、いずれかの年齢群の男性または女性、例えば小児科の対象(例えば、幼児、小児、もしくは少年)または成人の対象(例えば、若年成人、中年成人、または高齢成人))あるいは非ヒト動物を言う。ある種の態様において、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザルもしくはアカゲザル)、商業に関わる哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、馬、羊、ヤギ、猫、もしくは犬)、または鳥(例えば、商業に関わる鳥、例えば鶏、鴨類、ガチョウ、もしくは七面鳥))である。ある種の態様において、非ヒト動物は魚、爬虫類、または両生類である。非ヒト動物は発生のいずれかのステージの雄または雌であり得る。非ヒト動物はトランスジェニック動物または遺伝子操作された動物であり得る。
用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」は、対象において本願に記載される化合物またはその組成物をインプラント、吸収、摂取、注射、吸入、または別様に導入することを言う。
用語「処置」、「処置する」、および「処置すること」は、本願に記載される疾患を反転させること、緩和すること、その始まりを遅延させること、またはその進行を阻害することを言う。いくつかの態様において、処置は、疾患の1つ以上の徴候または症状が発生したかまたは観察された後に投与され得る。他の態様において、処置は疾患の徴候または症状の非存在下で投与され得る。例えば、処置は症状の始まりに先立って易罹患性の対象に投与され得る(例えば、症状の既往に照らしておよび/または病原体への暴露に照らして)。処置は、症状が解消した後にもまた、例えば再発を遅延させおよび/または防止するために引き続き得る。
用語「防止する」、「防止すること」、または「防止」は、対象の予防処置を言い、この者は、疾患を有さずかつ有したことがないが、疾患を発生するリスクがあるか、または疾患を有したことがあり、疾患を有さないが、疾患の後戻りのリスクがある。ある種の態様において、対象は、対象の集団の平均的な健康な構成員よりも高い疾患を発生するリスクまたは高い疾患の後戻りのリスクがある。
用語「状態」、「疾患」および「障害」は交換可能に用いられる。
本願に記載される化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を誘起するために十分な量を言う。本願に記載される化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置されようとする状態、投与のモード、ならびに対象の年齢および健康などの因子に依存して様々であり得る。ある種の態様において、有効量は治療有効量である。ある種の態様において、有効量は予防有効量である。ある種の態様において、有効量は、シングルドーズによる本願に記載される化合物または医薬組成物の量である。ある種の態様において、有効量は、複数ドーズによる本願に記載される化合物または医薬組成物の組み合わせた量である。
本願に記載される化合物の「治療有効量」は、状態の処置における治療ベネフィットを提供するかまたは状態に関連する1つ以上の症状を遅延させるかもしくは最小化するために十分な量である。化合物の治療有効量は、単独でまたは他の治療との組み合わせで、状態の処置における治療ベネフィットを提供する治療薬剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、総合的な治療を改善、状態の症状、徴候、もしくは原因を縮減もしくは回避、および/または別の治療薬剤の治療有効性を増強する量を包摂し得る。
本願に記載される化合物の「予防有効量」は、状態もしくは状態に関連する1つ以上の症状を防止またはその再発を防止するために十分な量である。化合物の予防有効量は、単独でまたは他の薬剤との組み合わせで、状態の防止における予防ベネフィットを提供する治療薬剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、総合的な予防を改善または別の予防薬剤の予防有効性を増強する量を包摂し得る。
用語「レシオメトリック」は、C1 iが実質的にC0 iに等しい状況を言い、C0 iは、2つ以上の薬剤が対象、組織、または細胞に送達される前の2つ以上の薬剤(第1の薬剤を包含する)の総量に対する第1の薬剤が対象、組織、または細胞に送達される前の第1の薬剤の量の比を言い;C1 iは、対象、組織、または細胞に送達される2つ以上の薬剤(第1の薬剤を包含する)の総量に対する対象、組織、または細胞に送達される第1の薬剤の量の比を言う。ある種の態様において、2つ以上の薬剤の各1つの送達はレシオメトリックである。
用語「直交的な」は、それぞれが本願に記載されるBASP中に包含される第1の薬剤および第2の薬剤が独立してBASPから放出される状況を言う。ある種の態様においては、条件Aにおいて、第2の薬剤ではなく第1の薬剤がBASPから放出される。例えば、第1および第2の薬剤の直交的な放出または直交的な送達は次を包含する:条件Aにおいては、第2の薬剤ではなく第1の薬剤がBASPから放出される;条件Bにおいては、第1の薬剤ではなく第2の薬剤がBASPから放出される。例えば条件Cにおいて第1および第2の薬剤両方がBASPから放出されるときには、第1および第2の薬剤の放出または送達は直交的ではない。
用語「自己集合」は、既存のコンポーネントの無秩序な系が、コンポーネントそれら自体の間の特異的な局所相互作用の帰結として、外部からの導きなしに、組織化した構造またはパターンを形成するプロセスを言う。構成要素(constitutibe)コンポーネントが分子であるときには、プロセスは分子の自己集合と呼ばれる。自己集合は静的または動的どちらかとして分類され得る。静的な自己集合では、系が平衡にアプローチし、その自由エネルギーを縮減すると、秩序だった状態が形成する。しかしながら、動的な自己集合では、特異的な局所相互作用によって組織化された既存のコンポーネントのパターンは、普通には、関連する専門分野の科学者によって「自己集合している」とは記述されない。より良くは、これらの構造は「自己組織化している」と記述されるが、これらの用語は多くの場合には交換可能に用いられる。
本開示は、置換基の上の例示的な列記によっていずれかの様式で限定されることを意図されていない。追加の用語は本開示の他の項において定義され得る。
開示されるシステム、組成物、方法、試薬、およびキットがより詳細に記載される前に、本願に記載される側面は具体的な態様、方法、装置、または構成に限定されず、よって、当然のことながら様々であり得るということが理解されるべきである。本願において用いられる術語は特定の側面を記載する目的のためのみであり、具体的に本願において定義されていない限り、限定しようとすることを意図されないということもまた理解されるべきである。
本開示は、スターポリマーの合成または使用に焦点を合わせたマクロモノマー、化合物、ポリマー、組成物、システム、試薬、キット、および方法を提供する。ある種の態様において、スターポリマーはブラシアームスターポリマー(BASP)である。ある種の態様において、BASPは1つ以上の薬剤を含有する。ある種の態様において、1つ以上の薬剤を含有するBASPは、対象の疾患(diseade)または状態を処置、防止、および/または診断するために用いられる。
マクロモノマーおよび化合物
本開示は、本願に記載される通り、式(I)および式(II)のマクロモノマー、ならびに式(III)の化合物を記載する。
ある種の態様において、マクロモノマーは、式(I)のマクロモノマー:
またはその塩であり、式中:
RAのそれぞれのものは独立して水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換のC1−6アルキルであり;
aは両端を含めて1から20までの整数であり;
Mのそれぞれのものは独立して水素または薬剤であり;
mのそれぞれのものは独立して両端を含めて1から10までの整数であり;
Lのそれぞれのものは、独立して、置換もしくは無置換のC1−200アルキレン、置換もしくは無置換のC2−200アルケニレン、置換もしくは無置換のC2−200アルキニレン、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルケニレン、または置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキニレンであり:
任意に、置換もしくは無置換のC1−200アルキレン、置換もしくは無置換のC2−200アルケニレン、置換もしくは無置換のC2−200アルキニレン、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルケニレン、および置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキニレンのそれぞれのものの1つ以上の炭素は、独立して、置換もしくは無置換のカルボシクリレン、置換もしくは無置換のヘテロシクリレン、置換もしくは無置換のアリーレン、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレンによって置き換えられ;
任意に、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルケニレン、および置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキニレンのそれぞれのものの1つ以上のヘテロ原子は、独立して、置換もしくは無置換のカルボシクリレン、置換もしくは無置換のヘテロシクリレン、置換もしくは無置換のアリーレン、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレンによって置き換えられ;
ただし、Mのそれぞれのものが水素であるときには、−L(M)mの少なくとも1つのものはクリックケミストリーハンドルを含み;
RBのそれぞれのものは独立して水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換のC1−6アルキルであり;
bのそれぞれのものは独立して両端を含めて1から20までの整数であり;
eは両端を含めて1から10までの整数であり;
XはORCまたはN(RD)2であり、式中:
RCは、水素、置換もしくは無置換のC1−1000アルキル、置換もしくは無置換のC2−1000アルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000アルキニル、置換もしくは無置換のC1−1000へテロアルキル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルキニル、酸素保護基、または脱離基であり;
RDのそれぞれのものは、独立して、水素、置換もしくは無置換のC1−1000アルキル、置換もしくは無置換のC2−1000アルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000アルキニル、置換もしくは無置換のC1−1000へテロアルキル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルキニルであるか、2つのRDは一緒になって置換もしくは無置換のヘテロシクリルまたは置換もしくは無置換のヘテロアリール部分を形成するか、あるいは窒素保護基である。
ある種の態様において、マクロモノマーは、式(II)のマクロモノマー:
またはその塩であり、式中:
RAのそれぞれのものは独立して水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換のC1−6アルキルであり;
aは両端を含めて1から20までの整数であり;
M’のそれぞれのものは独立して薬剤であり;
m’のそれぞれのものは独立して両端を含めて2から10までの整数であり;
Lのそれぞれのものは、独立して、置換もしくは無置換のC1−200アルキレン、置換もしくは無置換のC2−200アルケニレン、置換もしくは無置換のC2−200アルキニレン、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルケニレン、または置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキニレンであり:
任意に、置換もしくは無置換のC1−200アルキレン、置換もしくは無置換のC2−200アルケニレン、置換もしくは無置換のC2−200アルキニレン、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルケニレン、および置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキニレンのそれぞれのものの1つ以上の炭素は、独立して、置換もしくは無置換のカルボシクリレン、置換もしくは無置換のヘテロシクリレン、置換もしくは無置換のアリーレン、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレンによって置き換えられ;
任意に、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルケニレン、および置換もしくは無置換のC2−200ヘテロアルキニレンのそれぞれのものの1つ以上のヘテロ原子は、独立して、置換もしくは無置換のカルボシクリレン、置換もしくは無置換のヘテロシクリレン、置換もしくは無置換のアリーレン、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレンによって置き換えられ;
RBのそれぞれのものは独立して水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換のC1−6アルキルであり;
bのそれぞれのものは独立して両端を含めて1から20までの整数であり;
eは両端を含めて1から10までの整数であり;
XはORCまたはN(RD)2であり、式中:
RCは、水素、置換もしくは無置換のC1−1000アルキル、置換もしくは無置換のC2−1000アルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000アルキニル、置換もしくは無置換のC1−1000へテロアルキル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルキニル、酸素保護基、または脱離基であり;
RDのそれぞれのものは、独立して、水素、置換もしくは無置換のC1−1000アルキル、置換もしくは無置換のC2−1000アルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000アルキニル、置換もしくは無置換のC1−1000へテロアルキル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルキニルであるか、2つのRDは一緒になって置換もしくは無置換のヘテロシクリルまたは置換もしくは無置換のヘテロアリール部分を形成するか、あるいは窒素保護基であり;
R1のそれぞれのものは独立して水素、ハロゲン、置換もしくは無置換のC1−6アルキルであるか、または同じ炭素に結合した2つのR1は一緒になってオキソ基を形成する。
ある種の態様において、化合物は、式(III)の化合物:
またはその塩であり、式中:
L1のそれぞれのものは独立して置換もしくは無置換のC1−20アルキレンまたは置換もしくは無置換のC2−20ヘテロアルキレンであり;
X1はOまたはNR1であり、式中:
R1は、独立して、水素、置換もしくは無置換のC1−10アルキル、置換もしくは無置換のC2−10アルケニル、置換もしくは無置換のC1−10ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のC2−10ヘテロアルケニル、または窒素保護基であり;
W、Y、およびZは、それぞれが、独立して、水素、置換もしくは無置換のC1−100アルキレン、置換もしくは無置換のC2−100ヘテロアルキレン、または式(i)の基であり、ただし、W、Y、またはZの少なくとも1つのものは式(i)の基であり、
式(i)は:
である。
ある種の態様において、RAのそれぞれのものは水素である。ある種の態様において、RAの少なくとも1つのものは水素である。ある種の態様において、RAのそれぞれのものはハロゲンである。ある種の態様において、RAの少なくとも1つのものはハロゲンである。ある種の態様において、RAのそれぞれのものは無置換C1−6アルキルである。ある種の態様において、RAの少なくとも1つのものは無置換C1−6アルキルである。ある種の態様において、RAのそれぞれのものは置換C1−6アルキルである。ある種の態様において、RAの少なくとも1つのものは置換C1−6アルキルである。
ある種の態様において、RBのそれぞれのものは水素である。ある種の態様において、RBの少なくとも1つのものは水素である。ある種の態様において、RBのそれぞれのものはハロゲンである。ある種の態様において、RBの少なくとも1つのものはハロゲンである。ある種の態様において、RBのそれぞれのものは無置換C1−6アルキルである。ある種の態様において、RBの少なくとも1つのものは無置換C1−6アルキルである。ある種の態様において、RBのそれぞれのものは置換C1−6アルキルである。ある種の態様において、RBの少なくとも1つのものは置換C1−6アルキルである。
ある種の態様において、R1のそれぞれのものは水素である。ある種の態様において、R1の少なくとも1つのものは水素である。ある種の態様において、R1のそれぞれのものはハロゲンである。ある種の態様において、R1の少なくとも1つのものはハロゲンである。ある種の態様において、R1のそれぞれのものは無置換C1−6アルキルである。ある種の態様において、R1の少なくとも1つのものは無置換C1−6アルキルである。ある種の態様において、R1のそれぞれのものは置換C1−6アルキルである。ある種の態様において、R1の少なくとも1つのものは置換C1−6アルキルである。ある種の態様において、マクロモノマーは式:
のマクロモノマーであり、式中、同じ炭素に結合した2つのR1は一緒になってオキソ基を形成している。ある種の態様において、マクロモノマーは式
のマクロモノマーである。ある種の態様において、マクロモノマーは式
のマクロモノマーである。ある種の態様において、マクロモノマーは式
のマクロモノマーである。ある種の態様において、マクロモノマーは式
のマクロモノマーである。ある種の態様において、マクロモノマーは式
のマクロモノマーである。ある種の態様において、マクロモノマーは式
のマクロモノマーである。
ある種の態様において、aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、および20からなる整数の群から選択される。
ある種の態様において、Mは水素または薬剤である。ある種の態様において、Mの少なくとも1つのものは水素である。ある種の態様において、Mのそれぞれのものは水素である。ある種の態様において、MまたはM’は薬剤である。薬剤は、診断、治療、予防医学、または獣医学目的で生物に投与される分子、分子の群、複合体、または物質であり得る。ある種の態様において、薬剤は医薬薬剤である。ある種の態様において、医薬薬剤は治療薬剤、診断薬剤、または予防薬剤である。ある種の態様において、治療薬剤は抗癌剤である。抗癌剤は生物学的治療法抗癌剤および化学療法薬剤を包摂する。例示的な生物学的治療法抗癌剤は、インターフェロン、サイトカイン(例えば、腫瘍壊死因子、インターフェロンα、インターフェロンγ)、ワクチン、造血成長因子、モノクローナル血清療法、免疫増強薬および/または免疫調節(immunodulatory)剤(例えば、IL−1、2、4、6、または12)、免疫細胞成長因子(例えば、GM−CSF)、および抗体(例えば、HERCEPTIN(トラスツズマブ)、T-DM1、AVASTIN(ベバシズマブ)、ERBITUX(セツキシマブ)、VECTIBIX(パニツムマブ)、RITUXAN(リツキシマブ)、BEXXAR(トシツモマブ))を包含するが、これらに限定されない。例示的な化学療法薬剤は、抗エストロゲン薬(例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびメゲストロール)、LHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン(goscrclin)およびリュープロリド)、抗アンドロゲン薬(例えば、フルタミドおよびビカルタミド)、光線力学治療(例えば、ベルテポルフィン(vertoporfin)(BPD-MA)、フタロシアニン、光増感剤Pc4、およびデメトキシ−ヒポクレリンA(2BA-2-DMHA))、窒素マスタード(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、エストラムスチン、およびメルファラン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(BCNU)およびロムスチン(CCNU))、アルキルスルホン酸エステル(例えば、ブスルファンおよびトレオサルファン)、トリアゼン(例えば、ダカルバジン、テモゾロミド)、白金含有化合物(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン)、タキソイド(例えば、パクリタキセルまたはパクリタキセル均等物)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA−パクリタキセル、Taxoprexin)、ポリグルタミン酸結合パクリタキセル(PG−パクリタキセル、パクリタキセル・ポリグルメックス、CT-2103、XYOTAX)、腫瘍活性化プロドラッグ(TAP)ANG1005(3分子のパクリタキセルに結合したAngiopep−2)、パクリタキセル−EC−1(erbB2認識ペプチドEC−1に結合したパクリタキセル)、およびグルコースコンジュゲート化パクリタキセル、例えば、2’−パクリタキセルメチル2−グルコピラノシルサクシネート;ドセタキセル、タキソール)、エピポドフィリン(例えば、エトポシド、エトポシドリン酸塩、テニポシド、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトイリノテカン、イリノテカン、クリスナトール、マイトマイシンC)、代謝拮抗剤、DHFR阻害剤(例えば、メトトレキサート、ジクロロメトトレキサート、トリメトレキサート、エダトレキサート)、IMPデヒドロゲナーゼ阻害剤(例えば、ミコフェノール酸、チアゾフリン、リバビリン、およびEICAR)、リボヌクレオチド(ribonuclotide)レダクターゼ阻害剤(例えば、ヒドロキシ尿素およびデフェロキサミン)、ウラシルアナログ(例えば、5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラルチトレキセド(ratitrexed)、テガフール・ウラシル、カペシタビン)、シトシンアナログ(例えば、シタラビン(araC)、シトシンアラビノシド、およびフルダラビン)、プリンアナログ(例えば、メルカプトプリンおよびチオグアニン)、ビタミンD3アナログ(例えば、EB1089、CB1093、およびKH1060)、イソプレニル化阻害剤(例えばロバスタチン)、ドーパミン作動性神経毒(例えば、1−メチル−4−フェニルピリジニウムイオン)、細胞周期阻害剤(例えば、スタウロスポリン)、アクチノマイシン(例えば、アクチノマイシンD、ダクチノマイシン)、ブレオマイシン(例えば、ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、ペプロマイシン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、PEG化ドキソルビシンリポソーム、イダルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、ゾルビシン、ミトキサントロン)、MDR阻害剤(例えば、ベラパミル)、Ca2+ATPase阻害剤(例えば、タプシガルギン)、イマチニブ、サリドマイド、レナリドミド、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、アキシチニブ(AG013736)、ボスチニブ(SKI-606)、セジラニブ(RECENTIN(商標)、AZD2171)、ダサチニブ(SPRYCEL(登録商標)、BMS-354825)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標)、CGP57148B、STI-571)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、TYVERB(登録商標))、レスタウルチニブ(CEP-701)、ネラチニブ(HKI-272)、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、セマキサニブ(セマキシニブ、SU5416)、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、SU11248)、トセラニブ(PALLADIA(登録商標))、バンデタニブ(ZACTIMA(登録商標)、ZD6474)、バタラニブ(PTK787、PTK/ZK)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標))、ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、エベロリムス(AFINITOR(登録商標))、アレムツズマブ(CAMPATH(登録商標))、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標))、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、ENMD-2076、PCI-32765、AC220、ドビチニブ乳酸塩(TKI258、CHIR-258)、BIBW2992(TOVOK(商標))、SGX523、PF-04217903、PF-02341066、PF-299804、BMS-777607、ABT-869、MP470、BIBF1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ-26483327、MGCD265、DCC-2036、BMS-690154、CEP-11981、チボザニブ(AV-951)、OSI-930、MM-121、XL-184、XL-647、および/またはXL228)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(VELCADE))、mTOR阻害剤(例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD-001)、リダホロリムス、AP23573(Ariad)、AZD8055(AstraZeneca)、BEZ235(Novartis)、BGT226(Norvartis)、XL765(Sanofi Aventis)、PF-4691502(Pfizer)、GDC0980(Genetech)、SF1126(Semafoe)、およびOSI-027(OSI))、オブリメルセン、ゲムシタビン、カルミノマイシン、ロイコボリン、ペメトレキセド、シクロホスファミド、ダカルバジン、プロカルバジン(procarbizine)、プレドニゾロン、デキサメタゾン、カンパテシン、プリカマイシン、アスパラギナーゼ、アミノプテリン、メトプテリン、ポルフィロマイシン、メルファラン、ロイロシジン、ロイロシン、クロラムブシル、トラベクテジン、プロカルバジン、ディスコデルモライド、カルミノマイシン、アミノプテリン、ならびにヘキサメチルメラミンを包含するが、これらに限定されない。ある種の態様において、抗癌剤はパクリタキセルである。
ある種の態様において、薬剤は抗高血圧薬剤である。例示的な抗高血圧薬剤は、アミロライド、アムロジピン、アテノロール、アジルサルタン、ベナゼプリル、ベンドロフルメチアジド、ベタキソロール、ビソプロロール、ブシンドロール、ブメタニド、カンデサルタン、カプトプリル、カルテオロール、カルベジロール、クロロチアジド、クロルタリドン、シルニジピン、クレビジピン、ジルチアゼム、ドキサゾシン、エナラプリル、エピチジド、エプレレノン、エプロサルタン、エタクリン酸、フェロジピン、Fimasartan、ホシノプリル、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、インドラミン、イルベサルタン、イスラジピン、ラベタロール、レルカニジピン、レバムロジピン、リシノプリル、ロサルタン、メチクロチアジド、メトラゾン、メトプロロール、モエキシプリル、ナドロール、ネビボロール、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、オルメサルタン、オクスプレノロール、ペンブトロール、ペリンドプリル、ピンドロール、フェノキシベンザミン、フェントールアミン、ポリチアジド、プラゾシン、プロプラノロール、キナプリル、ラミプリル、スピロノラクトン、テルミサルタン、テラゾシン、チモロール、トラゾリン、トラセミド、トランドラプリル、トリアムテレン、バルサルタン、およびベラパミルを包含するが、これらに限定されない。ある種の態様において、抗高血圧薬剤はテルミサルタンである。
例示的な診断薬剤は、蛍光分子;ガス;金属;イメージング剤、例えば、ポジトロン断層撮影(PET)、コンピュータ断層撮影(CAT)、単一光子放射断層撮影、x線、蛍光透視法、および磁気共鳴イメージング(MRI)に用いられる市販のイメージング剤;ならびに造影剤、例えば磁気共鳴シグナル増強剤、X線減弱(attentuatung)剤、超音波散乱剤、および超音波周波数偏移剤を包含するが、これらに限定されない。MRIの造影剤としての使用にとって好適な材料の例は、ガドリニウムキレート、ならびに鉄、マグネシウム、マンガン、銅、およびクロムを包含する。CATおよびx線イメージングにとって有用な材料の例は、ヨウ素に基づく材料を包含する。ある種の態様において、診断薬剤は磁気共鳴イメージング(MRI)に用いられ、例えば酸化鉄粒子またはガドリニウム錯体である。臨床使用を認可されているガドリニウム錯体は、DTPA、DTPA−BMA、DOTA、およびHP−DO3Aによるガドリニウムキレートを包含する。これらはAime, et al. (Chemical Society Reviews (1998), 27:19-29)に概説されており、これの教示全体は参照によって本願に組み込まれる。
ある種の態様において、診断薬剤は、金属、無機化合物、有機金属化合物、有機化合物、またはその塩である。ある種の態様において、イメージング剤は、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、ラザホージウム、ドブニウム、シーボーギウム、ボーリウム、ハッシウム、マイトネリウム、ガドリニウム、ガリウム、タリウム、およびバリウムからなる群から選択される金属を含有する。ある種の態様において、診断薬剤は有機化合物である。ある種の態様において、診断薬剤は金属不含である。ある種の態様において、診断薬剤は金属不含有機化合物である。
ある種の態様において、イメージング剤は磁気共鳴イメージング(MRI)剤である。ある種の態様において、MRI剤はガドリニウムである。ある種の態様において、MRI剤はニトロキシドラジカル含有化合物である。
ある種の態様において、イメージング剤は核医学イメージング剤である。ある種の態様において、核医学イメージング剤は、64Cuジアセチル−ビス(N4−メチルチオセミカルバゾン)(64Cu−ASTM)、18F−フルオロデオキシグルコース(FDG)、18F−フルオリド、3’−デオキシ−3’−[18F]フルオロチミジン(FLT)、18F−フルオロミソニダゾール(FMISO)、ガリウム、テクネチウム−99m、およびタリウムからなる群から選択される。
