以下の詳細な説明及び添付図面が、様々な関節窩球システム、方法及び構成要素を説明及び例示する。説明及び図面が提供されて、当業者が1つ又は複数の関節窩球システム及び/又は構成要素を作成及び使用すること、並びに/あるいは1つ又は複数の方法を実施することを可能にする。それらは、いかなる態様でもクレームの範囲を限定することを意図されない。
「例えば(e.g.)」、「その他(etc.)」、「例えば(for instance)」、「例えば(in example)」及び「又は(or)」、並びに文法的に関係する用語の使用は、特に明記しない限り、限定することなく非排他的な選択肢を示す。「選択的に」及び文法的に関連する用語の使用は、続いて説明される要素、事象、特徴又は状況が存在/出現しても又はしなくてもよいことと、説明が上記要素、事象、特徴又は状況が出現する例及びそれが出現しない例を含むことと、を意味する。「取り付けられる」及び「結合される」、並びに文法的に関連する用語の使用は、間にある1つ又は複数の別の要素の有無に関わらずに、2つ以上の要素及び/又はデバイスの固定された、着脱可能な、又は一体化された結合を指す。したがって、用語「取り付けられる」又は「結合される」及び文法的に関係する用語は、2つ以上の要素及び/又はデバイスを、間にある1つ又は複数の別の要素の有無に関わらずに、着脱可能に取り付けること又は固定的に取り付けることを含む。本明細書で用いられるとき、用語「近位の」及び「遠位」は、解剖学的配置に関して記載される特定の要素又は特徴の反対側の軸方向端部を記載するために用いられる。
<A.強化された固定を有する関節窩球及び関連方法>
既存の解決策においては、肩置換デバイスが、関節窩骨損失又は別の劣化に起因して経時的に有効性を失うことがあり、このことは、肩プロテーゼが肩甲骨の部分に作用させる力によって悪化させられることがある。骨移植片を用いて、肩甲骨の部分に接触する平板と肩甲骨の部分との間の係合を補ってもよいけれども、骨移植片の有効性は、骨損失によって低減されることがある。本解決策は、肩甲骨の部分への関節窩球の固定を強化することによって肩プロテーゼを改善するためのシステム、方法及び装置を提供する。関節窩球は、本体と、第1表面と、第2表面と、空洞と、複数のチャネルと、を含む。本体は、本体を通過する中心軸線を画定する。第1表面は、第1リムと、第2リムと、を含む。第1リムは、中心軸線に対して第2リムから半径方向外向きに配置されている。第2表面は、第1表面の第1リムから延在する。第2表面は、凸形状を有する。空洞は、第1表面から本体中まで延在する。空洞は、第2リムから中心軸線に実質的に平行な方向に本体中まで延在する空洞壁と、空洞表面と、を含む。空洞は、干渉空間を画定する平板を受け取るように構成されている。複数のチャネルが、第1表面から本体を通って第2表面まで延在する。それぞれのチャネルは、第1リムと第2リムとの間の第1表面上に配置された第1開口を画定し、第2表面上に配置された第2開口を画定する。それぞれのチャネルは、チャネルを通過するチャネル軸線を画定するように指向させられるように構成され、そして、平板が空洞内に受け取られるときに干渉空間の外側にあるように配置されている。複数の関節窩球固定部材が、複数のチャネルを通して受け取られて関節窩球を肩甲骨の部分に確保してもよい。したがって、肩への関節窩球の固定が強化されて、肩関節を別態様で劣化させ、肩プロテーゼの効果を低減するような関節窩骨損失又は肩関節に対する別の変化を軽減する。
図1を参照すると、肩甲骨の部分10に固定された関節窩球100及び平板200を含む肩プロテーゼについての斜視図が示されている。関節窩球100は、関節窩球100の係合部材と平板200の係合部材との係合等によって、平板200に結合される。関節窩球100は、指向させられ、更に、平板200が取り付けられる骨の部分とは異なる骨の部分の外側の部分10に更に確保され(例えば、固定され、取り付けられ、その他が行われ)てもよい。いくつかの実施形態において、関節窩球を肩甲骨の部分10に確保することは、肩甲骨の部分10における応力を低減して、関節窩骨損失損傷を軽減する。
様々な実施形態において、関節窩球100は、様々な平板のうちのいずれかに結合されるように構成されている。例えば、平板は、様々な形状(例えば、円筒形、楕円形、長方形、凸形、凹形、その他)を含んでもよい。平板は、単一の平板(例えば、図1に示すような平板200に類似又は同一である)として形成されてもよいか、又は複数の平板(例えば、肩甲骨の離散した部分に固定される複数の平板)として形成されてもよい。関節窩球100は、様々な締結部材及び/又は係合部材(例えば、スクリュー、ボルト、プレス嵌め、摩擦係合、タブ、ロック、その他)を用いること等による様々な態様で平板に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、関節窩球100は、関節窩球が結合されるべき対応する平板の対応する係合特徴と係合するようにサイズ設定、構成又は設計されている1つ又は複数の係合特徴を含むように構成されてもよい。
いくつかの実施形態において、関節窩球100は、上腕骨(図示せず)と肩甲骨との間の玉関節内の球として作動する。肩甲骨への関節窩球の固定を強化することによって、本解決策は、自らの上腕骨を用いる患者の能力を改善することを含む、患者のために肩プロテーゼの効果を改善してもよい。例えば、肩甲骨への関節窩球100の固定を強化することは、関節窩球100を解剖学的方向に指向させることを容易にして、患者が解剖学的又は生来の可動域内で自らの上腕骨を用いることを可能にしてもよい。
いくつかの実施形態において、関節窩球100及び平板200は、手術キットで提供されるか、又は別の態様で一緒に対にされることにより、例えば、単一の手順で肩甲骨の部分10に確保される。いくつかの実施形態において、平板200は、部分10に既に確保されており、そして、関節窩球100は、平板200を補う、平板200の固定を強化する、既存の肩プロテーゼ構成要素(例えば、既存の関節窩球)を置換する、その他を行うように設計される。関節窩球100は、特定の平板200と整合するようにカスタマイズされるか又は別の態様に設計されてもよい。関節窩球100は、様々な平板200との広域の又は自在の適合性を有してもよい。
いくつかの実施形態において、関節窩球100は、特定の患者に適合するようにカスタマイズされるか又は別様に設計される。例えば、関節窩球100のモデルは、撮像データ(例えば、MRIデータ、その他)等の患者の肩部に関する情報に基づいて、及び/又は平板200に関する情報に基づいて作成されてもよい。情報は、関節窩球100を部分10に確保するための部分10における標的位置を示してもよい。例えば、情報は、部分10の表面上での標的位置を含んでもよく、当該標的位置を通して、固定部材が部分10に関節窩球100を確保するように打ち込まれることになる。情報は、平板200の干渉空間を示してもよい。情報は、部分10上に関節窩球100を確保するときに、骨損失が生じた又は生じることがあるところの、部分10上での位置を示すことにより、これらの位置を回避する等してもよい。例えば、患者の肩及び/又は平板200に関する情報に基づいて、関節窩球100は、部分10に関節窩球100を確保するために用いられる固定部材が、平板200の干渉空間の外側に配置されて、骨損失に関して安定している位置にある部分10に入るように作成されてもよい。いくつかの実施形態において、このことは、固定部材が中に受け取られる関節窩球100の複数のチャネルを指向させることによって達成されてもよい。平板200が関節窩球100内に受け取られ、固定部材が複数のチャネル内に受け取られるとき、固定部材は、干渉空間の外側でチャネルを通過し、そして干渉空間の外側の位置にある部分10に入ってもよい。
図2を参照すると、平板200が関節窩球100内に受け取られているときの、関節窩球100及び平板200の詳細斜視図が示されている。関節窩球100は、本体104を含む。本体は、中心軸線108を画定する。本体104は、様々な形状を含んでもよい。例えば、様々な実施形態において、本体104は、球形状、ほぼ円柱形状、又は関節窩球100が肩プロテーゼの部分として作動することを可能にする任意の別の形状を含んでもよい。本体104は、金属、合金又はセラミック材料等の生体適合性材料を含む様々な材料から形成されてもよい。
関節窩球100の中心軸線108は、平板200が関節窩球100内に受け取られる軸線に横向きの軸線を画定する(例えば、関節窩球100が平板200に接触するように配置されるときに、平板200は、図3〜6等に示す空洞128等の関節窩球100の特徴内部に少なくとも部分的に配置される)。例えば、関節窩球100は、受取り表面、又は中心軸線108に平行又は実質的に平行な方向に関節窩球100から延在する、関節窩球100と平板200との間のモールステーパを可能にする係合部材等の係合部材を含んでもよい。中心軸線108は、関節窩球100の中心若しくは中心近傍、又は中央平面を通過してもよい。
関節窩球100は、第1リム116と、第2リム120と、を含む第1表面112を含む。第1リム116は、中心軸線108及び/又は中心軸線108が第1表面112と交差するところに対して半径方向外向きであること等によって、第2リム120から放射方向外向きに配置されている。いくつかの実施形態において、第1表面112は、肩甲骨の部分10に接触するように構成された材料を含む。例えば、第1表面112は、部分10に係合して部分10に関節窩球100を結合するように構成されたテクスチャ加工表面を含んでもよい。
関節窩球100は、第2表面124を含む。第2表面124は、第1表面112の第1リム116から延在する。例えば、図2に表すように、第1リム116及び第2表面124のそれぞれは、円弧形状を含むことにより、第2表面124の縁が第1リム116の円弧形状に追従する。
第2表面124は、凸形状を有する。第2表面124の凸形状は、上腕骨(図示せず)に取り付けられた関節等の肩プロテーゼシステムの別の部分を第2表面124が係合するのを可能にする。例えば、第2表面124の凸形状は、関節窩球100に球又は実質的に球形状を提供することにより、関節が第2表面124の周りで関節運動し得るような球関節プロテーゼシステム内の球として作動してもよい。
いくつかの実施形態において、例えば、図2〜8に表すように、関節窩球100は、半球形状よりも大きいか又はそれに等しい形状を有してもよい。例えば、関節窩球100は、関節窩球100の中心(この中心は、関節窩球100の半径が交差するところにある、関節窩球100上に重ねられた完全球の半径が交差するようなところにある等の点によって画定されてもよい)から延在する半径によって画定された半球よりも大きい体積を占める。半球形状に等しいか又はそれよりも大きい形状を有することによって、関節窩球100は、部分10からより遠く離れたベースプレート200に接触するように構成されることにより、関節窩球100が部分10に固定されるときに、肩甲骨に関連する関節窩球100に対してより大きいクリアランスを提供してもよく、そして、別途、患者に対する関節窩球100の運動性を改善してもよい。
いくつかの実施形態において、例えば、図3に表すように、中心軸線108は、関節窩球100の中心を通過するような軸線に対して関節窩球100の外側部分に向かって(例えば、図3に表し、本明細書に記載するように、複数のチャネル160から離れる方に第2表面124に向かって)位置するか又はシフトされている(例えば、中心軸線108は、関節窩球100の中心を通過するような軸線と第2表面124に接するような軸線との間に配置されている)。中心軸線108を関節窩球100の外側部分に向かって位置させることによって、関節窩球100は、患者のための運動学を改善されてもよい。
関節窩球100は、1つ又は複数の関節窩球固定部材140を受け取るように構成されてもよい。関節窩球固定部材140は、肩甲骨の部分10に関節窩球100を確保するように構成されている。関節窩球固定部材140は、平板200の干渉空間の外側に配置されるように構成されている。関節窩球固定部材140は、係合特徴(例えば、関節窩球固定部材140の外面上のネジ山)、又は関節窩球固定部材140が肩甲骨内に摩擦で確保されるように部分10を通して打ち込まれることを可能にする別の要素を含んでもよい。関節窩球固定部材140は、締結器、ネジ(例えば、圧縮ネジ、テーパーネジ)、ボルト等を含む様々な構成要素を含んでもよい。
関節窩球100は、複数のチャネル160を含む。複数のチャネル160は、第1表面112から、本体104を通って、第2表面124まで延在する。それぞれのチャネル160は、第1表面112上に配置された第1開口(例えば、図3に示す第1開口164)と、第2表面124上に配置された第2開口168と、を画定する。複数のチャネル160は、対応する複数の関節窩球固定部材140が複数のチャネル160を通して受け取られることを可能にする。チャネル160は、対応する関節窩球固定部材140を受け取るように構成されることにより、関節窩球固定部材140が、骨の部分に取付け可能であってもよく、当該骨の部分は、取付け構造(例えば、平板200)を骨に確保する取付け固定部材が骨に取り付けられるところにある骨の部分とは異なる。
