JP2020525763A - 脂肪性肝炎の検出に用いられる標的マーカーgp73及び検出方法 - Google Patents

脂肪性肝炎の検出に用いられる標的マーカーgp73及び検出方法 Download PDF

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Abstract

脂肪肝患者において単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断するための新しい血清学的標的マーカーGP73及びその検出使用方法。血清学的標的マーカーGP73及びその使用は、金標準肝穿刺の代わりに脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断するために使用することができ、検査による患者の苦痛を減軽でき、脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎の臨床鑑別診断、単純性脂肪肝と脂肪性肝炎の治療に対する補助に対して、極めて高い臨床応用価値を有する。【選択図】図11

Description

本発明は、脂肪性肝炎のインビトロ検出に用いられる新しいマーカー及び検出方法に関し、バイオテクノロジー及び体外診断の細分化分野に属する。
脂肪肝は、様々な原因に引き起こされ、脂肪が肝細胞内に異常に多く蓄積する病変である。正常なヒト肝臓組織には少量の脂肪があり、その重量が肝臓重量の約4%〜5%であり、脂肪量が5%を超えると軽度脂肪肝になり、10%を超えると中度脂肪肝になり、25%を超えると重度脂肪肝になる。脂肪肝は、現在最も一般的な慢性肝疾患の一つであり、先進国と一部の発展途上国で発生率が30%を超えており、重要な公衆衛生問題となり、人々の健康を深刻に脅かしている。脂肪肝は、単純性脂肪肝、脂肪性肝炎、肝線維症、肝硬変などの主な病理学的段階を含む。脂肪肝の単純性脂肪肝は良性であり、飲食や運動などを調節することにより治ることができ、特定の治療を受ける必要がない。脂肪性肝炎の場合は、適時に治療を受けないと、疾患の進行につれて肝線維症、肝硬変、肝臓がんに進行する恐れがある。脂肪性肝炎から肝線維症、ひいては肝がんへ進行する発症率は、ウイルス性肝炎の発症率に相当することが報告されている。脂肪性肝炎は人々の健康にとって深刻な脅威であり、現在、脂肪肝は、主にB超音波、CT、MRIなどのイメージング検査によって検出されている。しかし、イメージング検査では、単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を区別できないので、脂肪性肝炎の診断は依然として肝穿刺検査により行われている。しかし、肝穿刺検査は、患者により大きな肉体的及び精神的負担をもたらし、脂肪性肝炎の診断及び日常的な検査に不利である。
ゴルジタンパク質73(特に指定がない限り、以下GP73と略する)は、ゴルジ糖タンパク質であり、2000年にKladneyらが成人巨細胞性肝炎の病因を研究していたときに発見した新しい膜貫通糖タンパク質であり、ゴルジII型膜タンパク質(Golph2)及びゴルジ膜タンパク質I(Golm1)とも呼ばれ、相対分子量が73000kDaである。GP73は、正常な肝細胞内で発現されないか又は少量発現される。近年の研究により、GP73は、肝線維症、肝硬変及び肝がんなどの多くの肝臓疾患では高度に発現され、分泌されて血清に入ることができ、肝がん患者でのGP73の上昇が最も顕著であるため、肝がんの早期診断に好適なマーカーの一つであり、その感度と特異性がいずれもAFPよりも優れている。
中国特許CN101735319A(北京熱景生物技術股分有限公司、発明の名称:抗GP73タンパク質モノクローナル抗体、その製造方法及び使用)には、抗ゴルジタンパク質GP73モノクローナル抗体、GP73用いる酵素免疫定量検出キット及び迅速診断キットが開示され、正常な人と肝疾患の患者のGP73含有量の臨界値は40ng/mlであり、良性肝疾患患者と悪性肝疾患患者のGP73の含有量の臨界値は100ng/mlであることが開示されている。
中国特許CN101407544A(発明の名称:抗ゴルジタンパク質モノクローナル抗体及びその使用)には、抗GP73モノクローナル抗体及びこのモノクローナル抗体を用いる肝がん検査の酵素免疫試薬、免疫沈降、ウェスタンブロット、免疫組織化学などにおける使用が開示されている。
中国特許第CN104215761A(発明の名称:血清における抗GP73抗体の検出キット)には、肝がん検査に用いられる血清における抗GP73抗体を検出する酵素免疫キットが開示されている。
近年、GP73及び関連応用研究は、主に肝がんの早期診断分野に集中し、GP73に関する特許出願も主にGP73及びその抗体を用いる肝がん検査の体外診断キットの分野に集中しており、GP73を用いる単純性脂肪肝と脂肪性肝炎の鑑別診断に関する研究及び応用についての報告及び関連特許出願がない。本発明者は、数多くの臨床サンプルに対する研究と分析により、を十分に証明した。GP73が脂肪肝患者において単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断するための優れた血清マーカーであり、脂肪性肝炎の診断及び鑑別には重要な臨床応用価値がある。
現在、臨床的には、肝穿刺により脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断しており、患者に巨大な苦痛をもたらしている。従来のイメージング検査技術及び血清学的検査技術により脂肪肝患者において単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断できない問題を解決するために、本発明は、脂肪肝患者において単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断するための新しい血清学的標的マーカーGP73を提供し、さらに脂肪肝患者において単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断するためのGP73検出キット、検出方法及びその判定基準を提供する。