ある種の態様において、イメージング剤はラジオグラフィーイメージング剤である。ある種の態様において、ラジオグラフィーイメージング剤はバリウム、ガストログラフィン、およびヨウ素造影剤からなる群から選択される。
ある種の態様において、イメージング剤はラジカル含有化合物である。ある種の態様において、イメージング剤はニトロキシドラジカル含有化合物である。ある種の態様において、イメージング剤または診断薬剤は、式:
である。
ある種の態様において、イメージング剤または診断薬剤は有機化合物である。ある種の態様において、イメージング剤は有機化合物の塩である。ある種の態様において、イメージング剤または診断薬剤は、式:
である。
ある種の態様において、診断薬剤は、蛍光分子、金属キレート、造影剤、放射性核種、またはポジトロン断層撮影(PET)イメージング剤、赤外イメージング剤、近IRイメージング剤、コンピュータ断層撮影(CAT)イメージング剤、光子放射断層撮影イメージング剤、X線イメージング剤、または磁気共鳴イメージング(MRI)剤を含み得る。
いくつかの態様において、診断薬剤は蛍光分子である。いくつかの態様において、蛍光分子はアクリジン色素、シアニン色素、ローダミン色素、BODIPY色素、フルオレセイン色素、ダンシル色素、Alexa色素、atto色素、量子ドット、または蛍光蛋白質を含む。いくつかの態様において、蛍光分子はシアニン色素である(例えば、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、またはCy7.5)。
いくつかの態様において、診断薬剤はMRI剤(例えば造影剤)である。MRI剤(例えば造影剤)としての使用にとって好適な材料の例は、ガドリニウムキレート、ならびに鉄、マグネシウム、マンガン、銅、およびクロムを包含する。
いくつかの態様において、診断薬剤はCATイメージング剤またはX線イメージング剤である。CATおよびX線イメージングにとって有用な材料の例は、ヨウ素に基づく材料を包含する。
いくつかの態様において、診断薬剤はPETイメージング剤である。好適なPETイメージング剤の例は、ポジトロンを放射する放射性同位体(radioisotopoe)18F、15O、13N、11C、82Rb、64Cu、および68Gaを含む化合物および組成物、例えば、フルデオキシグルコース(18F−FDG)、68Ga−DOTA−シュードペプチド(例えば、68Ga−DOTA−TOC)、11C−メトミデート、11C−酢酸、11C−メチオニン、11C−コリン、18F−フルシクロビン、18F−フルオロコリン、18F−フルオロデオキシソルビトール、18F−3’−フルオロ−3’−デオキシチミジン、11C−ラクロプリド、および18C−デスメトキシファリプリドを包含する。
いくつかの態様において、診断薬剤は近IRイメージング剤である。近IRイメージング剤の例は、Pz247、DyLight 750、DyLight 800、シアニン色素(例えば、Cy5、Cy5.5、Cy7)、AlexaFluor 680、AlexaFluor 750、IRDye 680、 IRDye 800CW、およびKodak X-SIGHT色素を包含する。
いくつかの態様において、薬剤は、例えば治療、診断、または予後薬剤としての使用のための放射性核種であり得る。用いられる放射性核種の中でも、ガンマ放射種、ポジトロン放射種、およびX線放射種は診断法および/または治療にとって好適であるが、ベータ放射種およびアルファ放射種もまた治療のために用いられ得る。本開示の種々の態様による使用を形成するために好適な放射性核種は、123I、125I、130I、131I、133I、135I、47Sc、72As、72Sc、90Y、88Y、97Ru、100Pd、101mRh、119Sb、128Ba、197Hg、211At、212Bi、212Pb、109Pd、111In、67Ga、68Ga、67Cu、75Br、77Br、99mTc、14C、13N、15O、32P、33P、または18Fを包含するが、これらに限定されない。
本開示のコンジュゲート中に包含され得る予防薬剤は、抗生物質、栄養サプリメント、およびワクチンを包含するが、これらに限定されない。ワクチンは、単離された蛋白質またはペプチド、不活性化した生物およびウイルス、死んだ生物およびウイルス、遺伝子操作された生物またはウイルス、ならびに細胞抽出物を含み得る。予防薬剤は、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、およびアジュバント、例えばコレラ毒素、アラム、フロイントアジュバントと組み合わせられ得る。
ある種の態様において、mは1、2、3、4,5、6、7、8、9、および10からなる整数の群から選択される。ある種の態様において、m’は2、3、4、5、6、7、8、9、および10からなる整数の群から選択される。ある種の態様において、mまたはm’は独立して2、3、4、または5である。
ある種の態様において、bは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、および20からなる整数の群から選択される。ある種の態様において、bのそれぞれのものは2である。
ある種の態様において、eは1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10からなる整数の群から選択される。ある種の態様において、eは1である。
ある種の態様において、XはORCまたはN(RD)2であり、式中、RCは水素、置換もしくは無置換のC1−1000アルキル、置換もしくは無置換のC2−1000アルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000アルキニル、置換もしくは無置換のC1−1000へテロアルキル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルキニル、酸素保護基、または脱離基であり;RDのそれぞれのものは、独立して、水素、置換もしくは無置換のC1−1000アルキル、置換もしくは無置換のC2−1000アルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000アルキニル、置換もしくは無置換のC1−1000へテロアルキル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルケニル、置換もしくは無置換のC2−1000ヘテロアルキニル、または窒素保護基である。
ある種の態様において、RCは水素、置換もしくは無置換のC1−6アルキル、酸素保護基、または脱離基であり;RDの少なくとも1つのものは水素、置換もしくは無置換のC1−6アルキル、または窒素保護基である。ある種の態様において、Xは−ORCであり、式中、RCは酸素保護基または脱離基である。ある種の態様において、Xは−OHである。ある種の態様において、RCまたはRDの少なくとも1つのものは置換または無置換のC50−1000ヘテロアルキルである。ある種の態様において、RCまたはRDの少なくとも1つのものは、
であり、式中:nは両端を含めて1から300までの整数であり;RFは水素、置換もしくは無置換のC1−6アルキル、または酸素保護基である。ある種の態様において、RCまたはRDの少なくとも1つのものは、
であり、式中:uは1、2、3、4、5、または6であり;RGのそれぞれのものは独立して水素、ハロゲン、または置換もしくは無置換のC1−6アルキルであり;vは両端を含めて1から300までの整数であり;RFは水素、置換もしくは無置換のC1−6アルキル、または酸素保護基である。
ある種の態様において、X1はOまたはNR1である。ある種の態様において、X1はOである。ある種の態様において、X1はNR1であり、式中:R1は独立して水素、置換もしくは無置換のC1−10アルキル、置換もしくは無置換のC2−10アルケニル、置換もしくは無置換のC1−10ヘテロアルキル、置換もしくは無置換のC2−10ヘテロアルケニル、または窒素保護基である。
ある種の態様において、Lは置換または無置換のC2−200アルキニレンである。ある種の態様において、Lは置換または無置換のC2−200ヘテロアルキニレンである。ある種の態様において、Lは置換または無置換のC2−200ヘテロアルキレンであり、置換または無置換のC2−200ヘテロアルキレンの1つ以上の炭素および/または1つ以上のヘテロ原子は独立して置換または無置換のヘテロアリーレンによって置き換えられる。ある種の態様において、Lは置換または無置換のC2−200ヘテロアルキレンであり、置換または無置換のC2−200ヘテロアルキレンの1つ以上の炭素および/または1つ以上のヘテロ原子は、独立して、
によって置き換えられ、式中、「*」によって標識されている窒素原子(式(I)および式(II)の化合物について)は、「***」によって標識されている取り付け点よりも「**」によって標識されている取り付け点に近い。ある種の態様において、Lは置換または無置換のC2−200ヘテロアルキレンであり、置換または無置換のC2−200ヘテロアルキレンの1つの炭素または1つのヘテロ原子は、
によって置き換えられ、式中、「*」によって標識されている窒素原子(式(I)および式(II)の化合物について)は、「***」によって標識されている取り付け点よりも「**」によって標識されている取り付け点に近い。ある種の態様において、Lの少なくとも1つのものは、
を含み、式中:pのそれぞれのものは独立して両端を含めて1から10までの整数であり;LFのそれぞれのものは独立して置換または無置換のC2−180ヘテロアルキレンであり;−LB−LA−のそれぞれのものは独立して−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NRE−、または−NREC(=O)−であり、式中、REのそれぞれのものは独立して水素、置換もしくは無置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり;「*」によって標識されている窒素原子(式(I)および式(II)の化合物について)は、「***」によって標識されている取り付け点よりも「**」によって標識されている取り付け点に近い。ある種の態様において、Lは、
である。ある種の態様において、Lは、
を含み、式中:pのそれぞれのものは独立して両端を含めて1から10までの整数であり;qのそれぞれのものは独立して両端を含めて1から10までの整数であり;rのそれぞれのものは独立して両端を含めて0から10までの整数であり;sのそれぞれのものは独立して0または1であり;tのそれぞれのものは独立して両端を含めて0から10までの整数であり;−LB−LA−のそれぞれのものは独立して−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NRE−、または−NREC(=O)−であり、式中、REのそれぞれのものは独立して水素、置換もしくは無置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり;「*」によって標識されている窒素原子(式(I)および式(II)の化合物について)は、「***」によって標識されている取り付け点よりも「**」によって標識されている取り付け点に近い。ある種の態様において、Lは、
である。ある種の態様において、Lは、
を含み、式中:pのそれぞれのものは独立して両端を含めて1から10までの整数であり;LCのそれぞれのものは独立して置換もしくは無置換のC1−180アルキレンであり;−LB−LA−のそれぞれのものは独立して−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)NRE−、または−NREC(=O)−であり、式中、REのそれぞれのものは独立して水素、置換もしくは無置換のC1−6アルキル、または窒素保護基であり;「*」によって標識されている窒素原子(式(I)および式(II)の化合物について)は、「***」によって標識されている取り付け点よりも「**」によって標識されている取り付け点に近い。ある種の態様において、Lは、
である。ある種の態様において、LCは、独立して、次の1つ以上のものによって置換されるC1−180アルキレンである:置換もしくは無置換のフェニルおよび/または置換もしくは無置換のC1−6アルキル。ある種の態様において、Lは、図1から89において例解されている化合物およびマクロモノマーにおいて例示されている。
ある種の態様において、Lの少なくとも2つのものは互いとは異なる。ある種の態様において、Lの全てのものは互いとは異なる。ある種の態様において、Lの全てのものは同じである。
ある種の態様において、L1は置換または無置換のC1−20アルキレンである。ある種の態様において、L1は置換または無置換のC2−20ヘテロアルキレンである。
ある種の態様において、LまたはL1の少なくとも1つのものはポリマー鎖を含む。いくつかの態様において、ポリマー鎖の少なくとも1つのものは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリグリセロール(PG)、ポロキサミン(POX)、ポリブチレンオキシド(PBO)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリジオキサノン(PDO)、ポリ無水物、ポリアクリルアミド(polyacrylide)、ポリビニル、またはポリオルトエステルである。いくつかの態様において、ポリマー鎖の少なくとも1つのものはポリエチレングリコール(PEG)である。いくつかの態様において、PEGは約100および約6000g/molの間の分子量を有する(例えば、PEG100、PEG200、PEG400、PEG600、PEG800、PEG1000、PEG1500、PEG2000、PEG3000、PEG4000、またはPEG6000)。いくつかの態様において、PEGはPEG100である。いくつかの態様において、PEGはPEG200である。いくつかの態様において、PEGはPEG400である。いくつかの態様において、PEGはPEG600である。いくつかの態様において、PEGはPEG800である。いくつかの態様において、PEGはPEG1000である。いくつかの態様において、PEGはPEG2000である。いくつかの態様において、PEGはPEG3000である。いくつかの態様において、PEGはPEG4000。いくつかの態様において、PEGはPEG6000である。
ある種の態様において、ポリマー鎖は、コンジュゲート、BASP、または粒子(例えば、ナノ粒子またはマイクロ粒子)の形態である。薬剤は切断可能なリンカー(これは本願においては「感受性のリンカー」ともまた言われ得る)を介してポリマー鎖に共有結合させられる。ある種の態様において、Lの少なくとも1つのもの(例えば、それぞれのもの)は切断可能なリンカーを含む。ある種の態様において、Lの少なくとも1つのもの(例えば、それぞれのもの)は切断可能なリンカーである。切断可能なリンカーの1つ以上の結合が断ち切られるときに、切断可能なリンカーは「切断」または「分解」され、例えば、例えばコンジュゲートまたは粒子からの薬剤の放出をもたらす。リンカー切断または薬剤放出は100%であることを必要とせず、例えば秒、分、時間(例えば、6時間、12時間、もしくは24時間)、日(例えば、2日もしくは7日)、週、または月の期間をかけての例えば少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはより高くの切断または放出が、この用語によって包摂される。
いくつかの態様において、切断可能なリンカーは、酵素(例えば、エステラーゼもしくはプロテアーゼ)、pH(例えば、酸性pH、塩基性pH)、光(例えば紫外光)、求核剤、還元、または酸化によって切断可能であるかまたはそれに対して感受性である。いくつかの態様において、切断可能なリンカーは、酵素(例えば、エステラーゼもしくはプロテアーゼ)またはpH(例えば、酸性pH、塩基性pH)によって切断可能であるかまたはそれに対して感受性である。いくつかの態様において、切断可能なリンカーは光(例えば紫外光)によって切断可能ではない。
いくつかの態様において、切断可能なリンカーは、エステル、アセタール、ケタール、ホスホロアミダイト、ヒドラゾン、イミン、オキシム、ジスルフィド、またはシリル部分、エステル基とのアセタールもしくはケタールの組み合わせ、オリゴアセタールもしくはオリゴケタール基、オリゴケタールおよびシリルエーテル基の組み合わせ、またはオリゴケタールおよびビニルエーテル基の組み合わせを含む。いくつかの態様において、切断可能なリンカーはエステルを含む。いくつかの態様において、切断可能なリンカーはアセタールを含む。いくつかの態様において、切断可能なリンカーはホスホロアミダイトを含む。いくつかの態様において、切断可能なリンカーはヒドラジンを含む。いくつかの態様において、切断可能なリンカーはイミンを含む。いくつかの態様において、切断可能なリンカーはオキシムを含む。いくつかの態様において、切断可能なリンカーはシリル部分を含む。いくつかの態様において、切断可能なリンカーはジスルフィドを含む。
他の態様において、切断可能なリンカーは、cis−アコニチル、ヒドラジン、オキシム、イミダゾール、またはトリチル基とのアセタールまたはケタールの組み合わせから選ばれる。前述の基のいずれかまたは基の組み合わせは、例えば本願に記載される通り、切断可能なリンカーのpH感受性を増強するように改変され得る。
いくつかの態様において、切断可能なリンカーはアミド、尿素、カルバメート、カーボネート、またはジスルフィドである。
いくつかの態様において、切断可能なリンカーは:−OC(O)−、−C(O)O−、
を含む。
切断可能なリンカーは、部分的に薬剤(例えば治療薬剤)に由来する原子または部分の一部を包含し得る。
いくつかの態様において、切断可能なリンカーは、条件の第2のセットに対して相対的に、条件の第1のセットへの暴露によって切断または分解、例えば選好的に切断または分解される。例えば、条件の第2のセットに対して相対的に、条件の第1のセットにおいて、切断可能なリンカーの結合(単数もしくは複数)の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくはより多くが断ち切られるか、または薬剤が放出される場合には、切断可能なリンカーは、条件の第2のセットに対して相対的に、条件の第1のセットにおいて「選好的に切断」または「選好的に分解」され得る。
いくつかの態様において、切断可能なリンカーは生理条件において分解または加水分解される。いくつかの態様において、リンカーはpH感受性であるか、またはある種のpHにおいて切断される。いくつかの態様において、リンカーは酵素(例えば、プロテアーゼまたはエステラーゼ)の作用によって分解または加水分解される。例えば、いくつかの態様において、切断可能なリンカーは組織微小環境、例えば腫瘍微小環境において選好的に切断され、これは本願において「組織微小環境切断可能なリンカー」と言われる。態様において、組織(例えば腫瘍)微小環境切断可能なリンカーは、第2の組織または非腫瘍組織に対して相対的に、第1の所望の組織または腫瘍微小環境への暴露によって選好的に切断または分解される。別の組織または非腫瘍組織に対して相対的に、所望の組織または腫瘍微小環境において、リンカーの結合(単数もしくは複数)の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくはより多くが断ち切られるか、または薬剤が放出される場合に、組織(例えば、腫瘍)微小環境切断可能なリンカーは選好的に切断され得る。1つの態様においては、第2の組織または非腫瘍組織に対して相対的に、第1の所望の組織または腫瘍微小環境への暴露によって少なくとも2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、または100倍速く、リンカーの結合の1つ以上が断ち切られるかまたは薬剤が放出される場合に、組織(例えば、腫瘍)微小環境切断可能なリンカーは選好的に切断または分解される。組織(例えば腫瘍)微小環境は、リンカーの切断または分解を引き起こす条件の特定のセット、例えばpH、酵素を有し得る。
いくつかの態様において、切断可能なリンカーはペプチドである。いくつかの態様において、リンカーはペプチドであり、ペプチド配列は天然に存在するアミノ酸からなる。いくつかの態様において、リンカーはペプチドであり、ペプチド配列は、少なくとも1つの合成由来アミノ酸、例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、またはより多くの合成由来アミノ酸(非天然アミノ酸)を含む。いくつかの態様において、ペプチドは直鎖構造を有する。いくつかの態様において、ペプチドは分枝構造を有する。いくつかの態様において、ペプチドは分枝(branced)構造を有し、例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、または少なくとも8つの分枝点を有する。いくつかの態様において、ペプチドは環式構造を有する。
いくつかの態様において、切断可能なリンカーはペプチドであり、ペプチド配列は少なくとも2アミノ酸残基を含む。いくつかの態様において、ペプチド配列は少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10アミノ酸残基を含む。いくつかの態様において、ペプチド配列は約1から約10アミノ酸残基である。いくつかの態様において、ペプチド配列は約1から約15、約20、約25、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、または約100アミノ酸残基である。いくつかの態様において、ペプチド配列は約10から約100アミノ酸残基である。いくつかの態様において、ペプチド配列は約25から約100アミノ酸残基である。いくつかの態様において、ペプチド配列は約50から約100アミノ酸残基である。
いくつかの態様において、切断可能なリンカーは、2015年3月26日の公開日でU.S.特許出願No.2015/0087810に開示されている配列から選択されるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)によって切断、例えば活性化される基質ペプチドを含む。いくつかの態様において、基質ペプチドは、例えばU.S.特許出願No.2015/0087810に記載されている通り、配列番号353〜363、372〜375、376〜378、395〜401、411〜419、426〜433、437〜449、454〜456、459〜469、475〜482、487〜495、318〜323、325〜327、330〜335、341〜347、14〜33、および159からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むプロテアーゼ基質を含む。いくつかの態様において、リンカーは、U.S.特許No.8,541,203に開示されている配列に由来する基質ペプチド、例えばMMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−8、MMP−9、MMP−14、プラスミン、PSA、PSMA、カテプシンD、カテプシンK、カテプシンS、ADAM10、ADAM12、ADAMTS、カスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−3、カスパーゼ−4、カスパーゼ−5、カスパーゼ−6、カスパーゼ−7、カスパーゼ−8、カスパーゼ−9、カスパーゼ−10、カスパーゼ−11、カスパーゼ−12、カスパーゼ−13、カスパーゼ−14、およびTACEからなる群から選択される酵素から選ばれる基質ペプチドを含む。いくつかの態様において、リンカーはU.S.特許No.8,513,390に開示されている配列を含む。いくつかの態様において、リンカーは国際特許公開No.WO2003/079972に開示されている配列を含む。いくつかの態様において、リンカーはU.S.特許No.7,495,099に開示されている配列を含む。いくつかの態様において、リンカーはU.S.特許No.8,580,244に開示されている配列を含む。いくつかの態様において、リンカーは次の記事の1つに開示されている配列を含む:van Kempen, et al. Eur Cancer (2006) 42:728-734;Desnoyers, L.R. et al. Sci Transl Med (2013) 5:207ral44;Rice, J.J. et al. Protein Sci (2006) 15:825-836;Boulware, K.T. and Daugherty, P.S. Proc Natl Acad Sci USA (2006) 103:7583-7588;Deperthes, D. Biol Chem (2002) 383:1107-1112;Harris, J.L. Proc Natl Acad Sci USA (2000) 97:7754-7759;Salmaso S. and Caliceti, P. J Drug Deliv (2013) 2013:1-19;およびEckhard, U et al. Matrix Biol (2015) doi: 10.1016/j.matbio.2015.09.003 (epub ahead of print)。本願において参照される公開物のいずれかの内容は、はっきりと参照によってここに組み込まれる。
いくつかの態様において、切断可能なリンカーは、プロテアーゼ、例えば腫瘍または線維化微小環境に存在するプロテアーゼによって切断、例えば活性化される基質ペプチドを含む(例えば、例えばDesnoyers, L.R. et al. Sci Transl Med (2013) 5:207ral44;Eckhard, U et al Matrix Biol (2015) doi: 10.1016/j.matbio.2015.09.003 (epub ahead of print);およびvan Kempen, et al. Eur Cancer (2006) 42:728-734によって記載されているマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)。1つの態様において、リンカーは、uPAの基質のアミノ酸配列を包含し、例えば、例えばU.S.特許No.8,513,390に記載されているアミノ酸配列LSGRSDNH(配列番号1)を含む。いくつかの態様において、リンカー配列は、さらに、基質ペプチドのどちらかの末端または両方の末端にGly−Ser含有ペプチドリンカーを包含する。腫瘍微小環境において上方制御され得る追加の例示的なプロテアーゼは、ヒト癌腫において上方制御されるウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ(uPA)(S. Ulisse, et al. Curr. Cancer Drug Targets 9, 32-71 (2009))、膜型セリンプロテアーゼ1(MT−SP1/マトリプターゼ)(K. Uhland Cell. Mol. Life Sci. 63, 2968-2978 (2006);A. M. LeBeau, et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 110, 93-98 (2013))、および酸性の細胞外腫瘍微小環境において放出されかつ活性であることが見出されているリソソームプロテアーゼ、レグマイン(C. Liu, et al. Cancer Res. 63, 2957-2964 (2003))を包含するが、これらに限定されない。いくつかの態様において、プロテアーゼは、炎症細胞、例えば腫瘍浸潤白血球(例えば、白血球由来MMP)によって、例えばvan Kempen, et al. Eur Cancer (2006) 42:728-734によって記載されている通り産生される。他の態様において、MMPは、例えば上記のEckhard, U et al.によって記載されている通りMMP1、MMP2、MMP3、MMP7、MMP8、MMP9、MMP12、MMP13、またはMMP14から選ばれる。
いくつかの態様において、基質ペプチドはCLiPSライブラリーに由来する(例えば、K. T. Boulware, P. S. Daugherty, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 103, 7583-7588 (2006)に記載されている通り)。他の態様において、基質ペプチド特異性は、例えばHarris, J.L. Proc Natl Acad Sci USA (2000) 97:7754-7759に記載されている通り、コンビナトリアル発蛍光基質ライブラリーを用いて評価される。他の態様において、基質ペプチドは、例えばDeperthes, D. Biol Chem (2002) 383: 1107-1112によって記載されている通り、ファージディスプレイライブラリーに由来する(例えば、それはファージ(phase)ディスプレイ基質である)。例えば、ファージディスプレイ基質が複数のプロテアーゼに暴露され;特異的切断によって放出されるペプチドは発現系によって増幅され得る。他の態様において、基質ペプチドは、例えばRice, J.J. et al. Protein Sci (2006) 15:825-836によって記載されている細菌ディスプレイライブラリーに由来する。
1つの態様において、組織(例えば腫瘍)微小環境切断可能なリンカーは酵素によって切断可能である。いくつかの態様において、酵素はエステラーゼまたはプロテアーゼを含む。例示的なプロテアーゼは、MMP−1、MMP−2、MMP−3、MMP−8、MMP−9、MMP−14、プラスミン、PSA、PSMA、カテプシンD、カテプシンK、カテプシンS、ADAM10、ADAM12、ADAMTS、カスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−3、カスパーゼ−4、カスパーゼ−5、カスパーゼ−6、カスパーゼ−7、カスパーゼ−8、カスパーゼ−9、カスパーゼ−10、カスパーゼ−11、カスパーゼ−12、カスパーゼ−13、カスパーゼ−14、またはTACEを包含する。
他の態様において、組織微小環境切断可能なリンカーは特定のpHにおいて切断可能である。いくつかの態様において、組織微小環境切断可能なリンカーは、約5.0および約7.4の間、5.0および7.0の間、5.0および6.5の間、5.0および5.5の間、または5.9および6.2の間のpHにおいて切断可能である。1つの態様において、組織微小環境切断可能なリンカーは、約6.0および約7.0の間、約6.2および約6.9の間、約6.5および約6.8、または約6.5および約6.7の間のpHにおいて切断可能である。1つの態様において、組織微小環境切断可能なリンカーは、約5.5および約6.5の間、例えば5.9および6.2の間のpHにおいて切断可能である。1つの態様において、組織微小環境切断可能なリンカーは、例えば約7.4という生理的pHと比較して、低酸素pH、例えばpH約6.7から6.9において切断可能である。
いくつかの態様において、組織微小環境切断可能なリンカーは、7.4以下、7.0以下、6.9以下、6.8以下、6.7以下、6.6以下、6.5以下、6.4以下、6.3以下、6.2以下、6.1以下、6.0以下、5.5以下、またはより低いpHにおいて切断可能であり、切断される。