様々な実施形態において、関節窩球100は、様々な数のチャネル160(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ等)を含んでもよい。複数のチャネル160のうちの1つ又は複数のものが、関節窩球固定部材140を受け取るように構成されてもよい。例えば、複数のチャネル160のうちの1つ又は複数のものが、関節窩球固定部材140の係合特徴を相互に係合するように構成された係合受取り特徴(例えば、チャネル160から延在するチャネル160の表面上に位置するスロット、ネジ山、等)を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、チャネル160の数よりも少ない関節窩球固定部材140が、チャネル160内に受け取られる。例えば、関節窩球100は、関節窩球固定部材140を受け取るように構成された4つのチャネル160を含んでもよい。平板固定部材208が骨に平板200を取り付けるところにある位置、平板200(又は骨係合部材204、平板固定部材208等の別の構成要素)によって画定された干渉空間の形状、及び/又は部分10の表面の状態(例えば、関節窩骨損失に対する罹病性)を含む因子に基づいて、3つの関節窩球固定部材140が、4つのチャネル160のうちの3つの中に受け取られることにより、関節窩球固定部材140が干渉空間の外側を通って、肩甲骨の部分10に入ってもよい。関節窩球固定部材140及びチャネル160についての別のかかる組合せが、用いられてもよい。
いくつかの実施形態において、関節窩球固定部材140が部分10に確保されるべきところにある肩甲骨の部分10上の標的位置は、部分10の撮像データのうちの少なくとも1つ及び部分10の骨損失モデルに基づいて決定される。関節窩球100は、チャネル160を通して受け取られた関節窩球固定部材140が標的位置にある部分10に確保されてもよいように、構成又は設計される(例えば、特定部分10及び/又は平板200に整合するようにカスタム設計プロセスにおいて設計される)か及び製造されてもよい。関節窩球100は、チャネル160を通して受け取られた関節窩球固定部材140が標的位置にある部分10に確保されてもよいように指向させられ(例えば、配置され及び/又は回転させられ)てもよい。関節窩球100は、チャネル160が平板200と平板固定部材208との幾何学的配列に基づいて、平板200内に受け取られた平板固定部材208と交差しないチャネル軸線172を有するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態において、チャネル160は、先細りである(例えば、チャネル160の断面積が、第1開口164から第2開口168まで変化する)。例えば、チャネル160は、断面積が第2開口168から第1開口164まで減少するように先細りであってもよく、それにより、焦点として第1開口164を使用することにより、関節窩球100を指向させることを容易にしてもよく、そして、それにより、チャネル160と関節窩球固定部材140との間の摩擦嵌合を改善してもよい。
平板200は、骨係合部材204を含んでもよい。骨係合部材204は、平板200から延在する。いくつかの実施形態において、骨係合部材204は、平板200が関節窩球100内に受け取られるときに、関節窩球100の中心軸線に沿って延在する。いくつかの実施形態において、骨係合部材204は、平板が関節窩球100内に受け取られるときに、関節窩球100の中心軸線に対してオフセット及び/又は斜行させられる。いくつかの実施形態において、骨係合部材204は、平板200と一体的に形成される。別の実施形態において、骨係合部材204は、平板200から分離され、及び平板200の開口内に受け取られてもよい。
骨係合部材204は、肩甲骨の部分10に平板200を確保するように構成されてもよい。骨係合部材204は、係合特徴(例えば、骨係合部材204の外面上にあるネジ山)、又は骨係合部材204が部分10の表面を通して打ち込まれて肩甲骨内に摩擦で確保されることを可能にする別の要素を含んでもよい。
平板200は、平板固定部材208を受け取るように構成されてもよい。平板固定部材208は、関節窩球固定部材140に類似しているか又は同一であってもよい。平板固定部材208は、平板200から骨係合部材204に平行な方向に延在してもよい。平板固定部材208は、骨係合部材204に対してオフセット及び/又は斜行させる方向に延在してもよい。いくつかの実施形態において、平板固定部材208は、平板200が関節窩球100の空洞128内に受け取られるとき、中心軸線108に対してあるオフセット角で指向させられる。様々な実施形態において、平板200は、様々な数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ等)の平板固定部材208を受け取るように構成されてもよい。
いくつかの実施形態において、平板固定部材208と関節窩球固定部材140とは、逆方向を有する係合特徴(例えば、平板固定部材208の外面上にあるネジ山と、逆のネジ山形態を有する関節窩球固定部材140と)を含むことにより、平板200及び関節窩球100に適用される力が、力の方向に基づいて平板200又は関節窩球100を介して分散させられてもよい。
いくつかの実施形態において、平板200は、干渉空間を画定してもよい。干渉空間とは、部分10に関節窩球100を確保するために用いられる固定部材(例えば、関節窩球固定部材140)が中を通過しない空間内の領域を示す。したがって、関節窩球100は、関節窩球100が部分10への平板200の固定を妨害しないように指向させられてもよい。その代わりに、部分10への関節窩球100の固定は、関節窩球固定部材140によって強化され、このことが、平板200と関節窩球100との間の接続を部分10に対して強化することにより、骨損失損傷を軽減することを助ける。いくつかの実施形態において、干渉空間は、部分10の表面まで延在する。いくつかの実施形態において、平板が複数の平板として形成されている等の場合、干渉空間は、複数の平板のうちの1つ又は複数に対応する複数の離散及び/又は重複している領域等の複数の領域を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、平板200の平板固定部材208は、干渉空間を画定してもよい。例えば、干渉空間は、平板固定部材208によってちょうど占められた体積、平板固定部材208によって実質的に占められた体積、境界線領域(例えば、平板固定部材208の寸法に対して部分的な距離だけ等、平板固定部材208から外向きに延在する空間の体積からなる境界線領域)によって補足された平板固定部材208によってちょうど占められた体積等の、平板固定部材208によって占められた体積を含んでもよい。干渉空間は、また、平板200の骨係合部材204によって少なくとも部分的に画定されてもよい。いくつかの実施形態において、干渉空間は、平板固定部材によって占められている、平板200が結合されている骨内部の体積又は領域であってもよい。
いくつかの実施形態において、干渉空間が平板固定部材208同士の間の内部体積の少なくとも部分を含むように画定されることにより、関節窩球100は、いずれかの関節窩球固定部材140が複数の平板固定部材208の外側に配置されるように指向させられてもよい。別の実施形態において、干渉空間が平板固定部材208同士の間の内部体積の少なくとも一部分を除外するように画定されることにより、関節窩球100は、少なくとも1つの関節窩球固定部材140が少なくとも2つの平板固定部材208の間に少なくとも部分的に配置されてもよいように指向させられてもよい。
ここで図3〜6を参照すると、関節窩球100は、平板200及びいずれかの固定部材から分離しているように表されている。関節窩球100は、空洞128を含む。空洞128は、第1表面112から本体中へと延在する。空洞は、第1表面112の第2リム120から中心軸線108に実質的に平行な方向に空洞表面136まで延在する空洞壁132と、空洞表面136と、によって画定される。
空洞128は、空洞表面136が平板200(例えば、図10に表す第2平板表面216等)の表面に接触するように、平板200を受け取るように構成されている。例えば、空洞128は、平板200の第2平板表面216の形状の少なくとも部分と整合する形状を含んでもよい。空洞128は、平板表面216の外周に対応する外周を含んでもよい。図3及び6に表すように、空洞128は、平板200の形状に整合するように構成されたほぼ円形の形状を含むことにより、空洞壁132が平板200の外側縁を係合してもよい。
図3に表すように、空洞128は、本体104によって画定された中心軸線108が空洞表面136に横断方向の(例えば、垂直な)空洞128を通過するように配置されている。したがって、平板200は、平板200の骨係合部材が中心軸線108に沿って配置されるように、空洞128内に受け取られてもよい。
いくつかの実施形態において、空洞128の空洞表面136は、平板200の第2平板表面216を摩擦係合するように構成された摩擦要素を含む。例えば、空洞表面136は、空洞128と平板200との間の摩擦係合を増強するテクスチャ加工表面を含んでもよい。表面同士の間の摩擦係合は、関節窩球100に作用する力を平板200に分散させるのを助けることにより、肩甲骨の部分10に伝達された力を分散させてもよい。いくつかの実施形態において、空洞128は、平板200の対応する係止要素(例えば、フック、ラッチ、フランジ等)を係合するように構成された係止要素(例えば、フック、ラッチ、フランジ等)を含む。例えば、空洞128が平板200を受け取るように関節窩球100を指向させることは、係止要素を整列させて一緒に関節窩球100を平板200に対して押圧すること、又は平板200に対して関節窩球100を回転させて関節窩球100を平板200に係止することを含んでもよい。
いくつかの実施形態において、第1表面112は、中心軸線108に実質的に垂直である第1領域176と、第1領域176に対してある角度で配設された第2領域180と、を含む。例えば、第2領域180は、第1領域176と鈍角を形成してもよい。空洞表面136と第1表面112との間の空洞壁132の長さが、第1領域176と第2領域180との間で連続的に増加することにより、空洞表面136は、第1領域176及び第2領域180の両方に隣接した平坦又は平面の形状を維持してもよい。空洞壁132の第1部分が、第1領域176に隣接した第2リム120の部分から延在し、空洞壁132の第2部分が、第2領域180に隣接した第2リム120の第2部分から延在する。
いくつかの実施形態において、複数のチャネル160の第1開口164のうちの1つ又は複数が、第2領域180上に配置される。図3に表すように、複数のチャネル160の第1開口164のそれぞれが、第2領域180上に配置されている。第2領域180上に第1開口164を配置することは、関節窩球100を指向させることを容易にして、関節窩球固定部材(例えば、図2に表す関節窩球固定部材140等)が、平板200によって画定された干渉空間の外側にある複数のチャネル160を通過するように配置されてもよい。いくつかの実施形態において、第1開口164のうちの少なくとも1つが第1領域176上に配置されて、少なくとも1つの関節窩球固定部材140を別の関節窩球固定部材140に対してある角度で指向させる。
複数のチャネル160は、複数のチャネル160を通過する複数のチャネル軸線172を画定する。図3に表すように、チャネル軸線172は、第1表面112に垂直に配置されている。複数のチャネルは、第1表面112上の第1開口164から第2表面124上の第2開口168まで延在する。図3〜6に表すように、チャネル軸線172は、互いに対して平行に指向させられてもよい。様々な実施形態において、複数のチャネル160の、したがってチャネル軸線の方向が変えられて、複数のチャネル軸線172を通過する関節窩球固定部材140が延在する方向を変更させてもよい。例えば、図3が第1表面112に垂線に指向させられたチャネル160を表している(例えば、チャネル軸線172が第1表面112に垂直である)けれども、別の実施形態において、チャネル160は、第1表面112に対して鋭角に指向させられてもよい。例えば、チャネル160のチャネル軸線172と中心軸線108との間の距離が、軸線108、172が関節窩球100から離れる方に延在する(例えば、肩甲骨の部分10に向かって延在する、第1表面112又は第2表面116にほぼ垂直な方向に延在する等)につれて減少するように、第1表面112に対して鋭角にチャネル160を指向させることは、関節窩球固定部材140が、平板200が部分10に確保されるところに比較的近い場所にある部分10に確保されるのを可能にし、このことが、肩プロテーゼに必要とされる部分10の表面領域を低減してもよい。別の例では、軸線108、172が関節窩球100から離れる方に延在する(例えば、肩甲骨の部分10に向かって延在する、第1表面112又は第2表面116にほぼ垂直な方向に延在する等)につれてチャネル160のチャネル軸線172と中心軸線108との間の距離が増加するように、第1表面112に対して鋭角にチャネル160を指向させることは、関節窩球固定部材140が、平板200が部分10に確保されるところに比較的近い場所にある部分10に確保されることを可能にし、このことが、肩プロテーゼに必要とされる部分10の表面における応力を低減させてもよい。いくつかの実施形態において、複数のチャネル160のうちの少なくとも1つは、第1表面112に対して垂直に指向させられ、複数のチャネル160のうちの少なくとも1つは、第1表面112に対して鋭角に指向させられている。