本発明は、脂肪肝患者に対して単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断するための新しい血清学的標的マーカーGP73、及び体外診断用検出サンプルにおけるGP73含有量の測定方法を提供する。
本発明は、脂肪肝患者において単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断するための血清学的体外診断検出キット、体外診断検出キットを用いるGP73の検出方法及びその判定基準をさらに提供する。
本発明の実施形態において、GP73検出方法の原理は、抗原抗体結合反応に基づく免疫学的検出方法の原理であり、好ましくは、化学発光法、酵素結合免疫法、免疫クロマトグラフィー法のいずれか1種を採用する。
本発明のいくつかの実施形態において、前記化学発光法は、化学発光法、磁性粒子化学発光法、電気化学発光法、酵素化学発光法、時間分解化学発光法の少なくとも1種である。
本発明のいくつかの実施形態において、前記酵素結合免疫法は、酵素結合免疫法、免疫濾過法、プロテインチップ法の少なくとも1種である。
本発明のいくつかの実施形態において、前記免疫クロマトグラフィー法は、アップコンバージョン発光免疫クロマトグラフィー法、ラテックス免疫クロマトグラフィー法、コロイド金免疫クロマトグラフィー法、発光免疫クロマトグラフィー法、量子ドット免疫クロマトグラフィー法の少なくとも1種。
本発明のいくつかの実施形態において、GP73の検出サンプルは、脂肪肝患者の血液サンプルである。前記血液サンプルの検出結果は、脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎の鑑別診断に用いられる。
本発明のいくつかの実施形態において、GP73血清学的体外診断検出キットは、脂肪肝患者に対して単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断する判定カットオフ値(cutoff value)が82.25ng/mlである。
従来技術に比べて、本発明は、脂肪肝患者に対して単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断する新しい血清学的標的マーカーGP73を提供し、さらに脂肪肝患者において単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断するためのGP73検出方法及びその判定基準を提供することにより、従来のイメージング検査技術及び血清学的検出技術により脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断できない問題が解決され、脂肪性肝炎の診断及び治療に根拠を提供するとともに、検出サンプルが血液サンプルであることにより、脂肪性肝炎の肝穿刺検査による患者の苦痛が大幅に減軽され、脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎の鑑別に対して重要な臨床診断値及び臨床的意義を有する。
200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬を用いた検出結果の絶対バイアス図である。 200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の絶対バイアス図である。 200例のGP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の絶対バイアス図である。 200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬を用いた検出結果の相対バイアス図である。 200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の相対バイアス図である。 200例のGP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の相対バイアス図である。 前記200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬の検出結果の線形相関性である。 前記200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の検出結果の線形相関性である。 前記200例のGP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の検出結果の線形相関性である。 ROC曲線分析図である。 GP73検出結果のデータ分布図である。 臨床一致性の分析図である。
以下、図面及び実施例を参照しながら本発明をさらに詳しく説明する。本明細書の好ましい実施例は、本発明を解釈するものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ使用され、本発明を限定することを意図するものではないことを理解されたい。本明細書の数値範囲については、範囲の上限と下限の間の各中間値も具体的に開示されていることを理解されたい。本明細書での記載値若しくは記載範囲内の中間値、及び他の記載値若しくは前記範囲内の中間値の間の各小さい範囲も、すべて本発明の範囲内に含まれる。これらの小さい範囲の上限と下限は、独立して範囲に含まれたり除外されたりすることができる。