1つの態様において、組織微小環境切断可能なリンカーは、第2のpHに対して相対的に、第1のpHへの暴露によって選好的に切断または分解される。1つの態様においては、組織微小環境切断可能なリンカーは、第2のpHに対して相対的に、第1のpHへの暴露によって少なくとも2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、または100倍速く切断または分解される。他の態様において、組織微小環境切断可能なリンカーは、第2のより塩基性のpH(例えばpH=7.4)に対して相対的に、第1の酸性pH(例えばpH=6.7)においてより多大な放出または分解速度を示す。1つの態様において、pH=7.4に対して相対的にpH=6.7における組織微小環境切断可能なリンカーの放出または分解速度の比は、1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3超、またはより高い。1つの態様において、pH=7.4に対して相対的にpH=6.7における組織微小環境切断可能なリンカーの放出または分解速度の比は2超である。
1つの態様において、組織微小環境切断可能なリンカーは、低酸素微小環境において、例えば腫瘍または線維化組織において、増大したpH感受性を示す。
いくつかの態様において、組織微小環境切断可能なリンカーは、例えば別の部位における放出速度または放出収率に対して相対的に、所望の部位(例えば腫瘍)における薬剤の増大した放出速度または増大した放出収率を発揮する。1つの態様において、組織微小環境切断可能なリンカーは電子求引性基を含む(例えば、切断速度または収率を増強する電子求引性基。
ある種の態様において、−L(M)mの少なくとも1つのものは1、2、3、4、または5つのクリックケミストリーハンドルを含む。ある種の態様において、−L(M)mのそれぞれのものは独立してクリックケミストリーハンドルを含む。ある種の態様において、クリックケミストリーハンドルの少なくとも1つのものはアルケニレン基またはアルキニレン基を含む。ある種の態様において、クリックケミストリーハンドルの少なくとも1つのものは内部のアルケニレン基またはアルキニレン基を含む。ある種の態様において、クリックケミストリーハンドルの少なくとも1つのものは末端アルケニレン基またはアルキニレン基を含む。ある種の態様において、クリックケミストリーハンドルの少なくとも1つのものは、−C≡CH、置換もしくは無置換のフェニルの1つ以上のものと独立して任意に縮合した置換もしくは無置換のシクロオクチニル、置換もしくは無置換のシクロプロペニル、置換もしくは無置換のシクロブテニル、置換もしくは無置換のフェニルの1つ以上のものと独立して任意に縮合した置換もしくは無置換のトランスシクロオクテニル、または置換もしくは無置換の
である。ある種の態様において、クリックケミストリーハンドルのそれぞれのものは−C≡CHである。ある種の態様において、−L(M)mの少なくとも1つのものは−(CH2)p−C≡CHであり、式中、pのそれぞれのものは独立して両端を含めて1から10までの整数である。ある種の態様において、−L(M)mの少なくとも1つのものは−(CH2)p−C≡CHの2、3、4、または5つのものを含み、式中、pのそれぞれのものは独立して両端を含めて1から10までの整数である。pのそれぞれのものは、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10からなる群から選択される整数である。
ある種の態様において、−L(M)mの少なくとも1つのものは:
を含み、式中、LDのそれぞれのものは独立して置換もしくは無置換のC1−10アルキレンまたは置換もしくは無置換のC2−10ヘテロアルキレンである。ある種の態様において、−L(M)mの少なくとも1つのものは:
を含む。ある種の態様において、−L(M)mの少なくとも1つのものは:
を含み、式中、LEのそれぞれのものは、独立して、置換もしくは無置換のC1−50アルキレン、置換もしくは無置換のC2−50アルケニレン、置換もしくは無置換のC2−50アルキニレン、置換もしくは無置換のC2−50ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換のC2−50ヘテロアルケニレン、または置換もしくは無置換のC2−50ヘテロアルキニレンであり:任意に、置換もしくは無置換のC1−50アルキレン、置換もしくは無置換のC2−50アルケニレン、置換もしくは無置換のC2−50アルキニレン、置換もしくは無置換のC2−50ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換のC2−50ヘテロアルケニレン、および置換もしくは無置換のC2−50ヘテロアルキニレンのそれぞれのものの1つ以上の炭素は、独立して、置換もしくは無置換のカルボシクリレン、置換もしくは無置換のヘテロシクリレン、置換もしくは無置換のアリーレン、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレンによって置き換えられ;任意に、置換もしくは無置換のC2−50ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換のC2−50ヘテロアルケニレン、および置換もしくは無置換のC2−50ヘテロアルキニレンのそれぞれのものの1つ以上のヘテロ原子は、独立して、置換もしくは無置換のカルボシクリレン、置換もしくは無置換のヘテロシクリレン、置換もしくは無置換のアリーレン、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレンによって置き換えられる。
例示的なマクロモノマーは、分子量(kDa)および流体力学的直径(nm)を包含するいくつもの特性によって記述され得る。いくつかの態様において、マクロモノマーの分子量は、質量分析によって検出されると、約1kDaおよび約10kDaの間、例えば約2kDaおよび約8kDaまたは約3kDaおよび約6kDaの間である。いくつかの態様において、マクロモノマーの分子量は約3kDaおよび約6kDaの間である。いくつかの態様において、マクロモノマーの分子量は約2kDa、約3kDa、約4kDa、約5kDa、または約6kDaである。いくつかの態様において、マクロモノマーの流体力学的直径は、例えば動的光散乱によって検出されると、約0.5nmおよび約3nm、例えば約1nmおよび約2nmの間である。
ポリマー
本開示は、式(I)および式(II)のマクロモノマー、ならびに式(III)の化合物を重合することから生成される、ポリマー(例えば、コンジュゲート、粒子、ブラシアームスターポリマー(BASP))ならびに材料を記載する。
ある種の態様において、用語「ポリマー」、「コンジュゲート」、および「粒子」は交換可能に用いられる。例示的なコンジュゲートまたは粒子は、Mn=平均分子量(kDa)、DH=平均流体力学的直径(nm)、およびPDI=多分散度を包含するいくつもの特性によって記述され得る。
ある種の態様において、Mnは、ゲル浸透クロマトグラフィー、(マーク−ホーウィンクの等式)による粘度測定、束一的方法(例えば蒸気圧浸透圧法)、末端基定量、またはプロトンNMRによって決定される。ある種の態様において、Mwは、静的光散乱、小角中性子散乱、X線散乱、および沈降速度によって決定される。いくつかの態様において、コンジュゲートの平均分子量は、例えばゲル浸透クロマトグラフィーによって決定されると、約10kDaおよび約100kDaの間、例えば約15kDaおよび約85kDa、約20kDaおよび約60kDa、または約30kDaおよび約50kDaの間である。1つの態様において、コンジュゲートの平均分子量は約20kDaおよび約60kDaの間である。1つの態様において、コンジュゲートの平均分子量は約30kDaおよび約50kDaの間である。
いくつかの態様において、コンジュゲートの平均分子量は、例えばゲル浸透クロマトグラフィーによって決定されると、約100kDa未満である(例えば、約95kDa、約90kDa、約85kDa、約80kDa、約75kDa、約70kDa、約65kDa、約60kDa、約55kDa、または約50kDa未満)。いくつかの態様において、コンジュゲートの平均分子量は約75kDa未満である(例えば、約70kDa、約65kDa、約60kDa、約55kDa、または約50kDa未満)。
いくつかの態様において、粒子の平均分子量は、例えばゲル浸透クロマトグラフィーによって決定されると、約100kDaおよび約1,000kDaの間、例えば約200kDaおよび約700kDaまたは約300kDaおよび約500kDaの間である。1つの態様において、粒子の平均分子量は約2000kDaおよび約70kDaの間である。1つの態様において、粒子の平均分子量は約300kDaおよび約500kDaの間である。
いくつかの態様において、粒子の平均分子量は、例えばゲル浸透クロマトグラフィーによって決定されると、約1,000kDa未満である(例えば、約950kDa、約900kDa、約850kDa、約800kDa、約750kDa、約700kDa、約650kDa、約600kDa、約550kDa、または約500kDa未満)。いくつかの態様において、粒子の平均分子量は約750kDa未満である(例えば、約700kDa、約650kDa、約600kDa、約550kDa、または約500kDa未満)。いくつかの態様において、粒子の平均分子量は約500kDa未満である(例えば、約450kDa、約400kDa、約350kDa、または300kDa未満)。
いくつかの態様において、コンジュゲートの平均流体力学的直径は、例えば動的光散乱によって決定されると、50nm未満である(例えば、約45nm、約40nm、約35nm、約25nm、約20nm、約15nm、約10nm、約7.5nm未満、またはより少し)。いくつかの態様において、コンジュゲートの平均流体力学的直径は約1nmおよび約20nmの間である(例えば、約2.5nmおよび約17.5nmまたは約5nmおよび約15nmの間)。いくつかの態様において、コンジュゲートの平均流体力学的直径は約5nmおよび約15nmの間である。
いくつかの態様において、粒子の平均流体力学的直径は、例えば動的光散乱によって決定されると、100nm未満である(例えば、約90nm、約80nm、約75nm、約70nm、約65nm、約60nm、約55nm、約50nm、約45nm、約40nm、約35nm、約25nm未満、またはより少し)。いくつかの態様において、粒子の平均流体力学的直径は約5nmおよび約100nmの間である(例えば、約7.5nmおよび約75nm、約10nmおよび約50nm、約12.5nmおよび約40nm、または約15nmおよび約30nmの間)。いくつかの態様において、粒子の平均流体力学的直径は約10nmおよび約50nmの間である。いくつかの態様において、粒子の平均流体力学的直径は約15nmおよび約30nmの間である。
いくつかの態様において、コンジュゲートまたは粒子の平均多分散度は約0.5未満である(例えば、約0.4、約0.35、約0.3、約0.25、約0.2、約0.15未満、またはより少し)。いくつかの態様において、コンジュゲートまたは粒子の平均多分散度は約0.3未満である。いくつかの態様において、コンジュゲートまたは粒子の平均多分散度は約0.2未満である。いくつかの態様において、コンジュゲートまたは粒子は単分散である。いくつかの態様において、コンジュゲートまたは粒子は約50%単分散である(例えば、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または約99.9%単分散)。
いくつかの態様において、コンジュゲートまたは粒子は実質的に水に可溶性(例えば親水性)である。いくつかの態様において、コンジュゲートまたは粒子は実質的に水に不溶性(例えば疎水性)である。いくつかの態様において、コンジュゲートまたは粒子は実質的に水に不溶性であり、1部のポリマーを溶解するために約10,000部超の水が要求される。1つの態様において、コンジュゲートまたは粒子は両親媒性である。1つの態様において、コンジュゲートまたは粒子は疎水性であるセグメントと親水性であるセグメントとを含む。
いくつかのケースでは、ポリマー(すなわちBASP)は粒子の形態である(例えば、ナノ粒子、すなわち粒子は約1マイクロメートル未満の特徴寸法を有する)。ある種の態様において、粒子の特徴寸法は、粒子と同じ体積を有する完全球体の直径である。ある種の態様において、BASP粒子は約300nm未満の特徴寸法を有する。ある種の態様において、BASP粒子は約200nm未満の特徴寸法を有する。ある種の態様において、BASP粒子は約150nm未満の特徴寸法を有する。ある種の態様において、BASP粒子は約100nm未満の特徴寸法を有する。ある種の態様において、BASP粒子は約50nm未満の特徴寸法を有する。ある種の態様において、BASP粒子は約30nm未満の特徴寸法を有する。ある種の態様において、BASP粒子は約20nm未満の特徴寸法を有する。ある種の態様において、BASP粒子は約10nm未満の特徴寸法を有する。ある種の態様において、BASP粒子は両端を含めて6および250nmの間の特徴寸法を有する。ある種の態様において、BASP粒子は両端を含めて8および200nmの間の特徴寸法を有する。ある種の態様において、BASP粒子は両端を含めて12および200nmの間の特徴寸法を有する。ある種の態様において、BASP粒子は両端を含めて50および200nmの間の特徴寸法を有する。
本願に記載されるBASPは複数の薬剤をレシオメトリックにおよび/または直交的に送達する能力があり得る。送達の際に複数の薬剤を個々に放出するように、異なる化学的および/または物理的条件が使用され得る。BASPの収束的合成は、異なるリンカー(例えば、還元、加水分解(例えばエステル)、酸化、およびUV光線によって切断可能なリンカー(例えば、部分
。部分はさらに置換され得る))を介するBASPへの異なる薬剤の取り付けを許す。加水分解、酸化、UV光線、および還元は、いずれかの順序で、かつ同時または異なる時に実施され得る。
ある種の態様において、BASPは、式(Ia)、式(IIa)、および式(Za):
またはその塩から選択される少なくとも100個の繰り返し単位を含むポリマーであり、式中:
「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、および「6」のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されるアルキル、任意に置換されるアルケニル、任意に置換されるアルキニル、任意に置換されるカルボシクリル、任意に置換されるヘテロシクリル、任意に置換されるアリール、任意に置換されるヘテロアリール、任意に置換されるアシル、任意に置換されるヒドロキシル、任意に置換されるアミノ、および任意に置換されるチオからなる群から選択される末端基であるか;または式(Ia)、式(IIa)、もしくは式(Za)の構造への結合にあたる。ある種の態様において、ポリマーは、式(Ia)および式(Za)から選択される繰り返し単位を含む。ある種の態様において、ポリマーは、式(IIa)および式(Za)から選択される繰り返し単位を含む。ある種の態様において、ポリマーは、式(Ia)、式(IIa)、および式(Za)から選択される繰り返し単位を含む。
マクロモノマーおよびポリマーの調製の方法
本開示は、式(I)および式(II)のマクロモノマーを調製する方法、ならびに本願に記載されるポリマーを生成する方法を記載する。
ある種の態様においては、マクロモノマーを調製する方法が記載され、これは、式(D)の化合物:
またはその塩を式:HORCまたはHN(RD)2の化合物またはその塩とカップリングすることを含む。ある種の態様においては、マクロモノマーを調製する方法が記載され、これは、式(E)の化合物:
またはその塩を式:HORCまたはHN(RD)2の化合物またはその塩とカップリングすることを含む。ある種の態様においては、マクロモノマーを調製する方法が記載され、これは、式:
または
の化合物またはその塩を式:
の化合物またはその塩とカップリングして、式:
または
の化合物またはその塩を提供することを含み、式中、RHは酸素保護基であり;さらに、式(C)もしくは式(H)の化合物またはその塩を脱保護して、式(D)もしくは式(E)の化合物またはその塩を提供することを含む。
ある種の態様においては、マクロモノマーを調製する方法が記載され、これは、式:
のマクロモノマーまたはその塩を式(III)の化合物とカップリングして、式(II)のマクロモノマーを提供することを含む。
ある種の態様において、カルボン酸をアルコールまたはアミンとカップリングするための試薬は、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(EDC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC/HCl)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、シアノリン酸ジエチル(DEPC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスピロリジノホスホニウム(DIPCI)、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスピロリジノホスホニウム(PyBOP)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)、ヒドロキシフタルイミド(HOPht)、ペンタフルオロフェノール(Pfp−OH)、ヘキサフルオロリン酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HBTU)、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HATU)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、もしくは3,4−ジヒドロ−3−ヒドロジ−4−オキサ−1,2,3−ベンゾトリアジン(Dhbt)、またはその塩;あるいはそれらの組み合わせ(例えば、2つの組み合わせ)である。ある種の態様において、カルボン酸をアルコールまたはアミンとカップリングするための試薬はDCCである。ある種の態様において、カルボン酸をアルコールまたはアミンとカップリングするための試薬はEDCまたはその塩である。
カルボン酸をアルコールまたはアミンとカップリングするための試薬は、式(D)または式(E)の化合物の約1から20当量の量で用いられる。ある種の態様において、カルボン酸をアルコールまたはアミンとカップリングするための試薬は、約1から10当量の量で用いられる。ある種の態様において、活性化剤は約1から5当量の量で用いられる。
カップリング反応のためのいずれかの好適な溶媒が、本願に記載されるカップリング反応を実施するために用いられ得る。カップリング反応に有用な溶媒の例はDMSO、DMF、および塩化メチレンである。追加の例示的な溶媒はアセトニトリル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、およびアセトンを包含する。
カップリング反応は0から50℃で執り行われ得る。ある種の態様において、カップリング反応は室温で約10分から約30時間に渡って執り行われる。ある種の態様において、カップリング反応は約15分から約24時間に渡って執り行われる。
ある種の態様において、式(III)の化合物の調製はコンジュゲート化反応を含む。例えば、EDC−NHSケミストリー(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩およびN−ヒドロキシスクシンイミド)、またはチオール、アミン、もしくは類似に官能化されたポリエーテルの1つの末端にコンジュゲート化され得るマレイミドもしくはカルボン酸を使う反応である。コンジュゲート化は、塩化メチレン、アセトニトリル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、または同類などだがこれらに限定されない有機溶媒中で実施され得る。具体的な反応条件は慣例以下の実験作業を用いて当業者によって決定され得る。
態様の別のセットにおいては、コンジュゲート化反応は、ヒドロキシル、チオール、またはアミノ基を包含する薬剤をカルボン酸官能基を含むポリマーと反応させることによって実施され得る。かかる反応はシングルステップ反応として起こり得、すなわち、コンジュゲート化はN−ヒドロキシスクシンイミドまたはマレイミドなどの中間体を用いることありまたはなしに実施される。アミン含有、チオール含有、またはヒドロキシル含有部分とカルボン酸末端ポリマーとの間のコンジュゲート化反応は、1つの態様においては、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジオキサン、またはジメチル(dimethy)スルホキシドなどだがこれらに限定されない有機溶媒中において可溶化されたアミン含有、チオール含有、またはヒドロキシル含有部分を、カルボン酸末端ポリマーを含有する溶液に追加することによって、達成され得る。カルボン酸末端ポリマーは、ジクロロメタン、アセトニトリル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、またはアセトンなどだがこれらに限定されない有機溶媒中に含有され得る。いくつかのケースでは、アミン含有部分とカルボン酸末端ポリマーとの間の反応は自発的に起こり得る。未コンジュゲート化マクロモノマーはかかる反応後に洗い落とされ得、ポリマーは例えばエチルエーテル、ヘキサン、メタノール、またはエタノールなどの溶媒中において沈殿させられ得る。
ある種の態様において、本願に記載されるポリマー(すなわちBASP)を調製するための方法はメタセシス反応を使い得る。ある種の態様において、メタセシス反応は開環メタセシス重合(ROMP)である(Liu et al. J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 16337;Liu, J.; Gao, A. X.; Johnson, J. A. J Vis Exp 2013, e50874)。ある種の態様において、本願に記載されるポリマーはメタセシス触媒の存在下における式(I)および/または式(II)の1つ以上のマクロモノマーの重合によって調製される。ある種の態様において、本願に記載されるポリマーは、メタセシス触媒の存在下における式(I)および/または式(II)の1つ以上のマクロモノマーの重合、次にビスノルボルネンクロスリンカーによるインサイチュ架橋によって調製される。本願に記載される調製方法は多用途的であり、例えばBASPに作り付けられ得る異なる薬剤についてはほとんど限定を有さない。ある種の態様において、BASPに作り付けられ得る薬剤は、ROMPと適合性である官能基を包含する。
ある種の態様において、メタセシス触媒(例えば、ROMP触媒)はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、またはルテニウム(Ru)触媒である。ある種の態様において、ROMP触媒はルテニウム触媒である。本願に記載される合成方法に有用なROMP触媒は、下に叙述されている通り、およびGrubbs et al., Acc. Chem. Res. 1995, 28, 446-452;U.S.Pat.No.5,811,515;Schrock et al., Organometallics (1982) 1 1645;Gallivan et al., Tetrahedron Letters (2005) 46:2577-2580;Furstner et al., J. Am. Chem. Soc. (1999) 121:9453;およびChem. Eur. J. (2001) 7:5299に記載されている通りの触媒を包含する;これらのそれぞれの内容全体は参照によって本願に組み込まれる。
ある種の態様において、ROMP触媒はグラブス触媒である。ある種の態様において、グラブス触媒は:
ベンジリデンビス−(トリシクロヘキシルホスフィン)−ジクロロルテニウム(X=CI);ベンジリデンビス−(トリシクロヘキシルホスフィン)−ジブロモルテニウム(X=Br);ベンジリデンビス−(トリシクロヘキシルホスフィン)−ジヨードルテニウム(X=I);
1,3−(ビス(メシチル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ−(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシル−ホスフィン)ルテニウム(X=Cl;R=シクロヘキシル);1,3−(ビス(メシチル)−2−イミダゾリジニリデン)ジブロモ−(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(X=Br;R=シクロヘキシル);1,3−(ビス(メシチル)−2−イミダゾリジニリデン)ジヨード−(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(X=I;R=シクロヘキシル);1,3−(ビス(メシチル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ−(フェニルメチレン)(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(X=Cl;R=フェニル);1,3−(ビス(メシチル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ−(フェニルメチレン)(トリベンジルホスフィン)ルテニウム(X=Cl;R=ベンジル);
からなる群から選択される。
ある種の態様において、ROMP触媒はグラブス−ホベイダ触媒である。ある種の態様において、グラブス−ホベイダ触媒は:
からなる群から選択される。
ある種の態様において、ROMP触媒は:
からなる群から選択される。
ある種の態様において、ROMP触媒は、式:
である。
ROMPは1つ以上の非プロトン性溶媒中で執り行われ得る。用語「非プロトン性溶媒」は、常温よりも上の、好ましくは約25℃から約190℃の沸点範囲を大気圧において有する非求核性溶媒を意味する。ある種の態様において、非プロトン性溶媒は大気圧において約80℃から約160℃の沸点を有する。ある種の態様において、非プロトン性溶媒は大気圧において約80℃から約150℃の沸点を有する。かかる溶媒の例は塩化メチレン、アセトニトリル、トルエン、DMF、ジグリム、THF、およびDMSOである。
ROMPは、式
のビニルエーテルによってクエンチされ得る。RV1、RV2、RV3、およびRV4のそれぞれは、独立して、任意に置換されるアルキル、任意に置換されるアルケニル、任意に置換されるアルキニル、任意に置換されるカルボシクリル、任意に置換されるフェニル、任意に置換されるヘテロシクリル、または任意に置換されるヘテロアリールである。ある種の態様において、RV1は任意に置換されるアルキルであり、RV2、RV3、およびRV4は水素である。ある種の態様において、RV1は無置換アルキルであり、RV2、RV3、およびRV4は水素である。ある種の態様において、RV1は置換アルキルであり、RV2、RV3、およびRV4は水素である。ある種の態様において、RV1はメチルであり、RV2、RV3、およびRV4は水素である。ある種の態様において、RV1はエチルであり、RV2、RV3、およびRV4は水素である。ある種の態様において、RV1はプロピルであり、RV2、RV3、およびRV4は水素である。ある種の態様において、RV1は任意に置換されるアルケニルであり、RV2、RV3、およびRV4は水素である。ある種の態様において、RV1は無置換アルケニルであり、RV2、RV3、およびRV4は水素である。ある種の態様において、RV1はビニルであり、RV2、RV3、およびRV4は水素である。ある種の態様において、RV1、RV2、RV3、およびRV4の少なくとも1つは、上に記載されている通り診断薬剤とコンジュゲート化される。ある種の態様において、ROMPはエチルビニルエーテルによってクエンチされる。過剰なエチルビニルエーテルは真空下でBASPから取り除かれ得る。
組成物およびキット
本開示は、本願に記載されている(of described)ポリマーと任意に添加剤(例えば、医薬的に受容可能な添加剤)とを含む組成物(例えば医薬組成物)を提供する。ある種の態様において、組成物は医薬組成物である。ある種の態様において、添加剤は医薬的に受容可能な添加剤である。
ある種の態様において、医薬組成物は薬剤を(例えば、対象または細胞に)送達するために有用である。ある種の態様において、医薬組成物はその必要がある対象の疾患を処置するために有用である。ある種の態様において、医薬組成物は対象の疾患を防止するために有用である。ある種の態様において、医薬組成物は対象の疾患を診断するために有用である。
ある種の態様において、本願に記載されるポリマーは医薬組成物中において有効量で提供される。ある種の態様において、有効量は治療有効量である。ある種の態様において、有効量は予防有効量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の増殖性疾患を処置するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の増殖性疾患を防止するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の血液学的疾患を処置するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の血液学的疾患を防止するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の神経疾患を処置するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の神経疾患を防止するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の疼痛状態を処置するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の疼痛状態を防止するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の精神障害を処置するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の精神障害を防止するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の代謝障害を処置するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の代謝障害を防止するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象の疾患(例えば、増殖性疾患、血液学的疾患、神経疾患、疼痛状態、精神障害、または代謝障害)を発生するリスクを縮減するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、対象または細胞の蛋白質キナーゼの活性(例えば異常な活性、例えば増大した活性)を阻害するために有効な量である。
ある種の態様において、細胞はインビトロである。ある種の態様において、細胞はインビボである。
本願に記載される医薬組成物は薬理学の分野において公知のいずれかの方法によって調製され得る。一般的に、かかる調製方法は、本願に記載されるポリマー(これは治療薬剤(「活性成分」)を包含し得る)を担体もしくは添加剤および/または1つ以上の他の補助的成分と結び付けることと、それから、必要および/または望ましい場合には、生成物を所望のシングルまたはマルチドーズユニットへと成形および/またはパッケージングすることとを包含する。
医薬組成物は、バルクで、シングルユニットドーズとして、および/または複数のシングルユニットドーズとして調製、パッケージング、および/または販売され得る。「ユニットドーズ」は、所定量の活性成分を含む医薬組成物の個別的な量である。一般的には、活性成分の量は、対象に投与されるであろう活性成分の用量、および/またはかかる用量の便利な分数、例えばかかる用量の二分の一もしくは三分の一に等しい。