関節窩球100が、第1領域176と、第1領域176に対してある角度で配設された第2領域180と、を有する第1表面112を含む実施形態において、第1表面112及び第2領域180に垂直であるチャネル軸線172は、中心軸線108に対してある角度に指向させられている。例えば、第2領域180が第1領域176に対して鈍角に配設されている場合、チャネル軸線172は、中心軸線108に対して鋭角に指向させられることになる。このように、複数のチャネル160を通して受け取られて、チャネル軸線172に沿って配置される関節窩球固定部材140は、平板200の干渉空間の外側に配置され、それでも、平板の平板係合部材が部分10を係合するところに近接した部分10の一部分を係合してもよい。
図3及び6を更に参照すると、いくつかの実施形態において、空洞128は、内部空洞部分184を含む。内部空洞部分184は、第2空洞壁186と、第2空洞表面188と、を含んでもよい。内部空洞部分184は、平板(例えば、平板200)の表面から延在する構成要素を受け取るように構成されてもよい。例えば、内部空洞部分184は、対応する、平板200(例えば、図11に示す係合部材236等)の係合部材を係合するための係合部材として作動してもよい。例えば、内部空洞部分184は、平板200の第2係合部材236を係合するように構成された第1係合部材であっても、又はそれを含んでもよい。いくつかの実施形態において、内部空洞部分184は、平板200の係合部材236とのモールステーパーを形成するように構成されている。いくつかの実施形態において、内部空洞部分184と係合部材236とは、関節窩球100を平板200に確保するための相補的な係合要素(例えば、フック、ラッチ、フランジ、ネジ式カップリング等)を含む。
ここで図7〜9を参照すると、関節窩球100及び平板200は、固定部材を有する様々な構成で示されている。図7において、固定部材を有する、関節窩球100及び平板200の端面図が表されている。複数の関節窩球固定部材140は、関節窩球100の複数のチャネル160内に受け取られる。複数の平板固定部材208は、平板200から延在する。図8において、関節窩球固定部材140を有する関節窩球100の斜視図が示されている。図9において、平板固定部材208を有する平板200の斜視図が示されている。
図7において、関節窩球100及び平板200が、関節窩球100の中心軸線(例えば、図8に表す中心軸線108)に沿って示されており、平板200の骨係合部材204が、中心軸線108に沿って指向させられている。言い換えると、骨係合部材204及び平板200の軸線が、関節窩球100の中心軸線108と同軸である。図7に更に表すように、複数の平板固定部材208が骨係合部材204と同じ方向に指向させられていることにより、それらは、中心軸線108及び骨係合部材204に平行であってオフセットされている。
複数の関節窩球固定部材140は、中心軸線108、骨係合部材204及び平板固定部材208に対してある角度で延在してもよい。例えば、図7及び8に表すように、関節窩球100の第1表面112は、第1領域176と、第1領域176に対して鈍角に指向させられた第2領域180と、を含む。複数のチャネル160の複数の第1開口164は、第1表面112の第2領域180内に配置されることにより、複数の関節窩球固定部材140が、平板200が関節窩球100内に受け取られるときに、中心軸線108に対してある角度で、したがって平板200から延在する構成要素に対してある角度で関節窩球100から外に延在する。関節窩球固定部材140は、平板200が関節窩球100内に受け取られるときに、第1開口164から外に延在し、平板200の干渉空間を通過することにより、関節窩球100を肩甲骨の部分10に確保するように構成されている。
図9を更に参照すると、平板固定部材208は、骨係合部材204と同じ方向に平板200から延在する。平板固定部材208は、様々な長さを有してもよい。例えば、平板固定部材208は、骨係合部材204の長さよりもわずかに短い長さを有する等によって、骨係合部材204に類似した長さを有してもよい。平板固定部材208の長さは、係合部材を受け取るための肩甲骨の部分10の適合性を示す撮像データに基づいて選択されてもよい。
図10〜12をここで参照すると、平板200は、関節窩球100及びいずれの固定部材からも分離した状態で表わされている。平板200は、骨係合部材204がそれから延在する平板200の1つの側にある第1平板表面212と、平板200の、第1平板表面212の反対の側にある第2平板表面216と、を含む。平板本体220は、第1平板表面212と第2平板表面216との間に配設されている。平板本体220は、平板本体220の外側部分(例えば、外周)に沿った平板壁224を含む。いくつかの実施形態において、平板本体220及び平板壁224が関節窩球の空洞内に受け取られるように構成されていることにより、平板壁224は、空洞の壁(例えば、空洞128、図3に表す関節窩球100の空洞壁132等)と同一平面に配置されている。平板200の第2平板表面216は、空洞128の表面(例えば、図3に表す空洞表面136等)と同一平面に配置されてもよい。
平板200は、複数の平板チャネル228を含む。それぞれの平板チャネル228は、第1表面212上の開口から第2平板表面216上の開口まで延在する。複数の平板チャネル228は、複数の平板固定部材(例えば、図9に表す平板固定部材208等)を受け取るように構成されている。複数の平板チャネル228は、係合受取り表面(例えば、ネジ付き表面)を含んでもよく、当該係合受取り表面は、平板固定部材208の係合特徴(例えば、ネジ山)を受け取って係合することにより、平板200が肩甲骨の部分10に確保されるときに平板固定部材208に平板200を摩擦結合するように構成されてもよい。複数の平板チャネル228が骨係合部材204とともに平板軸線232に横断方向に(例えば、垂直に)指向させられていることにより、平板固定部材208は、平板固定部材が複数の平板チャネル228を通して受け取られるときに、骨係合部材204に平行に指向させられてもよい。様々な実施形態において、複数の平板チャネル228は、平板軸線232に対して様々な角度で指向させられてもよく、そして、互いに対して不均一な角度で指向させられてもよい。例えば、複数の平板チャネル228のそれぞれは、平板軸線232に対してオフセットされた角度で指向させられてもよい。複数の平板チャネル228のそれぞれは、平板200が関節窩球100の空洞128内に受け取られるとき、中心軸線108に対してオフセットされた角度で指向させられてもよい。
図10〜12に表すように、骨係合部材204は、平板200と一体的に形成されている。いくつかの実施形態において、平板200は、骨係合部材204を受け取るように構成された受取り表面を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、図11及び12に表すように、平板200が、関節窩球100に平板200を係合するように構成された係合部材236を含むことにより、平板200は、(例えば、図6に表すように関節窩球100の空洞128の内部空洞部分184を係合する等によって)関節窩球100の空洞内に確保され及び受け取られてもよい。例えば、関節窩球100と平板200とは、係合部材236と空洞128とを係合することによって(例えば、空洞128の内部空洞部分184と係合部材236との間にモールステーパーを形成することによって)互いに確保されてもよい。係合部材236は、平板200の第2平板表面216から骨係合部材204と反対側の方向に延在してもよい。例えば、係合部材236は、骨係合部材204と係合部材236とが、平板200が関節窩球100内に受け取られるときに関節窩球100の中心軸線(例えば、図3に表す中心軸線108等)と同軸であるように、平板軸線232に沿って指向させられてもよい。
いくつかの実施形態において、複数のチャネル160は、平板200を受け取るときに関節窩球100を指向させることを容易にすることにより、関節窩球100を通過させられた関節窩球固定部材140が干渉空間の外側に配置されるように構成されたマーキングを含む。例えば、マーキングは、チャネル160を通過するチャネル軸線172に平行に配置されることにより、マーキングを追従する見通線が、平板200の干渉空間との交線を示してもよい。マーキングは、関節窩球100を指向させることを視覚的に支援するように構成された蛍光物質又は別の物質を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、複数の関節窩球固定部材140に類似した形状係数を有するチャネルガイドが、関節窩球100を指向させるのを容易にするために用いられてもよい。例えば、ガイドは、関節窩球固定部材140に類似した態様で複数のチャネル160を通して挿入されることにより、関節窩球固定部材140が平板200の干渉空間と交差するか又はこれの外側を通過するか否かを決定してもよい。チャネルガイドは、複数のチャネル160内に着脱可能に挿入されることにより、関節窩球固定部材140を用いて、関節窩球100を確保する前に、関節窩球100を迅速に指向させることを容易にしてもよい。
図13をここで参照すると、肩関節形成術の部分として実行される方法等の、関節窩球を肩甲骨の部分に及び肩甲骨の部分に固定された平板に確保する方法400のブロック図が、表わされている。方法400は、図1〜12に関して記載された関節窩球100及び平板200を含む、本明細書で開示された装置及びシステムのうちの任意のものを用いて実装されてもよい。医療専門家(例えば、医師、看護師)等を含むがこれに限定されない様々な行為者が、方法400を実行してもよい。
410において、関節窩球が平板に隣接して配置される。平板は、肩甲骨の一部分に固定される。関節窩球は、本体を通過する中心軸線を画定する本体を含む。関節窩球は、第1リム及び第2リムを含む第1表面と、第1リムから延在する第2表面と、を含む。第2表面は、凸形状を有する。関節窩球は、第1表面から本体中に延在する空洞を含む。空洞は、平板を受け取るように構成されている。関節窩球は、第1表面から本体を通して第2表面まで延在する複数のチャネルを含む。それぞれのチャネルは、第1リムと第2リムとの間の第1表面上に配置された第1開口を画定し、第2表面上に配置された第2開口を画定し、そして、チャネルを通過するチャネル軸線を画定する。関節窩球を配置することは、平板の構成要素が関節窩球のチャネルを通して視認できるような平板からの距離内など、平板に隣接して関節窩球を保持することを含んでもよい。例えば、外科医又は別の医療専門家は、外科医が平板に対して関節窩球を操作できるように、平板に隣接して関節窩球を配置してもよい。
420において、関節窩球は、平板に対して指向させられる。例えば、関節窩球は、関節窩球の中心軸線が平板の平板軸線と同軸であるように指向させられてもよい。いくつかの実施形態において、平板が既に肩甲骨の部分に確保されており、したがって、関節窩球は、固定された平板及び平板の固定された平板軸線に対して指向させられてもよい。関節窩球は、関節窩球が解剖学的位置にあるように指向させられてもよく、それにより、肩関節形成術が完成されると天然の可動域を可能にする。いくつかの実施形態において、関節窩球は、軸外に指向させられるか、又は別の態様で解剖学的位置からオフセットされてもよく、それにより、異なる可動域を可能にする。例えば、外科医又は別の医療専門家が、平板に対して関節窩球を指向させてもよい。
430において、関節窩球のチャネル軸線は、平板の干渉空間の外側に配置される。干渉空間は、平板の平板固定部材及び/又は骨係合部材によって画定されてもよい。干渉空間は、平板固定部材及び/又は骨係合部材のまさにその体積を含んでもよく、あるいは、これらの構成要素よりも小さいか又はそれよりも大きい体積を含んでもよい。干渉空間の外側にチャネル軸線を配置することは、関節窩球固定部材が平板固定部材又は骨係合部材と衝突しないように、関節窩球固定部材を配置することを容易にする。干渉空間は、マーキングガイドを用いることによって、又はその組合せによって視覚的に決定されてもよい。例えば、外科医又は別の医療専門家が、干渉空間の範囲を決定して関節窩球を配置すること、したがって、関節窩球に対して固定されているチャネル軸線を配置することにより、チャネル軸線が干渉空間の外側に配置されてもよい。