別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明は、好ましい実験方法、アッセイ、又は試験のみを記載しているが、本明細書に記載のものと類似又は同等の任意の方法も、本発明の実験、アッセイ、又は試験において使用することができる。本明細書で言及されるすべての文献は、前記文献に関連する方法又は実験を開示及び説明するために参照により組み込まれる。組み込まれた文献と矛盾する場合は、本明細書の内容が優先される。
本発明において、文脈上特に明確に示されていない限り、用語には単数形と複数形の両方が含まれる。本発明に記載の「少なくとも1つ」又は「少なくとも1種」は、「1つ」又は「1種」を含むだけではなく、「複数個」又は「複数種」も含む。
GP73標的マーカー及びGP73検出方法、判定基準が提供される。抗GP73タンパク質抗体を用いて抗原抗体結合反応の免疫学的検出方法(化学発光法、酵素結合免疫法、免疫クロマトグラフィー法を含む)に基づく検出試薬、及び前記方法の改良法の任意方法に基づく定量検出試薬を調製する。前記定量試薬により検出されるサンプルは、脂肪肝患者の血液サンプルであり、血清、血漿、全血のいずれか1種であり得る。前記血液サンプルの検出結果は、脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎の鑑別診断に用いられる。
本発明のGP73の測定方法は、試薬の使用を含み、前記試薬に抗体が含まれるが、これに限定されない。前記抗体は、具体的にモノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及び抗体断片(例えば、抗体における所望の生物学的活性を示す可変領域及び他の部分)を含む。用語「モノクローナル抗体(mAb)」とは、高度特異性を有し、単一の抗原決定基(エピトープ)に対する抗体をいう。従って、用語「モノクローナル」とは、同じエピトープに対する抗体を指し、特定の方法により抗体を産生する必要があると解釈されるべきではない。モノクローナル抗体は、当分野で知られている任意の技術又は方法により製造できることが理解されるべきである。例えば、ハイブリドーマ法(Kohler et al.,1975,Nature256:495)、当分野で知られている組換えDNA法(米国特許第4,816,567号)、又は使用ファージ抗体ライブラリーを用い、以下の文献に記載の技術により分離し、組換えの方式でモノクローナル抗体を生産する方法(Clackson et al.,1991,Nature 352:624−628;Marks et al.,1991,J.Mol.Biol.222:581−597)を含む。
本発明において、「抗体断片」とは、完全抗体と異なる分子を指し、完全抗体の一部を含み、完全抗体が結合する抗原に結合する。抗体断片の例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、二重抗体、線形抗体、一本鎖抗体分子(例えばscFv)、及び抗体断片で形成される多重特異性抗体が含まれるが、これらに限定されない。
本発明に記載の試薬は、他の試薬をさらに含む。前記他の試薬の例には、ABC希釈液、TMB発色液、TMB停止液、洗浄液などを含む。いくつかの実施形態において、上記の物質のいずれかは、使用中に互いに接触できる限り、他の物質と独立して異なる容器(例えば、バイアル)に別々に保管されてもよい。上記物質のいずれか2つ以上は混合されて混合物として存在できることが好ましい。
いくつかの実施形態において、前記他の試薬は、それぞれ乾燥粉末又は溶液(例えば、水溶液の状態)として提供されてもよい。水溶液の状態で存在する場合において、これらの物質の濃度又は含有量は、当業者が異なる需要に応じて簡単に確定することができる。例えば、保存を目的とする場合、前記物質は高濃度で存在することができ、作業状態又は使用状態である場合、例えば、前記高濃度の溶液を希釈することにより濃度を作業濃度に低くすることができる。
本発明において、GP73の測定試薬は、さらに脂肪肝を罹患している被験体に対して単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別するための診断剤に調製され得る。前記診断剤は、診断組成物、診断キットの形態であってもよいか、又は単独して存在する複数の試薬の併用などの他の形態であってもよい。
(実施例1)
抗GP73タンパク質抗体の製造
抗GP73タンパク質抗体は、既存の特許技術を参照して製造されてもよく、市販されている抗GP73タンパク質抗体から選択されておもよく、又は既知の技術により製造されてもよい。製造又は選択されたモノクローナル抗体は、脂肪肝患者の血液サンプルにおけるGP73の正確定量測定及び結果判定に適用できる。
本発明をよりよく説明するために、本発明のいくつかの実施形態に記載の抗GP73タンパク質抗体は、北京熱景生物技術股分有限公司の特許技術(「抗GP73タンパク質モノクローナル抗体、その製造方法及び使用」CN101735319 B)に記載の抗GP73タンパク質抗体の製造方法に従って製造された抗GP73タンパク質抗体を使用することが好ましい。前記抗GP73タンパク質抗体の製造に用いられるハイブリドーマ細胞株(3E12株)は、2008年11月11日に保蔵番号CGMCC No.2742で中国普通微生物菌種保蔵管理センター(CGMCC)に寄託されている。
モノクローナル抗体の調製
成年BALB/cマウスにプリスタン又は流動パラフィンを0.3−0.5ml/匹で腹腔内接種し、7−10日後、PBS又は無血清培地で希釈した3E12株のハイブリドーマ細胞株を5×10/0.2ml/匹で腹腔内接種した後、マウスの腹水産生状況を毎日観察し、腹部が顕著に膨張するとき、つまり、手で触ると皮膚のハリ感を感じるときに、約3ml/匹で腹水を収集し、腹水を2000r/minで5分間遠心分離することで細胞成分及び沈殿物を除去し、上清を回収し、組換えproteinGプレパッククロマトグラフィックカラムにより精製し、抗GP73モノクローナル抗体を得た。
(実施例2)
化学発光法用検出試薬の製造