本願に記載される医薬組成物中の活性成分、医薬的に受容可能な添加剤、および/またはいずれかの追加の成分の相対量は、処置される対象のアイデンティティ、サイズ、および/または状態に依存して、さらに組成物が投与されるべき経路に依存して、様々であろう。組成物は0.1%および100%(w/w)の間の活性成分を含み得る。
提供される医薬組成物の製造に用いられる医薬的に受容可能な添加剤は、不活性な希釈剤、分散および/もしくは造粒剤、界面活性剤および/もしくは乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存料、緩衝剤、潤滑剤、ならびに/または油を包含する。ココアバターおよび座薬ワックス、着色料、コーティング剤、甘味料、香料、ならびに芳香剤などの添加剤もまた組成物中に存在し得る。
例示的な希釈剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥澱粉、コーンスターチ、粉糖、およびそれらの混合物を包含する。
例示的な造粒および/または分散剤は、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木材生成物、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニルピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチル澱粉ナトリウム(澱粉グリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、糊化澱粉(スターチ1500)、微結晶澱粉、水不溶性澱粉、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(ビーガム)、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物、およびそれらの混合物を包含する。
例示的な界面活性剤および/または乳化剤は、天然の乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、ウールファット、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイド状粘土(例えば、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびビーガム(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、およびモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えばカルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末化セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(登録商標)60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(登録商標)80)、ソルビタンモノパルミテート(Span(登録商標)40)、ソルビタンモノステアレート(Span(登録商標)60)、ソルビタントリステアレート(Span(登録商標)65)、モノオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン(Span(登録商標)80)、ポリオキシエチレンエステル(例えば、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj(登録商標)45)、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシメチレン、およびSolutol(登録商標))、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル、(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij(登録商標)30))、ポリ(ビニルピロリドン)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic(登録商標)F-68、Poloxamer P-188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウム、および/またはそれらの混合物を包含する。
例示的な結合剤は、澱粉(例えば、コーンスターチおよび澱粉糊)、ゼラチン、糖(例えば、スクロース、グルコース、ブドウ糖、デキストリン、モラセス、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ガム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスエキス、パンワール(panwar)ガム、ガティガム、イサポル(isapol)殻粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム(登録商標))、およびカラマツアラボガラクタン)、アルギン酸、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコール、および/またはそれらの混合物を包含する。
例示的な保存料は、抗酸化剤、キレート剤、抗微生物保存料、抗真菌保存料、抗原生動物保存料、アルコール保存料、酸性保存料、および他の保存料を包含する。ある種の態様において、保存料は抗酸化剤である。他の態様において、保存料はキレート剤である。
例示的な抗酸化剤は、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル(acorbyl)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムを包含する。
例示的なキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)とその塩および水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウム、および同類)、クエン酸とその塩および水和物(例えばクエン酸一水和物)、フマル酸とその塩および水和物、リンゴ酸とその塩および水和物、リン酸とその塩および水和物、ならびに酒石酸とその塩および水和物を包含する。例示的な抗微生物保存料は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールを包含する。
例示的な抗真菌保存料は、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸を包含する。
例示的なアルコール保存料は、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール系化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシ安息香酸、およびフェニルエチルアルコールを包含する。
例示的な酸性保存料は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ−カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸を包含する。
他の保存料は、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(toluened)(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant(登録商標)Plus、Phenonip(登録商標)、メチルパラベン、Germall(登録商標)115、Germaben(登録商標)II、Neolone(登録商標)、Kathon(登録商標)、およびEuxyl(登録商標)を包含する。
例示的な緩衝剤は、クエン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルコヘプトン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェン不含水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、およびそれらの混合物を包含する。
例示的な潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、モルト、ベヘン酸(behanate)グリセリル、水添野菜油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物を包含する。
例示的な天然油は、アーモンド、アンズ核、アボカド、ババス、ベルガモット、クロスグリ(black current)種子、ルリジサ、ケード、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナバ、ひまし、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝、コーヒー、コーン、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、亜麻仁、ゲラニオール、瓢箪、ブドウ種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、アオモジ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォーム種子、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パーム核、モモ核、ピーナッツ、ケシ、カボチャ種子、菜種、米糠、ローズマリー、ベニバナ、ビャクダン、サザンカ(sasquana)、キダチハッカ、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、椿、ベチバー、クルミ、および小麦胚芽油を包含する。例示的な合成油は、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびそれらの混合物を包含する。
経口および非経口投与のための液体剤形は、医薬的に受容可能なエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁物、シロップ、およびエリキシル剤を包含する。活性成分に加えて、液体剤形は、当分野において普通に用いられる不活性な希釈剤、例えば、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(例えば、綿実、落花生、コーン、胚芽、オリーブ、ひまし、およびゴマ油)、グリセロール、テロラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含み得る。不活性な希釈剤の他に、経口組成物は、アジュバント、例えば湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味料、香料、ならびに芳香剤を包含し得る。非経口投与のためのある種の態様においては、本願に記載されるコンジュゲートは、可溶化剤、例えばCremophor(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびそれらの混合物と混合される。
注射用調製物、例えば無菌の注射用水系または油性懸濁物は、好適な分散または湿潤剤および懸濁剤を用いて、公知技術に従って製剤され得る。無菌の注射用調製物は、無毒の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液としての、無菌の注射用溶液、懸濁物、またはエマルションであり得る。水、リンゲル液U.S.P.、および等張塩化ナトリウム溶液は、使用され得る受容可能な基剤および溶媒のうちである。加えて、無菌の不揮発性油が溶媒または懸濁媒体として従来使用されている。この目的のためには、合成モノまたはジグリセリドを包含するいずれかの無刺激性の不揮発性油が使用され得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注射剤の調製に用いられる。
注射用製剤は滅菌され得る。例えば、細菌保持フィルターによる濾過、または無菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより、これは使用に先立って滅菌水または他の注射用の無菌媒体中に溶解または分散され得る。
薬物の効果を長引かせるためには、多くの場合には、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収をゆっくりにさせることが望ましい。これは、不良な水可溶性を有する結晶質または非晶質材料の液体懸濁物の使用によって奏され得る。それから、薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、これは翻って結晶サイズおよび結晶質形態に依存し得る。代替的には、非経口投与された薬物形態の遅延した吸収は、薬物を油基剤中に溶解または懸濁することによって奏され得る。
直腸または膣投与のための組成物は典型的には座薬である。これは、常温で固体であるが体温では液体であり、そのため、直腸または膣腔において融け、活性成分を放出する好適な非刺激性の添加剤または担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、または座薬ワックスと本願に記載されるコンジュゲートを混合することによって調製され得る。
経口投与のための固体剤形は、カプセル、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒を包含する。かかる固体剤形において、活性成分は少なくとも1つの不活性な医薬的に受容可能な添加剤または担体と混合される。例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、ならびに/あるいは(a)充填剤または増量剤、例えば澱粉、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、(b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、(c)保湿剤、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯もしくはタピオカ澱粉、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、(g)例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、(h)吸着剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、ならびに(i)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ならびにそれらの混合物である。カプセル、錠剤、および丸薬のケースにおいては、剤形は緩衝剤を包含し得る。
類似の型の固体組成物が、ソフトおよびハードの充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用され得、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコール、ならびに同類などの添加剤を用いる。錠剤、糖衣剤、カプセル、丸薬、および顆粒の固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬理学の分野において周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルによって調製され得る。それらは任意に乳白剤を含み得、それらが活性成分(単数または複数)を、腸管のある種の部分においてのみまたは選好的に、任意に遅延した様式で放出する組成であり得る。用いられ得る封入組成物の例はポリマー物質およびワックスを包含する。類似の型の固体組成物が、ソフトおよびハードの充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用され得、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレン(polethylene)グリコールならびに同類などの添加剤を用いる。
活性成分は、上で注記されている1つ以上の添加剤とのマイクロカプセル化された形態であり得る。錠剤、糖衣剤、カプセル、丸薬、および顆粒の固体剤形は、腸溶コーティング、放出コントロールコーティング、および医薬製剤分野において周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルによって調製され得る。かかる固体剤形では、活性成分は、スクロース、ラクトース、または澱粉などの少なくとも1つの不活性な希釈剤と混ぜ合わせられ得る。かかる剤形は、慣行である通り、不活性な希釈剤以外の追加の物質、例えば錠剤化潤滑剤および他の錠剤化助剤、例えば(such a)ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースを含み得る。カプセル、錠剤、および丸薬のケースにおいては、剤形は緩衝剤を含み得る。それらは任意に乳白剤を含み得、それらが活性成分(単数または複数)を腸管のある種の部分においてのみまたは選好的に、任意に遅延した様式で放出する組成であり得る。用いられ得る封入剤の例はポリマー物質およびワックスを包含する。
本願に記載されるポリマーの外用および/または経皮投与のための剤形は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、および/またはパッチを包含し得る。一般的に、活性成分は、要求され得る通りに、医薬的に受容可能な担体もしくは添加剤ならびに/またはいずれかの必要とされる保存料および/もしくは緩衝剤と無菌条件において混ぜ合わせられる。加えて、本開示は経皮パッチの使用を企図し、これらは、多くの場合に、体への活性成分のコントロールされた送達を提供するという追加された利点を有する。かかる剤形は、例えば、活性成分を適当な媒体中に溶解および/または調合することによって調製され得る。代替的にまたは加えて、速度は、速度コントロール膜を提供することならびに/または活性成分をポリマーマトリックスおよび/もしくはゲル中に分散することどちらかによってコントロールされ得る。
本願に記載される皮内医薬組成物を送達することへの使用にとって好適なデバイスは、短針デバイスを包含する。皮内組成物は皮膚への針の有効貫入長を限定するデバイスによって投与され得る。代替的にまたは加えて、従来のシリンジが皮内投与の古典的なマントゥー法で用いられ得る。液体噴射注射器によっておよび/または角質層を貫きかつ真皮に達する噴射を生ずる針によって、液体製剤を真皮に送達する噴射注射デバイスが好適である。圧縮ガスを用いて皮膚の外層から真皮へと粉末形態のポリマーを加速させるバリスティックな粉末/粒子送達デバイスが好適である。
外用投与にとって好適な製剤は、液体および/または半液体調製物、例えばリニメント剤、ローション、水中油および/もしくは油中水エマルション、例えばクリーム、軟膏、および/もしくはペースト、ならびに/または溶液および/もしくは懸濁物を包含する。外用投与可能な製剤は例えば約1%から約10%(w/w)の活性成分を含み得るが、活性成分の濃度は溶媒中への活性成分の可溶性限度ほども高くあり得る。外用投与のための製剤は、さらに本願に記載される追加の成分の1つ以上を含み得る。
本願に記載される医薬組成物は、口腔からの肺投与に好適な製剤として調製、パッケージング、および/または販売され得る。かかる製剤は、活性成分を含み、かつ約0.5から約7ナノメートル、または約1から約6ナノメートルの範囲の直径を有する乾燥粒子を含み得る。かかる組成物は、便利には、プロペラントの流れが導かれて粉末を分散し得る乾燥粉末リザーバを含むデバイスを用いる、ならびに/または密封容器内の低沸点プロペラント中に溶解および/もしくは懸濁された活性成分を含むデバイスなどの自己噴射性溶媒/粉末ディスペンサー容器を用いる投与のための乾燥粉末の形態である。かかる粉末は、重量による粒子の少なくとも98%が0.5ナノメートル超の直径を有し、数による粒子の少なくとも95%が7ナノメートル未満の直径を有する粒子を含む。代替的には、重量による粒子の少なくとも95%が1ナノメートル超の直径を有し、数による粒子の少なくとも90%が6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は糖などの固体微粉末希釈剤を包含し得、便利にはユニットドーズ形態で提供される。
一般的に、低沸点プロペラントは、大気圧において65°Fよりも下の沸点を有する液体プロペラントを包含する。一般的に、プロペラントは組成物の50から99.9%(w/w)に相当し得、活性成分は組成物の0.1から20%(w/w)に相当し得る。プロペラントは、液体非イオン性および/もしくは固体アニオン性界面活性剤ならびに/または固体希釈剤(これは、活性成分を含む粒子と同じオーダーの粒子サイズを有し得る)などの追加の成分をさらに含み得る。
肺送達のために製剤される本願に記載される医薬組成物は、活性成分を溶液および/または懸濁物の液滴の形態で提供し得る。かかる製剤は、活性成分を含む任意に無菌の水系および/または希アルコール系溶液および/または懸濁物として調製、パッケージング、および/または販売され得、便利には、いずれかのネブライゼーションおよび/またはアトマイゼーションデバイスを用いて投与され得る。かかる製剤はさらに1つ以上の追加の成分を含み得、サッカリンナトリウムなどの香料、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤、および/またはメチルヒドロキシ安息香酸などの保存料を包含する。
肺送達にとって有用であると本願に記載される製剤は、本願に記載される医薬組成物の鼻腔内送達にとって有用である。鼻腔内投与にとって好適な別の製剤は、活性成分を含み、かつ約0.2から500マイクロメートルの平均粒子を有する粗粒粉末である。かかる製剤は、鼻孔の近くに保持された粉末の容器からの鼻腔による急速な吸入によって投与される。
経鼻投与のための製剤は例えば約0.1%(w/w)ほども少しから100%(w/w)ほども多くの活性成分を含み得、本願に記載される追加の成分の1つ以上を含み得る。本願に記載される医薬組成物は、バッカル投与のための製剤として調製、パッケージング、および/または販売され得る。かかる製剤は、例えば、従来の方法を用いて作られた錠剤および/またはロゼンジの形態であり得、例えば0.1から20%(w/w)の活性成分を含有し得、残部は、経口溶解可能なおよび/または分解可能な組成物と任意に本願に記載される追加の成分の1つ以上とを含む。代わりに、バッカル投与のための製剤は、活性成分を含む粉末ならびに/またはエアロゾル化および/もしくはアトマイゼーションされた溶液および/もしくは懸濁物を含み得る。かかる粉末化、エアロゾル化、および/またはエアロゾル化された製剤は、分散されたときには約0.1から約200ナノメートルの範囲の平均粒子および/または液滴サイズを有し得、さらに本願に記載される追加の成分の1つ以上を含み得る。
本願に記載される医薬組成物は、経眼投与のための製剤として調製、パッケージング、および/または販売され得る。かかる製剤は例えば点眼薬の形態であり得、例えば、水系または油系液体担体または添加剤中の活性成分の0.1〜1.0%(w/w)溶液および/または懸濁物を包含する。かかる点薬はさらに緩衝剤、塩、および/または本願に記載される追加の成分の1つ以上の他のものを含み得る。有用である他の経眼投与可能な製剤は、活性成分を微結晶形態でおよび/またはリポソーム調製物として含むものを包含する。点耳薬および/または点眼薬もまた本開示の範囲内であることを企図される。
本願において提供される医薬組成物の記載はヒトへの投与にとって好適である医薬組成物に主として向けられているが、かかる組成物が全ての種類の動物への投与にとって一般的に好適であるということは当業者によって理解されるであろう。組成物を種々の動物への投与にとって好適にするための、ヒトへの投与にとって好適な医薬組成物の改変は良く理解されており、通例の獣医学薬理学者は通例の実験作業によってかかる改変を設計および/または実施し得る。
典型的には、本願において提供されるポリマーは投与の容易さおよび用量の均一さのためにユニット剤形で製剤される。しかしながら、本願に記載される組成物の一日総使用量は正しい医学的判断の範囲内において医者によって決められるであろうということは理解されるであろう。いずれかの特定の対象または生物のための具体的な治療有効ドーズレベルは、処置されようとする疾患、および障害の深刻さ;使用される具体的な活性成分の活性;使用される具体的な組成;対象の年齢、体重、一般的な健康、性別、および食事;使用される具体的な活性成分の投与の時間、投与経路、および排泄速度;処置の継続期間;使用される具体的な活性成分との組み合わせでまたは同時的に用いられる薬物;ならびに医学分野において周知の同類の因子を包含する、種々の因子に依存するであろう。
本願において提供されるポリマーおよび組成物は、経腸(例えば、経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、脊髄内、皮下、心室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、(粉末、軟膏、クリーム、および/もしくは点薬によるような)外用、粘膜、経鼻、バッカル、舌下の;気管内点滴、気管支内点滴、および/もしくは吸入によっての;ならびに/または経口スプレー、経鼻スプレー、および/もしくはエアロゾルとしてのを包含する、いずれかの経路によって投与され得る。具体的に企図される経路は、経口投与、静脈内投与(例えば、全身性の静脈内注射)、血液および/もしくはリンパ供給による局部的投与、ならびに/または患部への直接投与である。一般的に、最も適切な投与経路は、薬剤の性質(例えば、胃腸管の環境におけるその安定性)および/または対象の状態(例えば、対象が経口投与を忍容する能力があるかどうか)を包含する、種々の因子に依存するであろう。ある種の態様において、本願に記載されるポリマーまたは医薬組成物は対象の眼への外用投与にとって好適である。
有効量を達成するために要求されるポリマーの厳密な量は、対象から対象へ様々であり、例えば対象の種、年齢、および一般的状態、副作用または障害の深刻さ、特定のポリマーのアイデンティティ、投与のモード、および同類に依存するであろう。有効量はシングルドーズ(例えば、経口のシングルドーズ)またはマルチドーズ(例えば、経口のマルチドーズ)中に包含され得る。ある種の態様においては、マルチドーズが対象に投与または組織もしくは細胞に適用されるときに、マルチドーズのいずれかの2ドーズは、異なるかまたは実質的に同じ量の本願に記載されるポリマーを包含する。ある種の態様においては、マルチドーズが対象に投与または組織もしくは細胞に適用されるときに、マルチドーズを対象に投与またはマルチドーズを組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日3ドーズ、1日2ドーズ、1日1ドーズ、2日毎に1ドーズ、3日毎に1ドーズ、毎週1ドーズ、2週毎に1ドーズ、3週毎に1ドーズ、または4週毎に1ドーズである。ある種の態様において、マルチドーズを対象に投与またはマルチドーズを組織もしくは細胞に適用する頻度は、日あたり1ドーズである。ある種の態様において、マルチドーズを対象に投与またはマルチドーズを組織もしくは細胞に適用する頻度は、日あたり2ドーズである。ある種の態様において、マルチドーズを対象に投与またはマルチドーズを組織もしくは細胞に適用する頻度は、日あたり3ドーズである。ある種の態様においては、マルチドーズが対象に投与または組織もしくは細胞に適用されるときに、マルチドーズの第1のドーズおよび最後のドーズの間の継続期間は1日、2日、4日、1週、2週、3週、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年、15年、20年、または対象、組織、もしくは細胞の寿命である。ある種の態様において、マルチドーズの第1のドーズおよび最後のドーズの間の継続期間は3ヶ月、6ヶ月、または1年である。ある種の態様において、マルチドーズの第1のドーズおよび最後のドーズの間の継続期間は対象、組織、または細胞の寿命である。ある種の態様において、本願に記載されるドーズ(例えば、シングルドーズ、またはマルチドーズのいずれかのドーズ)は、独立して、両端を含めて、0.1μgおよび1μgの間、0.001mgおよび0.01mgの間、0.01mgおよび0.1mgの間、0.1mgおよび1mgの間、1mgおよび3mgの間、3mgおよび10mgの間、10mgおよび30mgの間、30mgおよび100mgの間、100mgおよび300mgの間、300mgおよび1,000mgの間、または1gおよび10gの間の本願に記載されるポリマーを包含する。ある種の態様において、本願に記載されるドーズは、独立して、両端を含めて1mgおよび3mgの間の本願に記載されるポリマーを包含する。ある種の態様において、本願に記載されるドーズは、独立して両端を含めて3mgおよび10mgの間の本願に記載されるポリマーを包含する。ある種の態様において、本願に記載されるドーズは、独立して両端を含めて10mgおよび30mgの間の本願に記載されるポリマーを包含する。ある種の態様において、本願に記載されるドーズは、独立して両端を含めて30mgおよび100mgの間の本願に記載されるポリマーを包含する。
本願に記載されるドーズ範囲は、提供される医薬組成物の成人への投与のためのガイダンスを提供している。例えば小児または少年に投与されるべき量は、医師または当業者によって決定され得、成人に投与されるものと同じかまたはより低くあり得る。ある種の態様において、本願に記載されるドーズは、その体重が70kgである成人ヒトへのドーズである。
本願に記載されるポリマーまたは組成物は1つ以上の追加の医薬薬剤(例えば、治療および/または予防活性薬剤)との組み合わせで投与され得る。ポリマーまたは組成物は、それらの活性(例えば、その必要がある対象の疾患を処置する、その必要がある対象の疾患を防止する、その必要がある対象の疾患を発生するリスクを縮減する、および/または対象もしくは細胞の蛋白質キナーゼの活性を阻害する活性(例えば、力価および/または有効性))を改善する、バイオアベイラビリティを改善する、安全性を改善する、薬物抵抗性を縮減する、代謝を縮減および/または改変する、排泄を阻害する、および/あるいは対象または細胞における分布を改変する、追加の医薬薬剤との組み合わせで投与され得る。使用される治療は同じ障害について所望の効果を達成し得、および/またはそれは異なる効果を達成し得るということもまた了解されるであろう。ある種の態様において、本願に記載されるポリマーと追加の医薬薬剤とを包含する本願に記載される医薬組成物は、ポリマーおよび追加の医薬薬剤の両方ではなく1つを包含する医薬組成物にはない相乗的な効果を示す。