いくつかの実施形態において、チャネル軸線を配置することは、複数のチャネル内にマーキングガイドを配置して、複数のチャネルを整列させることを含む。例えば、マーキングガイドは、チャネル軸線の方向を示してもよい。いくつかの実施形態において、チャネル軸線を配置することは、複数のチャネル内にチャネルガイドを着脱可能に受け取ることを含む。チャネルガイドは、関節窩球固定部材に類似した又はそれと同一の形状係数を含んでもよい。例えば、チャネルガイドは、関節窩球固定部材が受け取られることになるのに類似した方向の複数のチャネル内に受け取られてもよく、そして、関節窩球の方向は、チャネルガイド(したがって、チャネル軸線)が干渉空間の外側に配置されるまで調整されてもよい。例えば、関節窩球を指向させることは、複数のチャネル内に複数のチャネルガイドを受け取ることと、チャネルガイドのそれぞれが干渉空間の外側に配置されるまで、関節窩球の方向を修正することと、を含んでもよい。外科医又は別の医療専門家は、複数のチャネルを通してチャネルガイドを挿入してもよく、そして、チャネルガイドのそれぞれが干渉空間の外側に配置されているか否かに基づいて関節窩球の方向を修正してもよい。
いくつかの実施形態において、チャネル軸線を配置することが、チャネル軸線が干渉空間の外側に配置される(例えば、チャネル軸線が干渉空間と交差しない)ように関節窩球を指向させることを含む。いくつかの実施形態において、チャネル軸線を配置することは、各チャネル軸線それぞれの周りの体積が干渉空間の外側に配置される(例えば、各チャネル軸線それぞれの周りの体積が干渉空間と交差しない)ように関節窩球を指向させることを含む。各チャネル軸線それぞれの周りの体積は、チャネルの開口から延在する円柱体積等の、各チャネルの外挿であってもよい。
いくつかの実施形態において、チャネル軸線を配置することは、平板が関節窩球内に受け取られる前における関節窩球の第1位置と、平板が関節窩球内に受け取られた後における関節窩球の第2位置との間のオフセットに基づいて、チャネル軸線を配置することを含む。例えば、第1位置において、関節窩球は、チャネル軸線が干渉空間と交差し、それでも、平板が(関節窩球と平板との間の距離を減少させること、平板の平板軸線に沿って肩甲骨の部分及び平板に向かって関節窩球を動かすこと等によって)関節窩球内に受け取られるとき、チャネル軸線が干渉空間の外側に配置された状態になるように配置及び指向させられてもよい。いくつかの実施形態において、形状、及び関節窩球の空洞の寸法に基づくオフセット等の、関節窩球固定部材の長さに対してオフセットされているガイド長さを有するチャネルガイドが用いられることにより、チャネルガイドは、平板が関節窩球の空洞内に受け取られるときに、チャネル軸線の位置と整合する。
いくつかの実施形態において、関節窩球を指向させることは、チャネル内に受け取られる関節窩球固定部材が、平板固定部材が骨に取り付けられるところの骨の一部分とは異なる骨の一部分に取り付けられるように、チャネルを指向させることを含む。いくつかの実施形態において、干渉空間は、平板固定部材によって占められる骨の領域によって画定されることにより、平板の骨への取付け部の破壊を低減させる。
440において、平板は、関節窩球の空洞中に受け取られる。例えば、関節窩球は、平板に当接して押圧されることにより、平板が空洞中に嵌合してもよい。チャネル軸線は、平板の干渉空間の外側に配置され続けることになる。いくつかの実施形態において、平板を受け取ることは、関節窩球と平板との間にモールステーパーを形成する等のために、関節窩球の第1係合部材を平板の第2係合部材と係合することを含む。いくつかの実施形態において、空洞の空洞壁が、平板の平板壁と同一平面に配置されるように構成され、そして、空洞の空洞表面が、平板が空洞内に受け取られるときに平板の表面と同一平面に配置されるように構成されている。例えば、関節窩球の中心軸線が平板の平板軸線と同軸であり、チャネル軸線が干渉空間の外側に配置されるように関節窩球を配置及び指向させる外科医は、平板が空洞中に嵌合するように、平板及び肩甲骨の部分に向かって関節窩球をシフトさせてもよい。
450において、複数の関節窩球固定部材が、複数のチャネル内に受け取られる。関節窩球は、チャネル軸線(又は、チャネル軸線の周りの体積)が平板の干渉空間の外側に配置されるように指向させられたので、複数のチャネル内に受け取られたときの関節窩球固定部材は、また、干渉空間の外側に配置されることになる。外科医が関節窩球固定部材をチャネル中に置くことにより、関節窩球固定部材は、干渉空間の外側に配置されてもよく、そして、関節窩球固定部材は、それらが確保されることになる肩甲骨の部分に接触してもよい。
460において、複数の関節窩球固定部材が肩甲骨の部分に確保されことにより、肩甲骨の部分への関節窩球の固定を強化させる。関節窩球固定部材は、肩甲骨の部分を係合するように構成された係合特徴(例えば、ネジ山又は別の摩擦要素)を含んでもよい。肩甲骨の部分に関節窩球固定部材を確保することは、したがって、関節窩球及び平板を通して肩甲骨の部分にまで伝達された力が、骨係合部材及び/又は平板固定部材が肩甲骨の部分に確保されるところの位置以外の位置に伝達されることを可能にすることにより、肩甲骨の部分上に応力を分散させて骨損失を軽減するのを助ける。例えば、外科医が、駆動装置、穿孔機又は肩甲骨の部分中に関節窩球固定部材を打ち込む別のツールを用いて、関節窩球を肩甲骨の部分に確保してもよい。
いくつかの実施形態において、方法は、患者に関する撮像データに基づいて、平板及び関節窩球のうちの1つ又は複数を配置することを含む。撮像データは、平板及び/又は関節窩球についての好ましい位置を識別することにより、解剖学的位置に肩プロテーゼシステムを提供して、骨損失を軽減するか、又は骨損失の影響を最小化する等してもよい。撮像データは、固定部材が肩甲骨の部分に確保されるための標的位置を示してもよい。
いくつかの実施形態において、関節窩球を肩甲骨の部分に及び肩甲骨の部分に固定された平板に確保する方法が、平板に隣接して関節窩球を配置することを含む。関節窩球は、本体を通過する中心軸線を画定する本体と、第1リム及び第2リムを含む第1表面と、第1表面の第1リムから延在する第2表面であって、凸形状を有する第2表面と、第1表面から本体中に延在する空洞であって、平板を受け取るように構成されている空洞と、第1表面から本体を通して第2表面まで延在する複数のチャネルと、を含んでもよい。それぞれのチャネルは、第1リムと第2リムとの間の第1表面上に配置された第1開口を画定してもよい。それぞれのチャネルは、第2表面上に配置された第2開口を画定してもよい。それぞれのチャネルは、関節窩球を骨に確保するように構成された骨固定部材を受け取るように構成されてもよい。方法は、チャネルによって受け取られるそれぞれの関節窩球固定部材が、平板固定部材が平板を骨に取り付けるところの骨の部分とは異なる骨の部分に取付け可能であるように、関節窩球を平板に対して指向させることを含んでもよい。方法は、チャネルによって受け取られるそれぞれの関節窩球固定部材が、骨に平板を取り付ける平板固定部材によって占められる骨の領域により画定された干渉空間の外側にある骨の部分に取付け可能であるように、平板に対して関節窩球を指向させることを含んでもよい。方法は、空洞中に平板を受け取ることを含んでもよい。方法は、複数の第2開口を介して複数のチャネル内に複数の関節窩球固定部材を受け取ることにより、複数の関節窩球固定部材が干渉空間の外側に配置されて、肩甲骨の部分に接触することを含んでもよい。方法は、肩甲骨の部分に複数の関節窩球固定部材を確保することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、関節窩球を指向させることは、複数のチャネル内に複数のチャネルガイドを受け取ることと、チャネルガイドのそれぞれが干渉空間の外側に配置されるまで関節窩球の方向を修正することと、を含む。
<B.固定強化のための関節窩球及び関連方法についての更なる実施形態>
ここで図14〜22を参照すると、固定強化のための関節窩球の様々な実施形態が、示されている。図14〜22に関して記載される関節窩球は、図1〜13に関して記載された関節窩球100に類似してもよく、そして、図1〜13に関して記載された平板200を含む様々なベースプレートと係合するか又は別様に相互作用するように構成されてもよい。関節窩球のためのフード特徴及びオフセット係合軸線が図14〜22に関して本明細書に記載されるけれども、図1〜13の関節窩球100は、また、フード又は別の拡張構造(例えば、関節窩球100の第2領域180内又はその周りに位置するフード)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、フードを有する関節窩球が、肩プロテーゼを有する患者に対して運動学的に有利であり、その理由は、フードが肩プロテーゼと肩甲骨との間に追加の接点を提供することにより、患者が関節窩球によって肩に接続された腕を動かすときに、揺動(例えば、患者の身体の冠状面内での回転等の、関節窩球の意図的でない動作)を防止するからである。いくつかの実施形態において、関節窩球の中心からオフセットされているか又はそれから間隔を空けている係合軸線を有する関節窩球は、関節窩球の形状係数を実質的に増加させることなく、関節窩球(又は、ベースプレートとともに関節窩球)によって係合されてもよい肩甲骨の有効領域を増加させることによって関節窩球の運動学を改善してもよい。関節窩球を肩甲骨に取り付ける関節窩球固定部材を受け取るための1つ又は複数のチャネルを関節窩球が含む場合等のいくつかの実施形態において、オフセットされた係合軸線とフードとが協働することにより、チャネルの方向、したがって肩プロテーゼが固定されているところの肩甲骨の部分を選択する際に、より大きい自由度を提供してもよい。
ここで図14〜15を参照すると、関節窩球500が示されている。関節窩球500は、本明細書に記載した様々な関節窩球(例えば、関節窩球100)に構造及び機能が類似してもよい。関節窩球500は、中心506を画定する本体504と、本体504を通過する係合軸線508と、を含む。関節窩球500は、第1リム516と、第2リム520と、を含む第1表面512を含み、第1リム516は、第2リム520から半径方向外向きに配置されている。
関節窩球500は、また、第1表面512の第1リム516から延在する第2表面524を含む。第2表面524は、凸形状を有してもよい。第2表面524は、球形状(例えば、第2表面上の全て又は実質的に全ての点が、関節窩球500の中心等の中心点から等距離にある)を有してもよい。第2表面524と第1表面512とは、第1表面512と第2表面524との間の縁に沿って互いから延在してもよく、縁は、本体504の周りに閉路を画定している。関節窩球100の第2表面124と異なり、第2表面524は、連続形状を有し(例えば、第2表面524は開口によって中断されていない)、その理由は、関節窩球500が関節窩球500を肩甲骨に取り付けるための固定部材を受け取るための複数のチャネルを含まず、その代わりに、平板(例えば、平板200)に結合することによって、関節窩球500が肩甲骨に取り付けられるからである。
中心506は、第2表面524に基づいて画定されてもよい。例えば、中心506は、第2表面524の全ての点から等距離にある点、又は第2表面524上のほとんどの点から等距離にある点であってもよい。いくつかの実施形態において、上腕骨構成要素(図示せず)が第2表面524の周りで関節運動するように構成されている場合、中心506は、したがって、上腕骨構成要素の動作についての中心になる。
関節窩球100の中心軸線108と同様に、係合軸線は、平板(例えば、平板200)が関節窩球500内に受け取られる軸線に横断方向(例えば、以下に記載するような空洞表面532に横断方向)の軸線であってもよい。平板が、平板上の中央に指向させられる骨係合部材(例えば、骨係合部材204)を含む場合の実施形態において、骨係合部材は、係合軸線508と整列することになる。
いくつかの実施形態において、第1表面512は、基礎表面部分576と、フード表面部分580と、を含む。フード表面部分580は、基礎表面部分576から延在する。例えば、図14に表すように、フード表面部分580は、基礎表面部分576と連続している。平面510は、基礎表面部分576によって画定されるか、又はそれを含んでもよい。例えば、図14〜15に表すように、基礎表面部分576は、実質的に平面である(例えば、基礎表面部分576上に選択された3点の任意の組が、同じ平面510を画定してもよい)。図15に表すように、フード表面部分580は、平面510に対して鋭角αで、及び/又は基礎表面部分576に対して鈍角βで指向させられてもよい。関節窩球500は、フード表面部分580と平面510との間にフード部分582を含む。図15に表すように、フード表面部分580は、実質的に平面である(例えば、フード表面部分580上に選択された任意の組の3点が、同じ平面を画定してもよく、その平面は、平面510に対して角αで指向させられている)。いくつかの実施形態において、フード部分582は、係合軸線508から中心506の反対側にある。いくつかの実施形態において、フード部分582は、角度を付けられている(例えば、平面510に対して鋭角αで、及び/又は基礎表面部分576に対して鈍角βで指向させられたフード表面部分580を有することによる等で本体504の別の部分に対して角度を付けられている)。