前記化学発光法は、化学発光法、磁性粒子化学発光法、電気化学発光法、酵素化学発光法、時間分解化学発光法及びその改良法の少なくとも1種である。異なる化学発光法の間は、標識粒子及び分離方法のみが異なり、反応原理が同じであり、抗GP73タンパク質抗体の濃度を最適化処理することにより、いずれも脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を正確で定量的に検出鑑別することができ、脂肪性肝炎の診断と治療を補助する目的を達成できる。GP73化学発光法用検出試薬の製造は、成熟した化学発光法製造技術を採用し、当該技術を最適化することにより優れた検測結果が得られる。
本発明をよりよく説明するために、本発明のいくつかの実施形態において、前記化学発光法は、磁性粒子化学発光法であることが好ましい。磁性粒子化学発光法用検出試薬の製造は、北京熱景生物技術股分有限公司の関連特許技術に従って行うことができる。前記抗体は、実施例1に記載の抗GP73タンパク質抗体である。
1.GP73磁性粒子化学発光法用検出試薬のGP73分離試薬の調製
前記GP73分離試薬は、磁性粒子と抗GP73タンパク質抗体とを反応させてリンカーを形成し、一定の濃度で緩衝液を加えることにより製造される。具体的なステップは以下の通りである。
磁気ビーズを均一に混合した後、磁場を印加して上清を除去し、コーティング緩衝液で磁気ビーズを1回洗浄した後、活性化剤(カルボジイミド)を加え、常温で30分間振盪反応させた後、上清を除去し、コーティング緩衝液及び適量の抗GP73タンパク質抗体を加え、常温で3時間振盪し、反応終了後、ブロッキング液を加えて振盪し、最後に洗浄液を加え、洗浄した後、保存液を加え、一晩保存する。
前記コーティング緩衝液は、0.1mol/LのMES緩衝液(pH5.0)である。
前記活性化剤カルボジイミドの最終濃度は0.01−0.1g/mlである。
前記抗GP73タンパク質抗体の最適濃度は10−100ug/mg磁気ビーズである。
コーティング終了後、磁場を印加して上清を捨て、約10倍体積のブロッキング液を加え、常温で少なくとも1時間振盪する。
前記ブロッキング液の主成分は、50mMのTris緩衝液、1−5%BSA溶液、0.1%防腐剤であり、pH7.4である。
ブロッキング終了後、磁場を印加して上清を捨て、約10倍体積の洗浄液を加えて洗浄する。
前記洗浄液の主成分は、0.02MのPBS、100nM塩化ナトリウム溶液、0.5−1%のツイーン(TWEEN)−20溶液である。
洗浄終了後、磁場を加えて上清を捨て、10倍体積の磁性粒子保存液を正確に加え、抗DCPモノクローナル抗体の磁性粒子をGP73分離試薬として保存する。
前記保存液の主成分は、0.02−0.1MのPBS溶液、1%−5%のBSA溶液、0.1%の防腐剤、0.5−3%のグリシン溶液であり、pH7.4である。
2.GP73磁性粒子化学発光法用検出試薬の製造
前記検出試薬は、アルカリホスファターゼで標識された抗GP73タンパク質抗体を一定の濃度で緩衝液に加えて調製される。
本発明をよりよく説明するために、コーティング抗体に対応して、アルカリホスファターゼ標識抗体は、抗GP73タンパク質抗体であることが好ましい。この製造方法は、本発明を説明するものに過ぎず、標識抗体の製造及び使用を制限するものではない。
抗GP73タンパク質抗体との質量比が1/4〜1/1のアルカリホスファターゼを取り、アルカリホスファターゼ溶液と等体積のNaIO(12.8mg/ml、4℃使用時に調製)を加え、4℃、暗所で30分間反応させた後、アルカリホスファターゼ溶液と等体積のエチレングリコール溶液を加え、4℃、暗所で45分間反応させ、抗GP73タンパク質抗体を加え、さらに混合液の体積の1/40〜1/10のCBS標識緩衝液(0.05mol/L、pH9.6)を加え、4℃、暗所で一晩透析し、最後に硫酸アンモニウム溶液を加え、2時間反応させ、遠心分離し、上清を捨て、沈殿を0.01mol/LのPBSで溶解した後、4℃、暗所で一晩透析し、その後、等体積のグリセリンを加えて均一に混合した後、−20℃で保存する。
所定の割合(推奨濃度≧1:1000)でアルカリホスファターゼで標識された抗GP73タンパク質抗体を保存液に加え、均一に混合することで、GP73標識抗体を検出試薬として得る。
3.GP73磁性粒子化学発光法用検出試薬の洗浄液の製造
前記洗浄液の主成分は、0.1MのTris緩衝液、0.1−1%のツイーン溶液、0.1%の防腐剤である。
4.GP73磁性粒子化学発光法用検出試薬のキャリブレーション溶液の製造
前記GP73キャリブレーション溶液は、検査に合格したGP73抗原をキャリブレーション生産希釈液に加え、凍結乾燥させることにより製造される。
前記キャリブレーション生産希釈液は、1−5%のBSA溶液、1−5%のトレハロース溶液、10−50%の新生児ウシ血清溶液を含む。高抗体価のGP73抗原凍結乾燥液を最適濃度となるまで段階希釈し、検出した後、凍結乾燥機で凍結乾燥させる。ここで、予備凍結時間は2hであり、真空引き時間は16−24時間である。
5.GP73磁性粒子化学発光法用検出試薬の製造
GP73分離試薬、GP73検出試薬、GP73洗浄液、GP73基質液をプロセス又は明細書の要求に従ってそれぞれ対応サイズの試薬瓶、又はストリップ試薬の試薬ストリップの対応孔に充填した後、密封する。充填された試薬は、キャリブレーション溶液、消耗材反応タンク、使い捨てサンプリングヘッドなどと共にGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬を構成する。前記試薬は、北京熱景生物技術股分有限公司製のMQ60シリーズ自動免疫分析装置に適用できる。
(実施例3)
GP73酵素結合免疫法用検出試薬(96人分)の製造