ポリマーまたは組成物は、1つ以上の追加の医薬薬剤と並行して、それらに先立って、またはそれらの爾後に投与され得る。これらは、ポリマーまたは組成物とは異なり、かつ例えば組み合わせ治療として有用であり得る。医薬薬剤は治療活性薬剤を包含する。医薬薬剤は予防活性薬剤をもまた包含する。医薬薬剤は、有機低分子、例えば薬物化合物(例えば、連邦規則集(CFR)に提供されている通り、U.S.食品医薬品局によってヒトまたは獣医学使用を認可された化合物)、ペプチド、蛋白質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核蛋白質、ムコ蛋白質、リポ蛋白質、合成ポリペプチドまたは蛋白質、蛋白質にリンクされた低分子、糖蛋白質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞を包含する。ある種の態様において、追加の医薬薬剤は、疾患(例えば、増殖性疾患、血液学的疾患、神経疾患、疼痛状態、精神障害、または代謝障害)を処置および/または防止するために有用な医薬薬剤である。各追加の医薬薬剤は、その医薬薬剤について決定されているドーズおよび/またはタイムスケジュールで投与され得る。追加の医薬薬剤は、互いとおよび/または本願に記載されるポリマーもしくは組成物と一緒にシングルドーズで投与あるいは別個に異なるドーズで投与もまたされ得る。レジメンに使用するべき特定の組み合わせは、追加の医薬薬剤(単数もしくは複数)との本願に記載されるポリマーの適合性、ならびに/または達成されるべき所望の治療および/もしくは予防効果を考慮に入れるであろう。一般的に、組み合わせの追加の医薬薬剤(単数または複数)は、それらが個々に利用されるレベルを超えないレベルで利用されるということが予期される。いくつかの態様において、組み合わせで利用されるレベルは個々に利用されるものよりも低いであろう。
追加の医薬薬剤は、増殖抑制剤、抗癌剤、細胞毒性薬、抗血管新生薬、抗炎症薬、免疫抑制剤、抗細菌薬、抗ウイルス薬、心血管薬、コレステロール低下薬、抗糖尿病薬、抗アレルギー薬、避妊薬、および鎮痛薬を包含する。ある種の態様において、追加の医薬薬剤は増殖抑制剤である。ある種の態様において、追加の医薬薬剤は抗癌剤である。ある種の態様において、追加の医薬薬剤は抗ウイルス薬である。ある種の態様において、追加の医薬薬剤は蛋白質キナーゼの結合剤または阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬薬剤は、エピジェネティクスまたは転写調節剤(例えば、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤)、リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤)、有糸分裂阻害薬物(例えば、タキサンおよびビンカアルカロイド)、ホルモン受容体調節剤(例えば、エストロゲン受容体調節剤およびアンドロゲン受容体調節剤)、細胞シグナル伝達経路阻害剤(例えば、チロシン蛋白質キナーゼ阻害剤)、蛋白質安定性の調節剤(例えば、プロテアソーム阻害剤)、Hsp90阻害剤、グルココルチコイド、全トランス型レチノイン酸、ならびに分化を促進する他の薬剤からなる群から選択される。ある種の態様において、本願に記載されるポリマーまたは医薬組成物は、外科手術、放射線治療、移植(例えば、幹細胞移植、骨髄移植)、免疫療法、および化学療法を包含する抗癌治療との組み合わせで投与され得る。
キット(例えば医薬パック)もまた本開示によって包摂される。提供されるキットは、本願に記載される医薬組成物またはポリマーと使用のための説明書とを含み得る。キットはさらに容器を含み得る(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/もしくはディスペンサーパッケージ、または他の好適な容器)。いくつかの態様において、提供されるキットは、任意に、本願に記載される医薬組成物またはポリマーの希釈または懸濁のための医薬添加剤を含む第2の容器をさらに包含し得る。いくつかの態様において、第1の容器および第2の容器によって提供される本願に記載される医薬組成物またはポリマーは、組み合わせられて1つのユニット剤形を形成する。
いくつかの態様において、薬剤を含むコンジュゲートまたは粒子のパーセンテージは約1および約100%の間である(例えば、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%)。いくつかの態様において、薬剤を含むコンジュゲートのパーセンテージは約50%未満、例えば約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、または約10%未満である。いくつかの態様において、薬剤を含む(例えば粒子中の)コンジュゲートのパーセンテージは約5%および約50%、約5%および約40%、約5%および約30%、約5%および約25%、または約5%および約20%の間である。いくつかの態様において、薬剤を含む(例えば粒子中の)コンジュゲートのパーセンテージは約5%および90%の間である。いくつかの態様において、薬剤を含む(例えば粒子中の)コンジュゲートのパーセンテージは約5%および約75%の間である。いくつかの態様において、薬剤を含む(例えば粒子中の)コンジュゲートは約5%および約50%の間である。いくつかの態様において、薬剤を含む(例えば粒子中の)コンジュゲートのパーセンテージは約10%および約25%の間である。
いくつかの態様において、コンジュゲートまたは粒子中に存在する薬剤の総量は、コンジュゲートまたは粒子の総サイズまたは重量の約5%超である(例えば、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約12%、約15%、約20%、約25%、約30%、またはより多く)。いくつかの態様において、コンジュゲートまたは粒子中に存在する薬剤の総量は、コンジュゲートまたは粒子の総サイズまたは重量の約10%超である(例えば、約12%、約15%、約20%、約25%、約30%、またはより多く)。
理論によって拘束されることなしに、標的細胞(例えば、癌もしくは線維化細胞;低酸素環境に関連する細胞)への薬剤の局在および/もしくは放出(例えば、選好的放出)を増大させること、または薬剤の半減期を増大させ、それゆえに標的部位(例えば、腫瘍もしくは肝臓(例えば肝硬変細胞)において有意により高い量の放出される薬剤をもたらすことの1つ以上によって、本願において開示されるコンジュゲートまたは粒子は薬剤の効率を改善し得る。従って、本願において開示されるコンジュゲートおよび粒子は、(例えば、標的組織における増強された薬物取り込みが原因で)遊離の薬剤よりも治療有効であり得、および/または例えば標的組織におけるもたらされる薬物濃度を実質的に損なうことなしに、薬剤のより低い治療ドーズを許し得る。いくつかの態様において、本願において開示されるコンジュゲートおよび粒子は、遊離の(例えば、本願に記載されるポリマー、コンジュゲート、または粒子にカップリングされていない)形態の薬剤の全身投与に関連する有害作用を縮減し得る。
理論によって拘束されることなしに、本願に記載されるBASP組成物(例えば薬剤含有粒子)の局在化した送達が原因で、遊離形態の薬剤と比較して、粒子中の薬剤のより低いドーズまたは量が(例えば、持続的な局所送達によって)投与され得る。他の態様において、薬剤含有粒子は、所望の効果(例えば所望の治療効果)を有するための遊離形態の前記薬剤のドーズまたは量未満である薬剤のドーズまたは量で投与される。
いくつかの態様において、薬剤は、所望の効果(例えば所望の治療効果)を有するための遊離形態の前記薬剤のドーズまたは量、例えば遊離の薬剤の意図される使用のための標準治療ドーズ未満であるドーズで粒子に組み込まれる。1つの態様において、薬剤は、所望の治療のための薬剤の標準治療ドーズ未満である薬剤のドーズまたは量で、粒子に組み込まれる(例えば、薬剤の標準治療ドーズのものの約0.01、約0.02、約0.03、約0.04、約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、または約0.95未満であるドーズ)。
いくつかの態様において、薬剤は、所望の効果(例えば所望の治療効果)を有するための遊離形態の前記薬剤のドーズまたは量、例えば遊離の薬剤の意図される使用のための標準治療ドーズと同等のドーズで、粒子に組み込まれる。これらの態様において、粒子は遊離の薬剤よりも多大な治療効果および/または少ない有害作用を生ずる。ある種の態様において、粒子は、遊離の薬剤と比較して、その必要がある組織または細胞に送達される薬剤の量を増大させ、非標的組織または細胞に暴露される薬剤の量を縮減する。
いくつかの態様において、薬剤は、所望の効果(例えば所望の治療効果)を有するための遊離形態の前記薬剤のドーズまたは量、例えば遊離の薬剤の意図される使用のための標準治療ドーズよりも高いドーズで、粒子に組み込まれる。いくつかの態様において、薬剤は、全身投与によって有害作用(例えば、血圧の縮減)を生ずるであろう遊離形態の前記薬剤のドーズまたは量よりも高いドーズで、粒子に組み込まれる。いくつかの態様において、本願に記載される粒子はpH微小環境に基づいて標的部位において薬剤を放出するので、異なるpHを有する他の非標的部位(例えば血管)は薬剤に暴露されることがより蓋然的ではないであろう。
別の側面においては、本願に記載されるポリマーまたは医薬組成物を含む第1の容器を包含するキットが提供される。ある種の態様において、キットは薬剤を(例えば対象または細胞に)送達するために有用である。ある種の態様において、キットは、その必要がある対象の疾患(例えば、増殖性疾患、血液学的疾患、神経疾患、疼痛状態、精神障害、または代謝障害)を処置するために有用である。ある種の態様において、キットは、その必要がある対象の疾患(例えば、増殖性疾患、血液学的疾患、神経疾患、疼痛状態、精神障害、または代謝障害)を防止するために有用である。ある種の態様において、キットは、その必要がある対象の疾患(例えば、増殖性疾患、血液学的疾患、神経疾患、疼痛状態、精神障害、または代謝障害)を発生するリスクを縮減するために有用である。ある種の態様において、キットは対象または細胞の蛋白質キナーゼの活性(例えば異常な活性、例えば増大した活性)を阻害するために有用である。
ある種の態様において、本願に記載されるキットは、キットを用いるための説明書をさらに包含する。本願に記載されるキットは、U.S.食品医薬品局(FDA)などの規制当局によって要求される情報をもまた包含し得る。ある種の態様において、キットに包含される情報は処方情報である。ある種の態様において、キットおよび説明書は薬剤を送達することに備える。ある種の態様において、キットおよび説明書はその必要がある対象の疾患(例えば、増殖性疾患、血液学的疾患、神経疾患、疼痛状態、精神障害、または代謝障害)を処置することに備える。ある種の態様において、キットおよび説明書はその必要がある対象の疾患(例えば、増殖性疾患、血液学的疾患、神経疾患、疼痛状態、精神障害、または代謝障害)を防止することに備える。ある種の態様において、キットおよび説明書はその必要がある対象の疾患(例えば、増殖性疾患、血液学的疾患、神経疾患、疼痛状態、精神障害、または代謝障害)を発生するリスクを縮減することに備える。ある種の態様において、キットおよび説明書は対象または細胞の蛋白質キナーゼの活性(例えば異常な活性、例えば増大した活性)を阻害することに備える。本願に記載されるキットは、本願に記載される1つ以上の追加の医薬薬剤を別個の組成物として包含し得る。
処置および使用の方法
本開示は、本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物を、薬剤を送達するために用いる方法をもまた提供する。本開示は、本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物を、疾患または状態の処置、防止、または診断のために用いる方法をもまた提供する。
ある種の態様において、本願に記載される方法は、本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物の有効量を対象に投与することを包含する。ある種の態様において、本願に記載される方法は、本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物の有効量を対象にインプラントすることを包含する。ある種の態様において、本願に記載される方法は、治療有効量の:本願に記載されるポリマー;またはその医薬組成物を;対象に投与またはインプラントすることによって、その必要がある対象の疾患または状態を処置することを含み、式中、MまたはM’の少なくとも1つのものは治療薬剤である。ある種の態様において、本願に記載される方法は、予防有効量の:本願に記載されるポリマー;またはその医薬組成物を;対象に投与またはインプラントすることによって、その必要がある対象の疾患または状態を防止することを含み、式中、MまたはM’の少なくとも1つのものは予防薬剤である。ある種の態様において、本願に記載される方法は、診断有効量の:本願に記載されるポリマー;またはその医薬組成物を;対象に投与またはインプラントすることによって、その必要がある対象の疾患または状態を診断することを含み、式中、MまたはM’の少なくとも1つのものは診断薬剤である。
ある種の態様において、疾患または状態は、増殖性疾患、血液学的疾患、神経疾患、疼痛状態、精神障害、代謝障害、または長期的な医学的状態である。ある種の態様において、疾患は癌(例えば、肺癌、大腸癌、膵臓癌、胆道癌、もしくは子宮内膜癌)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、または自己免疫疾患である。ある種の態様において、長期的な医学的状態は高血圧である。
いくつかの態様において、本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物は癌を処置することに有用である。いくつかの態様において、本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物は、癌の始まりを遅延させるか、進行をゆっくりにさせるか、または症状を向上させるために有用である。いくつかの態様において、本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物は、癌を処置するための他の化合物、薬物、または治療法との組み合わせで投与される。
いくつかの態様において、本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物は癌を処置するために有用であり、聴神経腫瘍、腺癌、副腎腺癌、肛門癌、血管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、血管腫)、虫垂癌、良性単クローン性ガンマグロブリン血症、胆道癌(例えば胆管癌)、膀胱癌、乳癌(例えば、乳部の腺癌、乳頭状乳癌、乳腺癌、乳部の髄様癌)、脳腫瘍(例えば、髄膜腫;グリオーマ、例えば、星細胞腫、乏突起膠腫;髄芽腫)、気管支癌、カルチノイド腫瘍、子宮頚部癌(例えば子宮頚部腺癌)、絨毛癌、脊索腫、頭蓋咽頭腫、結腸直腸癌(例えば、結腸癌、直腸癌、結腸直腸腺癌)、上皮癌、上衣腫、内皮肉腫(例えば、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫)、子宮内膜癌(例えば、子宮癌、子宮肉腫)、食道癌(例えば、食道腺癌、バレット腺癌)、ユーイング肉腫、眼の癌(例えば、眼内メラノーマ、網膜芽細胞腫)、家族性好酸球増多症、胆嚢癌、胃癌(例えば胃腺癌)、消化管間質腫瘍(GIST)、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌、口腔癌(例えば口腔扁平上皮癌(OSCC)、咽喉癌(例えば、喉頭癌、咽頭癌、鼻咽頭癌、中咽頭癌))、造血器癌(例えば白血病、例えば急性リンパ性白血病(ALL)(例えばB細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例えばB細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えばB細胞CML、T細胞CML)、および慢性リンパ性白血病(CLL)(例えばB細胞CLL、T細胞CLL);リンパ腫、例えばホジキンリンパ腫(HL)(例えばB細胞HL、T細胞HL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えばB細胞NHL、例えばびまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えばびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞性リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、リンパ節性辺縁帯B細胞性リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫)、原発性縦隔B細胞型リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(すなわち「ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症」)、有毛細胞性白血病(HCL)、免疫芽球型大細胞性リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、および原発性の中枢神経系(CNS)リンパ腫;およびT細胞NHL、例えば前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉症(mycosis fungiodes)、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、皮下蜂窩織炎様T細胞リンパ腫、および未分化大細胞性リンパ腫);上に記載されている1つ以上の白血病/リンパ腫の混合物、および多発性骨髄腫)、重鎖病(例えば、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病)、血管芽腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、免疫細胞性アミロイドーシス、腎臓癌(例えば、腎芽腫、別名をウィルムス腫瘍、腎細胞癌)、肝臓癌(例えば、肝細胞癌(HCC)、悪性ヘパトーマ)、肺癌(例えば、気管支原性癌、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺腺癌)、平滑筋肉腫(LMS)、肥満細胞症(例えば、全身性肥満細胞症)、骨髄異形成症候群(MDS)、中皮腫、骨髄増殖性疾患(MPD)(例えば、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(AMM)、別名を骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES))、神経芽細胞腫、神経線維腫(例えば、神経線維腫症(NF)1型または2型、シュワノマトーシス)、神経内分泌癌(例えば、膵・消化管神経内分泌腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド腫瘍)、骨肉腫、卵巣癌(例えば、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌)、乳頭腺癌、膵臓癌(例えば、膵腺癌(pancreatic andenocarcinoma)、膵管内乳頭粘液性新生物(IPMN)、膵島細胞腫瘍)、陰茎癌(例えば、陰茎および陰嚢のページェット病)、松果体腫、原始神経外胚葉性腫瘍(PNT)、前立腺癌(例えば、前立腺の腺癌)、直腸癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌(例えば、扁平上皮癌(SCC)、ケラトアカントーマ(KA)、メラノーマ、基底細胞癌(BCC))、小腸癌(例えば虫垂癌)、軟部肉腫(例えば悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫)、脂腺癌、汗腺癌、滑膜腫、精巣癌(例えば、セミノーマ、精巣胎児性癌)、甲状腺癌(例えば、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様癌)、尿道癌、膣癌、および外陰癌(例えば、外陰ページェット病)を包含するが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物は、肺癌、頭頸部癌、食道癌、胃癌、乳癌、膵臓癌、肝臓癌、腎臓癌、前立腺癌、膠芽腫、転移性メラノーマ、腹膜、または胸膜中皮腫を処置することに有用である。
いくつかの態様において、増殖性疾患は良性新生物である。本願において開示されるまたは当分野において公知の良性新生物の全ての型は本開示の範囲内であることを企図される。いくつかの態様において、増殖性疾患は血管新生に関連する。本願において開示されるまたは当分野において公知の血管新生の全ての型は本開示の範囲内であることを企図される。ある種の態様において、増殖性疾患は炎症性疾患である。本願において開示されるまたは当分野において公知の炎症性疾患の全ての型は本開示の範囲内であることを企図される。ある種の態様において、炎症性疾患は関節リウマチである。いくつかの態様において、増殖性疾患は自己炎症性疾患である。本願において開示されるまたは当分野において公知の自己炎症性疾患の全ての型は本開示の範囲内であることを企図される。いくつかの態様において、増殖性疾患は自己免疫疾患である。本願において開示されるまたは当分野において公知の自己免疫疾患の全ての型は本開示の範囲内であることを企図される。
いくつかの態様において、本願のポリマーまたはその医薬組成物は、癌を処置することに有用なMまたはM’の少なくとも1つのものを含有する。ある種の態様において、MまたはM’は治療薬剤である。ある種の態様において、治療薬剤は抗癌剤である。抗癌剤は生物学的治療法抗癌剤および化学療法薬剤を包摂する。例示的な生物学的治療法抗癌剤は、インターフェロン、サイトカイン(例えば、腫瘍壊死因子、インターフェロンα、インターフェロンγ)、ワクチン、造血成長因子、モノクローナル血清療法、免疫増強薬および/または免疫調節(immunodulatory)剤(例えば、IL−1、2、4、6、または12)、免疫細胞成長因子(例えば、GM−CSF)および抗体(例えば、HERCEPTIN(トラスツズマブ)、T-DM1、AVASTIN(ベバシズマブ)、ERBITUX(セツキシマブ)、VECTIBIX(パニツムマブ)、RITUXAN(リツキシマブ)、BEXXAR(トシツモマブ))を包含するが、これらに限定されない。例示的な化学療法薬剤は、抗エストロゲン薬(例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびメゲストロール)、LHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン(goscrclin)およびリュープロリド)、抗アンドロゲン薬(例えば、フルタミドおよびビカルタミド)、光線力学治療(例えば、ベルテポルフィン(vertoporfin)(BPD-MA)、フタロシアニン、光増感剤Pc4、およびデメトキシ−ヒポクレリンA(2BA-2-DMHA))、窒素マスタード(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、エストラムスチン、およびメルファラン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(BCNU)およびロムスチン(CCNU))、アルキルスルホン酸エステル(例えば、ブスルファンおよびトレオサルファン)、トリアゼン(例えば、ダカルバジン、テモゾロミド)、白金含有化合物(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン)、タキソイド(例えば、パクリタキセルまたはパクリタキセル均等物、例えばナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ABRAXANE)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA−パクリタキセル、Taxoprexin)、ポリグルタミン酸結合パクリタキセル(PG−パクリタキセル、パクリタキセル・ポリグルメックス、CT-2103、XYOTAX)、腫瘍活性化プロドラッグ(TAP)ANG1005(3分子のパクリタキセルに結合したAngiopep−2)、パクリタキセル−EC−1(erbB2認識ペプチドEC−1に結合したパクリタキセル)、およびグルコースコンジュゲート化パクリタキセル、例えば、2’−パクリタキセルメチル2−グルコピラノシルサクシネート;ドセタキセル、タキソール)、エピポドフィリン(例えば、エトポシド、エトポシドリン酸塩、テニポシド、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトイリノテカン、イリノテカン、クリスナトール、マイトマイシンC)、代謝拮抗剤、DHFR阻害剤(例えば、メトトレキサート、ジクロロメトトレキサート、トリメトレキサート、エダトレキサート)、IMPデヒドロゲナーゼ阻害剤(例えば、ミコフェノール酸、チアゾフリン、リバビリン、およびEICAR)、リボヌクレオチド(ribonuclotide)レダクターゼ阻害剤(例えば、ヒドロキシ尿素およびデフェロキサミン)、ウラシルアナログ(例えば、5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラルチトレキセド(ratitrexed)、テガフール・ウラシル、カペシタビン)、シトシンアナログ(例えば、シタラビン(araC)、シトシンアラビノシド、およびフルダラビン)、プリンアナログ(例えば、メルカプトプリンおよびチオグアニン)、ビタミンD3アナログ(例えば、EB1089、CB1093、およびKH1060)、イソプレニル化阻害剤(例えば、ロバスタチン)、ドーパミン作動性神経毒(例えば、1−メチル−4−フェニルピリジニウムイオン)、細胞周期阻害剤(例えば、スタウロスポリン)、アクチノマイシン(例えば、アクチノマイシンD、ダクチノマイシン)、ブレオマイシン(例えば、ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、ペプロマイシン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、PEG化ドキソルビシンリポソーム、イダルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、ゾルビシン、ミトキサントロン)、MDR阻害剤(例えば、ベラパミル)、Ca2+ATPase阻害剤(例えば、タプシガルギン)、イマチニブ、サリドマイド、レナリドミド、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、アキシチニブ(AG013736)、ボスチニブ(SKI-606)、セジラニブ(RECENTIN(商標)、AZD2171)、ダサチニブ(SPRYCEL(登録商標)、BMS-354825)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標)、CGP57148B、STI-571)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、TYVERB(登録商標))、レスタウルチニブ(CEP-701)、ネラチニブ(HKI-272)、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、セマキサニブ(セマキシニブ、SU5416)、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、SU11248)、トセラニブ(PALLADIA(登録商標))、バンデタニブ(ZACTIMA(登録商標)、ZD6474)、バタラニブ(PTK787、PTK/ZK)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標))、ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、エベロリムス(AFINITOR(登録商標))、アレムツズマブ(CAMPATH(登録商標))、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標))、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、ENMD-2076、PCI-32765、AC220、ドビチニブ乳酸塩(TKI258、CHIR-258)、BIBW2992(TOVOK(商標))、SGX523、PF-04217903、PF-02341066、PF-299804、BMS-777607、ABT-869、MP470、BIBF1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ-26483327、MGCD265、DCC-2036、BMS-690154、CEP-11981、チボザニブ(AV-951)、OSI-930、MM-121、XL-184、XL-647、および/またはXL228)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(VELCADE))、mTOR阻害剤(例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD-001)、リダホロリムス、AP23573(Ariad)、AZD8055(AstraZeneca)、BEZ235(Novartis)、BGT226(Norvartis)、XL765(Sanofi Aventis)、PF-4691502(Pfizer)、GDC0980(Genetech)、SF1126(Semafoe)、およびOSI-027(OSI))、オブリメルセン、ゲムシタビン、カルミノマイシン、ロイコボリン、ペメトレキセド、シクロホスファミド、ダカルバジン、プロカルバジン(procarbizine)、プレドニゾロン、デキサメタゾン、カンパテシン、プリカマイシン、アスパラギナーゼ、アミノプテリン、メトプテリン、ポルフィロマイシン、メルファラン、ロイロシジン、ロイロシン、クロラムブシル、トラベクテジン、プロカルバジン、ディスコデルモライド、カルミノマイシン、アミノプテリン、ならびにヘキサメチルメラミンを包含するが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物は、高血圧を処置することに有用なMまたはM’の少なくとも1つのものを含有する。ある種の態様において、MまたはM’は治療薬剤である。ある種の態様において、治療薬剤は抗高血圧薬剤である。例示的な抗高血圧薬剤は、アミロライド、アムロジピン、アテノロール、アジルサルタン、ベナゼプリル、ベンドロフルメチアジド、ベタキソロール、ビソプロロール、ブシンドロール、ブメタニド、カンデサルタン、カプトプリル、カルテオロール、カルベジロール、クロロチアジド、クロルタリドン、シルニジピン、クレビジピン、ジルチアゼム、ドキサゾシン、エナラプリル、エピチジド、エプレレノン、エプロサルタン、エタクリン酸、フェロジピン、Fimasartan、ホシノプリル、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、インドラミン、イルベサルタン、イスラジピン、ラベタロール、レルカニジピン、レバムロジピン、リシノプリル、ロサルタン、メチクロチアジド、メトラゾン、メトプロロール、モエキシプリル、ナドロール、ネビボロール、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、オルメサルタン、オクスプレノロール、ペンブトロール、ペリンドプリル、ピンドロール、フェノキシベンザミン、フェントールアミン、ポリチアジド、プラゾシン、プロプラノロール、キナプリル、ラミプリル、スピロノラクトン、テルミサルタン、テラゾシン、チモロール、トラゾリン、トラセミド、トランドラプリル、トリアムテレン、バルサルタン、およびベラパミルを包含するが、これらに限定されない。
ある種の態様において、本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物は、本願に記載される1つ以上の追加の医薬薬剤との組み合わせで投与される。ある種の態様において、追加の医薬薬剤は抗癌剤である。ある種の態様において、追加の医薬薬剤は抗高血圧薬剤である。