関節窩球500は、空洞528を含む。空洞528は、骨に取付け可能な取付け構造(例えば、平板200等の平板)を受け取るように構成されている。空洞528は、本体504内部に画定されている。空洞は、第2リム520によって画定された周辺部を含む。空洞は、第1空洞部分(例えば、空洞壁532及び空洞表面536を含む第1空洞部分)と、第2空洞部分(例えば、内部空洞部分584)と、を含んでもよい。第1空洞部分は、肩甲骨に取付け可能な取付け構造(例えば、平板200)と係合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、本体504内部に画定された又は第1表面512から陥凹した空洞よりむしろ、関節窩球は、平板200を受け取る及びそれに取り付くように構成された第1表面512の平板受取り器部分(例えば、平板受取り器部分が、平板200の係合部材に結合するように構成された係合特徴であってもよく又はそれを含んでもよい)を含む。
内部空洞部分は、内部空洞表面586を画定してもよい。いくつかの実施形態において、内部空洞表面586は、空洞表面536にある第1端部から、第2表面524上に画定された第2表面リム588にある第2端部まで先細りしている(例えば、半径が減少している)。いくつかの実施形態において、内部本体表面590が、本体504内に画定され、そして、第2表面リム588と内部空洞表面586との間に延在する。いくつかの実施形態において、内部空洞部分584は、取付け構造の係合部材を係合する(例えば、平板200の第2係合部材236を係合する)ように構成されているか、又は係合するような形状及びサイズにされる。図14に表すように、内部空洞部分584は、係合軸線508に沿って指向させられてもよい(例えば、内部空洞表面586に垂直な平面もまた係合軸線508に垂直である)。いくつかの実施形態において、空洞528(例えば、空洞壁532及び/又は内部空洞表面586)は、円筒又は先細り円筒(例えば、切頭体状)形状を有する。
いくつかの実施形態において、基礎表面部分576及び/又はフード表面部分580は、非平面形状(例えば、湾曲、凸形、等)を有してもよい。かかる実施形態において、フード部分582は、フード表面部分580と平面510との間、又はフード表面部分580と平面との間に、本体504の部分として画定されてもよく、当該本体504の部分は、(1)第1表面512が第2表面524と交差するところの点(又は、弧区間)を通過する(又は、含む)、及び(2)空洞表面536に平行である、空洞壁532に垂直である、及び/又は空洞表面536と空洞壁532との交線の少なくとも部分に平行である。フード部分582は、したがって、基礎表面部分576に関連して肩甲骨に向かって延在してもよく、基礎表面部分576から最も遠いフード部分582の端部は、平板が関節窩球500内に受け取られ、関節窩球500及び平板が肩甲骨に取り付けられるときに、肩甲骨に最も近い。
いくつかの実施形態において、基礎表面部分576とフード表面部分580とは、(基礎表面部分576に対してある角にあるフード表面部分580ではなくむしろ)単一の、実質的に平面又は平面の表面を形成してもよい。空洞528が基礎表面部分576から陥凹している場合、フード部分582は、本体504の部分として画定されてもよく、当該本体504の部分は、(1)空洞壁532が第2表面524に最も近いところから空洞壁532に沿って最遠点にある空洞壁532に接触する平面等の、空洞に横断方向の平面と、(2)空洞表面536上に少なくともいくつかの点を含む平面と、の間にある。
係合軸線508は、平板が当接して受け取られる表面(例えば、空洞表面532)に対して垂直である軸線、又は表面(例えば、空洞表面532)上のほとんどの点に垂直である軸線であってもよい。係合軸線508は、内部空洞表面586によって画定されたチャネルを通過してもよく、及び/又は内部空洞表面586上の全ての(又は、ほとんどの)点から等距離にあるように画定されてもよい。
いくつかの実施形態において、図15に表すように、中心506は、係合軸線508からオフセット507だけ間隔を空けている。オフセット507は、フード表面部分580と係合軸線508との間の距離を増加させ、したがって、フード表面部分580と関節窩球500によって受け取られた(例えば、空洞528内に受け取られた)平板との間の距離を増加させてもよい。いくつかの実施形態において、オフセット507によって生じた間隔は、フード表面部分580が、別の態様ではアクセス可能でない肩甲骨の部分を係合することを可能にする。
いくつかの実施形態において、フード表面部分580は、粗い表面、又は肩甲骨を係合するように構成された別の表面を含む。例えば、フード表面部分580は、基礎表面部分の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する表面を有してもよい。粗い表面は、フード表面部分580と肩甲骨の第1部分との間の摩擦係合を促進することにより、関節窩球500が肩甲骨の第2部分に取り付けられたときに、関節窩球500の揺動を防止する(例えば、関節窩球500が平板200に結合されたときに、平板200は肩甲骨の第2部分に固定される)。
ここで図16〜18を参照すると、関節窩球600が示されている。関節窩球600は、以下で更に記載するような関節窩球600の空洞を除いて、構造及び機能が本明細書に記載した様々な関節窩球(例えば、関節窩球500)に類似していてもよい。関節窩球600は、平板700に取り付けるように構成されてもよい。平板700は、構造及び機能が平板200に類似していてもよい。平板700は、骨固定部材716と同じ側にある第1平板表面708と、第1平板表面708の反対側にある第2平板表面712と、を有する平板本体704を含む。平板700は、また、係合特徴720を含む。図17に表すように、係合特徴720は、陥凹(例えば、開口、チャネル)を含む。
図16〜18に表すように、関節窩球600は、係合セグメント684を含む。係合セグメント684は、先細りシリンダ形状(例えば、切頭体状)を有するように表わされており、様々な実施形態において、係合セグメント684は、先細りでないシリンダ形状(例えば、係合セグメント684の直径が一定である)、ポリゴン立体(例えば、直方体)等の様々な形状を有してもよい。係合セグメント684は、係合軸線608に沿って延在する。いくつかの実施形態において、係合セグメント684は、係合セグメント684が空洞表面636と交差する(又は、それから延在する)ところの第1係合端部から、係合セグメント684が終端するところの第2係合端部まで先細りする。係合セグメント684は、平板700の係合特徴720を係合する(例えば、モールステーパーを形成する、取り付く、受け取る又は中に受け取られる、結合する)ように構成されてもよい。
いくつかの実施形態において、係合セグメント684は、外側係合表面686を含む。外側係合表面686は、空洞表面632に隣接した第1端部から、外側係合表面686が終端するところの第2端部まで先細りしてもよい。いくつかの実施形態において、係合セグメント684(及び/又は外側係合表面686)は、空洞表面632から外へ、空洞表面632に平行であって空洞表面632から最も遠い関節窩球本体604上の点に接している平面まで延在する。
関節窩球600は、凸形又は球形である第2表面624を含んでもよい。第2表面624は、第2表面リム688を画定してもよい。第2表面リム688は、第2表面624と、本体604内部に画定された内部本体表面690との交線のところに位置する。いくつかの実施形態において、内部本体表面690は、係合軸線608に平行に及び/又はそれに沿って指向させられている。例えば、関節窩球600が空洞628内に平板700を受け取ることにより、骨固定部材716及び係合特徴720が、それぞれ係合軸線608に沿って指向させられるとき、内部本体表面690もまた、係合軸線608に沿って指向させられ、例えば、内部本体表面690を通して締結部材を受け取って、内部本体表面690によって係合特徴720を係合する(例えば、取り付く)。
内部本体表面690は、締結部材750を受け取るように構成されてもよい。締結部材750は、係合セグメント684と係合特徴720との間の固定に追加の固定を提供すること等によって、平板700に関節窩球600を確保するように構成されてもよい。内部本体表面690は、締結部材750の最大半径よりも大きい半径(例えば、係合軸線608から画定された半径)を有してもよい。
係合セグメント684は、内部空洞表面692を画定してもよい。内部空洞表面692は、係合セグメント684の内部を通って延在してもよい。いくつかの実施形態において、内部空洞表面692は、内部空洞表面の終端部から延在する第1部分694と、第1部分694に隣接した第2部分696と、を含む。
いくつかの実施形態において、第2部分696は、内部本体表面690に接続されている。いくつかの実施形態において、第1部分694は、締結部材750のネジ式特徴752の半径に等しいか又はそれよりも大きい(例えば、10パーセント未満だけ、5パーセント未満だけ、2パーセント未満だけより大きい)半径を有し、そして、第2部分696は、締結部材750の最大半径に等しいか又はそれよりも大きい(例えば、10パーセント未満だけ、5パーセント未満だけ、2パーセント未満だけより大きい)半径を有することにより、締結部材750は、第2表面リム688を通して内部本体表面690中に挿入されて、第1部分694と整列するネジ式特徴752によって内部空洞表面692内に受け取られてもよい。
いくつかの実施形態において、締結部材750が中に受け取られて、関節窩球600を平板700に取り付けるために用いられてもよい連続した係合開口(例えば、開口が1つ又は複数の表面によって画定され、当該表面は開口の表面のうちの少なくとも1つの別の表面に隣接している)が、内部本体表面690及び内部空洞表面692によって画定されてもよい。
ここで図19を参照すると、関節窩球800が示されている。関節窩球800は、関節窩球800の係合セグメントを除いて、本明細書に記載した様々な関節窩球(例えば、関節窩球800)に類似してもよい。関節窩球800は、本体804と、第2表面824と、空洞表面832によって少なくとも部分的に画定された空洞828と、空洞壁836と、を含む。係合セグメント884は、空洞表面832から係合軸線808に沿って延在する。係合セグメント884は、係合セグメント884が空洞表面832に隣接しているところの第1端部から、第1端部の反対側の第2端部まで先細りしていてもよい。関節窩球600の係合セグメント684と異なり、係合セグメント884は、締結部材が中に受け取られてもよい内面を含まない。言い換えると、係合セグメント884は、空洞表面832から横断方向係合表面886まで延在する外側係合表面888によって画定される。横断方向係合表面886は、連続した面を画定する(例えば、横断方向係合表面886は、中実であって、開口を画定しない等)。それに加えて、関節窩球600と異なり、第2表面924は、連続している(例えば、開口又は第2表面リム688等のリムを含まない)。
ここで図20〜22を参照すると、関節窩球900が示されている。関節窩球900は、骨固定部材を受け取るためのチャネルの方向を除いて、本明細書に記載した様々な関節窩球に類似してもよい。関節窩球900は、平板1000と係合するように表わされている。平板1000は、本明細書に記載した様々な平板(例えば、平板200、平板700)に類似していてもよい。平板1000は、平板本体1004と、第1平板表面1008と、第1平板表面1008と同じ平板本体1004の側から延在する骨係合部材1016と、を含む。
いくつかの実施形態において、第1平板表面1008は、平板1000と肩甲骨との間の固定を強化するため等の、骨成長を促進する係合特徴(例えば、図20〜21に表す比較的粗い特徴)を含む。平板1000は、平板チャネル1052を通して平板固定部材1050を受け取ってもよい。
関節窩球900は、第1表面912と、第2表面924と、を有する本体904を含む。関節窩球900は、係合軸線908を画定する。関節窩球900は、関節窩球900を肩甲骨に取り付けるための、骨固定部材940を受け取ってもよい1つ又は複数のチャネル960を含む。図22に表すように、チャネル960は、第1表面912上の第1チャネル開口964と、第2表面924上の第2チャネル開口968と、第1チャネル開口964を第2チャネル開口968に接続するチャネル表面972と、によって画定されてもよい。
関節窩球100のチャネル160と異なり、チャネル960が係合軸線908に平行に指向させられていることにより、チャネル960を通して受け取られた骨固定部材940は、関節窩球900が平板1000及び肩甲骨に取り付けられるとき、係合軸線908、及び/又は骨係合部材1016及び/又は平板固定部材1050に平行に指向させられる。例えば、チャネル960は、係合軸線908に平行であるチャネル軸線976を画定してもよい。チャネル軸線976は、軸線として画定されてもよく、当該軸線に対して、軸線に垂直である平面とチャネル表面972との間の交線によって画定されたほとんどの点が、等距離にある(例えば、チャネル軸線976が、チャネル軸線976に垂直である、チャネル表面972のほとんどの又は全ての断面についての中心に指向させられる)。