前記酵素結合免疫法は、酵素結合免疫吸着法、ドット免疫濾過法、磁性粒子酵素結合免疫法分析、酵素結合免疫蛍光測定法及びプロテインチップ法の少なくとも1種、又は酵素結合免疫の改良法の少なくとも1種である。異なる酵素結合免疫法の間は、担体のみが異なり、反応原理が同じであり、抗GP73タンパク質抗体の濃度を最適化処理することにより、いずれも脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を正確で定量的に検出鑑別することができ、脂肪性肝炎の診断と治療を補助する目的を達成できる。GP73酵素結合免疫法用検出試薬の製造は、成熟した酵素結合免疫法製造技術を採用し、当該技術を最適化することにより優れた検測結果が得られる。
本発明をよりよく説明するために、本発明のいくつかの実施形態において、前記酵素結合免疫法は、酵素結合免疫吸着法であることが好ましい。酵素結合免疫法用検出試薬の製造は、北京熱景生物技術股分有限公司の関連特許技術に従って行うことができる。前記抗体は、実施例1に記載の抗GP73タンパク質抗体である。
GP73酵素結合免疫法用検出試薬(96人分)の組成は、GP73標準品5瓶、抗GP73タンパク質抗体コーティングプレート(96ウェル)1枚、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識された抗GP73タンパク質抗体1瓶(10ml/瓶)、発色液A 1瓶(5ml/瓶)、発色液B 1瓶(5ml/瓶)、停止液1瓶(5ml/瓶)洗液(20×濃縮)1瓶(50ml/瓶)を含む。
1.GP73酵素結合免疫法用検出試薬の標準品の製造
高抗体価GP73抗原を、0、20ng/ml、40ng/ml、100ng/ml、250ng/mlの異なる濃度で2%のBSA溶液に希釈し、最終濃度が0.1%になるまで防腐剤procline300を加え、濾過して除菌し、無菌の条件下、0.5ml/バイアルで1.5mlのバイアルに分注する。4℃で保存する。
2.抗GP73タンパク質抗体コーティングプレート(96ウェル)の製造
ELISA用プレートは、12×8又は8×12の分割可能なストリップタイプのELISA用プレートを採用する。抗GP73タンパク質抗体を0.05mol/L、pH9.5の炭酸塩緩衝液で10−50μg/mlに希釈した後、100μl/ウェルでELISA用プレートの各ウェルに加え、一晩吸着させ、洗浄緩衝液(PBST溶液、20mmol/LPBS、0.5%ツイーン−20を含み、pH7.4)でプレートを洗浄し、120μl/ウェルのブロッキング液緩衝液(2%BSA、PBST溶液に希釈)で一晩ブロッキングした後、ブロッキング液を捨て、乾燥させ、抗GP73タンパク質抗体コーティングプレート(96ウェル)を得、アルミホイルバッグで真空密閉包装する。
3.西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識された抗GP73タンパク質抗体の製造(全過程は暗所で処理する)。
HRPを5mg秤量し、ddHOを250μl加えて溶解し、NaIOを5mg秤量し、ddHOを250μl加えて溶解し、20mg/mLの濃度に調製する。HRP溶液にNaIO溶液を一滴ずつ滴下し、滴下しながら撹拌し、混合した溶液を4℃で30分間静置する。5mlエチレングリコールを25μlのddHOに溶解したものを前記混合溶液に一滴ずつ滴下し、HRP最終濃度が10mg/mlになるまで滴下しながら撹拌し、室温で30分間静置する。
抗GP73タンパク質抗体の濃度を約5mg/mlに調整し、抗GP73タンパク質抗体とHRPとを1:4で混合し、50mmol/Lの炭酸塩緩衝液(pH9.5)中で6時間以上透析し、最初の2時間に緩衝液を1回交換する。
新たに調製した1mgのNaBH溶液で反応を停止させ、均一に振った後、4℃で2時間静置し、30分ごとに振る。
10mMのPBS(pH7.2)(予め0.01mol/LのNaHPOとNaHPOのストック溶液を調製し、必要なpH値に応じて両者を均一に混合してPBS緩衝液を形成する)で一晩透析し、緩衝液を1回交換する。
HRP標識抗GP73タンパク質抗体溶液を飽和硫酸アンモニウム溶液で一晩透析した後、限外濾過チューブにより12000rpmで遠心分離し、濃縮された精製HRP標識抗GP73タンパク質抗体を得る。
HRP標識抗GP73タンパク質抗体を10%ウシ胎児血清含有緩衝液(20mmol/LのPBS)で適切な作業濃度(推奨希釈濃度≧1:500)に希釈し、10ml/瓶で分注し、4℃で保存する。
4.発色液Aの調製
リン酸−クエン酸緩衝液(50mmol/L、PH5.0)で3%過酸化水素溶液を調製し、5ml/瓶で分注する。
5.発色液Bの調製
TMB(0.1mg/ml)メタノール溶液を5ml/瓶で分注する。
6.停止液の調製
2mol/LのHSOを5ml/瓶で分注する。
7.洗浄液(20倍濃縮液)
PBS(pH7.4)で調製された1%ツイーン20溶液を50ml/瓶で分注する。
GP73標準品、抗GP73タンパク質抗体コーティングプレート、HRP標識抗GP73タンパク質抗体、発色液A、発色液B、停止液1瓶、洗浄液(20×濃縮)を用いて要求に従ってGP73酵素結合免疫法用検出試薬(96人分)を調製する。
(実施例4)
GP73酵素結合免疫法用検出試薬(96人分)の使用方法は、以下のステップを含む。
1.洗浄緩衝液の調製:濃縮緩衝液に20倍の精製水を加えて希釈する。
2.標準品の準備:標準品は、0、20ng/ml、40ng/ml、100ng/ml、250ng/ml の5つの異なる濃度を含む。
3.抗原−抗体反応:抗体コーティングプレートのマイクロウェルにそれぞれ100μlのサンプル希釈液を加えた後、異なる濃度の標準品又は測定血清サンプルを10μl加え、37℃で30分間インキュベートし、洗浄緩衝液でプレートを4回洗浄する。
4.酵素結合反応:各ウェルに100μlのHRP標識抗GP73タンパク質抗体溶液を加え、37℃で30分間インキュベートした後、洗浄緩衝液でプレートを4回洗浄する。
5.呈色反応:各ウェルに順に50μlの発色液A、50μlの発色液Bをそれぞれ加え、37℃で10分間インキュベートし、さらに各ウェルに50μlの停止液を加えて反応を停止させる。