ある種の態様において、本願に記載される方法は、有効量の本願に記載されるポリマーまたはその医薬組成物と細胞を接触させることを包含する。ある種の態様において、細胞はインビトロである。ある種の態様において、細胞はインビボである。
本開示がより完全に理解され得るために、次の例を記す。本願に記載される合成および生物学例は、本願において提供される化合物、医薬組成物、および方法を例解するために提示しており、決してそれらの範囲を限定すると解釈されるべきではない。
いくつかの例では、重合可能なノルボルネン含有断片は、改変した報告された手順に従って30、市販cis−5−ノルボルネン−exo−2,3−ジカルボン酸無水物および6−アミノヘキサン酸から、還流条件でトルエン中において調製した(図1B)。純粋な生成物G2−b2は液液抽出によって容易に精製された。アルキンおよび酸含有断片もまた文献の手順にならって31市販プロパルギルアミンおよびアクリル酸tert−ブチルから調製した(図1B);共役(conjugated)付加は50℃でメタノール中において難なく進んだ。ロータリーエバポレーションは溶媒を取り除くために十分であり、きれいな生成物G2−b1を提供し、有意な量の副生成物は観察されなかった。酸官能基は普通のtert−ブチル保護ケミストリーを用いて保護し、残りのステップとの望ましくない干渉、またはアルキン部位の官能化の間に生起し得るいずれかの爾後の不適合性を回避した32。それから、2つの断片G2−b1およびG2−b2をカルボジイミドケミストリーを用いてN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC−HCl)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)によってカップリングし、tert−ブチル保護されたG2−MまたはG2−Nb−イン−OtBuを生んだ(図1B)。生成物は小スケールでカラムクロマトグラフィーを用いて精製されたが、前もって大スケールで余分の液液抽出をなお要求した。なぜなら、不溶性の副生成物が、直接的な効率的なカラムクロマトグラフィーを妨げるために十分な数量で存在したからである。例示的な完全な合成手順を本願に記載する。最終生成物としてG2−Mを指定した。ここで、保護された酸はいずれかのあり得る爾後の(subsequence)化学的不適合性を回避するために役立ちながら、先の粘稠なゲル様のG1−Mカウンターパートと比較して容易に取り扱われる固体材料を提供した(図2);保護基はいずれかの鋭意の単離労力なしに容易に取り除かれ、次のステップに送られ得る(下を見よ)29。この収束的な3ステップ合成はG2−Mを87%の総合的な収率で提供し、先の設計の43%収率からの有意な改善であった29。さらにその上、生成物精製労力は大きく縮減されながら、100グラムスケールまでの大分より良いスケーラビリティを与えた(図1A〜B、2)。この合成は、学術的および産業的背景両方において、ROMP適合性モノマーへの容易なアクセスを許すであろう。これらは、このバックボーン上への目当ての薬剤(例えば、低分子、治療薬剤、診断薬剤、予防薬剤)およびポリマーのさらなる組み込みのための2つの直交的な官能性をもまた含有する。
次に、G2−Mが便利に官能化され、爾後に、先の系と類縁の様式で、有用な多官能性ブラシスターアームポリマー(BASP)NPおよび/または良く秩序だったBBCPへと変換され得るかどうかを決定することを求めた9,27,33。BASP−NPのためには、酸基がポリエチレングリコール(PEG)鎖上にコンジュゲート化され、アルキンが任意に切断可能なリンカーを介して薬剤上に「クリック」される(例えば、クリックケミストリーによって反応させられる)、第2世代マクロモノマー(G2−MM)が必要とされ得る(図3)8,11,16,29。これを達成するために、G2−Mの脱保護を例えばトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン溶液(TFA:DCM,1:1比)中において実施し、酸中間体G2−Nb−イン−COOHを提供し、これをロータリーエバポレーションによって単離した。それから、DCM中のEDC−HCl、DMAP、およびN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を用いて、活性化エステルG2−Nb−イン−NHSを取得した。次に、アミン末端PEGを活性化エステル上にコンジュゲート化し、アルキン含有MMのG2−イン−PEGを沈殿によって得た。DCM中の酢酸銅(I)によるCuAACケミストリーを用いて、パクリタキセルコンジュゲート化テトラエチレングリコールアジドPTX−N3はMM上に難なく「クリック」され、分取GPC後にG2−PTX−MMを生んだ。類似に、G2−イン−PEG上に、PTXなしのテトラエチレングリコールアジドTEG−N3がブランクMMのG2−TEG−MMとして「クリック」され得る。例示的な合成の詳細を本願に記載する。
BF−ROMPをBASP形成のために利用した(図4A)。いくつかの例では、THF中のMMをG3−Catと7:1比で反応させて、7という重合度(DP)を有する短いリビングボトルブラシポリマーを形成した。30分後に、リビングポリマーを20当量(equivalence)(eq)のクロスリンカー(XL)に追加し、所望のBASPを形成した。BF−ROMPは、比較目的のために第1世代MM(G1−MM)の先の設計を用いてもまたなされた。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって分析された反応混合物は、G2−MMおよびG1−MM両方からのBASPの類似のかつ効率的な形成を指示した(図4B)。さらにその上、ブラシ形成ステージにおける非分枝PEG−MMとの分枝MMの共重合11,27、次にBASPを提供するための架橋もまた、G2−MMまたはG1−MMから出発するBASP間において類似であるGPCトレースを生んだ(図6)。これは、あり得ることとして、先にG1系について報告されている通り、マルチコンポーネントBASPまたはNP搭載調整のための複数のMMを含有するボトルブラシの形成を許すであろう8,26,29。さらにその上、作出されたBASP−NPは動的光散乱(DLS)および透過電子顕微鏡(TEM)によってキャラクタリゼーションした(図4C)。DLSによって決定された流体力学的直径(Dh)は、30〜50nm範囲のNPを示唆し、インビボ治療法/イメージング用途にとって高度に望ましい粒子サイズであった(図4C)34−37。TEMは、40〜70nm範囲の若干より大きいけれども良好なNPサイズを明らかにした。これは、先に報告されている通り、TEMサンプル調製の間にあり得るPEG凝集から生起した(図4C)8,11,27。全て一緒にすると、これらの結果は、G2−Mから作出されたMM間において先の設計に匹敵する(compatible)性能を強く示唆しながら、極めて単純、迅速、かつスケーラブルな合成という利点を獲得する。
次に、直交的な官能基上にコンジュゲート化された2つのポリマーによって、G2−Mを官能化した。爾後に、これは、ROMP後に、ポリマーの3つの異なる組み合わせについて興味深い様式で自己集合することが先に示されているA−分枝−B−BBCPを提供するであろう9。ここで、PS−分枝−PLAマクロモノマー(BMM)を文献の手順に基づいて合成した38。G2−M−NHSから出発して、活性化エステルを3−アミノプロパン−1−オールへと置換し、それから、アジド末端PSをCuAACによってアルキンと反応させた。アジド末端PSは先の手順に従って合成した9。爾後に、DL−ラクチドのエチル−2−ヘキサン酸錫(II)によって触媒される重合を用いて、ポリラクチドを第一級アルコールから成長させて、分枝PS−分枝−PLAマクロモノマー(G2−Nb−PS−分枝−PLA)を用意した。
それから、グラフトスルーROMPを使用して、前述の重合と類縁の様式で、架橋ステップの非存在下において、G2−Nb−PS−分枝−PLA−BMMからBBCPを調製した(図5A)。反応混合物のGPCは、検討した全てのDP(10、20、および30)においてBMMからBBCPへの高度に効率的な変換を明らかにした(図5B)。先端光子源施設において小角X線散乱(SAXS)を実施して、熱アニールされた(6hに渡ってバキュームオーブン中で145℃)G2−Nb−PS−分枝−PLA−BMMおよびその対応するBBCPの自己集合挙動を研究した。BBCPが長くなると、BMMのSAXSプロファイルは無秩序な形態学を示したが、ジャイロイド形態学はDP=10、20、および30について明瞭に観察された(図5C)。これは、2つの非相溶性ポリマー鎖間に予め組織化された界面を提供するノルボルネンポリマーバックボーンの先の観察と整合している。さらにその上、これは2世代のモノマー間の匹敵(compatibility)を実証している。
概要として、ポリマーおよび/または低分子の便利なコンジュゲート化のための2つ以上の(例えば、3、4、または5つの)直交的な官能基を含有するノルボルネンに基づくROMP適合性モノマー系の合成が本願において報告される。合成は迅速、単純、および/または100グラムスケールであり得る。もたらされるMMはグラフトスルーROMPを受け得、BASP−NPおよび自己集合したBBCPを首尾良く形成した。これらの両方は、生物医学および薬物送達からポリマー形態学までに及ぶさまざまな用途にとってエキサイティングなプラットフォームである。今や、この合成的に単純明快な三官能性系は学術的および産業的立場両方から難なくアクセスされ得、その膨大なポテンシャルのさらなる探査を許す。
ROMPのための分枝ノルボルネンの単純、迅速、かつスケーラブルな合成
材料、一般的方法、および機器編成
別様に述べられていない限り、全ての試薬は商業サプライヤーから購入し、さらなる精製なしに用いた。グラブス第3世代ビスピリジル触媒G3−Cat39、第1世代マクロモノマー(G1−MM)前駆体G1−Nb−イン−PEG40、PEG−MM41、クロスリンカーXL41、TEG−アジド42、酸−TEG−アジド42、およびchex−アジド28は文献の手順に従って調製した。液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)および分取HPLCは、Zorbax SB-C18ラピッドレゾリューションHTカラム(LC/MS)およびZorbax SB-C18セミ分取カラム(prep−HPLC)を装備したAgilent 1260 LCシステムによって、二成分溶媒系(0.1%CH3COOHを有するMeCNおよびH2O)を用いて実施した。リサイクル分取HPLCはLaboACEシステム(日本分析工業株式会社)によってJAIGEL-2.5HRカラムを用いて実施した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)分析はAgilent 1260 Infinityセットアップによってタンデムな2つのShodex KD-806Mカラムで実施し、0.025MのLiBr−DMF移動相を60℃で流した。各化合物の示差屈折率(dRI)はWyatt Optilab T-rEX検出器を用いてモニタリングした。ポリスチレン含有サンプルについては、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、THF中において、単分散直鎖ポリスチレン標準によって校正され、UVダイオードアレイ検出器および示差屈折率(dRI)検出器を装備したAgilent 1260 Infinityシステムによって0.1〜1.0mg/mLの濃度で実施した。GPCは1mL/分の流量で35℃において流し、3つのカラムを直列で組み立てた:Agilent Technologies PLgel 5μm 10E5A、10E4A、および10E3A。これらの全ては寸法が300×7.5mmである。カラムクロマトグラフィーはシリカゲル60F(EMD Millipore,0.040〜0.063mm)によって行った。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、400(1H)および100(13C)MHzの作動周波数のBruker AVANCE III-400スペクトロメータ、600(1H)および151(13C)MHzの作動周波数のAVANCE-600スペクトロメータ、または500(1H)および125(13C)MHzのVarian Inova 500スペクトロメータによって記録した。化学シフトは残存する非重水素化溶媒に対応するシグナルに対して相対的にppmで報告される:CDCl3:δH=7.26ppmおよびδC=77.16ppm。高分解能質量スペクトル(HRMS)はエレクトロスプレーイオン化(ESI)源を用いてBruker Daltonics APEXIV 4.7 Teslaフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FT−ICR−MS)によって測定した。マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間(MALDI−TOF)分析はシナピン酸をマトリックスとして用いてBruker OmniFlex機器によって収集した。動的光散乱(DLS)測定はWyatt Technology Mobius DLS機器を用いて実施した。サンプルは、ナノピュア水(MilliQ)、PBS緩衝液、または5%グルコース溶液(これもまたナノピュア水中)どちらかによって1.0mg/mLで調製した;圧縮空気によって予め清浄化された使い捨てポリスチレンキュベットを用いた;もたらされた溶液を、0.4μmのNalgeneフィルター(PES膜)から、圧縮空気によって予め清浄化された使い捨てポリスチレンキュベットに通した。測定は10個の取得のセットでなされ、平均流体力学的直径はDLS相関関数を用いて正則化フィッティング法によって計算された(Wyatt TechnologyからのDynamics 7.4.0.72ソフトウェアパッケージ)。TEM画像はFEI Tecnai多目的TEM(G2 Spirit TWIN,12kV)を用いてMIT Center for Materials Science and Engineeringにおいて取得された。サンプル調製は次からなった:5μLのBASPナノ粒子の1.0mg/mL水溶液を、パラフィルム片上に置かれたカーボンフィルムコーティング200メッシュ銅グリッド(Electron Microscopy Sciences)上にピペッティングした。次に、キムワイプの縁を用いて溶液を液滴の基部から慎重に吸収し、ナノ粒子をTEMグリッド上に残した。それから、一滴の2wt%酢酸ウラニル(Electronic Microscopy Sciences)を追加することによってサンプルをネガティブ染色した。3min後に、残存する酢酸ウラニル溶液を慎重にキムワイプに吸収し、サンプルが分析前に完全に乾燥することを許した。SAXS測定のためには、ROMP反応からの乾燥サンプルを15〜50μLのTHFによって濡らして、かろうじて溶解した濃い溶液を形成した。材料の小量をスパチュラまたはピペットチップによって取り出し、サンプルホルダーとして働く円形ワッシャーの穴を充填するために用いた(外径:24mm,内径:2mm,厚さ:1mm)。それから、サンプルをバキュームオーブン中に置き、排気し、6hに渡って145℃に加熱した。バキュームオーブンが一晩冷却することを許し、それから雰囲気に排気した。透過SAXSはアルゴンヌ国立研究所の先端光子源施設において執り行われた。用いたサンプルから検出器の距離は1.9081mであり、ビームの波長は0.886Åであった。電子スピン共鳴(EPR)スペクトルはネブラスカ大学において周波数カウンターを装備したBruker CW Xバンドスペクトロメータを用いて取得された。スペクトルはデュアルモード空洞を用いて得た;全てのスペクトルは掃引磁場に対して垂直な振動磁場(TE102)を用いて記録した。DPPH粉末(g=2.0037)をg値参照として用いた。スペクトルの数値解析は、次の表に列記されている主な数値解析パラメータ(Budil et al.によるプログラム47)、つまり、ニトロキシドの周りのミクロ粘度を測定するnsのニトロキシドの回転運動の相関時間τと、衝突ニトロキシド標識の局所濃度の増大によって増大する107s−1のハイゼンベルク交換周波数Wexとによって得た。他のパラメータは一定と想定し得た。なぜなら、それらを変化させることによってフィッティングは改善しなかったからである。詳細には、電子スピンおよび磁場の間のカップリングのgii値は2.009、2.006、および2.0037であり;電子スピンおよび窒素核スピンの間のカップリングのAii値は6G、6G、および32Gであり;固有線幅W1は3Gであった。
合成プロトコール
1)第2世代分枝ノルボルネン前駆体:
例1:G2−b1の合成.
スキーム1:G2−b1の合成.
若干改変した文献の手順にならってG2−b1を調製した43。丸底フラスコ(RBF)に、プロパルギルアミン(7.2mL,6.2g,0.11mol,2.2eq)およびアクリル酸tert−ブチル(7.6mL,6.7g,0.052mol,1.0eq)を追加した。メタノール(120mL)を追加し、反応混合物を窒素下において24時間に渡って50℃で撹拌した。それから溶液を真空下で濃縮し、G2−b1を橙色の液体として提供した(9.1g,96%収率)。
G2−b1の大スケール合成.RBFに、プロパルギルアミン(43.2mL,37.1g,0.674mol,2.16eq)およびアクリル酸tert−ブチル(45.7mL,40.0g,0.312mol,1.00eq)を追加した。メタノール(720mL)を追加し、反応混合物を窒素下において24時間に渡って50℃で撹拌した。それから溶液を真空下で濃縮し、G2−b1を橙色の液体として提供した(56.1g,98%収率)。HRMS-ESI: Calculated for C10H17NO2: m/z = 184.1338 [M + H]+; Found: 184.1346 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δH 3.43 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 2.92 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.45 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.22 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 2.04 (b, 1H), 1.44 (s, 9H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm): δC 172.1, 82.1, 80.8, 71.5, 44.3, 38.3, 35.8, 28.3. G2−b1の1Hおよび13C−NMRスペクトルデータをそれぞれ図6および7に示す。
例2:G2−b2の合成.
スキーム2:G2−b2の合成.
若干改変した文献の手順にならってG2−b2を調製した44。cis−5−ノルボルネン−exo−2,3−ジカルボン酸無水物(0.50g,3.0mmol,1.0eq)および6−アミノヘキサン酸(0.48g,3.7mmol,1.2eq)を、冷却器を装着したRBFに追加した。それからトルエン(15mL)を追加し、溶液を120℃で一晩撹拌した。それから、混合物が室温に冷却することを許し、真空下で濃縮した。それからDCMを追加し、溶液を1MのHCl、水、およびブラインによって洗浄した。有機層を回収し、Na2SO4によって乾燥し、真空下で濃縮し、生成物を白色固体として提供した(0.83g,96%収率)。
G2−b2の大スケール合成.cis−5−ノルボルネン−exo−2,3−ジカルボン酸無水物(75.0g,0.456mol,1.00eq)および6−アミノヘキサン酸(71.9g,0.548mol,1.20eq)を、冷却器を装着したRBFに追加した。それからトルエン(2.25L)を追加し、溶液を120℃で一晩撹拌した。それから、混合物が室温に冷却することを許し、真空下で濃縮した。それからDCMを追加し、溶液を1MのHCl、水、およびブラインによって洗浄した。有機層を回収し、Na2SO4によって乾燥し、真空下で濃縮し、生成物を白色固体として提供した(121.5g,96%収率)。HRMS-ESI: Calculated for C15H19NO- 4: m/z = 276.1241 [M - H]-; Found: 276.1234 [M - H]-. 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δH 6.28 (t, J = 1.8 Hz, 2H), 3.46 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.27 (t, J = 1.6 Hz, 2H), 2.67 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 2.34 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.69-1.61 (m, 2H), 1.59-1.53 (m, 2H), 1.52-1.49 (dt, J = 9.6, 1.6, 1H), 1.38-1.31 (m, 2H), 1.25-1.19 (m, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm): δC 179.2, 178.2, 137.9, 47.9, 45.3, 42.8, 38.5, 33.8, 27.5, 26.5, 24.3. G2−b2の1Hおよび13C−NMRスペクトルデータをそれぞれ図8および9に示す。
例3:G2−Nb−イン−OtBuの合成.
スキーム3:G2−Nb−イン−OtBuの合成.
RBFに、G2−b1(400mg,2.18mmol,1.0eq)、G2−b2(908mg,3.27mmol,1.5eq)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC−HCl)(628mg,3.27mmol,1.5eq)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(133mg,1.09mmol,0.5eq)、およびDCM(90mL)を追加した。反応混合物を一晩撹拌し、それから真空下で濃縮した。クルードな混合物のカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM)は生成物を白色固体として生んだ(899mg,93%収率)。
G2−b2の大スケール合成.RBFに、G2−b1(45.0g,0.246mol,1.0eq)、G2−b2(102g,0.368mol,1.5eq)、EDC−HCl(70.6g,0.368mol,1.5eq)、DMAP(15.0mg,0.123mol,0.5eq)、およびDCM(4.50L)を追加した。反応混合物を一晩撹拌し、それから真空下で濃縮した。それからDCMを追加し、クルードな混合物を水およびブラインによって洗浄した。有機層を回収し、Na2SO4によって乾燥し、真空下で濃縮した。クルードな混合物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)は生成物をオフホワイトの固体として生んだ(94.2g,87%収率)。HRMS-ESI: Calculated for C25H34N2O5: m/z = 443.2540 [M + H]+; Found: 443.2556 [M +H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δH 6.27 (t, J = 2.0 Hz, 2H), 4.21 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 4.09 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.69 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 3.63 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 3.45 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 3.26 (t, J = 1.8 Hz, 2H), 2.66 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 2.54 (td, J = 7.1, 1.3 Hz, 2H), 2.36 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.28 (t, J = 2.4 Hz, 0.5H), 2.19 (t, J = 2.6 Hz, 0.5H), 1.69-1.62 (m, 2H), 1.59-1.53 (m, 2H), 1.51-1.49 (dt, J = 10.0, 1.6 Hz, 1H), 1.43 (d, J = 6.0 Hz, 9H), 1.38-1.30 (m, 2H), 1.22-1.20 (m, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm): δC 178.1, 172.6, 172.3, 171.4, 170.3, 137.8, 81.4, 80.7, 79.1, 78.9, 72.6, 71.8, 47.8, 45.2, 43.0, 42.8, 42.7, 38.5, 34.7, 34.1, 34.0, 33.0, 32.8, 28.1, 28.0, 27.6, 26.7, 24.6, 24.4. G2−Nb−イン−OtBuの1Hおよび13C−NMRスペクトルデータをそれぞれ図10および11に示す。
例4:G2−Nb−イン−NHSの合成.
スキーム4:G2−Nb−イン−NHSの合成.
OtBuの脱保護.G2−Nb−イン−OtBu(200mg)をRBFに追加した。それから、TFAおよびDCM(1:1)の溶液を追加した(13mL)。混合物を20分に渡って撹拌し、G2−Nb−イン−OtBuの完全な脱保護をもたらした。それから溶液を真空下で濃縮し、G2−Nb−イン−COOHを生んだ。これは、それからG2−Nb−イン−NHSの合成に直接用いられ得る。キャラクタリゼーション目的のためには、濃縮されたG2−Nb−イン−COOHをDCMに再溶解し、1MのHCl、水、およびブラインによって洗浄した。有機層を回収し、Na2SO4によって乾燥し、真空下で濃縮し、G2−Nb−イン−COOHを白色固体として提供した(166mg,94%収率)。HRMS-ESI: Calcd for C21H26N205: m/z = 387.1914 [M + H]+; Found: 387.1926 [M +H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δH 6.28 (t, J = 2.0 Hz, 2H), 4.25 (d, J = 2.4 Hz, 0.8H), 4.12 (d, J = 2.4 Hz, 1.2H), 3.79 (t, J = 7.0 Hz, 0.8H), 3.69 (t, J = 6.6 Hz, 1.2H), 3.46 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.26 (t, J = 1.8 Hz, 2H), 2.72-2.67 (overlap, 4H), 2.38 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.32 (t, J = 2.4 Hz, 0.6H), 2.22 (t, J = 2.6 Hz, 0.4H), 1.70-1.63 (m, 2H), 1.60-1.54 (m, 2H), 1.52-1.49 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 1.38-1.28 (m, 2H), 1.22-1.20 (d, J = 9.2 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm): δC 178.6, 178.3, 176.0, 174.6, 173.5, 172.7, 138.0, 79.0, 78.7, 73.1, 72.3, 48.0, 47.9, 45.3, 43.2, 42.9, 42.7, 38.9, 38.7, 34.1, 33.2, 33.0, 32.9, 32.4, 27.7, 27.5, 26.7, 26.6, 24.5, 24.4. G2−Nb−イン−COOHの1Hおよび13C−NMRスペクトルデータをそれぞれ図12および13に示す。
G2−Nb−イン−NHSの合成.RBFに、G2−Nb−イン−COOH(175mg,0.452mmol,1.0eq)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(78.0mg,0.678mmol,1.5eq)、EDC−HCl(130mg,0.678mmol,1.5eq)、DMAP(27.6mg,0.226mmol,0.5eq)、およびDCM(5mL)を追加した。反応混合物を一晩撹拌し、それから真空下で濃縮した。クルードな混合物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)は生成物を白色固体として生んだ(171mg,78%収率)。HRMS-ESI: Calcd for C25H29N3O7: m/z = 483.2078 [M + H]+; Found: 484.2056 [M +H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δH 6.26 (t, J = 2.0 Hz, 2H), 4.24 (d, J = 2.8 Hz, 0.6H), 4.10 (d, J = 2.4 Hz, 1.4H), 3.85 (t, J = 7.2 Hz, 0.6H), 3.74 (t, J = 6.4 Hz, 1.4H), 3.44 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.25 (t, J = 1.8 Hz, 2H), 2.99-2.95 (m, 2H), 2.82 (s, 4H), 2.65 (s, 2H), 2.40-2.34 (m, 2H), 2.31 (t, J = 2.4 Hz, 0.7H), 2.25 (t, J = 2.4 Hz, 0.3H), 1.70-1.62 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.60-1.52 (m, 2H), 1.50-1.48 (dt, J = 10.0, 1.6 Hz, 1H), 1.38-1.28 (m, 2H), 1.21-1.18 (d, J = 10.0, 1.6 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm): δC 178.2, 173.2, 172.3, 169.1, 168.9, 167.6, 166.4, 137.9, 78.8, 78.6, 73.1, 72.7, 47.9, 45.3, 43.0, 42.9, 42.4, 39.1, 38.7, 38.6, 34.3, 33.1, 32.9, 30.6, 30.2, 27.7, 26.7, 25.7, 24.5, 24.4. G2−Nb−イン−NHSの1Hおよび13C−NMRスペクトルデータをそれぞれ図14および15に示す。
例5:G2−Nb−イン−NHSの合成.