いくつかの実施形態において、係合軸線908に平行であるようにチャネル960を指向させることは、関節窩球900が肩甲骨のより大きい表面領域又は異なる表面領域を確保することを可能にする(もっとも、関節窩球900は、関節窩球100と比較して、肩甲骨の特定の表面領域へのより堅固でない取付けを有してもよい)。
いくつかの実施形態において、関節窩球は、球形本体を含む。球形本体は、本体周りに完全な経路を画定する第1縁を含んでもよい。第1表面は、第1縁の第1側から延在してもよく、第2表面は、第1側の反対側の、第1縁の第2側から延在してもよい。例えば、第1表面は、第1縁に沿って第2表面に隣接していてもよく、そして、全体として、第1表面と第2表面とは、球形本体の完全な外面を画定してもよい。球形本体は、中心を画定して、この中心から第1表面上のそれぞれの点が等距離(又は、この中心から第1表面上の最大数の可能な点が等距離)にあってもよい。第1縁は、第1点及び第2点を画定しても(又は、含んでも)よい。(例えば、第1縁と一致する第1最短経路上の点だけが第1点及び第2点であるような)第1表面に沿った第1点と第2点との間の第1最短経路は、中心から等距離にある全ての点によって画定された球面領域の外周の半分よりも大きい。いくつかの実施形態において、かかる関節窩球は、したがって、フード形部分を含んでもよい(例えば、第2点がフード形部分上に位置する)か、又は、半球形を超える形状係数を有する。
<C.固定を強化するためのフランジを有する関節窩球及び関連方法>
ここで図23A〜27Bを参照すると、固定を強化するためのフランジ形式構成要素を含む関節窩球の様々な実施形態が示されている。図23〜27Bに関して記載した関節窩球は、図1〜22に関して記載した関節窩球に類似してもよく、そして、様々なベースプレートを係合する又はそれらと別様に相互作用するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、フランジ構成要素を有する関節窩球が、肩プロテーゼを有する患者にとって運動学的に有利であり、その理由は、フランジは、関節窩球が、関節窩球の固定要素及び/又はベースプレートが確保されるところの固定部位を囲む、肩甲骨のより大きな表面領域に接触して、それに当接して支持されるのを可能にすることにより、揺動又は別の不利な動作に対して関節窩球を安定させるのを助けるからである。いくつかの実施形態において、関節窩球の中心に対してオフセットされているベースプレートを受け取るための表面を有する関節窩球が、肩甲骨のより近くに及び/又はベースプレートが肩甲骨に固定されるところの固定部位から離れる方にフランジを有利に動かすことにより、安定性を更に改善してもよい。いくつかの実施形態において、フランジは、肩プロテーゼとベースプレートとの間に、ベースプレートに別様に損害を与えることがある力を分布させることを容易にしてもよい。フランジは、関節窩の上部面内に配置されるか又はそれと接触するように構成されてもよい。既存のシステムであって、その中で関節窩球の部分が半球形状又は配列を越えて延在してもよいけれども、骨損失適用での動作を改善できない既存のシステムと異なり、本開示の様々な実施形態に従うフランジを有する関節窩球は、骨損失を伴う適用(例えば、骨損失モデル適用)における肩プロテーゼの動作を有利に改善してもよい。
ここで図23A〜23Cを参照すると、関節窩球1100が表されている。関節窩球1100は、本明細書に記載した様々な関節窩球に構造及び機能が類似してもよい。関節窩球1100は、本体1104と、フランジ1150と、を含む。本体1104は、第1本体表面1108と、第2本体表面1112と、を含む。第2本体表面1112は、球形であってもよい(例えば、本体1104の中心等の基準点から等距離にある多くの、ほとんどの、又は全ての点についての表面を画定してもよい)。本体1104は、肩甲骨に取付け可能な取付け構造(例えば、平板又はベースプレート)と係合するように構成された係合特徴1120を含む。
いくつかの実施形態において、本体1104は、中心1116を有するか、又は画定する。中心1116は、本体1104の外部上の多くの、ほとんどの、又は全ての点から等距離にある、及び/又は第2本体表面1112の多くの、ほとんどの、又は全ての点から等距離にある点であってもよい。いくつかの実施形態において、中心1116は、本体1104に結合されて第2本体表面1112の周りで関節運動するように構成された上腕骨構成要素についての回転中心(図示せず)であってもよい。
係合特徴1120は、本明細書に記載したような空洞の様々な実施形態に類似した空洞であってもよい。図23A〜23Cに表すように、係合特徴1120は、取付け構造(例えば、平板)を受け取るように構成された第1空洞部分1124と、取付け構造を係合するように構成された第2空洞部分1132と、を含む。第1空洞部分1124は、取付け構造が当接して配置されるか又は受け取られてもよい空洞表面1126(例えば、係合表面)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、空洞表面1126は、空洞の深さを画定する壁によって第1本体表面1108から分離されてもよい。
本体1104は、係合軸線1118を画定してもよい。係合軸線1118は、係合特徴1120を通過する、及び関節窩球1100が肩甲骨に向かって概して動かされるのと反対の方向を示す軸線であってもよい。いくつかの実施形態において、係合軸線1118は、空洞表面1126に垂直であるか、又は実質的に垂直である。係合軸線1118は、平板が第1空洞部分1124内に受け取られると、平板の平板固定部材と整列してもよい。いくつかの実施形態において、図23Cに表すように、係合軸線1118は、中心1116を通過する(例えば、それを含む、それと共線である)。
いくつかの実施形態において、係合特徴1120及び/又は空洞表面1126は、本体1104の中心1116から(又は、中心1116を含む、及び空洞表面1126若しくは空洞表面1126の外側縁に平行である平面1128から)係合オフセット1127だけオフセットされている。このオフセットは、第2本体表面1112によって可能にされた関節運動についての可動域を増加させてもよく、その理由は、第2本体表面1112は、中心1116から等距離にあるように画定された半球形空間よりも大きい空間を占めてもよく、そして、平板が係合特徴1120によって受け取られて確保され、関節窩球1100が肩甲骨に固定されるときに、フランジ1150を肩甲骨により近くまで動かしてもよいからである。いくつかの実施形態において、係合オフセット1127は、約6mm(例えば、4mm以上かつ8mm以下、5mm以上かつ9mm以下)である。いくつかの実施形態において、係合オフセット1127は、約10mm(例えば、8mm以上かつ12mm以下、9mm以上かつ11mm以下)である。
フランジ1150は、本体1104から半径方向外向きに延在し、そして、第1本体表面1108と隣接する第1フランジ表面1154と、第2本体表面1112と隣接する第2フランジ表面1156と、含む。フランジ1150は、第2本体表面1112ではなく本体1104から半径方向外向きに更に延在してもよい(例えば、フランジ1150の少なくとも一部分は、第2本体表面1112上のいずれかの点ではなく中心1116からより大きい距離のところにある)。いくつかの実施形態において、フランジ1150は、中心1116から第1端部1158までの第1直線1159と、中心1116から第2端部1162までの第2直線1163とによって画定された角度γが180度未満(例えば、150度未満、120度未満、90度未満、180度未満かつ45度超)であるように、第1端部1158と第2端部1162とから延在するフランジ長さ(例えば、フランジ1150の外側リム1151に沿って画定された長さ)を有する。本体1104は、第1本体表面1108と、第1フランジ表面1154と、を含む関節窩球本体表面1110を含んでもよい。フランジ1150は、肩甲骨に当接して関節窩球1100を安定させるための表面領域を付加することによって、関節窩球1100のための追加の支持を提供してもよい。角度γ、又はフランジ1150のサイズの別の寸法は、関節窩球1100によって占められる全体のサイズ又は体積を低減又は最小化するように選ばれてもよい。例えば、いくつかの構成において、フランジ1150のサイズが増加するにつれて、上腕関節窩関節内に関節窩球1100を置くことがより困難になることがあり、すなわち、過剰に大きいフランジ1150が用いられる場合、それは、肩甲下筋、棘上筋及び/又は棘下筋等の軟組織と干渉するだけでなく、上腕骨の可動域と干渉してもよい。同時に、肩甲骨と接触してもよいフランジ1150の表面領域を増加又は最大化させることは、関節窩球1100の安定性を増加させるか又は別の態様で関節窩球1100の運動性を改善してもよい。
いくつかの実施形態において、フランジ1150は、第1フランジ表面1154によって画定された第1孔開口1166から第2フランジ表面1156によって画定された第2孔開口1168まで延在する孔1164を含む。孔1164は、肩甲骨に関節窩球を取り付けるように構成された関節窩球固定部材1101(例えば、関節窩球固定部材140に類似した又は同一の固定部材)を受け取るように構成されてもよい。図23A〜23Cに表すように、関節窩球1100は、3つの孔1164を含む。様々な実施形態において、様々な数の孔1164(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つの孔)が、フランジ1150によって含まれてもよい。(例えば、図24に表すような)別の実施形態において、フランジ1150は、孔を含まない、例えば、連続した又は中断されない表面を有する。
いくつかの実施形態において、第2本体表面1112は、孔経路1168を画定する。孔経路1168は、第2本体表面1112の範囲内で陥凹していてもよい。孔経路は、中心1116に向かって陥凹していてもよく(例えば、第2本体表面1112から本体1104中に陥凹しており、孔経路1168の表面が、第2本体表面1112の隣接部分よりも中心1116により近くにある)。孔経路1168は、第2孔開口1168と連絡して(例えば、それと隣接して、それに移行して)おり、そして、孔1164中に関節窩球固定部材1101を誘導してもよい。関節窩球固定部材1101が孔経路1168内に、孔1164を通して受け取られるとき、関節窩球固定部材の一部分が、第2本体表面1112に比較して中心1116により近くに配置されることになる。
孔1164は、複数の関節窩球固定部材1101を受け取るように構成されてもよく、又は、図23A〜23Cに表すように、異なる位置及び/又は方向で関節窩球固定部材1101を受け取ってもよい。例えば、孔1164は、孔の第1チャネル1165に対応する第1角度で、又は孔の第2チャネル1166に対応する第2角度で関節窩球固定部材1101を受け取るように構成されてもよい。第1チャネル1165は、第1チャネル軸線1173を画定してもよく、第2チャネル1166は、第2チャネル軸線1175を画定してもよい(例えば、チャネル軸線は、対応する表面上の多くの、ほとんどの、又は全ての点から等距離にあるように画定されてもよい)。チャネル1165、1166は、互いに隣接してもよい。孔経路1168は、それぞれのチャネル軸線1173、1175と整列した部分を含んでもよい。
チャネル1165、1166は、関節窩球固定部材を受け取る及び/又は確保するように構成されてもよい。例えば、チャネル1165、1166は、関節窩球固定部材1101のネジを係合するように構成された表面を受け取るネジを含んでもよい。第1チャネル軸線1173は、第1チャネル1165内に受け取られるときの関節窩球固定部材1101の位置が、第2チャネル1166内に受け取られるときの位置からオフセットされるように、第2チャネル軸線1175からのチャネルオフセット1176を画定してもよい。いくつかの実施形態において、チャネルオフセット1176は、約3mm(例えば、1mm以上かつ10mm以下、1mm以上かつ5mm以下、2mm以上かつ4mm以下、3mm)である。いくつかの実施形態において、第1チャネル軸線1173は、空洞表面1126又は係合軸線1118に平行であり、第2チャネル軸線1175は、第1チャネル軸線1173に対して空洞表面1126又は係合軸線1118に向かって角度が付いている(例えば、10度だけ、5度以上かつ20度以下、7.5度以上かつ15度以下、9度以上かつ11度以下の角度だけ角度が付いている)。第1チャネル軸線1173と第2チャネル軸線1175との間の角度は、様々なサイズ及び/又は関節窩内に関節窩骨損失を有する患者内に関節窩球1100を指向させること及びインプラントすることに対してより多いオプションを提供してもよい。角度が増加するにつれて、関節窩球固定部材が肩甲骨に固定されてもよいところについてのより多いオプションが存在してもよい。例えば、角度は、関節窩球固定部材が烏喙骨又は肩峰の基部での骨位置(例えば、安定性を増加させるか又は最適化させる骨位置)に固定されることを可能にしてもよい。