6.比色:ブランク対照ウェルの吸光度でゼロ調整した後、マイクロプレートリーダーにより450nmでOD平均値を測定し、各ウェルの吸光度を記録し、ダブルウェル標準品OD値の平均値を計算する。
7.結果計算
1)標準曲線の描画:標準品濃度を横座標、標準品の測定された平均OD値を縦座標として本測定の標準曲線を描き、標準曲線の回帰係数R2を計算し、R2≧0.98である場合、本実験は有効である
2)測定用サンプル濃度の計算:測定用サンプルのOD値に基づいて標準曲線からGP73濃度を算出する。
(実施例5)
免疫クロマトグラフィー法は、アップコンバージョン発光免疫クロマトグラフィー法、ラテックス免疫クロマトグラフィー法、コロイド金免疫クロマトグラフィー法、発光免疫クロマトグラフィー法、量子ドット免疫クロマトグラフィー法の少なくとも1種である。
GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の製造
前記免疫クロマトグラフィー法は、アップコンバージョン発光免疫クロマトグラフィー法、ラテックス免疫クロマトグラフィー法、コロイド金免疫クロマトグラフィー法、発光免疫クロマトグラフィー法、量子ドット免疫クロマトグラフィー法又は免疫クロマトグラフィー法の改良法の少なくとも1種である。異なる免疫クロマトグラフィー法の間は、標識粒子のみが異なり、反応原理が同じであり、抗GP73タンパク質抗体の濃度を最適化処理することにより、いずれも脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を正確で定量的に検出鑑別することができ、脂肪性肝炎の診断と治療を補助する目的を達成できる。GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の製造は、成熟した免疫クロマトグラフィー法製造技術を採用し、当該技術を最適化することにより優れた検測結果が得られる。
本発明をよりよく説明するために、本発明のいくつかの実施形態において、前期免疫クロマトグラフィー法は、アップコンバージョン発光免疫クロマトグラフィー法であることが好ましい。酵アップコンバージョン発光免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の製造は、北京熱景生物技術股分有限公司の関連特許技術に従って行うことができる。前記抗体は、実施例1に記載の抗GP73タンパク質抗体である。
GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の製造
1.コーティング
抗GP73タンパク質抗体を2mg/mlに希釈してTラインコーティング液とし、ヤギ抗マウスIgGを2mg/mlに希釈してCラインコーティング液とし、スプレー機によりTラインコーティング液及びCラインコーティング液コーティングをニトロセルロース膜にラインコーティングし、乾燥させ、モノクローナル抗体でコーティングされたフィルムストリップを得る。
2.アップコンバージョン発光粒子(UCP)標識抗体
10mgのUCP粒子を秤量して三角フラスコに入れ、10ml、pH=7.2、0.20MのPB溶液を加え、UCP粒子懸濁液を調製し、その後、0.5−2mgの抗GP73タンパク質抗体を加え、さらに最終濃度が1%となるまで無水グルタルアルデヒドを加え、37℃で一晩撹拌し、12000rpm、4℃で15分間遠心分離し、上清を捨て、UCP沈殿物に10ml、pH=7.2、0.20MのPB溶液を加え、均一に混合し、12000rpm、4℃で15分間遠心分離し、上清を捨て、UCP沈殿物を回収する。
3.GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の凍結乾燥コンジュゲートパッドの製造
50ml、pH=7.2、0.20MのPB溶液でUCP沈殿物を再懸濁し、UCP標識物懸濁液を調製し、12000rpm、4℃で30分間遠心分離した後、上清を捨て、45mlの凍結乾燥液(pH=7.20、20MのPB、2%BSA、3%スクロース)を加え、UCP標識物懸濁液を2−5cm2/mlでガラス繊維上に加え、11時間真空凍結乾燥させ、凍結乾燥したコンジュゲートパッドを幅が1cmのストリップにカットし、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の凍結乾燥コンジュゲートパッドを得る。
4.試験紙ストリップの組み立て
順にニトロセルロース膜、吸水紙、コンジュゲートパッド、サンプルパッドをベースプレートに貼り付け、幅が4.0mmの紙ストリップにカットした後、プラスチックカードの底ケースに入れ、プラスチックカードの上ケースでカバーし、圧密し、乾燥剤を加え、密封包装する。
5.サンプル希釈液の調製
サンプル希釈液の成分は、0.20MのPB溶液(pH=7.2)及び1%ツイーン20である。
6.組み立てられたGP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬ストリップ及びサンプル希釈液は共同でGP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を構成し、北京熱景生物技術股分有限公司のUPT−3Aシリーズのアップコンバージョン発光免疫分析装置と共に使用できる。
(実施例6)
GP73定量検出サンプルの準備
前記検出サンプルは、いずれも臨床サンプルに由来し、明確な臨床診断の背景(脂肪肝)を有する。
前記臨床的に脂肪肝と診断されたサンプルは合計200例であり、脂肪性肝炎と診断された肝疾患進行サンプル(脂肪性肝炎に引き起こされる肝線維症サンプル及び肝硬変サンプルを含むが、肝がん患者サンプルを含まない。以下、脂肪性肝炎サンプルと略す)の血清/血漿サンプル63例、及び単純性脂肪肝と診断された脂肪肝サンプル137例を含む。