スキーム5:G2−Nb−イン−プロパノールの合成.
G2−Nb−イン−NHS (640mg,1.32mmol,1.0eq)を20mLガラスバイアル中で乾燥し、バイアルを排気し、N2を3回バックフィルした。出発材料を13mLの無水DCMに溶解した。ニートな3−アミノプロパン−1−オール(150mg,2.0mmol,1.5eq)をシリンジによって追加し、これによって白色の沈殿が形成した。20分後に、反応は完了していることがLCMSによって決定され、反応混合物を直接的にシリカカラムに仕込んだ。0→8%MeOH/DCM勾配を用いて材料をクロマトグラフィーし、生成物はおよそ6%MeOHで溶出した。生成物を無色の粘稠な油として単離した(483mg,83%収率)。HRMS-ESI: 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.01 (m, 0.61H), 6.84 (t, J = 6.0 Hz, 0.34H), 6.23 (t, J = 1.8 Hz, 2H), 4.14 (d, J = 2.5 Hz, 0.72H), 4.05 (d, J = 2.5 Hz, 1.24H), 3.72 (t, J = 7.0 Hz, 1.29H), 3.62 (t, J = 6.6 Hz, 1.35H), 3.57 (t, J = 5.8 Hz, 0.92H), 3.54 (t, J = 5.7 Hz, 1.29H), 3.40 (t, J = 6.9 Hz, H), 3.32 (m, 2H), 3.20 (s, 1H), 2.62 (s, 2H), 2.48 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.33 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.30 (d, J = 2.4 Hz, 0.64H), 2.21 (d, J = 2.5 Hz, 0.36H), 1.56-1.66 (m, 4H), 1.51 (p, J = 7.4, 6.8 Hz, 2H), 1.46 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 1.32 - 1.23 (m, 2H), 1.15 (d, J = 9.8 Hz, 1H). 13C NMR (151 MHz, CDCl3) δ 178.20, 178.13, 173.47, 172.72, 171.86, 170.85, 137.77, 79.47, 78.53, 77.34, 77.12, 76.91, 72.90, 71.88, 59.72, 59.26, 50.48, 47.78, 45.11, 43.91, 43.50, 42.73, 42.70, 38.51, 38.42, 38.41, 36.83, 36.30, 35.53, 35.02, 34.55, 32.90, 32.41, 32.08, 31.89, 27.48, 27.39, 26.51, 26.45, 24.44, 24.33. G2−Nb−イン−プロパノールの1Hおよび13C−NMRスペクトルデータをそれぞれ図16および17に示す。
2)第2世代マルチクリックノルボルネン前駆体:
例6:G2−Nb−イン2−OtBuの合成.
スキーム6:G2−Nb−イン2−OtBuの合成.
上で報告されている同じ手順にならって、TFAおよびDCMの溶液(1:1)を用いてG2−Nb−イン−OtBuを脱保護した。混合物を20分に渡って撹拌し、G2−Nb−イン−OtBuの完全な脱保護をもたらした。それから溶液を1MのHCl、水、およびブラインによって洗浄した。有機層を回収し、Na2SO4によって乾燥し、真空下で濃縮し、G2−Nb−イン−COOHを白色固体として提供した。
RBFに、G2−Nb−イン−COOH(1.49g,3.86mmol,1.0eq)、EDC−HCl(0.740g,3.86mmol,1.0eq)、DMAP(0.267g,2.19mmol,0.6eq)、G2−b1(0.530g,2.89mmol,0.75eq)、およびDCM(100mL)を追加した。反応混合物を一晩撹拌し、それから真空下で濃縮した。クルードな混合物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)は生成物を薄黄色の粘稠な油として生んだ(1.34g,84%収率,G2−Nb−イン−OtBuから79%収率)。HRMS- DART: Calcd for C31H42N3O6: m/z = 552.3068 [M + H]+; Found: 552.3044 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm): δH 6.26 (t, J = 1.8 Hz, 2H), 4.21-4.09 (m, 4H), 3.79-3.60 (m, 4H), 3.46-3.41 (m, 2H), 3.24 (t, J = 1.8 Hz, 2H), 2.79-2.70 (m, 2H), 2.64 (s, 2H), 2.57-2.50 (m, 2H), 2.38-2.32 (m, 2H), 2.28-2.25 (m, 1H), 2.21-2.17 (m, 1H), 1.68-1.61 (m, 2H), 1.59-1.52 (m, 2H), 1.50-1.47 (dt, J = 10.0, 1.6 Hz, 1H), 1.42 (s, 9H), 1.36-1.28 (m, 2H), 1.19 (1H, d, J = 9.6 Hz). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm): δC 178.1, 173.0, 172.5, 172.4, 171.4, 171.2, 171.1, 170.3, 170.2, 170.1, 137.9, 81.6, 81.4, 81.0, 80.9, 79.5, 79.2, 79.1, 78.7, 77.4, 73.1, 72.8, 72.5, 72.2, 71.9, 71.8, 47.9, 45.2, 43.8, 43.7, 43.6, 43.5, 43.3, 43.30, 42.9, 42.8, 39.1, 38.6, 38.5, 34.7, 34.6, 34.4, 34.2, 34.1, 33.1, 32.9, 32.3, 32.0, 31.9, 28.2, 28.1, 27.7, 26.8, 24.7, 24.5. G2−Nb−イン2−OtBuの1Hおよび13C−NMRスペクトルデータをそれぞれ図64および65に示す。
例7:G2−Nb−イン2−NHSの合成.
スキーム7:G2−Nb−イン2−NHSの合成.
上で報告されている類似の手順にならって、TFAおよびDCMの溶液(1:1,30mLのDCM中の30mLのTFA)を用いて、G2−Nb−イン2−OtBu(7.02g,12.7mmol)を脱保護した。混合物を3時間に渡って撹拌し、G2−Nb−イン2−OtBuの完全な脱保護をもたらした。それからDCM(70mL)を反応混合物に追加し、溶液を1MのHCl、水、およびブラインによって洗浄した。有機層を回収し、Na2SO4によって乾燥し、真空下で濃縮し、G2−Nb−イン2−COOHをオフホワイトの固体として提供した(6.24g,99%収率)。
RBFに、G2−Nb−イン2−COOH(1.87g,3.77mmol,1.0eq)、EDC−HCl(1.09g,5.67mmol,1.5eq)、DMAP(0.114g,0.94mmol,0.25eq)、NHS(0.653g,5.68mmol,1.5eq)、およびDCM(100mL)を追加した。反応混合物を一晩撹拌し、それから真空下で濃縮した。クルードな混合物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)は生成物を白色固体として生んだ(1.27g,57%収率,G2−Nb−イン2−OtBuから56%収率)。HRMS-DART: Calcd for C31H37N4O8: m/z = 593.2606 [M + H]+; Found: 593.2617 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm): δH 6.26 (t, J = 1.6 Hz, 2H), 4.27-4.12 (m, 4H), 3.90-3.68 (m, 4H), 3.44 (td, J = 7.4, 2.4 Hz, 2H), 3.24 (s, 2H), 3.02-2.96 (m, 2H), 2.85-2.73 (m, 6H), 2.65 (s, 2H), 2.39-2.21 (m, 4H), 1.69- 1.62 (m, 2H), 1.59-1.52 (m, 2H), 1.51-1.48 (dt, J = 9.6, 1.7 Hz, 1H), 1.37-1.29 (m, 2H), 1.20 (1H, d, J = 9.6 Hz). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm): δC 178.2, 173.1, 172.6, 171.9, 171.1, 170.9, 169.1, 168.9, 167.5, 166.4, 137.9, 79.8, 79.6, 79.3, 78.7, 78.3, 78.2, 77.4, 73.6, 73.3, 73.1, 72.7, 72.6, 71.9, 47.9, 45.3, 44.0, 43.8, 43.6, 43.4, 43.1, 42.9, 42.8, 42.4, 42.3, 39.2, 39.1, 39.0 38.6, 35.0, 34.8, 34.5, 34.1, 33.1, 32.9, 32.8, 32.4, 32.3, 31.9, 30.6, 30.4, 30.2, 30.1, 27.7, 26.9, 26.8, 25.7, 24.7, 24.5. G2−Nb−イン2−NHSの1Hおよび13C−NMRスペクトルデータをそれぞれ図66および67に示す。
例8:G2−Nb−イン3−OtBuの合成.
スキーム8:G2−Nb−イン3−OtBuの合成.
上で報告されている同じ手順にならって、TFAおよびDCMの溶液を用いてG2−Nb−イン2−OtBuを脱保護した。混合物を3時間に渡って撹拌し、G2−Nb−イン2−OtBuの完全な脱保護をもたらした。それから溶液を1MのHCl、水、およびブラインによって洗浄した。有機層を回収し、Na2SO4によって乾燥し、真空下で濃縮し、G2−Nb−イン2−COOHをオフホワイトの固体として提供した。
RBFに、G2−Nb−イン2−COOH(0.458g,0.92mmol,1.0eq)、EDC−HCl(0.196g,1.02mmol,1.1eq)、DMAP(0.070g,0.57mmol,0.6eq)、G2−b1(0.130g,0.71mmol,0.75eq)、およびDCM(20mL)を追加した。反応混合物を一晩撹拌し、それから真空下で濃縮した。クルードな混合物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)は生成物を黄色の粘稠な油として生んだ(0.340g,55%収率,G2−Nb−イン2−OtBuから54%収率)。HRMS-DART: Calcd for C37H49N4O7: m/z = 661.3596 [M + H]+; Found: 661.3589 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm): δH 6.27 (t, J = 1.8 Hz, 2H), 4.22-4.10 (m, 6H), 3.82-3.63 (m, 6H), 3.47-3.41 (m, 2H), 3.26 (s, 2H), 2.85-2.72 (m, 4H), 2.66 (s, 2H), 2.59-2.53 (m, 2H), 2.42-2.18 (m, 5H), 1.71-1.63 (m, 2H), 1.61-1.54 (m, 2H), 1.52-1.49 (d, J = 10.0, 1H), 1.43 (s, 9H), 1.39-1.27 (m, 2H), 1.21 (d, J = 9.6 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm): δC 178.2, 173.0, 172.6, 172.5, 171.8, 171.7, 171.3, 171.2, 171.0, 170.7, 170.3, 170.2, 137.9, 81.6, 81.4, 81.0, 80.9, 79.6, 79.3, 79.1, 78.9, 78.7, 77.3, 73.2, 72.9, 72.7, 72.6, 72.2, 71.9, 71.8, 49.3, 47.9, 45.3, 43.8, 43.6, 43.4, 43.1, 42.9, 39.2, 39.0, 38.7, 38.6, 34.6, 34.4, 34.2, 34.1, 33.1, 32.9, 32.4, 32.2, 32.0, 31.8, 28.2, 28.1, 27.7, 26.8, 24.7, 24.5. G2−Nb−イン3−OtBuの1Hおよび13C−NMRスペクトルデータをそれぞれ図68および69に示す。
例9:G2−Nb−イン3−NHSの合成.
スキーム9:G2−Nb−イン3−NHSの合成.
上で報告されている類似の手順にならって、TFAおよびDCMの溶液(1:1,20mLのDCM中に20mLのTFA)を用いてG2−Nb−イン3−OtBu(1.68g,2.54mmol)を脱保護した。混合物を3時間に渡って撹拌し、G2−Nb−イン3−OtBuの完全な脱保護をもたらした。それからDCM(40mL)を反応混合物に追加し、溶液を1MのHCl、水、およびブラインによって洗浄した。有機層を回収し、Na2SO4によって乾燥し、真空下で濃縮し、G2−Nb−イン3−COOHをオフホワイトの固体として提供した(1.50g,97%収率)。
RBFに、G2−Nb−イン3−COOH(1.50g,2.48mmol,1.0eq)、EDC−HCl(0.713g,3.72mmol,1.5eq)、DMAP(0.151g,1.24mmol,0.5eq)、NHS(0.428g,3.72mmol,1.5eq)、およびDCM(100mL)を追加した。反応混合物を一晩撹拌し、それから真空下で濃縮した。クルードな混合物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)は生成物を白色固体として生んだ(1.10g,63%収率,G2−Nb−イン3−OtBuから61%収率)。HRMS-DART: Calcd for C37H44N5O9: m/z = 702.3134 [M + H]+; Found: 702.3132 [M + H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm): δH 6.27 (s, 2H), 4.26-4.12 (m, 6H), 3.88-3.66 (m, 6H), 3.44 (td, J = 7.6, 2.4 Hz, 2H), 3.25 (s, 2H), 3.03-2.95 (m, 2H), 2.86-2.69 (m, 8H), 2.65 (s, 2H), 2.39-2.18 (m, 5H), 1.69-1.48 (m, 5H), 1.37-1.27 (m, 2H), 1.20 (d, J = 11.6 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm): δC 178.2, 173.0, 172.9, 172.6, 171.8, 171.7, 171.3, 169.1, 168.9, 167.6, 137.9, 79.8, 79.6, 79.3, 79.0, 78.3, 78.2, 77.4, 73.6, 73.3, 73.1, 72.8, 72.7, 72.6, 72.5, 71.9, 47.9, 45.3, 43.9, 43.8, 43.5, 43.4, 43.1, 42.9, 42.8, 42.4, 39.2, 39.1, 38.6, 35.0, 34.9, 34.4, 34.1, 33.1, 32.9, 32.4, 32.3, 32.2, 30.2, 30.1, 29.8, 27.7, 26.8, 25.7, 24.7, 24.5. G2−Nb−イン−プロパノールの1Hおよび13C−NMRスペクトルデータをそれぞれ図70および71に示す。
3)アジド前駆体:
例10:PTX−アジドの合成.
スキーム10:PTX−アジドの合成.
RBFに、パクリタキセル(260mg,0.304mmol,1.0eq)、酸−TEG−アジド(107mg,0.457mmol,1.5eq)、EDC−HCl(87.6mg,0.457mmol,1.5eq)、DMAP(18.6mg,0.152mmol,0.5eq)、およびDCM(40mL)を追加した。反応混合物を一晩撹拌し、それから真空下で濃縮した。クルードな混合物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)は生成物を白色固体として生んだ(275mg,85%収率)。HRMS-ESI: Calcd for C55H64N4O18: m/z = 1091.4108 [M + Na]+; Found: 1091.4129 [M +Na]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δH 8.14 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.74 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.60 (tt, J = 7.4, 1.7 Hz, 1H), 7.53-7.47 (overlap, 3H), 7.43-7.33 (overlap, 7H), 7.30 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 6.29 (s, 1H), 6.26 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 6.03 (dd, J = 9.2, 2.8 Hz, 1H), 5.69 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.54 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 4.97 (dd, J = 7.6, 2.2 Hz, 1H), 4.44 (m, 1H), 4.30 (t, 2H), 4.19 (t, 2H), 3.83 - 3.75 (overlap, 2H), 3.68 - 3.62 (overlap, 3H), 3.59 - 46 (overlap, 6H), 3.25 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 2.59 - 2.52 (overlap, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.41 (dd, J = 15.6, 9.2 Hz, 1H), 2.25 - 2.19 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 2.20 (s, 3H), 1.94 (s, 3H), 1.91 - 1.84 (m, 2H), 1.68 (s, 3H), 1.23 (s, 3H), 1.13 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm): δC, 203.9, 171.4, 169.9, 167.9, 167.5, 167.1, 142.8, 137.0, 133.9, 133.8, 132.9, 132.0, 130.4, 129.3, 129.2, 128.9, 128.7, 128.6, 127.4, 126.9, 84.6, 81.2, 79.2, 77.4, 76.6, 75.7, 75.2, 74.5, 72.2, 72.1, 71.0, 70.8, 70.7, 70.6, 69.9, 68.4, 58.6, 52.9, 50.6, 45.7, 43.3, 35.7, 35.6, 26.9, 22.8, 22.3, 20.9, 14.9, 9.7. PTX−アジドの1Hおよび13C−NMRスペクトルデータをそれぞれ図20および21に示す。
例11:ChexW−N3の合成.
スキーム11:ChexW−N3の合成.
Chex−N3(0.267g,0.77mmol,3.2mmol)をイン3−OH(.060g,0.241mmol,1.0equiv)と共に小バイアルに仕込んだ。バイアルをグローブボックスに運び、ここでCuOAc(.005g,0.041mmol,0.17mmol)および無水DCM(3mL)を追加した。反応を室温で1時間に渡って撹拌し、この時の後には、LC−MSは反応が完了したということを指示した。反応をシリカプラグによって濾過した(10:1のDCM:MeOH)。この材料を精製なしに直接的に次のステップに用いた。DCC(0.096g,0.465mmol)を含有する小バイアルに、14−アジド−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカン酸(0.092g,0.332mmol)。反応を一晩撹拌し、この時の後には、LC−MSはかなりの量の出発材料がなお存在することを指示した。それからDMAP(0.022g)を反応に追加し、反応は3時間以内に完了した。濾過および分取ゲル浸透クロマトグラフィーによる精製はChexW−N3を橙色の油として提供した(0.165g,0.11mmol,2ステップで46%収率)。
例12:PTXW−N3の合成.
スキーム12:イン3−NHSの合成.
イン 3 −NHSの手順:イン3−COOH(0.400g,1.14mmol,1equiv)、EDC−HCl(0.332g,1.74mmol,1.5equiv)、DMAP(.0741g,0.61mmol,0.54equiv)、およびN−ヒドロキシスクシンイミド(0.370g,3.22mmol,2.9equiv)を12時間に渡ってDCM中において室温で混合した。揮発性成分の蒸発後に、残渣を20:1のDCM:MeOH溶離液を用いてシリカによって精製した。分取ゲル浸透クロマトグラフィー(CHCl3)を用いる爾後の精製はイン3−NHSを白色粉末として提供した(0.306g,0.68mmol,60%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 4.19 (s, 2H), 4.10 (t, 6H, J = 2.6 Hz), 3.51 (s, 6H), 2.98 (t, 2H, J = 7.2 Hz), 2.83 (s, 4H), 2.76 (t, 2H, 7.2 Hz), 2.43 (t, 3H, J = 2.4 Hz) 13C NMR (CDCl3, 100 MHz): 170.6, 168.9, 167.7, 79.8, 74.4, 68.7, 64.1, 58.7, 44.0, 28.8, 26.3, 25.6 HRMS-ESI: Calcd for C22H25NO9: m/z = 470.1422 [M + Na]+; Found: 470.1426 [M + Na]+.
PTXW−N 3 の手順:イン3−NHS(0.048g,0.107mmol,1equiv)、PTX−N3(0.375g,0.350mmol,3.3equiv)、トリス(ベンジルトリアゾリルメチル)アミン(TBTA,0.027g,0.040mmol,0.4equiv)、およびテトラキス(アセトニトリル)銅(i)ヘキサフルオロホスファート(0.0265g,0.050mmol,0.5equiv)を小バイアルに追加し、CHCl3(1.5mL)に溶解した。2つの追加のテトラキス(アセトニトリル)銅(i)ヘキサフルオロホスファート(.0202g+.0200g)を次の24時間かけて追加し、2時間後に、LC−MSによると反応は完了した。溶液をアルミナによって濾過し、分取ゲル浸透クロマトグラフィー(CHCl3)によって精製して、PTX3−NHS中間体を白色粉末として提供した(0.232g,.063mmol,59%収率)。この中間体の一部分(0.223g,0.061mmol,1equiv)をCHCl3に溶解し、11−アジド−3−6−9−トリオキサウンデカンアミン(.033g,0.151mmol,2.5equiv)を0.2mLのCHCl3中において追加した。反応を12時間に渡って室温で撹拌し、分取ゲル浸透クロマトグラフィー(CHCl3)によって精製して、PTXW−N3を無色の粉末として生んだ(0.154g,0.041mmol,67%収率)。PTXW−N3のMALDIスペクトルを図46に示す。
例13:TelW−N3の合成.
スキーム13:TelW−N3の合成.
Tel−N3(0.802g,0.959mmol,3.2equiv)およびイン3−OH(0.075g,0.300mmol,1equiv)をバイアルに仕込み、グローブボックスに運び、ここでDCM中の10mLのCuOAc/PPh3(それぞれ3mMおよび6mM)の新たに調製された溶液を追加した。反応を室温で12時間に渡って撹拌し、この時の後には、LC−MSは反応が完了したということを指示した。それから反応をシリカ(10:1のDCM:MeOH)によって濾過して、Tel3OH中間体を提供し、これを精製なしに次のステップに用いた(0.560g)。この材料の一部分(0.501g,〜0.181mmol)を、EDC−HCl(0.120g,1.00mmol)、アジド−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカン酸(0.132g,0.477mmol)、およびDMAPと共にバイアルに追加した。DCM(10mL)を追加し、反応を室温で3時間に渡って撹拌した。この時の後には、LC−MSは反応が完了したということを指示した。揮発性成分を蒸発させ、残渣を分取ゲル浸透クロマトグラフィー(CHCl3)によって精製して、TelW−N3を白色粉末として提供した(0.512g,0.178mmol,2ステップで59%)。
4)第2世代分枝ノルボルネンマクロモノマー:
例14:G2−Nb−イン−PEGの合成.
スキーム14:G2−Nb−イン−PEGの合成.
若干改変した文献の手順にならってG2−Nb−イン−PEGを調製した40。丸底フラスコ(RBF)に、G2−Nb−イン−NHS(0.260g,0.538mmol,1.24eq)およびO−(2−アミノエチル)ポリ(エチレングリコール)(1.30g,0.434mmol,1.0eq)を追加した。それからDMF(26.0mL)を追加し、もたらされた溶液を一晩撹拌した。それから、溶液を撹拌ジエチルエーテル(300mL)に滴下し、G2−Nb−イン−PEGを白色の沈殿として提供した。それから、混合物を遠心に付した(4000rpm,15min)。それから、エーテルは傾瀉され得る。白色固体をエーテルによって洗浄し、次に、別の2回の遠心および傾瀉をし、純粋なG2−Nb−イン−PEGを白色固体として提供した(1.37g,94%収率)。1H−NMRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図18および19に示す。
例15:G2−Nb−TEG−MMの合成.
スキーム15:G2−Nb−TEG−MMの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン−PEG(150.0mg,0.044mmol,1.0eq)、TEG−アジド(14.5mg,0.066mmol,1.5eq)、およびDCM(2.0mL)を追加した。それから酢酸銅(I)(CuOAc)(少量)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MSによって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(119mg,74%収率)。1H−NMRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図22および23に示す。
例16:G2−PTX−MMの合成.
スキーム16:G2−PTX−MMの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン−PEG(113.6mg,0.033mmol,1.0eq)、PTX−アジド(50.0mg,0.047mmol,1.4eq)およびDCM(2mL)を追加した。それから、少量のCuOAcを追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MSによって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(114mg,76%収率)。1H−NMRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図24および25に示す。
例17:G2−Nb−イン2−PEGの合成.
スキーム17:G2−Nb−イン2−PEGの合成.
若干改変した文献の手順にならって、G2−Nb−イン2−PEGを調製した40。丸底フラスコ(RBF)に、G2−Nb−イン2−NHS(70mg,0.118mmol,1.2eq)およびO−(2−アミノエチル)ポリ(エチレングリコール)(295.3mg,0.098mmol,1.0eq)を追加した。それからDMF(4.0mL)を追加し、もたらされた溶液を一晩撹拌した。それから、溶液を撹拌ジエチルエーテル(150mL)に滴下し、G2−Nb−イン2−PEGを白色の沈殿として提供した。それから混合物を遠心に付した(4000rpm,15min)。それから、エーテルは傾瀉され得る。白色固体をエーテルによって洗浄し、次に、別の2回の遠心および傾瀉をし、純粋なG2−Nb−イン2−PEGを白色固体として提供した(313.3mg,94%収率)。1H−NMRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図72および73に示す。
例18:G2−Nb−イン3−PEGの合成.