孔1164は、チャネル軸線1173、1175から等距離にあり、チャネル1165、1166を含む平面内にある(例えば、内部に含まれる)孔中心1178を画定してもよい。フランジ1150が2つ以上の孔1164を含む実施形態において、チャネル中心1178は、中心1116から画定された角度δ(例えば、中心1116からチャネル中心1178又はチャネル軸線1173、1175までの線によって画定した角度)で指向させられてもよい。角度δは、フランジ1150によってカバーされた空間の円弧状の範囲(又は、その部分)を示してもよく、又はその寸法であってもよい。角度δは、約35度(例えば、20度以上かつ50度以下、30度以上かつ40度以下、34度以上かつ36度以下)であってもよい。
ここで図25A〜25Bを参照すると、オフセットフランジ1150を有する関節窩球1100が表されている。いくつかの実施形態において、フランジ1150は、第1本体表面1108からオフセットされているように構成されている。フランジ1150は、関節窩球1100が肩甲骨に確保されるときに、フランジ1150が第1本体表面1108よりも肩甲骨により近くにあるように、及び/又は、平板が係合特徴1120によって受け取られて係合されるときに、平板から外に及びそれを覆って延在するように、オフセットされてもよい。フランジ1150がオフセットされている実施形態において、関節窩球1100は、それで、平板が肩甲骨に固定されるところから離れている肩甲骨の一部分により近くにフランジ1150を引く等のために、肩甲骨の様々な幾何形状に適合させられてもよい。いくつかの実施形態において、フランジ1150のオフセットは、(フランジ1150を含む関節窩球と比較したとき)関節窩球1100の中心1116から更に遠くに離して、したがって、第2本体表面1112の周りで関節運動する上腕骨構成要素の可動域から更に遠くに離して、チャネル1165、1166を有利に配置してもよい。かかる配置をすることは、骨溶解の可能性を低減してもよく、当該骨溶解は、関節運動する上腕骨構成要素によってチャネル1165、1166を通して肩関節中に押されて摩耗粒子を発生させることになる、上腕骨構成要素と関節窩球1100との間の摩擦から生じることがある。
フランジ1150は、(例えば、第1フランジ表面1154まで測られるような)第1オフセット距離1180だけ平面1128からオフセットされてもよく、第1オフセット距離1180は、第1本体表面1108がその平面からオフセットされている第2オフセット距離1182よりも大きい。いくつかの実施形態において、第1オフセット距離1180と第2オフセット距離1182との間の差は、約3mm(例えば、2mm以上かつ4mm以下)、5mm(例えば、4mm以上かつ6mm以下)、又は、7mm(例えば、6mm以上かつ8mm以下)である。オフセットは、また、空洞表面1126又は空洞表面1126の外側縁を通過する平面に対して画定されてもよい。
ここで図26A〜26Bを参照すると、関節窩球1200が表されている。関節窩球1200は、関節窩球本体表面(例えば、第1フランジ表面及び/又は第1本体表面)の形状及び/又は方向を除いて、関節窩球1100と類似してもよい。関節窩球1200は、本体1204と、第1本体表面1208と、第2本体表面1212と、を含んでもよい。関節窩球1200は、中心1216と、係合軸線1218と、を画定してもよい。関節窩球1200は、本体1204から半径方向外向きに延在するフランジ1250を含んでもよい。フランジ1250は、第1フランジ表面1254と、第2フランジ表面1256と、を含んでもよい。関節窩球1200は、第1本体表面1208と、第1フランジ表面1254と、を含む関節窩球本体表面1210を含んでもよい。関節窩球1200は、中心1216を含むか、又はそれを通過する平面1228を画定してもよい。
いくつかの実施形態において、第1フランジ表面1254及び/又は関節窩球本体表面1204は、平面1228に対してある角度で指向させられている。例えば、第1フランジ表面1254の第1端部1291(例えば、中心1216、係合軸線1218から更に遠い、及び/又はフランジ1250の外部リムに隣接している第1フランジ表面1254の端部)は、平面1228からフランジオフセット1290だけオフセットされてもよく、一方、第1本体表面1208の第2端部1209(例えば、第1本体表面1208が第2本体表面1212と出会うところの又はフランジ1250、係合軸線1218及び/又は中心1216から最も遠い端部又は点)が、平面1228から本体オフセット1292だけオフセットされており、本体オフセット1292は、フランジオフセット1290未満である。関節窩球本体表面1210は、平面又は実質的に平面であってもよい。第1端部1291と第2端部1292との間の直線1293が、本体オフセット1292に対して角度εを画定してもよく、又は、関節窩球本体表面1204が平面1228に対して角度が付けられるように、直線1293と平面1228との交点(図示せず)において角度を同じように画定してもよい。関節窩球本体表面1204は、本体オフセット1292が約3mm(例えば、2mm以上かつ4mm以下)、5mm(例えば、4mm以上かつ6mm以下)、又は7mm(例えば、6mm以上かつ8mm以下)であるように角度が付けられてもよい。本体オフセットは、また、中心1216から、第1点1219を含むか又はそれを通過し、平面1228に平行な平面1295まで測定されてもよい。
ここで図27A〜27Bを参照すると、関節窩球1300が表されている。関節窩球1300は、本明細書に記載するような第1フランジ表面及び/又は関節窩球本体表面の形状を除いて、関節窩球1200に類似してもよい。関節窩球1300は、本体1304と、第1本体表面1308と、第2本体表面1312と、を含んでもよい。関節窩球1300は、中心1316と、中心1316を通過する係合軸線1318と、中心1316を含む平面1328と、を画定してもよい。フランジ1350は、本体1304から半径方向外向きに延在し、そして、第1フランジ表面1354と、第2フランジ表面1356と、を含んでもよい。関節窩球本体表面1310は、第1本体表面1308と、第1フランジ表面1354と、を含んでもよい。関節窩球は、空洞表面1326を含む係合特徴を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、関節窩球1300は、湾曲した若しくは非直線である(又は、非平面である)関節窩球本体表面1310、及び/又は湾曲した若しくは非直線である(又は、非平面である)第1フランジ表面1310を有する。平面1328から第1フランジ端部1392(例えば、第1本体表面1308が第1フランジ表面1354に隣接しているところにある点)まで画定された第1フランジオフセット1393が、平面1328から外側フランジ端部1390(例えば、第1フランジ表面1354における最外点)まで画定された第2フランジオフセット1391よりも大きくてもよい。第1フランジオフセット1393は、また、平面1328と第1本体端部1309a(例えば、第1本体表面1308が第2本体表面1312と出会うところにあり、フランジ1354から最も遠くてもよい本体1304の最外点)との間に画定された第1本体オフセット1394aよりも大きくてもよく、そして、平面1328と第2本体端部1309b(例えば、係合特徴1324のリム1327が第1本体表面1308と交差するところの、フランジ1350から最も遠い点)との間に画定された第2本体オフセット13094よりも大きくてもよい。オフセットは、また、空洞表面1326、又は空洞表面1326の外側縁を通過する平面に対して画定されてもよい。いくつかの実施形態において、第1フランジ端部1392は、関節窩球1300が肩甲骨に及び/又は平板に固定されるときに、肩甲骨の最も近くに配置され、それにより、関節窩球を通して受け取られた関節窩球固定部材を肩甲骨に密接に確保することを可能にし、同時に、本体1304の有意な部分が肩甲骨から離して配置される。
<D.固定を強化するためのインサートを有する関節窩球及び関連方法>
ここで図28A〜35Bを参照すると、インサートを実装する関節窩球システム(例えば、インサート構成要素)の様々な実施形態が示されている。様々な実施形態において、インサート構成要素の使用は、背板肩甲部等の肩甲骨に当接して関節窩球を安定化させることによって肩部関節形成術の有効性を改善してもよく、それで、上腕骨の可動域の改善、関節窩骨損失又は別の骨損失が生じたときでさえ解剖学的又は別の所望の回転中心を保持すること、及び/又は関節窩球を肩甲骨に直接確保すること(付加的に又は代替的にベースプレートを介して関節窩球を肩甲骨に確保すること)を可能にすることにより、関節窩球とベースプレートから離れた肩甲骨との間に荷重を分散させてベースプレート破壊のリスクを低減することを可能にする。インサート構成要素は、外科医が肩部関節形成術を実行する際により多くの柔軟性を有することを可能にするためにモジュール式であることにより、既存のベースプレート上に新規の又は交換の関節窩球を配置(例えば、既存の関節窩球を除去した後に、既に肩甲骨に確保されているベースプレート上に新規の関節窩球を配置)してもよい。
いくつかの実施形態において、図28A〜35Bに表すように、関節窩球システム1400は、インサート構成要素1410と、関節窩球1460と、ベースプレート1480と、を含む。関節窩球1460は、本明細書に記載した様々な関節窩球に類似してもよい。ベースプレート1480は、本明細書に記載した様々なベースプレートに類似してもよい。ベースプレート1480は、平板固定部材1482を受け取ってもよく、当該平板固定部材は、本明細書に記載した様々な固定部材に類似してもよい。ベースプレート1480は、骨係合部材1484を含むか又はそれと関連してもよく、当該骨係合部材は、本明細書に記載した様々な骨係合部材に類似してもよい。
いくつかの実施形態において、関節窩球1460は、第1表面1464と、第2表面1468と、平板係合領域1472と、インサート係合領域1476と、を含む。平板係合領域1472は、ベースプレート1480を係合するように構成されている。例えば、平板係合領域1472は、ベースプレート1480を受け取るように構成された空洞を含んでもよい。インサート係合領域1476は、インサート構成要素1410を係合するように構成されている。図28Aに表すように、インサート係合領域1476は、インサート構成要素1410を受け取るように構成された空洞(例えば、陥凹)を含んでもよい。インサート係合領域1476は、インサート構成要素1410によって受け取られるように構成された突起を含んでもよい。インサート係合領域1476は、モールステーパーを用いてインサート構成要素1410に結合するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態において、インサート構成要素1410(例えば、インサート構成要素1410の本体)は、第1表面1412と、第2表面1416と、第3表面1420と、を含む。第1表面1412は、第1端部1413から第2端部1414まで延在してもよい。第1表面1412は、骨を係合するように構成されてもよい。例えば、第1表面1412は、骨成長を促進するように構成された骨成長表面(例えば、起伏の多い表面、エッチングされた表面)を含んでもよい。第2表面1416は、第1表面1412から間隔を空けている。第2表面1416は、第1表面1412と協働して少なくとも1つのチャネル1428を画定してもよい。少なくとも1つのチャネル1428は、係合部材を受け取ってインサート構成要素1410を骨に確保するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、インサート構成要素1410は、第4表面1424を含む。
第3表面1420は、第1端部1430と、第2端部1432と、を含んでもよい。第1端部1430及び第2端部1432は、第1端部1430及び第2端部1432が第1表面1412の周辺部から延在するように、第1表面1412に隣接してもよい。第3表面1420は、第1端部1430と第2端部1432との間に曲線部分1434を含むか又はそれを画定してもよい。曲線部分が骨係合部材(例えば、骨係合部材1484)に接触するように形成されていることにより、例えば、インサート構成要素1410が骨係合部材1484に隣接したベースプレート1484の一部分に当接して配置されることを可能にしてもよく、これが、関節窩球システム1400を安定化すること及び/又はベースプレート1480からインサート構成要素1410までで荷重を分散させることを助けてもよい。いくつかの実施形態において、第1表面1412は、第1端部1413から第2端部1414まで(例えば、第1表面1412の縁に沿って)第1弧長を画定し、第3表面1420は、第1端部1430から第2端部1432まで(例えば、第3表面1420の縁に沿って)第2弧長を画定する。第1弧長が第2弧長よりも大きいことにより、インサート構成要素が関節窩球システム1400を安定化させるために肩甲骨と接触する(例えば、係合する)ように構成されているところの領域において、インサート構成要素1410の表面プロファイルを増加させ、同時に、インサート構成要素1410がベースプレート1480に隣接していてもよいところの近くに低いプロファイルを維持し、これが、関節窩球システム1400の構成要素の様々な幾何学形状を伴う手術手順中の関節窩球システム1400の組立てを容易にしてもよい。