全血サンプルは、長時間保存されにくいため、長期コホートサンプルを構築して検出分析を行うのに適しておらず、本発明の上記実施例では分析されていないが、本発明に基づいて改良されるGP73の全血検出に適し、脂肪肝患者において単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断するためのGP73の検出方法及びその判定基準は、本発明の保護範囲内に含まれると見なられるべきである。
(実施例7)
それぞれGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬により臨床的に脂肪肝と診断されたサンプル200例を検出し、検出結果をそれぞれまとめて分析する。
1.異なる方法の検出結果の分析
GP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の検出結果の絶対バイアス、絶対バイアス及び線形相関性を統計分析し、異なる方法の間の偏差状況を判断する。
a.絶対バイアス分析
「方法比較及び偏差評価方法NCCLS EP9−A」に規定の方法及び基準に基づいて、全てのサンプルの絶対偏差を計算する。
前記200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬を用いた検出結果の最大絶対偏差は20.08であり、200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬を用いた検出結果の平均絶対偏差の4倍、即ち20.22よりも小さい。図1は、200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬を用いた検出結果の絶対バイアス図である。
前記200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の最大偏差は20.92であり、200例GP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の平均絶対偏差の4倍、即ち20.10よりも小さい。図2は、200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の絶対バイアス図である。
前記200例のGP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の最大絶対偏差は17.43であり、GP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の平均絶対偏差の4倍、即ち19.03よりも小さい。図3は、200例のGP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の絶対バイアス図である。
上記分析の結果から分かるように、GP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の絶対偏差は、いずれもNCCLS EP9−Aに規定の範囲内にあり、この3つの方法の間には顕著な偏差がない。
b.相対バイアス分析
「方法比較及び偏差評価方法NCCLS EP9−A」に規定の方法及び基準に基づいて、全てのサンプルの相対偏差を計算する。
前記200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬を用いた検出結果の最大相対偏差は30.89%であり、200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬を用いた検出結果の平均相対偏差の4倍、即ち32.36%よりも小さい。図4は、200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬を用いた検出結果の相対バイアス図である。
前記200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の最大相対偏差は33.91%であり、200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の平均相対偏差の4倍、即ち33.98%よりも小さい。図5は、200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果相対バイアス図である。
前記200例のGP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の最大相対偏差は30.48%であり、いずれもGP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の平均相対偏差の4倍、即ち30.55%よりも小さい。図6は、200例のGP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の相対バイアス図である。
上記分析の結果から分かるように、GP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果の相対偏差は、いずれもNCCLS EP9−Aに規定の範囲内にあり、この3つの方法の間には顕著な偏差がない。
c.線形相関性の分析
前記200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬を用いた検出結果は、Graphpad Prism 4.0ソフトウェアにより相関係数を算出した結果、R2=0.9927である。図7は、前記200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬の検出結果の線形相関性である。
前記200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果は、Graphpad Prism 4.0ソフトウェアにより相関係数を算出した結果、R2=0.9916である。図8は、前記200例のGP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の検出結果の線形相関性である。