スキーム18:G2−Nb−イン3−PEGの合成.
若干改変した文献の手順にならって、G2−Nb−イン3−PEGを調製した40。丸底フラスコ(RBF)に、G2−Nb−イン3−NHS(0.767g,1.09mmol,1.2eq)およびO−(2−アミノエチル)ポリ(エチレングリコール)(2.74g,0.913mmol,1.0eq)を追加した。それからDMF(44.0mL)を追加し、もたらされた溶液を一晩撹拌した。それから、溶液を撹拌ジエチルエーテル(150mL)に滴下し、G2−Nb−イン3−PEGを白色の沈殿として提供した。それから、混合物を遠心に付した(4000rpm,15min)。それから、エーテルは傾瀉され得る。白色固体をエーテルによって洗浄し、次に、別の2回の遠心および傾瀉をし、 純粋なG2−Nb−イン2−PEGを白色固体として提供した(2.81g,86%収率)。1H−NMRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図74および75に示す。
例19:G2−Nb−TEG−PEGの合成.
スキーム19:G2−Nb−TEG−PEGの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン−PEG(150.0mg,0.044mmol,1.0eq)、TEG−アジド(14.5mg,0.066mmol,1.5eq)、およびDCM(2.0mL)を追加した。それから酢酸銅(I)(CuOAc)(少量)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MS(〜1時間)によって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(119mg,74%収率)。
例20:G2−Nb−TEG2−PEGの合成.
スキーム20:G2−Nb−TEG2−PEGの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン2−PEG(130.0mg,0.037mmol,1.0eq)、TEG−アジド(19.7mg,0.090mmol,2.4eq)、およびDCM(3.0mL)を追加した。それから酢酸銅(I)(CuOAc)(少量)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MS(〜2.5時間)によって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(110mg,75%収率)。1H−NMRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図77および78に示す。
例21:G2−Nb−TEG3−PEGの合成.
スキーム21:G2−Nb−TEG3−PEGの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン2−PEG(130.0mg,0.036mmol,1.0eq)、TEG−アジド(28.6mg,0.130mmol,3.6eq)、およびDCM(3.0mL)を追加した。それから酢酸銅(I)(CuOAc)(少量)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MS(〜3時間)によって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(120.4mg,78%収率)。1H−NMRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図79および80に示す。
例22:G2−Nb−chex−PEGの合成.
スキーム22:G2−Nb−chex−PEGの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン−PEG(99.0mg,0.029mmol,1.0eq)、chex−アジド(12.3mg,0.035mmol,1.2eq)、およびDCM(2.0mL)を追加した。それから酢酸銅(I)(CuOAc)(少量)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MS(〜1時間)によって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(90.0mg,82%収率)。EPRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図81Aおよび82に示す。
例23:G2−Nb−chex2−PEGの合成.
スキーム23:G2−Nb−chex2−PEGの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン2−PEG(150.0mg,0.043mmol,1.0eq)、chex−アジド(46.0mg,0.132mmol,3.0eq)、およびDCM(5.0mL)を追加した。それから酢酸銅(I)(CuOAc)(少量)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MS(〜3時間)によって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(150mg,83%収率)。EPRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図81Bおよび83に示す。
例24:G2−Nb−chex3−PEGの合成.
スキーム24:G2−Nb−chex3−PEGの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン3−PEG(591.1mg,0.166mmol,1.0eq)、chex−アジド(207.8mg,0.596mmol,3.6eq)、およびDCM(9.0mL)を追加した。それから酢酸銅(I)(CuOAc)(少量)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MS(〜6時間)によって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(682mg,89%収率)。EPRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図81Cおよび84に示す。
例25:ChexWI−MMの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン−PEG(10.0mg,3.0μmol,1.0eq)、ChexW−N3(6.0mg,4.0μmol,1.3eq)、およびDCM(0.1mL)を追加した。それから酢酸銅(I)(CuOAc)(少量)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MS(〜2時間)によって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を薄黄色の固体として提供した。
例26:PTXWI−MMの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン−PEG(60.0mg,0.018mmol,1.0eq)、PTXW−N3(100.0mg,0.027mmol,1.5eq)、およびDCM(3.0mL)を追加した。それから、酢酸銅(I)(CuOAc)(12.1mg)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MS(19時間)によって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(88.7mg,70%収率)。PTXWI−MMのMALDIスペクトルを図47に示す。
例27:TelII−MMの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン2−PEG(400.0mg,0.115mmol,1.0eq)、Tel−N3(250.0mg,0.287mmol,2.5eq)、およびDCM(20mL)を追加した。それから、酢酸銅(I)(CuOAc)(28.2mg,0.230mmol,2.0eq)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MS(〜4時間)によって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を薄黄色の固体として提供した。TelII−MMのMALDIスペクトルを図49に示す。
例28:TelW−MMの合成.
バイアルに、G1−Nb−イン−PEG(100.0mg,0.03mmol,1.0eq)、TelPhW−N3(135.0mg,0.045mmol,1.5eq)、およびDCM(3.0mL)を追加した。それから、酢酸銅(I)(CuOAc)(5.5mg,0.045mmol,1.5eq)およびトリフェニルホスフィン(PPh3)(24.0mg,0.092mmol,3.0eq)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MS(一晩)によって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を薄黄色の固体として提供した。TelW−MMのMALDIスペクトルを図54に示す。
例29:TelWIII−MMの合成.
バイアルに、G2−Nb−イン3−PEG(10.0mg,2.79μmol,1.0eq)、TelPhW−N3(42.0mg,14.0μmol,5.0eq)、およびDCM(0.9mL)を追加した。それから、酢酸銅(I)(CuOAc)(1.7mg,14.0μmοl,5.0eq)およびトリフェニルホスフィン(PPh3)(7.3mg,28.0μmol,10.0eq)を追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MS(一晩)によって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を薄黄色の固体として提供した。
5)第1世代分枝ノルボルネンマクロモノマー:
例30:G1−TEG−MMの合成.
スキーム25:G1−TEG−MMの合成.
バイアルに、G1−Nb−イン−PEG(340.0mg,0.1mmol,1.0eq)、TEG−アジド(33.0mg,0.15mmol,1.5eq)、およびDCM(2mL)を追加した。それから少量のCuOAcを追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MSによって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取GPCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(227mg,63%収率)。G1−TEG−MMの1H−NMRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図26および27に示す。
例31:G1−PTX−MMの合成.
スキーム26:G1−PTX−MMの合成.
バイアルに、G1−Nb−イン−PEG(113.6mg,0.033mmol,1.0eq)、PTX−アジド(50.0mg,0.047mmol,1.00eq)、およびDCM(2mL)を追加した。それから少量のCuOAcを追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MSによって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(127mg,85%収率)。G1−PTX−MMの1H−NMRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図28および29に示す。
例32:G1−TEG−PEGの合成.
スキーム27:G1−TEG−PEGの合成.
バイアルに、G1−Nb−イン−PEG(340.0mg,0.1mmol,1.0eq)、TEG−アジド(33.0mg,0.15mmol,1.5eq)、およびDCM(2mL)を追加した。それから少量のCuOAcを追加し、反応混合物を窒素下で撹拌した。クリック反応の完了をLC−MSによって追跡し、完全な変換に際して反応混合物を0.45μmフィルター(Nalgene)によって濾過した。クルードな混合物を真空下で濃縮し、クロロホルムに再溶解し、リサイクル分取HPLCに付し、純粋な生成物を白色固体として提供した(227mg,63%収率)。G1−TEG−MMの1H−NMRおよびMALDIスペクトルをそれぞれ図26および27に示す。
6)第2世代分枝ノルボルネンブロックマクロモノマー:
例33:G2−Nb−PS−プロパノールの合成.
スキーム28:G2−Nb−PS−プロパノールの合成.
先に公開された手順に従って、G2−Nb−イン−プロパノール(287mg,0.71mmol,1.0eq)をPS−N3(Mn=4700Da,D=1.19,先に公開された手順に従って合成45)(3.99g,0.848mmol,1.2eq)と反応させた45。生成物を白色固体として単離した(2.92g,81%収率)。1H−NMRスペクトルおよびGPCトレースをそれぞれ図30および32に示す。
例34:G2−Nb−PS−分枝−PLAの合成.
スキーム29:G2−Nb−PS−分枝−PLAの合成.
DL−ラクチド(1.54g,10.6mmol,39.7eq)のエチル−2−ヘキサン酸錫(II)によって触媒される開環重合のために、G2−Nb−PS−プロパノール(1.36g,0.267mmol,1.0eq)をマクロ開始剤として用いた。重合は先に公開された手順に従って行った46。PLAのMnは1H−NMRによって3.8kDaであることが決定された。1H−NMRスペクトルおよびGPCトレースをそれぞれ図31および32に示す。
7)ブラシアームスターポリマー(BASP)およびボトルブラシブロックコポリマー(BBCP)合成のための一般的手順:
全てのBASP合成はグローブボックスにおいてN2雰囲気下で実施した;しかしながら、常環境条件において類似の結果が予期される。全てのROMP反応は同じ一般的な手順にならい、これは先に公開された文献から改変された28,40−45。
例35:G2−TEG−BASPの合成
撹拌子を含有するXLバイアルに、XL(4.7mg,7.96μmol,20.0eq)を追加した。撹拌子を含有するMMバイアルに、G2−TEG−MM(10.0mg,2.79μmol,7.0eq)を追加した。第3のバイアルに、グラブス第3世代ビスピリジル触媒G3−Catの溶液(THF中に0.02M)を新たに調製した。それから、THF(35.8μL)をMMバイアルに追加し、次にG3−Cat溶液(19.9μL,0.40μmol,1.0eq)の追加をして、7:1という所望のMM:G3−Cat比を与えながら、0.05Mという総MM濃度を達成し、黄色の溶液を提供した。反応混合物が30minに渡って室温で撹拌することを許した;それから、リビングブラシ溶液をXLバイアルに追加して架橋プロセスを開始し、重合混合物が6hに渡って室温で撹拌することを許した。それから、重合をクエンチするために、一滴のエチルビニルエーテルを追加した。新しく形成されたナノ粒子を2mLナノピュア水中において8kD−MWカットオフ透析チューブ(Spectrum Laboratories)に移し、溶液を水に対して透析した(100mL×3,6h毎に溶媒交換)。それから、ナノ粒子を凍結乾燥して白色固体を提供した。
例36:G2−TEG−PEG−BASPの合成
撹拌子を含有するXLバイアルに、XL(6.6mg,11.15μmol,20.0eq)を追加した。撹拌子を含有するMMバイアルに、G2−TEG−MM(7.0mg,1.95μmol,3.5eq)およびPEG−MM(6.3mg,1.95μmol,3.5eq)を追加した。第3のバイアルに、グラブス第3世代ビスピリジル触媒G3−Catの溶液(THF中に0.02M)を新たに調製した。それからTHF(50.2μL)をMMバイアルに追加し、次にG3−Cat溶液(27.9μL,0.56μmol,1.0eq)の追加をして、7:1という所望のMM:G3−Cat比を与えながら、0.05Mという総MM濃度を達成し、黄色の溶液を提供した。反応混合物が30minに渡って室温で撹拌することを許した;それから、リビングブラシ溶液をXLバイアルに追加して架橋プロセスを開始し、重合混合物が6hに渡って室温で撹拌することを許した。それから、重合をクエンチするために、一滴のエチルビニルエーテルを追加した。新しく形成されたナノ粒子を2mLナノピュア水中において8kD−MWカットオフ透析チューブ(Spectrum Laboratories)に移し、溶液を水に対して透析した(100mL×3,6h毎に溶媒交換)。それから、ナノ粒子を凍結乾燥して白色固体を提供した。
例37:G2−PTX−BASPの合成
撹拌子を含有するXLバイアルに、XL(3.8mg,6.44μmol,20.0eq)を追加した。撹拌子を含有するMMバイアルに、G2−PTX−MM(10.0mg,2.25μmol,7.0eq)を追加した。第3のバイアルに、グラブス第3世代ビスピリジル触媒G3−Catの溶液(THF中に0.02M)を新たに調製した。それからTHF(29.0μL)をMMバイアルに追加し、次にG3−Cat溶液(16.1μL,0.32μmol,1.0eq)の追加をして、7:1という所望のMM:G3−Cat比を与えながら、0.05Mという総MM濃度を達成し、黄色の溶液を提供した。反応混合物が30minに渡って室温で撹拌することを許した;それから、リビングブラシ溶液をXLバイアルに追加して架橋プロセスを開始し、重合混合物が6hに渡って室温で撹拌することを許した。それから、重合をクエンチするために、一滴のエチルビニルエーテルを追加した。新しく形成されたナノ粒子を2mLナノピュア水中において8kD−MWカットオフ透析チューブ(Spectrum Laboratories)に移し、溶液を水に対して透析した(100mL×3,6h毎に溶媒交換)。それから、ナノ粒子を凍結乾燥して白色固体を提供した。
例38:G2−PTX−PEG−BASPの合成
撹拌子を含有するXLバイアルに、XL(5.3mg,9.01μmol,20.0eq)を追加した。撹拌子を含有するMMバイアルに、G2−PTX−MM(7.0mg,1.58μmol,3.5eq)およびPEG−MM(5.1mg,1.58μmol,3.5eq)を追加した。第3のバイアルに、グラブス第3世代ビスピリジル触媒G3−Catの溶液(THF中に0.02M)を新たに調製した。それから、THF(40.6μL)をMMバイアルに追加し、次にG3−Cat溶液(22.5μL,0.45μmol,1.0eq)の追加をして7:1という所望のMM:G3−Cat比を与えながら、0.05Mという総MM濃度を達成し、黄色の溶液を提供した。反応混合物が30minに渡って室温で撹拌することを許した;それから、リビングブラシ溶液をXLバイアルに追加して架橋プロセスを開始し、重合混合物が6hに渡って室温で撹拌することを許した。それから、重合をクエンチするために、一滴のエチルビニルエーテルを追加した。新しく形成されたナノ粒子を2mLナノピュア水中において8kD−MWカットオフ透析チューブ(Spectrum Laboratories)に移し、溶液を水に対して透析した(100mL×3,6h毎に溶媒交換)。それから、ナノ粒子を凍結乾燥して白色固体を提供した。
例39:G1−TEG−BASPの合成
撹拌子を含有するXLバイアルに、XL(4.7mg,7.93μmol,20.0eq)を追加した。撹拌子を含有するMMバイアルに、G1−TEG−MM(10.0mg,2.78μmol,7.0eq)を追加した。第3のバイアルに、グラブス第3世代ビスピリジル触媒G3−Catの溶液(THF中に0.02M)を新たに調製した。それから、THF(35.7μL)をMMバイアルに追加し、次にG3−Cat溶液(19.8μL,0.40μmol,1.0eq)の追加をして、7:1という所望のMM:G3−Cat比を与えながら、0.05Mという総MM濃度を達成し、黄色の溶液を提供した。反応混合物が30minに渡って室温で撹拌することを許した;それから、リビングブラシ溶液をXLバイアルに追加して架橋プロセスを開始し、重合混合物が6hに渡って室温で撹拌することを許した。それから、重合をクエンチするために、一滴のエチルビニルエーテルを追加した。新しく形成されたナノ粒子を2mLナノピュア水中において8kD−MWカットオフ透析チューブ(Spectrum Laboratories)に移し、溶液を水に対して透析した(100mL×3,6h毎に溶媒交換)。それから、ナノ粒子を凍結乾燥して白色固体を提供した。
例40:G1−TEG−PEG−BASPの合成
撹拌子を含有するXLバイアルに、XL(6.5mg,11.11μmol,20.0eq)を追加した。撹拌子を含有するMMバイアルに、G1−TEG−MM(7.0mg,1.94μmol,3.5eq)およびPEG−MM(6.3mg,1.94μmol,3.5eq)を追加した。第3のバイアルに、グラブス第3世代ビスピリジル触媒G3−Catの溶液(THF中に0.02M)を新たに調製した。それから、THF(50.0μL)をMMバイアルに追加し、次にG3−Cat溶液(27.8μl,0.55μmol,1.0eq)の追加をして、7:1という所望のMM:G3−Cat比を与えながら、0.05Mという総MM濃度を達成し、黄色の溶液を提供した。反応混合物が30minに渡って室温で撹拌することを許した;それから、リビングブラシ溶液をXLバイアルに追加して架橋プロセスを開始し、重合混合物が6hに渡って室温で撹拌することを許した。それから、重合をクエンチするために、一滴のエチルビニルエーテルを追加した。新しく形成されたナノ粒子を2mLナノピュア水中において8kD−MWカットオフ透析チューブ(Spectrum Laboratories)に移し、溶液を水に対して透析した(100mL×3,6h毎に溶媒交換)。それからナノ粒子を凍結乾燥して白色固体を提供した。
例41:G1−PTX−BASPの合成
撹拌子を含有するXLバイアルに、XL(3.8mg,6.42μmol,20.0eq)を追加した。撹拌子を含有するMMバイアルに、G1−PTX−MM(10.0mg,2.25μmol,7.0eq)を追加した。第3のバイアルに、グラブス第3世代ビスピリジル触媒G3−Catの溶液(THF中に0.02M)を新たに調製した。それからTHF(29.0μL)をMMバイアルに追加し、次にG3−Cat溶液(16.0μL,0.32μmol,1.0eq)の追加をして、7:1という所望のMM:G3−Cat比を与えながら、0.05Mという総MM濃度を達成し、黄色の溶液を提供した。反応混合物が30minに渡って室温で撹拌することを許した;それから、リビングブラシ溶液をXLバイアルに追加して架橋プロセスを開始し、重合混合物が6hに渡って室温で撹拌することを許した。それから、重合をクエンチするために、一滴のエチルビニルエーテルを追加した。新しく形成されたナノ粒子を2mLナノピュア水中において8kD−MWカットオフ透析チューブ(Spectrum Laboratories)に移し、溶液を水に対して透析した(100mL×3,6h毎に溶媒交換)。それからナノ粒子を凍結乾燥して白色固体を提供した。
例42:G1−PTX−PEG−BASPの合成
撹拌子を含有するXLバイアルに、XL(5.3mg,8.99μmol,20.0eq)を追加した。撹拌子を含有するMMバイアルに、G1−PTX−MM(7.0mg,1.57μmol,3.5eq)およびPEG−MM(5.1mg,1.57μmol,3.5eq)を追加した。第3のバイアルに、グラブス第3世代ビスピリジル触媒G3−Catの溶液(THF中に0.02M)を新たに調製した。それから、THF(40.4μl)をMMバイアルに追加し、次にG3−Cat溶液(22.5μL,0.45μmol,1.0eq)の追加をして、7:1という所望のMM:G3−Cat比を与えながら、0.05Mという総MM濃度を達成し、黄色の溶液を提供した。反応混合物が30minに渡って室温で撹拌することを許した;それから、リビングブラシ溶液をXLバイアルに追加して架橋プロセスを開始し、重合混合物が6hに渡って室温で撹拌することを許した。それから、重合をクエンチするために、一滴のエチルビニルエーテルを追加した。新しく形成されたナノ粒子を2mLナノピュア水中において8kD−MWカットオフ透析チューブ(Spectrum Laboratories)に移し、溶液を水に対して透析した(100mL×3,6h毎に溶媒交換)。それから、ナノ粒子を凍結乾燥して白色固体を提供した。
例43:PS−分枝−PLA−BBCPの合成
撹拌子を含有するBMMバイアルに、G2−Nb−PS−br−PLA(50.0mg)を50μLのTHFに溶解した。別のバイアルに、グラブス第3世代ビスピリジル触媒G3−Catの溶液(THF中に5mg/mL)を新たに調製した。それから、所望の重合度(DP)を達成するために適切な体積のG3−Cat溶液をMMバイアルに追加した。反応混合物が2.5hに渡って室温で撹拌することを許した。それから、重合をクエンチするために、数滴のエチルビニルエーテルを追加した。
例44:G2−TEG40の合成(代表的なボトルブラシ合成)
撹拌子を含有するMMバイアルに、G2−TEG−MM(15.9mg,4.43μmol,40.0eq)を追加した。別のバイアルに、G3−Catの溶液(THF中に0.005M)を新たに調製した。それからTHF(66.5μL)をMMバイアルに追加し、次にG3−Cat溶液(22.2μL,0.11μmol,1.0eq)の追加をして、40という所望のDPを与えながら、0.05Mという総MM濃度を達成し、黄色の溶液を提供した。反応混合物が3時間に渡って室温で撹拌することを許した。それから、重合をクエンチするために、一滴のエチルビニルエーテルを追加した。
例45:G1−TEG40、G2−TEG240、G2−chex40、G2−chex240の合成
G2−TEG40について報告された同じ様式でポリマーを調製した。0.005MのG3−Cat溶液と0.05Mという最終的なMM濃度および40:1というMM対G3−Cat比(DP=40)を保証するために適切なMM溶液とを用いて、DP40のボトルブラシを調製した。
例46:様々なDPを有するG2−TEG3およびG1−chex3の合成
G2−TEG40について報告された同じ様式でポリマーを調製した。0.005MのG3−Cat溶液と0.05Mという最終的なMM濃度および所望のMM対G3−Cat比(DP)を保証するために適切なMM溶液とを用いて、適切なDP(10、25、40、55、70)のボトルブラシを調製した。0.02MのG3−Catを用いてDP10のボトルブラシを調製し、60分に渡って撹拌することを許した。DP55および70のボトルブラシは6時間に渡って撹拌することを許した。
均等物および範囲
請求項において、「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、それと逆に指示されないかまたは文脈から別様に明白でない限り、1つまたは1つよりも多くを意味し得る。群の1つ以上の構成員間に「または」を包含する請求項または記載は、それと逆に指示されないかまたは文脈から別様に明白でない限り、群の構成員の1つ、1つよりも多く、または全てが所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されるか、または別様に関わっている場合には、満足されていると見なされる。本発明は、群の厳密に1つの構成員が所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されるか、または別様に関わっている態様を包含する。本発明は、群構成員の1つよりも多くまたは全てが所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されるか、または別様に関わっている態様を包含する。
さらにその上、本発明は、列記されている請求項の1つ以上からの1つ以上の限定、要素、節、および記述用語が別の請求項に導入される全ての変形、組み合わせ、および順列を包摂する。例えば、別の請求項に従属するいずれかの請求項は、同じ元の請求項に従属するいずれかの他の請求項に見出される1つ以上の限定を包含するように改変され得る。要素がリストとして例えばマーカッシュ群フォーマットで提出されているところでは、要素の各下位群もまた開示されており、いずれかの要素(単数または複数)が群から取り除かれ得る。一般的に、本発明または本発明の側面が特定の要素および/または特徴を含むと言われるところでは、ある種の本発明の態様または本発明の側面が、かかる要素および/または特徴からなるか、または本質的にそれからなるということが理解されるべきである。単純さの目的のために、それらの態様は本願にいちいち具体的には記さなかった。用語「含む」および「含有する」は開放的であることを意図されており、追加の要素またはステップの包含を許容するということもまた注記される。範囲が与えられているところでは、エンドポイントが包含される。さらにその上、別様に指示されないかまたは文脈および当業者の理解から別様に明白でない限り、範囲として表現されている値は、文脈が明瞭に別様に書いていない限り、本発明の異なる態様において、述べられている範囲内のいずれかの具体的な値または部分範囲を、範囲の下限の単位の十分の一までとり得る。
本願は種々の発行済み特許、公開特許出願、雑誌記事、および他の公開物を参照し、これらの全ては参照によって本願に組み込まれる。組み込まれている参照のいずれかおよび本明細書の間に矛盾がある場合には、本明細書が優先されるものとする。加えて、従来技術のうちに入る本発明のいずれかの特定の態様は、請求項のいずれか1つ以上から明示的に除外され得る。かかる態様は当業者に公知であると見なされるので、それらは除外が本願に明示的に記されていない場合であっても除外され得る。本発明のいずれかの特定の態様は、従来技術の存在に関連するか否かにかかわらず、いずれかの請求項からいずれかの理由で除外され得る。
当業者は、本願に記載される具体的な態様の多くの均等物を認識するか、または慣例以下の実験作業を用いて確かめる能力があるであろう。本願に記載される本態様の範囲は上の明細書に限定されることを意図されず、むしろ添付の請求項に記されている通りである。当業者は、次の請求項において定義される本発明の趣旨または範囲から離れることなしに、本明細書への種々の変化および改変がなされ得るということを了解するであろう。
参照