いくつかの実施形態において、インサート構成要素1410は、空洞1436を含む。空洞1436は、第1表面1412によって画定された第1空洞開口1438を含んでもよい。空洞1436は、第2表面1424(又は、第2表面1424に隣接したインサート構成要素1410の表面)によって画定された第2空洞開口1439を含んでもよい。空洞1436は、インサート構成要素1410内部に(例えば、インサート構成要素1410の本体内部に)画定されてもよい。空洞1436は、第1空洞領域1440と、第2空洞領域1442と、を画定してもよく、それらは、それぞれ、第3空洞領域1444と同一の広がりを有してもよい。図28Aに表すように、第3表面1420の曲線部分1434は、インサート構成要素1410中に延在し、したがって、第3空洞領域1444の一部分を画定する。
いくつかの実施形態において、第1空洞領域1440は、第1空洞直径1446を画定し、第2空洞領域1442は、第2空洞直径1448を画定し、直径1446、1448は、それぞれ、平板固定部材1482の直径よりも大きいことにより、第1空洞領域1440又は第2空洞領域1442のうちの少なくとも1つが、平板固定部材1482を受け取ってもよい。空洞1436は、第3表面1420と少なくとも1つのチャネル1428との間にあってもよい。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第1チャネル1428は、第1チャネル軸線1429を画定する。空洞1436は、空洞軸線1437を画定してもよい。第1チャネル軸線1429は、空洞軸線1437に平行であってもよく、当該空洞軸線は、インサート構成要素1410をベースプレート1480と整列させるのを助けてもよい。
図28A、28C及び28Fに表すように、いくつかの実施形態において、第4表面1424は、ベースプレート1480の第1表面1481と係合するように構成されている。例えば、第4表面に平行な第1平面(例えば、第4表面1424が第2開口1439を画定する場合)が、第2表面1416に平行な第2平面から間隔を空けていてもよい(例えば、第2表面1416が少なくとも1つの第1チャネル1428の開口を画定する場合)。例えば、第1平面は、第2平面よりも第1表面1412により近くてもよい。いくつかのかかる実施形態において、インサート構成要素1410は、したがって、関節窩球1460を肩甲骨に確保しながらベースプレート1480を関節窩球1460に確保することによって、ベースプレート1480及び関節窩球1460を安定化させるように構成されてもよい。
ここで図29A〜29Dを参照すると、いくつかの実施形態において、関節窩球システム1500は、インサート構成要素1510と、関節窩球1560と、ベースプレート1580と、を含む。関節窩球システム1500は、関節窩球システム1400の特徴に類似しているか、それを含んでもよい。本明細書に記載するように、関節窩球システム1500は、少なくとも1つの第2チャネル1550を含むインサート構成要素1510を含んでもよい。
例えば、図29A〜29Dに表わすように、インサート構成要素1510は、少なくとも1つの第1チャネル1528を含み、また、少なくとも1つの第2チャネル1550を含む。少なくとも1つの第2チャネル1550は、空洞1536からみて少なくとも1つの第1チャネル1528の反対の側にあることにより、インサート構成要素1510が、少なくとも1つの第1チャネル1528よりもベースプレート1580によって確保された部分からより遠い骨の部分に確保されるのを可能にしてもよい。インサート構成要素1510は、チャネル表面1518を含んでもよく、当該チャネル表面1518は、少なくとも1つの第1チャネル1528を画定するインサート構成要素1510の部分の上方に延在し、第1表面1512と協働して少なくとも1つの第2チャネル1550を画定する。少なくとも1つの第2チャネル1550は、インサート構成要素1510を骨に確保するように構成された骨固定部材(例えば、骨固定部材1509)を受け取るように構成されている。少なくとも1つの第2チャネル1550は、少なくとも1つの第1チャネル1528の直径よりも大きい直径を有することにより、少なくとも1つの第1チャネル1528のための骨固定部材よりも大きい直径を有する骨固定部材1509を収容してもよい(例えば、少なくとも1つの第2チャネル1550を介してインサート構成要素1510の固定を改善してもよい)。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2チャネル1550は、少なくとも1つの第2チャネル軸線1551を画定する。少なくとも1つの第2チャネル1550は、第2チャネル軸線1551が少なくとも1つの第1チャネル1528の第1チャネル軸線1529に平行ではないように構成されてもよい。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2チャネル1550を画定するインサート構成要素1510の部分は、インサート構成要素1510が関節窩球1560に係合されるときに、関節窩球1560上方に延在するように構成されている。例えば、第1表面1512が第3表面1520に隣接しているところの第1リム1545から、第1リム1545の反対側の少なくとも1つの第2チャネル1550に隣接した第1表面1512の第2リム1546までの第1距離は、関節窩球1560のインサート係合領域(例えば、関節窩球1460のインサート係合領域1476に類似したインサート係合領域)の点から、第1表面1564が第2表面1568に隣接しているところの関節窩球リムまでの第2距離よりも大きくてもよい。
ここで図30A〜30Dを参照すると、いくつかの実施形態において、関節窩球システム1600は、インサート構成要素1610又はフランジ構成要素1650のうちの少なくとも1つを含む。関節窩球システムは、また、関節窩球1660と、ベースプレート1680と、を含む。関節窩球システム1600は、本明細書に記載した関節窩球システム1400、1500に類似していてもよい。インサート構成要素1610は、インサート構成要素1410、1510に類似していてもよい。関節窩球1660は、関節窩球1460、1560に類似していてもよい。ベースプレート1680は、ベースプレート1480、1580に類似していてもよい。いくつかの実施形態において、フランジ構成要素1650は、図23A〜27Bに関して記載したフランジ構成要素の特徴を含み、当該フランジ構成要素に類似した機能を実行してもよい。
図30A〜30Dに表すように、関節窩球システム1600は、インサート構成要素1610及びフランジ構成要素1650のうちの一方又はそれらの両方を含んでもよい。例えば、フランジ構成要素1650は、関節窩球1660を肩甲骨に(例えば、インサート構成要素1610によって確保されない肩甲骨の部分に)追加的に確保することを可能にしてもよい。図30Dに表すように、いくつかの実施形態において、関節窩球1550は、インサート構成要素1610を係合するように構成されたインサート係合領域1662を含み、同様に、フランジ構成要素1650を係合するように構成されたフランジ係合領域1664を含んでもよい。インサート係合領域1662がフランジ係合領域1664から放射方向に間隔を空けていることにより、インサート構成要素1610とフランジ構成要素1650とが骨の異なる部分に結合することを可能する。いくつかの実施形態では、フランジ構成要素1650は、少なくとも1つの第1骨固定部材1654を受け取るように構成された少なくとも1つの第1チャネル1652と、少なくとも1つの第2骨固定部材1658を受け取るように構成された少なくとも1つの第2チャネル1656(それは、少なくとも1つの第1骨固定部材1654よりも大きい直径を有してもよい)と、を含む。少なくとも1つの第2チャネル1656は、少なくとも1つの第1チャネル1652に対してある角度で指向させられてもよい。関節窩球システム1600は、少なくとも1つの第1チャネル1652が(例えば、係合領域1662、1664及びチャネル1628、1652の構成に基づいて)インサート構成要素1610の少なくとも1つの第1チャネル1628に平行であるように構成されてもよい。
ここで図31A〜31Cを参照すると、いくつかの実施形態では、関節窩球システム1700は、インサート構成要素1710と、関節窩球1760と、ベースプレート1780と、を含む。関節窩球システム1700は、関節窩球システム1400、1500、及び1600に類似していてもよい。インサート構成要素1710は、角度付き第1表面1720を含む。例えば、インサート構成要素1710は、少なくとも1つのチャネル1721のチャネル軸線1722と、チャネル軸線1722と同じ平面内にあってそれと交差する空洞軸線1724(空洞1724の)との間に画定された角度αが垂直であるか又はほぼ垂直(例えば、120度未満、105度未満、90度未満、75度未満、45度超かつ120度未満、若しくはこれらの様々な組合せ)であるように構成されてもよい。
ここで図32を参照すると、いくつかの実施形態では、関節窩球システム1800は、インサート構成要素1810と、関節窩球1860と、ベースプレート1880と、を含む。関節窩球システム1800は、インサート構成要素1810の構成を除いて、本明細書に記載した様々な関節窩球システム(例えば、関節窩球システム1400、1500、1600、1700)に類似していてもよい。図32に表すように、インサート構成要素1810は、第1表面1812と、第2表面1816と、第3表面1820と、を含む。第2表面1816は、第1表面1812から間隔を空けており、それと平行である。第3表面1820は、第1表面1812及び第2表面1820から延在し、そして、ベースプレート1880のリム表面1881を受け取るように形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、第1表面1812と第2表面1816とは、連続した(例えば、チャネルのための開口又はインサート構成要素1410に関して記載したような空洞等の開口を欠いている)表面を形成する。
ここで図33を参照すると、いくつかの実施形態では、関節窩球システム1900は、インサート構成要素1910と、関節窩球1960と、ベースプレート1980と、を含む。関節窩球システム1900は、インサート構成要素1910の構成を除いて、明細書に記載した様々な関節窩球本システム(例えば、関節窩球システム1400、1500、1600、1700、1800)に類似していてもよい。図33に表すように、インサート構成要素1910は、インサート構成要素1810に類似していてもよく、そして、少なくとも1つの骨固定部材1902を受け取るように構成された少なくとも1つのチャネル1928を含んでもよい。
ここで図34を参照すると、いくつかの実施形態では、関節窩球システム2000は、インサート構成要素2010と、関節窩球2060と、ベースプレート2080と、を含む。関節窩球システム2000は、インサート構成要素2010の構成を除いて、本明細書に記載した様々な関節窩球システム(例えば、関節窩球システム1400、1500、1600、1700、1800、1900)に類似していてもよい。図34に表すように、インサート構成要素2010は、インサート構成要素1910に類似していてもよく、そして、第2表面2016から間隔を空け、それに対してある角度が付いている第1表面2012を含んでもよく(例えば、第1表面2012に平行な平面は、第2表面2016に平行な平面と鋭角で交差してもよく)、それが、関節窩球システム2000を対応する肩甲骨幾何形状に確保するのを容易にしてもよい。
ここで図35A〜35Bを参照すると、いくつかの実施形態では、関節窩球システム2100は、複数のインサート構成要素2110と、関節窩球2160と、ベースプレート2180と、を含む。関節窩球システム2100は、本明細書に記載した様々な関節窩球システム(例えば、関節窩球システム1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000)に類似していてもよく、そして、複数のインサート構成要素を提供するように構成されている。図35A〜35Bに表すように、関節窩球2160は、第1表面2164と、第2表面2168と、平板係合領域2172から半径方向外向きに間隔を空け、これを囲んでいてもよい複数のインサート係合領域2176と、を含む。複数のインサート係合領域2176は、対応するインサート構成要素2110を係合するように構成されてもよい。図35Aに表すように、インサート構成要素2110は、(例えば、インサート構成要素1910と同様に)骨固定部材を受け取るためのチャネルを含んでもよく、一方、図35Bに表すように、インサート構成要素は、インサート構成要素1810と同様に、連続した(例えば、チャネルが無い)表面を含んでもよい。