前記200例のGP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬を用いた検出結果は、Graphpad Prism 4.0ソフトウェアにより相関係数を算出した結果、R2=0.9904である。図9は、前記200例のGP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の検出結果の線形相関性である。
絶対バイアス分析、絶対バイアス分析及び線形相関性分析の結果から分かるように、GP73が脂肪肝サンプルの検出分析に用いられる場合、GP73磁性粒子化学発光法用検出試薬、GP73酵素結合免疫法用検出試薬、GP73免疫クロマトグラフィー法用検出試薬の3種の方法は、脂肪肝サンプルに対する検出結果が良好な一致性を有する。
4.検出結果のカットオフ値の設定及び臨床一致性分析
a.カットオフ値の設定
GP73磁性粒子化学発光法用検出試薬を用いた検出結果を用い、200例の臨床背景を根拠とし、ROC曲線により分析したところ、用于脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎の鑑別診断におけるGP73のカットオフ値は82.25ng/mlである。図10は、ROC曲線分析図であり、図11は、GP73検出結果のデータ分析図である。
b.臨床一致性の分析
既知の臨床背景の結果(単純性脂肪肝:137例、脂肪性肝炎:63例)を用いて比較分析し、GP73の含有量82.25ng/mlを脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎の鑑別診断におけるカットオフ値とする場合の検出結果、単純性脂肪肝の一致率はいずれも86.86%であり、脂肪性肝炎の一致率はいずれも85.71%であり、総一致率は86.50%である。図12は、臨床一致性の分析図である。臨床背景が検出結果と一致しない偏差サンプルは、主に目標値が82.25ng/ml±20%の範囲にある。
本発明の実施例の分析から分かるように、血清学的標的マーカーGP73及びその使用は、脂肪肝患者において単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別診断するための優れた血清学的標的マーカーとして適用でき、GP73の含有量82.25ng/mlを脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎の鑑別診断におけるカットオフ値である場合、特異性は86.86%であり、感度は85.71%であるため、異なる検出方法の間の検出結果の一致性は高い。
血清学的標的マーカーGP73及びその使用は、脂肪肝患者の単純性脂肪肝と脂肪性肝炎の臨床鑑別診断、単純性脂肪肝と脂肪性肝炎の治療に対する補助に対して、極めて高い臨床応用価値を有する。
上記実施例は、本発明の好ましい実施例であり、上記のように、本発明に対する解釈として理解されるべきであり、本発明を制限するものではなく、他の実施形態が除外されると見なされるべきではなく、様々な他の形態の組み合わせ、修正に使用することができ、本発明の思想の範囲内で変更することができる。本発明の思想及び範囲内で当業者によって行われる修正及び変更はすべて、本発明の添付の特許請求の範囲内にあるものとする。

Claims (9)

  1. 脂肪肝を罹患している被験体において単純性脂肪肝と脂肪性肝炎を鑑別する方法であって、
    前記被験体に由来する測定用サンプルにおける標的マーカーGP73を測定するステップを含む、方法。
  2. 前記測定用サンプルにおける標的マーカーGP73の含有量とその標準含有量とを比較するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記測定用サンプルにおける標的マーカーGP73の含有量が前記標準含有量よりも低い場合、前記被験体が単純性脂肪肝を罹患していると鑑別し、
    前記測定用サンプルにおける標的マーカーGP73の含有量が前記標準含有量よりも高い場合、前記被験体が脂肪性肝炎を罹患していると鑑別する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記測定は、化学発光法、酵素結合免疫法及び免疫クロマトグラフィー法からなる群より選択されるいずれか1種の免疫学的方法により行われる、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記化学発光法は、磁性粒子化学発光法、電気化学発光法、時間分解化学発光法、標識強化化学発光法及び酵素化学発光法のうちの少なくとも1種である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記酵素結合免疫法は、酵素結合免疫吸着法、ドット免疫濾過法、磁性粒子酵素結合免疫法分析、酵素結合免疫蛍光測定法及びプロテインチップ法のうちの少なくとも1種である、請求項4に記載の方法。
  7. 前記免疫クロマトグラフィー法は、アップコンバージョン発光免疫クロマトグラフィー法、ラテックス免疫クロマトグラフィー法、コロイド金免疫クロマトグラフィー法、発光免疫クロマトグラフィー法、量子ドット免疫クロマトグラフィー法のうちの少なくとも1種である、請求項4に記載の方法。
  8. 前記測定用サンプルは、脂肪肝背景患者の血液サンプルであり、好ましくは血清又は血漿サンプルである、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記標準含有量は、カットオフ値82.25ng/mlである、請求項2又は3に記載の方法。
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